JP2014002994A - 電力ケーブル用接続器 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の電力ケーブル用接続器が抱える弱点、例えば、1接続時間が長くかかる、2油圧機器のような特殊工具を必要とする、3緩みの発生懸念がある、4接続部分を水分が通過する、5接続器が再利用できない、あるいは再利用のためには電力ケーブルを切断しなければいけない、6接続作業時の引き回し性が悪い、などの問題をバランスよく解決した電力ケーブル用接続器を提供する。
【解決手段】電力ケーブルの接続器20として、金属導体棒の両端の中心部に隔壁を残して穴を開け、その穴に電力ケーブル1aを差し込むことができるようにするとともに、該部分の外周にテーパー状の雄ねじ31aを切り、かつ軸方向のスリット34aを複数個設けて、袋ナット21aで心線を締め付けるようにした構造とする。こうすることで、繰り返し使用でき、且つ簡単に信頼性良く締め付けできるようにするとともに、水分の遮断性を有し、出っ張りのないスリムな接続器とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、電力用のケーブル(電線)をつなぐための接続器に関する。
従来、電力用のケーブルを接続する方法として、図11に示す直接接続法(例えば、非特許文献1)と呼ばれるものがある。また、図12に示す厚肉スリーブ3Aを用いた方法(例えば、非特許文献1)、図13に示すC型コネクター4を用いた方法(例えば、非特許文献1)もある。
また、図14に示す畜力コネクター5を用いた方法(例えば、特許文献1)がある。この特許文献1は、図14の畜力コネクター5の改善を狙いとしたものである。
あるいは、図15に示すように、厚肉の六角状スリーブ3Bを用いて、スリーブ内に差し込んだ電力ケーブルの心線1を横からネジ10で止める方法もある(例えば、特許文献2)。また図15に似た構造として、図16に示すようなもの(例えば、特許文献3)もある。
あるいは、図17に示すように、カラー62と呼ぶ端面がテーパー状の締め付け部材を用いて、電力ケーブルを締め付け固定し、接続する方法もある(例えば、特許文献4)。
あるいは、図18に示すように、圧着端子7(例えば、特許文献5)を用いた接続も可能である。この特許文献5は圧着端子の改善に関するもので、ケーブルの接続に関するものではないが、参考のために示した。
以下、こうした各種の接合法を比較する。結果の一覧は表1に示す。
まず、図11に示したもっとも古くからある直接接続法においては、絶縁被覆2を取り除き、中から現れた心線1を互いに巻きつけて接続する。この心線1は、通常、金属導体の銅を使用しているがアルミの場合もある。
この図11の直接接続法は、規定通りやれば信頼性のある方法とされるが、心線の巻き付け作業には熟練を要する。また時間のかかる作業でもあり、熟練技能者が不足した現在では、敬遠される接続法となっている。
そのため現在では、図12のように、円筒型のスリーブ3A内部に電力ケーブルの心線1を挿入し、その後、油圧で加締めて電力ケーブルを接続する方法や、図13のように、C型断面のスリーブ4を油圧で加締めて電力ケーブルを接続する方法が多く使われている。
加締めを使う手法は、信頼性はかなり高いが、取り外しが効かない欠点がある。つまり半永久的な使用であれば問題ないが、仮設工事のような場合には無駄が多い。また、重い機器を運搬しなければならない。
図14の畜力コネクター5では、ナット53による締め付け構造を取り入れており、電力ケーブルの取付け取り外しが可能である。しかし、構造が複雑で価格が高いなどの点から、限定された場所で使われるに留まっている。例えば、定期的に装置を取り換えなければならず、そのため電力ケーブルをその都度接続しなおす必要があるケースなどである。
図15は、厚手の六角スリーブ3Bの外側から電力ケーブルをネジ10止め固定するものである。この特許文献2は、この手法の信頼性向上のために、特に緩み防止のために、薄肉の銅管スリーブ(図示せず)を予め心線に嵌着する構造とした工夫である。
こうしたネジ止め構造は、電力ケーブル同士の接続に用いられるよりも、図16に示すように、電力ケーブルと各種機器3Cとの間で使われることが多い。なかでも、積算電力量計との間で使われることが多く、特許文献5に示されるものも、その接続の改善構造の一例と考えられる。
図17は特許文献4に見られるもので、後で述べる本発明にもっとも近い構造となっている。この図17に記載のテーパー状のカラー62を用いた方法は、ガス配管や油圧配管の接続にも似た構造があり、その接続の信頼性は高い。ただ、完全に締めこむとカラー62と呼ぶ部材が心線1に密着するため、袋ナット61を緩めても、カラーを抜くことが不可能で、再利用ができない欠点がある。また、部品点数が多くなることから、価格も高くなりがちである。
図18は圧着端子7を電力ケーブルに取り付け、圧着端子どうしをボルト71とナット72で接続するものである。心線1と圧着端子7とは通常油圧で加締めるため信頼性は高いが、図18中に示したような特定の方向の振動や荷重が加わるとボルト締め部分が緩みやすく、ケーブル接続には避けるべき工法とされている。
以上のように、電力ケーブルの接続法には各種のやり方があるが、それぞれ一長一短がある。例えば、締め付けに時間を要する。特別の道具が要る。一度接続すると外せずコネクターの再利用ができない。あるいは接続器の構造から水分の遮断ができない。など。それらをまとめて表1に示す。
表1に示すように、電力ケーブルの接続の際に考慮すべきポイントがあるが、それらをすべて満足できるような方法がまだ発明されていないことに鑑み、本発明は、なされたものである。
特開2011−243359
実用登録 第3116115号
特開2000−012121
実用登録 第3154708号
特開2006−221818
「電気設備 技術基準・解釈早わかり 平成15年改正版」、オーム社、平成16年5月10日発行、P93
Figure 2014002994
表1の接続時間と工具に関して。ケーブルの接続時間が短縮できると、作業効率が上がるため、例えば油圧機器のように、工具が重くても簡易に接続できる方向へと接続技術が進化してきた。また、油圧は大きな力を発生させることができ、しっかりと接続できるメリットもある。
しかし、最近の建物の高層化などの面から、重い機器を人手で運搬するのは大変になってきている。特に仮設工事においては、まだ電力が供給されていない状態での工事であるため、大変である。従ってこうした場面では、やはりスパナやドライバー、ペンチと言った通常の作業者が持ち歩く簡易な工具で使用できる接続器が望まれている。
表1の締め付け荷重低下に関して。締め付けが部分的であればあるほど耐力の低い銅線やアルミ線はへたりやすく、その結果として締め付け荷重が低下する懸念がある。従って、できるだけ心線1の外周全体を締め付ける方法が望まれる。
言い方を変えると、締結部に空洞部や隙間があると良くない。これは、柔らかい銅やアルミが締め付け荷重により、空洞部へ逃げるためである。そのため、隙間なく締め付けないと締め付けが緩んでくる懸念がある。従って、油圧加締めにあっても作業者の経験がものを言う場合がある。ただ、図11の直接接続のみは、導線に少々のへたりが発生しても、摩擦力で抜けを防ぐという意味で、締結の原理が異なる。
また、最近は車の普及により、場所によっては、電力ケーブルに加わる振動が大きくなってきている。特に交通量の多い大きな道路の前に建つ家屋などではそうである。図18の圧着端子7接続は、振動に弱いことがわかっており、ケーブル同士の接続では、推奨できない方法とされるが、一つの接続方法の例として挙げている。
表1の水分の遮蔽性に関して。電力ケーブルの接続では、建屋の外の配線と建屋の内部の配線とを結ぶことが必ずある。そうした接続部分にあっては、水分の通過が問題となることがある。つまり、家屋の外部から電線を通して入ってくる水分を家屋の内部にまで入れてしまうものである。この現象は、気温の上下動による電線の呼吸作用により発生するもので、特に家屋の外部に設置された電線は、気温の上下動が大きいことから、その内部に結露した水分を貯え、それが毛細管現象により家屋内の電線に送り込まれるものである。
これに対処するためには、入り側の電力ケーブルと出側の電力ケーブルとを完全に分離しなければならない。しかし、今の接続器にあっては、完全な対応が取られているものはほとんどない。つまり接続したい2本のケーブルの間に隔壁を設ける構造となっていない場合が多い。
例えば、図12の厚肉スリーブ3Aの穴は、図示していないが貫通しており、左側の電力ケーブル(1a+2a)と右側の電力ケーブル(1b+2b)とは、仮に防水被覆80を外側に被せたとしても、空気や水分の往来は自由である。図13のC型コネクターも同様である。油圧加締めでは、隔壁部分32を設けると、うまく加締めることができないためである。
図14の畜力コネクターも同様である。図15、図16、図17の方式では、隔壁部分32を設けることができる。
表1の接続器の再利用に関して。半永久的に使用する場合にあっては、再利用は考慮しなくてよい。むしろ接続の信頼性の方が重要である。しかし、仮設工事等にあっては、取付け・取り外しが頻繁であるため、何度も繰り返し使える接続器は重宝である。
また、電力ケーブルを途中で切断しなくても再利用できる接続法も望まれている。銅の価格上昇に伴い電力ケーブルも高価となっている。使う度に、ケーブルが短くなるのは避けたいというニーズも強い。
こうした点から見ると、油圧加締めを使う方法は、再利用が困難であるし、電力ケーブルも繋ぎ替えるたびに短くなる。こうした再利用の観点から見ると、表1中では、畜力コネクター5やネジ止め式のスリーブコネクター3Bがよい。
表1の引き回し性に関して。接続器でつないだケーブルを所定の位置に設置するために、電力ケーブルを、床面などで引っ張ることがある。また、場合によっては建築配管内を通したいこともある。そうした場合、接続器に出っ張り部分があるとその部分が何かの角に当った時に、引き回し作業を阻害する。あるいは外周の防水チューブが破れるといった欠点もある。
従って、接続器はできるだけ角部や出っ張りの無い形状が望ましい。もし電力ケーブルに近い外径のスリムな接続器ができれば、引き回し作業も楽にできるようになるし、接続部分があっても、簡単に配管中に電力ケーブルを通すことも可能となる。特に三相電力の場合は、三本の電力線を束ねた状態での話となるため、そのメリットは大きいものがある。
本発明は、以上に述べたように主として現在の接続器が抱える6つの欠点、▲1▼接続時間の問題、▲2▼特殊工具を必要とする問題、▲3▼緩みの発生懸念がある問題、▲4▼水分の通過性の問題、▲5▼再利用の可能性の問題、▲6▼引き回し性の問題をバランスよく解決するために行ったものである。
本発明の第1の解決手段は、上記課題を達成するために、丸断面あるいは多角形断面の導電性金属棒の両端から、中央部には隔壁部分を残して、電力ケーブルが挿入できる穴を開け、同時にその金属棒の外周にネジを切ったテーパー部を設けるとともに、そのネジ部に複数本のスリットを入れ、袋ナットで容易に締め付けできるようにした構造の電力ケーブル用接続器である。
第2の解決手段は、電力ケーブルが挿入できる穴の内面に、ねじ切りのような溝加工を施したものである。
第3の解決手段は、中央隔壁部分内に、貫通穴を設けたものである。
第4の解決手段は、中央隔壁部分に、分岐用の接続器が取り付けられるようにしたものである。
上記第1の解決手段による作用は次のようなものである。まず、普通の工具、例えばスパナで電力ケーブルを信頼性よく接続できるし、再利用も可能となる。また、隔壁を設けることにより、水分の遮蔽性も確保できる。締め付けの信頼性に関しては、テーパーネジを用いることで、簡易工具でも大きな締め付け荷重を得られるし、心線の外周全体を万遍なく圧迫する構造が取れることで、締め付け荷重の低下も少なくすることができる。
また、図17のカラー入りよりも、カラーを省いた分だけ外径を小さくでき、スリムな接続器とすることができる。これは、引き回し性を大幅に向上させる。
上記第2の解決手段による効果は次のようなものである。つまり心線1を一段と抜けにくくすることができる。
上記第3の解決手段による効果は次のようなものである。つまり、1本のスパナと1本のドライバーがあれば、接続可能な手段を提供できる。中央隔壁部分の貫通穴にはドライバーを差し込み、袋ナットをスパナで回すことにより、締め付けが可能となる。
上記第4の解決手段の効果は、分岐用の電力ケーブルも、簡易に取付けできる点にある。
22CVT用の接続器の例を示す。寸法の呼び方については図19に示した。テーパーねじ付き接続器本体20および袋ナット36共に、その素材として同じ形状の真鍮製六角棒(幅寸法12mm)を使用した。材質はC3604。接続器の本体は左右対称とし、長さは68mmとし、中央部の長さは14mmとした。テーパーねじ部31の長さは約17mmとし、テーパー角度は片側2度とした。そのテーパー部には、ピッチ1mmのねじ切りを実施した。テーパーネジ部最大外径は、9.3mmとした。
電力ケーブルを挿入するための心線挿入穴径は、5.5mmとし、心線1の直径5.4mmとの隙間を両側で0.1mm取った。また、この挿入孔の内面には、M6×P1mmの滑り止め用のねじを切った。このねじは、テーパーねじとほぼ同じ位置まで設けた。
スリット34は、幅1mmで、長さ約26mmとした。このスリットは、テーパー状の袋ナットで本体を締めつけた時、ベンド部37が簡単にたわみ、電力ケーブルを抱きやすくするためである。スリットは90度置きの4か所に設けた。
また、このスリットを通して内部が見えるため、心線1が所定通り挿入されているのかどうかのチェックにも役立つ。
平行部の直径は8.2mmとした。外周ノッチ35は、深さ0.4(ノッチ部底径7.4mm)とし、所定の位置に設けた。このノッチは、ベンド部37をたわみやすくするためと、袋ナットを締めこんだときに、確実に締め付けられたかどうかをチェックするために、つまりナット位置が正規の位置にあるかどうかを判定するために設けたものである。ただ、このノッチはあまり深くするとその下部の肉厚が薄くなり、このノッチ部から破壊する危険があるので、注意を要する。
袋ナット21は、長さ16.8mmとした。ナットの内面には接続器本体のテーパーネジに対応したネジを切った。テーパー角度やピッチは同じものとした。袋ナットのテーパーねじ部最大径も本体のテーパーねじ部の最大径にそろえた。ただし、これは必ずしもそろえる必要がないが。
22CVTの心線の断面積は22mmであるので、銅の心線1の引張り強さを240N/mmとすると、心線全体の引張り強度は約5300Nとなる。一方、接続器本体のC3604の棒材の引張強さは360N/mm程度とすれば、ノッチ部分35の最小断面積は14.7mmは確保しなければならない。上述の寸法では、接続器本体の強度の方が高めとなる仕様としている。
つまり、上記の22CVTの実施例でいくと、ノッチ部の底部外径は7.4mm、穴の径は5.5mmであるので、ノッチ部の断面積19.2mmとなる。従って、当たり前であるが、心線1が先に破断する仕様としている。
アムスラー試験機で実際に引張り試験を行ったところ、3500N前後で心線が抜けた。従って、接続器本体の破壊は無かった。どうも3500N前後で、心線の耐力を上回り、心線が伸びて細くなるために、予想よりも低い荷重で抜けに至ったものと推測している。
次いで150CVT用の接続器の実施例を掲げる。材料には、22CVTと同じ真鍮製六角棒(幅寸法23mm)を使用した。接続器本体の長さは98mmとし、中央部の長さは20mmとした。テーパーねじ部の長さは約24mmとし、テーパーは片側2度とした。そのテーパー部には、ピッチ1.5mmのねじ切りを実施した。テーパーネジ部の最大外径は、21.4mmとした。
150CVT電線は、心線の外径が14.1mmであったので、電力ケーブルを挿入するための穴は、径を14.3mmとし、心線との隙間を両側で0.2mm取った。また、この挿入孔の内面には、M15×P2mmのねじを切った。この挿入口内面のねじは心線の滑り止めを狙いとしたものであるので、断面が凹凸のものであれば何でもよい。
スリット34は、幅1.5mm、長さ約38mmとし、60度置きの6か所に設けた。
平行部の直径は19.8mmとした。外周ノッチ35は、深さ0.5とし、所定の位置に設けた。従って、ノッチ部の断面積は116.9mm、計算上の引張強さは42000Nとなった。
袋ナット21は、長さ24mmとした。使用材料は接続器本体20と同じ。ナットの内面には接続器本体20のテーパーネジに対応したネジを切った。テーパー角度やピッチは本体と同じものとした。
150CVTの心線の断面積は150mmであるので、銅の心線の引張り強さを240N/mmとすると、心線全体の引張り強度は約36000Nとなる。従って、この場合のノッチ部分35の最小断面積は計算上100mmを確保しなければならないが、既に述べているように、この実施例でも、接続器本体の強度をそれよりも高めとしてる。
アムスラー試験機で実際に引張り試験を行ったところ、16000N程度で心線が抜けた。従って、接続器本体の破壊は無かった。心線全体の予測引張強さ36000Nから見るとやはり低い荷重となった。やはり耐力の影響が出たものと推測された。
以上のように、心線1の破断までは至っていないが(実際にそういう現象が起きるのかどうかも不明であるが)このテーパーねじ付き接続器もきちんと機能することがわかった。
締め付けも、通常のスパナ2本を使用し、本体と袋ナットを締め付けることで問題なく作業できた。スパナ1本とドライバー1本を使った締め付けでも、接続器本体の丸穴30にドライバーを差し込み、袋ナットをスパナで回すことにより作業が可能であった。
取り付け/取り外しに関しては、5回実施したが、若干の変形が出た程度で、繰り返し使用に耐えることもわかった。ベンド部は弾性があるため、袋ナットを外すと内側にたわんでいた径が回復する。従って、心線も問題なく抜けた。
以上述べたように、取付け・取外しては、回数を上げれば若干の変形が見られるが、これが無くせないかとか、心線の抜け荷重がもっと上がらないかとか、あるいはより低いトルクで締付けできないかなど、最善の寸法仕様を詰める余地はまだある。従って、上記の実施例はあくまでも本案の一例であることは論を待たない。
本実施例では真鍮製六角棒を使ったが、これが例えば丸棒であっても、スパナ用の切欠きを設けることで、同じように成立する。あるいは電気伝導性がある程度良ければ他の材料でもこの接続器が成立することは言うまでもない。特に袋ナットにあっては、電蝕等を考慮すれば、鋼製であっても問題は無い。むしろスリム化が図れるメリットがある。
詳細な寸法・角度等の記述は省略するが、図5に示したように、穴の端部には面取りを施している。ほぼこれらの図のようなイメージである。本体20穴内面先端の面取り40及び袋ナット21穴先端の面取り41は、心線1の挿入を容易ならしめるためである。こうすることで、心線を切断した時のカエリの発生や、心線がバラケルといった問題があっても、ある程度までであれば、心線の挿入ができるようにしている。
また、図6に示したように、接続器本体20の外部の各所にも42、43といった面取りを、さらに袋ナットの各所にも、44、45、46といった面取りを施している。詳細な寸法・角度の記述は省略するが、ほぼ図6のイメージのようなものである。
こうすることで、図5に示したように、防水被覆80を付けた状態ではエッジ部が無い状態となり、ケーブルを工事現場で引っ張る際にも引っ掛かることなく作業できるし、防水カバーを破損する頻度も大幅に減少する。
さらに、中央部に隔壁36を設けたことで、水分の侵入の問題もないようにしている。もちろん、併せて防水被覆もしっかりとする必要があることは言うまでもない。通常は、この防水被覆材として熱収縮チューブを使うことが多いが、このチューブは、接続器本体との密着はよいものである。
また、図8、図9、図10に示したように、分岐構造も簡単に設定できる。この場合、本発明のテーパーネジ付き接続器の半分(片側のみ)を取り付けてもよいし、特許文献2に見られるネジ止め式の厚肉スリーブのようなものを取り付けてもよい。
こうした分岐構造を取るにあたっては、電力ケーブルのサイズ違いを取り付けてもよいことは言うまでもない。分岐の数も、1本でも2本でも可能である。またその取付けに当っては、接続器本体20aに予め雌ネジを切っておき、その中へ分岐用の本体20b、20cに設けた雄ネジを施工現場でネジ込む方法が有力であるが、分岐が当初からわかっている場合は、接続器本体20aに分岐用の本体20b、20c等を溶接あるいはろう付け、あるいはハンダ付けすることも可能である。
以上述べたように、今日まで成しえなかった各種の問題を解決する方法として、本発明に至った。ただ、価格が厚肉スリーブやC型コネクターよりも高くなる懸念があるが、特に仮設工事にあっては、それ以上のメリットがあると思われる。
ただ、図14の畜力コネクターや図17のカラー入り接続器よりは、価格も安く、外径サイズもより小さくできることは、その構造からして当然である。
本発明のテーパーねじ付き接続器の締結時の平面図を示す。 本発明のテーパーねじ付き接続器の断面を示す。(イ)は、本発明のテーパーねじ付き接続器のみの断面を示す。(ロ)は、電力ケーブルを接続した時の断面図を示す。 本発明のテーパーねじ付き接続器本体のA−A断面(図2中の)を示す。 本発明のテーパーねじ付き接続器の部分断面の斜視図を示す。 本発明のテーパーねじ付き接続器の部分断面を示す。 本発明のテーパーねじ付き接続器の締結時の外観を示す。 防水被覆構造の断面図を示す。 一分岐用のテーパーねじ付きコネクターの外観を示す。 二分岐用のテーパーねじ付きコネクターの外観を示す。 一分岐用のテーパーねじ付きコネクターの外観を示す。 直接接続の外観を示す。 圧縮スリーブ工法で接続した時の外観を示す。 C型コネクターで接続した時の外観を示す。 畜力コネクターで接続した時の正面図を示す。 六角スリーブを用いてネジ止めした時の外観を示す。 電力ケーブルと機器とのつなぎ込みの断面図を示す。 テーパー状のカラーを用いたコネクターの断面図を示す。 圧着端子を用いて接続した時の外観を示す。 寸法の説明図を示す (イ)本体の寸法の説明図を示す。(ロ)袋ナットの寸法の説明図を示す。
1 心線
1a 図面左側の心線
1b 図面右側の心線
1c 分岐線の心線
1d 分岐用の心線
2 絶縁被覆
2a 図面左側の電力ケーブルの被覆
2b 図面右側の電力ケーブルの被覆
2c 分岐線の被覆
2d 分岐線の被覆
3 厚肉スリーブ
3A 圧着型の厚肉スリーブ
3B ネジ止め型の厚肉スリーブ
10 六角穴付きビス
3C 電力機器の穴
11 接続端子
4 C型コネクター
5 畜力コネクター本体
51 V溝挟圧片
52 T字型挟圧片
53 大型ナット
6 カラー入りコネクター本体
61 カラー入りコネクター用袋ナット
62 カラー
63 薄肉銅管スリーブ
7 圧着端子
7a 図面左側の圧着端子
7b 図面右側の圧着端子
71 ボルト
72 ナット
73 ワッシャ
20 テーパーねじ付き接続器本体
20c 分岐用のテーパーねじ接続器
20d 分岐用のテーパーねじ接続器
21 テーパーねじ付き袋ナット
21a 図面左側に示した袋ナット
21b 図面右側に示した袋ナット
21c 分岐線の袋ナット
21d 分岐線の袋ナット
30 締め付け用貫通穴
31 締め付け用テーパーねじ
31a 図面左側に示した締め付け用テーパーねじ
31b 図面右側に示した締め付け用テーパーねじ
32 ケーブル挿入孔
32a 図面左側に示したケーブル挿入孔
32b 図面右側に示したケーブル挿入孔
33 滑り止め用ネジ
33a 図面左側に示した滑り止め用ねじ
33b 図面右側に示した滑り止め用ねじ
34 スリット
34a 図面左側に示したスリット
34b 図面右側に示したスリット
35 外周ノッチ
35a 図面左側に示した外周ノッチ
35b 図面右側に示した外周ノッチ
36 隔壁部分
37 ベンド部
40 テーパーねじ付き接続器本体の穴の面取り
41 テーパーねじ付き袋ナットの穴の面取り
42 テーパーねじ付き接続器本体の外側端部の面取り
43 テーパーねじ付き接続器本体の外周の面取り
44 テーパーねじ付き接続器袋ナットの外側端部の面取り
45 テーパーねじ付き接続器袋ナットの外側端部の面取り
46 テーパーねじ付き接続器袋ナットの外周の面取り
80 防水被覆
81 防水被覆固定バンド
22CVT用の接続器の例を示す。寸法の呼び方については図19に示した。ターバーねじ付き接続器本体20およびテーパーねじ付き袋ナット21は共に、その素材として同じ形状の真鍮製六角棒(幅寸法12mm)を使用した。材質はC3604である。接続器の本体は左右対象とし、長さは68mmとし、中央部の長さは14mmとした。テーパーねじ部31の長さは約17mmとし、テーパー角度は片側2度とした。そのテーパーねじ31には、ピッチ1mmのねじ切りを実施した。テーパーねじ部最大外径は、9.3mmとした。
スリット34は、幅1mmで、長さ約26mmとした。このスリットは、テーパ状の袋ナットで本体を締めつけた時、ベンド部37が簡単にたわみ、電力ケーブルを抱きやすくするためである。スリットは90度置きの4か所に設けた。
22CVTの心線の断面積は22mm2 であるので、銅の心線1の引張り強さを240N/mm2 とすると、心線全体の引張り強度は約5300Nとなる。一方、接続器本体のC3604の棒材の引張り強さは360N/mm2 程度とすれば、外周ノッチ35の最小断面積は14.7mm2 は確保しなければならない。上述の寸法では、両者の強度をほぼ同じレベルにしている。
つまり、上記の22CVTの実施例でいくと、外周ノッチの底部外径は7.4mm、穴のネジ部外径は6mmであるので、外周ノッチの断面積14.7mm2 となる。従って、心線1が破断するか、接続器本体が外周ノッチで破断するか、とちらとも言えない仕様とした。
締め付けも、通常のスパナ2本を使用し、本体と袋ナットを締め付けることで問題なく作業できた。スパナ1本とドライバー1本を使った締め付けでも、接続器本体の締め付けるための貫通穴30にドライバーを差し込み、袋ナットをスパナで回すことにより作業が可能である。
さらに、中央部に隔壁部分36を設けたとこで、水分の侵入の問題もないようにしている。もちろん、併せて防水被覆もしっかりとする必要があることは言うまでもない。通常は、この防水被覆材として熱収縮チューブを使いことが多いが、このチューブは、接続器本体との密着はよいものである。
こうした分岐構造を取るにあたっては、電力ケーブルのサイズ違いを取り付けてもよいことは言うまでもない。分岐の数も、1本でも2本でも可能である。またその取付けに当っては、接続器本体20に予め雌ネジを切っておき、その中へ分岐用の本体20c20dに設けた雄ネジを施工現場でネジ込む方法が有力であるが、分岐が当初からわかっている場合は、接続器本体20に分岐用の本体20c20d等を溶接あるいはろう付け、あるいはハンダ付けすることも可能である。

Claims (4)

  1. 金属棒の両端から、中央部に隔壁部分(36)を残して、電力ケーブルが挿入できる穴(32)を開け、同時に該部分の外周にテーパーねじ(31)を設け、かつ軸方向のスリット(34)を複数個設けて、袋ナット(21)で心線(1)を締め付けるようにした構造の電力ケーブル用接続器。
  2. 心線を挿入する穴(32)の内面に、滑り止めのねじ加工(33)を施した請求項1に記載の電力ケーブル用接続器。
  3. 接続器本体(20)の中央部分に貫通穴(30)を設けた請求項1又は請求項2に記載の電力ケーブル用接続器。
  4. 接続器本体(20)の中央部分に、別の接続器を取付けできるようにした構造の請求項1又は請求項2に記載の電力ケーブル用接続器。
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