JP2009115218A - 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ピンの上下縁部に生じる応力を低減させることができ、さらに、荷重付加時のモーメントによるピンの抜けが防止できる動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供する。
【解決手段】各ピン14,15の転がり接触する面14c,15cの反対面14d,15dとそのピン14,15の上縁部14e,15eとの間および各ピン14,15の転がり接触する面14c,15cの反対面14d,15dとそのピン14,15の下縁部14f,15fとの間に、ピン14,15の長さ方向に延びる突起部25,26,29,30が設けられ、これらの突起部25,26,29,30に嵌め合わされる抜け防止部27,28,31,32が第1ピン固定部17および第2ピン固定部18の内周面に設けられている。ピン14,15の突起部25,26,29,30のみに圧入代が設けられている。
【選択図】図2

Description

この発明は、動力伝達チェーン、さらに詳しくは、自動車等の車両の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェーンおよび動力伝達装置に関する。
自動車用無断変速機として、図4に示すように、円錐面状のシーブ面を有する固定シーブ(2a)および円錐面状のシーブ面を有する可動シーブ(2b)を有しエンジン側に設けられたドライブプーリ(2)と、固定シーブ (3b) および可動シーブ(3a)を有し駆動輪側に設けられたドリブンプーリ(3)と、両者間に架け渡された無端状動力伝達チェーン(1)とからなり、油圧アクチュエータによって可動シーブ(2b)(3a)を固定シーブ(2a)(3b)に対して接近・離隔させることにより、油圧でチェーン(1)をクランプして接触させ、この接触部の摩擦力によりトルクを伝達するものが知られている。
動力伝達チェーンとしては、特許文献1に、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、第1ピンは、一のリンクの前挿通部に設けられた第1ピン固定部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に設けられた第1ピン可動部に移動可能に嵌め入れられ、第2ピンは、一のリンクの前挿通部に設けられた第2ピン可動部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に設けられた第2ピン固定部に固定されているものが提案されている。
特開2006―2787号公報
上記特許文献1の動力伝達チェーンでは、ピンの上下縁部に圧入代を設けて、ピンの上下縁部とこれらに対応する各ピン固定部の上下縁部との間でピンの固定が行われていた。これにより、ピンの上下縁部とこれに対応する前後挿通部内縁の上下縁部との間の一部に高い応力が生じることがあり、これがチェーンの寿命低下の原因となるおそれがある。さらに、リンクに固定されたピンに荷重が加わった時、ピンにモーメントが発生し、そのピンがリンクから抜ける可能性がある。
この発明は、ピンの上下縁部に生じる応力を低減させることができ、さらに、荷重付加時のモーメントによるピンの抜けが防止できる動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供することにある。
この発明による動力伝達チェーンは、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、第1ピンは、一のリンクの前挿通部に設けられた第1ピン固定部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に設けられた第1ピン可動部に移動可能に嵌め入れられ、第2ピンは、一のリンクの前挿通部に設けられた第2ピン可動部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に設けられた第2ピン固定部に固定されている動力伝達チェーンにおいて、各ピンの転がり接触する面の反対面とそのピンの上縁部との間および各ピンの転がり接触する面の反対面とそのピンの下縁部との間に、ピンの長さ方向に延びる突起部が設けられ、これらの突起部に嵌め合わされる抜け防止部が第1ピン固定部および第2ピン固定部の内周面に設けられており、さらにピンの突起部のみに圧入代が設けられていることを特徴とするものである。
この明細書においては、チェーンの進行方向を前後方向といい、これに直交する方向を上下方向というものとする。
第1ピンおよび第2ピンの各ピンは、他方のピンに接触する面(以下、「転がり接触面」という)とこれの反対側の面(以下、「背面」という)とを有する。
突起部は、ピンの背面とピンの上下縁部との間に断面円弧の形状でそれぞれ設けられ、抜け防止部は、ピンの突起部が嵌め合わされるようにピンの背面に接触するリンクの面と各ピン固定部の上下縁部との間に断面円弧の凹部状で設けられる。
この発明の動力伝達チェーンにおいて、ピンの突起部を逃がすためのガイド部が第1ピン可動部および第2ピン可動部の上下縁部に設けられていることが好ましい。このようにすると、第1ピン可動部に嵌められた第1ピンおよび第2ピン可動部に嵌められた第2ピンは、突起部が挿通部の内縁に当たることなくスムーズに移動できる。
ガイド部は、突起部が動く範囲にわたって設けられ、突起部が挿通部の内縁と接触して各ピンの動きが妨げられない程度に若干大きく設けられる。
第1ピンおよび第2ピンは、例えば、いずれか一方の転がり接触面が平坦面とされ、他方の転がり接触面が相対的に転がり接触移動可能なように所要の曲面に形成される。また、第1ピンおよび第2ピンは、それぞれの転がり接触面が所要の曲面に形成されるようにしてもよい。いずれの場合でも、各ピンの転がり接触面形状がそれぞれ2種類(例えば相対的に曲率が大のものと相対的に曲率が小のもの)形成されることで、転がり接触移動の軌跡が相違するピンの組が2種類存在するようにしてもよい。第1ピンと第2ピンとの接触位置の軌跡は、例えば、インボリュート曲線とされる。
リンクは、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼製とされる。リンクの材質は、ばね鋼や炭素工具鋼に限られるものではなく、軸受鋼などの他の鋼でももちろんよい。リンクは、前後挿通部がそれぞれ独立の貫通孔(柱有りリンク)とされていてもよく、前後挿通部が1つの貫通孔(柱無しリンク)とされていてもよい。
この動力伝達チェーンでは、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリと接触して摩擦力により動力伝達する。いずれか一方のピンがプーリと接触するチェーンにおいては、第1ピンおよび第2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無断変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン(以下では、「第1ピン」または「ピン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン(インターピースまたはストリップと称されており、以下では、「第2ピン」または「インターピース」と称す)とされる。
前後挿通部にピン(インターピース)を固定する際は、例えば、機械的圧入による挿通部内縁とピン外周面との嵌合固定とされるが、これに代えて、焼き嵌めまたは冷やし嵌めによってもよい。1つの挿通部には、ピンとインターピースとがチェーンの長さ方向に対向するように嵌め合わせられ、このうちのいずれか一方がリンクの挿通部の周面に嵌合固定される。この嵌合固定の後、予張力付与工程において予張力が付与されることにより、リンクのピン固定部およびインターピース固定部に均等にかつ適正な残留圧縮応力が付与される。この圧入は、ピンおよびインターピースの突起部と前後挿通部の抜け防止部との間のみで行われている。ここで、ピンおよびインターピースの突起部の圧入代は5μm〜40μmとされる。
各挿通部におけるピンとインターピースとの間の境界部分には、固定されているピンおよびインターピースを保持する上下の凸円弧状保持部が設けられることがある。そして、従来の動力伝達チェーンでは、ピンおよびインターピースの上下縁部に圧入代が設けられ、ピンおよびインターピースが前後挿通部に圧入されると、上下の凸円弧状保持部と固定されるピンおよびインターピースの上下縁部との間に比較的高い応力が生じ、これがチェーン寿命低下の原因となるおそれがある。この発明では、ピンおよびインターピースの上下縁部に圧入代が設けられていないので、圧入によりリンクの凸円弧状保持部と固定されるピンおよびインターピースの上下縁部との間に生じる応力を低減することができる。さらに、ピン(インターピース)に荷重が加わりモーメントが発生しても挿通部からピン(インターピース)が抜けることを防止することができる。
上記の動力伝達チェーンは、いずれか一方のピン(インターピース)が他方のピン(ピン)よりも短くされ、長い方のピンの端面が無段変速機のプーリの円錐状シーブ面に接触し、この接触による摩擦力により動力を伝達するものであることが好ましい。各プーリは、円錐状のシーブ面を有する固定シーブと、固定シーブのシーブ面に対向する円錐状のシーブ面を有する可動シーブとからなり、両シーブのシーブ面間にチェーンを挟持し、可動シーブを油圧アクチュエータによって移動させることにより、無断変速機のシーブ面間距離にしたがってチェーンの巻き掛け半径が変化し、スムーズな動きで無段の変速を行うことができる。
なお、この明細書において、リンクの長さ方向の一端を前、同他端側を後としているが、この前後は便宜的なものであり、リンクの長さ方向が前後方向と常に一致することを意味するものではない。
この発明による動力伝達装置は、円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備え、動力伝達チェーンが上記に記載のものとされる。
この動力伝達装置は、自動車などの車両の無段変速機(CVT)としての使用に好適なものとなる。
この発明の動力伝達チェーンおよび動力伝達装置によると、各ピンの転がり接触する面の反対面とそのピンの上縁部との間および各ピンの転がり接触する面の反対面とそのピンの下縁部との間に、ピンの長さ方向に延びる突起部が設けられ、これらの突起部に嵌め合わされる抜け防止部が第1ピン固定部および第2ピン固定部の内周面に設けられており、さらにピンの突起部のみに圧入代が設けられているので、ピンの上下縁部に生じる応力を低減することができ、さらに、ピンに荷重が付加した時のモーメントによるピンの抜けが防止できる。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、図2の右を前、左を後というものとする。
図1は、この発明の動力伝達チェーン(1)の一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、ピン(14)(15)が挿通される前後挿通部(12)(13)を有する複数のリンク(11)と、一のリンク(11)の前挿通部(12)と他のリンク(11)の後挿通部(13)とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク(11)同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピン(ピン)(14)および複数の第2ピン(インターピース)(15)とを備え、第1ピン(14)と第2ピン(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士の長さ方向の屈曲が可能とされている。インターピース(15)は、ピン(14)よりも短くなされ、両者(14)(15)は、ピン(14)が後側に、インターピース(15)が前側に配置された状態で対向させられている。
チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリンク(11)で構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されている。この実施形態では、リンク(11)枚数が9枚のリンク列とリンク(11)枚数が8枚のリンク列2つとが1つのリンクユニットとしてされている。
図2に示すように、リンク(11)の前挿通部(12)は、ピン(二点鎖線で示す)(14)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(16)およびインターピース(15)(実線で示す)が固定されるインターピース固定部(17)からなり、後挿通部(13)は、ピン(実線で示す)(14)が固定されるピン固定部(18)およびインターピース(15)(二点鎖線で示す)が移動可能に嵌め合わせられるインターピース可動部(19)からなる。ピン可動部(16)およびインターピース可動部(19)に、ピン(14)およびインターピース(15)の移動をスムーズにするガイド部(21)(22)(23)(24)が設けられている。
リンク(11)のインターピース固定部(17)とピン可動部(16)との境界部分には、ピン可動部(16)の上下の凹円弧状案内部(16a)(16b)にそれぞれ連なりインターピース固定部(17)に固定されているインターピース(15)を保持する上下の凸円弧状保持部(17a)(17b)が設けられている。同様に、ピン固定部(18)とインターピース可動部(19)との境界部分には、インターピース可動部(19)の上下の凹円弧状案内部(19a)(19b)にそれぞれ連なりピン固定部(18)に固定されているピン(14)を保持する上下の凸円弧状保持部(18a)(18b)が設けられている。
ピン(14)は、インターピース(15)に比べて前後方向の幅が広くなされており、インターピース(15)の上下縁部には、ピン(14)側に延びる上下突出縁部(15a)(15b)が設けられている。
ピン(14)の右上縁部には、ピン(14)もしくはインターピース(15)の移動により、インターピース(15)の上側の断面円弧状の突出縁部(15a)の少なくとも先端部(断面円弧状凸部)との衝突を避けるための断面円弧状凹部(14a)が設けられている。
ピン(14)の転がり接触面(14c)の反対面(背面)(14d)とピン(14)の上縁部(14e)との間(ピン(14)の左上縁部)には、ピン(14)の長さ方向に延びる凸円弧状の突起部(25)が形成されており、ピン(14)の転がり接触面(14c)の反対面(背面)(14d)とピン(14)の下縁部(14f)との間(ピン(14)の左下縁部)には、ピン(14)の長さ方向に延びる凸円弧状の突起部(26)が形成されている。そして、後挿通部(13)の内周面には、ピン(14)の突起部(25)(26)が嵌め合わされる凹円弧状の抜け防止部(27)(28)が形成されている。
同様に、インターピース(15)の背面(15d)とインターピース(15)の上縁部(15e)との間(インターピース(15)の右上縁部)には、インターピース(15)の長さ方向に延びる凸円弧状の突起部(29)が形成されており、インターピース(15)の背面(15d)とインターピース(15)の下縁部(15f)との間(インターピース(15)の右下縁部)には、インターピース(15)の長さ方向に延びる凸円弧状の突起部(30)が形成されている。そして、前挿通部(12)の内周面には、インターピース(15)の突起部(29)(30)が嵌め合わされる凹円弧状の抜け防止部(31)(32)が形成されている。
この動力伝達チェーン(1)は、必要な数のピン(14)およびインターピース(15)を台上に垂直状に保持した後、リンク(11)を1つずつあるいは数枚まとめて圧入していくことにより製造される。この圧入は、ピン(14)およびインターピース(15)の突起部(25)(26)(29)(30)と前後挿通部(12)(13)の抜け防止部(27)(28)(31)(32)との間のみで行われており、この圧入代は5μm〜40μmとされている。このように、ピン(14)およびインターピース(15)の固定は、例えば、機械的圧入により嵌合固定されるが、これに変えて、焼き嵌めまたは冷やし嵌めによってもよい。嵌合固定の後、予張力付与工程において予張力が付与されることにより、リンク(11)のピン固定部(18)に均等にかつ適正な残留圧縮応力が付与される。
チェーン幅方向に並ぶリンク(11)を連結するに際しては、一のリンク(11)の前挿通部(12)と他のリンク(11)の後挿通部(13)とが対応するようにリンク(11)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に固定されかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に移動可能に嵌め合わされかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡は、インボリュート曲線とされており、この実施形態では、ピン(14)の転がり接触面(14c)が断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート形状を有し、インターピース(15)の転がり接触面(15c)が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)がチェーン(1)の直線部分から円弧部分へまたは円弧部分から直線部分へと移行する際、前挿通部(12)においては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)に対してその転がり接触面(14c)がインターピース(15)の転がり接触面(15c)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながらピン可動部(16)内を移動し、後挿通部(13)においては、インターピース(15)がインターピース可動部(19)内を固定状態のピン(14)に対してその転がり接触面(15c)がピン(14)の転がり接触面(14c)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動する。なお、図2において、符号AおよびBで示す箇所は、チェーン(1)の直線部分においてピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)であり、AB間の距離がピッチである。
従来の動力伝達チェーンにおけるピンおよびインターピースの固定は、これらの上下縁部に圧入代を設けて、ピンおよびインターピースの上下縁部とこれらに対応する前後挿通部内縁の上下縁部との間で行われていた。これにより、ピンおよびインターピースの上下縁部と前後挿通部における上下の凸円弧状保持部との間に高い応力が生じることがあった。しかし、この発明のように、高い応力が生じていたピン(14)およびインターピース(15)の上下縁部(14e)(14f)(15e)(15f)に圧入代を設けず、ピン(14)およびインターピース(15)に設けられた突起部(25)(26)(29)(30)のみに圧入代を設けて、ピン(14)およびインターピース(15)の突起部(25)(26)(29)(30)とこれに対応する前後挿通部(12)(13)の抜け防止部(27)(28)(31)(32)との間で圧入固定がなされていると、ピン(14)およびインターピース(15)の上下縁部(14e)(14f)(15e)(15f)と前後挿通部における上下の凸円弧状保持部(17a)(17b)(18a)(18b)との間に生じる応力を低減することができる。さらに、突起部(25)(26)(29)(30)が抜け防止部(27)(28)(31)(32)に圧入されているので、ピン(14)およびインターピース(15)に荷重が加わり、リンク(11)に固定された実線で示すピン(14)およびインターピース(15)に、矢印で示すような時計回りあるいは反時計回りのモーメントが発生してもピン(14)およびインターピース(15)の抜けを防止することができる。
また、ピン可動部(16)に嵌められたピン(14)およびインターピース可動部(19)に嵌められたインターピース(15)は、ガイド部(21)(22)(23)(24)の存在により突起部(25)(26)(29)(30)が各挿通部(12)(13)の内縁に当たることなくスムーズに移動できる。
上記の動力伝達チェーン(1)では、ピン(14)の上下移動の繰り返しにより、多角形振動が生じ、これが騒音の要因となるが、ピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動しかつピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡が円のインボリュートとされていることにより、ピン(14)およびインターピース(15)の接触面(14c)(15c)がともに円弧面である場合などと比べて、振動を小さくすることができ、騒音を低減することができる。
上記の動力伝達チェーン(1)は、図4に示したCVTで使用されるが、この際、図3に示すように、インターピース(15)の端面がプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の各円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触しない状態で、ピン(14)の端面がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触し、この接触による摩擦力により動力が伝達される。ピン(14)とインターピース(15)とは、上述のように、各可動部(16)(19)に案内されて転がり接触移動するので、プーリ(2)のシーブ面(2c)(2d)に対してピン(14)はほとんど回転しないことになり、摩擦損失が低減し、高い動力伝達率が確保される。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの1実施形態の一部を示す平面図である。 図2は、ピンが圧入されたリンクの拡大側面図である。 図3は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。 図4は、無段変速機を示す斜視図である。
符号の説明
(1) 動力伝達チェーン
(2)(3) プーリ
(2a)(3b) 固定シーブ
(2b)(3a) 可動シーブ
(2c)(2d) 円錐状シーブ面
(11) リンク
(12) 前挿通部
(13) 後挿通部
(14) ピン(第1ピン)
(15) インターピース(第2ピン)
(16) ピン可動部
(17) インターピース固定部(ピン固定部)
(18) ピン固定部
(19) インターピース可動部(ピン可動部)
(14c)(15c) 転がり接触面
(14d)(15d) 転がり接触面の反対面(背面)
(14e)(15e) 上縁部
(14f)(15f) 下縁部
(25)(26)(29)(30) 突起部
(27)(28)(31)(32) 抜け防止部

Claims (3)

  1. ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、第1ピンは、一のリンクの前挿通部に設けられた第1ピン固定部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に設けられた第1ピン可動部に移動可能に嵌め入れられ、第2ピンは、一のリンクの前挿通部に設けられた第2ピン可動部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に設けられた第2ピン固定部に固定されている動力伝達チェーンにおいて、
    各ピンの転がり接触する面の反対面とそのピンの上縁部との間および各ピンの転がり接触する面の反対面とそのピンの下縁部との間に、ピンの長さ方向に延びる突起部が設けられ、これらの突起部に嵌め合わされる抜け防止部が第1ピン固定部および第2ピン固定部の内周面に設けられており、さらにピンの突起部のみに圧入代が設けられていることを特徴とする動力伝達チェーン。
  2. ピンの突起部を逃がすためのガイド部が第1ピン可動部および第2ピン可動部の上下縁部に設けられていることを特徴とする請求項1の動力伝達チェーン。
  3. 円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備え、動力伝達チェーンが請求項1または2の動力伝達装置。
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