以下に、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)について説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付して説明する。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の被写体に面する側(前面側)の構成を示す図である。図2は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の撮影者に面する側(背面側)の構成を示す図である。図3は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の機能構成を示すブロック図である。
図1〜図3に示す撮像装置1は、本体部2と、本体部2に着脱自在であり、所定の視野領域から光を集光するとともに、光学ズームが可能なレンズ部3と、本体部2に着脱自在な外部機器4と、を備える。
まず、本体部2について説明する。本体部2は、シャッタ201と、シャッタ駆動部202と、撮像素子203と、撮像素子駆動部204と、信号処理部205と、A/D変換部206と、画像処理部207と、AE処理部208と、AF処理部209と、画像圧縮展開部210と、入力部211と、アクセサリ通信部212と、接眼表示部213と、アイセンサ214と、可動部215と、表示部216と、タッチパネル217と、回動判定部218と、状態検出部219と、時計220と、記録媒体221と、メモリI/F222と、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)223と、Flashメモリ224と、本体通信部225と、バス226と、本体制御部227と、を備える。
シャッタ201は、撮像素子203の状態を露光状態または遮光状態に設定する。シャッタ駆動部202は、ステッピングモータやDCモータ等を用いて構成され、本体制御部227から入力される指示信号に応じてシャッタ201を駆動する。
撮像素子203は、レンズ部3が集光した光を受光して電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を用いて構成され、被写体の画像データを生成する。撮像素子駆動部204は、所定のタイミングで撮像素子203から画像データ(アナログ信号)を信号処理部205へ出力させる。この意味で、撮像素子駆動部204は、電子シャッタとして機能する。
信号処理部205は、撮像素子203から入力される画像データに対して、アナログ処理を施してA/D変換部206へ出力する。たとえば、信号処理部205は、画像データに対して、リセットノイズ等を低減した上で波形整形後、目的の明るさとなるようにゲインアップを行う。
A/D変換部206は、信号処理部205から入力されるアナログの画像データに対してA/D変換を行うことによってデジタルの画像データ(RAWデータ)を生成し、バス226を介してSDRAM223へ出力する。
画像処理部207は、バス226を介してSDRAM223から画像データ(RAWデータ)を取得し、取得した画像データに対して各種の画像処理を行って処理画像データを生成する。具体的には、画像処理部207は、オプティカルブラック減算処理、ホワイトバランス(WB)調整処理、カラーマトリクス演算処理、ガンマ補正処理、色再現処理およびエッジ強調処理等を含む基本の画像処理を行う。なお、画像処理部207は、撮像素子203がベイヤー配列の場合には画像データの同時化処理を行う。画像処理部207は、バス226を介して処理画像データをSDRAM223または表示部216へ出力する。
ここで、画像処理部207の詳細な構成について説明する。画像処理部207は、トリミング部207aと、特徴量検出部207bと、追尾被写体設定部207cと、を有する。
トリミング部207aは、本体制御部227の制御のもと、画像データに対応する画像の所定の領域を切出してトリミング画像を生成する。また、トリミング部207aは、入力部211から入力される指示信号またはタッチパネル217から入力される位置信号に応じて、レンズ部3による所定のズーム倍率に対応する撮影領域を、撮像素子203が生成する画像データに対応する画像から切出してトリミング画像を生成する。たとえば、トリミング部207aは、タッチパネル217から入力される位置信号を含む領域を、レンズ部3による所定のズーム倍率に対応する撮影領域として画像データから切出してトリミング画像を生成する。この意味で、トリミング部207aが電子ズームとして機能する。
特徴量検出部207bは、本体制御部227の制御のもと、画像データに対応する画像の所定の領域に含まれる被写体の特徴量を検出する。具体的には、特徴量検出部207bは、入力部211から入力された指示信号またはタッチパネル217から入力される位置信号によって設定された所定の領域に含まれる被写体の輝度成分を特徴量として検出する。
追尾被写体設定部207cは、特徴量検出部207bが検出した特徴量に基づいて、追尾する追尾被写体を設定し、この設定した追尾被写体を隣接する画像間で追尾する。なお、追尾被写体設定部207cは、パターンマッチング等の周知技術を用いて追尾被写体を隣接する画像間で追尾してもよい。
AE処理部208は、バス226を介してSDRAM223に記録された画像データを取得し、取得した画像データに基づいて、撮像装置1が静止画撮影または動画撮影を行う際の露出条件を設定する。具体的には、AE処理部208は、画像データから輝度を算出し、算出した輝度に基づいて、たとえば絞り値、シャッタ速度、ISO感度等を決定することで撮像装置1の自動露出を行う。
AF処理部209は、バス226を介してSDRAM223に記録された画像データを取得し、取得した画像データに基づいて、撮像装置1の自動焦点の調整を行う。たとえば、AF処理部209は、画像データから高周波成分の信号を取り出し、高周波成分の信号に対してAF(Auto Focus)演算処理を行うことによって、撮像装置1の合焦評価を決定することで撮像装置1の自動焦点の調整を行う。なお、AF処理部209は、瞳分割位相差法を用いて撮像装置1の自動焦点の調整を行ってもよい。
画像圧縮展開部210は、バス226を介してSDRAM223から画像データや処理画像データを取得し、取得した画像データに対して所定の形式に従って圧縮し、この圧縮した画像データをメモリI/F222を介して記録媒体221へ出力する。ここで、所定の形式としては、JPEG(Joint Photographic Experts Group)方式、MotionJPEG方式およびMP4(H.264)方式等である。また、画像圧縮展開部210は、バス226およびメモリI/F222を介して記録媒体221に記録された画像データ(圧縮画像データ)を取得し、取得した画像データを展開(伸長)してSDRAM223へ出力する。
入力部211は、撮像装置1の電源状態をオン状態またはオフ状態に切り替える電源スイッチ211aと、静止画撮影の指示を与える静止画レリーズ信号の入力を受け付けるレリーズスイッチ211bと、撮像装置1の各種設定を切り替える操作スイッチ211cと、撮像装置1の各種設定を表示部216に表示させるメニュースイッチ211dと、動画撮影の指示を与える動画レリーズ信号の入力を受け付ける動画スイッチ211eと、記録媒体221に記録された画像データに対応する画像を表示部216に表示させる再生スイッチ211fと、を有する。レリーズスイッチ211bは、外部からの押圧により進退可能であり、半押しされた場合に撮影準備動作を指示する指示信号のファーストレリーズ信号の入力を受け付ける一方、全押しされた場合に静止画撮影を指示するセカンドレリーズ信号の入力を受け付ける。
アクセサリ通信部212は、本体部2に装着される外部機器4との通信を行うための通信インターフェースである。
接眼表示部213は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)からなる表示パネルおよび駆動ドライバ等を用いて構成される。接眼表示部213は、本体制御部227の制御のもと、バス226を介してSDRAM223に記録された画像データに対応する画像を表示する。この意味で、接眼表示部213は、電子ビューファインダ(EVF)として機能する。
アイセンサ214は、接触センサ等を用いて構成される。アイセンサ214は、接眼表示部213に対するユーザの接近を検出し、この検出結果を本体制御部227へ出力する。具体的には、アイセンサ214は、ユーザが接眼表示部213で画像を確認しているか否かを検出する。
可動部215は、表示部216およびタッチパネル217が設けられ、ヒンジ215aを介して可動可能に本体部2に設けられる。たとえば、可動部215は、本体部2の鉛直方向に対して表示部216が上向き、または下向きに変更可能に本体部2に設けられる(図2を参照)。
表示部216は、液晶または有機ELからなる表示パネルおよび駆動ドライバ等を用いて構成される。表示部216は、本体制御部227の制御のもと、バス226を介してSDRAM223に記録された画像データまたは記録媒体221に記録された画像データを取得し、取得した画像データに対応する画像を表示する。ここで、画像の表示には、撮影直後の画像データを所定時間(たとえば3秒間)だけ表示するレックビュー表示、記録媒体221に記録された画像データを再生する再生表示、および撮像素子203が連続的に生成する画像データに対応するライブビュー画像を時系列に沿って順次表示するライブビュー表示等が含まれる。また、表示部216は、撮像装置1の操作情報および撮影に関する情報を適宜表示する。
タッチパネル217は、表示部216の表示画面上に重畳して設けられる。タッチパネル217は、外部からの物体のタッチを検出し、この検出したタッチ位置に応じた位置信号を本体制御部227へ出力する。また、タッチパネル217は、ユーザが表示部216で表示される情報、たとえばアイコン画像やサムネイル画像に基づいてタッチした位置を検出し、この検出したタッチ位置に応じて撮像装置1が行う動作を指示する指示信号や画像を選択する選択信号の入力を受け付けてもよい。一般に、タッチパネル217としては、抵抗膜方式、静電容量方式および光学方式等がある。本実施の形態1では、いずれの方式のタッチパネルであっても適用可能である。さらに、可動部215、表示部216およびタッチパネル217は、一体的に形成してもよい。
回動判定部218は、可動部215の回動状況を判定し、この検出結果を本体制御部227へ出力する。たとえば、回動判定部218は、本体部2に対して可動部215が可動しているか否かを判定し、この判定結果を本体制御部227へ出力する。
状態検出部219は、加速度センサおよびジャイロセンサを用いて構成され、撮像装置1に生じる加速度および角速度をそれぞれ検出し、この検出結果を本体制御部227へ出力する。
時計220は、計時機能および撮影日時の判定機能を有する。時計220は、撮像素子203によって撮像された画像データに日時データを付加するため、日時データを本体制御部227へ出力する。
記録媒体221は、撮像装置1の外部から装着されるメモリカード等を用いて構成される。記録媒体221は、メモリI/F222を介して撮像装置1に着脱自在に装着される。記録媒体221には、画像処理部207や画像圧縮展開部210が処理を施した画像データが書き込まれる。また、記録媒体221は、本体制御部227によって記録された画像データが読み出される。
SDRAM223は、揮発メモリを用いて構成される。SDRAM223は、バス226を介してA/D変換部206から入力される画像データ、画像処理部207から入力される画像データおよび撮像装置1の処理中の情報を一時的に記録する。たとえば、SDRAM223は、信号処理部205、A/D変換部206およびバス226を介して撮像素子203が1フレーム毎に順次出力する画像データを一時的に記録する。
Flashメモリ224は、不揮発性メモリを用いて構成される。Flashメモリ224は、プログラム記録部224aを有する。プログラム記録部224aは、撮像装置1を動作させるための各種プログラムおよびプログラムの実行中に使用される各種データおよび画像処理部207による画像処理の動作に必要な各画像処理のパラメータ等を記録する。
本体通信部225は、本体部2に装着されるレンズ部3との通信を行うための通信インターフェースである。
バス226は、撮像装置1の各構成部位を接続する伝送路等を用いて構成される。バス226は、撮像装置1の内部で発生した各種データを撮像装置1の各構成部に転送する。
本体制御部227は、CPU(Central Processing Unit)等を用いて構成される。本体制御部227は、入力部211からの指示信号またはタッチパネル217からの位置信号に応じて撮像装置1を構成する各部に対応する指示やデータの転送等を行って撮像装置1の動作を統括的に制御する。
本体制御部227の詳細な構成について説明する。本体制御部227は、タッチ検出部227aと、撮影制御部227bと、表示制御部227cと、を有する。
タッチ検出部227aは、タッチパネル217から入力される位置信号に応じて、タッチパネル217上のタッチ位置を検出する。
撮影制御部227bは、レリーズスイッチ211bからセカンドレリーズ信号が入力された場合、撮像装置1における撮影動作を開始する制御を行う。ここで、撮像装置1における撮影動作とは、シャッタ駆動部202および撮像素子駆動部204の駆動によって撮像素子203が出力した画像データに対し、信号処理部205、A/D変換部206および画像処理部207が所定の処理を施す動作をいう。このように処理が施された画像データは、撮影制御部227bの制御のもと、画像圧縮展開部210で圧縮され、バス226およびメモリI/F222を介して記録媒体221に記録される。また、撮影制御部227bは、タッチパネル217から位置信号が入力された場合、トリミング部207aが生成したトリミング画像に対応するズーム倍率に従って、レンズ部3の光学ズームを制御する。具体的には、撮影制御部227bは、本体通信部225を介しレンズ部3を制御することによって、トリミング部207aが生成したトリミング画像のズーム倍率になるようにレンズ部3の光学ズームを駆動する。
表示制御部227cは、画像データに対応する画像を表示部216および/または接眼表示部213に表示させる。具体的には、表示制御部227cは、接眼表示部213の電源がオン状態である場合、画像データに対応するライブビュー画像を接眼表示部213に表示させる一方、接眼表示部213の電源がオフ状態である場合、画像データに対応するライブビュー画像を表示部216に表示させる。また、表示制御部227cは、レンズ部3による所定のズーム倍率に対応する撮影領域に関するズーム情報およびトリミング部207aが生成したトリミング画像をライブビュー画像上に重畳して接眼表示部213および/または表示部216に表示させる。ここで、撮影領域とは、レンズ部3の焦点距離と撮像素子203のセンササイズとによって定まる画角(視野領域)である。なお、表示制御部227cは、レンズ部3の光軸Oに関する指標をライブビュー画像上に重畳して表示部216に表示させてもよい。
以上の構成を有する本体部2に対して、音声入出力機能、フラッシュ機能および外部と双方向に通信可能な通信機能等を具備させてもよい。
つぎに、レンズ部3について説明する。レンズ部3は、ズームレンズ301と、ズーム駆動部302と、ズーム位置検出部303と、絞り304と、絞り駆動部305と、絞り値検出部306と、フォーカスレンズ307と、フォーカス駆動部308と、フォーカス位置検出部309と、レンズ操作部310と、レンズFlashメモリ311と、レンズ通信部312と、レンズ制御部313と、を備える。
ズームレンズ301は、一または複数のレンズを用いて構成される。ズームレンズ301は、レンズ部3の光軸O上に沿って移動することにより、撮像装置1の光学ズームの倍率を変更する。たとえば、ズームレンズ301は、焦点距離が12mm〜50mmの間で焦点距離を変更することができる。
ズーム駆動部302は、DCモータまたはステッピングモータ等を用いて構成され、レンズ制御部313の制御のもと、ズームレンズ301を光軸O上に沿って移動させることにより、撮像装置1の光学ズームの変更を行う。
ズーム位置検出部303は、フォトインタラプタ等を用いて構成され、光軸O上におけるズームレンズ301の位置を検出し、この検出結果をレンズ制御部313へ出力する。
絞り304は、ズームレンズ301が集光した光の入射量を制限することにより露出の調整を行う。
絞り駆動部305は、ステッピングモータ等を用いて構成され、レンズ制御部313の制御のもと、絞り304を駆動することにより、撮像装置1の絞り値(F値)を変更する。
絞り値検出部306は、フォトインタラプタやエンコーダ等を用いて構成され、絞り304の現在の状況から絞り値を検出し、この検出結果をレンズ制御部313へ出力する。
フォーカスレンズ307は、一または複数のレンズを用いて構成される。フォーカスレンズ307は、レンズ部3の光軸O上に沿って移動することにより、撮像装置1のピント位置を変更する。
フォーカス駆動部308は、DCモータやステッピングモータ等を用いて構成され、レンズ制御部313の制御のもと、フォーカスレンズ307を光軸Oに沿って移動させることにより、撮像装置1のピント位置を調整する。
フォーカス位置検出部309は、フォトインタラプタ等を用いて構成され、光軸O上におけるフォーカスレンズ307の位置を検出し、この検出結果をレンズ制御部313へ出力する。
レンズ操作部310は、図1に示すように、レンズ部3のレンズ鏡筒の周囲に設けられるリングであり、レンズ部3における光学ズームの変更を指示する指示信号の入力またはレンズ部3におけるピント位置の調整を指示する指示信号の入力を受け付ける。なお、レンズ操作部310は、プッシュ式のスイッチやレバー式のスイッチ等であってもよい。
レンズFlashメモリ311は、ズームレンズ301、絞り304およびフォーカスレンズ307の位置および動きをそれぞれ決定するための制御プログラム、レンズ部3のレンズ特性および各種パラメータを記録する。ここで、レンズ特性とは、レンズ部3の色収差、画角情報、明るさ情報(f値)および焦点距離情報(たとえば50mm〜300mm)である。
レンズ通信部312は、レンズ部3が本体部2に装着された際に、本体部2の本体通信部225と通信を行うための通信インターフェースである。
レンズ制御部313は、CPU等を用いて構成される。レンズ制御部313は、レンズ操作部310からの指示信号または本体部2からの指示信号に応じてレンズ部3の動作を制御する。具体的には、レンズ制御部313は、レンズ操作部310からの指示信号に応じて、フォーカス駆動部308を駆動させてフォーカスレンズ307によるピント調整やズーム駆動部302を駆動させてズームレンズ301の光学ズームのズーム倍率の変更を行う。なお、レンズ制御部313は、レンズ部3が本体部2に装着された際に、レンズ部3のレンズ特性およびレンズ部3を識別する識別情報を本体部2に送信してもよい。
つぎに、外部機器4について説明する。外部機器4は、本体部2に着脱自在である。外部機器4は、たとえばフラッシュ装置、音声入出力可能な録音装置、所定の方式に従って外部のネットワークに接続して記録媒体221に記録された画像データを外部へ転送する通信装置である。また、外部機器4は、通信部401を有する。通信部401は、外部機器4が本体部2に装着された際に、本体部2のアクセサリ通信部212と通信を行うための通信インターフェースである。
以上の構成を有する撮像装置1が実行する処理について説明する。図4は、撮像装置1が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
まず、撮像装置1が撮影モードに設定されている場合(ステップS101:Yes)について説明する。この場合において、レンズ部3が他のレンズ部3に交換されたとき(ステップS102:Yes)、本体制御部227は、交換されたレンズ部3とレンズ通信を行って、レンズ部3からレンズ特性を取得する(ステップS103)。その後、撮像装置1は、ステップS104へ移行する。これに対して、レンズ部3が他のレンズ部3に交換されていない場合(ステップS102:No)、撮像装置1は、ステップS104へ移行する。
続いて、表示制御部227cは、撮像素子203が生成した画像データに対応するライブビュー画像、ライブビュー画像内において拡大する領域の候補を示すズーム枠、およびトリミング部207aが画像データからズーム枠に対応する領域を切出した副画像を表示部216または接眼表示部213に表示させる(ステップS104)。たとえば、図5に示すように、ユーザが撮像装置1を用いて天体を撮影する場合、表示制御部227cは、表示部216または接眼表示部213が表示するライブビュー画像W1に、拡大する領域を示すズーム枠K1およびトリミング部207aが画像データからズーム枠K1に対応する領域を切出して生成した副画像K2を重畳して表示させる。なお、図5においては、ズーム枠K1は、初期状態としてレンズ部3の所定のズーム倍率、たとえば2倍のズーム倍率に対応した撮影領域を示す。また、副画像K2の表示位置や大きさは、適宜変更することができる。
その後、タッチ検出部227aは、表示部216が表示するライブビュー画像の画面内でタッチされたか否かを検出する(ステップS105)。具体的には、図6に示すように、タッチ検出部227aは、ユーザによって表示部216が表示するライブビュー画像W1内の画面内でタッチされることにより、タッチパネル217から位置信号が入力されたか否かを検出する。タッチ検出部227aが表示部216によって表示されるライブビュー画像W1の画面内でタッチを検出した場合(ステップS105:Yes)、撮像装置1は、後述するステップS122へ移行する。これに対して、タッチ検出部227aがタッチパネル217を介して表示部216によって表示されるライブビュー画像W1の画面内でタッチを検出していない場合(ステップS105:No)、撮像装置1は、後述するステップS106へ移行する。
ステップS106において、タッチ検出部227aは、ズーム枠K1に対してピンチ操作が行われたか否かを検出する。具体的には、図7に示すように、タッチ検出部227aは、ユーザがズーム枠K1の境界を含む領域内で異なる2箇所にタッチすることにより、タッチパネル217から異なるタッチ位置を示す2つの位置信号が入力されたか否かを検出する。なお、図7においては、タッチ検出部227aは、2箇所にタッチされることによりピンチ操作を判定しているが、たとえばズーム枠K1の枠上にタッチされた場合であっても、ピンチ操作が行われたと検出してもよい。タッチ検出部227aがズーム枠K1に対してピンチ操作を検出した場合(ステップS106:Yes)、撮像装置1は、後述するステップS107へ移行する。これに対して、タッチ検出部227aがズーム枠K1に対してピンチ操作を検出していない場合(ステップS106:No)、撮像装置1は、後述するステップS110へ移行する。
ステップS107において、レンズ部3による光学ズームが限界の場合(ステップS107:Yes)、表示制御部227cは、表示部216が表示するライブビュー画像W1上に、レンズ部3による光学ズームが限界であることを示す警告を表示させる(ステップS108)。たとえば、表示制御部227cは、ズーム枠K1の表示をハイライト表示で表示させることにより、レンズ部3による光学ズームが限界であることを示す警告を表示部216に表示させる。なお、表示制御部227cは、レンズ部3による光学ズームが限界であることを示す警告をアイコン画像や文字で表示部216に表示させてもよい。ステップS108の後、撮像装置1は、ステップS110へ移行する。
ステップS107において、レンズ部3による光学ズームが限界でない場合(ステップS107:No)、表示制御部227cは、タッチパネル217から入力された2つの位置信号に応じて、ライブビュー画像W1上におけるズーム枠K1の表示領域を拡大または縮小する(ステップS109)。具体的には、表示制御部227cは、異なる2つの位置人号を示す2点のタッチ位置が時間の経過とともに離れる場合(ピンチアウト操作があった場合)、ズーム枠K1の表示領域を大きくする一方、異なる2つの位置信号を示す2点のタッチ位置が時間の経過とともに近づく場合(ピンチイン操作があった場合)、ズーム枠K1の表示領域を小さくする。ステップS109の後、撮像装置1は、ステップS110へ移行する。
続いて、タッチ検出部227aは、ズーム枠K1に対してスライド操作が行われたか否かを検出する(ステップS110)。具体的には、タッチ検出部227aは、ユーザがズーム枠K1の境界を含む領域内でタッチしながらタッチ位置を移動させることにより、タッチパネル217からタッチ位置を示す位置信号が時間の経過とともに変化しているか否かを検出する。タッチ検出部227aがズーム枠K1に対してスライド操作を検出した場合(ステップS110:Yes)、表示制御部227cは、スライド操作に応じてライブビュー画像W1上におけるズーム枠K1を移動して表示部216に表示させる(ステップS111)。ステップS111の後、撮像装置1は、ステップS112へ移行する。これに対して、タッチ検出部227aがズーム枠K1に対してスライド操作を検出していない場合(ステップS110:No)、撮像装置1は、ステップS112へ移行する。
その後、副画像K2に対してタップ操作があった場合(ステップS112:Yes)において、ズーム枠K1がライブビュー画像W1上の画面の中心を含む位置にあるとき(ステップS113:Yes)、撮影制御部227bは、レンズ部3の光学ズームを、ズーム枠K1に相当する大きさまでレンズ部3の光学ズームのズーム倍率を変更する(ステップS114)。具体的には、図8に示すように、ユーザがタッチパネル217を介して副画像K2にタップ操作を行った場合において、ズーム枠K1がライブビュー画像W1上の画面の中心の位置であって、レンズ部3の光軸O上を一部に含む位置にあるとき(図8(a))、撮影制御部227bは、本体通信部225およびレンズ通信部312を介してレンズ制御部313を制御し、ズーム駆動部302を駆動することによって、ズームレンズ301を光軸O方向に沿って移動させることで、ズーム枠K1のズーム倍率に相当する大きさまでレンズ部3の光学ズームのズーム倍率を徐々に変更する(図8(a)→図8(b))。これにより、撮像装置1は、ユーザが所望する領域に対して、光学ズームのズーム倍率を変更しながら拡大または縮小することができる。なお、撮像装置1が光学ズームを行っている際に、タッチパネル217から位置信号の入力が停止した場合、撮影制御部227bは、現在のズーム倍率の位置でズームレンズ301の駆動を停止させてもよい。また
レンズ部3が光学ズームを行っている場合において、撮影制御部227bは、レンズ部3がズーム枠K1のズーム倍率に相当する大きさのズーム倍率に到達するまで、トリミング部207aにトリミング画像を順次生成させ、表示制御部227cは、トリミング部207aが生成したトリミング画像を表示部216に表示させてもよい。これにより、レンズ部3による光学ズームが到達するまでの期間を、仮想的にズーム枠K1のズーム倍率に相当するズーム倍率で表示することができ、ユーザが所望する領域を瞬時に拡大または縮小することができる。
続いて、レリーズスイッチ211bが全押しされることによって、セカンドレリーズ信号が入力されて撮影操作が行われた場合(ステップS115:Yes)、撮影制御部227bは、撮像素子203に静止画撮影を実行させ(ステップS116)、撮像素子203が生成した画像データを記録媒体221に記録する(ステップS117)。この際、表示制御部227cは、画像データに対応する画像を所定時間(たとえば3秒間)だけ表示部216にレックビュー表示させてもよい。これに対して、レリーズスイッチ211bを介して撮影操作が行われていない場合(ステップS115:No)、撮像装置1は、ステップS118へ移行する。
その後、電源スイッチ211aが操作されることにより、撮像装置1の電源がオフになった場合(ステップS118:Yes)、撮像装置1は、本処理を終了する。これに対して、電源スイッチ211aを介して撮像装置1の電源がオフになっていない場合(ステップS118:No)、撮像装置1は、ステップS101へ戻る。
ステップS112において、副画像K2に対してタップ操作があった場合(ステップS112:Yes)において、ズーム枠K1がライブビュー画像W1の画面の中央にないとき(ステップS113:No)、撮影制御部227bは、ズーム枠K1のズーム倍率に相当する大きさのトリミング画像をトリミング部207aに生成させることによって、ズーム枠K1のズーム倍率に相当する大きさまで電子ズームを行う(ステップS119)。たとえば、図9に示すように、ユーザがタッチパネル217を介して副画像K3にタップ操作を行った場合において、ズーム枠K1がライブビュー画像W1上の画面の中央にないとき(図9(a))、撮影制御部227bがズーム枠K1のズーム倍率に相当する大きさのトリミング画像をトリミング部207aに生成させ、表示制御部227cがトリミング部207aによって生成されたトリミング画像W2を表示部216に全画面表示させる(図9(a)→図9(b))。これにより、撮像装置1は、レンズ部3による光学ズームができなくとも、電子ズームによってユーザが所望する領域に対して拡大または縮小することができる。ステップS119の後、撮像装置1は、ステップS115へ移行する。
ステップS112において、タッチパネル217を介してズーム枠K1のタップ操作がなく(ステップS112:No)、レリーズスイッチ211bの半押し操作が行われた場合(ステップS120:Yes)、撮像装置1は、ステップS113へ移行する。これに対して、タッチパネル217を介してズーム枠K1のタップ操作がなく(ステップS112:No)、レリーズスイッチ211bの半押し操作が行われていない場合(ステップS120:No)、撮像装置1は、ステップS121へ移行する。
ステップS121において、本体制御部227は、表示部216が表示するライブビュー画像W1上において、追尾被写体が画面中央に位置しているか否かを判断する。具体的には、本体制御部227は、追尾被写体設定部207cが設定した追尾被写体がライブビュー画像W1上の画面中央の領域内であって、ズーム枠K1内の領域内に位置しているか否かを判断する。表示部216が表示するライブビュー画像W1上において、追尾被写体が画面中央に位置している場合(ステップS121:Yes)、撮像装置1は、ステップS113へ移行する。これに対して、表示部216が表示するライブビュー画像W1上において、追尾被写体が画面中央に位置していない場合(ステップS121:No)、撮像装置1は、ステップS115へ移行する。
ステップS122において、撮影制御部227bは、タッチ位置に対応する領域にレンズ部3のピントを調整する。具体的には、撮影制御部227bは、本体通信部225およびレンズ通信部312を介してレンズ制御部313を制御し、フォーカス駆動部308を駆動することにより、フォーカスレンズ307を光軸O方向に沿って移動させることで、タッチ位置に対応する領域にレンズ部3のピントを調整する。ステップS122の後、撮像装置1は、ステップS116へ移行する。
ステップS101において、撮像装置1が撮影モードに設定されておらず(ステップS101:No)、撮像装置1が再生モードに設定されている場合(ステップS123:Yes)について説明する。この場合、表示制御部227cは、記録媒体221に記録された画像データを表示部216に表示させて再生する(ステップS124)。
続いて、画像を変更する変更操作があった場合(ステップS125:Yes)、表示制御部227cは、画像を変更する(ステップS126)。その後、撮像装置1は、ステップS124へ戻る。これに対して、画像を変更する変更操作がない場合(ステップS125:No)、撮像装置1は、ステップS118へ移行する。
ステップS123において、撮像装置1が再生モードに設定されていない場合(ステップS123:No)、撮像装置1は、ステップS118へ移行する。
以上説明した本実施の形態1によれば、トリミング部207aがレンズ部3による所定のズーム倍率に対応する撮影領域を、撮像素子203によって生成された画像データから切出してトリミング画像を生成し、撮影制御部227bがトリミング部207aによって生成されたトリミング画像に対応するズーム倍率に従って、レンズ部3の光学ズームを制御する。これにより、画像の解像度を低下させることなく、直感的な操作でユーザが所望する領域を拡大して表示することができる。
さらに、本実施の形態1によれば、表示制御部227cがレンズ部3によるズーム領域に関する情報としてズーム枠K1およびトリミング部207aによって生成されたトリミング画像を副画像としてライブビュー画像W1に重畳して表示部216に表示させる。これにより、ユーザは、所望するズーム倍率の画像を確認しながら、所望のズーム倍率に変更することができる。
また、本実施の形態1によれば、タッチパネル217を介してズーム枠の位置または大きさを変更することができるので、直感的な操作でレンズ部3の光学ズームを行うことができる。
さらにまた、本実施の形態1によれば、タッチパネル217を介して副画像K2がタッチされた場合または入力部211からレンズ部3による光学ズームを指示する指示信号が入力された場合、撮影制御部227bがズーム枠K1のズーム倍率に相当する大きさまでレンズ部3に光学ズームを実行させる。これにより、ユーザは、直感的に操作で所望の光学ズームを行うことができる。
また、本実施の形態1によれば、レンズ部3の光軸O上にズーム枠がない場合、表示制御部227cは、トリミング部207aが生成したトリミング画像K3を表示部216に全画面表示させる。これにより、レンズ部3による光学ズームを行うことができなくとも、電子ズームによって仮想的にユーザが所望するズーム倍率で表示することができる。
また、本実施の形態1によれば、表示制御部227cは、レンズ部3の光学ズームによる撮影領域よりズーム枠K1がより大きい場合、トリミング部207aが生成したトリミング画像を表示部216に全画面表示させる。これにより、レンズ部3による光学ズームを行うことができなくとも、電子ズームによって仮想的にユーザが所望するズーム倍率で表示部216に画像を表示することができる。
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態2にかかる撮像装置は、上述した実施の形態1にかかる撮像装置と同様の構成を有する。このため、以下においては、本実施の形態2にかかる撮像装置が実行する処理について説明する。なお、上述した実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付して説明する。
図10は、本実施の形態2にかかる撮像装置1が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
まず、撮像装置1が撮影モードに設定されている場合(ステップS201:Yes)について説明する。この場合、本体制御部227は、本体通信部225およびレンズ通信部312を介してレンズ制御部313とレンズ通信を行う(ステップS202)。この際、本体制御部227は、レンズ部3からレンズ特性を取得する。
続いて、撮影制御部227bは、撮像素子駆動部204を駆動することにより、撮像素子203に撮像を実行させる(ステップS203)。
その後、表示制御部227cは、撮像素子203が生成した画像データに対応するライブビュー画像を表示部216に表示させる(ステップS204)。
続いて、表示部216が表示するライブビュー画像上にズーム枠表示がある場合(ステップS205:Yes)、撮像装置1は、後述するステップS210へ移行する。これに対して、表示部216が表示するライブビュー画像上にズーム枠表示がない場合(ステップS205:No)、撮像装置1は、後述するステップS206へ移行する。
ステップS206において、タッチ検出部227aは、タッチパネル217がタッチされたか否かを検出する。タッチ検出部227aがタッチパネル217のタッチを検出した場合(ステップS206:Yes)、撮像装置1は、後述するステップS207へ移行する。これに対して、タッチ検出部227aがタッチパネル217のタッチを検出した場合(ステップS206:No)、撮像装置1は、後述するステップS210へ移行する。
ステップS207において、表示制御部227cは、タッチ位置の座標を取得し(ステップS207)、ライブビュー画像上にズーム枠を表示部216に表示させるとともに(ステップS208)、副画像をライブビュー画像上に重畳して表示部216に表示させる(ステップS209)。具体的には、図11に示すように、タッチパネル217を介して表示部216が表示するライブビュー画像W10上でタッチされた場合、表示制御部227cは、2つのタッチ位置の対角線の位置を含む領域に対してズーム枠K10を表示させるとともに、トリミング部207aが画像データからズーム枠K10の領域を切出して生成した副画像K11をライブビュー画像W10上の右部に重畳して表示させる。これにより、ユーザは、ズーム後の撮影領域と、ズーム後の画像を把握することができる。ステップS209の後、撮像装置1は、ステップS210へ移行する。
ここで、表示制御部227cがズーム枠K10をライブビュー画像W10上に重畳して表示する際の表示領域の算出方法について説明する。図12は、表示制御部227cがズーム枠K10をライブビュー画像W10上に重畳して表示する際の表示領域の算出方法の概要を説明する図である。図12において、表示部216の左下を原点とし、表示部216の横方向をX軸とし、表示部216の縦方向をY軸とする座標系として考える。
図12に示すように、表示部216のX軸方向の大きさをX(f)、ズーム枠のX軸方向の大きさをX(fmax)、現在のレンズ部3の焦点距離をF、レンズ部3の最大焦点距離をFmaxとした場合、以下の式(1)によってズーム枠のX軸方向の表示範囲が算出される。
X(fmax)=(X(f)×F)/Fmax ・・・(1)
また、表示部216のY軸方向の大きさをY(f)、ズーム枠のY軸方向の大きさをY(fmax)、現在のレンズ部3の焦点距離をF、レンズ部3の最大焦点距離をFmaxとした場合、以下の式(2)によってズーム枠のX軸方向の表示範囲が算出される。
Y(fmax)=(Y(f)×F)/Fmax ・・・(2)
このように、表示制御部227cは、式(1)および式(2)を用いて、ライブビュー画像W10上におけるズーム枠K10の表示領域の大きさX(fmax),Y(fmax)を算出する。
図10に戻り、ステップS210以降の説明を続ける。ステップS210において、タッチ検出部227aは、ズーム枠K10に対してスライド操作が行われたか否かを検出する。タッチ検出部227aがズーム枠K10に対するスライド操作を検出した場合(ステップS210:Yes)、撮像装置1は、後述するステップS211へ移行する。これに対して、タッチ検出部227aがズーム枠K10に対するスライド操作を検出していない場合(ステップS210:No)、撮像装置1は、後述するステップS214へ移行する。
ステップS211において、表示制御部227cは、スライド操作が行われた開始位置からスライド操作が終了してユーザの指がタッチパネル217から離間した位置を示すスライド座標を取得し(ステップS211)、ライブビュー画像W10上に、スライド座標に応じたズーム枠K10を表示部216に表示させるとともに(ステップS212)、副画像K11をライブビュー画像W10上に重畳して表示部216に表示させる(ステップS213)。たとえば、図13に示すように、表示制御部227cは、ズーム枠K10に対してズーム倍率を拡大するスライド操作が行われた場合、スライド操作に応じてズーム枠K10の表示領域を縮小して表示部216に表示させるとともに、トリミング部207aが画像データからズーム枠K10の領域を切出して生成した副画像K11をライブビュー画像W10に重畳して表示部216に表示させる。これにより、ユーザは、ズーム後の撮影領域と、ズーム後の画像を把握することができる。ステップS213の後、撮像装置1は、ステップS214へ移行する。
図10に戻り、ステップS214以降の説明を続ける。ステップS214において、レリーズスイッチ211bに対して半押し操作があった場合(ステップS214:Yes)において、表示部216が表示するライブビュー画像W10上にズーム枠K10が表示されているとき(ステップS215:Yes)、表示制御部227cは、ライブビュー画像W10上から副画像K11を削除する(ステップS216)。
続いて、撮影制御部227bは、ズーム枠K1に相当する大きさまで光学ズームをレンズ部3に実行させる(ステップS217)。具体的には、撮影制御部227bは、ライブビュー画像W10上におけるズーム枠K10の表示領域に対応するレンズ部3の焦点距離に換算し、この換算した焦点距離になるようにレンズ部3を駆動する。
ここで、撮影制御部227bがズーム枠K10の表示領域に対応する焦点距離に換算する算出方法について説明する。図14は、撮影制御部227bがズーム枠K10の表示領域に対応する焦点距離に換算する換算方法の概要を説明する図である。図14において、表示部216の左下を原点とし、表示部216の横方向をX軸とする。
図14に示すように、表示部216のX軸方向の大きさをX(f)、スライド操作後のズーム枠K10のX軸方向の大きさをX(fmin)、現在のレンズ部3の焦点距離をFとした場合、スライド操作後のレンズ部3の焦点距離をFminは、以下の式(3)によって算出される。
Fmin=(X(f)×F)/X(fmin) ・・・(3)
このように、撮影制御部227bは、式(3)を用いて、ライブビュー画像W10上におけるズーム枠K10の表示領域に対応するレンズ部3の焦点距離Fminに換算する。これにより、図15に示すように、撮影制御部227bは、本体通信部225およびレンズ通信部312を介してレンズ制御部313を制御し、式(3)を用いて算出したレンズ部3の焦点距離Fminに基づいて、ズーム駆動部302を駆動することにより、ズームレンズ301を光軸O上に沿って移動させ、ズーム枠K10に相当する光学ズームのズーム倍率に変更する。
ステップS217の後または表示部216が表示するライブビュー画像W10上にズーム枠K10が表示されていない場合(ステップS215:No)、撮像装置1は、ステップS218へ移行する。
続いて、撮影制御部227bは、AE処理部208にAE処理を実行させるとともに、AF処理部209にAF処理を実行させる(ステップS218)。ステップS218の後またはレリーズスイッチ211bに対して半押し操作がない場合(ステップS214:No)、撮像装置1は、ステップS219へ移行する。
その後、レリーズスイッチ211bの全押し操作されることにより、撮影操作が行われた場合(ステップS219:Yes)、撮影制御部227bは、撮像素子203に静止画撮影を実行させる(ステップS220)。
続いて、撮影制御部227bは、撮像素子203が生成した画像データを記録媒体221に記録する(ステップS221)。
その後、電源スイッチ211aが操作されることにより、撮像装置1の電源がオフになった場合(ステップS222:Yes)、撮像装置1は、本処理を終了する。これに対して、電源スイッチ211aが操作されることにより、撮像装置1の電源がオフになっていない場合(ステップS222:No)、撮像装置1は、ステップS201へ戻る。
ステップS219において、レリーズスイッチ211bの撮影操作が行われていない場合(ステップS219:No)、撮像装置1は、ステップS222へ移行する。
ステップS201において、撮像装置1が撮影モードに設定されていない場合(ステップS201:No)について説明する。この場合、撮像装置1は、記録媒体221に記録された画像データに対応する画像を表示部216に表示させて再生する画像再生処理を実行する(ステップS223)。その後、撮像装置1は、ステップS222へ移行する。
以上説明した本実施の形態2によれば、トリミング部207aがレンズ部3による所定のズーム倍率に対応する撮影領域を、撮像素子203によって生成された画像データから切出してトリミング画像を生成し、撮影制御部227bがトリミング部207aによって生成されたトリミング画像のズーム倍率に従って、レンズ部3の光学ズームを制御する。これにより、画像の解像度を低下させることなく、ユーザが直感的な操作で所望の領域を拡大して表示することができる。
(実施の形態3)
つぎに、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態3にかかる撮像装置は、上述した実施の形態1にかかる撮像装置と同様の構成を有する。このため、以下においては、本実施の形態3にかかる撮像装置が実行する処理について説明する。なお、上述した実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付して説明する。
図16は、本実施の形態3にかかる撮像装置1が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
図16において、ステップS301〜ステップS309は、上述した図10のステップS201〜ステップS209にそれぞれ対応する。
ステップS310において、追尾被写体設定部207cは、特徴量検出部207bがタッチ位置を含む領域に対して検出した特徴量に基づいて、隣接する画像間でターゲットとする被写体の追尾を開始する。具体的には、図17に示すように、追尾被写体設定部207cは、特徴量検出部207bがタッチによって指定されたターゲットT1に対して検出した特徴量に基づいて、隣接する画像間でターゲットとする被写体の追尾を開始する。ステップS310の後、撮像装置1は、ステップS311へ移行する。
ステップS311〜ステップS314は、図10のステップS210〜ステップS213にそれぞれ対応する。
ステップS315において、本体制御部227は、ターゲットT1がレンズ部3のズーム枠K20内に位置しているか否かを判断する。具体的には、図18に示すように、ターゲットT1がズーム枠K20内に位置しているか否かを判断する。ターゲットT1がズーム枠K20内に位置していないと本体制御部227が判断した場合(ステップS315:Yes)、撮像装置1は、ステップS316へ移行する。これに対して、ターゲットT1がズーム枠K20に位置していると本体制御部227が判断した場合(ステップS315:No)、撮像装置1は、ステップS320へ移行する。
ステップS316において、表示制御部227cは、表示部216が表示するライブビュー画像W20から副画像K21を削除する。
続いて、撮影制御部227bは、現在のターゲットT1に相当する大きさまでレンズ部3の光学ズームを行う(ステップS317)。
その後、ターゲットT1がズーム枠K20から外れた場合(ステップS318:Yes)、撮影制御部227bは、レンズ部3による光学ズームを停止する(ステップS319)。ステップS319の後、撮像装置1は、ステップS320へ移行する。これに対して、ターゲットT1がズーム枠K20から外れていない場合(ステップS318:No)、撮像装置1は、ステップS320へ移行する。
続いて、レリーズスイッチ211bの半押し操作が行われた場合(ステップS320:Yes)、撮影制御部227bは、AE処理部208にAE処理を実行させるとともに、AF処理部209にAF処理を実行させる(ステップS321)。ステップS321の後またはレリーズスイッチ211bの半押し操作が行われていない場合(ステップS320:No)、撮像装置1は、ステップS322へ移行する。
ステップS322〜ステップS326は、図10のステップS219〜ステップS223にそれぞれ対応する。
以上説明した本実施の形態3によれば、撮影制御部227bが追尾被写体のターゲットT1とズーム枠K20とが一致したい場合、レンズ部3をズーム枠K20の大きさに相当する光学ズームに駆動する。これにより、ユーザは、撮像装置1の撮影方向を操作して追尾被写体のターゲットT1にズーム枠K20を合わせるだけで、所望のズーム倍率の撮影を行うことができる。
また、本実施の形態3によれば、撮影制御部227bがズーム枠K20から追尾被写体のターゲットT1が外れた場合、レンズ部3の光学ズームを停止する。これにより、ユーザが所望しない被写体が拡大されることを防止することができる。
(実施の形態4)
つぎに、本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態4は、上述した実施の形態1にかかる撮像装置と同様の構成を有し、撮像装置が実行する処理のみ異なる。このため、以下においては、本実施の形態4にかかる撮像装置が実行する処理のみ説明する。なお、上述した実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付して説明する。
図19は、本実施の形態4にかかる撮像装置1が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
ステップS401〜ステップS411は、図10のステップS201〜ステップS211にそれぞれ対応する。
ステップS412において、本体制御部227は、スライド位置の座標がレンズ部3による光学ズームの領域内であるか否かを判断する。スライド位置の座標がレンズ部3による光学ズームの領域内であると本体制御部227が判断した場合(ステップS412:Yes)、撮像装置1は、後述するステップS413へ移行する。これに対して、スライド位置の座標がレンズ部3による光学ズームの領域内でないと本体制御部227が判断した場合(ステップS412:No)、撮像装置1は、後述するステップS417へ移行する。
ステップS413において、レンズ部3による光学ズームが限界である場合(ステップS413:Yes)、表示制御部227cは、表示部216が表示するライブビュー画像上に光学ズームの限界値に対応する最小の電子ズーム枠を重畳して表示させる(ステップS414)。これに対して、レンズ部3による光学ズームが限界でない場合(ステップS413:No)、表示制御部227cは、表示部216が表示するライブビュー画像上に光学ズームによる光学ズーム枠を重畳して表示させる(ステップS415)。
続いて、表示制御部227cは、ズーム枠K30または電子ズーム枠に対して、トリミング部207aが画像データから切出して生成した副画像K31をライブビュー画像W30上に重畳して表示させる(ステップS416)。具体的には、図20(a)に示すように、表示制御部227cは、表示部216が表示するライブビュー画像W30上にズーム枠K30を表示させる。ステップS416の後、撮像装置1は、ステップS420へ移行する。
ステップS417において、表示制御部227cは、表示部216が表示するライブビュー画像W30上に、レンズ部3による光学ズームの限界値に対応する最小のズーム枠を表示させる。
続いて、表示制御部227cは、表示部216が表示するライブビュー画像W30上に、電子ズームによる電子ズーム枠を表示させ(ステップS418)、ライブビュー画像W30上に副画像を表示させる(ステップS419)。具体的には、図21に示すように、表示制御部227cは、表示部216が表示するライブビュー画像W30上に、レンズ部3による光学ズームの限界値に対応する最小のズーム枠K33を表示後、ライブビュー画像W30上に電子ズーム枠K34を表示させる(図20(a)→図20(b))。この際、表示制御部227cは、トリミング部207aが電子ズーム枠K34に対応する画像データの領域から切出して生成した副画像K31をライブビュー画像W30上に重畳して表示させる。ステップS419の後、撮像装置1は、ステップS420へ移行する。
ステップS420〜ステップS423は、図10のステップS214〜ステップS217にそれぞれ対応する。
ステップS424において、レンズ部3による光学ズームが限界である場合(ステップS424:Yes)、撮影制御部227bは、レンズ部3による光学ズームからトリミング部207aによる電子ズームに切り換えを行う(ステップS445)。その後、撮像装置1は、ステップS426へ移行する。これに対して、レンズ部3による光学ズームが限界でない場合(ステップS424:No)、撮像装置1は、ステップS426へ移行する。
ステップS426およびステップS427は、図10のステップS218およびステップS219にそれぞれ対応する。
ステップS428において、撮影制御部227bは、撮像素子203に静止画撮影を実行させる。この場合、レンズ部3による光学ズームが限界のとき、撮影制御部227bは、撮像素子203が静止画撮影で生成した画像データからトリミング部207aに対して電子ズーム枠K34に相当する領域を切出してトリミング画像を生成させる。
ステップS429〜ステップS431は、図10のステップS221〜ステップS223にそれぞれ対応する。
以上説明した本実施の形態4によれば、トリミング部207aは、レンズ部3による所定のズーム倍率に対応する撮影領域を、撮像素子203によって生成された画像データから切出してトリミング画像を生成し、撮影制御部227bは、トリミング部207aによって生成されたトリミング画像のズーム倍率に従って、レンズ部3の光学ズームを制御する。これにより、画像の解像度を低下させることなく、直感的な操作でユーザが所望する領域を拡大して表示することができる。
また、本実施の形態4によれば、表示制御部227cがレンズ部3の光軸O上にズーム枠K31がない場合、トリミング部207aが生成したトリミング画像を表示部216に全画面表示させる。これにより、レンズ部3による光学ズームを行うことができなくとも、電子ズームによって仮想的にユーザが所望するズーム倍率で表示することができる。
また、本実施の形態4によれば、表示制御部227cは、レンズ部3の光学ズームによる撮影領域ズーム枠が大きい場合、トリミング部207aが生成したトリミング画像を表示部216に全画面表示させる。これにより、レンズ部3による光学ズームを行うことができなくとも、電子ズームによって仮想的にユーザが所望するズーム倍率で表示部216に画像を表示することができる。
(その他の実施の形態)
上述した実施の形態では、本体部に対して、着脱自在なレンズ部を備えたデジタル一眼レフカメラであったが、たとえば、光学系を含むレンズ部と本体部とが一体的に設けられてもよい。
また、上述した実施の形態では、レンズ部にリング状の操作リングが設けられていたが、たとえばプッシュ式のスイッチやレバー式の切り替えスイッチ等であってもよい。
また、上述した実施の形態では、接眼表示部が本体部に一体的に形成されていたが、接眼表示部が本体部に対して着脱自在であってもよい。
また、本発明に係る撮像装置は、コンパクトデジタルカメラ、デジタル一眼レフカメラ以外にも、例えばアクセサリ等を装着可能なデジタルビデオカメラおよび撮影機能を有する携帯電話やタブレット型携帯機器等の電子機器としても適用することができる。
なお、本明細書におけるフローチャートの説明では、「まず」、「その後」、「続いて」等の表現を用いてステップ間の処理の前後関係を明示していたが、本発明を実施するために必要な処理の順序は、それらの表現によって一意的に定められるわけではない。すなわち、本明細書で記載したフローチャートにおける処理の順序は、矛盾のない範囲で変更することができる。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態を含みうるものであり、特許請求の範囲によって特定される技術的思想の範囲内で種々の設計変更等を行うことが可能である。