JP2014008488A - 濾過装置および水質浄化システム - Google Patents

濾過装置および水質浄化システム Download PDF

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Abstract

【課題】トルマリンを使用した単純な構造で安価な濾過装置および水質浄化システムを提供する。
【解決手段】トルマリン粒子、セラミックおよび焼成時に消失するカーボン粉末を混合し、球状に成形したのちに焼成した濾材12と、対向する網状の濾過面である網30の間に、前記濾材12が封入された枠体であるフレーム20と、を有する濾過装置10。
【選択図】図1

Description

本発明は濾過装置および水質浄化システムに関し、特に受水槽や冷却塔の貯水槽に浸漬し、水質を改善する濾過装置および当該濾過装置を備えた水質浄化システムに関する。
ビル用のエアコン等に使われる水の循環浄化は、所定の水槽から、水槽に戻る循環管路を形成し、循環管路に用水浄化に必要な各機構を介設している。具体的には、水槽の出水側から、荒目の一次フィルタを備えたゴミ取り部、強制循環を行うポンプ部、微小な固形分を除去する濾過部、殺菌装置や除菌装置を内装した殺菌部等を循環管路に介設し、用水の循環によって用水の清浄化を実現している。
さらに水質を改善するため清缶剤を定期的に注入する必要がある。清缶剤とは、外部から冷却塔等へ侵入する粉塵や排気ガス、冷却水の蒸発による腐食性イオンや硬度成分(金属)の濃縮によって配管の腐食やスケールの付着、スライムの付着などを防止する薬剤を指す。具体的にはヒドラジン、リン酸塩、水酸化ナトリウムなど種々の化合物およびその混合物などから成る(例えば、特許文献1参照)。
ところで、トルマリン鉱石等の電気石の一種は、電解質液中では、自己の歪みに基づいて自発分極により、結晶表面に電荷が表れる。これにより液体中に微弱電流を生じ、水のイオン化を促進し、水を活性化することで特異な浄水機能を備えていることが従来から知られている。またこの効果を利用し、上記の清缶剤を不要とした濾過装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし前記のトルマリン鉱石をそのまま濾過材として使用する場合、鉱石の電気石として機能を発揮させるには、表面積を稼ぐために微小粉末として電極数を増やすことが望ましいが、微粉末の状態では濾過材としての取り扱いに不便であることに加え、鉱石の表面が濾過水中の有機物や酸化物等で覆われて汚染されると、トルマリン鉱石の特異機能が発揮されなくなってしまうこと等から、濾過材としては不適当であった。
そこでトルマリン粉末をセラミック粉末と混合し、焼結してペレット状とすることで使用する濾過装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平09−3677号公報 特開2004−65080号公報 特開2000−24101号公報
しかしながら、セラミック球体ペレット状とされたトルマリンを濾過槽内の濾材として使用する際には、エアコンの冷却塔などでは濾過を必要とする水量が膨大なため、大量の濾材を要する。このためコストや設置場所の点から受水槽や冷却塔に使用するには問題があった。
本発明は上記事実を考慮し、トルマリンを使用した単純な構造で安価な濾過装置および水質浄化システムを提供することを課題とする。
請求項1に記載の濾過装置は、トルマリン粒子、セラミックおよび焼成時に消失するカーボン粉末を混合し、球状に成形したのちに焼成した濾材と、対向する網状の濾過面の間に、前記濾材が封入された枠体と、を有することを特徴とする。
請求項1に記載の濾過装置は、トルマリン粒子を含む多孔質セラミックボールを濾材として使用することで、水の界面活性効果をもたらし、スケール、赤錆、油汚れ等の除去に効果のある濾過装置とすることができる。
請求項2に記載の濾過装置は、請求項1に記載の濾過装置であって、前記筐体を流水中に吊下し、水流に対して前記濾過面を30〜45°の角度で設置し、より望ましくは水流に対して45°の角度で設置したことを特徴とする。
請求項2に記載の濾過装置では、水の流れに対して角度をもって設置されたことで、そうでない場合に比較して濾過効果が大きい濾過装置とすることができる。
請求項3に記載の濾過装置は、請求項1または請求項2に記載の濾過装置であって、前記濾材は焼成温度が1000度以下、かつ前記カーボン粉末が焼成時に気化する温度以上であることを特徴とする。
請求項3に記載の濾過装置では、カーボン粉末が気化する温度以上で焼成するので多孔質のセラミックボールとすることができ、かつ焼成温度が高すぎることによる弊害(歪み、割れなど)を防ぐことができる。
請求項4に記載の濾過装置は、請求項1〜3の何れか1項に記載の濾過装置であって、前記濾材の粒径は5〜10mmの範囲内であることを特徴とする。
請求項4に記載の濾過装置では、濾材の粒径を5〜10mmとしたことで、水との接触面積を充分に確保し、かつ濾過面から流出する等の弊害を防ぐことができる。
請求項5に記載の濾過装置は、請求項1〜4の何れか1項に記載の濾過装置であって、前記濾材は焼成を3回以上行うことを特徴とする。
請求項5に記載の濾過装置では、焼成を3回以上行うことによって、少ない回数で一気に焼成した場合に生じる虞のある弊害(歪み、割れなど)を防ぐことができる。
請求項6に記載の濾過装置は、請求項1〜5の何れか1項に記載の濾過装置であって、前記トルマリン粒子は平均粒径が3μmであることを特徴とする。
請求項6に記載の濾過装置では、トルマリン粒子の平均粒径を3μmとしたことで、十分な焦電性、圧電性を維持しながら、水との接触による流出などの弊害を防ぐことができる。
請求項7に記載の水質浄化システムは、請求項1〜6の何れか1項に記載の濾過装置を使用したことを特徴とする。
請求項7に記載の水質浄化システムでは、トルマリン粒子を含むセラモックボールを濾材として使用することで、水の界面活性効果をもたらし、スケール、赤錆、油汚れ等の除去に効果のある水質浄化システムとすることができる。
本発明は、上記の構成としたので、トルマリンを使用した単純な構造で安価な濾過装置および水質浄化システムとすることができた。
本願発明の実施形態に係る濾過装置の構成を示す分解斜視図である。 本願発明の実施形態に係る濾過装置の構造を示す断面図である。 本願発明の実施形態に係る濾過装置を用いた水質浄化システムを備える冷却塔を示す断面図である。 本願発明の実施形態に係る濾過装置を用いた水質浄化システムを示す斜視図である。 図4に示す水質浄化システムを示す概念図である。 本願発明の実施形態に係る濾過装置の効果を説明するための表である。 本願発明の実施形態に係る濾過装置の効果を説明するための表である。 本願発明の実施形態に係る濾過装置の効果を得るための各種数値における最適値を示す表である。
<濾過装置の構成>
図1、2を参照しながら、本発明の実施形態に係る濾過装置10について説明する。
図1に示すように濾過装置10は全体的には略箱形の形状とされており、少なくとも対向する2面(図中では上下2面)が、水が通過可能な濾過面として使用される。
例として、一面に網30を固定した一対のフレーム20を、網30の設けられていない面同士を当接させるようにネジ止めし、フレーム20ふたつ分の空隙を厚み方向に備えた筐体とする。
具体的には、例えば角パイプを四角に組合わせたフレーム20と、同様に四角の形状に切断加工されたメッシュ板からなる網30とを、網30に設けられたネジ穴34がフレーム20に設けられたネジ穴24に合致するように位置合わせし、ボルト40、ワッシャ42、ナット44で図1のように共締めする。
フレーム20、網30などの素材に関しては、水中で使用するために防錆性の高いステンレス(SUS316など)が好適に用いられるが、これに限定せず使用目的とコストに応じて種々の素材を使用することができる。
この構造とすることで濾過装置10は、図2に示すように厚さ方向にフレーム20を構成する角パイプ2本分の空隙22を有する板状構造とされる。空隙22にはボール状に形成された濾材12が充填されている。
図1ではフレーム20に対して網30をボルト40でネジ止めしているが、勿論これに限定せず、フレーム20と網30とを予め溶接固定し、一体化した部品としてもよいし、あるいはフレーム20の一方だけを網30と溶接し、濾材12を充填したのち他方の網30をボルト40でネジ止めする等の構造でもよい。
濾過装置10の対向する2面をなす網30には、全面に穴32が設けられ、水が透過可能とされている。空隙22を透過する水は濾材12と接触することにより、後述のように浄化される。
図1に示すようにフレーム20の少なくとも一方には支持部材26が設けられており、ヒートンやS字フック28などを介して鎖46を係合することができる。鎖46を用いて後述するように冷却塔の水槽内などに濾過装置10を吊下することができる。これにより、流水中で濾過装置10を、流水の方向に対して所望の角度で固定し、最適な条件で水を濾材12と接触させ、浄化させることができる。
<濾材>
濾過装置10に用いられる濾材12としては、例えばセラミック(粘土質素材)に平均粒径3μm程度のトルマリン粒子、およびカーボン粉末などの炭素質材料微粉を混合し、粒子径5〜10mm程度のボール状に成形したのち風乾、焼成したものが好適に使用される。
原成分の例としては、例えばトルマリン鉱石(粉砕粉体)20〜40重量%、クリプチロライト10〜30重量%、モルデナイト15〜30%、グラニットポーフィリー10〜30%を均一に混合し、アルカリシリケート15〜25重量%を加えて混合攪拌後、5〜10mm径のボールに造粒し、この造粒物を風乾後、焼成することで多孔質のセラミックボールである濾材12が得られる。
この濾材12を構成する主な成分は、蛍光X線元素分析に因れば以下のような組成が例として挙げられる。
SiO 66.7636%
Al 22.2255%
O 2,7165%
Fe 2.4014%
CaO 1.9071%
NaO 1.7137%
MgO 0,6968%
TiO 0.5294%
0.1361%
計 99.0901%
濾材12中の炭素質材料微粉は焼成される際に炭酸ガスとなって消失するため、形成時に炭素質材料微粉の存在した箇所は焼成後に空隙となり、結果的に製造される濾材12は表面積の大きい多孔質の球体となる。球体表面には数十万のトルマリン砕片が露出している態様が望ましい。
このとき、焼成温度は炭素質材料微粉が炭酸ガスとなって消失するに足る温度以上、且つ1000℃以下であり、さらに少なくとも3回の焼成を行うことで、焼成時の温度勾配などに起因する弊害である割れや歪みの少ない、濾材12として良好な形状を維持するという知見が発明者らによって得られている。
濾材12は上記のようにボール状の多孔質セラミックであるため、水流に曝されることによって水中の不純物(析出した金属、繁殖した藻類、バクテリア由来のスライムなど)を効果的に吸着し、水から除去することができる。
また濾材12の粒径は、あまり小さいと網30の編目である穴32からこぼれ落ちる虞があり、また大きいと水との接触面積を維持できない虞があるため、上記のように5〜10mmの球状、より望ましくは7mm程度の球状とするのが望ましい。
加えてトルマリンはその特異な結晶構造によって、印加された熱や物理的エネルギー(圧力、衝撃など)を電気に変える特性を備えていることが知られており、分極時に生じる電位差は両極の距離の自乗に反比例するため、平均粒径3μm程度の微細なトルマリンでは、結晶の両端間には高い電圧を生じる。
しかし、トルマリン粒子をあまり小さくし過ぎると水との接触面積が維持できない、あるいは濾材12が水流に接触する際に流出したりする虞があるなどの弊害を生じる。このため上記のように3μm程度の平均粒径とすることが望ましい。
この微細なトルマリン砕片を表面に数十万個単位で露出させた濾材12は、水中に浸漬され水と接触することで水を電気分解し、水酸化物イオン(OH-)と水素イオン(H+)を生じると考えられている。生じた水酸化物イオンが水分子と結合し、ヒドロキシルイオン(H3O2-)となる。同時に水素イオンは素中ではオキソニウム(ヒドロニウムイオン、H3O+)として振る舞うと考えられる。
上記のヒドロキシルイオンは正の電荷側(H+)に疎水基(油分吸着性が高い)と、負の電荷側(O−)に親水基(濡れ性が高い)を持つ。すなわち一方で水のHO−H構造が親水性を示し、他方のH−O構造のH部が疎水性を示す。これにより水に界面活性作用が現れ、油脂など疎水性の汚れに対して洗浄性を示すようになる。
例えば疎水性の汚れの表面をヒドロキシルイオンの疎水基が取り囲むことで水中に分散し、更に細かくなった油滴は乳化状態になり、水槽や配管の表面などの被洗浄物表面から剥離される。
一方でヒドロニウムイオンは配管中などの赤さびである二酸化鉄(Fe2O3)を安定した黒錆(マグネタイト、Fe3O4)に還元する作用が期待される。同時に、配管などに析出するスケールの元となるシリカもまたヒドロニウムイオンによって剥離することが期待される。
上記の理由から、微細なトルマリン砕片を表面に数十万個単位で露出させた粒子径3〜10mm程度の多孔質セラミックボールである濾材12を水中に浸漬し、濾過装置10の網30を通過するような水流を定常的に生じることによって、薬剤を用いることなく水質の向上、および水槽や配管の浄化を行うことが出来る。
<応用例>
図3〜図5を参照しながら、本発明の実施形態に係る濾過装置10を使用した浄水システム100について説明する。
図3には、通常ビルの屋上に設置される、一般的なビル用冷房システムに用いられる冷却塔200が模式的に示されている。
図3に示すように、冷却塔200の内部には水槽102が設けられており、ポンプ108を介して水130が循環され、流水路106を経由してポンプ108によって冷却塔200の上部まで圧送される。水130は一般的に水道水が使用される。
水130は散水装置222により充填材220の上から散水される。充填材220は、例えばPVCやポリプロピレンなどからなる空隙の多い構造物であり、充填材220内を空気と接触しながら水130が落下する。
冷却塔200内には上部に送風機210が設けられている。送風機210はモータ212によって駆動され、冷却塔200内部の空気を図3の矢印216のように外部へと排出する。このため冷却塔200内部は負圧となり、側面のルーバ224を通って外気が矢印214のように充填材220を通って冷却塔200内へ吸引される。
充填材220内を落下する水130は、この矢印214で示す空気流と接触することで、落下しつつ徐々に蒸発してゆく。この水130が蒸発する際の気化熱を奪われることによって、水130の温度を一定以下に保つことのできる構成とされている。
この際、外部から吸引された空気(矢印214)に混入している埃や水道水中にもともと含まれている金属イオンなどが充填材220の表面に析出し、汚れとなって水槽102に落下する。また水槽102には屡々、藻類やレジオネラ菌などの菌が繁殖し、水質低下の要因となっている。
本願発明に係る実施形態においては、図3〜5に示すように、水槽102内に濾過装置10を吊下し、循環される水130の水流に曝すことで、水槽102内の水130に対して前述のようなトルマリンによる浄水効果をもたらす。
冷却塔200内部は通常、空間とされているため、濾過装置10を設置するための保持部材が備えられていない場合も考えられる。その際、例えば図3〜5に示すように足場110を保持部材として、鎖46を巻回して固定する台座に使用する等の方法が考えられる。
図3〜5に示すように水槽102の床132は水槽102の中央に向けて低くなる、所謂漏斗形状とされており、その中央近傍が凹部104として水槽102中で最も低い箇所とされている。凹部104の入り口には、図4に示すようにフィルタ140が設けられている。水130が充填材220を通過する際などに数cm大のスケール等のゴミが剥離する可能性があるが、パンチングメタル等の簡易な構造のフィルタ140でこれらがポンプ108に吸引される事態を防ぐことができる。
水130は凹部104に向けて図中の矢印120のように流れており、凹部104に流れ落ちた水130は取水口112に吸入され、流水路106を通り、ポンプ108で再び散水装置222へと圧送される。
このとき、凹部104へ向かう水130の流れ(矢印120)に対して所定の角度をもって濾過装置10が設けられることで、散水装置222へ向かう水130を濾過装置10で浄化し、充填材220、および水槽102内の汚れを防止し、水130の水質を改善することができる。
水130の流れに対する濾過装置10の設置角度としては、30〜60°が効果的であり、より望ましくは45°程度の角度で設置する構成が好適に用いられることが発明者らにより明らかにされている。
すなわち、図4に示す矢印120Aが濾過装置10の網30に対して45°の角度で流入することで、水130は濾過装置10内の濾材12の表面に接触しながら流れ、濾過装置10は効果的に水中の不純物(析出した金属、繁殖した藻類、バクテリア由来のスライムなど)を吸着、水130から除去することができる。
このとき、例えば水槽102内にて流れに沿うように、あるいは直立させるように濾過装置10を設置するなど、水130の流れに対して平行に、あるいは充分な角度をもたずに設置された場合は、図3〜5に示すように水130の流れに対して角度をもって設置された場合に比較して効果は少ないという知見を発明者らは得ている。
さらに、前述のように濾過装置10は濾材12に含有される微細なトルマリン砕片によって水130を電気分解し、ヒドロキシルイオン(H3O2-)、ヒドロニウムイオン(H3O+)を生成するので、油脂など疎水性の汚れや配管中などの赤さびである二酸化鉄、配管などに析出するスケール(シリカ)を除去し、薬剤を用いることなく水質の向上、および水槽や配管の浄化を行うことが出来る。
<作用>
次に、本実施形態に係る濾過装置10の作用について説明する。
図6、7には本願発明の実施形態に係る濾過装置10を用いた際の効果が数値で示されている。なお「基準値」は社団法人日本冷凍空調工業会の定める日本冷凍空調工業界標準規格JRA−GL−02−1994「冷凍空調機器用冷却水水質基準」に準拠する。また項目の名称とその用語の定義および単位はJIS K0101による。
図6には、ビルの屋上に設置された空調用の冷却塔において、清缶剤を使用していた時期の水質を未設置時(A)、本実施形態に係る濾過装置10を設置して74日後の同じ冷却塔における水質を設置後74日目(B)として示されている。
図6(A)では清缶剤を使用しているが、全蒸発残留物、全硬度、イオン状シリカ、レジオネラ菌属の4項目で水質基準値を満たしていない劣悪な環境にある。
この冷却塔において清缶剤の投与を中止し、本願の実施形態に係る濾過装置10を設置、74日後に再度水質を測定した結果が図6(B)に示されている。
図6(B)では未設置時(A)において水質基準を満たしていた鉄濃度を満足していることは勿論、満たしていなかった全蒸発残留物、全硬度、イオン状シリカ、レジオネラ菌属の4項目においても全て水質を満たしており、本願発明の実施形態に係る濾過装置10の設置が有効に作用していることが実証できた。
次に、図7ではビルの屋上に設置された空調用の冷却塔2基において、清缶剤を使用している一方の冷却塔の水質を未設置機(A)、本実施形態に係る濾過装置10を設置して1ヶ月後の他方の冷却塔における水質を設置機1ヶ月後(B)として示されている。
図7(A)に示す冷却塔では清缶剤を使用しているが、酸消費量、全硬度、カルシウム硬度の3項目で水質基準値を満たしていない。
一方、図7(B)に示すように同時期に測定した本願発明の実施形態に係る濾過装置10を設置して1ヶ月後の冷却塔では、清缶剤を使用していた冷却塔では水質基準を満たしていなかった酸消費量、全硬度、カルシウム硬度の3項目をも含めて水質基準を満たしており、他の項目も含めて清缶剤を使用している冷却塔よりも水質は良好である。
これは、同時期に水質を測定しても本願発明に係る濾過装置10を設置した冷却塔の方が水質は良好であることを示しているので、図6に示す未設置時(A)と設置後74日目(B)との比較の際に、季節の変化による気温や湿度の変動など外的要因の影響ではなく、清缶剤投入に対して本願発明に係る濾過装置10の設置が水質改善に対してより効果的であることを示している。さらに、図7(A)(B)に示す2基の冷却塔における水質の差が冷却塔の個体差ではなく、本願発明の実施形態に係る濾過装置10によるものであることを示している。
また本願発明に係る濾過装置10の設置により、水質改善以外にも、水槽内、配管内のスケールや尿石、赤錆の除去、細菌や藻類の繁殖抑制、脱臭効果など種々の優れた効果が認められるという知見が得られた。上水道に濾過装置10を設置した場合においても、水槽内、配管内の浄化に加えて殺菌に用いられるカルキ臭の低減といった効果が得られるという知見を得た。
さらに、本願発明に係る濾過装置10の使用によって清缶剤の投入が不要となるため、大幅なコスト削減や環境負荷の低減を行うことができる。さらに本実施形態においては、濾材12の定期的な交換によって水質浄化性能、水槽内・配管内の浄化性能を長期間維持することができ、また濾材12の交換に際して必要なコストも低いため、総合的なランニングコストを更に削減することができる。
図8には本願発明に係る濾過装置10を最も効果的に使用するための各種数値における最適値が示されている。なお官能評価(目視)は他の条件を揃えた場合の水質改善/水槽内および配管内の汚れ、スケール、錆の除去効果を目視にて判定した結果である。
図8(A)に示すように、濾過装置10は水中に吊下されたとき、水流に対して30〜45°の角度をもって設置されるとよい結果が得られた。より望ましくは、水流に対して45°の角度をもって設置されると更によい結果が得られている。
図8(B)に示すように、濾材12の粒径は5〜10mmの範囲内であるときによい結果が得られている。5mm以下では網30の穴32から濾材12の漏出の虞があり、10mmを超えると水130との十分な接触面積が得られないと言う結果となった。
図8(C)に示すように、濾材12に含まれるトルマリン砕片の平均粒径は3μmが望ましい。2μm以下では効果が持続せず、また4μm以上では発生する電位差が不十分なため水130における界面活性効果が充分に得られない。
図8(D)に示すように、濾材12の焼成温度は1000°以下が望ましい。これを超えた温度で焼成すれば割れ、歪みが目立つようになり、低すぎれば高温による弊害は回避できるが充分に焼結せず、後述するように焼成回数を増やす必要がある。
図8(E)に示すように、濾材12の焼成回数は3回以上が望ましい。高い温度で焼結し、2回以内で仕上げれば上記のように高温による弊害が生じる虞がある。回数を3回以上とすることで、これを防ぐことが出来るが、回数を増やし過ぎれば工数が増加し、コスト増大の虞がある。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施し得ることは言うまでもない。
例えば、濾過装置10の形状としては四角の板形状に限定せず、例えば丸パイプ状の流水路に設置するのであれば円盤状や楕円板状であってもよいし、水槽102の形状に合わせて複数枚の濾過装置10を組合わせる構造であってもよい。
また、要求される浄水能力に応じて、複数枚の濾過装置10を水流に対して重ねるように直列に設置する構成とされていてもよい。
さらに、ビル用空調設備に用いられる冷却塔200を実施例として挙げたが、本願発明は勿論これに限定されるものではなく、例えばビル用の上水/下水に使用される受水槽、給水管、廃水管、汚水管などを含む配管の浄化などに好適に使用することができる。
10 濾過装置
12 濾材
20 フレーム(枠体)
22 空隙
24 ネジ穴
26 支持部材
28 S字フック
30 網(濾過面)
32 穴
34 ネジ穴
46 鎖
100 浄水システム
102 水槽
104 凹部
106 流水路
108 ポンプ
110 足場
112 取水口
120 矢印
130 水
132 床
200 冷却塔
210 送風機
212 モータ
220 充填材
222 散水装置
224 ルーバ

Claims (7)

  1. トルマリン粒子、セラミックおよび焼成時に消失するカーボン粉末を混合し、球状に成形したのちに焼成した濾材と、
    対向する網状の濾過面の間に、前記濾材が封入された枠体と、
    を有する濾過装置。
  2. 前記枠体を流水中に吊下し、水流に対して前記濾過面を30〜45°の角度で設置した請求項1に記載の濾過装置。
  3. 前記濾材は焼成温度が1000度以下、かつ前記カーボン粉末が焼成時に気化する温度以上である請求項1または請求項2に記載の濾過装置。
  4. 前記濾材の粒径は5〜10mmの範囲内である請求項1〜3の何れか1項に記載の濾過装置。
  5. 前記濾材は焼成を3回以上行う請求項1〜4の何れか1項に記載の濾過装置。
  6. 前記トルマリン粒子は平均粒径が3μmである請求項1〜5の何れか1項に記載の濾過装置。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の濾過装置を使用した水質浄化システム。
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