JP2014007343A - 成膜装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】CVDあるいはALDによる成膜処理と、マイクロ波プラズマによる成膜された膜の改質処理を同一チャンバで、均一にかつ安定的に行うことができる成膜装置を提供すること。
【解決手段】被処理基板WにCVDまたはALDにより所定の膜を成膜するとともに、膜にマイクロ波プラズマ処理を行う成膜装置100は、被処理基板を収容するチャンバ1と、チャンバ内に成膜のためのガスおよびプラズマを生成するためのガスを導入するガスシャワー機構3と、チャンバ1内にマイクロ波プラズマを生成するマイクロ波プラズマ源2と、チャンバ1内を排気する排気機構16とを具備し、マイクロ波プラズマ源2は、マイクロ波をチャンバ1内に放射する複数のマイクロ波放射部41を有し、ガスシャワー機構3は、チャンバ1の天壁の中心領域に設けられ、マイクロ波放射部41は、ガスシャワー機構3の周囲に配置される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゲート絶縁膜等の成膜に好適な成膜装置に関する。
近時、MOSFETのゲート絶縁膜の膜厚を実効的に薄くして半導体回路の性能を向上させるため、ゲート絶縁膜として高誘電率膜(High−k膜)が用いられつつあるが、中でもハフニウム酸化物系材料が注目されており、HfSiON膜やHfO膜が実用化されつつある(例えば特許文献1)。
HfSiON膜やHfO膜のようなハフニウム酸化物系材料膜の成膜手法としては、段差被覆性の良いCVD(Chemical Vapor Deposition)やALD(Atomic Layered Deposition)が用いられている。これらのうちCVDの成膜温度が500℃と比較的高温であるのに対し、ALDでは300℃程度の低温成膜が可能であり、段差被覆性もALDのほうがより良好であるため、ALDが好んで用いられるようになってきている(例えば特許文献2参照)。
また、最近では、ゲート絶縁膜のさらなる膜質の向上が求められているため、マイクロ波プラズマ処理による改質処理により膜質を向上させることが提案されている(特許文献3)。
特開2006−128547号公報 特開2004−104111号公報 特開2004−193409号公報
しかしながら、特許文献3においては、成膜処理とマイクロ波プラズマによる改質処理は別個の装置で行っており、スループットが問題となる。また、成膜処理と改質処理を繰り返すようなアプリケーションには対応が困難である。
このような問題は、CVDあるいはALDによる成膜処理と、成膜された膜のマイクロ波プラズマによる改質処理とを同一チャンバで行うことができる成膜装置を用いることにより解消されると考えられるが、同一チャンバにおいてこれらの処理を均一にかつ安定的に行うことができる成膜装置は未だ提案されていない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、CVDあるいはALDによる成膜処理と、マイクロ波プラズマによる成膜された膜の改質処理を同一チャンバで、均一にかつ安定的に行うことができる成膜装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、被処理基板にCVDまたはALDにより所定の膜を成膜するとともに、膜にマイクロ波プラズマ処理を行う成膜装置であって、被処理基板を収容するチャンバと、前記チャンバ内に成膜のためのガスおよびプラズマを生成するためのガスを導入するガスシャワー機構と、前記チャンバ内にマイクロ波プラズマを生成するためのマイクロ波プラズマ源と、前記チャンバ内を排気する排気機構とを具備し、前記マイクロ波プラズマ源は、マイクロ波を前記チャンバ内に放射する複数のマイクロ波放射部を有し、前記ガスシャワー機構は、前記チャンバの天壁の中心領域に設けられ、前記マイクロ波放射部は、前記ガスシャワー機構の周囲に配置されていることを特徴とする成膜装置を提供する。
本発明において、前記マイクロ波放射部は、前記ガスシャワー機構を囲む円周上に配置されていることが好ましい。
また、前記チャンバの前記天壁は、金属製の蓋体と、前記蓋体に嵌め込まれた、前記マイクロ波放射部のマイクロ波透過窓として機能する誘電体部材と、前記ガスシャワー機構とで構成され、前記成膜装置は、前記天壁の少なくとも前記蓋体に対応する部分の下面に設けられた誘電体板をさらに具備することが好ましい。
前記誘電体板は、前記誘電体部材に対応する位置に、前記誘電体部材の下面が前記チャンバに露出するように誘電体部材挿入孔が形成されるように構成することができる。この場合に、前記誘電体板の下面の高さ位置と、前記誘電体部材の下面の高さ位置とが同じ高さ位置になるように設けられていることが好ましい。
前記誘電体部材挿入孔は、前記誘電体板が前記誘電体部材の周縁部にオーバーラップするオーバーラップ部分が形成されるように設けられていることが好ましく、また前記誘電体部材の前記オーバーラップ部分に対応する部分は、その下面の高さ位置が、前記蓋体の下面の高さ位置と同じ高さにならないように設けられていることが好ましい。
前記ガスシャワー機構は、前記誘電体板を支持する突出部を有しており、前記誘電体板と前記突出部との隙間が、異常放電を生じる電界強さとならない程度の大きさになるように、前記誘電体板の前記突出部周囲部分が傾斜して設けられていることが好ましい。
本発明によれば、チャンバの天壁の中央にガスシャワー機構を設けてそこからガスを吐出させてCVDあるいはALDによる成膜処理を行うので、均一な成膜を行うことができ、また、ガスシャワー機構の周囲にマイクロ波放射部を設けたので、均一にマイクロ波プラズマによる膜の改質処理を行うことができる。このため、これらの処理を同一チャンバで均一にかつ安定的に行うことができる。
本発明の一実施形態に係る成膜装置の概略構成を示す断面図である。 図1の成膜装置におけるマイクロ波放射機構およびガスシャワー機構の配置を説明するための図である。 図1の成膜装置に用いられるマイクロ波プラズマ源の構成を示す構成図である。 図1の成膜装置に用いられるマイクロ波放射機構を示す縦断面図である。 マイクロ波放射機構の給電機構を示す図4のAA′線による横断面図である。 チューナにおけるスラグと滑り部材を示す図4のBB′線による横断面図である。 蓋体の孔にマイクロ波放射機構の誘電体部材を挿入した部分を拡大して示す断面図である。 蓋体の孔にガスシャワー機構を挿入した部分を拡大して示す断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る成膜装置の概略構成を示す断面図であり、図2は図1の成膜装置におけるマイクロ波放射機構およびガスシャワー機構の配置を説明するための図、図3は図1の成膜装置に用いられるマイクロ波プラズマ源の構成を示す構成図、図4は成膜装置に用いられるマイクロ波放射機構を示す断面図である。
成膜装置100は、被処理基板、例えば半導体ウエハ(以下ウエハと記述する)に対してCVDあるいはALDにより所定の膜を成膜し、かつマイクロ波プラズマによる膜の改質処理を行う成膜装置として構成される。このような改質処理を行える成膜装置は、例えば、ゲート絶縁膜に用いられるHigh−k膜の成膜を挙げることができ、High−k膜としてはHfSiON膜やHfO膜等のハフニウム酸化物系材料が例示されるがこれに限るものではない。
成膜装置100は、気密に構成されたアルミニウムまたはステンレス鋼等の金属材料からなる略円筒状の接地されたチャンバ1を有している。チャンバ1の上部には開口部1aが形成されており、この開口部1aには円板状をなす蓋体10を介してチャンバ1の内部に臨むようにマイクロ波プラズマ源2およびガスをシャワー状に導入するためのガスシャワー機構3が設けられている。
チャンバ1内には被処理体であるウエハWを水平に支持するためのサセプタ11が、チャンバ1の底部中央に立設された筒状の支持部材12により支持された状態で設けられている。サセプタ11および支持部材12を構成する材料としては、表面をアルマイト処理(陽極酸化処理)したアルミニウム等が例示される。
また、サセプタ11には、ウエハWを加熱するためのヒーター13が設けられている。ヒーター13にはヒーター電源(図示せず)から給電されるようになっている。なお、図示してはいないが、サセプタ11には、ウエハWを静電吸着するための静電チャックおよびウエハWを搬送するために昇降する昇降ピン等が設けられている。
チャンバ1の底部には排気管15が接続されており、この排気管15には真空ポンプを含む排気装置16が接続されている。そしてこの排気装置16を作動させることによりチャンバ1内が排気され、チャンバ1内が所定の真空度まで高速で減圧されることが可能となっている。また、チャンバ1の側壁には、ウエハWの搬入出を行うための搬入出口17と、この搬入出口17を開閉するゲートバルブ18とが設けられている。
蓋体10は、アルミニウム等の金属製であり、チャンバ1の上部に設けられた支持リング29により支持されており、支持リング29と蓋体10との間はシールリング(図示せず)により気密にシールされている。
マイクロ波プラズマ源2は、複数経路に分配してマイクロ波を出力するマイクロ波出力部30と、マイクロ波出力部30から出力されたマイクロ波を伝送しチャンバ1内に放射するためのマイクロ波供給部40とを有している。マイクロ波供給部40は、マイクロ波をチャンバ1内に放射する複数(本例では6本)のマイクロ波放射機構41を有している。
図1に示すように、蓋体10のマイクロ波放射機構41に対応する部分には孔10aが形成されており、孔10aには、マイクロ波放射機構41の一部をなす、マイクロ波を透過するマイクロ波透過窓として機能する誘電体部材110が嵌め込まれている。また、蓋体10中央のガスシャワー機構3に対応する部分には孔10bが形成されており、ガスシャワー機構3はこの孔10bに嵌め込まれている。したがって、蓋体10、誘電体部材110、ガスシャワー機構3により、チャンバ1の天壁が形成されている。また、蓋体10の下面には、孔10a,10b以外の部分に薄い誘電体板111が設けられている。
図2に示すように、ガスシャワー機構3は、チャンバ1の天壁の中心領域に設けられており、6本のマイクロ波放射機構41は、ガスシャワー機構3の周囲、より詳細にはガスシャワー機構3を囲む円周上に配置されている。
図3に示すように、マイクロ波プラズマ源2のマイクロ波出力部30は、マイクロ波電源31と、マイクロ波発振器32と、発振されたマイクロ波を増幅するアンプ33と、増幅されたマイクロ波を複数に分配する分配器34とを有している。
マイクロ波発振器32は、所定周波数(例えば、915MHz)のマイクロ波を例えばPLL発振させる。分配器34では、マイクロ波の損失ができるだけ起こらないように、入力側と出力側のインピーダンス整合を取りながらアンプ33で増幅されたマイクロ波を分配する。なお、マイクロ波の周波数としては、915MHzの他に、700MHzから3GHzを用いることができる。
マイクロ波供給部40は、上述した6個のマイクロ波放射機構41と、分配器34にて分配されたマイクロ波を増幅して、それぞれ対応するマイクロ波放射機構41に導く6個のアンプ部42とを有している。
マイクロ波放射機構41は、インピーダンスを整合させるためのチューナ60と、増幅されたマイクロ波をチャンバ1内に放射するアンテナ部45とを有している。そして、各マイクロ波放射機構41のアンテナ部45からチャンバ1内へマイクロ波が放射されるようになっている。マイクロ波放射機構41の詳細は後述する。
アンプ部42は、位相器46と、可変ゲインアンプ47と、ソリッドステートアンプを構成するメインアンプ48と、アイソレータ49とを有している。
位相器46は、マイクロ波の位相を変化させることができるように構成されており、これを調整することにより放射特性を変調させることができる。例えば、各アンテナモジュール毎に位相を調整することにより指向性を制御してプラズマ分布を変化させることができる。また、隣り合うアンテナモジュールにおいて90°ずつ位相をずらすようにして円偏波を得ることができる。また、位相器46は、アンプ内の部品間の遅延特性を調整し、チューナ内での空間合成を目的として使用することができる。ただし、このような放射特性の変調やアンプ内の部品間の遅延特性の調整が不要な場合には位相器46は設ける必要はない。
可変ゲインアンプ47は、メインアンプ48へ入力するマイクロ波の電力レベルを調整し、個々のアンテナモジュールのばらつきを調整またはプラズマ強度調整のためのアンプである。可変ゲインアンプ47を各アンテナモジュール毎に変化させることによって、発生するプラズマに分布を生じさせることもできる。
ソリッドステートアンプを構成するメインアンプ48は、例えば、入力整合回路と、半導体増幅素子と、出力整合回路と、高Q共振回路とを有する構成とすることができる。
アイソレータ49は、アンテナ部45で反射してメインアンプ48に向かう反射マイクロ波を分離するものであり、サーキュレータとダミーロード(同軸終端器)とを有している。サーキュレータは、アンテナ部45で反射したマイクロ波をダミーロードへ導き、ダミーロードはサーキュレータによって導かれた反射マイクロ波を熱に変換する。
図1に示すように、ガスシャワー機構3には、ガス供給機構125から所定のガスが供給される。ガス供給機構125は第1ガス供給部123および第2ガス供給部124を有している。ガスシャワー機構3には、第1ガス配管121および第2ガス配管122が接続されており、第1ガス配管121には第1ガス供給部123から成膜原料ガスが供給され、第2ガス配管122には第2ガス供給部124から反応ガスおよびプラズマを生成するためのプラズマガスが供給される。また、第1ガス供給部123および第2ガス供給部124の一方または両方からパージガスが供給されるように構成されていてもよい。第1ガス配管121および第2ガス配管122には、バルブ126および127が設けられている。また、各ガスはマスフローコントローラのような流量制御器(図示せず)により流量制御されるようになっている。
ガスシャワー機構3には2系統に分かれた多数の孔が設けられており、第1系統の孔には第1ガス配管121が接続され、第2系統の孔には第2ガス配管122が接続される。これにより、成膜原料ガスと反応ガスとが別個の孔から吐出され、これらがチャンバ1内に供給される前に反応することが防止される。
成膜装置100では、上述したようにHigh−k膜、例えばハフニウム酸化物系材料膜、典型的には酸化ハフニウム(HfO)膜またはハフニウムシリケート(HfSiOx)膜をCVDまたはALDで成膜する。これらの中では、低温で成膜することができ段差被覆性が良好なALDが好ましい。
次に、マイクロ波放射機構41について説明する。
図4、5に示すように、マイクロ波放射機構41は、マイクロ波を伝送する同軸構造の導波路(マイクロ波伝送路)44と、導波路44を伝送されたマイクロ波をチャンバ1内に放射するアンテナ部45とを有している。そして、マイクロ波放射機構41からチャンバ1内に放射されたマイクロ波がチャンバ1内の空間で合成され、チャンバ1内で表面波プラズマが形成されるようになっている。
導波路44は、筒状の外側導体52およびその中心に設けられた棒状の内側導体53が同軸状に配置されて構成されており、導波路44の先端にアンテナ部45が設けられている。導波路44は、内側導体53が給電側、外側導体52が接地側となっている。外側導体52および内側導体53の上端は反射板58となっている。
導波路44の基端側にはマイクロ波(電磁波)を給電する給電機構54が設けられている。給電機構54は、導波路44(外側導体52)の側面に設けられたマイクロ波電力を導入するためのマイクロ波電力導入ポート55を有している。マイクロ波電力導入ポート55には、アンプ部42から増幅されたマイクロ波を供給するための給電線として、内側導体56aおよび外側導体56bからなる同軸線路56が接続されている。そして、同軸線路56の内側導体56aの先端には、外側導体52の内部に向けて水平に伸びる給電アンテナ90が接続されている。
給電アンテナ90は、例えば、アルミニウム等の金属板を削り出し加工した後、テフロン(登録商標)等の誘電体部材の型にはめて形成される。反射板58から給電アンテナ90までの間には、反射波の実効波長を短くするためのテフロン(登録商標)等の誘電体からなる遅波材59が設けられている。なお、2.45GHz等の周波数の高いマイクロ波を用いた場合には、遅波材59は設けなくてもよい。このとき、給電アンテナ90から反射板58までの距離を最適化し、給電アンテナ90から放射される電磁波を反射板58で反射させることで、最大の電磁波を同軸構造の導波路44内に電送させる。
給電アンテナ90は、図5に示すように、マイクロ波電力導入ポート55において同軸線路56の内側導体56aに接続され、電磁波が供給される第1の極92および供給された電磁波を放射する第2の極93を有するアンテナ本体91と、アンテナ本体91の両側から、内側導体53の外側に沿って延び、リング状をなす反射部94とを有し、アンテナ本体91に入射された電磁波と反射部94で反射された電磁波とで定在波を形成するように構成されている。アンテナ本体91の第2の極93は内側導体53に接触している。
給電アンテナ90がマイクロ波(電磁波)を放射することにより、外側導体52と内側導体53との間の空間にマイクロ波電力が給電される。そして、給電機構54に供給されたマイクロ波電力がアンテナ部45に向かって伝播する。
また、導波路44にはチューナ60が設けられている。チューナ60は、チャンバ1内の負荷(プラズマ)のインピーダンスをマイクロ波出力部30におけるマイクロ波電源の特性インピーダンスに整合させるものであり、外側導体52と内側導体53との間を上下に移動する2つのスラグ61a,61bと、反射板58の外側(上側)に設けられたスラグ駆動部70とを有している。
これらスラグのうち、スラグ61aはスラグ駆動部70側に設けられ、スラグ61bはアンテナ部45側に設けられている。また、内側導体53の内部空間には、その長手方向に沿って例えば台形ネジが形成された螺棒からなるスラグ移動用の2本のスラグ移動軸64a,64bが設けられている。
図6に示すように、スラグ61aは、誘電体からなる円環状をなし、その内側に滑り性を有する樹脂からなる滑り部材63が嵌め込まれている。滑り部材63にはスラグ移動軸64aが螺合するねじ穴65aとスラグ移動軸64bが挿通される通し穴65bが設けられている。一方、スラグ61bは、スラグ61aと同様、ねじ穴65aと通し穴65bとを有しているが、スラグ61aとは逆に、ねじ穴65aはスラグ移動軸64bに螺合され、通し穴65bにはスラグ移動軸64aが挿通されるようになっている。これによりスラグ移動軸64aを回転させることによりスラグ61aが昇降移動し、スラグ移動軸64bを回転させることによりスラグ61bが昇降移動する。すなわち、スラグ移動軸64a,64bと滑り部材63とからなるねじ機構によりスラグ61a,61bが昇降移動される。
内側導体53には長手方向に沿って等間隔に3つのスリット53aが形成されている。一方、滑り部材63は、これらスリット53aに対応するように3つの突出部63aが等間隔に設けられている。そして、これら突出部63aがスラグ61a,61bの内周に当接した状態で滑り部材63がスラグ61a,61bの内部に嵌め込まれる。滑り部材63の外周面は、内側導体53の内周面と遊びなく接触するようになっており、スラグ移動軸64a,64bが回転されることにより、滑り部材63が内側導体53を滑って昇降するようになっている。すなわち内側導体53の内周面がスラグ61a,61bの滑りガイドとして機能する。
滑り部材63を構成する樹脂材料としては、良好な滑り性を有し、加工が比較的容易な樹脂、例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂を好適なものとして挙げることができる。
上記スラグ移動軸64a,64bは、反射板58を貫通してスラグ駆動部70に延びている。スラグ移動軸64a,64bと反射板58との間にはベアリング(図示せず)が設けられている。また、内側導体53の下端には、導体からなる底板67が設けられている。スラグ移動軸64a,64bの下端は、駆動時の振動を吸収するために、通常は開放端となっており、これらスラグ移動軸64a,64bの下端から2〜5mm程度離隔して底板67が設けられている。なお、この底板67を軸受け部としてスラグ移動軸64a,64bの下端をこの軸受け部にて軸支させてもよい。
スラグ駆動部70は筐体71を有し、スラグ移動軸64aおよび64bは筐体71内に延びており、スラグ移動軸64aおよび64bの上端には、それぞれ歯車72aおよび72bが取り付けられている。また、スラグ駆動部70には、スラグ移動軸64aを回転させるモータ73aと、スラグ移動軸64bを回転させるモータ73bが設けられている。モータ73aの軸には歯車74aが取り付けられ、モータ73bの軸には歯車74bが取り付けられており、歯車74aが歯車72aに噛合し、歯車74bが歯車72bに噛合するようになっている。したがって、モータ73aにより歯車74aおよび72aを介してスラグ移動軸64aが回転され、モータ73bにより歯車74bおよび72bを介してスラグ移動軸64bが回転される。なお、モータ73a,73bは例えばステッピングモータである。
なお、スラグ移動軸64bはスラグ移動軸64aよりも長く、より上方に達しており、したがって、歯車72aおよび72bの位置が上下にオフセットしており、モータ73aおよび73bも上下にオフセットしているので、モータおよび歯車等の動力伝達機構のスペースが小さく、筐体71が外側導体52と同じ径となっている。
モータ73aおよび73bの上には、これらの出力軸に直結するように、それぞれスラグ61aおよび61bの位置を検出するためのインクリメント型のエンコーダ75aおよび75bが設けられている。
スラグ61aおよび61bの位置は、スラグコントローラ68により制御される。具体的には、図示しないインピーダンス検出器により検出された入力端のインピーダンス値と、エンコーダ75aおよび75bにより検知されたスラグ61aおよび61bの位置情報に基づいて、スラグコントローラ68がモータ73aおよび73bに制御信号を送り、スラグ61aおよび61bの位置を制御することにより、インピーダンスを調整するようになっている。スラグコントローラ68は、終端が例えば50Ωになるようにインピーダンス整合を実行させる。2つのスラグのうち一方のみを動かすと、スミスチャートの原点を通る軌跡を描き、両方同時に動かすと位相のみが回転する。
アンテナ部45は、マイクロ波放射アンテナとして機能する、平面状をなしスロット131を有する平面スロットアンテナ81と、平面スロットアンテナ81の上面に設けられた遅波材82と、平面スロットアンテナ81の先端側に平面スロットアンテナ81に接するように設けられた上記誘電体部材110とを有している。遅波材82の中心には導体からなる円柱部材82aが貫通しており、底板67と平面スロットアンテナ81とを接続している。したがって、内側導体53が底板67および円柱部材82aを介して平面スロットアンテナ81に接続されている。なお、外側導体52の下端は平面スロットアンテナ81まで延びており、遅波材82の周囲は外側導体52で覆われている。また、平面スロットアンテナ81の周囲は被覆導体84により覆われている。マイクロ波は平面スロットアンテナ81のスロット131から放射される。スロット131は、マイクロ波が均一に放射されるように、その形状、個数および配置が設定される。スロット131は空間であってもよいし、真空より大きい誘電率を有する誘電体が充填されていてもよい。スロット131に誘電体を充填することにより、マイクロ波の実効波長が短くなり、スロット全体の厚さ(平面スロットアンテナ81の厚さ)を薄くすることができる。
遅波材82および誘電体部材110は、真空よりも大きい誘電率を有しており、例えば、石英、セラミックス、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂やポリイミド系樹脂により構成されており、真空中ではマイクロ波の波長が長くなることから、マイクロ波の波長を短くしてアンテナを小さくする機能を有している。遅波材82は、その厚さによりマイクロ波の位相を調整することができ、平面スロットアンテナ81と誘電体部材110との接合部が定在波の「はら」になるようにその厚さを調整する。これにより、反射が最小で、平面スロットアンテナ81の放射エネルギーが最大となるようにすることができる。
このようなアンテナ部45では、メインアンプ48で増幅され内側導体53と外側導体52の周壁の間の導波路44を通って到達したマイクロ波が表面波として遅波材82を透過し、平面スロットアンテナ81のスロット131を伝送され、さらに誘電体部材110を透過し、プラズマに接する誘電体部材110の表面を伝送され、この表面波によりチャンバ1内の空間に表面波プラズマを生成する。
本実施形態において、メインアンプ48と、チューナ60と、平面スロットアンテナ81とは近接配置している。そして、チューナ60と平面スロットアンテナ81とは1/2波長内に存在する集中定数回路を構成しており、かつ平面スロットアンテナ81、遅波材82、誘電体部材110は合成抵抗が50Ωに設定されているので、チューナ60はプラズマ負荷に対して直接チューニングしていることになり、効率良くプラズマへエネルギーを伝達することができる。
上記誘電体板111は、少なくとも蓋体10の下面に、ガスシャワー機構3を塞がないように設けられており、耐プラズマ性の良好な誘電体、例えば石英で構成されている。この誘電体板111は、蓋体10に対応する部分にプラズマを広げてプラズマを均一化する機能を有している。すなわち、本実施形態では、マイクロ波放射機構41をガスシャワー機構3の周囲に複数(本例では6本)配置してプラズマの均一化を図っているが、金属製の蓋体10が露出していると、平面スロットアンテナ81のスロット131から放射して誘電体部材110を透過したマイクロ波が蓋体10の部分では広がりにくくなるため、より高いプラズマの均一性を確保するために、少なくとも蓋体10の下面に誘電体板111を設けてプラズマの広がりを確保するのである。金属表面でプラズマが広がりにくい理由は、金属表面では誘電体表面に比較してプラズマシースが薄いためと考えられる。つまり、誘電体は浮遊電位となるため、誘電体部材110とプラズマとの電位差は大きくなり、シースの厚さはプラズマ状態に応じた厚さ(自己バイアス電圧Vdcの1/2乗に比例)となるのに対し、金属製の蓋体10は接地されているため、プラズマとの電位差が小さくなり、シースが薄くなる。このようにシースが薄くなった領域では、マイクロ波の反射および減衰が生じ、表面波は遮断される。このため金属表面では表面波プラズマが十分に生成されず発光が弱くなる。したがって、蓋体10の直下位置への表面波プラズマの広がりが不十分になる可能性がある。
そこで、本実施形態では、少なくとも金属製の蓋体10に対応する部分に誘電体板111を設け、蓋体10に対応する部分もプラズマに対して浮遊電位となるようにし、プラズマを径方向に広げて径方向のプラズマの均一性を高める。
一方、図7に示すように、蓋体10の孔10aは段付き形状となっており、誘電体部材110の上部にはフランジ部110aが形成されていて、誘電体部材110が孔10aに嵌め込まれた際に、フランジ部110aが段部10cに支持されるようになっている。このとき、蓋体10と誘電体部材110との間の電界は高いため、これらの間にプラズマが入り込んで異常放電を生じさせないように、蓋体10と誘電体部材110との間の部分を誘電体板111で覆うようにする。しかし、誘電体部材110を覆うように誘電体板111を設けた場合には、これらの間で異常放電が生じる可能性がある。そこで、誘電体板111に孔111bを設け、そこに誘電体部材110を挿入し、誘電体部材110の下面をチャンバ1内に露出するようにしている。さらに、表面波が均一に広がるように誘電体部材110の下面と誘電体板111の下面の高さを一致させている。このとき、蓋体10と誘電体部材110との間の隙間を誘電体板111で覆うために、誘電体板111は蓋体10から誘電体部材110側に突出して、誘電体部材110の周縁部に誘電体板111とオーバーラップする段部110bを形成しているが、蓋体10の下面と段部110bの下面との高さが一致すると、その部分で電界が高くなって異常放電のリスクが高まるので、図7に示すように、オーバーラップ部分に対応する誘電体板111の突出部111aを段差形状とし、誘電体部材110における段部110bの下面位置を蓋体10の下面位置よりも低い位置になるようにしている。これにより、この部分での異常放電のリスクを低下させることができる。なお、誘電体板111と誘電体部材110との間に異常放電が生じる可能性が小さい場合には、誘電体板111を、蓋体10のみならず誘電体部材110をも覆うように設け、誘電体板111の表面に表面波が形成されるようにしてもよい。
また、図8に示すように、ガスシャワー機構3は下面に突出部3aを有し、そこに誘電体板111が保持されるが、金属製のガスシャワー機構3の突出部3aの端部と誘電体板111との間の電界強度が高いため、異常放電のリスクが高くなり、ガスシャワー機構3の表面(シャワー面)の電界も高くなる。そこで、誘電体板111の下面をガスシャワー機構3の突出部3aに向けて上昇する傾斜111cをつけ、突出部3aと誘電体板111との間隔112を狭くしている。このように、突出部3aと誘電体板111との間の隙間112を狭くすることにより、その部分の電界を低くして異常放電のリスクを低くすることができ、ガスシャワー機構3表面の電界をも低くすることができる。また、突出部3aやガスシャワー機構3表面に突起部や鋭角部があるとその部分で電界強度が高くなり、異常放電の原因となるので、突出部3aを面取りし、ガスシャワー機構3表面は平面形状としている。
成膜装置100における各構成部は、マイクロプロセッサを備えた制御部120により制御されるようになっている。制御部120は成膜装置100のプロセスシーケンスおよび制御パラメータであるプロセスレシピを記憶した記憶部や、入力手段およびディスプレイ等を備えており、選択されたプロセスレシピに従って成膜装置100を制御するようになっている。
次に、以上のように構成される成膜装置100における動作について説明する。
まず、ウエハWをチャンバ1内に搬入し、サセプタ11上に載置する。そして、チャンバ1内を所定の圧力に調整するとともに、ガス供給機構125の第1ガス供給部123から第1ガス配管121を経てガスシャワー機構3へ成膜原料ガスを供給し、第2ガス供給部124から第2ガス配管122を経てガスシャワー機構3へ反応ガスを供給し、ガスシャワー機構3から成膜原料ガスおよび反応ガスをチャンバ1内に吐出してCVDまたはALDにより所定の膜を成膜する。
所定の膜としては、上述したようにHigh−k膜、例えばハフニウム酸化物系材料膜、典型的には酸化ハフニウム(HfO)膜またはハフニウムシリケート(HfSiOx)膜を挙げることができる。
HfO膜を成膜する際には、成膜原料ガスであるHfソースガスとして、有機金属化合物を好適に用いることができ、例えばTDEAH(テトラキスジエチルアミノハフニウム)、テトラキスエチルメチルアミノハフニウム(TEMAH)等のアミド系有機ハフニウム化合物や、ハフニウムテトラターシャリブトキサイド(HTB)等のアルコキシド系有機ハフニウム化合物を挙げることができる。また、反応ガスとしては、Oガス、HOガス、Oガス、NOガス、NOガス、NOガス等の酸化剤を用いることができる。酸化剤をプラズマ化して反応性を高めるようにしてもよい。またOガスとHガスを用いたラジカル酸化であってもよい。
HfSiOx膜を成膜する場合には、成膜原料ガスとしてHfソースガスおよびSiソースガスを用い、反応ガスとして酸化剤を用いる。Hfソースガスおよび酸化剤としてはHfO膜のときと同じものを用いることができる。Siソースとしては、TDMAS(テトラキスジメチルアミノシラン)等のアミド系有機シリコン化合物や、TEOS(テトラエトキシシラン)等のアルコキシド系有機シリコン化合物や、ジシラン(Si)等の無機系シラン化合物を挙げることができる。
プラズマガスとしては、Oガス、Ar等の希ガス、Nガス等を好適に用いることができる。具体的には、Oガス、Oガス+希ガス、希ガス、希ガス+Nガスを用いることができる。パージガスとしては、Arガス等の希ガスやNガスを用いることができる。プラズマガスおよびパージガスとして同じガスを用いることもできる。
CVDにより成膜する場合には、成膜原料ガスと反応ガスとを同時にガスシャワー機構3から吐出して、ヒーター13により所定温度に加熱されたウエハW上でこれらガスの反応を生じさせる。また、ALDにより成膜する場合には、例えば、最初に成膜原料ガスをガスシャワー機構3から吐出して、ヒーター13により所定温度に加熱されたウエハW上に吸着させ、次いで、パージガスによりチャンバ1内をパージした後、反応ガスをガスシャワー機構3から吐出してウエハW上の成膜原料ガスと反応させて薄い膜を形成し、さらにパージガスによりチャンバ1内をパージした後、同じ操作を繰り返す。
上記CVDによりHfO膜、HfSiOx膜を成膜する際には、350〜600℃、例えば500℃程度の成膜温度が用いられ、ALDにより成膜する際には、150〜350℃、例えば300℃程度の成膜温度が用いられる。このように、ALDのほうが低温で成膜することができる。また、ALDのほうが段差被覆性が良好である。
この場合に、成膜原料ガスおよび反応ガスが、チャンバ1の天壁中央に設けられたガスシャワー機構3から吐出されるため、均一な厚さで成膜を行うことができる。
このようにCVDまたはALDで成膜したままの状態は、膜中に不純物が多く含まれており、また、原子の配列が不規則でアモルファス状である。したがって、この状態では密度が低く、膜質も悪いため、誘電率は低い状態である。特に、ALDの場合には低温で成膜されるため、不純物が残りやすい。
そこで、本実施形態では膜に対して、マイクロ波プラズマ(表面波プラズマ)による改質処理を行う。この改質処理により膜中の不純物を除去して膜質を向上させ、結晶化させるとともに、膜の密度を上昇させることができる。マイクロ波プラズマはプラズマ密度が高く電子温度が低いという利点があり、主にラジカルにより小さいサーマルバジェットで処理を行うことができる。
この改質処理は、成膜が終了した後に行ってもよく、成膜処理と改質処理とを2回以上繰り返してもよい。成膜処理と改質処理とを繰り返すことにより、改質処理の効果を高めることができる。
この改質処理は、ガス供給機構125の第2ガス供給部124から第2ガス配管122を経てガスシャワー機構3へプラズマガスを供給し、ガスシャワー機構3からチャンバ1内にプラズマガスを吐出し、このプラズマガスをマイクロ波プラズマ源2の複数のマイクロ波放射機構41から放射されたマイクロ波によりプラズマ化し、このマイクロ波により形成された表面波プラズマを膜に作用させることにより行う。
このようなマイクロ波プラズマ(表面波プラズマ)を生成するに際し、マイクロ波プラズマ源2では、マイクロ波出力部30のマイクロ波発振器32から発振されたマイクロ波電力がアンプ33で増幅された後、分配器34により複数に分配され、分配されたマイクロ波電力はマイクロ波供給部40へ導かれる。マイクロ波供給部40においては、このように複数に分配されたマイクロ波電力が、ソリッドステートアンプを構成するメインアンプ48で個別に増幅され、ガスシャワー機構3の周囲に複数(本例では6本)設けられたマイクロ波放射機構41の導波路44に給電され、導波路44を通ってアンテナ部45に至る。アンテナ部45では、マイクロ波が表面波として遅波材82を透過し、平面スロットアンテナ81のスロット131を伝送され、さらに誘電体部材110を透過し、プラズマに接する誘電体部材110の表面を伝送され、この表面波によりチャンバ1内の空間に表面波プラズマを生成する。
この場合に、マイクロ波を放射するアンテナを有するマイクロ波放射機構41が、チャンバ1の天壁においてガスシャワー機構3の周囲に複数(本例では6本)配置されているので、チャンバ1内に比較的均等にマイクロ波を放射しやすく、したがって、基本的に均一にマイクロ波プラズマ(表面波プラズマ)を形成することができ、均一なマイクロ波プラズマ(表面波プラズマ)処理を行うことができる。
マイクロ波放射機構41は、アンテナ部45とチューナ60とを一体的に設け、しかもチューナ60の駆動伝達部、駆動ガイド部、保持部に相当するものを内側導体53の内部に設けているので極めてコンパクトであり、チャンバ1の天壁上に容易に複数配置して均一なプラズマを生成することが可能である。
しかし、金属製の蓋体10は接地されているため、蓋体10が露出していると、プラズマとの電位差が小さくなり、シースが薄くなって、マイクロ波の反射および減衰が生じ、表面波は遮断される。このため金属製の蓋体10表面では表面波プラズマが十分に生成されず、蓋体10の直下位置への表面波プラズマの広がりが不十分になる可能性がある。これに対して、誘電体は浮遊電位となるため誘電体とプラズマとの電位差が大きくなって、厚いシースを形成することができ、プラズマが広がりやすくなる。そこで、本実施形態では、少なくとも金属製の蓋体10に対応する部分を誘電体板111で覆い、金属製の蓋体10に対応する部分もプラズマに対して浮遊電位となるようにし、プラズマを径方向に広げて径方向のプラズマの均一性をより高めている。
ところで、改質処理はプラズマ処理であるため、プラズマを生成する際に電界が強くなる部分で異常放電が生じやすくなる。特に、CVDやALDによる成膜後は、成膜した膜の膜剥がれが起こり、異常放電が生じやすい。
このため、電界が強くなりやすい蓋体10と誘電体部材110との間の隙間にプラズマが入り込まないように、この隙間を覆うよう誘電体板111を設けている。この隙間を誘電体板111で覆うために、誘電体板111は蓋体10から誘電体部材110側に突出して、誘電体部材110の周縁部に誘電体板111とオーバーラップする段部110bを形成しているが、蓋体10の下面と段部110bの下面との高さが一致すると、その部分で電界が高くなるため、オーバーラップ部分に対応する誘電体板111の突出部111aを段差形状とし、誘電体部材110の下面位置を蓋体10の下面位置よりも低い位置になるようにしている。さらに、ガスシャワー機構3の下面の誘電体板111を保持する突出部3aの端部と誘電体板111との間の電界強度が高く、それにともなってガスシャワー機構3の表面(シャワー面)の電界も高くなるため、誘電体板111の下面にガスシャワー機構3の突出部3aに向けて上昇する傾斜111cをつけ、突出部3aと誘電体板111との間隙112を狭くして電界強度が低くなるようにしている。また、突起部や鋭角部のように電界強度が高くなる部位が生じないようにしている。このように電界強度が高くなる可能性のある部分について、電界強度が低くなる対策をとったので、異常放電を生じにくくすることができる。
以上のように、本実施形態によれば、チャンバ1の天壁の中央にガスシャワー機構3を設けてそこからガスを吐出させてCVDあるいはALDによる成膜処理を行うので、均一な成膜を行うことができ、また、ガスシャワー機構3の周囲にマイクロ波放射機構41を設けたので、均一にマイクロ波プラズマによる膜の改質処理を行うことができる。このため、これらの処理を同一チャンバで均一にかつ安定的に行うことができる。
また、少なくとも金属製の蓋体10に対応する部分の下面に誘電体板111を設けたので、その部分で表面波プラズマを広げることができ、マイクロ波プラズマによる改質処理の均一性を一層高めることができる。
さらに、蓋体10と誘電体部材110との間や、ガスシャワー機構3の周囲部分の電界強度が高くなる可能性のある部分について、上述したように電界強度が低くなるような対策をとったので、異常放電を生じにくくすることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の思想の範囲内において種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、マイクロ波出力部30から出力されたマイクロ波を、アンプ部42で増幅し、スラグチューナ60と平面スロットアンテナ81を有するアンテナ部45とを備えた6本のマイクロ波放射機構41から放射するようにしたが、複数のマイクロ波放射部を有するマイクロ波プラズマ源であればその構造は特に限定されず、また、その数も6本に限定されるものではない。また、複数のマイクロ波放射部がそれぞれ独立したマイクロ波プラズマ源であってもよい。
また、上記実施形態においては、High−k膜の成膜と、その改質処理に本発明を適用した例について示したが、これに限らず、成膜とマイクロ波プラズマ処理の両方を行う用途であれば適用することができる。
さらに、被処理基板は半導体ウエハWに限定されず、LCD(液晶ディスプレイ)用基板に代表されるFPD(フラットパネルディスプレイ)基板や、セラミックス基板等の他の基板であってもよい。
1;チャンバ
2;マイクロ波プラズマ源
3;ガスシャワー機構
10;蓋体
11;サセプタ
12;支持部材
15;排気管
16;排気装置
17;搬入出口
30;マイクロ波出力部
31;マイクロ波電源
32;マイクロ波発振器
40;マイクロ波供給部
41;マイクロ波放射機構(マイクロ波放射部)
42;アンプ部
44;導波路
45;アンテナ部
60;チューナ
81;平面スロットアンテナ
82;遅波材
100;成膜装置
110;誘電体部材
111;誘電体板
120;制御部
121;第1ガス配管
122;第2ガス配管
123;第1ガス供給部
124;第2ガス供給部
125;ガス供給機構
131;スロット
W;半導体ウエハ

Claims (8)

  1. 被処理基板にCVDまたはALDにより所定の膜を成膜するとともに、膜にマイクロ波プラズマ処理を行う成膜装置であって、
    被処理基板を収容するチャンバと、
    前記チャンバ内に成膜のためのガスおよびプラズマを生成するためのガスを導入するガスシャワー機構と、
    前記チャンバ内にマイクロ波プラズマを生成するためのマイクロ波プラズマ源と、
    前記チャンバ内を排気する排気機構と
    を具備し、
    前記マイクロ波プラズマ源は、マイクロ波を前記チャンバ内に放射する複数のマイクロ波放射部を有し、
    前記ガスシャワー機構は、前記チャンバの天壁の中心領域に設けられ、前記マイクロ波放射部は、前記ガスシャワー機構の周囲に配置されていることを特徴とする成膜装置。
  2. 前記マイクロ波放射部は、前記ガスシャワー機構を囲む円周上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記チャンバの前記天壁は、金属製の蓋体と、前記蓋体に嵌め込まれた、前記マイクロ波放射部のマイクロ波透過窓として機能する誘電体部材と、前記ガスシャワー機構とで構成され、前記成膜装置は、前記天壁の少なくとも前記蓋体に対応する部分の下面に設けられた誘電体板をさらに具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の成膜装置。
  4. 前記誘電体板は、前記誘電体部材に対応する位置に、前記誘電体部材の下面が前記チャンバに露出するように誘電体部材挿入孔が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の成膜装置。
  5. 前記誘電体板の下面の高さ位置と、前記誘電体部材の下面の高さ位置とが同じ高さ位置になるように設けられていることを特徴とする請求項4に記載の成膜装置。
  6. 前記誘電体部材挿入孔は、前記誘電体板が前記誘電体部材の周縁部にオーバーラップするオーバーラップ部分が形成されるように設けられていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の成膜装置。
  7. 前記誘電体部材の前記オーバーラップ部分に対応する部分は、その下面の高さ位置が、前記蓋体の下面の高さ位置と同じ高さにならないように設けられていることを特徴とする請求項6に記載の成膜装置。
  8. 前記ガスシャワー機構は、前記誘電体板を支持する突出部を有しており、前記誘電体板と前記突出部との隙間が、異常放電を生じる電界強さとならない程度の大きさになるように、前記誘電体板の前記突出部周囲部分が傾斜して設けられていることを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか1項に記載の成膜装置。
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