JP2014001748A - ストローク形リニアボールベアリング - Google Patents

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Abstract

【課題】ボール乗り上げの起こらない保持器が組み込まれたストローク形リニアボールベアリングにおいて、保持器の位置ずれ防止性を向上させる。
【解決手段】環状部6の外周面又は内周面に外径縮小面14又は内径拡大面17を形成したことにより、保持器2がポケットすきま分だけ傾いてもボール3による保持器2の案内を維持できるようにして、レース案内方式よりも引き摺りトルクを低減させた。また、保持器2を合成樹脂製、ボール3をセラミックス製にすることで保持器2及びボール3の総重量の軽減を図った。また、ボール3に内部予圧を与えた。
【選択図】図1

Description

この発明は、ストローク形リニアボールベアリングに関する。
ストローク形リニアボールベアリングは、数個よりなるボール列を円周に3以上組み込んだ保持器が外筒内を円周及びアキシアル方向に運動できる構造をもち、軸上を回転運動と有限の往復運動ができる軸受である。保持器は、外筒に装着された止め輪により抜け止めされている。この抜け止めは、保持器、外筒、及びボールをユニットとして一体に取り扱えるようにする目的に限られており、止め輪自体に大きな軸方向負荷を許容できる様な機能はない。このため、軸受運転中、保持器が止め輪に衝突して大きな負荷がかからないよう、繰り返し往復運動を行っても保持器が所定の位置(通常は軸受幅中央)からずれないようにすべきものである。このため、ストローク形リニアボールベアリングは、軸方向の往復運動が高速の場合の使用は不向きとされている。
一般に、ストローク形リニアボールベアリングには、図5に示すように、断面略U字形の鋼製の保持器50(例えば特許文献1)、又は図6に示すように長方形断面をもった保持器60(例えば特許文献2)が利用されている。保持器60の材料は、軟質金属、軽合金又は合成樹脂とされている。
図5に示す保持器50は、鋼板をプレス成型した後にポケットを打ち抜き、その後に熱処理を行ったものとなっている。この製法は量産性を考慮したためだが、薄肉鋼板を使用するため、高速条件下では保持器50の変形が生じ、両環状部51,51間をポケットに仕切る柱部52にボール53が乗り上げることがある。なお、この乗り上げ現象は、慣性力が影響する、回転運動時よりも高速往復運動時の方が発生し易い。
一方、図6に示す保持器60は、厚肉のため、十分な剛性を有し、またボール61が厚肉の柱部62に乗り上げることもない。
特開平6−307455号公報(図8,図9等) 特開2008−38967号公報(図3〜図5等)
しかしながら、保持器60は、鋼板製保持器と比して、厚肉であるが故に重量が大きく、慣性力の大きくなる高速往復運動下ではボール61と軌道面63がスリップし易く、保持器60が所定の位置からずれ易い。さらに、保持器60が外筒64に案内される、いわゆるレース案内保持器となっているために引き摺りトルクが大きく、高速発進時の追従性が悪くなり、これによる保持器60の位置ずれ発生も懸念される。なお、これらの位置ずれ現象は、特に極軽負荷時でボール61が滑り易い条件下でより顕著化する。保持器60の位置ずれで止め輪65に衝突すると、止め輪65や保持器60の破損原因になり得る。また、ボール61が滑ると、軌道面63を傷つける原因になり、好ましくない。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、ボールが乗り上げることのない保持器を採用したストローク形リニアボールベアリングにおいて、保持器の位置ずれ防止性を向上させることである。
上記の課題を達成するため、この発明は、ボールが乗り上げることのない保持器を採用したストローク形リニアボールベアリングにおいて、保持器をボールによって案内し、保持器の環状部の外周面端部又は内周面端部を、保持器がポケットすきま分だけ傾いても当該環状部の外周面と外筒間又は当該環状部の内周面と軸間に径方向すきまを残すための外径縮小面又は内径拡大面にしたものである。
すなわち、保持器を転動体案内にすれば、レース案内保持器よりも引き摺りトルクを低減し、往復運動の発進時に保持器の追従性を向上させることができる。しかし、転動体案内方式にすると、構造上、両側の環状部を他部材に接触させて保持器の傾きを規制することができない。保持器の各ポケットには、ボールが保持器に対して限定範囲内で自由に動くことを許すためのポケットすきまを与えるので、往復運動の運動方向が切り替わる際、慣性力の影響で保持器は、ポケットすきま分だけ自由に傾き得る。この傾き時、環状部の外周面端部又は内周面端部は、外筒の内周又は軸の外周に対して最も径方向に接近する保持器部分となる。したがって、保持器がポケットすきま分だけ傾いても当該環状部の外周面と外筒間又は当該環状部の内周面と軸間に径方向すきまが残るように、環状部の外周面端部を保持器外径よりも径寸の小さい外径縮小面とし、又は環状部の内周面端部を保持器内径よりも径寸の大きい内径拡大面としておけば、往復運動の切替え時における保持器外周と外筒内周の径方向接触、又は保持器内周と軸外周の径方向接触が生じることはない。すなわち、往復運動の切替え時でも、レース案内に比して引き摺りトルクの低い転動体案内の状態を保てるので、発進時の追従性が向上し、これにより、保持器の位置ずれ防止性を向上させることができる。
保持器の材料を合成樹脂とし、ボールの材料をセラミックスとすれば、往復運動の切り替わり時、保持器に作用する慣性力が小さくなり、ボールと軌道面のスリップを抑制し、保持器の位置ずれ防止性を向上させることができる。特に、保持器の径方向断面厚さをボールの直径の70%以下にすると、同等の基本定格荷重をもつ同等サイズの鋼製、軟質金属製又は軽合金製の保持器と鋼製ボールの総重量に対して、50%以下の総重量にすることができる。
保持器の材料を合成樹脂とし、ボールの材料をセラミックスとして慣性力を小さくすると、保持器剛性の要求も緩和されるので、保持器外径を小径化、又は保持器内径を大径化し、保持器、外筒及び軸が同軸にあるとき、保持器の外径と外筒間の最小径方向すきまと、保持器の内径と軸間の最小径方向すきまのうち、一方を他方に対して大きくすることができる。これら最小径方向すきまのうち、比較的大きい側から給油を行うようにすれば、潤滑油がポケットまで入り易くなるので、高速・軽負荷の潤滑油膜が形成され難い使用条件下でも十分な潤滑油量を確保することができる。
また、同軸にある保持器の外径と外筒間の最小径方向すきまと、同軸にある保持器の内径と軸間の最小径方向すきまのうち、比較的小さい側に、前記外径縮小面又は内径拡大面を形成すれば、小さい側となる保持器外径又は内径設定で保持器の径方向断面厚さを可及的に確保しつつ、往復運動の切替え時に小さい側となる保持器外周又は内周と、外筒又は軸との接触が生じないようにすることができる。
保持器のうち、ポケットを形成する円周方向部分は、往復運動の切り替わり時、ボールが衝突する箇所を含む。その円周方向部分を、当該ポケットの円周方向中央を通り、かつ軸受中心軸を含む平面上でボールと軸方向に接触可能で、かつ当該平面から円周方向に離れるに連れて軸方向に保持器幅中央側へ次第に接近する曲面とすれば、ボール衝突時、環状部と柱部を繋ぐ隅R部付近での応力を低減できる。
この発明は、軸受荷重が基本静定格荷重の4%〜10%の範囲内で使用されるストローク形リニアボールベアリングに好適である。この範囲の軸受荷重では、高速往復運動下で使用され易く、また、ボールのスリップも起こり易く、保持器の位置ずれが発生し易い軸受使用条件となるためである。
ラジアルすきまを負すきまとすれば、ボールに内部予圧が与えられるので、極軽負荷の軸受使用条件下でもボールのスリップを防止することができ、また、機械の振動のような外部振動を原因とした保持器の位置ずれを防止することができる。
上述のように、この発明は、両側の環状部間を柱部でポケットに仕切った保持器を備え、前記柱部を、ボールの乗り上げが起こらない形状にしたストローク形リニアボールベアリングにおいて、前記保持器を前記ボールによって案内し、前記環状部の外周面端部又は内周面端部を、前記保持器がポケットすきま分だけ傾いても当該環状部の外周面と外筒間又は当該環状部の内周面と軸間に径方向すきまを残すための外径縮小面又は内径拡大面にした構成を採用することにより、往復運動の発進時における保持器の追従性が向上し、ひいては、保持器の位置ずれ防止性を向上させることができる。
(a)は、この発明に係る第一実施形態を示す断面図、(b)は、第一実施形態のポケット形状を示す部分平面図 第一実施形態のポケットを図1(a)と直角の断面で示す部分拡大断面図 第一実施形態に係る保持器が傾いた状態を示す作用図 この発明に係る第二実施形態を示す断面図 従来例の断面図 別の従来例の断面図
この発明の第一実施形態に係るストローク形リニアボールベアリングを添付図面に基づいて説明する。図1(a)に示すように、このストローク形リニアボールベアリングは、外筒1と、保持器2と、ボール3と、止め輪4とからなる。なお、図1(a)は、外筒1、保持器2及び軸10を同軸(軸受中心軸)上に配置した設計上の位置関係を現している。なお、この発明において、「軸方向」とは、軸受中心軸に沿った方向のことをいう。
外筒1は、外方の軌道面5が形成された部材からなる。軌道面5は、円筒面状になっている。なお、この発明において、「円」とは、軸受中心軸回りの円のことをいう。
保持器2は、円周方向に連続する環状部6と、両側の環状部6,6間を複数のポケット7に仕切る柱部8とからなる。環状部6は、円周方向に巡る内外周をもつ。ポケット7は、ボール3を入れる空所として、円周方向等配の3箇所以上に形成されている。各ポケット7には、2個以上のボール3が軸方向に列を成すように入っている。
保持器2に保持されている全てのボール3は、同径のものとなっている。
図1(a)に示す止め輪4は、外筒1の端部に形成された輪溝に、保持器2のストッパとして取り付けられている。
このストローク形リニアボールベアリングには、軸10が取り付けられる。軸10は、内方の軌道面9が形成された部材からなる。この取付けに際し、保持器2が外筒1の中央に位置するように調整される。例えば、図示省略のハウジングに取り付けられた外筒1に軸10を挿入することによって保持器2を片側の止め輪4に押し付け、この状態でストロークの中央位置まで軸10を静かに挿入し、更にストロークの1/2だけ軸10を押し込み、次にストロークの1/2だけ軸10を戻すことによって保持器2は外筒1の中央に、軸10もストロークの中央位置に調整することができる。軸10を取り付けた状態で、保持器2は、外筒1内を円周及びアキシアル方向に運動することができ、このストローク形リニアボールベアリングは、軸10上を回転運動と有限の往復運動をすることができる。軸10のストローク長さは、保持器2が外筒1内で軸方向に移動できる量の二倍に相当する。
図2は、図1(a)のポケット7中における1個のボール3の中心を含み、かつ軸受中心軸に直角な平面上の断面を現している。図2において、ボール3の中心は、ポケット7の円周方向の中央に位置する。この発明において、「径方向」とは、軸受中心軸に直角な半径方向のことをいう。柱部8の断面形状は、そのボール3の中心を含む円周よりも外筒1側に相当に大きく、柱部8のうち、ボール3の落ち止めとなる出張り面11と、他の部分とでは、ボール3との間の円周方向すきまに差が殆どないため、軸受運転中、円周方向に公転するボール3が柱部8に乗り上げることは不可能となっている。
ポケット7の円周方向幅は、ボール3の中心を含む円周上での柱部8,8の円周方向間隔に相当する。図1(b)中に矢線Aの範囲でポケット7の円周方向幅を示した。図1(b)は、図1(a)中の矢線B方向から視たポケット7の外観を現している。また、図1(b)中に、ポケット7の円周方向中央を通り、かつ軸受中心軸を含む平面Sの位置を一点鎖線で描く。この平面Sは、図1(a)における矢線Bを含み、図1(a)中保持器2の下側のポケット7を切断する平面に相当し、図2におけるボール3の中心を含む。図1(a),(b)に示すように、保持器2のうち、ポケット7を形成する円周方向部分12は、ポケット7の円周方向幅に相当した軸受中心軸回りの角度領域でポケット7に面した表面部分からなる。円周方向部分12は、平面S上でボール3と軸方向に接触可能で、かつ平面Sから円周方向に離れるに連れて軸方向に保持器幅Wの中央側へ次第に接近する曲面となっている。例えば、円周方向部分12は、柱部8と隅R部で連なり、矢線Bと同一直線の中心線をもった円筒面状にすることができる。保持器幅Wは、保持器2の軸方向幅の最大値である。このため、往復運動の切り替わり時、ボール3が円周方向部分12に衝突したとき、環状部6と柱部8を繋ぐ隅R部付近での応力を低減することができ、ひいては必要な保持器2の強度を確保することが容易になる。
ボール3が保持器2に対して径方向に自由に動ける最大の長さは、図2のボール3と柱部8,8の位置関係のみで考えてボール3の中心を通る径方向にボール3を自由に動かし得る長さに相当し、図中に示したポケットすきま(δr/2+δr/2)に相当する。
保持器2の外径(すなわち、保持器2に外接する最大の円の直径)は、柱部8に外接する円周上で決まっている。保持器2の内径(すなわち、保持器2に内接する最大の円の直径)は、柱部8に内接する円周上で決まっている。同軸にある保持器2の外径と外筒1間の最小径方向すきまδoは、柱部8と、外筒1の軌道面5との間の径方向すきまで決まっている。同軸にある保持器2の内径と軸10との間の最小径方向すきまδiは、柱部8と、軸10の軌道面9との間の径方向すきまで決まっている。なお、軌道面9は、円筒面状になっている。
ポケットすきま(δr/2+δr/2)の大きさは、最小径方向すきまδoよりも小さく、かつ最小径方向すきまδiよりも小さい。δo,δiのそれぞれは、δr/2よりも大きい。したがって、保持器2が軸受中心軸から偏心しようとすると、保持器2の外径又は内径が外筒1又は軸10と接触する前に、ボール3とポケット7の接触が生じ、保持器2の偏心量が決まり、保持器2はボール3によって径方向に案内される。すなわち、保持器2は、転動体案内を前提とした保持器となっている。
図1(a)に示す環状部6の外周面は、図示の断面形状で円周方向に亘っている。環状部6の外周面は、柱部8に連なる円筒面部13と、保持器2の幅を決める同環状部6の側面Wに連なる外周面端部14とからなる。円筒面部13は、保持器2の外径と同径になっている。外周面端部14は、前記の保持器幅Wを決める側面へ軸方向に接近するに連れて環状部6の外周面の径寸が次第に保持器2の外径から小さくなる外径縮小面に形成されている。
ポケット7がボール3列に対して円周方向、径方向及び軸方向にポケットすきまをもつため、このストローク形リニアボールベアリングが軸10に対して往復運動する運動方向の切り替わり時、保持器2がポケットすきまで許された分、軸方向に対して傾く。この分傾いた状態の保持器2を図3に示す。同図中に外筒の軌道面5,軸の軌道面9を一点鎖線で描く。また、同図中左下側の環状部6の断面付近に描いた二点鎖線は、環状部の外周面全体を保持器外径と同径に変更した仮想外形を示している。これら一点鎖線と、二点鎖線と、実線の外周面端部14との関係から明らかなように、仮に二点鎖線の環状部だと、環状部の外周面が軌道面5と接触してしまう。実線の環状部6のように、外周面端部14が外径縮小面に形成されたことによって、軸10のストローク範囲内では、保持器2がポケットすきま分だけ傾いても、環状部6の外周面と軌道面5間に径方向すきまδが残るようになっている。一方、環状部6の内周面は、実質的に保持器幅全体で円筒面状になっているが、保持器2がポケットすきま分だけ傾いても軌道面9と接触しない。
したがって、このストローク形リニアボールベアリングは、ボール3の柱部8への乗り上げを無くすため、図2に示すように、保持器2の外径と軌道面5間の最小径方向すきまδoを狭くしたものであるが、図1(a),図2,図3に示すように、軸受運転中、往復運動の切替り時に保持器2がポケットすきま分だけ傾いたとき、最小径方向すきまδoよりも小さいながらも径方向すきまδが残り、保持器2と外筒1,軸10の径方向接触が生じないため、ボール3によって保持器2が径方向に案内される状態を保つことができる。この転動体案内の採用により、図3中の二点鎖線の仮想環状部を用いたレース案内保持器と比して、軸受運転中の保持器2の引き摺りトルクが小さくなる。したがって、このストローク形リニアボールベアリングは、軸10に対する往復運動の発進時における保持器2の追従性が向上し、この分、軸10,外筒1に対する保持器2の軸方向の位置ずれ防止性を向上させることができる。
保持器2の材料は、合成樹脂とされている。ボール3の材料は、セラミックスとされている。これにより、往復運動の切り替わり時、保持器2に作用する慣性力が小さくなり、ボール3と軌道面5,9間のスリップを抑制し、保持器2の軸10,外筒1に対する軸方向の位置ずれ防止性を向上させることができる。前記の合成樹脂は、樹脂保持器用として一般的なものを適宜に採用することができる。また、前記のセラミックスは、玉軸受のボール用として一般的なものを適宜に採用することができる。
この発明に使用される合成樹脂は、耐熱性及び耐油性を備えたものが好ましく、例えばポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミドなどを好適に例示できる。特にポリアミド樹脂は入手性がよく、耐熱性や耐油性が高いことに加え、価格が安価なことからも好適である。
ポリアミド樹脂はポリヘキサメチレンアジパミド(6, 6−ナイロン)、ポリヘキサメチレンアゼラミド(6, 9−ナイロン)、ポリヘキサメチレンセバサミド(6, 10−ナイロン)、ポリヘキサメチレンデカミド(6, 12−ナイロン)、ポリテトラメチレンアジパミド(4, 6−ナイロン)、ポリカプロラクタム(6−ナイロン)、ポリラウリンラクタム(12−ナイロン)、ポリ−11−アミノウンデカン(11−ナイロン)、ポリメタキシレンアジパミド(ナイロンMXD−6)などの脂肪族系ポリアミド樹脂、ポリメタフェニレンイソフタラミド、ポリパラフェニレンテレフタラミド、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD−6)などの芳香族ポリアミド樹脂を挙げることができ、これらは単独でまた混合物として使用することができる。
この発明に使用される合成樹脂は、補強材を含むものでもよい。補強材としては、ガラス繊維、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、炭化珪素繊維、窒化硼素繊維、窒化珪素繊維、金属繊維などがある。ここで、ガラス繊維及び炭素繊維は、所望する性能に応じ材料選択の幅が広く、少量の配合でより大きな性能向上が期待できるため好ましく、特にガラス繊維は、安価で入手しやすいことからより好ましい。
補強材の充填量は、合成樹脂40〜95重量%に対して、1〜40重量%、好ましくは5〜35重量%の範囲である。繊維の充填量が1重量%未満の場合、絶対的に補強効果が不足するため、保持器の耐久性を損なう。また、40重量%よりも充填量が多い場合には、成形性が損なわれるため、好ましくない。
図1(a)中に保持器2の径方向断面厚さtを示した。保持器2の径方向断面厚さは、保持器2の外径と内径の差を半分にした厚さである。保持器2の外径と内径が柱部8のところで決まっている径方向断面厚さtは、ボール3の直径の70%以下になっている。上述のように保持器2を樹脂保持器とし、ボール3をセラミックス製としたことと相俟って、保持器2の径方向断面厚さtをボール3の乗り上げが起こらない範囲でボール3の直径の70%以下にすることにより、保持器2とボール3の総重量を、同等の基本定格荷重をもつ同等サイズの鋼製、軟質金属製又は軽合金製の保持器と鋼製ボールの総重量に対して50%以下の目方とし、高速往復運動の使用条件下に適した慣性力の低減を図ることができる。
このストローク形リニアボールベアリングは、軸受荷重が基本静定格荷重:Corの4%〜10%の範囲内で使用する場合に好適である。基本静定格荷重:Corは、日本工業規格(JIS B1519:2009)に規定のものをいう。この範囲の軸受荷重では、高速往復運動下で使用され易く、また、ボール3と軌道面5,9間のスリップも起こり易く、保持器2の軸10,外筒1に対する軸方向の位置ずれが発生し易い軸受使用条件となるためである。
軌道面5,9は、負のラジアルすきまを成すように形成されている。ここで、ラジアルすきまは、日本工業規格JIS B104:1991の用語「ラジアル内部すきま」として定義のものをいい、負とは、ボール3の直径よりも小さい値になっていることをいう。軸10を取り付けて軌道面9と図中実線の軌道面5間に全てのボール3が介在すると、各ボール3に所定の内部予圧が与えられた状態となる。この内部予圧により、極軽負荷の軸受使用条件下でボール3と軌道面5,9間のスリップを防止することができ、また、機械の振動のような外部振動を原因とした保持器2の位置ずれを防止することができる。なお、有効すきまを負とする。
この発明の第二実施形態を図4に示す。なお、以下では、第一実施形態との相違点を述べ、共通の構成要素について、説明を省略し、同符合を用いる。図4に示す保持器2の外径は小径化され、最小径方向すきまδoが大きくなっている。保持器2の径方向断面厚さは、保持器2の内径も小径化することで同程度に確保されている。この影響で、最小径方向すきまδiが小さくなっている。その結果、最小径方向すきまδo>δiとなっている。
これら最小径方向すきまδoとδiのうち、比較的大きい径方向すきまδo側から給油を行うため、外筒1を径方向に貫通する給油穴15が形成されている。軸10の内部を通して給油する場合と比して、速やかに大きい方の径方向すきまδoへ潤滑油が入り、ポケット7に至り易いため、高速・軽負荷の潤滑油膜が形成され難い使用条件下でも十分な潤滑油量を確保することができる。
これら最小径方向すきまδoとδiのうち、比較的大きい最小径方向すきまδo側に位置する環状部6の外周面は、実質的に保持器幅全体で円筒面状となっているが、第一実施形態よりも最小径方向すきまδoが大きくなった結果、保持器2がポケットすきま分だけ傾いても、環状部6の外周面が外筒1と接触することは発生しなくなっている。
一方、環状部6の内周面は、図示の断面形状で円周方向に亘っており、柱部8に連なる円筒面部16と、保持器2の幅を決める同環状部6の側面に連なる内周面端部17とからなる。円筒面部16は、保持器2の内径と同径になっている。内周面端部17は、保持器幅を決める同環状部6の側面へ軸方向に接近するに連れて環状部6の内周面の径寸が次第に保持器2の内径から大きくなる内径拡大面に形成されている。径方向すきまδoとδiのうち、比較的小さい径方向すきまδi側に、内径拡大面にした内周面端部17が形成されているため、第一実施形態の場合と同様、保持器2がポケットすきま分だけ傾いても、環状部6の内周面と軸10の間に径方向すきまが残り、転動体案内の状態を保つことができる。
このように第二実施形態は、良好な給油性と、保持器2の径方向厚さの確保と、往復運動の切替え時における転動体案内の維持とを実現することができる。この発明の技術的範囲は、上述の各実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載に基く技術的思想の範囲内での全ての変更を含むものである。例えば、第二実施形態においては、径方向すきまδoとδiの大小関係を第二実施形態と逆に設定し、軸10側から給油することもできる。
1 外筒
2 保持器
3 ボール
4 止め輪
5 軌道面
6 環状部
7 ポケット
8 柱部
9 軌道面
10 軸
11 出張り面
12 円周方向部分
13 円筒面部
14 外周面端部
15 給油穴
16 円筒面部
17 内周面端部

Claims (7)

  1. 両側の環状部(6,6)間を柱部(8)でポケット(7)に仕切った保持器(2)を備え、前記柱部(8)を、ボール(3)の乗り上げが起こらない形状にしたストローク形リニアボールベアリングにおいて、
    前記保持器(2)を前記ボール(3)によって案内し、
    前記環状部(6)の外周面端部(14)又は内周面端部(17)を、前記保持器(2)がポケットすきま分だけ傾いても当該環状部(6)の外周面と外筒(1)間又は当該環状部(2)の内周面と軸(10)間に径方向すきま(δ)を残すための外径縮小面又は内径拡大面にしたことを特徴とするストローク形リニアボールベアリング。
  2. 前記保持器(2)の材料を合成樹脂とし、前記ボール(3)の材料をセラミックスとし、前記保持器(2)の径方向断面厚さ(t)を前記ボール(3)の直径(d)の70%以下にした請求項1に記載のストローク形リニアボールベアリング。
  3. 前記保持器(2)の材料を合成樹脂とし、前記ボール(3)の材料をセラミックスとし、
    同軸にある前記保持器(2)の外径と外筒(1)間の最小径方向すきま(δo)と、同軸にある前記保持器(2)の内径と軸(10)間の最小径方向すきま(δi)のうち、比較的大きい側から給油を行う請求項1又は2に記載のストローク形リニアボールベアリング。
  4. 同軸にある前記保持器(2)の外径と外筒(1)間の最小径方向すきま(δo)と、同軸にある前記保持器(2)の内径と軸(10)間の最小径方向すきま(δi)のうち、比較的小さい側に、前記外径縮小面又は内径拡大面を形成した請求項3に記載のストローク形リニアボールベアリング。
  5. 前記保持器(2)のうち、前記ポケット(7)を形成する円周方向部分(12)を、当該ポケット(7)の円周方向中央を通り、かつ軸受中心軸を含む平面(S)上で前記ボール(3)と軸方向に接触可能で、かつ当該平面(S)から円周方向に離れるに連れて軸方向に保持器幅(W)中央側へ次第に接近する曲面とした請求項1から4のいずれか1項に記載のストローク形リニアボールベアリング。
  6. 軸受荷重が基本静定格荷重の4%〜10%の範囲内で使用される請求項1から5のいずれか1項に記載のストローク形リニアボールベアリング。
  7. ラジアルすきまを負すきまとした請求項1から6のいずれか1項に記載のストローク形リニアボールベアリング。
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