以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態における画像処理装置1の構成概念を示す図である。この画像処理装置1は、コピージョブやプリントジョブ、スキャンジョブ、FAXジョブなどの様々なジョブを実行することが可能な複合機などで構成される。
画像処理装置1の装置本体1aは、原稿を読み取って画像データを生成するスキャナ部2と、印刷用紙などに対して画像形成を行って印刷出力を行うプリンタ部3とを備えている。また装置本体1aの正面側には、ユーザーが画像処理装置1を操作する際のユーザーインタフェースとなる操作パネル5が設けられている。この操作パネル5は、装置本体1aに対して着脱可能となっている。操作パネル5を装置本体1aから取り外して使用する場合、操作パネル5は、タブレット端末などのような携帯型の表示装置6として機能する。この操作パネル5は、装置本体1aと有線又は無線で通信を行うことにより、各種の操作画面を表示すると共に、ユーザーによる操作を検知して装置本体1aに通知するように構成される。
図2は、画像処理装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、画像処理装置1の装置本体1aは、画像入力部10と、画像メモリ11と、画像処理部12と、画像出力部13と、ハードディスク装置14と、ジョブ制御部15と、通信インタフェース16とを備えている。装置本体1aにおいてこれら各部が動作することにより、画像処理装置1は、コピージョブやプリントジョブ、スキャンジョブ、FAXジョブなどの様々なジョブを実行する。例えば、ネットワークを介してジョブの実行対象となる画像データを受信すると、画像処理装置1はプリントジョブを実行する。またユーザーがスキャナ部2に原稿をセットした状態で操作パネル5を操作してジョブの実行指示を行うと、画像処理装置1は、コピージョブやスキャンジョブ、FAX送信ジョブなどのユーザーによって指定されたジョブを実行する。
画像入力部10は、ジョブ実行の対象となる画像データを入力する処理部である。この画像入力部10は、上述したスキャナ部2を含んで構成される。また、その他にも、画像入力部10には、画像データを入力可能な種々の構成が含まれる。図3は、画像入力部10の一構成例を示す図である。画像入力部10は、図3に示すように、スキャナ部2と、ネットワークインタフェース41と、FAX受信部42と、電子メール受信部43と、USBインタフェース44とを備えて構成される。スキャナ部2は、例えばコピージョブやスキャンジョブ、FAX送信ジョブなどを実行するときに機能し、上述したように原稿を読み取ってジョブ実行の対象となる画像データを生成する。ネットワークインタフェース41は、LAN(Local Area Network)などのネットワークを介して、例えばプリントジョブの実行対象となる画像データを入力する。FAX受信部42は、公衆電話回線などを介してFAXデータを受信することにより、出力対象となる画像データを取得する。電子メール受信部43は、ネットワークに接続されている電子メールサーバーに定期的にアクセスし、その電子メールサーバーに画像処理装置1宛の電子メールが蓄積されていれば、その電子メールを出力対象の画像データとして取得する。また、USBインタフェース44は、USBメモリなどの外部記憶装置を接続するためのインタフェースであり、その外部記憶装置に記憶されている画像データを実行対象として取得する。また、この他にも、画像入力部10は、例えばハードディスク装置14に記憶されている画像データをジョブの実行対象として取得することも可能である。画像入力部10は、ジョブの実行開始に伴い、図3に示した構成によってジョブの実行対象となる画像データを取得すると、その画像データを画像メモリ11に格納する。尚、画像入力部10がジョブの実行対象として取得する画像データは、1ページ分の画像データであっても良いし、複数ページ分の画像データであっても良い。
画像メモリ11は、複数ページ分の画像データを記憶しておくことが可能な記憶領域を有するメモリである。図4は、画像メモリ11の一構成例を示す図である。図4に示すように、画像メモリ11には、入力画像データ記憶部11aと、処理済みデータ記憶部11bと、サムネイル画像記憶部11cとが設けられている。画像入力部10が取得した画像データは、入力画像データ記憶部11aに格納される。この入力画像データ記憶部11aに記憶された画像データは、少なくともジョブの実行が完了するまでオリジナルデータ(初期データ)のまま保持される。尚、ジョブの実行が完了してから所定時間が経過するまで、入力画像データ記憶部11aに記憶された画像データを保持しておくようにしても良い。
画像処理部12は、画像メモリ11の入力画像データ記憶部11aに格納された画像データを1ページずつ順次読み出し、予め設定された処理過程に応じた画像処理を実行する処理部である。この画像処理部12は、複数の画像処理を予め設定された処理過程に従って順次実行可能となっている。
図5は、画像処理部12の詳細な一構成例を示す図である。画像処理部12は、画像調整部50と、画像変換部60と、画像補整部70とを備えており、これらを順に機能させていくことによって画像データを逐次加工していく。
例えば、画像調整部50において行われる画像処理には、下地調整51、解像度変換52、シャープネス53、スムージング54、明度調整55および画像回転56などの複数の処理がある。ただし、画像調整部50においては、これら複数の処理51〜56がジョブの実行中に毎回全て行われるとは限らない。すなわち、画像調整部50は、これら複数の処理51〜56の中から、実行するジョブの種類や、ジョブの実行指示に先立って予めユーザーによって設定された処理を選択して実行するように構成される。
また画像変換部60おいて行われる画像処理には、色変換61、PDF(Portable Document Format)変換62、OCR(Optical Character Reader)処理63、2値化処理64、スクリーン処理65、モノクロ変換66などの複数の処理がある。ただし、この画像変換部60においても、これら複数の処理61〜66がジョブの実行中に毎回全て行われるとは限らない。すなわち、画像変換部60は、上記と同様、これら複数の処理61〜66の中から、実行するジョブの種類や、ジョブの実行指示に先立って予めユーザーによって設定された処理を選択して実行するように構成される。
さらに画像補整部70において行われる画像処理には、エッジ強調71、カラー調整72、コントラスト調整73、濃度調整74などの複数の処理がある。ただし、この画像補整部70においても、これら複数の処理71〜74がジョブの実行中に毎回全て行われるとは限らない。すなわち、画像補整部70は、上記と同様、これら複数の処理71〜74の中から、実行するジョブの種類や、ジョブの実行指示に先立って予めユーザーによって設定された処理を選択して実行するように構成される。
画像処理部12は、画像調整部50、画像変換部60および画像補整部70のそれぞれにおいて予め設定された処理過程に応じた画像処理を順次実行していくことにより、画像出力に適した画像データを生成する。このとき、画像処理部12は、はじめに画像メモリ11の入力画像データ記憶部11aからオリジナルの画像データを読み出して画像処理を実行する。そして最初の画像処理によって生成される処理済みの画像データを、画像メモリ11の処理済みデータ記憶部11bに格納する。その後、画像処理部12は、画像メモリ11の処理済みデータ記憶部11bから先の画像処理が施された画像データを読み出して次の画像処理を順次実行していくと共に、処理済みデータ記憶部11bに格納されている画像データを逐次更新していく。したがって、入力画像データ記憶部11aは画像入力部10によって取得された画像データをオリジナルデータのまま保持するのに対し、処理済みデータ記憶部11bは画像処理の進行に伴って逐次更新される画像データを保持するようになる。
また画像処理部12は、図5に示すようにサムネイル画像生成部19を備えている。サムネイル画像生成部19は、画像メモリ11の入力画像データ記憶部11aおよび処理済みデータ記憶部11bに記憶された画像データを読み出して縮小することにより、サムネイル画像を生成し、サムネイル画像記憶部11cへ保存する処理部である。具体的には、画像入力部10がジョブの実行対象となる画像データを入力画像データ記憶部11aに保存すると、サムネイル画像生成部19は、その画像データを読み出し、画像入力部10によって取得された画像データに対応するサムネイル画像を生成する。また、上述した画像調整部50、画像変換部60および画像補整部70のそれぞれにおいて各種画像処理が順次実行されることに伴い、サムネイル画像生成部19は、その都度処理済みデータ記憶部11bから処理済みの画像データを読み出し、各種画像処理が施された状態の画像データに対応するサムネイル画像を順次生成していく。つまり、サムネイル画像生成部19は、予め設定された処理過程に応じた画像処理が順次実行されることに伴って変化していく画像データのサムネイル画像を順次生成していき、それらのサムネイル画像をサムネイル画像記憶部11cに保存する。尚、このようなサムネイル画像生成部19は、画像処理部12の一部の機能として設けられるものに限られず、画像処理部12の外部に設けられるものであっても良い。
そして画像メモリ11の入力画像データ記憶部11a、処理済みデータ記憶部11bおよびサムネイル画像記憶部11cに保存された画像データは少なくともジョブの実行が正常に完了するまで保持される。またこれらの画像データは、ジョブの実行が完了してから所定時間が経過するまで保持しておくようにしても良い。
上記のような画像処理部12は、画像調整部50、画像変換部60および画像補整部70において実行する複数種類の画像処理のそれぞれを個別に設けたハードウェアで実行するようにしても良いし、またソフトウェアで実行するようにしても良い。
例えば画像処理部12において個別に設けたハードウェアで上記各処理を実行する場合には各ハードウェアを同時に動作させることが可能である。そのため、画像処理部12は、上述した複数の処理を同時に実行することが可能であり、複数ページ分の画像データに対する画像処理を並行して進めていくことが可能である。また、ハードウェアの場合は、高速処理が可能であり、数マイクロ秒程度で予め設定された処理過程に応じた全ての画像処理を終了させることができるという特性がある。
これに対し、画像処理部12がソフトウェアで各処理を実行する場合には、CPUが1ページ分の画像データの処理に占有されるため、ハードウェアのように並行して複数ページ分の画像データに対する処理を実行することができない。ただし、画像調整部50、画像変換部60および画像補整部70のそれぞれに対して個別にCPUが設けられている場合には、画像調整部50、画像変換部60および画像補整部70のそれぞれにおいて実行される画像処理を同時に進行させることは可能である。ソフトウェアで画像処理を実行する場合は、ハードウェアの場合と比較すると、処理速度がかなり遅くなってしまうという特性がある。
画像処理部12において予め設定された処理過程に応じた画像処理が終了すると、画像出力部13が機能する。画像出力部13は、画像処理部12によって必要な画像処理が全て施された画像データを処理済みデータ記憶部11bから読み出し、予め設定された出力態様で画像の出力処理を行う。
画像出力部13は、上述したプリンタ部3を含んで構成される。また、その他にも、画像出力部13には、画像出力を行うことが可能な種々の構成が含まれる。図6は、画像出力部13の一構成例を示す図である。例えば画像出力部13は、図6に示すように、プリンタ部3と、ネットワークインタフェース41と、USBインタフェース44と、FAX送信部45と、電子メール送信部46と、BOX出力部47とを備えて構成される。プリンタ部3は、例えばコピージョブやプリントジョブなどの実行時に機能し、画像メモリ11の処理済みデータ記憶部11bに格納されている画像データに基づいて印刷用紙に画像形成を行うことにより、印刷出力を行う。ネットワークインタフェース41は、例えばスキャンジョブの実行時において、画像メモリ11の処理済みデータ記憶部11bに格納されている画像データを、ネットワークを介して他のコンピュータなどに送信する。またUSBインタフェース44は、画像メモリ11の処理済みデータ記憶部11bに格納されている画像データをUSBメモリなどの外部記憶装置に出力して保存する。FAX送信部45は、画像メモリ11の処理済みデータ記憶部11bに格納されている画像データに基づいてFAXデータを生成し、公衆電話回線などを介して外部宛先に送信する。電子メール送信部46は、画像メモリ11の処理済みデータ記憶部11bに格納されている画像データを添付ファイルとして添付した電子メールを作成し、ネットワーク経由で外部の電子メールサーバーに送信する。さらにBOX出力部47は、例えばスキャンジョブの実行時において、画像メモリ11の処理済みデータ記憶部11bに格納されている画像データを、ハードディスク装置14における記憶領域(BOX)に出力して保存する。
このように画像出力部13は、それぞれ異なる出力態様で画像出力を行うことが可能な複数の構成を有しており、実行するジョブの種類や、ジョブの実行指示に先立って予めユーザーによって設定された出力態様に基づいて画像出力を行うように構成される。
図2に戻り、ジョブ制御部15は、上述した画像入力部10、画像処理部12および画像出力部13の動作を制御することにより、画像処理装置1におけるジョブの実行を統括的に制御する。このジョブ制御部15は、ジョブの実行を開始する際、そのジョブの種類、或いは、ユーザーによるジョブの事前設定操作に基づき、画像処理部12に対して実行すべき画像処理を指示すると共に、画像出力部13に対して出力態様を指示する。そしてジョブ制御部15は、ジョブの実行開始に伴い、画像入力部10、画像処理部12および画像出力部13のそれぞれにおいて必要な動作を行わせることにより、ジョブの実行中に行う一連の動作を制御する。
またジョブ制御部15は、通信インタフェース16を介して操作パネル5と通信を行う。通信インタフェース16は、有線又は無線による通信を行うためのインタフェースである。ジョブ制御部15は、ジョブの実行開始に伴い、画像入力部10、画像処理部12および画像出力部13のそれぞれで行われる処理内容を、通信インタフェース16を介して操作パネル5に送信する。またジョブ制御部15は、ジョブの実行を開始してから完了するまでの間に、サムネイル画像記憶部11cに順次格納されるサムネイル画像を操作パネル5に送信する。
そしてジョブ制御部15は、ジョブの実行中或いはジョブの実行完了後に、操作パネル5から操作情報を受信すると、その操作情報に応じた処理を行う。例えば、ジョブの実行中に操作情報を受信すると、ジョブ制御部15は、その操作情報に基づいてジョブの実行動作を一時的に停止したり、ジョブ実行中に行われる画像処理の設定を変更したり、画像出力の出力態様を変更したりする。またジョブ制御部15は、ジョブの実行を一時停止させている状態で再開信号を含む操作情報を受信すると、ジョブの実行動作を再開させる。このとき、既に実行済みの画像処理の設定が変更されていれば、ジョブ制御部15は、画像メモリ11の入力画像データ記憶部11aに保存されているオリジナルの画像データを用いて再度はじめから画像処理を実行させるようにしてジョブを再開する。
これに対し、ジョブの実行完了後において、画像メモリ11の入力画像データ記憶部11a、処理済みデータ記憶部11bおよびサムネイル画像記憶部11cのそれぞれに依然として画像データが保存されている状態のときに操作情報を受信すると、ジョブ制御部15は、その操作情報に基づいてジョブ実行中に行った画像処理の設定を変更したり、画像出力の出力態様を変更したりする。その後、ジョブ制御部15は、ユーザーからのジョブの実行指示を再び検知すると、画像メモリ11の入力画像データ記憶部11aに保存されているオリジナルの画像データを用いて再度はじめからジョブの実行を開始するように制御する。この場合、画像入力部10は、あらためてジョブの実行対象となる画像データを取得する必要はない。
一方、操作パネル5は、図2に示すように、CPU20と、ROM21と、RAM22と、表示部24と、操作部25と、通信インタフェース26とを備えている。CPU20は、ROM21に予め格納されているプログラム23を読み出して実行する演算処理ユニットである。ROM21は、不揮発性のメモリであり、プログラム23の他、様々なデータなどが予め記憶される。RAM22は、CPU20がプログラム23を実行することによって発生する一時的なデータなどを記憶するためのメモリである。このRAM22には、装置本体1aから受信するサムネイル画像も一時的に保存される。表示部24は、カラー液晶ディスプレイなどで構成され、ユーザーに対して各種の情報を表示する。操作部25は、例えば表示部24の表示画面上に配置されたタッチパネルセンサによって構成され、ユーザーによる操作を受ける。通信インタフェース26は、装置本体1aとの間で有線又は無線による通信を行うためのインタフェースである。
操作パネル5のCPU20は、プログラム23を実行することにより、通信制御部31、表示制御部32および操作検知部33として機能する。通信制御部31は、通信インタフェース26を介して装置本体1aから受信する情報を表示制御部32に出力したり、操作検知部33から入力する操作情報を通信インタフェース26に出力して装置本体1aに送信したりする処理部である。
表示制御部32は、表示部24に表示する表示画面を制御する。特に本実施形態における表示制御部32は、画像処理装置1においてジョブの実行が行われるとき、ジョブ制御部15から送信される情報に基づいて、画像入力部10、画像処理部12および画像出力部13のそれぞれで行われる処理内容を特定する。そして表示制御部32は、画像入力部10に画像データが入力してから画像出力部13において画像出力が完了するまでの間に画像処理部12において順次実行される複数種類の画像処理の処理経路を表示部24に表示すると共に、サムネイル画像生成部19によって生成されるサムネイル画像を表示部24に表示する。また表示制御部32は、表示部24に表示する処理経路の表示状態を更新することにより画像データに対する画像処理の進行状況を表示すると共に、その処理経路の表示状態更新に連動して表示部24に表示するサムネイル画像を更新するように構成される。
ただし、処理経路の表示状態を更新する速度(間隔)は、必ずしも画像処理部12における処理速度に一致していなくても良い。なぜなら、上述したように画像処理部12が仮にハードウェアで構成される場合には、画像処理部12において実行される全ての画像処理が数マイクロ秒程度で終了してしまうため、その処理速度と同じ速度で画面更新を行っても、ユーザーにとってはそれらの更新過程を視認することができないからである。そのため、処理経路の表示状態を更新する速度は、画像処理部12において実際に画像処理が進行する処理速度よりも低速に設定され、画像処理の進行状況を示す各表示状態が少なくとも所定時間以上継続するように表示することが好ましい。
操作検知部33は、ユーザーが操作部25に対する操作を行った場合にその操作を検知する処理部である。この操作検知部33は、表示制御部32によって表示部24に処理経路とサムネイル画像とが表示されている状態でユーザーによる操作を検知すると、その操作に基づく操作情報を通信制御部31および表示制御部32へ出力する。表示制御部32は、操作検知部33から操作情報を入力すると、その操作情報に基づいて表示部24の表示画面を更新する。また通信制御部31は、操作検知部33から操作情報を入力すると、その操作情報をジョブ制御部15に対して送信する。例えばジョブの実行中に、操作検知部33からジョブ制御部15に対して送出される操作情報には、ジョブの実行を一時的に停止させる停止信号、ジョブの実行中に行われる画像処理や出力態様を変更させる指示情報、或いは、一時停止させたジョブの実行を再開させる再開信号などが含まれる。また例えばジョブの実行完了後に、操作検知部33からジョブ制御部15に対して送出される操作情報には、ジョブの実行中に行われた画像処理や出力態様を変更させる指示情報、或いは、同一のジョブを再びはじめから実行させる指示情報などが含まれる。
以下、上記構成の画像処理装置1においてジョブの実行が開始されてから操作パネル5に表示される表示画面について詳しく説明する。尚、本実施形態では、ジョブの実行開始に伴い、表示部24に表示される処理経路上の初期位置に最初のサムネイル画像を表示し、その後、各種の画像処理が実行されることに伴って生成されるサムネイル画像に差し替えつつ、サムネイル画像の表示位置を処理経路に沿って移動させていくことにより、画像データに対する画像処理の進行状況を表示する例について説明する。
図7乃至図12は、いずれも画像処理装置1がジョブの実行を開始することに伴って操作パネル5に表示される表示画面の一例を示す図である。本実施形態の画像処理装置1は、ジョブの実行を開始することに伴い、画像入力部10にジョブの実行対象となる画像データが入力してから、少なくとも画像出力部13による画像出力が行われるまでの間に、画像データが通過する処理経路を表示部24に表示する。図7は、操作パネル5において画像データに対する処理経路を簡易表示した画面例を示している。操作パネル5の表示部24には、画像データに対する処理経路として、画像入力部10に対応する処理ブロックGAと、画像処理部12の画像調整部50に対応する処理ブロックGBと、画像処理部12の画像変換部60に対応する処理ブロックGCと、画像処理部12の画像補整部70に対応する処理ブロックGDと、画像出力部13に対応する処理ブロックGEとが表示され、これら複数の処理ブロックGA〜GEが処理順序に基づいてライン状の経路線R1,R2,R3,R4によって接続された表示が行われる。すなわち、図7の画面例では、処理ブロックGA、処理ブロックGB、処理ブロックGC、処理ブロックGD、そして処理ブロックGEの順で処理が行われることが表示される。
また処理経路上に表示される各処理ブロックGA〜GFの内側には、画像データに対する処理内容を示す画像処理情報が例えばテキスト表示の態様などで表示される。そのため、ユーザーにとっては、各処理ブロックGA〜GFでどのような処理が行われるかを容易に把握することができるようになる。
また図7は、画像入力部10によってジョブの実行対象となる画像データが取得された状態を表示している例である。この状態では、画像入力部10によって取得された画像データに基づき生成されたサムネイル画像G10が最初の経路線R1上に表示される。したがって、ユーザーは、経路線R1上に表示されたサムネイル画像G10を確認することにより、画像入力部10によって取得された画像データがどのような画像であるかを把握することができる。
また表示制御部32は、図7に示すように、画像入力部10による処理が完了すると、画像入力部10に対応する処理ブロックGAの表示態様を、他の処理が完了していない処理ブロックGB,GC,GD,GEとは異なる表示態様に更新する。このような表示態様の更新により、ユーザーは、どの程度まで処理が進んでいるかを把握することができる。
そして表示制御部32は、図7に示すような表示画面をユーザーが視認可能なように少なくとも所定時間以上表示した後、表示部24の表示状態を更新することにより、画像処理部12における画像処理が進行したことを表示する。ただし、そのような表示状態の更新は、実際に画像処理部12における画像処理が進んでおり、次の経路線R2上に表示するサムネイル画像が生成されていることが条件となる。
図8は、画像調整部50における画像処理が全て完了した後に表示部24に表示される画面例を示している。すなわち、表示制御部32は、図7に示す表示状態から、図8に示す表示状態に更新することにより、画像処理部12の画像調整部50における処理が終了したことを表示する。このとき、画像調整部50による処理済みの画像データに基づき生成されたサムネイル画像G10が次の経路線R2上に表示される。したがって、ユーザーは、画像調整部50において画像データがどのように変化したかを把握することができる。
また図7、図8に示すように、画面の下部には、簡易表示ボタンB1と、詳細表示ボタンB2と、停止ボタンB3と、編集ボタンB4とが表示される。これらのボタンB1〜B4は、いずれもユーザーがタッチ操作可能な操作ボタンである。図7および図8は処理経路の簡易表示を行っている状態であるので、簡易表示ボタンB1が選択された状態となっている。この状態で、ユーザーが詳細表示ボタンB2をタッチ操作すると、処理経路の表示状態を詳細表示に切り替えることができる。すなわち、操作検知部33は、詳細表示ボタンB2が操作されたことを検知すると、それに対応する操作情報を表示制御部32に出力する。そして表示制御部32は、処理経路の表示状態を簡易表示から詳細表示に切り替える。
図9乃至図12は、処理経路の詳細表示を行った状態の表示画面の一例を示す図である。まず図9に示すように、処理経路の詳細表示を行うと、画像処理装置1がジョブの実行を開始してから完了するまでの間に、画像入力部10、画像処理部12および画像出力部13のそれぞれで行われる処理内容が詳細に表示されるようになる。図9は、画像処理装置1においてコピージョブが実行される場合を例示しており、画像データに対する処理経路として、スキャナ部2に対応する処理ブロックGA1と、画像調整部50で行われる下地調整51および解像度変換52のそれぞれに対応する処理ブロックGB1,GB2と、画像変換部60で行われる色変換61およびスクリーン処理65のそれぞれに対応する処理ブロックGC1,GC2と、画像補整部70で行われるカラー調整72、コントラスト調整73および濃度調整74のそれぞれに対応する処理ブロックGD1,GD2,GD3と、プリンタ部3に対応する処理ブロックGE1とが表示され、これら複数の処理ブロックGA1〜GE1が処理順序に基づいてライン状の経路線R11〜R18によって接続された詳細な表示が行われる。また、これら各処理ブロックGA1〜GE1の内側にも、画像データに対する処理内容を示す画像処理情報が例えばテキスト表示の態様などで詳細に表示される。
また図9は、スキャナ部2によってジョブの実行対象となる画像データが取得された状態を表示している例である。この図9の状態では、スキャナ部2によって取得された画像データに基づき生成されたサムネイル画像G10が最初の経路線R11上に表示される。したがって、ユーザーは、経路線R11上に表示されたサムネイル画像G10を確認することにより、スキャナ部2によって取得された画像データがどのような画像であるかを把握することができる。
そして表示制御部32は、画像処理部12において下地調整51の処理が終了し、下地調整51による処理済み画像データに基づくサムネイル画像を取得すると、図9の表示状態を図10の表示状態に更新する。図10の状態では、下地調整51によって処理された画像データに基づき生成されたサムネイル画像G10が次の経路線R12上に表示される。したがって、ユーザーは、図10に示す表示画面を確認することにより、画像データに対する下地調整51までの処理が終了し、その下地調整51によって画像データがどのように変化したかを把握することができる。
次に表示制御部32は、画像処理部12において解像度変換52の処理が終了し、解像度変換52による処理済み画像データに基づくサムネイル画像を取得すると、図10の表示状態を図11の表示状態に更新する。図11の状態では、解像度変換52によって処理された画像データに基づき生成されたサムネイル画像G10が次の経路線R13上に表示される。したがって、ユーザーは、図11に示す表示画面を確認することにより、画像データに対する解像度変換52までの処理が終了し、その解像度変換52によって画像データがどのように変化したかを把握することができる。
さらに表示制御部32は、画像処理部12において色変換61の処理が終了し、色変換61による処理済み画像データに基づくサムネイル画像を取得すると、図11の表示状態を図12の表示状態に更新する。図12の状態では、色変換61によって処理された画像データに基づき生成されたサムネイル画像G10が次の経路線R14上に表示される。したがって、ユーザーは、図12に示す表示画面を確認することにより、画像データに対する色変換61までの処理が終了し、その色変換61によって画像データがどのように変化したかを把握することができる。
以後同様に、表示制御部32は、画像処理部12における画像処理が進行することに伴って順次生成されるサムネイル画像を用いて表示部24における処理経路の表示状態を更新していくことにより、画像処理部12において行われる複数種類の画像処理のうち、どの段階の画像処理で画像データがどのように変化するかをユーザーに把握させることができるようになる。
次に、画像処理部12がハードウェアで構成される場合に操作パネル5において画像処理の進行状況を更新していくタイミングについて説明する。図13は、画像処理部12がハードウェアで構成されており、画像処理装置1においてコピージョブを実行する例を示すタイミングチャートである。図13に示すように、画像処理装置1は、ユーザーによるジョブの実行指示に基づき、タイミングT1でスキャナ部2の駆動を開始して1ページ目の原稿の読み取り動作を開始する。スキャナ部2は、タイミングT1で1ページ目の読み取り動作を開始すると、タイミングT2で終了する。すなわち、タイミングT2で1ページ目の画像データが画像メモリ11の入力画像データ記憶部11aに格納される。
画像処理部12は、タイミングT2で画像メモリ11の入力画像データ記憶部11aに格納されたオリジナルの画像データを読み出し、その後、下地調整51、解像度変換52、色変換61、スクリーン処理65、カラー調整72、コントラスト調整73、濃度調整74を順に実行していく。図13に示すように、画像処理部12がハードウェア構成である場合、順次実行されていく個々の画像処理はスキャナ部2の原稿読み取りに要する時間と比較して極めて短時間で終了する。そして画像メモリ11の処理済みデータ記憶部11bには、下地調整51が終了することに伴って処理済み画像データが格納されると共に、その後、後続する処理によって処理済み画像データが逐次更新されていく。
また画像処理部12は、画像メモリ11の入力画像データ記憶部11aにオリジナルの画像データが格納されたタイミングT2でサムネイル画像生成部19を機能させる。そしてサムネイル画像生成部19は、画像メモリ11の入力画像データ記憶部11aに格納されたオリジナルの画像データを読み出し、その画像データに基づくサムネイル画像を生成してサムネイル画像記憶部11cに格納する。またサムネイル画像生成部19は、その後、処理済みデータ記憶部11bにおける処理済み画像データが更新される都度、その処理済み画像データを読み出してサムネイル画像を生成し、サムネイル画像記憶部11cに格納していく。そしてジョブ制御部15は、サムネイル画像生成部19によって順次生成されるサムネイル画像を操作パネル5に送信する。
操作パネル5は、ジョブ制御部15によって送信される最初のサムネイル画像を取得すると、そのサムネイル画像を、図9に示すように処理経路上の初期位置である経路線R11上に表示する。操作パネル5における最初のサムネイル画像の表示は、スキャナ部2が1ページ目の原稿読み取り動作を終了した後、比較的早期に行われる。そして操作パネル5は、最初のサムネイル画像を表示している状態のとき、それに引き続いて表示する複数のサムネイル画像を取得する。
操作パネル5は、最初のサムネイル画像を経路線R11上に表示している状態を所定時間T以上継続させた後、表示部24における処理経路の表示状態を更新する。すなわち、操作パネル5は、予め取得している下地調整51が行われた後のサムネイル画像を、図10に示すように処理経路上の次の位置である経路線R12上に表示して表示画面を更新する。以後同様に、操作パネル5は、先のサムネイル画像を経路線上に表示している状態を所定時間T以上継続させた後、次のサムネイル画像を処理経路に沿って次の表示位置に表示して表示画面を更新していく。
その結果、画像処理部12では比較的短時間で複数種類の画像処理の全てが終了してしまう場合であっても、操作パネル5の表示部24においては各画像処理によって生成されたサムネイル画像を所定時間T以上継続して表示することができるため、ユーザーにとっては、ジョブの実行中に行われる個々の画像処理の進行状況や、それら個々の画像処理によって画像データがどのように変化したかを確認することが可能である。
次に、画像処理部12がソフトウェアで構成される場合に操作パネル5において画像処理の進行状況を更新していくタイミングについて説明する。図14は、画像処理部12がソフトウェアで構成されており、画像処理装置1においてコピージョブを実行する例を示すタイミングチャートである。図14においても、上記と同様に、タイミングT1でスキャナ部2が1ページ目の原稿の読み取り動作を開始し、タイミングT2で1ページ目の画像データが画像メモリ11の入力画像データ記憶部11aに格納される場合を示している。
画像処理部12は、タイミングT2で画像メモリ11の入力画像データ記憶部11aに格納されたオリジナルの画像データを読み出し、その後、下地調整51、解像度変換52、色変換61、スクリーン処理65、カラー調整72、コントラスト調整73、濃度調整74をソフトウェア処理によって順に実行していく。図14に示すように、画像処理部12がソフトウェアで各画像処理を実行する場合、順次実行されていく個々の画像処理はハードウェア構成の場合に要する処理時間と比較して長時間を要する。そして画像メモリ11の処理済みデータ記憶部11bでは、それらの画像処理によって処理済み画像データが逐次更新されていく。
一方、画像処理部12は、画像メモリ11の入力画像データ記憶部11aにオリジナルの画像データが格納されたタイミングT2でサムネイル画像生成部19を機能させる。そしてサムネイル画像生成部19は、画像メモリ11の入力画像データ記憶部11aに格納されたオリジナルの画像データを読み出し、その画像データに基づくサムネイル画像を生成してサムネイル画像記憶部11cに格納する。このサムネイル画像生成部19は、仮にソフトウェアで動作するものであっても、画像メモリに格納されている画像データを間引き読み出しすることによって比較的簡単にサムネイル画像を生成することができるため、下地調整51などの各画像処理のように長時間の処理時間は要しない。そしてジョブ制御部15は、サムネイル画像生成部19によって順次生成されるサムネイル画像を操作パネル5に送信する。
操作パネル5は、ジョブ制御部15によって送信される最初のサムネイル画像を取得すると、そのサムネイル画像を、図9に示すように処理経路上の初期位置である経路線R11上に表示する。操作パネル5における最初のサムネイル画像の表示は、ソフトウェア処理によって画像処理が行われる場合でも、スキャナ部2が1ページ目の原稿読み取り動作を終了した後の比較的早いタイミングで行うことが可能である。一方、操作パネル5は、画像処理部12において下地調整51の処理が終了しない限り、次のサムネイル画像は取得しない。
ここで仮にソフトウェア処理において各画像処理に要する処理時間が、ハードウェア構成の場合にサムネイル画像を経路線上に継続して表示する所定時間T以上であれば、操作パネル5は、図14に示すように、ジョブ制御部15からサムネイル画像を受信するタイミングで、処理経路の表示状態を更新していけばよい。この場合も、操作パネル5の表示部24においては、各画像処理によって生成されたサムネイル画像を所定時間T以上継続して表示することができるため、ユーザーにとっては、ジョブの実行中に行われる個々の画像処理の進行状況や、それら個々の画像処理によって画像データがどのように変化したかを確認することが可能である。また、この場合は、実際に画像処理部12において行われている画像処理に同期させたリアルタイム表示が可能であるという利点もある。
尚、画像処理をソフトウェアで行う場合であっても、各画像処理に要する処理時間が所定時間Tよりも短時間になることもある。その場合は、ハードウェア構成の場合と同様に、画像処理部12における個々の画像処理が行われる処理時間よりも、サムネイル画像を表示する時間を長くし、少なくとも所定時間T以上で継続した表示ができるようにすればよい。
次に操作パネル5において処理経路の表示状態が更新されていく過程において、ユーザーが行う操作と、その操作によって画像処理装置1が行う動作について説明する。
図15は、例えば図12に示す表示画面が表示されている状態で、ユーザーがサムネイル画像G10に対するタッチ操作を行った場合に表示部24に表示される画面例を示す図である。ユーザーは、処理経路に沿って順に移動しているサムネイル画像G10を任意の位置でタッチ操作すると、図15に示すように、そのタッチ操作時点でのサムネイル画像G10を拡大表示したサブウィンドウSWが表示される。すなわち、表示制御部32は、操作検知部33によってサムネイル画像G10に対するタッチ操作が検知されると、そのタッチ操作されたサムネイル画像G10を拡大し、その拡大したサムネイル画像G10を配置したサブウィンドウSWを表示部24の少なくとも1部に表示する。したがって、ユーザーは、処理経路に沿って移動していく比較的小さなサムネイル画像G10の細部を確認したい場合には、そのサムネイル画像G10をタッチ操作してサブウィンドウSWを表示させることにより、拡大表示されるサムネイル画像G10で細部の確認を簡単に行うことができるようになる。
また図15に示すようなサブウィンドウSWが表示されるとき、ジョブの実行中であれば、そのジョブの実行を一時的に停止するようにしてもよい。その場合、操作検知部33は、サムネイル画像G10に対するタッチ操作を検知すると、ジョブ制御部15に対して停止信号を含む操作情報を送出する。ジョブ制御部15は、ジョブの実行中に停止信号を含む操作情報を受信すると、画像入力部10、画像処理部12および画像出力部13の動作を一時的に停止させることにより、ジョブの実行に伴う一連の動作を一時的に停止させる。このとき、ジョブ制御部15は、画像処理部12で実行される全ての処理過程における画像処理を一時的に停止させる。一方、画像出力部13がプリンタ部3を駆動することによって印刷出力を行うジョブである場合、既に画像データに基づく印刷出力を行うための給紙動作が開始されていればその給紙動作を途中で停止させることはできない。そのため、ジョブ制御部15は、プリンタ部3において給紙動作が開始されていれば、その給紙中の用紙については印刷出力を継続し、それ以後に給紙される用紙の給紙動作を停止させる。
尚、このようなジョブの一時停止は、サムネイル画像G10がタッチ操作された場合に限られず、例えばユーザーが停止ボタンB3を操作した場合についても同様である。
次に図16は、例えば図12に示す表示画面が表示されている状態で、ユーザーが色変換61に対応する処理ブロックGC1をタッチ操作した場合に表示部24に表示される画面例を示す図である。ユーザーは、表示部24に処理経路が表示された状態でその処理経路に含まれる任意の処理ブロックGC1をタッチ操作すると、図16に示すように、そのタッチ操作された処理ブロックGC1に対応する画像処理の詳細な設定情報を表示したサブウィンドウSWが表示される。すなわち、表示制御部32は、操作検知部33によって処理ブロックGC1に対するタッチ操作が検知されると、そのタッチ操作された処理ブロックGC1を特定し、ジョブの実行開始時にジョブ制御部15から取得した処理内容に関する情報に基づいて処理ブロックGC1に対応する画像処理の詳細設定情報を生成する。そして表示制御部32は、その詳細設定情報を表示するサブウィンドウSWを表示部24の少なくとも1部に表示する。したがって、ユーザーは、処理経路上に表示される処理ブロックGC1においてどのような画像処理が行われるかを確認したい場合には、その処理ブロックGC1をタッチ操作してサブウィンドウSWを表示させればよい。また図16に示すようなサブウィンドウSWが表示されるときにも、ジョブの実行中であれば、そのジョブの実行を一時的に停止するようにしてもよい。
またユーザーは、図16に示すようなサブウィンドウSWが表示されている状態のとき、設定変更ボタンを操作すると、画像処理部12の設定変更を行うことができるようになる。このような設定変更には、選択した処理ブロックGC1に対応する画像処理(色変換61)の設定変更が含まれる他、選択した処理ブロックGC1に対応する画像処理を削除したり、或いは、選択した処理ブロックGC1の前後に別の画像処理を追加したりする変更なども含まれる。したがって、ユーザーは、色変換61に対応する画像処理後のサムネイル画像G10を確認することによって所望の画像処理が行われていないと判断した場合には、設定変更ボタンを操作して設定変更を行うことにより、ジョブの実行中に所望の画像処理が行われるように変更することができるようになる。
操作検知部33は、画像処理部12の設定変更操作を検知すると、画像処理の削除、設定変更および追加のいずれであるかを判断する。そして操作検知部33は、その判断結果に基づいてジョブ制御部15への指示情報を含む操作情報を生成し、ジョブ制御部15に送出する。ジョブ制御部15は、操作検知部33からその操作情報を取得すると、それに含まれる指示情報に基づき、画像処理部12における現在の設定状態を変更する。
このとき、画像処理部12において既に実行された画像処理がユーザーによる操作によって設定変更又は削除されることもある。そのような場合、ジョブ制御部15は、画像メモリ11の処理済みデータ記憶部11bに格納されている画像データおよびサムネイル画像記憶部11cに格納されているサムネイル画像を破棄させる。そしてジョブ制御部15は、画像処理部12に対し、入力画像データ記憶部11aに記憶されているオリジナルの画像データを用いて設定変更された画像処理をはじめから実行するように指示する。これにより、ユーザーが意図しない画像処理が既に実行されていた場合でも、画像処理をはじめから再度やり直することによりユーザーが意図する通りの画像データを得ることができるようになる。
尚、ユーザーが編集ボタンB4をタッチ操作した場合、操作パネル5の表示部24には、図示を省略する編集画面が表示され、例えば処理済みデータ記憶部11bに格納されている画像データのプレビュー画像を確認しながらユーザーは任意の編集作業を行うこともできるように構成される。このような編集作業により、例えば画像入力部10が取得した画像データには含まれていないテキストや画像などをジョブの実行途中で追加することも可能である。
次に図17は、例えば図12に示す表示画面が表示されている状態で、ユーザーがサムネイル画像G10をドラッグ操作して移動させた場合に表示部24に表示される画面例を示す図である。ユーザーは、表示部24に処理経路が表示された状態でその処理経路上の任意の位置に表示されているサムネイル画像G10をドラッグ操作することにより、別の表示位置へサムネイル画像G10を移動させることができる。表示制御部32は、別の表示位置にサムネイル画像G10を移動させた状態で表示するときには、その表示位置に対応したサムネイル画像を選択して表示する。そのため、例えばユーザーが画像処理の進行に伴うサムネイル画像G10の変化を見逃してしまった場合でも、サムネイル画像G10を処理経路上で逆戻りさせることにより、サムネイル画像G10の変化をあらためて確認することができる。
上述した例では、スキャナ部2が原稿を1ページずつ順次読み取ることによってジョブの実行対象となる画像データを取得するため、1ページ目の画像データを取得してから2ページ目の画像データを取得するまでの間に一定の時間間隔が発生する。そのため、表示部24の処理経路上にサムネイル画像G10を表示するときには、各ページに対応するサムネイル画像G10をそれぞれ異なる表示位置に表示することにより、ページ単位で画像処理の進行状況を表示することが可能である。
これに対し、例えばネットワークインタフェース41を介してジョブの実行対象となる画像データを受信するような場合には、複数ページから成る画像データであってもそれらをほぼ同時に一括取得することが可能である。そのような場合、画像処理部12は、各ページの画像データに対する画像処理を間隔なしに連続的に実行していくことが可能である。そして画像処理部12がハードウェアで構成される場合には、複数ページ分の画像データに対する画像処理が全て短時間で終了する。このような場合、表示制御部32は、処理経路上にサムネイル画像を表示する際、複数ページ分の画像データに対応する複数のサムネイル画像を同一位置に表示することにより、ジョブ単位での画像処理の進行状況を表示する。
ただし、各種画像処理によって画像データの変化度合いがページごとに異なるため、複数ページ分の画像データに対応する複数のサムネイル画像を処理経路上の同一位置に表示するときには、ユーザーが画像処理の前後において各ページのサムネイル画像に生じた変化を把握することができるような表示態様とすることが好ましい。
図18は、複数のサムネイル画像G10,G11,G12を処理経路上の同一位置に表示する場合に、画像処理の前後において最も変化の大きいページの画像データに対応するサムネイル画像を選択して最前面に表示する表示態様の一例を示す図である。はじめに、ネットワークインタフェース41が3ページ分の画像データを取得した場合、図18(a)に示すように、ネットワークインタフェース41に対応する処理ブロックGA2の下流側に、3つのサムネイル画像G10,G11,G12が表示される。このとき、3つのサムネイル画像G10,G11,G12は、ページの並び順序に従って、例えばサムネイル画像G10が最前面に表示され、サムネイル画像G11がその一つ背面側に表示され、サムネイル画像G12が最も背面側に表示された状態に重ね合わせられた表示態様として表示される。
そして画像処理の進行状況が1段進み、図18(b)に示すように、下地調整51に対応する処理ブロックGB1の下流側に3つのサムネイル画像G10,G11,G12を表示するときには、実際に下地調整51が行われた後のサムネイル画像G10,G11,G12を表示する。このとき、表示制御部32は、下地調整51の前後におけるサムネイル画像の差分を取り、差分の大きいサムネイル画像から順に最前面から配置して重ね合わせた表示態様で表示する。図18(b)の例では、サムネイル画像G11が最前面に表示され、サムネイル画像G10がその一つ背面側に表示され、サムネイル画像G12が最も背面側に表示された状態に重ね合わせられた表示態様として表示されている。したがって、ユーザーは、下地調整51によって最も大きく変化した画像データが2ページ目の画像データであり、その2ページ目の画像データの変化後の状態を、最前面に表示されたサムネイル画像G11によって把握することができる。
そして画像処理の進行状況がさらに1段進み、図18(c)に示すように、解像度変換52に対応する処理ブロックGB2の下流側に3つのサムネイル画像G10,G11,G12を表示するときには、実際に解像度変換52が行われた後のサムネイル画像G10,G11,G12を表示する。このとき、表示制御部32は、解像度変換52の前後におけるサムネイル画像の差分を取り、差分の大きいサムネイル画像から順に最前面から配置して重ね合わせた表示態様で表示する。図18(c)の例では、サムネイル画像G12が最前面に表示され、サムネイル画像G10がその一つ背面側に表示され、サムネイル画像G11が最も背面側に表示された状態に重ね合わせられた表示態様として表示されている。そのため、ユーザーは、解像度変換52によって最も大きく変化した画像データが3ページ目の画像データであり、その3ページ目の画像データの変化後の状態を、最前面に表示されたサムネイル画像G12によって把握することができる。
尚、上記においては表示制御部32がサムネイル画像の差分を取ることにより、画像処理で最も大きく変化したサムネイル画像を判別する例を示したが、そのような差分を取るものに限られず、画像を解析することによって画像処理で最も大きく変化する画像を特定するようにしてもよい。例えば、下地調整51では最も下地の階調が変化した画像、色変換61では画像に含まれる色の数が最も多い画像、濃度補正では中間階調を最も多く含む画像などを画像解析によって判別するようにしてもよい。
次に図19は、図18とは別の表示態様であり、複数のサムネイル画像G10,G11,G12を処理経路上の同一位置に表示する場合に、画像属性ごとに複数のサムネイル画像G10,G11,G12を分割して表示する表示態様の一例を示す図である。はじめに、ネットワークインタフェース41が3ページ分の画像データを取得した場合、図19(a)に示すように、ネットワークインタフェース41に対応する処理ブロックGA2の下流側に、3つのサムネイル画像G10,G11,G12が表示される。このとき、3つのサムネイル画像G10,G11,G12のそれぞれに対応する画像データの画像属性が異なっている場合、3つのサムネイル画像G10,G11,G12が重ならないように分割した表示態様で表示する。
画像属性は、例えば、グラフ、写真、文書などの画像の種類を区別するためのものである。図例では、サムネイル画像G10の画像属性が「グラフ」であり、サムネイル画像G11の画像属性が「写真」であり、サムネイル画像G12の画像属性が「文書」である場合を示している。画像属性が異なる場合、各種画像処理によって画像データの変化度合いが画像属性ごとに異なるのが一般的である。そのため、図19(a)の表示態様では、画像属性ごとにサムネイル画像G10,G11,G12を分割して表示する。
そして画像処理の進行状況が1段進み、図19(b)に示すように、下地調整51に対応する処理ブロックGB1の下流側に3つのサムネイル画像G10,G11,G12を表示するときには、実際に下地調整51が行われた後のサムネイル画像G10,G11,G12を画像属性ごとに分割して表示する。したがって、ユーザーは、下地調整51の前後において各画像属性の画像データがどのように変化したかを容易に把握することができるようになる。
次に図20は、画像処理装置1においてジョブの実行が行われるときの操作パネル5およびジョブ制御部15における処理プロセスの一例を示すシーケンス図である。尚、図20では、ユーザーが操作パネル5を操作してジョブの実行指示を行うことにより、ジョブの実行が開始される場合を例示する。操作パネル5は、ユーザーによるジョブの実行指示を検知すると(プロセスP1)、ジョブ制御部15に対してジョブの実行開始を指示する操作情報D1を送出する。ジョブ制御部15は、その操作情報D1を受信すると、ユーザーが事前に設定したジョブの設定情報D2を操作パネル5に送信する(プロセスP2)。この設定情報にD2には、ジョブの実行中に、画像入力部10、画像処理部12および画像出力部13のそれぞれで行われる処理内容を示す情報が含まれる。操作パネル5は、そのジョブの設定情報D2をジョブ制御部15から取得することにより、ジョブの実行中に行われる処理経路を決定し(プロセスP3)、その処理経路を表示部24に表示する(プロセスP4)。これと並行して、ジョブ制御部15は、ジョブの実行を開始し、ジョブの実行対象となる画像データの入力処理を行い(プロセスP5)、画像データを画像メモリ11に格納保存する(プロセスP6)。
ジョブ制御部15は、ジョブの実行対象となる画像データを画像メモリ11に格納すると、画像処理部12を機能させ、画像調整部50、画像変換部60および画像補整部70における画像処理を開始させる(プロセスP7)。これに伴い、画像処理部12は、サムネイル画像生成部19を動作させ、画像調整部50、画像変換部60および画像補整部70における画像処理と連動してサムネイル画像を順次生成していく。そしてジョブ制御部15は、サムネイル画像生成部19によってサムネイル画像が生成される都度、そのサムネイル画像D3を操作パネル5に送信する。その後、ジョブ制御部15は、操作パネル5から特に操作情報D4,D5,D6を受信しない限り、画像処理部12および画像出力部13の動作制御を継続し、ジョブの実行中に行う一連の動作を進行させていく。
操作パネル5は、ジョブ制御部15からサムネイル画像D3を受信すると、そのサムネイル画像D3を表示部24に表示している処理経路上に表示する(プロセスP8)。その後、操作パネル5は、所定時間T以上の表示時間を確保しながら、サムネイル画像の更新と表示位置の更新とを繰り返し行う(プロセスP9)。これにより、ユーザーは、画像処理の進行状況を把握することができると共に、各種の画像処理において画像データがどのように変化したかを把握することができる。ただし、ユーザーが把握する画像処理の進行状況は、必ずしも実際のジョブの進行状況とは一致しないこともある。
その後、ジョブの実行が全て完了するまでに、操作パネル5においてユーザーによる停止操作が検知されると(プロセスP10)、操作パネル5は、停止信号を含む操作情報D4をジョブ制御部15に送出する。ジョブ制御部15は、その操作情報D4を受信すると、実行途中の処理を一時停止させる(プロセスP11)。その後、操作パネル5は、ユーザーによる画像処理の処理内容を変更する操作を検知すると(プロセスP12)、その操作に基づいて指示情報を含む操作情報D5を生成し、ジョブ制御部15に送出する。ジョブ制御部15は、その操作情報D5を受信すると、指示情報に基づいてジョブの実行中に行うべき画像処理を変更する(プロセスP13)。このとき、既に終了した画像処理の設定変更などである場合、ジョブ制御部15は、その処理済みの画像データを画像メモリ11から削除し、指示情報に基づいて画像処理の設定変更を行った後、オリジナルの画像データを用いて再度画像処理をはじめから行うことを画像処理部12に指示する。そして操作パネル5は、ユーザーによる再開操作を検知すると(プロセスP14)、再開信号を含む操作情報D6をジョブ制御部15に送出する。ジョブ制御部15は、その操作情報D6を受信すると、一時停止状態を解除し、一連の動作に含まれる各処理の実行を再開する(プロセスP15)。
尚、ジョブの実行が完了した後に、操作パネル5においてユーザーによる停止操作が検知された場合でも、操作パネル5は、停止信号を含む操作情報D4をジョブ制御部15に送出しない。これに対し、操作パネル5においてユーザーによる画像処理の処理内容を変更する操作が検知された場合には(プロセスP12)、ジョブの実行が完了した後であっても、操作パネル5は、その操作に基づいて指示情報を含む操作情報D5を生成し、ジョブ制御部15に送出する。ジョブ制御部15は、その操作情報D5を受信すると、指示情報に基づいてジョブの実行中に行うべき画像処理を変更する(プロセスP13)。このとき、ジョブ制御部15は、画像メモリ11に保持されている処理済みの画像データを削除し、指示情報に基づいて画像処理の設定変更を行った後に、オリジナルの画像データを用いて再度画像処理をはじめから行うことを画像処理部12に指示する。そして操作パネル5は、ユーザーによる再開操作を検知すると(プロセスP14)、再開信号を含む操作情報D6をジョブ制御部15に送出する。ジョブ制御部15は、その操作情報D6を受信すると、既に実行完了したジョブを再度はじめから実行開始する(プロセスP15)。ただし、このとき、ジョブの実行対象となるあらたな画像データの取得は行わず、画像メモリ11の入力画像データ記憶部11aに既に記憶されているオリジナルの画像データを用いて実行する。
次に、ジョブの実行開始から終了するまでの間における操作パネル5の具体的な処理手順について説明する。図21および図22は、操作パネル5において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、ジョブの実行開始に伴って操作パネル5のCPU20が上述したプログラム23を実行することによって開始される。
図21に示すように、操作パネル5は、この処理を開始すると、ジョブ制御部15からジョブの設定情報D2を受信する(ステップS1)。操作パネル5は、ジョブの設定情報D2を取得すると、そのジョブの実行中に一連の動作として行われる画像処理の処理経路を決定し(ステップS2)、表示部24に対してその処理経路を表示する(ステップS3)。そして操作パネル5は、処理経路の表示状態を更新していくタイミングを決定する(ステップS4)。このとき、操作パネル5は、ユーザーが各種画像処理によって画像データがどのように変化したかを把握できるように少なくとも所定時間T以上の更新間隔を設定する。
その後、操作パネル5は、ジョブ制御部15からサムネイル画像D3を取得する都度(ステップS5でYES)、そのサムネイル画像D3をRAM22などに一時的に保存する(ステップS6)。
そしてサムネイル画像の表示中であるか否かを判断し(ステップS7)、表示していない場合は、ステップS6でサムネイル画像が保存されていることを条件として処理経路上の初期位置にサムネイル画像を表示する(ステップS8)。一方、サムネイル画像を既に表示中である場合(ステップS7でYES)、操作パネル5は、処理経路の表示状態を更新するタイミングになったか否かを判断する(ステップS9)。その結果、更新タイミングになっていれば(ステップS9でYES)、次のサムネイル画像を既に取得済みであることを条件として(ステップS10)、処理経路上に表示するサムネイル画像を更新すると共に、サムネイル画像の表示位置を更新する(ステップS11)。
また操作パネル5は、表示部24に処理経路を表示した後、ユーザーによる操作を検知すると(ステップS12でYES)、操作検知処理を実行する(ステップS13)。この操作検知処理は、ジョブの実行を一時的に停止させたり、ジョブの実行中に行われる一連の動作の処理内容を変更したり、ジョブの実行を再開させたりする処理である。
そして操作パネル5は、ユーザーによる表示終了指示が与えられるまで、上述したステップS5〜S13の処理を繰り返し実行する(ステップS14)。そして表示終了指示が与えられることに伴い(ステップS14でYES)、操作パネル5は、表示部24における処理経路の表示状態を終了し、表示部24の表示画面をジョブ実行前の初期画面に戻して処理を終了する(ステップS15)。
図22は、操作検知処理(ステップS13)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。操作パネル5は、この処理を開始すると、ユーザーによって行われた操作がジョブの実行を一時的に停止させるための停止操作であるか否かを判断する(ステップS20)。その結果、停止操作であれば(ステップS20でYES)、ジョブ実行中であるか否かを判断する(ステップS21)。そしてジョブ実行中であれば、ジョブ制御部15に対し、ジョブの実行を一時停止させるための停止信号を送信する(ステップS22)。尚、ユーザーによって行われた操作が停止操作でなかった場合には(ステップS20でNO)、ステップS21〜S23の処理は行われることなく、スキップする。
次に操作パネル5は、ユーザーによって行われた操作が処理経路上に表示されているサムネイル画像へのタッチ操作であるか否かを判断する(ステップS24)。その結果、サムネイル画像へのタッチ操作であれば、そのタッチ操作されたサムネイル画像の拡大表示処理を行う(ステップS25)。尚、ユーザーによって行われたサムネイル画像へのタッチ操作でもなかった場合には(ステップS24でNO)、ステップS25の処理は行われることなく、スキップする。
次に操作パネル5は、ユーザーによって行われた操作が画像処理の変更を指示する操作であるか否かを判断する(ステップS26)。その結果、画像処理を変更する操作であった場合(ステップS26でYES)、操作パネル5は、ユーザーによる処理変更操作に基づいて表示部24に表示している画像処理情報や処理ブロックなどの表示状態を更新すると共に(ステップS27)、ジョブ制御部15に対して処理変更操作に基づく指示情報を送信する(ステップS28)。尚、ユーザーによって行われた操作が画像処理を変更する操作でなかった場合には(ステップS26でNO)、ステップS27〜S28の処理は行われることなく、スキップする。
次に操作パネル5は、ユーザーによって行われた操作が一時停止中のジョブを再開させる再開操作であるか否かを判断する(ステップS29)。その結果、再開操作であった場合(ステップS29でYES)、操作パネル5は、ジョブの実行停止中であるか、或いは、ジョブの実行が既に完了してしまっているかを更に判断する(ステップS30)。そしてジョブの実行停止中又は実行完了後である場合、操作パネル5は、ジョブ制御部15に対し、再開信号を送信する(ステップS31)。また操作パネル5は、ユーザーによる再開操作に基づき、表示部24に表示している表示画面を、ジョブ実行状態であることを示す表示画面に更新する(ステップS32)。尚、ユーザーによって行われた操作が再開操作でなかった場合には(ステップS29でNO)、ステップS30〜S32の処理は行われることなく、スキップする。またステップS29では、ユーザーによって行われた操作が再開操作であるか否かを判断する場合を例示したが、例えばジョブの実行完了後に再び同一のジョブの実行開始を指示する操作を行ったか否かを判断するようにしてもよい。
操作パネル5において上記のような処理が行われることにより、ジョブの実行中に行われる個々の画像処理で画像データがどのように変化するかをユーザーが確実に確認することができるようになる。またユーザーは、ジョブの実行中に行われる複数種類の画像処理のうちのいずれかにおいて所望の画像処理が行われていないと判断した場合には、操作パネル5に対する操作を行うことにより、画像処理の設定を変更することができると共に、既に実行された画像処理のやり直しを行うこともできる。そして、そのような操作は、ジョブの実行中に行われるものであってもよいし、ジョブの実行が完了した後に行われるものであってもよい。したがって、ユーザーにとっては、ジョブの実行を指示した後、そのジョブの実行中に行われる各種画像処理の内容を確認しながら、必要に応じて画像処理のやり直しなどを行うことができ、操作性が向上するという利点がある。
ただし、ジョブの実行が完了した後に画像処理のやり直しを行う場合には、ジョブの実行中に画像メモリ11に格納された画像データがジョブの実行完了後においても少なくとも所定時間が経過するまで保持される必要があり、さらに画像データが保持されている間にユーザーによる操作が行われることが条件となる。
尚、上記プログラム23を、例えば一般的なタブレット端末などの携帯型端末装置にアプリケーションプログラムとしてインストールしておくようにしてもよい。その場合、携帯型端末装置においてそのプログラム23を実行させることにより、携帯型端末装置を上述した操作パネル5と同様の携帯型の表示装置6として機能させることが可能である。
以上のように本実施形態の画像処理装置1は、ジョブの実行中、画像処理部12において予め設定された処理過程に応じて画像データに対する処理が順次進行していくことに伴ってサムネイル画像生成部19が各処理によって生成される処理済み画像データに対応するサムネイル画像を順次生成していく。また操作パネル5に設けられた表示制御部32は、ジョブの実行中に画像処理部12において順次実行される複数種類の画像処理の処理経路を表示部24に表示すると共に、サムネイル画像生成部19によって生成されるサムネイル画像を表示部24に表示する。そして表示制御部32は、処理経路の表示状態を更新することにより画像データに対する画像処理の進行状況を表示すると共に、処理経路の表示状態更新に連動して表示部24に表示するサムネイル画像を更新する構成である。したがって、ユーザーは、ジョブの実行中に行われる個々の画像処理によって画像データがどのように変化するかを確実に把握することができるようになる。その結果、ジョブの実行中に行われる画像処理の設定を変更しようとする場合でも、ユーザーは簡単に設定変更対象となる画像処理を把握することができるので、操作性が向上する。
また本実施形態の画像処理装置1は、表示部24に表示する処理経路上に、画像処理部12において順次実行される複数種類の画像処理のそれぞれに対応する処理ブロックを表示する。そのため、ユーザーは、どのような処理過程を経て画像データに対する画像処理が行われるかを把握することができるようになる。
また本実施形態の画像処理装置1は、操作検知部33によっていずれかの処理ブロックを選択する操作が検知された場合、その選択された処理ブロックに対応する画像処理の詳細な処理内容を表示部24に表示する。そのため、ユーザーは、ジョブの実行中に個々の画像処理においてどのような処理が行われるかを具体的に把握することができるようになる。
また本実施形態の画像処理装置1は、ジョブの実行開始に伴い、ジョブ制御部15が画像処理部12における処理過程(処理順序)を設定すると共に、画像処理部12において実行される各画像処理に対する設定を行う。そしてジョブ制御部15は、操作検知部33が検知する操作に基づいて画像処理部12における処理過程又は各処理ブロックに対応する画像処理の設定を変更する構成である。したがって、ユーザーは、画像処理装置1においてジョブの実行が開始された後に、そのジョブの実行中に行われる画像処理の設定を変更することができるようになる。
また本実施形態の画像処理装置1は、サムネイル画像生成部19によって生成されるサムネイル画像を処理経路上に表示し、そのサムネイル画像を更新しながら処理経路に沿って移動させていくことにより、画像データに対する画像処理の進行状況を更新していくように表示する構成である。そのため、ユーザーは、処理経路に沿って移動していくサムネイル画像の変化を見ながら所望の画像処理が行われているか否かを確認することができるため、確認作業を行い易いという利点がある。
また本実施形態の画像処理装置1は、操作検知部33によってサムネイル画像に対する操作が検知された場合、表示部24に表示しているサムネイル画像の拡大表示を行う。そのため、ユーザーにとっては、サムネイル画像の細部を確認したい場合に比較的簡単な操作で拡大表示が行われるので、操作性がよい。
また本実施形態の画像処理装置1は、ジョブの実行開始に伴い、画像入力部10が複数ページの画像データをほぼ同時に取得した場合、処理経路の表示状態更新に連動して表示部24に表示するサムネイル画像を更新するときには、画像処理の前後において最も変化の大きいページの画像データに対応するサムネイル画像を選択して表示する。したがって、ユーザーは、画像処理の前後において最も変化の大きいページの画像データに対応するサムネイル画像で、所望の画像処理が行われたか否かを確認することができる。
また本実施形態の画像処理装置1は、ジョブの実行開始に伴い、画像入力部10が画像属性の異なる複数ページの画像データをほぼ同時に取得した場合、サムネイル画像生成部19によって生成されるサムネイル画像を表示部24に表示するときには、画像属性ごとに複数のサムネイル画像を表示する。したがって、ユーザーは、画像属性の異なる複数のサムネイル画像を同時に確認しながら、所望の画像処理が行われたか否かを確認することができる。
また本実施形態の画像処理装置1は、表示部24に表示する処理経路において、画像データに対する画像処理の進行状況を更新する更新間隔を少なくとも所定時間T以上確保するようにしている。そのため、仮に画像処理部12が短時間で全ての画像処理を完了させるものであっても、ユーザーは個々の画像処理においてサムネイル画像がどのように変化したかを確実に把握することができるようになる。
上記のように本実施形態の画像処理装置1は、ユーザーが直感的な操作を行うことによって画像データに対する処理内容の変更を行うことが可能なユーザーインタフェースを備えており、ユーザーがジョブの実行中に行われる画像データの処理内容などを変更する操作を行う際には優れた操作性を発揮するものである。
(変形例)
以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は上述した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
例えば上記実施形態においては、サムネイル画像生成部19によって生成されるサムネイル画像を処理経路上に表示し、そのサムネイル画像を更新しながら処理経路に沿って移動させていくことにより、画像データに対する画像処理の進行状況を更新していく表示態様を例示した。しかし、画像処理の進行状況を表示する表示態様は必ずしも上述したものに限られない。図23は、上述した表示態様とは異なる表示態様で画像処理の進行状況を表示する表示画面の一例を示す図である。図23に示す表示画面では、画像データに対する処理経路を表示する処理経路表示欄24aと、サムネイル画像G10を表示するプレビュー表示欄24bとが別の領域に表示されている。そして処理経路表示欄24aにおいては、完了済み処理ブロックを未完了の処理ブロックとは異なる表示態様で表示し、且つ、現在の処理中の処理ブロックにはインジケーター24cを付して表示する。これにより、ユーザーは、画像処理の進行状況を把握することができる。またプレビュー表示欄24bには、比較的大きなサイズのサムネイル画像G10を表示する。このプレビュー表示欄24bに表示されるサムネイル画像G10は、画像処理の進行に伴って逐次処理済みのサムネイル画像に更新されていく。これにより、ユーザーは、サムネイル画像G10の拡大操作を行わなくても、通常の表示状態のままで処理済みのサムネイル画像G10の細部を確認することができるようになる。したがって、図23のような表示態様で画像処理の進行状況を表示するようにしてもよい。
また上記実施形態において説明した画像入力部10、画像処理部12および画像出力部13の具体的な構成は、単なる一例である。それ故、画像入力部10、画像処理部12および画像出力部13のそれぞれにおいて上述した構成以外のものが含まれていても何ら問題がないことは言うまでもない。