JP2014014829A - 溶接装置 - Google Patents

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直宏 藪
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誠 大内
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Abstract

【課題】簡単な構造で、ワークの円形部分の周方向に沿った曲線状にすみ肉溶接が可能な溶接装置を提供することを課題とする。
【解決手段】ワーク50の溶接面になる底面部50a1と平行な平面に沿って回転動作する回転アーム2aと、回転アーム2aを回転動作させるアーム駆動モータ3aと、回転アーム2aに備わるトーチ取付アーム2bに取り付けられた溶接トーチ7aと、アーム駆動モータ3aを制御して回転アーム2aを回転動作させる制御装置8と、を備える溶接装置1とする。そして、制御装置8は、アーム駆動モータ3aを制御して回転アーム2aを回転動作させて、トーチ取付アーム2bが回転動作する軌跡に沿った曲線状の溶接ビードを底面部50a1に形成するという特徴を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、溶接装置に関する。
ワークにすみ肉溶接する作業を作業者が施工する場合、その作業環境は作業者にとって快適な環境とはいえない。また、作業者の熟練度に応じた作業品質の差が生じる。これらのことから、すみ肉溶接の自動化が要求されている。
この技術分野の背景技術として、例えば特許文献1には、「重ね継手溶接される方形接続板の中心部に乗載されるベースプレートの方形接続板の直交する2辺に対向する位置に折りたたみ可能に設けられるとともに先端に位置決め爪が取付けられた位置決めプレートと、上記ベースプレートの中央部に設けられた吸着パットと、上記ベースプレートの中心部に回転可能に設置されたターン台と、上記ターン台上に左右両方向に伸縮可能に載置された1対のスライドプレートと、上記各スライドプレートの先端にトーチ傾斜角を微調整する装置を介し取付けられた溶接トーチとを具えた」と記載されている(段落0004参照)。
特開平7−75874号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は重ね合わせたワークを重ね溶接するための技術であって、すみ肉溶接可能な構成ではない。また、特許文献1に記載の技術は直線状にビード(溶接ビード)を形成して溶接するための技術である。そして、ワークの円形部分の周方向に沿った曲線状の溶接ビードを形成して溶接する技術について特許文献1には開示されていない。
そこで本発明は、簡単な構造で、ワークの円形部分の周方向に沿った曲線状の溶接ビードを形成可能な溶接装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため本発明は、ワークの溶接面と平行な平面に沿って回転動作するアームと、前記アームを回転動作させるアーム回転装置と、前記アームに取り付けられた溶接トーチと、制御装置と、を備える溶接装置とする。そして、前記制御装置は、前記アーム回転装置を制御して前記アームを回転動作させて、前記アームが回転動作する軌跡に沿った曲線状の溶接ビードを前記溶接面に形成するという特徴を有する。
本発明によると、ワークの円形部分の周方向に沿った曲線状の溶接ビードを形成可能な溶接装置を提供することができる。
(a)は本発明の実施例に係る溶接装置の平面図、(b)は溶接装置の側面図である。 溶接装置の機能ブロックを示す図である。 (a)はすみ肉溶接されたワークの平面図、(b)はSec1−Sec1における断面図とその一部拡大図である。 作業位置に配置された溶接装置を示す図である。 ワークに生じる誤差を制御装置が演算するときのアームの回転動作を示す図である。 (a)は回転アームが「0°」の位置にある状態を示す図、(b)は回転アームが「0°」の位置から回転動作して溶接ビードを形成する状態を示す図である。 (a)は回転アームが「180°」の位置にある状態を示す図、(b)は回転アームが「180°」の位置から回転動作して溶接ビードを形成する状態を示す図である。 (a)は回転アームが「0°」の位置から回転動作して溶接ビードを形成する状態を示す図、(b)回転アームが「180°」の位置から回転動作して溶接ビードを形成する状態を示す図である。
以下、適宜図を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
図1の(a)は本実施例に係る溶接装置の平面図、(b)は溶接装置の側面図である。また、図2は溶接装置の機能ブロックを示す図、図3の(a)はすみ肉溶接されたワークの平面図、(b)はSec1−Sec1における断面図とその一部拡大図である。
図1の(a)、(b)に示すように、本実施例の溶接装置1は、溶接用のトーチ(溶接トーチ7a)を保持するトーチホルダ7が、台車14に備わるアーム2に取り付けられて構成される。
台車14は、作業者M1が手押しバー14bを押して移動可能な構成であることが好ましく、複数(例えば4つ)の車輪14aで地面などの配置面Gに配置される。
なお、本実施例においては、手押しバー14bの側を後方とするように溶接装置1の前後方向を設定し、後方から見た左右方向を溶接装置1の左右方向に設定する。さらに、車輪14aの側を下方として溶接装置1に上下方向を設定する。
例えば、図1の(b)に示すように、台車14には架台9が備わり、架台9は上下方向に延設されるガイドレール13aにガイドされて上下動可能に構成される。
例えば、ガイドレール13aは、上下位置調整ハンドル13の回転にともなって回転する送りねじで架台9を上下方向に移動させるボールねじ機構(図示せず)を備える構成とすればよい。
なお、上下位置調整ハンドル13は作業者M1が手動で操作可能な構成とすればよいが、図示しない電動モータ等で駆動可能な構成であってもよい。
また、架台9を上下動するための機構もボールねじ機構に限定されない。例えば、油圧、空気圧、電力等で駆動するアクチュエータなどの駆動装置で架台9が上下動する構成であってもよい。
架台9には、前方に向かって延設されるアーム2を左右方向に回転動作させるアーム回転装置(アーム駆動モータ3a)が取り付けられる。アーム駆動モータ3aは、例えば、軸方向を上下方向とする回転軸3bを有し、この回転軸3bにアーム2の後端部近傍が取り付けられる。この構成によってアーム駆動モータ3aはアーム2を左右方向に回転動作させることができる。また、アーム駆動モータ3aの回転軸3bはアーム2の回転軸になる。
そして、この構成によって、アーム2は溶接装置1が配置される配置面Gに平行な面内で回転動作可能に構成される。
また、アーム2の回転動作範囲を規制するために、リミットスイッチ15が備わっている。
リミットスイッチ15は、例えば、アーム2が接触することによってアーム2の位置を検出するスイッチであり、アーム2の接触で生じる信号(検出信号)を後記する制御装置8に入力する構成とすればよい。
また、アーム2には、台車14の左方向に向かって小さな角度になり右方向に向かって大きな角度になるとともに、台車14の前方を向いたときを「90°」とする動作角が設定される。
つまり、アーム2は、台車14の前方に対して直角に左方向を向いたときの動作角が「0°」となり、台車14の前方に対して直角に右方向を向いたときの動作角が「180°」となる。そして、リミットスイッチ15は、動作角が「0°」の位置にあるアーム2と、「180°」の位置にあるアーム2を検出するように構成される。
アーム駆動モータ3aは、左右微調整機構11aと前後微調整機構11bとを介して架台9に取り付けられる。左右微調整機構11aは、例えば左右方向に延設されるボールねじ機構で構成され、作業者M1が左右微調整ハンドル11a1で操作する構成とすればよい。前後微調整機構11bは、例えば前後方向に延設されるボールねじ機構で構成され、作業者M1が前後微調整ハンドル11b1で操作する構成とすればよい。
なお、左右微調整ハンドル11a1や前後微調整ハンドル11b1が図示しない電動モータ等の駆動装置で駆動される構成であってもよい。
本実施例のアーム2は、軸方向の一端(回転端2a1)がアーム駆動モータ3aの回転軸3bで支持される第1アーム(回転アーム2a)と、回転アーム2aの他端(先端2a2)に取り付けられる第2アーム(トーチ取付アーム2b)と、を含んで構成される。トーチ取付アーム2bは、回転アーム2aと平行に、先端2a2から回転軸3bと逆方向に向かって取り付けられ、さらに、回転アーム2aに対して上下動可能な構成が好ましい。
例えば、回転アーム2aは、アーム移動装置(アーム高さ調整モータ4a)で駆動するボールねじ機構が構成される上下動ユニット4を有し、この上下動ユニット4にトーチ取付アーム2bが取り付けられる構成とすればよい。
また、トーチ取付アーム2bは、回転アーム2aの軸方向に移動可能に取り付けられる構成が好ましい。例えば、アーム移動装置(アーム径調整モータ4b)で回転する送りねじを有するボールねじ機構で上下動ユニット4が回転アーム2aの軸方向に移動可能に取り付けられる構成とすればよい。
なお、トーチ取付アーム2bを上下方向に移動する構造およびトーチ取付アーム2bを回転アーム2aの軸方向に移動する構造は、アーム高さ調整モータ4aおよびアーム径調整モータ4bを使用する構造に限定されない。例えば、空気圧や油圧を利用する構造であってもよい。
トーチ取付アーム2bの先端2b1またはその近傍にトーチホルダ7が取り付けられる。トーチホルダ7は、トーチ移動装置(トーチ径調整モータ7c)によってトーチ取付アーム2bの軸方向に移動可能に取り付けられ、さらに、トーチ移動装置(トーチ高さ調整モータ7b)によって上下方向に移動可能に取り付けられる。
トーチ径調整モータ7cによってトーチホルダ7が移動する構成およびトーチ高さ調整モータ7bによってトーチホルダ7が移動する構成は限定するものではなく、例えば、ボールねじ機構とすればよい。または、空気圧や油圧でトーチホルダ7が移動する構成であってもよい。
トーチホルダ7は、トーチ取付アーム2bの軸方向と直交する方向を軸方向とする回転軸(図示せず)を中心に上下方向に回転動作して角度調節可能に取り付けられ、トーチホルダ7には、ジャッキ51で配置面Gに設置されるワーク50に対して溶接(肉盛溶接)を施工する溶接トーチ7aが取り付けられる。
この構成によって、溶接トーチ7aは、溶接装置1が配置される配置面Gに平行な面内で回転移動可能となる。
また、溶接トーチ7aはトーチホルダ7とともに上下方向に回転動作する。なお、トーチホルダ7は電動モータ(トーチ回転モータ7d)の回転軸を回転中心として上下方向に回転動作する構成が好ましい。
また、溶接トーチ7aは、回転軸3bを中心に回転動作する回転アーム2aの延長上に備わることが好ましい。この構成によって、溶接トーチ7aは、回転アーム2aの回転半径の延長上で、例えば、図3の(a)に示すように、略半円の扇形のワーク50に対して肉盛溶接可能になる。
また、回転アーム2aと、回転アーム2aの軸方向に移動可能なトーチ取付アーム2bと、を有するアーム2は、トーチ取付アーム2bの移動で伸縮可能に構成される。したがって、肉盛溶接するワーク50の大きさによってアーム2を取り替える必要がない。つまり、ワーク50の大きさに応じて、トーチ取付アーム2bを移動してアーム2を伸縮させることによって、任意の大きさのワーク50に肉盛溶接が可能になる。
また、架台9には、アーム駆動モータ3aの回転軸3bの軸方向を延長した仮想線と、台車14が配置される配置面Gの交点を照射するようにレーザ光LBを発射するレーザポインタ10が取り付けられる。この構成によると、レーザポインタ10が発射するレーザ光LBが台車14の配置面Gを照射するポイントCPは、アーム駆動モータ3aの回転軸3bの延長線上となり、回転アーム2aの回転中心となる。したがって、台車14を移動させる作業者M1は、レーザポインタ10が発射するレーザ光LBが照射するポイントCPの位置が所定の位置になるように台車14を移動させることによって、その所定の位置(ポイントCP)を回転アーム2aの回転中心とすることができる。
レーザポインタ10は、左右微調整機構11aおよび前後微調整機構11bによってアーム駆動モータ3aとともに移動する構成が好ましい。この構成によって、左右微調整機構11aと前後微調整機構11bでアーム駆動モータ3aが移動しても、レーザポインタ10が発射するレーザ光LBは回転軸3bを延長した仮想線と配置面Gの交点を常に照射するように構成される。
また、トーチ取付アーム2bの先端には、ワーク50の形状を計測可能なレーザラインセンサ12が取り付けられる。このレーザラインセンサ12は、ワーク50において溶接トーチ7aが肉盛溶接する部分の形状を計測可能に取り付けられることが好ましく、例えば、トーチホルダ7に取り付けられて溶接トーチ7aとともに上下方向に回転(揺動)する構成とすればよい。
また、台車14には制御装置8が備わる。
図2に示すように、制御装置8は、演算部(CPU:Central Processing Unit)8a、入力IF部8b、出力IF部8c、記憶部8d、外部記憶部8eを含んで構成される。記憶部8dは、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備え、外部記憶部8eは、例えば、HDD(Hard Disk Drive)を含んで構成される。
そして、制御装置8は、記憶部8d(ROM等)に書き込まれているプログラムをRAMに展開して演算部8aで実行し、ワーク50(図3の(a)参照)にすみ肉溶接(肉盛溶接)を施工するように構成される。
また、例えば外部記憶部8eには、ワーク50の形状を表す基準データ(図3の(b)に示す、開先高さh1、下方開先幅Wa、上方開先幅Wb、開先角度θ1、開先基準半径Rhなど)があらかじめ記憶されている。
入力IF部8aには信号線を介してレーザラインセンサ12が接続され、レーザラインセンサ12の計測値が入力される。
また、出力IF部8cには、アーム高さ調整モータ4aを制御するアーム高さ制御部4a1、アーム径調整モータ4bを制御するアーム径制御部4b1が信号線を介して接続される。
このほか、出力IF部8cには、トーチ高さ調整モータ7bを制御するトーチ高さ制御部7b1、トーチ径調整モータ7cを制御するトーチ径制御部7c1、トーチ回転モータ7dを制御するトーチ回転制御部7d1が信号線を介して接続される。
そして、制御装置8は、アーム高さ制御部4a1に指令を与えてアーム高さ調整モータ4aを制御し、回転アーム2aを上下動可能に構成され、アーム径制御部4b1に指令を与えてアーム径調整モータ4bを制御し、トーチ取付アーム2bを回転アーム2aの軸方向に移動可能に構成される。
また、制御装置8は、トーチ高さ制御部7b1に指令を与えてトーチ高さ調整モータ7bを制御し、トーチホルダ7を上下方向に移動可能に構成され、トーチ径制御部7c1に指令を与えてトーチ径調整モータ7cを制御し、トーチホルダ7をトーチ取付アーム2bの軸方向に移動可能に構成される。
さらに、制御装置8は、トーチ回転制御部7d1に指令を与えてトーチ回転モータ7dを制御し、トーチホルダ7を上下方向に揺動可能に構成される。
その他、台車14には、制御装置8、溶接トーチ7a、アーム駆動モータ3a等に電力を供給するために、蓄電池などの電源装置(図示せず)が搭載されていてもよい。
図3の(a)に示すように、本実施例におけるワーク50は平面形状が略半円の扇形を呈し、すみ肉溶接をするための肉盛溶接は周方向に沿った曲線状に施工される。
例えば、図3の(a)、(b)に示すように、周方向に沿って形成される段差部50aにすみ肉溶接をする作業に、図1の(a)、(b)に示す本実施例の溶接装置1が使用される。
なお、図3の(a)に示すワーク50の形状は一例であり、その形状は限定されない。
また、図1の(b)に示すように、ワーク50は、溶接装置1が配置される配置面Gに複数のジャッキ51で支持されて設置される。
ジャッキ51は、それぞれ独立して高さ調節可能な構成であり、この構成によって、ワーク50の上下位置を調節できる。例えば、配置面Gに対する平行を調節できる。
図3の(a)に示すように、ワーク50の半円に対する中心点をC1とし、半円形を呈するワーク50が中心点C1を中心、図の左を「0°」として右側に向かって「180°」まで展開する場合、「0°」の位置(第1支点P1)、「90°」の位置(第2支点P2)、「180°」の位置(第3支点P3)の3点にジャッキ51が配置される構成とする。なお、図3の(a)の網掛け部は、肉盛溶接で形成されるビード(溶接ビードBd)を示す。
また、図2に示す溶接装置1の制御装置8の外部記憶部8e(HDD等)には、すみ肉溶接するワーク50の形状があらかじめ記憶されていることが好ましい。例えば、図1の(a)に示すように、アーム駆動モータ3aの回転軸3bの位置を原点Oとし、左右方向をX軸、前後方向をY軸とする仮想の座標軸が溶接装置1に設定され、中心点C1が原点Oと一致した場合のワーク50の形状が座標データとして入力されている構成とすればよい。
制御装置8に記憶されるワーク50の形状は、例えば、図3の(b)に示す段差部50aの形状を表すデータ(基準データ)であって、開先高さh1、下方開先幅Wa、上方開先幅Wb、開先角度θ1、開先基準半径Rhなどの値である。
本実施例のワーク50における段差部50aは、図3の(b)に示すように、中心点C1の側が下方に落ち込んだ底面部50a1によって形成される。そして、本実施例において底面部50a1はワーク50の溶接面となる。
中心点C1から、底面部50a1が落ち込む位置までの半径を開先基準半径Rh、底面部50a1が落ち込む深さを開先高さh1、底面部50a1において肉盛溶接の溶接ビードBdが形成される範囲を下方開先幅Waとする。また、段差部50aの上方(上端部50a2)において肉盛溶接の溶接ビードBdが形成される範囲を上方開先幅Wbとする。
そして、肉盛溶接(すみ肉溶接)は、中心点C1から開先基準半径Rhで周方向に沿って形成される段差部50aの底面部50a1から上端部50a2に向かい、開先高さh1の高さに積層した溶接ビードBdが形成されるように施工される。
底面部50a1の径方向の長さ(下方開先幅Wa)は、段差部50aの上端部50a2の径方向の長さ(上方開先幅Wb)より僅かに短く形成される。
つまり、段差部50aは上端部50a2から底面部50a1に向かって所定の開先角度θ1で傾斜して形成される。そして、中心点C1を中心とする上端部50a2の半径を開先基準半径Rhとする。
このようにワーク50に形成される段差部50aへの肉盛溶接で、図3の(b)に示すように、底面部50a1の隅部(外周側)の周方向に沿った曲線状の溶接ビードBd1が形成される。さらに、中心点C1の側に向かって周方向に曲線状の溶接ビードBd2〜Bd4が形成される。底面部50a1の全面に溶接ビードBd1〜Bd4が形成されたら、その溶接ビードBd1〜Bd4の上方に積層するように、外周側から中心点C1の側に向かう溶接ビードBd5〜Bd8が形成される。このように、上端部50a2まで積層した溶接ビードBdによって段差部50aがすみ肉溶接される。なお、図3の(b)には1つの面に4つの溶接ビードBd(Bd1〜Bd4,Bd5〜Bd8)が形成される構成を示したがこれは一例であり、1つの面に形成される溶接ビードBdの数は限定されない。
以上のように、3点がジャッキ51で支持されて配置面Gに設置されるワーク50の所定の段差部50aに周方向に沿って曲線状に溶接ビードBdを形成して肉盛溶接する場合、作業者M1(図1の(b)参照)は、溶接装置1(図1の(a)参照)を中心点C1に配置して肉盛溶接を実施する。以下に、その手順を説明する。
図4は、作業位置に配置された溶接装置を示す図である。
図4に示すように、ワーク50は段差部50aの底面部50a1が上方を向くように地面などの配置面Gに設置される。そして、作業者M1は溶接装置1をワーク50の中心点C1に移動して作業位置に配置する。溶接装置1の回転アーム2aおよびトーチ取付アーム2b(アーム2)は、ワーク50の溶接面である底面部50a1と平行な平面に沿って回転動作するように配置される。
また、上下方向に移動可能なトーチ取付アーム2bは、底面部50a1と平行な平面の法線方向に移動可能に回転アーム2aに取り付けられる構成となる。
さらに、上下方向に移動可能なトーチホルダ7(溶接トーチ7a)も底面部50a1と平行な平面の法線方向に移動可能に配置される。
作業者M1は、架台9に備わるレーザポインタ10が発射するレーザ光LB(図1の(b)参照)がワーク50の中心点C1を照射するように溶接装置1を移動する。なお、ワーク50の中心点C1はあらかじめ測定されて配置面G(図1の(b)参照)など、レーザ光LBが照射可能な場所に記載されていることが好ましい。
また、溶接トーチ7aがワーク50(底面部50a1)よりも上方に位置するように、上下位置調整ハンドル13で架台9の上下位置が調整されていることが好ましい。
作業者M1は溶接装置1を配置すると、左右微調整機構11aおよび前後微調整機構11b(図1の(a)参照)によってアーム駆動モータ3aを前後左右方向に微動し、レーザポインタ10が発射するレーザ光LB(図1の(b)参照)がワーク50の中心点C1を照射するように微調整する。レーザポインタ10が発射するレーザ光LBがワーク50の中心点C1を照射するように微調整することによって、回転アーム2aの回転軸3bをワーク50の中心点C1と精度よく一致させることができる。
さらに、作業者M1は回転アーム2aをジャッキ51がワーク50を支持する第1支点P1の位置(「0°」の位置)に移動し、例えばレーザラインセンサ12(図1の(b)参照)で溶接トーチ7aとワーク50の段差部50a(底面部50a1)の上下方向の距離を測定する。同様に、作業者M1は回転アーム2aをジャッキ51がワーク50を支持する第2支点P2の位置(「90°」の位置)、第3支点P3の位置(「180°」の位置)に移動し、それぞれレーザラインセンサ12で溶接トーチ7aと底面部50a1との上下方向の距離を測定する。
そして、作業者M1は、第1支点P1、第2支点P2、第3支点P3の各位置における溶接トーチ7aと底面部50a1の上下方向の距離が等しくなるように3つのジャッキ51を調節する。つまり、作業者M1は、ジャッキ51を調節してワーク50の配置面Gからの高さを調節し、第1支点P1、第2支点P2、第3支点P3の各位置における溶接トーチ7aと底面部50a1の上下方向の距離を等しくする。
さらに、作業者M1は、回転アーム2aを「0°」の位置に移動する。そして、溶接トーチ7aの位置を調節して、ワーク50に対して好適に肉盛溶接できる状態にする。
作業者M1は、トーチ取付アーム2bを回転アーム2aの軸方向に移動して溶接トーチ7aが底面部50a1の隅部を肉盛溶接する時に移動する半径(溶接径)を設定し、トーチ取付アーム2bを上下方向に移動して溶接トーチ7aの高さ(溶接高さ)を設定する。さらに、作業者M1は、トーチホルダ7を回転動作して溶接トーチ7aが底面部50a1に肉盛溶接するときの溶接トーチ7aの上下方向の傾き角度(溶接角度)を設定する。
例えば、制御装置8に、アーム高さ調整モータ4a(図1の(b)参照)を操作する操作部と、アーム径調整モータ4b(図1の(b)参照)を操作する操作部と、トーチ回転モータ7d(図1の(b)参照)を操作する操作部と、が備わる構成とする。
アーム高さ調整モータ4aを操作する操作部は、例えば、トーチ取付アーム2bの上下方向の移動量を入力する入力手段(テンキーなど)を有する。そして、制御装置8は、作業者M1が入力手段で入力した移動量だけトーチ取付アーム2bを上下方向に移動するようにアーム高さ制御部4a1(図2参照)に指令を与える。
アーム径調整モータ4bを操作する操作部は、例えば、トーチ取付アーム2bの回転アーム2aに沿った移動量を入力する入力手段(テンキーなど)を有する。そして、制御装置8は、作業者M1が入力手段で入力した移動量だけトーチ取付アーム2bを移動するようにアーム径制御部4b1(図2参照)に指令を与える。
また、トーチ回転モータ7dを操作する操作部は、例えば、トーチホルダ7の角度の変化量を入力する入力手段(テンキーなど)を有する。そして、制御装置8は、作業者M1が入力手段で入力した変化量だけ溶接トーチ7aの角度が変化するようにトーチ回転制御部7d1(図2参照)に指令を与える。
作業者M1は、所望する溶接高さになるように、上下方向の移動量を制御装置8の操作部に入力し、トーチ取付アーム2bを上下方向に移動させる。
また、作業者M1は、所望する溶接径になるように、回転アーム2aに沿った移動量を制御装置8の操作部に入力し、回転アーム2aに沿ってトーチ取付アーム2bを移動させる。さらに、作業者M1は、所望する溶接角度になるように、溶接トーチ7aの角度の変化量を制御装置8の操作部に入力し、トーチホルダ7(溶接トーチ7a)を上下方向に回転動作させる。
後記するように、制御装置8はワーク50の形状を計測して溶接トーチ7aの位置を微調整する機能を有するため、作業者M1による溶接高さ、溶接径、溶接角度の設定には精度が要求されない。
そして、作業者M1は、溶接高さ、溶接径、溶接角度を設定した後に溶接装置1を始動する。例えば作業者M1は制御装置8の所定のスイッチ等を操作して、ワーク50の段差部50a1(図3の(b)参照)にすみ肉溶接を実施する所定のプログラムの実行を開始する。
図5は、ワークに生じる誤差を制御装置が演算するときのアームの回転動作を示す図である。
制御装置8はすみ肉溶接を開始すると、図5に示すように、アーム駆動モータ3aを駆動して回転アーム2aを左側に設定される「0°」の位置から、右側に設定される「180°」の位置まで回転動作させながらレーザラインセンサ12(図1の(b)参照)で段差部50aの形状を計測し、段差部50aの形状を表すデータ(実測データ)を取得する。具体的に制御装置8は、図3の(b)に示す開先高さh1、下方開先幅Wa、上方開先幅Wb、開先角度θ1、開先基準半径Rhの値を所定の角度θαごと(例えば、「0°」から「180°」まで「30°」ごと)に計測し、実測データとして取得する。
なお、制御装置8が段差部50aの形状を計測する角度の間隔(θα)として示した「30°」は一例であってこの値に限定するものではない。
さらに、制御装置8はレーザラインセンサ12が計測して取得した実測データ(開先高さh1,下方開先幅Wa,上方開先幅Wb,開先角度θ1,開先基準半径Rh)と、あらかじめ外部記憶部8e(図2参照)等に記憶されているワーク50の基準データと、の差を誤差として算出してRAMなどの記憶部8d(図2参照)に記憶する。
さらに、制御装置8は、作業者M1によって設定された「0°」の位置における溶接高さ、溶接径、溶接角度を基準位置とし、ワーク50の基準データと実測データの誤差を修正しながら溶接ビードBd(図3の(b)参照)を形成する手順をシミュレートする。
本実施例において、制御装置8は、トーチ高さ調整モータ7b、トーチ径調整モータ7c、トーチ回転モータ7dの駆動で溶接トーチ7aの位置を移動しながら基準データと実測データの誤差を修正する構成である。そして、制御装置8は、基準データと実測データの誤差を修正するように溶接トーチ7aの移動をシミュレートする。
制御装置8は、回転アーム2a(図1の(a)参照)を「0°」の位置から「180°」の位置まで回転動作し、図3の(b)に示すように、底面部50a1の隅部(外周側)の溶接ビードBd1を形成するときの溶接トーチ7aの移動をシミュレートする。さらに、制御装置8は、回転アーム2aを「180°」の位置から「0°」の位置まで回転動作し、隅部に形成した溶接ビードBd1に沿って中心点C1の側に溶接ビードBd2を形成するときの溶接トーチ7aの移動をシミュレートする。
同様に、制御装置8は、回転アーム2aを「0°」の位置から「180°」の位置まで回転動作して溶接ビードBd3を形成するときの溶接トーチ7aの移動と、回転アーム2aを「180°」の位置から「0°」の位置まで回転動作して溶接ビードBd4を形成するときの溶接トーチ7aの移動をシミュレートする。
例えば、回転アーム2aが「0°」の位置から所定の角度(θα)を回転動作した位置において、開先基準半径Rh(図3の(a)参照)の実測データが基準データよりも「誤差Δr」だけ小さい場合、制御装置8は、この位置において、溶接径を「誤差Δr」だけ小さくするように溶接トーチ7aの移動をシミュレートする。具体的に制御装置8は、回転アーム2aが「0°」の位置から所定の角度(θα)の位置まで回転動作する間に、溶接トーチ7aが「誤差Δr」だけ回転軸3bの方向に移動するようにシミュレートする。
また、例えば、回転アーム2aが所定の角度(θα)の位置から、さらに所定の角度(θα)を回転動作した位置において、開先高さh1(図3の(b)参照)の実測データが基準データよりも「誤差Δh」だけ大きい場合、制御装置8は、この位置において、溶接高さを「誤差Δh」だけ低くするように溶接トーチ7aの移動をシミュレートする。
具体的に制御装置8は、回転アーム2aが所定の角度(θα)の位置から、さらに所定の角度(θα)の位置まで回転動作する間に、溶接トーチ7aが「誤差Δh」だけ下方向に移動するようにシミュレートする。
このように、制御装置8は、溶接ビードBd(図3の(b)参照)を形成するときの溶接トーチ7aの移動をシミュレートした後、すみ肉溶接を開始する。
図6〜8は、溶接装置がアームを回転動作して溶接ビードを形成する状態を示す図である。
制御装置8は、図6の(a)に示すように回転アーム2aを「0°」の位置に戻してすみ肉溶接を開始する。具体的に制御装置8は、シミュレートの結果に基づいて溶接ビード7aの位置を微調整しながらワーク50の段差部50a(底面部50a1)に肉盛溶接して溶接ビードBdを形成する。
なお、すみ肉溶接の開始時に作業者M1が所定のスイッチを操作する構成であってもよい。
制御装置8は、トーチ高さ調整モータ7b、トーチ径調整モータ7c、およびトーチ回転モータ7dで溶接ビード7aの位置をシミュレートの結果に基づいて微調整しながら、アーム駆動モータ3aを駆動して回転アーム2aを回転動作する。
制御装置8は前記したように、計測した開先基準半径Rh(実測データ)があらかじめ入力された開先基準半径Rh(基準データ)より「誤差Δr」だけ大きい位置では、実際の溶接トーチ7aの溶接径が、開先基準半径Rhの基準データに基づいて決定される溶接径より大きい(プラス誤差)と判定する。そして、制御装置8は、その位置でトーチホルダ7が「誤差Δr」だけ回転アーム2aの回転軸3bから離反する方向に移動するようにトーチ径制御部7c1(図2参照)に指令を与えてトーチ径調整モータ7cを制御する。例えば、トーチ取付アーム2bに対するトーチホルダ7の移動量を検出するセンサ(変位センサ)が備わる構成とすれば、制御装置8はトーチホルダ7の移動量を取得でき、生じた誤差「Δr」に相当する移動量だけトーチホルダ7(溶接トーチ7a)を移動できる。
また、制御装置8は、計測した開先高さh1(実測データ)があらかじめ入力された開開先高さh1(基準データ)より「誤差Δh」だけ大きい位置では、実際の溶接トーチ7aの溶接高さが、開先高さh1の基準データに基づいて決定される溶接高さより低い(マイナス誤差)と判定する。そして、制御装置8は、その位置でトーチホルダ7が「誤差Δh」だけ下方向に移動するようにトーチ高さ制御部7b1(図2参照)に指令を与えてトーチ高さ調整モータ7bを制御する。例えば、トーチホルダ7の上下方向の移動量を検出するセンサ(変位センサ)が備わる構成とすれば、制御装置8はトーチホルダ7の上下方向の移動量を取得でき、生じた誤差「Δh」に相当する移動量だけトーチホルダ7(溶接トーチ7a)を下方向に移動できる。
また、溶接トーチ7aを上下方向に移動する場合、制御装置8は必要に応じてトーチ回転制御部7d1(図2参照)に指令を与えてトーチ回転モータ7dを制御し、溶接角度を変化させる構成であってもよい。
例えば、溶接トーチ7aの上下方向の移動量と溶接角度の調節量があらかじめ実験等で求められ、マップ形式等のデータとして記憶部8d(図2参照)に記憶されている構成とすれば、制御装置8は当該データを参照して、溶接トーチ7aの上下方向の移動量に応じた溶接角度の調節量を演算できる。そして、制御装置8は、溶接角度が演算した調節量だけ変化するようにトーチ回転制御部7d1に指令を与え、トーチ回転モータ7dを制御してトーチホルダ7(溶接トーチ7a)を回転させる構成とすればよい。
そして、制御装置8は、アーム駆動モータ3aを駆動して、図6の(b)に示すように回転アーム2aを「0°」の位置から「180°」の位置まで回転動作させながら溶接トーチ7aで底面部50a1の隅部に肉盛溶接して溶接ビードBd1を形成する。
このときの回転アーム2aの移動速度(回転速度)は、例えば、あらかじめ設定されている値とする。
または、溶接トーチ7aが移動する半径(溶接径)に対応して制御装置8が回転アーム2aの回転速度を適宜演算する構成であってもよい。
このように形成される溶接ビードBd1は、回転アーム2aおよびトーチ取付アーム2bが回転動作する軌跡に沿った曲線状に形成される。
制御装置8はリミットスイッチ15によって回転アーム2aが「180°」の位置まで回転動作したことを検出すると回転アーム2aを停止する。
なお、制御装置8は、回転アーム2aを回転動作して溶接トーチ7aで肉盛溶接している間もレーザラインセンサ12(図1の(b)参照)で段差部50aの形状を表す実測データ(開先高さh1、下方開先幅Wa、上方開先幅Wb、開先角度θ1、開先基準半径Rh)を計測する構成であってもよい。
さらに、制御装置8は、計測した段差部50aの形状(実測データ)に基づいて、シミュレートした溶接トーチ7aの移動に生じる誤差(前記したΔh,Δr等)を算出し、その誤差を修正するように、トーチ高さ制御部7b1(図2参照)に指令を与えてトーチ高さ調整モータ7bを制御し、トーチ径制御部7c1(図2参照)に指令を与えてトーチ径調整モータ7cを制御する構成としてもよい。この構成によると、溶接トーチ7aの移動をシミュレートした後で段差部50aの形状に誤差が生じた場合であっても、制御装置8はその誤差を修正しながら溶接トーチ7aを移動させることができ、精度よくすみ肉溶接できる。
制御装置8は、回転アーム2aを「180°」の位置まで回転動作させた後、図7の(a)に示すように、トーチ径制御部7c1(図2参照)に指令を与えてトーチ径調整モータ7cを制御し、底面部50a1の隅部に形成される溶接ビードBd1の幅に相当する量だけトーチホルダ7を回転軸3bの側に移動する。
溶接ビードBd1の幅は、あらかじめ入力されている値であってもよいし、制御装置8が、レーザラインセンサ12で溶接ビードBd1の形状を計測して設定する値であってもよい。
そして、制御装置8は、図7の(b)に示すようにアーム駆動モータ3aを駆動して回転アーム2aを「180°」の位置から「0°」の位置まで回転動作させながら溶接トーチ7aで底面部50a1に肉盛溶接し、溶接ビードBd1に沿った溶接ビードBd2を形成する。このときの回転アーム2aの移動速度(回転速度)も、例えば、あらかじめ設定されている値とする。または、溶接トーチ7aが移動する半径(溶接径)に対応して制御装置8が演算する値とする。
制御装置8は、リミットスイッチ15によって回転アーム2aが「0°」の位置まで回転動作したことを検出すると回転アーム2aを停止する。
制御装置8は「180°」の位置から「0°」の位置まで回転アーム2aを回転動作して溶接トーチ7aで肉盛溶接する間に、レーザラインセンサ12(図1の(b)参照)で段差部50aの形状を表す実測データ(開先高さh1、下方開先幅Wa、上方開先幅Wb、開先角度θ1、開先基準半径Rh)を計測する構成であってもよい。
そして、制御装置8は、計測した段差部50aの形状(実測データ)に基づいて、シミュレートした溶接トーチ7aの移動に生じる誤差(前記したΔh,Δr等)を算出し、その誤差を修正するように、トーチ高さ制御部7b1(図2参照)に指令を与えてトーチ高さ調整モータ7bを制御し、トーチ径制御部7c1(図2参照)に指令を与えてトーチ径調整モータ7cを制御する構成としてもよい。
その後、制御装置8は、図8の(a)に示すように、トーチ径制御部7c1(図2参照)に指令を与えてトーチ径調整モータ7cを制御し、底面部50a1を肉盛溶接した溶接ビードBd2の幅に相当する量だけトーチホルダ7を回転軸3bの側に移動する。そして、制御装置8は、アーム駆動モータ3aを駆動して回転アーム2aを「0°」の位置から「180°」の位置まで回転動作させながら溶接トーチ7aで底面部50a1を肉盛溶接し溶接ビードBd2に沿った溶接ビードBd3を形成する。
制御装置8はリミットスイッチ15によって回転アーム2aが「180°」の位置まで回転動作したことを検出すると回転アーム2aを停止する。
制御装置8は、図8の(b)に示すように、トーチ径制御部7c1(図2参照)に指令を与えてトーチ径調整モータ7cを制御し、底面部50a1を肉盛溶接した溶接ビードBd3の幅に相当する量だけトーチホルダ7を回転軸3bの側に移動する。そして、制御装置8は、アーム駆動モータ3aを駆動して回転アーム2aを「180°」の位置から「0°」の位置まで回転動作させながら溶接トーチ7aで底面部50a1を肉盛溶接し溶接ビードBd3に沿った溶接ビードBd4を形成する。
このように制御装置8は、底面部50a1をすみ肉溶接して溶接ビードBd1〜Bd4を形成する。
次に制御装置8は、トーチ高さ制御部7b1(図2参照)に指令を与えてトーチ高さ調整モータ7bを制御し、底面部50a1に形成された溶接ビードBd1〜Bd4の高さ(厚み)に相当する高さだけトーチホルダ7を上方に移動する。溶接ビードBd1〜Bd4の厚みはあらかじめ入力されている値であってもよいし、制御装置8が、レーザラインセンサ12で溶接ビードBd1〜Bd4の形状を計測して設定する値であってもよい。
そして、制御装置8は、溶接ビードBd1〜Bd4(図3の(b)参照)を形成したときと同じ手順で溶接ビードBd1〜Bd4上に肉盛溶接し、溶接ビードBd1〜Bd4に積層する溶接ビードBd5〜Bd8(図3の(b)参照)を形成する。
制御装置8は、このような肉盛溶接を繰り返して、図3の(b)に示す開先高さh1に相当する厚みとなるように溶接ビードBdを積層し、段差部50aを上端部50a2まで溶接ビードBdを形成してすみ肉溶接する。
そして、制御装置8は、上端部50a2まで溶接ビードBdを形成したらすみ肉溶接を終了する。
例えば、上端部50a2まで溶接ビードBdを形成した時点で、ブザー等の報知手段で作業者M1(図1の(b)参照)にすみ肉溶接の終了を報知するような制御装置8の構成であってもよい。そして、作業者M1が所定のスイッチを操作したときに制御装置8が停止してすみ肉溶接を終了する構成であってもよい。
または、上端部50a2まで溶接ビードBdを形成した時点で制御装置8が自身をシャットダウンする構成であってもよい。
以上のように、本実施例の溶接装置1は、図1の(a)、(b)に示すように、台車14に溶接トーチ7aが取り付けられて構成される。
溶接トーチ7aは、配置面Gに平行な面内で回転動作可能な回転アーム2aに取り付けられて回転動作可能に構成される。そして、例えば、半円形の扇形を呈するワーク50の周方向に沿って曲線状に肉盛溶接(溶接ビードBdの形成)が可能となる。
また、図1の(b)に示すように、溶接装置1には、回転アーム2aの回転軸3bを軸方向に延長した仮想線と配置面Gの交点を照射するようにレーザ光LBを発射するレーザポインタ10が備わる。したがって、溶接装置1を搬送する作業者M1は、回転アーム2aの回転軸3bがワーク50の中心点C1(図3の(a)参照)と一致するように台車14を配置できる。
さらに、作業者M1は、左右微調整機構11aおよび前後微調整機構11bによってアーム駆動モータ3aを前後左右方向に微動することができる。したがって、レーザポインタ10が発射するレーザ光LBがワーク50の中心点C1を照射するように、アーム駆動モータ3aの位置を微調整することができ、回転アーム2aの回転軸3bをワーク50の中心点C1と精度よく一致させることができる。
また、本実施例の溶接装置1は、レーザラインセンサ12を備え、ワーク50の形状(すみ肉溶接する段差部50a(図3の(b)参照)の形状)を表す実測データを取得可能に構成される。
したがって、あらかじめ入力されている、段差部50aの形状を表す基準データと取得した実測データの誤差を計測し、その誤差を修正するように溶接トーチ7aの位置を微調整しながら肉盛溶接して段差部50aにすみ肉溶接できる。よって、段差部50aの実際の形状に基づいて精度よくすみ肉溶接できる。
このように、本実施例の溶接装置1は、例えば、ワーク50の円形部分の周方向に沿った曲線状の肉盛溶接を自動で施工できる。また、作業者M1が実施する作業は、回転アーム2aの回転軸3bをワーク50の中心点C1(図3の(a)参照)に合わせるように溶接装置1を配置する作業と最初に溶接高さ、溶接径、溶接角度を設定する作業である。
溶接装置1を配置する作業は、レーザポインタ10が発射するレーザ光LBをワーク50の中心点C1に合わせるという容易な作業であり、作業者M1の熟練度に応じた作業品質の差が生じにくい。
また、溶接高さ、溶接径、溶接角度を設定する作業にも精度が要求されず、作業者M1の熟練度に応じた作業品質の差が生じにくい。
したがって、本実施例の溶接装置1を用いることで、作業者M1の熟練度に応じた作業品質の差を生じることなく、ワーク50に対してすみ肉溶接を施工できる。
また、本実施例の溶接装置1は基本的には、ワーク50の溶接面(底面部50a1)に沿って回転動作するアーム2に溶接トーチ7aを取り付けた構成であり、多軸のロボットアームのような複雑な構造は不要である。したがって、簡素な構造で効果的に肉盛溶接可能な溶接装置1とすることができる。
なお、本発明は前記した実施例や変形例に限定されるものではない。例えば、前記した実施例は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
例えば、図1の(a)、(b)に示す本実施例の溶接装置1は、作業者M1が手動で移動可能な台車14で構成されている。しかしながら、例えば、電動モータやエンジン等で走行する台車(図示せず)を有する構成としてもよい。
例えば、開先基準半径Rh(図3の(a)参照)が数メートルとなるような巨大なワーク50にすみ肉溶接(肉盛溶接)する場合、回転アーム2aやトーチ取付アーム2bの長さも相応して長くなり、溶接装置1も大型になる。
このような場合、例えば、架台9をフォークリフト(図示せず)のような作業用車両で搬送可能に構成すればよい。特にフォークリフトであれば台9を上下動させることができ、図1の(a)、(b)に示す溶接装置1と同様の機能を実現できる。
この他、本発明は、前記した実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
1 溶接装置
2 アーム
2a 回転アーム(第1アーム)
2b トーチ取付アーム(第2アーム)
3a アーム駆動モータ(アーム回転装置)
3b 回転軸
7a 溶接トーチ
7b トーチ高さ調整モータ(トーチ移動装置)
7c トーチ径調整モータ(トーチ移動装置)
7d トーチ回転モータ
8 制御装置
8e 外部記憶部(基準データが記憶されている記憶部)
10 レーザポインタ
12 レーザラインセンサ(実測データを取得可能なセンサ)
14 台車
50 ワーク
50a 段差部
50a1 底面部(溶接面)
Bd 溶接ビード

Claims (6)

  1. ワークの溶接面と平行な平面に沿って回転動作するアームと、
    前記アームを回転動作させるアーム回転装置と、
    前記アームに取り付けられた溶接トーチと、
    制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記アーム回転装置を制御して前記アームを回転動作させて、前記アームが回転動作する軌跡に沿った曲線状の溶接ビードを前記溶接面に形成することを特徴とする溶接装置。
  2. 前記ワークの形状を表す基準データがあらかじめ記憶されている記憶部と、
    前記アームに備わって前記ワークの形状を表す実測データを取得可能なセンサと、
    前記溶接トーチを前記アームの軸方向および前記溶接面の法線方向に移動させるトーチ移動装置と、をさらに備え、
    前記制御装置は、前記アーム回転装置を制御して前記アームを回転動作させ、前記センサで前記ワークの形状を表す実測データを取得して前記基準データと前記実測データの誤差を算出するとともに、前記誤差を修正するように前記溶接トーチの移動をシミュレートし、
    前記シミュレートに基づいて前記溶接トーチを移動させながら前記アームを回転動作させて前記溶接ビードを形成することを特徴とする請求項1に記載の溶接装置。
  3. 前記アームは、
    前記アーム回転装置の回転軸で支持される第1アームと、
    前記第1アームの軸方向および前記溶接面の法線方向に移動可能に当該第1アームに備わる第2アームと、を含んで構成され、
    前記溶接トーチは前記第2アームに取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の溶接装置。
  4. 前記アームは、
    前記アーム回転装置に取り付けられる第1アームと、
    前記第1アームの軸方向および前記溶接面の法線方向に移動可能に当該第1アームに備わる第2アームと、を含んで構成され、
    前記溶接トーチおよび前記センサは前記第2アームに取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の溶接装置。
  5. 前記アームと、
    前記アーム回転装置と、
    前記制御装置と、が台車に搭載されて搬送可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の溶接装置。
  6. 前記アームの回転軸を軸方向に延長した仮想線と、前記台車が配置される配置面と、の交点を照射するようにレーザ光を発射するレーザポインタが備わっていることを特徴とする請求項5に記載の溶接装置。
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