JP2014004750A - インク噴射装置の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】モノクロ印刷とカラー印刷が混在する印刷時において、フラッシング処理時間を短縮したフラッシング処理方法を提供する。
【解決手段】モノクロインクによる印刷モードにおける印刷のタイミンクにおいて、モノクロインク噴射位置にカラーインクを噴射することでカラーインクの増粘フラッシング処理を行うことなくカラーインクの増粘インクを除去する。
【選択図】図4

Description

本発明は、インクジェット式プリンター等のインク噴射装置の制御方法に関するものであり、特に、インク噴射ヘッドの噴射能力を回復させるメンテナンス処理を行うインク噴射装置の制御方法に関するものである。
液体噴射装置は、ノズルから液体を噴射可能な液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドから各種の液体を噴射する装置である。この液体噴射装置の代表的なものとして、例えば、液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドのノズルから液体状のインクを記録用紙等の記録媒体(着弾対象)に対して噴射させることで画像等の記録を行うインクジェット式プリンター(以下、単にプリンターという。)等の画像記録装置を挙げることができる。また、近年においては、この画像記録装置に限らず、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造装置等、各種の製造装置にも液体噴射装置が応用されている。
ここで、上記プリンターは、インクを一時的に貯留するリザーバーから圧力室を通りノズルに至る一連のインク流路や、圧力室の容積を変動させるための圧力発生手段(例えば、圧電素子)等を有する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射ヘッドユニットを搭載し、また、圧力発生手段を駆動するための駆動信号を発生する駆動信号発生手段等を備えている。そして、駆動信号に含まれる駆動パルスを圧電素子に印加して圧力室内のインクに圧力変動を生じさせ、この圧力変動を利用してノズルからインクを噴射するように構成されている。
このようなプリンターでは、ノズルに露出したインクの表面(メニスカス)が大気に晒されることにより溶媒が蒸発してインクが増粘したり、圧力室等に気泡が混入してこの気泡により圧力変化が吸収されたりすることによって、インクが噴射されなかったり(所謂ドット抜け)、噴射されたインクの飛翔方向が曲がったりする等の噴射不良が生じる場合がある。
このため、上記噴射不良を防止してインクの噴射を良好に維持するために、種々のメンテナンス処理に関する技術が提案されてきた。例えば、特許文献1においては、ノズルからインクを強制的に噴射させるフラッシング処理と呼ばれるメンテナンス処理を行っている。具体的には、液体噴射ヘッドユニットの噴射能力を向上させるフラッシング処理において、インク中の気泡を除去することを主な目的とした気泡除去フラッシング処理と、増粘したインクを排出するフラッシング処理を連続しておこなうことで、気泡や増粘インクの排出効果を向上させ、メンテナンスに要する時間を短縮している。この従来のインク噴射ヘッドのメンテナンス処理と印刷処理のフローチャートを示したのが、図8である。カラー(例えばシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y))印刷処理(S1J)が行われた後では、カラーインクの気泡除去フラッシング(S3J)の後に、モノクロインクの増粘防止のためのモノクロ増粘インク排出用のフラッシング(S4J)が行われる。また、白黒のモノクロ印刷(S5J)が行われた後では、モノクロインクの気泡除去フラッシング(S7J)の後に、カラーインクの増粘防止のためのカラー増粘インク排出用のフラッシング(S8J)が行われる。
特開2011−104774号公報
しかしながら、特許文献1に記載の液体噴射装置の制御方法では、印刷処理とは別にメンテナンス処理を施す必要があるが、特に白黒のモノクロ印刷とカラー印刷を混用する場合で、特にモノクロインクによる印刷が続いた場合、モノクロインクに対して、予め決められたメンテナンスタイミングで気泡除去フラッシングと、カラーインク(CMY)に対して増粘インク排出用のフラッシングとを行わねばならず、メンテナンス時間が長くなり、その結果、印刷時間全体も長くなるという課題があった。
本発明は、上述の課題のうち特にCMYのインクの増粘インク排出用のフラッシング時間を短縮するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]ノズルに連通する圧力室の容積を変動させる圧力発生手段を駆動することで前記ノズルからインクを噴射するインク噴射ヘッドと、前記圧力発生手段を駆動する駆動パルスを含む駆動信号を発生し、当該駆動信号を前記圧力発生手段に印加してインクの噴射を制御する制御手段と、を備え、前記インクが、黒のインクと、少なくともシアン、マゼンタ、及びイエローのインクの種類を含むカラーインクとを含むインク噴射装置の制御方法であって、前記制御手段は、第1のメンテナンスパルスと第2のメンテナンスパルスを発生可能に構成され、前記第1のメンテナンスパルスは、前記インク噴射ヘッドのインク流路内の気泡を除去するための駆動パルスであり、前記第2のメンテナンスパルスは、増粘した前記インクを除去し、メニスカスを安定させるための駆動パルスであり、前記制御手段は、前記カラーインクを用いたカラー印刷を行う場合、前記インク噴射ヘッドの噴射能力を回復させるメンテナンス処理を行うときに、前記第1のメンテナンスパルス及び前記第2のメンテナンスパルスを用いて前記メンテナンス処理を行い、前記黒インクを用いたモノクロ印刷を行う場合、前記メンテナンス処理を行うときに、前記モノクロ印刷の印刷領域に前記カラーインクの噴射を行った後に、前記第1のメンテナンスパルスを用いて前記メンテナンス処理を行うことを特徴とするインク噴射装置の制御方法。
本適用例によれば、モノクロインクによる印刷モードにおける印刷処理において、カラーインクの噴射を行うため、カラーインクのメンテナンスを第2のメンテナンスパルスを用いたフラッシング処理を行うことなくカラーインクの増粘したインクを除去できるので、メンテナンス時間を短縮でき、印刷時間の短縮ができる。
[適用例2]上記インク噴射装置の制御方法において、前記モノクロ印刷の印刷領域に前記カラーインクを噴射するタイミングは、前記モノクロ印刷の前であることが好ましい。
本適用例によれば、前記制御手段が、印刷処理において、黒のインクの噴射位置に、黒のインクが噴射される前にカラーインクを噴射させるため、滴下されたインクの下地はカラーインク、表面のインクはモノクロインクで覆われているため、より鮮やかなモノクロの表示が見える効果を得ることができる。
プリンターの斜視図。 ヘッドの分解斜視図。 ヘッドの組立斜視図。 メンテナンス処理の流れを説明するフローチャート。 インク噴射ヘッドの駆動波形であり、(a)は気泡除去フラッシング用、(b)は増粘インク排出フラッシング用、(c)はカラー重ね印刷用。 変形例を説明するためのヘッドのノズル配置とキャリッジ進行方向。 変形例を説明するためのヘッドのノズル配置とキャリッジ進行方向。 従来のメンテナンス処理の流れを説明するフローチャート。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
(実施形態1)
図1は、プリンター1の基本構成を説明する斜視図である。この図1に示すように、プリンター1は、ガイド軸2に取り付けられたキャリッジ3を有し、その下面には液体噴射ヘッドユニット4(本発明のインク噴射ヘッド)が取り付けられている。また、このキャリッジ3の内部にはインクカートリッジ(図示せず)を着脱可能に保持するカートリッジ装着部(図示せず)が設けられている。そして、キャリッジ3は、キャリッジモーター5の回転軸に接合された駆動プーリー6と遊転プーリー7との間に掛け渡されたタイミングベルト8に接続されており、キャリッジモーター5の駆動によって記録用紙9の幅方向(主走査方向)に移動する。即ち、キャリッジモーター5、駆動プーリー6、遊転プーリー7、及びタイミングベルト8によりキャリッジ移動機構が構成される。
上記のインクカートリッジは、インクを貯留する貯留部材である。このインクは、インク溶媒中に色材を溶解或いは分散させたものであり、例えば、色材として顔料や染料が用いられ、インク溶媒として水が用いられる。そして、このインクカートリッジがカートリッジ装着部に装着されると、カートリッジ装着部に設けられたインク供給針103(図2参照)がインクカートリッジ内に挿入される。このインク供給針103は液体噴射ヘッドユニット4のインク流路(液体流路の一種)に連通されているため、インク供給針103が挿入されると、インクカートリッジ内のインクが液体噴射ヘッドユニット4内に供給可能な状態になる。なお、インクカートリッジとしては、プリンター本体(筐体)側に配置されてインク供給チューブを通じて液体噴射ヘッドユニット4に供給するタイプを採用することもできる。
また、ガイド軸2の下方には、プラテン11が設けられている。このプラテン11は、記録用紙9を下方から支持する板状部材である。このプラテン11にはスポンジ等の吸液部材12が配設されている。また、この吸液部材12よりも紙送り上流側には、ガイド軸2と平行に紙送りローラー13が配置されている。この紙送りローラー13は、記録用紙9の搬送時において、紙送りモーター14からの駆動力によって回転される。即ち、紙送りローラー13及び紙送りモーター14により紙送り機構(図示せず)が構成される。
キャリッジ3の移動範囲内であってプラテン11よりも外側の位置には、ホームポジションが設定されている。液体噴射ヘッドユニット4は、待機状態においてホームポジションに位置付けられる。このホームポジションには、液体噴射ヘッドユニット4のノズル形成面を払拭するためのワイパー機構15と、非記録状態においてノズル形成面を封止可能なキャッピング機構16とがガイド軸2に沿って横並びに配設されている。
図2に示すように、液体噴射ヘッドユニット4はカートリッジケース100、液体噴射ヘッド本体200、固定板300、カバーヘッド400が組み立てられて構成されている。図3は組み立てられた液体噴射ヘッドのノズル側から見た液体噴射ヘッドである。印字の指示信号が外部配線217を通じて液体噴射ヘッド本体200に送られる。一方、図示はされないインクカートリッジに含有されるインクも、インク供給針103を経て、液体噴射ヘッド本体200に送られる。液体噴射ヘッド本体200は、3つ並列に並べられ、固定板300と、カバーヘッド400を用いて、一体の液体噴射ヘッドユニット4となっている。ひとつの液体噴射ヘッド本体200には、インクのノズル列が2本設けられており、1本が黒(モノクロ)インク用、他の1本が、CMY(シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y))のひとつの色のインク用を構成している。モノクロ印刷時には、3つのヘッドにおける黒インク用のノズル列を用いて、印刷が行われ、カラー印刷時には、CMYの各インク用のノズル列を用いて印刷が行われる。
次に、上記の構成において、液体噴射ヘッドユニット4の噴射能力を回復させるためのメンテナンス処理について説明する。
この種のプリンターでは、印刷処理中においてノズルが大気に晒されるため、当該ノズルからインクの溶媒が蒸発し、これによりノズル近傍のインクの粘度が上昇する。インクが増粘するとノズルから噴射されるインクの量(重量・体積)が減少したり、噴射されたインクの飛翔速度が低下して飛翔曲がりが生じたり、最悪の場合ノズルからインクが噴射されない所謂ドット抜けが発生したり等、噴射不良が生じる虞がある。また、この種のプリンターでは、新たに装着したインクカートリッジ内のインクを液体噴射ヘッドユニット4のインク流路に初期充填する際などにおいて、インクに空気(気泡)が混入する場合がある。そして、インクが充填されてから時間の経過と共に徐々にインク中に空気が溶解していき、最終的には飽和状態となる。このように空気が飽和状態まで溶解したインクを、適宜、飽和インクと呼ぶ。このような飽和インクでは、温度が高くなるほど溶解度が低下するので、印刷処理中にノズルから連続的にインクを噴射して圧力変動を繰り返したり、インクの温度が上昇したりすると、インク中に溶解していた空気が気泡となって現れ、インク流路内に蓄積していく。インク流路内に滞留する気泡は、インク流路を塞いだりインクを噴射する際の圧力変化を吸収したりする場合がある。その結果、上記の噴射不良が生じる虞がある。
このため、本実施形態に係るプリンター1では、液体噴射ヘッドユニット4を正常な状態、即ち、噴射不良を防止してノズルからのインクの噴射が適切に行われる状態に回復させるためにメンテナンス処理を行う。このメンテナンス処理では、記録媒体に対して画像等の印刷を行うことを目的としてインクを噴射する印刷処理とは別に、メンテナンスパルスを圧電素子に印加してノズルからインクを空噴射させることで、インクと共に気泡や増粘したインクを排出させる。本実施形態においては、印刷処理中において、モノクロ印刷中に黒インクの着弾位置にカラーインクを噴射させる場合(紙上メンテナンス処理)もメンテナンス処理に含まれる。
図4は、上記のメンテナンス処理の流れを説明するフローチャートである。
このメンテナンス処理は、上述したように印刷処理中に実行される回復処理である。まず、カラー印刷処理かモノクロ印刷処理かを判定して、カラー印刷処理の場合、カラー印刷処理中(S1)において、メンテナンスタイミング1が到来したか否かを判定する(S2)。
ステップS2において、メンテナンスタイミング1が到来したと判定されると、液体噴射ヘッドユニット4をキャッピング機構16上或いはプラテン11の端部領域に設定されたフラッシングポイント上まで移動させる。本実施形態における定期メンテナンス処理では、この状態で2種類のメンテナンス処理(フラッシング処理)が続けて実行される。まず、主にカラーインク流路内の気泡を除去することを目的としたカラー気泡除去フラッシング処理が実行される(S3)。この気泡除去フラッシング処理では、気泡除去フラッシング用駆動パルス(第1のメンテナンスパルスの一種)を圧電素子に連続的に印加することにより、圧力室内のインクに印刷処理時や他のフラッシング処理時よりも強い圧力変動を付与することで、キャッピング機構16のキャップ部材などのフラッシングポイントに対してノズルからインクを強制的に空噴射させるフラッシングが行われ、これにより、インクと共にインク流路内の気泡が排出される。
図5(a)は、気泡除去フラッシング処理で用いられる気泡除去フラッシング用駆動信号COM1を説明する図である。この駆動信号COM1は、2つの気泡除去フラッシング用駆動パルスDP1(DP1a,DP1b)を、タイミング信号(LAT)で区切られる単位周期内に含んで構成されている。この駆動信号の第1基準電位(駆動パルスの電位変化の基準となる電位)VB1は、圧電素子が圧力室側に変位可能な範囲の最大限に変位して圧力室を収縮させた状態に対応する電位(収縮電位)に調整される。また、第1膨張電位VL1は、圧電素子が圧力室とは反対側に変位可能な範囲の最大限に変位して圧力室を膨張させた状態に対応する電位(膨張電位)である。
気泡除去フラッシング用駆動パルスDP1は、後述する他のフラッシング用駆動パルスと比較して、圧電素子を駆動したときに圧力室内に生じる圧力変動が最も大きくなるように設定された駆動パルスであり、これによりインク流路内の気泡に対してより確実に圧力変化を付与することができ、以て当該気泡の排出性がより高められている。この気泡除去フラッシング用駆動パルスDP1は、第1基準電位VB1(収縮電位)から第1膨張電位VL1までマイナス側に電位が変化して圧力室を膨張させる膨張要素P11と、第1膨張電位VL1を一定時間維持する膨張維持要素P12(ホールド要素)と、第1膨張電位VL1から第1基準電位VB1までプラス側に電位が変化して圧力室を急激に収縮させる収縮要素P13と、から構成される。すなわち、気泡除去フラッシング用駆動パルスDP1は、インク流路内の気泡をインクに溶け込ませるべく圧力室内に圧力変化を生じさせるための一連の波形要素からなる。
この気泡除去フラッシング用駆動パルスDP1が圧電素子に印加されると、まず、膨張要素P11によって圧電素子は圧力室から離隔する方向に撓み、これにより圧力室が第1基準電位VB1に対応する収縮容積から第1膨張電位VL1に対応する膨張容積まで膨張する。この膨張に伴って、ノズルにおけるメニスカスが圧力室側に大きく引き込まれる。そして、この圧力室の膨張状態は、膨張維持要素P12の供給期間中に亘って維持される。その後、収縮要素P13が印加されることで圧電素子が圧力室側に撓む。この圧電素子の変位により、圧力室は膨張容積から収縮容積まで急激に収縮される。この圧力室の急激な収縮により圧力室内のインクが加圧され、ノズルからインクが噴射される。この気泡除去フラッシング処理においてノズルから噴射されるインクの量及び飛翔速度は、何れも、印刷処理の場合や他のフラッシング処理の場合と比較して大きい。
気泡除去フラッシング処理が所定のフラッシングセグメントだけ実行されたならば、続いて、主にモノクロインクのノズルの近傍で増粘したインクを排出することを目的としたモノクロ増粘インク排出フラッシング処理が実行される(S4)。この増粘インク排出フラッシング処理では、例えば、印刷処理において、噴射されるインクの量が最も多い噴射パルス、たとえば、大ドット用噴射パルスが増粘インク排出フラッシング用駆動パルス(第2のメンテナンスパルスの一種)として圧電素子に連続的に印加することにより、フラッシングポイントに対してノズルからインクを強制的に空噴射させるフラッシングが行われ、これにより、インク流路中の増粘インクが排出される。
図5(b)は、増粘インク排出フラッシング処理で用いられる増粘インク排出フラッシング用駆動信号COM2を説明する図である。この駆動信号COM2は、2つの増粘インク排出フラッシング用駆動パルスDP2(DP2a,DP2b)を、LAT信号で区切られる単位周期内に含んで構成されている。この駆動信号の第2基準電位VB2は、圧電素子が圧力室側に変位して圧力室を収縮させた状態に対応する電位(第2収縮電位VH2)の50%前後に調整される。なお、第2膨張電位VL2は、圧電素子が圧力室とは反対側に変位して圧力室を膨張させた状態に対応する電位である。
増粘インク排出フラッシング用駆動パルスDP2(増粘液体排出用パルスの一種)は、上述したように印刷処理で用いられる大ドット用噴射パルスであり、上記気泡除去フラッシング用駆動パルスDP1と比較して安定してインクを排出することができるように構成されている。この増粘インク排出フラッシング用駆動パルスDP2は、第2基準電位VB2から第2膨張電位VL2までマイナス側に電位が変化して圧力室を膨張させる膨張要素P21と、第2膨張電位VL2を一定時間維持する膨張維持要素P22(ホールド要素)と、第2膨張電位VL2から第2収縮電位VH2までプラス側に電位が変化して圧力室を急激に収縮させる収縮要素P23と、第2収縮電位VH2を一定時間維持する収縮維持要素P24(制振ホールド要素)と、第2収縮電位VH2から第2基準電位VB2まで電位が復帰する復帰要素P25と、から構成される。換言すると、増粘インク排出フラッシング用駆動パルスDP2は、ノズルからインクを噴射させるための波形要素(膨張要素P21〜収縮要素P23)からなる噴射部と、当該噴射部によってインクが噴射された後のメニスカスの残留振動を抑制して安定させるための波形要素(収縮維持要素P24,復帰要素P25)からなる制振部と、から構成される。
この増粘インク排出フラッシング用駆動パルスDP2が圧電素子に印加されると、まず、膨張要素P21によって圧電素子は圧力室から離隔する方向に撓み、これにより圧力室が第2基準電位VB2に対応する基準容積から第2膨張電位VL2に対応する膨張容積まで膨張する。この膨張により、ノズルにおけるメニスカスが圧力室側に大きく引き込まれる。そして、この圧力室の膨張状態は、膨張維持要素P22の供給期間中に亘って維持される。その後、収縮要素P23が印加されることで圧電素子が圧力室側に撓む。この圧電素子の変位により、圧力室は膨張容積から収縮容積まで急激に収縮される。この圧力室の急激な収縮により圧力室内のインクが加圧され、ノズルからインクが噴射される。この圧力室の収縮状態は、収縮維持要素P24の供給期間に亘って維持される。そして、復帰要素P25が印加されることで圧電素子が圧力室から離隔する側に撓み、これにより、圧力室は収縮容積から基準容積まで復帰する。
図4に戻って、モノクロ印刷処理の場合、モノクロ印刷処理中(S5)において、メンテナンスタイミング2が到来したか否かを判定する(S6)。ステップS6において、メンテナンスタイミング2が到来したと判定されると、カラー重ね印刷処理として、黒インクの大ドット噴射位置にカラーインクの小ドットを噴射させる(S7)。この小ドットの噴射では、例えば、印刷処理において、小ドット用噴射パルスを圧電素子に連続的に印加することにより、インク流路中の増粘インクが排出される。
図5(c)は、小ドットの噴射処理で用いられる小ドット用駆動信号COM3を説明する図である。この駆動信号COM3は、2つの小ドット用駆動パルスDP3(DP3a,DP3b)を、LAT信号で区切られる単位周期内に含んで構成されている。この駆動信号の第3基準電位VB3は、圧電素子が圧力室側に変位して圧力室を収縮させた状態に対応する電位(第3収縮電位VH3)の30〜40%前後に調整される。なお、第3膨張電位VL3は、圧電素子が圧力室とは反対側に変位して圧力室を膨張させた状態に対応する電位である。
小ドット用駆動パルスDP3は、上記増粘インク排出フラッシング用駆動パルスDP2と比較してより小さいインク滴がより高い圧力によって噴射されるように構成されている。この小ドット用駆動パルスDP3は、第3基準電位VB3から第3膨張電位VL3までマイナス側に電位が変化して圧力室を膨張させる膨張要素P31と、第3膨張電位VL3を一定時間維持する膨張維持要素P32(ホールド要素)と、第3膨張電位VL3から中間電位VMまでプラス側に電位が変化して圧力室を収縮させる第1収縮要素P33と、中間電位VMを一定時間維持する中間維持要素P34と、中間電位VMから第3収縮電位VH3までプラス側に電位が変化して圧力室を収縮させる第2収縮要素P35と、第3収縮電位VH3を一定時間維持する収縮維持要素P36(制振ホールド要素)と、第3収縮電位VH3から第3基準電位VB3まで電位が復帰する復帰要素P37と、から構成される。換言すると、小ドット用駆動パルスDP3は、増粘インク排出フラッシング用駆動パルスDP2と同様に、ノズルからインクを噴射させるための波形要素(膨張要素P31〜第2収縮要素P35)からなる噴射部と、当該噴射部によってインクが噴射された後のメニスカスの残留振動を抑制して安定させるための波形要素(収縮維持要素P36,復帰要素P37)からなる制振部と、から構成される。
そして、小ドット用駆動パルスDP3は、第3膨張電位VL3に対応する膨張容積から第3収縮電位VH3に対応する収縮容積まで圧力室が収縮する過程において中間電位VMに対応する中間容積で圧力室の収縮を一時的に止める中間維持要素P34が設けられていることに特徴を有している。このように圧力室の収縮を途中で僅かな時間だけ止めることにより、ノズルにおけるメニスカスが一気に押し出されることが防止されるので、ノズルから噴射されるインクの量を低減することができる。また、第2収縮要素P35の傾き(単位時間あたりの電位変化量)が、増粘インク排出フラッシング用駆動パルスDP2の収縮要素P23の傾きよりも急峻にされ、これにより、単位時間当たりの圧力変化が大きくなるように設定されている。即ち、小ドット用駆動パルスDP3は、増粘インク排出フラッシング用駆動パルスDP2と比較してより小さいインク滴がより高い圧力によって噴射されるように構成されている。
この小ドット用駆動パルスDP3が圧電素子に印加されると、まず、膨張要素P31によって圧電素子は圧力室から離隔する方向に撓み、これにより圧力室が第3基準電位VB3に対応する基準容積から第3膨張電位VL3に対応する膨張容積まで膨張する。この膨張により、ノズルにおけるメニスカスが圧力室側に大きく引き込まれる。そして、この圧力室の膨張状態は、膨張維持要素P32の供給期間中に亘って維持される。その後、第1収縮要素P33が印加されることで圧電素子が圧力室側に撓む。この圧電素子の変位により、圧力室は膨張容積から中間容積まで収縮される。続いて、圧力室の中間容積が中間維持要素P34の圧電素子への供給期間に亘って維持される。中間容積が維持された後、第2収縮要素P35が印加されることで圧電素子が圧力室側に急激に撓む。この圧電素子の変位により、圧力室は中間容積から収縮容積まで収縮される。この圧力室の急激な収縮により圧力室内のインクが加圧され、ノズルからインクが噴射される。この圧力室の収縮状態は、収縮維持要素P36の供給期間に亘って維持される。そして、復帰要素P37が印加されることで圧電素子が圧力室から離隔する側に撓み、これにより、圧力室は収縮容積から基準容積まで復帰する。
図4に戻って、次に、メンテナンスタイミング3が到来したか否かを判定する(S8)。ステップS8において、メンテナンスタイミング3が到来したと判定されると、ステップS3のカラー気泡除去フラッシング処理と同様の処理を黒インクのノズルに対して行う(S9)。
ここで、上記したメンテナンスタイミング1、2及び3については、例えば、印刷処理が開始された時点、又は、実行中の印刷処理において前回定期メンテナンス処理が実行された時点からの経過時間、記録媒体(記録用紙9)の印刷ページ数、又は、液体噴射ヘッドユニット4の走査回数(パス)の何れかが設定値になったか否かで判定が行われる。即ち、当該設定値が処理単位に相当する。
以上、述べたように、黒インクによる印刷を行っている間に、CMYインクに起こる増粘に対して、CMY用の増粘インクを排出するフラッシング時間を設けることなく、CMYインクの増粘を防止でき、フラッシング時間を短縮し、印刷時間全体を短縮できる効果がある。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例)
上記(実施形態1)では、黒インクの噴射位置にCMYインクを噴射する構成になっていたが、キャリッジ(CR)の移動方向に対し例えば図6及び図7のようなノズル配置の構成では、黒インクを噴射した位置にCMYインクを噴射するためには1パス追加せねばならず印刷時間が増大する。しかし、黒インク噴射位置に先にCMYインクを噴射することにより、図6及び図7のようなノズル配置の構成でも、本発明の効果を得ることができる。即ち、図4に示すプリンター1を用いた液体噴射装置のメンテナンス処理において、モノクロ印刷処理中、メンテナンスタイミング2が到来したと判定されると、ステップS7において黒インクの大ドットを噴射する位置にカラーインクの小ドットを噴射させる。
以上述べたように、本変形例に係るプリンター1によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
滴下されたインクは、記録媒体側にカラーインクが、上側に黒インクが噴射されているので、黒の印刷に影響を及ぼさない。さらに、モノクロ気泡除去フラッシングを行うだけで、次のカラー印刷に、増粘を考慮せずに移ることができ、印刷のスピードアップに寄与する。
1…プリンター、2…ガイド軸、3…キャリッジ、4…液体噴射ヘッドユニット、5…キャリッジモーター、6…駆動プーリー、7…遊転プーリー、8…タイミングベルト、9…記録用紙、11…プラテン、12…吸液部材、13…紙送りローラー、14…紙送りモーター、15…ワイパー機構、16…キャッピング機構、100…カートリッジケース、103…インク供給針、200…液体噴射ヘッド本体、217…外部配線、300…固定板、400…カバーヘッド。

Claims (2)

  1. ノズルに連通する圧力室の容積を変動させる圧力発生手段を駆動することで前記ノズルからインクを噴射するインク噴射ヘッドと、前記圧力発生手段を駆動する駆動パルスを含む駆動信号を発生し、当該駆動信号を前記圧力発生手段に印加してインクの噴射を制御する制御手段と、を備え、前記インクが、黒のインクと、少なくともシアン、マゼンタ、及びイエローのインクの種類を含むカラーインクとを含むインク噴射装置の制御方法であって、
    前記制御手段は、第1のメンテナンスパルスと第2のメンテナンスパルスを発生可能に構成され、前記第1のメンテナンスパルスは、前記インク噴射ヘッドのインク流路内の気泡を除去するための駆動パルスであり、前記第2のメンテナンスパルスは、増粘した前記インクを除去し、メニスカスを安定させるための駆動パルスであり、
    前記制御手段は、前記カラーインクを用いたカラー印刷を行う場合、前記インク噴射ヘッドの噴射能力を回復させるメンテナンス処理を行うときに、前記第1のメンテナンスパルス及び前記第2のメンテナンスパルスを用いて前記メンテナンス処理を行い、
    前記黒インクを用いたモノクロ印刷を行う場合、前記メンテナンス処理を行うときに、前記モノクロ印刷の印刷領域に前記カラーインクの噴射を行った後に、前記第1のメンテナンスパルスを用いて前記メンテナンス処理を行うことを特徴とするインク噴射装置の制御方法。
  2. 前記モノクロ印刷の印刷領域に前記カラーインクを噴射するタイミングは、前記モノクロ印刷の前であることを特徴とする請求項1に記載のインク噴射装置の制御方法。
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