JP2014011980A - 刈払い用チップソー - Google Patents
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Abstract
【課題】チップの欠けや脱落を防止しつつ雑草等を効率よく切断することができる刈払い用チップソーを提供する。
【解決手段】刈払い用チップソー100は、台金101の周縁部に略波型状に径方向外側に向かって張り出した状態で複数の支持部102が形成されている。各支持部102には、周縁部の角部にチップ104が固着されている。チップ104は、雑草等を切断するための超硬製の刃物であり、長方形状の平面からなる刃面105における2つの長辺にそれぞれ切れ刃106を有している。そして、チップ104は、刃面105が刈払い用チップソー100の回転方向に対して直交して面するとともに切れ刃106の全部を台金101の径方向に沿って露出させた状態で支持部102にロウ付けによって固着されている。この場合、チップ104は、台金101の径方向に対する刃面104の角度であるスクイ角αが負のスクイ角に傾斜した状態で支持部102に固着される。
【選択図】 図1
【解決手段】刈払い用チップソー100は、台金101の周縁部に略波型状に径方向外側に向かって張り出した状態で複数の支持部102が形成されている。各支持部102には、周縁部の角部にチップ104が固着されている。チップ104は、雑草等を切断するための超硬製の刃物であり、長方形状の平面からなる刃面105における2つの長辺にそれぞれ切れ刃106を有している。そして、チップ104は、刃面105が刈払い用チップソー100の回転方向に対して直交して面するとともに切れ刃106の全部を台金101の径方向に沿って露出させた状態で支持部102にロウ付けによって固着されている。この場合、チップ104は、台金101の径方向に対する刃面104の角度であるスクイ角αが負のスクイ角に傾斜した状態で支持部102に固着される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、雑草等を刈り取る刈払い機に装着される刈払い用チップソーに関する。
従来から、雑草や低木(以下、「雑草等」という)を刈り取る際に刈払い機(「草刈り機」ともいう)が用いられている。刈払い機は、円盤状の台金の周縁部に複数の切れ刃を備えた刈刃を高速で回転駆動することにより雑草等を切断することができる機械装置である。このような刈払い機に着脱自在に装着される刈刃には、台金と切れ刃とが互に異なる素材で構成されて台金の周縁部に切れ刃が接合されたチップソーがある。
例えば、下記特許文献1には、台金の盤面側から見て台金の支持部がチップの2辺をそれぞれ支持した所謂ハメ込み型の刈払い用チップソー(特許文献1図4(a)参照)と、台金の支持部がチップの3辺をそれぞれ支持した所謂埋込み型の刈払い用チップソー(特許文献1図4(b)参照)とがそれぞれ開示されている。
しかしながら、ハメ込み型の刈払い用チップソーにおいては、チップが2辺で支持されているため切れ刃を長く露出させることができ雑草等を効率よく切断できる反面、刈払い作業中に小石、砂利または砂などの異物にチップが接触することによりチップに欠けや脱落が生じてチップソーが損傷し易いという問題があった。一方、埋込み型の刈払い用チップソーにおいては、ハメ込み型の刈払い用チップソーとは反対に支持部がチップを覆う範囲が多いためチップの欠けや脱落が生じ難い反面、切れ刃の外部への露出が少ないために雑草等の切断効率が低いという問題があった。
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、チップの欠けや脱落を防止しつつ雑草等を効率よく切断することができる刈払い用チップソーを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、平面状の刃面の縁部に切れ刃が形成されたチップと、円盤状に形成されるとともに周縁部にチップを支持する支持部が放射状に張り出して形成された台金とを有した刈払い用チップソーにおいて、チップは、切れ刃が刃面の幅よりも長く形成されており、支持部は、チップを台金の周方向に対して1つの刃面および切れ刃を刃面の幅よりも長い範囲でそれぞれ露出させた状態でかつ負のスクイ角で保持しており、台金は、互いに隣接する支持部間に形成された凹状の逃げ部におけるチップより内側の幅が切れ刃の長さの2倍以上に設定されていることにある。
このように構成した本発明の特徴によれば、刈払い用チップソーは、雑草等を切断するチップの切れ刃のスクイ角を構成する刃面が負のスクイ角に傾斜して構成されている。これにより、刈払い用チップソーは、チップに接触する異物を台金の径方向外側に逃がして異物の接触によるチップの欠けや脱落を抑制することができる。この場合、本発明者による官能試験(被験者数20名)によれば、本発明に係る刈払い用チップソーによれば、刈払い作業における雑草等の切断抵抗が軽く感じられ、現実に、刈払い機の消費燃料が少なくなるとともに、作業者の疲労度および作業時間が短くなることを確認した。これは、恐らく、チップに接触する雑草等を台金の径方向外側に逃がしながら切断するためと考えられる。
また、チップの欠けや脱落を抑制できることからチップの切れ刃を刃面の幅の長さよりも長い範囲に露出させることができ、少なくとも所謂埋込み型の刈払い用チップソーに対して同等以上の雑草等の切断効率を確保することができる。そして、この場合、刈払い用チップソーは、チップを支持する支持部間に形成された凹状の逃げ部におけるチップより内側の幅が切れ刃の長さの2倍以上に設定されているため、刈払い作業中における支持部間への雑草等の巻き込みを抑制できるとともにこれらの支持部間に雑草等を巻き込んだ場合であっても巻き込み物が離脱され易い。これにより、刈払い用チップソーは、刈払い用チップソーに対する雑草等の掃けがよく雑草等の絡み付きが防止されて作業効率が向上するとともに、埋込み型の刈払い用チップソーよりも長く露出した切れ刃の切断効率を良好に維持することができる。すなわち、本発明に係る刈払い用チップソーにおいては、チップの欠けや脱落を防止しつつ雑草等を効率よく切断することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記刈払い用チップソーにおいて、チップのスクイ角は、0°未満かつ−10°以上であることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、刈払い用チップソーは、チップのスクイ角が0°未満かつ−10°以上に設定されているため、本発明者の実験によれば、雑草等への切断抵抗の増大を抑えながらチップの欠けや脱落を抑制することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記刈払い用チップソーにおいて、支持部は、台金の周方向に沿って切れ刃の長さの2倍以上の長さで形成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、刈払い用チップソーは、支持部が台金の周方向に沿って切れ刃の長さの2倍以上に設定されているため、刈払い作業中におけるチップの支持剛性を向上させることができ、チップの振動および脱落を抑制することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記刈払い用チップソーにおいて、支持部は、台金の周縁部に26以上かつ30以下の範囲で形成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、刈払い用チップソーは、台金がチップを26以上かつ30以下の範囲の数だけ保持している。これにより、刈払い用チップソーは、外径を一般的な230mm〜260mmに設定した場合、支持部間に形成された凹状の逃げ部におけるチップより内側の内幅を切れ刃の長さの2倍以上に設定し易くすることができる。
以下、本発明に係る刈払い用チップソーの一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る刈払い用チップソー100の全体構成の概略を示す正面図である。また、図2は、図1に示す二点鎖線円内の構成を拡大した部分拡大正面図である。また、図3は、図2に示す実線矢印方向から見た刈払い用チップソー100の部分拡大図である。また、図4は、図2に示す刈払い用チップソー100を図示上方から見た部分拡大平面図である。なお、本明細書において参照する各図は、本発明の理解を容易にするために一部の構成要素を誇張して表わすなど模式的に表している。このため、各構成要素間の寸法や比率などは異なっていることがある。この刈払い用チップソー100は、雑草や低木(以下、「雑草等」という)を刈り取る刈払い機(「草刈り機」ともいう)に着脱自在に取り付けられて回転駆動されることにより雑草等を切断する所謂刈刃である。
(刈払い用チップソー100の構成)
刈払い用チップソー100は、台金101を備えている。台金101は、鋼板を円盤状に形成して構成されている。本実施形態においては、台金101は、1.25mmの厚さの鋼板(例えば、SAE材やSKS材)で構成されている。この台金101には、その中心部に取付孔101aが形成されるとともに、この取付孔101aの外側に4つの長孔101bがそれぞれ放射状に径方向に延びて形成されている。取付孔101aは、この刈払い用チップソー100を図示しない刈払い機に装着するための貫通孔である。また、長孔101bは、この刈払い用チップソー100によって雑草等を刈払い作業を行う際に台金101に巻き付いた雑草等の除去作業を行い易くするとともに台金101を軽量化して回転駆動させ易くするための貫通孔である。一方、台金101の周縁部には、台金101の径方向外側に向かって放射状に張り出した状態で複数の支持部102が形成されている。
刈払い用チップソー100は、台金101を備えている。台金101は、鋼板を円盤状に形成して構成されている。本実施形態においては、台金101は、1.25mmの厚さの鋼板(例えば、SAE材やSKS材)で構成されている。この台金101には、その中心部に取付孔101aが形成されるとともに、この取付孔101aの外側に4つの長孔101bがそれぞれ放射状に径方向に延びて形成されている。取付孔101aは、この刈払い用チップソー100を図示しない刈払い機に装着するための貫通孔である。また、長孔101bは、この刈払い用チップソー100によって雑草等を刈払い作業を行う際に台金101に巻き付いた雑草等の除去作業を行い易くするとともに台金101を軽量化して回転駆動させ易くするための貫通孔である。一方、台金101の周縁部には、台金101の径方向外側に向かって放射状に張り出した状態で複数の支持部102が形成されている。
これら複数の支持部102は、後述するチップ104を保持する部分であり、台金101の周縁部上に略波型状に張り出して形成されている。より具体的には、各支持部102は、後述するチップ104の切れ刃106の長さよりも十分に長い長さだけ台金101の径方向外側に張り出すとともに、刈払い用チップソー100の回転方向(図示破線矢印参照)の後方に沿って台金101の径方向内側に変化しながらチップ104の切れ刃の長さの2倍以上の長さで延びて形成されている。本実施形態においては、支持部102の各周縁部の長さLは約10mmに設定されている。
そして、各支持部102の周縁部は、刈払い用チップソー100の回転方向前方側の角部が略L字状に切り欠かれてチップ104がそれぞれ固着されているとともに、このチップ104の後方における周縁部の中央部にチップ104を研ぐ砥石との干渉を避けるための凹部103が台金101の径方向内側に凹んだ状態で形成されている。また、この場合、各支持部102においてチップ104が固着される略L状に切り欠かれた部分2面のうちの台金101の径方向に延びる平面状の支持面102aは、刈払い用チップソー100の回転方向の後方側に向かって傾斜して形成されている。より具体的には、支持面102aは、チップ104のスクイ角αと同様の負のスクイ角で形成されている。本実施形態においては、支持面102aは、チップ104のスクイ角αと同一の角度で傾斜、すなわち、チップ104における刃面105と平行に形成されている。
チップ104は、雑草等を切断するための刃物であり、超硬製の小片によって構成されている。このチップ104は、図3に示すように、刈払い用チップソー100の回転方向前方側から見て長方形状の平面からなる刃面105を有するとともに、この刃面105における2つの長辺が雑草等を切断する切れ刃106をそれぞれ構成している。本実施形態においては、刃面105は、切れ刃106を構成する長辺が6mmに形成されるとともにこの長辺に直交する幅W105が2mmに形成されている。
そして、このチップ104は、切れ刃106を台金101の略径方向に沿った向きで刃面105が刈払い用チップソー100の回転方向(台金101の周方向)に対して直交して面するとともに切れ刃106の全部を刈払い用チップソー100の回転方向に露出させた状態で支持部102にロウ付けによって固着されている。換言すれば、チップ104は、刃面105に対向する反対側の面と台金101の内側に面する面の2面がロウ付けによって支持部102に固着されている。これにより、チップ104は、切れ刃106が刃面105における幅W105よりも長い長さで台金101の略径方向に延びて設けられている。
この場合、チップ104は、台金101の径方向に対する刃面104の角度である所謂スクイ角αが負のスクイ角に傾斜した状態で支持部102に固着される。ここで、負のスクイ角とは、刃面106における刃先側が刈払い用チップソー100の回転方向の後方側に向かって傾斜している角度である。本実施形態においては、チップ104は、切れ刃106の刃先と台金101の中心とを結ぶ直線に対して刃面105が−2.5°のスクイ角αで傾斜して支持部102に取り付けられている。
これらのチップ104をそれぞれ支持する各支持部102は、台金101の周縁部上に等間隔に形成されている。より具体的には、各支持部102は、互いに隣接する支持部102と支持部102との間に形成された凹状の逃げ部107における前記チップ104より内側の幅W107が切れ刃106の長さの2倍以上に設定されている。本実施形態においては、支持部102は、台金101の周縁部に26個形成されるとともに、各支持部102間に形成された逃げ部107における前記チップ104より内側の幅W107が約12mmにそれぞれ設定されている。なお、本実施形態における刈払い用チップソー100の外径は230mmに設定されている。
(刈払い用チップソー100の作動)
次に、このように構成された刈払い用チップソー100の作動について説明する。まず、雑草等の刈払い作業を行うユーザは、刈払い用チップソー100および図示しない刈払い機をそれぞれ用意する。ここで、刈払い機は、刈払い用チップソー100を回転駆動させて雑草等を切断するための機械装置であり、主として、刈払い用チップソー100を回転駆動するための原動機とこの原動機による回転駆動力を刈払い用チップソー100に伝達する回転駆動軸とを備えて構成されている。
次に、このように構成された刈払い用チップソー100の作動について説明する。まず、雑草等の刈払い作業を行うユーザは、刈払い用チップソー100および図示しない刈払い機をそれぞれ用意する。ここで、刈払い機は、刈払い用チップソー100を回転駆動させて雑草等を切断するための機械装置であり、主として、刈払い用チップソー100を回転駆動するための原動機とこの原動機による回転駆動力を刈払い用チップソー100に伝達する回転駆動軸とを備えて構成されている。
次に、ユーザは、刈払い用チップソー100を刈払い機に装着する。具体的には、ユーザは、刈払い用チップソー100における取付孔101aを刈払い機における図示しない回転駆動軸に取り付ける。次に、ユーザは、刈払い用チップソー100を装着した刈払い機を用いて雑草等の刈払い作業を行う。具体的には、ユーザは、刈払い機の先端部に装着した刈払い用チップソー100を刈払い機を操作することによって回転駆動させる。そして、ユーザは、回転駆動させた刈払い用チップソー100を雑草等に接触させることにより刈払い作業を行う。
これにより、回転駆動する刈払い用チップ100は、主として刃面105の両側に形成された2つの切れ刃106によって雑草等を切断する。この場合、刈払い用チップソー100は、チップ104が負のスクイ角αで支持部102に設けられているため、チップ104に小石、砂利または砂などの異物が接触した際におけるチップ104の欠けや脱落を抑制することができる。これは、チップ104に接触した異物が接触した場合、チップ104の刃面105が接触した異物を台金101の径方向外側に逃がすためと考えられる。また、この場合、刈払い用チップソー100は、刈払い用チップソー100の回転変位方向に対してチップ104における1つ刃面105のみが面して構成されているため、刈払い作業中にチップ104に向かう異物が刃面105を構成する平面に衝突することにより、切れ刃106の損傷を抑えつつ衝突した異物を台金101の径方向外側に逃がすことができる。
また、刈払い用チップソー100は、異物の接触によるチップ104の欠けや脱落を抑制することができるため、チップ104を切れ刃106の露出の少ない所謂埋込み側ではなく切れ刃106の露出量が多い所謂ハメ込み型で構成できる。すなわち、刈払い用チップソー100は、切れ刃106を埋込み型の刈払い用チップソーの切れ刃よりも長く露出、より具体的には、刃面105の幅W105よりも長く露出させることができるため、埋込み型の刈払い用チップソーよりも効率よく雑草等を切断することができる。
また、さらに、刈払い用チップソー100は、互いに隣接する2つの支持部102間に形成された凹状の逃げ部107におけるチップ104より内側の幅W107が切れ刃106の長さの2倍に設定されている。これにより、刈払い用チップソー100は、刈払い作業中における逃げ部107内への雑草等の巻き込みを抑制できるとともにこれらの逃げ部107内に雑草等を巻き込んだ場合であっても巻き込み物が離脱され易いため、切断効率および作業効率を良好に維持することができる。
そして、ユーザは、雑草等を刈払い終えた場合には、刈払い機を操作して刈払い用チップソー100の回転駆動を停止させる。これにより、ユーザは、雑草等の刈払い作業を終了することができる。なお、ユーザは、刈払い用チップソー100のチップ104が摩耗したり損傷したりした場合には、この刈払い用チップソー100を刈払い機から取り外して修繕して再度装着することができるとともに、新規の刈払い用チップソー100を刈払い機100に装着することができる。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、刈払い用チップソー100は、雑草等を切断するチップ104の切れ刃106のスクイ角αを構成する刃面105が負のスクイ角に傾斜して構成されている。これにより、刈払い用チップソー100は、チップ104に接触する異物を台金101の径方向外側に逃がして異物の接触によるチップ104の欠けや脱落を抑制することができる。この場合、本発明者による官能試験(被験者数20名)によれば、本発明に係る刈払い用チップソー100によれば、刈払い作業における雑草等の切断抵抗が軽く感じられ、現実に、刈払い機の消費燃料が少なくなるとともに、作業者の疲労度および作業時間が短くなることを確認した。これは、恐らく、チップ104に接触する雑草等を台金の径方向外側に逃がしながら切断するためと考えられる。
また、チップ104の欠けや脱落を抑制できることからチップ104の切れ刃106を刃面105の幅W105の長さよりも長い範囲に露出させることができ、少なくとも所謂埋込み型の刈払い用チップソーに対して同等以上の雑草等の切断効率を確保することができる。そして、この場合、刈払い用チップソー100は、チップ104を支持する支持部102間に形成された凹状の逃げ部におけるチップ104より内側の幅W107が切れ刃106の長さの2倍以上に設定されているため、刈払い作業中における支持部102間への雑草等の巻き込みを抑制できるとともにこれらの支持部102間に雑草等を巻き込んだ場合であっても巻き込み物が離脱され易い。これにより、刈払い用チップソー100は、刈払い用チップソー100に対する雑草等の掃けがよく雑草等の絡み付きが防止されて作業効率が向上するとともに、埋込み型の刈払い用チップソーよりも長く露出した切れ刃106の切断効率を良好に維持することができる。すなわち、本発明に係る刈払い用チップソー100においては、チップ104の欠けや脱落を防止しつつ雑草等を効率よく切断することができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、下記各変形例を示す図においては、上記実施形態における刈払い用チップソー100の構成部分に対応する部分に同じ符号を付して、これらの説明は適宜省略する。
例えば、上記実施形態においては、刈払い用チップソー100は、チップ104を−2.5°のスクイ角αで支持部102に固着した。しかし、チップ104のスクイ角αは、負のスクイ角であれば、必ずしも上記実施形態に限定されるものではない。但し、この場合、本発明者の実験によれば、チップ104のスクイ角αは、0°未満かつ−10°以下が雑草等の切断抵抗の大きさの観点から適当であることを見出している。
また、上記実施形態においては、刈払い用チップソー100は、互いに隣接する支持部102間の逃げ部107におけるチップ104より台金101の内側の幅W107を約12mmに設定した。しかし、逃げ部107におけるチップ104より台金101の内側の幅W107は、本発明者の実験によれば、チップ104における露出する切れ刃106の長さの2倍以上に設定されていれば、必ずしも上記実施形態に限定されるものではない。
また、上記実施形態においては、刈払い用チップソー100は、台金101の周縁部101上に26の数の支持部102を形成して構成した。しかし、台金101の周縁部上に形成する支持部102の数は、上記実施形態に限定されるものではなく、26未満または27以上の数であってもよいことは当然である。しかし、本発明者の実験によれば、台金101の周縁部上に形成する支持部102の数は、外径が230mm〜260mmの一般的な大きさの刈払い用チップソーの場合、雑草等の巻き込みと切断効率とを考慮すれば、26以上かつ30以下の数が適当であることを見出している。
また、上記実施形態においては、支持部102における周縁部の長さをチップ104の切れ刃105の長さの2倍以上の長さに設定した。これにより、刈払い用チップソー100は、刈払い作業中におけるチップの支持剛性を向上させることができ、チップ104の振動および脱落を抑制することができる。しかし、支持部102における周縁部の長さLは、チップ104を安定的に保持することができれば、必ずしも上記実施形態に限定されるものではない。この場合、本発明者の実験によれば、支持部102における周縁部の長さはチップ104における露出する切れ刃106の長さの2倍以上かつ3倍以下が適当であることを見出している。
また、上記実施形態においては、刈払い用チップソー100は、チップ104における切れ刃106の全部を刈払い用チップソー100の回転方向の前方側に露出するように支持部102に固着した。しかし、チップ104は、少なくともチップ104の刃面105の幅W105よりも長い長さだけ露出するように支持部102に固着されれば、必ずしも上記実施形態に限定されるものではない。
また、上記実施形態においては、刈払い用チップソー100は、各支持部102にそれぞれ取り付けられたチップ104は、刃面105の両側に切れ刃106を備えて構成した。しかし、刈払い用チップソー100は、チップ104における刃面105の2つの長辺のうちの一方のみに切れ刃106を形成して構成することもできる。この場合、刈払い用チップソー100は、例えば、図5に示すように、刃面105における2つの長辺のうちの一方に切れ刃106を形成するとともに他方の長辺側を刈払い用チップソー100の回転方向後方側に逃がす、すなわち横スクイ角βを設けて構成するとよい。そして、この場合、刈払い用チップソー100は、互いに隣接する支持部102間において刃面105における2つの長辺のうちの互いに異なる長辺に対して切れ刃106をそれぞれ形成、換言すれば、台金101の周方向に沿って刃面105における2つの長辺に対して切れ刃106を交互に形成するとよい。
また、上記実施形態においては、チップ104は、台金101の径方向内側の幅と刃先側の幅とが同一の幅に形成されている。しかし、チップ104は、図6に示すように、台金101の径方向内側の幅に対して刃先側の幅が広がった所謂あさりを設けて構成することもできる。これにより、刈払い用チップソー100は、切りくずの排出性が高まるため低木などの立ち木を切断し易くなる。
また、上記実施形態においては、チップ104は、刃先側において台金の周方向に延びる2つの角部がそれぞれ直角に形成されている。しかし、チップ104は、図7に示すように、刃先側において台金の周方向に延びる2つの角部を落としてそれぞれ傾斜面に形成して構成することができる。これにより、刈払い用チップソー100は、刈払い作業中における異物の衝突によるチップ104の欠けや脱落を効果的に防止することができ、作業効率を向上させることができる。
また、上記実施形態においては、各支持部102は、支持面102aがチップ104のスクイ角αと同一の角度で傾斜して形成されている。これにより、刈払い用チップソー100は、チップ104を支持部102に固着して研削する作業を行い易くすることができるとともに、刃先側におけるチップ104の厚さを確保し易くなる。しかし、各支持部102は、必ずしも支持面102aがチップ104のスクイ角αと同一の角度で傾斜して形成されている必要はなく、チップ104と同様の負のスクイ角で形成されていればよい。すなわち、各支持部102における支持面102aは、チップ104のスクイ角αより浅いまたは深い角度で傾斜して形成されていてもよい。なお、支持面102aは、負のスクイ角より大きな角度、すなわち、正のスクイ角で形成することもできるものである。
α…スクイ角、L…支持部の周縁部の長さ、W105…刃面の幅、W107…逃げ部の幅、β…横スクイ角、
100…刈払い用チップソー、101…台金、101a…取付孔、101b…長孔、102…支持部、102a…支持面、103…凹部、104…チップ、105…刃面、106…切れ刃、107…逃げ部。
100…刈払い用チップソー、101…台金、101a…取付孔、101b…長孔、102…支持部、102a…支持面、103…凹部、104…チップ、105…刃面、106…切れ刃、107…逃げ部。
Claims (4)
- 平面状の刃面の縁部に切れ刃が形成されたチップと、
円盤状に形成されるとともに周縁部に前記チップを支持する支持部が放射状に張り出して形成された台金とを有した刈払い用チップソーにおいて、
前記チップは、
前記切れ刃が前記刃面の幅よりも長く形成されており、
前記支持部は、
前記チップを前記台金の周方向に対して1つの前記刃面および前記切れ刃を前記刃面の幅よりも長い範囲でそれぞれ露出させた状態でかつ負のスクイ角で保持しており、
前記台金は、
互いに隣接する前記支持部間に形成された凹状の逃げ部における前記チップより内側の幅が前記切れ刃の長さの2倍以上に設定されていることを特徴とする刈払い用チップソー。 - 請求項1に記載した刈払い用チップソーにおいて、
前記チップのスクイ角は、0°未満かつ−10°以上であることを特徴とする刈払いチップソー。 - 請求項1または請求項2に記載した刈払い用チップソーにおいて、
前記支持部は、
前記台金の周方向に沿って前記切れ刃の長さの2倍以上の長さで形成されていることを特徴とする刈払い用チップソー。 - 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載した刈払い用チップソーにおいて、
前記支持部は、
前記台金の周縁部に26以上かつ30以下の範囲で形成されていることを特徴とする刈払い用チップソー。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012150955A JP2014011980A (ja) | 2012-07-04 | 2012-07-04 | 刈払い用チップソー |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012150955A JP2014011980A (ja) | 2012-07-04 | 2012-07-04 | 刈払い用チップソー |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2014011980A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019150905A (ja) * | 2018-03-01 | 2019-09-12 | 極東産機株式会社 | 畳床の裁断刃および畳床の裁断方法ならびに畳床の裁断装置 |
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2012
- 2012-07-04 JP JP2012150955A patent/JP2014011980A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019150905A (ja) * | 2018-03-01 | 2019-09-12 | 極東産機株式会社 | 畳床の裁断刃および畳床の裁断方法ならびに畳床の裁断装置 |
JP7097194B2 (ja) | 2018-03-01 | 2022-07-07 | 極東産機株式会社 | 畳床の裁断方法ならびに畳床の裁断装置 |
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