JP2014017242A - 燃料電池スタック - Google Patents

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Abstract

【課題】集電板41に電気的に接続されている電力取出コネクター42が容易に取り外されることを防止できる燃料電池スタック1を提供する。
【課題を解決するための手段】燃料電池スタック1は、積層体2、集電板41、エンドプレート(金属板32等)、固定部材(上板35等)、電力取出コネクター42、および挿通部を有している。ここで、電力取出コネクター42は、端子42aを備えるハウジング部42bと、積層方向から見た平面視においてハウジング部よりも外方に拡がるフランジ部42cとを含んでいる。燃料電池スタックは、エンドプレートの挿通部が、電力取出コネクターにおけるハウジング部を通す大きさであり、かつ、フランジ部の少なくとも一部を隠す大きさである開口部から構成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、燃料電池スタックに関する。
近年、環境負荷の少ない電源として燃料電池スタックが注目されている。燃料電池スタックは、たとえば供給された水素ガスおよび酸素ガスで化学反応を起こし、発生した化学エネルギーを電気エネルギーに変換する。燃料電池スタックは、化学反応により生成される物質が原理的に水であることから、地球環境への悪影響がほとんど無い。
ところで、燃料電池スタックの燃料電池セルで発電された電力は、たとえば、燃料電池セルが積層された積層体の端部に配設された集電板を介し、コネクターに相当する電流ケーブル端子から外部に供給される(特許文献1を参照)。
特開2010−135118号公報
上記特許文献1の構成では、コネクターに相当する電流ケーブル端子は、締付板に隣接して配設されているものの、十分に固定されているものではない。このような構成では、集電板に電気的に接続されているコネクターが、容易に取り外されてしまう虞がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、集電板に電気的に接続されているコネクターが容易に取り外されることを防止できる燃料電池スタックの提供を目的とする。
上記目的を達成する本発明に係る燃料電池スタックは、積層体、集電板、エンドプレート、固定部材、コネクター部、および挿通部を有している。積層体は、アノードとカソードとを電解質膜の両側に接合した膜電極接合体が一対のセパレータによって挟持された燃料電池セルを複数積層して構成している。集電板は、燃料電池セルを積層する積層方向における積層体の少なくとも一方の端部に配置される。エンドプレートは、集電板よりも積層方向の外側に配置される。固定部材は、積層体とエンドプレートとを積層方向に固定する。コネクター部は、集電板に電気的に接続される端子を備える。挿通部は、エンドプレートに設けられ、集電板とエンドプレートとの間に配置したコネクター部の端子を外部に臨ませる。ここで、コネクター部は、端子を備えるハウジング部と、積層方向から見た平面視においてハウジング部よりも外方に拡がるフランジ部とを含んでいる。本発明に係る燃料電池スタックは、挿通部が、コネクター部におけるハウジング部を通す大きさであり、かつ、フランジ部の少なくとも一部を隠す大きさである開口部から構成されていることに特徴を有している。
上記のように構成した本発明の燃料電池スタックでは、コネクター部が、端子を備えるハウジング部と、積層方向から見た平面視においてハウジング部よりも外方に拡がるフランジ部とを含んでいる。さらに、エンドプレートの挿通部が、コネクター部におけるハウジング部を通す大きさであり、かつ、フランジ部の少なくとも一部を隠す大きさである開口部から構成されている。したがって、本発明の燃料電池スタックによれば、コネクター部は、エンドプレートを除去しない限り、エンドプレートの挿通部が干渉して取り外すことができない。すなわち、集電板に電気的に接続されているコネクター部が容易に取り外されることを防止できる。
本実施形態に係る燃料電池スタックを示す斜視図である。 本実施形態に係る燃料電池スタックを、燃料電池セルを複数積層した積層体と筺体と電力取出部に分離し、かつ筺体の一部を構成部材毎に分解して示す斜視図である。 本実施形態に係る燃料電池スタックの燃料電池セルを構成部材毎に分解して示す斜視図である。 本実施形態に係る燃料電池スタックを、燃料電池セルを複数積層した積層体と筺体の一部と電力取出部に分離し、かつ筺体の一部および電力取出部を構成部材毎に分解して示す斜視図である。 図4の燃料電池スタックに係る応用例1に相当し、燃料電池セルを複数積層した積層体と筺体の一部と電力取出部に分離し、かつ筺体の一部および電力取出部を構成部材毎に分解して示す斜視図である。 図4の燃料電池スタックに係る応用例2に相当し、燃料電池セルを複数積層した積層体と筺体の一部と電力取出部および締結部材に分離し、かつ筺体の一部および電力取出部を構成部材毎に分解して示す斜視図である。 図5の燃料電池スタックに係る応用例2に相当し、燃料電池セルを複数積層した積層体と筺体の一部と電力取出部および締結部材に分離し、かつ筺体の一部および電力取出部を構成部材毎に分解して示す斜視図である。 図4の燃料電池スタックに係る応用例3に相当し、燃料電池セルを複数積層した積層体と筺体の一部と電力取出部に分離し、かつ電力取出部を構成部材毎に分解して示す斜視図である。 図8の燃料電池スタックに係る応用例4に相当し、燃料電池セルを複数積層した積層体と筺体の一部と電力取出部および締結部材に分離し、かつ電力取出部を構成部材毎に分解して示す斜視図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面における各部材の大きさや比率は、説明の都合上誇張され実際の大きさや比率とは異なる場合がある。
まず、燃料電池スタック1の構成について、図1〜図4を参照しながら説明する。
図1は、燃料電池スタック1を示す斜視図である。図2は、燃料電池スタック1を、燃料電池セル10を複数積層した積層体2と筺体30と電力取出部40に分離し、かつ筺体30の一部を構成部材毎に分解して示す斜視図である。図3は、燃料電池スタック1の燃料電池セル10を構成部材毎に分解して示す斜視図である。図4は、燃料電池スタック1を、燃料電池セル10を複数積層した積層体2と筺体30の一部と電力取出部40に分離し、かつ筺体30の一部および電力取出部40を構成部材毎に分解して示す斜視図である。
本実施形態に係る燃料電池スタック1は、燃料電池セル10を複数積層した積層体2、隣り合う燃料電池セル10を封止する封止部材20、各構成部材を保持する筺体30、および燃料電池セル10から外部に電力を取り出す電力取出部40を備えている。以下、燃料電池スタック1に備えられた、燃料電池セル10を複数積層した積層体2、封止部材20、筺体30、および電力取出部40の構成について、順に説明する。
積層体2は、燃料電池セル10を複数積層して構成している。燃料電池セル10は、電力を生成する。燃料電池セル10は、図3に示すように、アノード11bとカソード11cとを電解質膜11aの両側に接合した膜電極接合体11を一対のセパレータ(第1セパレータ13および第2セパレータ14)で挟持して構成している。燃料電池セル10は、膜電極接合体11、枠体12、第1セパレータ13、および第2セパレータ14を有している。以下、燃料電池セル10を構成する各部材について説明する。
膜電極接合体11は、図3に示すように、アノード11bとカソード11cを電解質膜11aに対向するように接合して形成している。電解質膜11aは、たとえば、固体の高分子材料からなり、薄板状に形成している。固体高分子材料には、たとえば、水素イオンを伝導し、湿潤状態で良好な電気伝導性を有するフッ素系樹脂を用いる。アノード11bは、電極触媒層、撥水層、およびガス拡散層を積層して構成し、電解質膜11aよりも若干小さい薄板状に形成している。カソード11cは、電極触媒層、撥水層、およびガス拡散層を積層して構成し、アノード11bと同様の大きさで薄板状に形成している。カソード11cおよびアノード11bの電極触媒層は、導電性の担体に触媒成分が担持された電極触媒と高分子電解質を含んでいる。カソード11cおよびアノード11bのガス拡散層は、たとえば、充分なガス拡散性および導電性を有する炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロス、カーボンペーパ、またはカーボンフェルトから形成している。上述した膜電極接合体11は、一般的にMEA(membrane electrode assembly)と称されている。
枠体12は、図3に示すように、膜電極接合体11の外周を保持している。枠体12は、たとえば、電気絶縁性を有する樹脂からなり、内部に開口した保持部12gで膜電極接合体11の外周を保持した状態で、長方形の板状に一体成形している。枠体12は、その長手方向の一端に、カソードガス供給口12a、冷却流体供給口12b、およびアノードガス供給口12cを、それぞれ貫通孔で形成している。枠体12は、長手方向の他端に、アノードガス排出口12d、冷却流体排出口12e、およびカソードガス排出口12fを、それぞれ貫通孔で形成している。
第1セパレータ13は、図3に示すように、膜電極接合体11を保持した枠体12の一面側に接合している。第1セパレータ13は、導電性材料を有する金属からなり、アノード11bよりも大きい薄板状に形成している。第1セパレータ13は、流路をなすように凹状と凸状を段違いに複数設けて形成している。すなわち、第1セパレータ13は、複数の凹凸状の形状が一定の間隔で並ぶようにプレス成形により形成している。第1セパレータ13は、膜電極接合体11のアノード11b側に設けているが、カソード11c側に設けてもよい。第1セパレータ13に係る複数の凹凸状の形状のうち、アノード11bと接触する側の領域が、そのアノード11bにアノードガスを供給するためのアノードガス流路に相当する。第1セパレータ13に係る複数の凹凸状の形状のうち、アノード11bと接触しない側の領域が、燃料電池スタック1を冷却するための冷却水を流す冷却水流路に相当する。
第2セパレータ14は、図3に示すように、枠体12の一面に対向した他面側に接合し、膜電極接合体11の外側に向かう方向に突出した端子部14cを備えている。端子部14cは、図示せぬ電圧測定コネクターを差し込み、膜電極接合体11の燃料電池セル10で生成された電力の電圧を測定するためのものである。第2セパレータ14は、第1セパレータ13と同様に、導電性材料を有する金属からなり、カソード11cよりも大きい薄板状に形成している。第2セパレータ14は、第1セパレータ13と同様に、流路をなすように凹状と凸状を段違いに複数設けて形成している。すなわち、第2セパレータ14は、複数の凹凸状の形状が一定の間隔で並ぶようにプレス成形により形成している。第2セパレータ14は、膜電極接合体11のカソード11c側に設けているが、アノード11b側に設けてもよい。
封止部材20は、図2に示すように、隣り合う燃料電池セル10の枠体12の外周を封止する。封止部材20は、たとえば、熱硬化性樹脂からなり、枠体12の外周に対して環状に設ける。したがって、封止部材20は、複数の燃料電池セル10を密着した状態で一体に接合する。封止部材20を熱硬化性樹脂で形成する場合には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル等を用いる。封止部材20は、熱硬化性の接着剤として構成してもよい。
筺体30は、図2および図4に示すように、燃料電池セル10を複数積層して構成した積層体2を保持する。筺体30は、一対の絶縁板31および33、一対の金属板32および34、上板35、下板36、および一対の側板37および38を有している。以下、筺体30を構成する各部材について説明する。
一対の絶縁板31および33は、図2および図4に示すように、後述する電力取出部40の集電板41よりも積層方向の外側に配置されるエンドプレートに相当する。一対の絶縁板31および33は、電力取出部40の集電板41を絶縁する。一対の絶縁板31および33は、たとえば絶縁性の樹脂からなり、燃料電池セル10の外形形状に対応した形状に形成している。たとえば絶縁板31は、図4に示すように、その中央から水平方向に偏心した位置に設けた凹状の挿通部31gに、後述する電力取出部40の電力取出コネクター42の一部を収納する。絶縁板31は、その中央から水平方向に偏心した位置の端部に設けた切欠部31hから、電力取出コネクター42の端子42aを外部に臨ませる。一対の絶縁板31および33は、集電板41と電力取出コネクター42との間に配置される電気絶縁性の第1のプレートに相当する。
一対の絶縁板31および33は、長方形からなる板状に形成し、その長手方向の一端に、カソードガス供給口31aおよび33a、冷却流体供給口31bおよび33b、およびアノードガス供給口31cおよび33cを、それぞれ貫通孔で形成している。一対の絶縁板31および33は、長手方向の他端に、アノードガス排出口31dおよび33d、冷却流体排出口31eおよび33e、およびカソードガス排出口31fおよび33fを、それぞれ貫通孔で形成している。図3に示すように、複数の燃料電池セル10が積層され、その両端には、電力取出部40の集電板41がそれぞれ接合されている。この状態で、一方の集電板41に絶縁板31を接合し、他方の集電板41に絶縁板33を接合する。すなわち、一対の絶縁板31および33は、一対の集電板41を両側から付勢した状態で担持している。
一対の金属板32および34は、図2および図4に示すように、後述する電力取出部40の集電板41よりも積層方向の外側に配置されるエンドプレートに相当する。金属板32および34に替えて、絶縁材からなる絶縁板を設けてもよい。一対の金属板32および34は、一対の絶縁板31および33を両側から担持する。一対の金属板32および34は、たとえば、金属からなり、絶縁板31および33の形状に対応した外形形状に、それぞれ形成している。たとえば、金属板32は、図4に示すように、その中央から水平方向に偏心した位置に設けた凹状の挿通部32gに、後述する電力取出部40の電力取出コネクター42を挿通する。金属板32は、その中央から水平方向に偏心した位置の端部に設けた切欠部32hから、電力取出コネクター42の端子42aを外部に臨ませる。金属板32の挿通部32gは、電力取出コネクター42の後述するハウジング部42bを通す大きさであり、かつ、電力取出コネクター42の後述するフランジ部42cの少なくとも一部を通さない大きさの開口から構成している。一対の金属板32および34は、挿通部が設けられた第2のプレートに相当する。
一対の金属板32および34は、長方形からなる板状で形成し、その長手方向の一端に、カソードガス供給口32aおよび34a、冷却流体供給口32bおよび34b、およびアノードガス供給口32cおよび34cを、それぞれ貫通孔で形成している。金属板32および34は、長手方向の他端に、アノードガス排出口32dおよび34d、冷却流体排出口32eおよび34e、およびカソードガス排出口32fおよび34fを、それぞれ貫通孔で形成している。
上板35および下板36は、図2および図4に示すように、積層体2とエンドプレート(たとえば、一対の金属板32および34)とを積層方向に固定する固定部材に相当する。具体的には、上板35および下板36は、複数積層された燃料電池セル10の外周を上下方向から付勢した状態で担持する。上板35は、たとえば、金属からなり、板状に形成している。上板35は、長方形状の開口部35aを備えている。上板35の開口部35aは、複数の燃料電池セル10が積層された状態で、その燃料電池セル10の枠体12から突出して備えられた第2セパレータの端子部14cを挿入する。筺体30の下板36は、たとえば、金属からなり、板状に形成している。上板35および下板36、開口部35aの有無を除き、対面同一の形状である。
一対の側板37および38は、図2に示すように、積層体2とエンドプレート(たとえば、一対の金属板32および34)とを積層方向に固定する固定部材に相当する。具体的には、一対の側板37および38は、複数積層された燃料電池セル10の外周を左右方向から付勢した状態で担持している。一対の側板37および38は、たとえば、金属からなり、板状に形成している。一対の側板37および38は、対面同一の形状である。上述した一対の金属板32および34、上板35、下板36、および一対の側板37および38は、図示せぬボルト等により、一体に締結している。
電力取出部40は、図2および図4に示すように、複数積層された燃料電池セル10から外部に電力を取り出す。電力取出部40は、図3に示すように、集電板41および一対の電力取出コネクター42および43を有している。以下、電力取出部40を構成する各部材について説明する。
集電板41は、燃料電池セル10を積層する積層方向における積層体2の少なくとも一方の端部に配置する。集電板41は、たとえば、緻密質カーボンのようなガスを透過させない導電性部材からなり、アノード11bおよびカソード11cよりも若干小さい薄板状に形成し中央に突起を設けている。電力取出部40の電力取出コネクター42および43は、一対の集電板41に電気的に接続される端子を備えるコネクター部に相当する。
電力取出コネクター42および43は、たとえば一対の集電板41で集電された電力を燃料電池スタック1の外部に取り出す。電力取出コネクター42は、図4に示すように、多角形状からなるベース部42dにおいて、端子42aを備えるハウジング部42bと、積層方向から見た平面視においてハウジング部42bよりも外方に拡がるフランジ部42cとを含んでいる。また、電力取出コネクター42は、集電板41に設けられた突起を挿入するための図示せぬ窪みを設けている。
上述した本実施形態の燃料電池スタック1によれば、以下の作用効果を奏する。
燃料電池スタック1では、電力取出コネクター42は、端子42aを備えるハウジング部42bと、積層方向から見た平面視においてハウジング部42bよりも外方に拡がるフランジ部42cとを含んでいる。本発明に係る燃料電池スタック1は、エンドプレート(たとえば金属板32)の挿通部32gが、電力取出コネクター42におけるハウジング部42bを通す大きさであり、かつ、フランジ部42c部の少なくとも一部を隠す大きさである開口部から構成されていることに特徴を有している。この開口部は、矩形状からなる窓形状に加えて、コの字状等の切欠形状を含む。
このように構成した燃料電池スタック1によれば、電力取出コネクター42は、エンドプレート(たとえば金属板32)を除去しない限り、エンドプレート(たとえば金属板32)の挿通部32gが干渉して取り外すことができない。すなわち、集電板41に電気的に接続されている電力取出コネクター42が容易に取り外されることを防止できる。
さらに、燃料電池スタック1では、エンドプレートは、集電板41と電力取出コネクター42との間に配置される電気絶縁性の第1のプレート(たとえば絶縁板31)と、挿通部が設けられた第2のプレート(たとえば金属板32であるが、絶縁板とすることも可能)とを含む構成とすることができる。
このように構成した燃料電池スタック1によれば、簡便な構成により、集電板41で集電した電力を漏電させることなく、電力取出コネクター42を介して外部に取り出すことができる。
さらに、燃料電池スタック1では、第1のプレート(たとえば絶縁板31)は、電力取出コネクター42におけるベース部42dの少なくとも一部が嵌まり込む凹所31iを備える構成とすることができる。
このように構成した燃料電池スタック1によれば、第1のプレート(たとえば絶縁板31)の凹所31iに対して、電力取出コネクター42を収納した状態で保持することができる。したがって、電力取出コネクター42が第1のプレート(たとえば絶縁板31)から脱落することを防止できる。
さらに、燃料電池スタック1では、筺体30の上板35等を用いて、第1のプレート(たとえば絶縁板31)と、第2のプレート(たとえば金属板32)との間で、電力取出コネクター42を拘束する構成とすることができる。
このように構成した燃料電池スタック1によれば、第1のプレート(たとえば絶縁板31)と、第2のプレート(たとえば金属板32)を用いて、電力取出コネクター42を共締めするという簡便な方法により、部品点数を抑制した上で、その電力取出コネクター42を十分に固定することができる。したがって、電力取出コネクター42が燃料電池スタック1から脱落することを防止できる。
つぎに、燃料電池スタック1において、前述した図4に示すエンドプレートに係る応用例1について、図5を参照しながら説明する。
図5は、図4の燃料電池スタック1に係る応用例1に相当し、燃料電池セル10を複数積層した積層体2と筺体50の一部と電力取出部40に分離し、かつ筺体50の一部および電力取出部40を構成部材毎に分解して示す斜視図である。
筺体50に設けられたエンドプレートは、第1のプレート、第2のプレート、および第3のプレートを含んでいる。第1のプレートは、前述した絶縁板31の外形形状を簡素化し表面に凹凸を設けていない板状からなる電気絶縁性の絶縁板51である。絶縁板51は、集電板41と金属板53との間に配置される。絶縁板51の中央に設けた貫通孔51gに、集電板41の突起を挿通させる。第2のプレートは、前述した金属板32と同様の外形形状からなる金属板52である。金属板52は、電力取出コネクター42よりも積層体2の外側に配置される。第3のプレートは、前述した絶縁板31と同様の外形形状であるが、材質は絶縁性の樹脂と異なり導電性からなる金属板53である。金属板53は、絶縁板51と電力取出コネクター42との間に配置される。
すなわち、図5に示す筺体50は、図4に示す前述した絶縁板31を、絶縁板51と金属板53の構成に置き換え、その絶縁板51を集電板41に隣接させた構成に相当する。筺体50は、図2に示す筺体30と同様に、上板35、下板36、および一対の側板37および38を有している。絶縁板51、金属板52、および金属板53は、図2に示す筺体30と同様に、燃料電池セル10を複数積層して構成した積層体2の両端に配設するように、一対で構成している。
上述した本実施形態の燃料電池スタック1の応用例1によれば、さらに以下の作用効果を奏する。
燃料電池スタック1は、エンドプレートは、集電板41と電力取出コネクター42との間に配置される絶縁板51、挿通部52gが設けられた金属板52、および絶縁板51と金属板52の間において、絶縁板51と電力取出コネクター42との間に配置される金属板53を含む構成とすることができる。
このように構成した燃料電池スタック1の応用例1によれば、集電板41を絶縁板51で絶縁することにより、電力取出コネクター42の両端に隣接したエンドプレートを、それぞれ金属板52および金属板53とすることができる。したがって、たとえば、金属板52が挿通部52gを設けた外形形状であっても、加工が容易な金属をプレス加工して形成することができる。さらに、金属板52により、燃料電池セル10の冷却効果を高めることができる。また、絶縁板51は、挿通部を設けない簡素化な板状からなるため、射出成型等でも容易に形成することができる。
つぎに、燃料電池スタック1において、前述した図4および図5に示す電力取出コネクター42をエンドプレートに締結するための締結部材60を設けた応用例2について、図6および図7を参照しながら説明する。
図6は、燃料電池スタック1において、図4に示す電力取出コネクター42をエンドプレートに締結する締結部材60を設けた応用例2に相当する。図6は、燃料電池セル10を複数積層した積層体2と筺体30の一部と電力取出部40および締結部材60に分離し、かつ筺体30の一部および電力取出部40を構成部材毎に分解して示す斜視図である。図7は、燃料電池スタック1において、図5に示す電力取出コネクター42をエンドプレートに締結する締結部材60を設けた応用例2に相当する。図7は、燃料電池セル10を複数積層した積層体2と筺体50の一部と電力取出部40および締結部材60に分離し、かつ筺体50の一部および電力取出部40を構成部材毎に分解して示す斜視図である。
締結部材60は、たとえばネジまたは圧入ピンに相当する。図6に示すように、たとえばネジからなる締結部材60は、電力取出コネクター42のベース部42dに開口されたネジ孔42eを介して、絶縁板31の挿通部31gに設けられたネジ溝31jにネジ留めする。電力取出コネクター42のベース部42dに開口されたネジ孔42eは、電力取出コネクター42に隣接する金属板32によって隠される部位に形成している。同様に、図7に示すように、たとえばネジからなる締結部材60は、電力取出コネクター42のフランジ部42cに開口されたネジ孔42eを介して、金属板53の挿通部53gに設けられたネジ溝53jにネジ留めする。電力取出コネクター42のベース部42dに開口されたネジ孔42eは、電力取出コネクター42に隣接する金属板52によって隠される部位に形成している。
上述した本実施形態の燃料電池スタック1に締結部材60を設けた応用例2によれば、さらに以下の作用効果を奏する。
燃料電池スタック1は、図6に示すように、電力取出コネクター42におけるベース部42dのうち、金属板32によって隠される部位に、電力取出コネクター42を絶縁板31に対して締結する締結部材60を配置する構成としてもよい。さらに、燃料電池スタック1は、図7に示すように、電力取出コネクター42におけるベース部42dのうち、金属板52によって隠される部位に、電力取出コネクター42を金属板53に対して締結する締結部材60を配置する構成としてもよい。
このように構成した燃料電池スタック1の応用例2によれば、図6に示すように、締結部材60を用いて電力取出コネクター42を絶縁板31に対して強固に締結することができる。同様に、図7に示すように、締結部材60を用いて電力取出コネクター42を金属板53に対して強固に締結することができる。したがって、電力取出コネクター42が燃料電池スタック1から脱落することを防止できる。電力取出コネクター42のベース部42dに開口されたネジ孔42eは、外部から隠された状態であることから、締結部材60が取り外されることはない。
つぎに、燃料電池スタック1において、前述した図4に示すエンドプレートの応用例3に関し、図8を参照しながら説明する。
図8は、図4に示す燃料電池スタック1から、絶縁板31を削除した構成に相当し、燃料電池セル10を複数積層した積層体2と筺体70の一部と電力取出部40に分離し、かつ電力取出部40を構成部材毎に分解して示す斜視図である。
燃料電池スタック1では、絶縁板71が、電力取出コネクター42におけるベース部42dの少なくとも一部に当接している。筺体70は、図2に示す筺体30と同様に、上板35、下板36、および一対の側板37および38を有している。絶縁板71は、図2に示す筺体30と同様に、燃料電池セル10を複数積層して構成した積層体2の両端に配設するように、一対で構成している。筺体70の上板35等を用い積層体2と絶縁板71とを固定する。したがって、電力取出コネクター42が、集電板44と絶縁板71との間で拘束される。電力取出コネクター42は、集電板44と当接する面に絶縁性の材料を被覆している。集電板44は、前述した集電板41と比較して、肉厚を太くしている。
上述した本実施形態の燃料電池スタック1のエンドプレートに係る応用例3によれば、さらに以下の作用効果を奏する。
燃料電池スタック1では、絶縁板71が、電力取出コネクター42におけるベース部42dの少なくとも一部に当接し、筺体70の上板35等を用い積層体2と絶縁板71とを固定することによって、電力取出コネクター42が集電板44と絶縁板71との間で拘束される。
このように構成した燃料電池スタック1によれば、エンドプレートに相当する絶縁板31を削除した簡便な構成でも、絶縁板71が絶縁性を有するため、部品点数を抑制した上で、図4に示す燃料電池スタック1と同様の効果を得ることができる。さらに、燃料電池スタック1によれば、電力取出コネクター42を集電板44と絶縁板71との間で拘束して保持することができる。したがって、電力取出コネクター42が燃料電池スタック1から脱落することを防止できる。
つぎに、燃料電池スタック1において、前述した図8に示す燃料電池スタック1の構成で、締結部材60を用いて電力取出コネクター42を集電板44に締結した応用例4について、図9を参照しながら説明する。
図9は、燃料電池スタック1において、図8に示す電力取出コネクター42を締結部材60で締結する構成に相当し、燃料電池セル10を複数積層した積層体2と筺体70の一部と電力取出部40および締結部材60に分離し、かつ電力取出部40を構成部材毎に分解して示す斜視図である。
締結部材60は、電力取出コネクター42のベース部42dに開口されたネジ孔42eを介して、集電板44に設けられたネジ溝44aにネジ留めする。集電板44は、ネジ溝44aを形成するために、前述した集電板41と比較して、肉厚を太くしている。
上述した本実施形態の燃料電池スタック1に締結部材60を設けた応用例4によれば、さらに以下の作用効果を奏する。
燃料電池スタック1では、電力取出コネクター42のベース部42dのうち、エンドプレートによって隠される部位に、電力取出コネクター42を集電板44に対して締結する締結部材60が配置されている。
このように構成した燃料電池スタック1によれば、締結部材60を用いて電力取出コネクター42を集電板44に対して強固に締結することができる。したがって、電力取出コネクター42が燃料電池スタック1から脱落することを防止できる。電力取出コネクター42のベース部42dに開口されたネジ孔42eは、筺体70の絶縁板71によって、外部から隠された状態であることから、締結部材60が取り外されることはない。
そのほか、本発明は、特許請求の範囲に記載された構成に基づき様々な改変が可能であり、それらについても本発明の範疇である。たとえば、金属板は、絶縁板に置き換えてもよい。
1 燃料電池スタック、
2 積層体、
10 燃料電池セル、
11 膜電極接合体、
11a 電解質膜、
11b アノード、
11c カソード、
12 枠体、
13 第1セパレータ、
14 第2セパレータ、
20 封止部材、
30 筺体、
31 絶縁板、
31g 挿通部、
31h 切欠部、
31i 凹所、
31j ネジ溝、
32,34 金属板、
32g 挿通部、
32h 切欠部、
31,33 絶縁板、
35 上板、
35a 開口部、
36 下板、
37 側板、
40 電力取出部、
41,44 集電板、
42,43 電力取出コネクター、
42a 端子、
42b ハウジング部、
42c フランジ部、
42d ベース部、
42e ネジ孔、
44a ネジ溝、
50,70 筺体、
51,71 絶縁板、
51g 貫通孔、
52,53 金属板、
52g,53g 挿通部、
53i 凹所、
53j ネジ溝、
60 締結部材。

Claims (8)

  1. アノードとカソードとを電解質膜の両側に接合した膜電極接合体が一対のセパレータによって挟持された燃料電池セルを複数積層した積層体と、
    前記燃料電池セルを積層する積層方向における前記積層体の少なくとも一方の端部に配置される集電板と、
    前記集電板よりも前記積層方向の外側に配置されるエンドプレートと、
    前記積層体と前記エンドプレートとを積層方向に固定する固定部材と、
    前記集電板に電気的に接続される端子を備えるコネクター部と、
    前記エンドプレートに設けられ、前記集電板と前記エンドプレートとの間に配置した前記コネクター部の前記端子を外部に臨ませる挿通部と、を有し、
    前記コネクター部は、前記端子を備えるハウジング部と、前記積層方向から見た平面視において前記ハウジング部よりも外方に拡がるフランジ部とを含み、
    前記挿通部が、前記コネクター部における前記ハウジング部を通す大きさであり、かつ、前記フランジ部の少なくとも一部を隠す大きさである開口部から構成されてなる燃料電池スタック。
  2. 前記エンドプレートは、前記集電板と前記コネクター部との間に配置される電気絶縁性の第1のプレートと、前記挿通部が設けられた第2のプレートとを含んでいる、請求項1に記載の燃料電池スタック。
  3. 前記エンドプレートは、前記集電板と前記コネクター部との間に配置される電気絶縁性の第1のプレートと、前記挿通部が設けられた第2のプレートと、前記第1のプレートと前記第2のプレートの間において、前記第1のプレートと前記コネクター部との間に配置される第3のプレートと、を含んでいる、請求項1に記載の燃料電池スタック。
  4. 前記エンドプレートにおける前記第1または前記第3のプレートは、前記コネクター部における前記ベース部の少なくとも一部が嵌まり込む凹所を備えている、請求項2または請求項3に記載の燃料電池スタック。
  5. 前記エンドプレートにおける前記第2のプレートは、前記コネクター部における前記ベース部の少なくとも一部に当接し、前記固定部材によって前記積層体と前記エンドプレートにおける前記第2のプレートとを固定することによって、前記コネクター部が前記第1のプレートまたは前記第3のプレートと、前記第2のプレートとの間で拘束される、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
  6. 前記コネクター部における前記ベース部のうち、前記エンドプレートにおける前記第2のプレートによって隠される部位に、前記コネクター部を前記エンドプレートにおける前記第1のプレートまたは前記第3のプレートに対して締結する締結部材が配置されている、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
  7. 前記エンドプレートは、前記コネクター部における前記ベース部の少なくとも一部に当接し、前記固定部材によって前記積層体と前記エンドプレートとを固定することによって、前記コネクター部が前記集電板と前記エンドプレートとの間で拘束される、請求項1に記載の燃料電池スタック。
  8. 前記コネクター部における前記ベース部のうち、前記エンドプレートによって隠される部位に、前記コネクター部を前記集電板に対して締結する締結部材が配置されている、請求項7に記載の燃料電池スタック。
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