JP2014001283A - インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 Download PDF

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邦昭 藤本
Jun Yoshizawa
純 吉澤
Hideki Yamagami
英樹 山上
Yukako Tamanuki
有歌子 玉貫
Satoru Iwata
哲 岩田
Otome Yamashita
乙女 山下
Ryosuke Nagao
亮佑 長尾
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Abstract

【課題】耐オゾン性及び耐光性に優れた画像を記録可能であるとともに、粘度上昇が抑制され、吐出安定性に優れたインクを提供する。
【解決手段】色材を含有するインクジェット用のインクである。色材が、下記一般式(I)で表される化合物であり、さらに、下記一般式(II)で表される化合物を含有する。
Figure 2014001283

【選択図】なし

Description

本発明は、インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、インク小滴を普通紙などの記録媒体に付与して画像を形成する記録方法であり、その低価格化、記録速度の向上により、急速に普及が進んでいる。一方、インクジェット記録方法の問題点として、得られた記録物の画像保存性に劣ることが挙げられる。一般に、インクジェット記録方法で得られた記録物は、銀塩写真と比較してその画像保存性が低い。特に、記録物が、光、湿度、熱、空気中に存在するオゾンガスなどの環境ガスに長時間さらされた際に、記録物の色材が劣化し、画像の色調変化や褪色が発生しやすいといった問題がある。
ブラックの色相を有するインクを用いて記録した画像の褪色は、色材の劣化による色調の変化を伴うことが多い。このような問題に対して、耐オゾン性及び耐光性に優れた構造を有する色材を含有するインクを用いることで、画像の耐オゾン性及び耐光性を向上させることに関する種々の提案がなされている。例えば、ポリアゾ化合物を使用したインクに関する提案がある(特許文献1参照)。
また、記録物の耐光性及び耐オゾン性などを向上させることを目的として、カルボキシ基を有する特定の添加剤をインクに含有させることに関する提案がある(特許文献2参照)。
特開2008−169374号公報 特開2005−105108号公報
しかし、上記特許文献1及び2で提案されたいずれのインクも、画像の耐光性と耐オゾン性を向上させる効果はある程度認められるものの、依然として不十分であった。そこで、本発明者らが検討した結果、特定の構造を有する化合物を色材として用い、さらに、特定の添加剤をインクに含有させることで、記録される画像の耐光性及び耐オゾン性が向上することを見出した。しかし、インク中に所定以上の量の添加剤を含有させるとインクの粘度が上昇してしまい、インクの吐出安定性が不十分となる場合があることが判明した。
したがって、本発明の目的は、耐オゾン性及び耐光性に優れた画像を記録可能であるとともに、粘度上昇が抑制され、吐出安定性に優れたインクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、色材を含有するインクジェット用のインクであって、前記色材が、下記一般式(I)で表される化合物であり、さらに、下記一般式(II)で表される化合物を含有し、インク全質量を基準とした、前記一般式(II)で表される化合物の含有量(質量%)が、前記一般式(I)で表される化合物の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.01倍以上0.03倍以下であることを特徴とするインクが提供される。
Figure 2014001283
(前記一般式(I)中、R1は、炭素数1乃至4のアルキル基;カルボキシ基で置換された炭素数1乃至4のアルキル基;フェニル基;スルホン酸基で置換されたフェニル基;又はカルボキシ基を表し、R2は、シアノ基;カルバモイル基;又はカルボキシ基を表し、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子;炭素数1乃至4のアルキル基;ハロゲン原子;炭素数1乃至4のアルコキシ基;又はスルホン酸基を表し、R5及びR7は、それぞれ独立に、炭素数1乃至4のアルキルチオ基;又はヒドロキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルキルチオ基を表し、R6及びR8は、それぞれ独立に、炭素数1乃至4のアルキルカルボニルアミノ基を表し、R9及びR10は、それぞれ独立に、水素原子;カルボキシ基;スルホン酸基;アセチルアミノ基;塩素原子;炭素数1乃至4のアルキル基;炭素数1乃至4のアルコキシ基;又はヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルコキシ基を表し、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子;カルボキシ基;スルホン酸基;ヒドロキシ基;アセチルアミノ基;塩素原子;シアノ基;ニトロ基;スルファモイル基;炭素数1乃至4のアルキル基;炭素数1乃至4のアルコキシ基;ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルコキシ基;炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基;又はヒドロキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基を表す)
Figure 2014001283
(前記一般式(II)中、R14、R16、R20及びR22は、それぞれ独立に、炭素数1乃至4のアルキルチオ基;又はヒドロキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルキルチオ基を表し、R15、R17、R21及びR23は、アミノ基を表し、R18及びR19は、それぞれ独立に、水素原子;カルボキシ基;スルホン酸基;ヒドロキシ基;アセチルアミノ基;塩素原子;シアノ基;ニトロ基;スルファモイル基;炭素数1乃至4のアルキル基;炭素数1乃至4のアルコキシ基;ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルコキシ基;炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基;又はヒドロキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基を表す)
本発明によれば、耐オゾン性及び耐光性に優れた画像を記録可能であるとともに、粘度上昇が抑制され、吐出安定性に優れたインクを提供することができる。また、本発明によれば、このインクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することができる。
本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。なお、本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用のインクのことを、単に「インク」と記載することがある。
本発明者らが検討した結果、色材である一般式(I)で表される化合物と、添加剤である一般式(II)で表される化合物とを含有させることで、耐光性と耐オゾン性が向上した画像を記録可能なインクが得られることを見出した。しかし、所定以上の量の添加剤をインクに含有させると、インクの粘度が過度に上昇してしまい、インクジェット方式の記録ヘッドからインクを吐出させる際に吐出安定性が不十分となる場合があることが判明した。そこで、本発明者らがさらに検討した結果、一般式(II)で表される化合物の含有量を、一般式(I)で表される化合物の含有量に対する割合で所定の範囲内とすれば、粘度上昇を抑制できるとともに、画像の耐光性及び耐オゾン性を向上させうることを見出した。
一般式(I)で表される化合物と、一般式(II)で表される化合物とを含有するインクが記録媒体に付与された場合を想定する。この場合、一般式(II)で表される化合物のアミノ基の水素原子と、一般式(I)で表される化合物のスルホン酸基やカルボキシ基中の酸素原子の孤立電子対との間で分子間水素結合が形成される。そして、記録媒体の表面やその近傍で凝集体が形成されることで、画像の耐光性及び耐オゾン性の向上に寄与していると推測される。
また、本発明においては、インク全質量を基準とした、一般式(II)で表される化合物の含有量(質量%)が、一般式(I)で表される化合物の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.01倍以上0.03倍以下であることを要する。「一般式(II)で表される化合物の含有量(質量%)/一般式(I)で表される化合物の含有量(質量%)」の値が0.01未満であると、分子内水素結合による凝集体の形成が不十分となり、画像の耐光性及び耐オゾン性が向上しない。一方、「一般式(II)で表される化合物の含有量(質量%)/一般式(I)で表される化合物の含有量(質量%)」の値が0.03を超えると、凝集体の形成が著しく促進されてしまう。このため、インクの粘度が過度に上昇してしまい、インクの吐出安定性が不十分となる。
<インク>
以下、本発明のインクを構成する各成分について詳細に説明する。
(一般式(I)で表される化合物)
本発明のインクは、下記一般式(I)で表される化合物を色材として含有することを要する。
Figure 2014001283
前記一般式(I)中、R1は、炭素数1乃至4のアルキル基;カルボキシ基で置換された炭素数1乃至4のアルキル基;フェニル基;スルホン酸基で置換されたフェニル基;又はカルボキシ基を表す。R2は、シアノ基;カルバモイル基;又はカルボキシ基を表す。R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子;炭素数1乃至4のアルキル基;ハロゲン原子;炭素数1乃至4のアルコキシ基;又はスルホン酸基を表す。R5及びR7は、それぞれ独立に、炭素数1乃至4のアルキルチオ基;又はヒドロキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルキルチオ基を表す。R6及びR8は、それぞれ独立に、炭素数1乃至4のアルキルカルボニルアミノ基を表す。R9及びR10は、それぞれ独立に、水素原子;カルボキシ基;スルホン酸基;アセチルアミノ基;ハロゲン原子;炭素数1乃至4のアルキル基;炭素数1乃至4のアルコキシ基;又はヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルコキシ基を表す。R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子;カルボキシ基;スルホン酸基;ヒドロキシ基;アセチルアミノ基;ハロゲン原子;シアノ基;ニトロ基;スルファモイル基;炭素数1乃至4のアルキル基;炭素数1乃至4のアルコキシ基;ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルコキシ基;炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基;又はヒドロキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基を表す。
一般式(I)で表される化合物には互変異性体が存在する。互変異性体としては、一般式(I)で表される化合物以外に、下記一般式(III)及び(IV)などで表される化合物が考えられる。本発明においては、これらの化合物(互変異性体)や塩も一般式(I)で表される化合物に含まれるものとする。なお、一般式(III)及び(IV)中のR1乃至R13は、前記一般式(I)中のR1乃至R13と同義である。
Figure 2014001283
Figure 2014001283
一般式(I)中、R1で表される炭素数1乃至4のアルキル基としては、直鎖又は分岐鎖の無置換アルキル基を挙げることができる。これらのなかでも、直鎖の無置換アルキル基が好ましい。炭素数1乃至4のアルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチルなどの直鎖アルキル基;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの分岐鎖アルキル基などを挙げることができる。これらのなかでも、メチル基、n−プロピル基が好ましく、メチル基がさらに好ましい。
一般式(I)中、R1で表されるカルボキシ基で置換された炭素数1乃至4のアルキル基としては、上記の無置換アルキル基のいずれかの炭素原子にカルボキシ基が置換したものを挙げることができる。カルボキシ基の置換位置は、アルキル基の末端であることが好ましい。また、カルボキシ基の置換数は、1又は2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。カルボキシ基で置換された炭素数1乃至4のアルキル基の具体例としては、カルボキシメチル、2−カルボキシエチルなどを挙げることができる。これらのなかでも、カルボキシメチル基が好ましい。
一般式(I)中、R1で表されるスルホン酸基で置換されたフェニル基としては、1乃至3個、好ましくは1又は2個のスルホン酸基が置換したフェニル基を挙げることができる。スルホン酸基で置換されたフェニル基の具体例としては、3−スルホフェニル、4−スルホフェニル、2,4−ジスルホフェニル、3,5−ジスルホフェニルなどを挙げることができる。これらのなかでも、4−スルホフェニル基が好ましい。
一般式(I)中のR1は、炭素数1乃至4のアルキル基、カルボキシ基で置換された炭素数1乃至4のアルキル基、フェニル基、又はスルホン酸基で置換されたフェニル基であることが好ましい。R1は、炭素数1乃至4のアルキル基、フェニル基、又はスルホン酸基で置換されたフェニル基であることがさらに好ましく、炭素数1乃至4のアルキル基、又はフェニル基であることがより好ましい。R1は、炭素数1乃至4のアルキル基であることが特に好ましく、メチル基であることが最も好ましい。
一般式(I)中のR2は、シアノ基又はカルバモイル基であることが好ましく、シアノ基であることがさらに好ましい。
一般式(I)中、R3及びR4で表される炭素数1乃至4のアルキル基としては、前記R1で表される炭素数1乃至4のアルキル基について例示したものと、好ましいものを含めて同様のものを挙げることができる。
一般式(I)中、R3及びR4で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子を挙げることができ、これらのなかでも、塩素原子が好ましい。
一般式(I)中、R3及びR4で表される炭素数1乃至4のアルコキシ基としては、直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基を挙げることができる。これらのなかでも、直鎖のアルコキシ基が好ましい。アルコキシ基は置換基を有していてもよいが、無置換アルコキシ基が好ましい。炭素数1乃至4のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシなどの直鎖アルコキシ基;イソプロポキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシなどの分岐鎖アルコキシ基などを挙げることができる。これらのなかでも、メトキシ基が特に好ましい。
一般式(I)中のR3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、又はスルホン酸基であることが好ましい。また、R3及びR4の一方が水素原子であり、他方がスルホン酸基である組み合わせがさらに好ましい。R3及びR4の一方が水素原子であり、他方がスルホン酸基である場合において、スルホン酸基の置換位置は、ベンズイミダゾロピロリドン環を構成する、いずれの窒素原子にも隣接しない2つの炭素原子のどちらかであることが好ましい。一般式(I)で表される化合物は、合成の容易さ及びコストの観点から、R3及びR4の置換位置が相違する、少なくとも2種類の位置異性体を含む混合物であってもよい。
一般式(I)中のR1乃至R4の好適な組み合わせは以下に示す通りである。
1:炭素数1乃至4のアルキル基、又はフェニル基(好ましくは炭素数1乃至4のアルキル基、さらに好ましくはメチル基)
2:シアノ基、又はカルバモイル基(好ましくはシアノ基)
3:水素原子、メチル基、又はメトキシ基(好ましくはメトキシ基)
4:スルホン酸基
一般式(I)中、R5及びR7で表される炭素数1乃至4のアルキルチオ基としては、アルキルが直鎖又は分岐鎖の無置換アルキルチオ基を挙げることができる。なかでも直鎖の無置換アルキルチオ基が好ましい。炭素数1乃至4のアルキルチオ基の具体例としては、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、n−ブチルチオなどの直鎖アルキルチオ基;イソプロピルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオなどの分岐鎖アルキルチオ基などを挙げることができる。
一般式(I)中、R5及びR7で表される、特定の置換基で置換された炭素数1乃至4のアルキルチオ基としては、炭素数1乃至4のアルキルチオ基を構成する任意の炭素原子に特定の置換基が結合したものを挙げることができる。特定の置換基は、ヒドロキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基である。置換基の数は、1又は2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。置換基の位置は、アルキルチオ基を構成する硫黄原子が結合する炭素原子以外の炭素原子であることが好ましい。特定の置換基で置換された炭素数1乃至4のアルキルチオ基の具体例としては、2−ヒドロキシエチルチオ、2−ヒドロキシプロピルチオ、3−ヒドロキシプロピルチオなどのヒドロキシアルキルチオ基;2−スルホエチルチオ、3−スルホプロピルチオなどのスルホアルキルチオ基;2−カルボキシエチルチオ、3−カルボキシプロピルチオ、4−カルボキシブチルチオなどのカルボキシアルキルチオ基を挙げることができる。
一般式(I)中のR5及びR7は、それぞれ独立に、スルホアルキルチオ基又はカルボキシアルキルチオ基であることが好ましく、スルホアルキルチオ基であることがさらに好ましく、スルホプロピルチオ基であることが特に好ましい。
一般式(I)中、R6及びR8で表される炭素数1乃至4のアルキルカルボニルアミノ基としては、アルキルが直鎖又は分岐鎖のアルキルカルボニルアミノ基を挙げることができる。これらのなかでも、直鎖のアルキルカルボニルアミノ基が好ましい。アルキルカルボニルアミノ基は置換基を有していてもよいが、無置換アルキルカルボニルアミノ基が好ましい。炭素数1乃至4のアルキルカルボニルアミノ基の具体例としては、アセチルアミノ(メチルカルボニルアミノ)、プロピオニルアミノ(エチルカルボニルアミノ)、n−プロピルカルボニルアミノ、n−ブチルカルボニルアミノなどの直鎖の無置換アルキルカルボニルアミノ基;イソプロピルカルボニルアミノ、イソブチルカルボニルアミノ、sec−ブチルカルボニルアミノ、ピバロイルアミノ(tert−ブチルカルボニルアミノ)などの分岐鎖の無置換アルキルカルボニルアミノ基を挙げることができる。これらのなかでも、直鎖の無置換アルキルカルボニルアミノ基が好ましく、アセチルアミノ基がさらに好ましい。
一般式(I)中のR5とR6の組み合わせとしては、R5が炭素数1乃至4のスルホアルキルチオ基であるとともに、R6がアセチルアミノ基であることが好ましい。また、R5がスルホプロピルチオ基であるとともに、R6がアセチルアミノ基であることがさらに好ましい。
一般式(I)中のR7とR8の組み合わせとしては、R7が炭素数1乃至4のスルホアルキルチオ基であるとともに、R8がアセチルアミノ基であることが好ましい。また、R7がスルホプロピルチオ基であるとともに、R8がアセチルアミノ基であることがさらに好ましい。
一般式(I)中、R9及びR10で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子を挙げることができ、これらのなかでも、塩素原子が好ましい。
一般式(I)中、R9及びR10で表される炭素数1乃至4のアルキル基としては、前記R1で表される炭素数1乃至4のアルキル基について例示したものと、好ましいものを含めて同様のものを挙げることができる。
一般式(I)中、R9及びR10で表される炭素数1乃至4のアルコキシ基としては、前記R3及びR4で表される炭素数1乃至4のアルコキシ基について例示したものと、好ましいものを含めて同様のものを挙げることができる。
一般式(I)中、R9及びR10で表される、特定の置換基で置換された炭素数1乃至4のアルコキシ基としては、炭素数1乃至4のアルコキシ基を構成する任意の炭素原子に特定の置換基が結合したものを挙げることができる。特定の置換基は、ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基である。置換基の数は、1又は2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。置換基の位置は、アルコキシ基を構成する酸素原子が結合する炭素原子以外の炭素原子であることが好ましい。特定の置換基で置換された炭素数1乃至4のアルコキシ基の具体例としては、2−ヒドロキシエトキシ、2−ヒドロキシプロポキシ、3−ヒドロキシプロポキシなどのヒドロキシアルコキシ基;2−スルホエトキシ、3−スルホプロポキシ、4−スルホブトキシなどのスルホアルコキシ基;2−カルボキシエトキシ、3−カルボキシプロポキシ、4−カルボキシブトキシなどのカルボキシアルコキシ基を挙げることができる。
9は、スルホアルコキシ基又はカルボキシアルコキシ基であることが好ましく、スルホアルコキシ基であることがさらに好ましく、スルホプロポキシ基又はスルホブトキシ基であることが特に好ましい。また、R10は、アルキル基、アルコキシ基、スルホアルコキシ基、カルボキシアルコキシ基、又はアセチルアミノ基であることが好ましく、アルキル基であることがさらに好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
一般式(I)中のR9とR10の組み合わせとしては、R9がスルホアルコキシ基であるとともに、R10がアルキル基であることが好ましい。また、R9がスルホプロポキシ基(特に3−スルホプロポキシ基)又はスルホブトキシ基(特に4−スルホブトキシ基)であるとともに、R10がメチル基であることがさらに好ましい。
一般式(I)中、R11、R12及びR13で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子を挙げることができ、これらのなかでも、塩素原子が好ましい。
一般式(I)中、R11、R12及びR13で表される炭素数1乃至4のアルキル基としては、前記R1で表される炭素数1乃至4のアルキル基について例示したものと、好ましいものを含めて同様のものを挙げることができる。
一般式(I)中、R11、R12及びR13で表される炭素数1乃至4のアルコキシ基としては、前記R3及びR4で表される炭素数1乃至4のアルコキシ基について例示したものと、好ましいものを含めて同様のものを挙げることができる。
一般式(I)中、R11、R12及びR13で表される、特定の置換基で置換された炭素数1乃至4のアルコキシ基としては、前記R9及びR10で表される、特定の置換基で置換された炭素数1乃至4のアルコキシ基について例示したものと同様のものを挙げることができる。また、特定の置換基で置換された炭素数1乃至4のアルコキシ基の好ましい例も、前記R9及びR10において例示したものと同様である。なお、特定の置換基は、ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基である。
一般式(I)中、R11、R12及びR13で表される炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基としては、直鎖又は分岐鎖の無置換アルキルスルホニル基を挙げることができる。これらのなかでも、直鎖の無置換アルキルスルホニル基が好ましい。炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基の具体例としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、n−ブチルスルホニルなどの直鎖のアルキルスルホニル基;イソプロピルスルホニル、イソブチルスルホニルなどの分岐鎖のアルキルスルホニル基を挙げることができる。これらのなかでも、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、又はイソプロピルスルホニル基が好ましく、メチルスルホニル基がさらに好ましい。
一般式(I)中、R11、R12及びR13で表される、特定の置換基で置換された炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基としては、前記炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基を構成する任意の炭素原子に特定の置換基が結合したものを挙げることができる。特定の置換基は、ヒドロキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基である。置換基の数は、1又は2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。特定の置換基で置換された炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基の具体例としては、ヒドロキシエチルスルホニル、2−ヒドロキシプロピルスルホニル、2−スルホエチルスルホニル、3−スルホプロピルスルホニル、2−カルボキシエチルスルホニル、3−カルボキシプロピルスルホニルなどを挙げることができる。
11は、水素原子、カルボキシ基、スルホン酸基、塩素原子、ニトロ基、メチル基、メトキシ基、又は炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基であることが好ましい。また、水素原子;電子吸引性基である、カルボキシ基、スルホン酸基、塩素原子、ニトロ基、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基;メチル基;又はメトキシ基であることがさらに好ましく、水素原子又は塩素原子であることが特に好ましい。
12は、水素原子、カルボキシ基、スルホン酸基、塩素原子、ニトロ基、スルファモイル基、メチル基、メトキシ基、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基、カルボキシアルキルスルホニル基(アルキルの炭素数は1乃至4)、炭素数1乃至4のスルホアルキルスルホニル基(アルキルの炭素数は1乃至4)であることが好ましい。また、水素原子;電子吸引性基である、カルボキシ基、スルホン酸基、塩素原子、ニトロ基、スルファモイル基、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基、カルボキシアルキルスルホニル基(アルキルの炭素数は1乃至4)、炭素数1乃至4のスルホアルキルスルホニル基(アルキルの炭素数は1乃至4);メチル基;又はメトキシ基であることがさらに好ましく、スルホン酸基、ニトロ基、スルファモイル基、メチル基、メトキシ基、スルホプロピルスルホニル基、又はカルボキシエチルスルホニル基であることが特に好ましく、スルホン酸基が最も好ましい。
13は、水素原子、カルボキシ基、スルホン酸基、メトキシ基、塩素原子、ニトロ基、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基であることが好ましい。また、水素原子;電子吸引性基である、カルボキシ基、スルホン酸基、塩素原子、ニトロ基、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基;又はメトキシ基であることがさらに好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
一般式(I)中のR11、R12及びR13の好適な組み合わせは以下に示す(a)、(b)及び(c)である。これらのなかでも、(c)の組み合わせが特に好ましい。
(a)R11が水素原子、R12がスルホン酸基、R13が水素原子の組み合わせ
(b)R11が水素原子、R12がスルファモイル基、R13が水素原子の組み合わせ
(c)R11が水素原子、R12が塩素原子、R13がスルホン酸基の組み合わせ
一般式(I)で表される化合物のなかでも、下記一般式(V)で表される化合物が好ましい。
Figure 2014001283
一般式(V)中のR1乃至R13は、一般式(I)中のR1乃至R13と同義であり、好ましい基及びその組み合わせも一般式(I)の場合と同じである。また、一般式(V)中のR11、R12及びR13が置換したベンゼン環において、アゾ基の置換位置を1位とした場合に、R11の置換位置は2位又は3位、R12の置換位置は4位、R13の置換位置は5位又は6位であることが好ましい。一般式(I)中のR1乃至R13の好適な組み合わせは以下に示す(i)及び(ii)である。(i)の組み合わせよりも(ii)の組み合わせの方がより好ましい。
(i)
1:メチル基
2:シアノ基又はカルバモイル基
3:水素原子、メチル基、又はメトキシ基
4:スルホン酸基
5:炭素数1乃至4のスルホアルキルチオ基
6:炭素数1乃至4のアルキルカルボニルアミノ基
7:炭素数1乃至4のスルホアルキルチオ基
8:アルキルカルボニルアミノ基(アルキルの炭素数は1乃至4)
9:炭素数1乃至4のスルホアルコキシ基
10:炭素数1乃至4のアルキル基又はアセチルアミノ基
11、R12及びR13:それぞれ独立に、水素原子、スルホン酸基、メチル基、メトキシ基、塩素原子、ニトロ基、又はスルファモイル基
(ii)
1:メチル基
2:シアノ基
3:水素原子又はメトキシ基
4:スルホン酸基
5:炭素数1乃至4のスルホアルキルチオ基
6:アセチルアミノ基
7:炭素数1乃至4のスルホアルキルチオ基
8:アセチルアミノ基
9:スルホプロポキシ基又はスルホブトキシ基
10:炭素数1乃至4のアルキル基
11:水素原子又はスルホン酸基
12:スルホン酸基又は塩素原子
13:水素原子又はスルホン酸基
一般式(I)で表される化合物の好適な具体例としては、表1に示す例示化合物1乃至96を挙げることができる。なお、表1においては、下記一般式(V’)の形式で、遊離酸型(H型)として例示化合物を示す。勿論、本発明においては、一般式(I)の構造及びその定義に包含されるものであれば、表1に示す例示化合物に限定されない。本発明においては、表1に示す例示化合物のなかでも、例示化合物1〜12、19及び20が好ましく、例示化合物7〜12、19及び29がさらに好ましく、例示化合物7〜12が特に好ましい。
Figure 2014001283
Figure 2014001283
Figure 2014001283
Figure 2014001283
一般式(I)で表される化合物は、例えば以下に示す方法にしたがって合成することができる。以下、各工程における化合物の構造式は、遊離酸型として表す。なお、下記一般式(1)乃至(8)中のR1乃至R13は、前記一般式(I)中のR1乃至R13と同義である。
下記一般式(1)で表される化合物を常法にしたがってジアゾ化して得られたジアゾ化合物と、下記一般式(2)で表される化合物とを常法にしたがってカップリング反応させ、下記一般式(3)で表される化合物を得る。
Figure 2014001283
Figure 2014001283
Figure 2014001283
前記一般式(3)で表される化合物を常法にしたがってジアゾ化して得られたジアゾ化合物と、下記一般式(4)で表される化合物とを常法にしたがってカップリング反応させ、下記一般式(5)で表される化合物を得る。
Figure 2014001283
Figure 2014001283
前記一般式(5)で表される化合物を常法にしたがってジアゾ化して得られたジアゾ化合物と、下記一般式(6)で表される化合物とを常法にしたがってカップリング反応させ、下記一般式(7)で表される化合物を得る。
Figure 2014001283
Figure 2014001283
前記一般式(7)で表される化合物を常法にしたがってジアゾ化して得られたジアゾ化合物と、下記一般式(8)で表される化合物とを常法にしたがってカップリング反応させれば、前記一般式(I)で表される化合物を得ることができる。
Figure 2014001283
一般式(1)で表される化合物のジアゾ化は、公知の方法で実施される。例えば、無機酸媒質中、−5〜30℃、好ましくは0〜15℃で、亜硝酸塩を用いてジアゾ化される。亜硝酸塩としては、亜硝酸ナトリウムなどのアルカリ金属の亜硝酸塩を用いることができる。一般式(1)で表される化合物のジアゾ化物と、一般式(2)で表される化合物とのカップリング反応も、公知の方法で実施される。例えば、水又は水性有機媒体中、−5〜30℃、好ましくは0〜25℃、酸性から中性のpH値、好ましくはpH1〜6でカップリング反応が実施される。ジアゾ化反応液は酸性である。また、カップリング反応が進行するため、反応液はさらに酸性化する。このため、塩基を添加することで、反応液のpHを好ましい値に調整する。塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;酢酸ナトリウムなどのアルカリ金属の酢酸塩;アンモニア;有機アミンなどを用いることができる。また、一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物とは、ほぼ化学量論量で用いればよい。
一般式(3)で表される化合物のジアゾ化は、公知の方法で実施される。例えば、無機酸媒質中、−5〜40℃、好ましくは5〜30℃で、亜硝酸塩を用いてジアゾ化される。一般式(3)で表される化合物のジアゾ化物と、一般式(4)で表される化合物とのカップリングも、公知の方法で実施される。水又は水性有機媒体中、−5〜40℃、好ましくは10〜30℃、酸性から中性のpH値、好ましくはpH2〜7でカップリング反応が実施される。ジアゾ化反応液は酸性である。また、カップリング反応が進行するため、反応液はさらに酸性化する。このため、塩基を添加することで、反応液のpHを好ましい値に調整する。塩基としては上記と同じものを用いることができる。また、一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物とは、ほぼ化学量論量で用いればよい。
一般式(5)で表される化合物のジアゾ化は、公知の方法で実施される。例えば、無機酸媒質中、−5〜50℃、好ましくは5〜40℃で、亜硝酸塩を用いてジアゾ化される。一般式(5)で表される化合物のジアゾ化物と、一般式(6)で表される化合物とのカップリングも、公知の方法で実施される。水又は水性有機媒体中、−5〜50℃、好ましくは10〜40℃、酸性から中性のpH値、好ましくはpH2〜7でカップリング反応が実施される。ジアゾ化反応液は酸性である。また、カップリング反応が進行するため、反応液はさらに酸性化する。このため、塩基を添加することで、反応液のpHを好ましい値に調整する。塩基としては上記と同じものを用いることができる。また、一般式(5)で表される化合物と一般式(6)で表される化合物とは、ほぼ化学量論量で用いればよい。
一般式(7)で表される化合物のジアゾ化は、公知の方法で実施される。例えば、無機酸媒質中、−5〜50℃、好ましくは10〜40℃で、亜硝酸塩を用いてジアゾ化される。一般式(7)で表される化合物のジアゾ化物と、一般式(8)で表される化合物とのカップリングも、公知の方法で実施される。水又は水性有機媒体中、−5〜50℃、好ましくは10〜40℃、弱酸性からアルカリ性のpH値、好ましくはpH5〜10でカップリング反応が実施される。ジアゾ化反応液は酸性である。また、カップリング反応が進行するため、反応液はさらに酸性化する。このため、塩基を添加することで、反応液のpHを好ましい値に調整する。塩基としては上記と同じものを用いることができる。また、一般式(7)で表される化合物と一般式(8)で表される化合物とは、ほぼ化学量論量で用いればよい。
一般式(I)で表される化合物の塩は、一般式(I)で表される化合物と、無機又は有機陽イオンとの塩である。無機塩の具体例としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩を挙げることができる。これらのなかでも、リチウム、ナトリウム、カリウム及びアンモニウム塩が好ましい。また、有機陽イオンとしては、例えば、下記一般式(9)で表される4級アンモニウムイオンを挙げることができる。また、一般式(1)で表される化合物は、一般式(I)で表される化合物の遊離酸、その互変異性体、及びそれらの各種の塩を含有する混合物であってもよい。具体的には、ナトリウム塩とアンモニウム塩の混合物、遊離酸とナトリウム塩の混合物、リチウム塩、ナトリウム塩及びアンモニウム塩の混合物など、いずれの組み合わせであってもよい。塩の種類によって、溶解性などの物性が異なる場合もある。このため、必要に応じて適宜塩の種類を選択すること、又は複数の塩などを含む場合にはその比率を変化させることにより、目的に適う物性を有する混合物を得ることもできる。
Figure 2014001283
前記一般式(9)中、Z1乃至Z4は、それぞれ独立に、水素原子、無置換アルキル基、ヒドロキシアルキル基、及びヒドロキシアルコキシアルキル基からなる群より選択される基を表す。ただし、Z1乃至Z4の少なくとも1つは水素原子以外の基である。
一般式(9)中、Z1乃至Z4で表される無置換アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1乃至4の無置換アルキル基を挙げることができる。ヒドロキシアルキル基の具体例としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2一ヒドロキシブチルなどの炭素数1乃至4のヒドロキシアルキル基を挙げることができる。また、ヒドロキシアルコキシアルキル基の具体例としては、ヒドロキシエトキシメチル、2−ヒドロキシエトキシエチル、3−ヒドロキシエトキシプロピル、2−ヒドロキシエトキシプロピル、4−ヒドロキシエトキシブチル、3−ヒドロキシエトキシブチル、2−ヒドロキシエトキシブチルなどのヒドロキシアルコキシアルキル基(アルコキシ及びアルキルの炭素数は、それぞれ1乃至4)を挙げることができる。これらのなかでも、ヒドロキシエトキシアルキル基(アルキルの炭素数は1乃至4)が好ましい。
一般式(9)中のZ1乃至Z4は、それぞれ独立に、水素原子(ただし、Z1乃至Z4の少なくとも1つは水素原子以外の基である);メチル;ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチルなどの炭素数1乃至4のヒドロキシアルキル基;ヒドロキシエトキシメチル、2−ヒドロキシエトキシエチル、3−ヒドロキシエトキシプロピル、2−ヒドロキシエトキシプロピル、4−ヒドロキシエトキシブチル、3−ヒドロキシエトキシブチル、2−ヒドロキシエトキシブチルなどのヒドロキシエトキシアルキル基(アルキルの炭素数は1乃至4)であることが好ましい。
一般式(9)で表される4級アンモニウムイオンの好適な具体例としては、表2に示す例示化合物a〜lを挙げることができる。
Figure 2014001283
一般式(I)で表される化合物の塩を合成する方法としては、例えば、以下に示す(a)及び(b)の方法を挙げることができる。以下に示すような方法により、目的とする一般式(I)で表される化合物の塩を溶液又は析出固体の状態で得ることができる。
(a)一般式(I)で表される化合物の合成反応における最終工程の終了後、無機塩又は4級アンモニウム塩を反応液に加えて塩析する。
(b)上記の反応液に塩酸などの鉱酸を加えて単離したアゾ化合物の遊離酸を、必要に応じて水、酸性の水、又は水性有機媒体などで洗浄した後、付着した無機塩などの不純物を除去する。再度、水性の媒体中(好ましくは水中)で、遊離酸に所望の無機塩基又は前記4級アンモニウム塩に対応する有機塩基を加える。
なお、酸性の水とは、例えば、硫酸、塩酸などの鉱酸;酢酸などの有機酸を水に溶解して酸性にしたものをいう。また、水性有機媒体とは、水と混和可能な有機化合物と、水との混和物をいう。「水と混和可能な有機化合物」の具体例としては、後述する水溶性有機溶剤などを挙げることができる。
一般式(I)で表されるアゾ化合物を所望の塩とする際に用いる無機塩の具体例としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどのアルカリ金属のハロゲン化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;塩化アンモニウム、臭化アンモニウムなどのハロゲン化アンモニウム;水酸化アンモニウム(アンモニア水)などを挙げることができる。また、有機陽イオンの塩の具体例としては、ジエタノールアミン塩酸塩、トリエタノールアミン塩酸塩などの、前記一般式(9)で表される4級アンモニウムイオンのハロゲン塩などを挙げることができる。
インク中の一般式(I)で表される化合物の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上2.0質量%以下であることがさらに好ましい。
(一般式(II)で表される化合物)
本発明のインクは、添加剤である、下記一般式(II)で表される化合物を含有することを要する。
Figure 2014001283
一般式(II)中、R14、R16、R20及びR22は、それぞれ独立に、炭素数1乃至4のアルキルチオ基;又はヒドロキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルキルチオ基を表す。一般式(II)中のR14、R16、R20及びR22は、一般式(I)中のR5及びR7と同義であり、好ましい基及びその組み合わせも一般式(I)の場合と同一である。また、一般式(II)中、R15、R17、R21及びR23はアミノ基を表す。
一般式(II)中、R18及びR19は、それぞれ独立に、水素原子;カルボキシ基;スルホン酸基;ヒドロキシ基;アセチルアミノ基;塩素原子;シアノ基;ニトロ基;スルファモイル基;炭素数1乃至4のアルキル基;炭素数1乃至4のアルコキシ基;ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルコキシ基;炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基;又はヒドロキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基を表す。一般式(II)中のR18及びR19は、一般式(I)中のR11乃至R13と同義であり、好ましい基及びその組み合わせも一般式(I)の場合と同一である。
一般式(II)で表される化合物のなかでも、下記一般式(VI)で表される化合物が好ましい。
Figure 2014001283
一般式(II)で表される化合物の好適な具体例としては、表3に示す例示化合物97乃至105を挙げることができる。なお、表3においては、下記一般式(VI’)の形式で、遊離酸型(H型)として例示化合物を示す。勿論、本発明においては、一般式(II)の構造及びその定義に包含されるものであれば、表3に示す例示化合物に限定されない。本発明においては、表3に示す例示化合物のなかでも、例示化合物97が特に好ましい。
Figure 2014001283
Figure 2014001283
インク全質量を基準とした、一般式(II)で表される化合物の含有量(質量%)は、一般式(I)で表される化合物の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.01倍以上0.03倍以下である。また、インク中の一般式(II)で表される化合物の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.01質量%以上0.15質量%以下であることが好ましい。一般式(II)で表される化合物の含有量が0.01質量%未満であると、インクの粘度上昇を抑制する作用がやや低くなる場合があり、0.15質量%超であると、画像の耐オゾン性及び耐光性がやや低くなる場合がある。
一般式(II)で表される化合物は、例えば以下に示す方法にしたがって合成することができる。以下、各工程における化合物の構造式は、遊離酸型として表す。なお、下記一般式(a)乃至(f)中のR14乃至R23は、前記一般式(II)中のR14乃至R23と同義である。
下記一般式(a)で表される化合物を常法にしたがってジアゾ化して得られたジアゾ化合物と、下記一般式(b)で表される化合物とを常法にしたがってカップリング反応させ、下記一般式(c)で表される化合物を得る。
Figure 2014001283
Figure 2014001283
Figure 2014001283
前記一般式(c)で表される化合物を常法にしたがってジアゾ化して得られたジアゾ化合物と、下記一般式(d)で表される化合物とを常法にしたがってカップリング反応させ、下記一般式(e)で表される化合物を得る。
Figure 2014001283
Figure 2014001283
前記一般式(e)で表される化合物を、強アルカリ性の水溶液中で加水分解を行い、下記一般式(f)で表される化合物を得る。
Figure 2014001283
前記一般式(e)で表される化合物と前記一般式(f)で表される化合物とを、例えば、強アルカリ性の水溶液中で縮合を行えば、前記一般式(II)で表される化合物を得ることができる。また、前記一般式(e)で表される化合物を用いずに、前記一般式(f)で表される化合物の2分子を縮合することでも、前記一般式(II)で表される化合物を得ることができる。
一般式(a)で表される化合物のジアゾ化は、公知の方法で実施される。例えば、無機酸媒質中、−5〜30℃、好ましくは0〜15℃で、亜硝酸塩を用いてジアゾ化される。亜硝酸塩としては、亜硝酸ナトリウムなどのアルカリ金属の亜硝酸塩を用いることができる。一般式(a)で表される化合物のジアゾ化物と、一般式(b)で表される化合物とのカップリング反応も、公知の方法で実施される。例えば、水又は水性有機媒体中、−5〜30℃、好ましくは0〜25℃、酸性から中性のpH値、好ましくはpH1〜6でカップリング反応が実施される。ジアゾ化反応液は酸性である。また、カップリング反応が進行するため、反応液はさらに酸性化する。このため、塩基を添加することで、反応液のpHを好ましい値に調整する。塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;酢酸ナトリウムなどのアルカリ金属の酢酸塩;アンモニア;有機アミンなどを用いることができる。また、一般式(a)で表される化合物と一般式(b)で表される化合物とは、ほぼ化学量論量で用いればよい。
一般式(c)で表される化合物のジアゾ化は、公知の方法で実施される。例えば、無機酸媒質中、−5〜40℃、好ましくは5〜30℃で、亜硝酸塩を用いてジアゾ化される。一般式(c)で表される化合物のジアゾ化物と、一般式(d)で表される化合物とのカップリングも、公知の方法で実施される。水又は水性有機媒体中、−5〜40℃、好ましくは10〜30℃、酸性から中性のpH値、好ましくはpH2〜7でカップリング反応が実施される。ジアゾ化反応液は酸性である。また、カップリング反応が進行するため、反応液はさらに酸性化する。このため、塩基を添加することで、反応液のpHを好ましい値に調整する。塩基としては上記と同じものを用いることができる。また、一般式(c)で表される化合物と一般式(d)で表される化合物とは、ほぼ化学量論量で用いればよい。
一般式(e)で表される化合物の加水分解は、公知の方法で実施される。例えば、強アルカリを含む水溶液中、30〜50℃で加水分解を行うことができる。一般式(e)で表される化合物を含む水溶液を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの強アルカリでpH11以上に調整し、30〜50℃で撹拌することで加水分解が実施される。加水分解が進行するため、反応液が酸性化する。このため、塩基を添加することで、反応液のpHが11を下回らないように調整する。
一般式(e)で表される化合物と一般式(f)で表される化合物との縮合は、公知の方法で実施される。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの強アルカリを含む水溶液中、50〜70℃で縮合が実施される。一般式(f)で表される化合物の2分子を縮合する場合も、上記と同様の条件で実施される。縮合が進行するため、反応液が酸性化する。このため、塩基を添加することで、反応液のpHが11を下回まわらないように調整する。一般式(e)で表される化合物と一般式(f)で表される化合物とは、ほぼ化学量論量で用いればよい。
(色材及び添加剤の検証方法)
本発明で用いる色材及び添加剤が各インク中に含まれているか否かを検証するには、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた下記(1)〜(3)の検証方法を適用することができる。
(1)ピークの保持時間
(2)(1)のピークについての極大吸収波長
(3)(1)のピークについてのマススペクトルのM/Z(posi)、M/Z(nega)
高速液体クロマトグラフィーの分析条件は、以下に示す通りである。純水で約1,000倍に希釈した液体(インク)を測定用サンプルとする。そして、下記の条件で高速液体クロマトグラフィーでの分析を行い、ピークの保持時間(retention time)、及びピークの極大吸収波長を測定する。
・カラム:SunFire C18(日本ウォーターズ製)2.1mm×150mm
・カラム温度:40℃
・流速:0.2mL/min
・PDA:200nm〜700nm
・移動相及びグラジエント条件:表4
Figure 2014001283
また、マススペクトルの分析条件は以下に示す通りである。得られたピークについて、下記の条件でマススペクトルを測定し、最も強く検出されたM/Zをposi及びnegaのそれぞれに対して測定する。
・イオン化法:ESI
・キャピラリ電圧:3.5kV
・脱溶媒ガス:300℃
・イオン源温度:120℃
・検出器:
posi;40V 200〜1500amu/0.9sec
nega;40V 200〜1500amu/0.9sec
上記した方法及び条件下で、一般式(I)で表される化合物の具体例である例示化合物7、及び一般式(II)で表される化合物の具体例である例示化合物97について測定を行った。その結果、得られた保持時間、極大吸収波長、M/Z(posi)、及びM/Z(nega)の値を表5に示す。未知のインクについて、上記と同様の方法及び条件下で測定を行って、得られた測定値が表5に示す値に該当する場合、本発明のインクに用いる化合物を含有すると判断することができる。
Figure 2014001283
(水性媒体)
本発明のインクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒などを用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、5.0質量%以上90.0質量%以下、さらには10.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤の含有量が上記した範囲より少ないと、インクをインクジェット記録装置に用いる場合に吐出安定性などの信頼性が得られない場合がある。また、水溶性有機溶剤の含有量が上記した範囲より多いと、インクの粘度が上昇して、インクの供給不良が起きる場合がある。
(その他の添加剤)
本発明のインクは、上記した成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体などの、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。さらに、本発明のインクは、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び水溶性樹脂など、種々の添加剤を含有してもよい。
(その他のインク)
また、フルカラーの画像などを形成するために、本発明のインクと、本発明のインクとは別の色相を有するその他のインクとを組み合わせて用いることができる。その他のインクとしては、例えば、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、レッドインク、グリーンインク、及びブルーインクからなる群より選択される少なくとも一種のインクを挙げることができる。また、これらのインクと実質的に同一の色相を有する、いわゆる淡インクをさらに組み合わせて用いることもできる。その他のインクや淡インクに用いられる色材は、公知の染料であっても、新規に合成された染料であってもよい。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、このインク収容部に収容されているインクが、上記で説明した本発明のインクである。図1は、本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示すように、インクカートリッジの底面には、記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給口12が設けられている。インクカートリッジの内部はインクを収容するためのインク収容部となっている。インク収容部は、インク収容室14と、吸収体収容室16とで構成されており、これらは連通口18を介して連通している。また、吸収体収容室16はインク供給口12に連通している。インク収容室14には液体のインク20が収容されており、吸収体収容室16には、インクを含浸状態で保持する吸収体22,24が収容されている。インク収容部は、液体のインクを収容するインク収容室を持たず、収容されるインク全量を吸収体により保持する形態であってもよい。また、インク収容部は、吸収体を持たず、インクの全量を液体の状態で収容する形態であってもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが特に好ましい。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
図2は、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。インクジェット記録装置には、記録媒体32を搬送する搬送手段(不図示)、及びキャリッジシャフト34が設けられている。キャリッジシャフト34にはヘッドカートリッジ36が搭載可能となっている。ヘッドカートリッジ36は記録ヘッド38及び40を具備しており、インクカートリッジ42がセットされるように構成されている。ヘッドカートリッジ36がキャリッジシャフト34に沿って主走査方向に搬送される間に、記録ヘッド38及び40から記録媒体32に向かってインク(不図示)が吐出される。そして、記録媒体32が搬送手段(不図示)により副走査方向に搬送されることによって、記録媒体32に画像が記録される。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<色材及び添加剤の合成>
以下に示す手順にしたがって各色材及び添加剤を合成した。水を溶媒として、得られた色材及び添加剤の吸収スペクトルの最大吸収波長(λmax)を以下の条件で測定した。
・分光光度計:自記分光光度計(商品名「U−3300」、日立製作所製)
・測定セル:1cm 石英セル
・サンプリング間隔:0.1nm
・スキャン速度:30nm/min
(化合物Aの合成)
(a)
4−クロロ−3−ニトロアニリン51.8部をN−メチル−2−ピロリドン60.0部に溶解させ、ここに無水酢酸35.2部を約15分かけて滴下した。40〜50℃で2時間反応させた後、反応液を水400.0部に添加した。室温で30分撹拌した後、析出した固体をろ過した。得られた固体を水100.0部で洗浄した後、分取及び乾燥して下記式(10)で表される化合物63.0部を得た。
Figure 2014001283
(b)
前記手順(a)で得た式(10)で表される化合物42.9部をN−メチル−2−ピロリドン115.0部に溶解させ、ここに3−メルカプトプロパンスルホン酸ナトリウム40.9部及び炭酸カリウム29.0部を添加した。その後、130〜140℃に加熱し、同温度で2時間反応させた。3−メルカプトプロパンスルホン酸ナトリウム3.6部をさらに添加した後、130〜140℃で1時間反応させた。60℃まで冷却した後、反応液を2−プロパノール700.0部に添加し、室温まで冷却し、生成した固体をろ過してウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを水300.0部に溶解させた後、35%塩酸を添加してpH3.0〜4.0とした。その後、塩化ナトリウムを添加して塩析し、析出した固体をろ過により分取して、下記式(11)で表される化合物のウェットケーキ205.3部を得た。
Figure 2014001283
(c)
水150.0部に、前記手順(b)で得た式(11)で表される化合物のウェットケーキ102.6部、活性炭1.6部、及び無水塩化鉄(III)0.4部を添加し、60℃に加熱した後、80%ヒドラジンヒドラート15.9部を約30分かけて滴下した。90℃に加熱した後、同温度で1.5時間反応させた。40℃まで冷却した後、不溶物をろ過により除去し、ろ液を室温まで冷却した。50%硫酸を添加してpH1.0〜1.5とした。析出した固体をろ過により分取して、下記式(12)で表される化合物のウェットケーキ62.3部を得た。
Figure 2014001283
(d)
水40.0部に下記式(13)で表される5−アミノ−2−クロロベンゼンスルホン酸12.6部を添加した後、25%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH4.0〜5.0の水溶液を得た。得られた水溶液に35%塩酸25.0部を添加した後、40%亜硝酸ナトリウム水溶液12.6部を添加して約30分反応させた。ここにスルファミン酸1.5部を添加して5分間撹拌し、ジアゾ反応液を得た。一方、水200.0部に、前記手順(c)で得た式(12)で表される化合物のウェットケーキ32.4部を添加した後、25%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH4.0〜5.0の水溶液を得た。得られた水溶液を前記ジアゾ反応液に約5分かけて滴下した。滴下後、15%炭酸ナトリウム水溶液を添加してpHを2.0〜2.5に保持しながら3時間反応させた。その後、塩化ナトリウムを添加して塩析し、析出した固体をろ過により分取して、下記式(14)で表される化合物のウェットケーキ31.5部を得た。
Figure 2014001283
Figure 2014001283
(e)
水40.0部に、前記手順(d)で得た式(14)で表される化合物のウェットケーキ全量を添加した後、25%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH6.0〜7.0の水溶液を得た。35%塩酸24.8部を添加した後、40%亜硝酸ナトリウム水溶液9.8部を添加して約30分反応させた。ここにスルファミン酸2.0部を添加して5分間撹拌し、ジアゾ反応液を得た。一方、水250.0部に、前記手順(c)で得た式(12)で表される化合物のウェットケーキ30.8部を添加した後、25%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH4.0〜5.0の水溶液を得た。この水溶液を前記ジアゾ反応液に約5分かけて滴下した。滴下後、15%炭酸ナトリウム水溶液を添加してpHを2.0〜2.5に保持しながら3時間反応させた。その後、塩化ナトリウムを添加して塩析し、析出した固体をろ過により分取して、下記式(15)で表される化合物のウェットケーキ90.0部を得た。
Figure 2014001283
(f)
水250.0部に、前記手順(d)で得た式(14)で表される化合物のウェットケーキ45.0部を添加し、撹拌して溶解させた。35%塩酸16.5部を添加した後、40%亜硝酸ナトリウム水溶液4.7部を添加して約30分撹拌した。ここにスルファミン酸2.0部を添加して5分間撹拌し、ジアゾ反応液を得た。一方、水60.0部に、下記式(16)で表される化合物5.5部を添加し、25%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH4.5〜5.5の水溶液を得た。得られた水溶液を前記ジアゾ反応液に約5分かけて滴下した。滴下後、15%炭酸ナトリウム水溶液を添加してpHを2.0〜3.0に保持しながら3時間反応させた。15%炭酸ナトリウム水溶液を添加してpHを4.5とした後、メタノール350.0部を添加した。析出した固体をろ過により分取し、下記式(17)で表される化合物のウェットケーキ6.0部を得た。
Figure 2014001283
Figure 2014001283
(g)
水170.0部に、前記手順(f)で得た式(17)で表される化合物のウェットケーキ32.2部を添加し、撹拌して溶解させた。35%塩酸5.2部を添加した後、40%亜硝酸ナトリウム水溶液1.5部を添加して約30分撹拌した。ここにスルファミン酸1.0部を添加して5分間撹拌し、ジアゾ反応液を得た。一方、水60.0部に、下記式(18)で表される化合物2.2部を添加し、25%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH7.5〜8.5の水溶液を得た。得られた水溶液を15〜30℃に保ちながら、前記ジアゾ反応液を約30分かけて滴下した。この際、炭酸ナトリウム水溶液を加えて反応液のpHを7.5〜8.5に保持し、同温度及びpHを維持しながら、さらに2時間反応させた。その後、塩化ナトリウムを添加して塩析し、析出した固体をろ過により分離し、ウェットケーキ29.5部を得た。得られたウェットケーキを水100.0部に溶解させ、35%塩酸でpHを7.0〜7.5とした後、メタノール80.0部を添加し、析出した固体をろ過により分取した。得られたウェットケーキを再度水60.0部に溶解した後、メタノール90.0部を添加した。析出した固体をろ過により分離し、乾燥することにより、下記式(19)で表される化合物6.3部をナトリウム塩として得た。
Figure 2014001283
Figure 2014001283
(h)
水140.0部に、前記手順(g)で得た式(10)で表される化合物6.3部、及び塩化リチウム14部を添加して撹拌した。これに2−プロパノール400.0部を添加し、析出した固体をろ過してウェットケーキを得た。水150.0部に、得られたウェットケーキ、及び塩化リチウム12.5部を添加して撹拌した。これに2−プロパノール350.0部を添加し、析出した固体をろ過してウェットケーキを得た。水80.0部に、得られたウェットケーキを添加し、これに2−プロパノール150.0部を添加し、析出した固体をろ過してウェットケーキを得た。水40部に、得られたウェットケーキを添加し、これに2−プロパノール100.0部を添加し、析出した固体をろ過した後、乾燥することにより化合物A4.5部を得た。得られた化合物Aは、遊離酸型として式(19)で表される化合物のリチウム塩とナトリウム塩(80%:20%)の混合物である。また、得られた化合物Aの吸収スペクトルの最大吸収波長 λmaxは590nmであった。
(化合物Bの合成)
(i)
メタノール300.0部に2−メチル−6−ニトロアニリン15.2部を溶解させた。得られた溶液をオートクレーブ中に移し、5%Pd/炭素2.0部を加え、20〜30℃で0.2〜0.5MPaの水素雰囲気での加圧下で、水素の吸収がなくなるまで反応させた。同温度で30分間さらに反応させた。触媒(5%Pd/炭素)をろ過により分離して、下記式(20)で表される化合物を含む溶液(ろ液)を得た。
Figure 2014001283
(j)
前記手順(i)で得た式(20)で表される化合物を含む溶液200.0部に、シアノ酢酸メチル13.0部を加え、30分還流した。メタノールを減圧留去して濃縮した後、水100.0部及び炭酸ナトリウムを加えてpH7.0〜7.5とした。析出した固体をろ過により分離した後、乾燥することにより、下記式(21)で表される化合物8.3部を得た。
Figure 2014001283
(k)
エタノール100.0部に、前記手順(j)で得た式(21)で表される化合物8.3部、28%ナトリウムメトキシド12.0部、及びアセト酢酸メチル7.2部を加え、30分還流した。エタノールを減圧留去して濃縮した後、水100.0部及び35%塩酸を加えてpH7.0〜7.5とした。析出した固体をろ過により分離した後、乾燥することにより、下記式(22)で表される化合物11.1部を得た。得られた下記式(22)で表される化合物は、メトキシ基がbに置換した化合物と、cに置換した化合物との混合物であった。
Figure 2014001283
(l)
前記手順(k)で得た式(22)で表される化合物5.6部を、8%発煙硫酸77.0部に5〜10℃でゆっくり添加した後、同温度で1.5時間反応させた。反応液を150.0部の氷水に約10分かけて滴下し、65〜70℃で30分撹拌した後、析出した固体をろ過により分離することにより、下記式(23)で表される化合物のウェットケーキ24.4部を得た。得られた下記式(23)で表される化合物は、(i)メトキシ基がbに置換し、スルホン酸基がa、c又はdに置換した化合物と、(ii)メトキシ基がcに置換し、スルホン酸基がa、b又はdに置換した化合物との混合物であった。
Figure 2014001283
(m)
式(18)で表される化合物2.2部に代えて、前記手順(l)で得た式(23)で表される化合物のウェットケーキ7.2部を用いた。それ以外は前述の「化合物Aの合成」の手順(g)の場合と同様にして、下記式(24)で表される化合物6.3部をナトリウム塩として得た。得られた下記式(24)で表される化合物は、(A)メトキシ基がbに置換しスルホン酸基がa、c又はdに置換した化合物と、(B)メトキシ基がcに置換しスルホン酸基がa、b又はdに置換した化合物とを含む、2乃至6種の化合物からなる混合物であった。
Figure 2014001283
(n)
式(10)で表される化合物に代えて、前記手順(m)で得た式(15)で表される化合物を用いたこと以外は、前述の「化合物Aの合成」の手順(h)の場合と同様にして、化合物Bを得た。得られた化合物Bは、遊離酸型として式(24)で表される化合物のリチウム塩及びナトリウム塩(80%:20%)の混合物である。また、得られた化合物Bの吸収スペクトルの最大吸収波長 λmaxは592nmであった。
(化合物Cの合成)
(o)
4−クロロアニリン38.3部をN−メチル−2−ピロリドン60.0部に溶解させ、ここに無水酢酸26.0部を約15分で滴下した。滴下後、40〜50℃で2時間反応させ、次いで、反応液を水400.0部に添加した。室温で30分撹拌した後、析出した固体をろ過した。得られた固体を水100.0部で洗浄した後、分取及び乾燥して、下記式(25)で表される化合物46.6部を得た。
Figure 2014001283
(p)
前記手順(o)で得た式(25)で表される化合物40.8部をN−メチル−2−ピロリドン115.0部に溶解させ、ここに3−メルカプトプロパンスルホン酸ナトリウム38.9部及び炭酸カリウム27.6部を添加した。130〜140℃に加熱し、同温度で2時間反応させた。3−メルカプトプロパンスルホン酸ナトリウム3.4部をさらに添加した後、130〜140℃で1時間反応させた。60℃まで冷却した後、反応液を2−プロパノール700.0部に添加した。室温まで冷却し、生成した固体をろ過してウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを水300.0部に溶解させた後、35%塩酸を添加してpH3.0〜4.0とした。塩化ナトリウムを添加して塩析し、析出した固体をろ過により分取して、下記式(11)で表される化合物のウェットケーキ195.0部を得た。
Figure 2014001283
(q)
水40.0部に、前記手順(d)で得た式(14)で表される化合物のウェットケーキ全量を添加後、25%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH6.0〜7.0の水溶液を得た。35%塩酸24.8部を添加した後、40%亜硝酸ナトリウム水溶液9.8部をさらに添加し、約30分反応させた。ここにスルファミン酸2.0部を添加して5分間撹拌し、ジアゾ反応液を得た。一方、水250.0部に前記手順(q)で得た式(26)で表される化合物のウェットケーキ29.3部を添加した後、25%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH4.0〜5.0の水溶液を得た。得られた水溶液を前記ジアゾ反応液に約5分かけて滴下した。滴下後、15%炭酸ナトリウム水溶液を添加してpHを2.0〜2.5に保持しながら3時間反応させた。その後、塩化ナトリウムを添加して塩析し、析出した固体をろ過により分取して、下記式(27)で表される化合物のウェットケーキ88.2部を得た。
Figure 2014001283
(r)
水300.0部に、前記手順(q)で得た式(27)で表される化合物30.0部を溶解させた後、25%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH10〜11に調整し、5時間放置した。なお、放置中にpHが10を下回った際には、pHが上記範囲に入るように、25%水酸化ナトリウム水溶液を適宜添加した。これにより、下記式(28)で表される化合物28.8部を得た。
Figure 2014001283
(s)
水400.0部に、前記手順(q)で得た式(27)で表される化合物20.0部と、前記手順(r)で得た式(28)で表される化合物19.5部とを溶解させた。25%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH11〜12になるように調整し、3時間放置した。なお、放置中にpHが11を下回った際には、pHが上記範囲に入るように、25%水酸化ナトリウム水溶液を適宜添加した。50〜70℃に加温後、さらに3時間放置した。その際にもpHが上記範囲に入るように、25%水酸化ナトリウム水溶液を適宜添加した。これにより、下記式(29)で表される化合物39.0部を得た。
Figure 2014001283
(t)
式(10)で表される化合物に代えて、前記手順(s)で得た式(29)で表される化合物を用いたこと以外は、前述の「化合物Aの合成」の手順(h)の場合と同様にして、化合物Cを得た。得られた化合物Cは、遊離酸型として式(29)で表される化合物のリチウム塩及びナトリウム塩(80%:20%)の混合物である。また、得られた化合物Cの吸収スペクトルの最大吸収波長 λmaxは490nmであった。
<インクの調製>
表6−1及び6−2の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ0.20μmのフィルターで加圧ろ過して各インクを調製した。なお、表6−1及び6−2中の「アセチレノールE100」はノニオン性界面活性剤(川研ファインケミカル製)の商品名である。また、表6−1及び6−2の下段には、インク中の、一般式(I)で表される化合物の含有量(%)、及び一般式(II)で表される化合物の含有量(%)をそれぞれ示した。さらに、表6−1及び6−2の下段には、インク中の一般式(II)で表される化合物の含有量(%)/一般式(I)で表される化合物の含有量(%)の値を「一般式(II)/一般式(I)の質量比率(倍)」として示した。
Figure 2014001283
Figure 2014001283
<評価>
上記で得られた各インクをそれぞれインクカートリッジに充填し、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名「PIXUS iP8600」、キヤノン製)に搭載した。本実施例においては、1/600インチ×1/600インチの単位領域に22ngのインクを付与して記録したベタ画像を「記録デューティが100%である」と定義する。このインクジェット記録装置を用いて、温度23℃、相対湿度55%の環境で、記録媒体(商品名「キヤノン写真用紙・光沢 ゴールド GL−101」、キヤノン製)に、記録デューティが50%であるベタ画像を記録した記録物を作製した。得られた記録物は、温度23℃、相対湿度55%の環境で24時間載置して、十分に乾燥させた後に耐オゾン性及び耐光性の評価を行った。耐オゾン性及び耐光性の評価には、分光光度計(商品名「Spectrolino」、Gretag Macbeth製)を用いた。この分光光度計を用いて、光源:D50、視野:2°の条件で、CIE(国際照明委員会)により規定されたL***表示系におけるL*、a*、b*を測定して、耐オゾン性及び耐光性を評価した。本発明においては、下記の各項目の評価基準で、Cを許容できないレベル、A及びBを許容できるレベルとした。評価結果を表7に示す。
(耐オゾン性)
上記で得られた記録物におけるベタ画像のL1、a1及びb1を測定した(耐オゾン性試験前のLab値)。この記録物をオゾン試験装置(商品名「OMS−H」、スガ試験機製)中に載置し、槽内温度23℃、相対湿度50%、オゾンガス濃度10ppmで8時間載置する条件を1サイクルとして、2サイクル分のオゾン曝露を行った。その後、記録物におけるベタ画像のL2、a2及びb2を測定した(耐オゾン性試験後のLab値)。得られた耐オゾン性試験前のLab値及び耐オゾン性試験後のLab値から、ΔE(色差)={(L1−L22+(a1−a22+(b1−b221/2を算出し、以下に示す評価基準にしたがって耐オゾン性を評価した。
A:ΔEが13.0未満であった。
B:ΔEが13.0以上14.0未満であった。
C:ΔEが14.0以上であった。
(耐光性)
上記で得られた記録物におけるベタ画像のL1、a1及びb1を測定した(耐光性試験前のLab値)。この記録物をスーパーキセノン試験機(商品名「SX−75」、スガ試験機製)中に載置し、槽内温度24℃、相対湿度60%、照射強度100キロルクスで80時間、キセノン光照射を行った。その後、記録物におけるベタ画像のL2、a2及びb2を測定した(耐光性試験後のLab値)。得られた耐光性試験前のLab値及び耐光性試験後のLab値から、ΔE(色差)={(L1−L22+(a1−a22+(b1−b221/2を算出し、以下に示す評価基準にしたがって耐光性を評価した。
A:ΔEが13.0未満であった。
B:ΔEが13.0以上14.0未満であった。
C:ΔEが14.0以上であった。
(インクの粘度)
上記で得られた各インクの粘度を測定した。その後、インクを密閉容器に入れ、温度60℃のオーブン中に3日間載置した。保存後の各インクの粘度を測定した。粘度の測定には、25±0.5℃に設定した恒温槽にチューブを経由して不凍液を循環させているE型粘度計(商品名「RE−80L」、東機産業製)にローター(48’×R24)を取りつけたものを用いた。保存前後のインクの粘度差から、以下に示す評価基準にしたがってインクの粘度を評価した。なお、保存前後のインクの粘度差が大きい場合、保存後のインクの粘度が高くなりやすいため、インクの吐出安定性が低下しやすくなることを意味する。
A:粘度差が0.1mPa・s未満であった。
B:粘度差が0.1mPa・s以上0.2mPa・s未満であった。
C:粘度差が0.2mPa・s以上であった。
Figure 2014001283

Claims (6)

  1. 色材を含有するインクジェット用のインクであって、
    前記色材が、下記一般式(I)で表される化合物であり、
    さらに、下記一般式(II)で表される化合物を含有し、
    インク全質量を基準とした、前記一般式(II)で表される化合物の含有量(質量%)が、前記一般式(I)で表される化合物の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.01倍以上0.03倍以下であることを特徴とするインク。
    Figure 2014001283
    (前記一般式(I)中、R1は、炭素数1乃至4のアルキル基;カルボキシ基で置換された炭素数1乃至4のアルキル基;フェニル基;スルホン酸基で置換されたフェニル基;又はカルボキシ基を表し、R2は、シアノ基;カルバモイル基;又はカルボキシ基を表し、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子;炭素数1乃至4のアルキル基;ハロゲン原子;炭素数1乃至4のアルコキシ基;又はスルホン酸基を表し、R5及びR7は、それぞれ独立に、炭素数1乃至4のアルキルチオ基;又はヒドロキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルキルチオ基を表し、R6及びR8は、それぞれ独立に、炭素数1乃至4のアルキルカルボニルアミノ基を表し、R9及びR10は、それぞれ独立に、水素原子;カルボキシ基;スルホン酸基;アセチルアミノ基;ハロゲン原子;炭素数1乃至4のアルキル基;炭素数1乃至4のアルコキシ基;又はヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルコキシ基を表し、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子;カルボキシ基;スルホン酸基;ヒドロキシ基;アセチルアミノ基;ハロゲン原子;シアノ基;ニトロ基;スルファモイル基;炭素数1乃至4のアルキル基;炭素数1乃至4のアルコキシ基;ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルコキシ基;炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基;又はヒドロキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基を表す)
    Figure 2014001283
    (前記一般式(II)中、R14、R16、R20及びR22は、それぞれ独立に、炭素数1乃至4のアルキルチオ基;又はヒドロキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルキルチオ基を表し、R15、R17、R21及びR23は、アミノ基を表し、R18及びR19は、それぞれ独立に、水素原子;カルボキシ基;スルホン酸基;ヒドロキシ基;アセチルアミノ基;塩素原子;シアノ基;ニトロ基;スルファモイル基;炭素数1乃至4のアルキル基;炭素数1乃至4のアルコキシ基;ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルコキシ基;炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基;又はヒドロキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基を表す)
  2. 前記一般式(I)において、R1がメチル基、R2がシアノ基又はカルバモイル基、R3が水素原子、メチル基、又はメトキシ基、R4がスルホン酸基、R5及びR7が、それぞれ独立に、炭素数1乃至4のスルホアルキルチオ基、R6及びR8が、それぞれ独立に、炭素数1乃至4のアルキルカルボニルアミノ基、R9が炭素数1乃至4のスルホアルコキシ基、R10が炭素数1乃至4のアルキル基又はアセチルアミノ基、R11、R12及びR13が、それぞれ独立に、水素原子、カルボキシ基、スルホン酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、メチル基、メトキシ基、又はスルファモイル基である請求項1に記載のインク。
  3. 前記一般式(I)において、R1がメチル基、R2がシアノ基、R3が水素原子又はメトキシ基、R4がスルホン酸基、R5及びR7が、それぞれ独立に、炭素数1乃至4のスルホアルキルチオ基、R6及びR8がアセチルアミノ基、R9がスルホプロポキシ基又はスルホブトキシ基、R10が炭素数1乃至4のアルキル基、R11が水素原子又はスルホン酸基、R12がスルホン酸基又はハロゲン原子、R13が水素原子又はスルホン酸基である請求項1に記載のインク。
  4. インク中の前記一般式(II)で表される化合物の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、0.01質量%以上0.15質量%以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインク。
  5. インクと、前記インクを収容するインク収容部とを備えたインクカートリッジであって、
    前記インクが、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  6. インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
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