JP2014009281A - 潤滑油の除水装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水分の混入(侵入)が激しい環境下での潤滑油の利用分野において、効率的、経済的な潤滑油の除水装置を提供する。
【解決手段】給油タンクから潤滑油を循環させる経路に精製綿の油水分離フィルターを内蔵した油水分離槽を介在させるとともに、前記油水分離槽に近接配置した重力式油水分離槽を併設し、多量の水分が潤滑油に混入したとき、これら槽間で効率的、経済的に除水を行なう。
【選択図】図1

Description

本発明は、潤滑油中に含まれる水分の除水装置に関する。
更に詳しくは、本発明は、多量の水分が潤滑油に混入される環境下で使用される潤滑油に適用され、適正な水分含有量とするための効率的、経済的な潤滑油の除水装置に関する。
本発明は、潤滑油の除水装置として、特に、水分の混入が激しい潤滑油の水分含有量を適正に維持することができる効率的、経済的な潤滑油の除水装置に関する。
以下、多量の水分が混入する環境下で使用される潤滑油の除水装置のケースとして、製鉄所の熱間圧延工程における圧延ロールや搬送ロールの軸受け用潤滑油の除水装置について、背景技術を説明する。
製鉄所の熱間圧延工程では、赤熱した鉄片を圧延するため、圧延ロールや搬送ロールに水を吹付けて冷却し、熱による破損を防止している。
吹付ける水に対して保護手段を備えているにもかかわらず、吹付け水はこれらロールの軸受けに侵入し、軸受けの潤滑油中に混入する。このため、潤滑油中の水分量が多くなると軸受け装置が損傷する。
従来、潤滑油中に混入した多量の水を除く手段として、通常、遠心分離機が使用されているが、遠心分離機の高速運転、及び、汚染物(機器の損傷物や劣化物など)の自動排出機構、などのために専門家による定期的なメインテナンスを必要とする。
このため、メインテナンス費用が高くつくため、折角、遠心分離機を備えていながら、それを使用していないのが実情である。
潤滑油中の水分の許容含有量(管理目標値)は5,000ppmで管理しており、除水装置が機能していない場合、この含有量を超えたときは、更油等(新油への切り替えな
ど)が必要となる。なお、この更油作業は、タンク容量が大きいなどのことから、費用と手間ひまのかかるものであり、思うように進捗しないのが現状である。
本発明は、潤滑油の除水装置として、特に、水分の混入が激しい環境下で使用される潤滑油の水分含有量を適正に維持することができる効率的、経済的な潤滑油の除水装置を提供するものである。
以下、潤滑油に多量の水分が混入するケースとして、製鉄所の熱間圧延ロールや搬送ロールの軸受け用潤滑油を選び、そこで要求される課題や要求性能などについて説明する。
1.圧延ロールを冷却するために多量の水が使用されるため、その潤滑油への水の混入量は多量のものとなる。
例えば、圧延鋼の製造規模にもよるが、潤滑油への水の混入量は、多いケースにおいては、1,000リットル/日に達し、これが給油タンクに貯えられる。
なお、これに対応する給油タンクの規模は、およそ15,000〜35,000リットルであり、潤滑油は設備の潤滑系と給油タンクの間を循環する。
このようなケースの場合、給油タンクから除水装置に送られる潤滑油は、水だけの場合もあり、この様な多量の水を効果的に可能な限り除水して系外へ排出しなければならない。
2.また、給油タンクから除水装置に送られる循環油が除水処理された後、除水が不十分で水分含有量の高い状態で戻り油として給油タンクに戻される場合、これが潤滑系に給油されると、水分は潤滑系でエマルジョン化し除去しにくくなるため、出来る限りエマルジョン化した水分も効率よく除去しなければならない。
3.更にまた、除水装置において分離排出される水分は、工場の排水処理装置などで処理されて工場外へ排出される。除水装置から分離排出される水に含まれる油分が多くなると排水処理装置の油分分離装置や活性汚泥浄化装置の負荷が大きくなり、処理可能な排水の量が減少する。このため、出来る限り油分の少ない状態で排出することが要求されていて、水検知器(1A)の誤動作のため排水中に油分が混入することは可能な限り避けなければならない。
本発明者は、前記した諸課題を効率よく、かつ、経済的に解決する手段方法について鋭意検討を加えた。
その結果、給油タンクから(高濃度の水分を含有する)潤滑油を循環させながら潤滑油中に含まれる水分を除去する潤滑油の水分除去装置において、前記水分除去装置を、
・給油タンクからの潤滑油の循環経路に介在され、その内部に精製綿製の油水分離エレメントを有する油水分離槽、
・前記油水分離槽に隣接して配管接続され、前記油水分離槽から多量の水分を含有する含水潤滑油を受け入れる重力式油水分離槽、及び、
・前記重力式油水分離槽において水分と油分が分離されるが、分離された油分を検知する油検知器により前記油水分離槽の運転を停止する手段、
により構成するとき、前記諸課題が十全に解消され、効率的、経済的な潤滑油の除水装置が得られることを見出した。
本発明は、前記知見をベースにして創案されたものである。
本発明の技術的構成、技術的解決手段を概説すれば、本発明は、潤滑油の給油タンクから循環ポンプにより潤滑油を循環させながら潤滑油中に含まれる水分を除去するための潤滑油の除水装置において、前記潤滑油の除水装置が、
・前記潤滑油の循環経路に介在される油水分離槽(1)、
・前記油水分離槽(1)に隣接して配管接続される重力式油水分離槽(2)、及び、
・前記油水分離槽(1)の運転停止手段、
とから構成され、かつ、
1−1.前記油水分離槽(1)は、給油タンクから送られてくる含水潤滑油を、精製綿の層に通過させることにより潤滑油中の水分を凝集、分離する精製綿製の油水分離エレメント(10)を有するとともに、
1−2.前記油水分離槽(1)内において、前記油水分離エレメント(10)から分離された水分による油水境界面の上昇を検知する水検知器(1A)を有するもので構成され、及び、
2−1.前記油水分離槽(1)に隣接して配管接続される重力式油水分離槽(2)は、前記水検出器(1A)の作動により油水分離槽(1)から重力式油水分離槽(2)へ移送される水分と油分を含む潤滑油を重力差により水分と油分に分離するために、隔壁(20)により重力式油水分離槽(2)の底部で連通した水分と油分の分離室を有するとともに、
2−2.前記重力差により分離された油分に基づいて、前記油水分離槽(1)から水分とともに油分が移送されていることを検知する油検知器(2A)を有するもので構成され、かつ、
3−1.前記油水分離槽(1)の運転停止手段は、前記重力式油水分離槽(2)の油検知器(2A)の作動に連動するものである、
ことを特徴とする潤滑油の除水装置に関するものである。
本発明の潤滑油の除水装置は、特に、多量の水分の混入が激しい環境下で使用される潤滑油の除水装置として、特段のメインテナンス要員が不要であり、効率的、経済的に除水を行うことが出来る。
従って、例えば、製鉄所の熱間圧延工程において水を吹付けて冷却しなければならない圧延ロールや搬送ロール用の軸受け潤滑油においては、必然的に多量の水分が混入するため、そのような環境下で使用される潤滑油の除水装置として、極めて有用である。
図1は、本発明の潤滑油の除水装置の全体構成を説明する全体フロー図である。 図2は、本発明の潤滑油の除水装置を構成する油水分離槽(1)に適用される油水分離エレメント(10)の概略断面図である。 図3は、本発明の潤滑油の除水装置を構成する重力式油水分離槽(2)の全体斜視図である。 図4は、本発明の潤滑油の除水装置を構成する重力式油水分離槽(2)の概略断面図である。
以下、本発明の技術的構成を図面を参照して詳しく説明する。
なお、本発明は図示のものに限定されるものではない。
また、図1には、給油タンク(T)から潤滑油が、圧延ロールなどの軸受け装置へ循環給油される態様は図示されていない。
図1に示されるように、油水分離槽(1)は、潤滑油の給油タンク(T)から循環ポンプ(P)により潤滑油を循環させる循環経路に介在されるものである。
なお、循環経路において、配管(L1)は給油管(給油パイプ)、配管(L2)は戻り油管(戻り油パイプ)を示す。
本発明において、潤滑油の給油タンク(T)から潤滑油を循環させる循環ポンプ(P)としては、
(1)粘度の高い潤滑油から、潤滑性の無い水まで問題なく移送できること、
(2)潤滑油と水の混合液を吸入しても、微細な水滴または油滴にまで砕いて混和しないこと、
などの観点から、スクリューポンプ(モーノポンプ)が推奨される。
なお、図1に示される循環経路に介在されるプレフィルター(F)は、潤滑油中の大きな汚染物質(例えば、100μm以上の摩耗粒子など)を除去し、油水分離槽(1)の油水分離エレメント(10)の目詰まりによる性能低下を防ぐためのものである。
循環移送された含水潤滑油は油水分離槽(1)内に導かれ、ここで水と親和力の強い精製綿シートを巻回して製作した油水分離エレメント(10)の層へ図示の態様で通過させる。
水分(水滴)を含んだ潤滑油が油水分離エレメント(10)を通過するとき、図2に示されるように水分(水滴)は油水分離エレメント(10)の精製綿層に吸着され、油から分離する。
前記した精製綿を使用した油水分離エレメント(10)としては、例えば、カクイ社製の脱脂綿、No.522100500を外径35mmの巻き心に巻回し、綿糸で固定し、蛇腹状の金網で周囲を覆い、これをパンチングプレート製の保護筒の中に収納したものを使用すればよい。
油水分離エレメント(10)内に吸着された水が多くなると、重力の作用で分離水は、図2に示される態様で精製綿の層(11)を伝わり、図1に示される態様で油水分離槽(1)の下方へ沈降し、分離された水(18)の層を形成する。そして、分離された水(18)は経時的に貯まりつづけ、油水分離槽(1)内で油水境界面が上昇すると、油水分離槽(1)内に配設した水検知器(1A)は、油水境界面が上昇したことを検知する。
前記のようにして水検知器(1A)が油水境界面の上昇を検知すると、これに連動させて油水分離槽(1)の底部と前記油水分離槽(1)に連接して配管接続された重力式油水分離槽(2)とを連結する配管に取り付けられた電磁弁(S1)を作動させ、油水分離槽(1)の底部に貯まった水や水分含有量の高い潤滑油を重力式油水分離槽(2)へ移送させる。
これにより油水分離槽(1)から給油タンク(T)へ循環される戻り油中への異常な水分混入を適切に防止することができると共に排水中への異常な油分混入を防止することができる。
前記水検知器(1A)の本体は、通常、PTFEやPPで絶縁された電極で構成されていて、電極間にある液体の導電率もしくは誘電率の違いを検出して、2液の境界を検出する。水は油に比べて導電率、誘電率ともに大きいので、この方法により効果的に2液の境界を検出することができる。
しかしながら、この種の水検知器(1A)の取り扱い上の問題点は、絶縁材であるPTFEやPPで絶縁された電極の表面が長期間の使用により汚れると誤動作を起こしてしまうことである。例えば、絶縁材の表面に導電率もしくは誘電率の高い物質が多量に付着すると、水検知器(1A)は油側にあっても、水側にあるのと同様の出力を出してしまう欠点がある。このような場合、前記したことから明らかなように、油水分離槽(1)から重力式油水分離槽(2)へ油含有量の高い水分が移送され、結果的に工場内などでの排水処理の負荷を高めてしまうことになる。
本発明は、前記した水検知器(1A)の誤動作防止を、後述する重力式油水分離(2)側の油検知器(2A)の働きにより確実、経済的に図ろうとするものである。
本発明において、油水分離槽(1)の分離された水(18)の重力式油水分離槽(2)への移送は、以下のようにして行えば良い。
1.例えば、水検出器(1A)が分離された水(18)の水位の上昇を検知したとき、電磁弁(S1)を設定時間(例えば、5秒)だけ開いて油水分離槽(1)の底に貯まった水を重力式油水分離槽(2)側へ移送する。
2.あるいは、水検知器(1A)を、上位検知器(1A1)と下位検知器(1A2)の2つで構成し、上位検知器(1A1)が水を検知したとき(当然、この場合、下位検知器(1A2)も水を検知している。)、電磁弁(S1)を開いて油水分離槽(1)の底に貯まった水を重力式油水分離槽(2)側へ移送させ、下位検知器(1A2)が水を検知しなくなったときに電磁弁(S1)を閉じて移送を停止すればよい。
本発明において、前記重力式油水分離槽(2)は、図3〜図4に示されるように、その内部に隔壁(20)を有するとともに、この隔壁(20)により底部が連結する2つの区分された部屋を有するもので構成される。
また、前記重力式油水分離槽(2)は、その底部に、前記油水分離槽(1)から移送されてくる水や水分含有量の高い潤滑油を取り入れるための油・水混合液(含水潤滑油)の入り口(21)を有するもので構成される。
前記底部で連結する2つの区分された部屋は、油水分離槽(1)から重力式油水分離槽(2)内へ移送される水や水分含有量の高い潤滑油(油・水混合液)を重力差により分離し、油水分離専用の部屋と水専用の部屋となるものである。
なお、入り口(21)から導入される油・水混合液(含水潤滑油)の油分が多い場合は、図4に示されるように、入り口(21)側の油水分離専用の部屋の上部は油の層(25)の占有率が増加し、水専用の部屋は水の層(24)とになる。
また、前記重力式油水分離槽(2)は、その上部には、図1と図4に示されているように、
・ 水の層(24)の表面から水を流出させるための高さの低い水出口(22)、及び、
・ 油の層(25)の表面から油を流出させるための高さの高い油出口(23)、
が配設されたもので構成される。
そして、前記それぞれの出口に対応して、その周囲に配管抵抗の影響を排除するためのポケット、即ち、水出口ポケット(221)と油出口ポケット(231)が配設される。
更に、前記重力式油水分離槽(2)の両ポケット、即ち、水出口ポケット(221)と油出口ポケット(231)には、それぞれのポケット内に流出、落下した水または油を排出するための水排出管(222)と油排出管(232)が配設される。
本発明において、重力式油水分離槽(2)内に貯まった水は、水排出管(222)を経由し、例えば工場の排水処理施設などで処理されて工場外へ排出される。
また、重力式油水分離槽(2)内に貯まった油は、油排出管(232)を経由して、所望の水分含有量とするために脱水処理をするか、あるいは、そのまま給油タンク(T)に戻され、潤滑系の潤滑油として給油されることになる。
更にまた、本発明において、前記重力式油水分離槽(2)の前記油出口ポケット(231)には、図4に示されるように、油の層(25)が油出口(23)から油出口ポケット(231)へ流出したとき、それを検知する油検知器(2A)が配設される。
この油検知器(2A)の作動、機能は、以下の通りである。
前記のようにして油水分離槽(1)から重力式油水分離槽(2)へ移送された油(水または水分含有量の高い潤滑油)は、隔壁(20)で区分された油室で浮上し、上部に設けられた油出口(23)から油出口ポケット(231)へ流れ出す。
そして、油出口ポケット(231)の油排出管(232)に近接して設けられた手動式ストップ弁(S2)が閉じられているため、油出口ポケット(231)の中の油位は高くなる。
油位が高くなると、油出口ポケット(231)に設置された油検知器(2A)の浮子(図示せず)が押し上げられ、油検知器(2A)の接点が接触し作動する。
本発明において、前記油検知器(2A)は、例えば、以下のように構成すればよい。
リードスイッチを収めた水密のステムと、比重が0.9の液内で浮上する磁石を有する浮子により、リードスイッチの接点が磁石の接近により閉じるように構成すればよい。
本発明において、油位の上昇により前記油検知器(2A)のリードスイッチの接点が閉じたとき、図示しない制御装置(制御システム)において、浮子が浮き上がったことを示すとともに、警報を発するようにすればよい。
前記したように油検知器(2A)において油を検知すると、図示しない制御装置(制御システム)のもとで油水分離槽(1)の循環ポンプ(P)の作動を停止させる。
本発明において、本来、油水分離槽(1)側の電磁弁(S1)の作動は、水検知器(1A)により作動されるものであるが、前記のように油検知器(2A)からの検知シグナルが入力されると、それ以後は潤滑油管理者(オペレーター)がリセットするまで、電磁弁(S1)は作動停止し(弁が閉じ)、除水装置は停止したままとなる。
また、油検知器(2A)の検知シグナルが図示しない制御装置(制御システム)へ入力されたとき、油水分離槽(1)側の循環ポンプ(P)は停止し、油水分離槽(1)を警報停止状態になる。
そして、オペレーターは、油水分離槽(1)が警報停止状態になったとき、油水分離槽(1)を点検し、その性能を復帰させるとともに、重力式油水分離槽(2)側の手動式ストップ弁(S2)を開・閉して油出口ポケット(231)に貯まった油を油排出管(232)により系外に排出し、空にする。
本発明の潤滑油の除水装置は、前記したように水検知器(1A)及び油水分離エレメント(10)を内蔵する油水分離槽(1)と、油検知器(2A)を内蔵する重力式油水分離槽(2)とを併設する点に最大の特徴がある。
両検知器(1A、2A)の機能は、水検知器(1A)は油水分離槽(1)の底に貯まった水(図1の参照符号18参照)を検知して電磁弁(S1)を開き、水(水または水分含有量の高い潤滑油)を重力式油水分離槽(2)側へ移送させる。
一方、油検知器(2A)は、重力式油水分離槽(2)に移送されて水から分離された油分を検知し、油水分離槽(1)の運転を停止させ、警報装置にて警報を発するようにする。
以上のことから、本発明において水検知器(1A)での水検知は非異常時での動作であり、油検知器(2A)での油検知は、油水分離槽(1)から移送されてくる水の中に油が混入していることを示す異常時の動作である、ということができる。
また、本発明において、油水分離槽(1)と重力式油水分離槽(2)を併設することの利点は次の通りである。
油水分離槽(1)に配設されている水検知器(1A)の性能の低下、誤動作は、油水分離槽(1)の(循環)運転時に正確、かつ簡便に判定することが困難であり、油水分離槽(1)からの排水中の油分濃度もしくは戻り油中の水分濃度でしか正確に判定することができない。
また、分離排水の中の油分が増えると、工場排水などの浄化システムに負荷を与えることとなる。
更に、水検知器(1A)の誤動作がひどい場合は、油水分離槽(1)の分離水排出口から水分を含まない潤滑油を排出してしまうこともあり得る。
このため、本発明においては、油水分離槽(1)からの分離排水を外部に放出する前に、重力式油水分離槽(2)に導き、ここで油分の分離とともに油水分離槽(1)の主要な構成要素である水検知器(1A)の性能の劣化や誤動作を知るようにしたものであり、メインテナンス(管理)フリーを実現しようとするものである。
以下、本発明を実施例により、さらに詳しく説明する。
なお、本発明は、実施例のものに限定されないことは言うまでもないことである。
1.油水分離装置(1)のみでの含水潤滑油の除水実験:
(1).図1に示される態様で、即ち、
・循環ポンプ(P)、
・プレフィルター(F)を内蔵するプレフィルター槽(PF)、及び、
・精製綿製の油水分離エレメント(10)、水検知器(1A)、排水用の電磁弁(S1)を内蔵する油水分離槽(1)、
を給油タンク(T)からの含水潤滑油の循環系に配設し、除水(油水分離)実験を行った。
なお、当初、含水潤滑油の給油タンク(T)に、油粘度680cSt、油量35,000リットル、初期の含水量56,000ppmの含水潤滑油を貯油した。
前記プレフィルター槽(PF)は内容量35リットルの槽に外径200mm、長さ500mmの150メッシュ金網製のプレフィルター(F)を装着したもので構成し、また、前記油水分離槽(1)は内容量約300リットルの槽に外径70mm,長さ450mmの油水分離エレメント(10)を36本使用して構成した。
(2).この循環系において、循環油量を300リットル/時として実験した。
1週間後の油水分離槽(1)の入り口の油の含水量は50、000ppm、戻り油の含水量は2,700ppm、分離水(図1の18参照)中の含油量は1,000ppm以下であった。
この循環系での油水分離効果は効果的であり、前記したように分離水に含まれる含由量を1,000ppm以下に維持することができる。
(3).しかしながら、4ヶ月を経過すると、分離排水(18)の量が多くなり、水検知器(1A)と電磁弁(S1)の作動により系外に排出される分離排水中の含油量は4,000ppmとなった。前記分離排水中の含油量が急激に増えたのは水検知器(1A)の劣化か誤動作によるものと判断した。
なお、この時点で、油水分離槽(1)の底に貯まった水及び水と油のエマルジョンを外部に排出し、水検知器(1A)の表面を清掃することにより、分離排水中の含油量を1,000ppm以下に低下させることができる。
前記したように、水検知器(1A)が誤動作していると、系外には含油量の多い排水が排出されるため、水検知器(1A)が誤動作していることを速やかに知り、対応をすることが重要である。
2.重力式油水分離槽(2)の併設下での含水潤滑油の除水実験:
(1).このため、油水分離槽(1)から移送される分離排水(18)を受け入れる重力式油水分離槽(2)を併設して除水(油水分離)実験を行った。
前記重力式油水分離槽(2)は、内径が約55リットルの角形の槽で構成した。
この重力式油水分離槽(2)は、図1に示されるように油検知器(2A)を備えており、油水分離槽(1)の電磁弁(S1)の作動により油水分離槽(1)から排出される水(18)に高濃度の油分が含まれている場合、重力式油水分離槽(2)で含まれている油を分離して油水分離槽(1)から排出される水に含まれる油分を除去するとともに、重力式油水分離槽(2)に設けられた油検知器(2A)がこれを検知し、油水分離槽(1)側の循環ポンプ(P)の停止を介して油水分離槽(1)の作動を停止させるとともに、図示しない警報装置(警報システム)において、油異常排出の警報を発するように構成されている。
(2).前記した態様での除水処理において、運転を始めてから約3.5カ月は、油水分離槽(1)から排出される水の油分含有量は1,000ppm以下を維持し、排水中に滴状の油分は見られなかった。
そして、約4.5カ月の処理で、警報装置の油異常排出ランプが点灯し、油水分離槽(1)側の循環ポンプ(P)が停止した。この時、油水分離槽(1)から排出される水の油分含有量は4,000ppm、重力式油水分離槽(2)から排出される排水中の油分含有量は1,000ppm以下であった。この時点で、水検知器(1A)の表面を清掃すると油水分離槽(1)から排出される水の油分含有量は1,000ppm以下となった。
このことは、油検知器(2A)の油検知信号により油の外部流出事故を未然に防止でき、現場の潤滑油管理者(オペレーター)による水検知器(1A)の清掃を促し、油水分離槽(1)の油水分離能を回復させるタイミングを容易に判断できること、即ち、潤滑管理が極めて正確、効率的、経済的に行なうことができることを意味する。
前記実施例1と同様にして、油粘度680cSt、油量20,000リットルの潤滑油の系において除水(油水分離)の実験を行った。
1週間後の油水分離槽(1)の入り口部位の含水量は2,700ppm、戻り油の含水量は310ppmであった。
その後、油検知器(2A)が4カ月経過後に作動し、循環ポンプ(P)の作動停止により、油水分離槽(1)は警報停止状態になった。このため、オペレーターは、水検知器(1A)の表面の清掃を適切に行い、これにより油水分離槽(1)から排出される水の油含有量を1,000ppm以下にすることができた。
前記実施例1と同様にして、油粘度320cSt、油量15,000リットルの潤滑油の系において除水(油水分離)の実験を行った。
1週間後の油水分離槽(1)の入り口部位の含水量は62,000ppm、戻り油の含水量は1,500ppmであった。
その後、油検知器(2A)が約5カ月経過後に作動し、循環ポンプ(P)の作動停止により、油水分離槽(1)は警報停止状態になった。このため、オペレーターは、水検知器(1A)の表面の清掃を適切に行い、これにより油水分離槽(1)から排出される水の油含有量を1,000ppm以下にすることができた。
1 ・・・・油水分離槽
10 ・・・・油水分離エレメント
11 ・・・・精製綿の層
12 ・・・・巻芯
13 ・・・・保護カバー
14 ・・・・エレメント押へ金具
15 ・・・・センターポスト
16 ・・・・油・水の混合液(含水潤滑油)
17 ・・・・油の流れ
18 ・・・・分離された水
2 ・・・・重力式油水分離槽
20 ・・・・隔壁
21 ・・・・油・水混合液の入り口
22 ・・・・水出口
221 ・・・・水出口ポケット
222 ・・・・水排出管
23 ・・・・油出口
231 ・・・・油出口ポケット
232 ・・・・油排出管
24 ・・・・水の層
25 ・・・・油の層
26 ・・・・油・水の境界
1A ・・・・水検知器
2A ・・・・油検知器
S1 ・・・・電磁弁
S2 ・・・・手動式ストップ弁
PF ・・・・プレフィルター槽
F ・・・・プレフィルター
T ・・・・(潤滑油の)給油タンク
P ・・・・含水潤滑油の循環ポンプ
L1,L2 ・・・・給油タンクと油水分離槽を結ぶ配管

Claims (6)

  1. 潤滑油の給油タンクから循環ポンプにより潤滑油を循環させながら潤滑油中に含まれる水分を除去するための潤滑油の除水装置において、前記潤滑油の除水装置が、
    ・前記潤滑油の循環経路に介在される油水分離槽(1)、
    ・前記油水分離槽(1)に隣接して配管接続される重力式油水分離槽(2)、及び、
    ・前記油水分離槽(1)の運転停止手段、
    とから構成され、かつ、
    1−1.前記油水分離槽(1)は、給油タンクから送られてくる含水潤滑油を、精製綿の層に通過させることにより潤滑油中の水分を凝集、分離する精製綿製の油水分離エレメント(10)を有するとともに、
    1−2.前記油水分離槽(1)内において、前記水分離エレメント(10)から分離された水分による油水境界面の上昇を検知する水検知器(1A)を有するもので構成され、及び、
    2−1.前記油水分離槽(1)に隣接して配管接続される重力式油水分離槽(2)は、前記水検出器(1A)の作動により油水分離槽(1)から重力式油水分離槽(2)へ移送される水分と油分を含む潤滑油を重力差により水分と油分に分離するために、隔壁(20)により重力式油水分離槽(2)の底部で連通した水分と油分の分離室を有するとともに、
    2−2.前記重力差により分離された油分に基づいて、前記油水分離槽(1)から水分とともに油分が移送されていることを検知する油検知器(2A)を有するもので構成され、かつ、
    3−1.前記油水分離槽(1)の運転停止手段は、前記重力式油水分離槽(2)の油検知器(2A)の作動に連動するものである、
    ことを特徴とする潤滑油の除水装置。
  2. 精製綿が、脱脂綿である請求項1に記載の潤滑油の除水装置。
  3. 油水分離槽(1)は、重力式油水分離槽(2)の上部の油出口ポケット(231)の近接部に設けられたレベルスイッチを内蔵する油検知器(2A)の作動に連動させて運転が停止される請求項1に記載の潤滑油の除水装置。
  4. 重力式油水分離槽(2)は、油水分離槽(1)に配設された水検知器(1A)の作動に連動させて油水分離槽(1)から水または水分含有量の多い潤滑油を受け入れるものである請求項1に記載の潤滑油の除水装置。
  5. 重力式油水分離槽(2)の油出口ポケット(231)内の分離油は、油出口ポケット(231)の近傍の油排出管に設けられた手動式ストップ弁(S2)の作動により排出される請求項1に記載の潤滑油の除水装置。
  6. 給油タンクからの含水潤滑油を油水分離槽(1)に循環させる循環ポンプ(P)が、スクリューポンプ(モーノポンプ)である請求項1に記載の潤滑油の除水装置。
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