JP2014017291A - 縦型半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】パワーデバイスなどで求められる大電流で動作することが可能な、窒化ガリウム系半導体層を用いた縦型半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】窒化ガリウムを含む半導体層10と、半導体層10の主表面側F2に、半導体層10の厚さ方向の電流の流れをON/OFFするスイッチング部20とを備え、半導体層10は、半導体層10の主表面側F2と厚さ方向に対向する裏面側F1に設けられた第1導電型を有するコレクタ層11と、コレクタ層11から見て主表面側に設けられた第2導電型を有するドリフト層12とを含む。
【選択図】図1
【解決手段】窒化ガリウムを含む半導体層10と、半導体層10の主表面側F2に、半導体層10の厚さ方向の電流の流れをON/OFFするスイッチング部20とを備え、半導体層10は、半導体層10の主表面側F2と厚さ方向に対向する裏面側F1に設けられた第1導電型を有するコレクタ層11と、コレクタ層11から見て主表面側に設けられた第2導電型を有するドリフト層12とを含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、縦型半導体装置およびその製造方法に関し、特に窒化ガリウム系の縦型半導体装置およびその製造方法に関する。
窒化ガリウム(GaN)系半導体層では、複数の窒化ガリウム系半導体層をヘテロ接合させることにより、ヘテロ接合界面に高密度の2次元電子ガスを生じ得る。この2次元電子ガスを利用した半導体装置の開発が、従来より進められている。
例えば、特開2006−286942号公報による半導体装置は、開口部を有するGaN系半導体層と、開口部の側面に形成された電子走行層と、電子走行層の開口部側の側面に形成され電子走行層よりバンドギャップの大きい電子供給層と、電子供給層の開口部側の側面に形成されたゲート電極と、GaN系半導体層上に形成されたソース電極と、GaN系半導体層のソース電極と相対する面に接続されたドレイン電極とを有する。
しかしながら、特開2006−286942号公報に記載の半導体装置は、ユニポーラデバイスである。パワーデバイス用としては、より大電流で動作する必要があるが、上記特開2006−286942号公報に開示された半導体装置ではこのような大電流化には限界があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものである。本発明の主たる目的は、パワーデバイスなどで求められる大電流で動作することが可能な、窒化ガリウム系半導体層を用いた縦型半導体装置およびその製造方法を提供することにある。
本発明の縦型半導体装置は、窒化ガリウムを含む半導体層と、半導体層の主表面側に、半導体層の厚さ方向の電流の流れをON/OFFするスイッチング部とを備え、半導体層は、半導体層の主表面側と厚さ方向に対向する裏面側に設けられた第1導電型を有するコレクタ層と、コレクタ層から見て主表面側に設けられた第2導電型を有するドリフト層とを含む。
これにより、バイポーラモードで動作可能な窒化ガリウム系の縦型半導体装置を実現できる。そして、該縦型半導体装置は、従来のユニポーラデバイスなどの半導体装置と比してより大電流を制御することができる。
上記半導体層において、スイッチング部は、半導体層の主表面上に被覆層を介して配置されたゲート電極を含んでもよい。これにより、被覆層を用いてチャネルを形成することができる。
上記被覆層は、第1の窒化ガリウム系半導体からなる第1の被覆層と、第1の被覆層上に積層され、第1の窒化ガリウム系半導体よりもバンドギャップの大きい第2の窒化ガリウム系半導体からなる第2の被覆層とを有してもよい。これにより、チャネルを第1の被覆層と第2の被覆層との接合部(窒化ガリウム系半導体のヘテロ接合部)に形成することができる。そして、該ヘテロ接合により生じる二次元電子ガスの濃度制御により、縦型半導体装置のON/OFF制御を行なうことができる。
上記被覆層は、誘電体からなる誘電体層を有してもよい。これにより、スイッチング部として、ゲート電極と、誘電体層と、半導体層とにより構成されるMIS構造を適用することができる。
上記半導体層は、ドリフト層上に設けられ、第1の導電型を有するボディ層と、ボディ層の上に設けられ、第2の導電型を有するエミッタ層をさらに含み、半導体層の主表面側からエミッタ層およびボディ層を貫通してドリフト層に至る側壁と、ドリフト層に形成される底面とを含むゲートトレンチが形成され、被覆層は、側壁上に形成され、ゲート電極はゲートトレンチ内に配置されることができる。これにより、側壁上にチャネルを形成でき、縦型半導体装置がON状態のときには、エミッタ層からドリフト層にチャネルを介して直接キャリアを供給することができる。
上記側壁は、主表面に対して傾斜していてもよい。これにより、側壁上への被覆層の形成を容易に行うことができる。
本発明の縦型半導体装置の製造方法は、窒化ガリウムを含む半導体層を準備する工程と、半導体層の主表面側に、半導体層の厚さ方向の電流の流れをON/OFFするスイッチング部を形成する工程とを備え、半導体層を準備する工程は、半導体層の主表面側と厚さ方向に対向する裏面側に設けられた第1導電型を有するコレクタ層と、コレクタ層から見て主表面側に設けられた第2導電型を有するドリフト層とを形成する工程を含む。これにより、バイポーラモードで動作可能な窒化ガリウム系の縦型半導体装置を得ることができる。
上記半導体層を準備する工程は、ドリフト層上に第1の導電型を有するボディ層を形成する工程と、ボディ層上に第2の導電型を有するエミッタ層を形成する工程とを含み、スイッチング部を形成する工程は、主表面側に、エミッタ層およびボディ層を貫通してドリフト層に至るゲートトレンチを形成する工程と、ゲートトレンチを覆う被覆層を形成する工程と、被覆層上に、ゲート電極を形成する工程とを含んでもよい。これにより、側壁上に、被覆層を用いてチャネルを形成でき、縦型半導体装置がON状態のときには、エミッタ層からドリフト層に当該チャネルを介して直接キャリアを供給することができる。
上記ゲートトレンチを形成する工程は、塩素ガスとアルゴンガスとの混合ガスを用いたRIE法によって行うことができる。これにより、ゲートトレンチの形状を容易に制御することができる。
本発明によれば、ワイドバンドギャップ半導体である窒化ガリウムを含む窒化ガリウム系半導体層を用いて、大電流での動作が可能な縦型のバイポーラデバイスを提供できる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
以下、図1を参照して、本発明の実施の形態1に係る縦型半導体装置について説明する。本実施の形態に係る縦型半導体装置100は、窒化ガリウムを含む半導体層10と、半導体層10の主表面側に、半導体層の厚さ方向の電流の流れをON/OFFするスイッチング部20とを備える。
以下、図1を参照して、本発明の実施の形態1に係る縦型半導体装置について説明する。本実施の形態に係る縦型半導体装置100は、窒化ガリウムを含む半導体層10と、半導体層10の主表面側に、半導体層の厚さ方向の電流の流れをON/OFFするスイッチング部20とを備える。
窒化ガリウムを含む半導体層10は、第1の導電型を有するコレクタ層11と、第1の導電型と異なる第2の導電型を有するドリフト層12と、第1の導電型を有するボディ層13と、第2の導電型を有するエミッタ層14とを含む。半導体層10は、厚さ方向(図1中での縦方向)に互いに対向する裏面F1および主表面F2を有する。
好ましくは、第1の導電型はp型とし、第2の導電型はn型とする。これにより、電子を多数キャリアとして用いることができる。具体的には、例えば、コレクタ層11をp+−GaN層、ドリフト層12をn-−GaN層、ボディ層13をp−GaN層、エミッタ層14をn+−GaN層としてもよい。
エミッタ層14に接するエミッタ電極44、およびコレクタ層11に接するコレクタ電極41は、オーミック電極として形成され、例えば、Al系電極である。このとき、エミッタ電極44は、半導体層10の主表面F2側からエミッタ層14を貫通してボディ層13に至るエミッタトレンチET内に形成され、ボディ層13にも接合している。これにより、コレクタ電極41において、エミッタ電極44に対して正の電圧を印加することにより、コレクタ層11からドリフト層12に正孔を注入することができる。
なお、コレクタ層11の材料としては、GaNよりもワイドバンドキャップであるAlGaNを用いてもよい。これにより、コレクタ層11からドリフト層12への正孔の注入効率を向上させることができる。
スイッチング部20は、半導体層10の主表面上に被覆層30を介して配置されたゲート電極21を含む。
被覆層30は、第1の窒化ガリウム系半導体からなる第1の被覆層31と、該第1の被覆層31上に積層され、第1の窒化ガリウム系半導体よりもバンドギャップの大きい第2の窒化ガリウム系半導体からなる第2の被覆層32とを有する。つまり、被覆層30は、複数の窒化ガリウム系半導体によるヘテロ接合構造を有している。よって、例えば、第1の窒化ガリウム系半導体をアンドープGaNとし、第2の窒化ガリウム系半導体をAlGaNとすると、第1の被覆層31は電子走行層に、第2の被覆層32は電子供給層となり、これらの界面には二次元電子ガス(2DEG)が生成される。つまり、被覆層30にチャネルを形成することができる。
ゲート電極21は、第2の被覆層32とショットキー接合するショットキー電極として形成され、例えば、Ni/Au電極である。ゲート電極21は、その印加電圧によって、第2の被覆層32を空乏化し、第1の被覆層31との界面に生じる2DEGの濃度を制御できる。その結果、スイッチング部20は、半導体層10における厚み方向での(チャネルを介した)電流の流れをON/OFFすることができる。
さらに、好ましくは、半導体層10の主表面F2側からエミッタ層14およびボディ層13を貫通してドリフト層12に至る側壁SGと、ドリフト層12に形成される底面BTとを含むゲートトレンチGTが形成される。このとき、被覆層30は、側壁SG上および底面BT上に形成され、ゲート電極21はゲートトレンチGT内に配置される。つまり、チャネルは、半導体層10の厚み方向において、エミッタ層14から側壁SGに沿ってドリフト層12に至るように形成される。
側壁SGは、半導体層10の主表面F2に対し、傾斜していてもよい。側壁SGを主表面に対し傾斜して形成することにより、被覆層30を容易に成膜形成することができる。また、側壁SGは、半導体層10の主表面に対し、垂直であってもよい。この場合、側壁SGに対するカバレッジ性の優れた成膜方法により被覆層30を形成する必要はあるが、半導体層10の主表面F2における縦型半導体装置100の専有面積を小さくでき、当該縦型半導体装置100を小型化することができる。つまり、側壁SGが半導体層10の主表面F2となす傾斜角θは、0°以上90°以下とすることができる。
次に、本実施の形態の縦型半導体装置100の動作について説明する。本実施の形態の縦型半導体装置100は、半導体層10の主表面F2側からエミッタ層14およびボディ層13を貫通してドリフト層12に至る側壁SGに沿ってチャネルが形成されている。よって、上述のように、第1の導電型をp型とし、第2の導電型をn型とした場合には、エミッタ電極44に対して正の電圧をコレクタ電極41に印加することにより、エミッタ層14から供給された電子はチャネルを経由してドリフト層12に注入されるとともに、コレクタ層11からドリフト層12に少数キャリアとして正孔が注入される。これにより、ドリフト層12において伝導度変調が生じ、ドリフト抵抗が顕著に減少する。
このとき、ゲート電極21に負の電圧を印加することで、第2の被覆層32を空乏化し、第1の被覆層31と第2の被覆層32との界面に生じる2DEGの濃度を減少させることできる。ゲート電極21に印加する負電圧をピンチオフ電圧以下とすることにより、縦型半導体装置100をオフ状態にすることができる。
本実施の形態に係る縦型半導体装置100によれば、半導体層10の主表面側にエミッタ層14からドリフト層12に至るゲートトレンチGTの側壁SGに沿って、窒化ガリウム系半導体のヘテロ接合を用いたチャネルを形成するとともに、半導体層10の裏面F1側に、ドリフト層12の導電型とは異なる導電型のコレクタ層11を形成することにより、ドリフト層12の電気抵抗を低減でき、電流密度を高めることができる。その結果、本実施の形態の縦型半導体装置100は、従来の窒化ガリウム系半導体の縦型半導体装置よりも大電流を制御することができる。
次に、図2〜図5を参照して、本実施の形態に係る縦型半導体装置の製造方法について説明する。
ます、図2を参照して、窒化ガリウムを含む半導体層10を準備する。具体的には、半導体層10の裏面F1を成し、第1の導電型を有する第1の層(コレクタ層11)を有する基板を準備し、第1の層(コレクタ層11)上に第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第2の層(ドリフト層12)と、第2の層(ドリフト層12)上に第1の導電型を有する第3の層(ボディ層13)と、半導体層の主表面F2を成し、第3の層(ボディ層13)上に第2の導電型を有する第4の層(エミッタ層14)とを、順にエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長の方法は、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法またはMBE(Molecular Beam Epitaxy)法を用い得る。上述のように、好ましくは、第1の導電型はp型であり、第2の導電型はn型である。これにより、第2の層(ドリフト層12)において、電子を多数キャリアとして用いることができる。
次に、スイッチング部20を形成する。具体的には、ゲートトレンチGTを形成し、該ゲートトレンチGTを覆う被覆層30を形成する。その後、被覆層30上にゲート電極21を形成する。
すなわち、図3および図4を参照して、半導体層10の主表面F2上に、ゲートトレンチGTが形成されるべき位置に対応した開口部を有するマスク層(図示せず)を形成した後、エッチングを行い半導体層10を部分的に除去することにより、ゲートトレンチGTを形成する。マスク層は、例えば、フォトレジスト層とする。エッチングは、例えば、塩素ガス(Cl2)とアルゴンガス(Ar)との混合ガスを用いた反応性イオンエッチング(RIE)とする。このとき、RIEの処理条件により、ゲートトレンチGTの側壁SGの、半導体層10の主表面に対する傾斜角θ(図3参照)を調整することができる。側壁SGの上記傾斜角θは、側壁SGに沿って被覆層30を均一に形成できる限りにおいて、任意の角度としてよい。好ましくは、傾斜角θを0°超え90°以下とすることにより、側壁SGにも被覆層30を容易に形成することができる。なお、ゲートトレンチGTを形成した後、上述したマスク層を(たとえばウエットエッチングなどの任意の方法により)除去する。
ゲートトレンチGTを形成後に、側壁SGおよび底面BTを覆う被覆層30(図4参照)を形成する。被覆層30としては、第1の被覆層31を形成し、続いて第1の被覆層31よりワイドバンドギャップである第2の被覆層32を形成する。上述のように、例えば、第1の被覆層31をアンドープGaNとし、第2の被覆層32をAlGaNとしてもよい。第1の被覆層31および第2の被覆層32の形成方法としては、MOCVD法またはMBE法を用い得る。好ましくは第1の被覆層31と第2の被覆層32とを連続して形成する。これにより、良好なヘテロ接合界面を形成でき、界面準位の発生を抑制できる。
第1の被覆層31および第2の被覆層32を形成した後、第2の被覆層32とショットキー接合するゲート電極21を形成する。なお、図5を参照して、ゲート電極21を形成する前に、エミッタトレンチETを形成したのち、エミッタトレンチET内にエミッタ電極44を形成してもよい。
エミッタトレンチETは、半導体層10の主表面F2側からエミッタ層14を貫通してボディ層13に達するトレンチである。図5を参照して、エミッタトレンチETが形成される位置に対応した開口部を有するマスク層50を形成した後、エッチングを行うことで被覆層30、エミッタ層14およびボディ層13を部分的に除去することにより、エミッタトレンチETを形成することができる。エッチングは、例えば、RIEにより実施することができる。
エミッタ電極44は、エミッタ層14とボディ層13とにオーミック接合する電極であり、図6を参照して、例えば、エミッタトレンチET形成に用いたマスク層50を用いて、リフトオフ法により形成してもよい。具体的には、たとえば上記のようにエミッタトレンチETを形成した後、マスク層50を除去せずにそのままエミッタトレンチETを埋め込むようにエミッタ電極44となるべき導電体層を形成する。その後、エミッタトレンチET以外の領域に位置する導電体層を、マスク層50とともに除去することにより、エミッタトレンチET内にエミッタ電極44を形成することができる。この後、第2の被覆層32とショットキー接合するゲート電極21、およびコレクタ層11に接するコレクタ電極41を形成することにより、図1に示した構造の縦型半導体装置100を得ることができる。
本実施の形態の縦型半導体装置の製造方法によれば、半導体層10の主表面F2側にエミッタ層14からドリフト層12に至るゲートトレンチGTの側壁SGに沿って、窒化ガリウム系半導体のヘテロ接合を用いたチャネルを形成するとともに、半導体層10の裏面側に、ドリフト層の導電型とは異なる導電型のコレクタ層11を形成するため、ドリフト層12の電気抵抗を低減でき、バイポーラモードで動作するため電流密度を高めることができる。その結果、本実施の形態の縦型半導体装置100は、従来の窒化ガリウム系半導体の縦型半導体装置よりも大電流を制御することができる。
(実施の形態2)
以下、図7を参照して、本発明の実施の形態2に係る縦型半導体装置およびその製造方法について説明する。本実施の形態に係る縦型半導体装置200およびその製造方法は、基本的には実施の形態1に係る縦型半導体装置100およびその製造方法と同様の構成を備えるが、被覆層30(図1参照)が誘電体からなる誘電体層33となっている点で、図1に示した縦型半導体装置100およびその製造方法と異なる。本実施の形態においては、窒化ガリウム系半導体のヘテロ接合を用いてチャネルを形成するのではなく、ゲート電極21、誘電体層33、ボディ層13(p-GaN)からなるMIS構造(Metal-Insulator-Semiconductor)を用いてチャネルを形成する。このようにすれば、ノーマリオフ型の縦型半導体装置を得ることができるとともに、実施の形態1に係る縦型半導体装置100と同様の効果を得ることができる。
以下、図7を参照して、本発明の実施の形態2に係る縦型半導体装置およびその製造方法について説明する。本実施の形態に係る縦型半導体装置200およびその製造方法は、基本的には実施の形態1に係る縦型半導体装置100およびその製造方法と同様の構成を備えるが、被覆層30(図1参照)が誘電体からなる誘電体層33となっている点で、図1に示した縦型半導体装置100およびその製造方法と異なる。本実施の形態においては、窒化ガリウム系半導体のヘテロ接合を用いてチャネルを形成するのではなく、ゲート電極21、誘電体層33、ボディ層13(p-GaN)からなるMIS構造(Metal-Insulator-Semiconductor)を用いてチャネルを形成する。このようにすれば、ノーマリオフ型の縦型半導体装置を得ることができるとともに、実施の形態1に係る縦型半導体装置100と同様の効果を得ることができる。
次に、図7に示した縦型半導体装置200の動作について説明する。第1の導電型をp型、第2の導電型をn型としたとき、例えば、ボディ層13がp−GaNの場合には、ゲート電極21に閾値を超える正の電圧を印加することにより、誘電体層33とボディ層13との界面に反転層が形成される。エミッタ電極44に対して正の電圧をコレクタ電極41に印加しておくことで、エミッタ層14からドリフト層12に多数キャリアの電子が注入される。これにともない、コレクタ層11からドリフト層12に正孔が注入され、ドリフト層12の電気抵抗が低減する。これにより、本実施の形態の縦型半導体装置200は、実施の形態1の縦型半導体装置と同様に、大電流動作することができる。
一方、ゲート電極21に上記のような電圧が印加されていないと、反転層は形成されないため、エミッタ電極44に対して正の電圧がコレクタ電極41に印加されていても、縦型半導体装置200はオフ状態となる。
誘電体層33の材料としては、任意の誘電体を選択することができるが、例えば、酸化アルミニウム(Al2O3)としてもよい。好ましくは、誘電体層33は、原子層堆積法(Automic Layer Deposition)法により形成する。これにより、ゲートトレンチGTの側壁SGに均一性の高い誘電体層33を形成することができる。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の縦型半導体装置およびその製造方法は、大電流動作が要求される電力素子に特に有利に適用される。
10 半導体層、11 コレクタ層、12 ドリフト層、13 ボディ層、14 エミッタ層、20 スイッチング部、21 ゲート電極、30 被覆層、31 第1の被覆層、32 第2の被覆層、33 誘電体層、41 コレクタ電極、44 エミッタ電極、100,200 縦型半導体装置、ET エミッタトレンチ、F1 裏面、F2 主表面、GT ゲートトレンチ、SG 側壁、BT 底面。
Claims (9)
- 窒化ガリウムを含む半導体層と、
前記半導体層の主表面側に、前記半導体層の厚さ方向の電流の流れをON/OFFするスイッチング部とを備え、
前記半導体層は、前記半導体層の前記主表面側と前記厚さ方向に対向する裏面側に設けられた第1導電型を有するコレクタ層と、前記コレクタ層から見て前記主表面側に設けられた第2導電型を有するドリフト層と、を含む縦型半導体装置。 - 前記スイッチング部は、前記半導体層の前記主表面上に被覆層を介して配置されたゲート電極を含む、請求項1に記載の縦型半導体装置。
- 前記被覆層は、第1の窒化ガリウム系半導体からなる第1の被覆層と、
前記第1の被覆層上に積層され、前記第1の窒化ガリウム系半導体よりもバンドギャップの大きい第2の窒化ガリウム系半導体からなる第2の被覆層とを有する、請求項2に記載の縦型半導体装置。 - 前記被覆層は、誘電体からなる誘電体層を有する、請求項2に記載の縦型半導体装置。
- 前記半導体層は、前記ドリフト層上に設けられ、前記第1の導電型を有するボディ層と、前記ボディ層の上に設けられ、前記第2の導電型を有するエミッタ層とをさらに含み、
前記半導体層の前記主表面側から前記エミッタ層および前記ボディ層を貫通して前記ドリフト層に至る側壁と、前記ドリフト層に形成される底面とを含むゲートトレンチが形成され、
前記被覆層は、前記側壁上に形成され、前記ゲート電極は前記ゲートトレンチ内に配置されている、請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の縦型半導体装置。 - 前記側壁は、前記主表面に対して傾斜している、請求項5に記載の縦型半導体装置。
- 窒化ガリウムを含む半導体層を準備する工程と、
前記半導体層の主表面側に、前記半導体層の厚さ方向の電流の流れをON/OFFするスイッチング部を形成する工程とを備え、
前記半導体層を準備する工程は、前記半導体層の前記主表面側と前記厚さ方向に対向する裏面側に設けられた第1導電型を有するコレクタ層と、前記コレクタ層から見て前記主表面側に設けられた第2導電型を有するドリフト層とを形成する工程を含む、縦型半導体装置の製造方法。 - 前記半導体層を準備する工程は、前記ドリフト層上に前記第1の導電型を有するボディ層を形成する工程と、前記ボディ層上に前記第2の導電型を有するエミッタ層を形成する工程とを含み、
前記スイッチング部を形成する工程は、前記主表面側に、前記エミッタ層および前記ボディ層を貫通して前記ドリフト層に至るゲートトレンチを形成する工程と、前記ゲートトレンチを覆う被覆層を形成する工程と、前記被覆層上に、ゲート電極を形成する工程とを含む、請求項7に記載の縦型半導体装置の製造方法。 - 前記ゲートトレンチを形成する工程は、塩素ガスとアルゴンガスとの混合ガスを用いたRIE法によって行われる、請求項8に記載の縦型半導体装置の製造方法。
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2012
- 2012-07-06 JP JP2012151985A patent/JP2014017291A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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