JP2014008426A - 中空糸膜モジュール - Google Patents
中空糸膜モジュール Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014008426A JP2014008426A JP2012144780A JP2012144780A JP2014008426A JP 2014008426 A JP2014008426 A JP 2014008426A JP 2012144780 A JP2012144780 A JP 2012144780A JP 2012144780 A JP2012144780 A JP 2012144780A JP 2014008426 A JP2014008426 A JP 2014008426A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hollow fiber
- fiber membrane
- membrane module
- bundle
- cylindrical case
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
Abstract
【課題】本発明の目的は、食品、医薬品の分離、精製にも好適に用いることができ、短時間で確実性の高い蒸気滅菌処理を繰り返し行うことが可能である、優良な蒸気滅菌性を有する中空糸膜モジュールを提供することにある。
【解決手段】筒状をなし、複数の通液口を有する筒状ケースと、複数の中空糸膜20aからなる中空糸膜束20と、中空糸膜束20の一端を保持するとともに、筒状ケースに固定される第1の集束部材(集束部材30)と、中空糸膜束の他端を保持する第2の集束部材(集束部材30)と、を備え、中空糸膜束20は、少なくとも第1の集束部材側で開口し、第1および第2の集束部材のうちの少なくとも一方の集束部材は、少なくとも中空糸膜20aが延出する側の面である中空糸膜延出面と、側面とに及ぶように形成された凹部32を有する。
【選択図】図2
【解決手段】筒状をなし、複数の通液口を有する筒状ケースと、複数の中空糸膜20aからなる中空糸膜束20と、中空糸膜束20の一端を保持するとともに、筒状ケースに固定される第1の集束部材(集束部材30)と、中空糸膜束の他端を保持する第2の集束部材(集束部材30)と、を備え、中空糸膜束20は、少なくとも第1の集束部材側で開口し、第1および第2の集束部材のうちの少なくとも一方の集束部材は、少なくとも中空糸膜20aが延出する側の面である中空糸膜延出面と、側面とに及ぶように形成された凹部32を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は医薬品、食品の精製、連続発酵プロセスなどに用いられる、蒸気滅菌処理が可能な中空糸膜モジュールに関するものである。
従来、液体の精製などに用いられる中空糸膜は、平膜などの他の様式の膜と比較して、単位体積あたりの濾過面積を広くとれることで知られており、水処理用途のみならず、人工腎臓や食品、医薬品の分離、精製など、さまざまな分野において広く濾過手段として用いられている。中空糸膜は通常、容器内に収められて集束、固定された中空糸膜モジュールとして用いられる。
ここで、原液が医薬品、食品、連続発酵プロセスなどの溶液の場合は、濾過・精製により得られる有価物はより高純度であることが要求される。そのため、使用される中空糸膜モジュール内には雑菌がいない状態での使用が開始されることが望まれる。殺菌であれば温水殺菌などの手段でよいが、有価物がより高純度であることを要求される場合は滅菌が必要であり、例えば蒸気滅菌が用いられる。蒸気滅菌は、中空糸膜モジュール内に加圧した蒸気を導入して中空糸膜モジュール内部の滅菌を行う。また、蒸気滅菌耐性を有する中空糸膜モジュールとして、中空糸膜を筒状ケースに接着する接着剤の性状が規定されており、繰り返しの蒸気滅菌に対する耐久性を有する中空糸膜モジュールが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
中空糸膜モジュールの蒸気滅菌を行う上で肝要なのは、滅菌すべき箇所に蒸気が十分に接触することである。しかしながら、特許文献1が開示する中空糸膜モジュールは、中空糸膜の一端を小束化して閉塞しており、これによって濁質の排出性が向上する一方で、小束閉塞部における中空糸膜が密集した状態となる。そのため、中空糸膜モジュール内に蒸気を導入しても、この密集した箇所には蒸気が接触しにくくなり、中空糸膜モジュールの滅菌が不十分となるおそれがある。
この問題に対して、中空糸膜モジュール内全体に蒸気を行き渡らせるために、蒸気を供給する時間を長く取る方策が挙げられる。これにより、蒸気滅菌が失敗する懸念は抑制されるが、今度は中空糸膜モジュールを形成する部材が長時間にわたって熱源と接触するため、中空糸膜モジュールそのものが破損しやすくなるおそれがある。
本発明は、上述の種々の課題を解決し、食品、医薬品の分離、精製および連続発酵プロセスにも好適に用いることができ、短時間で確実性の高い蒸気滅菌処理を繰り返し行うことが可能である、優良な蒸気滅菌性を有する中空糸膜モジュールを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる中空糸膜モジュールは、筒状をなし、複数の通液口を有する筒状ケースと、複数の中空糸膜からなる中空糸膜束と、前記中空糸膜束の一端を保持するとともに、前記筒状ケースに固定される第1の集束部材と、前記中空糸膜束の他端を保持する第2の集束部材と、を備え、前記中空糸膜束は、少なくとも前記第1の集束部材側で開口し、前記第1および第2の集束部材のうちの少なくとも一方の集束部材は、少なくとも前記中空糸膜が延出する側の面である中空糸膜延出面と、側面とに及ぶように形成された凹部を有することを特徴とする。
また、本発明にかかる中空糸膜モジュールは、上記の発明において、前記第2の集束部材は、前記筒状ケースに対して非固定状態にあることを特徴とする。
また、本発明にかかる中空糸膜モジュールは、上記の発明において、前記凹部は、前記第2の集束部材に設けられることを特徴とする。
また、本発明にかかる中空糸膜モジュールは、上記の発明において、前記複数の中空糸膜は、複数の束に分割され、前記第2の集束部材は、前記複数の束ごとにそれぞれ集束する部分集束部材を有し、前記凹部は、前記部分集束部材にそれぞれ設けられることを特徴とする。
また、本発明にかかる中空糸膜モジュールは、上記の発明において、前記集束部材は、柱状または錘台形状をなし、前記中空糸膜延出面の外周に内接する最大の円を描いたときの内接円半径をRmaxとおき、前記中空糸膜延出面の前記凹部以外の円弧の半径をR´とおいたとき、記Rmax、前記R´がRmax/R´<1の関係を満たすことを特徴とする。
また、本発明にかかる中空糸膜モジュールは、上記の発明において、前記中空糸膜延出面の面積をSとおき、前記中空糸膜延出面の前記凹部以外の円弧の半径から算出される面積をS´とおいたとき、前記S、前記S´が0.6≦S/S´<1の関係を満たすことを特徴とする。
本発明によれば、蒸気滅菌時に中空糸膜間にも蒸気が接触しやすくなり、短時間で確実性の高い蒸気滅菌を行える中空糸膜モジュールを得ることが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明において参照する各図は、本発明の内容を理解でき得る程度に形状、大きさ、および位置関係を概略的に示してあるに過ぎない。従って、本発明は各図で例示された形状、大きさ、および位置関係のみに限定されるものではない。
(実施の形態1)
(中空糸膜モジュールの構成要件について)
図1は、本実施の形態1にかかる中空糸膜モジュール1の一態様を示す部分断面図である。図2は、本実施の形態1にかかる中空糸膜モジュール1を構成する一部材である、中空糸膜20、凹部32を有する集束部材30(第1および第2の集束部材)の一態様を示す斜視図である。
(中空糸膜モジュールの構成要件について)
図1は、本実施の形態1にかかる中空糸膜モジュール1の一態様を示す部分断面図である。図2は、本実施の形態1にかかる中空糸膜モジュール1を構成する一部材である、中空糸膜20、凹部32を有する集束部材30(第1および第2の集束部材)の一態様を示す斜視図である。
本実施の形態1にかかる中空糸膜モジュール1は、図1に示すように筒状ケース10と、筒状ケース10の内部に配設される複数の中空糸膜20aからなる中空糸膜束20と、中空糸膜束20の両端をそれぞれ集束する略柱状をなす2つの集束部材30と、を備える。
筒状ケース10は、複数の通液口を有しており、各通液口は、分離膜モジュール1の1次側に対して原液を導入する、あるいは原液を排出するための通液口11a、および分離膜モジュール1の2次側から濾過液を中空糸膜モジュール系外に排出するための通液口11bのいずれかに分類される。中空糸膜束20は、筒状ケース10の内部に収められ、その両端に集束部材30が設けられている。また、中空糸膜モジュール1は、少なくとも一方の集束部材30を筒状ケース10内に接着することによって成型される。中空糸膜束20は、少なくとも一端の集束部材30において、端部が開口するように設けられる。なお、本実施の形態1では、2つの集束部材30(第1および第2の集束部材)が、それぞれ筒状ケース10に固定され、中空糸膜束20の両端において開口しているものとして説明する。
ここで、この中空糸膜モジュール1を蒸気滅菌する際、中空糸膜モジュール内に蒸気が当たりにくい箇所や、温度が上昇しにくい箇所があると中空糸膜モジュールの蒸気滅菌がうまくいかなかったり、時間が長くかかったり等のデメリットがあるため好ましくない。本発明の発明者は鋭意検討の結果、中空糸膜モジュール内において、中空糸膜が密集している中空糸膜束の中心近傍が、前述した中空糸膜モジュール内の蒸気が当たりにくく、温度が上昇しにくい箇所であること、および中空糸膜束内のある1本の中空糸膜への蒸気の当たりやすさは、前述の1本の中空糸膜と膜束外周との最短距離によって決まり、この距離が短いほど前述の中空糸膜に蒸気が当たりやすいこと、の2点を見出した。
この知見をもとに、本実施の形態1にかかる中空糸膜モジュール1は、集束部材30に、少なくとも集束部材30の側面と、中空糸膜束20の中空糸膜20aが延出する側の面である中空糸膜延出面31とに及ぶように形成された凹部32を設けた。このような構造をとることにより、この凹部32が蒸気の通り道となる。そのため、凹部32を有しない中空糸膜モジュールと比較して、中心近傍の中空糸膜20aと膜束外周との最大距離が短くなり、この結果、中空糸膜束20の深部まで蒸気が行き渡りやすくなる効果が得られるようになる。すなわち、中空糸膜モジュール1の蒸気滅菌処理を、短時間かつ高い確実性をもって繰り返し行うことが可能であり、優良な蒸気滅菌性を有する中空糸膜モジュール1を得ることができる。さらに、集束部材30に設けられる凹部32を、集束部材30の側面および両端の底面(中空糸膜延出面31およびその裏面)の、計3つの面に連なるようにすることで、成形性の向上や、蒸気滅菌に伴い生じるスチームドレンが集束部材表面に溜まりにくくなるなどのメリットを得られるようになる。
これ以降において、本実施の形態1にかかる中空糸膜モジュール1の各構成要件を詳細に説明する。筒状ケース10は、略筒状をなす本体部101と、本体部101の両端側に設けられる2つの蓋部102とを有する。なお、筒状ケース10は、一体成型されたものであってもよい。筒状ケース10は、上述したように、複数の通液口を有している。各通液口は、本体部101の両端側にそれぞれ設けられ、本体部101の長手方向に沿って延出し、中空糸膜モジュール1の1次側に対して原液を導入する、あるいは原液を排出するための2つの1次側通液口11a、および蓋部102にそれぞれ設けられ、中空糸膜モジュール1の2次側から濾過液を中空糸膜モジュール系外に排出するための2つの2次側通液口11bのいずれかに分類される。なお、本実施の形態1において、1次側通液口11aは、蓋部102を貫通して外部に延出するように設けられている。また、中空糸膜モジュール1は、1次側通液口11aおよび2次側通液口11bをどちらも1つ以上備えるものである。筒状ケース10が本体部101と蓋部102とに分かれている場合、中空糸膜束20を介して原液の排出が可能であれば、通液口は本体部101、蓋部102のいずれに設けられていてもよい。
なお、中空糸膜モジュール1の1次側とは、筒状ケース10内の原液や濃縮液が通液される箇所を指し、2次側とは中空糸膜モジュール1の濾過液が通液される箇所を指す。また、中空糸膜モジュール1を接続して用いる装置系内において、中空糸膜モジュール1の1次側に連通する空間も含めて1次側と呼び、2次側に連通する空間も含めて2次側と呼ぶことがある。中空糸膜モジュール1および装置系内全体においては、1次側と2次側の間は気密かつ液密に分離するように構成されることが必要である。図1のように、1つの蓋部102において、1次側通液口11aと2次側通液口11bを同時に配置される場合は、蓋部102内で1次側と2次側が気密かつ液密に分離されるような構造を有していることが要求される。
また、本実施の形態1では、各中空糸膜20aの外表と接する空間が1次側、各中空糸膜20aの内表と接する空間が2次側となる。このとき、各中空糸膜20aの外から内へ液体を濾過して用いることになり、このようにして用いる中空糸膜を外圧式の中空糸膜という。また、中空糸膜モジュール1内における1次側と2次側を入れ替えたものも、本発明の中空糸膜モジュールの一態様であるといえる。このとき、中空糸膜の内から外へと液を濾過して用いることになり、このようにして用いる中空糸膜を内圧式の中空糸膜という。
筒状ケース10を、クロスフロー濾過に好適に用いられる中空糸膜モジュール1の構成部材とするためには、膜面に対して原液を平行に流す(筒状ケースの中心軸方向に原液を流す)ための原液の供給口および排出口が必要となるため、少なくとも2つ以上の1次側通液口11aを筒状ケース10(本体部101)の長手方向の両端側に配置することが必要となる。2次側は濾過液の排出が可能であればよいため、2次側通液口11bは少なくとも1つあればよい。よって、筒状ケース10は合計3つ以上の通液口を有することが必須である。
ここで、クロスフロー濾過とは、膜面に対して平行流を発生させ、原液中の濁質が膜面に堆積しにくいよう制御しながら濾過を行う方法であり、平行流の発生のため全量濾過を行うよりも装置の動力コストが高くなるが、中空糸膜をなるべく閉塞させずに長時間運転することを目的とした運転方法である。なお、本実施の形態1における中空糸膜モジュール1は、詰まり物質を多く含む原液を濾過する際に適した運転方法であるクロスフロー濾過においてより好適に用いられるが、処理対象となる原液を全て濾過し、濃縮液を中空糸膜モジュール外に排出しない濾過方法である全量濾過にも用いることができる。
中空糸膜モジュール1に原液を供給する際には、下方から上方に向かうように原液を供給することが、中空糸膜モジュール1内に気泡溜まりが出来にくくなるため好ましい。よって、1次側通液口11aの位置は、中空糸膜モジュール1のなるべく下方から原液を供給し、なるべく上方から原液を排出できるように勘案して位置を決めることが好ましい。本発明の中空糸膜モジュール1について上下を論じるときは、中空糸膜モジュール1を鉛直上向き(図1においては、上方に位置する蓋部102に設けた通液口11bが上向き)になるように立てた状態での上下を指すものとする。
筒状ケース10の形状は、円筒や多角筒が例示可能である。中でも、円筒状の筒状ケース10は、加工、成型のしやすさや、筒状ケース10内の液体や気体の流れが均一になりやすいなどのメリットがあるため好適に用いられる。
筒状ケース10を構成する部材は、繰り返しの蒸気滅菌処理で劣化しにくいような部材であることが好ましく、ポリスルホンに例示されるような耐熱性樹脂や、アルミニウム、ステンレス鋼などの金属、さらに、樹脂と金属の複合体や、ガラス繊維強化樹脂、炭素繊維強化樹脂などの複合材料などから適切なものを選択して使用できる。
中空糸膜束20は、複数本の中空糸膜20aを束化したものであり、その両端を筒状ケース10内壁に、集束部材30により集束、接着されて用いられる。中空糸膜20aは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、セルロース系樹脂およびセルローストリアセテート系樹脂などに例示されるような有機高分子化合物を含んでいることが、コストおよび耐蒸気滅菌性の観点から好ましい。とりわけ、有機高分子化合物としては、溶液による製膜が容易で物理的耐久性や耐薬品性にも優れているポリ塩化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂およびポリアクリロニトリル系樹脂が好ましく、ポリフッ化ビニリデン系樹脂またはそれを主成分とする樹脂が最も好ましく用いられる。ここで主成分とは、その成分が50重量%以上、好ましくは60重量%以上含有することをいう。
さらに、ポリフッ化ビニリデン系樹脂としては、フッ化ビニリデンの単独重合体が好ましく用いられる。さらに、ポリフッ化ビニリデン系樹脂は、フッ化ビニリデンと共重合可能なビニル系単量体との共重合体も好ましく用いられる。フッ化ビニリデンと共重合可能なビニル系単量体としては、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよび三塩化フッ化エチレンなどが例示される。
なお、中空糸膜は外圧式、内圧式のどちらであってもよく、用いる原液の性状、特に原液中の濁質濃度によって好ましいものを選択することが可能である。外圧式の中空糸膜を用いた中空糸膜モジュールは、1次側の流路が広いため中空糸膜どうしの間に濁質が堆積しにくいというメリットがあり、一方、内圧式の中空糸膜を用いた中空糸膜モジュールは1次側の流路が狭いため、ある膜面線速度を得るためのクロスフローの流量が、外圧式の中空糸膜モジュールよりも少なくてよいというメリットがある。原液中の濁質濃度が高い場合、内圧式の中空糸膜は、濁質により流路が閉塞されてしまう懸念があることから、本実施の形態1の中空糸膜モジュール1は原液の濁質濃度が高くても適応可能な外圧式の中空糸膜のほうがより好適に用いられる。
中空糸膜20aの本数は特に限定されないが、充填率が小さいと、中空糸膜モジュール1本あたりの膜面積が小さくなってしまい、濾過効率が低下するため好ましくない。中空糸膜モジュール内に充填される中空糸膜の好ましい本数は、以下の式(1)で表す充填率によって定められる。充填率の好ましい範囲は、20%以上、60%以下、より好ましくは30%以上50%以下である。
ここで、P:充填率(%)、n:中空糸膜本数(本)、rOD:中空糸膜外径、SID:筒状ケース内部の断面積である。なお、中空糸膜を複数の小束に分割する中空糸膜モジュールの場合は、小束ごとの充填率も上式をもとに算出できる。このときのSIDは、集束部材の中空糸膜延出面の面積を代わりに用いればよい。
集束部材30は、中空糸膜束20をまとめ、中空糸膜20aの内側と外側の間が気密かつ液密に分断されるように、かつ中空糸膜束20を少なくとも片端が開口した状態で筒状ケース10の内壁に接着、固定する部材である。本実施の形態1では、上述したように、中空糸膜束20の両端に配設される集束部材30が、筒状ケース10(本体部101)に固定されている。また、集束部材30も中空糸膜モジュール1の構造部材となるため、接着対象部材との親和性のみならず、耐熱性、硬度、強度などが要求される。これらの点を考慮し、例えばポリウレタンやエポキシ、ふっ素樹脂などの熱可塑性または熱硬化性樹脂などから選択することが可能である。
このとき、集束部材30は、中空糸膜束20の少なくとも一端が開口するように設けられることが要求される。中空糸膜20aが開口している状態とは、中空糸膜20aの内側に通液可能な状態のことを指す。このとき、中空糸膜束20の開口端は中空糸膜モジュール1の上方、下方のいずれに位置していてもよい。なお、上述したように、本実施の形態1では、両端側の集束部材30において、中空糸膜束20が開口するように設けられている。
集束部材30は筒状ケース10内に形成されることから、その形状は柱状となる。このとき、集束部材30の2つの底面のうち、中空糸膜束20の中空糸膜が延出する側の面を中空糸膜延出面31と呼ぶ。また、中空糸膜モジュール1は、集束部材30の側面および中空糸膜延出面31に渡って凹部32を有する。凹部32の設け方等については後述する。
なお、集束部材30は中空糸膜束20を保持するための部材であるため、中空糸膜モジュール1内に原液を導入する際に集束部材30に圧力がかかっても、集束部材30が筒状ケース10から外れることなく使用可能であることが肝要である。このように集束部材30を形成するためには、適切な機械的強度を有する集束部材の選定や、適切な厚みを持たせればよい。このとき、集束部材30に要求される厚みについては、以下に示す式(2)により算出可能である。式2はJIS B 8274(2008)に記載されており、用いる集束部材の硬化物と中空糸膜束の外径、本数などから要求厚みの値は変化する。
ここで、t:集束部材の要求厚み(mm)、F:1.25(定数)、G:中空糸膜束外径(mm)、P:使用圧力(N/mm2)、η:効率(中空糸膜の外径、本数のパラメータ)、σa:許容応力(集束部材強度のパラメータ)である。
凹部32は、集束部材30の外周面から切り欠かれてなる切欠形状をなしている。中空糸膜モジュール1が凹部32を有することによって、中空糸膜モジュール1の内部を蒸気滅菌した際、この凹部32が蒸気の通り道となるため、効率よく滅菌を行うことができる。また、凹部32において、中空糸膜20aは配置されないため、各中空糸膜20aが延びる方向からみた中空糸膜束20の配設領域は、略凹状をなす。蒸気滅菌時、蒸気が凹状の内部の空間に入り込むことができるため、凹部32のない場合の中空糸膜束と比して、中空糸膜束20の中央部に蒸気が入り込む効率が向上する。すなわち、中空糸膜束20の深部まで蒸気が行き渡りやすくなり、蒸気滅菌性を向上させることができる。
上述した実施の形態1によれば、中空糸膜束20を集束する略柱状をなす集束部材30において、集束部材30の外周面から切り欠かれてなる切欠形状をなす凹部32を設けるようにしたので、蒸気滅菌時に中空糸膜間にも蒸気が接触しやすくなり、短時間で確実性の高い蒸気滅菌を行える中空糸膜モジュールを得ることが可能となる。
(実施の形態2)
(片端保持、小束分割した中空糸膜モジュールの構成要件について)
図3は、本実施の形態2にかかる中空糸膜モジュール2の構成を示した部分断面図である。なお、図1等で上述した中空糸膜モジュール1と同じ構成要素には同じ符号を付してある。中空糸膜モジュール2は、図3に例示されるように、中空糸膜20aの一端が筒状ケース内に固定されない自由端である、片端保持の態様をとることも好ましい。片端保持の中空糸膜モジュール2は、中空糸膜20aの一端が固定されないため、蒸気滅菌に伴う熱膨張及び収縮に際して各部材の寸法が変化しても、自由端において蓄積される応力のうちの一部が緩和され、破損しにくくなるため好ましい。また、片端保持とすることで中空糸膜が瑶動しやすくなり、例えば原水が高濁度の場合の排濁性が向上する。
(片端保持、小束分割した中空糸膜モジュールの構成要件について)
図3は、本実施の形態2にかかる中空糸膜モジュール2の構成を示した部分断面図である。なお、図1等で上述した中空糸膜モジュール1と同じ構成要素には同じ符号を付してある。中空糸膜モジュール2は、図3に例示されるように、中空糸膜20aの一端が筒状ケース内に固定されない自由端である、片端保持の態様をとることも好ましい。片端保持の中空糸膜モジュール2は、中空糸膜20aの一端が固定されないため、蒸気滅菌に伴う熱膨張及び収縮に際して各部材の寸法が変化しても、自由端において蓄積される応力のうちの一部が緩和され、破損しにくくなるため好ましい。また、片端保持とすることで中空糸膜が瑶動しやすくなり、例えば原水が高濁度の場合の排濁性が向上する。
本実施の形態2にかかる中空糸膜モジュール2は、図3に示すように、筒状ケース10aと、筒状ケース10aの内部に配設される複数の中空糸膜20aからなる中空糸膜束20と、中空糸膜束20の一端を集束するとともに、筒状ケース10aに固定される固定端であって、略柱状をなす集束部材30a(第1の集束部材)と、上述した凹部32を有し、中空糸膜束20の他端を集束する略柱状をなす集束部材30b(第2の集束部材)と、を備える。集束部材30bは、筒状ケース10aに対して非固定状態にある自由端である。
筒状ケース10aは、略筒状をなす本体部103と、本体部103の一端(上部)に設けられ、上述した構成を有する蓋部102とを有する。なお、筒状ケース10aは、一体成型されたものであってもよい。筒状ケース10aは、実施の形態1と同様に、複数の通液口を有している。各通液口は、上述した2次側通液口11b、本体部103の一端側に設けられ、本体部103の長手方向に沿って延出し、分離膜モジュール1の1次側に対して原液を導入する、あるいは原液を排出するための1次側通液口11c、および本体部103の壁面から延出し、分離膜モジュール1の1次側に対して原液を導入する、あるいは原液を排出するための1次側通液口11dのいずれかに分類される。なお、本実施の形態2では、1次側通液口11dは、本体部103の他端側に設けられるものとして説明するが、この配設位置に限定されるものではない。
なお、中空糸膜モジュール2は、1次側通液口および2次側通液口をどちらも1つ以上備えてなる。筒状ケース10aが本体部103と蓋部102とに分かれている場合、中空糸膜束20aを介して原液の排出が可能であれば、通液口は本体部103、蓋部102のいずれに設けられていてもよい。
中空糸膜モジュール2は、片端保持の態様である場合、自由端である集束部材30bにおいては中空糸膜20aが開口せず、封止されていることが要求される。このとき中空糸膜20aの自由端を封止する方法としては、以下の方法が例示できる。所定の中空糸膜長さの倍程度の長さを有する中空糸膜を用意し、半分に折り曲げて用いる、または中空糸膜束の自由端となる側の端面を、集束部材などで塞ぎ、液が流入しないようにするなどである。
なお、中空糸膜モジュール2を片端保持として形成する場合、中空糸膜束20を固定する箇所は筒状ケース10aの上方の端部とし、下方の端部が自由端であると、中空糸膜20aの自由端が中空糸膜モジュール2内において懸垂された状態で保持されるため好ましい。
また、図4は、本実施の形態2の他の例にかかる中空糸膜モジュール2aの構成を示した部分断面図である。図4に例示する中空糸膜モジュール2aのように、中空糸膜モジュール2の集束部材30bに代えて、中空糸膜20aを複数の小束に分割してそれぞれ保持する複数の部分集束部材30cとした方が、図3に示す中空糸膜モジュール2と比較して膜揺れ効果の向上が期待され好ましい。なお、部分集束部材30cは、筒状ケース10aに対して非固定状態にある自由端である。このとき、小束(部分集束部材30c)の数は多いほうが、膜揺れ効果が向上しやすくなり好ましいが、多すぎると製造工程の煩雑化、小束同士が絡みやすくなり、中空糸膜同士が擦れて損傷する等の懸念も考えられる。以上のことを勘案して、小束の数は任意に決定されることが好ましい。
上述した実施の形態2によれば、実施の形態1に記載した中空糸膜モジュールと同様に、集束部材30b(部分集束部材30c)に、集束部材30b(部分集束部材30c)の側面と中空糸膜延出側の底面とに及ぶ凹部32を設けることにより、中空糸膜束20の深部まで蒸気が行き渡りやすくなる効果が得られるようになり、中空糸膜モジュールの蒸気滅菌処理を、短時間かつ高い確実性をもって繰り返し行うことが可能となる。このとき、凹部32を設ける集束部材は、自由端であることが好ましい。これは、固定端である集束部材30aよりも自由端の集束部材30b(部分集束部材30c)のほうが、中空糸膜延出面における中空糸膜20の密度が高いためである。図4に例示されるように、複数の小束に分割された中空糸膜モジュール2aにおいては、部分集束部材30cの側面と中空糸膜延出面とに及ぶ凹部32を設けることが特に好ましい。部分集束部材30cに凹部32を設ける場合は、任意の部分集束部材30cのみに凹部32を設けてもよく、全ての部分集束部材30cに凹部32を設けることも好ましい。
(集束部材の形状、および集束部材に設ける凹部の形状について)
ここで、上述した実施の形態1,2にかかる集束部材の形状、および集束部材に設ける凹部の形状について説明する。集束部材、特に自由端の集束部材30bや部分集束部材30cの形状については、中空糸膜を強固に保持できる形状、または柱状または錘台状であることが好ましい。柱状、錘台状とも底面形状は特に限定されないが、円または正多角形であることが、成型の容易性と筒状ケース内での充填効率との兼ね合いから好ましいといえる。集束部材が錘台である場合は、面積の異なる大小2つの底面のうち、どちらを中空糸膜延出面としても構わない。
ここで、上述した実施の形態1,2にかかる集束部材の形状、および集束部材に設ける凹部の形状について説明する。集束部材、特に自由端の集束部材30bや部分集束部材30cの形状については、中空糸膜を強固に保持できる形状、または柱状または錘台状であることが好ましい。柱状、錘台状とも底面形状は特に限定されないが、円または正多角形であることが、成型の容易性と筒状ケース内での充填効率との兼ね合いから好ましいといえる。集束部材が錘台である場合は、面積の異なる大小2つの底面のうち、どちらを中空糸膜延出面としても構わない。
凹部32は、集束部材の側面と中空糸膜延出面31とに及んでいるものであればよいが、凹部を設ける目的は、中空糸膜モジュール内の蒸気が当たりにくい箇所や、温度が上昇しにくい箇所に蒸気をよく通すためであり、中空糸膜束内のある1本の中空糸膜への蒸気の当たりやすさを改善させるように凹部32を設けることが好ましい。すなわち、各中空糸膜と集束部材外周との最大距離が短くなるように、凹部32を設ければよい。
このような凹部の設け方について、図5および図6を用いて説明する。図5は、集束部材30b(または部分集束部材30c)を、中空糸膜延出面31a側から見た上面図であって、図5(a)および図5(b)は、凹部の一例を模式的にそれぞれ示す斜視図である。上述した凹部32のほか、図5(a)に示すように、中空糸膜延出面31aと、集束部材30bの側面とに及ぶように切り欠いて形成された凹部32aであってもよいし、図5(b)に示すように、中空糸膜延出面31aと、集束部材30bの側面と、中空糸膜延出面31aの裏面に及ぶとともに、中空糸膜延出面31aの中央部を含むように穿設される凹部32bであってもよい。
図6は、中空糸膜モジュールの集束部材30bに設ける凹部32bを説明するための図である。なお、図6では、凹部の設け方についての理解を助けるために、中空糸膜20については省略している。また、集束部材30b(または部分集束部材30c)に対して形成される凹部32bを例に説明するが、上述した集束部材30,30aに対しても適用可能であり、凹部32,32aにおいても同様である。ここで、ある1本の中空糸膜20aの中心軸が、図6中の点Aを通過する位置にあるとする。この中空糸膜20aの中心軸と、中空糸膜延出面31aの外周との最短距離は、点Aを中心として、中空糸膜延出面31aに内接する円を描いたときの円の半径の長さRに相当する。Rの値が小さいほど蒸気に当たりやすい。
ここで、凹部32bを設けた後における、集束部材30bにより集束、保持されている中空糸膜のうち外周からもっとも遠いところに位置した中空糸膜から、集束部材30bの外周までの距離(中空糸膜延出面31aの外周に内接する最大の円を描いたときの内接円半径)であるRmaxと、凹部32bを設ける前における外周からもっとも遠いところに位置した中空糸膜の中心軸から、集束部材30b(中空糸膜延出面31a)の外周までの距離R´とについて、Rmax/R´<1の関係を満たすことが好ましい。これにより、凹部32bを設けることによって中空糸膜が蒸気に当たりやすくなったということができる。R´は、補完された中空糸膜延出面33(図6破線)において、この補完された中空糸膜延出面33に内接する最大の円の半径(中空糸膜延出面31aの凹部32b以外の円弧の半径)に相当する。図6の場合は、補完された中空糸膜延出面33の外周形状が円であるため、この円の半径がそのままR´となっている。
Rmaxは、R´に対して小さくなればなるほど、中空糸膜束の最深部まで蒸気が当たりやすくなるため好ましい。Rmax/R´の好ましい範囲は、Rmax/R´≦0.8であり、さらに好ましくはRmax/R´≦0.6である。ただし、Rmax/R´が小さくなりすぎると、集束部材30bそのものの大きさが小さくなってしまうため、中空糸膜20aの保持力に懸念が生じる。集束部材30bに十分な中空糸膜保持力を持たせるためには、集束部材30bに凹部32bを設ける前後において、中空糸膜延出面(中空糸膜延出面31a,33)の面積比が所定値以上であればよい。すなわち、凹部32bを設けた後における中空糸膜延出面31aの面積をS、凹部を設ける前の、補完された中空糸膜延出面34の面積(中空糸膜延出面31aの凹部32b以外の円弧の半径から算出される面積)をS´とおいたときにS/S´≧0.6の関係を満たすことが好ましい(S/S´<1)。中空糸膜の保持力を確保する観点からは、より好ましくはS/S´≧0.7、さらに好ましくはS/S´≧0.8であるとよい。
凹部の形状は特に限定されないが、凹部の外周(中空糸膜延出面に直交する方向から見た凹部の外縁形状)は、曲線から構成されていることが好ましい。集束部材では蒸気滅菌において熱膨張または熱収縮が生じるため、凹部の一部において角が形成されていると、熱膨張、収縮に伴い生じる外力が角部に集中し、その箇所を起点としてクラックが生じる懸念があるためである。
集束部材30bに設ける凹部32bの数は1つでもよく、複数であってもよい。複数の凹部を設ける場合も、上述のRmax/R´やS/S´の関係性を満たすように凹部を設けることが好ましい。また、複数の凹部を設ける場合は、設ける凹部の形状は同じでも異なっていてもよい。
本実施の形態1,2にかかる中空糸膜モジュールは、上述した蒸気滅菌に限らず、温水による殺菌を行う場合であっても適用可能である。温水よる殺菌を行う場合、例えば、中空糸膜モジュールを構成する部材に、温水に対する耐性を有する素材を用いることが好ましい。
また、本発明の中空糸膜モジュールは、中空糸膜束が、集束部材を用いて筒状ケース内壁に接着される中空糸膜モジュールだけでなく、集束部材が筒状ケース内に接着されずに、筒状ケース内から取り出し可能なカートリッジ式の中空糸膜モジュールであっても同様の効果を得ることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。本発明の中空糸膜モジュールが、短時間で確実性の高い蒸気滅菌処理を繰り返し行うことが可能か否かを評価するための方法として、試作した中空糸膜モジュールに対して参考例1に記載の試験を実施した。
(参考例1)中空糸膜モジュールの昇温時間測定
中空糸膜モジュールにおいて、最も昇温が遅い点、すなわちRmaxとなる点が121℃に達するのに要する時間を測定した。Rmaxとなる点の温度は、熱電対を当該する点に差し込み、先端が集束部材に当たるようにセットすることで測定した。供給した水蒸気は125℃の飽和水蒸気であり、供給は中空糸膜モジュールの上方から下方に向けて行った。初期温度は25℃とし、蒸気供給開始から、Rmaxとなる点が121℃に達するまでの時間を測定した。
中空糸膜モジュールにおいて、最も昇温が遅い点、すなわちRmaxとなる点が121℃に達するのに要する時間を測定した。Rmaxとなる点の温度は、熱電対を当該する点に差し込み、先端が集束部材に当たるようにセットすることで測定した。供給した水蒸気は125℃の飽和水蒸気であり、供給は中空糸膜モジュールの上方から下方に向けて行った。初期温度は25℃とし、蒸気供給開始から、Rmaxとなる点が121℃に達するまでの時間を測定した。
(参考例2)中空糸膜モジュールの作製1
以下に記載のものを用いて、図1に記載の中空糸膜モジュール1を作製した。また、図7は、本実施例にかかる中空糸膜モジュールの作製方法を説明する図である。
本体部101:ポリスルホン製の円筒状容器。長さは1500mm、内径は155mm。
蓋部102:SUS316製。筒状ケース10の、径が大きいほうの開口端側に嵌合するような大きさのもの。集束部材の凹部に嵌合するように蓋部102内に仕切り板が設けられており、仕切り板を隔てた両側の空間に連通するように1次側通液口11aおよび2次側通液口11bが1つずつ設けられている。
中空糸膜20a:PVDF中空糸膜を3000本使用した。東レ株式会社製の中空糸膜モジュール「HFU−2020」を解体し、集束部材によって集束されていない中空糸膜部分を切り出して用いた。
集束部材30:二液混合型のエポキシ樹脂である、LST868 R−14、LST868 H−14(ともにハンツマン・ジャパン株式会社製)を用いた。
凹部形成補助部材40:本体部101の内壁に密着させることができ、集束部材の凹部32に相当する形状を有するポリアセタール樹脂性の構造体。楕円柱の一部を、円柱の側面と平行な曲面で切り取った形状であり、元の楕円の長軸と短軸の比を凹部の長軸:短軸の比としたときのこの比が、5:1または5:2のいずれかである。
熱電対:RSコンポーネンツ社製のKタイプ(アルメル−クロメル)熱電対。
以下に記載のものを用いて、図1に記載の中空糸膜モジュール1を作製した。また、図7は、本実施例にかかる中空糸膜モジュールの作製方法を説明する図である。
本体部101:ポリスルホン製の円筒状容器。長さは1500mm、内径は155mm。
蓋部102:SUS316製。筒状ケース10の、径が大きいほうの開口端側に嵌合するような大きさのもの。集束部材の凹部に嵌合するように蓋部102内に仕切り板が設けられており、仕切り板を隔てた両側の空間に連通するように1次側通液口11aおよび2次側通液口11bが1つずつ設けられている。
中空糸膜20a:PVDF中空糸膜を3000本使用した。東レ株式会社製の中空糸膜モジュール「HFU−2020」を解体し、集束部材によって集束されていない中空糸膜部分を切り出して用いた。
集束部材30:二液混合型のエポキシ樹脂である、LST868 R−14、LST868 H−14(ともにハンツマン・ジャパン株式会社製)を用いた。
凹部形成補助部材40:本体部101の内壁に密着させることができ、集束部材の凹部32に相当する形状を有するポリアセタール樹脂性の構造体。楕円柱の一部を、円柱の側面と平行な曲面で切り取った形状であり、元の楕円の長軸と短軸の比を凹部の長軸:短軸の比としたときのこの比が、5:1または5:2のいずれかである。
熱電対:RSコンポーネンツ社製のKタイプ(アルメル−クロメル)熱電対。
作成の手順は以下の通りである。
1)凹部形成補助部材40にシリコーングリスを塗り、本体部101内に収める。凹部形成補助部材40の一部が本体部101の開口面Pの外に出るようにする。
2)凹部形成補助部材40を収めた本体部101を、図7のようにして中空糸膜モジュール作製冶具50に嵌合させる。このとき、本体部101と中空糸膜モジュール作製冶具50との間は、Oリング40aによって密閉された状態となる。
3)中空糸膜20aを複数本束ねて、一端に薄く速乾性の接着剤を塗布し、中空糸膜の開口端を一時的に塞いで目止め端とする。
4)中空糸膜20aを本体部101内に収める。中空糸膜20aの目止め端が中空糸膜モジュール作製冶具50の内面と対向するようにし、中空糸膜20aを本体部101の上方から押し出し、本体部101の下端から数cmはみ出すようにする。
5)二液をよく混合したエポキシ樹脂Reを、中空糸膜モジュール作製冶具50の下部からゆっくり注入する。所定の量を注入したら、エポキシ樹脂Reの供給を止めて完全に硬化するまで静置する。
6)中空糸膜モジュール作製冶具50を外し、本体部101から凹部形成補助部材40を取り外し、はみ出たエポキシ樹脂Reを切り落として、凹部32を有する集束部材30を得る。集束部材30においてR=Rmaxとなる点に熱電対を差し込んで、熱電対の先端が集束部材に触れるようにして、動かないようにポリイミドテープで固定する。集束部材30の凹部32から熱電対のケーブルを本体部101の外に出しておく。
7)本体部101のもう一端にも、手順1)〜6)に準じて凹部形成補助部材40を収め、エポキシ樹脂Reを流し込んで凹部32を有する集束部材30を得る。
8)本体部101の両端に、蓋部102を嵌合させて中空糸膜モジュール1を得る。蓋部102は、内側に設けられた仕切りなどによって中空糸膜モジュール1の1次側と2次側が気密かつ液密に分断されるように嵌合される。
1)凹部形成補助部材40にシリコーングリスを塗り、本体部101内に収める。凹部形成補助部材40の一部が本体部101の開口面Pの外に出るようにする。
2)凹部形成補助部材40を収めた本体部101を、図7のようにして中空糸膜モジュール作製冶具50に嵌合させる。このとき、本体部101と中空糸膜モジュール作製冶具50との間は、Oリング40aによって密閉された状態となる。
3)中空糸膜20aを複数本束ねて、一端に薄く速乾性の接着剤を塗布し、中空糸膜の開口端を一時的に塞いで目止め端とする。
4)中空糸膜20aを本体部101内に収める。中空糸膜20aの目止め端が中空糸膜モジュール作製冶具50の内面と対向するようにし、中空糸膜20aを本体部101の上方から押し出し、本体部101の下端から数cmはみ出すようにする。
5)二液をよく混合したエポキシ樹脂Reを、中空糸膜モジュール作製冶具50の下部からゆっくり注入する。所定の量を注入したら、エポキシ樹脂Reの供給を止めて完全に硬化するまで静置する。
6)中空糸膜モジュール作製冶具50を外し、本体部101から凹部形成補助部材40を取り外し、はみ出たエポキシ樹脂Reを切り落として、凹部32を有する集束部材30を得る。集束部材30においてR=Rmaxとなる点に熱電対を差し込んで、熱電対の先端が集束部材に触れるようにして、動かないようにポリイミドテープで固定する。集束部材30の凹部32から熱電対のケーブルを本体部101の外に出しておく。
7)本体部101のもう一端にも、手順1)〜6)に準じて凹部形成補助部材40を収め、エポキシ樹脂Reを流し込んで凹部32を有する集束部材30を得る。
8)本体部101の両端に、蓋部102を嵌合させて中空糸膜モジュール1を得る。蓋部102は、内側に設けられた仕切りなどによって中空糸膜モジュール1の1次側と2次側が気密かつ液密に分断されるように嵌合される。
(参考例3)中空糸膜モジュールの作製2
以下に記載のものを用いて、図3に記載の中空糸膜モジュール2を作製した。また、図8は、本実施例にかかる中空糸膜モジュールの作製方法を説明する図である。
本体部103:ポリスルホン製の円筒状容器。長さは1500mm、内径は155mm。本体部103の壁面上に、端部から100mmの点を中心として、直径40mmの円形の孔を1つ設け、これを一次側通液口11dとした。
蓋部102:SUS316製。筒状ケース10の、径が大きいほうの開口端側に嵌合するような大きさのもの。
中空糸膜20a:PVDF中空糸膜。東レ株式会社製の中空糸膜モジュール「HFU−2020」を解体し、集束部材によって集束されていない中空糸膜部分を切り出して用いた。
集束部材30a,30b:二液混合型のエポキシ樹脂である、LST868 R−14、LST868 H−14(ともにハンツマン・ジャパン株式会社製)を用いた。
凹部形成補助部材41:後述の自由端形成容器の内壁に密着させることができ、集束部材の凹部に相当する形状を有するポリアセタール樹脂性の構造体。
自由端形成容器51:内径145mm、深さ30mmのポリアセタール樹脂性容器。
熱電対:RSコンポーネンツ社製のKタイプ(アルメル−クロメル)熱電対。
以下に記載のものを用いて、図3に記載の中空糸膜モジュール2を作製した。また、図8は、本実施例にかかる中空糸膜モジュールの作製方法を説明する図である。
本体部103:ポリスルホン製の円筒状容器。長さは1500mm、内径は155mm。本体部103の壁面上に、端部から100mmの点を中心として、直径40mmの円形の孔を1つ設け、これを一次側通液口11dとした。
蓋部102:SUS316製。筒状ケース10の、径が大きいほうの開口端側に嵌合するような大きさのもの。
中空糸膜20a:PVDF中空糸膜。東レ株式会社製の中空糸膜モジュール「HFU−2020」を解体し、集束部材によって集束されていない中空糸膜部分を切り出して用いた。
集束部材30a,30b:二液混合型のエポキシ樹脂である、LST868 R−14、LST868 H−14(ともにハンツマン・ジャパン株式会社製)を用いた。
凹部形成補助部材41:後述の自由端形成容器の内壁に密着させることができ、集束部材の凹部に相当する形状を有するポリアセタール樹脂性の構造体。
自由端形成容器51:内径145mm、深さ30mmのポリアセタール樹脂性容器。
熱電対:RSコンポーネンツ社製のKタイプ(アルメル−クロメル)熱電対。
作成の手順は以下の通りである。
1)凹部形成補助部材41にシリコーングリスを塗り、自由端形成容器51内に収める。
2)中空糸膜20aを複数本束ねて、目止め処理をせずに自由端形成容器51内に収める。このとき、中空糸膜20aは、端部が、自由端形成容器51の底面とは接触しない状態で保持される。
3)二液をよく混合したエポキシ樹脂Reを、自由端形成容器51内に流し込む。所定の量を流し込んだら、エポキシ樹脂Reの供給を止めて完全に硬化するまで静置する(図8参照)。
4)硬化させたエポキシ樹脂を自由端形成容器51から取り出す。これにより、中空糸膜端が閉塞され、凹部32を有する自由端の集束部材30bを得る。
5)自由端においてR=Rmaxとなる点に熱電対を差し込み、熱電対の先端が集束部材30bに触れるようにしてポリイミドテープで固定する。熱電対のコードは本体部103の開口端から出るようにしておく。
6)中空糸膜束20のもう一端に、薄く速乾性の接着剤を塗布し、中空糸膜20aの開口端を一時的に塞いで目止め端とする。
7)本体部103を、図7のようにして中空糸膜モジュール作製冶具50に嵌合させる。
8)中空糸膜20aを本体部103内に収める。中空糸膜20aの目止め端が中空糸膜モジュール作製冶具50の内面と対向するようにし、中空糸膜20aを筒状ケース本体部10aの上方から押し出し、本体部103の下端から数cmはみ出すようにする。
9)二液をよく混合したエポキシ樹脂Reを、中空糸膜モジュール作製冶具50の下部からゆっくり注入する。所定の量を注入したら、エポキシ樹脂Reの供給を止めて完全に硬化するまで静置する。
10)中空糸膜モジュール作製冶具50を外し、本体部103からはみ出たエポキシ樹脂Reを切り落として、固定端の集束部材30aを得る。
11)本体部103の集束部材30a側に、蓋部102を勘合させて中空糸膜モジュール2を得る。
1)凹部形成補助部材41にシリコーングリスを塗り、自由端形成容器51内に収める。
2)中空糸膜20aを複数本束ねて、目止め処理をせずに自由端形成容器51内に収める。このとき、中空糸膜20aは、端部が、自由端形成容器51の底面とは接触しない状態で保持される。
3)二液をよく混合したエポキシ樹脂Reを、自由端形成容器51内に流し込む。所定の量を流し込んだら、エポキシ樹脂Reの供給を止めて完全に硬化するまで静置する(図8参照)。
4)硬化させたエポキシ樹脂を自由端形成容器51から取り出す。これにより、中空糸膜端が閉塞され、凹部32を有する自由端の集束部材30bを得る。
5)自由端においてR=Rmaxとなる点に熱電対を差し込み、熱電対の先端が集束部材30bに触れるようにしてポリイミドテープで固定する。熱電対のコードは本体部103の開口端から出るようにしておく。
6)中空糸膜束20のもう一端に、薄く速乾性の接着剤を塗布し、中空糸膜20aの開口端を一時的に塞いで目止め端とする。
7)本体部103を、図7のようにして中空糸膜モジュール作製冶具50に嵌合させる。
8)中空糸膜20aを本体部103内に収める。中空糸膜20aの目止め端が中空糸膜モジュール作製冶具50の内面と対向するようにし、中空糸膜20aを筒状ケース本体部10aの上方から押し出し、本体部103の下端から数cmはみ出すようにする。
9)二液をよく混合したエポキシ樹脂Reを、中空糸膜モジュール作製冶具50の下部からゆっくり注入する。所定の量を注入したら、エポキシ樹脂Reの供給を止めて完全に硬化するまで静置する。
10)中空糸膜モジュール作製冶具50を外し、本体部103からはみ出たエポキシ樹脂Reを切り落として、固定端の集束部材30aを得る。
11)本体部103の集束部材30a側に、蓋部102を勘合させて中空糸膜モジュール2を得る。
(参考例4)中空糸膜モジュールの作製3
以下に記載のものを用いて、図4に記載の中空糸膜モジュール3を作製した。参考例3に記載の手法と類似しているため、相違点についてのみ述べる。また、図9は、本実施例にかかる中空糸膜モジュールの作製方法を説明する図である。
凹部形成補助部材42:後述の小束形成容器の内壁に密着させることができ、集束部材の凹部に相当する形状を有するポリアセタール樹脂性の構造体(図9参照)。
小束形成容器52:内径48mm、深さ30mmのポリアセタール樹脂性容器(図9参照)。
以下に記載のものを用いて、図4に記載の中空糸膜モジュール3を作製した。参考例3に記載の手法と類似しているため、相違点についてのみ述べる。また、図9は、本実施例にかかる中空糸膜モジュールの作製方法を説明する図である。
凹部形成補助部材42:後述の小束形成容器の内壁に密着させることができ、集束部材の凹部に相当する形状を有するポリアセタール樹脂性の構造体(図9参照)。
小束形成容器52:内径48mm、深さ30mmのポリアセタール樹脂性容器(図9参照)。
作成の手順は以下の通りである。
1)凹部形成補助部材42にシリコーングリスを塗り、小束形成容器52内に収める。
2)参考例3の2)〜4)の手順に準じて、凹部32を有する部分集束部材30cにより集束された中空糸膜小束を7つ作製する(図9参照)。
3)2)で作製した小束の1つにおいて、R=Rmaxとなる点に熱電対を差し込み、熱電対の先端が集束部材に触れるようにしてポリイミドテープで固定する。熱電対のコードは本体部103の開口端から出るようにしておく。
4)2)で作製した全ての小束について、中空糸膜束20のもう一端に、薄く速乾性の接着剤を塗布し、中空糸膜20aの開口端を一時的に塞いで目止め端とする。
5)参考例3の7)〜11)に記載の手順に準じて中空糸膜モジュール2aを得る。
1)凹部形成補助部材42にシリコーングリスを塗り、小束形成容器52内に収める。
2)参考例3の2)〜4)の手順に準じて、凹部32を有する部分集束部材30cにより集束された中空糸膜小束を7つ作製する(図9参照)。
3)2)で作製した小束の1つにおいて、R=Rmaxとなる点に熱電対を差し込み、熱電対の先端が集束部材に触れるようにしてポリイミドテープで固定する。熱電対のコードは本体部103の開口端から出るようにしておく。
4)2)で作製した全ての小束について、中空糸膜束20のもう一端に、薄く速乾性の接着剤を塗布し、中空糸膜20aの開口端を一時的に塞いで目止め端とする。
5)参考例3の7)〜11)に記載の手順に準じて中空糸膜モジュール2aを得る。
(参考例5)中空糸膜モジュールの作製4
図10に記載の中空糸膜モジュール60を作製した。参考例2に記載の手法と類似しており、相違点についてのみ述べる。なお、筒状ケース、中空糸膜、集束部材の形状は、上述した中空糸膜モジュール1に順ずる。
本体部610:ポリスルホン製の円筒状容器。長さは1500mm、内径は155mm。壁面上に、筒状ケース61両端側から100mmの点を中心として、直径40mmの円形の孔を1つずつ、計2つ設け、これを1次側通液口62aとした。
蓋部611:SUS316製であって、本体部610の、両端の開口端側にそれぞれ嵌合することが可能である。また、円形の孔を1つずつ設け、これを2次側通液口62bとした。
なお、中空糸膜モジュール60の集束部材63において、凹部は形成されていない。
図10に記載の中空糸膜モジュール60を作製した。参考例2に記載の手法と類似しており、相違点についてのみ述べる。なお、筒状ケース、中空糸膜、集束部材の形状は、上述した中空糸膜モジュール1に順ずる。
本体部610:ポリスルホン製の円筒状容器。長さは1500mm、内径は155mm。壁面上に、筒状ケース61両端側から100mmの点を中心として、直径40mmの円形の孔を1つずつ、計2つ設け、これを1次側通液口62aとした。
蓋部611:SUS316製であって、本体部610の、両端の開口端側にそれぞれ嵌合することが可能である。また、円形の孔を1つずつ設け、これを2次側通液口62bとした。
なお、中空糸膜モジュール60の集束部材63において、凹部は形成されていない。
1)本体部610を、図7のようにして中空糸膜モジュール作製冶具50に嵌合させる。
2)中空糸膜20aを複数本束ねて、一端に薄く速乾性の接着剤を塗布し、中空糸膜20aの開口端を一時的に塞いで目止め端とする。
3)中空糸膜20aを本体部610内に収める。中空糸膜20aの目止め端が中空糸膜モジュール作製冶具50の内面と対向するようにし、中空糸膜20aを本体部610の上方から押し出し、本体部610の下端から数cmはみ出すようにする。
4)二液をよく混合したエポキシ樹脂Reを、中空糸膜モジュール作製冶具50の下部からゆっくり注入する。所定の量を注入したら、エポキシ樹脂Reの供給を止めて完全に硬化するまで静置する。
5)中空糸膜モジュール作製冶具50を外し、はみ出たエポキシ樹脂を切り落として、固定端の集束部材63を得る。集束部材63においてR=Rmax(ここでは、Rmaxは集束部材囲繞底面の半径)となる点に熱電対を差し込み、熱電対の先端が集束部材63に触れるようにしてポリイミドテープで固定する。また、熱電対のケーブルを本体部610の外に出しておく。
6)本体部610の他端側にも、手順1)〜5)に準じて固定端の集束部材63を形成する。
7)本体部610の両端に、蓋部611を勘合させて中空糸膜モジュール60を得る。蓋部611は、内側に設けられた仕切りなどによって中空糸膜モジュールの1次側と2次側が気密かつ液密に分断されるように嵌合される。
2)中空糸膜20aを複数本束ねて、一端に薄く速乾性の接着剤を塗布し、中空糸膜20aの開口端を一時的に塞いで目止め端とする。
3)中空糸膜20aを本体部610内に収める。中空糸膜20aの目止め端が中空糸膜モジュール作製冶具50の内面と対向するようにし、中空糸膜20aを本体部610の上方から押し出し、本体部610の下端から数cmはみ出すようにする。
4)二液をよく混合したエポキシ樹脂Reを、中空糸膜モジュール作製冶具50の下部からゆっくり注入する。所定の量を注入したら、エポキシ樹脂Reの供給を止めて完全に硬化するまで静置する。
5)中空糸膜モジュール作製冶具50を外し、はみ出たエポキシ樹脂を切り落として、固定端の集束部材63を得る。集束部材63においてR=Rmax(ここでは、Rmaxは集束部材囲繞底面の半径)となる点に熱電対を差し込み、熱電対の先端が集束部材63に触れるようにしてポリイミドテープで固定する。また、熱電対のケーブルを本体部610の外に出しておく。
6)本体部610の他端側にも、手順1)〜5)に準じて固定端の集束部材63を形成する。
7)本体部610の両端に、蓋部611を勘合させて中空糸膜モジュール60を得る。蓋部611は、内側に設けられた仕切りなどによって中空糸膜モジュールの1次側と2次側が気密かつ液密に分断されるように嵌合される。
(参考例6)中空糸膜モジュールの作製5
図11に記載の中空糸膜モジュール70を作製した。参考例3に記載の手法と類似しており、相違点についてのみ述べる。
なお、中空糸膜モジュール70の集束部材64,65において、凹部は形成されていない。
1)中空糸膜20aを複数本束ねて、目止め処理をせずに自由端形成容器51内に収める。なお、自由端形成容器51内には、凹部形成補助部材41は配設されていない。
2)二液をよく混合したエポキシ樹脂Reを、自由端形成容器51内に流し込む。所定の量を流し込んだら、エポキシ樹脂Reの供給を止めて完全に硬化するまで静置する。
3)硬化させたエポキシ樹脂Reを自由端形成容器51から取り出して、自由端の集束部材65を得る。
4)自由端においてR=Rmax(ここでは、Rmaxは集束部材囲繞底面の半径)となる点に熱電対を差し込み、熱電対の先端が集束部材65に触れるようにしてポリイミドテープで固定する。熱電対のコードは本体部103の開口端から出るようにしておく。
5)参考例3の6)〜11)の手順に準じて、凹部が形成されていない固定端の集束部材64を形成し、中空糸膜モジュール70を得る。
図11に記載の中空糸膜モジュール70を作製した。参考例3に記載の手法と類似しており、相違点についてのみ述べる。
なお、中空糸膜モジュール70の集束部材64,65において、凹部は形成されていない。
1)中空糸膜20aを複数本束ねて、目止め処理をせずに自由端形成容器51内に収める。なお、自由端形成容器51内には、凹部形成補助部材41は配設されていない。
2)二液をよく混合したエポキシ樹脂Reを、自由端形成容器51内に流し込む。所定の量を流し込んだら、エポキシ樹脂Reの供給を止めて完全に硬化するまで静置する。
3)硬化させたエポキシ樹脂Reを自由端形成容器51から取り出して、自由端の集束部材65を得る。
4)自由端においてR=Rmax(ここでは、Rmaxは集束部材囲繞底面の半径)となる点に熱電対を差し込み、熱電対の先端が集束部材65に触れるようにしてポリイミドテープで固定する。熱電対のコードは本体部103の開口端から出るようにしておく。
5)参考例3の6)〜11)の手順に準じて、凹部が形成されていない固定端の集束部材64を形成し、中空糸膜モジュール70を得る。
(参考例7)中空糸膜モジュールの作製6
図12に記載の中空糸膜モジュール70aを作製した。参考例6に記載の手法と類似しており、相違点についてのみ述べる。
なお、中空糸膜モジュール70aの集束部材66において、凹部は形成されていない。
1)参考例6の1)〜3)の手順に準じて、小束集束部材により集束された中空糸膜小束を7つ作製する。
2)1)で作製した小束の1つにおいて、R=Rmax(ここでは、Rmaxは集束部材囲繞底面の半径)となる点に熱電対を差し込み熱電対の先端が各集束部材66に触れるようにしてポリイミドテープで固定する。熱電対のコードは本体部103の開口端から出るようにしておく。
3)2)で作製した全ての小束について、中空糸膜束20のもう一端に、薄く速乾性の接着剤を塗布し、中空糸膜の開口端を一時的に塞いで目止め端とする。
4)参考例6の5)の手順に準じて、凹部が形成されていない固定端の集束部材64を形成し、中空糸膜モジュール70aを得る。
図12に記載の中空糸膜モジュール70aを作製した。参考例6に記載の手法と類似しており、相違点についてのみ述べる。
なお、中空糸膜モジュール70aの集束部材66において、凹部は形成されていない。
1)参考例6の1)〜3)の手順に準じて、小束集束部材により集束された中空糸膜小束を7つ作製する。
2)1)で作製した小束の1つにおいて、R=Rmax(ここでは、Rmaxは集束部材囲繞底面の半径)となる点に熱電対を差し込み熱電対の先端が各集束部材66に触れるようにしてポリイミドテープで固定する。熱電対のコードは本体部103の開口端から出るようにしておく。
3)2)で作製した全ての小束について、中空糸膜束20のもう一端に、薄く速乾性の接着剤を塗布し、中空糸膜の開口端を一時的に塞いで目止め端とする。
4)参考例6の5)の手順に準じて、凹部が形成されていない固定端の集束部材64を形成し、中空糸膜モジュール70aを得る。
(実施例1〜9、比較例1)
表1に記載の条件で、両端が固定端の中空糸膜モジュール1,60を作製し、参考例1に記載の昇温時間測定を実施した。中空糸膜モジュールの充填率、昇温時間測定結果を表1にまとめて示す。
表1に記載の条件で、両端が固定端の中空糸膜モジュール1,60を作製し、参考例1に記載の昇温時間測定を実施した。中空糸膜モジュールの充填率、昇温時間測定結果を表1にまとめて示す。
中空糸膜モジュール1の集束部材に凹部32を設け、Rmax/R´を1よりも小さくすることで、中空糸膜モジュール1内全体の充填率が高まったにも拘わらず、121℃に達する時間、すなわち蒸気滅菌処理に要する時間が短くなることがわかった。
(実施例10〜18、比較例2)
表2に記載の条件で、片端が自由端、もう一端が固定端の中空糸膜モジュール2,70を作製し、参考例1に記載の昇温時間測定を実施した。中空糸膜モジュールの自由端における充填率、昇温時間測定結果を表2にまとめて示す。
表2に記載の条件で、片端が自由端、もう一端が固定端の中空糸膜モジュール2,70を作製し、参考例1に記載の昇温時間測定を実施した。中空糸膜モジュールの自由端における充填率、昇温時間測定結果を表2にまとめて示す。
両端固定の中空糸膜モジュール1と同様に、中空糸膜モジュール2の集束部材に凹部32を設け、Rmax/R´を1よりも小さくすることで、中空糸膜モジュール2内の、特に自由端における充填率が高まったにも拘わらず、121℃に達する時間、すなわち蒸気滅菌処理に要する時間が短くなることがわかった。
(実施例19〜27、比較例3)
表3に記載の条件で、片端が7束に分割された自由端、もう一端が固定端の中空糸膜モジュール2a,70aを作製し、参考例1に記載の昇温時間測定を実施した。中空糸膜モジュールの小束における充填率、昇温時間測定結果を表3にまとめて示す。
表3に記載の条件で、片端が7束に分割された自由端、もう一端が固定端の中空糸膜モジュール2a,70aを作製し、参考例1に記載の昇温時間測定を実施した。中空糸膜モジュールの小束における充填率、昇温時間測定結果を表3にまとめて示す。
両端固定や片端固定の中空糸膜モジュール1,2と同様に、中空糸膜モジュール2aの集束部材に凹部32を設け、Rmax/R´を1よりも小さくすることで、中空糸膜モジュール2a内の、特に小束部における充填率が高まったにも拘わらず、121℃に達する時間、すなわち蒸気滅菌処理に要する時間が短くなることがわかった。
本発明の中空糸膜モジュールは、短時間で確実性の高い蒸気滅菌処理を繰り返し行うことが可能であり、優良な蒸気滅菌性を有することから、食品、医薬品の分離、精製にも好適に用いることができる。
1,2,2a,60,70,70a 中空糸膜モジュール
10,10a,61 筒状ケース
11a,11c,11d,62a 1次側通液口
11b,62b 2次側通液口
20 中空糸膜束
20a 中空糸膜
30,30a,30b,63,64,65,66 集束部材
30c 部分集束部材
31,31a,33 中空糸膜延出面
32,32a,32b 凹部
40,41,42 凹部形成補助部材
40a Oリング
50 中空糸膜モジュール作製冶具
51 自由端形成容器
52 小束形成容器
101,103,610 本体部
102,611 蓋部
10,10a,61 筒状ケース
11a,11c,11d,62a 1次側通液口
11b,62b 2次側通液口
20 中空糸膜束
20a 中空糸膜
30,30a,30b,63,64,65,66 集束部材
30c 部分集束部材
31,31a,33 中空糸膜延出面
32,32a,32b 凹部
40,41,42 凹部形成補助部材
40a Oリング
50 中空糸膜モジュール作製冶具
51 自由端形成容器
52 小束形成容器
101,103,610 本体部
102,611 蓋部
Claims (6)
- 筒状をなし、複数の通液口を有する筒状ケースと、
複数の中空糸膜からなる中空糸膜束と、
前記中空糸膜束の一端を保持するとともに、前記筒状ケースに固定される第1の集束部材と、
前記中空糸膜束の他端を保持する第2の集束部材と、
を備え、
前記中空糸膜束は、少なくとも前記第1の集束部材側で開口し、
前記第1および第2の集束部材のうちの少なくとも一方の集束部材は、少なくとも前記中空糸膜が延出する側の面である中空糸膜延出面と、側面とに及ぶように形成された凹部を有することを特徴とする中空糸膜モジュール。 - 前記第2の集束部材は、前記筒状ケースに対して非固定状態にあることを特徴とする請求項1に記載の中空糸膜モジュール。
- 前記凹部は、前記第2の集束部材に設けられることを特徴とする請求項2に記載の中空糸膜モジュール。
- 前記複数の中空糸膜は、複数の束に分割され、
前記第2の集束部材は、前記複数の束ごとにそれぞれ集束する部分集束部材を有し、
前記凹部は、前記部分集束部材にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の中空糸膜モジュール。 - 前記集束部材は、柱状または錘台形状をなし、
前記中空糸膜延出面の外周に内接する最大の円を描いたときの内接円半径をRmaxとおき、
前記中空糸膜延出面の前記凹部以外の円弧の半径をR´とおいたとき、
前記Rmax、前記R´がRmax/R´<1の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の中空糸膜モジュール。 - 前記中空糸膜延出面の面積をSとおき、
前記中空糸膜延出面の前記凹部以外の円弧の半径から算出される面積をS´とおいたとき、
前記S、前記S´が0.6≦S/S´<1の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の中空糸膜モジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012144780A JP2014008426A (ja) | 2012-06-27 | 2012-06-27 | 中空糸膜モジュール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012144780A JP2014008426A (ja) | 2012-06-27 | 2012-06-27 | 中空糸膜モジュール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014008426A true JP2014008426A (ja) | 2014-01-20 |
Family
ID=50105587
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012144780A Pending JP2014008426A (ja) | 2012-06-27 | 2012-06-27 | 中空糸膜モジュール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014008426A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017115769A1 (ja) * | 2015-12-28 | 2017-07-06 | 東レ株式会社 | 中空糸膜モジュールおよびその運転方法 |
US10974199B2 (en) * | 2016-05-31 | 2021-04-13 | Toray Industries, Inc. | Hollow fiber membrane module |
-
2012
- 2012-06-27 JP JP2012144780A patent/JP2014008426A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017115769A1 (ja) * | 2015-12-28 | 2017-07-06 | 東レ株式会社 | 中空糸膜モジュールおよびその運転方法 |
JP6191790B1 (ja) * | 2015-12-28 | 2017-09-06 | 東レ株式会社 | 中空糸膜モジュールおよびその運転方法 |
CN108430610A (zh) * | 2015-12-28 | 2018-08-21 | 东丽株式会社 | 中空丝膜组件和其运转方法 |
KR20180098269A (ko) * | 2015-12-28 | 2018-09-03 | 도레이 카부시키가이샤 | 중공사막 모듈 및 그의 운전 방법 |
US20190015786A1 (en) * | 2015-12-28 | 2019-01-17 | Toray Industries, Inc. | Hollow fiber membrane module and method for operating same |
EP3398674A4 (en) * | 2015-12-28 | 2019-06-19 | Toray Industries, Inc. | Heated fiber membrane module and method for the operation thereof |
CN108430610B (zh) * | 2015-12-28 | 2021-04-09 | 东丽株式会社 | 中空丝膜组件和其运转方法 |
US11141698B2 (en) | 2015-12-28 | 2021-10-12 | Toray Industries, Inc. | Hollow fiber membrane module and method for operating same |
KR102508012B1 (ko) * | 2015-12-28 | 2023-03-10 | 도레이 카부시키가이샤 | 중공사막 모듈 및 그의 운전 방법 |
US10974199B2 (en) * | 2016-05-31 | 2021-04-13 | Toray Industries, Inc. | Hollow fiber membrane module |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9895664B2 (en) | Cartridge type hollow fiber membrane module | |
US8449659B2 (en) | Liquid degassing membrane contactors, components, systems and related methods | |
JP6028726B2 (ja) | カートリッジ型中空糸膜モジュール | |
JP6607038B2 (ja) | 中空糸膜モジュールおよび中空糸膜モジュールの製造方法 | |
US8876945B2 (en) | High pressure liquid degassing membrane contactors and methods of manufacturing and use | |
KR20140115297A (ko) | 중공사막 모듈 및 이것에 사용되는 케이싱 통 | |
KR20120089849A (ko) | 고압 액체 가스제거 막 접촉기들 및 제조 및 이용 방법 | |
AU2008349154B2 (en) | Hollow yarn film element, frame for hollow yarn film element, and filtration film device | |
EP2832387A1 (en) | Production method for medical instrument, medical instrument | |
US20150298997A1 (en) | Method and Device for Obtaining Purified Water | |
JP2014008426A (ja) | 中空糸膜モジュール | |
WO2013146821A1 (ja) | 中空糸膜モジュール | |
JP2012205981A (ja) | 中空糸膜モジュール | |
JP3972528B2 (ja) | 流体分離膜モジュールおよび分離方法 | |
JP4269171B2 (ja) | エアレーションフラッシング用外圧式中空糸膜モジュールのろ過方法 | |
JP2013212456A (ja) | 中空糸膜モジュール | |
JPWO2012133068A1 (ja) | 中空糸膜モジュール | |
JP2009220010A (ja) | 中空糸膜エレメント用フレーム及び膜濾過装置 | |
KR101584117B1 (ko) | 중공사막 모듈 | |
JP2016041216A (ja) | 中空糸膜モジュールおよびこれに用いられるケーシング筒、ケーシング筒の製造方法 | |
TW201347835A (zh) | 獲取淨化水的方法及其裝置 | |
JP2015110198A (ja) | モジュールユニット | |
KR102045100B1 (ko) | 멤브레인 분리 장치용 텔레스코핑 방지 장치 | |
JP2016041409A (ja) | 中空糸膜モジュール | |
JP2023119191A (ja) | 中空糸膜モジュールおよび中空糸膜モジュールの製造方法 |