JP2014003432A - 信号処理装置、コンテンツ出力装置、コンテンツ視聴システム - Google Patents

信号処理装置、コンテンツ出力装置、コンテンツ視聴システム Download PDF

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Abstract

【課題】映像を視聴する場合に、補聴器などの信号処理を経た信号処理装置の使用の有無にかかわらず、音声と映像とを同期させることで、違和感がないようにする。
【解決手段】映像音声信号を入力する入力部と、前記入力部から入力された映像信号と音声信号とを記憶する映像音声記憶部と、前記映像音声記憶部からの信号に基づいて内部出力を行う内部出力部と、前記映像音声記憶部からの信号に基づいて外部出力を行う外部出力部と、前記映像音声記憶部に記憶された前記映像信号と前記音声信号とを遅延させる遅延処理を行う映像音声遅延処理部を有するコンテンツ出力装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、信号処理技術に関する。
下記非特許文献1「補聴器相談医の役割」に記載されている通り、補聴器の性能は、デジタル技術の導入で歪みのない音の増幅が可能となり、また、新しい機能を備えるものに進歩している。デジタル補聴器の補聴器処理の主な内容を以下に示す。
1.ボリューム操作をあまり行わなくてもよいようにするノンリニア増幅処理
2.定常的な雑音下でその周波数の増幅度を下げる雑音抑制処理
3.前方の音が良く聞え後方の音は聞えにくくする指向性処理
4.耳の密閉を不要とするハウリング抑制処理
例えば、下記特許文献1では、帯域分割された各帯域のノイズレベルに基づいて各帯域の増幅特性を算出し、ノイズ信号を抑制すると共に各帯域のデジタル音声信号を非線形に増幅するデジタル補聴装置が提案されている。
下記特許文献2では、実際的な音声再生環境が騒音環境であっても、聴取対象の音声を明瞭に聴取することができるようにするためのノイズキャンセル処理系を備えるノイズ低減音声再生装置およびノイズ低減音声再生方法が提案されている。
下記特許文献3では、指向性の向きを異ならせて配置された2つのマイクロホンよりなるマイクロホンアレイからの2チャネルの信号に対して、適応ビームフォーマ11により雑音を抑圧し、2つのマイクロホンを結ぶ直線に垂直な入力方向より入力される目的音源からの信号を出力するためのフィルタ演算処理を施す信号処理装置が提案されている。
下記特許文献4では、ハウリングが発生し難く、快適な装用感を得ることができる補聴器を提供するために、外耳道用マイクロホンを用意し、外耳道の音を本来の音に近づくよう自動調整する適応フィルタを設けた補聴器が提案されている。
一方、TVのスピーカー音を補聴器のマイクで取得し補聴器で補正した場合、音がよくないので、劣化していない音声出力端子の音を補聴器に送信機で送信する方式が従来から利用されている。例えば、下記特許文献5では、テレビの音声出力端子から補聴器に音声信号を送信するシステムにおいて、音声出力端子の音がテレビ画面より先行する場合、音声信号を遅延させ、映像と同期させる補聴器システムが提案されている。
例えば、特許文献5は、テレビに接続し音声を送信する送信装置と、前記送信装置から送信された音声信号を受信する受信部と、音を収集するマイクと、前記マイクと前記受信部それぞれの音声信号を合成または切替を行う音声信号選択部と、その音声選択部からの出力に補聴処理を行う補聴処理部と、その補聴処理部から出力された音声信号を出力するレシーバーとを備えた補聴器において、前記マイクと前記受信部から入力された音声信号を入力し、それぞれの音声信号から遅延時間を算出する遅延量算出部と、前記遅延量算出部で算出された遅延量に応じて前記受信部で受信した音声信号を遅らせる遅延処理部を有することで、それぞれの音声信号の遅延を解消する技術を開示する。
特開2003−070097号公報 特開2010−011117号公報 特開2006−217649号公報 特開2007−235364号公報 特開2012−5005号公報
社団法人耳鼻咽喉科学会 補聴器相談医の役割(http://www.jibika.or.jp/hochouki/yakuwari.html)
従来技術の範囲でも、補聴器をつけた人が、テレビやビデオの映像を視聴する場合、音声出力端子の信号を利用することによりノイズが少ない、高品質の音質で視聴が可能である。しかしながら、補聴器には上記デジタル処理が行われ、音声データの通信による負荷もあるため、補聴器の音はテレビの映像より遅れ、TV視聴において違和感がある場合が多い。
図10は、テレビジョン受信装置の音声出力を補聴器に送信する送信機を用いた補聴器システムの一構成例を示す機能ブロック図であり、従来方式の「テレビの音を聞きやすくする補聴器システム」の構成例を示す図である。
図10に示す補聴器システムXは、テレビジョン受信装置(TV)101と、補聴器201と、TV信号を無線で補聴器201に送信する送信機151と、を有している。テレビジョン受信装置101は、放送波、デジタル/アナログ入力、ネットワーク入力等の映像・音声信号情報を入力し、内部の映像・音声情報に変換する音声・映像入力部103を有し、音声・映像入力部103からの入力信号に基づいて動画像を表示する表示部(ディスプレイ)105と、音声を出力するスピーカー部107と、音声を電気信号として出力する音声出力端子部110と、全体を制御する制御部(CPU)102と、を有する。制御部(CPU)は、実際には、送信機151、補聴器210にも設けられている。以下の図面でも同様である。
補聴器201を使用しない健聴者は、通常、表示部105で表示した動画とスピーカー部107からの音とで映像等のコンテンツを楽しむが、ヘッドフォンやイヤホン等で音声出力端子部110から出力する音を利用することもある。
補聴器201は、通常の会話や周辺の音をマイク203から取り込み、音声信号選択部207へ送る。音声信号選択部207は、後述する受信部205からの音声信号とマイク203からの音声信号とのうちマイク203からの音声信号とのいずれかを選択して、ノンリニア増幅、雑音抑制、ハウリング抑制等のデジタル処理を行う補聴器処理部211に送る。
補聴器処理部211では、ノンリニア増幅、雑音抑制、ハウリング抑制等のデジタル処理を行い、イヤホン・スピーカー部などからなるレシーバー215で難聴者の耳にも聞こえ得る音として出力する。
一方、テレビジョン受信装置101の音声出力端子110からの信号は、送信機151を経由して、例えば無線により補聴器201に送られる。送信機151の入力部153に送られたテレビジョン受信装置101からの信号は、送信部155から無線信号として送出され、補聴器201の受信部205で受信され、マイク203と受信部205の入力を切り替える音声信号選択部207へ送られる。音声信号選択部207では、受信部205からの信号が選択されると補聴器処理部211に送り、このデジタル処理を行い、レシーバー215で補聴器の使用者の耳にも聞こえうる音として出力する。
このように、テレビジョン受信装置101からの音声出力を、送信機151を介して無線等により補聴器201に送信することにより、ノイズの少ないテレビ音声の再現が可能となる。ここで、テレビジョン受信装置101の音を視聴中は、音声がスピーカー部107から出力されているため、補聴器201のマイク203からの入力は聞こえないようになっている。
図11は、図10の補聴器201の処理の概要を示すフローチャート図である。図11に示すように、ステップS101で処理を開始し、ステップS102で、音声信号選択部207において、音声出力を選択する。ステップS103において、音声出力としてテレビジョン受信装置(TV)側を選択する場合には(YES)、ステップS104に進み、送信機151を介した音声出力の受信信号を補聴器処理する。一方、ステップS103において、音声出力として会話などを選択する場合には(NO)、ステップS105に進み、マイク203を介した音声入力を直接、補聴器処理する。TV1の音を視聴中は、健聴者用にTVのスピーカーから出力されているため補聴器のマイクからの入力は聞こえないようになっている。
ところで、上記のように特許文献5では、デジタル放送化によって映像が音声より遅延するケースの発明を開示するが、テレビのスピーカーからの音声は通常の視聴に耐えられるよう、映像と違和感が生じないように映像信号と同期されている。音声出力端子もステレオシステムと接続して利用することが多いため、映像信号と同期がとられている。従って、特許文献5のように、補聴器側で遅延を算出し遅延を補正することで映像と音声の同期をとるようにすることは、実際には原理的に難しい。
また、この状態で視聴しているとき、補聴器のマイク入力を生かすと、テレビのスピーカー音がずれて入ってしまうので、大きなノイズとなる。従って、従来の方式では、音声信号選択部で会話かTVか切り替える必要があった。
本発明は、テレビやビデオなどの映像を視聴する場合に、補聴器などの信号処理を経た信号処理装置の使用の有無にかかわらず、音声と映像とを同期させることで、違和感がないようにすることを目的とする。
本発明の一観点によれば、映像音声信号を入力する入力部と、前記入力部から入力された映像信号と音声信号とを記憶する映像音声記憶部と、前記映像音声記憶部からの信号に基づいて内部出力を行う内部出力部と、前記映像音声記憶部からの信号に基づいて外部出力を行う外部出力部と、前記映像音声記憶部に記憶された前記映像信号と前記音声信号とを遅延させる遅延処理を行う映像音声遅延処理部と、前記映像音声遅延処理部での遅延処理済みの映像信号と音声信号とを前記外部出力部から出力させるとともに、前記映像音声記憶部からの遅延処理を行っていない音声信号を前記内部出力部から出力させる制御を行う制御部と、を有するコンテンツ出力装置が提供される。
外部出力部からの映像・音声を、内部出力の音声の信号処理による遅延時間分だけ遅延させることで、外部出力部からの映像・音声と、内部出力の音声とを同期させることができる。
前記映像・音声遅延処理部に対して遅延時間を設定する遅延設定部を有するようにしても良い。
前記遅延設定部に設定される遅延時間は、前記外部出力部からの外部音声信号と、前記内部出力端子部からの内部音声を信号処理する信号処理部からの出力音声信号と、の差分に基づいて前記遅延時間を算出する遅延算出部により算出されることが好ましい。
前記遅延設定部に設定される遅延時間は、前記外部出力部からの外部音声信号と前記内部出力端子部からの内部音声を信号処理する信号処理部からの出力音声信号とをそれぞれ入力として信号処理を行う音声信号処理装置に送られ、前記音声信号処理装置から返信された音声信号と、の差分に基づいて前記遅延時間を算出する遅延算出部により算出されるようにしても良い。
前記遅延算出部は、前記外部出力部からの外部音声信号と前記内部出力端子部からの内部音声を信号処理する信号処理部からの出力音声信号とをそれぞれ入力して信号処理を行う音声信号処理装置に設けられることが好ましい。
前記遅延時間は、予め設定された値又はユーザ入力により設定された値であっても良い。
さらに、前記遅延算出部で算出した値をもとに、前記音声信号処理装置のマイクから入力した前記コンテンツ出力装置の前記外部出力部からの音声をキャンセルするように前記外部出力部からの音声と逆相の音声を合成する音声キャンセル部を有するようにしても良い。
本発明は、コンテンツ出力装置から内部出力された第1の音声信号を受信する第1の受信部と、コンテンツ出力装置から外部出力された第2の音声信号を受信する第2の受信部と、前記第1の音声信号と前記第2の音声信号とを信号処理する信号処理部と、前記第2の受信部からの信号処理前の音声信号と、前記第1の受信部からの信号処理後の音声信号との差分に基づいての遅延時間を求める遅延算出部と、を有し、前記遅延算出部において算出した遅延時間を前記コンテンツ出力装置に送ることを特徴とする信号処理装置である。
また、本発明は、映像音声信号を入力する入力部と、前記入力部から入力された映像信号と音声信号とを記憶する映像音声記憶部と、前記映像音声記憶部からの信号に基づいて内部出力を行う内部出力部と、前記映像音声記憶部からの信号に基づいて外部出力を行う外部出力部と、前記映像音声記憶部に記憶された前記映像信号と前記音声信号とを遅延させる遅延処理を行う映像音声遅延処理部と、前記映像音声遅延処理部での遅延処理済みの映像信号と音声信号とを前記外部出力部から出力させるとともに、前記映像音声記憶部からの遅延処理を行っていない音声信号を前記内部出力部から出力させる制御を行う制御部と、を有するコンテンツ出力装置と、前記コンテンツ出力装置から内部出力された第1の音声信号を受信する第1の受信部と、前記コンテンツ出力装置から外部出力された第2の音声信号を受信する第2の受信部と、前記第1の音声信号と前記第2の音声信号とを信号処理する信号処理部と、前記第2の受信部からの信号処理前の音声信号と、前記第1の受信部からの信号処理後の音声信号との差分に基づいての遅延時間を求める遅延算出部と、を有し、前記遅延算出部において算出した遅延時間を前記コンテンツ出力装置に送ることを特徴とする信号処理装置と、を有することを特徴とするコンテンツ視聴システムである。
前記内部出力部からの送信信号を前記第1の受信部に伝送する送信機を有するようにしても良い。
本発明によれば、信号処理を経た信号処理装置の使用の有無にかかわらず、音声と映像とを同期させることで、違和感がないようにすることができる。
本発明の第1の実施の形態による信号処理技術を用いたコンテンツ視聴システムの一構成例を示す機能ブロック図である。 本発明の第2の実施の形態による信号処理技術を用いたコンテンツ視聴システムの一構成例を示す機能ブロック図である。 本発明の第3の実施の形態による信号処理技術を用いたコンテンツ視聴システムの一構成例を示す機能ブロック図である。 本発明の第4の実施の形態による信号処理技術を用いたコンテンツ視聴システムの一構成例を示す機能ブロック図である。 図本実施の形態による処理の流れを示すフローチャート図である。 遅延算出部における遅延算出処理の流れの一例を示すフローチャート図である。 図4に示す機能ブロックにおける遅延検出に関連する機能のみを抽出して示し、遅延検出の原理を示す原理図である。 図7に示す構成における処理の流れを示すフローチャート図である。 遅延検出処理に対応した遅延付加と会話の合成処理を示す概念図であり、上記図4に示す機能ブロックにおいて、図7に示す遅延検出に対応した遅延付加と会話との合成処理に関連する機能のみを抽出して示し、その原理を示す原理図である。 テレビジョン受信装置の音声出力を補聴器に送信する送信機を用いた補聴器システムの一構成例を示す機能ブロック図である。 図10の補聴器201の処理の概要を示すフローチャート図である。
以下に、本発明の実施の形態による信号処理技術について、補聴器を用いた場合を例にして説明する。本明細書において、音声出力端子部等から送信機を介して出力される音声信号を内部出力信号と称し、スピーカー部から出力される音声信号を外部出力信号と称する。また、表示部、スピーカー部等を総称して外部出力部と、音声出力端子部を内部出力部と称することがある。補聴器は、上位概念として音声信号処理装置と称することがある。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態による信号処理技術を用いたコンテンツ(映像)視聴システムの一構成例を示す機能ブロック図である。図5は、本実施の形態による処理の流れを示すフローチャート図である。
図1に示す補聴器を用いたコンテンツ視聴システムAは、図10の構成と同様に、テレビジョン受信装置1と、補聴器(音声信号処理装置)61と、TV信号を無線で補聴器61に送信する送信機51と、を有している。送信機51は、入力部53と、送信部55と、を有する。補聴器61は、マイク63、受信部65、音声信号選択部67、補聴器処理選択部71、レシーバー73と、を有する。いずれも、図10に示す構成と同様である。テレビジョン受信装置1は、PCやレコーダなどのコンテンツ出力装置であれば良い。
テレビジョン受信装置1は、放送波、デジタル/アナログ入力、ネットワーク入力等の映像・音声信号情報を入力し、内部の映像・音声情報に変換する音声・映像入力部3と、音声・映像入力部3から信号のうち動画像を表示する表示部(ディスプレイ)5と、音声を出力するスピーカー部7と、同じ音を電気信号として出力する音声出力端子部10と、を有するとともに、音声・映像入力部3から入力した音声・映像を格納する映像・音声記憶部15と、例えば、遅延設定部21に設定された遅延をもとに、映像・音声記憶部15から映像・音声を取得する映像・音声遅延処理部17と、全体を制御するCPU(制御部)2と、を有する。制御部(CPU)2は、実際には、送信機51、補聴器61にも設けられている。以下、制御部2等による制御の内容について説明する。
テレビジョン受信装置1の音声・映像入力部3で入力した音声・映像信号は(図5: ステップS1:Start)、映像・音声記憶部15に記憶される(図5:ステップS2)。この映像・音声記憶部15は、例えば、サーキュラバッファ等により一定期間の音声・映像情報を蓄えるようになっていても良い。
音声出力端子部10は、遅延なく、映像・音声記憶部15から音声を取得して、送信機51へ内部出力信号として出力する(図5:ステップS3の2))。補聴器61では、映像・音声記憶部15に記憶された音声・映像信号を、送信機51を介して受信部65で受信する。
映像・音声遅延処理部17は、遅延設定部21で設定した遅延分だけ遅らせて、映像・音声記憶部15から映像・音声を取得し、それぞれ、表示部5、スピーカー部7に送り、スペーカー部7から外部出力信号として出力させる(図5:ステップS3の1)。
ここで、送信処理や補聴器の処理で発生する遅延分だけ遅延時間を設定すれば、映像・音声遅延処理部17で遅延処理を行い、表示部5に表示される映像と、レシーバー73からの音声との時間差を小さくすることができるため、音声と映像とを同期させて、違和感を少なくすることができる。従って、ステップS4において、音声信号選択部67が送信機経由の信号を選択するか選択しないかを判定し、送信機経由が選択されると(図5:ステップS5でYES)、補聴器処理部71は、受信した送信機51を介した音声信号に基づき補聴器処理を行う(図5:ステップS7)。
補聴器61を使用する人は、表示部5に表示された遅延した映像信号と同期した補聴器での処理済みの音声信号をレシーバー73で聞くことにより、補聴器を使用していても、テレビジョン受信装置1の映像と音声とを同期させて違和感なく視聴することができる。
一方、ステップS5でNOの場合には、スピーカー部7経由となるため、マイク63を介したスピーカー部7からの遅延した音声信号が直接処理される(図5:ステップS6)。従って、補聴器61を使用していない人は、TV1の遅延させた映像と音声とをスピーカー部7からマイク63経由で遅延した同期させて聞くことができるため違和感がない。すなわち、送信機経由でない場合には、映像信号も音声信号も遅延させることが1つのポイントである。
尚、遅延設定部21において設定する遅延時間の設定値は、後述する実施の形態のように自動的に計算するようにすることもできるが、デフォルト又はユーザによる設定及び設定値に関する違和感を低減するようにする調整を行うことが可能である。
補聴器を使用した人にとっては、音声分離し、デジタル補聴器でデジタル処理した音声と、そのデジタル処理の時間分遅延装置で遅延させた映像とが同期するため、違和感のなく視聴できる。一方、補聴器を使用していない人にとっては、遅延装置で同じように遅延させた映像と音声とを視聴することになるので、映像と音声のずれは生じない。
以上に説明したように、本実施の形態によれば、TVなどの視聴装置に入力した音声・映像を、音声出力端子経由でレシーバーに入力する音声信号と同期するように遅延設定部で設定した遅延分だけ遅らせて表示部・スピーカー部で映像・音声を出力するようにしたため、補聴器61の使用の有無に関係なく、音声と映像とを同期させて違和感なく視聴することができる。
(第2の実施の形態)
図2は、本発明の第2の実施の形態による信号処理技術を用いたコンテンツ視聴システムの一構成例を示す機能ブロック図である。既存TVの中には、DLNA(Digital Living Network Alliance)を利用して、放送をリアルタイムに視聴することが可能なものがある。本実施の形態は、このDLNA技術を利用した構成例である。
図2に示す補聴器を用いたコンテンツ視聴システムBは、DLNAでリアルタイム視聴機能に対応している従来式のTV装置と、同期処理装置81と、送信機51と、補聴器61と、を有する。
DLNAでリアルタイム視聴機能に対応している従来式のTV装置1aには、音声・映像入力部3、スピーカー部7、表示部5、AV入力部23及びインターネットで接続されたDLNA出力部21が設けられ、テレビ放送をDLNAでリアルタイムに再生できる機能を有している一般的な構成をもつ。
同期処理装置81は、DLNA入力部83から入力された映像を、映像・音声記憶部87に蓄え、音声出力端子部93へ遅延なく送出する。一方、映像・音声遅延処理装置89は、遅延設定部91に設定された遅延量で映像・音声を遅延させ、AV出力部85に出力する。AV出力部85からの信号がTV装置1のAV入力部23から表示部5とスピーカー部7とに出力される。尚、送信機51、補聴器61の構成は図1と同様である。
以上のように、TV装置1aのスピーカー部7、表示部5から出力される音声・映像は、AV入力部85を経由して、同期処理装置81の映像・音声記憶部87より映像・音声遅延処理装置89で遅延させて、再生させた音声・映像データである。
このとき設定する遅延量は、音声出力端子部93経由で音声がレシーバー73に到達する時間と、AV出力部85経由で再生される音声・映像のとの差分である。
尚、同期処理装置81に放送用のチューナーや、レコーダからの入力部を用意し、TVへのAV出力を用意して、TVをモニタと利用してもよい。また、上記では、TVに映像・音声遅延処理装置を搭載する構成となっているが、既存TVと同期処理装置と同期処理装置との構成でも同様のシステムを実現することができる。
以上に説明したように、本実施の形態によれば、TVなどの視聴装置に入力した音声・映像を、音声出力端子経由でレシーバーに入力する音声信号と同期するように遅延設定部で設定した遅延分だけ遅らせて表示部・スピーカー部で映像・音声を出力するようにしたため、補聴器の使用の有無に関係なく、音声と映像とを同期させて違和感なく視聴することができるという第1の実施の形態と同様に効果を、既存のTVを用いて得ることが出来る。
(第3の実施の形態)
図3は、本発明の第3の実施の形態による信号処理技術を用いたコンテンツ視聴システムの一構成例を示す機能ブロック図である。
本実施の形態によるコンテンツ視聴システムCでは、TV視聴開始時点で、映像・音声遅延処理部17の遅延設定値を0として、補聴器61a側で、スピーカー部7と音声出力端子部10経由で補聴器処理を行った音声データとの遅延を算出し、この遅延を、遅延設定部21a経由でTVの映像・音声遅延処理部17に設定する構成を有している。
基本的には、図1と同様の構成であるが、補聴器61aに遅延算出部75が、TV1bに遅延設定部21aが設けられている点で異なる。
補聴器61aの遅延算出部75が、受信部65経由で補聴器処理部71による補聴器処理を行った音声とマイク入力とから遅延を算出する。すなわち、遅延算出部75は、遅延検出に、遅延がない状態でTVのスピーカー部7を補聴器61のマイク63で入力したデータと、TVの音声出力端子部10経由で出力された音を補聴器処理部71で補聴器処理を行ったデータと、から遅延を算出する。
遅延設定部21aは、遅延検出スタート時に初期値として例えば0を設定しておき、遅延算出部75が算出した値を再設定するようになっている。
映像・音声遅延処理部17は、遅延設定部21aで設定した遅延分だけ遅らせて、映像・音声記憶部25から映像・音声を取得し、それぞれ表示部5、スピーカー部7に送り出力することは第1の実施の形態と同様である。TV視聴開始時に遅延検出を行う。
遅延を設定せず、TVのスピーカー部7と音声出力端子部10とから音声を出力する。スピーカー部7経由の音は、補聴器61aのマイク63から入力され、処理の遅延なく遅延算出部75へ到達する。一方、音声出力端子部10経由の音は、送信機51、補聴器受信部65を経由して補聴器処理部71でデジタル処理を行い、遅延を伴い遅延算出部75へ到達する。従って、遅延時間を算出することができる。
図6は、遅延算出部75における遅延算出処理の流れの一例を示すフローチャート図である。まず、遅延検出処理をスタートすると(ステップS11)、映像・音声遅延処理部17の遅延量を0に設定する(ステップS12)。次いで、ステップS13において、出力端子部10、スピーカー部7からの音声出力を開始する。
ステップS14において、マイク入力を記憶する。ステップS15で、音声出力端子部10経由で補聴器処理を行った音声データを記憶する。ステップS16で、遅延算出部75が、レシーバー73とマイク63との波形の時間変化等に基づいて遅延を算出する。
ステップS17において、ステップS16で求めた遅延時間を、映像・音声遅延処理部に設定し、遅延算出処理を終了する(ステップS18)。
尚、遅延算出部75における遅延算出は以下の方法等により行うことが可能である。
1)ピーク検出法:
ピーク部分を検出して、その時間差を算出する方法である。
2)相互相関関数φが最大値を与える時間に基づく方法:
相互相関関数φが最大値を与える時間(τ1)とし、相互相関関数は以下の式で定義されている。
Figure 2014003432
これにより、フーリエ変換を行うことで高速に演算可能である。
以上に説明したように、本実施の形態では、TV視聴開始の時点で、映像・音声遅延処理部の遅延を0とし、補聴器側で、スピーカー部と、音声出力端子部経由で補聴器処理を行った音声データとの遅延を算出する。そして、算出量を、遅延設定部経由でTVの映像・音声遅延処理部に設定するように構成することで、システムや環境に則した設定が可能であり、より快適な視聴が可能になる。
(第4の実施の形態)
図4は、本発明の第4の実施の形態による信号処理技術を用いた映像視聴システムの一構成例を示す機能ブロック図である。
図4は、TV視聴中にも補聴器61bのマイク63で取得した家族との会話などができるような構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、TV1cに設けられている遅延算出部29は、遅延の算出を行い、遅延の算出時に映像・音声遅延処理部27a、スピーカー音声キャンセル部28の遅延量を0に設定し、音声出力端子部10、スピーカー部7から音声出力を開始する。
遅延算出部29は、補聴器61bの遅延算出用データ制御部79に制御信号を送り、送信部77経由で、送信機51aの受信部57、出力部58からTV1cの音声入力端子部30を経て音声を取り込む。遅延算出部29は、音声入力端子部30から取り込んだこの音声と上記送信した音声とから、各径路での遅延時間を測定する。
補聴器61bに設けられている遅延算出用データ制御部79は、遅延算出部29から受け取った信号に応じて、送信部77、補聴器処理部71を制御して、どの経路の音声を音声入力端子部30へ送るかの制御を行う。
映像・音声遅延処理部27aは、送信や補聴器の処理で発生した遅延分だけ設定された遅延時間により、音声出力端子部10経由で得たレシーバー73からの音声と表示部5に表示される映像とを同期させ、違和感がなくなるように遅延処理を行う。
スピーカー音声キャンセル部28は、遅延算出部29で算出した値をもとに、補聴器61bのマイク63から入力したTV1cのスピーカー部7からの音声をキャンセルするようにスピーカー部7からの音声と逆相の音声を合成する。
これにより、補聴器処理部71で合成されたマイク63から入力した音からTV1cのスピーカー部7の音声がキャンセルされ、マイク63から入力した音は会話の音声が残るようになっている。
本実施の形態による映像視聴システムDは、映像・音声記憶部25の記憶データと、以下の経路を経て帰った情報とから遅延量を算出する。
1)映像・音声記憶装置25→映像・音声遅延処理部(遅延0)27a→スピーカー部7→マイク63→送信部77→受信部57→出力部58→音声入力端子部30→遅延算出部29
2)映像・音声記憶装置25→映像・音声遅延処理部(遅延0)27a→スピーカー部7→マイク63→補聴器処理部71→送信部77→受信部57→出力部58→音声入力端子部30→遅延算出部29
3)映像・音声記憶装置25→スピーカー音声キャンセル部28→音声出力端子部10→入力部53→送信部55→受信部65→補聴器処理部71→送信部77→受信部57→出力部58→音声入力端子部30→遅延算出部29
ここで、
2)−1)で、補聴器処理部71の処理時間を計算することができる。
3)−2)で、スピーカー部7経由の音声と、音声出力端子部10経由の音声との処理時間の差を求めることができる。
また、マイク63への到達時間を0と仮定すれば、補聴器の受信部65への到達時間は、3)−2)である。
図7は、上記図4に示す機能ブロックにおける遅延検出に関連する機能のみを抽出して示し、遅延検出の原理を示す原理図である。
補聴器の送信部77以降は、どの経路でも同じ時間がかかるので相殺され、スピーカー部7からマイク63への伝達時間は、無視することとする。
図8は、この場合の処理の流れを示すフローチャート図である。遅延算出用データ制御部79で経路を制御して、遅延を測定する。
上記の1)の経路、2)の経路、3)の経路に関して、送信元データと比較して遅延量の算出が可能である。以下の通り遅延を計算できる。
2)の遅延量−1)の遅延量=補聴器処理部71の遅延量
3)の遅延量−2)の遅延量=送信機51で発生する遅延量
1)と元のデータとから、補聴器61bのマイク63に入力したときの音の大きさや、部屋の反射成分を表す伝達関数を求めることが可能である。ここで、伝達関数を求め方は以下の通りである。
元の音データをフーリエ変換 f(t) → F(T)
1)の音データをフーリエ変換 g(t) → G(T)
各周波数領域ごとに割り算 S(T) = G(T)/F(T)
逆フーリエ変換 s(t) ← S(T)
s(t)が求める伝達関数である。
ここで、伝達関数には、補聴器送信部以降の時間成分が初期の遅延時間となるので、遅延時間は0として利用する。
図8に示すタイミングチャート図を参照して、TV側の遅延算出部29と、補聴器側の遅延算出用データ制御部79の動作について説明する。
まず、ステップS21で、TV側の遅延算出部29において、遅延検出処理を開始する。一方、ステップS41で、補聴器側・遅延算出用データ制御部79でも、遅延検出処理を開始する。ステップS22で、TV側の遅延算出部29と、スピーカー音声キャンセル部28とのそれぞれの遅延量を0に設定し、次いで、出力端子部10・スピーカー部7から音声出力を開始する(ステップS23)。
次いで、ステップS24で、TV側の遅延算出部29から補聴器側の遅延算出用データ制御部79に対して、制御信号1を送信する(L1)。遅延算出用データ制御部79は、制御信号1を受けると、ステップS42において、マイク63からの信号を出力するように送信部77を設定する。そして、TV側の遅延算出部29に経路1)信号を送信する(L2)。すると、ステップS25で、図7に示すように、TV側の遅延算出部29が、元音源のデータと経路1)の音のデータとから、経路1)の遅延を算出する。
次いで、ステップS26において、TV側の遅延算出部29が、制御信号2を聴器側の遅延算出用データ制御部79に対して送信する(L3)。ステップS43において、制御信号2受けた遅延算出用データ制御部79は、補聴器処理部71がマイク63からの信号を処理するように設定し、ステップS44において、送信部77が補聴器処理部71からの信号を出力するように設定する。そして、補聴器側の遅延算出用データ制御部79からTV側の遅延算出部29に、経路2)信号を送る(L4)。経路2)信号を受け取ったTV側の遅延算出部29は、ステップS27において、元音源のデータと経路2)の音のデータから、経路2)の遅延量を算出する。
次いで、ステップS28において、TV側の遅延算出部29は、制御信号3を補聴器側の遅延算出用データ制御部79に対して送信する(L5)。制御信号3を受信した補聴器側の遅延算出用データ制御部79は、ステップS45において、補聴器処理部71が受信部63からの信号を処理するように設定する。ここで、送信部77は、補聴器処理部71からの信号を出力する設定を維持する。そして、経路3)信号をTV側の遅延算出部29に送る(L6)。ステップS29において、TV側の遅延算出部29は、元音源のデータと経路3)の音のデータから、経路3)の遅延を算出する。
次いで、ステップS30において、映像・音声遅延処理部27aに、遅延3)−1)を設定する。次いで、ステップS31において、スピーカー音声キャンセル部28に、遅延2)−1)を設定する。また、ステップS32において、制御信号4を補聴器側の遅延算出用データ制御部79に送り(L7)、遅延検出処理を終える(ステップS33)。
遅延算出用データ制御部79は、制御信号4を受け取ると、ステップS46において、補聴器処理部71とマイク63の信号を合成して処理するように設定し、ステップS47で遅延検出処理を終了する。
図9は、上記の遅延検出処理に対応した遅延付加と会話の合成処理を示す概念図であり、上記図4に示す機能ブロックにおいて、図7に示す遅延検出に対応した遅延付加と会話との合成処理に関連する機能のみを抽出して示し、その原理を示す原理図である。
ここで、レシーバー73への到達時間は{3)−2)}+{2)−1)}=3)−1)であるから、映像・音声遅延処理部27aで、3)−1)だけ遅延させると、補聴器61bにおけるマイク63を介した音声と受信部65を介した音声とのタイミング(位相)が一致する。
一般的に、家族のだんらんなどで、TVを見ながら会話をすることはよくある。この際、音声信号選択部67(図1・図2等)で、音声が、会話かTVかを切り替える必要があった。
一方、TV1cを見ながら会話をするため補聴器61bのマイク63を生かすとすれば、補聴器処理部71に対するマイク63からの入力は、受信部65からの入力に比べて補聴器処理部71の遅延{2)−1)}分だけ遅れた音が合成される。
そこで、あらかじめ、スピーカー音声キャンセル部28で、遅延{2)−1)}分だけ遅延させて、マイク63から入力する音声を差し引いておけば、補聴器処理部71で合成したときに、TV1cのスピーカー部7の音がキャンセルされ、会話等それ以外の音との合成となる。
ここで、遅延算出部29は、受信部65経由で補聴器処理部71が行った遅延処理後の音声とマイク入力とから遅延を算出する。遅延算出用データ制御部79は、遅延算出を行うために送出するデータを変更する。スピーカー音声キャンセル部28は、マイク63が取得するスピーカー部7の音声を予め減算しておく。
以下に、TV1c視聴中にも補聴器61bのマイク63で取得した家族との会話等が可能となる仕組みについて具体的に説明する。
遅延算出部29は、遅延の算出を行う装置であり、遅延の算出時に、映像・音声遅延処理部27a、スピーカー音声キャンセル部28の遅延量を0に設定し、音声出力端子部10・スピーカー部7から音声出力開始する。
遅延算出部29は、遅延算出用データ制御部79に制御信号を送り、送信部77経由で送信機51aの受信部57、出力部58からTV1cの音声入力端子部30から音声を取り込む。遅延算出部29は、この音声と送信した音声とから、上記の各径路での遅延時間を測定する。
遅延算出用データ制御部79は、遅延算出部29より受け取った信号に応じて、送信部77・補聴器処理部71を制御して、どの経路の音声を音声入力端子部30へ送るかどうかの制御を行う。
映像・音声遅延処理部27aは、送信や補聴器の処理で発生した遅延分だけ設定された遅延を、映像・音声記憶部25からの出力に付加し、音声出力端子部10経由でレシーバー73からの音声が表示部5に表示される映像との違和感がなくなる方向に遅延処理を行う。
スピーカー音声キャンセル部28は、遅延算出部29で算出した値をもとに、補聴器61bのマイク63から入力したTV1cのスピーカー部7の音声をキャンセルするように逆相の音声を合成する。これにより、補聴器処理部71で合成されたマイク63から入力した音からTV1cのスピーカー部7の音声がキャンセルされ、マイク63の入力した音は会話の音声が残る。
以下、図7・図8を参照し、図9に戻って、遅延付加と会話の合成処理であって、映像・音声遅延処理部27aで3)−1)だけ遅延させた後に信号を合成する処理について、より詳細に説明する。
TV1c本体の音の関数をx(t)とし、補聴器処理部71の遅延2)−1)をτ1とし、音声出力端子部10経由の送信の遅延3)−2)をτ2とする。ここで、音声出力端子部10よりTV1c本体の音(b): x(t)を出力すれば、音声出力端子部10経由の送信の遅延τ2が加わり、信号(c): x(t-τ2)となる。さらに、補聴器処理部71で処理をすることで、遅延τ1が加わり信号、信号(d): y(t-τ1−τ2)となる。ここで、補聴器処理部71で、x(t)→y(t)に変換されるものとする。
表示部5の映像とスピーカー部7の音声の遅延が、レシーバー73に入力する音声と同じようにすれば、補聴器61bの利用者も違和感なく視聴できる。そこで、表示部5の映像とスピーカー部7の音声の遅延をτ1+τ2だけ遅らせればよい。
この状態で、スピーカー部7からの出力がマイク63から入力した信号(e)は、音声出力端子部10経由の送信の遅延が加わった信号(c)と比べてτ1だけ遅れる。
そこで、予めτ1だけ遅らせ、音の大きさや、部屋の反射成分を表す伝達関数T(t)等の補正を行いマイク63の入力音の予測信号=u(t-τ1)を例えば、以下のように求めることが可能である。
u(t-τ1)=T(t)*x(t): *は畳み込みである。
ここで、畳み込みについて説明すると、まず、x=xjとy=yj(j=0,…)の畳み込みx*y=ck(k=0,…)は、以下のように定義されている。
Figure 2014003432
フーリエ変換を行うことで高速に演算可能である
音声出力端子部10よりTV本体1cの音(b)からマイク63入力の音の予測信号(f)を差し引き、音声出力端子部10より出力すれば、音は、τ2の遅延を持って補聴器処理部71に入力される。その入力信号と(e)の信号とを合成すれば、(e)と(f)の分の信号が相殺され、本来の(b)の信号のみとなる。
マイク63より入力される信号のうち家族の会話等の音声は、スピーカー部7からの出力が予測信号(f)で相殺された後も残るので、補聴器処理部71で補聴器処理され聞こえるようになる。
次に、スピーカー部7からマイク63への伝達時間(以下「伝達時間」と称する。)を考えた場合、遅延の意味は以下のとおりとなる。
2)−1): 補聴器処理部71の遅延
3)−2): 送信の遅延−伝達時間
上記の和3)−1)だけスピーカー部7の出力を遅らせると、マイク63への到達時には、伝達時間分経過することになるので、レシーバー73に入力する音声と同じ遅延となる。
以上、本実施の形態によれば、TV視聴中にも補聴器のマイクで取得した家族との会話などが快適にできる。
上記の実施の形態において、添付図面に図示されている構成等については、これらに限定されるものではなく、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
テレビジョン受信装置(TV)は、PCやレコーダなどのコンテンツ再生機出た痛い可能である。
また、本発明の各構成要素は、任意に取捨選択することができ、取捨選択した構成を具備する発明も本発明に含まれるものである。
また、本実施の形態で説明した機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。尚、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また前記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。機能の少なくとも一部は、集積回路などのハードウェアで実現しても良い。
本発明は、コンテンツ視聴システムに利用可能である。
A〜D…映像視聴システム、1…テレビジョン受信装置(TV)、2…CPU(制御部)、3…音声・映像入力部、5…表示部(外部出力部: ディスプレイ)、7…スピーカー部(外部出力部)、10…音声出力端子部(内部出力部)、21…遅延設定部、15…映像・音声記憶部、17…映像・音声遅延処理部、21…DLNA出力部、28…スピーカー音声キャンセル部、30…音声入力端子部、51…送信機、53…入力部、55…送信部、57…受信部、58…出力部、61…補聴器、63…マイク(第1の受信部)、65…受信部(第2の受信部)、67…音声信号選択部、71…補聴器処理部(信号処理部)、73…レシーバー、77…送信部、79…遅延算出用データ制御部、81…同期処理装置。

Claims (10)

  1. 映像音声信号を入力する入力部と、
    前記入力部から入力された映像信号と音声信号とを記憶する映像音声記憶部と、
    前記映像音声記憶部からの信号に基づいて内部出力を行う内部出力部と、
    前記映像音声記憶部からの信号に基づいて外部出力を行う外部出力部と、
    前記映像音声記憶部に記憶された前記映像信号と前記音声信号とを遅延させる遅延処理を行う映像音声遅延処理部と、
    前記映像音声遅延処理部での遅延処理済みの映像信号と音声信号とを前記外部出力部から出力させるとともに、前記映像音声記憶部からの遅延処理を行っていない音声信号を前記内部出力部から出力させる制御を行う制御部と
    を有するコンテンツ出力装置。
  2. 前記映像・音声遅延処理部に対して遅延時間を設定する遅延設定部を有することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ出力装置。
  3. 前記遅延設定部に設定される遅延時間は、
    前記外部出力部からの外部音声信号と、前記内部出力端子部からの内部音声を信号処理する信号処理部からの出力音声信号と、の差分に基づいて前記遅延時間を算出する遅延算出部により算出されることを特徴とする請求項2に記載のコンテンツ出力装置。
  4. 前記遅延設定部に設定される遅延時間は、
    前記外部出力部からの外部音声信号と前記内部出力端子部からの内部音声を信号処理する信号処理部からの出力音声信号とをそれぞれ入力として信号処理を行う音声信号処理装置に送られ、前記音声信号処理装置から返信された音声信号と、の差分に基づいて前記遅延時間を算出する遅延算出部により算出されることを特徴とする請求項2に記載のコンテンツ出力装置。
  5. 前記遅延算出部は、前記外部出力部からの外部音声信号と前記内部出力端子部からの内部音声を信号処理する信号処理部からの出力音声信号とをそれぞれ入力して信号処理を行う音声信号処理装置に設けられることを特徴とする請求項3に記載のコンテンツ出力装置。
  6. 前記遅延時間は、予め設定された値又はユーザ入力により設定された値であることを特徴とする請求項2に記載のコンテンツ出力装置。
  7. さらに、前記遅延算出部で算出した値をもとに、前記音声信号処理装置のマイクから入力した前記コンテンツ出力装置の前記外部出力部からの音声をキャンセルするように前記外部出力部からの音声と逆相の音声を合成する音声キャンセル部を有することを特徴とする請求項3から5までのいずれか1項に記載のコンテンツ出力装置。
  8. コンテンツ出力装置から内部出力された第1の音声信号を受信する第1の受信部と、
    コンテンツ出力装置から外部出力された第2の音声信号を受信する第2の受信部と、
    前記第1の音声信号と前記第2の音声信号とを信号処理する信号処理部と、
    前記第2の受信部からの信号処理前の音声信号と、前記第1の受信部からの信号処理後の音声信号との差分に基づいての遅延時間を求める遅延算出部と、を有し、
    前記遅延算出部において算出した遅延時間を前記コンテンツ出力装置に送ることを特徴とする信号処理装置。
  9. 映像音声信号を入力する入力部と、前記入力部から入力された映像信号と音声信号とを記憶する映像音声記憶部と、前記映像音声記憶部からの信号に基づいて内部出力を行う内部出力部と、前記映像音声記憶部からの信号に基づいて外部出力を行う外部出力部と、前記映像音声記憶部に記憶された前記映像信号と前記音声信号とを遅延させる遅延処理を行う映像音声遅延処理部と、前記映像音声遅延処理部での遅延処理済みの映像信号と音声信号とを前記外部出力部から出力させるとともに、前記映像音声記憶部からの遅延処理を行っていない音声信号を前記内部出力部から出力させる制御を行う制御部と、を有するコンテンツ出力装置と、
    前記コンテンツ出力装置から内部出力された第1の音声信号を受信する第1の受信部と、前記コンテンツ出力装置から外部出力された第2の音声信号を受信する第2の受信部と、前記第1の音声信号と前記第2の音声信号とを信号処理する信号処理部と、前記第2の受信部からの信号処理前の音声信号と、前記第1の受信部からの信号処理後の音声信号との差分に基づいての遅延時間を求める遅延算出部と、を有し、前記遅延算出部において算出した遅延時間を前記コンテンツ出力装置に送ることを特徴とする信号処理装置と、
    を有することを特徴とするコンテンツ視聴システム。
  10. 前記内部出力部からの送信信号を前記第1の受信部に伝送する送信機を有することを特徴とする請求項9に記載のコンテンツ視聴システム。
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