JPH1179861A - 多孔質セラミックス、並びにこれを用いた給水鉄管の防食処理方法、及び給水質改善方法 - Google Patents

多孔質セラミックス、並びにこれを用いた給水鉄管の防食処理方法、及び給水質改善方法

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JPH1179861A
JPH1179861A JP23461997A JP23461997A JPH1179861A JP H1179861 A JPH1179861 A JP H1179861A JP 23461997 A JP23461997 A JP 23461997A JP 23461997 A JP23461997 A JP 23461997A JP H1179861 A JPH1179861 A JP H1179861A
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water supply
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iron pipe
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Masahiro Hachiman
昌裕 八幡
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YAHATA KOGYO KK
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AQUA SYST KK
YAHATA KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水道水の集中貯水槽や給水配管系の腐食による
赤錆の発生を効果的に防止する技術として、現状では経
済性を含めて実施し得る確かな技術は確立されておら
ず、また具体的な解決方法も開示はされていない。 【解決手段】古代の微少植物や微少動物からなる微小生
物の化石を含む灰長石を主とする長石類と石英質とから
なる砂岩の粉末と、ガラス粉と粘土質材料とからなる粉
末と、を混練させて多孔質セラミックスを焼結成形す
る。これを貯水槽内等に配置して給水を接触流通または
循環接触させ、給水中の溶存酸素及び残留塩素を吸着さ
せると共に重金属イオンを還元し、管路壁の赤錆によっ
て生じる赤水の除去と発生の防止を図る。また、溶存酸
素を吸着して消費する作用と塩素吸着の作用を示してい
る間は、一定の還元電流が流れるために電気伝導度を計
測して効能寿命を評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、有効成分含有の
多孔質セラミックスに関し、併せて、これを給水鉄管の
管路系に配置することにより赤錆によって生じる赤水の
除去防止と給水質の改善を図る給水鉄管の防食処理方
法、及びミネラル成分を添加する給水質改善方法に関す
る。
【0002】
【発明の前提】水道水の集中貯水槽を有する高層ビルデ
イングや高層住宅あるいは病院などの貯水槽や給水配管
系においては、腐食による赤錆が発生して給水中に赤水
が生成することがある。これら赤錆は鉄系配管壁の腐食
が給水中に存在する溶存酸素や残留塩素により促進され
ることにより生成するものである。
【0003】これら給水鉄管の鉄の腐食反応は、その初
期にはγ−FeOOHのような非晶質の酸化皮膜や含有
元素が複合した状態で酸化皮膜を形成したスピネル型酸
化皮膜(Fe34)により母層が保護される。漸次、溶
存酸素が補給されて酸化皮膜が成長すると酸化皮膜表層
部に微細な三酸化二鉄(Fe23)の結晶を析出する。
三酸化二鉄の結晶は、防食性がなく適当な大きさに成長
すると酸化皮膜表面から容易に離脱して水中に赤褐色を
呈する微細浮遊物として赤水を形成するものである。ま
た、三酸化二鉄の結晶は飲料水に含まれると不衛生であ
るとともにその水を洗濯水として用いるとこれらは白地
の衣類に付着して褐色状に汚染することがある。
【0004】
【従来の技術とその課題】従来から、かかる貯水槽や給
水配管系の赤錆を防止する技術として被処理水道水を多
孔質セラミックスに接触させると、赤水生成の抑制と給
水質の浄化ができるとする開示された技術がある。例え
ば、特開平6−335687と特開平8−192139
号公報などがある。
【0005】前者は水道水を、銅の繊維状体からなるイ
オンフィルタ内を通過させ、次いで、この通過液を多孔
質セラミックス材からなるろ過活性材の積層域を通過さ
せた後、さらに、金属イオンが混入しているコーテイン
グ剤により被覆された粒状セラミックス材の間を通過さ
せて飲料に供するものである。
【0006】しかしこれは、イオンフィルタに繊維状の
銅が存在し、また、粒状セラミックス材の表面からは銀
イオンや銅イオンが溶け出す恐れのあるものであった。
銀イオンや銅イオンは微生物の殺菌には有効であるが飲
料水に含有すると毒性があることが知られている。これ
ら安全性について説明がなされていないことと浄化の具
体的理由が開示されていない。
【0007】後者は、珪素とアルミニウムを主成分とし
たアルカリ金属などからなる鉱石粉末を球形状のセラミ
ック焼結体に成形して容器に収納し、この容器に被処理
水を通過させて活性水を生成し、これを赤錆が存在して
いる既設給水鉄管内に流入させて赤錆と赤水を排除する
ものである。また、男子便所などに付着した尿結石の溶
解除去や、養殖水槽内の浄化に使用されるものである。
【0008】しかしこれには、給水鉄管内に赤錆が存在
している限り絶えず生成される赤水を、活性水が如何な
る方法で除去されるか、また、給水鉄管内の赤錆の生成
が防止されるのか否かについて何ら開示されていない。
さらに、水が活性になる評価の具体的基準も開示されて
いない。
【0009】ところで、このような給水鉄管内の赤錆を
解決する手段として、耐食性の良い材料で配管や貯水槽
を製作する方法がある。例えば、ステンレス鋼などを用
いれば腐食の問題は著しく減少するであろう。しかし、
これを実施するとなれば経済コストが大きくなり実用性
に乏しいばかりでなく、ステンレス鋼においては、プラ
スチック材料との複合的な使用によりこれらの材料との
組合せで生じるすき間に、すき間腐食などの局部的腐食
が生じるなどの解決しなければならな問題もある。ま
た、耐食性の良い材料で被覆防食する方法も考えられる
ものの、これらの技術も経済コストが大きいだけでなく
定期的な点検補修が必要であり、コンクリート構築物に
埋設された配管などでは点検補修が不可能に近いことな
どから、未だ実用的な防食技術とは言えない。
【0010】このように、水道水の集中貯水槽や給水配
管系の腐食による赤錆の発生を効果的に防止する技術と
して、現状では経済性を含めて実施し得る確かな技術は
確立されておらず、また具体的な解決方法も開示はされ
ていない。
【0011】そこで、本発明は上記のような観点に着目
して為されたもので、有効な多孔質セラミックスを焼結
形成すると共に、この新規な多孔質セラミックスを用い
て、給水鉄管系における金属の腐食反応に対して、その
還元反応を担う溶存酸素と金属の不動態化を阻害する残
留塩素を給水中から取り除くことにより、これを抑制し
かつ金属の不動態化を容易にすることにより不動態皮膜
による金属の防食作用を維持することを目的とする。併
せてこの多孔質セラミックスからのミネラル成分の溶出
により給水質の改善が図れることに着目した、多孔質セ
ラミックス、並びにこれを用いた給水鉄管の防食処理方
法、及び給水質改善方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
する手段として、本発明の特徴的な多孔質セラミックス
は、古代の微少植物や微少動物からなる微小生物の化石
を含む灰長石(CaAl2Si28)を主とする長石類
と石英質(α−Quartz)とからなる砂岩の粉末
と、ガラス粉と粘土質材料とからなる粉末と、を混練さ
せて所定形状に焼結成形してなるものである。ここで、
砂岩の粉末粒度は、150メッシュから250メッシュ
が好ましく、150メッシュ以下では焼結後に微細多孔
質になり難く、また、250メッシュ以上では不経済で
ある。さらに、脱気焼成温度は1000℃以下では化石
状になった微小生物の気化消去が不十分であり、また1
500℃以上では多孔質セラミックスが劣化することか
ら、脱気焼成温度は1000℃から1500℃が望まし
い。
【0013】このようにして製造された多孔質セラミッ
クスは、石英質結晶間に略ハニカム状に分布する微細孔
が視られる。これら多数の微細孔は著しく活性となり、
活性炭のように塩素吸着作用を示すだけでなく、水中に
浸漬すると溶存酸素を吸着して消費する作用を示すこと
が確認される。すなわち、灰長石(CaAl2Si
2 8)の成分である珪酸カルシウム塩が、これら溶存酸
素や残留塩素を吸着消費するためと考えられる。これに
より鉄の腐食による赤水の生成を防止することができ
る。
【0014】さらに、本願発明にかかる多孔質セラミッ
クスは、鉄イオン、クロムイオン、マンガンイオンなど
の重金属イオンを置換する機能も具備している。これ
は、重金属イオンを還元して溶解することとそれ自体が
安定な酸化物に移行するためと考えられる。
【0015】この溶存酸素や残留塩素を吸着する作用
は、セラミックス化(焼結成形化)する以前の原材料に
はみられない性質であり、これらの作用は原材料を適当
な割合で混練して所定の熱処理をしなければ得られない
ものである。
【0016】また、本発明に係る多孔質セラミックス
は、水中に浸漬すると溶存酸素を吸着して消費する作用
と塩素吸着の作用を示している間は、微細孔から主とし
てカルシウムイオン、けい酸イオンの溶出に由来すると
考えられる一定の還元電流が流れるために電気伝導度を
計測することにより多孔質セラミックスの効能寿命を評
価することができる特徴を有する。
【0017】これらの性質を有する本願発明にかかる多
孔質セラミックスは、給水鉄管路の貯水空間内(例え
ば、貯水槽内)又は配管内に配置し、当該多孔質セラミ
ックスに給水を接触流通させ、給水中の溶存酸素及び残
留塩素を当該多孔質セラミックス内に吸着させると共に
重金属イオンを還元することよって、管路壁の赤錆によ
って生じる赤水の除去と発生の防止を図る。この場合、
上記の給水鉄管の管路系に循環管路を形成して、当該多
孔質セラミックスに給水を循環して接触流通させるとよ
り効果的である。
【0018】併せて、本願発明にかかる多孔質セラミッ
クスは、上記構成による赤水除去や防食効果のほかに、
カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオ
ン、などのミネラル成分を溶出させることによって、給
水の水質を改善して、いわゆるおいしい水に変えること
ができる。
【0019】多孔質セラミックスの配置においては、多
孔質セラミックスを球形状、筒状、柱状、板状、ペレッ
ト状、等の小塊状に形成し、直接配置するほか、この多
数個をメッシュ容器や多孔容器などの通水容器内に充填
して、着脱自在なカートリッジとして配置しても良い。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、上記構成に基づき、水の腐
食性を緩和する作用を有する前記多孔質セラミックスの
防食効果を調べるために以下の実験と評価を行った。
【0021】先ず、化石状になった微小生物を平均25
%含有する珪酸カルシウム塩を多量に含む灰長石と約6
0%の石英質(α−Quartz)からなる砂岩を15
0メッシュから250メッシュの粉末として、これにソ
ーダガラス粉と粘土質材料とからなる250メッシュ以
下の微粉末を12%を混練して直径10mmの球状に成
形し980℃にて電気炉にて24h脱気焼成して供試多
孔質セラミックスを製造した。本発明の多孔質セラミッ
クスを構成する主要な化合物は図1に示すX線回折試験
の結果によれば、α−Quartz型石英とCaAl2
Si28からなる珪酸カルシウム塩である。
【0022】本発明の効果を確認するために図2(A)
(B)に示す腐食試験ループを製作して表1に示す水道
水を供試水として用いて実証試験を行った。この実証試
験は水の循環ループに容量20リットルの貯水槽1を設
置して、その中に前記の本発明に係る供試多孔質セラミ
ックス11を100gを設置した系列(A)と、設置し
ない単純な系列(B)に分けて、貯水槽の水道水は24
時間毎に新規水道水と交換して実験を行った。水の循環
は同図に示すように貯水槽1からバルブ2を介して循環
ポンプ3により、バルブ4を介して電気化学測定装置5
に流入させてバルブ8とバルプ10を介して再び貯水槽
1に回帰するシステムである。また、水の循環ループの
中間に設置された電気化学測定装置5には炭素鋼から直
径20mmで厚さ3mmの円板状試験片を加工して、そ
の一端に表面を絶縁した導電線を接続した試料電極6を
設置し、さらに、直径5mmの白金電極を照合電極7と
して設置し、これらをポテンシオスタット9に接続して
流水中の炭素鋼試験片表面の電位変化を測定した。流水
中の溶存酸素量の測定は、電気化学測定装置5と貯水槽
1との間に接続されているバルブ8と10との間にある
バルブ12を介して、排水する管13から検水を採取し
て迅速に測定を行った。
【0023】一方、実験データの確認を目的として高純
度窒素ガスや空気を注入できるガラス製の電気化学測定
セルに図2で説明した腐食試験ループで用いた炭素鋼試
験片である試料電極6と同様の試料電極と照合電極(銀
/塩化銀)を設置して高純度窒素ガスにより酸素脱気環
境にした場合、大気の自然な拡散状態の場合および空気
送風ポンプを用いて強制的に空気(酸素)飽和させた場
合の試料電極の電位変化をポテンシオスタットにより測
定した。
【0024】さらに、本願発明に係る多孔質セラミック
スの残留塩素の吸収能力に関する試験としては、次亜塩
素酸ナトリウムを用いて水道水中の残留塩素量を0.3
ppmにまで高めて、その中に本発明に係る多孔質セラ
ミックスを適当量設置した場合の残留塩素量を測定して
吸収効果を調べた。
【0025】上記腐食試験ループによる試験の結果、溶
存酸素量の変化を図3に示した。同図中、横軸は通水量
(m3)を示し、縦軸は溶存酸素量(mg/l)を示し
ている。同図から、多孔質セラミックス11を設置した
試験ループ(A)の溶存酸素量は、設置しない試験ルー
プ(B)に比較して低下していることが認められる。こ
のことから多孔質セラミックス11が溶存酸素を吸収消
費することがうかがえる。
【0026】次ぎに、炭素鋼の腐食電位に及ぼす本願発
明の多孔質セラミックス11の影響を図4に示した。同
図中、横軸に保持時間(h)を示し、縦軸に炭素鋼試験
片の電位(V vs.Ag/AgCl)を示している。
また、図中の一点鎖線の左側は貯水槽を大気開放として
回帰水を散水状に返還した場合の電位変化を示し、一点
鎖線の右側は貯水槽を密閉して回帰水を貯水中に返還し
た場合の電位変化を示している。同図から本発明に係る
多孔質セラミックス11を設置した系列(A)において
は、いずれの場合も炭素鋼試験片の電位は設置しない系
列(B)に比較して卑電位になることが分かった。これ
は本願発明に係る多孔質セラミックス11が溶存酸素を
吸収するために環境水中の溶存酸素の補給が行われ難く
なり、そのために炭素鋼表面の酸化皮膜が非晶質の水酸
化鉄やスピネル型酸化皮膜(Fe 34)で覆われた状態
が維持されているものと考えられる。
【0027】さらに、本願発明に係る多孔質セラミック
ス11を設置した系列(A)の循環水は清浄な状態を示
した。また、高純度窒素ガスや空気を注入できるガラス
製の電気化学測定セルによる試験の結果、高純度窒素ガ
スを注入して酸素脱気すると図5に示すように炭素鋼の
電位は著しく卑電位側に移行することが認められ、試験
表面には暗黒色の非晶質状の酸化皮膜が観察された。
【0028】次いで大気開放の自然環境下での炭素鋼の
電位を図6に示した。ここでは、酸素脱気した場合に比
較して貴電位になることが分かった。さらに、空気を強
制的に注入して酸素飽和状態での炭素鋼の電位を図7に
示した。同図から、炭素鋼の電位は酸素飽和状態で最も
貴電位になることが分かった。 また、試験片表面には
マクロアノード部分が観察されて腐食による赤錆が観察
された。
【0029】以上の試験結果から、本願発明に係る多孔
質セラミックスが水環境の溶存酸素を絶えず吸収消費す
ることが分かり、炭素鋼表面の腐食を抑制するため赤錆
が生成しなくなることが分かった。次ぎに、残留塩素の
吸収効果を調べた結果、表2に示すように本発明に係る
多孔質セラミックスを水に対して0.5%以上設置する
と残留塩素の吸収効果が著しく改善されることが分かっ
た。
【0030】よって本発明に係る多孔質セラミックスを
水に対して0.5%以上設置すると溶存酸素とは残留塩
素を吸収消費する効果が継続されて鉄の腐食作用を抑制
して赤錆の生成を防止する卓越した効果を示すことが分
かった。
【0031】
【実施例】次に、本願発明にかかる給水鉄管の防食処理
方法、及び給水質改善方法を実現するビル建物内の給水
配管例について、図8に示す概略図に基づいて説明す
る。
【0032】通常、多層階のビル建物の上水道配管にお
いては、公共上水道管20から直接各戸別に配管するの
ではなく、一旦当該ビルの地下部に敷設した受水槽21
に貯水し、適宜ここから揚水ポンプ22でビルの屋上に
設置した高架水槽23に貯水する。そして、ここから落
差を利用して各戸別の蛇口や温水器や風呂等24に配管
する構成が採られている。
【0033】この構成において、本願方法を実現するた
め、本願発明にかかる多孔質セラミックス11を通水容
器25内に充填し、この通水容器25を適宜の個数並列
に接続した装置ユニット26を形成する。この装置ユニ
ット26へは、受水槽21からの水を導く導入管27を
接続し、送水ポンプ28を介して各通水容器25内を通
水させて多孔質セラミックス群11、11、11、・・
・と接触させた後、戻し管29で受水槽21内に戻す構
成としている。この構成により、受水槽21の貯水が、
受水槽21と装置ユニット26との間を循環するように
している。
【0034】さらに、この戻し管29の途中に、給水中
の電気伝導度を測定する電気化学測定装置5を接続して
いる。この測定値から通水容器25内の多孔質セラミッ
クス11の効能寿命を判定し、効能が低下又は消滅した
段階で当該容器25ごと又は当該容器25内の多孔質セ
ラミックス11を交換する。
【0035】なお、30は、受水槽21の上部に配置さ
れた一般的なボールタップ弁で受水槽21の水位の変化
に連動して作動する弁であり、31はレベルセンサで高
架水槽23内の水位を感知するセンサであり、32は導
入管27の途中に取付けられらドレンコックで、必要に
より受水槽21の水を排水するための弁である。
【0036】ところで、本実施例では、装置ユニット2
6への配管を受水槽21に取付けて、貯水を受水槽21
と装置ユニット26との間を循環させるようにしている
が、当該構成の装置ユニット26の配管を高架水槽23
に連結して、高架水槽23内の貯水を循環処理するよう
にしてもよい。
【0037】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
水道水などの淡水環境に本発明に係る多孔質セラミック
スを設置すると炭素鋼に代表される鉄系合金の腐食抑制
と赤水生成防止に卓越した効果が得られる。
【0038】あわせて、カルシウムイオン、ナトリウム
イオン、カリウムイオン、を溶出させることによって、
いわゆるミネラル分が添加されるため、給水の水質を改
善して、おいしい水とすることができる。
【0039】また、給水中の残留塩素や重金属イオンの
除去、または上記ミネラル分の溶出から給水中の電気伝
導度が変化することに着目し、これを測定することによ
り多孔質セラミックスの効能寿命を判定するようにして
いるため、確実な管理と保守を行うことができる。堪や
推測に頼っていた従来のセラミック材を用いた水浄化方
法とは異なり、本願発明は、科学的かつ客観的なデータ
に基づいて水管理を行うことができる新規かつ進歩性の
ある技術を開示するものである。
【表1】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明にかかる多孔質セラミックスのX線
回折試験結果を示すグラフである。
【図2】 腐食試験ループの概要図である。
【図3】 水道水中の溶存酸素量に及ぼす本発明多孔質
セラミックスの影響を示すグラフである。
【図4】 炭素鋼の腐食電位に及ぼす本発明多孔質セラ
ミックスの影響を示すグラフである。
【図5】 酸素脱気した水溶液中の炭素鋼の電位の経時
変化を示すグラフである。
【図6】 室温の中性水中に自然浸漬した炭素鋼の電位
経時変化を示すグラフである。
【図7】 空気を強制飽和した中性水中の炭素鋼の電位
経時変化を示すグラフである。
【図8】 本願発明方法を実現するための給水配管例を
示す概略図である。
【表1】 供試水道水の水質分析結果を示す表である。
【表2】 水道水の残留塩素に及ぼす本発明の多孔質セ
ラミックスの影響データを示す表である。
【符号の説明】
1 貯水槽 2 バルブ 3 給水ポンプ 4 バルブ 5 電気化学測定装置 6 試料電極 7 白金電極 8 バルブ 9 ポテンシオスタット 10 バルブ 11 本願発明多孔質セラミックス 12 バルブ 13 排水管 20 公共上水道管 21 受水槽 22 揚水ポンプ 23 高架水槽 24 風呂等 25 通水容器 26 装置ユニット 27 導入管 28 送水ポンプ 29 戻し管

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 灰長石(CaAl2Si28)を主とす
    る長石類と石英質とからなる砂岩の粉末と、ガラス粉と
    粘土質材料とからなる粉末と、を混練させて所定形状に
    焼結成形してなることを特徴とする多孔質セラミック
    ス。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の多孔質セラミックスを給
    水鉄管路の貯水空間内又は配管内に配置し、当該多孔質
    セラミックスに給水を接触流通させ、給水中の溶存酸素
    及び残留塩素を当該多孔質セラミックス内に吸着させる
    と共に重金属イオンを還元することよって、管路壁の赤
    錆によって生じる赤水の除去と発生の防止を図ることを
    特徴とした給水鉄管の防食処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の多孔質セラミックスを給
    水鉄管路の貯水空間内又は配管内に配置すると共に循環
    管路を形成して、当該多孔質セラミックスに給水を循環
    して接触流通させ、給水中の溶存酸素及び残留塩素を当
    該多孔質セラミックス内に吸着させると共に重金属イオ
    ンを還元することよって、管路壁の赤錆によって生じる
    赤水の除去と発生の防止を図ることを特徴とした給水鉄
    管の防食処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の多孔質セラミックスを給
    水鉄管路の貯水空間内又は配管内に配置し、当該多孔質
    セラミックスに給水を接触流通させ、給水中の溶存酸素
    及び残留塩素を当該多孔質セラミックス内に吸着させる
    と共に重金属イオンを還元し、さらにカルシウムイオ
    ン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、を溶出させる
    ことによって、給水の水質の改善を図ることを特徴とし
    た給水質改善方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の多孔質セラミックスを給
    水鉄管路の貯水空間内又は配管内に配置すると共に循環
    管路を形成して、当該多孔質セラミックスに給水を循環
    して接触流通させ、給水中の溶存酸素及び残留塩素を当
    該多孔質セラミックス内に吸着させると共に重金属イオ
    ンを還元し、さらにカルシウムイオン、ナトリウムイオ
    ン、カリウムイオン、を溶出させることによって、給水
    の水質の改善を図ることを特徴とした給水質改善方法。
  6. 【請求項6】 多孔質セラミックスの配置において、 多孔質セラミックスを球形状、筒状、柱状、板状、ペレ
    ット状、等の小塊状に形成し、この多数個を通水容器内
    に充填して、着脱自在なカートリッジとして配置したこ
    とを特徴とする請求項2、若しくは3記載の給水鉄管の
    防食処理方法、又は請求項4、若しくは5記載の給水質
    改善方法。
  7. 【請求項7】 多孔質セラミックスと接触流通させた後
    の給水中の電気伝導度を測定し、この測定値から当該多
    孔質セラミックスの効能寿命を判定するようにしたこと
    を特徴とする請求項2、若しくは3記載の給水鉄管の防
    食処理方法、又は請求項4、若しくは5記載の給水質改
    善方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040034017A (ko) * 2002-10-16 2004-04-28 (주) 룩스팜 순수 광물성 원료로 적조. 녹조제거제. 수질정화제 제조
CN107774229A (zh) * 2016-08-29 2018-03-09 河北太和洁源水务科技发展有限公司 一种新型水体硫酸盐吸附材料

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