JP2011069414A - 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 Download PDF

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伸志 山根
Teruko Nagaoka
照子 長岡
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Abstract

【課題】リンクの抜けを防止することができる動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供する。
【解決手段】動力伝達チェーン1は、チェーン長さ方向に並ぶリンク11同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数の相対的に長さが異なる2種類のピン14およびインターピース15を備えている。複数のピン14および複数のインターピース15の両端部に、リンク11のピン14軸方向外側への移動を阻止する円環状ストッパ20が巻き掛けられている。
【選択図】図3

Description

この発明は、動力伝達チェーン、さらに詳しくは、自動車等の車両の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェーンおよび動力伝達装置に関する。
自動車用無断変速機として、図8に示すように、円錐面状のシーブ面を有する固定シーブ(2a)および円錐面状のシーブ面を有する可動シーブ(2b)を有しエンジン側に設けられたドライブプーリ(2)と、固定シーブ (3b) および可動シーブ(3a)を有し駆動輪側に設けられたドリブンプーリ(3)と、両者間に架け渡された無端状動力伝達チェーン(1)とからなり、油圧アクチュエータによって可動シーブ(2b)(3a)を固定シーブ(2a)(3b)に対して接近・離隔させることにより、油圧でチェーン(1)をクランプして接触させ、この接触部の摩擦力によりトルクを伝達するものが知られている。
動力伝達チェーンとしては、特許文献1に、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、無段変速機のプーリ間に掛け渡されて、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方の両端面がプーリのシーブ面に接触して摩擦力により動力が伝達されるものが提案されている。
特開2005−233275号公報
上記の動力伝達チェーンでは、ピンあるいはインターピースがチェーン幅方向に並ぶリンクに圧入固定されることで、リンクの抜けが防止されているが、リンク形状の経時的な変化や外力による弾性変形の繰り返しにより、圧入固定が緩む可能性がある。
この発明の目的は、リンクの抜けを防止することができる動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供することにある。
この発明による動力伝達チェーンは、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、無段変速機のプーリ間に掛け渡されて、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方の両端面がプーリのシーブ面に接触して摩擦力により動力が伝達される動力伝達チェーンにおいて、複数の第1ピンおよび複数の第2ピンの両端部に、リンクのピン軸方向外側への移動を阻止する円環状ストッパが巻き掛けられていることを特徴とするものである。
この明細書において、チェーンの進行方向を前後方向といい、これに直交する方向(プーリ半径方向)を上下方向というものとする。
この発明による動力伝達チェーンでは、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリと接触して摩擦力により動力伝達する。いずれか一方のピンがプーリと接触するチェーンにおいては、第1ピンおよび第2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無断変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン(以下では、「第1ピン」または「ピン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン(インターピースまたはストリップと称されており、以下では、「第2ピン」または「インターピース」と称す)とされる。
円環状ストッパは、無端状で、例えば、合成樹脂製、ゴム製、金属製、鋼製などとされ、複数のピンおよび複数のインターピースの両端部に巻き掛けられかつピン(インターピース)と円環状ストッパとの間に摩擦力が生じるように、その内径がピン(インターピース)の外径よりもわずかに小さく形成される。
円環状ストッパの上下方向の厚さは、例えば、チェーン外径側部分の上下方向の厚さ(前後挿通部の上縁とリンクの上縁との距離)とほぼ同じ厚さで形成されてもよく、これよりも薄い厚さで形成されてもよい。円環状ストッパのチェーン幅方向の長さは、プーリと干渉しないように、プーリとリンクとの間の距離よりも短い長さとされる。
ピン(インターピース)は前後挿通部に固定されなくてもよく、固定されてもよい。前後挿通部へピンを固定する場合は、例えば、機械的圧入による挿通部内縁とピン外周面との嵌合固定とされるが、これに代えて、焼き嵌めまたは冷やし嵌めによってもよい。1つの挿通部には、ピンとインターピースとがチェーンの長さ方向に対向するように嵌め合わせられ、このうちのいずれか一方がリンクの挿通部の周面に嵌合固定される。嵌合固定は、挿通部の長さ方向に対して直交する部分の縁(上下の縁)で行われることが好ましい。
従来の動力伝達チェーンでは、ピンあるいはインターピースがチェーン幅方向に並ぶリンクに圧入固定されていることで、リンクの抜けが防止されているが、リンク形状の経時的な変化や外力による弾性変形の繰り返しにより、圧入が緩みリンクがピンから抜ける可能性がある。しかし、この発明の動力伝達チェーンは、円環状ストッパがピンおよびインターピースの両端部に設けられているので、圧入が緩んだ場合でもリンクのチェーン幅方向の移動を阻止してリンクの抜けを防止する。ピンがリンクに圧入固定されずに設けられた場合でも、円環状ストッパがピンおよびインターピースの両端部に設けられているので、リンクのチェーン幅方向の移動が阻止されリンクの抜けが防止できる。この場合、ピンが圧入固定されていないので、リンクの前後挿通部に応力が生じずリンクの破損も防止することができる。
この発明の動力伝達チェーンにおいて、円環状ストッパの内径面が、ピン軸方向内側に向かって径が大きくなるテーパ状とされていることが好ましい。
円環状ストッパは、チェーン幅方向外側が厚肉とされ、チェーン幅方向内側が薄肉とされることにより、その内径面がテーパ状に形成されるものである。厚肉部分の内径は、複数のピンおよび複数のインターピースから成る円環の外径よりもわずかに小さいものとされる。これにより、円環状ストッパに径方向内側へ向かう力が生じ、内径面がテーパとされることで、円環状ストッパがチェーン幅方向内方に傾いてリンクと圧接する。円環状ストッパは、ピンの両端部に設けられているので、ピンの両端部からリンクは圧接されリンク同士が押しつけられる。この円環状ストッパは、リンクとの間に若干の隙間が設けられ、円環状ストッパが傾いたときにリンクと接触するように設けられてもよく、円環状ストッパの内側面とリンクの外側面とがあらかじめ接触した状態で設けられてもよい。
チェーン幅方向に並ぶリンクの隣り合うもの同士は接触させられており、これにより潤滑油の飛散を抑制しているが、リンク間に摩擦力が生じてリンクが摩耗することがある。従来の動力伝達チェーンでは、この摩耗によりリンク間に隙間が発生する可能性がある。しかし、円環状ストッパの内径面がテーパ状に形成されると、円環状ストッパがリンク同士を押しつけるので、リンク間の隙間の増大を防止することができる。
この発明の動力伝達チェーンにおいて、円環状ストッパからプーリのシーブ面までの最短距離が、0.01〜1mmとされていることが好ましい。
チェーンを潤滑する潤滑油は、チェーンの内径側から外径側に向かって供給され、チェーンの遠心力によって径方向外側に飛散しやすいものとなっている。そして、ピンの端部の潤滑油が飛散すると、ピン端面が摩耗しやすくなる。そこで、円環状ストッパの端部からプーリのシーブ面までの最短距離が0.01〜1mmとされると、円環状ストッパの端面とプーリのシーブ面との隙間が僅かなものとなるので、潤滑油の飛散が防止でき、ピン端面の摩耗を防止できる。さらに、プーリとピンとの間に潤滑油が維持されて潤滑油の供給量を削減することができる。
第1ピンおよび第2ピンは、異なる断面形状であってもよく、同一形状であってもよい。ピンの材質としては、軸受鋼などの適宜な鋼が使用される。
第1ピンおよび第2ピンは、例えば、いずれか一方の転がり接触面が平坦面とされ、他方の転がり接触面が相対的に転がり接触移動可能なように所要の曲面に形成される。また、第1ピンおよび第2ピンは、それぞれの転がり接触面が所要の曲面に形成されるようにしてもよい。いずれの場合でも、各ピンの転がり接触面形状がそれぞれ2種類(例えば相対的に曲率が大のものと相対的に曲率が小のもの)形成されることで、転がり接触移動の軌跡が相違するピンの組が2種類存在するようにしてもよい。第1ピンと第2ピンとの接触位置の軌跡は、例えば、インボリュート曲線とされる。
上記の動力伝達チェーンは、いずれか一方のピン(インターピース)が他方のピン(ピン)よりも短くされ、長い方のピンの端面が無段変速機のプーリの円錐状シーブ面に接触し、この接触による摩擦力により動力を伝達するものであることが好ましい。各プーリは、円錐状のシーブ面を有する固定シーブと、固定シーブのシーブ面に対向する円錐状のシーブ面を有する可動シーブとからなり、両シーブのシーブ面間にチェーンを挟持し、可動シーブを油圧アクチュエータによって移動させることにより、無断変速機のシーブ面間距離にしたがってチェーンの巻き掛け半径が変化し、スムーズな動きで無段の変速を行うことができる。
この発明による動力伝達装置は、円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備え、動力伝達チェーンが上記に記載のものとされる。
この動力伝達装置は、自動車などの車両の無段変速機(CVT)としての使用に好適なものとなる。
この発明の動力伝達チェーンによると、チェーンの幅方向両側に、リンクのピン軸方向外側への移動を阻止する円環状ストッパが巻き掛けられているので、リンクの抜けを防止することができ、さらにピンをリンクに圧入する必要がなくなるので、リンクの前後挿通部への応力がなくなり、リンクの破損を防止することができる。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの第1実施形態の一部を示す平面図である。 図2は、リンクおよびピンの拡大側面図である。 図3は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。 図4は、同側面図である。 図5は、この発明による動力伝達チェーンの第2実施形態の一部を示す正面図である。 図6は、図5の部分拡大図である。 図7は、この発明による動力伝達チェーンの第3実施形態の一部を示す正面図である。 図8は、この発明による動力伝達チェーンが使用される一例の無断変速機を示す斜視図である。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、図2の上下をいい、前後については、同図の右を前、左を後というものとする。
図1から図4は、この発明による動力伝達チェーンの第1実施形態を示している。図1は、この発明の動力伝達チェーンの一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、ピン(14)(15)が挿通される前後挿通部(12)(13)を有する複数のリンク(11)と、一のリンク(11)の前挿通部(12)と他のリンク(11)の後挿通部(13)とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク(11)同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピン(ピン)(14)および複数の第2ピン(インターピース)(15)とを備え、第1ピン(14)と第2ピン(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士の長さ方向の屈曲が可能とされて、円錐面状のシーブ面(2c)(2d)を有する第1のプーリ(2)および円錐面状のシーブ面(3c)(3d)を有する第2のプーリ(3)の間に掛け渡されて用いられる。インターピース(15)は、ピン(14)よりも短くなされ、両者(14)(15)は、インターピース(15)が前側に、ピン(14)が後側に配置された状態で対向させられている。
チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリンク(11)で構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されている。この実施形態では、リンク(11)枚数が9枚のリンク列とリンク(11)枚数が8枚のリンク列2つとが1つのリンクユニットとされている。
図2に示すように、リンク(11)の前挿通部(12)と後挿通部(13)との間には、柱部(21)が介在させられており、前挿通部(12)は、ピン(14)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(16)およびインターピース(15)が固定されるインターピース固定部(17)からなり、後挿通部(13)は、ピン(14)が固定されるピン固定部(18)およびインターピース(15)が移動可能に嵌め合わせられるインターピース可動部(19)からなる。
各ピン(14)は、インターピース(15)に比べて前後方向の幅が広くなされており、インターピース(15)の上下縁部には、各ピン(14)側にのびる突出縁部(15a)(15b)が設けられている。
図2において、符号AおよびBで示す箇所は、チェーン(1)の直線部分においてピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)であり、AB間の距離がピッチである。
チェーン幅方向に並ぶリンク(11)を連結するに際しては、一のリンク(11)の前挿通部(12)と他のリンク(11)の後挿通部(13)とが対応するようにリンク(11)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に固定されかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に移動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
リンク(11)のピン固定部(18)とインターピース可動部(19)との境界部分には、インターピース可動部(19)の上下の凹円弧状案内部(19a)(19b)にそれぞれ連なりピン固定部(18)に固定されているピン(14)を保持する上下の凸円弧状保持部(18a)(18b)が設けられている。同様に、インターピース固定部(17)とピン可動部(16)との境界部分には、ピン可動部(16)の上下の凹円弧状案内部(16a)(16b)にそれぞれ連なりインターピース固定部(17)に固定されているインターピース(15)を保持する上下の凸円弧状保持部(17a)(17b)が設けられている。
この動力伝達チェーン(1)は、必要な数のピン(14)およびインターピース(15)を台上に垂直状に保持した後、リンク(11)を1つずつあるいは数枚まとめて嵌め入れていくことにより製造される。嵌め入れに際しては、チェーン幅方向に隣り合うリンク(11)間の隙間が0に(チェーン幅方向に並ぶリンク(11)の隣り合うもの同士が接触するように)なされる。
図1、図3および図4に示すように、円環状ストッパ(20)は、無端状の金属製とされ、全てのピン(14)および全てのインターピース(15)の一端部を一体として、その部分にリンク(11)と若干の隙間を空けて巻き掛けられている。さらに、円環状ストッパ(20)は、全てのピン(14)および全てのインターピース(15)の他端部を一体として、その部分にリンク(11)と若干の隙間を空けて巻き掛けられている。また、ピン(14)(もしくはインターピース(15))と円環状ストッパ(20)との間に摩擦力が生じるように、円環状ストッパ(20)の内径は、全てのピン(14)および全てのインターピース(15)から成る円環の外径よりもわずかに小さく形成されている。
円環状ストッパ(20)の上下方向の厚さは、チェーン外径側部分の上下方向の厚さ(前後挿通部(12)(13)の上縁とリンク(11)の上縁との距離)より若干薄い厚さで形成されている。円環状ストッパ(20)のチェーン幅方向の長さは、プーリ(2)(3)と干渉しないように、プーリ(2)(3)とリンク(11)との間の距離より短いものとされている。
ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡は、インボリュート曲線とされており、この実施形態では、ピン(14)の転がり接触面が、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート形状を有し、インターピース(15)の転がり接触面が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)がチェーン(1)の直線部分から曲線部分へまたは曲線部分から直線部分へと移行する際、前挿通部(12)においては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)に対してその転がり接触面がインターピース(15)の転がり接触面に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながらピン可動部(16)内を移動し、後挿通部(13)においては、インターピース(15)がインターピース可動部(19)内を固定状態のピン(14)に対してその転がり接触面がピン(14)の転がり接触面に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動する。
図3において、実線で示した位置にあるドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)を固定シーブ(2a)に対して接近・離隔させると、ドライブプーリ(2)における巻き掛け径は、同図に鎖線で示すように、接近時には大きく、離隔時には小さくなる。ドリブンプーリ(2)では、図示省略するが、その可動シーブ(2b)がドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)とは逆向きに移動し、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が大きくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が大きくなる。円環状ストッパ(20)は、全長が変化することなく、この動きに追随する。この結果、変速比が1:1である状態(初期状態)を基準にして、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最小でドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最大であるU/D状態が得られ、また、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最大で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最小のO/D状態が得られる。この変速比が変化する際、円環状ストッパ(20)は、ほとんど張力を受けることなく、ピン(14)およびインターピース(15)の両端部に維持されている。
従来の動力伝達チェーンのようにピン(14) (インターピース(15))がリンク(11)に圧入されている場合、リンク(11)形状の経時的な変化や外力による弾性変形の繰り返しにより、圧入が緩みリンク(11)がピン(14)(インターピース(15))から抜ける可能性があるが、この発明の動力伝達チェーンは、円環状ストッパ(20)がピン(14)およびインターピース(15)の両端部に設けられているので、リンク(11)の抜けを防止できる。また、ピン(14)およびインターピース(15)がリンク(20)に嵌め入れられて圧入されていないので、リンク(11)の前後挿通部(12)(13)に応力が生じずリンク(11)の破損を防止することができる。
上記の動力伝達チェーン(1)は、図8に示したCVTで使用されるが、この際、図3に示すように、インターピース(15)の端面が、プーリ軸(2e)を有するプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の各円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触しない状態で、ピン(14)(16)の端面がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触し、この接触による摩擦力により動力が伝達される。ピン(14)(16)とインターピース(15)とは、上述のように、各可動部(16)(19)に案内されて転がり接触移動するので、プーリ(2)のシーブ面(2c)(2d)に対してピン(14)はほとんど回転しないことになり、摩擦損失が抑制し、高い動力伝達率が確保される。
図5および図6に、この発明の第2実施形態を示している。以下の説明において、ピン(14)、インターピース(15)およびリンク(11)には、第1実施形態と同じ符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態において、円環状ストッパ(22)は、無端状の金属製とされ、複数のピン(14)および複数のインターピース(15)の両端部に巻き掛けられ、かつその上下方向の厚さは、チェーン外径側部分の上下方向の厚さ(前後挿通部(12)(13)の上縁とリンク(11)の上縁との距離)より若干薄い厚さで形成されている。
円環状ストッパ(22)は、外径の大きさを維持しつつ、円環状ストッパ(22)のチェーン幅方向外側が厚肉とされ、チェーン幅方向内側が薄肉とされることにより、その内径面がリンク(11)に向かって径が大きくなるテーパ状に形成されているものである。
図6に示すように、円環状ストッパ(22)は、リンク(11)との間に若干の隙間が設けられ、円環状ストッパ(22)が傾いたときにリンク(11)と接触するように設けられている。
円環状ストッパ(22)の内径の最小部分は、ピンの外径よりもわずかに小さく形成されている。これにより、円環状ストッパ(22)には、径方向内方に向かう力Fが作用し、円環状ストッパ(22)の内径面がテーパ面とされているので、円環状ストッパ(22)がチェーン幅方向内側に傾きリンク(11)と圧接するとともにリンク(11)のチェーン幅方向外側への移動を阻止する。
円環状ストッパ(22)のチェーン幅方向の長さは、プーリ(2)(3)と干渉しないように、プーリ(2)(3)とリンク(11)との間の距離より短く形成されている。
動力伝達チェーン(1)は、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)の隣り合うもの同士の間に摩擦力が生じてリンク(11)が摩耗することがあり、従来の動力伝達チェーンでは、この摩耗によりリンク(11)間に隙間が発生する可能性がある。しかし、円環状ストッパ(22)がチェーン幅方向内側に向かってリンク(11)を押しているので、リンク(11)間の隙間の増大を抑制することができる。また、円環状ストッパ(22)がピン(14)およびインターピース(14)の両端部に設けられているので、リンク(11)の抜けが防止できる。さらに、ピン(14) およびインターピース(15)がリンク(20)に嵌め入れられて圧入されていないので、リンク(11)の前後挿通部(12)(13)に応力が生じずリンク(11)の破損を防止することができる。
図7に、この発明の第3実施形態を示している。以下の説明において、ピン(14)、インターピース(14)およびリンク(11)には第1実施形態と同じ符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態において、円環状ストッパ(23)は、無端状の金属製とされ、複数のピン(14)および複数のインターピース(15)の両端部にリンク(11)と若干の隙間を空けて巻き掛けられ、かつピン(14)(もしくはインターピース(15))と円環状ストッパ(23)との間に摩擦力が生じるように、円環状ストッパ(23)の内径がピン(14)(もしくはインターピース(15))の外径よりもわずかに小さく形成されている。円環状ストッパ(23)の上下方向の厚さは、チェーン外径側部分の上下方向の長さ(前後挿通部(12)(13)の上縁とリンク(11)の上縁との距離)より若干短い長さで形成されている。
円環状ストッパ(23)のチェーン幅方向の長さは、チェーン幅方向最外側のリンク(11)からプーリ(2)(3)のシーブ面(2c)(2d)までの距離よりもわずかに短い長さとされ、かつ円環状ストッパ(23)の端部(23a)からシーブ面(2c)(2d)までの最短距離が0.01〜1mmの長さで形成されている。
チェーン(1)を潤滑するための潤滑油は、チェーン(1)の遠心力によって径方向外側に飛散しやすいものとなっており、ピン(14)の端部の潤滑油が飛散すると、ピン(14)とプーリ(2)(3)との間の摩擦力によりピン(14)端面が摩耗するおそれがある。そこで、図7に示すように、円環状ストッパ(23)が設けられていると、円環状ストッパ(23)の端部(23a)とプーリ(2)(3)のシーブ面(2c)(2d)との間が0.01〜1mmに形成され、隙間がごく僅かなものとされているので、遠心力による潤滑油の飛散を防止でき、潤滑油がピン(14)とシーブ面(2c)(2d)との間に維持され、ピン(14)端面の摩耗が防止される。また、円環状ストッパ(23)が、ピン(14)およびインターピース(15)の両端部に設けられているので、リンク(11)の抜けを防止できる。さらに、ピン(14) およびインターピース(15)がリンク(11)に嵌め入れられて圧入されていないので、リンク(11)の前後挿通部(12)(13)に応力が生じずリンク(11)の破損を防止することができる。
上記の円環状ストッパ(20)(22)(23)は、第1ピンおよび第2ピンの長さがほぼ等しく、両方ともがシーブ面(2c)(2d)に接触するチェーンにも適用することができ、さらに、第1ピンおよび第2ピンのいずれか一方が前後挿通部(12)(13)に対し圧入されているチェーンにも適用可能である。
(1) 動力伝達チェーン
(2)(3) プーリ
(2a)(3b) 固定シーブ
(2b)(3a) 可動シーブ
(2c)(2d) 円錐状シーブ面
(12) 前挿通部
(13) 後挿通部
(14) ピン(第1ピン)
(15) インターピース(第2ピン)
(20)(22)(23) 円環状ストッパ

Claims (4)

  1. ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、無段変速機のプーリ間に掛け渡されて、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方の両端面がプーリのシーブ面に接触して摩擦力により動力が伝達される動力伝達チェーンにおいて、
    複数の第1ピンおよび複数の第2ピンの両端部に、リンクのピン軸方向外側への移動を阻止する円環状ストッパが巻き掛けられていることを特徴とする動力伝達チェーン。
  2. 前記円環状ストッパの内径面が、ピン軸方向内側に向かって径が大きくなるテーパ状とされていることを特徴とする請求項1の動力伝達チェーン。
  3. 前記円環状ストッパからプーリのシーブ面までの最短距離が、0.01〜1mmとされていることを特徴とする請求項1または2の動力伝達チェーン。
  4. 円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備え、動力伝達チェーンが請求項1から3のいずれかに記載の動力伝達装置。
JP2009219434A 2009-09-24 2009-09-24 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 Withdrawn JP2011069414A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106402274A (zh) * 2016-08-11 2017-02-15 杭州东华链条集团有限公司 一种用于cvt变速箱的静音链

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