JP2014003027A - フラッシュランプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前記フラッシュランプの発光管の中間部には、第3電極が配設されるとともに、少なくとも前記第3電極は、前記発光管から分岐して形成される枝管の内部に配置されていて、前記第1電極、第2電極および第3電極の隣り合う全ての電極間で個別に且つ同時に閃光放電することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
例えば、特開2003−209054号公報(特許文献1)には、液晶ディスプレイ用として、スイッチング素子に多結晶シリコン薄膜トランジスタ(TFT)が用いられており、これを作製する際に例えば非晶質シリコンに光を照射して多結晶化することが記載されており、その光源としてフラッシュランプを利用することが開示されている。
また、特開2009−164080号公報(特許文献2)には、フラッシュランプの具体的な構成と、このフラッシュランプを発光させるための給電装置が開示されている。
この多結晶シリコンの層の厚さは、フラッシュランプのパルス幅によって決まり、例えばパルス幅が長いと非晶質シリコンの深いところまで温度上昇してしまい、その結果、厚い多結晶シリコンの層が形成されてしまう。この多結晶シリコンの層が厚くなるとガラス基板が反ってしまうので、フラッシュランプのパルス幅は短いほうが好ましい。
このようなパルス幅の伸びを抑制しつつ、必要エネルギーを維持しながら発光するためには、充電電圧を上げ、コンデンサ容量を下げる方向が考えられるが、時定数の制約と大きな充電電圧とが必要となり、これを実現しようとすると非常に大掛かりな装置となってしまい現実的ではなかった。
上記の構成において、その一具体例をあげると、両電極32、33の電極間距離が500mmであり、必要なエネルギーが1200Jであって、そのパルス幅を0.1ms以下にしようとすると、インダクタンス容量はL=10μHとなり、コンデンサ容量が70μFである場合、その充電電圧は、5.9kVと極めて大きな電圧が必要になる。
しかしながら、ガラス基板をフラッシュランプで照射する際には、ガラス基板をスキャニングしながら照射するわけではなく、一括照射しているため、ガラス基板上方にランプが存在しない領域Rがあると、この領域が影になってしまい、この影の領域では多結晶シリコンが形成できないといった不具合が生じる。
また、前記第3電極は、その先端が前記発光管内から後退した位置に配置されることを特徴とする。
また、前記第3電極は、前記発光管の長手方向に沿って複数個配置されていることを特徴とする。
また、前記発光管及び前記枝管は石英ガラス材料より構成されるとともに、前記枝管と前記発光管とを溶着して形成したことを特徴とする。
また、前記発光管は透光性セラミックス材料より構成されるとともに、前記枝管と前記発光管とを接合して形成したことを特徴とする。
また、前記第3電極を発光管から分岐した枝管内で後退した位置に配置することにより、該第3電極の下方におけるアークの領域を大きくでき、被照射物における照度均一性を高めることができる。
更には、前記第3電極を複数個設けることにより、隣接する電極間の距離は更に短くなり、電極間のインピーダンスを下げることができて、低い充電電圧であってもパルス幅が伸びることを抑制できる。
更には、前記ランプの両端部に位置する電極間の発光強度を、中間部の第3電極間の発光強度よりも大きくすることで、被照射物での照度均一性が良好になる。
フラッシュランプ1は長尺の発光管2の両端部に第1電極3と第2電極4とが配置されており、発光管2の中間部には、これから分岐する枝管5が設けられている。該枝管5は発光管2内と連通していて、その内部には第3電極6が発光管2に向くように配置されており、その先端は発光管2内に臨んでいる。
このようなフラッシュランプ1が、図1(B)で示されるように、複数本並列配置されて、フラッシュランプ発光装置10が構成されている。
フラッシュランプ1の上方には、反射鏡7が配置されており、下方のステージ8上に載置された被照射物(ワーク)Wに向けて閃光が照射される。
フラッシュランプ1は図1のものと同様な構造である。また、給電装置11に関しては、前記特許文献2のものと基本的には同様なものであり、ここでは詳細な説明は省略するが、第1電極3と第3電極6との間に第1のコンデンサ14が設けられ、また、第2電極4と第3電極6との間に第2のコンデンサ15が設けられている。
図2の実施例においては、第1電極3と第3電極6との電極間距離と、第2電極4と第3電極6との電極間距離とが同一距離であることから、前記第1のコンデンサ14と第2のコンデンサ15の容量も同一容量のものが採用される。
また、フラッシュランプ1の発光管2に沿ってトリガ電極16が配置され、前記トリガ回路12に接続されている。なお、第3電極6にはインダクタンス18が接続されている。
このように、本発明では、第1電極3と第2電極4との間に第3電極6を配置することで、電極間におけるインピーダンスを低下させ、充電電圧を高めなくてもパルス幅0.1msを実現することができる。
さらには、第1のコンデンサ14の容量と第2のコンデンサ15の容量との比率を、第1電極3と第3電極6の電極間距離と、第2電極4と第3電極6の電極間距離との比率と同じにすることで、第1電極3と第3電極6との間での閃光放電と、第2電極4と第3電極6との間での閃光放電のパルス幅を同じにできると共に、同じ照射エネルギーにすることができる。これにより、被照射物における多結晶シリコンの層を均一に形成することができる。
このような配置にするのは、上述の図1あるいは図2のように、第3電極6を発光管2に近づけて、その先端が該発光管内に臨むように配置すると、アーク放電Aが第3電極6の下方で小さくなってしまい、被照射物(ワーク)Wにおいて照度均一性が損なわれる惧れがあるので、これを回避するためである。
図3に示すように、第3電極6が発光管2から後退した位置に配置されることで、該第3電極6の下方におけるアークAの領域を大きくし、ワークWにおける照度均一性を更に高めることができる。
即ち、発光管2の両端に枝管5a、5bがそれぞれ設けられるとともに、その中間部近傍にも枝管5cが設けられていて、第1電極3は枝管5a内に、第2電極4は枝管5b内に、そして第3電極6が枝管5c内に、それぞれ配置されているものである。
こうすることによって、ランプの有効発光長が大きくとれることになり、換言すれば、有効発光長に対してランプ全長を小さくできる。
即ち、発光管2の長手方向の中間部に複数の枝管5c、5d、5eが設けられ、その内部にそれぞれ第3電極6c、6d、6eが配置されているものである。なお、この例では、第1電極2および第3電極3も、それぞれ発光管2の両端の枝管5a、5b内に配置されているものが示されている。
このように第3電極6を複数設けることにより、隣接する電極間の距離が短くなるので、隣接する電極間のインピーダンスを下げることができ、低い充電電圧であってもパルス幅が伸びることがない。
なお、このように複数の第3電極を設ける場合であっても、隣接する電極間にそれぞれコンデンサ17、17が設けられており、隣接する電極間の距離を全て同じにすれば、前記コンデンサ17の容量も全て同じものを採用できる。
これは、被照射物の中央部では、ランプ中央部での各第3電極6c、6d、6e間での閃光放電が照射されるのに加えて、ランプ両端の第1電極3と第3電極間6c、及び、第2電極4と第3電極間6eでの各閃光放電も照射されるのに対し、例えば第1電極3下方の被照射物の一端側においては、第1電極3と第3電極6c間での閃光放電と、第3電極6c、6d間の閃光放電が照射されるものの、第1電極3の紙面左側からは照射される光が無いために生じる。
この不具合を解消するためには、ランプの両端部での発光強度を中央部よりも大きくしてあげればよい。
図6において、この実施例では、第3電極が複数、より具体的には3つ、備えられ、第1電極および第2電極を含めて、各電極間の距離は一定であって、両端部に位置する電極間のコンデンサ容量を中間部の第3電極間のコンデンサ容量よりも大きくしたものである。
上記実施例において、ランプの両端に位置する第1電極3と、第2電極4、およびこれら電極3、4とは間にひとつ置いた第3電極6dに、それぞれインダクタンス18、18、18が接続されている。そして、該インダクタンス18の接続された電極3、4、5dは正極に、これらの間の第3電極6c、6eは負極に接続される。
そして、ランプの端部に位置する第1電極3と第3電極6cとに直列接続されたコンデンサ17aの容量を、中間の第3電極6cと第3電極6dとに直列接続されたコンデンサ17cの容量よりも大きくし、且つ、同様に端部に位置する第2電極4と第3電極6eとに直列接続されたコンデンサ17bの容量を、中間部の第3電極6dと第3電極6eとに直列接続されたコンデンサ17dの容量よりも大きくすることで、ランプ両端の発光強度をランプ中央部の発光強度に比べて大きくすることができ、被照射物の照射面においてその照度分布の均一性を良好にすることができる。
なお、上記実施例では、両端のコンデンサ17aとコンデンサ17bの容量、および、中間のコンデンサ17cとコンデンサ17dの容量は、それぞれ同一にしてある。
それぞれの電極間距離は同一であって125mmであり、必要なエネルギーが第1電極3と第3電極6cとの間が330J、第2電極4と第3電極6eとの間が330J、各第3電極6c、6d、6e間がそれぞれ300Jであって、その合計が1260Jであり、そのパルス幅を0.1ms以下にしようとすると、インダクタンス18の容量L=10μHとなり、第1電極3と第3電極6cとに直列接続されたコンデンサ17aの容量を300μF、第2電極4と第3電極6eとに直列接続されたコンデンサ17bの容量を300μF、各第3電極6c、6d、6e間に直列接続されたコンデンサ17c、17dの容量を270μFとした場合、各電極間での充電電圧は1.5KV必要になる。
即ち、第1電極3とこれに隣接する第3電極6c間の距離L1、および、第2電極4とこれに隣接する第3電極6e間の距離L1を、第3電極6c、6d、6e間の距離L2よりも小さくする(L1<L2)。
そして、各電極間のコンデンサ17a、17b、17c、17dの容量を同一なものとする。
このような構成とすることによって、電極間距離が短いほうが発光強度は大きくなるので、ランプ両端の電極間の発光強度を中央部の電極間よりも大きくすることができ、被照射物面での照度分布の均一性を良好にすることができる。
また、第3電極は3つに限られず、それ以上であってもよい。
発光管2および枝管5を石英ガラスで作製する場合は、枝管5を発光管2に溶着することにより形成できる。そして、端部の封止も発光管2や枝管5を加熱溶融して封着すればよい。
また、発光管3の材料をサファイアとする場合(第5の実施例)には、図8に示すように、枝管5、5はサファイア製の発光管2に対して封着ガラス20によって接合すればよく、これら枝管5、5内にそれぞれ第3電極6、6が配置されている。また、発光管2の端部の封止部は、電極3、4が封止された封止部材21を、同様に封着ガラス20によって接合すればよい。
これにより、装置全体の大型化を回避できるものである。
2 発光管
3 第1電極
4 第2電極
5 枝管
5a〜5e 枝管
6 第3電極
6c〜6d 第3電極
7 反射鏡
10 フラッシュランプ発光装置
11 給電装置
12 トリガ回路
13 点灯回路
14、15 コンデンサ
16 トリガ電極
17 コンデンサ
17a〜17d コンデンサ
18 インダクタンス
20 封着ガラス
21 封止部材
A アーク
W 被照射物(ワーク)
Claims (5)
- 両端に第1電極と第2電極が配置された長尺状の発光管よりなるフラッシュランプにおいて、
前記発光管の中間部には、第3電極が配設されるとともに、少なくとも前記第3電極は、前記発光管から分岐して形成される枝管の内部に配置されていて、前記第1電極、第2電極および第3電極の隣り合う全ての電極間で個別に且つ同時に閃光放電することを特徴とするフラッシュランプ。 - 前記第3電極は、その先端が前記発光管内から後退した位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュランプ。
- 前記第3電極は、前記発光管の長手方向に沿って複数個配置されていることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュランプ。
- 前記発光管及び前記枝管は石英ガラス材料より構成されるとともに、前記枝管と前記発光管とを溶着して形成したことを特徴とする請求項1に記載のフラッシュランプ。
- 前記発光管は透光性セラミックス材料より構成されるとともに、前記枝管と前記発光管とを接合して形成したことを特徴とする請求項1に記載のフラッシュランプ。
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