JP2014020505A - 車両駆動装置の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 クラッチを駆動する油圧アクチュエータのリフィル動作を適切に実行し、車両運転者に与える違和感を抑制する。
【解決手段】 締結状態にある一側のクラッチ(例えば第2クラッチ22)についてリフィル動作要求が出力されたときに、第2クラッチ22を解放して、第2クラッチ22に対応するリフィル動作を実行する。アップシフトが可能であるときは、第2クラッチ22を解放する動作と、解放状態にある第1クラッチ21を締結する動作とを行ってアップシフトを実行し、第2クラッチ22の解放完了後に第2クラッチ22に対応するリフィル動作を行い、アップシフト及びリフィル動作実行中における機関回転数及び車両駆動力を、アップシフト開始直前の機関回転数及び車両駆動力に維持する制御を実行する。リフィル動作実行中においては、第1クラッチ21を滑り状態制御を行うことにより、機関回転数を維持する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、車両駆動装置の制御装置に関し、特に変速機構の奇数変速段及び偶数変速段のそれぞれに対応する2つのクラッチを備える変速機を含む車両駆動装置の制御装置に関する。
特許文献1には、変速機構の奇数変速段及び偶数変速段のそれぞれに対応する2つのクラッチを備える変速機を含む車両駆動装置が示されており、このクラッチの締結/開放動作を行うための油圧アクチュエータとして、特許文献2に示されたものが知られている。
特許文献2に示された油圧アクチュエータは、図8に示すようにクラッチディスクを移動させるための従動側ピストンPRと、従動側ピストンPRを駆動する油圧を発生させる駆動側ピストンPDと、駆動側ピストンPDと従動側ピストンPRとを接続する接続油路POCと、作動油貯蔵タンクTRとを備えている。作動油貯蔵タンクTRは、駆動側ピストンPDがクラッチを開放する位置(図の左側に示す一点鎖線で示す位置)に移動したときに、従動側ピストンPRの油圧室CR、接続油路POC、及び駆動側ピストンPDの油圧室CDからなる閉油圧回路と連通可能に設けられている。また駆動側ピストンPDはモータによって図の左右方向に移動可能に構成されている。
特許文献3には、クラッチの締結/解放動作を作動油圧によって制御する自動クラッチの制御装置が示されている。この制御装置によれば、作動油の体積膨張が生じる状況において、クラッチの入力軸回転数または出力軸回転数に基づいて、クラッチの締結状態(クラッチストローク位置)が補正される。具体的には、入力軸回転数または出力軸回転数が体積膨張による悪影響が発生する前の状態に戻るように補正が行われる。
国際公開WO2011/136235号公報 特開平11−315858号公報 特開2009−41695号公報
図8に示す油圧アクチュエータは、車両のエンジンルーム内に配置されるため、閉油圧回路内の作動油の温度変化や圧力変化が起きて、特許文献3に記載されているような不具合が発生するおそれがある。したがって、特許文献3に示されるような手法でその不具合の影響を軽減または回避することが可能である。しかしながら、特許文献3に示される手法のみでは、作動油の温度変化や圧力変化が大きくなったときに不具合を解消できないという課題がある。
このような作動油の状態変化に起因する不具合を回避するための他の手法としては、閉油圧回路を一時的に作動油貯蔵タンクTRに連通させるリフィル動作を行うことが知られている。リフィル動作は、作動油貯蔵タンクTRから閉油圧回路への作動油の補充、または閉油圧回路から作動油貯蔵タンクTRへ作動油の戻しを行うために閉油圧回路を一時的に作動油貯蔵タンクTRに連通させる動作である。このリフィル動作によって、閉油圧回路内の油圧が適正な状態に戻される。そのリフィル動作を行う場合、図8に示す油圧アクチュエータでは駆動側ピストンPDをクラッチ開放位置よりさらに図の左方向へ移動させる必要があるため、締結中のクラッチを一時的に開放しなければならない。そのため、車両駆動力の一時的な低下を引き起こし、車両運転者に違和感を与えるおそれがある。
本発明はこの点に着目してなされたものであり、クラッチを駆動する油圧アクチュエータのリフィル動作を適切に実行し、車両運転者に与える違和感を抑制することができる車両駆動装置の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、車両に搭載され、該車両を駆動する車両駆動装置の制御装置において、前記車両駆動装置は、前記車両を駆動する駆動源としての原動機(1)と、前記原動機の駆動力を伝達可能な第1クラッチ(21)及び第2クラッチ(22)と、前記第1クラッチ(21)を締結/解放するための駆動力を伝達する第1閉油圧回路(80)を有する第1アクチュエータ(70)と、前記第2クラッチを締結/解放するための駆動力を伝達する第2閉油圧回路を有する第2アクチュエータと、前記第1及び第2閉油圧回路(80)と連通可能であって、作動油を貯蔵する貯蔵タンク(74)と、前記第1クラッチの出力部材と直結された第1入力軸(11)と、前記第2クラッチの出力部材と直結された第2入力軸(12)と、前記第1及び第2入力軸と平行に配置された出力軸(14)と、前記第1及び第2入力軸と、前記出力軸との間に設けられ、複数の変速段を達成可能な変速機構と、前記出力軸(14)の駆動力を前記車両の駆動輪に伝達する伝達機構とを備え、前記第1クラッチ及び第2クラッチ(21,22)の一方が解放状態にあり他方が締結状態にあるときに、解放されているクラッチに対応する前記閉油圧回路(80)は前記貯蔵タンク(74)と連通可能である一方、締結されているクラッチに対応する前記閉油圧回路(80)は前記貯蔵タンク(74)と連通不能であるように構成されており、所定リフィル実行条件を判定し、該所定リフィル実行条件が成立したときに、リフィル動作要求を出力するリフィル動作要求手段と、前記締結状態にある一側のクラッチについて前記リフィル動作要求が出力されたときに、前記一側のクラッチを解放して、該一側のクラッチに対応する前記閉油圧回路(80)を前記貯蔵タンク(74)と連通させるリフィル動作を実行するリフィル動作制御手段とを備え、前記リフィル動作制御手段は、前記原動機(1)の出力を制御する原動機出力制御手段を備え、前記リフィル動作要求が出力された場合において前記変速機構のアップシフトが可能であるときは、前記一側のクラッチを解放する動作と、前記解放状態にある他側のクラッチを締結する動作とを行ってアップシフトを実行し、前記一側のクラッチの解放完了後に該一側のクラッチに対応するリフィル動作を行い、前記アップシフト及びリフィル動作実行中における前記原動機の回転数(NE)及び前記出力軸の出力トルク(TDRV)を、前記アップシフト開始直前の前記原動機回転数及び前記出力トルクを目標回転数(NEOBJ)及び目標トルク(TOBJ)として制御するトルク/回転数維持制御を実行し、該トルク/回転数維持制御においては、前記アップシフト中のクラッチ解放/締結動作制御と、前記リフィル動作実行中における前記他側のクラッチの滑り状態制御と、前記原動機(1)の出力制御とを協調して行うことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両駆動装置の制御装置において、前記リフィル動作制御手段は、前記リフィル動作完了後に元の変速段へのダウンシフトを実行し、前記ダウンシフト実行中における前記原動機回転数(NE)及び前記出力トルク(TDDRV)が、前記目標回転数(NEOBJ)及び目標トルク(TOBJ)に維持されるように、前記トルク/回転数維持制御を実行することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車両駆動装置の制御装置において、前記リフィル動作制御手段は、前記他側のクラッチの滑り状態制御においては、前記他側のクラッチ伝達トルクを最大伝達トルクより小さいスリップ制御値(TCSLP)に制御することにより、前記原動機回転数(NE)を前記目標回転数(NEOBJ)に維持し、前記アップシフト実行中においては前記一側のクラッチ伝達トルクを「0」に向かって減少させつつ、前記他側のクラッチ伝達トルクを前記スリップ制御値(TCSLP)に向かって増加させ、前記ダウンシフト実行中においては前記他側のクラッチ伝達トルクを「0」に向かって減少させつつ前記一側のクラッチ伝達トルクを最大伝達トルクに向かって増加させることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、締結状態にある一側のクラッチについてリフィル動作要求が出力されたときに、その一側のクラッチを解放して、該一側のクラッチに対応する閉油圧回路を貯蔵タンクと連通させるリフィル動作が実行される。その際、変速機構のアップシフトが可能であるときは、一側のクラッチを解放する動作と、解放状態にある他側のクラッチを締結する動作とを行ってアップシフトが実行され、一側のクラッチの解放完了後に該一側のクラッチに対応するリフィル動作が行われ、アップシフト及びリフィル動作実行中における原動機の回転数及び出力軸の出力トルクを、アップシフト開始前の原動機回転数及び出力トルクを目標回転数及び目標トルクとして制御するトルク/回転数維持制御が実行され、該トルク/回転数維持制御においては、アップシフト中のクラッチ解放/締結動作制御と、リフィル動作実行中における他側のクラッチの滑り状態制御と、原動機の出力制御とが協調して行われる。したがって、アップシフト及びリフィル動作実行中において原動機回転数及び出力軸出力トルクをほぼ一定に維持し、車両運転者に与える違和感を最小限に抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、リフィル動作完了後に元の変速段へのダウンシフトが実行され、ダウンシフト実行中における原動機回転数及び出力トルクが、目標回転数及び目標トルクに維持されるように、トルク/回転数維持制御が実行される。したがって、リフィル動作完了後には、車両運転者の違和感を最小限に抑制しつつ、速やかに元の変速段に復帰させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、他側のクラッチの滑り状態制御においては、他側のクラッチ伝達トルクを最大伝達トルクより小さいスリップ制御値に制御することにより、原動機回転数が目標回転数に維持され、アップシフト実行中においては一側のクラッチ伝達トルクを「0」に向かって減少させつつ、他側のクラッチ伝達トルクをスリップ制御値に向かって増加させ、ダウンシフト実行中においては他側のクラッチ伝達トルクを「0」に向かって減少させつつ一側のクラッチ伝達トルクを最大伝達トルクに向かって増加させる制御が行われる。したがって、一連のアップシフト、リフィル動作、及びダウンシフトを実行する際のクラッチ解放/締結制御及び原動機出力制御を円滑に行い、車両運転者の違和感を抑制することができる。
本発明の一実施形態にかかる車両駆動装置及びその制御装置の全体構成を示す図である。 図1に示す車両駆動装置のスケルトン図である。 図2に示すクラッチの締結/解放動作を行う油圧アクチュエータ(クラッチアクチュエータ)の構成を模式的に示す図である。 クラッチアクチュエータのリフィル動作制御を行う処理のフローチャートである。 図4の処理で第2リフィル動作モードが選択された場合のリフィル動作制御を説明するためのタイムチャートである。
図4に示すリフィル動作制御と比較するために、他のリフィル動作制御を説明するためのタイムチャートである。 図4の処理で第3リフィル動作モードが選択された場合のリフィル動作制御を説明するためのタイムチャートである。 従来の油圧アクチュエータを示す図である。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる変速機を含む車両駆動装置及びその制御装置の全体構成を示す図であり、図2は図1に示す車両駆動装置のスケルトン図である。これらの図に示す車両駆動装置は、原動機としての内燃機関(以下「エンジン」という)1と、原動機及び発電機としての機能を有する電動機(以下「モータ」という)2と、エンジン1及び/またはモータ2の駆動力を伝達するための変速機3とを備え、変速機3の出力軸であるカウンタ軸14、差動ギヤ機構5、及び駆動軸6を介して駆動輪7を駆動するように構成されている。モータ2は、パワードライブユニット(以下「PDU」という)201に接続されており、PDU201はバッテリ202に接続されている。
モータ2を正の駆動トルクで駆動するとき、すなわちバッテリ202から出力される電力でモータ2を駆動するときは、バッテリ202から出力される電力は、PDU201を介してモータ2に供給される。またモータ2を負の駆動トルクで駆動するとき、すなわちモータ2を回生動作させるときは、モータ2により発電される電力がPDU201を介してバッテリ202に供給され、バッテリ202が充電される。
電子制御ユニット(以下「ECU」という)100は、油圧制御装置3aを介して変速機3の変速制御を行うとともに、PDU201を介したモータ2の駆動制御、及びエンジン1の出力制御を行う。エンジン1の出力制御は、主としての吸入空気量、燃料供給量、及び点火時期を変更することにより公知の手法で行われる。
ECU100には、エンジン回転数NEを検出するエンジン回転数センサ101、当該車両のアクセルペダルの操作量(以下「アクセルペダル操作量」という)APを検出するアクセルセンサ102、車速VPを検出する車速センサ103、及び図示しない各種センサが接続されており、それらのセンサの検出信号はECU100に供給される。ECU100は、バッテリ202の出力電圧及び出力電流に応じてバッテリ202の蓄電量(残チャージ量)SOCを検出可能に構成されている。なお、ECU100は実際には、変速機制御用ECU、モータ制御用ECU、及びエンジン制御用ECUをデータバスを介して接続することにより構成されるが、そのような構成は公知であり、本明細書では全体として1つのECU100として示している。
変速機3は、図2に示すように、第1クラッチ21及び第2クラッチ22からなるツインクラッチ20と、互いに平行に設けられた第1主軸11、第2主軸12、連結軸13、カウンタ軸14、第1中間軸15、第2中間軸16、及びリバース軸17とを備えており、ツインクラッチ20にエンジン1のクランク軸1aが接続されている。第1主軸11はエンジン1のクランク軸1aと同軸上に配置されている。
第1クラッチ21は、クランク軸1aに接続された入力プレート21aと、第1主軸11に接続された出力プレート21bとを備え、第2クラッチ22は、クランク軸1aに接続された入力プレート22aと、第2主軸12に接続された出力プレート22bとを備えている。第1及び第2クラッチ21,22は、ともに入力プレートと出力プレートとの間に潤滑油が供給される湿式クラッチである。
モータ2は、変速機3の第1主軸11に直結されるとともに、遊星ギヤ機構40を介して連結軸13を駆動可能に設けられている。モータ2はステータ61と、ステータ61に対向して配置されたロータ62とを備えている。ロータ62は、遊星ギヤ機構40のリングギヤ45の外周側に配置され、遊星ギヤ機構40のサンギヤ42とともに変速機3の第1主軸11に取り付けられている。
遊星ギヤ機構40は、サンギヤ42と、プラネタリギヤ44と、リングギヤ45と、キャリア46とを備えている。リングギヤ45は、サンギヤ42と同軸上に配置され、かつサンギヤ42の周囲を取り囲むように配置されている。プラネタリギヤ44はサンギヤ42とリングギヤ45に噛合されており、キャリア46はプラネタリギヤ44を自転可能、かつ公転可能に支持する。したがって、サンギヤ42、リングギヤ45、及びキャリア46が、相互に差動回転自在に構成されている。リングギヤ45はロック機構50を備え、ロック機構50は同期機構を有し、リングギヤ45の回転を停止可能に構成されている。
次に変速機3の構成を詳細に説明する。第1主軸11は、エンジン1側の端部が第1クラッチ21に接続されており(第1クラッチ21の出力側ディスクに直結されており)、エンジン1と反対側の端部近傍に遊星ギヤ機構40のサンギヤ42及びモータ2のロータ62が取り付けられている。したがって、第1主軸11は、第1クラッチ21によってエンジン1のクランク軸1aと連結可能であり、またモータ2と直結されているので、エンジン1及び/またはモータ2の駆動力はサンギヤ42に伝達可能である。
第1主軸11には、第5速用駆動ギヤ35aが相対回転自在に設けられるとともに、リバース従動ギヤ38b及び第1変速用セレクタ51が取り付けられている。リバース従動ギヤ38bは第1主軸11と一体に回転する。
第2主軸12は、第1主軸11より短く中空に構成されており、第1主軸11のエンジン1側部分の周囲を覆うように相対回転自在に配置されている。第2主軸12には、アイドル駆動ギヤ37aが取り付けられ、エンジン1側の端部が第2クラッチ22に接続されている(第2クラッチ22の出力側ディスクに直結されている)。したがって、第2主軸12は、第2クラッチ22によってエンジン1のクランク軸1aと連結可能であり、第2クラッチ22が係合されると、エンジン1の駆動力が第2主軸12を介してアイドル駆動ギヤ37aへ伝達される。
連結軸13は、第1主軸11より短く中空に構成されており、第1主軸11のエンジン1と反対側部分の周囲を覆うように相対回転自在に配置されている。また、連結軸13には、エンジン1側に第3速用駆動ギヤ33aが取り付けられ、エンジン1とは反対側に遊星ギヤ機構40のキャリア46が取り付けられている。したがって、プラネタリギヤ44の公転により連結軸13に取り付けられたキャリア46と第3速用駆動ギヤ33aが一体に回転する。
第1変速用セレクタ51は、第3速用駆動ギヤ33aと第5速用駆動ギヤ35aとの間に設けられ、第1主軸11と、第3速用駆動ギヤ33aまたは第5速用駆動ギヤ35aとを連結または解放する。第1変速用セレクタ51が第3速用位置に接続されるときには、第1主軸11と第3速用駆動ギヤ33aが連結して一体に回転し、第5速用位置に接続されるときには、第1主軸11と第5速用駆動ギヤ35aが一体に回転し、第1変速用セレクタ51がニュートラル位置にあるときには、第1主軸11は第3速用駆動ギヤ33a及び第5速用駆動ギヤ35aから解放される。
なお、第1主軸11と第3速用駆動ギヤ33aが一体に回転するときは、第1主軸11に取り付けられたサンギヤ42と、第3速用駆動ギヤ33aに連結軸13で連結されたキャリア46とが一体に回転するとともに、リングギヤ45も一体に回転し、遊星ギヤ機構40が一体となる。遊星ギヤ機構40が一体となって回転するとき、第3速走行が行われる。また、第1変速用セレクタ51がニュートラル位置にあり、かつロック機構50が第1速用位置で接続されると、リングギヤ45がロックされ、サンギヤ42の回転が減速されてキャリア46に伝達される。これにより第1速走行が行われる。
第1中間軸15には、第2主軸12に取り付けられたアイドル駆動ギヤ37aと噛合する第1アイドル従動ギヤ37bが取り付けられている。第2中間軸16には、第2アイドル従動ギヤ37cと、第2速用駆動ギヤ32aと、第4速用駆動ギヤ34aと、第2変速用セレクタ52とが取り付けられている。
第2アイドル従動ギヤ37cは、第1中間軸15に取り付けられた第1アイドル従動ギヤ37bと噛合し、アイドル駆動ギヤ37aと第1アイドル従動ギヤ37bとともに第1アイドルギヤ列37Aを構成する。第2速用駆動ギヤ32a及び第4速用駆動ギヤ34aは、それぞれ第3速用駆動ギヤ33a及び第5速用駆動ギヤ35aと対応する位置に、第2中間軸16と相対回転可能に支持されている。第2変速用セレクタ52は、第2速用駆動ギヤ32aと第4速用駆動ギヤ34aとの間に設けられ、第2中間軸16と第2速用駆動ギヤ32aまたは第4速用駆動ギヤ34aとを連結または解放する。
第2変速用セレクタ52が第2速用位置で接続されるときには、第2中間軸16と第2速用駆動ギヤ32aとが一体に回転し、第2変速用セレクタ52が第4速用位置で接続されるときには、第2中間軸16と第4速用駆動ギヤ34aとが一体に回転し、第2変速用セレクタ52がニュートラル位置にあるときには、第2中間軸16は第2速用駆動ギヤ32a及び第4速用駆動ギヤ34aから解放される。
カウンタ軸14には、エンジン1とは反対側から順に第1共用従動ギヤ33bと、第2共用従動ギヤ34bと、パーキングギヤ31と、ファイナルギヤ36aとが取り付けられており、ファイナルギヤ36aを介して差動ギヤ機構5が駆動される。したがって、カウンタ軸14が変速機3の出力軸に相当する。
第1共用従動ギヤ33bは、連結軸13に取り付けられた第3速用駆動ギヤ33aと噛合して第3速用駆動ギヤ33aとともに第3速用ギヤ対33を構成し、第2中間軸16に設けられた第2速用駆動ギヤ32aと噛合して第2速用駆動ギヤ32aとともに第2速用ギヤ対32を構成する。
第2共用従動ギヤ34bは、第1主軸11に設けられた第5速用駆動ギヤ35aと噛合して第5速用駆動ギヤ35aとともに第5速用ギヤ対35を構成し、第2中間軸16に設けられた第4速用駆動ギヤ34aと噛合して第4速用駆動ギヤ34aとともに第4速用ギヤ対34を構成する。
ファイナルギヤ36aは差動ギヤ機構5と噛合し、差動ギヤ機構5は駆動軸6を介して駆動輪7に連結されている。したがって、カウンタ軸14に伝達される駆動力はファイナルギヤ36a、差動ギヤ機構5、及び駆動軸6を介して、駆動輪7へと出力される。
リバース軸17には、第3アイドル従動ギヤ37dと、後進用駆動ギヤ38aと、後進用セレクタ53とが取り付けられている。第3アイドル従動ギヤ37dは、第1中間軸15に取り付けられた第1アイドル従動ギヤ37bと噛合し、アイドル駆動ギヤ37aと第1アイドル従動ギヤ37bとともに第2アイドルギヤ列37Bを構成する。
後進用駆動ギヤ38aは、第1主軸11に取り付けられた後進用従動ギヤ38bと噛合し、リバース軸17に相対回転自在に支持されている。後進用駆動ギヤ38aは、後進用従動ギヤ38bとともに後進用ギヤ列38を構成する。
後進用セレクタ53は、後進用駆動ギヤ38aのエンジン1とは反対側に設けられ、リバース軸17と後進用駆動ギヤ38aとを連結または解放する。後進用セレクタ53が後進用位置で接続されるときには、リバース軸17と後進用駆動ギヤ38aとが一体に回転し、後進用セレクタ53がニュートラル位置にあるときには、リバース軸17は後進用駆動ギヤ38aから解放される。
なお、第1変速用セレクタ51、第2変速用セレクタ52、後進用セレクタ53は、接続する軸とギヤの回転数を一致させる同期機構(シンクロメッシュ)のスリーブをモータ駆動することにより、軸とギヤとの接続/解除を行うものである。なお、同期機構のスリーブは、油圧駆動するものであってもよい。
以上のように変速機3は、第1主軸11上に第1速用駆動ギヤの一部を構成可能な遊星ギヤ機構40、第3速用駆動ギヤ33a、及び第5速用駆動ギヤ35aからなる奇数段ギヤ群と、第2中間軸16上に第2速用駆動ギヤ32a及び第4速用駆動ギヤ34aからなる偶数段ギヤ群と備えている。
上述した構成により、図1に示す駆動装置においては、以下に説明する5つの駆動力伝達経路(以下単に「伝達経路」という)TRP1〜TRP5を確立することができる。
第1伝達経路TRP1は、エンジン1のクランク軸1aが、第1主軸11、遊星ギヤ機構40、連結軸13、第3速用ギヤ対33(第3速用駆動ギヤ33a、第1共用従動ギヤ33b)、カウンタ軸14、ファイナルギヤ36a、差動ギヤ機構5、及び駆動軸6を介して、駆動輪7に連結される経路(第1速用経路)である。遊星ギヤ機構40の減速比は、第1動力伝達経路TRP1を介して駆動輪7に伝達されるエンジントルクが第1速相当となるように設定されている。すなわち、遊星ギヤ機構40の減速比と第3速用ギヤ対33の減速比をかけ合わせた減速比が第1速相当となるように設定されている。
第2伝達経路TRP2は、エンジン1のクランク軸1aが、第2主軸12、第1アイドルギヤ列37A(アイドル駆動ギヤ37a、第1アイドル従動ギヤ37b、第2アイドル従動ギヤ37c)、第2中間軸16、第2速用ギヤ対32(第2速用駆動ギヤ32a、第1共用従動ギヤ33b)または第4速用ギヤ対34(第4速用駆動ギヤ34a、第2共用従動ギヤ34b)、カウンタ軸14、ファイナルギヤ36a、差動ギヤ機構5、及び駆動軸6を介して、駆動輪7に連結される経路(第2速/第4速用経路)である。
第3伝達経路TRP3は、エンジン1のクランク軸1aが、第1主軸11、第3速用ギヤ対33(第3速用駆動ギヤ33a、第1共用従動ギヤ33b)または第5速用ギヤ対35(第5速用駆動ギヤ35a、第2共用従動ギヤ34b)、カウンタ軸14、ファイナルギヤ36a、差動ギヤ機構5、及び駆動軸6を介して、遊星ギヤ機構40を介さずに、駆動輪7に連結される経路(第3速/第5速用経路)である。
第4伝達経路TRP4は、モータ2が、遊星ギヤ機構40または第3速用ギヤ対33(第3速用駆動ギヤ33a、第1共用従動ギヤ33b)または第5速用ギヤ対35(第5速用駆動ギヤ35a、第2共用従動ギヤ34b)、カウンタ軸14、ファイナルギヤ36a、差動ギヤ機構5、及び駆動軸6を介して、駆動輪7に連結される経路(モータ走行用経路)である。
第5伝達経路TRP5は、エンジン1のクランク軸1aが、第2主軸12、第2アイドルギヤ列37B(アイドル駆動ギヤ37a、第1アイドル従動ギヤ37b、第3アイドル従動ギヤ37d)、リバース軸17、後進用ギヤ列38(後進用駆動ギヤ38a、後進用従動ギヤ38b)、遊星ギヤ機構40、連結軸13、第3速用ギヤ対33(第3速用駆動ギヤ33a、第1共用従動ギヤ33b)、カウンタ軸14、ファイナルギヤ36a、差動ギヤ機構5、及び駆動軸6を介して、駆動輪7に連結される経路(後進用経路)である。
以上のように構成された駆動装置によれば、ロック機構50、第1及び第2クラッチ21、22の連結/解放を制御するとともに第1変速用セレクタ51、第2変速用セレクタ52及び後進用セレクタ53の接続位置を制御することにより、エンジン1によって第1〜第5速走行及び後進走行を行うことができる。
第1クラッチ21を締結してロック機構50を接続することで第1伝達経路TRP1が確立されると、第1速走行が行われ、第2クラッチ22を締結して第2変速用セレクタ52を第2速用位置で接続することにより第2伝達経路TRP2が確立されると、第2速走行が行われ、第1クラッチ21を締結して第1変速用セレクタ51を第3速用位置で接続することにより第3伝達経路TRP3が確立されると、第3速走行が行われる。
第2クラッチ22を締結して第2変速用セレクタ52を第4速用位置で接続することにより第2伝達経路TRP2が確立されると、第4速走行が行われ、第1クラッチ21を締結して第1変速用セレクタ51を第5速用位置で接続することにより第3伝達経路TRP3が確立されると、第5速走行が行われる。第2クラッチ22を締結して後進用セレクタ53を接続することにより第5伝達経路TRP5が確立されると、後進走行が行われる。
なお、図2に示す駆動装置の基本的な構成は、上記特許文献1に示されている。
図3は、油圧制御装置3aに含まれ、第1クラッチ21の締結/解放動作を行う油圧アクチュエータ(以下「クラッチアクチュエータ」という)70の構成を模式的に示す図であり、クラッチアクチュエータ70の動作は、ECU100により制御される。
図3に示すクラッチアクチュエータ70は、クラッチディスクを移動させるための従動側ピストン71と、従動側ピストン71を駆動する油圧を発生させる駆動側ピストン72と、駆動側ピストン72と従動側ピストン71とを接続する接続油路73と、作動油を貯蔵する貯蔵タンク74と、駆動側ピストン72を駆動するピストン駆動機構81とを備えている。
貯蔵タンク74は、駆動側ピストン72がクラッチ21を解放する所定位置(図の左側に示す一点鎖線で示す位置)に移動したときに、従動側ピストン71を駆動する油圧室75、接続油路73、及び駆動側ピストン72によって加圧される油圧室76からなる閉油圧回路80に連通可能に設けられている。駆動側ピストン72はピストン駆動機構81のクラッチ制御モータ82によって図の左右方向に移動可能であり、クラッチ制御モータ82の作動はECU100によって制御される。
駆動側ピストン72が図3に示す位置にあるときは、第1クラッチ21は締結され、駆動側ピストン72が左方向へ移動すると、第1クラッチ21は解放される。閉油圧回路80を貯蔵タンク74を連通させるリフィル動作を行うときは、駆動側ピストン72を一点鎖線で示す所定位置へ移動させるが、駆動側ピストン72の通常動作は、閉油圧回路80を貯蔵タンク74を連通させない通常動作範囲で行われる。
第2クラッチ22の締結/解放動作を行うクラッチアクチュエータ(図示せず)もクラッチアクチュエータ70と同様に構成されており、ECU100によりその作動が制御される。
図4は、クラッチアクチュエータ70のリフィル動作制御を行う処理のフローチャートである。この処理は、図示しない油圧制御処理において、当該車両のクルーズ走行中にリフィル要求フラグFRFLRが「1」に設定されると(リフィル要求が出力されると)、ECU100で実行される。クルーズ走行は、アクセルペダル操作量AP及び車速VPがほぼ一定に保持される走行状態である。リフィル要求フラグFRFLRは、第1クラッチ21に対応する第1リフィル要求フラグFRFLR1または第2クラッチ22に対応する第2リフィル要求フラグFRFLR2が「1」であるとき、「1」に設定されるフラグである。なお、解放されている側のクラッチについては、リフィル動作を即時実行することが可能であり、以下に説明する制御動作は、締結されているクラッチについて、リフィル要求が出力された場合の動作である。
リフィル要求フラグFRFLRは、下記の1)〜4)の場合において「1」に設定される。
1)閉油圧回路80を閉じた状態にあり、且つ閉油圧回路80内の作動油温変化量が所定油温変化閾値を超えた場合
2)閉油圧回路80を閉じた状態にあり、且つ閉油圧回路80内の油圧変化量が所定油圧変化閾値を超えた場合
3)閉油圧回路80を閉じた状態が所定時間を超えた場合
4)油圧制御装置3aの異常が検出された場合
図4に示す処理では、リフィル動作を行うための動作モードとして第1〜第4リフィル動作モードの何れかが選択され、実行される。第1〜第4リフィル動作モードのうち、第2及び第3リフィル動作モードについては、図5〜図7を参照して後述する。
ステップS11では、トルク補填可能フラグFMTCが「1」であるか否かを判別する。トルク補填可能フラグFMTCは、バッテリ202の残チャージ量SOCが所定閾値以上であるとき「1」に設定される。ステップS11の答が肯定(YES)であるときは、モータ2による駆動トルク補填を利用する第1リフィル動作モードMRFL1を選択する(ステップS12)。
トルク補填可能フラグFMTCが「0」であって、モータ2による駆動トルク補填が行えないときは、リフィル時間TRFLが所定閾値TRFLTH以上であるか否かを判別する(ステップS13)。リフィル時間TRFLは、リフィル動作の開始から終了までに要する時間であり、主として閉油圧回路80内の作動油温TOILに依存して変化するため、作動油温TOILに応じて算出される。
ステップS13の答が否定(NO)、すなわちリフィル時間TRFLが所定閾値TRFLTHより短いときは、リフィル動作を行う側のクラッチを解放してリフィル動作を行う第4リフィル動作モードMRFL4を選択する(ステップS19)。
ステップS13の答が肯定(YES)であるときは、片軸故障フラグFFAIL1が「1」であるか否かを判別する(ステップS14)。片軸故障フラグFFAIL1は、第1主軸11または第2主軸12の何れか一方が使用不能となる故障が検出されたとき、「1」に設定される。ステップS14の答が肯定(YES)であって故障が検出されているときは、前記ステップS19に進む。
ステップS14の答が否定(NO)であるときは、アップシフト可能フラグFUPSHPが「1」であるか否かを判別する(ステップS15)。アップシフト可能フラグFUPSHPは、アクセルペダル操作量AP及び車速VPに応じて変速段を選択するための変速マップの、現在のアクセルペダル操作量AP及び車速VPに対応する動作点が、現変速段を維持する領域にあり、かつアップシフト境界線の近傍に位置する場合に「1」に設定される。
ステップS15の答が肯定(YES)であるときは、リフィル動作を行う側のクラッチの解放及び変速段のアップシフトを伴う第2リフィル動作モードMRFL2を選択する(ステップS16)。
ステップS15の答が否定(NO)であるときは、ダウンシフト可能フラグFDNSHPが「1」であるか否かを判別する(ステップS17)。ダウンシフト可能フラグFDNSHPは、アクセルペダル操作量AP及び車速VPに応じて変速段を選択するための変速マップ上の、現在のアクセルペダル操作量AP及び車速VPに対応する動作点が、現変速段を維持する領域にあり、かつダウンシフト境界線の近傍に位置する場合に「1」に設定される。
ステップS17の答が肯定(YES)であるときは、リフィル動作を行う側のクラッチの解放及び変速段のダウンシフトを伴う第3リフィル動作モードMRFL3を選択する(ステップS18)。またステップS17の答が否定(NO)であるとき、すなわちアップシフト及びダウンシフトがともに実行不可能であるときは、前記ステップS19に進む。
上記第1リフィル動作モードMRFL1では、車両駆動トルクTDRVが一定となるように、エンジン出力トルクTENGを減少させつつモータ2の出力トルクTMOTを増加させるトルク切換制御を行い、その後、リフィル動作が要求されている側のクラッチを解放してリフィル動作を実行する。リフィル動作完了後は、車両駆動トルクTDRVが一定となるように、エンジン出力トルクTENGを増加させつつモータ2の出力トルクTMOTを減少させる逆トルク切換制御と、解放したクラッチを締結する動作を並行して行い、元の動作状態に復帰させる。
第4リフィル動作モードMRFL4では、エンジン出力トルクTENGを「0」まで減少させて締結されているクラッチを解放して、リフィル動作を実行し、リフィル動作完了後にエンジン出力トルクTENGを増加させつつ解放したクラッチを締結させる。
図5は、第2リフィル動作モードMRFL2を説明するためのタイムチャートであり、図6は、アップシフトを行ってリフィル動作を実行する他の制御手法を説明するためのタイムチャートであり、図5のタイムチャートと対比するために示す。図7は、第3リフィル動作モードMRFL3を説明するためのタイムチャートである。図5〜7は、第2クラッチ22(偶数変速段(2速、4速)に対応するクラッチ)が締結された状態でリフィル要求が出力された例を示している。なお、これらのタイムチャートに示す期間内では、アクセルペダル操作量AP及び車速VPはほぼ一定に保持されている。
図5(a)〜(e)は、第1及び第2クラッチトルクTCL1,TCL2、エンジン出力トルクTENG、エンジン回転数NE、車両駆動トルクTDRV、及び第2リフィル要求フラグFRFLR2の推移が示されている。第2リフィル要求フラグFRFLR2は、第2クラッチ22に対応する閉油圧回路80のリフィル動作を要求するとき「1」に設定される。また第1及び第2クラッチトルクTCL1,TCL2は、それぞれ第1及び第2クラッチ21,22を介して伝達されるトルクであり、クラッチの締結度合が増加するほど増加する。
第2リフィル要求フラグFRFLR2は、時刻t1より前に「1」に設定されており、時刻t1からt2の期間においてアップシフト(例えば4速から5速へのアップシフト)を実行し、第2クラッチトルクTCL2が「0」となる時刻t2においてリフィル動作を開始し、時刻t3においてリフィル動作が完了すると、時刻t3からt4の期間において元の変速段へのダウンシフトを実行する。
アップシフトの期間(t1〜t2)においては、第2クラッチトルクTCL2を「0」に向かって直線的に(ほぼ一定の傾きで)減少させるとともに第1クラッチトルクTCL1をスリップ制御値TCSLPに向かって直線的に(ほぼ一定の傾きで)増加させる。すなわち、本実施形態では、締結する第1クラッチ21を、第1クラッチトルクTCL1が最大伝達トルクとなる完全締結状態(スリップ無し)とせずに、第1クラッチトルクTCL1がスリップ制御値TCSLPであるスリップ状態に制御する。またエンジン出力トルクTENGは、直線的に(ほぼ一定の傾きで)増加させる。
リフィル動作の期間(t2〜t3)においては、第1及び第2クラッチトルクTCL1,TCL2、及びエンジン出力トルクTENGは、ほぼ一定に維持される。第1クラッチ21がスリップ状態とされるので、エンジン出力トルクTENGを高めることによってエンジン回転数NEをほぼ一定に維持することができる。
ダウンシフトの期間(t3〜t4)においては、第2クラッチトルクTCL2を最大伝達トルクに向かって直線的に増加させるとともに第1クラッチトルクTCL1を「0」に向かって直線的に(ほぼ一定の傾きで)減少させる。またエンジン出力トルクTENGは直線的に(ほぼ一定の傾きで)減少させる。
時刻t1〜t4の期間においては、時刻t1におけるエンジン回転数NE及び車両駆動トルク(変速機の出力軸トルク)TDRVを目標回転数NEOBJ及び目標トルクTOBJとして、エンジン回転数NE及び車両駆動トルクTDRVがそれぞれ目標回転数NEOBJ及び目標トルクTOBJに維持されるようにクラッチトルクTCL1,TCL2及びエンジン出力トルクTENGを制御するトルク/回転数維持制御が実行され、このトルク/回転数維持制御では、アップシフト及びダウンシフトの期間における第1及び第2クラッチ21,22の解放/締結制御、リフィル動作の期間における第1クラッチ21のスリップ制御、及びエンジン出力トルク制御が、エンジン回転数NE及び車両駆動トルクTDRVをそれぞれ目標回転数NEOBJ及び目標トルクTOBJに維持するように協調して実行される。その結果、図5(c)及び(d)に示すように、エンジン回転数NE及び車両駆動トルクTDRVは、時刻t1〜t4の期間中ほぼ一定に維持され、車両運転者に与える違和感を最小限に抑制することができる。
図5には、第2クラッチ22が締結されている状態で、第2クラッチ22に対応するリフィル動作が要求された例を示したが、逆に第1クラッチ21が締結されている状態で、第1クラッチ21に対応するリフィル動作が要求された場合も同様のトルク/回転数維持制御が行われる。
図6は通常のアップシフトを行ってリフィル動作を行う例を示したもので、図5と同様に時刻t11からt12の期間においてアップシフトを実行し、アップシフトがほぼ完了する時刻t12においてリフィル動作を開始し、時刻t13においてリフィル動作が完了すると、時刻t13からt14の期間において元の変速段へのダウンシフトを実行する。
この動作例では、車両駆動トルクTDRVをほぼ一定に維持することは可能であるが、第1クラッチ21をスリップのない状態に締結させる(第1クラッチトルクTCL1を最大伝達トルクまで増加させる)ので、エンジン回転数NEは低下する。これに対し、図5に示す制御手法によれば、車両駆動トルクTDRVだけでなくエンジン回転数NEもアップシフト開始時の目標トルクTOBJ及び目標回転数NEOBJに維持することが可能となる。
第3リフィル動作モードMRFL3では、図7に示すように、時刻t21〜t22の期間においてダウンシフトが行われ、時刻t22〜t23の期間においてリフィル動作が行われ、時刻t23〜t24の期間においてアップシフトが行われる。第3リフィル動作モードMRFL3では、車両駆動力TDRVをほぼ一定に維持する協調制御を行うことが可能であるが、エンジン回転数NEは一時的に増加する。
以上のように本実施形態では、締結状態にある一側のクラッチ(例えば第2クラッチ22)についてリフィル動作要求が出力されたときに、第2クラッチ22を解放して、第2クラッチ22に対応する閉油圧回路を貯蔵タンクと連通させるリフィル動作が実行される。その際、アップシフトが可能であるときは、第2クラッチ22を解放する動作と、解放状態にある第1クラッチ21を締結する動作とを行ってアップシフトが実行され、第2クラッチ22の解放完了後に第2クラッチ22に対応するリフィル動作が行われ、アップシフト及びリフィル動作実行中におけるエンジン回転数NE及び車両駆動力TDRVを、アップシフト開始直前のエンジン回転数NE及び車両駆動力TDRVを目標回転数NEOBJ及び目標トルクTOBJとして制御するトルク/回転数維持制御が実行され、そのトルク/回転数維持制御においては、アップシフト中のクラッチ解放/締結動作制御と、リフィル動作実行中における第1クラッチ21の滑り状態制御と、エンジン出力制御とが協調して行われる。したがって、アップシフト及びリフィル動作実行中においてエンジン回転数NE及び車両駆動トルクTDRVをほぼ一定に維持し、車両運転者に与える違和感を最小限に抑制することができる。
またリフィル動作完了後に元の変速段へのダウンシフトが実行され、ダウンシフト実行中におけるエンジン回転数NE及び車両駆動トルクTDRVが、目標回転数NEOBJ及び目標トルクTOBJに維持されるように、トルク/回転数維持制御が実行される。したがって、リフィル動作完了後には、車両運転者の違和感を最小限に抑制しつつ、速やかに元の変速段に復帰させることができる。
本実施形態では、エンジン1がそれぞれ原動機に相当し、第1及び第2クラッチ21,22に対応するクラッチアクチュエータ70が第1及び第2アクチュエータに相当し、第1及び第2クラッチ21,22に対応する閉油圧回路80が、第1及び第2閉油圧回路に相当し、第1及び第2主軸11,12がそれぞれ第1及び第2入力軸に相当し、カウンタ軸14が出力軸に相当し、変速機3の、クラッチ21,22,主軸11,12,及びカウンタ軸14以外の部分が変速機構に相当し、差動ギヤ機構5及び駆動軸6が伝達機構に相当し、ECU100がリフィル動作要求手段、リフィル動作制御手段、原動機出力制御手段を構成する。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、例えば上述した実施形態では、第2リフィル動作モードMRFL2及び第3リフィル動作モードMRFL3では、モータ2による駆動力補填を行っていないが、第1リフィル動作モードMRFL1を実行できない場合でも、第2リフィル動作モードMRFL2及び第3リフィル動作モードMRFL3においてモータ2の駆動力を補助的に使用可能であるときは、モータ2によって駆動力の補填を行うようにしてもよい。
また原動機は、内燃機関に限るものではなく、電動機であってもよい。
1 内燃機関(原動機)
3 変速機
11 第1主軸(第1入力軸)
12 第2主軸(第2入力軸)
14 カウンタ軸(出力軸)
21 第1クラッチ
22 第2クラッチ
70 クラッチアクチュエータ(第1アクチュエータ)
71 従動ピストン
72 駆動ピストン
73 接続油路
74 貯蔵タンク
75,76 油圧室
80 閉油圧回路
100 電子制御ユニット(リフィル動作要求手段、リフィル動作制御手段、原動機出力制御手段)

Claims (3)

  1. 車両に搭載され、該車両を駆動する車両駆動装置の制御装置において、
    前記車両駆動装置は、
    前記車両を駆動する駆動源としての原動機と、
    前記原動機の駆動力を伝達可能な第1クラッチ及び第2クラッチと、
    前記第1クラッチを締結/解放するための駆動力を伝達する第1閉油圧回路を有する第1アクチュエータと、
    前記第2クラッチを締結/解放するための駆動力を伝達する第2閉油圧回路を有する第2アクチュエータと、
    前記第1及び第2閉油圧回路と連通可能であって、作動油を貯蔵する貯蔵タンクと、
    前記第1クラッチの出力部材と直結された第1入力軸と、
    前記第2クラッチの出力部材と直結された第2入力軸と、
    前記第1及び第2入力軸と平行に配置された出力軸と、
    前記第1及び第2入力軸と、前記出力軸との間に設けられ、複数の変速段を達成可能な変速機構と、
    前記出力軸の駆動力を前記車両の駆動輪に伝達する伝達機構とを備え、
    前記第1クラッチ及び第2クラッチの一方が解放状態にあり他方が締結状態にあるときに、解放されているクラッチに対応する前記閉油圧回路は前記貯蔵タンクと連通可能である一方、締結されているクラッチに対応する前記閉油圧回路は前記貯蔵タンクと連通不能であるように構成されており、
    所定リフィル実行条件を判定し、該所定リフィル実行条件が成立したときに、リフィル動作要求を出力するリフィル動作要求手段と、
    締結状態にある一側のクラッチについて前記リフィル動作要求が出力されたときに、前記一側のクラッチを解放して、該一側のクラッチに対応する前記閉油圧回路を前記貯蔵タンクと連通させるリフィル動作を実行するリフィル動作制御手段とを備え、
    前記リフィル動作制御手段は、
    前記原動機の出力を制御する原動機出力制御手段を備え、
    前記リフィル動作要求が出力された場合において前記変速機構のアップシフトが可能であるときは、前記一側のクラッチを解放する動作と、前記解放状態にある他側のクラッチを締結する動作とを行ってアップシフトを実行し、
    前記一側のクラッチの解放完了後に該一側のクラッチに対応するリフィル動作を行い、
    前記アップシフト及びリフィル動作実行中における前記原動機の回転数及び前記出力軸の出力トルクを、前記アップシフト開始直前の前記原動機回転数及び前記出力トルクを目標回転数及び目標トルクとして制御するトルク/回転数維持制御を実行し、該トルク/回転数維持制御においては、前記アップシフト中のクラッチ解放/締結動作制御と、前記リフィル動作実行中における前記他側のクラッチの滑り状態制御と、前記原動機の出力制御とを協調して行うことを特徴とする車両駆動装置の制御装置。
  2. 前記リフィル動作制御手段は、前記リフィル動作完了後に元の変速段へのダウンシフトを実行し、前記ダウンシフト実行中における前記原動機回転数及び前記出力トルクが、前記目標回転数及び目標トルクに維持されるように、前記トルク/回転数維持制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の車両駆動装置の制御装置。
  3. 前記リフィル動作制御手段は、前記他側のクラッチの滑り状態制御においては、前記他側のクラッチ伝達トルクを最大伝達トルクより小さいスリップ制御値に制御することにより、前記原動機回転数を前記目標回転数に維持し、前記アップシフト実行中においては前記一側のクラッチ伝達トルクを「0」に向かって減少させつつ、前記他側のクラッチ伝達トルクを前記スリップ制御値に向かって増加させ、前記ダウンシフト実行中においては前記他側のクラッチ伝達トルクを「0」に向かって減少させつつ前記一側のクラッチ伝達トルクを最大伝達トルクに向かって増加させることを特徴とする請求項2に記載の車両駆動装置の制御装置。
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