JP2014009236A - 耐熱性樹脂組成物、当該耐熱性樹脂組成物を有する配線材、ケーブル及び成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る耐熱性樹脂組成物は、所定量のシラン変性ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン系エラストマー及びエチレン−α−オレフィン共重合ゴムのうち少なくとも1種、パラフィン系オイル、に加えてシラノール縮合触媒を含有するので、樹脂材料として求められる機械特性を維持した上で、高い耐熱性を有することに加え、柔軟性及び耐油性を併せ持ち、押出等された樹脂の外観も問題ない樹脂組成物となる。よって、本発明の耐熱性樹脂組成物は、耐熱性に加えて耐油性や柔軟性等が要求されるキャブタイヤケーブル等の構成材料として適用可能な樹脂組成物となる。
【選択図】なし
Description
(A)シラン変性ポリオレフィン樹脂 (A)〜(D)全体に対して20質量%を超えて80質量%以下
(B)ポリオレフィン樹脂 (A)〜(D)全体に対して3〜60質量%
(C)スチレン系エラストマー及びエチレン−α−オレフィン共重合ゴムのうち少なくとも1種 (A)〜(D)全体に対して10〜50質量%
(D)パラフィン系オイル (A)〜(D)全体に対して5〜60質量%
(E)シラノール縮合触媒 (A)〜(D)の合計100質量部に対して0.005〜0.5質量部
(F−1)臭素系難燃剤 (A)〜(D)の合計100質量部に対して10〜40質量部
(F−2)三酸化アンチモン (A)〜(D)の合計100質量部に対して0〜35質量部
(F−3)金属水和物 (A)〜(D)の合計100質量部に対して40〜120質量部
本発明に係る耐熱性樹脂組成物を構成するシラン変性ポリオレフィン樹脂は、ポリオレフィン樹脂に加水分解性シラノール化合物が共重合等されてシラン変性されたポリオレフィンのことをいい、かかるシラン変性ポリオレフィン樹脂を構成成分とし、架橋構造を有することで、油の浸入が困難となるため、耐油性を向上させ、また、耐熱性にも優れることになる。共重合の方法としては、従来公知のシラン変性ポリオレフィン樹脂を製造する方法等を使用することができ、例えば、ポリオレフィン、加水分解性シラノール化合物及び有機過酸化物等を有機過酸化物の分解温度以上の温度下で溶融混合することで、目的物であるシラン変性ポリオレフィン樹脂を得ることが可能となる。
シラン変性ポリオレフィン樹脂を構成するポリオレフィン樹脂としては、従来公知のポリオレフィン樹脂を使用することができ、例えば、ポリプロピレン樹脂や、ポリエチレン樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体以外のエチレン系共重合体等のエチレン系樹脂が挙げられる。これらの樹脂等は、その1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用するようにしてもよい。
ポリオレフィン樹脂と組み合わせて使用される加水分解性シラノール化合物としては、特に限定されるものではなく、従来公知のシラン架橋に用いられるシラノール化合物を使用することができ、例えば、下記の一般式(1)で表される加水分解性シラノール化合物を用いることができる。
有機過酸化物としては、シラン架橋に用いられる従来公知の有機過酸化物を使用することができ、例えば、R−OO−R’、R−OO−C(=O)R”やR”C(=O)−OO(C=O)R”’で表される化合物を使用することが好ましい。前記した化合物中、R及びR’、R”、R”’はそれぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アシル基を表す。このうち、本発明においては、RとR’、RとR”、R”とR”’がともにアルキル基であるか、一方がアルキル基で他方がアシル基とすることが好ましい。
本発明に係る耐熱性樹脂組成物を構成するポリオレフィン樹脂としては、前記した(A)シラン変性ポリオレフィン樹脂に適用可能なポリオレフィン樹脂として、前記した(A−1)に挙げたものと同様の樹脂を用いることができる。
本発明に係る耐熱性樹脂組成物に、スチレン系エラストマーまたはエチレン−α−オレフィン共重合ゴムやエチレン−α−オレフィン共重合ゴムを添加することにより、伸び特性や柔軟性の向上の図ることができる。かかるスチレン系エラストマーとエチレン−α−オレフィン共重合ゴムは、その1種を単独で使用してもよく、2種を組み合わせて使用してもよい。
スチレン系エラストマーとしては、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのブロック及びランダム構造を主体とする共重合体もしくはその水素添加物が挙げられる。共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
エチレン−αオレフィン共重合ゴムとしては、例えば、EPR(エチレン−プロピレンゴム)、EBR(エチレン−1ブテンゴム)、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)等が挙げられる。なお、エチレン−α−オレフィン共重合ゴムとしては、エチレン含有量5〜15%程度のエチレン−プロピレンブロック共重合体や、エチレン−プロピレンランダム共重合体からなるゴムの使用は避けた方が好ましい。
本発明の耐熱性樹脂組成物にパラフィン系オイルを添加することにより、樹脂成分が流動的になり、伸び特性、柔軟性が向上するとともに、耐油性が向上する。また、パラフィン系オイルをあらかじめ樹脂成分に分散させることにより、耐油試験時にオイルにより樹脂が膨潤し、引張強度の残率が悪化することを防ぐことができる。
本発明に係る耐熱性樹脂組成物を構成するシラノール縮合触媒は、(A)全体(グラフト化された有機不飽和シラン化合物)を縮合反応することにより水分の存在下で結合させるはたらきがある。このシラノール縮合触媒のはたらきに基づき、有機不飽和シラン化合物を介してポリマー同士が架橋される。その結果、本発明に係る耐熱性樹脂組成物は、耐熱性に優れた樹脂組成物となる。
本発明に係る耐熱性樹脂組成物に難燃剤を添加することで、難燃性を向上させることができる。本発明に係る耐熱性樹脂組成物を難燃性のキャブタイヤケーブルの絶縁材料やシース材料として使用する場合には、JIS C3005で規定されている60°傾斜難燃試験に合格する難燃性が必要となる。難燃剤としては、(F−1)臭素系難燃剤及び(F−2)三酸化アンチモン、(F−3)金属水和物を使用することができる。
臭素系難燃剤は、ポリブロモフェニルエーテル及びポリブロモフェニールを除くものであれば、特に制限はない。例えば、臭素化エチレンビスフタルイミド誘導体、ビス臭素化フェニルテレフタルアミド誘導体、臭素化ビスフェノール誘導体、1,2−ビス(ブロモフェニル)エタン等の有機系臭素含有難燃剤が使用できる。中でも、1,2−ビス(ブロモフェニル)エタンが好ましく、例えば、ファイヤーマスター(商品名、ケムチュラ・ジャパン(株)製)等を使用することができる。
臭素系難燃剤に加えて、さらに、三酸化アンチモンを使用することができる。本発明に係る耐熱性樹脂組成物における(F−2)三酸化アンチモンの含有量は、(A)〜(D)の樹脂成分の合計100質量部に対して0〜35質量部とすることが好ましい。含有量が35質量部を超えると添加量に見合った難燃効果が得られないばかりか、柔軟性が低下する場合がある。三酸化アンチモンの含有量は、3〜30質量部とすることが好ましく、5〜25質量部とすることが特に好ましい。なお、三酸化アンチモンは、前記した臭素系難燃剤の難燃助剤として併用して使用される。
金属水和物は、臭素系難燃剤や三酸化アンチモンと併せて使用してもよく、また、単独で使用してもよい。金属水和物の種類は特に制限はないが、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水和珪酸アルミニウム、水和珪酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、オルト珪酸アルミニウム、ハイドロタルサイト等の水酸基あるいは結晶水を有する金属化合物が挙げられる。これらの金属水和物はその1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの金属水和物のうち、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムを使用することが好ましい。
なお、本発明の耐熱性樹脂組成物には、本発明の目的及び効果を妨げない範囲において、前記した以外の各種の樹脂成分や各種の添加剤を必要に応じて適宜添加することができる。添加剤としては、従来公知のものを使用することができ、一般的に使用されている各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、金属不活性剤、耐候剤、滑剤、難燃助剤、充填剤等を本発明の目的を損なわない範囲で適宜、配合することができる。
(A)シラン変性ポリオレフィン樹脂の製造は従来公知の一般手法を用いることができる。例えば、(A−1)ポリオレフィンに所定量の(A−2)加水分解性シラノール化合物、(A−3)有機過酸化物を混合し、さらに、150〜250℃の温度で溶融混合する方法を用いることができる。かかる溶融混合は、例えば、従来公知の単軸押出機や二軸押出機を用いることができる。
シラン変性ポリオレフィン樹脂以外の成分である(B)ポリオレフィン樹脂、(C)スチレン系エラストマー及びエチレン−α−オレフィン共重合ゴムのうち少なくとも1種、(D)パラフィン系オイル、(E)シラノール縮合触媒の必須成分、及び必要に応じて(F)難燃剤、さらに必要に応じて(G)添加物を加えて加熱混練するようにする。混練温度や混練時間等の混練条件は、使用する樹脂成分等の種類等により適宜決定することができるが、概ね、160〜240℃で1〜20分とすることが好ましい。
光ファイバ心線、または抗張力繊維を縦添えもしくは撚り合わせた導体の周囲に押出被覆することにより被覆層(導体の場合は絶縁層)を形成して配線材を製造することができる。例えば、導体としては、軟銅の単線または撚線等の任意のものを用いることができ、また、裸線のほかに、錫メッキしたものやエナメル被覆絶縁層を有するもの等の従来公知の導体を用いることができる。導体の周囲に形成される絶縁層(本発明に係る耐熱性樹脂組成物からなる被覆層)の厚さは、特に限定されないが、例えば、0.15〜7mm程度の厚さとすることができる。同様に、耐熱性樹脂組成物をケーブルコアの周囲に被覆層として有するケーブルを製造する場合にあっては、被覆層(シース)の厚さは、例えば、0.15〜10mm程度の厚さとすることができる。
(I)シラン変性ポリオレフィン樹脂の製造:
ポリオレフィン樹脂、加水分解性有機不飽和シラン、有機過酸化物を表1に示した組成にて単軸押出機にて溶融混合することにより、製造例A−1〜製造例A−8の(I)シラン変性ポリオレフィン樹脂を得た。なお、単軸押出機は70mm単軸押出機を用い、L/D=25で、180℃の単軸押出機で押出機内の樹脂の滞留時間が2分になるように溶融混合し、シラン変性ポリオレフィン樹脂を製造するようにした。なお、表1において、含有量は、ポリオレフィン樹脂を10質量部とした場合の加水分解性有機不飽和シラン、有機過酸化物の質量部を示している。
(A−1を構成するポリオレフィン樹脂)
高密度ポリエチレン(HDPE)(商品名:ノバテックHY540、日本ポリエチレン(株)製、密度:0.960g/cm3)
高密度ポリエチレン(HDPE)(商品名:ハイゼックス5305E、(株)プライムポリマー社製、密度:0.951g/cm3)
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(商品名:NUCG−5130、ダウ・ケミカル社製、密度:0.923g/cm3)
メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン(メタロセンLLDPE)(商品名:エンゲージ8845、ダウ・ケミカル社製、密度:0.910g/cm3)
メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン(メタロセンLLDPE)(商品名:エボリューSP0540、(株)プライムポリマー製、密度:0.903g/cm3)
エチレン−ブテン共重合体(商品名:エンゲージ7256、ダウ・ケミカル社製、密度:0.885g/cm3)
エチレン−オクテン共重合体(商品名:エンゲージ8842、ダウ・ケミカル社製、密度:0.857g/cm3)
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(商品名:EV360、三井・デュポンポリケミカル(株)製)
シラン変性PEコンパウンド(商品名:リンクロン XCF730N、三菱化学(株)製、密度:0.924g/cm3)
シラン変性PEコンパウンド(商品名:リンクロン XHE650N、三菱化学(株)製、密度:0.950g/cm3)
ビニルトリメトキシシラン(商品名:KBM1003、信越化学(株)製)
ジクミルパーオキサイド(商品名:Perkadox BC−FF、化薬アクゾ(株)製)
下記に示した(B)、(C)、(D)、(E)、(F)及び(G)成分を、表2〜表8に示した組成で室温にてドライブレンドして混合後、バンバリーミキサーを用いて溶融混合して、(II)シラン変性ポリオレフィン樹脂以外の成分の樹脂組成物(マスターバッチ)を得た。
(絶縁電線の製造)
次に、前記のようにして得られた(I)(シラン変性ポリオレフィン樹脂)成分と(II)(シラン変性ポリオレフィン樹脂以外の成分の樹脂組成物(マスターバッチ))を、表2〜表8に示した組成で室温にてドライブレンド混合した後、絶縁電線製造用押出被覆装置を用いて、導体上(1/0.8A)に、肉厚:1.0mm、外径:2.8mmとなるように樹脂組成物を押出被覆した。ここで、押出機は50mm押出機(L/D=25)を用いて、押出温度はシリンダー温度210℃、ヘッド温度220℃、線速は50m/分とした。
(B)ポリオレフィン樹脂:
(B−1のポリプロピレン)
ブロックポリプロピレン(商品名:BC8A、日本ポリプロ(株)製)
ランダムポリプロピレン(商品名:PB222A、サンアロマー(株)製)
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(商品名:NUCG−5130、日本ユニカー(株)製、密度:0.923g/cm3)
メタロセン直鎖状低密度ポリエチレン(商品名:エボリューSP0540、(株)プライムポリマー製、密度:0.903g/cm3)
エチレン−ブテン共重合体(商品名:エンゲージ7256、ダウ・ケミカル社製、密度:0.885g/cm3)
エチレン−オクテン共重合体(商品名:エンゲージ8842、ダウ・ケミカル社製、密度:0.857g/cm3)
エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名:EV180、三井デュポンケミカル(株)製)
酸変性ポリエチレン(商品名:アドマーQE800、三井化学(株)製)
(C−1−1のスチレン系エラストマー)
スチレンーエチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)(商品名:セプトン4077、(株)クラレ社製、スチレン含有量30%)
スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)(商品名:セプトン2003、(株)クラレ社製、スチレン含有量18%)
エチレン−α−オレフィン共重合ゴム(商品名:EPT3092PM、三井化学(株)製)
(D−1のパラフィン系オイル)
パラフィン系オイル(商品名:ダイナプロセスオイルPW90、出光興産(株)製)
(E−1のシラノール縮合触媒)
ジブチルスズジラウリレート(商品名:KS−120、堺化学工業(株)製)
ジオクチルスズジラウリレート(商品名:TN−12、堺化学工業(株)製)
(F−1−1の臭素系難燃剤)
臭素系難燃剤(商品名:ファイヤーマスター2100、ケムチュラ・ジャパン(株)製)
三酸化アンチモン(商品名:PATOX−C、日本精鉱(株)製)
水酸化マグネシウム(商品名:キスマ5L、協和化学工業(株)製、シランカップリング剤表面処理あり)
水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライト42M、昭和電工(株)製、表面未処理)
(G−1の添加剤)
フィンダートフェノール系酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010、日本チバガイキー(株)製)
ポリエチレンワックス(滑剤)(商品名:ACポリエチレンNo.6、ハネウェルジャパン(株)製)
シリコーンガム(滑剤)(商品名:X−21−3043、信越ポリマー(株)製)
カーボンブラック(着色剤・耐候剤)(商品名:旭#70、旭カーボン(株)製)
前記の方法により得られた実施例1〜実施例62及び比較例1〜比較例7の絶縁電線を、下記(1)〜(9)に示した評価項目及び評価方法により比較・評価した。
機械特性はJIS C3005に基づき引張試験を実施した。上記の架橋絶縁電線より管状片を切り出し、表線間20mm、引張速度200mm/分とし、引張強さ、伸び、100%Moを測定した。ここで、「100%Mo」とは試験片の伸びが100%に達したときの引張応力であり、100%Moの値が低いほど屈曲時の応力が低く、柔軟性に優れた材料である。評価は、引張強さは、8MPa以上を○とし、伸びは200%以上を○とし、それ以外を×とし、○を合格とした。100Moは、柔軟性を示す指標とし、7Mpa未満を○、7MPa以上8MPa未満を△、8MPa以上を×とし、△、○を合格とした。
耐熱性試験AはJIS C3660に基づきホットセット試験を実施した。試験温度は200℃、荷重時間は15分、荷重は20N/mm2とした。評価は、荷重時の伸びが100以下、かつ、冷却後の永久伸びが25%以下で合格であり、合格したものを○、合格しなかったものを×とした。
耐油性試験AはJIS C3005−4.18に基づき実施した。浸漬に使用する油はJISK6258に規定する試験用潤滑油No.2油を使用した。また、浸油温度は70℃、浸油時間が4時間とした。評価は、引張強さ、伸びの残率を測定し、それぞれ60%未満を×、60%以上80%未満を△、80%以上を○とし、△、○を合格とした。
外観(ブリード)試験は前記した実施例及び比較例で得られた絶縁電線をφ4.0のマンドレルに20ターン巻付け、10℃、70℃の恒温槽内に240時間放置し、絶縁電線表面のブリードの有無を確認した。評価は、肉眼にてブリードが確認できたものを×、肉眼ではブリードが確認できなかったものを○とした。
難燃性試験は60°傾斜難燃を行った。60°傾斜難燃は、JIS C3005に基づいて実施し、燃焼時間は30秒とした。評価は、自己消火時間が60秒以内、燃焼長が250mm以内を○とし、それを満たさないものを×とした。
なお、本試験は難燃剤である(F)成分を添加したものについてのみ実施した。
耐熱性試験BはJIS C3660に基づきホットセット試験を実施した。試験温度は200℃、荷重時間は15分、荷重は25N/mm2とした。評価は、荷重時の伸びが100%以下、かつ、冷却後の永久伸びが25%以下で合格であり、合格したものを○、合格しなかったものを×とした。
なお、前記したように、本試験は参考試験として実施した。
耐熱性試験CはJIS C3660に基づきホットセット試験を実施した。試験温度は200℃、荷重時間は15分、荷重は30N/mm2とした。評価は、荷重時の伸びが100%以下、かつ、冷却後の永久伸びが25%以下で合格であり、合格したものを○、合格しなかったものを×とした。
なお、前記したように、本試験は参考試験として実施した。
耐油性試験BはJIS C3005−4.18に基づき実施した。浸漬に使用する油はJIS K6258に規定する試験用潤滑油No.2油を使用した。また、浸油温度は85℃、浸油時間は4時間とした。評価は、引張強さ、伸びの残率を測定し、それぞれ60%未満を×、60%以上80%未満を△、80%以上を○とし、△、○を合格とした。
なお、前記したように、本試験は参考試験として実施した。
耐油性試験CはJIS C3005−4.18に基づき実施した。浸漬に使用する油はJIS K6258に規定する試験用潤滑油No.2油を使用した。また、浸油温度は100℃、浸油時間が24時間とした。評価は、引張強さ、伸びの残率を測定し、それぞれ60%未満を×、60%以上80%未満を△、80%以上を○とし、△、○を合格とした。
なお、前記したように、本試験は参考試験として実施した。
Claims (9)
- 下記(A)〜(E)を含有することを特徴とする耐熱性樹脂組成物。
(A)シラン変性ポリオレフィン樹脂 (A)〜(D)全体に対して20質量%を超えて80質量%以下
(B)ポリオレフィン樹脂 (A)〜(D)全体に対して3〜60質量%
(C)スチレン系エラストマー及びエチレン−α−オレフィン共重合ゴムのうち少なくとも1種 (A)〜(D)全体に対して10〜50質量%
(D)パラフィン系オイル (A)〜(D)全体に対して5〜60質量%
(E)シラノール縮合触媒 (A)〜(D)の合計100質量部に対して0.005〜0.5質量部 - 前記(A)シラン変性ポリオレフィン樹脂の含有量が、(A)〜(D)全体に対して25〜80質量%であることを特徴とする請求項1に記載の耐熱性樹脂組成物。
- 前記(A)及び前記(B)のポリオレフィンがエチレン系樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の耐熱性樹脂組成物。
- さらに、(F)難燃剤として下記(F−1)及び(F−2)を含有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の耐熱性樹脂組成物。
(F−1)臭素系難燃剤 (A)〜(D)の合計100質量部に対して10〜40質量部
(F−2)三酸化アンチモン (A)〜(D)の合計100質量部に対して0〜35質量部 - さらに、(F)難燃剤として下記(F−3)を含有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の耐熱性樹脂組成物。
(F−3)金属水和物 (A)〜(D)の合計100質量部に対して40〜120質量部 - 前記(C)のスチレン系エラストマーが、スチレン含有量が10〜40%の、SEPS(スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体)、SEEPS(スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体)及びSEBS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体)のうち少なくとも1種であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の耐熱性樹脂組成物。
- 前記請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の耐熱性樹脂組成物を導体または光ファイバ心線の周囲に被覆層として有することを特徴とする配線材。
- 前記請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の耐熱性樹脂組成物をケーブルコアの周囲に被覆層として有することを特徴とするケーブル。
- 前記請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の耐熱性樹脂組成物を有することを特徴とする成形品。
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