JP2014000745A - 金属調成形品、及びそれに使用する転写フイルム - Google Patents

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Abstract

【課題】金属光沢性と絶縁性を兼ね備えた成形品、及びそれに使用する転写フイルムを提供するものである。
【解決手段】本発明は、少なくとも、厚さが40〜80nmで屈折率が1.8〜2.5の高屈折率薄膜層、及び可視光透過率が60%以下である透過率調整層が順次形成されていることを特徴とする金属調成形品である。
また、本発明は、保護層、厚さが40〜80nmで屈折率が1.8〜2.5の高屈折率薄膜層、及び可視光透過率が60%以下である透過率調整層が順次形成されていることを特徴とする金属調成形品である。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属光沢性と絶縁性を兼ね備えた成形品、及びそれに使用する転写フイルムに関する。
従来から、高屈折率薄膜層と全光線透過率60%以下の金属薄膜層とを少なくとも積層した成形品が知られている。
特許文献1には、透明基材の少なくとも片面に、接着層、全光線透過率が30〜60%である金属薄膜層、樹脂層、高屈折率薄膜層が順次形成された虹彩層、保護層、離型層が順次形成された虹彩色成形品が記載されている。
また、特許文献2には、透明基材の少なくとも片面に、接着層、全光線透過率が3%以上30%未満である金属薄膜層、樹脂層、高屈折率薄膜層が順次形成された虹彩層、保護層、離型層が順次形成された虹彩色成形品が記載されている。
さらに、特許文献1、及び2には何れも、上記高屈折率薄膜層の屈折率は1.8〜2.5が好ましく、上記樹脂層の屈折率は1.3〜1.6が好ましい旨も記載されている。
しかし、特許文献1記載の虹彩色成形品は、該虹彩色成形品を透過する透過光の色と虹彩層で反射する反射光の色がともに、見る角度によって色が変化するいわゆる虹彩色を呈する成形品であり、該虹彩色成形品を透過により見たときではなく、反射により見たときに金属光沢性を有するものではなかった。
以下、本明細書における金属光沢性とは、成形品を透過により見たとき(成形品を透過してくる可視光(透過光)を見たとき)ではなく、成形品を反射により見たとき(成形品で反射する可視光(反射光)を見たとき)に現出する金属光沢をいう。
また、特許文献2記載の虹彩色成形品も、該虹彩色成形品の片面側(全光線透過率が3%以上30%未満である金属薄膜層側)からみた反射光の色はハーフ調の(薄い)金属光沢性を呈するものの、透過光の色、及び他の片面側から見た反射光の色は何れも虹彩色を呈するものであり、やはり金属光沢性のみを有するものではなかった。
以上の通り、特許文献1、及び2記載の虹彩色成形品は、何れも全光線透過率60%以下の金属薄膜層、樹脂層、高屈折率薄膜層からなる虹彩層が形成され、かつ虹彩層の樹脂層及び高屈折率薄膜層の屈折率と厚さの両方を調整することにより、虹彩色を呈するものので、金属光沢性のみを有する成形品ではなかった。
また、特許文献1、及び2記載の虹彩色成形品は、何れも全光線透過率が60%以下である金属薄膜層が形成されているため、導電性があり、絶縁性を有していなかった。
さらに、特許文献2記載の虹彩色成形品は、金属薄膜層の全光線透過率が3%以上30%未満であったため、近赤外線(波長が約700〜2500nmの電磁波)のうち、特に波長が850〜1000nmにおける近赤外線の透過率(以下、本発明において近赤外線透過率という)が70%未満となり、近赤外線透過性が悪く、近赤外線通信を利用した送受信部を備えたテレビやリモコン等の筐体などの近赤外線透過性を必要とされる用途に虹彩色成形品を使用することが困難であるという問題があった。
尚、一般的に近赤外線透過率が70%以上であれば、実用上、近赤外線通信を利用した送受信部を備えたテレビやリモコン等の筐体などに使用可能である。
また、従来から、金属光沢性と絶縁性を兼ね備えた金属調成形品が知られている。
特許文献3には、基材の片面に、離型層、保護層、島のサイズ200Å(20nm)〜1μmで島の間隔100〜5000Å(10〜500nm)の島状構造を有する金属蒸着層(金属薄膜層)、及び接着層を順次積層してなる絶縁性転写材料が記載されている。
金属蒸着層はスズ(Sn)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、ビスマス(Bi)から選ばれた一種又は二種以上の金属からなるもので、さらに、金属蒸着層を島状構造として絶縁性とするためには、金属蒸着層の光線透過率(可視光透過率)を10〜15%の範囲とするのが最適である旨が記載されている。
そして、上記絶縁性転写材料をテレビの外枠に転写した金属光沢性と絶縁性を兼ね備えた成形品(金属調成形品)も記載されている。
しかし、上記従来の金属調成形品は、金属光沢性と絶縁性を兼ね備えていたものの、金属蒸着層の可視光透過率が10〜15%の範囲であったため、該金属調成形品の可視光透過率も当然に15%以下となるものであった。
従って、例えば上記従来の金属調成形品を、液晶表示部の文字等を該金属調成形品を通して表示する窓部を備えたオーディオ製品の筐体に使用して、液晶表示部の文字等を該金属調成形品を通して表示しようとしても、該金属調成形品の可視光透過率が15%以下であるため、液晶表示部の文字等を視認し難く視認性が悪いという問題があった。
さらには、上記従来の金属調成形品を、近赤外線通信を利用した送受信部を備えたテレビやリモコン等の筐体に使用して、近赤外線により該リモコン等を動作しようとしても、金属蒸着層が上記金属からなるものであるので、近赤外線透過率が60%以下となり、近赤外線により該リモコン等が動作せず、近赤外線透過性が悪いという問題があった。
このため、従来の金属調成形品を、液晶表示部の文字等を該金属調成形品を通して表示する窓部を備えたオーディオ製品の筐体などの視認性を必要とされる用途や、近赤外線通信を利用した送受信部を備えたテレビやリモコン等の筐体などの近赤外線透過性を必要とされる用途には使用することが困難であった。
特開2005−212339公報 特開2005−231280号公報 特公平3−25353号公報
本発明は、上記欠点を除去したものであり、金属光沢性と絶縁性を兼ね備えた成形品、及びそれに使用する転写フイルムを提供するものである。
[1]本発明は、少なくとも、厚さが40〜80nmで屈折率が1.8〜2.5の高屈折率薄膜層、及び可視光透過率が60%以下である透過率調整層が順次形成されていることを特徴とする金属調成形品である。
[2]本発明は、保護層、厚さが40〜80nmで屈折率が1.8〜2.5の高屈折率薄膜層、及び可視光透過率が60%以下である透過率調整層が順次形成されていることを特徴とする金属調成形品である。
[3]本発明は、上記[1]、又は[2]何れか記載の金属調成形品を製造するために使用する転写フイルムであって、離型性を有するプラスチックフイルム上に、少なくとも、厚さが40〜80nmで屈折率が1.8〜2.5の高屈折率薄膜層、及び接着層が順次形成されていることを特徴とする転写フイルムである。
本発明の金属調成形品は、上記の通り、少なくとも、厚さが40〜80nmで屈折率が1.8〜2.5の高屈折率薄膜層、及び透過率が60%以下である透過率調整層が順次形成されている特徴ある構成を有しているため、高屈折率薄膜層と透過率調整層との相乗効果により、本発明の金属調成形品が金属光沢性を有するものとなる。
また、導電性の金属薄膜層が形成されていないので、絶縁性を有する。
さらに、高屈折率薄膜層をキズ等から保護することを目的に、高屈折率薄膜層の透過率調整層が形成されている面と反対面側に保護層を形成しておけば、高屈折率薄膜層をより保護できるとともに、保護層を着色するなどして意匠性に富んだ層としておけば、さらに本発明の金属調成形品をより意匠性に富んだものとすることができる。
また、透過率調整層や保護層の可視光透過率を調整し、本発明の金属調成形品の可視光透過率を15%超60%以下の範囲としておけば、本発明の金属調成形品が視認性に優れたものとなり、本発明の金属調成形品を液晶表示部の文字等を該金属調成形品を通して表示する窓部を備えたオーディオ製品の筐体に使用した場合であっても、液晶表示部の文字等を本発明の金属調成形品を通して十分に視認できるため、上記窓部を備えたオーディオ製品の筐体などの視認性を必要とされる用途にも実用上問題なく使用可能となる。
また、近赤外線透過率が70%以上である高屈折率薄膜層以外の層(透過率調整層、及び保護層)の近赤外線透過率を調整することで、本発明の金属調成形品の近赤外線透過率を70%以上としておけば、本発明の金属調成形品が近赤外線透過性に優れたものとなり、本発明の金属調成形品を近赤外線通信を利用した送受信部を備えたテレビやリモコン等の筐体に使用した場合であっても、近赤外線により該リモコン等が問題なく動作するため、近赤外線透過性を必要とされる用途にも実用上問題なく使用可能となる。
少なくとも、離型性を有するプラスチックフイルム上に、厚さが40〜80nmで屈折率が1.8〜2.5の高屈折率薄膜層、及び接着層が順次形成されている本発明の転写フイルムを使用すれば、本発明の金属調成形品を製造するのに生産性等の点から最適である。
本発明の金属調成形品は、上記の通り、少なくとも、厚さが40〜80nmで屈折率が1.8〜2.5の高屈折率薄膜層、及び可視光透過率が60%以下である透過率調整層が順次形成されているものである。
すなわち、本発明の金属調成形品は、少なくとも、特定の屈折率と特定の厚さの金属光沢性を有しない透明な高屈折率薄膜層と、特定の可視光透過率の透過率調整層とを積層することで、金属光沢性と絶縁性を兼ね備えたものとなるものであり、金属薄膜層を形成することなく、少なくとも、上記高屈折率薄膜層と透過率調整層とを積層することで、金属光沢性と絶縁性の両方を兼ね備えた成形品を得ることができるのは、本発明が嚆矢である。
本発明の金属調成形品は、上記の通り、少なくとも、高屈折率薄膜層、及び透過率調整層が順次形成されたものであり、高屈折率薄膜層と透過率調整層との相乗効果により金属光沢性を有するものとなる。
そして、この金属光沢性は、基本的に、高屈折率薄膜層側(高屈折率薄膜層の透過率調整層が形成されている面と反対面側に保護層が形成されている場合には保護層側)及び透過率調整層側の何れの側から見たときにも現出する。
但し、例えば、透過率調整層の可視光透過率を0%とした場合など、透過率調整層の可視光透過率があまり低すぎると、本発明の金属調成形品を高屈折率薄膜層側(あるいは保護層側)から見たときには金属光沢性は現出するが、透過率調整層側から見たときには金属光沢性が全く現出しないか、現出し難い場合がある。
従って、透過率調整層側から見たときに、金属光沢性が確実に現出するためには、透過率調整層の可視光透過率を30%以上としておくのが好ましい。
尚、高屈折率薄膜層側(あるいは保護層側)及び透過率調整層側の何れの側から見たときにも金属光沢性が現出する場合には、該金属光沢性は、透過率調整層側から見たときよりも、高屈折率薄膜層側(あるいは保護層側)から見たときの方が、より強く金属光沢性が現出する。
本発明の金属調成形品に形成する高屈折率薄膜層は、基本的に金属光沢性を有しない透明な層であり、絶縁性を有する。
さらに、高屈折率薄膜層は、厚さが40〜80nmで屈折率が1.8〜2.5の範囲においては、近赤外線透過率が70%以上あり、近赤外線透過性に優れた層である。
さらに、絶縁性、及び近赤外線透過性に加え、後で詳述する透過率調整層との相乗効果により、本発明の金属調成形品に金属光沢性を付与するものである。
また、高屈折率薄膜層は、本発明の金属調成形品に金属光沢性を付与する目的を達成するためには、厚さを40〜80nmの範囲とし、かつ屈折率を1.8〜2.5の範囲とする必要がある。
厚さと屈折率が上記範囲でないと、本発明の金属調成形品が金属光沢性を有しなくなったり、虹彩色を呈したりする場合があるので好ましくない。
高屈折率薄膜層は、絶縁性、及び近赤外線透過性に優れ、さらに本発明の目的を達成できるものであれば特に制限はなく、硫化亜鉛(ZnS)薄膜層、酸化亜鉛(ZnOx)薄膜層、酸化チタン(TiOx)薄膜層、酸化セリウム(CeOx)薄膜層、酸化ジルコニウム(ZrOx)薄膜層、酸化ケイ素(SiOx(x<2))薄膜層等の無機化合物薄膜層や、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂に、酸化亜鉛(ZnOx)、酸化チタン(TiOx)、酸化セリウムCeOx、酸化ジルコニウム(ZrOx)、酸化ケイ素(SiOx(x<2))等からなる無機微粒子を混入した樹脂薄膜層が使用できる。
特に、高屈折率薄膜層をZnS薄膜層としておけば、屈折率が2.4程度と高いため、本発明の金属調成形品が、高屈折率薄膜層と透過率調整層との相乗効果である金属光沢性をより現出しやすく、また近赤外線透過性により優れたものとなるため好ましい。
高屈折率薄膜層の形成方法は、高屈折率薄膜層が無機化合物薄膜層である場合には、真空蒸着法、スパッタリング蒸着法、CVD法等、従来公知の蒸着方法が使用でき、樹脂薄膜層である場合には、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート、スクリーン印刷法等の従来公知のコーティング方法が使用できる。
本発明の金属調成形品に形成する透過率調整層は、可視光透過率が60%以下の層である。
透過率調整層は、1層のみからなる単層としてもよく2層以上を積層した複数層としてもよい。
複数層とする場合は、透過率調整層を構成する全ての層を何れも可視光透過率が60%以下の層としておく必要はなく、透過率調整層全体としての可視光透過率が60%以下であればよい。
透過率調整層は、全体として可視光透過率が60%以下であれば各種様々な機能を有する層が使用でき、例えば、プラスチック等からなる透明基材、樹脂のみからなる透明樹脂層、接着性を有する樹脂からなる透明接着層、これらにそれぞれ染料や顔料等の着色剤を混入した着色基材、着色樹脂層、着色接着層等を適宜、単層、あるいは複数層としたものである。
ここで、本発明の金属調成形品について、保護層、高屈折率薄膜層、及び透過率調整層との関係を含めて具体的構成を下記に例示する。
(A)高屈折率薄膜層/透過率調整層(着色基材)
(B)高屈折率薄膜層/透過率調整層(透明接着層/着色基材)
(C)高屈折率薄膜層/透過率調整層(着色接着層/透明基材)
(D)高屈折率薄膜層/透過率調整層(透明樹脂層/透明接着層/着色基材)
(E)高屈折率薄膜層/透過率調整層(着色樹脂層/透明接着層/透明基材)
(F)高屈折率薄膜層/透過率調整層(着色樹脂層/透明接着層/着色基材)
(G)保護層(透明樹脂層)/高屈折率薄膜層/透過率調整層(透明樹脂層/透明接着層/着色基材)
(H)保護層(透明樹脂層)/高屈折率薄膜層/透過率調整層(着色樹脂層/透明接着層/透明基材)
(I)保護層(透明基材/透明接着層)/高屈折率薄膜層/透過率調整層(着色樹脂層)
(J)保護層(透明基材/透明接着層)/高屈折率薄膜層/透過率調整層(透明樹脂層/着色樹脂層)
(K)保護層(着色基材/透明接着層)/高屈折率薄膜層/透過率調整層(着色樹脂層)
(L)保護層(着色基材/透明接着層)/高屈折率薄膜層/透過率調整層(透明樹脂層/着色樹脂層)
(M)保護層(着色樹脂層/透明基材/透明接着層)/高屈折率薄膜層/透過率調整層(着色樹脂層)
(N)保護層(着色樹脂層/透明基材/透明接着層)/高屈折率薄膜層/透過率調整層(透明樹脂層/着色樹脂層)
上記の通り、透過率調整層は、着色基材や着色樹脂層の単層の構成である場合を除き、透明基材、着色基材、透明樹脂層、着色樹脂層、透明接着層、着色接着層等を適宜組み合わせて積層した複数層とすることができる。
また、本発明の目的を達成できる範囲であれば、構成(G)〜(N)のように、透過率調整層を構成する各層を単層、あるいは適宜組み合わせた複数層として、保護層に使用してももちろん構わない。
保護層は、基本的には高屈折率薄膜層をキズ等から保護する役割を果たすものであるが、保護層に、着色基材、着色樹脂層、着色接着層を形成した場合には、後述する通り本発明の金属調成形品によりバラエティに富んだ意匠を付与することができる。
さらに、本発明の目的を達成できる範囲であれば、本発明の金属調成形品に、高屈折率薄膜層、透過率調整層、及び保護層を何れも全面に形成してもよく、何れも図柄状等の部分的に形成してもよく、また、何れかを全面に形成し、何れかを部分的に形成しても構わない。
尚、何れかを部分的に形成した場合には、本発明の金属調成形品において、少なくとも、高屈折率薄膜層、及び透過率調整層が重なる位置のみが本発明の効果を有するものとなる。
何れの層を全面に形成するか、部分的に形成するかは、所望の目的や意匠に応じて適宜決定すればよい。
次に、高屈折率薄膜層と透過率調整層との相乗効果により現出する金属光沢性について詳述する。
上記の通り、本発明においては、高屈折率薄膜層と透過率調整層との相乗効果により金属光沢性が現出するが、このとき、透過率調整層の色(透過率調整層が複数層である場合には、透過率調整層全体とし現出する色)が黒色やスモーク色等の黒っぽい色の場合のように、透過率調整層の可視光透過スペクトルが比較的フラットとなる色である場合には、透過率調整層の色が目立たず、本発明の金属調成形品が、いわゆる単なる金属光沢性のみを有するものとなる。
しかし、透過率調整層の色が青色、黄色、赤色等の場合のように、透過率調整層の可視光透過スペクトルがフラットでなく、特定波長の可視光を透過する色である場合には、青色、黄色、赤色等の透過率調整層の色と金属光沢性が相俟って、青色、黄色、赤色等に着色された金属光沢性が現出するものである。
このように、着色された金属光沢性も本発明でいう金属光沢性に含まれる。
また、高屈折率薄膜層の透過率調整層が形成されている面と反対面側に保護層が形成され、かつ該保護層が着色されている場合には、高屈折率薄膜層と透過率調整層との相乗効果により現出する金属光沢性と着色された保護層の色が相俟って、バラエティに富んだ着色された金属光沢性が現出する。
このとき、着色樹脂層、着色接着層等を形成して可視光透過率を60%以下に調整した透過率調整層の色が、黒色やスモーク色の場合には、高屈折率薄膜層と透過率調整層との相乗効果による金属光沢性と、保護層の色が相俟った着色された金属光沢性が現出する。
そして、透過率調整層の色が青色、黄色、赤色等の場合には、高屈折率薄膜層と透過率調整層との相乗効果による、青色、黄色、赤色等に着色された金属光沢性に加え、さらに保護層の色が相俟って、よりバラエティに富んだ着色された金属光沢性が現出する。
以上のように保護層を着色された保護層とした場合には、該保護層の可視光透過率は60%超としておくことが好ましい。
次に、透過率調整層に形成される上記各層について、保護層に形成される場合も含めて詳述する。
本発明の金属調成形品に形成される基材としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、ポリオレフィン樹脂等の樹脂からなるプラスチックや、ガラス等からなる透明基材、該透明基材に着色剤を混入した着色基材が使用できる。
本発明の金属調成形品に使用する基材は、基本的には本発明の金属調成形品の支持体としての役割を果たすものである。
さらに、基材を着色基材として、本発明の金属調成形品の透過率調整層を構成する層のうちの一層として形成される場合には、上記役割に加え、透過率調整層の可視光透過率を60%以下に調整する層として、高屈折率薄膜層との相乗効果により本発明の金属調成形品に金属光沢性を付与する役割を果たすとともに、本発明の金属調成形品の金属光沢性と着色基材の色が相俟った着色された金属光沢性を付与する役割も果たす。
また、基材が保護層を構成する層のうちの一層として形成される場合には、本発明の金属調成形品の支持体としての役割や高屈折率薄膜層をキズ等から保護する保護層としての役割とともに、特に基材を着色基材とした場合には、前記の通り、高屈折率薄膜層と透過率調整層との相乗効果により現出する金属光沢性と保護層として形成された着色基材の色が相俟って、着色された金属光沢性を付与する役割も果たすものである。
上記の通り、基材は、本発明の金属調成形品の支持体となるものであり、その形状は、板状をはじめ様々な形状が使用できる。
そして、通常は支持体である基材は可撓性を有しないものを使用することが一般的であるため、基材の形状がそのまま本発明の金属調成形品の形状となり、その形状が維持される。
しかし、基材を、プラスチックフイルム等のシート状で可撓性を有する基材とした場合には、該可撓性を有する基材を使用した本発明の金属調成形品も当然可撓性を有するものとなる。
そして、このような可撓性を有する本発明の金属調成形品を、さらに別途可撓性を有しない様々な形状の基材に積層したものも、本発明の金属調成形品に含まれる。
基材の種類、形状、厚さ、基材を透明基材又は着色基材の何れを選択するか、着色基材とした場合の色、着色度合(色の濃さ)、可視光透過率、近赤外線透過率等については、所望の目的や意匠に応じて適宜決定すればよい。
本発明の金属調成形品に形成される透明樹脂層は透明な樹脂からなる層である。
また、着色樹脂層は、上記透明樹脂層に使用する樹脂と同様の樹脂に染料や顔料等の着色剤を混入したもので、着色された樹脂層である。
透明樹脂層及び着色樹脂層は、透過率調整層及び保護層に形成された場合、何れの場合も、透明樹脂層又は着色樹脂層と接する層との密着性を向上したり、透明樹脂層又は着色樹脂層と接する層等をキズ等から保護する役割を果たすものである。
このとき透明樹脂層又は着色樹脂層に使用する樹脂として、ハードコート性に優れた樹脂を使用すれば、透明樹脂層又は着色樹脂層と接する層をより保護できるので好ましい。
透明樹脂層や着色樹脂層が形成されている例としては、前記本発明の金属調成形品の構成(D)〜(N)が挙げられる。
透明樹脂層に使用する樹脂は、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、オレフィン樹脂等の樹脂が使用できる。
樹脂の種類や透明樹脂層の厚さ等については、所望の目的や意匠に応じて適宜決定すればよい。
着色樹脂層の役割は、透明樹脂層の上記役割に加え、本発明の金属調成形品の透過率調整層を構成する層のうちの一層として形成される場合には、前記着色基材と同様、透過率調整層の可視光透過率を60%以下に調整する層として高屈折率薄膜層との相乗効果により本発明の金属調成形品に金属光沢性を付与する役割を果たすものである。
また、保護層を構成する層のうちの一層として形成される場合には、前記の通り、高屈折率薄膜層と透過率調整層との相乗効果により現出する金属光沢性と着色樹脂層の色が相俟った着色された金属光沢性とする役割も果たすものである。
使用する樹脂の種類、着色剤の種類や樹脂に対する混入量、着色樹脂層の厚さ等については、所望の目的や意匠に応じて適宜決定すればよい。
透明接着層は、接着剤や粘着剤等に使用する透明な接着性のある樹脂からなり、透明接着層と接する層とを接着する役割、中でも基材等と他の層とを接着する役割を果たすものである。
透明接着層に使用する樹脂は、接着性のあるアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂等、従来公知の接着剤や粘着剤等に使用する樹脂が使用できる。
着色接着層は、上記透明接着層に使用する接着性のある樹脂と同様の樹脂に染料や顔料等の着色剤を混入したもので、着色された接着層である。
着色接着層の役割は、上記透明接着層の役割に加え、金属光沢性については着色樹脂層と同様の役割を果たすものである。
使用する樹脂の種類、着色剤の種類や樹脂に対する混入量、着色接着層の厚さ等については、所望の目的や意匠に応じて適宜決定すればよい。
尚、本発明の金属調成形品は、厚さが40〜80nmで屈折率が1.8〜2.5の金属光沢性を有しない透明な高屈折率薄膜層と、可視光透過率が60%以下である透過率調整層とを積層することで、その相乗効果により金属光沢性を有するものとなるので、基本的に、透過率調整層には、金属光沢性を有する層、例えば可視光透過率が60%以下の金属薄膜層は形成されない。
仮に、可視光透過率が60%以下の金属光沢性を有する金属薄膜層を形成した場合には、本発明の金属調成形品が、絶縁性を有しないばかりか、虹彩色を呈するものとなる場合があるので好ましくない。
従って、本発明の金属調成形品が、絶縁性等、本発明の目的を達成できる範囲であれば、例えば可視光透過率が60%超の金属薄膜層や、島状の金属薄膜層を全面あるいは部分的に形成することはもちろん構わない。
また、上記と同様、保護層にも、本発明の金属調成形品が、絶縁性等、本発明の目的を達成できる範囲であれば、例えば可視光透過率が60%超の金属薄膜層や、島状の金属薄膜層を全面あるいは部分的に形成することはもちろん構わない。
また、透過率調整層や保護層の可視光透過率を調整し、本発明の金属調成形品の可視光透過率を15%超60%以下の範囲としておけば、本発明の金属調成形品が視認性に優れたものとなり、本発明の金属調成形品を液晶表示部の文字等を該金属調成形品を通して表示する窓部を備えたオーディオ製品の筐体に使用した場合であっても、液晶表示部の文字等を本発明の金属調成形品を通して十分に視認できるため、上記窓部を備えたオーディオ製品の筐体などの視認性を必要とされる用途にも実用上問題なく使用可能となる。
尚、本発明の金属調成形品の構成を、高屈折率薄膜層、及び透過率調整層のみからなるものとした場合、あるいはさらに保護層を形成した場合であっても該保護層が透明である場合には、透過率調整層の可視光透過率と本発明の金属調成形品の可視光透過率にあまり差異がない。
従って、少なくとも透過率調整層の可視光透過率を20〜60%の範囲としておけば、本発明の金属調成形品を透過する透過光を高屈折率薄膜層や透明な保護層がある程度透過するため、本発明の金属調成形品の可視光透過率が15%超60%以下の範囲となり、本発明の金属調成形品が金属光沢性、及び絶縁性に加え、視認性にも優れたものとなるので好ましい。
しかし、透過率調整層の可視光透過率を20%未満とした場合には、本発明の金属調成形品の可視光透過率が15%以下となるおそれがあり、液晶表示部の文字等を本発明の金属調成形品を通して十分に視認できないか全く視認できない場合があるため、視認性を必要とされる用途に使用が困難となるおそれがある。
従って、本発明の金属調成形品を、視認性を必要とされる用途にも使用可能とするためには、少なくとも透過率調整層の可視光透過率を20〜60%としておくことが好ましい。
また、透過率調整層の近赤外線透過率や保護層の近赤外線透過率を調整することで、本発明の金属調成形品の近赤外線透過率を70%以上としておけば、本発明の金属調成形品が近赤外線透過性に優れたものとなり、本発明の金属調成形品を近赤外線通信を利用した送受信部を備えたテレビやリモコン等の筐体に使用した場合であっても、近赤外線により該リモコン等が問題なく動作するため、近赤外線透過性を必要とされる用途にも実用上問題なく使用可能となる。
この場合、本発明の金属調成形品は、金属光沢性、絶縁性、及び近赤外線透過性を兼ね備えたものとなる。
さらに、本発明の金属調成形品の可視光透過率を15%超〜60%以下とするとともに、本発明の金属調成形品の近赤外線透過率を70%以上としておけば、本発明の金属調成形品が、金属光沢性、絶縁性、視認性、及び近赤外線透過性をも兼ね備えたものとなり、視認性を必要とされる用途とともに、近赤外線透過性を必要とされる用途の両方の用途に使用可能となる。
本発明の金属調成形品を製造するには、所望の目的や意匠に応じて、高屈折率薄膜層、透明樹脂層、着色樹脂層、透明接着層、着色接着層等を適宜組み合わせて、支持体である基材の片面、又は両面に直接積層すればよい。
高屈折率薄膜層、透明樹脂層、着色樹脂層、透明接着層、着色接着層等の形成方法は、前記した通りである。
しかし、本発明の金属調成形品を製造するには、本発明の金属調成形品を構成する層のうち、基材を除く他の全ての層を、あるいはその一部の層を、離型性を有するプラスチックフイルム上にあらかじめ積層した本発明の転写フイルムを使用して、基材に転写することにより製造するのが生産性の点から好ましい。
このとき、一部の層を、離型性を有するプラスチックフイルム上にあらかじめ積層した本発明の転写フイルムを使用して、本発明の金属調成形品を製造する場合には、残る一部の層を何らかの方法で別途形成する必要がある。
この場合には、残る一部の層を前記した方法により直接形成するか、あるいは、離型性を有するプラスチックフイルム上に残る一部の層を積層した転写フイルムを別途製造し、該転写フイルムを使用して転写することにより形成する方法が挙げられる。
尚、転写方法は、熱ロール転写法、インモールド転写法等の従来公知の転写方法が使用できる。
本発明の転写フイルムの構成としては、離型性を有するプラスチックフイルム上に、少なくとも、厚さが40〜80nmで屈折率が1.8〜2.5の高屈折率薄膜層、及び接着層が順次形成されている必要がある。
本発明の転写フイルムの構成は、所望の本発明の金属調成形品の構成により適宜決定すればよいが、本発明の転写フイルムの構成と本発明の金属調成形品の構成との関係を具体的に下記に例示する。
詳細には、前記構成(B)〜(N)の本発明の金属調成形品を製造するための本発明の転写フイルムの構成と、構成(B)〜(N)の該金属調成形品との対応関係がわかるように、本発明の転写フイルムを基材に貼り合せた状態の構成をそれぞれ例示すると下記(B´)〜(N´)の通りとなる。
そして、下記構成から離型性を有するプラスチックフイルムを剥離すれば、本発明の金属調成形品となるものである。
尚、構成(A)については、透過率調整層である着色基材に直接高屈折率薄膜層を蒸着法等で直接形成する方法が一般的であり、また簡便であるため、本発明の転写フイルムを使用して製造する具体例からは省略した。
(B´)転写フイルム(離型性を有するプラスチックフイルム/高屈折率薄膜層/透明接着層)/着色基材
(C´)転写フイルム(離型性を有するプラスチックフイルム/高屈折率薄膜層/着色接着層)/透明基材
(D´)転写フイルム(離型性を有するプラスチックフイルム/高屈折率薄膜層/透明樹脂層/透明接着層)/着色基材
(E´)転写フイルム(離型性を有するプラスチックフイルム/高屈折率薄膜層/着色樹脂層/透明接着層)/透明基材
(F´)転写フイルム(離型性を有するプラスチックフイルム/高屈折率薄膜層/着色樹脂層/透明接着層)/着色基材
(G´)転写フイルム(離型性を有するプラスチックフイルム/透明樹脂層/高屈折率薄膜層/透明樹脂層/透明接着層)/着色基材
(H´)転写フイルム(離型性を有するプラスチックフイルム/透明樹脂層/高屈折率薄膜層/着色樹脂層/透明接着層)/透明基材
(I´)透明基材/転写フイルム(透明接着層/高屈折率薄膜層/着色樹脂層/離型性を有するプラスチックフイルム)
(J´)透明基材/転写フイルム(透明接着層/高屈折率薄膜層/透明樹脂層/着色樹脂層/離型性を有するプラスチックフイルム)
(K´)着色基材/転写フイルム(透明接着層/高屈折率薄膜層/着色樹脂層/離型性を有するプラスチックフイルム)
(L´)着色基材/転写フイルム(透明接着層/高屈折率薄膜層/透明樹脂層/着色樹脂層/離型性を有するプラスチックフイルム)
(M´)着色樹脂層/透明基材/転写フイルム(透明接着層/高屈折率薄膜層/着色樹脂層/離型性を有するプラスチックフイルム)
(N´)着色樹脂層/透明基材/転写フイルム(透明接着層/高屈折率薄膜層/透明樹脂層/着色樹脂層/離型性を有するプラスチックフイルム)
本発明の転写フイルムに形成する高屈折率薄膜層、透明樹脂層、着色樹脂層、透明接着層、着色接着層は、前記本発明の金属調成形品で説明した各々の層がそのまま使用できる。
上記離型性を有するプラスチックフイルムは、離型性を有するプラスチックフイルム上に形成されている各層(転写層)を、基材に転写した後は、本発明の金属調成形品から剥離されるものである。
離型性を有するプラスチックフイルムに使用するプラスチックフイルムは、ポリエチレンテレフタレートフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリエチレンフイルム、アクリルフイルム、塩化ビニルフイルム等の従来公知の転写フイルムに使用されているプラスチックフイルムが使用できる。
また、離型性を有するプラスチックフイルムに、ヘアライン加工、エンボス加工等の凹凸加工を施してもよく、このような凹凸加工を施したものも、本発明の離型性を有するプラスチックフイルムに含まれる。
凹凸加工を施しておくことにより、本発明の転写フイルムを使用して製造した本発明の金属調成形品が、ヘアライン調、エンボス調等の凹凸調の金属光沢性を有するものとなり、より意匠性に富んだものとなる。
また、離型性の向上を目的に、上記プラスチックフイルム上(凹凸加工を施した場合には該凹凸加工面上)に、プラスチックフイルムと密着し、かつ転写層との界面で剥離する、エポキシメラミン樹脂、アクリルメラミン樹脂等の樹脂からなる離型層を形成しておいても構わない。
このように、プラスチックフイルム上に離型層を形成したものも、本発明でいう離型性を有するプラスチックフイルムに含まれる。
尚、本発明の転写フイルムを転写した際、離型層の界面で転写層が剥離せず、離型層の一部が転移して転写層表面に形成される場合が仮にあったとしても、本発明の金属調成形品の効果に影響を与えない場合には問題はなく、このように本発明の金属調成形品を構成する層のごく一部に離型層が形成されているものも、本発明の金属調成形品に含まれる。
プラスチックフイルムの種類や厚さ、離型層に使用する樹脂の種類や厚さ等は、所望の目的に応じて適宜決定すればよい。
離型性を有するプラスチックフイルム上に形成される透明樹脂層、着色樹脂層、透明接着層、着色接着層等の形成方法は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法等の従来公知のコーティング方法が使用できる。
また、高屈折率薄膜層の形成方法は、高屈折率薄膜層が無機化合物薄膜層である場合には、真空蒸着法、スパッタリング蒸着法、CVD法等、従来公知の蒸着方法が使用でき、樹脂薄膜層である場合には、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法等の従来公知のコーティング方法が使用できる。
[実施例1]
(転写フイルムの製造)
片面にヘアライン加工を施した厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフイルムのヘアライン加工面上に、グラビアコート法によりアクリル樹脂からなる厚さ1μmの透明樹脂層(1)を全面に形成し、透明樹脂層(1)上にグラビアコート法によりアクリルウレタン樹脂からなる厚さ1μmの透明樹脂層(2)を全面に形成し、透明樹脂層(2)上に真空蒸着法により厚さ55nmの高屈折率薄膜層であるZnS薄膜層を全面に形成し、さらにZnS薄膜層上にリバースコート法によりアクリル樹脂からなる厚さ1.5μmの透明接着層を全面に形成して、離型性を有するプラスチックフイルム(ポリエチレンテレフタレートフイルム)/透明樹脂層(1)/透明樹脂層(2)/高屈折率薄膜層(ZnS薄膜層)/透明接着層からなる本発明の転写フイルムを得た。
(金属調成形品の製造)
着色基材である、厚さ2mmのスモーク色アクリル板(可視光透過率:25% 近赤外線透過率:90%)の表面に、実施例1で得た本発明の転写フイルムの透明接着層側を接するようにして、熱ロール転写した後、離型性を有するプラスチックフイルム(ポリエチレンテレフタレートフイルム)を剥離して、[保護層(透明樹脂層(1)/透明樹脂層(2))]/[高屈折率薄膜層(ZnS薄膜層)]/[透過率調整層(透明接着層/着色基材(スモーク色アクリル板))]からなるオーディオフロント筐体(可視光透過率:22% 近赤外線透過率:82%)である本発明の金属調成形品を得た。
尚、上記各層は全て着色基材(スモーク色アクリル板)上の全面に形成されているものである。
また、上記本発明の金属調成形品であるオーディオフロント筐体における透過率調整層(透明接着層/着色基材(スモーク色アクリル板)))の可視光透過率は25%であった。
上記オーディオフロント筐体は、絶縁性を有しているとともに、表側(透明樹脂層(1)側)から見るとヘアライン調の金属光沢性を有していたが、裏側(スモーク色アクリル板側)から見たときには、ヘアライン調の金属光沢性を有していなかった。
さらに、上記オーディオフロント筐体の裏側後方に設けた液晶表示部の文字等を該オーディオフロント筐体を通して表側から見たところ、該文字等をはっきりと視認でき、視認性に優れていた。
さらに、上記オーディオフロント筐体の裏側後方に設けたリモコンの受信部について、動作性を確認したところ問題なく動作し、近赤外線透過性にも優れていた。
[実施例2]
(転写フイルムの製造)
片面にヘアライン加工を施した厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフイルムのヘアライン加工面上に、グラビアコート法によりアクリル樹脂からなる厚さ1μmの透明樹脂層(1)を全面に形成し、透明樹脂層(1)上にグラビアコート法によりアクリルウレタン樹脂からなる厚さ1μmの透明樹脂層(2)を全面に形成し、透明樹脂層(2)上に真空蒸着法により厚さ55nmの高屈折率薄膜層であるZnS薄膜層を全面に形成し、ZnS薄膜層上にグラビアコート法によりアクリル樹脂と青色染料とからなる厚さ1μmの青色の着色樹脂層を全面に形成し、さらに着色樹脂層上にリバースコート法によりアクリル樹脂からなる厚さ1.5μmの透明接着層を全面に形成して、離型性を有するプラスチックフイルム(ポリエチレンテレフタレートフイルム)/透明樹脂層(1)/透明樹脂層(2)/高屈折率薄膜層(ZnS薄膜層)/青色の着色樹脂層/透明接着層からなる本発明の転写フイルムを得た。
(金属調成形品の製造)
透明基材である、厚さ1mmの透明ポリカーボネート板(可視光透過率:90% 近赤外線透過率:90%)の表面に、実施例2で得た本発明の転写フイルムの透明接着層側を接するようにして、熱ロール転写した後、離型性を有するプラスチックフイルム(ポリエチレンテレフタレートフイルム)を剥離して、[保護層(透明樹脂層(1)/透明樹脂層(2))]/[高屈折率薄膜層(ZnS薄膜層)]/[透過率調整層(青色の着色樹脂層/透明接着層/透明基材(透明ポリカーボネート板))]からなるオーディオフロント筐体(可視光透過率:48% 近赤外線透過率:80%)である本発明の金属調成形品を得た。
尚、上記各層は全て透明基材(透明ポリカーボネート板)上の全面に形成されているものである。
また、上記本発明の金属調成形品であるオーディオフロント筐体における透過率調整層(青色の着色樹脂層/透明接着層/透明基材(透明ポリカーボネート板))の可視光透過率は51%であった。
上記オーディオフロント筐体は、絶縁性を有しているとともに、表側(透明樹脂層(1)側)から見ても、裏側(透明ポリカーボネート板側)から見ても、金属光沢性と着色樹脂層の青色が相俟ったヘアライン調で青色の金属光沢性を有していた。
尚、上記ヘアライン調で青色の金属光沢性は、裏側から見たときよりも、表側から見たときの方が、より強く現出していた。
さらに、上記オーディオフロント筐体の裏側後方に設けた液晶表示部の文字等を該オーディオフロント筐体を通して表側から見たところ、該文字等をはっきりと視認でき、視認性に優れていた。
さらに、上記オーディオフロント筐体の裏側後方に設けたリモコンの受信部について、動作性を確認したところ問題なく動作し、近赤外線透過性にも優れていた。
[実施例3]
(転写フイルムの製造)
厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフイルムの片面に、グラビアコート法によりアクリル樹脂からなる厚さ1μmの透明樹脂層(1)を全面に形成し、透明樹脂層(1)上にグラビアコート法によりアクリルウレタン樹脂と赤色染料とからなる厚さ1μmの赤色の着色樹脂層を全面に形成し、着色樹脂層上にグラビアコート法によりアクリルウレタン樹脂からなる厚さ1μmの透明樹脂層(2)を全面に形成し、透明樹脂層(2)上に真空蒸着法により厚さ55nmの高屈折率薄膜層であるZnS薄膜層を全面に形成し、さらにZnS薄膜層上にリバースコート法によりアクリル樹脂からなる厚さ1.5μmの透明接着層を全面に形成して、離型性を有するプラスチックフイルム(ポリエチレンテレフタレートフイルム/透明樹脂層(1))/赤色の着色樹脂層/透明樹脂層(2)/高屈折率薄膜層(ZnS薄膜層)/透明接着層からなる本発明の転写フイルムを得た。
(金属調成形品の製造)
透明基材である、厚さ1mmの透明ポリカーボネート板(可視光透過率:90% 近赤外線透過率:90%)の表面に、実施例3で得た本発明の転写フイルムの透明接着層側を接するようにして、熱ロール転写した後、離型性を有するプラスチックフイルム(ポリエチレンテレフタレートフイルム)を剥離した。その後、透明樹脂層(1)上に、さらにスクリーン印刷法によりアクリル樹脂と黒色顔料とからなる厚さ10μmの黒色の着色樹脂層(可視光透過率:0%)を図柄状に形成して、[透過率調整層(黒色の着色樹脂層(図柄状)/透明樹脂層(1)/赤色の着色樹脂層/透明樹脂層(2))]/[高屈折率薄膜層(ZnS薄膜層)]/[保護層(透明接着層/透明ポリカーボネート板(透明基材))]からなるオーディオフロント筐体(可視光透過率:53% 近赤外線透過率:80%)である本発明の金属調成形品を得た。
尚、上記各層は図柄状に形成されている黒色の着色樹脂層を除き、他の層は全て透明基材(透明ポリカーボネート板)上の全面に形成されているものである。
また、上記本発明の金属調成形品であるオーディオフロント筐体における透過率調整層(黒色の着色樹脂層(図柄状)/透明樹脂層(1)/赤色の着色樹脂層/透明樹脂層)のうち、黒色の着色樹脂層が形成されていない部分(透明樹脂層(1)/赤色の着色樹脂層/透明樹脂層の積層部分)の可視光透過率は57%であった。
上記オーディオフロント筐体は、絶縁性を有しているとともに、黒色の着色樹脂層が形成されていない部分については、表側(透明ポリカーボネート板側)から見ても裏側(透明樹脂層(1)側)から見ても、金属光沢性と着色樹脂層の赤色が相俟った赤色の金属光沢性を有しており、また、黒色の着色樹脂層が形成されている部分は、表側から見たときは、金属光沢性と赤色の着色樹脂層及び黒色の着色樹脂層の色が相俟った黒茶色の金属光沢性を有していたが、黒色の着色樹脂層が形成されている側から見たときには、黒色を呈しているのみで、金属光沢性は有していなかった。
尚、黒色の着色樹脂層が形成されていない部分については、上記黒茶色の金属光沢性は、裏側から見たときよりも、表側から見たときの方が、より強く現出していた。
さらに、上記オーディオフロント筐体の黒色の着色樹脂層が形成されていない部分の裏側後方に設けた液晶表示部の文字等を該オーディオフロント筐体を通して表側から見たところ、該文字等をはっきりと視認でき、視認性に優れていた。
さらに、上記オーディオフロント筐体の黒色の着色樹脂層が形成されていない部分の裏側後方に設けたリモコンの受信部について、動作性を確認したところ問題なく動作し、近赤外線透過性にも優れていた。

Claims (3)

  1. 少なくとも、厚さが40〜80nmで屈折率が1.8〜2.5の高屈折率薄膜層、及び可視光透過率が60%以下である透過率調整層が順次形成されていることを特徴とする金属調成形品。
  2. 保護層、厚さが40〜80nmで屈折率が1.8〜2.5の高屈折率薄膜層、及び可視光透過率が60%以下である透過率調整層が順次形成されていることを特徴とする金属調成形品。
  3. 請求項1、又は2何れか記載の金属調成形品を製造するために使用する転写フイルムであって、離型性を有するプラスチックフイルム上に、少なくとも、厚さが40〜80nmで屈折率が1.8〜2.5の高屈折率薄膜層、及び接着層が順次形成されていることを特徴とする転写フイルム。
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