JP2014003052A - 照明光学系の設計方法および露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 偏光照明を実現する、より小型な照明光学系を提供する。
【解決手段】 照明光学系は、光路を折り曲げるミラーを含む、被照明面を像面とする結像光学系を有し、ミラーの有効径の上限値、ミラーへの光の入射角度範囲をθc±θと定義した場合のθの上限値を設定するステップと、ミラーの有効径が上限値となる場合の焦点距離を最大値として求め、θが上限値となる場合の焦点距離を最小値として求めるステップと、焦点距離が最大値と最小値の範囲内となるように結像光学系を設計する。
【選択図】 図4
【解決手段】 照明光学系は、光路を折り曲げるミラーを含む、被照明面を像面とする結像光学系を有し、ミラーの有効径の上限値、ミラーへの光の入射角度範囲をθc±θと定義した場合のθの上限値を設定するステップと、ミラーの有効径が上限値となる場合の焦点距離を最大値として求め、θが上限値となる場合の焦点距離を最小値として求めるステップと、焦点距離が最大値と最小値の範囲内となるように結像光学系を設計する。
【選択図】 図4
Description
本発明は照明光学系の設計方法および露光装置に関する。
半導体デバイスの製造工程のリソグラフィ工程において露光装置が用いられる。リソグラフィ工程とは、半導体デバイスの回路パターンを基板(シリコン基板、ガラス基板、ウエハなどと呼ばれる)上に転写する工程のことである。露光装置は、光源からの光を用いて照明光学系がマスク(レチクル)を照明し、マスクに形成された回路パターンを投影光学系などを介してウエハに転写する。
近年、半導体デバイスの更なるパターン微細化の要求が高く、それに伴い露光装置の解像力向上の要求も高まっている。露光装置の解像力を向上させる方法として、投影光学系の高NA化がある。
高NAの投影光学系を用いた露光装置においては、ウエハ上に塗布された感光剤内でP偏光(基板上に入射する光の電場ベクトルが光線と基板の法線を含む平面にある光、TM偏光と言う場合もある)同士の光が干渉縞のコントラストを下げるという問題が発生する。これは、感光剤が光の電場強度によって感光することに起因し、高いNAでのP偏光同士の電場ベクトルは干渉せず、P偏光の光の強度分布は場所によらず一律な強度を持つ強度分布になる為である。一方、S偏光(基板上に入射する光の電場ベクトルが、基板と平行な平面にある光、TE偏光と言う場合もある)同士の光は、高コントラストな干渉縞を発生する。この現象を利用し、レチクルをS偏光のみで照明することにより良好な結像性能を得る偏光照明技術が知られている。偏光照明を実現するために、マスクを照明する照明光学系は位相板などの偏光光学素子を有し、露光光の偏光方向を調整する。また、照明光学系は、出来るだけ小規模なスペースに収納できるよう、光路を折り曲げる折り曲げミラーを有する。
特許文献1には、折り曲げミラーに施された反射膜に対するS偏光とP偏光との位相差が大きく発生し、露光光の偏光度を崩す要因となるため、ミラーに入射する光の入射角度を所定の範囲に制限することが記載されている。
特許文献1では、折り曲げミラーに入射する光の入射角度範囲を制限しているが、折り曲げミラーなどの照明光学系の大きさに対する配慮がなされていない。また、折り曲げミラーの有効径や結像光学系の焦点距離は記載されていない。
折り曲げミラーよりマスク面側に配置された光学系の後側焦点距離(以下、焦点距離)は、折り曲げミラーに入射する光の入射角度範囲に応じて設定される。折り曲げミラーに入射する光の入射角度範囲が小さい場合には、当該光学系の焦点距離は大きくなり、大型化する。
一方、折り曲げミラーに入射する光の入射角度範囲が大きい場合は、当該光学系の焦点距離は小さくなるが、折り曲げミラーの有効径(光が入射する領域)が大きくなり、大型化する。また、偏光照明の場合は、折り曲げミラーに入射する光の入射角度範囲が大きいと、折り曲げミラーの反射膜に対するS偏光とP偏光との位相差が大きくなり、露光光の偏光度を崩す。
そこで、本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされ、偏光照明を実現する、より小型な照明光学系を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての設計方法は、偏光状態を調整する光学素子を有し、被照明面を照明する照明光学系の設計方法であって、前記照明光学系は、光路を折り曲げるミラーを含む、前記被照明面を像面とする結像光学系を有し、前記ミラーの有効径の上限値、および、前記ミラーへの光の入射角度範囲をθc±θと定義した場合のθの上限値を設定するステップと、前記結像光学系のうち前記ミラーより前記被照明面側の光学系の焦点距離と前記ミラーの有効径との関係から、前記ミラーの有効径が前記上限値となる場合の前記焦点距離を最大値として求め、前記焦点距離と前記ミラーへの光の入射角度との関係から、前記θが前記上限値となる場合の前記焦点距離を最小値として求めるステップと、前記焦点距離が前記最大値と前記最小値の範囲内となるように前記結像光学系を設計するステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、偏光照明を実現する、より小型な照明光学系を提供することができる。
本実施形態の露光装置について図1を用いて詳しく説明する。
照明装置100は、転写用の回路パターンが形成されたレチクル(マスク)200を照明し、光源部102と照明光学系110とを有する。光源部102は、波長約193nmのArFエキシマレーザー、波長約248nmのKrFエキシマレーザーなどのエキシマレーザーが主に使用される。さらに、光源部102は、波長約157nmのF2レーザーを使用してもよいし、その光源の個数も限定されない。また、光源部102に使用可能な光源は、レーザーに限定されるものではなく、1つ又は複数の水銀ランプやキセノンランプなどのランプも使用可能である。
照明光学系110は、レチクル200を照明する光学系であり、レンズ、ミラー、ハエノ目レンズ等のオプティカルインテグレータ、絞り等を含む。光源部102から射出された光は、λ/2板111、折り曲げミラー112、偏光解消板113を経て、光束形状変換手段120に導光される。λ/2板111、偏光解消板113および後述のλ/2板155等によって、偏光状態が調整される。
ウエハ面上における光強度分布のコントラスト向上のために露光光の偏光状態を制御する事は、光源部102がレーザーであれば射出光の直線偏光をそのまま利用することで可能である。以下では紙面に垂直な方向をX方向、X方向と光軸方向に直交する方向をY方向とし、光源から射出される光がX方向に偏光しているとする。
露光光はλ/2板111が光路中に挿入されていない場合には、レーザーの偏光方向であるX偏光となり、λ/2板111が光路中に挿入されている場合には、それとは垂直方向の直線偏光(Y直線偏光)となる。λ/2板111は、未記載の制御部によって挿入、退避、もしくは光軸周りに回転が可能である。
偏光解消板113は、直線偏光をランダムな偏光に変換するためのもので無偏光照明の際に光路に挿入され、偏光照明時には光路から退避する。偏光解消板113は、不図示の制御部によって挿入、退避、もしくは光軸周りに回転が可能である。
光束形状変換手段120は、光源部102からの光を所定面(A面)において円形や輪帯形状、多重極状等必要に応じて所望の断面形状を有する光束に変更する。即ち、A面は有効光源の基本形状を形成する面である。
A面近傍には、光束変更手段130がある。光束変更手段130は、円錐型光学素子132やpプリズム134a、134b間の間隔が変更可能な円錐型光学素子134などを有する。他に、不図示の平行平面板や適当な形状の絞り部材(例えば輪帯開口絞りや4重極開口絞りや円形絞り等)、4角錐型光学素子や屋根型光学素子等、または倍率を変更するための拡大/縮小ビームエキスパンダーなどを含む。光束変更手段130は、光束形状変換手段120により基本形状に形成された光束をさらに変更するため、切り替え可能に光軸上に配置される。光束変更手段130は光路から待避することもできるし、これらのうちの複数を同時に光軸上に配置することも可能である。
光束形状変換手段120と、光束変更手段130より、様々な形状の光束をA面近傍に実像、もしくは虚像として形成することが出来る。A面上に形成された形状もしくは、光束変更手段130によって形成された形状は、倍率可変の結像光学系140により倍率が変更される。結像光学系140は、光学系142、光学系144及び光学系146を含むが、レンズの枚数は限定されない。光学系142の前側焦点位置はA面にあり、光学系142はA面の各点からの光束を平行にする。結像光学系140には、光路を折り曲げる折り曲げミラー150が含まれている。なお、光学系の光路に応じて、折り曲げミラーの位置はどの場所にあってもよい。
154は減光フィルターであり、155はλ/2板である。複数の種類の減光フィルター154と複数の種類のλ/2板155が設けられており、それらは対になっている。図2は、異なる種類の減光フィルター154とλ/2板155を光軸方向から見た図を示している。図2(a)は、同心円方向に偏光状態を持つ偏光照明に使用される減光フィルター154aとλ/2板155aの対を示す概略平面図であり。図2(b)は、有効光源(照明光学系の瞳面における光強度分布)が四重極状の偏光照明に使用される減光フィルター154bとλ/2板155bを示す概略平面図である。参照番号154は154a及び154b、参照番号155は155a及び155bを総括している。図中の矢印は、λ/2板を透過することにより、照明光学系の瞳面において設定される偏光光の偏光方向を示す。図2(a)の154aは領域a〜hに、それぞれの透過率が設定された各減光フィルターを有し、155aは、領域a〜hからの光が入射する領域A〜Hに各λ/2板を有する。減光フィルター154は各領域に対応したフィルター部材で構成されており、各フィルター部材は、ミラー等がもたらす光の偏光状態の差による透過率分布の不均一性を補正するように、予め設定されている。減光フィルター154、λ/2板155は挿入、退避がそれぞれ独立で自動制御されており、直線偏光照明時、もしくは無偏光照明時は退避可能である。
ハエノ目レンズ(オプティカルインテグレータ)156の入射面において、所定面Aの光量分布が収差なく結像した場合、光強度分布の輪郭がはっきりとしてしまう。この場合、被露光面であるプレート400上において照度ムラや有効光源の画面内不均一性が発生する。従って、所定面Aとハエノ目レンズ156の入射面との結像関係は、ある程度、収差がある状態(デフォーカスを含む)で結像していることが望ましい。但し、ハエノ目レンズ156を構成するレンズ(微小レンズ)が多数あり、照度ムラ等への影響が小さい場合にはこの限りではない。
ハエノ目レンズ156は、入射光束により、その射出面近傍に複数の光源像(有効光源)を形成し、レチクル200面を均一に照明する。複数の光源像が形成される面の近傍(B面)には、径可変(切り替えも含む)の絞り158が配置されている。なお、複数の光源像が形成される面(ハエノ目レンズを構成する微小レンズの後ろ側集光点面)は比較的光束のエネルギー密度が高いため、その面に対して若干デフォーカスした位置に絞り158を配置する。ただし、絞り158が、そのエネルギー密度の高さに耐えうる場合には、複数の光源像が形成される面に一致させてその絞り158を配置してもよい。
絞り158と投影光学系の開口絞り310は、光学的にほぼ共役な位置に配置されている。絞り158の射出面側において、ハエノ目レンズ156及び絞り158により形成される多光源の形状の開口絞り310の位置での像が、ウエハ400面上の各点における照明光の角度分布となる。
B面の複数の光源像からの光束のうち、絞り158により遮光されない光束が集光光学系160によりマスキングブレード181が配置される面を効率よく照明する。マスキングブレード181は、結像光学系180によりレチクル200が配置される被照明面と光学的に共役な位置に配置され、レチクル200面上における被照明領域を決定する。集光光学系160は光学系162及び光学系164を含み、結像光学系180は光学系182及び光学系184を含むが、これら光学系のレンズの枚数は限定されない。結像光学系180はレチクル200が配置される被照明面を像面とする。結像光学系180には、光路を折り曲げる折り曲げミラー151が含まれている。結像光学系180は、後述の各実施例に記載の設計方法によって設計される。
集光光学系160の光学系162及び光学系164の間にはハーフミラー152が配置されている。ハーフミラー152は入射光束を反射光と透過光に分割し、一方をレチクル200への照明光に、もう一方を露光量検出器170に分割する。これにより、露光量検出器170は、レチクル200に入射する露光量を間接的にモニターするような構成となっている。ハーフミラー152及び露光量検出器170の配置は図1に示す限りではなく、光源部102からマスキングブレード181の間の光路中に配置することが必要である。
結像光学系180の光学系182と光学系184の間には折り曲げミラー151が配置されている。折り曲げミラー151には、基板上に金属薄膜を施した上に、高屈折率の薄膜層と低屈折率の薄膜層を交互に重ねた誘電体多層膜をコーティングされている。多層膜のコーティングの反射率特性の一例を図3(a)、p偏光とs偏光の位相差特性の一例を図3(b)に示す。図3(a)のRsはs偏光に対する反射率、Rpはp偏光に対する反射率、Raveは平均値を示す。図3から、入射角度に対して偏光反射率および位相差特性が変化していることがわかる。
レチクル200は、例えば、石英製で、その上には転写されるべき回路パターンが形成され、図示しないレチクルステージに支持及び駆動される。レチクル200からの回折光は、投影光学系300を通り、ウエハステージ450に保持されたウエハ400上に投影される。レチクル200とウエハ400は、光学的に共役の関係にある。液浸露光装置では、投影光学系300の最終面とウエハ400との間に水等の液体が満たされ、NA1.0以上の露光が行われる。投影光学系はレンズ320、322と、射出側NAを定める開口絞り310を有する。
露光装置1はステップ・アンド・スキャン方式である(「スキャナー」とも呼ばれる。)ため、レチクル200とウエハ400を縮小倍率比の速度比でスキャンすることによりレチクル200のパターンをウエハ400上に転写する。なお、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置(「ステッパー」とも呼ばれる)の場合は、レチクル200とウエハ400を静止させた状態で露光を行う。
次に、本実施例における照明光学系110のNAとレチクル面における照射領域とのスペックについて説明する。投影光学系のレチクル面側は、ほぼテレセントリックに設計されている。これはフォーカスずれによる倍率変化の影響を低減するためである。投影倍率は、レチクル線幅の精度などから、通常1/4倍であり、最大画角は26mmが一般的である。また、偏光照明が使用されるのは、ArF光源においては投影光学系のNAが0.80以上である場合が有効である。そのため、照明光学系110は、レチクル面で画角104mm、NA0.2以上、テレセントリックな設計条件が必要とされる。本実施例のシミュレーションは、この設計条件に基づいて行っている。
図1に示す結像光学系180の詳細図を図4に示す。結像光学系180は光学系182と折り曲げミラー151と光学系184を含む。折り曲げミラー151は、結像光学系180の瞳位置近傍に配置されている。折り曲げミラー151よりレチクル面側(被照明面側)の光学系184の後側焦点距離(以下、焦点距離)をf、光軸に垂直な方向であって、折り曲げミラー151の反射面の法線を含む平面に平行な方向における被照明面の領域を2X(Xは定数、中心は光軸上)とする。Eは、レチクル面(パターンが形成されている面(図の下面))と光学系184の後側焦点位置の距離を示す。θcは、マスキングブレード181における軸上の光(主光線)が折り曲げミラー151に入射する入射角であり、θは、マスキングブレード181における最軸外上の光(主光線)が折り曲げミラー151に入射する入射角である。折り曲げミラー151に入射する光の入射角度範囲は、θc±θであり、(θc+θ)は折り曲げミラー151への最大入射角度である。
θは、Xと光学系184の焦点距離fとEより概算可能である。光学系184の後側焦点位置が、レチクル面と等しい場合(E=0の場合)に、X≒f×sinθの関係が成り立ち、Xは既知とすると、fとθの関係がわかる。
Dは折り曲げミラー151の有効径(光が入射する領域)を示しており、光学系184の焦点距離fと、光学系184の開口数をNAmとすると、D≒f×NAm×2×1.4から概算可能である。開口数NAmは機種毎に一定であり、既知とすると、fとDの関係がわかる。
折り曲げミラーの有効径Dと光学系184の焦点距離fとの関係、および、折り曲げミラー入射角度範囲をθc±θと定義した場合のθと光学系184の焦点距離fとの関係を図5(a)に示す。光学系184の開口数NAmは0.2とした。図5(a)の横軸は光学系184の焦点距離f(mm)、縦軸の左側はθ(度)であり、グラフは■マークで表されている。縦軸の右側は折り曲げミラーの有効径D(mm)であり、○マークで示している。光学系184の焦点距離fを大きくすると、θを小さくすることができるが、折り曲げミラーの有効径Dが大きくなることがわかる。
θは、折り曲げミラーの反射多層膜のS偏光とP偏光の反射率特性と位相差特性より、10度以内にすることが望ましい。また、折り曲げミラーの大きさに関しては、製造の加工限界や洗浄器の大きさを鑑みると、計算上の折り曲げミラー有効径Dを350mm以下とすることが望ましい。
そこで、本実施例では、θの上限値を10度に設定し、折り曲げミラーの有効径の上限値を350mmと設定する。そして、図5(a)に示す折り曲げミラーの有効径Dと光学系184の焦点距離fとの関係から、折り曲げミラーの有効径が上限値の350mmとなる場合の光学系184の焦点距離fを求めると630mmとなる。これを最大値とする。そして、θと光学系184の焦点距離fとの関係から、θが上限値となる場合の前記焦点距離を求めると100mmとなる。これを最小値とする。
したがって、光学系184の焦点距離fが、前記最大値と前記最小値の範囲内となるように、つまり、100mm以上630mm以下となるように設計する。
折り曲げミラーの大きさと折り曲げミラーへの光の入射角度が最適になる焦点距離範囲となる光学系184を用いることは、折り曲げミラーによる偏光状態の変化を抑え、良好な偏光照明での露光を行うことを可能とする。
また、光学系184の後側焦点位置はレチクル面と一致している必要はなくレチクル面近傍にあればよい。光学系184の後側焦点位置とレチクル面の距離をEとした時、E<±0.1×fとするように、結像光学系180を設計すれば、軸上光束の傾きを2°以内に抑えることができる。
次に第2の実施例を説明する。本実施例では、投影光学系の射出側NAを1.0とし、光学系184の開口数NAmは0.25とした。実施例1の図5(a)と同様に、折り曲げミラーの有効径Dと焦点距離fの関係、θと焦点距離fの関係を図5(b)に示す。
図5(b)に示す関係から、折り曲げミラーの有効径の上限値が350mmである場合の焦点距離、θの上限値が10度である場合の焦点距離を求める。すると、折り曲げミラーの有効径が上限値の350mmとなる場合の光学系184の焦点距離を求めると500mmとなる。これを最大値とする。θが上限値となる場合の前記焦点距離を求めると100mmとなる。これを最小値とする。
したがって、光学系184の焦点距離fが、前記最大値と前記最小値の範囲内となるように、つまり、100mm以上500mm以下となるように設計する。
このように、高NAになるほど光学系184の開口数NAmも大きくなり、光学系184の最適焦点距離範囲は小さくなることがわかる。
第1の実施例と同様に、折り曲げミラーの大きさと入射角度が最適になる焦点距離範囲での光学系184を用いることは、折り曲げミラーによる偏光状態の変化を抑え良好な偏光照明での露光を行うことを可能とする。
また、光学系184の後側焦点位置はレチクル面と一致している必要はなくレチクル面近傍にあればよい。光学系184後側焦点位置とレチクル面の距離をEとした時、E<±0.1×fとすることで軸上光束の傾きを2°以内に抑えることができる。
第3の実施例を図6、表1に示す設計例を用いて説明する。
図6は、表1に示すデータの結像光学系180の光路図である。1810は物体面、2000は像面であり、結像光学系180は前群レンズ1801(表1の1〜8面)と折り曲げミラー1803(表1の9面)と後群レンズ1802(表1の11〜18面)からなる。前群レンズ1801と後群レンズ1802の間に折り曲げミラー1803が配置される。レチクル面NAm(後群レンズ1802の開口数)を0.23、像面の照明領域を104mm×36mmの矩形領域としている。後群レンズ1802の焦点距離fは282mm、後側焦点位置とレチクルの距離Eは−26mmである。Xは矩形領域の短手方向の寸法であり、最大像高はX=18mmとなることから、X/fは0.064となる。
この時の折り曲げミラー1803の有効径(大きさ)Dは240mm、折り曲げミラーへの入射角度範囲は45度±5度である。
このように、結像光学系180の折り曲げミラー1803からレチクル面側の後群レンズの焦点距離を最適化することにより、折り曲げミラーへの入射角度と照明光学系のスペースを考慮した偏光照明光学系を提供可能である事が示された。
第4の実施例を図7、表2に示す設計例を用いて説明する。本実施例において、第3の実施例との違いは、液浸露光装置として、レチクル面NAmが高いことにある。
図7は、表2に示すマスキング結像系レンズデータの光路図である。1910は物体面、2000は像面であり、結像光学系180は前群レンズ1901(表2の1〜8面)と折り曲げミラー1903(表2の9面)と後群レンズ1902(表2の11〜18面)からなる。前群レンズ1901と後群レンズ1902の間に折り曲げミラー1903が配置される。レチクル面(後群レンズ1902の開口数)をNAm0.34、像面の照明領域は104mm×20mmの矩形領域としている。後群レンズ1902の焦点距離fは250mm、後側焦点位置とレチクルの距離Eは−23mmである。最大像高はX=10mmとなることから、X/fは0.040となる。
この時の折り曲げミラー1903の有効径Dは270mm、折り曲げミラーへの入射角度範囲は45度±3度である。
このように、レチクル面NAmが高くなっても、結像光学系の折り曲げミラーからレチクル面側の後群レンズの焦点距離を最適化することにより、折り曲げミラーへの入射角度と照明光学系のスペースを考慮した偏光照明光学系を提供可能である事が示された。
次に、デバイス(液晶表示デバイス等)の製造方法について説明する。液晶表示デバイスは、透明電極を形成する工程を経ることにより製造される。透明電極を形成する工程は、透明導電膜が蒸着されたガラス基板に感光剤を塗布する工程と、前述の露光装置を使用して感光剤が塗布されたガラス基板を露光する工程と、ガラス基板を現像する工程を含む。
上述の露光装置を利用したデバイス製造方法は、液晶表示デバイスの他に、例えば、半導体デバイス等のデバイスの製造にも好適である。前記方法は、感光剤が塗布された基板を、上記の露光装置を用いて露光する工程と、前記露光された基板を現像する工程とを含みうる。さらに、前記デバイス製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含みうる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
Claims (6)
- 偏光状態を調整する光学素子を有し、被照明面を照明する照明光学系の設計方法であって、
前記照明光学系は、光路を折り曲げるミラーを含む、前記被照明面を像面とする結像光学系を有し、
前記ミラーの有効径の上限値、および、前記ミラーへの光の入射角度範囲をθc±θと定義した場合のθの上限値を設定するステップと、
前記結像光学系のうち前記ミラーより前記被照明面側の光学系の焦点距離と前記ミラーの有効径との関係から、前記ミラーの有効径が前記上限値となる場合の前記焦点距離を最大値として求め、前記焦点距離と前記ミラーへの光の入射角度との関係から、前記θが前記上限値となる場合の前記焦点距離を最小値として求めるステップと、
前記焦点距離が前記最大値と前記最小値の範囲内となるように前記結像光学系を設計するステップと
を有することを特徴とする設計方法。 - 前記結像光学系のうち前記ミラーより前記被照明面側の光学系の開口数を0.2と設定し、
前記ミラーの有効径の上限値を350mmと設定し、前記θを10度と設定し、
前記焦点距離が100mm以上630mm以下となるように前記結像光学系を設計することを特徴とする請求項1に記載の設計方法。 - 前記結像光学系のうち前記ミラーより前記被照明面側の光学系の開口数を0.25と設定し、
前記ミラーの有効径の上限値を350mmと設定し、前記θを10度と設定し、
前記焦点距離が100mm以上500mm以下となるように前記結像光学系を設計することを特徴とする請求項1に記載の設計方法。 - 前記焦点距離をfとして、
前記結像光学系の後側焦点位置が、前記被照明面からの±0.1×fの範囲内となるように前記結像光学系を設計することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の設計方法。 - 基板を露光する露光装置であって、
請求項1乃至4の何れか1項に記載の設計方法により設計され、被照明面にあるマスクを照明する照明光学系を有することを特徴とする露光装置。 - 請求項5に記載の露光装置を用いて基板を露光するステップと、露光された基板を現像するステップとを有することを特徴とするデバイス製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012135442A JP2014003052A (ja) | 2012-06-15 | 2012-06-15 | 照明光学系の設計方法および露光装置 |
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