JP2014001981A - 荷重分布計測システム、情報処理装置及び情報処理方法 - Google Patents

荷重分布計測システム、情報処理装置及び情報処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 感圧素子の交換タイミングを適確に報知する荷重分布計測システムを提供することを目的とする。
【解決手段】 複数の感圧素子が配列されたセンサ部を有する荷重分布計測システムであって、前記複数の感圧素子からの出力に基づいて、前記センサ部上の被検者の荷重分布を計測し、表示する荷重分布計測部211と、前記複数の感圧素子からの出力を和算することにより、前記センサ部にかかる荷重の値を算出し、該算出した荷重の値が、所定値以上となる時間を検出することにより、前記センサ部にかかる負荷を定量化する交換タイミング算出部212と、を備え、前記定量化された負荷を累積することで得られる累積値が、所定の閾値を超えた場合に、前記センサ部の交換タイミングであることを報知することを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、被検者の荷重分布を可視化する荷重分布計測システム、情報処理装置及び情報処理方法に関するものである。
脳卒中などの脳神経系疾患を発症し、右片または左片が麻痺した患者に対しては、従来より、理学療法士等の指導/監視のもとで、運動機能回復訓練が行われてきた。一般的に、自立的な生活を営むためには、下肢機能の回復が不可欠であり、理学療法士等は、患者の下肢機能の回復状態を適確に判断することが重要となってくる。このため、運動機能回復訓練においては、下肢機能の回復状態を定量的に評価すべく、患者の足圧分布等の計測が行われてきた。
一方、被検者の足圧分布を計測し可視化するシステムとして、従来より、感圧素子がマトリックス状に配列されたセンサ部により構成される足圧分布計測システムが知られている。足圧分布計測システムによれば、被検者がセンサ部に乗った状態での足圧分布を、リアルタイムに視認することができる。
また、当該システムを応用することにより、座った状態における被検者の座圧分布や、横臥した状態における被検者の体圧分布をリアルタイムに表示させることも可能である。なお、以下、本明細書では、足圧分布や座圧分布、体圧分布等をまとめて、“荷重分布”と称し、荷重分布を計測し可視化するシステムを“荷重分布計測システム”と称することとする。
特許第2760474号公報
しかしながら、上述のような荷重分布計測システムの場合、摩耗劣化や経時劣化の影響を受けやすい。特に、感圧素子が導電性ゴムの場合、顕著に現れる。
一方で、荷重分布計測システムを上記のような医療現場において利用しようとした場合、計測中の故障を極力回避するよう構成することが重要となってくる。運動機能が低下した患者にとって、計測のやり直しは、多大な労力となるからである。このため、上記荷重分布計測システムの医療現場への適用に際しては、例えば、保証期間内で適宜感圧素子を交換するといった対応が不可欠となってくる。
しかしながら、感圧素子の摩耗劣化は、被検者の体重や使用頻度等に依存し、保証期間内であっても故障することは十分に考えられる。また、感圧素子の経時劣化は、時間の経過とともにその進行が早まることから、保証期間の終了時期が近づいている場合には、特に注意が必要である。
このようなことから、荷重分布計測システムを医療現場において利用するにあたっては、摩耗劣化や経時劣化の影響を受けやすい感圧素子の寿命を適確に判断し、故障前に交換タイミングを報知できる構成とすることが望ましい。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、感圧素子の交換タイミングを適確に報知可能な荷重分布計測システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る荷重分布計測システムは以下のような構成を備える。即ち、
複数の感圧素子が配列されたセンサ部を有する荷重分布計測システムであって、
前記複数の感圧素子からの出力に基づいて、前記センサ部上の被検者の荷重分布を計測し、表示する荷重分布計測手段と、
前記複数の感圧素子からの出力を和算することにより、前記センサ部にかかる荷重の値を算出し、該算出した荷重の値が、所定値以上となる時間を検出することにより、前記センサ部にかかる負荷を定量化する算出手段と、
前記定量化された負荷を累積することで得られる累積値が、所定の閾値を超えた場合に、前記センサ部の交換タイミングであることを報知する報知手段とを備える。
本発明によれば、感圧素子の交換タイミングを適確に報知可能な荷重分布計測システムを提供することが可能となる。
本発明の一実施形態にかかる荷重分布計測システムの外観構成を示す図である。 荷重分布計測システムを構成する情報処理装置の機能構成を示す図である。 足圧分布計測処理の流れを示すフローチャートである。 足圧分布算出用データに基づく足圧分布表示の一例を示す図である。 交換タイミング算出部における動作を説明するための図である。 足圧分布計測処理の流れを示すフローチャートである。 交換タイミング算出部における動作を説明するための図である。
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。
[第1の実施形態]
<1.荷重分布計測システムの外観構成>
図1は、本実施形態に係る荷重分布計測システム100の外観構成の一例を示す図である。なお、本実施形態では、荷重分布計測システム100を用いて被検者(患者)の足圧分布を計測する場合について説明する。
図1において、110はセンサ装置であり、被検者(患者)が両足を乗せるベース部111と、該ベース部の外周部側面を取り囲み、センサ装置110が載置された床面とベース部111の表面との間の段差を滑らかにつなぐためのスロープ部112とを備える。
ベース部111の表面には、複数の感圧素子(例えば、導電性ゴム)が2次元に配列された足圧分布検出センサ部113が配されており、直立した被検者が両足を乗せた場合に、被検者の両足の足圧分布を可視化するための足圧データを所定の周期で計測し、出力する。なお、足圧分布検出センサ部113は、ベース部111に対して、着脱可能に取り付けられているものとする。
120は情報処理装置であり、足圧分布計測処理時に、足圧分布検出センサ部113において計測された足圧データ(計測結果)をケーブル130を介して取得し、足圧分布表示を行う。また、取得した足圧データを用いて、足圧分布検出センサ部113の交換タイミングを判定するための交換タイミング評価用データ(詳細は後述)を算出し、算出結果に基づいて、ユーザに、足圧分布検出センサ部113の交換が必要であることを報知する。
なお、以下では、足圧分布検出センサ部113を構成する複数の感圧素子それぞれにおいて計測されたデータを「足圧データ」と称し、感圧素子の数に応じた数の足圧データ群を「足圧分布算出用データ」と称する。また、当該足圧分布算出用データを用いて算出された、足圧分布を表示するためのデータを「足圧分布データ」と称することとする。
<2.荷重分布計測システムを構成する情報処理装置の機能構成>
次に、情報処理装置120の機能構成について説明する。図2は、荷重分布計測システム100を構成する情報処理装置120の機能構成を示す図である。図2に示すように、情報処理装置120は、制御部(コンピュータ)201と、メモリ部202と、記憶部203と、表示部204と、入力部205と、外部機器I/F部206とを備え、各部は、バス207を介して接続されている。
記憶部203には、制御部201により実行されることにより、それぞれ荷重分布計測部211、交換タイミング算出部212として機能するプログラムが格納されている。当該プログラムは、制御部201による制御のもと、ワークエリアとして機能するメモリ部202に適宜読み込まれ、制御部201によって実行されることで、各機能を実現する。なお、制御部201によって、荷重分布計測部211として機能する当該プログラムが実行されることにより取得される足圧分布算出用データ213は、記憶部203に格納される。また、制御部201によって、交換タイミング算出部212として機能する当該プログラムが実行されることにより算出される交換タイミング評価用データ214は、記憶部203に格納される。
表示部204は、制御部201に当該プログラムの実行を指示するためのユーザインタフェースを表示したり、取得した足圧分布算出用データ213に基づいて足圧分布表示を行ったりする。入力部205は、当該プログラムの実行指示を入力したりする。外部機器I/F部206は、足圧分布検出センサ部113において計測された足圧分布算出用データを情報処理装置120内に取り込むためのI/Fである。
<3.足圧分布計測処理>
次に、本実施形態にかかる荷重分布計測システム100による足圧分布計測処理の流れについて図3及び図4を用いて説明する。図3は、足圧分布計測処理の流れを示すフローチャートである。
入力部205を介して足圧分布計測処理の開始指示が入力されると、ステップS301では、荷重分布計測部211が、足圧分布検出センサ部113より所定周期で足圧分布算出用データを受信する処理を開始する。また、ステップS302では、荷重分布計測部211が、受信した足圧分布算出用データに基づいて、足圧分布データを生成し、表示部204に所定周期で表示する処理を開始する。
図4は、表示部204に表示された足圧分布データの一例を示す図である。図4に示すように、表示部204には、各感圧素子にて計測された各足圧データの大きさに応じた色(あるいは濃淡)により、被検者の足圧分布が表示される。
ステップS303では、交換タイミング算出部212が、ステップS301で受信が開始された足圧分布算出用データを用いて、所定周期ごとに被検者の荷重値を算出する処理を開始する。具体的には、各感圧素子にて計測された足圧データを和算することにより、所定周期ごとに、足圧分布検出センサ部113全体にかかる荷重値を算出する。
ステップS304では、交換タイミング算出部212が、ステップS303において算出された荷重値が所定値以上であるか否かを判定する。ステップS304において、荷重値が所定値以上でないと判定された場合には、荷重値が所定値以上になるまで待機する。一方、荷重値が所定値以上であると判定された場合には、被検者が足圧分布検出センサ部113に両足で乗ったと判断し、ステップS305に進む。
ステップS305では、交換タイミング算出部212が、ステップS303において算出が開始された荷重値を、所定周期ごとに積分していくことで、「負荷量」を算出する。ステップS306では、荷重値が所定値未満となったか否かを判定し、所定値未満になっていないと判定された場合には、ステップS305に戻り、負荷量の算出(荷重値の積分)を継続する。
一方、ステップS306において荷重値が所定値未満になったと判定された場合には、被検者が足圧分布検出センサ部113から降りたと判断し、ステップS307に進む。
ステップS307では、交換タイミング算出部212が、足圧分布の計測のために被検者が足圧分布検出センサ部113に乗ってから降りるまでの間(ステップS304〜S306の間)に算出された負荷量を加算することにより、累積値(本実施形態では、累積負荷量)を算出する。なお、累積負荷量は、初期値としてゼロが設定されているものとし、被検者の足圧分布の計測が行われるごとに、負荷量が加算されていくものとする。
ステップS308では、交換タイミング算出部212が、ステップS307において算出された累積負荷量が閾値以上であるか否かを判定する。ステップS308において、累積負荷量が閾値以上でないと判定された場合には、ステップS310に進む。一方、ステップS308において、累積負荷量が閾値以上であると判定された場合には、足圧分布検出センサ部113が寿命に達したと判断し、ステップS309に進む(つまり、本実施形態では、累積負荷量を交換タイミング評価用データ214として用いる)。
ステップS309では、交換タイミング算出部212が、表示部204に足圧分布検出センサ部113の交換タイミングであることを報知する(例えば、交換を促すメッセージを表示する)。これにより、ユーザは、足圧分布検出センサ部113の摩耗劣化による故障を未然に検知し、適切なタイミングで足圧分布検出センサ部113を交換することができるようになる。
ステップS310では、入力部205を介して足圧分布計測処理の終了指示が入力されたか否かを判定し、入力されていないと判定された場合には、ステップS304に戻り、次の被検者について足圧分布の計測を行う。
一方、ステップS310において、終了指示が入力されたと判定された場合には、足圧分布計測処理を終了する。
<4.交換タイミング算出部の動作の一例>
次に、足圧分布計測処理時の交換タイミング算出部212の動作の一例について図5を用いて説明する。図5は、交換タイミング算出部212における動作を説明するための図である。このうち、図5(a)は、横軸に時間を、縦軸に荷重値(W)をとったグラフであり、図5(b)は、横軸に時間を、縦軸に累積負荷量をとったグラフである。
図5(a)に示すように、被検者が足圧分布検出センサ部113に乗ることにより、荷重値(W)が所定値を超えると(タイミングt)、交換タイミング算出部212では、負荷量(L1)の算出を開始する。具体的には、所定周期ごとに荷重値(W)を積分していく。
負荷量(L1)の算出は、被検者の両足が乗せられ、足圧分布の計測が行われている間継続し、当該被検者の足圧分布の計測が終了し、当該被検者が足圧分布検出センサ部113から降りることで終了する。
具体的には、当該被検者が足圧分布検出センサ部113から降りることで、荷重値(W)が所定値未満になるまで(タイミングt)、負荷量(L1)の算出を継続する。したがって、当該被検者の足圧分布の計測において算出される負荷量(L1)は下式により求められる。
負荷量(L1)が算出されると、交換タイミング算出部212では、当該算出した負荷量(L1)を累積負荷量に加算する。図5(b)の例では、負荷量(L1)が算出される前の累積負荷量がゼロであったため、負荷量(L1)が加算されることで、累積負荷量=L1となる。
以下、同様に、次の被検者の足圧分布を計測している間、負荷量(L2)が算出され、当該算出された負荷量(L2)が、累積負荷量に加算される。更に、次の被検者の足圧分布を計測している間、負荷量(L3)が算出され、当該算出された負荷量(L3)が、累積負荷量に加算される。
このようにして求められた累積負荷量が、閾値を超えると、交換タイミング算出部212では、ユーザに、足圧分布検出センサ部113の交換タイミングであることを報知する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る荷重分布計測システム100では、足圧分布の計測時に、あわせて荷重値を算出し、負荷量を求めることにより、被検者が足圧分布検出センサ部113に1回乗り降りすることで足圧分布検出センサ部113が受ける負荷を定量化する構成とした。
更に、算出した負荷量を加算し、累積負荷量を求めることで、足圧分布検出センサ部113が寿命に達したか否かを判断し、寿命に達したと判断した場合に、ユーザに、足圧分布検出センサ部113の交換を促すメッセージを表示する構成とした。
この結果、ユーザは、足圧分布検出センサ部113の適切な交換タイミングを認識することが可能となり、足圧分布検出センサ部113の故障を未然に防ぐことができるようになった。
なお、足圧分布検出センサ部交換後は、累積負荷量がリセットされ、上述の処理が再び実行されることとなる。
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、各足圧データを和算することで算出された荷重値に基づいて、足圧分布検出センサ部113全体にかかる負荷量を算出する構成としたが、本発明はこれに限定されない。
例えば、足圧データごとに、負荷量を算出する構成としてもよい。つまり、それぞれの足圧データを、所定周期ごとに積分していくことで、感圧素子ごとの「負荷量」を算出する構成としてもよい。この場合、いずれかの感圧素子の累積負荷量が、閾値以上となった場合に、足圧分布検出センサ部113の交換を促すメッセージが表示されることとなる。
あるいは、足圧分布検出センサ部113の特定の領域(例えば、かかとが接触する領域、つま先が接触する領域等)ごとに荷重値を算出し(つまり、足圧データを複数のグループに分けて和算することでグループごとに荷重値を算出し)、領域ごとの荷重値に基づいて「負荷量」を算出する構成としてもよい。この場合、いずれかの領域の累積負荷量が、閾値以上となった場合に、足圧分布検出センサ部113の交換を促すメッセージが表示されることとなる。
[第3の実施形態]
上記第1の実施形態では、算出された負荷量を加算することにより、累積負荷量を算出する構成としたが、本発明はこれに限定されない。感圧素子は経時劣化の影響も受けることから、使用年数によっては、同じ負荷がかかったとしても、劣化の進行の度合いは異なってくる。
このため、累積負荷量の算出に際しては、足圧分布検出センサ部113の使用開始からの経過時間に応じた係数を負荷量に積算したうえで、累積負荷量に加算していく構成としてもよい。この場合、積算される係数は、足圧分布検出センサ部113の使用開始からの経過時間が長くなるにつれて、大きくなるように設定される。
[第4の実施形態]
上記第1の実施形態では、足圧分布検出センサ部上の被検者(患者)の荷重分布として、被検者の足圧分布を計測する場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、座った状態における被検者の座圧分布や、横臥した状態における被検者の体圧分布を計測するようにしてもよい。
なお、足圧分布を計測する場合と、座圧分布や体圧分布を計測する場合とでは、足圧分布検出センサ部113にかかる荷重が大きく異なるが、上記第1の実施形態の場合、荷重値を積分することにより負荷量を算出する構成としているため、足圧分布を計測する際の負荷量の算出アルゴリズムを、座圧分布や体圧分布を計測する場合においてもそのまま適用することができる。
[第5の実施形態]
上記第1及び第2の実施形態では、荷重値を積分することにより負荷量を算出する構成としたが、本発明はこれに限定されない。荷重分布計測システム100を特定の目的(例えば、足圧分布の計測)に特化して利用する場合においては、計測時間を算出するように構成してもよい。特定の目的に特化して利用する場合、計測時の荷重値が被検者によって大きくばらつくことはなく、一定の範囲内におさまることから、計測時間のみを監視することで、足圧分布検出センサ部113の寿命を判定することができるからである。以下、本実施形態の詳細について、上記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
<1.足圧分布計測処理>
本実施形態における足圧分布計測処理の流れについて図6を用いて説明する。図6は、本実施形態における足圧分布計測処理の流れを示すフローチャートである。
なお、ステップS301〜ステップS304、ステップS310の処理は、上記第1の実施形態において説明した図3のステップS301〜ステップS304、ステップS310の処理と同じであるため、ここでは説明は省略する。
ステップS605では、交換タイミング算出部212が、ステップS304において荷重値が所定値以上と判定されてからの時間を計測する。ステップS306では、荷重値が所定値未満となったか否かを判定し、所定値未満になっていないと判定された場合には、ステップS605に戻り、時間の計測を継続する。
一方、ステップS306において荷重値が所定値未満になったと判定された場合には、被検者が足圧分布検出センサ部113から降りたと判断し、ステップS607に進む。
ステップS607では、交換タイミング算出部212が、足圧分布の計測のために被検者が足圧分布検出センサ部113に乗ってから降りるまでの間(ステップS304〜S306の間)の時間を加算することにより、累積値(本実施形態では、累積負荷時間)を算出する。なお、累積負荷時間は、初期値としてゼロが設定されているものとし、被検者の足圧分布の計測が行われるごとに、計測された時間が加算されていくものとする。
ステップS608では、交換タイミング算出部212が、ステップS607において算出された累積負荷時間が閾値以上であるか否かを判定する。ステップS608において、累積負荷時間が閾値以上でないと判定された場合には、ステップS310に進む。一方、ステップS608において、累積負荷時間が閾値以上であると判定された場合には、足圧分布検出センサ部113が寿命に達したと判断し、ステップS309に進む(つまり、本実施形態では、累積負荷時間を交換タイミング評価用データ214として用いる)。
ステップS309では、交換タイミング算出部212が、表示部204に足圧分布検出センサ部113の交換タイミングであることを報知する。これにより、ユーザは、足圧分布検出センサ部113の摩耗劣化による故障を未然に検知し、適切なタイミングで足圧分布検出センサ部113を交換することができるようになる。
<2.交換タイミング算出部の動作の実施例>
次に、交換タイミング算出部212の動作の一例について図7を用いて説明する。図7(a)は、横軸に時間を、縦軸に荷重値(W)をとったグラフであり、図7(b)は、横軸に時間を、縦軸に累積負荷時間をとったグラフである。
図7(a)に示すように、被検者が足圧分布検出センサ部113に乗ることにより、荷重値(W)が所定値を超えると(タイミングt)、交換タイミング算出部212では、負荷時間(LT1)の計測を開始する。
負荷時間(LT1)の計測は、被検者の両足が乗せられ、足圧分布の計測が行われている間継続し、当該被検者の足圧分布の計測が終了し、当該被検者が足圧分布検出センサ部113から降りることで終了する。
具体的には、当該被検者が足圧分布検出センサ部113から降りることで、荷重値(W)が所定値未満になるまで(タイミングt)、負荷時間(LT1)の計測を継続する。したがって、当該被検者の足圧分布の計測に際しての負荷時間(LT1)は下式により算出される。
負荷時間(LT1)が算出されると、交換タイミング算出部212では、当該算出した負荷時間(LT1)を累積負荷時間に加算する。図7(b)の例では、負荷時間(LT1)が算出される前の累積負荷時間がゼロであったため、負荷時間(LT1)が加算されることで、累積負荷時間=LT1となる。
以下、同様に、次の被検者の足圧分布が計測されると、負荷時間(LT2)が算出され、当該算出された負荷時間(LT2)が、累積負荷時間に加算される。更に、次の被検者の足圧分布が計測されると、負荷時間(LT3)が算出され、当該算出された負荷時間(LT3)が、累積負荷時間に加算される。
このようにして求められた累積負荷時間が、閾値を超えると、交換タイミング算出部212では、ユーザに、足圧分布検出センサ部113の交換タイミングであることを報知する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る荷重分布計測システム100では、足圧分布の計測時に、あわせて荷重値を算出し、当該算出した荷重値に基づいて被検者が足圧分布検出センサ部113に乗ってから降りるまでの間の時間を負荷時間として算出する構成とした。つまり、負荷時間を算出することにより、被検者が足圧分布検出センサ部113に1回乗り降りすることで足圧分布検出センサ部113がうける負荷を定量化する構成とした。
更に、算出した負荷時間を加算し、累積負荷時間を求めることで、足圧分布検出センサ部113が寿命に達したか否かを判断し、寿命に達したと判断した場合に、ユーザに、足圧分布検出センサ部113の交換を促すメッセージを表示する構成とした。
この結果、ユーザは、足圧分布検出センサ部113の適切な交換タイミングを認識することが可能となり、足圧分布検出センサ部113の故障を未然に防ぐことができるようになった。
[第6の実施形態]
上記第5の実施形態では、荷重分布計測システム100を足圧分布の計測に特化して適用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、座圧分布の計測や体圧分布の計測に特化して適用する場合においても、同様である。
また、上記第5の実施形態では、足圧分布の計測に際して、被検者が足圧分布検出センサ部113に1回乗り降りする時間を負荷時間として算出する構成としたが、本発明はこれに限定されない。
例えば、足圧分布の計測に際して、被検者が足圧分布検出センサ部113に乗ってから降りるまでの時間が、所定時間以上継続した回数を負荷回数として算出するように構成してもよい。足圧分布の計測にかかる時間が、被検者によらず、概ね一定であると仮定できる場合には、足圧分布検出センサ部113が受ける負荷は、負荷回数に依存するからである。なお、この場合、交換タイミング評価用データ214として、累積負荷回数が用いられることとなる。
[第7の実施形態]
上記第1乃至第6の実施形態では、情報処理装置120に交換タイミング算出部212を設ける構成としたが本発明はこれに限定されず、交換タイミング算出部212は、センサ装置110内に設けるように構成してもよい。
100:荷重分布計測システム、110:センサ装置、111:ベース部、112:スロープ部、113:足圧分布検出センサ部、120:情報処理装置、130:ケーブル

Claims (10)

  1. 複数の感圧素子が配列されたセンサ部を有する荷重分布計測システムであって、
    前記複数の感圧素子からの出力に基づいて、前記センサ部上の被検者の荷重分布を計測し、表示する荷重分布計測手段と、
    前記複数の感圧素子からの出力を和算することにより、前記センサ部にかかる荷重の値を算出し、該算出した荷重の値が、所定値以上となる時間を検出することにより、前記センサ部にかかる負荷を定量化する算出手段と、
    前記定量化された負荷を累積することで得られる累積値が、所定の閾値を超えた場合に、前記センサ部の交換タイミングであることを報知する報知手段と
    を備えることを特徴とする荷重分布計測システム。
  2. 前記算出手段は、前記複数の感圧素子からの出力をグループごとに和算することにより、前記センサ部にかかる荷重の値をグループごとに算出し、該算出した荷重の値が、所定値以上となる時間を検出することにより、前記センサ部にかかる負荷をグループごとに定量化し、
    前記報知手段は、前記グループごとに定量化された負荷をそれぞれ累積することで得られるグループごとの累積値のいずれかが、所定の閾値を超えた場合に、前記センサ部の交換タイミングであることを報知することを特徴とする請求項1に記載の荷重分布計測システム。
  3. 前記算出手段は、前記センサ部にかかる荷重の値が、所定値以上となる間、該荷重の値を積分することにより得られる負荷量を算出することで、前記センサ部にかかる負荷を定量化することを特徴とする請求項1に記載の荷重分布計測システム。
  4. 前記算出手段は、前記センサ部にかかる荷重の値が、所定値以上となる負荷時間を算出することで、前記センサ部にかかる負荷を定量化することを特徴とする請求項1に記載の荷重分布計測システム。
  5. 前記算出手段は、前記センサ部にかかる荷重の値が、所定値以上となる時間が、所定時間以上継続した回数である負荷回数を算出することで、前記センサ部にかかる負荷を定量化することを特徴とする請求項1に記載の荷重分布計測システム。
  6. 前記累積値は、前記定量化された負荷に、前記センサ部の使用開始からの経過時間に応じた係数を積算することにより得られる値を累積することで得られることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の荷重分布計測システム。
  7. 前記荷重分布計測手段は、前記センサ部上において被検者が直立した状態における、該被検者の足圧分布を計測し、表示することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の荷重分布計測システム。
  8. 複数の感圧素子が配列されたセンサ部と接続され、該複数の感圧素子からの出力を処理する情報処理装置であって、
    前記複数の感圧素子からの出力に基づいて、前記センサ部上の被検者の荷重分布を計測し、表示する荷重分布計測手段と、
    前記複数の感圧素子からの出力を和算することにより、前記センサ部にかかる荷重の値を算出し、該算出した荷重の値が、所定値以上となる時間を検出することにより、前記センサ部にかかる負荷を定量化する算出手段と、
    前記定量化された負荷を累積することで得られる累積値が、所定の閾値を超えた場合に、前記センサ部の交換タイミングであることを報知する報知手段と
    を備えることを特徴とする情報処理装置。
  9. 複数の感圧素子が配列されたセンサ部と接続され、該複数の感圧素子からの出力を処理する情報処理装置における情報処理方法であって、
    前記複数の感圧素子からの出力に基づいて、前記センサ部上の被検者の荷重分布を計測し、表示する荷重分布計測工程と、
    前記複数の感圧素子からの出力を和算することにより、前記センサ部にかかる荷重の値を算出し、該算出した荷重の値が、所定値以上となる時間を検出することにより、前記センサ部にかかる負荷を定量化する算出工程と、
    前記定量化された負荷を累積することで得られる累積値が、所定の閾値を超えた場合に、前記センサ部の交換タイミングであることを報知する報知工程と
    を備えることを特徴とする情報処理方法。
  10. 請求項9に記載の情報処理方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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