次に、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は本実施形態に係るサービス提供システムの一例の構成図である。図1のサービス提供システム1は、情報蓄積装置10、一台以上のスマートフォン11、一台以上のタブレット端末12、一台以上のMFP(Multi Function Peripheral:複合機)13、プロジェクタ14が、LAN(Local Area Network)などのネットワークN1に接続される構成を一例として示している。
ネットワークN1は例えば企業内ネットワークなど、プライベート環境のネットワークを利用できる。スマートフォン11及びタブレット端末12はユーザが携帯して操作する情報処理装置の一例である。情報処理装置は、スマートフォン11、タブレット端末12の他、携帯電話、ノートPCなど、ユーザが携帯して操作できる装置であればよい。
MFP13及びプロジェクタ14はサービス(印刷、スキャン、投影など)を提供する為の電子機器の一例である。電子機器はMFP13及びプロジェクタ14の他、プリンタ、スキャナ、複写機、画像表示装置など、サービスを提供できる装置であればよい。
MFP13は画像形成装置の一例である。MFP13は撮像機能、画像形成機能及び通信機能を備え、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能である。プロジェクタ14は画像投影装置の一例である。プロジェクタ14は投影機能及び通信機能を備える。
情報蓄積装置10は連携処理装置の一例である。情報蓄積装置10はMFP13やプロジェクタ14で処理できないような高機能処理の実行や、ファイルサーバとしての処理の実行を行う。なお、情報蓄積装置10はスマートフォン11やタブレット端末12などの情報処理装置と連携して、MFP13やプロジェクタ14などの電子機器を用いたサービスを提供する。なお、情報蓄積装置10は複数のコンピュータに分散して構成するようにしてもよい。
<ハードウェア構成>
情報蓄積装置10は例えば図2に示すハードウェア構成のコンピュータシステムにより実現される。なお、スマートフォン11やタブレット端末12などの情報処理装置も図2に示すハードウェア構成を含む構成である。図2は本実施形態に係るコンピュータシステムの一例のハードウェア構成図である。
図2のコンピュータシステム100は、入力装置101、表示装置102、外部I/F103、RAM104、ROM105、CPU106、通信I/F107及びHDD108などを備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。入力装置101はキーボードやマウスなどを含み、コンピュータシステム100に各操作信号を入力するのに用いられる。
表示装置102はディスプレイなどを含み、コンピュータシステム100による処理結果を表示する。通信I/F107はコンピュータシステム100をネットワークN1に接続するインターフェースである。これにより、コンピュータシステム100は通信I/F107を介して、他の装置、機器とデータ通信を行うことができる。
HDD108は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。格納されるプログラムやデータには、コンピュータシステム100全体を制御する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)、及び、OS上において各種機能を提供するアプリケーションソフトウェアなどがある。また、HDD108は、格納しているプログラムやデータを、所定のファイルシステム及び/又はDB(Data Base)により管理している。
外部I/F103は、外部装置とのインターフェースである。外部装置には、記録媒体103aなどがある。これにより、コンピュータシステム100は外部I/F103を介して、記録媒体103aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。なお、記録媒体103aにはフレキシブルディスク、CD、DVD(Digital Versatile Disk)、SDメモリカード(SD Memory card)、USBメモリ(Universal Serial Bus memory)等がある。
ROM105は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。ROM105には、コンピュータシステム100の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM104は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。
CPU106は、ROM105やHDD108などの記憶装置からプログラムやデータをRAM104上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータシステム100全体の制御や機能を実現する演算装置である。
本実施形態に係るコンピュータシステム100は、上記ハードウェア構成により、後述するような各種処理を実現できる。
<ソフトウェア構成>
本実施形態に係る情報蓄積装置10は例えば図3に示す処理ブロックで実現される。図3は本実施形態に係る情報蓄積装置の一例の処理ブロック図である。情報蓄積装置10はプログラムを実行することで、OS21、Webサーバ22、アプリケーションサーバ23、WebUI24、QRコード表示WebUI25、WebApi26、共有フォルダ27、ドキュメント管理28、Web制御29を実現している。
OS21は情報蓄積装置10のオペレーティングシステムであり、システム全体を制御する。OS21は、例えばWindows(登録商標)やLinux(登録商標)などである。
Webサーバ22はHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)で情報を送受信するソフトウェアである。Webサーバ22は例えばApache(登録商標)やIIS(登録商標)などである。
アプリケーションサーバ23は例えばWebサーバ22のプラグインとして動作するソフトウェアである。アプリケーションサーバ23は例えばTomcat(登録商標)などである。
WebUI24はHTTPリクエストによりシステム設定画面を表示する。ユーザはWebブラウザ(図示せず)を使用して、システム設定画面から設定の変更を行うことができる。
QRコード表示WebUI25はHTTPリクエストによりコード情報の一例であるQRコード(登録商標)の画面をMFP13などの電子機器に表示する。QRコードはマトリックス型二次元コードである。
WebApi(Application Programming Interface)26はネットワークN1経由で利用可能である。WebApi26はHTTPリクエストを受け付け、HTTPリクエストに応じた処理を行い、HTTPレスポンスを行う。
WebApi26は、スマートフォン11やタブレット端末12などの情報処理装置からのリクエスト(要求)を受信するために設けられた予め定義されたインターフェースであり、例えば関数やクラス等により構成される。
また、情報蓄積装置10のWebApi26をSDK(ソフトウェア開発キット)として情報処理装置に搭載されるアプリケーションの開発者に提供できる。アプリケーションの開発者はSDKを使用してアプリケーションを開発できる。SDKは情報蓄積装置10の提供者以外のサードベンダにも提供できる。サードベンダは提供されたSDKを使用してアプリケーションを開発できる。SDKを使用して開発されたアプリケーションは情報処理装置に搭載できる。
情報蓄積装置10のWebApiをSDKとして提供することにより、情報処理装置は情報蓄積装置10の提供者が開発したアプリケーションだけでなく、サードベンダが開発したアプリケーションも搭載できるようになる。
共有フォルダ27はSMB(Server Message Block)プロトコルによってネットワークN1上で公開されたフォルダである。ユーザはスマートフォン11やタブレット端末12などの情報処理装置を用いて、共有フォルダ27にアクセスできる。
ドキュメント管理28は共有フォルダ27に置かれたファイルを管理し、Web制御29からの要求に応じてデータ変換する処理を行う。なお、本実施形態におけるファイルはデータの一形態である。Web制御29はWebApiからの要求に応じてドキュメント管理28を制御する処理を行う。
なお、情報蓄積装置10は大きく分けて2つのプロセスが動作している。1つのプロセスはWebサーバ22、アプリケーションサーバ23、WebUI24、QRコード表示WebUI25、WebApi26を有している。もう1つのプロセスは、共有フォルダ27、ドキュメント管理28、Web制御29を有している。したがって、WebApi26とWeb制御29とはプロセス間通信を行う。
<処理の詳細>
以下では、本実施形態に係るサービス提供システム1の処理の詳細について説明する。
ここでは、スマートフォン11を使用してMFP13にスキャンを実行させ、スキャンをしたデータを情報蓄積装置10に保存する場合の処理について説明する。図4は、本実施形態に係るサービス提供システムの処理手順を表した一例のシーケンス図である。
ユーザはスマートフォン11を操作し、ファイル一覧表示処理を選択する。ユーザによりファイル一覧表示処理が選択されると、ステップS1において、スマートフォン11は情報蓄積装置10へのファイル一覧取得要求を例えばHTTPリクエスト(GET)により行う。
ステップS2において、情報蓄積装置10のWebApi26はファイル一覧取得要求を受け付け、Web制御29にファイル一覧取得要求を行う。Web制御29はWebApi26からのファイル一覧取得要求に応じてドキュメント管理28からファイル一覧を取得し、ファイル一覧をWebApi26に返す。WebApi26は図5に示すようなHTTPレスポンスによりファイル一覧をスマートフォン11に提供する。
図5はファイル一覧取得要求に対するレスポンスの一例の構成図である。図5のレスポンスはJson形式となっているが、スマートフォン11でファイル一覧を表示可能であれば他の形式であってもよい。スマートフォン11に搭載されているアプリケーションは図5に示すようなファイル一覧取得要求に対するレスポンスを元に、情報蓄積装置10が公開しているファイル一覧(フォルダを含む)を表示する。
ステップS1〜S2の処理を繰り返すことで、スマートフォン11には図6〜図7に示す画面が表示される。図6はITフォルダ選択画面の一例のイメージ図である。図6のITフォルダ選択画面1000はITフォルダとして「AllUsers」又は「yamada」を選択できる。
図7はフォルダ表示画面の一例のイメージ図である。図7のフォルダ表示画面1010はITフォルダ選択画面1000から「AllUsers」ITフォルダが選択されたあとの画面例である。図7のフォルダ表示画面1010はフォルダとして「category」「data」又は「workflow」が表示されている。図7のフォルダ表示画面1010で「Upload」ボタン1011が押下されると、スマートフォン11は図8に示すアップロード画面1020を表示する。
図8はアップロード画面の一例のイメージ図である。図8のアップロード画面1020はアップロード先のフォルダを選択するための「フォルダ選択ボタン」1021を有している。スマートフォン11は「フォルダ選択ボタン」1021が押下されると、図9に示すフォルダ選択画面1030を表示する。図9はフォルダ選択画面の一例のイメージ図である。ユーザは図9のフォルダ選択画面1030からアップロード先のフォルダを選択できる。
また、図8のアップロード画面1020はアップロード先のフォルダにアップロードするファイルの生成方法を指定するボタンの一例として「カメラで撮影して送信する」ボタンと「スキャンして送信する」ボタン1022とを有している。スマートフォン11を使用してMFP13にスキャンを実行させ、スキャンをしたデータを情報蓄積装置10に保存する場合、ユーザは「スキャンして送信する」ボタン1022を押下する。
なお、スマートフォン11のカメラ機能を使用して撮影し、撮影したデータを情報蓄積装置10に保存する場合、ユーザは「カメラで撮影して送信する」ボタンを押下すればよい。
ステップS3において、ユーザはスマートフォン11を操作し、図9のフォルダ選択画面1030に表示されたフォルダからスキャンデータを保存するフォルダを選択する。ここでは、フォルダ選択画面1030から「data」フォルダが選択されたものとして説明する。
ユーザはスマートフォン11を操作して図8のアップロード画面1020の「スキャンして送信する」ボタン1022を押下することで例えば図10に示すQRコード読み取り画面1100をスマートフォン11に表示させる。図10はQRコード読み取り画面の一例のイメージ図である。QRコード読み取り画面1100には、スキャン設定ボタン1101と、QRコード表示領域1102とが含まれる。QRコード表示領域1102はカメラ機能により撮影された画像が表示される領域である。
ステップS4において、ユーザは例えばスキャン設定ボタン1101を押下することにより図11に示すスキャン設定画面1110をスマートフォン11に表示させ、スキャン設定を行う。図11は、スキャン設定画面の一例のイメージ図である。ユーザはスマートフォン11を操作し、図11のスキャン設定画面1110からMFP13Aに実行させるスキャンの設定を行う。
なお、ステップS4のスキャン設定を行うタイミングは図4のタイミングに限定されるものではなく、ステップS1のファイル一覧取得要求の前に行ってもよいし、ステップS3のフォルダ選択の前に行ってもよい。
ステップS5、S6において、ユーザはスマートフォン11を操作し、カメラ機能により撮影されたQRコードがQRコード読み取り画面1100のQRコード表示領域1102に表示されるように、MFP13A上に表示されたQRコードと、スマートフォン11との位置関係を調整する。
スマートフォン11のアプリケーションはカメラ機能により撮影されたQRコードから図12に示すようなMFP13AのIPアドレスと機能情報とを読み取る。図12はQRコードから読み取る情報の一例の構成図である。
ステップS7において、スマートフォン11のアプリケーションは情報蓄積装置10にスキャン開始命令を行う。スキャン開始命令には、スキャン情報と、スキャンを行わせるMFP13AのIPアドレスとが含まれる。
ステップS7のスキャン開始命令には、スキャン情報と、スキャンを行わせるMFP13AのIPアドレスとが含まれるファイルを、スマートフォン11のアプリケーションが情報蓄積装置10の所定のフォルダに書き込む方法がある。
図13はファイルに含まれるスキャン情報の一例の構成図である。図13のスキャン情報には、図11のスキャン設定画面1110により設定されたスキャン設定と、スキャンデータを保存するフォルダのパス「AllUsers/data/」とが含まれる。
情報蓄積装置10は所定のフォルダをポーリングにより監視する。スキャン情報と、スキャンを行わせるMFP13AのIPアドレスとが含まれるファイルが所定のフォルダに書き込まれると、情報蓄積装置10はステップS8において、所定のフォルダに書き込まれたファイルを元に、MFP13Aにスキャン開始命令を行う。なお、ステップS7のスキャン開始命令は、WebApi26を利用して行ってもよい。
ステップS8のスキャン開始命令は例えば図14に示すコマンドを用いてMFP13Aにスキャン開始命令を行う。図14は情報蓄積装置からMFPへのスキャン開始命令に用いられるコマンドの一例の構成図である。図14のコマンドには、スキャンデータを保存するフォルダのパスを示すコマンド、スキャン設定を示すコマンドが含まれる。
ステップS9において、MFP13Aは情報蓄積装置10からのスキャン開始命令に含まれるスキャン設定に基づき、スキャンを実行する。ステップS10において、MFP13Aは情報蓄積装置10からのスキャン開始命令に含まれる「スキャンデータを保存するフォルダのパス」に基づき、ステップS3でユーザが選択した情報蓄積装置10のフォルダにスキャンデータを保存する。
なお、情報蓄積装置10は、例えばMFP13Aが公開しているスキャン用のJavascript(登録商標)を利用することで、ネットワークN1経由でMFP13Aにスキャンを実行させることができる。
また、MFP13AはWebブラウザ(図示せず)で情報蓄積装置10のQRコード表示WebUI25を表示することで、図15に示すようにQRコード1201を含む画面1200を操作パネルなどに表示できる。
図15はMFP上に表示されるQRコードの一例のイメージ図である。なお、図15の画面1200は例えば図16に示すようなMFP13AのWebブラウザ(図示せず)のトップ画面1210の「MFP Everywhere」ボタン1211を押下することで表示される。図16はMFP上に表示されるトップ画面の一例のイメージ図である。
なお、図15では画面1200にQRコード1201を表示する例を説明したが、例えばMFP13Aの筐体にQRコード1201のシールを貼付しておいてもよい。また、MFP13AはQRコード1201の画像データを自機内に保存しておいてもよい。
図17は情報蓄積装置の処理手順を表した一例のフローチャートである。ステップS21において、情報蓄積装置10は例えばMFP13の画面1200にQRコード1201を表示させる。
ステップS22において、情報蓄積装置10はスキャン情報と、スキャンを行わせるMFP13AのIPアドレスとが含まれるファイルが、所定のフォルダに書き込まれていないか検知する。スキャン情報と、スキャンを行わせるMFP13AのIPアドレスとが含まれるファイルが、所定のフォルダに書き込まれていることを検知するまで、情報蓄積装置10はステップS22の処理を繰り返す。
なお、スキャン情報と、スキャンを行わせるMFP13AのIPアドレスとが含まれるファイルが、所定のフォルダに書き込まれていることを検知すると、情報蓄積装置10はステップS24において、所定のフォルダに書き込まれたファイルからスキャン情報を取得する。
ステップS25において、情報蓄積装置10は所定のフォルダに書き込まれたファイルに含まれる「スキャンを行わせるMFP13AのIPアドレス」を元に、スキャン開始命令を行うMFP13Aを選択し、さらに、所定のフォルダに書き込まれたファイルに含まれるスキャン情報を元に、MFP13Aにスキャン開始命令を行う。
ステップS26において、情報蓄積装置10はスキャン開始命令に含まれる「スキャンデータを保存するフォルダのパス」に基づき、ステップS3でユーザが選択したフォルダにスキャンデータが保存される。
図4のシーケンス図によれば、情報蓄積装置10にWebApi26を搭載することによりスマートフォン11に情報蓄積装置10のフォルダを表示でき、スマートフォン11からフォルダを選択し、スキャンを実行させたいMFP13AのQRコード1201を読み取ることにより、スキャンデータを情報蓄積装置10の選択したフォルダに保存することができる。
このように、ユーザはスキャン開始時にスマートフォン11をMFP13Aにかざすことにより、情報蓄積装置10とスマートフォン11とMFP13Aとが連携し、MFP13Aでスキャンしたスキャンデータを、情報蓄積装置10の選択したフォルダに容易に保存できる。
図4のシーケンス図ではスマートフォン11を使用してMFP13Aにスキャンを実行させ、スキャンをしたデータを情報蓄積装置10に保存する場合の処理を示した。本実施形態に係るサービス提供システム1は図18のシーケンス図に示すように、タブレット端末12を使用してMFP13Bにスキャンを実行させ、スキャンをしたデータを情報蓄積装置10に保存するようにしてもよい。
図18は本実施形態に係るサービス提供システムの処理手順を表した他の例のシーケンス図である。なお、図18のシーケンス図におけるステップS31〜S40の処理は図4のステップS1〜10と同様であるため、説明を省略する。
また、図4及び図18のシーケンス図では、MFP13でスキャンをしたデータをMFP13が情報蓄積装置10に保存する場合の処理を示した。本実施形態に係るサービス提供システム1は図19のシーケンス図に示すように、MFP13でスキャンをしたデータをスマートフォン11やタブレット端末12経由で情報蓄積装置10に保存するようにしてもよい。
図19は本実施形態に係るサービス提供システムの処理手順を表した他の例のシーケンス図である。なお、図19のシーケンス図は、MFP13Aでスキャンをしたデータをスマートフォン11経由で情報蓄積装置10に保存する例を示している。また、図19のシーケンス図におけるステップS51〜S56の処理は、図4のステップS1〜S6と同様であるため、説明を省略する。
ステップS57において、スマートフォン11のアプリケーションは情報蓄積装置10にスキャン開始命令を行う。スキャン開始命令には、スキャン情報、スキャンを行わせるMFP13AのIPアドレス、スマートフォン11のIPアドレスが含まれる。ステップS57のスキャン開始命令に含まれるスキャン情報には、図11のスキャン設定画面1110により設定されたスキャン設定が含まれる。
スキャン情報、スキャンを行わせるMFP13AのIPアドレス、スマートフォン11のIPアドレスが含まれるファイルが所定のフォルダに書き込まれると、情報蓄積装置10はステップS58において、所定のフォルダに書き込まれたファイルを元に、スキャン設定を示すコマンドを用いてMFP13Aにスキャン開始命令を行う。なお、ステップS58のスキャン開始命令にはスキャン情報とスマートフォン11のIPアドレスとが含まれている。
ステップS59において、MFP13Aは情報蓄積装置10からのスキャン開始命令に含まれるスキャン設定に基づきスキャンを実行する。ステップS60において、MFP13Aはスキャン開始命令に含まれるスマートフォン11のIPアドレスを元に、スキャンデータをスマートフォン11に送信する。
ステップS61において、スマートフォン11はステップS3でユーザが選択した情報蓄積装置10のフォルダへのスキャンデータの保存を例えばHTTPリクエスト(POST)により行う。情報蓄積装置10のWebApi26はスマートフォン11から受信したスキャンデータを、ステップS3でユーザが選択したフォルダに保存する。
さらに、図4、図18及び図19のシーケンス図では、情報蓄積装置10のフォルダへのスキャンデータの保存で処理を終了しているが、例えば図20のシーケンス図に示すように、情報蓄積装置10のフォルダに保存したスキャンデータに対するデータ変換などの処理を行ってもよい。
図20は本実施形態に係るサービス提供システムの処理手順を表した他の例のシーケンス図である。なお、図20のシーケンス図におけるステップS71〜S80の処理は、図4のステップS1〜S10と同様であるため、説明を適宜省略する。
図20のシーケンス図では、例えばステップS73で選択されるフォルダの種類により保存したスキャンデータに対するデータ変換などの処理が行われる。図9のフォルダ選択画面1030に示した「workflow」フォルダは保存したスキャンデータに対して行う処理を設定できる。したがって、図9のフォルダ選択画面1030に示した「workflow」フォルダにデータ変換の処理を設定しておくことで、情報蓄積装置10はステップS81において「workflow」フォルダに保存されたスキャンデータに対するデータ変換の処理を行うことができる。
[第2の実施形態]
第1の実施形態に係るサービス提供システム1は、情報処理装置から情報蓄積装置10を介して電子機器にスキャン開始命令を行っていた。第2の実施形態に係るサービス提供システム1は、情報処理装置から情報蓄積装置10を介さずに電子機器にスキャン開始命令を行うものである。
なお、第2の実施形態に係るサービス提供システム1は、システム構成、ハードウェア構成及びソフトウェア構成が、第1の実施形態に係るサービス提供システム1と同様であるため、システム構成、ハードウェア構成及びソフトウェア構成についての説明を省略している。
<処理の詳細>
以下では、本実施形態に係るサービス提供システム1の処理の詳細について説明する。
図21は、本実施形態に係るサービス提供システムの処理手順を表した一例のシーケンス図である。なお、図21のシーケンス図におけるステップS101〜S106の処理は図4のステップS1〜S6の処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS107において、スマートフォン11のアプリケーションはカメラ機能により撮影されたQRコードから読み取ったMFP13AのIPアドレスを使用して、MFP13Aにスキャン開始命令を行う。スキャン開始命令には、スキャン情報が含まれる。スマートフォン11は例えば図14に示すコマンドを用いてMFP13Aにスキャン開始命令を行う。
ステップS108において、MFP13Aはスマートフォン11からのスキャン開始命令に含まれるスキャン設定に基づき、スキャンを実行する。そして、ステップS109において、MFP13Aはスマートフォン11からのスキャン開始命令に含まれる「スキャンデータを保存するフォルダのパス」に基づき、ステップS103でユーザが選択した情報蓄積装置10のフォルダにスキャンデータを保存する。
図21のシーケンス図によれば、情報蓄積装置10にWebApi26を搭載することによりスマートフォン11に情報蓄積装置10のフォルダを表示でき、スマートフォン11からフォルダを選択し、スキャンを実行させたいMFP13AのQRコード1201を読み取ることにより、スキャンデータを情報蓄積装置10の選択したフォルダに保存することができる。
このように、ユーザはスキャン開始時にスマートフォン11をMFP13Aにかざすことにより、情報蓄積装置10とスマートフォン11とMFP13Aとが連携し、MFP13Aでスキャンしたスキャンデータを、情報蓄積装置10の選択したフォルダに容易に保存できる。
図21のシーケンス図ではスマートフォン11を使用してMFP13Aにスキャンを実行させ、スキャンをしたデータを情報蓄積装置10に保存する場合の処理を示した。本実施形態に係るサービス提供システム1は図22のシーケンス図に示すように、タブレット端末12を使用してMFP13Bにスキャンを実行させ、スキャンをしたデータを情報蓄積装置10に保存するようにしてもよい。
図22は本実施形態に係るサービス提供システムの処理手順を表した他の例のシーケンス図である。なお、図22のシーケンス図におけるステップS111〜S119の処理は図21のステップS101〜S109と同様であるため、説明を省略する。
また、図21及び図22のシーケンス図では、MFP13でスキャンをしたデータをMFP13が情報蓄積装置10に保存する場合の処理を示した。本実施形態に係るサービス提供システム1は図23のシーケンス図に示すように、MFP13でスキャンをしたデータをスマートフォン11やタブレット端末12経由で情報蓄積装置10に保存するようにしてもよい。
図23は本実施形態に係るサービス提供システムの処理手順を表した他の例のシーケンス図である。なお、図23のシーケンス図は、MFP13Aでスキャンをしたデータをスマートフォン11経由で情報蓄積装置10に保存する例を示している。図23のシーケンス図におけるステップS121〜S126の処理は、図21のステップS101〜S106と同様であるため、説明を省略する。
ステップS127において、スマートフォン11のアプリケーションはスキャン設定を示すコマンドを用いてMFP13Aにスキャン開始命令を行う。スキャン開始命令には、スキャン情報、スマートフォン11のIPアドレスが含まれる。ステップS127のスキャン開始命令に含まれるスキャン情報には図11のスキャン設定画面1110により設定されたスキャン設定が含まれる。
ステップS128において、MFP13Aはスマートフォン11からのスキャン開始命令に含まれるスキャン設定に基づきスキャンを実行する。ステップS129において、MFP13Aはスキャン開始命令に含まれるスマートフォン11のIPアドレスを元にスキャンデータをスマートフォン11に送信する。
ステップS130において、スマートフォン11は、ステップS123でユーザが選択した情報蓄積装置10のフォルダへのスキャンデータの保存を、例えばHTTPリクエスト(POST)により行う。情報蓄積装置10のWebApi26は、スマートフォン11から受信したスキャンデータを、ステップS123でユーザが選択したフォルダに保存する。
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係るサービス提供システム1は、システム構成、ハードウェア構成及びソフトウェア構成が、第1の実施形態に係るサービス提供システム1と同様であるため、システム構成、ハードウェア構成及びソフトウェア構成についての説明を省略している。
<処理の詳細>
以下では、本実施形態に係るサービス提供システム1の処理の詳細について説明する。
ここではスマートフォン11を使用して、情報蓄積装置10が保存するファイルをMFP13に印刷させる場合の処理について説明する。図24は、本実施形態に係るサービス提供システムの処理手順を表した一例のシーケンス図である。なお、図24のシーケンス図におけるステップS201、S202の処理は図4のステップS1、S2の処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS201〜S202の処理を繰り返すことにより、スマートフォン11には図6〜図7に示した画面と、図25〜図26に示す画面とが表示される。
図25はファイル一覧表示画面の一例のイメージ図である。図25のファイル一覧表示画面1050は図7のフォルダ表示画面1010から「data」フォルダが選択されたあとの画面例である。図25のファイル一覧表示画面1050は、ファイルとして「見積もり書.doc」「Scan_20120607.pdf」が表示されている。
図26はファイル詳細表示画面の一例のイメージ図である。図26のファイル詳細表示画面1060はファイル一覧表示画面1050から「見積もり書.doc」ファイルが選択されたあとの画面例である。図26のファイル詳細表示画面1060は、ファイル一覧表示画面1050から選択された「見積もり書.doc」ファイルのイメージ画像1063が表示されている。
ステップS203において、ユーザはスマートフォン11を操作し、図25又は図26に表示されているファイルからMFP13に印刷させるファイルを選択する。ファイル詳細表示画面1060で「印刷設定」ボタン1061が押下されると、スマートフォン11はステップS204において、図27に示す印刷設定画面1070を表示する。図27は印刷設定画面の一例のイメージ図である。ユーザはスマートフォン11を操作し、図27の印刷設定画面1070からMFP13に実行させる印刷の設定を行う。
図25又は図26に表示されているファイルからMFP13に印刷させるファイルを選択したあと、ユーザはファイル詳細表示画面1060の「QR」ボタン1062を押下することで、例えば図28に示すQRコード読み取り画面1150をスマートフォン11に表示させる。図28はQRコード読み取り画面の一例のイメージ図である。QRコード読み取り画面1150には、QRコード表示領域1151が含まれる。QRコード表示領域1151はカメラ機能により撮影された画像が表示される領域である。
ステップS205、S206において、ユーザはスマートフォン11を操作し、カメラ機能により撮影されたQRコードがQRコード読み取り画面1150のQRコード表示領域1151に表示されるように、MFP13上に表示されたQRコードとスマートフォン11との位置関係を調整する。
スマートフォン11のアプリケーションはカメラ機能により撮影されたQRコードから図12に示したMFP13のIPアドレスと、MFP13が提供しているスキャン機能や印刷機能を示す機能情報とを読み取る。
スマートフォン11のアプリケーションはQRコードからMFP13のIPアドレスとスキャン機能や印刷機能を示す機能情報とを読み取ったあと、例えば図29に示すようなダウンロード中であることをユーザに示す画面を表示する。図29はダウンロード中であることを示す画面の一例のイメージ図である。
なお、MFP13上にQRコードを表示するタイミング、ファイル一覧を情報蓄積装置10からスマートフォン11へ提供するタイミング、スマートフォン11がMFP13上からQRコードを読み取るタイミングは、図24のシーケンス図における順番に限定されるものではない。
ステップS207において、スマートフォン11のアプリケーションはQRコードから読み取った機能情報に応じて後述のようにファイル形式を決定する。例えば機能情報に印刷機能を含むとき、スマートフォン11のアプリケーションはファイル形式をMFP13で印刷可能なRPCSやPDLなどに決定する。
ステップS208において、スマートフォン11のアプリケーションは情報蓄積装置10にファイル取得要求を行う。ファイル取得要求には、ファイル選択の情報と、ステップS207で決定したファイル形式の情報とが含まれる。
ステップS209において、情報蓄積装置10のWebApi26はファイル取得要求を受け付け、Web制御29にファイル取得要求を行う。Web制御29はWebApi26からのファイル取得要求に含まれる「ファイル選択の情報」を元に、共有フォルダ27からファイルを取得する。
また、Web制御29はWebApi26からのファイル取得要求に含まれる「ファイル形式の情報」を元に、共有フォルダ27から取得したファイルのファイル形式の変換が必要か判定する。例えばファイル形式が同一であれば、Web制御29は共有フォルダ27から取得したファイルのファイル形式の変換が不要と判定する。
ファイル形式が異なれば、Web制御29は共有フォルダ27から取得したファイルのファイル形式の変換が必要と判定する。ファイル形式の変換が必要と判定すれば、Web制御29はドキュメント管理28にファイル形式の変換を実行させる。ここではファイル形式の変換が必要と判定された例について説明する。Web制御29はファイル形式を変換した変換後ファイルをWebApi26に返す。
WebApi26はステップS210において、変換後ファイルをHTTPレスポンスによりスマートフォン11に提供する。ステップS211において、スマートフォン11のアプリケーションは変換後ファイルを印刷ファイルとしてMFP13に送信する。
印刷ファイルをMFP13に送信する方法は、例えば図30に示すように、ソケット通信を使用してMFP13の9100番ポートに送信する方法などがある。図30は、印刷ファイルをMFPに送信する方法の一例を表した説明図である。MFP13は印刷ファイルを受信すると、ステップS212において、印刷ファイルを元に、印刷(出力)を実行する。
図31は印刷ファイルに含まれるプリントコマンドの一例の構成図である。図31のプリントコマンドには、図27の印刷設定画面1070により設定された印刷設定と、印刷するファイル名とが含まれる。
図32はスマートフォンの処理手順を表した一例のフローチャートである。なお、図32のフローチャートは図28に示すQRコード読み取り画面1150をスマートフォン11に表示させたあとの処理である。
ステップS221において、スマートフォン11のアプリケーションは、カメラ機能により撮影されたQRコードから図12に示した項目「Function」の設定値を読み取る。
ステップS222において、スマートフォン11のアプリケーションは項目「Function」の設定値が投影機能(プロジェクタ14)を表す「Projection」であるか否かを判定する。項目「Function」の設定値が投影機能を表す「Projection」であれば、ステップS225に進み、スマートフォン11のアプリケーションはプロジェクタ14で投影可能なPDFをファイル形式として指定したファイル取得要求を情報蓄積装置10に対して行う。
項目「Function」の設定値が投影機能を表す「Projection」でなければ、ステップS223に進み、スマートフォン11のアプリケーションは項目「Function」の設定値が印刷機能(MFP13)を表す「Print」であるか否かを判定する。項目「Function」の設定値が印刷機能を表す「Print」であれば、ステップS224に進み、スマートフォン11のアプリケーションは、MFP13で印刷可能な印刷データ(RPCS、PDL)をファイル形式として指定したファイル取得要求を情報蓄積装置10に対して行う。なお、ステップS223において、項目「Function」の設定値が印刷機能を表す「Print」でなければ、スマートフォン11のアプリケーションはファイル取得要求で指定すべきファイル形式を判定できないため、ステップS226に進み、エラー表示を行う。
図24のシーケンス図によれば、情報蓄積装置10にWebApi26を搭載することによりスマートフォン11に情報蓄積装置10の共有フォルダ27に置かれたファイルを表示できる。ユーザはスマートフォン11からファイルを選択し、印刷を実行させたいMFP13のQRコード1201を読み取ることにより、MFP13で印刷可能なファイル形式の変換後ファイルを情報蓄積装置10から取得できる。スマートフォン11は情報蓄積装置10から取得した変換後ファイルを印刷ファイルとしてMFP13に送信することにより、MFP13に印刷を実行させることができる。
このように、ユーザは、印刷開始時にスマートフォン11をMFP13にかざすことにより、情報蓄積装置10とスマートフォン11とMFP13とを連携させ、情報蓄積装置10の共有フォルダ27に置かれたファイルを容易にMFP13から印刷できる。
図24のシーケンス図ではスマートフォン11を使用して情報蓄積装置10からファイルを取得し、MFP13で印刷する場合の処理を示した。本実施形態に係るサービス提供システム1は図33のシーケンス図に示すように、スマートフォン11を使用して情報蓄積装置10からファイルを取得し、プロジェクタ14で投影するようにしてもよい。
図33は本実施形態に係るサービス提供システムの処理手順を表した他の例のシーケンス図である。なお、図33のシーケンス図におけるステップS231〜S233の処理は図24のステップS201〜S203と同様であるため、説明を省略する。ファイル詳細表示画面1060で「投影設定」ボタン(図示せず)が押下されると、スマートフォン11はステップS234において投影設定画面を表示する。
ユーザはスマートフォン11を操作し、表示された投影設定画面からプロジェクタ14に実行させる投影の設定を行う。
図25又は図26に表示されているファイルからプロジェクタ14に投影させるファイルを選択したあと、ユーザはファイル詳細表示画面1060の「QR」ボタン1062を押下し、例えば図28に示したQRコード読み取り画面1150をスマートフォン11に表示させる。
ステップS235、S236において、ユーザはスマートフォン11を操作し、カメラ機能により撮影されたQRコードがQRコード読み取り画面1150のQRコード表示領域1151に表示されるように、プロジェクタ14上に表示されたQRコードと、スマートフォン11との位置関係を調整する。
スマートフォン11のアプリケーションはカメラ機能により撮影されたQRコードから図34に示すようなプロジェクタ14のIPアドレスと、プロジェクタ名と、プロジェクタ14が提供している投影機能を示す機能情報と、プロジェクタ14のタイプとを読み取る。図34はQRコードから読み取る情報の一例の構成図である。
スマートフォン11のアプリケーションはQRコードからプロジェクタ14のIPアドレスと投影機能を示す機能情報とを読み取ったあと、例えば図29に示したダウンロード中であることをユーザに示す画面を表示する。
なお、プロジェクタ14上にQRコードを表示するタイミング、ファイル一覧を情報蓄積装置10からスマートフォン11へ提供するタイミング、スマートフォン11がプロジェクタ14上からQRコードを読み取るタイミングは、図33のシーケンス図における順番に限定されるものではない。
ステップS237において、スマートフォン11のアプリケーションはQRコードから読み取った機能情報に応じて、図32に示したようにファイル形式を決定する。例えば機能情報に投影機能を含むとき、スマートフォン11のアプリケーションはファイル形式をプロジェクタ14で投影可能なPDFなどに決定する。
ステップS238〜S240の処理は図24のステップS208〜S210と同様であるため説明を省略する。ステップS241において、スマートフォン11のアプリケーションは、変換後ファイルを投影ファイルとしてプロジェクタ14に送信する。投影ファイルをプロジェクタ14に送信する方法は例えば図35に示すように、プロジェクタ14が公開しているWebApiを使用する方法などがある。図35は投影ファイルをプロジェクタに送信する方法の一例を表した説明図である。プロジェクタ14は投影ファイルを受信すると、ステップS242において、投影ファイルを元に、投影(出力)を実行する。
また、プロジェクタ14は図36に示すようにQRコード1300を含む画面を投影スクリーンなどに投影してもよいし、プロジェクタ14の筐体にQRコード1301を貼り付けておいてもよい。図36はプロジェクタ上に表示されるQRコードの一例のイメージ図である。例えばプロジェクタ14はWebブラウザ(図示せず)で情報蓄積装置10のQRコード表示WebUI25を表示することによりQRコード1300を投影できる。プロジェクタ14はQRコード1300の画像データを自機内に保存しておいても外部から取得するようにしてもよい。
図24のシーケンス図ではスマートフォン11を使用して情報蓄積装置10からファイルを取得し、MFP13で印刷する場合の処理を示した。本実施形態に係るサービス提供システム1は図37のシーケンス図に示すように、タブレット端末12を使用して情報蓄積装置10からファイルを取得し、MFP13で印刷するようにしてもよい。
図37は本実施形態に係るサービス提供システムの処理手順を表した他の例のシーケンス図である。なお、図37のシーケンス図におけるステップS251〜S262の処理は図24のステップS201〜212と同様であるため、説明を省略する。
なお、図33のシーケンス図では、スマートフォン11を使用して情報蓄積装置10からファイルを取得し、プロジェクタ14で投影する場合の処理を示したが、図37と同様にタブレット端末12を使用して情報蓄積装置10からファイルを取得し、プロジェクタ14で投影するようにしてもよい。
[第4の実施形態]
第4の実施形態に係るサービス提供システム1は、システム構成、ハードウェア構成及びソフトウェア構成が、第1の実施形態に係るサービス提供システム1と同様であるため、システム構成、ハードウェア構成及びソフトウェア構成についての説明を省略している。
<処理の詳細>
以下では、本実施形態に係るサービス提供システム1の処理の詳細について説明する。
ここではスマートフォン11を使用して、情報蓄積装置10が保存するファイルをMFP13に印刷させる場合の処理について説明する。図38は、本実施形態に係るサービス提供システムの処理手順を表した一例のシーケンス図である。なお、図38のシーケンス図におけるステップS301〜S307の処理は図24のステップS201〜S207の処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS308において、スマートフォン11のアプリケーションは情報蓄積装置10にファイル出力要求を行う。ファイル出力要求には、ファイル選択の情報と、ステップS307で決定したファイル形式の情報と、MFP13のIPアドレスとが含まれる。
ステップS309において、情報蓄積装置10のWebApi26はファイル出力要求を受け付け、Web制御29にファイル出力要求を行う。Web制御29はWebApi26からのファイル出力要求に含まれる「ファイル選択の情報」を元に、共有フォルダ27からファイルを取得する。
また、Web制御29はWebApi26からのファイル出力要求に含まれる「ファイル形式の情報」を元に、共有フォルダ27から取得したファイルのファイル形式の変換が必要か判定する。例えばファイル形式が同一であれば、Web制御29は共有フォルダ27から取得したファイルのファイル形式の変換が不要と判定する。
ファイル形式が異なれば、Web制御29は共有フォルダ27から取得したファイルのファイル形式の変換が必要と判定する。ファイル形式の変換が必要と判定すれば、Web制御29はドキュメント管理28にファイル形式の変換を実行させる。ここではファイル形式の変換が必要と判定された例について説明する。Web制御29はファイル形式を変換した変換後ファイルをWebApi26に返す。
ステップS310において、WebApi26は変換後ファイルを印刷ファイルとしてMFP13に送信する。印刷ファイルをMFP13に送信する方法は、例えば図30に示したように、ソケット通信を使用してMFP13の9100番ポートに送信する方法などがある。MFP13は印刷ファイルを受信すると、ステップS311において、印刷ファイルを元に、印刷(出力)を実行する。
図38のシーケンス図によれば、情報蓄積装置10にWebApi26を搭載することによりスマートフォン11に情報蓄積装置10の共有フォルダ27に置かれたファイルを表示できる。ユーザはスマートフォン11からファイルを選択し、印刷を実行させたいMFP13のQRコード1201を読み取ることにより、MFP13で印刷可能なファイル形式を指定してMFP13に印刷を実行させることができる。
このように、ユーザは、印刷開始時にスマートフォン11をMFP13にかざすことにより、情報蓄積装置10とスマートフォン11とMFP13とを連携させ、情報蓄積装置10の共有フォルダ27に置かれたファイルを容易にMFP13から印刷できる。
図38のシーケンス図ではスマートフォン11を使用して情報蓄積装置10からMFP13にファイルを送信させ、MFP13で印刷する場合の処理を示した。本実施形態に係るサービス提供システム1は、図39のシーケンス図に示すように、スマートフォン11を使用して情報蓄積装置10からプロジェクタ14にファイルを送信させ、プロジェクタ14で投影するようにしてもよい。
図39は本実施形態に係るサービス提供システムの処理手順を表した他の例のシーケンス図である。なお、図39のシーケンス図におけるステップS331〜S333の処理は図38のステップS301〜303と同様であるため、説明を省略する。
ファイル詳細表示画面1060で「投影設定」ボタン(図示せず)が押下されると、スマートフォン11はステップS334において投影設定画面を表示する。ユーザはスマートフォン11を操作し、表示された投影設定画面からプロジェクタ14に実行させる投影の設定を行う。
図25又は図26に表示されているファイルからプロジェクタ14に投影させるファイルを選択したあと、ユーザはファイル詳細表示画面1060の「QR」ボタン1062を押下することにより、例えば図28に示したQRコード読み取り画面1150をスマートフォン11に表示させる。
ステップS335、S336において、ユーザはスマートフォン11を操作し、カメラ機能により撮影されたQRコードが、QRコード読み取り画面1150のQRコード表示領域1151に表示されるように、プロジェクタ14上に表示されたQRコードと、スマートフォン11との位置関係を調整する。
スマートフォン11のアプリケーションはカメラ機能により撮影されたQRコードから図34に示したようなプロジェクタ14のIPアドレスと、プロジェクタ名と、プロジェクタ14が提供している投影機能を示す機能情報と、プロジェクタ14のタイプとを読み取る。
なお、プロジェクタ14上にQRコードを表示するタイミング、ファイル一覧を情報蓄積装置10からスマートフォン11へ提供するタイミング、スマートフォン11がプロジェクタ14上からQRコードを読み取るタイミングは、図39のシーケンス図における順番に限定されるものではない。
ステップS337において、スマートフォン11のアプリケーションはQRコードから読み取った機能情報に応じて、図32に示したようにファイル形式を決定する。例えば機能情報に投影機能を含むとき、スマートフォン11のアプリケーションはファイル形式をプロジェクタ14で投影可能なPDFなどに決定する。
ステップS338において、スマートフォン11のアプリケーションは情報蓄積装置10にファイル出力要求を行う。ファイル出力要求には、ファイル選択の情報と、ステップS337で決定したファイル形式の情報と、プロジェクタ14のIPアドレスとが含まれている。
ステップS339において、情報蓄積装置10のWebApi26はファイル出力要求を受け付け、Web制御29にファイル出力要求を行う。Web制御29はWebApi26からのファイル出力要求に含まれる「ファイル選択の情報」を元に、共有フォルダ27からファイルを取得する。
また、Web制御29はWebApi26からのファイル出力要求に含まれる「ファイル形式の情報」を元に、共有フォルダ27から取得したファイルのファイル形式の変換が必要か判定する。例えばファイル形式が同一であれば、Web制御29は共有フォルダ27から取得したファイルのファイル形式の変換が不要と判定する。
ファイル形式が異なれば、Web制御29は共有フォルダ27から取得したファイルのファイル形式の変換が必要と判定する。ファイル形式の変換が必要と判定すれば、Web制御29はドキュメント管理28にファイル形式の変換を実行させる。ここではファイル形式の変換が必要と判定された例について説明する。Web制御29はファイル形式を変換した変換後ファイルをWebApi26に返す。
ステップS340において、WebApi26は変換後ファイルを投影ファイルとしてプロジェクタ14に送信する。投影ファイルをプロジェクタ14に送信する方法は例えば図35に示したように、プロジェクタ14が公開しているWebApiを使用する方法などがある。また、ステップS341において、プロジェクタ14は投影ファイルを受信すると、投影ファイルを元に、投影(出力)を実行する。
図39のシーケンス図によれば、情報蓄積装置10にWebApi26を搭載することによりスマートフォン11に情報蓄積装置10の共有フォルダ27に置かれたファイルを表示できる。ユーザはスマートフォン11からファイルを選択し、投影を実行させたいプロジェクタ14のQRコード1300又は1301を読み取ることにより、プロジェクタ14で投影可能なファイル形式を指定してプロジェクタ14に投影を実行させることができる。
このように、ユーザは、投影開始時にスマートフォン11をプロジェクタ14にかざすことにより、情報蓄積装置10とスマートフォン11とプロジェクタ14とを連携させ、情報蓄積装置10の共有フォルダ27に置かれたファイルを容易にプロジェクタ14から投影できる。
図38のシーケンス図ではスマートフォン11を使用して情報蓄積装置10からMFP13にファイルを送信させ、MFP13で印刷する場合の処理を示した。本実施形態に係るサービス提供システム1は図40のシーケンス図に示すように、タブレット端末12を使用して情報蓄積装置10からMFP13にファイルを送信させ、MFP13で印刷するようにしてもよい。
図40は本実施形態に係るサービス提供システムの処理手順を表した他の例のシーケンス図である。なお、図40のシーケンス図におけるステップS351〜S361の処理は図38のステップS301〜S311と同様であるため、説明を省略する。なお、図39のシーケンス図ではスマートフォン11を使用して情報蓄積装置10からプロジェクタ14にファイルを送信させ、プロジェクタ14で投影する場合の処理を示したが、図40と同様、タブレット端末12を使用して情報蓄積装置10からプロジェクタ14にファイルを送信させ、プロジェクタ14で投影するようにしてもよい。
図40のシーケンス図によれば、情報蓄積装置10にWebApi26を搭載することによりタブレット端末12に情報蓄積装置10の共有フォルダ27に置かれたファイルを表示できる。ユーザはタブレット端末12からファイルを選択し、ファイルの印刷を実行させたいMFP13のQRコード1201を読み取ることにより、MFP13で印刷可能なファイル形式を指定してMFP13に印刷を実行させることができる。
このように、ユーザは、印刷開始時にタブレット端末12をMFP13にかざすことにより、情報蓄積装置10とタブレット端末12とMFP13とを連携させ、情報蓄積装置10の共有フォルダ27に置かれたファイルを容易にMFP13から印刷できる。
<まとめ>
以上、本実施形態に係るサービス提供システム1によれば、ユーザはスマートフォン11やタブレット端末12などの情報処理装置を、MFP13やプロジェクタ14などの電子機器にかざして、QRコードなどの電子機器を特定する情報を取得することで、情報蓄積装置10などの連携処理装置と情報処理装置と電子機器とを連携させ、電子機器を用いた様々なサービスを提供できる。
例えば本実施形態に係るサービス提供システム1は同じサービス(プリントやスキャンなど)を提供する際に、情報処理装置に搭載されたアプリケーションと連携処理装置との連携方法が複数ある。例えば本実施形態に係るサービス提供システム1は命令や要求を情報処理装置に搭載されたアプリケーションから電子機器に送信する場合と、連携処理装置から電子機器に送信する場合とを示している。
本実施形態に係るサービス提供システム1は同じサービスを提供する場合であっても情報処理装置に搭載されたアプリケーションと連携処理装置との連携方法を、情報処理装置に搭載されたアプリケーションによって異ならせることもできる。つまり、本実施形態に係るサービス提供システム1は同じサービスを提供する場合であっても情報処理装置に搭載されたアプリケーションと連携処理装置との連携方法を、情報処理装置に搭載されたアプリケーションが定義する。
本実施形態に係るサービス提供システム1は同じサービスを提供する際に、命令や要求を情報処理装置に搭載されたアプリケーションから電子機器に送信するのか、連携処理装置から電子機器に送信するのかの、どちらの連携方法を採用するのかをアプリケーションの設計によって変えることができる。
また、MFP13やプロジェクタ14などの電子機器とスマートフォン11やタブレット端末12などの情報処理装置と情報蓄積装置10などの連携処理装置とが提供する印刷や投影、スキャンといったそれぞれのサービスに応じた連携方法で連携することにより、様々なサービスを提供できる。
そして、本実施例に記載したMFP13及びプロジェクタ14、あるいは他の新たな電子機器を用いた新たなサービスの提供に係る連携方法を予めサービス提供システム1上で定義しておくことにより、その新たなサービスに応じた連携方法でMFP13及びプロジェクタ14、あるいは他の新たな電子機器などの電子機器とスマートフォン11やタブレット端末12などの情報処理装置と情報蓄積装置10などの連携処理装置とを連携させることができる。そのため、既存サービスに加えて、新たなサービスも提供可能となる。
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。