JP2014015679A - 銅合金板材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】疲労特性、曲げ加工性に優れ、高い耐力を有し、電気・電子機器用のリードフレーム、コネクタ、端子材等自動車車載用などのコネクタや端子材、リレー、スイッチなどに適した銅合金板材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】Tiを1.0〜5.0質量%含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる銅合金板材であって、銅合金母相の平均結晶粒径が、5.0〜50.0μmであり、EBSD測定における結晶方位解析において、S方位{231}<346>からの方位のずれ角度が20°以内である結晶粒の面積率が、5.0〜40.0%であること特徴とする銅合金板材。
【選択図】 なし

Description

本発明は銅合金板材およびその製造方法に関し、詳しくは車載部品用や電気・電子機器用部品、例えば、リードフレーム、コネクタ、端子材、リレー、スイッチ、ソケット、モーターなどに適用される銅合金板材およびその製造方法に関する。
車載部品用や電気・電子機器用のリードフレーム、コネクタ、端子材、リレー、スイッチ、ソケットなどの用途に使用される銅合金板材に要求される特性項目は、導電率、耐力(降伏応力)、引張強度、曲げ加工性、疲労特性などの向上がある。近年、電気・電子機器の小型化、軽量化、高機能化、高密度実装化や、使用環境の高温化に伴って、これらの要求特性が高まっている。
近年、リードフレーム、コネクタなどの車載部品用や電気・電子機器用部品は、高集積化、小型化および軽量化が進む傾向にあり、それに伴って、銅や銅合金の板材には、薄肉化の要求が高まっている。そのため、その材料に要求される強度レベルはより厳しいものとなっている。特に、自動車用コネクタなどは、激しい振動が繰り返し負荷される環境で使用されるため、その材料には、疲労破壊を生じ難い性質、すなわち高い疲労特性を有することが求められる。
リードフレーム、コネクタなどの車載部品用や電気・電子機器用部品の金属材料には、部品の動作、外部からの振動、あるいは部品の着脱に際し、弾性限内での曲げ応力が繰り返し与えられる。この場合の疲労クラックは曲げ加工部外周表面より発生し、このクラックが成長して部材の破壊へと至る。金属素材の表面に圧縮残留応力を付与すると、クラックの発生が抑制され、疲労寿命が増大する。
また、車載部品や電気・電子部品を構成するコネクタ、リードフレーム、リレー、スイッチなどの部品に使用される材料には、電気・電子機器の組み立て時や作動時に付与される応力に耐えうる高い強度が要求される。また、電気・電子部品は一般に曲げ加工により成形されることから、優れた曲げ加工性が求められる。
従来、一般的に電気・電子機器用材料としては、鉄系材料の他、リン青銅、丹銅、黄銅等の銅合金系材料も広く用いられている。これらの銅合金はSnやZnの固溶強化と、圧延や線引きなどの冷間加工による加工硬化の組み合わせにより強度を向上させている。この方法では、導電率が不十分であり、また、冷間加工率を高めることによって高強度を得ているために、曲げ加工性や耐応力緩和特性が不十分である。
これに替わる強化法として材料中に微細な第二相を析出させる析出強化がある。この強化方法は強度が高くなることに加えて、導電率を同時に向上させるメリットがあるため、多くの合金系で行われている。しかし、昨今の電子機器や自動車に使用される部品の小型化に伴って、使用される銅合金板材は、より高強度な銅合金系材料をより小さい半径で曲げ加工が施される様になっており、曲げ加工性に優れた銅合金板材が強く要求されている。従来のCu−Ti系において、高い強度を得るには、圧延加工率を高めて大きな加工硬化を得ていたが、この方法は先述した様に曲げ加工性を劣化させてしまい、高強度と良好な曲げ加工性を両立することができなかった。
この、疲労強度、曲げ加工性、強度の各特性向上の要求に対して、結晶方位の制御によって解決する提案がいくつかなされている。たとえば、一般的な銅合金において以下のような開示がなされている。
特許文献1では、Cu−Ni−Sn−P系銅合金において、結晶中の{220}面、{311}面、{420}面を高めると、異方性の高い結晶方位の配向性が高くなり、交差すべりを起こし易く、転位の蓄積が緩和され、これにより局所的な加工硬化が抑制されて、疲労破壊が遅延し、疲労特性が改善することを見出している。
特許文献2では、Cu−Ti系銅合金において、結晶中の{200}面、{220}面からのX線回折強度Iがある条件を満たす様な結晶方位の場合に、曲げ加工性が優れることが見出されている。
特許文献3では、Cu−Ni−Si系合金、Cu−Ni−Sn系合金、Cu−Be系合金、Cu−Ti系において、結晶中の{420}面の回折強度が規定の値を満たすと、曲げ加工性、コネクタの成形性が向上することを見出している。
特許文献4では、Cu−Ti系合金において、{220}面の回折強度が規定の値を満たすと、強度と曲げ加工性が向上することを見出している。
特許文献5では、Cu−Ni−Si系合金において、結晶中の{200}面の回折強度が規定の値を満たすと、引張り強さを700MPa以上に保持しつつ、異方性が低く、曲げ加工性、耐応力緩和特性に優れることを見出している。
また、Cu−Ti系銅合金においては次のような開示がある。
特許文献6では、(311)面を発達させ、I(311)/I(111)≧0.5とすることでプレス打抜き性を向上させている。
特許文献7では、TiとTi以外の第三元素の添加量、2段階で行う熱間圧延の各段階での温度と圧延率、冷間圧延の加工率、溶体化処理条件、時効析出条件を変更することで、平均結晶粒径と銅合金板材の板面におけるX線回折強度I{420}/I{420}>1.0を満たす結晶配向を有し、高強度かつノッチング後の曲げ加工性に優れる銅合金板材を提案している。
特許文献8では、均質化条件、熱間圧延の最終パス温度、熱間圧延の各パスの平均加工度に加え、2段階で行う溶体化処理条件、各溶体化処理の後に行う冷間圧延での加工度、時効条件を変更することで、高い強度と優れた曲げ加工性と高い寸法安定性を有する銅合金を提案している。
特許文献9では、Cu−Ti系銅合金板材において、{111}正極点上における極大値が、規定のすべての領域内に存在し、極大値が5.0以上15.0以下となるよう集合組織を制御し、曲げ加工性を向上させている。
また、電気・電子機器用途に使用される銅合金板材に要求される特性項目の一つとして、板バネ疲労特性が高いことが求められている。近年、車載端子や電子部品用の端子は、激しい振動が繰り返し負荷される環境で使用されるため、その素材には疲労破壊を生じ難い性質、すなわち高い疲れ強さを有することが求められる。
上記特許文献1〜7に記載された発明においては、特定面からのX線回折による結晶方位の解析は、ある広がりを持った結晶方位の分布の中のごく一部の特性の面に関するものである。
特許文献1は、Cu−Ni−Sn−P系銅合金板材の圧延面における粉末X線回折法による測定から、{220}、{311}、{420}の各面を満たす場合、異方性が高まり、これが疲労特性に寄与していると記載されているが、一般的に異方性が高い場合、コネクタ設計が困難であり、また、TD(Transverse Direction)方向の強度が750MPa以下と低い。
特許文献2では、溶体化熱処理にて再結晶粒の平均粒径を制御し、{200}結晶面を主方位成分とする再結晶集合組織を得ることで、強度と曲げ加工性を両立させている。工程においては、冷間圧延後の中間焼鈍にて、450〜600℃にて1〜20時間保持しており、本発明の条件とは大きく異なる。また、I{200}の回折強度を高めることで曲げ加工性を改善しているが、曲げシワ低減、ヤング率、たわみ係数、疲労特性に関しては記載されていない。
特許文献3では、Cu−Ni−Si系合金、Cu−Ni−Sn系合金、Cu−Be系合金、Cu−Ti系において、結晶中の{420}面の回折強度が規定の値を満たすと、曲げ加工性、コネクタの成形性が向上することを見出しているが、ヤング率、たわみ係数、疲労特性については記載されていない。また、本発明例の組織が規定している結晶方位{231}<346>とは50°以上の方位差があり、異なる組織を有している。
特許文献4では、Cu−Ti系合金において、{220}面の回折強度が規定の値を満たすと、強度と曲げ加工性が向上することを見出しているが、ヤング率、疲労特性については記載されていない。
特許文献5では、Cu−Ni−Si系合金において、結晶中の{200}面の回折強度が規定の値を満たすと、引張り強さを700MPa以上に保持しつつ、異方性が低く、曲げ加工性、耐応力緩和特性に優れることを見出しているが、本発明例とは合金系が異なる。
特許文献9では、Cu−Ti系銅合金板材において、{111}正極点上における極大値が、規定のすべての領域内に存在し、極大値が5.0以上15.0以下となるよう集合組織を制御しているが、本発明例の規定する結晶方位の正極点上の領域とは完全に一致しない。
また、特許文献9では、X線回折測定を用いて{111}正極点上の極大値の範囲を規定しているが、組織の結晶粒径については記載されていない。
結晶方位の解析にEBSD測定を用いることにより、従来のX線回折法による板面方向(ND)に対する特定原子面の集積の測定とは大きく異なり、三次元方向のより完全に近い結晶方位情報がより高い分解能で得られるため、曲げ加工性を支配する結晶方位について全く新しい知見を獲得することができる。
Cu−Tiは、Tiの酸化を防止するために、鋳造は不活性ガス中もしくは真空溶解炉で行う必要があるが、それでも、鋳塊には酸化物からなる粗大な晶出物および析出物が存在し、80%以上の強加工(冷間圧延)の際にこれらの周りに転位、歪が導入され、S方位を成長させる再結晶溶体化熱処理にて方位回転を阻害する可能性が考えられる。
特開2010−270335号公報 特開2011−26635号公報 特開2009−35775号公報 特開2011−208243号公報 特開2010−275622号公報 特開2006−249565号公報 特開2010−126777号公報 特開2007−270267号公報 特開2006−274289号公報
上記のような問題点に鑑み、本発明の課題は、曲げ加工性に優れ、優れた強度を有し、電気・電子機器用のリードフレーム、コネクタ、端子材等、自動車車載用などのコネクタや端子材、リレー、スイッチなどに適した銅合金板材およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、電気・電子部品用途に適した銅合金板材について研究を行い、Cu−Ti系の銅合金において、曲げ加工性、強度、疲労特性を大きく向上させるために、S方位集積割合と曲げ加工性について相関があることを発見し、鋭意検討の末に、特定の銅合金組成において、特定の方位集合組織に制御することで、これら所望の特性を著しく向上させることができることを見出した。また、その結晶方位及び特性を有する銅合金板材において、さらに強度を向上させる働きのある添加元素を見出しさらに、それに加えて、本合金系において導電率や曲げ加工性を損なうことなく、強度を向上させる働きのある添加元素を見出した。また、上記の様な結晶方位を実現するための特定の工程を有してなる製造方法を見出した。本発明は、これらの知見に基づいてなされるに至ったものである。
すなわち、本発明によれば、以下の手段が提供される。
(1)Tiを1.0〜5.0質量%含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる銅合金板材であって、銅合金母相の平均結晶粒径が、5.0〜50.0μmであり、EBSD測定における結晶方位解析において、S方位{231}<346>からの方位のずれ角度が20°以内である結晶粒の面積率が5.0〜40.0%であること特徴とする銅合金材料。
(2)Tiを1.0〜5.0質量%含有し、さらにSi、Fe、Sn、Co、Zn、Ni、Ag、Mn、B、P、Mg、Cr、Zrからなる群から選ばれる1または2以上の元素を合計で0.005〜1.0質量%含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる銅合金板材であって、銅合金母相の平均結晶粒径が、5.0〜50.0μmであり、EBSD測定における結晶方位解析において、S方位{231}<346>からの方位のずれ角度が20°以内である結晶粒の面積率が5.0〜40.0%であることを特徴とする銅合金板材。
(3)(1)または(2)に記載の銅合金板材を製造する方法であって、前記銅合金板材を与える組成から成る銅合金に、0.1〜100℃/秒の冷却速度での鋳造(工程1)、800〜1020℃で3分から10時間の均質化熱処理(工程2)、700〜1020℃での熱間圧延(工程3)、水冷(工程4)、加工率80〜99.8%の冷間圧延(工程6)、昇温速度1〜30℃/秒で加熱し、100〜400℃まで到達後、張力を100〜300MPaとするテンションレベラーによる矯正(工程7)、加工率2〜50%の冷間圧延(工程8)、600〜1000℃で5秒〜1時間の中間溶体化熱処理(工程9)、400〜700℃で5分〜1時間の時効析出熱処理(工程10)、圧延率3〜25%の仕上げ冷間圧延(工程11)をこの順に施すことを特徴とする銅合金板材の製造方法。
(4)前記仕上げ冷間圧延の後、200〜600℃で5秒〜10時間の調質焼鈍(工程12)を施すことを特徴とする(3)に記載の銅合金板材の製造方法。
(5)前記(1)または(2)に記載の銅合金板材からなるコネクタ。
本発明の銅合金板材は、優れた、強度、疲労特性、曲げ加工性を示し、電気・電子機器用のリードフレーム、コネクタ、端子材等、自動車車載用などのコネクタや端子材、リレー、スイッチなどに特に適した性質を有する。また、本発明の製造方法によれば、上記銅合金板材を好適に製造することができる。
本発明の銅合金板材は、Tiを1.0〜5.0質量%含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる組成を有し、EBSD測定における結晶方位解析において、S方位{231}<346>からの方位のずれ角度が20°以内である結晶粒の面積率が5.0〜40.0%であるため、強度、疲労特性、曲げ加工性の各特性に優れ、自動車車載用や電気・電子機器の用途に好適な銅合金を提供することができる。
図1は、板バネ疲労試験の試験方法の説明図である。 図2は、EBSD法による測定結果の表示方法を表す模式図である。ステップサイズ0.05μmで測定した結晶方位の情報は、六角形の1ピクセルごとに出力される。
本発明の銅合金板材の好ましい実施の態様について、詳細に説明する。ここで、「銅合金材料」とは、(加工前であって所定の合金組成を有する)銅合金素材が所定の形状(例えば、板、条、箔、棒、線など)に加工されたものを意味する。その中で、板材とは、特定の厚みを有し形状的に安定しており面方向に広がりをもつものを指し、広義には条材を含む意味である。本発明において、板材の厚さは、特に限定されるものではないが、本発明の効果が一層よく顕れ実際的な用途に適合することを考慮すると、0.01〜1.0mmが好ましく、0.03〜0.5mmがより好ましい。さらに好ましくは、0.05〜0.3mmである。
なお、本発明の銅合金板材は、その特性を圧延板の所定の方向における原子面の集積率で規定するものであるが、これは銅合金板材としてそのような特性を有しておれば良いのであって、銅合金板材の形状は板材や条材に限定されるものではない。本発明では、管材も板材として解釈して取り扱うことができるものとする。
銅合金材料の疲労特性を改善するために、本発明者らは板バネの疲労特性に寄与する結晶方位について調査した。材料に一定の疲労を加えている場合(疲労特性の測定中)、巨視的には弾性範囲内の応力でも、微視的にはごく一部の原子が非弾性的な挙動の振る舞いを起こすことがある。これにより、結晶粒内に微小なすべり帯が発生する。すべり変形が生じた後、結晶粒界に沿うようにして微小き裂が生じ、これが繰り返し数に伴い進展することで材料の破断に至る。
これに対して、結晶中にS方位{231}<346>の面積率を5〜40%に高めることで、疲労寿命が向上する効果が得られる。これは、S方位{231}<346>のテイラー因子に起因するもので、圧延平行方向、垂直方向のいずれも、他の方位と比べてテイラー因子が高い傾向であるため、個々の結晶粒でのすべり変形が生じにくく、多結晶における微視的な原子の非弾性的な挙動の発生頻度が減少し、き裂の発生が抑制されるためであると考えられる。
また、銅合金材料の曲げ加工性を改善するために、本発明者らは曲げ加工部に発生するクラックの発生原因について調査した。その結果、曲げ加工性に劣る材料の特徴として、傾角の大きい結晶粒界の周辺で転位や加工硬化が局所的に蓄積し、応力が集中してクラックに至っていることが解った。その対策として、傾角の大きい結晶粒界の割合を低減するために、結晶方位を揃えることが有効であることを知見した。すなわち、S方位{231}<346>からの方位のずれ角度が20°以内である結晶粒の面積率が5〜40%の場合に、良好な曲げ加工性を示すことを見出した。この単方位性が高いほど曲げ加工性に優れ、この面積率は好ましくは7〜35%、さらに好ましくは10〜30%である。
また上記各銅合金板材において、銅合金母相の平均結晶粒径は、好ましくは5μm以上50μm以下であり、より好ましくは7μm以上45μm以下である。特に好ましくは10μm以上40μm以下である。
[EBSD法]
本明細書における結晶方位の表示方法は、銅合金板材の長手方向(LD:Longitudinal Direction){板材の圧延方向(RD:Rollig Direction)に等しい}をX軸、板幅方向(TD:Transverse Diretion)をY軸、板材の厚さ方向{板材の圧延法線方向(ND:Normal Direction)に等しい}をZ軸とする直角座標系を取り、銅合金板材中の各領域において、Z軸に垂直な(圧延面(XY面)に平行な)結晶面の指数(hkl)と、X軸に垂直な(YZ面に平行な)結晶面の指数[uvw]とを用いて、(hkl)[uvw]の形で表す。また、(132)[6−43]と(231)[3−46]などのように、銅合金の立方晶の対称性のもとで等価な方位については、ファミリーを表すカッコ記号を使用し、{hkl}<uvw>と表す。
本発明における上記結晶方位の解析には、EBSD(電子後方散乱回折)法を用いた。EBSD法とは、Electron Backscatter Diffractionの略であり、走査電子顕微鏡(SEM)内で試料に電子線を照射したときに生じる反射電子菊池線回折を利用した結晶方位解析技術のことである。結晶粒を200個以上含む、1ミクロン四方の試料面積に対し、0.05ミクロンなどのステップでスキャンし、方位を解析した。測定面積およびスキャンステップは試料の結晶粒の大きさによって調整した。結晶方位の面積率は、S方位{231}<346>の理想方位から±20°以内の面積の全測定面積に対する割合である。EBSDによる方位解析において得られる情報は、電子線が試料に侵入する数10nmの深さまでの方位情報を含んでいるが、測定している広さに対して充分に小さいため、本明細書中ではS方位の面積率として記載した。また、方位分布は板厚方向に変化しているため、EBSDによる方位解析は板厚方向に何点かを任意にとって平均を取ることが好ましい。
ここで、EBSD測定の特徴について、X線回折測定との対比として説明する。
まず1点目に挙げられるのは、X線回折法で測定可能なのは、ブラッグの回折条件を満足し、かつ充分な回折強度が得られる、ND//(111)、(200)、(220)、(311)、(420)面の5種類である。例えばND//(511)面やND//(951)面などの高指数で表現される結晶方位については、測定が困難である。即ち、EBSD測定を採用することにより、初めて、それらの高指数で表現される結晶方位に関する情報が得られ、それにより特定される金属組織と作用の関係が明らかになる。なお、本発明のS方位{231}<346>は、高指数であるため、X線回折測定は困難である。
2点目は、X線回折はND//{hkl}の±0.5°程度に含まれる結晶方位の分量を測定しているのに対し、EBSD測定によれば菊池パターンを利用するため、特定の結晶面に限定されない。そのため、広範な金属組織に関する情報が網羅的に得られ、合金材料全体としてX線回折では特定することが難しい状態が明らかになる。
以上のとおり、EBSD測定とX線回折測定とで得られる情報はその内容及び性質が異なる。
なお、本明細書において特に断らない限り、EBSD測定は、銅合金板材のND方向に対して行ったものである。
また、本実施形態において、S方位{231}<346>からの方位のずれ角度が20°以内の領域の面積率の測定は、128×10μm(800μm×1600μm)以上の試料面積に対し、0.05μmのステップでスキャンし、結晶方位を解析した結果に基づくものである。すなわち、面積率は材料の任意の128×10μm以上の領域における面積率である。また、測定面積は200個以上の結晶粒が含まれることを基準とし、測定面積が充分でない場合は、2〜5視野の観察を行って、それらを平均することが好ましい。
[S方位以外の方位]
先述した通り、S方位{231}<346>からの方位のずれ角度が20°以内である結晶粒の面積率が5〜40%の場合に、良好な曲げ加工性を示す。しかし、銅合金板材の合金中には、上記範囲のS方位の他に、Cube方位{100}<001>、Copper方位{121}<111>、Brass方位{110}<112>、Goss方位{110}<001>、R1方位{352}<358>、RDW方位{102}<010>などが発生する。本発明においては、観測される全方位の面積に対して、S方位の面積率が上記の範囲にあれば、合金中にこれらの方位成分を含んでいることは許容される。
[平均結晶粒径]
本発明の銅合金板材の平均結晶粒粒径の算出は下記の通り行う。
まず、TSL社のOIM Analysisを用いて、EBSD測定結果128×10μm(800×1600μmの範囲内)において、大角粒界(20°以上)を結晶粒界とし、結晶粒の特定を行った。なお、先述の通り1測定点のステップサイズは0.05μmである。
続いて、結晶粒内のピクセル数をカウントすることで、各結晶粒の面積を算出し、これを平均化することで、平均結晶粒面積を求めた。具体的には、それぞれのピクセルを図2に示すように六角形として計算している。図2に示した条件では、1ピクセルあたりの面積は2.17×10−3μmである。従って、それぞれの結晶粒内のピクセル数を数えることで一結晶粒あたりの面積を求め、この値の平均値をとれば、測定範囲内の結晶粒の平均面積を求めることができる。
最後に、このようにして求めた平均結晶粒面積を平均結晶粒径に変換した。この換算は、1つの結晶粒を円形であると仮定している。即ち、平均結晶粒面積を有する円の直径を平均結晶粒径として算出した。
本願では、このようにして結晶粒の平均粒径を算出し、平均結晶粒と称している。
[Ti]
本発明において、銅(Cu)に添加するチタン(Ti)について、添加量を制御することにより、Cu−Ti化合物を析出させて銅合金の強度を向上させることができる。Tiの含有量は1.0〜5.0質量%、好ましくは2.0〜4.0質量%、より好ましくは2.5〜3.5質量%である。Tiはこの規定範囲よりも添加量が多いと導電率を低下させ、また、少ないと強度が不足する。なお、本発明に係る銅合金のように第二合金成分としてTiを含有するものを「Ti系銅合金」と呼ぶことがある。
[副添加元素]
次に本合金への副添加元素の効果について示す。好ましい副添加元素としては、Si、Fe、Sn、Co、Zn、Ni、Ag、Mn、B、P、Mg、Cr、Zrが挙げられる。これらの副添加元素の含有量は、Si、Fe、Sn、Co、Zn、Ni、Ag、Mn、B、P、Mg、Cr、Zrからなる群から選ばれた少なくとも1種の総量で1質量%以下であると導電率を低下させる弊害を生じないため好ましい。添加効果を充分に活用し、かつ導電率を低下させないためには、この総量で、0.005〜1.0質量%であることが好ましく、0.01〜0.9質量%がさらに好ましく、0.03〜0.8質量%であることが特に好ましい。以下に、各元素の添加効果の例を示す。
(Mg、Sn、Zn)
Mg、Sn、Znは、添加することで耐応力緩和特性を向上させる。それぞれを単独で添加した場合よりも併せて添加した場合に相乗効果によって更に耐応力緩和特性が向上する。また、半田脆化が著しく改善する効果がある。
(Mn、Ag、B、P)
Mn、Ag、B、Pは、添加することで熱間加工性を向上させるとともに、強度を向上させる。
(Cr、Zr、Fe)
Cr、Zr、Feは、化合物や単体で微細に析出し、析出硬化に寄与する。また、化合物として50〜500nmの大きさで析出し、結晶粒成長を抑制することによって結晶粒径を微細にする効果があり、曲げ加工性を良好にする。
(Ni、Co、Si)
Ni、Co、Siは、それぞれの添加量を制御することにより、Ni−Si、Co−Si、Ni−Co−Siの化合物を析出させて銅合金の強度を向上させることができる。例えば、Ni−Si系では化合物NiSi相が銅合金の母相(マトリックス)中に析出して引張強度および導電性の向上に寄与する。
[銅合金板材の製造方法]
次に、本発明の銅合金板材の好ましい製造方法について説明する。
従来の析出型銅合金の製造方法は、銅合金素材を鋳造[工程1]して鋳塊を得て、これを均質化熱処理[工程2]し、熱間圧延[工程3]、水冷[工程4]、面削[工程5]、冷間圧延[工程6]をこの順に行い薄板化し、加工温度と張力を調整したテンションレベラー[工程7]により、部分的再結晶と転位付与を行う。次に、冷間圧延[工程8]を行い、700〜1000℃の温度範囲で中間溶体化熱処理[工程9]を行って溶質原子を再固溶させた後に、時効析出熱処理[工程10]と仕上げ冷間圧延[工程11]によって必要な強度を満足させるものである。この一連の工程の中で、銅合金板材の集合組織は、中間溶体化熱処理中[工程9]に起きる再結晶によっておおよそが決定し、仕上げ圧延[工程11]中に起きる方位の回転により、最終的に決定される。
上記従来法に対して、本発明の一実施形態においては、熱間圧延[工程3]後に、水冷[工程4]、面削[工程5]し、冷間圧延[工程6]により圧延率80〜99.8%で圧延し、その後に、完全に再結晶しない程度に昇温速度1〜30℃/秒にて100〜400℃まで到達後、張力を100〜300MPaで矯正を行うテンションレベラーによる矯正(単に、「テンションレベラーによる矯正」とも表記する)[工程7]を行い、更に、2〜50%の加工率の冷間圧延[工程8]を行うことによって、中間溶体化熱処理[工程9]の再結晶集合組織においてS方位の面積率が増加する。また、中間溶体化熱処理[工程9]後には、時効析出熱処理[工程10]、仕上げ冷間圧延[工程11]及び調質焼鈍[工程12]を施してもよい。
以下に、各工程の条件をより詳細に設定した好ましい一実施態様について記載する。
少なくともTiを好ましくは1.0〜5.0質量%、より好ましくは1.5〜4.0質量%、さらに好ましくは2.0〜3.5質量%含有し、他の前記副添加元素については適宜含有するように元素を配合し、残部がCuと不可避不純物から成る銅合金素材を用意する。この銅合金素材を高周波溶解炉により溶解し、これを好ましくは0.1〜100℃/秒、より好ましくは1.0〜80℃/秒、さらに、好ましくは5.0〜50℃/秒の冷却速度で冷却して鋳造[工程1]し、鋳塊を得る。これを好ましくは800〜1020℃で3分から10時間、より好ましくは850〜1000℃で5分〜8時間、さらに好ましくは900〜980℃で10分〜5時間の均質化熱処理[工程2]した後、好ましくは700〜1020℃、より好ましくは750〜950℃、さらに好ましくは800〜900℃で熱間加工[工程3]を行った後に水焼入れ(水冷[工程4]に相当)を行う。この後、必要により、酸化スケール除去のために面削[工程5]を行ってもよい。その後に、好ましくは加工率80〜99.8%、より好ましくは85〜99%、さらに好ましくは90〜98%の冷間圧延[工程6]する。
次に好ましくは昇温速度1〜30℃/秒、より好ましくは5〜25℃/秒、さらに好ましくは10〜20℃/秒で加熱し、好ましくは100〜400℃、より好ましくは150〜350℃、さらに好ましくは180〜330℃まで到達後、張力を好ましくは100〜300MPa、より好ましくは125〜275MPa、さらに好ましくは150〜250MPaとするテンションレベラーによる矯正[工程7]を行う。更に、好ましくは加工率が2〜50%、より好ましくは5〜45%、さらに好ましくは10〜40%の冷間圧延[工程8]を行う。次に、好ましくは600〜1000℃で5秒〜1時間、より好ましくは700〜975℃で10秒〜45分間、さらに好ましくは750〜950℃で20秒〜30分間の中間溶体化熱処理[工程9]を行う。
この後、好ましくは400〜700℃で5分〜10時間、より好ましくは425〜650℃で10分〜8時間の時効析出熱処理[工程10]を行う。次に、加工率が好ましくは3〜25%、より好ましくは5〜20%の仕上げ冷間圧延[工程11]を行う。その後、好ましくは200〜600℃で5秒〜10時間、より好ましくは250〜550℃で10秒〜8時間の調質焼鈍[工程12]を行ってもよい。以上の方法によって、本発明の銅合金板材を得ることができる。
本実施形態において、熱間圧延[工程3]では、再熱温度から700℃の温度域で、鋳造組織や偏析を破壊し均一な組織にするための加工と、動的再結晶による結晶粒の微細化のための加工を行う。水冷[工程4]では、冷却速度は、10℃/秒以上が好ましく、より好ましくは50℃/秒以上であり、さらに好ましくは100℃/秒以上であり、実用上の上限の範囲内でできる限り速い冷却速度が望ましい。面削[工程5]では、表面上の酸化皮膜除去のため厚さ1mm前後を面削する。冷間圧延[工程6]は、工程8の冷間圧延で適正な加工率なるよう、所定の板厚まで加工することが目的である。
テンションレベラーによる矯正[工程7]にて合金中の組織を全面再結晶させない程度に上述の熱処理を行った後、加工率2〜50%の冷間圧延[工程8]を行い、中間溶体化熱処理[工程9]での再結晶集合組織においてS方位の面積率が増加する。ここで、中間溶体化熱処理[工程9]前のテンションレベラーによる矯正[工程7]の焼鈍(熱処理)到達温度を本発明の規定値より高すぎると、酸化スケールが形成され好ましくない。このため、テンションレベラーによる矯正[工程7]での焼鈍到達温度は400〜700℃とする。中でも特に、一義的には断定しがたいが、テンションレベラーによる矯正[工程7]にて焼鈍到達温度を指定すること、冷間圧延[工程8]での加工率を調整することによりS方位の面積率が増加する傾向がある。つまり、テンションレベラーによる矯正[工程7]では、焼鈍到達温度に保持することはなく、所定の昇温速度で加熱して、目標とする焼鈍到達温度に到達したら、直ちに加工し空冷で冷却する。
ここで、テンションレベラーによる矯正[工程7]の昇温速度が遅すぎると、結晶粒成長が進行し結晶粒が粗大化し曲げシワが大きくなってしまう。昇温速度が速すぎると、S方位が十分に発達せず、疲労特性、曲げ加工性が劣る。また、焼鈍到達温度が規定値より低すぎる場合、S方位が発達せず、疲労特性、曲げ加工性が劣り、規定値より高すぎる場合は、結晶粒成長が進行し結晶粒が粗大化し曲げ加工表面に発生するシワが大きくなり特性が劣る。
また、上述したように、加工率80〜99.8%の冷間圧延[工程6]のような強加工を施すことにより、鋳造で生じる粗大な晶出物、析出物の周りに転位、歪が導入され、S方位を成長させる中間溶体化熱処理[工程9]にて方位回転を阻害する可能性が考えられる。しかし、テンションレベラーによる矯正[工程7]を施すことによって、ここでの転位、歪が開放される。このため、中間溶体化熱処理[工程9]ではS方位成長の阻害は抑制される。
冷間圧延[工程8]では、加工率が規定値より低すぎると、加工歪が小さ過ぎて、中間溶体化熱処理[工程9]にて結晶粒径が粗大化し、曲げシワが大きくなり特性が劣る。加工率が規定値より高すぎると、S方位が十分に発達せず、疲労特性と曲げ加工性が劣る。
中間溶体化熱処理[工程9]では、熱処理温度が低過ぎると溶質元素の固溶が不十分で、時効析出硬化量不足し、また、S方位結晶粒の成長が不十分となり、高すぎると溶質元素の固溶は十分であるが、結晶粒径が粗大化してしまう。また、熱処理時間が短すぎるとS方位結晶粒の成長が不十分となり、長すぎると結晶粒径が粗大化してしまう。
中間溶体化熱処理[工程9]後には、必要に応じて冷却(除冷・急冷)を行い、時効析出熱処理[工程10]、仕上げ冷間圧延[工程11]、調質焼鈍[工程12]を施す。ここで、時効析出熱処理[工程10]の処理温度は、中間溶体化熱処理[工程9]の処理温度よりも低い。また、調質焼鈍[工程12]の処理温度は、中間溶体化熱処理[工程9]の処理温度よりも低い。
再結晶集合組織においてS方位の面積率を増加させるために、仕上げ冷間加工[工程11]を行う。なおかつ結晶方位を一定方向に制御することでS方位の発達に寄与する。
冷間圧延[工程6]により更なる加工歪を入れ、テンションレベラーによる矯正[工程7]にて、昇温速度1〜30℃/秒、到達温度100〜400℃にて張力を100〜300MPaで矯正・加工を加えることで、中間溶体化処理[工程9]で生じる再結晶集合組織においてS方位の面積率が増加する。テンションレベラーによる矯正[工程7]では完全には再結晶しておらず、部分的に再結晶している亜焼鈍組織を得ることが目的である。冷間圧延[工程8]では、加工率2〜50%の圧延によって、微視的に不均一な歪を導入することが目的である。テンションレベラーによる矯正[工程7]と冷間圧延[工程8]の作用効果によって、中間溶体化処理[工程9]におけるS方位の成長を可能にする。通常、中間溶体化処理[工程9]のような熱処理は次工程での荷重を低減するために銅合金板材を再結晶させて強度を落とすことが主目的であるが、本発明ではその目的とは異なる。
上記各圧延工程での加工率(圧下率、断面減少率とも言う。以下の比較例で言う圧延率も同義である。)は、圧延工程前の板厚tと圧延工程後の板厚tを用いて、下式の様に算出される値をいう。
加工率(%)=((t−t)/t)×100
材料表面のスケールのための面削、バフ研磨、酸洗浄などによる溶解を、必要に応じて行ってもよい。
各熱処理や圧延の後に、板材表面の酸化や粗度の状態に応じて酸洗浄や表面研磨を行っても、S方位{231}<346>の面積率が本発明の範囲内であれば問題はない。
[銅合金板材の特性]
上記内容を満たすことで、例えばコネクタ用銅合金板材に要求される特性を満足することができる。本発明において、銅合金板材は下記の特性を有することが好ましい。
板バネ疲労特性は、負荷応力500MPaでの繰り返し回数が10回以上であることが好ましい。更に好ましくは10以上である。この詳細な測定条件は、特に断らない限り実施例に記載の通りである。
0.2%耐力が800MPa以上であることが好ましい。更に好ましくは900MPa以上である。0.2%耐力の上限値は、特に制限はないが、通常、1100MPa以下である。この詳細な測定条件は特に断らない限り実施例に記載のとおりとする。
曲げ加工性が90°W曲げ試験においてクラックがなく、曲げシワの小さい曲げ加工が可能な最小曲げ半径(r)を板厚(t)で割った値(r/t)が1以下であることが好ましい。この詳細な測定条件は特に断らない限り実施例に記載のとおりとする。ここで、圧延方向に垂直に切出した供試材において、曲げの軸が圧延方向に直角になるようにW曲げしたものをGW(Good Way)、曲げの軸が圧延方向に平行になるようにW曲げしたものをBW(Bad Way)という。
導電率が5%IACS以上であることが好ましい。より好ましくは導電率が8%IACS以上、さらに好ましくは導電率が10%IACS以上である。導電率の上限値は、特に制限はないが、通常、25%IACS以下である。この詳細な測定条件は特に断らない限り実施例に記載のとおりとする。
以下に、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
(実施例1)
本発明例1〜本発明例12、比較例1〜比較例12について、表1に示す組成となるように、主原料CuとTi、試験例によってはそれ以外の副添加元素を配合し、溶解・鋳造した。
すなわち、Ti等を表1に示した量含有し、残部がCuと不可避不純物から成る合金を高周波溶解炉により溶解し、これを0.1〜100℃/秒の冷却速度で鋳造[工程1]して鋳塊を得た。これを800〜1020℃で3分から10時間の均質化熱処理[工程2]後、1020〜700℃で熱間加工[工程3]を行った。その後、水焼入れ(水冷[工程4]に相当)し、酸化スケール除去のために面削[工程5]を行った。
その後、加工率80〜99.8%の冷間圧延[工程6]、次に昇温速度1〜30℃/秒で加熱し、100〜400℃まで到達後、張力を100〜300MPaとするテンションレベラーによる矯正[工程7]を行い、更に、2〜50%の加工率の冷間圧延[工程8]、600〜1000℃で5秒〜1時間の中間溶体化処理[工程9]を実施した。
次に、400〜700℃で5分〜1時間の時効析出熱処理[工程10]を行い、3〜25%の圧延率で仕上げ冷間圧延[工程11]、200〜600℃で5秒〜10時間の調質焼鈍[工程12]を行って供試材とした。
比較例では、表2の通り、テンションレベラーによる矯正[工程7]と冷間圧延[工程8]で前記条件から外して実施したものがある。これらの供試材の組成、テンションレベラーによる矯正[工程7]と冷間圧延[工程8]での条件、および得られた特性を、本発明例および比較例について、表1、表2に示す。各熱処理や圧延の後に、材料表面の酸化や粗度の状態に応じて酸洗浄や表面研磨を行った。なお、熱間加工[工程3]での加工温度は、圧延機の入り側と出側に設置してある放射温度計により測定した。
これらの供試材について下記の特性調査を行った。ここで、供試材の厚さは0.15mmとした。評価結果を表2に示す。
a.S方位の面積率
EBSD法により、測定面積が128×10μm(800μm×1600μm)、スキャンステップは0.05μmの条件で測定を行った。スキャンステップは微細な結晶粒を測定するため、0.05μmステップで行った。解析では、128×10μmのEBSD測定結果から、S方位の面積率、平均結晶粒面積、結晶粒の個数を確認した。電子線は走査電子顕微鏡のWフィラメントからの熱電子を発生源とした。なお、測定時のプローブ径は、約0.015μmである。
EBSD法の測定装置には、(株)TSLソリューションズ製 OIM5.0(商品名)を用いた。
b.銅合金母相の平均結晶粒径
EBSD法による測定結果から、128×10μmの測定面積中の結晶粒径の平均値を、母相の平均結晶粒径とした。
c.疲労特性
疲労特性は、JCBA T308:2001(銅および銅合金薄板条の疲労特性試験方法)に準拠し、圧延平行・垂直方向の測定を行った。図1に説明図を示した(板バネ疲労試験)。試験片1はその一端が固定部2に挟まれて固定され、他端が上下方向に振動するナイフエッジ2に挟まれて曲げられる。試験片1の幅は、10mm±0.2mm、試験片1の固定トルクは、固定部3の下部2N・m、上部3N・mである。試験片1の負荷応力値は、下記の式(a)にて求めた。
500MPaの負荷応力にて試験を行い、材料が破断するまでの繰り返し回数を求めた。破断までの繰り返し回数が、圧延平行・垂直方向のいずれも10回以上を示したものを○印で表し、圧延平行・垂直方向のいずれか、もしくはいずれも10回未満のものを×印で表した。
疲労試験機には、アカシ製作所製、薄板疲労試験機(型式AST52B)を用いた。
σ=(3×E×t×δ)/(2×l) ・・・ (a)
σ:最大曲げ応力(N/mm
δ:たわみ量(試験片に与える片振幅)(mm)
l:試験片セット長さ(mm)
t:試験片厚さ(mm)
E:たわみ係数(N/mm
d.180°密着U曲げ試験
板材を幅10mm、長さは35mmとなるように加工した。これに曲げの軸が圧延方向に平行になるようにW曲げしたものをGW(Good Way)、圧延方向に垂直になるようにW曲げしたものをBW(Bad Way)とし、日本伸銅協会技術標準JCBA―T307(2007)に準拠して90°W曲げ加工後、圧縮試験機にて内側半径を付けずに180°密着曲げ加工を行った。曲げ加工表面を100倍の走査型電子顕微鏡で観察し、クラックの有無を調査した。クラックの無いものを○印で表し、クラックのあるものを×印で表した。ここでのクラックのサイズは、最大幅が30〜100μm、最大深さが10μm以上である。
e.0.2%耐力[YS]:
圧延平行方向、垂直方向から切り出したJIS Z2201−13B号の試験片をJIS Z2241に準じて3本測定し、その平均値を示した。
f.導電率[EC]
20℃(±0.5℃)に保たれた恒温槽中で四端子法により比抵抗を計測して導電率を算出した。なお、端子間距離は100mmとした。
表2に示すように、本発明例1〜本発明例12の製造方法で、テンションレベラーによる矯正[工程7]は、昇温速度1〜30℃/秒、到達温度は100〜400℃、張力は100〜300MPaにて熱処理および加工を加えた。比較例1〜12では、本発明の製造方法における規定を満たさない場合を示した。比較例1、2、11、12はTi成分が範囲外であり、比較例1〜比較例12のテンションレベラーによる矯正[工程7]は、比較例2、3、4、9、10、11、12は加熱温度が範囲外であり、比較例1、2、3、4、5、6は張力が範囲外であった。
Figure 2014015679
Figure 2014015679
表2に示すように、本発明例1〜本発明例12の製造方法で、テンションレベラーによる矯正[工程7]は、昇温速度1〜30℃/秒、到達温度は100〜400℃、張力は100〜300MPaにて熱処理および加工を加えた。比較例1〜12では、本発明の製造方法における規定を満たさない場合を示した。比較例1、2、11、12はTi成分が範囲外であり、比較例1〜比較例12のテンションレベラーによる矯正[工程7]は、比較例2、3、4、9、10、11、12は加熱温度が範囲外であり、比較例1、2、3、4、5、6は張力が範囲外であった。
表2に示すように、本発明例1〜本発明例12は、疲労特性、曲げ加工性、耐力に優れた。しかし、比較例1〜12に示すように、本発明の規定を満たさない場合は、特性が劣る結果となった。本発明例1〜本発明例12の、テンションレベラーによる矯正[工程7]の熱処理では、固溶温度より低い温度域で熱処理することによって、合金中の結晶方位回転を促進し、最終的にS方位の面積率を高め、疲労特性と曲げ加工性を改善した。本発明例1〜本発明例12は、いずれも5%以上となった。本発明例1〜本発明例12の母相の平均結晶粒径は5〜50μmの範囲内、疲労特性、曲げ加工性はいずれも規定の特性の範囲内であった。
一方、比較例1、2、3、4、8、9、10、11では、S方位の面積率が範囲外であった。その中でも、比較例8、9、10、11は、S方位の面積率が40.0%より高く、GWの疲労特性と曲げ加工性は規定値内だが、0.2%耐力が規定値700MPa以下となった。また、BW側の疲労特性と曲げ加工性が劣っていた。
(従来例)
下記の表3に記載された合金組成(残部は銅(Cu))の銅合金に対して、テンションレベラーによる矯正[工程7]を行わない以外は前記実施例1と同様にして銅合金板材を作製した。得られた銅合金板材の供試材について、前記実施例1と同様の方法で評価を行った。その結果を表3にあわせて示す。
Figure 2014015679
表3から明らかなように、テンションレベラーによる矯正[工程7]を介さずに作製した従来例1〜3の銅合金板材は、所定の合金組成と、製造工程[工程7]以外の製造条件を採用しても、いずれもS方位の面積率が少なく、結晶粒径が粗大になっており、疲労特性や180°曲げ加工性が劣っていた。
これらとは別に、従来の製造条件により製造した銅合金板材について、本発明に係る銅合金板材との相違を明確化するために、その従来の製造条件で銅合金板材を作製し、上記と同様の特性項目の評価を行った。なお、各板材の厚さは特に断らない限り上記実施例と同じ厚さになるように加工率を調整した。
(比較例101)・・・特開2011−208243号公報(特許文献4)の条件
溶製にて3.0質量%のTiを添加し、残部銅および不可避不純物の組成を有するインゴットに対して、950℃で3時間加熱する均質化焼鈍の後、900〜950℃で熱間圧延を行い、板厚10mmの熱延板を得た。熱延板の面削後、冷間圧延して素条の板厚(2.0mm)とし、素条での第1次溶体化処理を行った。第1次溶体化の条件は、850℃で10分間加熱とした。次いで、中間の冷間圧延では最終板厚が0.10mmとなるように調整して冷間圧延した後、急速加熱が可能な焼鈍炉に挿入して最終の溶体化処理を行い、その後水冷した。このときの加熱条件は、材料温度がTiの固溶限が添加量と同じになる温度(Ti濃度3.2質量%で約800℃、Ti濃度2.0質量%で約730℃、Ti濃度5.0質量%で約885℃)を基準として熱処理を行った。次いで、到達温度400℃、保持時間0.4hにて焼鈍した後、加工率25%で最終冷間圧延し、350℃、6hで時効処理を行った。結果、得られた試験片は上記本発明に係る実施例とは製造条件が異なり、組織についても、S方位が5%未満であり、疲労特性、曲げ加工性について、本発明の要求特性を満たさない結果となった。
(比較例102)・・・特開2006−274289号公報(特許文献9)の条件
電気銅2kgを高周波真空溶解炉にて溶解し、溶湯成分がCu−3.0%TiとなるようにTiを添加した後、板厚30mm×幅60mm×長さ120mmのインゴットを鋳造した。次に、このインゴットを900℃に加熱し、この温度に1時間保持後、所定の板厚まで熱間圧延を行い、速やかに冷却した。表面の酸化スケールを面削した後、溶体化処理前の冷間圧延を板厚0.35mmになるまで行った後、150秒間の溶体化処理を施した。次に、板厚が0.2mmになる様に最終冷間圧延を行い、次に400℃×8hで時効処理を施して各試料を作製した。結果、得られた試験片は上記本発明に係る実施例とは製造条件が異なり、組織についてもS方位が5%未満であり、本発明例の要求特性を満たさない結果となった。
本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の特許請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。
1 試験片
2 ナイフエッジ
3 固定部

Claims (5)

  1. Tiを1.0〜5.0質量%含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる銅合金板材であって、
    銅合金母相の平均結晶粒径が、5.0〜50.0μmであり、
    EBSD測定における結晶方位解析において、S方位{231}<346>からの方位のずれ角度が20°以内である結晶粒の面積率が5.0〜40.0%であること特徴とする銅合金材料。
  2. Tiを1.0〜5.0質量%含有し、さらにSi、Fe、Sn、Co、Zn、Ni、Ag、Mn、B、P、Mg、Cr、Zrからなる群から選ばれる1または2以上の元素を合計で0.005〜1.0質量%含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる銅合金板材であって、
    銅合金母相の平均結晶粒径が、5.0〜50.0μmであり、
    EBSD測定における結晶方位解析において、S方位{231}<346>からの方位のずれ角度が20°以内である結晶粒の面積率が5.0〜40.0%であることを特徴とする銅合金板材。
  3. 請求項1または2に記載の銅合金板材を製造する方法であって、
    前記銅合金板材を与える組成から成る銅合金に、0.1〜100℃/秒の冷却速度での鋳造(工程1)、800〜1020℃で3分から10時間の均質化熱処理(工程2)、700〜1020℃での熱間圧延(工程3)、水冷(工程4)、加工率80〜99.8%の冷間圧延(工程6)、昇温速度1〜30℃/秒で加熱し、100〜400℃まで到達後、張力を100〜300MPaとするテンションレベラーによる矯正(工程7)、加工率2〜50%の冷間圧延(工程8)、600〜1000℃で5秒〜1時間の中間溶体化熱処理(工程9)、400〜700℃で5分〜1時間の時効析出熱処理(工程10)、圧延率3〜25%の仕上げ冷間圧延(工程11)をこの順に施すことを特徴とする銅合金板材の製造方法。
  4. 前記仕上げ冷間圧延の後、200〜600℃で5秒〜10時間の調質焼鈍(工程12)を施すことを特徴とする請求項3に記載の銅合金板材の製造方法。
  5. 請求項1または2に記載の銅合金板材からなるコネクタ。
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