JP2014009786A - 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来考慮されていなかったリンク枚数の多いリンク列における摺動に起因する耐久性低下要因を取り除き、動力伝達チェーンの耐久性をより一層向上させる。
【解決手段】 複数のリンク列のうちの1つは、他のリンク列よりもリンク枚数が多くなされており、前記リンク枚数の多いリンク列の相対回転角の最大値が他のリンク列の相対回転角の最大値よりも小さくなされている。
【選択図】 図6

Description

この発明は、動力伝達チェーン、さらに詳しくは、自動車等の車両の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)に好適な動力伝達チェーンおよび動力伝達装置に関する。
動力伝達チェーンとして、チェーン進行方向と直交するチェーン幅方向に並ぶ複数のリンクで構成されるリンク列を複数有し、複数のリンクが複数のピンによって屈曲可能に連結されており、ピッチ長が異なるリンクとピン形状が異なるピンとが組み合わされてランダムに配列されているものが知られている(特許文献1)。
上記動力伝達チェーンにおいて、リンクは、チェーン進行方向前側に位置する前貫通孔と、チェーン進行方向後側に位置する後貫通孔とを有している。前貫通孔は、後側の第1ピン挿通部および前側の第2ピン挿通部からなり、第1ピン挿通部に第1ピンが摺動可能に嵌め合わせられており、第2ピン挿通部に第2ピンが固定されている。後貫通孔は、後側の第1ピン挿通部および前側の第2ピン挿通部からなり、第1ピン挿通部に第1ピンが固定されており、第2ピン挿通部に第2ピンが摺動可能に嵌め合わせられている。
特許文献1には、上記のランダム配列に伴い、プーリに巻き掛けられた際に隣り合うリンク列間に生じる相対回転角の最大値が種々の大きさとなってランダムに出現することが開示されている。そして、最大相対回転角が大きいものは、耐久性においては不利なものとなり得ることから、特許文献1では、最大相対回転角に着目して、ピッチ長とピン形状とのランダム配列の種々の組合せの中から耐久性にとって好ましくないものを排除することが提案されている。
特開2009−79726号公報
上記特許文献1では、最大相対回転角が大きいものは、耐久性において不利であるが、リンク枚数が他のリンク列よりも多いリンク列については、最大相対回転角が大きくなっても耐久性には影響を与えないとされていた。また、ピン挿通部については、ピンが固定されている部分で故障が起きやすいものとされ、ピンが摺動可能に嵌め合わせられている部分では、故障が起きにくいものとされていた。すなわち、従来は、リンク枚数の多いリンク列において、摺動によって耐久性が低下する恐れがあることが考慮されていなかった。
この発明の目的は、従来考慮されていなかったリンク枚数の多いリンク列における摺動に起因する耐久性低下要因を取り除き、動力伝達チェーンの耐久性をより一層向上させることにある。
この発明は、チェーン進行方向と直交するチェーン幅方向に並ぶ複数のリンクで構成されるリンク列を複数有し、前記複数のリンクが複数のピンによって屈曲可能に連結されている動力伝達チェーンにおいて、ピッチ長が異なるリンクとピン形状が異なるピンとが組み合わされてランダムに配列されていることにより、プーリに巻き掛けられた際に隣り合う前記リンク列間に生じる相対回転角の最大値が種々の大きさとなってランダムに出現し、前記複数のリンク列のうちの少なくとも1つのリンク列は、他のリンク列よりも多いリンク枚数で構成されており、前記リンク枚数の多いリンク列の相対回転角の最大値が前記他のリンク列の相対回転角の最大値よりも小さくなされているものである。
この発明の動力伝達チェーンによると、リンク枚数の多いリンク列の最大相対回転角が他のリンク列の最大相対回転角よりも小さくなされていることにより、従来考慮されていなかったリンク枚数の多いリンク列における摺動に起因する耐久性低下要因が取り除かれる。これにより、耐久性のより一層の向上が可能となる。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの1実施形態の一部を示す平面図である。 図2は、リンク、第1ピンおよび第2ピンの基準形状を示す拡大側面図である。 図3は、異なるピッチ長のリンクの形状を示す拡大側面図である。 図4は、異なる形状の第1ピンを示す拡大側面図である。 図5は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。 図6は、この発明の実施形態で得られる最大相対回転角の1例を示している。 図7は、従来のランダム配列で得られる最大相対回転角の1例を示している。 図8は、プーリに巻き掛けられた際に隣り合うリンク列間に生じる相対回転角を模式的に説明する図である。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、図2の上下をいうものとする。
図1は、動力伝達チェーンの一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、複数のリンク(11)(21)と、複数のリンク(11)(21)同士を屈曲可能に連結する複数の第1ピン(14)および複数の第2ピン(15)とを備えている。第1ピン(14)と第2ピン(15)とは、第2ピン(15)がチェーン進行方向前側に、第1ピン(14)がチェーン進行方向後側にそれぞれ配置された状態で対向させられている。
動力伝達チェーン(1)は、チェーン進行方向に並ぶ3つのリンク列(R1)(R2)(R3)を1つのユニットとして、これを進行方向に複数連結して形成されている。各リンク列(R1)(R2)(R3)は、チェーン進行方向と直交するチェーン幅方向に並ぶ複数枚のリンク(11)(21)で構成されている。
図1に示す実施形態では、リンク枚数が9枚のリンク列(R1)とリンク枚数が8枚のリンク列2つ(R2)(R3)とが1つのリンクユニットとされている。各リンク列(R1)(R2)(R3)のリンク(11)(21)は、チェーン幅方向中心で線対称となるように配置されている。具体的には、リンク枚数が9枚のリンク列(9層リンク列)(R1)は、チェーン幅方向中心から、1番目、4番目、7番目、10番目および13番目の位置に配置されている。また、リンク枚数が8枚のリンク列の一方(第1の8層リンク列)(R2)は、チェーン幅方向中心から、2番目、6番目、8番目および12番目の位置に配置されている。また、リンク枚数が8枚のリンク列の他方(第2の8層リンク列)(R3)は、チェーン幅方向中心から、3番目、5番目、9番目および11番目の位置に配置されている。したがって、この実施形態のリンクユニットでは、9層リンク列(R1)のチェーン幅方向の最も外側のリンク(11)(21)が動力伝達チェーン(1)におけるチェーン幅方向の最も外側のリンク(11)(21)となっている。
上記動力伝達チェーン(1)では、リンク(11)(21)については、後述するように、2種類のリンク(11)(21)が使用されている。また、第1ピン(14)の断面形状についても、後述するように、2種類の断面形状が使用されている。
図2および図3に示すように、リンク(11)(21)は、チェーン進行方向前側に位置する前貫通孔(12)と、チェーン進行方向後側に位置する後貫通孔(13)とを有している。
前貫通孔(12)は、後側の第1ピン挿通部(16)および前側の第2ピン挿通部(17)からなる。第1ピン挿通部(16)に、第1ピン(14)が摺動可能に嵌め合わせられている。第2ピン挿通部(17)に、第2ピン(15)が固定されている。
後貫通孔(13)は、後側の第1ピン挿通部(18)および前側の第2ピン挿通部(19)からなる。第1ピン挿通部(18)に、第1ピン(14)が固定されている。第2ピン挿通部(19)に、第2ピン(15)が摺動可能に嵌め合わせられている。
進行方向後側の一方のリンク(11)(21)の前貫通孔(12)と進行方向前側の他方のリンク(11)(21)の後貫通孔(13)とが対応するようにリンク(11)(21)同士が重ねられている。第1ピン(14)および第2ピン(15)は、チェーン幅方向に重なり合う複数の前貫通孔(12)および後貫通孔(13)に嵌め合わされている。
第2ピン(15)は、第1ピン(14)よりもチェーン幅方向の長さが短くなされている。また、第1ピン(14)は、第2ピン(15)に比べて前後方向の幅が広くなされている。第2ピン(15)の上下縁部には、第1ピン(14)側にのびる突出縁部(15a)(15b)が設けられている。
リンク(11)(21)の第1ピン挿通部(18)と第2ピン挿通部(19)との境界部分には、第2ピン挿通部(19)の上下の凹円弧状案内部(19a)(19b)にそれぞれ連なり第1ピン挿通部(18)に固定されている第1ピン(14)を保持する上下の凸円弧状保持部(18a)(18b)が設けられている。同様に、第2ピン挿通部(17)と第1ピン挿通部(16)との境界部分には、第1ピン挿通部(16)の上下の凹円弧状案内部(16a)(16b)にそれぞれ連なり第2ピン挿通部(17)に固定されている第2ピン(15)を保持する上下の凸円弧状保持部(17a)(17b)が設けられている。
第1ピン挿通部(18)への第1ピン(14)の固定および第2ピン挿通部(17)への第2ピン(15)の固定は、圧入によって行われている。圧入は、ピン挿通部(17)(18)の上下の縁とピン(14)(15)の上下の縁との間で行われている。
第1ピン(14)と第2ピン(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)(21)同士の屈曲が可能とされている。第1ピン(14)を基準とした第1ピン(14)と第2ピン(15)との接触位置の軌跡は、円のインボリュートとされている。この実施形態では、第1ピン(14)の転がり接触面(14a)が、インボリュート曲線とされ、第2ピン(15)の転がり接触面(15c)が平坦面(断面形状が直線)とされている。各リンク列(R1)(R2)(R3)が動力伝達チェーン(1)の直線領域から曲線領域へまたは曲線領域から直線領域へと移行する際、前貫通孔(12)においては、第1ピン(14)が固定状態の第2ピン(15)に対して転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら第1ピン挿通部(16)内を摺動する。また、後貫通孔(13)においては、第2ピン(15)が第2ピン挿通部(19)内を固定状態の第1ピン(14)に対して転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動する。
上記動力伝達チェーン(1)では、第1ピン(14)と第2ピン(15)とが相対的に転がり接触移動しかつ第1ピン(14)を基準とした第1ピン(14)と第2ピン(15)との接触位置の軌跡が円のインボリュートとされていることにより、騒音を低減する上で有利となっている。
より一層の騒音および振動の低減のためには、形状が異なる2種類以上のリンク(11)(21)および形状が異なる2種類以上の第1ピン(14)をランダムに配列することが好ましい。このようなランダム配列とすることにより、打音発生の周期がずれて、音のエネルギーが異なる周波数帯に分散され、音圧レベルのピークが低減される。
図2および図3において、符号AおよびBで示す箇所は、チェーン(1)の直線領域において第1ピン(14)と第2ピン(15)とが接触している線(断面では点)であり、AB間の距離がピッチ長である。図2のリンク(11)に対して、AB間の距離(ピッチ長)を大きくしたものが、図3のリンク(21)となっている。この実施形態の動力伝達チェーン(1)では、リンク(11)(21)については、ピッチ長小のものと大のものとが使用されている。
図4において、第1ピン(14)のインボリュート曲線の基礎円半径Rbについて、図4(a)に示すインボリュート曲線の基礎円半径Rbが大きいものと図4(b)に示すインボリュート曲線の基礎円半径Rbが小さいものとの2種類が使用されている。これら2種類の第1ピン(14)は、図2のピッチ長が小さいリンク(11)および図3のピッチ長が大きいリンク(21)のいずれにも挿通可能であり、リンク(11)(21)のピッチ長2種類とピン形状2種類とを組み合わせることで、4種類の組合せが可能となっている。
図4(a)において、●で示されているオフセット大および小は、プーリ(2)との接触位置に関し、チェーン径方向オフセットが相対的に内方にあるもの(オフセット小)と相対的に外方にあるもの(オフセット大)を示している。第1ピン(14)形状に関しては、基礎円半径Rb大および小だけでなく、内方オフセット(オフセット小)および外方オフセット(オフセット大)のものも必要に応じて使用される。また、図示省略するが、断面形状および端面形状が同じであって、チェーン幅方向の長さだけが異なる相対的に長い第1ピン(14)と相対的に短い第1ピン(14)も必要に応じて使用される。
上記動力伝達チェーン(1)は、動力伝達装置としての無段変速機(10)で使用される。無段変速機(10)は、図5に示すように、1対のプーリ(図示は一方のプーリだけ)(2)と、両プーリ(2)に巻き掛けられた動力伝達チェーン(1)とを備えている。
プーリ(2)は、プーリ軸(2e)に固定された固定シーブ(2a)と、プーリ軸(2e)上に軸方向移動可能に支持された可動シーブ(2b)とを備えている。固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)は、それぞれ相対向する円錐面状のシーブ面(2c)(2d)を有している。
第1ピン(14)の両端面は、プーリ(2)の相対向する1対のシーブ面(2c)(2d)間に挟持され、第1ピン(14)の両端面と各シーブ面(2c)(2d)との間の摩擦力により、動力伝達チェーン(1)とプーリ(2)との間で動力が伝達される。可動シーブ(2b)は、油圧アクチュエータ(図示略)によって、固定シーブ(2a)側に押圧されており、これにより、動力伝達チェーン(1)をクランプするためのクランプ力がプーリ(2)に与えられる。
図5において、実線で示した位置にあるプーリ(2)の可動シーブ(2b)を固定シーブ(2a)に対して接近または離隔させると、プーリ(2)における動力伝達チェーン(1)の巻き掛け径は、同図に鎖線で示すように、接近時には大きく、離隔時には小さくなる。
1対のプーリ(2)のうち図示省略した他方のプーリでは、その固定シーブが図示した固定シーブ(2a)とは、動力伝達チェーン(1)を間にして、軸方向反対側に配置されている。そして、その可動シーブが図示したプーリ(2)の可動シーブ(2b)とは逆向きに移動する。これにより、無段変速機(10)の変速比が無段階に変化する。
図7は、従来のランダム配列で得られる最大相対回転角の1例を示している。
図8に示すように、各リンク列(R1)(R2)(R3)は、プーリ(2)に巻き掛けられることで、相対回転を始め、その相対回転角を増加させながらプーリ(2)に沿って移動する。図8において、動力伝達チェーン(1)の直線領域のピッチ長の方向と同じ方向の基準線Lと各リンク列(R1)(R2)(R3)のピッチ長の方向(P)(Q)(R)とのなす角が相対回転角となっている。最大相対回転角は、相対回転角の最大値をいう。相対回転角は、例えば図8に符号Rで示されている位置で最大となるが、どの位置で最大となるかは、ランダム配列の配列によって変わってくる。
図7によると、●で示す9層リンク列(R1)においては、矢印で示すように、最大相対回転角が大きくなるものが多くなっている。このように構成された動力伝達チェーンの走行試験を行った結果、リンク(11)(21)の後貫通孔(13)の第2ピン挿通部(19)において摺動痕が発生し、この摺動痕が起点となって損傷することが分かった。この損傷は、一般的な圧入部(例えば前貫通孔(12)の第2ピン挿通部(17))での疲労破断とは異なる故障モードとなっている。すなわち、9層リンク列(R1)では、リンク(11)(21)の枚数が多いことから、各リンク(11)(21)の荷重分担が小さくなっており、リンク(11)(21)が故障しにくいはずであるが、摺動痕が原因の故障が発生することが分かった。
図6は、この発明の実施形態のランダム配列で得られる最大相対回転角の1例を示すもので、上記の知見に基づき、●で示す9層リンク列(R1)の最大相対回転角を小さくしたものである。最大相対回転角を小さくすると、回転距離(リンク(11)(21)に対する第2ピン(15)の摺動距離が小さくなり、摺動に伴う入力条件のP(面圧)×V(速度)を小さくすることができる。これにより、摺動に起因する耐久性低下要因を取り除くことができる。
最大相対回転角は、計算(シミュレーション)で求めることができる。例えば、ピッチ長が短いリンク(11)同士が連続している箇所と、ピッチ長が長いリンク(21)同士が連続している箇所とを比べると、ピッチ長が長いリンク(21)が連続している箇所において、最大相対回転角が大きくなる。また、転がり接触面の曲率が大きいピン(図4(a))と、転がり接触面の曲率が小さいピン(図4(b))とを比べた場合、転がり接触面の曲率が小さいピン(図4(b))を使用すると、最大相対回転角が大きくなる傾向がある。隣り合う2つのリンク列(例えば(R1)(R2))の最大相対回転角は、前および後のリンク列(R3)のリンク(11)(21)の形状およびピン(14)の形状によっても変化することから、上記のようなランダム配列を採用した動力伝達チェーン(1)では、最大相対回転角もランダム配列となる。
上記において、耐久性向上効果を得ることができる条件は、リンク枚数が多いリンク列(上記実施形態では9層リンク列)(R1)の最大相対回転角が他のリンク列(上記実施形態では2つの8層リンク列)(R2)(R3)の最大相対回転角よりも小さくなされていることである。さらに、リンク枚数が多いリンク列(R1)の最大相対回転角の平均値が他のリンク列(R2)(R3)の最大相対回転角の平均値よりも小さくなされていることが好ましい。また、リンク枚数の多いリンク列(R1)の最大相対回転角の絶対値は、17°以下とすることが好ましい。
従来、リンク枚数が少ないために荷重分担が大きくなるリンク列(R2)(R3)のリンク(11)(21)で損傷が多いと考えられていた。また、最大相対回転角が大きいところで、リンク(11)(21)の圧入部(前貫通孔(12)の第2ピン挿通部(17)および後貫通孔(13)の第1ピン挿通部(18))の損傷が起こりやすいとも考えられていた。したがって、図7に示した従来の配列においては、リンク枚数が多いリンク列(R1)で最大相対回転角が大きくなることについては、考慮されていなかった。これに対し、リンク(11)(21)の摺動部(例えば後貫通孔(13)の第2ピン挿通部(19))における損傷(摺動痕の発生)は、最大相対回転角が大きいリンク枚数が多いリンク列(R1)においても発生し、損傷に至る可能性があることが判明した。
そこで、上記動力伝達チェーン(1)では、リンク枚数が多いリンク列(R1)における最大相対回転角に着目して、リンク枚数の多いリンク列(R1)の最大相対回転角が他のリンク列(R2)(R3)の最大相対回転角よりも小さくなされているものとしている。これにより、従来考慮されていなかったリンク枚数の多いリンク列(R1)における摺動に起因する耐久性低下要因が取り除かれ、動力伝達チェーン(1)の耐久性をより一層向上させることができる。
(1):動力伝達チェーン、(2):プーリ、(2a:固定シーブ、(2b):可動シーブ、(2c)(2d):円錐状シーブ面、(11リンク(ピッチ長小のリンク)、(14):第1ピン、(15):第2ピン、(21) リンク(ピッチ長大のリンク)、(R1):9層リンク列、(R2)(R3):8層リンク列

Claims (3)

  1. チェーン進行方向と直交するチェーン幅方向に並ぶ複数のリンクで構成されるリンク列を複数有し、前記複数のリンクが複数のピンによって屈曲可能に連結されている動力伝達チェーンにおいて、
    ピッチ長が異なるリンクとピン形状が異なるピンとが組み合わされてランダムに配列されていることにより、プーリに巻き掛けられた際に隣り合う前記リンク列間に生じる相対回転角の最大値が種々の大きさとなってランダムに出現し、
    前記複数のリンク列のうちの少なくとも1つのリンク列は、他のリンク列よりも多いリンク枚数で構成されており、前記リンク枚数の多いリンク列の相対回転角の最大値が前記他のリンク列の相対回転角の最大値よりも小さくなされている動力伝達チェーン。
  2. 前記リンク枚数の多いリンク列の最大相対回転角の平均値が前記他のリンク列の最大相対回転角の平均値よりも小さくなされている請求項1の動力伝達チェーン。
  3. 円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、前記第1のプーリと前記第2のプーリとに巻き掛けられた動力伝達チェーンとを備え、前記動力伝達チェーンが請求項1または2の動力伝達チェーンである動力伝達装置。
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