JP2014019547A - 進退作動装置用ガイド機構、噛合チェーン式進退作動装置 - Google Patents

進退作動装置用ガイド機構、噛合チェーン式進退作動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】被作動部の撓みが減少するとともに進退方向へ精度よく被作動部をガイドする進退作動装置用ガイド機構を提供すること。
【解決手段】進退方向Sに対して側視X字状に互いに交差する第1伸縮アーム131および第2伸縮アーム132が、互いに対向する面にラックギア(131aa、132aa)を有する一対のスライド部材(131a、131b)(132a、132b)と、この間に配設されラックギアと噛み合うピニオンギア(131c、132c)とをそれぞれ有しているとともに、第1伸縮アームおよび第2伸縮アームの一端側をそれぞれ構成する一対のスライド部材の一方(131a、132b)が、ベース120と揺動自在に接続され、第1伸縮アームおよび第2伸縮アームの他端側をそれぞれ構成する一対のスライド部材の他方(131b、132a)が、被作動部110と揺動自在に接続されている進退作動装置用ガイド機構130。
【選択図】図4

Description

本発明は、各種製造分野の製造設備、運輸分野の移送設備、医療福祉分野の介護設備、芸術分野の舞台設備などに用いて被作動部を設置面に対して進退方向に移動させる進退作動装置に組み込まれるガイド機構およびこのガイド機構を備えた噛合チェーン式進退作動装置に関する。
従来、被作動部をベースに対して進退方向に進退移動させる進退作動装置の被作動部を進退方向にガイドする進退作動装置用ガイド機構が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような従来の進退作動装置のガイド機構として、例えば、図7(A)および図7(B)に示すような進退作動装置500のガイド機構530がある。
ここで、図7(A)は、従来技術の進退作動装置500の被作動部510が進出した状態のガイド機構530を示す正面図であり、図7(B)は、従来技術の進退作動装置500の被作動部510が退避した状態のガイド機構530を示す正面図である。
なお、理解を容易にするために、被作動部510へ動力を伝達する噛合チェーンユニットの図示を省略する。
従来の進退作動装置500は、被作動部510と、ベース520と、図示しない噛合チェーンユニットと、ガイド機構530とを備えていた。
被作動部510は、図示しない噛合チェーンユニットによって、ベース520に対して進退方向Sへ移動してワークWを進退方向Sへ移動させるように設けられていた。
また、ガイド機構530は、被作動部510を進退方向Sへガイドするように設けられていた。
具体的には、ガイド機構530は、図面の表裏方向に離間配置した一対の第1アーム531〜第4アーム534を有していた。
このうち、第1アーム531と第2アーム532とによりX字状に構成され、第1アーム531の中間部と第2アーム532の中間部とが互いに揺動自在に接続されていた。
同様に、第3アーム533と第4アーム534とによりX字状に構成され、第3アーム533の中間部と第4アーム534の中間部とが互いに揺動自在に接続されていた。
そして、第1アーム531の一端は、ベース520と揺動自在に接続され、第1アーム531の他端は、第3アーム533の一端と揺動自在に接続されていた。
また、第2アーム532の一端は、ベース520に設けられた第1スライド機構521と揺動自在に、かつ、第1アーム531の一端に対して接離する方向にスライド自在に接続され、第2アーム532の他端は、第4アーム534の一端と揺動自在に接続されていた。
第1アーム531と同様に、第3アーム533の他端は、被作動部510と揺動自在に接続されていた。
また、第2アーム532と同様に、第4アーム534の他端は、被作動部510に設けられた第2スライド機構511と揺動自在に、かつ、第3アーム533の他端に対して接離する方向にスライド自在に接続されていた。
つまり、ガイド機構530は、X字状が進退方向Sに複数連なっている所謂、多段パンタグラフ構造を有していた。
そして、図7(A)に示す被作動部510が進出した状態から被作動部510が退避する際、第2アーム532の一端が第1アーム531の一端から離間する方向にスライドするとともに、第4アーム534の他端が第3アーム533の他端から離間する方向にスライドして第1アーム531〜第4アーム534が進退方向Sに徐々につぶれたX字状となり図7(B)に示す状態となる。
他方、図7(B)に示す被作動部510が退避した状態から被作動部510が進出する際、第2アーム532の一端が第1アーム531の一端へ接近する方向にスライドするとともに、第4アーム534の他端が第3アーム533の他端へ接近する方向にスライドして第1アーム531〜第4アーム534が進退方向Sに徐々につぶれていないX字状となり図7(A)に示す状態となる。
特開2009−1377号公報
しかしながら、上述した従来の進退作動装置500のガイド機構530は、被作動部510における第4アーム534の他端との接続箇所が端部と中央側との間で移動して変化する構造であったため、所謂、片持ちになり端部側の荷重により被作動部510が大きく撓んでしまうという問題や、多段パンタグラフ構造でアームが揺動自在に接続された箇所が多い構造であったため、接続箇所の遊びが累積してガタが大きくなりその分進退方向Sへ精度よく被作動部510をガイドできないという問題や、ベース520および被作動部510がスライド機構(511、521)を有している構造であっため、スライド機構(511、521)を設けていた分ベース520および被作動部510の構造が複雑になるという問題や、ガイド機構530が多段パンタグラフ構造であったため、退避時では折りたたまれたアームの分だけ被作動部510がベース520に対して接近できないという問題があった。
そこで、本発明は、前述したような従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、被作動部の撓みが減少するとともに進退方向へ精度よく被作動部をガイドし、ベースおよび被作動部のスライド機構を不要にしてベースおよび被作動部の構造を簡素化し、退避時に従来の多段パンタグラフ構造と比べて被作動部がベースに接近する進退作動装置用ガイド機構を提供することである。
本請求項1に係る発明は、被作動部をベースに対して進退方向に進退移動させる進退作動装置の被作動部を進退方向にガイドする進退作動装置用ガイド機構において、前記進退方向に対して側視X字状に互いに交差しアーム伸縮方向に伸縮する第1伸縮アームおよび第2伸縮アームを備え、該第1伸縮アームおよび第2伸縮アームが、前記アーム伸縮方向に相対的にスライド自在で互いに対向する面にラックギアを有する一対のスライド部材と、該一対のスライド部材の間に配設してラックギアと噛み合うピニオンギアとをそれぞれ有しているとともに、前記第1伸縮アームおよび第2伸縮アームの一端側をそれぞれ構成する一対のスライド部材の一方が、前記ベースと揺動自在に接続され、前記第1伸縮アームおよび第2伸縮アームの他端側をそれぞれ構成する一対のスライド部材の他方が、前記被作動部と揺動自在に接続されていることにより、前述した課題を解決するものである。
本請求項2に係る発明は、請求項1に記載された進退作動装置用ガイド機構の構成に加えて、前記第1伸縮アームのピニオンギアが、前記第2伸縮アームのピニオンギアと同じ径サイズに形成され同軸上で一体となって回転するように配設されているとともに、前記第2伸縮アームの一対のスライド部材のピニオンギアに対する配置関係が、前記第1伸縮アームのピニオンギアを中心として第1伸縮アームの一対のスライド部材を回転した配置関係と同じに設けられていることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
本請求項3に係る発明は、一対の噛合チェーンと、該一対の噛合チェーンのチェーン長手方向一端側に取り付けた被作動部と、ベースに配設し一対の噛合チェーンのチェーン長手方向他端側を収納するチェーン収納部と、被作動部を進退方向にガイドするガイド機構とを備え、前記一対の噛合チェーンに駆動源の動力を伝達して被作動部をベースに対して進退方向に進退させる噛合チェーン式進退作動装置において、前記ガイド機構が、請求項1または請求項2に記載の進退作動装置用ガイド機構であることにより、前述した課題を解決するものである。
本発明の進退作動装置用ガイド機構は、被作動部をベースに対して進退方向に進退移動させる進退作動装置に取り付けられることにより、被作動部を進退方向にガイドすることができるばかりでなく、以下のような特有の効果を奏することができる。
本請求項1に係る発明の進退作動装置用ガイド機構によれば、進退方向に対して側視X字状に互いに交差しアーム伸縮方向に伸縮する第1伸縮アームおよび第2伸縮アームを備え、この第1伸縮アームおよび第2伸縮アームが、アーム伸縮方向に相対的にスライド自在で互いに対向する面にラックギアを有する一対のスライド部材と、この一対のスライド部材の間に配設してラックギアと噛み合うピニオンギアとをそれぞれ有しているとともに、第1伸縮アームおよび第2伸縮アームの一端側をそれぞれ構成する一対のスライド部材の一方が、ベースと揺動自在に接続され、第1伸縮アームおよび第2伸縮アームの他端側をそれぞれ構成する一対のスライド部材の他方が、被作動部と揺動自在に接続されていることにより、被作動部との接続箇所が移動せず被作動部の両側端部で被作動部が保持されて所謂、両持ちになるため、従来の多段パンタグラフ構造と比べて被作動部の撓みを減少することができる。
さらに、従来の多段パンタグラフ構造と比べてアームの揺動自在に接続された箇所が少なくなりこの箇所のガタによる影響が小さくなるため、その分だけ進退方向へ精度よく被作動部をガイドできる。
また、第1伸縮アームおよび第2伸縮アームの端部がベースおよび被作動部の所定箇所で揺動自在に接続される構造となり従来のパンタグラフ構造の場合にベースおよび被作動部に設けられていたスライド機構が不要になるため、その分ベースおよび被作動部の構造を簡素化できる。
さらに、退避時では、第1伸縮アームおよび第2伸縮アームが側視重なって限りなく「一」の文字に近いつぶれたX字状となるため、従来の多段パンタグラフ構造と比べて被作動部がベースに接近できる。
本請求項2に係る発明の進退作動装置用ガイド機構によれば、請求項1に係る発明が奏する効果に加えて、第1伸縮アームのピニオンギアが、第2伸縮アームのピニオンギアと同じ径サイズに形成され同軸上で一体となって回転するように配設されているとともに、第2伸縮アームの一対のスライド部材のピニオンギアに対する配置関係が、第1伸縮アームのピニオンギアを中心として第1伸縮アームの一対のスライド部材を回転した配置関係と同じに設けられていることにより、第1伸縮アームのピニオンギアの回転と第2伸縮アームのピニオンギアの回転とが同期することに加えてピニオンギアが回転したときの第1伸縮アームの伸縮関係および第2伸縮アームの伸縮関係が同じとなり伸縮量も同じになるため、被作動部が進退移動の際に高精度で平行移動することができる。
さらに、被作動部の中心に対して偏って荷重が被作動部に作用した場合に第1伸縮アームおよび第2伸縮アームの一方に対して縮ませるように力が作用するが他方に対して伸ばすように力が作用して両者の力が一体化したピニオンギアで相殺されて第1伸縮アームおよび第2伸縮アームの長さが変わらないため、進退方向に対する被作動部の姿勢を安定させることができる。
本発明の噛合チェーン式進退作動装置は、一対の噛合チェーンと、この一対の噛合チェーンのチェーン長手方向一端側に取り付けた被作動部と、ベースに配設し一対の噛合チェーンのチェーン長手方向他端側を収納するチェーン収納部と、被作動部を進退方向にガイドするガイド機構とを備えていることにより、一対の噛合チェーンに駆動源の動力を伝達して被作動部をベースに対して進退方向に進退させることができるばかりでなく、以下のような特有の効果を奏することができる。
本請求項3に係る発明の噛合チェーン式進退作動装置によれば、ガイド機構が、請求項1または請求項2に記載の進退作動装置用ガイド機構であることにより、噛合チェーン式進退作動装置において、請求項1または請求項2に係る発明が奏する効果と同様の効果を得ることができる。
本発明の実施例である噛合チェーン式進退作動装置の概略を示す斜視図。 噛合チェーン式進退作動装置に用いられる一対の噛合チェーンの分解斜視図および斜視図。 本発明の実施例であるガイド機構の第1伸縮アームを示す正面図および断面図。 本発明において被作動部が進出した状態のガイド機構を示す正面図。 図4の状態より被作動部が退避した状態のガイド機構を示す正面図。 図5の状態より被作動部が退避した状態のガイド機構を示す正面図。 従来技術の進退作動装置の被作動部が進出した状態および退避した状態のガイド機構を示す正面図。
本発明の進退作動装置用ガイド機構は、進退方向に対して側視X字状に互いに交差しアーム伸縮方向に伸縮する第1伸縮アームおよび第2伸縮アームを備え、この第1伸縮アームおよび第2伸縮アームが、アーム伸縮方向に相対的にスライド自在で互いに対向する面にラックギアを有する一対のスライド部材と、この一対のスライド部材の間に配設してラックギアと噛み合うピニオンギアとをそれぞれ有しているとともに、第1伸縮アームおよび第2伸縮アームの一端側をそれぞれ構成する一対のスライド部材の一方が、ベースと揺動自在に接続され、第1伸縮アームおよび第2伸縮アームの他端側をそれぞれ構成する一対のスライド部材の他方が、被作動部と揺動自在に接続されていることにより、被作動部の撓みが減少するとともに進退方向へ精度よく被作動部をガイドし、ベースおよび被作動部のスライド機構を不要にしてベースおよび被作動部の構造を簡素化し、退避時に従来の多段パンタグラフ構造と比べて被作動部がベースに接近するものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
例えば、被作動部を進退方向へ移動させる動力の伝達は、噛合チェーンで行う構造でもよいし、それ以外の構造でもよい。
また、本発明の噛合チェーン式進退作動装置は、一対の噛合チェーンと、この一対の噛合チェーンのチェーン長手方向一端側に取り付けた被作動部と、ベースに配設し一対の噛合チェーンのチェーン長手方向他端側を収納するチェーン収納部と、被作動部を進退方向にガイドする上述のガイド機構とを備えていることにより、被作動部の撓みが減少するとともに進退方向へ精度よく被作動部をガイドし、ベースおよび被作動部のスライド機構を不要にしてベースおよび被作動部の構造を簡素化し、退避時に従来の多段パンタグラフ構造と比べて被作動部がベースに接近するものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
例えば、駆動源として駆動モータを用いてもよいし、人が回転式ハンドルを回すように構成し、その回した力を駆動源としてもよい。
以下に、本発明の実施例である噛合チェーン式進退作動装置100およびこの噛合チェーン式進退作動装置100のガイド機構130について、図1乃至図6に基づいて説明する。
ここで、図1は、本発明の実施例である噛合チェーン式進退作動装置100の概略を示す斜視図であり、図2(A)は、本発明の実施例である噛合チェーン式進退作動装置100の一対の噛合チェーン140の一部の分解斜視図であり、図2(B)は、本発明の実施例である噛合チェーン式進退作動装置100の一対の噛合チェーン140の斜視図であり、図3(A)は、本発明の実施例であるガイド機構130の第1伸縮アーム131を示す正面図であり、図3(B)は、図3(A)の符号3B−3Bで視た断面図であり、図4は、本発明において被作動部110が進出した状態のガイド機構130を示す正面図であり、図5は、図4の状態より被作動部110が退避した状態のガイド機構130を示す正面図であり、図6(A)は、図5の状態より被作動部110がさらに退避した状態のガイド機構130を示す正面図であり、図6(B)は、図6(A)の状態より被作動部110がさらに退避した状態のガイド機構130を示す正面図である。
なお、発明の理解を容易にするために、図3(B)では、第1伸縮アーム131に加えて第2伸縮アーム132を仮想線で示し、図4乃至図6では、一対の噛合チェーン140、チェーン収納部150、減速ユニット160などのガイド機構130以外の構成の図示を省略する。
また、第2伸縮アーム132の構造は、第1伸縮アーム131の構造と同じであるため、第2伸縮アーム132の詳しい説明は省略する。
本発明の実施例である噛合チェーン式進退作動装置100は、図1に示すように、一対の噛合チェーン140と、この一対の噛合チェーン140チェーン長手方向一端側に取り付けた被作動部110と、ベース120に配設し一対の噛合チェーン140のチェーン長手方向他端側を収納するチェーン収納部150と、被作動部110を進退方向Sにガイドするガイド機構130と、駆動源としての駆動モータ161および減速機構162からなる減速ユニット160とを備えている。
そして、一対の噛合チェーン140に駆動モータ161の動力を伝達して、被作動部110をベース120に対して進退方向Sに進退させるように構成されている。
これにより、例えば、進退方向Sが鉛直方向である場合は、被作動部110に載置したワークWを進退方向Sへ移動させることができ、進退方向Sが水平方向である場合は、被作動部110と当接するワークWを進退方向進出側へ移動させることができる。
ここで、噛合チェーン式進退作動装置100に使用される一対の噛合チェーン140について説明する。
図2(A)および図2(B)に示すように、一対の噛合チェーン140は、一方の噛合チェーン140Aと他方の噛合チェーン140Bとから構成されている。
一対のうちの一つ(一方)の噛合チェーン140Aは、一例として、内歯プレート141と、外歯プレート142と、ブシュ143と、連結ピン144と、ローラ145とから構成されている。
このうち、内歯プレート141は、チェーン幅方向Tに一対で離間配置され、チェーン長手方向前後に配設されたブシュ孔を有している。
また、外歯プレート142は、一対の内歯プレート141の外側に一対配置され、チェーン長手方向前後に配設されたピン孔を有している。
そして、ローラ145に回動自在に挿通されたブシュ143の両端が一対の内歯プレート141のブシュ孔に圧入されるとともに、連結ピン144をブシュ143に回動自在に挿通してこの連結ピン144が一対の外歯プレート142のピン孔に圧入されることにより、内歯プレート141と外歯プレート142とがチェーン長手方向に連結されている。
なお、本実施例では、一対の内歯プレート141と一対の外歯プレート142とからなるユニットがチェーン幅方向Tで3列構成されているが、3列より少なくてもよいし多くてもよいのは言うまでもない。
減速ユニット160の駆動モータ161が、例えば、正転駆動すると、駆動モータ161の動力が、図示しない駆動スプロケットと介して、2つのチェーン収納部150に収納された一対の噛合チェーン140の噛み外れた噛み外れ部分140Hをそれぞれ引き出して一対の噛合チェーン140の噛み合い部分140G側であるチェーン長手方向一端側(進退方向進出側)へ移動させる。
そして、噛み外れ部分140Hが動力を受けて移動しながら図示しない二本のガイド溝の合流によって順次互いに噛み合って一体化し、一体化した噛み合い部分140Gが進退方向進出側へ移動する。
他方、駆動モータ161が逆転駆動すると、一対の噛合チェーン140の噛み合い部分140Gが動力を受けて進退方向退避側へ移動しながら図示しない一本のガイド溝の分岐によって互いに噛み外れ、噛み外れた噛み外れ部分140Hがチェーン長手方向他端側(進退方向退避側)へ移動して2つチェーン収納部150にそれぞれ収納されるように構成されている。
続いて、本発明のガイド機構130について説明する。
本発明の実施例であるガイド機構130は、図1、図3乃至図6に示すように、被作動部110をベース120に対して進退方向Sに進退移動させる噛合チェーン式進退作動装置100の被作動部110を進退方向Sにガイドするように構成されている。
さらに、ガイド機構130は、進退方向Sに対して側視X字状に互いに交差しアーム伸縮方向Rに伸縮する第1伸縮アーム131および第2伸縮アーム132を備えている。
そして、この第1伸縮アーム131が、アーム伸縮方向Rに相対的にスライド自在な一対のスライド部材としての第1スライド部材131aおよび第2スライド部材131bと、第1スライド部材131aにおける第2スライド部材131bと対向する面に配設されたラックギアとしての第1ラックギア131aaと、第2スライド部材131bにおける第1スライド部材131aと対向する面に配設されたラックギアとしての第2ラックギア131baと、第1スライド部材131aと第2スライド部材131bとの間に配設され第1ラックギア131aaおよび第2ラックギア131baと噛み合うピニオンギアとしての第1ピニオンギア131cとを有している。
同様に、第2伸縮アーム132が、アーム伸縮方向Rに相対的にスライド自在な一対のスライド部材としての第3スライド部材132aおよび第4スライド部材132bと、第3スライド部材132aにおける第4スライド部材132bと対向する面に配設されたラックギアとしての第3ラックギア132aaと、第4スライド部材132bにおける第3スライド部材132aと対向する面に配設されたラックギアとしての第4ラックギア132baと、第3スライド部材132aと第4スライド部材132bとの間に配設され第3ラックギア132aaおよび第4ラックギア132baと噛み合うピニオンギアとしての第2ピニオンギア132cとを有している。
また、第1伸縮アーム131の一端側を構成する一対のスライド部材の一方である第1スライド部材131aが、ベース120と揺動自在に接続され、第1伸縮アーム131の他端側を構成する一対のスライド部材の他方である第2スライド部材131bが、被作動部110と揺動自在に接続されている。
同様に、第2伸縮アーム132の一端側を構成する一対のスライド部材の一方である第4スライド部材132bが、ベース120と揺動自在に接続され、第2伸縮アーム132の他端側を構成する一対のスライド部材の他方である第3スライド部材132aが、被作動部110と揺動自在に接続されている。
これにより、被作動部110との接続箇所が移動せず被作動部110の両側端部で被作動部110が保持されて所謂、両持ちになる。
さらに、従来の多段パンタグラフ構造(図7(A)および図7(B)参照)と比べてアームの揺動自在に接続された箇所が少なくなりこの箇所のガタによる影響が小さくなる。
また、第1伸縮アーム131および第2伸縮アーム132の端部がベース120および被作動部110の所定箇所で揺動自在に接続される構造となり従来のパンタグラフ構造(図7(A)および図7(B)参照)の場合にベース520および被作動部510に設けられていたスライド機構(511、521)が不要になる。
さらに、退避時では、第1伸縮アーム131および第2伸縮アーム132が進退方向Sに対して側視して重なって限りなく「一」の文字に近いつぶれたX字状となる。
具体的には、図3(A)および図3(B)に示すように、第1伸縮アーム131の第1スライド部材131aは、アーム伸縮方向Rに延設された第1レール部131abと、第1レール係合部131acとを有している。
同様に、第1伸縮アーム131の第2スライド部材131bは、アーム伸縮方向Rに延設された第2レール部131bbと、第2レール係合部131bcとを有している。
そして、第2スライド部材131bの第2レール係合部131bcが、第1スライド部材131aの第1レール部131abとスライド自在に係合しているとともに、第1スライド部材131aの第1レール係合部131acが、第2スライド部材131bの第2レール部131bbとスライド自在に係合している。
例えば、第1レール部131abおよび第2レール部131bbのアーム伸縮方向Rから視た断面形状をT字形状などに形成し第1レール係合部131acおよび第2レール係合部131bcのアーム伸縮方向Rから視た断面形状をレールの断面T字形状の周囲に回り込む形状などに形成して、第1レール係合部131acが第2レール部131bbと係合し第2レール係合部131bcが第1レール部131abと係合することにより、第1スライド部材131aと第2スライド部材131bとが互いに離れる方向への移動を規制しながらアーム伸縮方向Rへスライド自在となる。
また、本実施例では、第1伸縮アーム131の第1ピニオンギア131cが、第2伸縮アーム132の第2ピニオンギア132cと同じ径サイズに形成され同軸上の軸133で一体となって回転するように配設されている。
さらに、第2伸縮アーム132の第3スライド部材132aおよび第4スライド部材132bの第2ピニオンギア132cに対する配置関係が、第1伸縮アーム131の第1ピニオンギア131cを中心として第1伸縮アーム131の第1スライド部材131aおよび第2スライド部材131bを回転した配置関係と同じに設けられている。
つまり、図4では、第2伸縮アーム132の第3スライド部材132aおよび第4スライド部材132bの第2ピニオンギア132c(図3(B)参照)に対する配置関係が、進退方向Sを軸133に第1伸縮アーム131の第1スライド部材131aおよび第2スライド部材131bを反転させた配置関係ではなく、第1ピニオンギア131cを中心に図4における時計方向へ約100度または反時計方向へ約80度回転させた配置関係と同じに設けられている。
これにより、第1伸縮アーム131の第1ピニオンギア131cの回転と第2伸縮アーム132の第2ピニオンギア132cの回転とが同期することに加えて第1ピニオンギア131cおよび第2ピニオンギア132cが回転したときの第1伸縮アーム131の伸縮関係および第2伸縮アーム132の伸縮関係が同じとなり伸縮量も同じになる。
さらに、例えば、ワークWの自重により被作動部110の中心に対して偏って荷重が被作動部110に作用した場合に第1伸縮アーム131および第2伸縮アーム132の一方に対して縮ませるように力が作用するが他方に対して伸ばすように力が作用して両者の力が一体化した第1ピニオンギア131cおよび第2ピニオンギア132cで相殺されて第1伸縮アーム131および第2伸縮アーム132の長さが変わらない。
続いて、ガイド機構130の動作について説明する。
図4に示すように、被作動部110が進退方向Sで進出した状態から前述したように駆動モータ161が逆転駆動して一対の噛合チェーン140が進退方向退避側へ移動すると、図5に示すように、被作動部110が進退方向退避側へ移動する。
この際、一体化した第1ピニオンギア131cおよび第2ピニオンギア132cは、図5における時計方向に回転して、第1伸縮アーム131の縮む側に第1スライド部材131aと第2スライド部材131bとが相対的にスライドするとともに、第2伸縮アーム132の縮む側に第3スライド部材132aと第4スライド部材132bとが相対的にスライドする。
そして、第1伸縮アーム131および第2伸縮アーム132が同じ速さで同じ量だけ縮んで、徐々に進退方向SにつぶれたX字状となる。
図5に示す状態からさらに駆動モータ161が逆転駆動すると、図6(A)に示すように、被作動部110が進退方向退避側へさらに移動する。
この際、一体化した第1ピニオンギア131cおよび第2ピニオンギア132cは、図6(A)における時計方向に回転して、第1伸縮アーム131の縮む側に第1スライド部材131aと第2スライド部材131bとが相対的にさらにスライドするとともに、第2伸縮アーム132の縮む側に第3スライド部材132aと第4スライド部材132bとがさらに相対的にスライドする。
そして、第1伸縮アーム131および第2伸縮アーム132が同じ速さで同じ量だけさらに縮んで、徐々に進退方向SにさらにつぶれたX字状となる。
なお、必要に応じて、被作動部110を図6(A)に示す位置で停止させてもよいが、被作動部110が減速ユニット160やチェーン収納部150と接触しない配置であれば、駆動モータ161をさらに逆転駆動させて図6(B)に示す位置まで被作動部110を移動させてもよい。
図6(B)に示すように、退避時では、第1伸縮アーム131および第2伸縮アーム132が進退方向Sに対して側視して重なって限りなく「一」の文字に近いつぶれたX字状となり、従来の多段パンタグラフ構造(図7(B)参照)と比べて被作動部110がベース120に接近できる。
また、図6(B)に示す状態から前述したように駆動モータ161が正転駆動して一対の噛合チェーン140が進退方向進出側へ移動すると、被作動部110が進退方向進出側へ移動する。
この際、一体化した第1ピニオンギア131cおよび第2ピニオンギア132cは、図6(B)における反時計方向に回転して、第1伸縮アーム131の伸びる側に第1スライド部材131aと第2スライド部材131bとが相対的にスライドするとともに、第2伸縮アーム132の伸びる側に第3スライド部材132aと第4スライド部材132bとが相対的にスライドする。
そして、第1伸縮アーム131および第2伸縮アーム132が同じ速さで同じ量だけ伸びて、図6(A)、図5、図4の順で徐々に進退方向SにつぶれていないX字状となる。
このようにして得られた本発明の実施例であるガイド機構130は、進退方向Sに対して側視X字状に互いに交差しアーム伸縮方向Rに伸縮する第1伸縮アーム131および第2伸縮アーム132を備え、この第1伸縮アーム131が、アーム伸縮方向Rに相対的にスライド自在で互いに対向する面にラックギアである第1ラックギア131aaおよび第2ラックギア131baを有する一対のスライド部材である第1スライド部材131aおよび第2スライド部材131bと、この第1スライド部材131aと第2スライド部材131bとの間に配設して第1ラックギア131aaおよび第2ラックギア131baと噛み合うピニオンギアである第1ピニオンギア131cとを有し、第2伸縮アーム132が、アーム伸縮方向Rに相対的にスライド自在で互いに対向する面にラックギアである第3ラックギア132aaおよび第4ラックギア132baを有する一対のスライド部材である第3スライド部材132aおよび第4スライド部材132bと、この第3スライド部材132aと第4スライド部材132bとの間に配設され第3ラックギア132aaおよび第4ラックギア132baと噛み合うピニオンギアである第2ピニオンギア132cとを有しているとともに、第1伸縮アーム131の一端側を構成する一対のスライド部材の一方である第1スライド部材131aが、ベース120と揺動自在に接続され、第1伸縮アーム131の他端側を構成する一対のスライド部材の他方である第2スライド部材131bが、被作動部110と揺動自在に接続され、第2伸縮アーム132の一端側を構成する一対のスライド部材の一方である第4スライド部材132bが、ベース120と揺動自在に接続され、第2伸縮アーム132の他端側を構成する一対のスライド部材の他方である第3スライド部材132aが、被作動部110と揺動自在に接続されていることにより、従来の多段パンタグラフ構造(図7(A)および図7(B)参照)と比べて被作動部110の撓みを減少することができるとともに、従来の多段パンタグラフ構造(図7(A)および図7(B)参照)と比べてアームの揺動自在に接続された箇所が少なくなりこの箇所のガタによる影響が小さくなった分だけ進退方向Sへ精度よく被作動部110をガイドでき、従来のパンタグラフ構造(図7(A)および図7(B)参照)の場合にベース520および被作動部510に設けられていたスライド機構(511、521)が必要でなくなった分ベース120および被作動部110の構造を簡素化でき、退避時では従来の多段パンタグラフ構造(図7(B)参照)と比べて被作動部110がベース120に接近できる(図6(B)参照)。
さらに、第1伸縮アーム131の第1ピニオンギア131cが、第2伸縮アーム132の第2ピニオンギア132cと同じ径サイズに形成され同軸上の軸133で一体となって回転するように配設されているとともに、第2伸縮アーム132の第3スライド部材132aおよび第4スライド部材132bの第2ピニオンギア132cに対する配置関係が、第1伸縮アーム131の第1ピニオンギア131cを中心として第1伸縮アーム131の第1スライド部材131aおよび第2スライド部材131bを回転した配置関係と同じに設けられていることにより、被作動部110が進退移動の際に高精度で平行移動することができるとともに進退方向Sに対する被作動部110の姿勢を安定させることができる。
また、本発明の実施例である噛合チェーン式進退作動装置100は、ガイド機構130が、上述した構成であることにより、噛合チェーン式進退作動装置100において上述した効果と同様の効果を得ることができるなど、その効果は甚大である。
100 ・・・ 噛合チェーン式進退作動装置
110 ・・・ 被作動部
120 ・・・ ベース
130 ・・・ ガイド機構
131 ・・・ 第1伸縮アーム
131a ・・・ 第1スライド部材
131aa・・・ 第1ラックギア
131ab・・・ 第1レール部
131ac・・・ 第1レール係合部
131b ・・・ 第2スライド部材
131ba・・・ 第2ラックギア
131bb・・・ 第2レール部
131bc・・・ 第2レール係合部
131c ・・・ 第1ピニオンギア
132 ・・・ 第2伸縮アーム
132a ・・・ 第3スライド部材
132aa・・・ 第3ラックギア
132b ・・・ 第4スライド部材
132ba・・・ 第4ラックギア
132c ・・・ 第2ピニオンギア
133 ・・・ 軸
140 ・・・ 一対の噛合チェーン
140A ・・・ 一方の噛合チェーン
140B ・・・ 他方の噛合チェーン
140G ・・・ 噛み合い部分
140H ・・・ 噛み外れ部分
141 ・・・ 内歯プレート
142 ・・・ 外歯プレート
143 ・・・ ブシュ
144 ・・・ 連結ピン
145 ・・・ ローラ
150 ・・・ チェーン収納部
160 ・・・ 減速ユニット
161 ・・・ 駆動モータ
162 ・・・ 減速機構
500 ・・・ (従来技術の)進退作動装置
510 ・・・ 被作動部
511 ・・・ 第2スライド機構
520 ・・・ ベース
521 ・・・ 第1スライド機構
530 ・・・ ガイド機構
531 ・・・ 第1アーム
532 ・・・ 第2アーム
533 ・・・ 第3アーム
534 ・・・ 第4アーム
R ・・・ アーム伸縮方向
S ・・・ 進退方向
T ・・・ チェーン幅方向
W ・・・ ワーク

Claims (3)

  1. 被作動部をベースに対して進退方向に進退移動させる進退作動装置の被作動部を進退方向にガイドする進退作動装置用ガイド機構において、
    前記進退方向に対して側視X字状に互いに交差しアーム伸縮方向に伸縮する第1伸縮アームおよび第2伸縮アームを備え、
    該第1伸縮アームおよび第2伸縮アームが、前記アーム伸縮方向に相対的にスライド自在で互いに対向する面にラックギアを有する一対のスライド部材と、該一対のスライド部材の間に配設してラックギアと噛み合うピニオンギアとをそれぞれ有しているとともに、
    前記第1伸縮アームおよび第2伸縮アームの一端側をそれぞれ構成する一対のスライド部材の一方が、前記ベースと揺動自在に接続され、前記第1伸縮アームおよび第2伸縮アームの他端側をそれぞれ構成する一対のスライド部材の他方が、前記被作動部と揺動自在に接続されていることを特徴とする進退作動装置用ガイド機構。
  2. 前記第1伸縮アームのピニオンギアが、前記第2伸縮アームのピニオンギアと同じ径サイズに形成され同軸上で一体となって回転するように配設されているとともに、
    前記第2伸縮アームの一対のスライド部材のピニオンギアに対する配置関係が、前記第1伸縮アームのピニオンギアを中心として第1伸縮アームの一対のスライド部材を回転した配置関係と同じに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の進退作動装置用ガイド機構。
  3. 一対の噛合チェーンと、該一対の噛合チェーンのチェーン長手方向一端側に取り付けた被作動部と、ベースに配設し一対の噛合チェーンのチェーン長手方向他端側を収納するチェーン収納部と、被作動部を進退方向にガイドするガイド機構とを備え、前記一対の噛合チェーンに駆動源の動力を伝達して被作動部をベースに対して進退方向に進退させる噛合チェーン式進退作動装置において、
    前記ガイド機構が、請求項1または請求項2に記載の進退作動装置用ガイド機構であることを特徴とする噛合チェーン式進退作動装置。
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