JP2014008998A - シュリンクラベル付きガラスびん - Google Patents

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Abstract

【課題】シュリンクラベルへの連通孔の形成を容易にする。また、搬送過程などにおいてびんどうしが擦れ合い、連通孔が破れ広がって見苦しくなるのを防止する。
【解決手段】外周面に環状の横溝を設けたガラスびんの、少なくとも横溝を含む外周面をシュリンクラベルで被覆したシュリンクラベル付きガラスびんにおいて、シュリンクラベルの横溝を覆う部分に、縦の切り込みを周方向に沿って複数設けておく。シュリンクラベルをびんに装着するとき、その収縮に伴って切り込みが菱形に開き、連通孔となるので、シュリンクラベルへの連通孔の形成が容易となる。連通孔は、横溝の上下のびん外周面から奧に引っ込んでいるので、びんどうしが擦れ合っても、連通孔の部分が擦れ合う可能性はきわめて小さくなり、連通孔が破れ広がって見苦しくなるおそれがなくなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガラスびんが割れたときに、割れたことを容易に発見できるシュリンクラベル付きのガラスびんに関する。
胴部にシュリンクラベルを被覆したガラスびんは、胴部に割れが発生して内溶液が漏れ出した場合、漏れた液がシュリンクラベルの内側に留まり、発見しにくいという難点がある。特に、内容量が50〜100ml、又はびん高さが100〜130mm程度の小型のガラスびんは、包装箱から店頭に並べる作業において、一度に複数のびんを掴んで行われることが多く、そのためびんを落下させ、割れが発生する可能性が高い。
このような場合、びんが割れているのにも関わらず陳列され、消費者が購入後まで気づかないおそれがある。
したがって、シュリンクラベル付きのガラスびんは割れを容易に発見できるものでなくてはならない。びんの割れを容易に発見できるシュリンクラベル付きガラスびんは、例えば下記の特許文献1,2などに開示されている。
特許文献1は、びん胴部に多数の縦溝を形成しておき、胴部を覆ったシュリンクラベルの縦溝の位置の上下に、縦溝と外部を連通する連通孔を設けたものである。びん割れが発生してびん胴部外面に内溶液が漏れ出すと、その内溶液が上記連通孔からシュリンクラベルの外部に流れ出し、びん割れを発見しやすい構成となっている。
特許文献2は、びん胴部に凹凸を多数形成して梨地模様などとすることで縦方向及び横方向に連続する凹部を形成し、該胴部をシュリンクラベルで被覆し、びん割れが発生してびん胴部外面に内溶液が漏れ出すと、その内溶液がシュリンクラベル下端から、又はシュリンクラベルの下端近傍に設けた連通孔から外部に流れ出し、びん割れを発見しやすい構成となっている。
特許第4030976号公報 特許第4827538号公報
上記特許文献1のガラスびんは、漏れ出した内溶液が、縦溝と外部を連通する連通孔から外部に出てくる構成であるため、シュリンクラベルに形成した連通孔が確実に全ての縦溝の位置に来るように位置合わせをしなければならず、シュリンクラベルを装着する工程が煩雑になる。連通孔の位置が合っていないものは期待した効果が出ず、シュリンクラベルを剥がして再び装着し直さなければならない。連通孔を非常に細かいピッチで設ければ位置合わせは不要となるが、シュリンクラベルの連通孔を設けた部分が脆弱になり、流通過程で切断されてしまい見栄えがきわめて悪くなるという問題がある。
また、縦溝を胴部の外面全周に設けるため胴部の強度が低下し、胴部の肉厚を厚くしなければならないという問題もある。
上記特許文献2のガラスびんは、シュリンクラベルの位置合わせが不要で、シュリンクラベルが流通段階で切断してしまうおそれもなく、凹凸は微細なものでよいのでガラスびん胴部の強度低下も少ない。
上記特許文献1、及び特許文献2で連通孔を設ける場合、液の流出を多くするため、連通孔はシュリンクラベルに円形、四角形などのある程度の面積を有する形で設けなければならない。また、シュリンクラベル付きびんの搬送過程などにおいてびんどうしが擦れ合い、連通孔が破れ広がって見苦しくなることがあった。
本発明は、シュリンクラベルへの連通孔の形成を容易にすること、及びシュリンクラベル付きびんの搬送過程などにおいてびんどうしが擦れ合い、連通孔が破れ広がって見苦しくなるのを防止することを課題とするものである。
〔請求項1〕
本発明は、外周面に環状の横溝を設けたガラスびんの、少なくとも前記横溝を含む外周面をシュリンクラベルで被覆したシュリンクラベル付きガラスびんにおいて、該シュリンクラベルの前記横溝を覆う部分に、縦の切り込みを周方向に沿って複数設けておくことを特徴とするシュリンクラベル付きガラスびんである。
シュリンクラベルの縦の切り込みは、びん外周の横溝を覆う部分に設けられているので、シュリンクラベルをびんに装着するとき、その収縮に伴って菱形に開き、連通孔となる。従来の連通孔は円形、四角形などのある程度の面積を有する形で設けなければならなかったが、本発明では面積を有しない縦の切り込みでよいために、シュリンクラベルに容易に形成できる。縦の切り込みは垂直であることが望ましいが、傾斜して設けられていても良い。
また、切り込みにより形成される連通孔は、びん外周の横溝を覆う部分に設けられているので、横溝の上下のびん外周面から奧に引っ込んでおり、びんの搬送過程などにおいてびんどうしが擦れ合っても、連通孔の部分が擦れ合う可能性はきわめて小さくなり、連通孔が破れ広がって見苦しくなるおそれがなくなる。
〔請求項2〕
また本発明は、前記横溝が、ガラスびんの下部に設けられ、該横溝よりも上方のびん外周面に、少なくとも縦方向に連続する凹部を有する凹凸面が形成されている請求項1に記載のシュリンクラベル付きガラスびんである。
横溝は、びんの下部に設けることが望ましく、例えば横溝の上端がびん全高の1/5以下の高さになるようにすることが望ましい。
ガラスびんが割れると、内溶液がびん外面とシュリンクラベルの間に漏れ出す。漏れ出した内溶液は、毛細管現象と重力の作用で、凹凸面とシュリンクラベルの間の凹部を下方に降下していくが、このとき、シュリンクラベルの切り込みで形成された連通孔で、空気がシュリンクラベルとびん外面(凹凸面)の凹部の間に出入り自由になっているので、内溶液の降下が抵抗なく促進され、比較的多量の内溶液が降下し、横溝から連通孔を通ってシュリンクラベル外部に流れ出す。横溝におけるびん外面とシュリンクラベルの間の隙間は、びん全周に亘っているので、シュリンクラベルの位置合わせは不要である。また、内溶液の降下が抵抗なく促進されるので、びん外面の凹凸面における凹凸の深さ又は高さを小さくすることができる。
凹凸面は、びん外面に溝や多数の小突起を設けることで形成してもよいし、槌目模様や、不定形な微細凹凸を組み合わせた梨地模様など、種々の態様とすることができる。少なくとも縦方向に連続する凹部とは、びん外面に流出した内溶液が凹部を伝わって下方に流れることができる態様であればよい。しかし、凹部は縦方向及び横方向に連続するものであるほうが、内溶液の降下が一層促進され、より好ましい。凹部が縦方向及び横方向に連続する凹凸面は、格子状の溝、多数の小突起、槌目模様、梨地模様などである。
〔請求項3〕
また本発明は、前記横溝が複数段形成されている請求項1に記載のシュリンクラベル付きガラスびんである。
横溝を複数段設けることで、びん割れのときに内溶液の流出が早くなり、びん割れを発見しやすくなる。
〔請求項4〕
また本発明は、外周面に環状の段差部を設けたガラスびんの、少なくとも前記段差部を含む外周面をシュリンクラベルで被覆したシュリンクラベル付きガラスびんにおいて、該シュリンクラベルの前記段差部を覆う部分に、縦の切り込みを周方向に沿って複数設けておくことを特徴とするシュリンクラベル付きガラスびんである。
段差部においてびん外面とシュリンクラベルの間に隙間が生じるので、前記横溝に代えて段差部を形成することで、ほぼ同様の作用効果を発揮する。すなわち、シュリンクラベルの縦の切り込みは、シュリンクラベルをびんに装着するとき、その収縮に伴って菱形に開き、連通孔となる。また、びんの搬送過程などにおいてびんどうしが擦れ合っても、連通孔の部分が擦れ合う可能性はきわめて小さくなり、連通孔が破れ広がって見苦しくなるおそれがなくなる。
〔請求項5〕
また本発明は、前記段差部が、ガラスびんの下部に設けられ、該段差部よりも下のびん外径が上のびん外径よりも大きく、該段差部よりも上方のびん外周面に、少なくとも縦方向に連続する凹部を有する凹凸面が形成されている請求項4に記載のシュリンクラベル付きガラスびんである。
本発明は、図6に示すように、段差部においてびん外面とシュリンクラベルの間に隙間4が生じる。また、シュリンクラベルの段差部を覆う部分に切り込みによる連通孔が形成されるので、連通孔から空気がシュリンクラベルとびん外面の凹部の間に出入り自由になっている。
ガラスびんが割れると、内溶液が胴部外面(凹凸面)の凹部とシュリンクラベルの間に漏れ出す。漏れ出した内溶液は、毛細管現象と重力の作用で、胴部外面とシュリンクラベルの間の凹部を下方に降下していくが、このとき、シュリンクラベルの連通孔で、空気がシュリンクラベルとびん外面の凹部の間に出入り自由になっているので、内溶液の降下が抵抗なく促進され、比較的多量の内溶液が降下し、段差部から連通孔を通ってシュリンクラベル外部に流れ出す。段差部におけるびん外面とシュリンクラベルの間の隙間4は、びん全周に亘っているので、シュリンクラベルの位置合わせは不要である。また、内溶液の降下が抵抗なく促進されるので、びん外面の凹凸面における凹凸の深さ又は高さを小さくすることができる。
凹凸面は、前記と同様に、種々の態様とすることができ、凹部が縦方向及び横方向に連続する格子状の溝、多数の小突起、槌目模様、梨地模様などが望ましい。
本発明のシュリンクラベルつきのガラスびんは、シュリンクラベルの位置合わせが不要で、シュリンクラベルが流通段階で切断してしまうおそれもない。また、シュリンクラベルの連通孔を形成するために縦の切り込みを設けておけばよいので、シュリンクラベルを容易に製造できる。さらに、びんの搬送過程などにおいてびんどうしが擦れ合っても、連通孔の部分が擦れ合う可能性はきわめて小さくなり、連通孔が破れ広がって見苦しくなるおそれがなくなる。
ガラスびん1Aの側面図である。 シュリンクラベルの展開図である。 連通孔の説明図である。 ガラスびん1Bの側面図である。 ガラスびん1Cの側面図である。 ガラスびん1Cの段差部の態様の断面説明図である。
図1,2は本発明実施形態のガラスびん1Aに関する。図1において、右側がシュリンクラベル3の付いたガラスびん、左側がシュリンクラベルの付いていないガラスびんである。ガラスびん1Aは小型の飲料用びん(丸びん)で、上から口部11、ビード12、首部13、肩部14、胴部15、裾部16、底部17を有する。口部11はキャップを螺合するためのねじを有する。首部13はビード12及び胴部15よりも径が小さく、首部下端から胴部上端にかけて徐々に径が増加する肩部14になっている。胴部15は直胴(円筒形)である。胴部15下端から底部17にかけて徐々に径が減少する裾部16になっている。
胴部15の下部付近に環状の横溝18が形成されている。横溝18の深さXは0.5〜1.5mm、幅Yは2.0〜4.0mmが適当である。本実施形態の場合、横溝18の上端の位置はびん全高の約1/7の高さになっている。
胴部15は、横溝18の上端から所定高さまで、外面が凹凸面2になっている。凹凸面2は、細かい破斜線模様で示されている。凹凸面はいわゆる梨地模様であり、不定形な微細凹凸が組み合わされていることで、縦方向及び横方向に連通する凹部が形成されている。
肩部14の一部、横溝18を含む胴部15及び裾部16がシュリンクラベル3で被覆されている。シュリンクラベル3は筒状に形成されており、その筒内にびんを配置し、熱によりシュリンクラベルを収縮させてびん外周に装着する。シュリンクラベル3の、横溝18を覆う部分には、縦の切り込み31が周方向に沿って多数設けられている。シュリンクラベルの縦の切り込み31は、びん外面の横溝18を覆う部分に設けられているので、シュリンクラベル3をびんに装着するとき、その収縮に伴って菱形に開き、連通孔31aとなる。
図3の左側は、切り込み31が菱形に開いた連通孔31aの正面図である。図3右側は、横溝18部分のシュリンクラベル3の断面図である。シュリンクラベル3は、収縮によって横溝18部分で凹み量Lだけ内側に凹む。凹み量Lは、横溝18の深さXが十分であれば横溝18の幅Yが大きいほど大きくなる。連通孔31aの幅Wは、凹み量Lに比例し、連通孔の数nに反比例し、例えばLが0.5mm、nが16個の場合、W=1〜1.2mmとなる。
ガラスびん1Aが割れると、内溶液が胴部の凹凸面2とシュリンクラベル3の間に漏れ出す。漏れ出した内溶液は、毛細管現象と重力の作用で、凹凸面とシュリンクラベルの間の凹部を下方に降下し、横溝18の隙間4から連通孔31aを通ってシュリンクラベル3の外部に流れ出す。このとき、凹凸面の凹部が縦方向及び横方向に連続しているので、内溶液の移動に伴って、空気がシュリンクラベルの連通孔31aから凹部に自由に出入りし、内溶液の降下が抵抗なく促進され、比較的多量の内溶液がシュリンクラベルの外部に流れ出し、びん割れを容易に認識できる。
図4は、本発明の実施形態であるガラスびん1Bに関する。図4において、右側がシュリンクラベル3の付いたガラスびん、左側がシュリンクラベルの付いていないガラスびんである。ガラスびん1Bの基本形状は図1のガラスびん1Aと同じであるが、ガラスびん1Bの胴部15には複数段(4段)の横溝18が形成されている。また、胴部15の下端には段差部19が形成されている。シュリンクラベル3には、4段の横溝18、及び段差部19に対応して縦の切り込みが5段形成され、びん装着時の収縮により、切り込みは菱形に開いて連通孔31aとなる。びん割れが生じると、内容物が連通孔31aから外部に流れ出し、びん割れを容易に認識することができる。
図5は、本発明の実施形態であるガラスびん1Cに関する。図5において、右側がシュリンクラベル3の付いたガラスびん、左側がシュリンクラベルの付いていないガラスびんである。ガラスびん1Cの基本形状は図1のガラスびん1Aと同じであるが、胴部15の下部付近に段差部19が形成されている。段差部19よりも下の下胴部15bは、段差部19よりも上の上胴部15aよりも大きな外径を有する。このように、下胴部15bの外径を上胴部15aの外径よりも大きくすると、びんが落下したときのコンタクト部が衝撃強度が大きい下胴部になりやすく、びんが割れにくくなる。
段差部19の断面形状は、図6の(a)直線状(b)外側凸の曲線状(c)外側凹の直線状など、シュリンクラベル3との間に隙間4が形成されるものであればどのような形状でもよい。段差部19における段差量Zは、0.2〜1.0mmが適当である。
上胴部15aは、段差部19から所定高さまで、外面が凹凸面2になっている。凹凸面2は、細かい破斜線模様で示されている。凹凸面はいわゆる梨地模様であり、不定形な微細凹凸が組み合わされていることで、縦方向及び横方向に連通する凹部が形成されている。
肩部14の一部、段差部19を含む胴部15及び裾部16の一部がシュリンクラベル3で被覆されている。シュリンクラベル3の、段差部19を覆う部分には、縦の切り込み31が周方向に沿って多数設けられている。シュリンクラベルの縦の切り込み31は、びん外面の段差部19を覆う部分に設けられているので、シュリンクラベル3をびんに装着するとき、その収縮に伴って菱形に開き、連通孔31aとなる。
ガラスびん1Cが割れると、内溶液が胴部の凹凸面2外面とシュリンクラベル3の間に漏れ出す。漏れ出した内溶液は、毛細管現象と重力の作用で、凹凸面とシュリンクラベルの間の凹部を下方に降下し、段差部19の隙間4から連通孔31aを通ってシュリンクラベル3の外部に流れ出す。このとき、凹凸面の凹部が縦方向及び横方向に連続しているので、内溶液の移動に伴って、空気がシュリンクラベルの連通孔31aから凹部に自由に出入りし、内溶液の降下が抵抗なく促進され、比較的多量の内溶液がシュリンクラベルの外部に流れ出し、びん割れを容易に認識できる。
1A ガラスびん
1B ガラスびん
1C ガラスびん
11 口部
12 ビード
13 首部
14 肩部
15 胴部
15a 上胴部
15b 下胴部
16 裾部
17 底部
18 横溝
19 段差部
2 凹凸面
3 シュリンクラベル
31 切れ込み
31a 連通孔
4 隙間

Claims (5)

  1. 外周面に環状の横溝を設けたガラスびんの、少なくとも前記横溝を含む外周面をシュリンクラベルで被覆したシュリンクラベル付きガラスびんにおいて、該シュリンクラベルの前記横溝を覆う部分に、縦の切り込みを周方向に沿って複数設けておくことを特徴とするシュリンクラベル付きガラスびん。
  2. 前記横溝が、ガラスびんの下部に設けられ、該横溝よりも上方のびん外周面に、少なくとも縦方向に連続する凹部を有する凹凸面が形成されている請求項1に記載のシュリンクラベル付きガラスびん。
  3. 前記横溝が複数段形成されている請求項1に記載のシュリンクラベル付きガラスびん。
  4. 外周面に環状の段差部を設けたガラスびんの、少なくとも前記段差部を含む外周面をシュリンクラベルで被覆したシュリンクラベル付きガラスびんにおいて、該シュリンクラベルの前記段差部を覆う部分に、縦の切り込みを周方向に沿って複数設けておくことを特徴とするシュリンクラベル付きガラスびん。
  5. 前記段差部が、ガラスびんの下部に設けられ、該段差部よりも下のびん外径が上のびん外径よりも大きく、該段差部よりも上方のびん外周面に、少なくとも縦方向に連続する凹部を有する凹凸面が形成されている請求項4に記載のシュリンクラベル付きガラスびん。
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