JP2014020933A - 部分放電試験装置および部分放電試験方法 - Google Patents

部分放電試験装置および部分放電試験方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 半導体素子のリードピンに電極を安定して電気的に接続させることが可能な部分放電試験装置および方法を提供する。
【解決手段】 部分放電試験装置1は、1次側リードピン5および2次側リードピン6を有する半導体素子3の部分放電試験を行うための装置である。弾性材料から成る支持体13が、両リードピン5,6の厚み方向7の一方側から、両リードピン5,6を支持する。支持体13に支持される両リードピン5,6の厚み方向7の他方側から、1次側リードピン5および2次側リードピン6に第1電極11および第2電極12を押当てられながら、両リードピン5,6の表面に沿って両電極11,12がスライド移動する。両リードピン5,6に両電極11,12が押当てられた状態で、第1電極11と第2電極12との間に、予め定める試験電圧が印加される。この結果、部分放電試験が実行される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体素子の製造工程で実行される部分放電試験を行うための部分放電試験装置および方法に関する。
従来技術の半導体素子の製造工程において、製造された半導体素子の良否判断のための検査の1つとして、絶縁耐圧試験が行われる。絶縁耐圧試験に関する従来技術が、特許文献1に開示される。
特許文献1に開示される絶縁耐圧選別装置は、リードを有する電気製品の耐電圧試験のための装置である。特許文献1の絶縁耐圧選抜装置において、検査対象の製品のリードと絶縁耐圧選別装置の電圧供給端子との間に所定の検査電圧以下で空気中放電を生じる程度の距離の隙間が形成されるように、装置の電圧供給端子に対して製品のリードが位置決めされる。位置決め後に装置の電圧供給端子に前記検査電圧を印加すると、製品が不良品であれば、不良品である製品のリードと装置の電圧供給端子との間に空気中放電が生じる。製品のリードと装置の電圧供給端子との間の放電の花火が観測されるか否かによって、製品が不良品であるか否かが判断される。
従来技術の半導体素子の製造工程において、耐電圧試験の他に、製造された半導体素子の潜在的不良や製造バラツキを検出するための試験の1つとして、部分放電試験が行われる。半導体素子の部分放電試験において、半導体素子のリードピンに電極が電気的に接続させられ、接続させた電極を介して半導体素子に所定の試験電圧が印加される。半導体素子内部の絶縁体内に微小な空隙状欠陥等が存在すると、試験電圧の印加に伴って、空隙状欠陥に部分放電が発生する。部分放電に伴う電流変化の有無を検出することによって、半導体素子内部の絶縁体の欠陥が検出される。
特開平1−213582号公報
上述したような従来技術の部分放電試験装置において、試験電圧印加用の電極と半導体素子のリードピンとを電気的に接続させるために、電極がリードピンに押当てられている。しかしながら、このような形態の電極とリードピンとの電気的接続は半導体素子のリードピンの形状および該リードピンの表面状態に影響されるため、検査すべき全ての半導体素子のリードピンに電極を安定して電気的に接続させることは困難である。
たとえば、半導体素子のリードピンが湾曲形状である場合、電極とリードピンとの物理的な接触面積が狭く成り易いため、電極とリードピンとの安定した電気的接続が難しい。またたとえば、湾曲形状のリードピンに電極が無理に押付けられると、湾曲形状のリードピンに電極が誤って干渉し、リードピンを湾曲形状からさらに曲げてしまう可能性もある。最終形成後の半導体素子のリードピンが湾曲形状である場合、半導体素子の最終形成後に上述の部分放電試験を行うと、上述の理由に基づき、部分放電試験の安定した実行が困難になる。
また従来技術の部分放電試験装置において、半導体素子のリードピンに電気的に接続すべき電極の形状は、平面形状であったり、先端が尖った形状であったりする。電極がリードピンに押当てられる構成である場合、電極とリードピンとの電気的接続は半導体素子のリードピンの形状および該リードピンの表面状態に影響されるため、検査すべき全ての半導体素子のリードピンに電極を安定して電気的に接続させることは困難である。たとえば、リードピン表面に汚れや付着異物がある場合、およびリードピン表面に酸化膜が形成される場合、電極をリードピンに押付けるだけでは、電極がリードピンに安定して電気的に接続することは難しい。
また従来技術の部分放電試験装置において、半導体素子のリードピンがリードピンの厚み方向の一方側から支持体によって支持されており、リードピンの他方側から電極がリードピンに押付けられる。支持体が金属または硬さの高い樹脂である場合、リードピンの厚み方向のばらつきを吸収できないため、半導体素子のリードピンに電極が常に安定して物理的に接触することは困難である。
さらにまた前述したように、特許文献1の絶縁耐圧選別装置では、製品が不良品であれば、検査電圧が印加されると製品が絶縁破壊されてしまう。不良品であっても検査で製品を破壊せず、絶縁耐圧試験で発見し難い微小な絶縁不良を検出するために、部分放電試験が行われる。特許文献1の絶縁耐圧選別装置と同様に、部分放電試験において半導体素子のリードピンと電極との間に予め隙間を開けておいて製品不良時にコロナ放電を発生させることは、部分放電試験で半導体素子に印加される電圧の大きさでは難しい。
本発明の目的は、半導体素子のリードピンに電極を安定して電気的に接続させることが可能な部分放電試験装置および方法を提供することである。
本発明は、1次側リードピンおよび2次側リードピンを有する半導体素子の部分放電試験を行うための部分放電試験装置において、
1次側リードピンに接触するための第1電極と、
2次側リードピンに接触するための第2電極と、
弾性材料から成り、前記1次側リードピンおよび前記2次側リードピンの厚み方向の一方側から、前記1次側リードピンおよび前記2次側リードピンを支持する支持体と、
前記支持体に支持される前記1次側リードピンの厚み方向の他方側から、前記1次側リードピンに前記第1電極を押当てながら、前記1次側リードピンの表面に沿って前記第1電極を移動させるとともに、前記支持体に支持される前記2次側リードピンの厚み方向の他方側から、前記2次側リードピンに前記第2電極を押当てながら、前記2次側リードピンの表面に沿って前記第2電極を移動させる電極移動部と、
前記第1電極と前記第2電極との間に、予め定める試験電圧を印加する試験電圧印加部と、
前記電極移動部を制御して、前記1次側リードピンの表面に沿って前記第1電極を移動させるとともに前記2次側リードピンの表面に沿って前記第2電極を移動させた後、前記1次側リードピンに前記第1電極が押当てられ、かつ前記2次側リードピンに前記第2電極が押当てられた状態で、前記試験電圧印加部を制御して、前記第1電極と前記第2電極との間に前記予め定める試験電圧を印加させる制御部とを含むことを特徴とする部分放電試験装置である。
また本発明は、前記第1電極および前記第2電極は、先端が尖った形状であり、かつ、前記1次側リードピンおよび前記2次側リードピンよりも硬さの高い材料で形成されることを特徴とする。
さらにまた本発明は、前記支持体は、前記第1電極および前記第2電極の前記1次側リードピンおよび前記2次側リードピンへの押当て力に対して弾性反発力を発生する材料から成ることを特徴とする。
また本発明は、前記半導体素子を真空吸着して予め定める位置に位置決めして保持する保持部をさらに含むことを特徴とする。
さらにまた本発明は、前記1次側リードピンおよび前記2次側リードピンは、直線状に延びて形成されていることを特徴とする。
また本発明は、M行N列(M,Nは2以上の整数)の行列状に配置された複数の半導体素子の部分放電試験を行うための部分放電試験装置において、
第1列目〜第N列目のM個の前記半導体素子の1次側リードピンにそれぞれ接触可能な複数の電極を有する第1電極群と、
第1列目〜第N列目のM個の前記半導体素子の2次側リードピンにそれぞれ接触可能な複数の電極を有する第2電極群と、
弾性材料から成り、M×N個の前記半導体素子の前記1次側リードピンおよび前記2次側リードピンの厚み方向の一方側から、前記1次側リードピンおよび前記2次側リードピンを支持する支持体と、
M×N個の前記半導体素子の前記1次側リードピンおよび前記2次側リードピンの厚み方向の他方側から、各半導体素子の前記1次側リードピンおよび前記2次側リードピンに前記第1電極群および前記第2電極群の各電極を押当てながら、各半導体素子の前記1次側リードピンおよび前記2次側リードピンの表面に沿って前記第1電極群および前記第2電極群を移動させる電極移動部と、
前記第1電極群の前記1次側リードピンに接触する電極と前記第2電極群の前記2次側リードピンに接触する電極との間に、予め定める試験電圧を印加する試験電圧印加部とを含むことを特徴とする部分放電試験装置である。
さらにまた本発明は、1次側リードピンおよび2次側リードピンを有する半導体素子の部分放電試験を行うための部分放電試験方法において、
弾性材料から成る支持体に、前記1次側リードピンおよび前記2次側リードピンの厚み方向の一方側から、前記1次側リードピンおよび前記2次側リードピンを支持させる第1ステップと、
前記支持体によって支持される前記1次側リードピンおよび前記2次側リードピンの厚み方向の他方側から、前記1次側リードピンに第1電極を押当てながら前記1次側リードピンの表面に沿って該第1電極を移動させるとともに、前記2次側リードピンに第2電極を押当てながら前記2次側リードピンの表面に沿って前記第2電極を移動させる第2ステップと、
前記1次側リードピンの表面に沿って前記第1電極を移動させるとともに前記2次側リードピンの表面に沿って前記第2電極を移動させた後、前記1次側リードピンに前記第1電極が押当てられ、かつ前記2次側リードピンに前記第2電極が押当てられた状態で、前記第1電極と前記第2電極との間に予め定める試験電圧を印加する第3ステップとを含むことを特徴とする部分放電試験方法である。
以上のように本発明によれば、部分放電試験装置は、1次側リードピンおよび2次側リードピンを有する半導体素子の部分放電試験を行うための装置である。本発明の部分放電試験装置は、1次側リードピンに電気的に接続するための第1電極と、2次側リードピンに電気的に接続するための第2電極と、弾性材料から成る支持体と、第1電極および第2電極を移動させるための電極移動部と、第1電極と第2電極との間に予め定める試験電圧を印加するための試験電圧印加部と、部分放電試験を制御するための制御部とを含む。
支持体は、1次側リードピンおよび2次側リードピンの厚み方向の一方側から、1次側リードピンおよび2次側リードピンを支持する。制御部の制御に応答し、電極移動部によって、支持体に支持される1次側リードピンおよび2次側リードピンの厚み方向の他方側から1次側リードピンおよび2次側リードピンに第1電極および第2電極が押当てられながら、1次側リードピンおよび2次側リードピンの表面に沿って第1電極および第2電極が移動する。これによって、1次側リードピンおよび2次側リードピンに第1電極および第2電極が電気的に接続される。第1電極および第2電極の移動後、制御部の制御に応答し、1次側リードピンおよび2次側リードピンに第1電極および第2電極が押当てられた状態で、試験電圧印加部によって、第1電極と第2電極との間に試験電圧が印加される。この結果、半導体素子に対する部分放電試験が実行される。
このように、本発明の部分放電試験装置において、1次側リードピンおよび2次側リードピンの表面を引っ掻くように第1電極および第2電極が移動しているため、本発明の部分放電試験装置は、1次側リードピンおよび2次側リードピンの表面形状の影響を受けることなく、第1電極および第2電極と1次側リードピンおよび2次側リードピンとを安定して電気的に接続させることができる。また、本発明の部分放電試験装置において、1次側リードピンおよび2次側リードピンを支持する支持体が弾性材料から形成されるため、1次側リードピンおよび2次側リードピンの厚み方向のばらつきの影響を受けることなく、第1電極および第2電極と1次側リードピンおよび2次側リードピンとを安定して電気的に接続させることができる。これらによって、本発明の部分放電試験装置は、半導体素子の1次側リードピンおよび2次側リードピンと第1電極および第2電極との電気的な接続不良に起因する部分放電試験の不良を防止して、正常な部分放電試験を常に実行することができる。
また本発明によれば、部分放電試験装置において、第1電極および第2電極は、先端が尖った形状であり、かつ、1次側リードピンおよび2次側リードピンよりも硬さの高い材料で形成される。これによって、先端が尖った第1電極および第2電極が、繰返し使用に足る充分な耐摩耗性を得ることができる。したがって、部分放電試験が繰返される状況下において、本発明の部分放電試験装置は、正常な部分放電試験をより確実に実行することができる。
さらにまた本発明によれば、部分放電試験装置において、第1電極および第2電極を1次側リードピンおよび2次側リードピンへの押当て力に対して弾性反発力を発生する弾性材料から、支持体が形成される。
この結果、本発明の部分放電試験装置は、第1電極および第2電極が1次側リードピンおよび2次側リードピンに押当てられた時に、支持体の弾性反発力によって、第1電極および第2電極が1次側リードピンおよび2次側リードピンに確実に電気的に接続することができる。したがって、本発明の部分放電試験装置は、半導体素子のリードピンと電極との電気的な接続不良に起因する部分放電試験の不良をより確実に防止して、正常な部分放電試験を常に実行することができる。
また本発明によれば、本発明の部分放電試験装置は、予め定める位置に半導体素子を位置決めしつつ保持するための保持部をさらに有する。この結果、1次側リードピンおよび2次側リードピンが第1電極および第2電極と支持体との間に確実に配置される。これによって、本発明の部分放電試験装置は、正常な部分放電試験をより確実に実行することができる。
また本発明の部分放電試験装置において、保持部は、半導体素子の位置決め保持のために、半導体素子を真空吸着する。これによって、本発明の部分放電試験装置は、半導体素子を確実かつ正確に位置決めすることができ、さらに、保持部の機構を簡素化することができる。
さらにまた本発明によれば、部分放電試験装置は、1次側リードピンおよび2次側リードピンが直線状に延びて形成されている半導体素子に対して、部分放電試験を実行する。この結果、半導体素子の1次側リードピンおよび2次側リードピンが湾曲形状である場合よりも1次側リードピンおよび2次側リードピンが直線状に延びた平坦形状である場合のほうが、第1電極および第2電極と1次側リードピンおよび2次側リードピンとの電気的な接続性を向上させることができる。これによって、本発明の部分放電試験装置は、正常な部分放電試験をより確実に実行することができる。またこの結果、半導体素子の1次側リードピンおよび2次側リードピンが湾曲形状である場合よりも1次側リードピンおよび2次側リードピンが平坦形状である場合のほうが、第1電極および第2電極の構造が簡素化可能になる。これによって、本発明の部分放電試験装置は、装置構成を簡略化して装置コストを低減させることができる。
また以上のように本発明によれば、部分放電試験装置は、M行N列(M,Nは2以上の整数)の行列状に配置され、かつ1次側リードピンおよび2次側リードピンをそれぞれ有する複数の半導体素子の部分放電試験を行うための装置である。本発明の部分放電試験装置は、第1列目〜第N列目のM個の半導体素子の1次側リードピンにそれぞれ電気的に接続可能な複数の電極を有する第1電極群と、第1列目〜第N列目のM個の半導体素子の2次側リードピンにそれぞれ電気的に接続可能な複数の電極を有する第2電極群と、弾性材料から成る支持体と、第1電極群および第2電極群を移動させるための電極移動部と、第1電極群の電極と第2電極群の電極との間に予め定める試験電圧を印加するための試験電圧印加部とを含む。
支持体は、M×N個の半導体素子の1次側リードピンおよび2次側リードピンの厚み方向の一方側から、M×N個の半導体素子の1次側リードピンおよび2次側リードピンを支持する。電極移動部によって、支持体に支持されるM×N個の半導体素子の1次側リードピンおよび2次側リードピンの厚み方向の他方側から、各半導体素子の1次側リードピンおよび2次側リードピンに第1電極群の各電極および第2電極群の各電極がそれぞれ押当てられながら、各半導体素子の1次側リードピンおよび2次側リードピンの表面に沿って第1電極群の電極および第2電極群の電極が移動する。第1電極群および第2電極群の電極移動後、各半導体素子の1次側リードピンおよび2次側リードピンに第1電極群および第2電極群の各電極が押当てられた状態で、試験電圧印加部によって、第1電極群の電極と第2電極群の電極との間に試験電圧が印加される。この結果、M×N個の半導体素子に対する部分放電試験が実行される。
これによって、本発明の部分放電試験装置は、M行N列の行列状に並べられたM×N個の半導体素子の部分放電試験を、一度に確実に実行することができる。また、両リードピンを支持する支持体が弾性材料から形成されるため、M×N個の半導体素子の両リードピンの厚み方向のばらつきが吸収される。また、M×N個の半導体素子の両リードピンの表面を引っ掻くように第1電極群および第2電極群の電極が移動しているため、1次側リードピンおよび2次側リードピンの表面形状の影響を受けることなく、第1電極および第2電極と1次側リードピンおよび2次側リードピンとを安定して電気的に接続させることができる。これによって、本発明の部分放電試験装置は、半導体素子のリードピンと電極との電気的な接続不良に起因する部分放電試験の不良を防止して、M×N個の半導体素子に対して正常な部分放電試験を常に実行することができる。
さらにまた本発明によれば、部分放電試験方法は、1次側リードピンおよび2次側リードピンを有する半導体素子の部分放電試験を行うための試験方法である。本発明の部分放電試験方法において、第1ステップでは、弾性材料から成る支持体に、1次側リードピンおよび2次側リードピンの厚み方向の一方側から、1次側リードピンおよび2次側リードピンを支持させる。第2ステップでは、支持体によって支持される1次側リードピンおよび2次側リードピンの厚み方向の他方側から、1次側リードピンおよび2次側リードピンに第1電極および第2電極を押当てながら、1次側リードピンおよび2次側リードピンの表面に沿って第1電極および第2電極を移動させる。第3ステップでは、第1電極および第2電極の移動後、1次側リードピンおよび2次側リードピンに第1電極および第2電極が押当てられた状態で、第1電極と第2電極との間に予め定める試験電圧を印加する。これによって、部分放電試験が実行される。
これによって、本発明の部分放電試験方法が用いられる場合、半導体素子の1次側リードピンおよび2次側リードピンの形状および1次側リードピンおよび2次側リードピンの表面状態に拘らず、1次側リードピンおよび2次側リードピンに第1電極および第2電極を確実に電気的に接続させることができる。ゆえに、本発明の部分放電試験方法が用いられる場合、半導体素子のリードピンと電極との電気的な接続不良に起因する部分放電試験の不良が防止されるので、正常な部分放電試験が常に実行される。
本発明の第1実施形態である半導体素子3の部分放電試験装置1の構成および挙動を示す模式図である。 第1実施形態の部分放電試験装置1において、第1電極11および第2電極12の構成および挙動を説明するための模式図である。 第1実施形態の部分放電試験装置1において、支持体13の挙動を説明するための模式図である。 第1実施形態の部分放電試験装置1において、検査対象の半導体素子の1次側リードピン5および2次側リードピン6の形状を説明するための模式図である。 本発明の第2実施形態である半導体素子3の部分放電試験装置41の構成を示す模式図である。 第2実施形態の部分放電試験装置41において、M行N列の半導体素子3の配置状況を説明するための模式図である。
図1は、本発明の第1実施形態である部分放電試験装置1の構成を示すための模式図である。第1実施形態の部分放電試験装置1は、1次側リードピン5および2次側リードピン6を有する半導体素子3の部分放電試験を行うための装置である。第1実施形態の部分放電試験装置1は、第1電極11と、第2電極12と、支持体13と、電極移動部14と、試験電圧印加部15と、保持部17とを含み、電極移動部14および試験電圧印加部を制御する制御部(図示しない)をさらに含む。
第1電極11は、半導体素子3の1次側リードピン5に電気的に接続するための電極である。第2電極12は、半導体素子3の2次側リードピン6に電気的に接続するための電極である。以後説明では、第1電極11および第2電極12を「両電極11,12」と総称することがある。また1次側リードピン5および2次側リードピン6を「両リードピン5,6」と総称することがある。
保持部17は、半導体素子3を予め定める基準位置に位置決めしつつ保持する。支持体13は、半導体素子3の1次側リードピン5および2次側リードピン6の厚み方向7の一方側から、位置決めされた半導体素子3の1次側リードピン5および2次側リードピン6を支持する。
電極移動部14は、その動作が制御部によって制御され、半導体素子3の1次側リードピン5および2次側リードピン6の厚み方向7の他方側から、1次側リードピン5および2次側リードピン6に第1電極11および第2電極12を押当てながら、1次側リードピン5および2次側リードピン6の表面に沿って、第1電極11および第2電極12をスライド移動させる。これによって、1次側リードピン5および2次側リードピン6に第1電極11および第2電極12が電気的に接続される。試験電圧印加部15は、その動作が制御部によって制御され、半導体素子3の1次側リードピン5および2次側リードピン6に第1電極11および第2電極12がそれぞれ電気的に接続した状態で、部分放電試験のための予め定める試験電圧を、第1電極11と第2電極12との間に印加する。この結果、半導体素子3の部分放電試験が実行される。
以上説明したように、第1実施形態の部分放電試験装置1において、両電極11,12が両リードピン5,6に押当てられつつ、両リードピン5,6の表面を両電極11,12が引っ掻くようにスライド移動している。この結果、第1実施形態の部分放電試験装置1は、両リードピン5,6の表面形状の影響を受けることなく、両電極11,12と両リードピン5,6とが安定して電気的に接続することができる。たとえば、両リードピン5,6表面に汚れや付着異物がある場合、および両リードピン5,6の表面に酸化膜が形成される場合であっても、第1実施形態の部分放電試験装置1は、安定した電気的な接続状態を得ることができる。
これによって、第1実施形態の部分放電試験装置1は、半導体素子3の両リードピン5,6と両電極11,12との電気的な接続不良に起因するリードピンおよび電極間の隙間の発生を防止することができるため、部分放電試験中に該隙間に生じるコロナ放電を防止することができる。したがって、第1実施形態の部分放電試験装置1は、半導体素子3の両リードピン5,6と両電極11,12との電気的な接続不良に起因する部分放電試験の不良を防止して、正常な部分放電試験を常に実行することができる。
また第1実施形態の部分放電試験装置1において、半導体素子3の両リードピン5,6を支持するための支持体13は、好ましくは、弾性材料から形成される。支持体13が弾性を有するため、両電極11,12が両リードピン5,6に押当てられる動作に伴い、支持体13の弾性によって、両リードピン5,6の厚み方向7のうちの両電極11,12が両リードピン5,6へ押当てられる向き37と反対の向きへ、両リードピン5,6が押上げられる。ゆえに、両リードピン5,6の厚み方向7のばらつきが吸収される。この結果、第1実施形態の部分放電試験装置1は、両リードピン5,6の厚み方向7のばらつきの影響を受けることなく、両電極11,12と両リードピン5,6とを安定して物理的に接触させることができる。
これによって、第1実施形態の部分放電試験装置1は、半導体素子3の両電極11,12と両リードピン5,6との電気的な接続不良に起因するリードピンおよび電極間の隙間の発生をさらに防止することができるため、部分放電試験中に該隙間に生じるコロナ放電をより確実に防止することができる。したがって、第1実施形態の部分放電試験装置1は、部分放電試験の不良をより確実に防止して、正常な部分放電試験を常に実行することができる。
また第1実施形態の部分放電試験装置1において、両電極11,12と両リードピン5,6とをそれぞれ電気的に接続させるために、両電極11,12が両リードピン5,6に押当てられつつ、両電極11,12が両リードピン5,6の表面に沿ってスライド移動される。両電極11,12を両リードピン5,6に確実に接続させるために、好ましくは、両電極11,12は、先端35が尖った形状に形成される。
先端35が尖った形状に両電極11,12が形成される場合、両電極11,12の材質が、銅のような硬さの低い材質では磨耗が早く、両電極11,12が両リードピン5,6をスライドする効果が短期間で得られなくなるので、両電極11,12には充分な耐摩耗性が必要になる。第1実施形態の部分放電試験装置1において、好ましくは、磨耗を考慮して、第1電極11および第2電極12は、1次側リードピン5および2次側リードピン6よりも硬さの高い材料で形成される。たとえば、両電極11,12は、SK材(炭素工具鋼鋼材)又は超硬材料で形成されることが好ましい。これによって、第1実施形態の部分放電試験装置1は、使用に足る充分な耐摩耗性を有する電極を得ることができる。したがって、部分放電試験が繰返される状況下において、第1実施形態の部分放電試験装置1は、正常な部分放電試験をより確実に実行することができる。
また第1実施形態の部分放電試験装置1において、半導体素子3の両リードピン5,6を支持するための支持体13を形成する材料は、より好ましくは、弾性材料であって、かつ、両電極11,12の両リードピン5,6への押当て力に対して反発する弾性反発力を有する材料で実現される。この結果、第1実施形態の部分放電試験装置1において、両電極11,12が両リードピン5,6に押当てられた時に、支持体13の弾性反発力によって、両リードピン5,6が両電極11,12を押返す向きに、支持体13が両リードピン5,6を押上げる。すなわち、両リードピン5,6の厚み方向7のうちの両電極11,12が両リードピン5,6へ押当てられる向き37とは逆向きに、支持体13が両リードピン5,6を押上げる。ゆえに、両電極11,12が両リードピン5,6に確実に物理的に接触することができる。
これによって、第1実施形態の部分放電試験装置1は、半導体素子3の両リードピン5,6と両電極11,12との電気的な接続不良に起因するコロナ放電をより確実に防止することができる。したがって、第1実施形態の部分放電試験装置1は、部分放電試験の不良をより確実に防止して、正常な部分放電試験を常に実行することができる。
また第1実施形態の部分放電試験装置1は、前述したように、好ましくは、所定の基準位置に半導体素子3を位置決めしつつ保持するための保持部17をさらに有する。基準位置は、たとえば、位置決め保持時に、半導体素子3の1次側リードピン5および2次側リードピン6が第1電極11および第2電極12と支持体13との間に位置することが可能な位置である。この結果、基準位置に半導体素子3が位置決め保持されると、両リードピン5,6が両電極11,12と支持体13との間に確実に配置される。これによって、第1実施形態の部分放電試験装置1は、部分放電試験時に、両電極11,12と半導体素子3の両リードピン5,6とが常に確実に電気的に接続することができるため、正常な部分放電試験をより確実に実行することができる。
また第1実施形態の部分放電試験装置1において、保持部17は、好ましくは、半導体素子3の位置決め保持のために、半導体素子の少なくとも一部分を真空吸着する。具体例として、保持部17は、半導体素子3のモールド平面を真空吸着する。位置決め保持に真空吸着を用いることによって、半導体素子3を確実かつ正確に位置決めすることができ、さらに、保持部17の機構を簡素化することができる。保持部17の簡素化は、特に、複数個の半導体素子3の部分放電試験を同時に行う構成において、非常に有効である。
また第1実施形態の部分放電試験装置1において、好ましくは、部分放電試験を行う半導体素子3の1次側リードピン5および2次側リードピン6は、直線状に延びて形成される。具体例としては、半導体素子の両リードピン5,6が、平坦形状を有する。半導体素子3の両リードピン5,6が湾曲形状である場合よりも両リードピン5,6が平坦形状である場合のほうが、両電極11,12と両リードピン5,6との電気的な接続性を向上させることができる。たとえば、両リードピン5,6が湾曲形状である場合よりも両リードピン5,6が平坦形状である場合のほうが、両電極11,12を両リードピンにスライド移動させることが可能な範囲が広く成るため、スライド移動が容易になる。ゆえに、第1実施形態の部分放電試験装置1は、正常な部分放電試験をより確実に実行することができる。
また、半導体素子3の両リードピン5,6が湾曲形状である場合よりも両リードピン5,6が平坦形状である場合のほうが、両電極11,12の構造を簡略化することができる。ゆえに、第1実施形態の部分放電試験装置1は、装置構成を簡略化して、装置の製造コストを低減させることができる。
前述したように、第1実施形態の部分放電試験装置1において、部分放電試験時には、両リードピン5,6の厚み方向7の一方側から支持体13が両リードピン5,6を支持した状態で、両電極11,12が、厚み方向7の他方側から両リードピン5,6に押当てられつつ両リードピン5,6の表面に沿ってスライド移動する。たとえば、最終形成時に半導体素子3の両リードピン5,6が湾曲形状である場合、両電極11,12と両リードピン5,6との物理的な接触が可能な面積が狭く成り易いため、両電極11,12と両リードピン5,6との安定した物理的接触が難しく、かつ両電極11,12のスライド移動も難しい。またたとえば、湾曲形状のリードピンに電極が無理に押付けられると、湾曲形状のリードピンに電極が誤って干渉し、リードピンを湾曲形状からさらに変形させてしまう可能性もある。
ゆえに、第1実施形態の部分放電試験装置1は、好ましくは、両リードピン5,6が湾曲形状である最終形成後の半導体素子3に対して部分放電試験を行う代わりに、両リードピン5,6が未だ平坦形状である形成途中の半導体素子3に対して部分放電試験を実行する。これによって、第1実施形態の部分放電試験装置1は、最終形成後の半導体素子3に対して部分放電試験を行う場合よりも、両リードピン5,6が平坦状態である形成途中の半導体素子3に対して部分放電試験を行う場合のほうが、両電極11,12の構造を簡略化させつつ、正常な部分放電試験をより確実に実行することができる。
以上説明したように、半導体素子3の部分放電試験を行うための第1実施形態の部分放電試験方法は、弾性を有する材料から形成される支持体13に、半導体素子3の両リードピン5,6の厚み方向7の一方側から両リードピン5,6を支持させる第1ステップと、半導体素子3の両リードピン5,6の厚み方向7の他方側から両リードピン5,6に両電極11,12を押当てながら、両リードピン5,6の表面に沿って両電極11,12をスライド移動させる第2ステップと、両リードピン5,6に押当てられた両電極11,12間に予め定める試験電圧を印加する第3ステップとを含む。
これによって、第1実施形態の部分放電試験方法が用いられる場合、半導体素子3の両リードピン5,6の形状および両リードピン5,6の表面状態に拘らず、両リードピン5,6に両電極11,12を確実に電気的に接続させることができる。ゆえに、第1実施形態の部分放電試験方法が用いられる場合、半導体素子3のリードピンと電極との電気的な接続不良に起因する部分放電試験の不良が防止されるので、正常な部分放電試験が常に実行される。
再び図1を参照して、第1実施形態の部分放電試験装置1の詳細な構成を、以下に説明する。なお、以下に示す第1実施形態の部分放電試験装置1の詳細構成は、本発明の部分放電試験装置の1つの実施形態に過ぎず、本発明の部分放電試験装置1は、当該実施形態の部分放電試験装置1に対して種々の変更を加えて実現することが可能である。
また、以下の詳細説明では、説明の具体化のため、検査対象の半導体素子3が、SOP(Small Outline Package)である場合を例としている。SOPは、半導体素子3の矩形の本体の対向する2辺に1次側リードピン5および2次側リードピン6がそれぞれ配置される構成の半導体素子3である。第1実施形態の部分放電試験装置1は、両電極11,12および支持体13を検査対象の半導体素子3の種類に対応した構成にすれば、SOP以外の種類の半導体素子3の部分放電試験に用いることが可能である。
第1実施形態の部分放電試験装置1において、保持部17は、位置決め孔23が形成された載置台21と、真空源22とを含む。また第1実施形態の部分試験装置において、電極移動部14が、電極取付部材25と、ばね取付部材26と、厚み方向用移動部27と、圧縮ばね28と、スライド用移動部29とを含む。試験電圧印加部15は、高圧側端子31と低圧側端子32とを備える。
試験電圧印加部15の高圧側端子31に、第1電極11および第2電極12のうちのいずれか一方電極が、ケーブル等を介して電気的に接続される。また試験電圧印加部15の低圧側端子32に、第1電極11および第2電極12のうちのいずれか他方電極が、ケーブル等を介して電気的に接続される。たとえば、試験電圧印加部15の高圧側端子31に第1電極11が接続され、試験電圧印加部15の低圧側端子32に第2電極12が接続される。これによって、試験電圧印加部15が低圧側端子32および高圧側端子31の間に所定の試験電圧を印加すれば、第1電極11と第2電極12との間に試験電圧が印加される。試験電圧は、半導体素子3の部分放電試験実行時において、該半導体素子3の1次側リードピン5および2次側リードピン6の間に印加すべき電圧に相当する。
載置台21の位置決め孔23は、半導体素子3の本体を落し込むことが可能な大きさおよび形状を有する。好ましくは、位置決め孔23の大きさおよび形状は、半導体素子3の本体の大きさおよび形状を基準に予め定める大きさのゆとり(クリアランス)を加えた大きさおよび形状である。位置決め孔23の両側に、支持体13が配置される。
載置台21の位置決め孔23の底面に、真空孔24が設けられる。真空孔24を通して載置台21の位置決め孔23の空気が吸引可能になるように、真空源22と真空孔24とが管等を用いて物理的に接続される。真空源22は、管等を通じて接続された真空孔24から、真空孔24の先の空間、すなわち位置決め孔23の内部空間の気体を吸引する。
第1実施形態の部分放電試験装置1において、第1電極11および第2電極12は単一の電極取付部材25に固定されており、両リードピン5,6の厚み方向7に沿って両リードピン5,6に近接離反可能となるように、電極取付部材25ごと両電極11,12が移動可能に構成される。このために、第1電極11および第2電極12は、両リードピン5,6への電気的接続時における両電極11,12の相互の位置関係を保った状態で、電極取付部材25に固定される。ばね取付部材26と電極取付部材25とは、圧縮ばね28を介して相互に固定される。圧縮ばね28は、両電極11,12が両リードピン5,6に押付けられる際に、両電極11,12が両リードピン5,6に押付けられる力を調整するためのばねである。
厚み方向用移動部27は、両リードピン5,6の厚み方向7に沿って両リードピン5,6に両電極11,12を近接離反するように、ばね取付部材26を移動させる。スライド用移動部29は、両リードピン5,6の表面に沿って両リードピン5,6が両電極11,12の表面をスライド移動するように、ばね取付部材26を移動させる。厚み方向用移動部27およびスライド用移動部29は、それぞれエアシリンダによって実現される。
厚み方向7に沿って両電極11,12が両リードピン5,6に近接する向き37にばね取付部材26が厚み方向用移動部27によって移動させられると、ばね取付部材26の動きに伴って圧縮ばね28と電極取付部材25と両電極11,12とが前記近接する向き37に移動する。前記近接する向き37への移動によって、両電極11,12が両リードピン5,6に物理的に接触する。両電極11,12が両リードピン5,6に物理的に接触した後、両電極11,12に係る前記近接する向き37の力が余剰であれば、余剰の力は圧縮ばね28を縮ませることで調整される。
第1実施形態の部分放電試験装置1を用いた部分放電試験の詳細な試験手順は、以下の通りである。
第1工程として、図1(A)に示すように、保持部17が、試験対象の半導体素子3を、真空吸着によって固定する。詳しくは、まず、半導体素子3の本体が載置台21の位置決め孔23に落し込まれるように、半導体素子3が載置台21上に配置される。次いで、真空源22が、位置決め孔23の底面の真空孔24を通して、位置決め孔23内部の気体を吸引する。これによって、真空吸着によって半導体素子3が位置決め孔23に固定され、かつ、支持体13が半導体素子3の両リードピン5,6を支持する。
第2工程として、図1(B)に示すように、電極移動部14の厚み方向用移動部27が、半導体素子3の厚み方向7のうちの両電極11,12が半導体素子3に近接する向き37に、両電極11,12が両リードピン5,6に接するに充分な距離だけ、ばね取付部材26を移動させる。ばね取付部材26の移動に伴い、圧縮ばね28と電極取付部材25と両電極11,12とが前記近接する向き37に移動することで、両電極11,12が両リードピン5,6に物理的に接触する。この時点で、両電極11,12の表面に支障がなければ、両電極11,12が両リードピン5,6に電気的に接続される。
第3工程として、図1(C)に示すように、両電極11,12が両リードピン5,6に物理的に接触した状態で、両電極11,12と両リードピン5,6の表面に沿う方向38にスライド移動させる。この結果、両電極11,12と両リードピン5,6との物理的な接続状態を保ったまま、両電極11,12が両リードピン5,6の表面を引っ掻くようにスライド移動する。この結果、両電極11,12が両リードピン5,6に確実に電気的に接続される。
第4工程として、両電極11,12が両リードピン5,6に電気的に接続した状態で、第1電極11と第2電極12との間に、所定の試験電圧が印加される。なお、両電極11,12間に試験電圧を印加する工程は、両電極11,12のスライド移動後に両電極11,12間に試験電圧を印加する手順に限らず、両電極11,12を厚み方向7に移動させる時点から両電極11,12間に試験電圧が印加される手順であってもよい。以上の手順によって、半導体素子3に対する部分放電試験が実行される。
図2は、第1実施形態の部分放電試験装置1における第1電極11および第2電極12の具体的な構成を示す模式図である。
図2(A)に示すように、両電極11,12は、好ましくは、先端35が尖った形状であるくさび型形状を有する。くさび型の両電極11,12は、鋭角な先端35が両リードピン5,6に物理的に接触しつつ、該鋭角な先端35が両リードピン5,6の表面を引っ掻くようにスライド移動する。これによって、第1実施形態の部分放電試験装置1において、両リードピン5,6表面の汚れや付着遺物の影響および両リードピン5,6表面の酸化膜の影響を受けることなく、両リードピン5,6と両電極11,12とが確実に電気的に接続することができる。
なお、第1実施形態の部分放電試験装置1において、より詳細には、図2(B)に示すように、両電極11,12の中心軸線が接地面に垂直に交わる状態において、くさび型の両電極11,12の鋭角な先端35の面と接地面との角度が、接地面に対して50度以上70度以下であることが好ましい。このように電極先端35の角度を50度以上70度以下とする理由は、電極11,12をリードピン5,6に押し当てた状態でスライドし、リードピン5,6表面を引っ掻きますが、電極先端35の角度が50度以下になると、電極先端35がスライドしたときにリードピン5,6をうまく引っ掻くことができず、効果が薄れてしまう。また、角度が70度以上では、押し付けた際に電極先端35でリードピン5,6を変形(曲げる)させてしまうおそれがある。よって50度以上から70度以下をより好適な条件範囲とした。なお、電極11,12をリードピン5,6に押し当てる力は、電極先端35の角度が50度以上70度以下のときに最適な値に設定される。
また、第1実施形態の部分放電試験装置1において、くさび型の両電極11,12が両リードピン5,6表面をスライド移動するので、両電極11,12が銅のような硬さの低い材質で両電極11,12が形成される場合、摩耗が早く、短期間で電極スライドの効果が得られなくなる可能性がある。このため、好ましくは、摩耗を考慮し、炭素工具鋼鋼材および超硬材料のように硬さの充分高い材質を用いて、両電極11,12が形成される。
図3は、第1実施形態の部分放電試験装置1において、支持体13の挙動を説明するための模式図である。
図3(A)に示すように、弾性が比較的高い樹脂によって支持体13が形成される場合、両電極11,12が両リードピン5,6に押付けられる際に、両リードピン5,6の厚み方向7の寸法バラツキを吸収可能な程度に支持体13が変形しないため、電極とリードピンとの間に隙間39が生じることがある。
第1実施形態の部分放電試験装置1において、電極とリードピンとの間の隙間39の発生を防止するために、好ましくは、両電極11,12が両リードピン5,6に押付けられる際に、両リードピン5,6の厚み方向7の寸法バラツキを吸収する程度に変形可能な弾性を有する弾性材料によって、支持体13が形成される。支持体13が弾性を有するならば、両電極11,12が両リードピン5,6に押付けられた場合、図3(B)に示すように、両電極11,12が両リードピン5,6に押付けられる力によって、支持体13が変形する。これによって、両リードピン5,6の厚み方向7の寸法のばらつきを支持体13が吸収することができるため、両電極11,12が両リードピン5,6に確実に物理的に接触することができる。これによって、第1実施形態の部分放電試験装置1は、両リードピン5,6の厚み方向7のばらつきに拘らず、半導体素子3の部分放電試験を確実に実行可能であるため、装置の使い勝手が向上する。
上述したように、支持体13は、弾性を有する材料、たとえばゴム等の弾性を有する樹脂から形成される。具体的には、樹脂の弾性(硬さ)がタイプAデュロメータで測定されるデュロメータ硬さが、60以上70以下である材料によって、支持体13が形成されることが好ましい。このような硬さを有する樹脂材料としては導電性シリコーンゴムに適切な硬度を持たせた材料から選定できる。
支持体13の樹脂弾性の最適範囲を、デュロメータ硬さが60以上70以下とすることが好ましい理由としてはデュロメータ硬さが60以下では、弾性が低いため、リードピン5,6への反発力が弱く、リードピン5,6を十分保持しきれず、極端な場合には、リードピン5,6が電極11,12からの押付けられる力によって支持体13に埋没するなどして、支持体13が電極11,12に接してしまう事態が起こり得るためである。また、デュロメータ硬さが70以上では、弾性が高すぎ、リードピン5,6が電極11,12により押付けられる力を吸収しつつ受け止める効果が少ないためである。よって支持体13の樹脂弾性の最適範囲は、デュロメータ硬さで60以上70以下とすることが好ましい。
図4は、第1実施形態の部分放電試験装置1において、検査対象の半導体素子3の1次側リードピン5および2次側リードピン6の形状を説明するための模式図である。第1実施形態の部分放電試験装置1は、たとえば、図4(B)で示すように、最終形成後の半導体素子3のようなリードピンが湾曲形状である半導体素子3を試験対象とする代わりに、図4(A)で示すように、形成途中の半導体素子3のようなリードピンが直線状に延びた平坦形状である半導体素子3を試験対象とする。
リードピンが湾曲形状である最終形成後の半導体素子3においては、リードピンに成形バラツキが生じていたり、リードピンと電極との物理的接触が可能な範囲が小さかったりする。このため、リードピンが湾曲形状である半導体素子3を試験対象とする従来の場合、半導体素子3の位置決め精度を向上させて、両電極11,12を両リードピン5,6に確実に物理的接触させる必要があるため、保持部17が複雑になり、装置の製造コストが増大する。
第1実施形態の部分放電試験装置1は、形成途中の半導体素子3のような、リードピンが平坦形状である半導体素子3を試験対象とするため、リードピンが湾曲形状である半導体素子3を試験対象とする従来の場合よりも、リードピンと電極との物理的接触な可能な範囲が広くなる。ゆえに、リードピンが平坦形状である形成途中の半導体素子3を試験対象とする第1実施形態の場合、リードピンと電極との物理的な接触位置が多少予定の位置からずれたとしても、両電極11,12を両リードピン5,6に確実に接触させることができる。また、第1実施形態の部分放電試験装置1において、両電極11,12が両リードピンに押付けられつつスライド移動するため、リードピンが湾曲形状である従来の場合よりも、両リードピン5,6が平坦形状である第1実施形態の場合のほうが、スライド移動可能な範囲を広くとることが可能である。これらによって、第1実施形態の部分放電試験装置1は、従来の場合のように半導体素子3の位置決め精度を高くする必要がなくなるため、保持部17の構成を簡略化することができ、装置の製造コストの増大が防止される。
また、一般的に、最終形成後の半導体素子3は基板に実装されるため、リードピンが所定形状から逸脱するように曲がっていれば、実装不良の原因となる。リードピンが湾曲形状である半導体素子3を試験対象とする従来の場合、電極とリードピンとの物理的接触が可能な範囲が狭いので、電極をリードピンに無理に物理的接触させようとすると、リードピンに電極が誤って干渉し、リードピンを曲げてしまう可能性がある。第1実施形態の部分放電試験装置1において、リードピンが平坦形状である半導体素子3を試験対象とする第1実施形態の場合、電極とリードピンとの物理的接触が可能な範囲が従来の場合よりも広いので、電極をリードピンに無理に物理的に接触させる必要がないため、電極がリードピンに干渉してリードピンをゆがませることが防止される。これによって、試験後の半導体素子3の基板への実装不良を防止できるため、第1実施形態の部分放電試験装置1の使い勝手がさらに向上する。
本発明の第2実施形態である部分放電試験装置41について、以下に説明する。第2実施形態の部分放電試験装置41の構成要素のうち、第1実施形態の部分放電試験装置1の構成要素と同一の機能を有する構成要素には、第1実施形態の部分放電試験装置1の構成要素の参照符と同じ参照符を付し、詳細説明は省略する。
図5(A)は、本発明の第2実施形態である部分放電試験装置41の構成を説明するための模式図である。図5(B)は、第2実施形態である部分放電試験装置41の電極構成を説明するため、第2実施形態の部分放電試験装置41をP−P方向から見た模式図である。図6(A)は、第2実施形態の部分放電試験装置41の半導体素子3の配置状況を説明するため、第2実施形態の部分放電試験装置41をQ−Q方向から見た模式図である。図6(B)は、第2実施形態の部分放電試験装置41の載置台のR−R断面を示す模式図である。
第2実施形態の部分放電試験装置41は、1次側リードピン5および2次側リードピン6をそれぞれ備えたM×N個の半導体素子3の部分放電試験を行うための装置である。以後の説明において、M,Nはそれぞれ1以上の整数である。試験対象のM×N個の半導体素子は、M行N列(M,Nは2以上の整数)の行列状に配置される。
第2実施形態の部分放電試験装置41は、第1電極群43および第2電極群44と、弾性材料から成る支持体13と、電極移動部14と、試験電圧印加部15とを含む。第1電極群43は、第1列目〜第N列目のM個の半導体素子3の1次側リードピン5にそれぞれ電気的に接続可能な複数の電極を有する。第2電極群44は、第1列目〜第N列目のM個の半導体素子3の2次側リードピン6にそれぞれ電気的に接続可能な複数の電極を有する。以後の説明では、第1電極群43および第2電極群44を「両電極群43,44」と総称することがある。
支持体13は、M×N個の半導体素子3の両リードピン5,6の厚み方向7の一方側から、M×N個の半導体素子3の両リードピン5,6を支持する。電極移動部14は、支持体13に支持されるM×N個の半導体素子3の両リードピン5,6の厚み方向7の他方側から、各半導体素子3の両リードピン5,6に両電極群43,44の各電極をそれぞれ押当てながら、各半導体素子3の両リードピン5,6の表面に沿って両電極群43,44の電極をスライド移動させる。各半導体素子3の両リードピン5,6に両電極群43,44の各電極がそれぞれ押当てられた状態で、試験電圧印加部15が、第1電極群43の電極と第2電極群44の電極との間に、試験電圧を印加する。この結果、M×N個の半導体素子3に対する部分放電試験が実行される。
これによって、第2実施形態の部分放電試験装置は、M行N列の行列状に並べられたM×N個の半導体素子3の部分放電試験を、一度に確実に実行することができる。また、両リードピン5,6を支持する支持体13が弾性材料から形成されるため、M×N個の半導体素子の両リードピンの厚み方向7のばらつきが吸収される。また、M×N個の半導体素子の両リードピン5,6の表面を引っ掻くように両電極群43,44の電極がスライド移動しているため、両リードピン5,6の表面形状の影響を受けることなく、両電極群43,44と両リードピン5,6とを安定して電気的に接続させることができる。これによって、第2実施形態の部分放電試験装置41は、半導体素子3のリードピン5,6と両電極群43,44との電気的に接続不良に起因する部分放電試験の不良を防止して、M×N個の半導体素子に対して正常な部分放電試験を常に実行することができる。
このような構成の第2実施形態の部分放電試験装置41は、第1実施形態の部分放電試験装置1と同様に、好ましくは、両電極群43,44の電極は、先端35が尖った形状に形成される。また両電極群43,44の電極は、各列の半導体素子3の両リードピン5,6よりも硬さの高い材料で形成される。したがって、部分放電試験が繰返される状況下において、第2実施形態の部分放電試験装置41は、正常な部分放電試験をより確実に実行することができる。
また第2実施形態の部分放電試験装置41において、第1実施形態の部分放電試験装置1と同様に、半導体素子3の両リードピン5,6を支持するための支持体13は、より好ましくは、弾性材料であって、かつ、両電極群43,44の電極の両リードピン5,6への押当て力に反発する弾性反発力を有する材料から形成される。したがって、第2実施形態の部分放電試験装置41は、半導体素子3のリードピン5,6と両電極群43,44の電極との電気的な接続不良に起因する部分放電試験の不良をより確実に防止して、正常な部分放電試験を常に実行することができる。
特に、第2実施形態のように複数の半導体素子3の部分放電試験を纏めて行う場合、両電極群43,44の全電極が全リードピンに押付けられる際に、全ての半導体素子3の両リードピン5,6の厚み方向7の寸法バラツキを支持体13が吸収可能なので、両電極群43,44の全電極が全リードピンに確実に電気的に接続することができる。これによって、第2実施形態の部分放電試験装置1は、全半導体素子3の両リードピン5,6の厚み方向7のばらつきに拘らず、全ての半導体素子3の部分放電試験を確実に実行可能であるため、装置の使い勝手が向上する。
さらにまた第2実施形態の部分放電試験装置41は、第1実施形態の部分放電試験装置1と同様に、位置決め保持に真空吸着を用いることによって、多数の半導体素子3を確実かつ正確に位置決めすることができ、さらに、保持部17の機構を簡素化することができる。保持部17の簡素化は、特に、複数個の半導体素子3の部分放電試験を同時に行う構成において、非常に有効である。これによって、第2実施形態の部分放電試験装置41は、M×N個の半導体素子3に対する正常な部分放電試験を、より確実に実行することができる。
また第2実施形態の部分放電試験装置41において、好ましくは、部分放電試験を行うM×N個の半導体素子3の両リードピン5,6は、平坦な形状を有する。これによって、第2実施形態の部分放電試験装置41は、正常な部分放電試験をより確実に実行することができ、かつ、装置構成を簡略化して、装置の製造コストを低減させることができる。
再び図5および図6を参照して、第2実施形態の部分放電試験装置41の詳細な構成を、以下に説明する。なお、以下に示す第2実施形態の部分放電試験装置41の詳細構成は、本発明の部分放電試験装置41の1つの実施形態に過ぎず、本発明の部分放電試験装置41は、当該実施形態の部分放電試験装置41に対して種々の変更を加えて実現することが可能である。
図5および図6の例では、1列に10個の半導体素子3が配置された列が4列、すなわち10行4列の40個の半導体素子3に対して、一度に部分放電試験が行われる。
第2実施形態の部分放電試験装置41において、両電極群43,44の電極は、数個ずつ纏めて一体化されている。すなわち、第2実施形態の部分放電試験装置41において、両電極群43,44の電極は、第1電極45(1)〜第N+1電極45(N+1)を構成する。以後説明では、第1電極45(1)〜第N+1電極45(N+1)を「全電極45」と総称することがある。
第1電極45(1)は、第1電極群43の電極のうちの第1列目のM個の半導体素子3の1次側リードピン5にそれぞれ電気的に接続するためのM個の電極を一体化したものである。第n電極(nは2以上N以下の整数)は、第1電極群43の電極のうちの第n−1列目のM個の半導体素子3の2次側リードピン6にそれぞれ電気的に接続するためのM個の電極と、第2電極群44の電極のうちの第n列目のM個の半導体素子3の1次側リードピン5にそれぞれ電気的に接続するためのM個の電極とを一体化したものである。第N+1電極45(N+1)は、第2電極群44の電極のうちの第N列目のM個の半導体素子3の2次側リードピン6にそれぞれ接続するためのM個の電極を一体化したものである。これによって、両電極群43,44の電極の構成が簡略化される。
両電極群43,44が上述のように一部一体化された構成である場合、試験電圧印加部15は、第2k+1電極45(2k+1)と2k電極45(2k)との間に、予め定める試験電圧を印加する。kは、0以上(N+1)/2以下の整数である。これによって、第2実施形態の部分放電試験装置41は、M行N列の行列状に並べられたM×N個の半導体素子3の部分放電試験を、両電極群43,44の電極の構成を簡略化しつつ、一度に確実に実行することができる。
両電極群43,44が上述のように一部一体化された構成である場合、第2実施形態の部分放電試験装置41において、第1実施形態の部分放電試験装置1と同様に、好ましくは、第1電極45(1)〜第N+1電極45(N+1)は、少なくとも両リードピン5,6に対向する部分が、先端35が尖った形状に形成される。また第1電極45(1)〜第N+1電極45(N+1)は、各列の半導体素子3の両リードピン5,6よりも硬さの高い材料で形成される。したがって、部分放電試験が繰返される状況下において、第2実施形態の部分放電試験装置41は、正常な部分放電試験を、常により確実に実行することができる。
保持部17の載置台21は、M行N列の行列状に配置されるM×N個の位置決め孔23を含む。M×N個の位置決め孔23の底面に真空孔24がそれぞれ形成されている。各真空孔24から気体が吸引可能になるように、各真空孔24が真空源22に物理的に接続されている。
保持部17の載置台21において、1列分の位置決め孔23の両側に1本ずつ、支持体13が配置される。もちろん、これに限らず、位置決め孔23毎に支持体13が個別に形成されてもよく、2列分の位置決め孔23の間に幅広の1本の支持体13が形成されてもよく、そのほかの形状に支持体13が形成されてもよい。
第1電極45(1)は、単一の電極取付部材25の一方面内において、載置台21の第1列の位置決め孔23の一方側の支持体13と対向する位置に配置される。電極取付部材25の一方面内において、第n電極(nは2以上N以下の整数)45(n)は、第n−1列の位置決め孔23の他方側の支持体13および第n列の位置決め孔23の一方側の支持体13と対向する位置に配置される。電極取付部材25の一方面内において、第N+1電極45(N+1)は、載置台の第N列の位置決め孔23の他方側の支持体13と対向する位置に配置される。第1電極45(1)〜第N+1電極45(N+1)は、電極取付部材25ごと、一体的に移動させられる。
第1電極45(1)内部の第1列の位置決め孔23の一方側の支持体13と対向する部分が、先端35が鋭角なくさび状に形成されている。第n電極45(n)内部の第n−1列の位置決め孔23の他方側の支持体13と対向する部分および第n列の位置決め孔23の一方側の支持体13と対向する部分が、先端35が鋭角なくさび状にそれぞれ形成される。第N+1電極45(N+1)内部の第N列の位置決め孔23の他方側の支持体13と対向する部分が、先端35が鋭角なくさび状に形成されている。
試験電圧印加部15の高圧側端子31に、第2k+1電極45(2k+1)、すなわち奇数番目の電極45(2k+1)が電気的に接続される。試験電圧印加部15の低圧側端子32に、第2k電極45(2k)、すなわち偶数番目の電極45(2k)が電気的に接続される。もちろん、試験電圧印加部15の高圧側端子31に偶数番目の電極45(2k)の電極が接続されて試験電圧印加部15の低圧側端子32に奇数番目の電極45(2k+1)が接続されてもよい。これによって、各列の半導体素子3の両リードピン5,6の間に、所定の試験電圧が印加可能になる。
以上の構成によって、第2実施形態の部分放電試験装置41は、M×N個の半導体素子3の部分放電試験を、一度に確実に実行することができる。
本実施形態の部分放電試験装置1,41は、本発明の部分放電試験装置の最良の実施形態の1つである。本実施形態の部分放電試験装置1,41の構成要素の詳細構成は、上述の作用効果が発揮可能な構成であれば、上述した構成に限らず、他の様々な構成が用いられても良い。
1,41 部分放電試験装置
3 半導体素子
5 半導体素子の1次側リードピン
6 半導体素子の2次側リードピン
7 半導体素子のリードピンの厚み方向
11 第1電極
12 第2電極
13 支持体
14 電極移動部
15 試験電圧印加部
17 保持部
21 保持部の載置台
22 保持部の真空源
23 保持部の位置決め孔
24 保持部の真空孔
25 電極移動部の電極取付部材
26 電極移動部のばね取付部材
27 電極移動部の厚み方向移動部
28 電極移動部の圧縮ばね
29 電極移動部のスライド用移動部
31 試験電圧印加部の高圧側端子
32 試験電圧印加部の低圧側端子
35 くさび型の第1電極および第2電極の先端
43 第1電極群
44 第2電極群
45(1)〜45(N+1) 第1電極〜第N+1電極

Claims (7)

  1. 1次側リードピンおよび2次側リードピンを有する半導体素子の部分放電試験を行うための部分放電試験装置において、
    1次側リードピンに接触するための第1電極と、
    2次側リードピンに接触するための第2電極と、
    弾性材料から成り、前記1次側リードピンおよび前記2次側リードピンの厚み方向の一方側から、前記1次側リードピンおよび前記2次側リードピンを支持する支持体と、
    前記支持体に支持される前記1次側リードピンの厚み方向の他方側から、前記1次側リードピンに前記第1電極を押当てながら、前記1次側リードピンの表面に沿って前記第1電極を移動させるとともに、前記支持体に支持される前記2次側リードピンの厚み方向の他方側から、前記2次側リードピンに前記第2電極を押当てながら、前記2次側リードピンの表面に沿って前記第2電極を移動させる電極移動部と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に、予め定める試験電圧を印加する試験電圧印加部と、
    前記電極移動部を制御して、前記1次側リードピンの表面に沿って前記第1電極を移動させるとともに前記2次側リードピンの表面に沿って前記第2電極を移動させた後、前記1次側リードピンに前記第1電極が押当てられ、かつ前記2次側リードピンに前記第2電極が押当てられた状態で、前記試験電圧印加部を制御して、前記第1電極と前記第2電極との間に前記予め定める試験電圧を印加させる制御部とを含むことを特徴とする部分放電試験装置。
  2. 前記第1電極および前記第2電極は、先端が尖った形状であり、かつ、前記1次側リードピンおよび前記2次側リードピンよりも硬さの高い材料で形成されることを特徴とする請求項1記載の部分放電試験装置。
  3. 前記支持体は、前記第1電極および前記第2電極の前記1次側リードピンおよび前記2次側リードピンへの押当て力に対して弾性反発力を発生する材料から成ることを特徴とする請求項1または2記載の部分放電試験装置。
  4. 前記半導体素子を真空吸着して予め定める位置に位置決めして保持する保持部をさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項記載の部分放電試験装置。
  5. 前記1次側リードピンおよび前記2次側リードピンは、直線状に延びて形成されていることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1項記載の部分放電試験装置。
  6. M行N列(M,Nは2以上の整数)の行列状に配置された複数の半導体素子の部分放電試験を行うための部分放電試験装置において、
    第1列目〜第N列目のM個の前記半導体素子の1次側リードピンにそれぞれ接触可能な複数の電極を有する第1電極群と、
    第1列目〜第N列目のM個の前記半導体素子の2次側リードピンにそれぞれ接触可能な複数の電極を有する第2電極群と、
    弾性材料から成り、M×N個の前記半導体素子の前記1次側リードピンおよび前記2次側リードピンの厚み方向の一方側から、前記1次側リードピンおよび前記2次側リードピンを支持する支持体と、
    M×N個の前記半導体素子の前記1次側リードピンおよび前記2次側リードピンの厚み方向の他方側から、各半導体素子の前記1次側リードピンおよび前記2次側リードピンに前記第1電極群および前記第2電極群の各電極を押当てながら、各半導体素子の前記1次側リードピンおよび前記2次側リードピンの表面に沿って前記第1電極群および前記第2電極群を移動させる電極移動部と、
    前記第1電極群の前記1次側リードピンに接触する電極と前記第2電極群の前記2次側リードピンに接触する電極との間に、予め定める試験電圧を印加する試験電圧印加部とを含むことを特徴とする部分放電試験装置。
  7. 1次側リードピンおよび2次側リードピンを有する半導体素子の部分放電試験を行うための部分放電試験方法において、
    弾性材料から成る支持体に、前記1次側リードピンおよび前記2次側リードピンの厚み方向の一方側から、前記1次側リードピンおよび前記2次側リードピンを支持させる第1ステップと、
    前記支持体によって支持される前記1次側リードピンおよび前記2次側リードピンの厚み方向の他方側から、前記1次側リードピンに第1電極を押当てながら前記1次側リードピンの表面に沿って該第1電極を移動させるとともに、前記2次側リードピンに第2電極を押当てながら前記2次側リードピンの表面に沿って前記第2電極を移動させる第2ステップと、
    前記1次側リードピンの表面に沿って前記第1電極を移動させるとともに前記2次側リードピンの表面に沿って前記第2電極を移動させた後、前記1次側リードピンに前記第1電極が押当てられ、かつ前記2次側リードピンに前記第2電極が押当てられた状態で、前記第1電極と前記第2電極との間に予め定める試験電圧を印加する第3ステップとを含むことを特徴とする部分放電試験方法。
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