JP2014009589A - 機械のカウンタウェイトとして組み込まれるエネルギー貯蔵装置 - Google Patents

Abstract

【課題】機械のカウンタウェイトとして組み込まれるエネルギー貯蔵装置を提供する。
【解決手段】機械は、フレームと、少なくとも１つの作業具と、作業具とフレームに可動的に連結される連結アセンブリと、を含む。この機械はまた、エネルギー貯蔵システムを含むエネルギー回収システムを有する。エネルギー貯蔵システムは、油圧アキュムレータ、バッテリ、はずみ車、ウルトラキャパシタ、燃料電池、補助動力装置のうちの少なくとも１つを含む。エネルギー貯蔵システムの少なくとも一部は、作業具に対するカウンタウェイトとして設置される。
【選択図】図１

Description

本発明は一般に、エネルギー回収のためのハイブリッド装置を含む機械に関し、より詳しくは、機械のためのハイブリッド装置のエネルギー貯蔵要素に関する。

機械をより効率化し、燃料消費量を低減化するために、ハイブリッドパワートレインシステムの形態のエネルギー回収システムがますます一般的になっている。ハイブリッドパワートレインシステムは、本来であれば動作中に失われるエネルギーを回収またはリサイクルして、位置エネルギーを後で使用するために貯蔵する。しかしながら、このようなハイブリッドパワートレインシステムのエネルギー貯蔵システムにより、機械の重量が大幅に増大し、機械内部に比較的大きな空間が必要となる。さらに、かさ高いエネルギーシステムを含めることによって、機械の重力中心が大きく変化することがある。その結果、このようなハイブリッドパワートレインシステムを機械に利用した場合、それを機械の設計の中に組み込もうとする際にパッケージングの問題がしばしば発生する。

ハイブリッドパワートレインシステムは、取り付けられた作業具の運動または機械の駆動のいずれかまたは両方のために油圧系を含んでいることの多いオフハイウェイ機械用として特に魅力的でありうる。機械はしばしば、たとえば作業具の高い位置からの解放または機械の運動の停止に伴うエネルギーを回収またはリサイクルするためのエネルギー回収システムを含む。このようなハイブリッドパワートレインシステムのためのエネルギー貯蔵システムをオフハイウェイ機械に組み込むことは、重量分布が動作だけでなく機械の各種の構成要素の摩耗にも影響を与えうるため、特に問題となりうる。この問題を克服するために、製造業者はしばしば、エネルギー貯蔵システムの構成要素を機械の重力中心またはその付近に設置することによって重量分布への影響を抑えようとする。しかしながら、機械の重力中心またはその付近にエネルギー貯蔵システムを位置付けた場合、機械のボンネットの下の、一般的に貴重と考えられる空間が占拠されることがあり、望ましくないことに、機械の少なくとも一部分の大きさが増大する可能性がある。

本発明は、一態様において、フレームと、少なくとも１つの作業具と、作業具とフレームに可動的に連結される連結アセンブリと、を有する機械を開示する。この機械はまた、エネルギー貯蔵システムを含むエネルギー回収システムを含む。エネルギー貯蔵システムは、油圧アキュムレータ、バッテリ、はずみ車、ウルトラキャパシタ、燃料電池、補助動力装置のうちの少なくとも１つを含む。エネルギー貯蔵ステムの少なくとも一部は、作業具に対するカウンタウェイトとして設置される。

本開示は、別の態様において、複数のモーチベータ上に支持されるフレームと、フレームに連結アセンブリによって可動的に連結される少なくとも１つの作業具と、を有する可動機械を記載する。この機械はまた、位置エネルギーを回収し、貯蔵するようになされたエネルギー回収システムを含む。エネルギー回収システムは、油圧アキュムレータ、バッテリ、はずみ車、ウルトラキャパシタ、燃料電池、補助動力装置のうちの少なくとも１つを有するエネルギー貯蔵システムを含む。エネルギー貯蔵システムの少なくとも一部は、作業具に対するカウンタウェイトとして設置される。

本開示は、また別の態様において、フレームを有し、実質的にそのフレームの第一の端に少なくとも１つの作業具が連結アセンブリによって連結されている、機械を記載する。この機械はまた、エネルギー貯蔵システムを有するエネルギー回収システムを含む。エネルギー貯蔵システムは、重力中心を有し、油圧アキュムレータ、バッテリ、はずみ車、ウルトラキャパシタ、燃料電池、補助動力装置のうちの少なくとも１つを含む。エネルギー貯蔵システムはフレームに沿って設置され、その重力中心は機械の重力中心と一致せず、エネルギー貯蔵システムの少なくとも一部は、作業具に対するカウンタウェイトとして、実質的にフレームの第二の端に沿って設置される。

本発明の態様による機械の概略側面図であり、一部分が切り欠かれている。 本発明の一態様による代替的な機械の概略側面図である。

本発明は、図１に示される接続部１０４を含む掘削機１０２などの、機械１００のカウンタウェイト装置に関する。図の掘削機１０２は、複数のモーチベータ１１０を含む下部走行体１０８上に旋回可能に支持されるフレーム１０６を含む。図の実施形態において、モーチベータ１１０は、下部走行体１０８の両側に沿って回転可能に取り付けられた１対の無限軌道１１２を含む。代替的実施形態は、たとえば車輪（図示せず）を含んでいてもよい。

図の実施形態において、接続部１０４は、作業具１１６、ここではバケット１１８をフレーム１０６に連結する連結手段１１４を含む。図の掘削機１０２の構成では、連結手段１１４は、フレーム１０６に旋回可能に支持されるブーム１２０と、ブーム１２０に枢動可能に連結されるスティック１２２と、を含み、作業具１１６がスティック１２２に旋回可能に連結されている。作業具１１６はバケット１１８として描かれているが、作業具１１６はあるいは、たとえばコンパクタ、グラップル、マルチプロセッサ、サム、レーキ、リッパ、またはせん断具であってもよい。

ブーム１２０、スティック１２２、作業具１１６の運動は、複数のアクチュエータ１２６、１２８、１３０によって制御される。ブーム１２０は、一方の端１３２でフレーム１０６に枢動可能に連結される。フレーム１０６に関するブーム１２０の運動を制御するために、１対のアクチュエータ１２６が設けられており、図１にはその一方のみが示されている。アクチュエータ１２６は、ブーム１２０の両側に設置され、一方の端でフレーム１０６に、もう一方の端でブーム１２０に連結されている。スティック１２２は、旋回接続部１３４においてブーム１２０に旋回可能に連結され、ブーム１２０に関するスティック１２２の運動はアクチュエータ１２８によって制御される。作業具１１６は、旋回接続部１３６においてスティック１２２に旋回可能に連結され、スティック１２２に関する作業具１１６の運動はアクチュエータ１３０によって制御される。

フレーム１０６上に支持されるその他の構造と構成要素には、たとえばオペレータ（図示せず）を運搬するキャブ１３８、エンジン１４０、油圧系１４２の構成要素、エネルギー回収システム１４４の構成要素等が含まれうる。エンジン１４０は任意の適当な種類であってもよい。たとえば、エンジン１４０は、内燃機関またはその他、当業者にとって現在公知の、または将来公知となるいずれの種類の動力源であってもよい。

油圧系１４２は、機械１００の動作、たとえば下部走行体１０８対するフレーム１０６の旋回、または機械１００を推進するためのモーチベータ１１０の運動、およびアクチュエータ１２６、１２８、１３０の動作、したがってブーム１２０、スティック１２２、作業具１１６、作業具１１６によって運ばれるか、その中に含まれる追加負荷の運動を制御してもよい。本発明の目的上、用語「負荷」１４６は、作業具１１６、作業具１１６によって運ばれるか、その中に含まれる任意の追加負荷と、フレーム１０６から延び、作業具をフレーム１０６に連結する任意の連結手段１１４を指すために使用されている。図の実施形態において、たとえば、負荷１４６は、ブーム１２０、スティック１２２、作業具１１６、アクチュエータ１２６、１２８、１３０のほか、作業具１１６の中で運ばれる土砂等の任意の追加負荷を含む。別の応用、たとえばアクチュエータが直接作業具を動かす場合、負荷はアクチュエータ、作業具および任意の追加負荷であってもよい。

エネルギー回収システム１４４は、通常は機械１００の動作の中で失われる位置エネルギーを回収、貯蔵、再使用するようになされたハイブリッドパワートレインシステム１４８含んでいてもよい。たとえば、機械１００の動作中、作業具１１６は、高い位置まで上昇されていてもよい。作業具１１６は比較的重いことがありうるため、作業具１１６は高い位置まで上昇されると位置エネルギーを得ることができる。エネルギー回収システム１４４は、作業具１１６を高い位置から解放することに伴うエネルギーを回収し、リサイクルしてもよい。別の例として、図１に示される掘削機１０２のなどの機械１００において、フレーム１０６が下部走行体１０８に対して回転されると、フレーム１０６は位置エネルギーを得ることができる。回転がそれ以上必要でなくなると、エネルギー回収システム１４４は同様に、下部走行体１０８に対するフレーム１０６の旋回を停止することに伴うエネルギーを回収しうる。ハイブリッドパワートレインシステム１４８はこのエネルギーを回収し、後の使用のためにエネルギー貯蔵システム１５０に貯蔵する。ハイブリッドパワートレインシステム１４８はその後、貯蔵されたこのエネルギーをリサイクルして、機械１００の動力とする。ハイブリッドパワートレインシステム１４８を含むエネルギー回収システム１４４の動作は公知であり、当業者により理解されるであろう。

エネルギー貯蔵システム１５０は、電気的、化学的、油圧または機械的形態のエネルギーを貯蔵する構成要素を含んでいてもよい。あくまでも例として、エネルギー貯蔵システム１５０は、１つまたは複数の構成要素、たとえばはずみ車、バッテリ、ウルトラキャパシタ、燃料電池、補助動力装置、および１つまたは複数のアキュムレータを含んでいてもよい。

本発明の一態様によれば、エネルギー貯蔵システム１５０の構成要素の少なくとも一部は、作業具１１６と連結手段１１４を含む負荷１４６のカウンタウェイトとして設置される。図１に示される掘削機１０２においては、フレーム１０６の重力中心は一般に下部走行体１０８に対するフレーム１０６の回転軸と一致して設置されることが分かる。図１と２に概略的に示されるように、エネルギー貯蔵システム１５０の少なくとも一部は、作業具１１６と連結手段１１４の負荷１４６に対するカウンウェイトとして機能するように設置される。この実施形態において、エネルギー貯蔵システム１５０の少なくとも一部は、フレーム１０６に対して、連結手段１１４と作業具１１６の接続部の概して反対に設置される。換言すれば、エネルギー貯蔵システム１５０の重力中心は、機械１００、より詳しくは図の掘削機１０２において、フレーム１０６およびフレーム１０６の上に支持されるすべての要素の重力中心と一致しないように設置される。その結果、エネルギー貯蔵システム１５０のカウンタウェイトが負荷１４６により生成されるものと反対のモーメントを生成し、連結手段１１４と作業具１１６からフレーム１０６に加えられるモーメントの少なくとも一部を打ち消す。図１に示されるように、機械１００が別のカウンタウェイト１５２を含んでいてもよいことがわかるであろう。

次に、図２を参照すると、ホイールローダ２０２の形態の別の例示的機械２００が示されている。ホイールローダ２０２は、複数の地面走行装置２０８またはモーチベータ２１０、ここでは複数の車輪２１２の上に支持される関着式フレーム２０６を含む。キャブまたは運転室２３８がフレーム２０６の上に支持されていてもよい。リフトアーム２２０は、一方の端でフレーム２０６に、もう一方の端で作業具２１６、ここではバケット２１８に旋回可能に連結される。

ホイールローダ２０２は本体２０７を含み、これはエンジン２４０と、トランスミッション２４１と、油圧系２４２と、ポンプ２４３と１つまたは複数のバルブ２４５を含むエネルギー回収システム２４４と、を含んでいてもよい。図１の実施形態と同様に、図２のホイールローダ２０２のエネルギー回収システム２４４は、エネルギー貯蔵システム２５０を含むハイブリッドパワートレインシステムを含んでいてもよい。エネルギー貯蔵システム２５０は、電気的、化学的、油圧または機械的形態のエネルギーを貯蔵する構成要素を含んでいてもよい。あくまでも例として、エネルギー貯蔵システム２５０は１つまたは複数の構成要素、たとえばはずみ車、バッテリ、ウルトラキャパシタ、燃料電池、補助動力装置、１つまたは複数のアキュムレータを含んでいてもよい。図の実施形態においては、たとえばエネルギー貯蔵システム２５０は、１つまたは複数のアキュムレータを含んでいてもよく、バルブ２４５はエネルギー回収システム２４４からアキュムレータへの流体の流れを制御してもよい。本開示によれば、エネルギー貯蔵システム２５０の少なくとも一部は、リフトアーム２２０と作業具２１６に対するカウンタウェイトとして設置される。図１の実施形態と同様に、機械２００は、別のカウンタウェイト２５２を含んでいてもよい。

本発明は、機械１００、２００から延びる負荷１４６、２２０、２１６を含む機械１００、２００に利用可能である。それゆえ、この装置は掘削機１０２とホイールローダ２０２に関して示されているが、本明細書で開示される装置は、他の多様な機械１００、２００にも広く利用可能である。用語「機械」は、負荷１４６、２２０、２１６とのバランスをとるためのカウンタウェイトを使用する必要のいずれの機械を指してもよく、たとえば、鉱業、建設業、農業、輸送業または当業界で公知のその他の産業に関連するある種の動作を行う機械を指してもよい。たとえば、機械１００、２００は土工機械、たとえばトラクタ、資材運搬機械、スキッドステアローダまたはその他であってもよい。さらに、１つまたは複数の作業具を機械１００、２００に接続してもよい。このような作業具は、各種の作業、たとえばブラッシング、圧縮、粉砕、揚上、積込、耕起、リッピング等に使用されてもよく、たとえば、オーガ、ブレード、ブレーカ／ハンマ、ブラシ、バケット、コンパクタ、カッタ、フォークリフト、グレーダビットとエンドビット、グラップル、グレーダ排土板、リッパ、スカリファイヤ、せん断具、スノープラウ、除雪板、その他を含んでいてもよい。

いくつかの実施形態において、必要とされる追加のカウンタウェイトを縮小することも完全に除去することもできるため、機械１００、２００の総重量を軽量化できる。同様に、このようなカウンタウェイトの縮小により、燃料が節約され、または追加のカウンタウェイトの統合、設置、保守に伴う費用が削減されうる。

上記の説明は開示されるシステムと技術の例を示しているのは明らかである。しかしながら、本発明の別の実施例は、詳細において上記の例と異なっていてもよいと考えられる。本発明またはその例の言及はすべて、その時点で論じられている特定の例を指しており、より一般的に本発明の範囲に関していずれの限定を設けることを示唆するものでもない。特定の特徴を区別、軽視する文言はすべて、これらの特徴に優先性がないことを示すことを意図したものであり、特に別段の記載がないかぎり、本発明の範囲からそれらを完全に排除するものではない。

本明細書における数値の範囲の記載は単に、本明細書中に特に別段の記載がないかぎり、当該範囲内に含まれる個別の数値を個々に列挙するための簡略的方法であり、個別の数値の各々は、それが本明細書において個々に列挙されているかのごとく本明細書に含められる。本明細書に記載されている方法はすべて、本明細書に特に別段の記載がないかぎり、または文脈上、明らかに異なる解釈が必要な場合を除き、任意の適当な順序で実行することができる。

したがって、本発明は、適用法の下で可能なかぎり、付属の特許請求の範囲に記載された主旨のすべての改良形態と均等物を含むものとする。さらに、考えうるそのすべての変形形態における上記の要素のいずれの組合せも、本明細書に特に別段の記載がないかぎり、または文脈上、明らかに異なる解釈が必要な場合を除き、本発明に包含される。

１００ 機械
１０２ 掘削機
１０４ 接続部
１０６ フレーム
１０８ 下部走行体
１１０ モーチベータ
１１２ 無限軌道
１１４ 連結手段
１１６ 作業具
１１８ バケット
１２０ ブーム
１２２ スティック
１２６ アクチュエータ
１２８ アクチュエータ
１３０ アクチュエータ
１３２ 端
１３４ 旋回接続部
１３６ 旋回接続部
１３８ キャブ
１４０ エンジン
１４２ 油圧系
１４４ エネルギー回収システム
１４６ 負荷
１４８ ハイブリッドパワートレインシステム
１５０ エネルギー貯蔵システム
１５２ カウンタウェイト
２００ 機械
２０２ ホイールローダ
２０６ フレーム
２０７ 本体
２０８ 地面走行装置
２１０ モーチベータ
２１２ 車輪
２１６ 作業具
２１８ バケット
２２０ リフトアーム
２３８ 運転室
２４０ エンジン
２４１ トランスミッション
２４２ 油圧系
２４３ ポンプ
２４４ エネルギー回収システム
２４５ バルブ
２５０ エネルギー貯蔵システム
２５２ カウンタウェイト

Claims (10)

1. フレームと、
   少なくとも１つの作業具と、
   作業具とフレームに可動的に連結される連結アセンブリと、
   エネルギー貯蔵システムを含むエネルギー回収システムと、を含み、エネルギー貯蔵システムは、油圧アキュムレータ、バッテリ、はずみ車、ウルトラキャパシタ、燃料電池、補助動力装置のうちの少なくとも１つを含み、
   エネルギー貯蔵システムの少なくとも一部は作業具に対するカウンタウェイトとして設置される機械。
2. エネルギー貯蔵システムの少なくとも一部は作業具および連結アセンブリの少なくとも一部に対するカウンタウェイトとして設置される、請求項１に記載の機械。
3. 連結アセンブリはブームとスティックを含む、請求項１または２に記載の機械。
4. エネルギー貯蔵システムの少なくとも一部は、機械の重力中心と一致しないように設置される、請求項１〜３のいずか１項に記載の機械。
5. 複数のモーチベータをさらに含む、請求項１〜４のいずれか１項に記載の機械。
6. モーチベータは、複数の車輪と、回転可能に取り付けられた１対の無限軌道のうちの少なくとも一方を含む、請求項５に記載の機械。
7. エネルギー回収システムは、作業具の運動から発生する位置エネルギーを回収し、貯蔵する、請求項１〜５のいずれか１項に記載の機械。
8. 下部走行体をさらに含み、フレームは下部走行体上に旋回可能に支持され、エネルギー貯蔵システムの重力中心は、機械の重力中心と一致しないように設置される、請求項１〜７のいずれか１項に記載の機械。
9. エネルギー回収システムは、下部走行体に対して旋回するフレームの運動から生じる位置エネルギーを回収し、貯蔵する、請求項８に記載の機械。
10. カウンタウェイトとして設置されたエネルギー貯蔵システムに追加して、カウンタウェイトを含む、請求項１〜９のいずれか１項に記載の機械。

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