JP2013540449A - 多重増幅および検出 - Google Patents

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Abstract

本発明は多重増幅の分野に関する。特に、本発明は、複数のプライマーおよび/またはプローブの別個の融解温度または融解プロファイルに基づき、単一反応中の1以上の核酸標的についてサンプルをアッセイする方法に関する。本発明はまた、そのような方法で使用するためのプローブおよびキットを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は多重検出の分野に関する。特に、本発明は、複数のプローブの別個の融解温度または融解プロファイルに基づき、単一の反応中の1つ以上の核酸標的についてサンプルをアッセイする方法に関する。本発明はまた、そのような方法において使用するためのプローブおよびキットを提供する。
多重PCR(これは単一のPCR反応中の多数の標的配列を同時に増幅するために多数のプライマー対を使用する)は、標準的な単一プライマー対のPCRよりもより効率的なPCRへのアプローチである。様々な標的に対する同時増幅は、PCR分析のコストおよびターンアラウンドタイムの両方を減少し、実験による変動および交差汚染の危険性を最小限にし、最終結果の信頼性を増大させる。多重PCRは、微生物の同定、遺伝子発現分析、変異および多型分析、遺伝子型決定およびDNAアレイ分析およびRNA検出を含むDNA試験の多くの分野において使用されている。
リアルタイムPCRはPCR反応中の増幅生成物を定量するために開発された。リアルタイムPCRは、新しく合成されたアンプリコンの形成と直接的または間接的に関連する色素からの蛍光の放射あるいはDNAテンプレートとのプライマーのアニーリングを検出することができ、各PCRサイクル中のアンプリコンの量に比例するという原理に基づく。リアルタイムPCRは閉管様式で行われ、それは定量的である。いくつかの方法が、リアルタイムPCRを行なうために現在利用可能であり、例えば、TaqManプローブ(米国特許第5,210,015号および第5,487,972号、およびLeeら、Nucleic Acids Res.21:3761−6,1993)、分子ビーコン(米国特許第5,925,517号および第6,103,476号、並びにTyagiおよびクレイマー、Nat.Biotechnol.14:303−8,1996)、自己プロービングアンプリコン(スコーピオン)(米国特許第6,326,145号、およびWhitcombeら、Nat.Biotechnol.17:804−7,1999)、Amplisensor(Chenら,Appl.Environ.Microbiol.64:4210−6,1998)、Amplifluor(米国特許第6,117,635号、およびNazarenkoら、Nucleic Acids Res.25:2516−21,1997、置換ハイブリダイゼーションプローブ(Liら、Nucleic Acids Res.30:E5,2002);DzyNA−PCR(Toddら、Clin.Chem.46:625−30,2000),蛍光制限酵素検出(Cairnsら、Biochem.Biophys.Res.Commun.318:684−90,2004)および隣接ハイブリダイゼーションプローブ(米国特許第6,174,670号、Wittwerら、Biotechniques 22:130−1、134−8、1997)が利用可能である。これらのプローブの多くは、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)に関係する一対の色素(リポーター色素およびアクセプター色素)から成り、それにより、アクセプター色素は、リポーター色素の放射をクエンチする。一般に、蛍光標識されたプローブは、アンプリコン定量の選択性を増加させる。
PCRにおいて使用されるプローブの別の形態は、2つの相補的なオリゴヌクレオチドを有する二本鎖の線状プローブである。先行技術に記載されているプローブは、等しい長さであり、そこでは、オリゴヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、一本鎖構造の標的配列のためのプローブとして機能する。オリゴヌクレオチドのうちの1つの5’末端は、フルオロホアで標識され、別のオリゴヌクレオチドの3’末端は、クエンチャー(例えばアクセプターフルオロホア)で標識され、あるいはその逆である。これらの2つのオリゴヌクレオチドが互いにアニールされる場合、2つの標識は互いに接近し、その結果、蛍光をクエンチする。しかしながら、標的核酸は、プローブへの結合に対して競合し、それにより、標的核酸の濃度上昇に伴い、割合として低いプローブの蛍光の増加をもたらす(Morrison L.ら,Anal.Biochem.,Vol.183,231−244ページ(1989);US5,928,862)。
部分的に二本鎖の線状プローブを作製するために、少数の塩基によって2つの相補的なオリゴヌクレオチドのうちの1つを短くすることにより修飾された二本鎖の線状プローブも、当技術分野で知られている。先行技術におけるそのような二本鎖の線状プローブで、より長いオリゴヌクレオチドは、フルオロホアで末端標識されており、わずかに短いオリゴヌクレオチドは、クエンチャーで末端標識されている。二本鎖形態において、プローブは、フルオロホアおよびクエンチャーが近接近するため蛍光はより少ない。しかしながら、標的の存在する状態で、より短いクエンチャーオリゴヌクレオチドは、標的によって置き換えられる。その結果、より長いオリゴヌクレオチド(プローブ−標的のハイブリッドの形態で)は、実質的に蛍光はより多い(Liら,Nucleic Acids Research,Vol30,No.2,e5(2002))。
米国特許出願第2005/0227257号は、わずかに修飾された二本鎖の線状核酸プローブについて記載している。この特許出願に記載されたプローブは、上記のものと比較してより多くの塩基によって、2つの相補的なオリゴヌクレオチドのうちの1つを短くすることにより修飾され、部分的に二本鎖の線状プローブが作製されている。
蛍光ハイブリダイゼーションプローブも他の分野で使用されている。例えば、蛍光ハイブリダイゼーションプローブを使用する多重遺伝子型決定方法について記載されており(例えば、米国特許第6,140,054号)、この方法は、変異および多型を同定するためにゲノム/核酸配列のPCR増幅された標的領域とハイブリダイズする蛍光ハイブリダイゼーションプローブの融解温度を利用する。
ハイスループット遺伝子試験の出現は、複数遺伝子の定性分析および定量分析の両方を必要とし、多重PCRおよびリアルタイムPCRから多重リアルタイムPCRへの収束に結びついた。色素が挿入されている二本鎖DNAは、それらの非特異性により多重化するのに適さないので、蛍光標識プローブは多重リアルタイムPCRを可能にした。しかしながら、多重リアルタイムPCRは、蛍光色素の組み合わせの利用可能性に制限される。現在、4つまたは5つまでの蛍光色素だけは、リアルタイムPCRで同時に検出定量することができる。
米国特許出願第2005/0053950号は、多重でリアルタイムのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を定量するためのプロトコルについて記載している。この方法は、各アンプリコンの異なる融解温度(T)と、アンプリコンが二本鎖である時または分離している時の、SYBR Green Iのような二本鎖DNA色素の放射の変化とに基づいた単一のリアルタイムPCR反応において複数のPCR生成物またはアンプリコンを定量する。Tを有する特定のアンプリコンについて、Tより下の温度で得られた放射測定値と、Tより上の温度で得られた放射測定値との間の放射の違いは、二本鎖状態にあるアンプリコンの放射値に相当する。したがって、単一のPCR反応中の各アンプリコンの放射の違いを用いて、各アンプリコンを定量することができる。しかしながら、そのような方法の多重度および感度は比較的低くなり得る。例えば、100〜150ヌクレオチド長の大きさのアンプリコン間の融解温度の差は小さい。したがって、これらの技術は、それらを識別することができるために、それらのサイズが大きく異なるアンプリコンの使用を必要とする。
しかしながら、より大きなレベルの多重度および感度を有する多重リアルタイムPCRのために、単一のPCR反応中で多数の標的配列を増幅および定量する他の方法を開発する必要がある。
本発明の方法は先行技術と異なる。第1に、本方法は、各プローブの異なる融解特性(Tまたは融解プロファイル)と、プローブの内部二本鎖部分が二本鎖である場合または分離している場合の、プローブ上の標識の放射の変化とに基づく。本発明のプローブは、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドによって形成され得る二本鎖部分を含み、この二本鎖部分は、同じまたは類似の標識を含むプローブの組内の異なるプローブを識別するプローブごとの別個のTを有する。第2に、第1のオリゴヌクレオチドは1つ以上の標識を含んでもよいし、含んでいなくてもよく、それは、増幅反応中に消費される最初のオリゴヌクレオチドである。2つの異なる温度における放射測定値間の放射の違いは、あるプローブが消費された後のプローブの放射値に相当する。第3に、消費されないプローブの融解プロファイルを測定することによって、サンプル中に存在する標的核酸の存在または量が示される。
本発明についての理解を容易にするために、多くの用語を以下に定義する。
本明細書中において使用する場合、用語「標的配列」、「標的核酸」、「標的核酸配列」および「対象の核酸」は、増幅されるか、検出されるか、またはその両方である所望の領域と同義的に使用され、それを意味する。標的配列(それは増幅および検出の対象である)は、任意の核酸であり得る。標的配列は、例えば、疾病を引き起こす微生物またはウィルスからのRNA、cDNA、ゲノムDNA、またはDNAもしくはRNAであることができる。標的配列はまた、化学試薬、様々な酵素および物理的曝露によって処理されたDNAであることができる。サンプル中の対象の標的核酸配列は、cDNA、mRNA、他のRNAのような、一本鎖のDNAまたはRNAとして存在してもよいし、あるいは、分離した相補鎖であってもよい。標的核酸の相補鎖の分離は、物理的、化学的、または酵素的手段によって行われ得る。記述および理解を容易にするために、特に反対の意味を示さないかぎり、対象または標的の核酸と言及した場合、試験サンプル中で見られるこれらの成分と、これらの核酸の部分の増幅されたコピーとの両方のことを言う。
本明細書中において使用する場合「プライマー」とは、ある核酸鎖に相補的なプライマー伸長生成物の合成が誘導される条件下に置かれた時に、すなわち、ヌクレオチド、およびDNAポリメラーゼ等の重合のための試薬、および適当な温度、およびバッファーの存在下に置かれた時に、天然に生じたものであれ、合成して生成されたものであれ、合成の開始点としての役割を果たすことができるオリゴヌクレオチドのことを言う。本明細書中におけるプライマーは、増幅される各特異的配列の異なる鎖に実質的に相補的であるように選択される。これは、プライマーがそれらのそれぞれの鎖とハイブリダイズするのに十分相補的でなければならないことを意味する。非相補的ヌクレオチド断片は、プライマー配列の残りの部分が標的塩基配列の診断的部分に相補的である状態で、プライマーの5’末端に付けられてもよい。
用語「〜に相補的」は、別の特定のヌクレオチドと塩基対を形成し得るヌクレオチドに関連して本明細書では使用される。すなわち、アデノシンはウリジンまたはチミジンに相補的であり、グアノシンはシチジンに相補的である。チミジンとグアノシンは特定の条件下で塩基対を形成し得るが、本明細書の目的に関しては相補的であるとは見なされないことが十分理解される。本発明の目的のために、用語「実質的に相補的である」とは、プローブの1つの鎖における核酸塩基の70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、および、最も好ましくは95%もしくは99%以上が、対応するヌクレオチドが互いにハイブリダイズし得るようなアラインメントにおいて、そのワトソン−クリック結合パートナーを見つけることを意味する。
用語「二重鎖」および「二本鎖」は互換的であり、オリゴ−ポリ−ヌクレオチドの1つの鎖が相補的なオリゴ−ポリ−ヌクレオチドとハイブリダイズすることを意味する。
用語「同一である」とは、2つの核酸配列が同じ配列または相補的な配列を有することを意味する。
本明細書中において使用する場合、「連続的モニタリング」および同様の用語は、PCRサイクル中に、好ましくは温度変移中に、複数回モニタリングすることをいい、より好ましくは、温度変移ごとに少なくとも1つのデータポイントを取得することを言う。
本明細書中において使用する場合、「サイクルごとのモニタリング」とは、サイクルごとに1回または複数回、PCR反応をモニターすることを意味する。
用語「実際の消費された量」(ACA)とは、蛍光測定により示されるように、反応中で消費されプローブの量を意味する。
本明細書中において使用する場合、「増幅」は、核酸配列の混合物内の特定の核酸配列の濃度を増加させるための任意の増幅手順の使用を意味する。
本明細書中において使用する場合、用語「サンプル」はその最も広い意味で使用される。核酸を含むと思われる生物学的サンプルは、(溶液中のまたは固体支持体に結合された)ゲノムDNA、cDNA等を含むことができるが、それらに限定されない。
本明細書中において使用する場合、「標識」とは、検出可能な(好ましくは定量可能な)シグナルを提供するために、または、提供されたシグナルに役立つために、使用することができ、かつ、核酸またはタンパク質と結合することができる、任意の原子または分子のことを言う。標識は、蛍光、放射能、比色、重量測定、磁気、酵素活性等によって検出可能なシグナルを提供することができる。
本明細書中において使用する場合、「隣接した」または「実質的に隣接した」とは、テンプレート核酸のその相補鎖上の2つのオリゴヌクレオチドの配置のことを言う。オリゴヌクレオチドがハイブリダイズする2つのテンプレート領域は連続的、すなわち、2つのテンプレート領域間にギャップは存在しなくてもよい。あるいは、オリゴヌクレオチドがハイブリダイズした2つのテンプレート領域は、1〜約40ヌクレオチド、より好ましくは1〜10ヌクレオチド、分離されていてもよい。
用語「熱的サイクリング」、「熱サイクリング」、「熱サイクル(複数)」または「熱サイクル」とは、全ての変性温度から、アニーリング(またはハイブリダイジング)温度へ、伸長温度へ、および全ての変性温度へ戻ってくる温度変化の反復的サイクルのことを言う。この用語は、変性温度および伸長温度の反復的サイクルのことも言い、この場合、アニーリング温度および伸長温度は組み合わされて1つの温度にされる。全ての変性温度は、全ての二本鎖断片を一本鎖に解く。アニーリング温度は、核酸テンプレートの分離された鎖の相補的な配列にプライマーがハイブリダイズまたはアニールすることを可能にする。伸長温度は、アンプリコンの発生期のDNA鎖の合成を可能にする。
本明細書中において使用する場合、用語「反応」とは、ハイブリダイゼーション反応、伸長反応、または増幅反応、または他の生物学的、化学的反応のことを言う。
本明細書中において使用する場合、「増幅混合物」または「PCR混合物」とは、核酸テンプレートから標的核酸を検出するために必要な成分の混合物のことを言う。この混合物は、ヌクレオチド(dNTP)、プローブ、熱安定性ポリメラーゼ、プライマーおよび複数の核酸テンプレートを含んでもよい。この混合物はさらに、トリスバッファー、一価の塩およびMg2+を含んでもよい。各成分の濃度は、当技術分野において良く知られており、当業者によってさらに最適化することができる。
「増幅生成物」または「アンプリコン」は、PCRのような増幅方法において1対のプライマーを使用して、ポリメラーゼによって増幅されるDNA断片のことを言う。
用語「融解プロファイル」とは、二本鎖から一本鎖核酸(またはその逆)へのオリゴ(またはポリ)ヌクレオチド分子の変移を示す、オリゴ(またはポリ)ヌクレオチドおよびその相補体の一群の測定値のことを言う。二本鎖から一本鎖形態への核酸の変移は、その核酸分子の「融解」として当技術分野において記載されることが多い。この変移は、核酸の「変性」または「解離」と記載してもよい。したがって、本発明の融解プロファイルも、「解離プロファイル」、「変性プロファイル」、「融解曲線」、「解離曲線」、「ハイブリダイゼーション/解離プロファイル」等とも呼ばれ得る。
核酸分子の「融解温度」または「T」とは、一般的に、ポリヌクレオチドがその相補的な配列から解離する温度のことを言う。一般的に、Tは、二本鎖核酸分子状態にあるワトソン−クリック塩基対の半分は壊れるまたは解離する(すなわち、「融解」する)が、二本鎖構造状態にあるワトソン−クリック塩基対のもう半分は損なわれていない温度として定義され得る。二本鎖核酸分子がオリゴヌクレオチドである好ましい実施形態において、および、二本鎖核酸が2状態様式で解離している他の実施形態において、核酸のTは、サンプル中の核酸分子の半分が一本鎖構造であり、そのサンプル中の核酸分子のもう半分が二本鎖構造である温度として定義され得る。したがって、Tは、二本鎖から一本鎖核酸分子への(あるいは逆に、変移中、一本鎖から二本鎖核酸分子への)変移の中間点を規定する。二本鎖から一本鎖核酸分子への変移は、単一の温度においては生じないが、好ましくは、ある温度範囲にわたって生じる。それにもかかわらず、Tは、サンプル中の核酸分子が、一本鎖構造で存在するのか、二本鎖構造で存在するのかを見積もるための便利な測定を提供する。このように、核酸サンプルの融解温度は、そのサンプルの融解プロファイルを単純に評価することにより容易に取得され得る。
用語「消費された」または「消費」とは、標識されたプローブが通常損なわれていない温度で、自由に標識されたプローブの量が減少することを意味する。標識されたプローブが、二本鎖部分を含んでもよいし、含まなくてもよく;標識されたプローブの消費はシグナルの変化の検出をもたらし得る。標識されたプローブの消費は、標的核酸へのプローブのハイブリダイゼーションまたは標的核酸へのハイブリダイゼーションの際のプローブの分解を伴い得る。二本鎖部分を含むプローブの場合、自由に標識されたプローブの量の減少は、プローブの少なくとも1つの鎖が二本鎖部分を形成することができすることができない結果であり得るし、二本鎖部分は、プローブの第1のオリゴヌクレオチドまたはプローブの第2のオリゴヌクレオチドのいずれかまたはその両方である。プローブの少なくとも1つの鎖の欠如は、プローブの第1のオリゴヌクレオチド、プローブの第2のオリゴヌクレオチドまたはプローブの両方のオリゴヌクレオチドが、標的核酸とハイブリダイズすることを意味する。プローブの第1のオリゴヌクレオチド、プローブの第2のオリゴヌクレオチドまたはプローブの両方のオリゴヌクレオチドと標的核酸のハイブリダイゼーションに、プライマーとして機能するプローブのオリゴヌクレオチドの伸長、またはプローブのオリゴヌクレオチドの分解が続くことができる。
本発明は、多くの異なる標的核酸配列の本質的に同時の増幅および検出を可能にする方法について記載する。
第1の態様において、本発明は、1つ以上の標的核酸についてサンプルをアッセイする方法を提供し、この方法は、以下のステップを含む:
(a)1つ以上の標的核酸を含むサンプルを、以下を含む増幅反応混合物と接触させること:
(i)正方向/逆方向オリゴヌクレオチドプライマーの1つ以上の対であって、サンプル中に存在する場合、前記プライマー対は、1つ以上の標的核酸を増幅することができる、プライマー対、
(ii)2つ以上のプローブの組であって、前記組中の少なくとも1つのプローブは二本鎖部分を含む、プローブ組、
この場合、前記組中の各プローブは、各プローブに特徴的な可変性のシグナルを生じることができる検出可能な標識または検出可能な標識の組み合わせを含む、および
この場合、前記2つ以上のプローブは、同じ検出可能な標識、または、識別不可能な発光スペクトルを有する異なる検出可能な標識を含み、かかるプローブのそれぞれの融解特性は異なり、二本鎖部分を有する各プローブは特徴となる融解温度を有するのに対し、二本鎖部分を有さない一本鎖プローブは特徴となる融解温度を有さない;
(b)増幅条件下で、サンプル/反応混合物において増幅反応を行なうこと、この場合、標的核酸が存在する場合、その標的核酸の一部に実質的に相補的なプローブの一部は、前記標的核酸とハイブリダイズし、その結果、消費され、この場合、プローブの消費は、標識の検出可能なシグナルの変化を生じ、また、元のプローブが二本鎖部分を有する場合、消費されたプローブはもはや二本鎖部分を形成することはできない;および
(c)温度の関数としてプローブ中の標識からシグナルを検出することにより、反応混合物中の消費されないプローブの融解プロファイルを少なくとも一度測定すること、この場合、前記融解プロファイル分析における任意のプローブの融解特性の有無は、そのプローブの非消費または消費を示し、それにより、前記サンプル中に少なくとも1つの標的核酸が存在するか否かも示される。
別の態様において、本発明は、1つ以上の標的核酸についてサンプルをアッセイする方法を提供し、この方法は、以下のステップを含む:
(a)1つ以上の標的核酸を含むサンプルを、以下を含む増幅反応混合物と接触させること:
2つ以上のプローブの組であって、前記組中の少なくとも1つのプローブは二本鎖部分を含む、プローブ組、
この場合、前記組中の各プローブは、各プローブに特徴的な可変性のシグナルを生じることができる検出可能な標識または検出可能な標識の組み合わせを含む、および
この場合、前記2つ以上のプローブは、同じ検出可能な標識、または、識別不可能な発光スペクトルを有する異なる検出可能な標識を含み、かかるプローブのそれぞれの融解特性は異なり、二本鎖部分を有する各プローブは特徴となる融解温度を有するのに対し、二本鎖部分を有さない一本鎖プローブは特徴となる融解温度を有さない;
(b)サンプル/反応混合物において増幅反応を行なうこと、この場合、伸長条件下で前記反応はプライマー伸長反応であり、この場合、標的核酸が存在する場合、伸長可能である前記対応するプローブは、標的核酸とハイブリダイズし、その結果、プライマー伸長反応中に消費され、この場合、プローブの消費は、標識の検出可能なシグナルの変化を生じ、また、元のプローブが二本鎖部分を有する場合、消費されたプローブはもはや二本鎖部分を形成することはできない;および
(c)温度の関数としてプローブ中の標識からシグナルを検出することにより、前記反応混合物中の消費されないプローブの融解プロファイルを少なくとも一度測定すること、この場合、前記融解プロファイル分析における任意のプローブの融解特性の有無は、そのプローブの非消費または消費を示し、それにより、前記サンプル中に少なくとも1つの標的核酸が存在するか否かも示される。
別の態様において、本発明は、1つ以上の標的核酸についてサンプルをアッセイする方法を提供し、この方法は、以下のステップを含む:
(a)1つ以上の標的核酸を含むサンプルを、以下を含むハイブリダイゼーション反応混合物と接触させること:
2つ以上のプローブの組であって、前記組中の少なくとも1つのプローブは二本鎖部分を含む、プローブ組、
この場合、前記組中の各プローブは、各プローブに特徴的な可変性のシグナルを生じることができる検出可能な標識または検出可能な標識の組み合わせを含む、および
この場合、前記2つ以上のプローブは、同じ検出可能な標識、または、識別不可能な発光スペクトルを有する異なる検出可能な標識を含み、かかるプローブのそれぞれの融解特性は異なり、二本鎖部分を有する各プローブは特徴となる融解温度を有するのに対し、二本鎖部分を有さない一本鎖プローブは特徴となる融解温度を有さない;
(b)ハイブリダイゼーション条件下で、サンプル/反応混合物においてハイブリダイゼーション反応を行なうこと、この場合、標的核酸が存在する場合、その標的核酸の一部と実質的に相補的である対応するプローブは、標的核酸とハイブリダイズし、その結果、反応中に消費され、この場合、プローブの消費は、標識の検出可能なシグナルの変化を生じ、また、元のプローブが二本鎖部分を有する場合、消費されたプローブはもはや二本鎖部分を形成することはできない;および
(c)温度の関数としてプローブ中の標識からシグナルを検出することにより、前記反応混合物中の消費されないプローブの融解プロファイルを少なくとも一度測定すること、この場合、前記融解プロファイル分析における任意のプローブの融解特性の有無は、そのプローブの非消費または消費を示し、それにより、前記サンプル中に少なくとも1つの標的核酸が存在するか否かも示される。
本発明の別の実施形態において、前記2つ以上のプローブの組は、二本鎖部分を含まない少なくとも1つの一本鎖ローブを含んでもよい。
前記一本鎖プローブは、プローブの標的核酸とのハイブリダイゼーションおよび/またはプローブの分解の際に検出可能なシグナルの変化を生じる2つの色素によって標識されたプローブであってもよい。
本発明の別の実施形態において、前記2つ以上のプローブの組は、二本鎖部分を有する少なくとも2つのプローブを含んでもよく、
この場合、第1のプローブは、その二本鎖部分に関して融解温度T1を有し、
この場合、第2のプローブは、その二本鎖部分に関して融解温度T2を有し、
この場合、T1>T2であり、
この場合、同じ標識が、第1および第2のプローブに独立して付けられ、
この場合、T1および/またはT2の任意の融解ピークの減少が、第1および/または第2のプローブの消費を示す。
上記方法において、二本鎖部分を有するプローブは、分子ビーコンプローブであることができる。あるいは、二本鎖部分を有するプローブは、以下を含んでもよい:
第1および第2のオリゴヌクレオチドが、二本鎖部分を形成することができるような、
第1の領域および第2の領域を含む第1のオリゴヌクレオチド、この場合、前記第1の領域は、1つの標的核酸の一部に実質的に相補的である、ならびに
第1のオリゴヌクレオチドの第2の領域と実質的に相補的である領域を含む少なくとも1つの第2のオリゴヌクレオチド。
上記方法のいずれにおいても、前記融解プロファイルは、反応/増幅が行われる前に測定されてもよく(増幅前融解プロファイル)、および/または、反応/増幅の完了後に測定され(増幅後融解プロファイル)、および/または、各サイクルもしくは選択されたサイクルにおける反応/増幅中に測定され(増幅中融解プロファイル)、
前記方法は、以下のステップ(d)をさらに含み、
(i)(c)で得られた少なくとも2つの融解プロファイルを比較すること、
および/または
(ii)ステップ(c)で得られた融解プロファイルを、
同じプローブの以前に得られた融解プロファイルと、もしくは
対照反応中の同じ時間に同時に得られた同じプローブの融解プロファイルと、もしくは
同じプローブの理論的融解プロファイルと比較すること、
この場合、融解プロファイルの変化は、前記サンプル/反応混合物中に少なくとも1つの標的核酸が存在するか否かを示し、
前記増幅前融解プロファイルは、反応/増幅開始前に同じ反応容器中で測定されるか、または、反応/増幅に必要な1つ以上の成分を欠くその反応混合物により増幅が行われない個別の反応容器中で測定され、
ステップ(d)において、増幅後または増幅中融解プロファイルは、特定のプローブが消費されるか否かを調べるために、二本鎖のプローブの増幅前融解プロファイルと比較され、これにより、サンプル中の対応する標的の存在が示される。
別の実施形態において、前記プローブの第2のオリゴヌクレオチドは、前記プローブの第1のオリゴヌクレオチド、プライマー、反応バッファー、酵素および増幅中の反応に必要な他の成分を含む主要反応混合物から物理的に分離され得るが、融解プロファイルを測定するために、増幅プロセスの完了後に主要反応混合物と混合することができる。このことは、第2のオリゴヌクレオチドを前記反応完了後に主要反応容器中に添加することにより行うことができる。あるいは、1つの反応容器が2つの別個のチャンバーを有してもよく、そのうちの1つは主要反応混合物と適合し;別のチャンバーは第2のオリゴヌクレオチドを含む。反応完了後、2つのチャンバーの液体はともに混合され、融解プロファイルが測定される。このように、反応容器を開放する必要がないので、汚染リスクを減らす。
本発明の方法において、少なくとも1つの検出可能な標識は、蛍光標識であってもよく、この場合、ステップ(b)は様々な測定温度(MT)でサイクルごとの蛍光放射(FE)を得るステップ(b1)をさらに含み、この場合、前記蛍光放射(FE)は、基準線補正された蛍光(dR)である。
本発明の方法のいずれにおいても、前記増幅は、変性、アニーリング、およびプライマー伸長ステップのうちの2つ以上のサイクルを含む等温増幅または温度サイクリング増幅反応であってもよい。
プローブの消費は、プローブまたはプローブの1つのオリゴヌクレオチドの標的配列へのハイブリダイゼーション、それに続く、プローブまたはプローブの1つのオリゴヌクレオチドの増幅産物への組み入れによって達成され得るか、またはこの場合、プローブまたはプローブの第1のオリゴヌクレオチドが増幅産物中に組み入れられ得る時、プローブまたはプローブの1つのオリゴヌクレオチドは伸長可能なプライマーであるか、もしくは、正方向/逆方向オリゴヌクレオチドプライマー対の一つである。
プローブの消費は、プローブの標的配列へのハイブリダイゼーション、それに続く、プローブまたはプローブの第1および/もしくは第2のオリゴヌクレオチドの分解により達成され得る、この場合、プローブが反応中に分解される場合、反応混合物はヌクレアーゼ活性を有する酵素を含み得る。
別の態様において、本発明は、1つ以上の核酸標的をアッセイするためのキットを提供し、このキットは、以下を含む2つ以上のプローブの組を含む:
二本鎖部分を含む前記組中の少なくとも1つのプローブ、
この場合、前記組中の各プローブは、各プローブに特徴的な可変性のシグナルを生じることができる検出可能な標識または検出可能な標識の組み合わせを含む、および
この場合、前記2つ以上のプローブは、同じ検出可能な標識、または、識別不可能な発光スペクトルを有する異なる検出可能な標識を含み、かかるプローブのそれぞれの融解特性は異なり、二本鎖部分を有する各プローブは特徴となる融解温度を有するのに対し、二本鎖部分を有さない一本鎖プローブは特徴となる融解温度を有さない;
または、二本鎖部分を有さない少なくとも1つの一本鎖プローブ、この場合、一本鎖プローブは、プローブの標的核酸とのハイブリダイゼーションおよび/もしくはプローブの分解の際に検出可能なシグナルの変化を生じる2つの色素によって標識されたプローブであってもよい;
または、二本鎖部分を有する少なくとも2つのプローブ、
この場合、第1のプローブは、その二本鎖部分に関して融解温度T1を有し、
この場合、第2のプローブは、その二本鎖部分に関して融解温度T2を有し、
この場合、T1>T2であり、
この場合、同じ標識が、第1および第2のプローブに独立して付けられ、
この場合、T1および/またはT2の任意の融解ピークの減少が、第1および/または第2のプローブの消費を示す。
1つの態様において、本発明は、1つ以上の標的核酸についてサンプルをアッセイする方法を提供し、この方法は、以下のステップを含む:
(a)1つ以上の標的核酸を含むサンプルを、以下を含む反応混合物と接触させること:
2つ以上のプローブの組、
この場合、二本鎖部分を有する少なくとも1つのプローブは:
第1および第2のオリゴヌクレオチドがプローブの二本鎖部分を形成することができるような、
第1の領域および第2の領域を含む第1のオリゴヌクレオチド、この場合、第1の領域は、1つの標的核酸の一部と実質的に相補的である、および
第1のオリゴヌクレオチドの第2の領域と実質的に相補的である領域を含む、少なくとも1つの第2のオリゴヌクレオチド、を含む、
この場合、各プローブは、標的核酸の有無に特徴的な可変性のシグナルを生じることができる検出可能な標識または検出可能な標識の組み合わせを含む、および
この場合、少なくとも2つの前記プローブは、同じ検出可能な標識、または、識別不可能な発光スペクトルを有する異なる検出可能な標識を含み、かかるプローブのそれぞれの融解特性(融解温度T)は異なり、融解プロファイル分析において識別可能である;
(b)サンプル/反応混合物において反応を行なうこと、この場合、伸長条件下で前記反応はプライマー伸長反応であり、この場合、標的核酸が存在する場合、プローブはプライマーとして機能し、伸長され、その結果、消費される、この場合、伸長可能であるプライマーである対応するプローブの第1のオリゴヌクレオチドは、標的配列とハイブリダイズし、その結果、プライマー伸長反応中に消費される、この場合、消費されたプローブのオリゴヌクレオチドは、もはやプローブの二本鎖部分(duplex)の形成に関与することはできない;および
(c)温度の関数としてプローブ中の標識からシグナルを検出することにより、前記反応混合物中の消費されないプローブの融解プロファイルを少なくとも一度測定すること、この場合、前記融解プロファイルは、前記サンプル中に少なくとも1つの標的核酸が存在するか否かを示す。
本実施形態において、プローブの第1のオリゴヌクレオチドは、プライマーとして機能する。プライマー伸長反応において、プローブの混合物は、伸長条件下で伸長のための成分をすべて含む反応混合物中へ添加される。特定の標的核酸が反応中に存在する場合、対応するプローブのオリゴヌクレオチドは、標的核酸とハイブリダイズし、伸長およびプライマー伸長生成物中への組み入れがそれに続き、その結果、消費される。消費されたオリゴヌクレオチドは、もはやプローブの二本鎖部分の形成に関与することはできない。融解プロファイル分析において、消費されたプローブは、ピークの減少または消失と見なすことができる。
本発明の1つの実施形態において、反応混合物は、二本鎖部分を含まない少なくとも1つのプローブを含んでもよい。この種のプローブは一本鎖プローブと呼ばれる。一本鎖プローブは、融解プロファイル分析の測定中に識別された融解プロファイルを示さないかもしれず、例えば、1つの一本鎖プローブは識別された融解温度(T)を有さないかもしれない。しかしながら、一本鎖プローブは、標的核酸とハイブリダイズした時に、検出可能なシグナルの変化を示し得る。ステップ(c)での融解プロファイル分析中に、消費された一本鎖プローブは、二本鎖部分を含む残りのプローブと識別可能である。例えば、ステップ(c)での融解プロファイル分析中に、検出可能なシグナルは増加しているけれど、反応混合物の融解プロファイルは有意な融解曲線の変化を示さない場合、すなわち、二本鎖部分を有する各プローブについての識別可能な融解の特徴が変化していない場合、増加したシグナルは、特徴的な融解プロファイルを有さない消費された一本鎖プローブであることを推察することができる。
別の態様において、本発明は、1つ以上の標的核酸についてサンプルをアッセイする方法を提供し、この方法は、以下のステップを含む:
(a)1つ以上の標的核酸を含むサンプルを、以下を含むハイブリダイゼーション反応混合物と接触させること:
2つ以上のプローブの組、
この場合、少なくとも1つのプローブは、
第1および第2のオリゴヌクレオチドが、二本鎖部分を形成することができるような、
1つの標的核酸の一部と実質的に相補的である第1の領域および第2の領域を含む、第1のオリゴヌクレオチド、ならびに
第1のオリゴヌクレオチドの第2の領域と実質的に相補的である領域を含む、少なくとも1つの第2のオリゴヌクレオチド、を含む、
この場合、前記少なくとも1つのプローブは、そのプローブの第1および第2のオリゴヌクレオチドの間の二本鎖部分の有無に特徴的な可変性のシグナルを生じることができる検出可能な標識または検出可能な標識の組み合わせを含む、および
この場合、少なくとも2つの前記プローブは、同じ検出可能な標識、または、識別不可能な発光スペクトルを有する異なる検出可能な標識を含み、かかるプローブのそれぞれの第1および第2のオリゴヌクレオチドの間の二本鎖部分の融解特性は異なり、融解プロファイル分析において識別可能である;
(b)ハイブリダイゼーション条件下、サンプル/反応混合物においてハイブリダイゼーション反応を行なうこと、この場合、標的核酸が存在する場合、その標的核酸の一部と実質的に相補的なプローブの第1のオリゴヌクレオチドは、標的配列とハイブリダイズし、その結果、反応中に消費される、消費されたプローブのオリゴヌクレオチドは、もはやプローブの二本鎖部分(duplex)の形成に関与することはできない;および
(c)温度の関数としてプローブ中の標識からシグナルを検出することにより、前記反応混合物中の消費されないプローブの融解プロファイルを少なくとも一度測定すること、この場合、前記融解プロファイルは、前記サンプル中に少なくとも1つの標的核酸が存在するか否かを示す。
1つの実施形態において、反応混合物は、二本鎖部分を含まない少なくとも1つのプローブを含んでもよい。プローブまたはプローブの第1のオリゴヌクレオチドは、ハイブリダイゼーションプローブとして機能し得る。ハイブリダイゼーション反応において、プローブの混合物は、ハイブリダイゼーション条件下ですべてのハイブリダイゼーション成分を含む反応混合物中へ添加される。特定の標的核酸が反応中に存在する場合、対応するプローブのオリゴヌクレオチドは、標的核酸とハイブリダイズし、その結果、消費される。消費されたオリゴヌクレオチドは、もはやプローブの二本鎖部分の形成に関与することはできない。融解プロファイル分析において、消費されたプローブは、ピークの減少または消失と見なすことができる。
別の態様において、本発明は、1つ以上の標的核酸についてサンプルをアッセイする方法を提供し、この方法は、以下のステップを含む:
(a)1つ以上の標的核酸を含むサンプルを、以下を含む増幅反応混合物と接触させること:
(i)正方向/逆方向オリゴヌクレオチドプライマーの1つ以上の対、この場合、サンプル中に存在する場合に、前記プライマー対は、1つ以上の標的核酸を増幅することができる、
(ii)2つ以上のプローブの組、この場合、少なくとも1つのプローブは、
第1および第2のオリゴヌクレオチドが、二本鎖部分を形成することができるような、
1つの標的核酸の一部と実質的に相補的である第1の領域および第2の領域を含む、第1のオリゴヌクレオチド、ならびに
第1のオリゴヌクレオチドの第2の領域と実質的に相補的である領域を含む、少なくとも1つの第2のオリゴヌクレオチド、を含む、
この場合、前記少なくとも1つのプローブは、そのプローブの第1および第2のオリゴヌクレオチドの間の二本鎖部分の有無に特徴的な可変性のシグナルを生じることができる検出可能な標識または検出可能な標識の組み合わせを含む、および
この場合、少なくとも2つの前記プローブは、同じ検出可能な標識、または、識別不可能な発光スペクトルを有する異なる検出可能な標識を含み、かかるプローブのそれぞれの第1および第2のオリゴヌクレオチドの間の二本鎖部分の融解特性は異なり、融解プロファイル分析において識別可能である;
(b)サンプル/増幅反応混合物において増幅反応を行なうこと、この場合、標的核酸が存在する場合、その標的核酸の一部と実質的に相補的である第1のオリゴヌクレオチドは、標的配列とハイブリダイズし、その結果、増幅反応中に消費される;および
(c)温度の関数としてプローブ中の標識からシグナルを検出することにより、消費されないプローブの融解プロファイルを少なくとも一度測定すること、この場合、前記融解プロファイルは、前記サンプル/増幅反応混合物中で少なくとも1つの標的核酸が増幅されているか否かを示す;
この場合、前記少なくとも2つのプローブの第1のプローブは、その二本鎖部分に関して融解温度T1を有し、
この場合、前記少なくとも2つのプローブの第2のプローブは、その二本鎖部分に関して融解温度T2を有し、
この場合、T1>T2であり、
この場合、同じ標識が、第1および第2のプローブに独立して付けられ、
この場合、T1および/またはT2の任意の融解ピークの減少が、第1および/または第2のプローブの消費を示す。
好ましくは、上記方法は、以下のステップ(d):
(i)(c)で得られた、少なくとも2つの融解プロファイルを比較すること
および/または
(ii)ステップ(c)で得られた融解プロファイルを、
同じプローブの以前に得られた融解プロファイルと、もしくは
対照反応中の同じ時間に同時に得られた同じプローブの融解プロファイルと、もしくは
同じプローブの理論的融解プロファイルと比較すること、
をさらに含み、この場合、融解プロファイルの変化は、前記サンプル/増幅反応混合物中で少なくとも1つの標的核酸が増幅されているか否かを示す。
本実施形態において、反応混合物は、特徴的な融解プロファイルを有さない少なくとも1つの一本鎖プローブを含む。
増幅反応は、PCR、SDA、NASBA、LAMP、3SR、ICAN、TMA、ヘリカーゼ依存性等温DNA増幅等のような任意の増幅方法であることができる。PCRは好ましい増幅方法である。
増幅反応混合物は標準的な増幅試薬を含み得る。増幅試薬は、4つのクラスの成分に便利に分類することができる:(i)水性バッファー、制限するものではないがマグネシウム塩を含む場合も多い、(ii)DNAまたはRNAのような増幅基質、(iii)1つ以上のオリゴヌクレオチドプライマー(通常、各標的配列に対して2つのプライマーであり、PCRが使用される場合、これらの配列は、二本鎖標的配列の2つの相補鎖の5’末端を規定する)、および(iv)ポリヌクレオチドポリメラーゼのような増幅酵素(例えば、PCRのためのTaqポリメラーゼまたはTMAのためのRNAポリメラーゼ)、またはリガーゼ。適切なヌクレオシド三リン酸も通常必要となり得る。さらなる試薬または添加剤も、当業者の判断で含むことができ、これらの試薬の選択は当業者の技術の範囲内である。当然、増幅試薬が逆転写および増幅の両方を引き起こすために使用される場合、その後、逆転写試薬も増幅試薬に含まれる。増幅試薬の選択は、使用される増幅反応の方法にしたがい、当業者の技術の範囲内である。
本明細書中に記載される方法において、標的核酸または対象となるヌクレオチド変異体を含むと思われるサンプルが提供される。サンプル中に含まれる標的核酸は、二本鎖ゲノムDNAまたはcDNAであってもよく、必要であれば、その後、それは、当業者に知られている物理的、化学的、または酵素的手段を含む任意の適切な変性方法を使用して変性される。鎖分離のための好ましい物理的手段は、鎖が完全に(>99%)変性するまで核酸を加熱することを含む。典型的な熱変性は、数秒から数分の範囲の時間、約80℃〜約105℃の範囲の温度を伴う。変性に代わる方法として、標的核酸は、一本鎖RNAまたはDNAウィルスのように、サンプル中に一本鎖形態で存在してもよい。
変性した核酸鎖は、次に、ハイブリダイゼーション条件下、すなわち、プライマーおよびプローブが一本鎖核酸へ結合することが可能となる条件下で、オリゴヌクレオチドプライマーおよびプローブと一緒にインキュベートされる。本発明のいくつかの実施形態において、アニールされたプライマーおよび/またはプローブは、重合剤によって伸長される。テンプレート依存性のオリゴヌクレオチドプライマーの伸長は、適切な塩類、金属陽イオン、およびpHバッファーシステムを含む反応媒質中で、適切な量の4つのデオキシリボヌクレオシド三リン酸塩(dATP、dGTP、dCTPおよびdTTP)または類似体が存在する状態で重合剤によって触媒作用が及ぼされる。適切な重合剤は、プライマーおよびテンプレート依存性のDNA合成に触媒作用を及ぼすことが知られている酵素である。これらのDNAポリメラーゼを用いてDNA合成に触媒作用を及ぼすための反応条件は、当技術においては良く知られている。プローブは増幅中に消費される。
増幅プライマーは、標的特異的なプライマーであることができ、これは、標的核酸の所望の領域に相補的である3’プライミング部分を含む。SNPの遺伝子型決定または様々なヌクレオチドの検出のためには、増幅プライマーは、対立遺伝子に特有のプライマーであってもよく、この場合、特定のヌクレオチドを含む診断的領域にプライマーがアニールする時にプライマーの伸長生成物は合成されるが、標的核酸配列の特定のヌクレオチドを含まない診断的領域にプライマーがアニールする時にはプライマーの伸長生成物は合成されないような、変異が疑われるヌクレオチドに相補的であるものまたは対応する通常のヌクレオチドに相補的であるもののいずれかとなるようにプライマーの末端ヌクレオチドは選択される。
正方向および逆方向プライマーのプライマー対が、増幅反応混合物中に含まれ、その結果、標的核酸がサンプル中に存在する場合には、プライマー対はその標的核酸を、好ましくは指数関数的に、増幅することができる。
いくつかの実施形態において、反応混合物中には、1〜50、1〜25、1〜20または1〜10のプライマー対が存在し得る。他の実施形態において、反応混合物中には、5〜50、5〜25、5〜20または5〜10のプライマー対が存在し得る。上述のように、特定のプライマー対における正方向または逆方向プライマーは、1つ以上のプライマー対に共通の普遍的なプライマーであってもよい。
増幅反応混合物は、2つ以上のプローブの組を含む。少なくとも1つのプローブは、二本鎖部分を含む。プローブは分子ビーコンプローブであってもよく、あるいは、プローブは以下の2つの鎖を含んでもよい:
第1および第2のオリゴヌクレオチドがプローブの二本鎖部分を形成することができるような、
第1の領域および第2の領域を含む第1のオリゴヌクレオチド、この場合、第1の領域は、1つの標的核酸の一部に実質的に相補的である、および
第1のオリゴヌクレオチドの第2の領域に実質的に相補的である領域を含む第2のオリゴヌクレオチド。
第1のオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの標的核酸の一部と、適切なハイブリダイゼーション条件下で、結合ができるにちがいない。好ましくは、第1のオリゴヌクレオチドはそれぞれ、標的核酸のうちの1つのみの一部に特異的である。第1のオリゴヌクレオチドは、そのヌクレオチド配列が標的核酸のうちの1つの一部のヌクレオチド配列に相補的または実質的に相補的である第1の領域を有し得る。この第1の相補的領域の長さは、好ましくは6〜100ヌクレオチド、より好ましくは15〜30ヌクレオチドである。
第1のオリゴヌクレオチドの全長は、好ましくは15〜150ヌクレオチド、より好ましくは17〜100ヌクレオチド、そして、最も好ましくは20〜80ヌクレオチドである。
いくつかの実施形態において、反応がプライマー伸長または増幅を含む場合、第1のオリゴヌクレオチドが相補的である標的核酸の一部は、正方向および逆方向プライマーによって増幅される配列内にあるか、重複しているにちがいない。あるいは、第1のオリゴヌクレオチドは、増幅プライマーの1つ、例えば、正方向および逆方向プライマーであることができる。いくつかの実施形態において、第1および/または第2のオリゴヌクレオチドは、正方向または逆方向プライマーではない。
第2のオリゴヌクレオチドは、第1のオリゴヌクレオチドの第2の領域と実質的に相補的である領域を含む。この第2の領域の長さは、好ましくは4〜100ヌクレオチド、より好ましくは15〜30ヌクレオチドである。第1のオリゴヌクレオチドの第2の領域は、第1のオリゴヌクレオチドの第1の領域と重複してもよいし、重複しなくてもよい。
第2のオリゴヌクレオチドの全長は、好ましくは6〜150ヌクレオチド、より好ましくは10〜100ヌクレオチド、そして、最も好ましくは、12〜80ヌクレオチドである。
第1および第2のオリゴヌクレオチドは、それぞれ5’末端または3’末端で、標的核酸と、または第1のオリゴヌクレオチドとは相補的でない、1〜5、または1〜10、あるいはそれ以上のヌクレオチドを含んでもよい。
プローブの第2のオリゴヌクレオチドは、反応プロセスの間に反応混合物中に存在していなくてもよい。PCR増幅中に、プローブの第1のオリゴヌクレオチドのみが反応混合物中に存在することも可能である。増幅完了後、プローブの第2のオリゴヌクレオチドは、融解プロファイル分析のために反応チューブに添加される。
オリゴヌクレオチドプローブは、ヌクレオチド、ヌクレオチド誘導体、ヌクレオチド類似体および/または非ヌクレオチド化学成分を含み得る。プローブ結合を促進するプローブの修飾としては、限定するものではないが、プローブおよび標的のポリアニオン性骨格の反発作用を減少させるための、プローブ中への正電荷を有するまたは電荷を有さないリン酸ジエステル結合の組み入れ(Letsingerらを参照,1988,J.Amer.Chem.Soc.110:4470);塩基スタッキングを増加させるための、プローブ中への5−ブロモウリジン等のアルキル化またはハロゲン化された塩基の組み入れ;塩基スタッキングを増加させる「A」構造をプローブ:標的二本鎖に取らせるための、プローブ中へのリボヌクレオチドの組み入れ;および、プローブ中のいくつかのまたはすべてのアデノシンに対する2,6−ジアミノプリン(アミノアデノシン)の置換;LNA(ロックド核酸)、PNA(ペプチド核酸)または同様のもの等のヌクレオチド誘導体の組み入れ等を挙げることができる。
一般的に、プローブのプライマー伸長生成物への組み入れを防ぐために、プローブの3’末端は「ブロック」され得る。しかし、本発明のいくつかの好ましい実施形態においては、いくつかのプローブは、プライマーとしても機能しており、したがって、3’末端ではでブロックされない。「ブロッキング」は、非相補的塩基を使用することにより、またはビオチンもしくは最後のヌクレオチドの3’水酸基へのリン酸基のような化学成分の添加により、達成することができ、この化学成分は、選択される化学成分にも依るが、続く、標識と結合した核酸の検出もしくは捕捉のための標識としても機能することにより、2つの目的を果たし得る。ブロッキングも、3’−OHを除去することにより、あるいはジデオキシヌクレオチドのような3’−OHを欠くヌクレオチドを使用することにより達成することができる。
用語「プローブ」が、複数のそのタイプのプローブを指すこと、すなわち、反応混合物が、そのプローブの単一分子のみを含むのではないということは容易に理解されるであろう。
発明のいくつかの実施形態において、前記第1のオリゴヌクレオチドの第1の領域は、前記第1のオリゴヌクレオチドの第2の領域とは、重複しないか、または、実質的に重複しない。
発明の他の実施形態において、第1のオリゴヌクレオチドの第1の領域は、前記第1のオリゴヌクレオチドの第2の領域と実質的に重複するか、あるいは、第2の領域は第1の領域内に埋め込まれている。そのような実施形態において、標的が存在する場合、第1のオリゴヌクレオチドは、標的とより強いハイブリッドを形成し、その結果、第1/第2のオリゴヌクレオチド二本鎖より高温で融解するように、標的配列とハイブリダイズした前記第1のオリゴヌクレオチドの二本鎖のTは、第2のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズした前記第1のオリゴヌクレオチドの二本鎖のTよりも高いのが好ましい。
好ましくは、標的配列とハイブリダイズした前記第1のオリゴヌクレオチドの二本鎖のTは、前記第2のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズした前記第1のオリゴヌクレオチドの二本鎖のTよりも少なくとも2℃または少なくとも5℃高い。
他の実施形態において、第1のオリゴヌクレオチドは、増幅中に使用されるプライマーの配列と同一または実質的に同一である第3の領域を含んでもよい。
本発明の少なくとも1つのプローブは、二本鎖部分を形成することができる。この二本鎖部分のために、プローブは融解温度Tおよび特徴となる融解プロファイルを有する。特に、本発明の多数のプローブの混合物もまた特徴となる融解プロファイルを有する。
融解温度(T)は多くの要因に影響され、そのような要因としては、限定するものではないが、塩濃度、DNA濃度、および変性剤の存在、核酸配列、GC含量および長さ等を挙げることができる。典型的には、二本鎖核酸の各プローブは固有のTを有する。所定のTより低い温度では、核酸二本鎖の少なくとも50%は二本鎖形態のままでいる。対照的に、所定のTより高い温度では、核酸二本鎖の50%以上が、2つの一本鎖オリゴヌクレオチド鎖に解かれていることが予想される。
所定のDNA断片のいずれのTも、当技術においてよく知られた方法で測定することができる。例えば、DNA断片のTを測定する当技術分野における1つの方法は、紫外線分光光度計において熱に安定な細胞を使用し、温度がゆっくり上昇するとともに、268nmで吸光度を測定することである。温度に対して吸光度をプロットすると、2つの水平域を有するS字曲線を示す。(例えば、図1を参照)。2つの水平域間の中間の吸光度測定値が、断片のTに相当する。あるいは、温度に対する吸光度の第1の負の導関数(the first negative derivative)をプロットすると、正規分布曲線を示す。
プローブのTまたは多数のプローブの混合物のTはまた、単一反応中で、プローブの二本鎖DNA色素または色素の存在下、最近隣法により測定することができ、きめ細かく、正確に測定することができる。例えば、プローブおよび適切なバッファーを含む反応混合物を、1秒あたり0.01℃から3℃の割合で、ハイブリダイズ温度から全変性温度まで加熱される。同時に、混合物は、色素(標識)に吸収される波長で照射され、色素の(標識の)放射を検出し、放射測定値として記録される。温度に対する放射測定値の第1の負の導関数は、温度に対してプロットすることにより、多くの正規曲線を形成し、曲線の各ピークはプローブの実際のTに相当する。この曲線は、「融解プロファイル」または「ハイブリダイゼーション/解離プロファイル」としても知られている。プローブのTまたは融解プロファイルは、当技術において良く知られている理論に基づくコンピュータープログラムによっても評価することができる。
多重検出については、多数の標的配列のための多数のプローブの組が反応に含まれる。1つの実施形態において、プローブの組中の異なるプローブは、同じ標識または識別不可能な発光スペクトルを有する標識を含むことができる。そのような組中の各プローブは、異なるTを有し、その結果、個々の融解プロファイルが互いと識別されることが可能となるはずである。個々のプローブも融解プロファイルを有するが、組中の多数のプローブの混合物もまたプローブの組に特徴的である融解プロファイルを有する。反応混合物は、特徴となる融解温度を有さない1つの一本鎖プローブを含んでもよい。
本発明に従って、異なる標的配列にハイブリダイズするプローブの組と、プローブの内部二本鎖部分に関して異なる融解温度を有するプローブを設計することにより、単一の容器中で多数の標的核酸配列を分析することができる。標的配列が存在する場合、その対応するプローブが消費される。その後、標的の配列は、反応の前および後に、プローブの融解プロファイルの比較に基づいて決定することができる。有利には、組中の異なるプローブは、同じ標識を付けることができ、それにより、単一の放射波長をモニターすることが可能となる。1つの実施形態において、組中の各プローブは、同じ標識、例えば、蛍光エネルギー転移対、接触クエンチング対、およびより特定すると、フルオロホアである第1の標識およびクエンチャーである第2の標識、が付けられる。他方では、識別可能な発光スペクトルに基づいて、プローブの組が互いと識別し得るように、異なる標識の対を多数のプローブの組に付けることができる。
1つの実施形態にしたがって、多数の標的を分析する方法は、識別可能な発光スペクトルを有する異なる標識が付けられているプローブの混合物と、同じまたは重複する発光スペクトルを有するが、プローブの内部二本鎖部分の融解温度の差に基づいて識別可能である標識が付けられているプローブを使用する。
二本鎖部分を有するプローブの場合、そのプローブは以下の2つの鎖を含み得る:第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチド、この場合、前記第1のオリゴヌクレオチドは、標的核酸と実質的に相補的である第1の領域を含む(例えば、図4を参照)。1つの実施形態において、プローブは、第1のオリゴヌクレオチドおよび少なくとも1つの第2のオリゴヌクレオチドを含む(例えば、図4A〜Jを参照)。第1および第2のオリゴヌクレオチドが一緒になって二本鎖部分を形成することができるように、第1のオリゴヌクレオチドは、標的核酸と実質的に相補的である第1の領域と、第2のオリゴヌクレオチドに実質的に相補的である第2の領域を含む。第1の領域および第2の領域は、任意の順序で、例えば、5’から3’の方向へまたは3’から5’の方向へ(例えば、図4Aを参照)あるいは一方がもう一方に統合されて(例えば、図4Bを参照)整列することができる。第1のオリゴヌクレオチドがプライマーとして機能する場合、第1の領域および第2の領域は、3’から5’の順序で整列される(例えば、図4Aを参照)。
1つの態様において、前記第1のオリゴヌクレオチドの第1の領域は、前記第1のオリゴヌクレオチドの第2の領域と重複しないか、実質的に重複しない(例えば、図4Aを参照)。言いかえれば、第1の領域は標的配列に相補的である一方で、第2の領域は標的配列に相補的ではなくてもよい。第2の領域が標的配列と相補的でない場合、異なるプローブが、同一または実質的に同一である第2の領域配列を有していてもよく、また、同じ第2のオリゴヌクレオチドが、プローブの組中の異なるプローブ間で共有されていてもよい。第2のオリゴヌクレオチドがプローブの組中で同じであり得る一方で、組中の異なるプローブの第1のオリゴヌクレオチドの第2の領域は、Tおよびプローブの融解プロファイルが異なるような長さおよび/またはヌクレオチド配列の違いを有し得る。
別の態様において、前記第1のオリゴヌクレオチドの第1の領域は、前記第1のオリゴヌクレオチドの第2の領域と実質的に重複するか、あるいは、第2の領域は第1の領域内に埋め込まれ(例えば、図4Bを参照)、この場合、標的が存在する場合、標的は、プローブの第1のオリゴヌクレオチドとより強いハイブリッドを形成し、その結果、標的/第1のオリゴヌクレオチドの二本鎖が、第2のオリゴヌクレオチド/第1のオリゴヌクレオチドの二本鎖よりも高温で融解するように、標的配列とハイブリダイズした前記第1のオリゴヌクレオチドの二本鎖のTは、第2のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズした前記第1のオリゴヌクレオチドの二本鎖のTよりも高い。この態様において、第1の領域は第2の領域よりも長くてもよく、あるいは、第2のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズした時、第2の領域はミスマッチヌクレオチドを含んでもよい。第1のオリゴヌクレオチドの標的核酸との結合は、第2のオリゴヌクレオチドがプローブの第1のオリゴヌクレオチドと結合するのを防げる。前記第1のオリゴヌクレオチドおよび標的配列のハイブリッドのTは、前記第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドのハイブリッドのTよりも少なくとも2℃高いのが好ましい。前記第1のオリゴヌクレオチドおよび標的配列のハイブリッドのTは、前記第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドのハイブリッドのTよりも少なくとも5℃高いのがより好ましい。
さらに別の態様において、第1のオリゴヌクレオチドは、プライマー配列と同一または実質的に同一である第3の領域を含む(例えば、図4CおよびEを参照)。第3の領域は、標的配列と相補的であってもよいし、相補的でなくてもよい。プローブの組中の多数のプローブが、同じ第3の領域配列を含んでもよい。第3の領域配列と同一のプライマーは、普遍的な増幅プライマーとして機能し得る。標的特異的プローブ(プライマーとして機能する)が増幅のいくつかのサイクルで不足してきた場合、普遍的プライマーが引き継ぎ、増幅の次のサイクルに進むことができる。
本発明のいくつかの実施形態において、第1および第2のオリゴヌクレオチドは、結合成分によって連結されている。この結合成分は、ヌクレオチド、ヌクレオチド誘導体、ヌクレオチド類似体または非ヌクレオチド化学成分を含み得る。すなわち、第1および第2オリゴヌクレオチドは、ある一つの幅を持った連続するオリゴヌクレオチドであり得る(例えば、図4Kを参照)。この実施形態において、第1のオリゴヌクレオチドのみを含む場合に(例えば、図4Kを参照)、プローブを理解することができ、それは、ステムループ構造を形成し得る自己相補的領域を含み、この場合、前記自己相補的領域は、互いに実質的に相補的であり、プローブの二本鎖部分を形成する。ステム部分は、オリゴヌクレオチドの任意の部分に位置し、3〜20ヌクレオチド長を有する。オリゴヌクレオチドの3’部分は、好ましくは、標的配列と相補的である。それは、平滑末端、または3’突出末端、または5’突出末端を有することができる。平滑末端、または3’突出末端が好ましい形態である。
第1および第2のオリゴヌクレオチドが結合成分によって連結されている上記のプローブは、分子ビーコンプローブまたは分子ビーコンプローブの類似体と見なすことができる(米国特許第5,925,517号および第6、10、3476号を参照、これらは本明細書中に参照により組み入れられる)。本発明の反応混合物は、1つ以上のそのような分子ビーコンプローブまたはその類似体を含み得る。米国特許第5,925,517号の請求項1によれば、分子ビーコンプローブは、予め選択された核酸標的配列を含む少なくとも1つの核酸鎖を検出するための検出温度を含む条件を有するアッセイに有用である、シグナル伝達単一ハイブリダイゼーションプローブであり、このプローブは以下:10〜約140ヌクレオチドを有し、5’末端および3’末端を有し、標的配列に相補的である一本鎖標的相補的配列を含み;
標的補足配列に隣接し、1対のオリゴヌクレオチドアームは、5’末端に共有結合された5’アーム配列と、3’末端に共有結合された3’アーム配列から成り、このオリゴヌクレオチドアームの対は、3〜25ヌクレオチド長のステム二本鎖を形成し、このステム二本鎖は、前記アッセイ条件下で前記検出温度を越える融解温度を有し;および
少なくとも1つの相互作用する標識対、この場合、各対は、5’アーム配列とコンジュゲートされた第1の標識部分および3’アーム配列とコンジュゲートされた第2の標識部分を含み;
前記プローブは、前記標的配列が存在しない状態での前記アッセイ条件の下で、そのレベルが前記第1および第2の標的の相互作用の程度の機能である、特徴的なシグナルを有し、このシグナルは、前記融解温度よりも10℃低い温度に第1のレベル、前記融解温度よりも10℃高い温度に第2のレベル、および前記検出温度に第3のレベルを有し、
この場合、検出温度および前記標的配列が過剰に存在する状態にあるアッセイ条件下では、標的相補的配列の標的配列とのハイブリダイゼーションによって、前記第3のレベルから第2のレベルへ、第1および第2のレベル間の差の少なくとも10%の量、前記特徴的シグナルのレベルを変化させる。
本発明における分子ビーコンプローブの類似体は、アッセイ条件下で、前記検出温度を越える融解温度を有するそのステム二本鎖を必要としない。我々はプローブの融解プロファイルの測定に興味を有しているので、本発明の分子ビーコンプローブの類似体のステム二本鎖の融解温度は、アッセイ温度と独立している。各プローブのステム二本鎖の融解温度は、各プローブに特徴的であり、プローブ間で識別可能である。プローブが反応中に消費される場合、反応終了時でのその融解プロファイルは違いが分かるであろう。分子ビーコンプローブまたはその類似体の5’アームまたは3’アームは、標的配列と相補的であり得るし、あるいは、任意の配列であり得る。5’アームは、少なくとも1つのフルオロホアで標識され得るし、3’アームは、少なくとも1つのクエンチャーで標識され得る。
二本鎖部分を有さない一本鎖プローブ、分子ビーコンプローブ、分子ビーコンプローブの類似体または二本鎖部分を有するプローブの第1のオリゴヌクレオチドは、増幅中に消費され得る。あるいは、二本鎖部分を有するプローブの第1および第2の両方のオリゴヌクレオチドは、増幅中に消費され得る。第1のオリゴヌクレオチドは消費されるように設計され、第2のオリゴヌクレオチドは、反応中、不変であり続け得るのが好ましい。
プローブは伸長可能であってもよく、それにより、プライマーとして機能し得る。あるいは、第1のオリゴヌクレオチドは、3’末端でブロックされ、第2のオリゴヌクレオチドは、3’末端でブロックされ、それにより、伸長することはできない。
各プローブは、そのプローブの二本鎖部分の有無に特徴的な可変性のシグナルを生じることができる検出可能な標識を含む。
更に、少なくともプローブの2つは、同じ検出可能な標識、または、識別不可能な発光スペクトルを有する異なる検出可能な標識を含む。
プローブ上の標識はフルオロホアであってもよく、あるいは、例えば、プローブは、相互作用する標識対、例えば、フルオロホアおよび/または非フルオロホア色素を含んでもよい。そのような相互作用する標識の1つの例はフルオロホア−クエンチャーの対である。それが他の標識またはGヌクレオチドのような他の構成要素と相互作用する限り、プローブ上の標識はいかなる場所にも配置され得る。
いくつかの実施形態において、第1のオリゴヌクレオチドは第1の標識を含み、第2のオリゴヌクレオチドは第2の標識を含む。好ましくは、第1の標識はフルオロホアであり、第2の標識はクエンチャーであるか、あるいはその逆である。
他の実施形態において、プローブは2つの標識を含み、その標識はFRET対である。好ましくは、1つの標識は第1のオリゴヌクレオチド上にあり、第2の標識は第2のオリゴヌクレオチド上にある。プローブの別の好ましいバージョンは、第1のオリゴヌクレオチドが2つ標識されており、第2のオリゴヌクレオチドは標識されているか、または、標識されていないものである。
さらに、第1および第2の両方のオリゴヌクレオチドは、複数の標識成分も含むことができる。例えば、第1のオリゴヌクレオチドおよび/または第2のオリゴヌクレオチドはフルオロホアおよびクエンチャーの両方を含んでもよい。
典型的には、フルオロホアおよびクエンチャーは、第1のオリゴヌクレオチドが標識されていないテンプレート配列(例えば、標的)に結合している場合に、フルオロホアおよびクエンチャーが離れているようにオリゴヌクレオチドに付けられている。
あるいは、フルオロホアおよびクエンチャーは、第1のオリゴヌクレオチドが標識されていないテンプレート配列(例えば、標的)に結合している場合に、フルオロホアおよびクエンチャーが近接近し、それにより、フルオロホアがクエンチされるように、オリゴヌクレオチドに付けられている。
本明細書中において使用する場合、「フルオロホア」とは、規定の励起波長で光エネルギーを吸収し、異なる規定の波長で光エネルギーを放射する成分のことを言う。
蛍光標識の例としては、限定するものではないが、Alexa Fluor色素(Alexa Fluor 350、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 532、Alexa Fluor 546、Alexa Fluor 568、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 633、Alexa Fluor 660およびAlexa Fluor 680)、AMCA、AMCA−S(BODIPY色素(BODIPY FL、BODIPY R6G、BODIPY TMR、BODIPY TR、BODIPY 530/550、BODIPY 558/568、BODIPY 564/570、BODIPY 576/589、BODIPY 581/591、BODIPY 630/650、BODIPY 650/665))、カルボキシローダミン 6G、カルボキシ−X−ローダミン(ROX)、カスケードブルー、カスケードイエロー、シアニン色素(Cy3、Cy5、Cy3.5、Cy5.5)、ダンシル、ダポキシル、ジアルキルアミノクマリン、4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシ−フルオレセイン、DM−NERF、エオシン、エリスロシン、フルオレセイン、FAM、ヒドロキシクマリン、IR色素(IRD40、IRD 700、IRD 800)、JOE、リサミンローダミンB、マリーナブルー、メトキシクマリン、ナフトフルオレセイン、オレゴングリーン488、オレゴングリーン500、オレゴングリーン514、パシフィックブルー、PyMPO、ピレン、ローダミン6G、ローダミングリーン、ローダミンレッド、ロードールグリーン、2’,4’,5’,7’−テトラ−ブロモスルホン−フルオレセイン、テトラメチルローダミン(TMR)、カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)、テキサスレッドおよびテキサスレッド−X等を挙げることができる。
本明細書中において使用する場合、用語「クエンチャー」は、それが蛍光標識に近接近して配置され、そのエネルギーを消し去ることができる場合における、励起された蛍光標識のエネルギーを吸収することができる任意の成分を含む。クエンチャーは蛍光性クエンチャーまたは非蛍光性クエンチャーであることができ、非蛍光性クエンチャーはダーククエンチャーとも呼ばれる。上記フルオロホアは、別のフルオロホアと近接近させられた場合には、クエンチャーの役割を果たすことができ、この場合、FRETクエンチングまたは接触クエンチングのいずれかが起こり得る。いずれの可視光線も放射しないダーククエンチャーが使用されることが好ましい。ダーククエンチャーの例としては、限定するものではないが、DABCYL(4−(4’−ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸)スクシンイミジルエステル、ジアリールローダミンカルボン酸,スクシンイミジルエステル(QSY−7)および4’,5’−ジニトロフルオレセインスクシンイミジルエステル(QSY−33)、クエンチャール(quencherl)、または「ブラックホールクエンチャー」(BHQ−1、BHQ−2およびBHQ−3)、ヌクレオチド類似体、ヌクレオチドG残基、ナノ粒子および金粒子を挙げることができる。
相互作用する標識対はFRETまたは接触クエンチング関係のいずれかを形成することができる。クエンチャーは、好ましくは、非蛍光性構成要素である。クエンチャーは、ナノ粒子であってもよい。ナノ粒子は金粒子であってもよい。クエンチャーは、1つのG残基または多数のG残基であることもできる。
各プローブ上の標識または標識の組み合わせは、各プローブに特徴的である可変性のシグナルを生じることができる。
少なくとも1つの標識が、プローブまたは第1のオリゴヌクレオチドに、あるいはプローブの第2のオリゴヌクレオチドに付けられる。第1のオリゴヌクレオチドが第2のオリゴヌクレオチドに付けられる場合、この標識は、蛍光放射を増加させるか、あるいは、減少させる。
好ましくは、プローブは第1の標識および第2の標識を含み、この場合、少なくとも1つの標識は、検出可能なシグナルを生じることができ、シグナルの強さは2つの標識の近接性に影響される。
本発明のいくつかの実施形態において、プローブの内部二本鎖が形成される場合に、第1の標識および第2の標識が近接近するように、第1の標識は二本鎖部分の1つの鎖へ付けられ、第2の標識は、プローブの二本鎖部分の反対の鎖へ付けられる。
他の実施形態において、プローブの内部二本鎖部分が形成される場合に、第1の標識および第2の標識が近接近するように、第1の標識は第1のオリゴヌクレオチドに付けられ、第2の標識は第2のオリゴヌクレオチドに付けられる。
本発明のいくつかの実施形態において、第1のオリゴヌクレオチドは標識を含まない。他の実施形態において、第2のオリゴヌクレオチドは、第1のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズした時に蛍光放射を変化させ得る1つの標識を含む。
いくつかの実施形態において、プローブの内部二本鎖が形成される場合に、第1の標識および第2の標識が近接近するように、第1の標識は第1のオリゴヌクレオチドへ付けられ、第2の標識は、第2のオリゴヌクレオチドへ付けられる。好ましくは、プローブの内部二本鎖が形成される場合に、第1の標識および第2の標識が近接近するように、第1の標識は第1のオリゴヌクレオチドの第2の領域へ付けられ、第2の標識は、第1のオリゴヌクレオチドの第2の領域に相補的である第2のオリゴヌクレオチドの領域へ付けられる。そのような実施形態の例は、図4A、4Bおよび4Cに示される。
本発明のいくつかの態様では、プローブの第1のオリゴヌクレオチドは標識を含まないが、プローブの第2のオリゴヌクレオチドは少なくとも1つ、好ましくは2つの標識を含む。
この態様の1つの実施形態において、第2のオリゴヌクレオチドは第1の標識および第2の標識を含む。第1の標識は第2のオリゴヌクレオチドの片端に、あるいはその片端の近くに付けられ、第2の標識は、第2のオリゴヌクレオチドのもう一つの端で、あるいはそのもう一つの端の近くに付けられ、それによって、第2のオリゴヌクレオチドが第1のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズしない場合、第2のオリゴヌクレオチドは、第1の標識および第2の標識を近接近させるランダムコイル構造またはステムループ構造をとる。第2のオリゴヌクレオチドが第1のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズする場合、2つの標識は互いから離れて保持される。そのような実施形態の例は、図4D、4Eおよび4Fに示される。
先行技術において知られているように、2つ標識されたオリゴヌクレオチドが一本鎖形態で、ある許容される温度にある場合、このオリゴヌクレオチドは、ランダムコイル構造を形成することができる。溶液中のこの種の線状オリゴヌクレオチドプローブは、ランダムコイルのように挙動し:その2つの端部は互いに接近することもあり、それにより、エネルギー伝達の測定可能な変化を生じる。しかしながら、プローブがそのテンプレートと結合する場合、プローブの2つの端部を余儀なく離し、プローブとテンプレートのハイブリッドは、これにより、2つの端部間の相互作用を妨害し、その結果、蛍光放射の変化をもたらす。本発明において、この種の2つ標識されたオリゴヌクレオチドは、2つ以上のプローブの組中に含まれてもよい。明らかな融解温度を有さないプローブの特徴は、二本鎖部分および特徴となる融解温度を有する残りのプローブと識別可能であることである。
2つ標識されたオリゴヌクレオチドは、分子ビーコンとして知られるステムループ構造を形成することもできる。分子ビーコンプローブは、フルオロホアとクエンチャーがオリゴヌクレオチドの反対の端部に通常置かれるヘアピン構造を形成することができる一本鎖オリゴ核酸プローブである。プローブの一方の端部で、短い相補的な配列が、分子内ステムの形成を可能にし、これにより、フルオロホアとクエンチャーの近接近が可能となる。分子ビーコンのループ部分は、対象となる標的核酸と相補的である。このプローブがその対象となる標的核酸へ結合することにより、ステム部が離れたハイブリッドを形成する。このことは、フルオロホアとクエンチャーを互いに引き離し、より強い蛍光シグナルをもたらす構造的変化を引き起こす(Tyagi S.およびKramer F.R.,Nature Biotechnology,Vol.14,303〜308ページ(1996);Tyagiら,Nature Biotechnology,Vol.16,49〜53ページ(1998);Piatekら,Nature Biotechnology,Vol.16,359〜363ページ(1998);Marras S.ら,Genetic Analysis:Biomolecular Engineering,Vol.14,151〜156ページ(1999);Tpp I.ら,BioTechniques,Vol.28,732〜738ページ(2000))。
本発明において、分子ビーコンプローブまたはその類似体プローブは、個々の分子ビーコンプローブが特徴となる融解温度を有し、その結果、融解プロファイル分析時に識別可能である反応中のプローブの組に含まれていてもよい。
別の実施形態において、二本鎖部分を有する線状プローブの第2のオリゴヌクレオチドの1つのタイプは、分子ビーコン様オリゴヌクレオチドであってもよく、プローブの二本鎖部分の一部である。他のプローブとのこの種のプローブの違いは、第2のオリゴヌクレオチドが、標的配列とはハイブリダイズし得ないが、標的配列と無関係であり得る第1のオリゴヌクレオチドの第2の領域とはハイブリダイズし得るということである。第2のオリゴヌクレオチドは、標的配列とハイブリダイズし得るが、実際の増幅反応中では標的配列とそれがハイブリダイズし得ないように設計されている。第2のオリゴヌクレオチドは、標的配列と強く結合することができない配列を含み得る。増幅の伸長とアニーリングのステップの間、温度は、第2のオリゴヌクレオチドが標的配列とハイブリダイズするためには高すぎるかもしれません。シグナル回収ステップの間(それは伸長ステップの後に行なわれることが多い)、温度は低くてもよいが、増幅される標的配列が、増幅プライマーの伸長がすでに行われていることから二本鎖となり得るので、標的配列は、第2のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズするためには利用できないかもしれない。したがって、シグナル回収ステップの間、第2のオリゴヌクレオチドは、プローブの消費されない第1のオリゴヌクレオチドとのみハイブリダイズし得る。
別の態様において、第1のオリゴヌクレオチドが標識を含まない一方で、第2のオリゴヌクレオチドは標識を含む。第2のオリゴヌクレオチドが、プローブの二本鎖部分を形成するために第1のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズする場合、標識は、第2のオリゴヌクレオチドの一本鎖形態の標識の放射に比べてその検出可能なシグナル放射を変化させる。このことは、標識が、第1のオリゴヌクレオチド中の1つのヌクレオチドまたは複数のヌクレオチドと近接近させられるからか、標識が、第2のオリゴヌクレオチド中の1つのヌクレオチドまたは複数のヌクレオチドと離されるからかもしれない。
特定のヌクレオチド(例えば、Gヌクレオチド)に近接近している場合、蛍光色素の放射が変化させられ得ることは先行技術において知られている。
他の実施形態において、プローブの第1のオリゴヌクレオチドは標識を含まず、このプローブは、第1のオリゴヌクレオチドの第2の領域の異なる部分と隣接してまたは実質的に隣接してハイブリダイズし得る2つの第2のオリゴヌクレオチドを含み、この場合、2つの第2のオリゴヌクレオチドが第1のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズしている場合に、2つの標識は近接近し、一方の標識は、他方からのシグナルに影響を与えるように、第2のオリゴヌクレオチドのうちの1つは第1の標識が付けられており、他の第2のオリゴヌクレオチドは第2の標識が付けられている。
この近接近は、例えば、FRETまたは接触クエンチング関係のいずれかをもたらし得る。第1のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズする2つの第2のオリゴヌクレオチドは、プローブの一部である。2つの標識が付けられた第2のオリゴヌクレオチドは、増幅された標的配列とはハイブリダイズしないが、消費されない第1のオリゴヌクレオチドとはハイブリダイズするように設計される。そのような実施形態の例は、図4Iおよび4Jに示される。
さらに他の実施形態において、プローブの第1および第2のオリゴヌクレオチドは、ヌクレオチドを含むリンカー成分または非ヌクレオチド化学的リンカーによって結合され、これにより、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドがステムループ構造を形成することが可能となり、この場合、プローブが内部ステムループ構造を形成する場合に、標識が近接近し、一方の標識が、他方からのシグナルに影響を与えるように、第1および第2のオリゴヌクレオチドはそれぞれ標識される。
リンカーは、式(CHの単純な成分、あるいはそれと機能的に等価であるリンカーであり得る(nは、好ましくは、1〜100または1〜50である)。好ましくは、リンカーは、第1および第2のオリゴヌクレオチドと隣接するオリゴヌクレオチドである。ループは、好ましくは、標的配列と相補的である。
増幅反応混合物中のプローブの少なくとも2つは、同じ検出可能な標識、または、識別不可能な発光スペクトルを有する異なる検出可能な標識を含む。
多重反応において、2つ以上のプローブが、2つ以上の標的核酸の存在のためにアッセイするために使用される。しかしながら、このことは、異なる識別可能な標識が異なるプローブの各々のために必要であることを意味する必要はない。各プローブは、その内部二本鎖部分の特徴に依存し得る特徴的融解プロファイルを有するであろう。したがって、2つ以上のプローブが識別可能な融解特性を有するのであれば、同じ標識をそれらのプローブのために使用することができる。言いかえれば、同じ標識または識別不可能な発光スペクトルを有する標識で標識される異なるプローブは、異なる融解特性、好ましくは、異なる融解温度(T)を有しているに違いない。これらの異なる融解特性は、ステップ(c)において個々のプローブが特定および/または定量されることを可能にするであろう。
本明細書中において使用する場合、用語「融解特性」は、プローブの融解プロファイル(好ましくは、温度の関数としてそのプローブ上の標識からのシグナルを検出することによって測定される)および/またはプローブの融解温度(T)を含む。
プローブの融解特性が「異なる」と言われる場合、違いは、同じまたは対照条件下で測定されるべきことが理解されるであろう。
本発明のいくつかの実施形態において、2つ以上のプローブは、同じ検出可能な標識で標識される。例えば、少なくとも2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、20個または30個、あるいはそれ以上の異なるプローブすべてが、同じ標識で標識されてもよい。
ステップ(b)において、増幅反応は、サンプル/増幅(またはサンプル/ハイブリダイゼーション)反応混合物において行なわれ、この場合、標的核酸が存在する場合、その標的核酸の一部に実質的に相補的なプローブは、増幅反応中に消費される。
増幅反応は、標的核酸の一部に実質的に相補的なプローブが消費されるように、当技術分野において知られている条件の下で行うことができる。
好ましくは、増幅は、少なくとも1つの変性ステップ、少なくとも1つのアニーリングステップ、および少なくとも1つのプライマー伸長ステップを含む。
より好ましくは、増幅は、2つ以上の変性、アニーリングおよびプライマー伸長ステップを含む熱サイクリング増幅である。
好ましい増幅反応としては、PCR、SDA、NASBA、LAMP、3SR、ICAN、TMA、ヘリカーゼ依存性等温DNA増幅およびその他同種等を挙げることができる。PCRは好ましい増幅方法である。増幅がPCRである場合、その条件は反応を熱的に循環させることを含む。
標的核酸がサンプル中に存在する場合、標的核酸の一部に相補的なプローブのうちの少なくともいくつかは、適切な反応条件下でそれにハイブリダイズするであろう。したがって、プローブは消費されるであろう。
プローブの消費は、プローブの標的配列とのハイブリダイゼーション、それに続き得る、プローブの増幅生成物への組み入れ、および/または増幅ステップ中のプローブの分解によって達成される。言いかえれば、消費後、プローブはもはや、それが以前に一部分を形成したプローブを再構成することはできない。
増幅反応において、二本鎖を有するプローブの場合、本発明のプローブは、第1のオリゴヌクレオチドに対して第2のオリゴヌクレオチドを任意の比率で、例えば、1を超える比率で(あるいは、0.1を超え、1未満であってもよい)、反応中の第1および第2オリゴヌクレオチドを添加することにより構成することができる。したがって、第1および第2オリゴヌクレオチドは、増幅反応混合物に独立して添加してもよい。
アッセイのタイプおよび実際に使用される標識のタイプに応じて、プローブからのシグナル(例えば、蛍光放射)は、プローブまたはプローブの第1のオリゴヌクレオチドが消費される時に、増加するか、あるいは減少するかもしれない。例えば、図4に示される実施形態について言及する。図4A〜4Cでは、フルオロホアが付けられた第1のオリゴヌクレオチドは消費され、それにより、フルオロホアがそのシグナルを放射することを可能にするので、プローブの消費は蛍光の増加につながる。これに反して、図4D〜4Fでは、第1のオリゴヌクレオチドの消費は、2つの末端標識された第2のオリゴヌクレオチドを放出し、それにより、フルオロホアとクエンチャーが互いに並列することを可能にし、その結果、フルオロホアからのシグナルの減少につながる。
1つの実施形態において、プローブは伸長可能であり、正方向または逆方向プライマーとして機能する。プローブの第1のオリゴヌクレオチドは、増幅プライマーの1つであってもよく、これは、増幅生成物中に組み入れられ、それにより、消費され得る(例えば、図6を参照)。PCRにおいて、プローブの第1のオリゴヌクレオチドは、反対の鎖が増幅を行なうために、別の増幅プライマーと対を形成する。シグナル回収ステップまたはプローブの融解プロファイルを測定するステップの間、組み入れられたプローブの第1のオリゴヌクレオチドは、プローブの内部二本鎖部分の二本鎖を形成するためには利用することができない。プローブ二本鎖を形成することができるプローブの消費されない第1のオリゴヌクレオチドの量を、測定し決定することができ、シグナルは、消費されている第1のオリゴヌクレオチドの量に変換され、それにより、どのまたはどれだけの量の標的核酸がサンプル中に存在するかが決定される。第1のオリゴヌクレオチドがプライマーとして機能する場合、第2のオリゴヌクレオチドは、好ましくは、プライマーとして機能しない。
本発明の別の実施形態において、一本鎖プローブまたは2つの鎖を有するプローブの第1のオリゴヌクレオチドは、増幅中に分解される。第1のオリゴヌクレオチドは、例えば、分解剤に感受性を有するヌクレオチドまたは非ヌクレオチド化学物質を含んでもよい。さらなる例において、標的配列とハイブリダイズする際、プローブまたは第1のオリゴヌクレオチドは、分解剤によって分解され得る。例えば、プローブまたは第1のオリゴヌクレオチドは、RNAヌクレオチドを含むことができる。第1のオリゴヌクレオチドが標的配列とハイブリダイズする場合、RNase H活性を有する酵素によってそれを分解することができる。プローブの二本鎖部分を形成するために第2のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズした時に、第1のオリゴヌクレオチドが分解されないように設計することができる。第1のオリゴヌクレオチドは、エキソヌクレアーゼによっても分解することができる。例えば、第1のオリゴヌクレオチドの3’ヌクレオチドは、ポリメラーゼの3’エキソヌクレアーゼ活性によっても分解することができる。第1のオリゴヌクレオチドは、エンドヌクレアーゼによっても、例えば、標的核酸とのハイブリダイゼーション時に制限酵素によっても分解することができる。
一本鎖プローブまたは二本鎖を有するプローブの第1のオリゴヌクレオチドは、Taq DNAポリメラーゼ等のDNAポリメラーゼの5’エキソヌクレアーゼ活性によって分解される。この実施形態において、プローブの第1のオリゴヌクレオチドは、3’末端でブロックされるかもしれず、したがって伸長不可能である。第1のオリゴヌクレオチドは、正方向および逆方向のプライマーが結合した領域中の標的配列とハイブリダイズし、PCR増幅中にTaq DNAポリメラーゼの5’エキソヌクレアーゼ活性等のヌクレアーゼ活性によって分解することができる(例えば、図8を参照)。あるいは、プローブの第1のオリゴヌクレオチドは、3’末端でブロックされず、したがって伸長可能である。第1のオリゴヌクレオチドは、標的配列とハイブリダイズし、ポリメラーゼによって伸長することができる。第1のオリゴヌクレオチドの増幅プライマー上流も伸長される。増幅プライマーの伸長が、第1のオリゴヌクレオチドの伸長鎖に遭遇する時、第1のオリゴヌクレオチドの伸長鎖全体は、PCR増幅中にTaq DNAポリメラーゼの5’エキソヌクレアーゼ活性等のヌクレアーゼ活性によって分解することができる(例えば、図7を参照)。
本発明のさらに別の実施形態において、プローブの消費は、単に標的配列へのプローブのハイブリダイゼーションであり得、それによって、ハイブリダイズしたプローブは、プローブの二本鎖duplexを形成するために利用することができない(例えば、図5を参照)。増幅は、プローブの第1のオリゴヌクレオチドが、アニーリングステップ中および/または伸長ステップ後に標的配列とハイブリダイズすることができるように、一本鎖生成物を生産するために設計するのが好ましい。一本鎖生成物を生産する方法は、非対称PCR、またはPCDR(PCT/GB2007/003793)に記載された方法であり得る。一本鎖増幅鎖は、第1のオリゴヌクレオチドと強いハイブリッドを形成することができる;したがって、内部プローブハイブリッドを形成するために容易に利用可能ではないので、第1のオリゴヌクレオチドは消費されたと見なすことができる。
本発明のさらに別の実施形態において、プローブの第1のオリゴヌクレオチドは、ネステッド内部増幅プライマーとして役割を果たし得る。第1のオリゴヌクレオチドおよび外部増幅プライマーは、標的核酸の同じ鎖へアニールする。外部増幅プライマーおよび第1のオリゴヌクレオチドは両方とも、ハイブリダイゼーション時に標的核酸まで伸長し得る。DNAポリメラーゼが置換活性(displacement activity)を含む場合、第1のオリゴヌクレオチドの伸長鎖は、外部プライマーの伸長の間に置換されるかもしれない。DNAポリメラーゼが5’エキソヌクレアーゼ活性を含む場合、第1のオリゴヌクレオチドの伸長鎖は、外部プライマーの伸長の間に分解され得る。
いくつかの実施形態において、増幅条件は、増幅のいくつかの段階では、標的が存在する場合であっても、プローブは消費されないのに対して、増幅のその他の段階では、プローブが消費されるように、設計することができる。例えば、増幅がPCRである場合、アニーリングおよび伸長温度があまりにも高く設定され、プローブが結合することができないので、増幅のいくつかの熱サイクルでは、プローブは消費されないかもしれません。増幅熱条件は、プローブがいくつかの段階、または増幅の最後のサイクルでは消費され得るように、設計することができる。例えば、熱サイクリング後、PCR容器は、熱サイクリングのアニーリング温度および伸長温度よりも低く設定された温度でインキュベートされる。この低温により、プローブが標的核酸配列とハイブリダイズすることが可能となり、その結果、ハイブリダイズしたプローブの伸長または分解がもたらされる。
ステップ(b)は、様々な測定温度(MT)でサイクルごとに蛍光放射(FE)を測定するステップ(b1)をさらに含んでもよい。測定温度(MT)とは、プローブの放射量を決定するために、プローブ中の標識の放射測定値がサイクルごとに記録されるその温度のことを言う。
プローブ上の標識の放射は、好ましくは、反応混合物が、標識に吸収された波長を有する光によって照らされたまたは励起された後、反応中の各サイクルにおいて、取得され、検出されおよび/または記録される。用語「サイクルごと」とは、各サイクルにおける測定のことを言う。測定温度での放射測定値は、サイクル中に残存するプローブの放射量を計算するために得られる。放射は、連続的にまたは断続的に検出、記録、取得することができる。
連続的記録プロセスにおいて、プローブの放射は、各サイクル中、例えばPCR反応の各サイクル中、例えば、50ミリ秒ごと、100ミリ秒ごと、200ミリ秒ごとまたは1秒ごと、モニターし、記録する。時間、温度および放射の3次元プロットを作成することができる。任意の所定のサイクルにおいて、所望のMTに相当する時点での放射測定値は、サイクル中のプローブの放射量を決定するために得られる。断続的記録プロセスにおいては、反応温度が各サイクルの中で所望のMTに到達した場合に限り、放射測定値は得られる。
増幅生成物中への組み入れまたは分解剤による分解によって消費されるプローブについて、サイクルごとの蛍光放射(FE)の取得は、好ましくは、各サイクルでの伸長ステップの完了後に行われる。標的配列とハイブリダイズすることにより消費されるプローブについて、サイクルごとの蛍光放射(FE)の取得は、各サイクルでの伸長ステップの完了前に行ってもよい。
蛍光放射(FE)とは、ベースライン補正蛍光(dR)を参照するために本明細書中では使用される。通常、各ウェル(反応)および各光学装置について、生の蛍光データは、ベースラインを作成するために線形最小平均二乗法アルゴリズム(または他のそのようなアルゴリズム)を使用して、サイクルの特定の範囲にわたってフィット(fit)される。ベースライン関数の値は、すべてのサイクルについて計算し、ベースライン補正蛍光(dR)を作成するために生の蛍光から差し引かれる。
蛍光強度データ(増幅プロット)は、2成分関数として記載することができる:線形成分または背景、および関連する情報を含む指数関数的成分。指数関数的成分を分離するために、蛍光への線形成分の寄与を評価し、差し引くことができる。各増幅プロット(すなわち、各反応および各標識)について行われるのが以下の3ステッププロセスである:
1.蛍光への寄付のすべてが厳密に線形である(蛍光の指数関数的な増加がない)間のサイクルの範囲を特定する。
2.上記測定されたサイクル中の蛍光強度値を使用して、データを直線(反応全体にわたる線形成分の寄与を予測する関数)にフィットする。
3.各サイクル中に予測された背景蛍光強度を差し引く。得られる曲線は、DNA増幅による蛍光の変化に相当する。
増幅反応混合物が、「n」個の核酸標的の多重検出のための「n」個のプローブを含む場合、第1のプローブは、T1の融解温度を有し、第2のプローブは、T2の融解温度を有し、第3のプローブは、T3の融解温度を有し、第kのプローブは、Tkの融解温度を有し、第nのプローブは、Tnの融解温度を有する、この場合、T1>T2>T3>...Tk...Tnであり、この場合、nおよびkは正の整数であり、1≦k≦nおよびn≧2である。
特定の温度または一連の温度におけるプローブのトータル量のうちのプローブの二本鎖形態のパーセンテージは、実験的に測定されるか、または、予想され、この予想は、コンピュータープログラムによって行うことができる。温度に関してプローブの融解放射の第1の負の導関数は、正規分布曲線を作成するためにプロットされるので、統計分野における当業者であれば、所定のプローブの全体数のうちのあるパーセンテージが、二本鎖形態または一本鎖(すなわち、分離した)形態であるMTを容易に規定することができるであろう。したがって、測定温度は、例えば、プローブの20%未満が一本鎖形態である温度である。各温度における各プローブの二本鎖(ds)および一本鎖形態(s)のパーセンテージを列挙した表を作成し得る。
第1の蛍光放射FEaは、測定温度MTaにて得ることができ、その温度にて、50%を超える第1のプローブは二本鎖形態であり、第2の蛍光放射FEbは、測定温度MTbにて得ることができ、その温度にて、50%を超える第2のプローブは二本鎖形態であり、第kの蛍光放射Fekは、測定温度MTkにて得ることができ、その温度にて、50%を超える第kのプローブは二本鎖形態であり、第n−1の蛍光放射Fe(n−1)は、測定温度MT(n−1)にて得ることができ、その温度にて、50%を超える第(n−1)のプローブは二本鎖形態であり、第nの蛍光放射Fenは、測定温度MTnにて得ることができ、その温度にて、50%を超える第nのプローブは二本鎖形態であり、および、任意に、蛍光放射Fe0が、測定温度MT0にて得ることができ、その温度にて、10%以下の第1のプローブが二本鎖形態である。
上記50%は二本鎖形態にあるプローブの好ましい量であるが、40%、55%、70%または80%のように、任意のパーセンテージを使用し得ることが認識されるべきである。測定温度MTkにおいてサイクルごとの蛍光放射FEkを取得するステップにおいては、第(k−1)のプローブの30%以下がプローブの内部二本鎖形態であることが好ましい。測定温度MTkにおいてサイクルごとの蛍光放射FEkを取得するステップにおいては、第(k−1)のプローブの20%以下がプローブの内部二本鎖形態であることがさらに好ましい。
ステップ(b)は、各プローブについて、消費されたプローブからのサイクルごとの実際の消費された蛍光放射量を測定するステップ(b2)をさらに含んでもよく、この場合、第kの蛍光放射の実際の消費された量はACAとして表される。特定の融解温度(MTa)において、この場合、プローブがds(二本鎖)形態にある特定のパーセンテージ(dska)%を有し、この測定温度MTでの第1のプローブが寄与する蛍光放射FEは、(ds1a)%(ACA1)となり、第2のプローブが寄与する蛍光放射FEは、(ds2a)%(ACA)となり、第kのプローブが寄与する蛍光放射FEは、(dska)%(ACA)となる。例えば、60℃では、プローブ1の70%がds形態であり;50℃では、80%がds形態である。60℃では、プローブ1が寄与するFEは70%(ACA)となり;50℃では、プローブ1が寄与するFEは80%(ACA)となる。多数のプローブが存在する場合、FEはすべてのプローブの消費されたプローブが寄与する合計量となる。実際の消費された量(ACA)の計算は、以下の式を使用することができる:
温度「a」において、蛍光放射の合計は以下の通りとなる
FEa=(ACA1)(ds1a)%+(ACA2)(ds2a)%+(ACA3)(ds3a)%…+(ACAn)(dsna)%
温度「b」において、蛍光放射の合計は以下の通りとなる
FEb=(ACA1)(ds1b)%+(ACA2)(ds2b)%+(ACA3)(ds3b)%…+(ACAn)(dsna)%
温度「c」において、蛍光放射の合計は以下の通りとなる
FEc=(ACA1)(ds1c)%+(ACA2)(ds2c)%+(ACA3)(ds3c)%…+(ACAn)(dsna)%
など。個々のACAは上記の式から計算することができる。
」は「掛ける」を表す。
各プローブの実際の消費された量は、上記の計算を行なうコンピュータープログラムによって得られるのが好ましい。あるいは、計算は手作業で行うことができる。
例えば、増幅反応では、3つの標的配列のために3つのプローブが存在する。温度65℃では、第1のプローブの5%は二本鎖形態であり、第2のプローブの0%および第3のプローブの0%は二本鎖形態である。60℃では、第1のプローブの60%は二本鎖形態であり、第2のプローブの5%は二本鎖形態であり、第3のプローブの0%は二本鎖形態である。55℃では、第1のプローブの90%は二本鎖形態であり、第2のプローブの55%は二本鎖形態であり、第3のプローブの5%は二本鎖形態である。45℃では、すべてのプローブの95%以上は二本鎖形態である。第1の蛍光放射は60℃(それはFE60である)で集められ、第2の蛍光放射は55℃(それはFE55である)で集められ、第3の蛍光放射は45℃で集められ。それはFE45である。任意に、第1の蛍光放射が集められる前に、蛍光放射は65℃以上で集められ、それはFE65である。個々のプローブからの実際の消費された量ACAが寄与するFEは、ds%(ACA)として計算される。以下の表を参照されたい:
Figure 2013540449
FE65=5%ACA1+0%ACA2+0%ACA3≒0
FE60=60%ACA1+5%ACA2+0%ACA3 (1)
FE55=90%ACA1+55%ACA2+5%ACA3 (2)
FE45=95%ACA1+95%ACA2+95%ACA3 (3)
個々のACAは上記の式から計算することができる。我々が推測するには、5%ACAは無視することができる。近似のACAは、(1)、(2)および(3)から計算することができ、この場合、
ACA1=(EF60)/0.6
ACA2=((EF55)−0.9/0.6(EF60))/0.55
ACA3=(EF45)/0.95−(EF60)/0.6−(EF55−(0.9/0.6)(EF60))/0.55
PCR混合物が熱サイクリングを受けている時、放射対サイクルのプロットを作るために、蛍光放射および実際の消費された量(ACA)は、サイクル数を越えて記録(計算)され、プロットされる。最初のサイクルでは、放射量に変化はほとんどなく、プロット中でベースラインまたは水平域として現われる。熱サイクリングが継続している時、ベースラインを越える放射量の増加が観察される事が予想され、これは、増幅生成物(または消費されたプローブ)の存在下で、プローブの蛍光放射がPCR装置の検出閾値を超える程度まで、増幅生成物(または消費されたプローブ)が蓄積されたことを示す。放射量の指数関数的な増加は、対数期を開始し、PCR混合物中の成分のうちの1つが限界を迎えると、最終的に、別の水平域に到達する。プロットは、通常、両端に2つの水平域およびS字曲線および中間部に対数期を有するS字曲線を生じる。対数期において、プローブの放射量は、各サイクルの前の量の(1+E)倍まで増加し、この場合、Eは増幅効率であり、理想的には、100%、すなわち、1であるべきである。そこから生成物が増幅される核酸テンプレートの開始量が多ければ多いほど、より早くベースラインを越える増加が観察されることは、一般的に知られている。当技術分野においてよく知られているように、放射対サイクルのプロットは、核酸テンプレートの初期コピー数または量を得るための重要な情報を提供する。
リアルタイムPCRの分野で知られているように、核酸テンプレートの未知の量は、テンプレートの放射対サイクルのプロットを標準曲線と比較することによって定量してもよい。
本発明の1つの実施形態において、複数の核酸テンプレートが複数の増幅生成物を形成するために増幅される場合、各生成物は、好ましくは、同じ生成物によって形成された標準曲線と比較される。PCR混合物について1希釈当たり1つの生成物を用いて、標準曲線を作成することができる。好ましくは、各希釈では、複数の生成物が単一のPCR混合物中に配置され、各プローブの放射測定値は、本発明に記載された方法に基づいた標準曲線を作成するために、測定し、計画することができる。
サンプル中の核酸テンプレートの開始量は、テンプレートをハウスキーピング遺伝子に対して正規化することによって、または、標準曲線を使用せずに、標準物質と相対的関係にある正規化群によって決定することもできる。
本発明の1つの実施形態において、対象となる複数の核酸テンプレートは、単一のPCR混合物中で増幅され、定量される。各核酸テンプレートの開始量は、同時に正規化群に対して計算し、正規化することができる。複数の核酸テンプレートおよび正規化群テンプレートが同じPCR反応中でモニターし増幅され得ることも意図される。2つ以上のハウスキーピングテンプレートまたは正規化群が、単一のPCR反応中で多数の核酸テンプレートと共に増幅し得ることもさらに意図される。これらのテンプレート中の相対的な量またはこれらのテンプレート同士のもしくはテンプレート間の比率は、単一のPCR混合物から決定し得ることもさらに意図される。
ステップ(c)は、温度の関数としてプローブ中の標識からシグナルを検出することにより、消費されないプローブの第1および第2のオリゴヌクレオチド間の二本鎖の融解プロファイルを少なくとも一度測定することを含み、この場合、前記融解プロファイルは、前記サンプル/増幅反応混合物中で少なくとも1つの標的核酸が増幅されているか否かを示す。反応混合物がプローブの第2のオリゴヌクレオチドを含む場合、このステップはPCR増幅直後に行なうことができ、あるいは、反応中に存在しない場合には、プローブの第2のオリゴヌクレオチドを主要反応混合物に添加し、次いで、融解曲線分析を行うことにより、行われる。
各プローブまたはプローブの各組の融解(プロファイル)曲線を決定するために、反応混合物は、プローブの標識に吸収される光で照らされ、反応の蛍光は温度の関数としてモニターされる。より特定すると、標識の蛍光は、蛍光のベースラインレベルが達成されるまで、サンプルの温度が上昇した(または減少した)時に測定される。
例えば、データは、蛍光対温度のプロットとして、または蛍光対温度の第1の導関数のプロットとして示されてもよい。2つのプロットは交換可能であるが、各々はデータの異なる態様に見る人の注意を集中する。融解ピーク(またはT)は、導関数のプロット上で最も見られる。しかしながら、変移の広範囲化および低い融解変移の出現は、蛍光対温度のプロットを観察するにはより容易である。蛍光の減少または増加の比率に変移が存在するポイントは、蛍光対温度の第1の導関数のプロットを見ることにより、より容易に特定することができる。最大の変化率のポイントは、プローブ二本鎖の融解温度と考えられる。1つのプローブがより高いTを有する場合、それはより強いプローブ二本鎖を形成し、結果として、別のプローブよりも高温で融解するであろう。異なるプローブの明確に異なる融解温度は、(プローブが同じ標識を有する場合)増幅中にプローブが消費されることの検証を可能にする。
本発明のいくつかの方法において、蛍光は変性勾配の関数としてモニターされる。しかしながら、勾配のタイプとは独立して、実際にモニターされるのは、プローブの二本鎖部分の2つの鎖の解離によって引き起こされる蛍光の変化である。変性勾配は温度勾配であってもよい。言いかえれば、本発明は、増幅中または(好ましくはPCR)増幅後に、温度依存する蛍光がモニターされることを特徴とする方法を実例として対象とする。しかしながら、温度依存する蛍光のモニタリングが均一アッセイフォーマットの一部である場合、そのような(PCR)増幅および温度依存する蛍光のモニタリングは、反応チャンバーを途中で開けることなく、同じ反応容器中で行われるのが好ましい場合が多い。
融解プロファイル分析は、融解またはハイブリダイゼーションの間に温度依存する蛍光をモニターすることにより得られ得る。通常、融解曲線分析は、融点を正確に測定するために、正確かつ高い再現性を有するデータを生成するために、可能な限りゆっくりと行なわれ、融点は、温度対蛍光のプロットの第1の導関数の最大値として定義される。しかしながら、選択された時間パラメーターが比較的短い場合、特定の利点が見られ得る。
融解プロファイルは、増幅完了後に測定してもよく(増幅後融解プロファイル)、かつ/または、各サイクルでもしくは選択されたサイクルで測定してもよい(増幅中融解プロファイル)。
1つの実施形態において、温度依存する蛍光はPCR反応の完了後にモニターされる。他の実施形態において、温度依存する蛍光はPCR反応中にリアルタイムでモニターされる。
前記測定中の1つの実施形態において、増幅生成物(アンプリコン)は二本鎖のままであり、それにより、検出可能なシグナルの変化は、もしあるとしてもごく少量しか含まず、あるいは検出可能なシグナルの変化は含まない。他の実施形態においては、増幅生成物のうちのいくつかが一本鎖形態である場合に、融解プロファイルの測定を行なってもよい。
当業者であれば、増幅後の融解プロファイルのみから(かつ、融解プロファイルをいずれの他の融解プロファイルと比較することなしに)、少なくとも1つの標的核酸が増幅されているか否かを判定するであろう。例えば、図1および2は、消費されないプローブに特徴的であるより「S」字型の曲線と比較して、増幅後に得られる「より水平な」曲線を示す。
本発明の方法は、以下のステップ(d)
(i)(c)で得られた少なくとも2つの融解プロファイルを比較すること、
および/または
(ii)ステップ(c)で得られた融解プロファイルを、
同じプローブの以前に得られた融解プロファイルと、もしくは
対照反応中の同じ時間に同時に得られた同じプローブの融解プロファイルと、もしくは
同じプローブの理論的融解プロファイルと比較すること、
をさらに含み、この場合、融解プロファイルの変化は、前記サンプル/反応混合物中で少なくとも1つの標的核酸が増幅されているか否かを示す。
融解プロファイルは、増幅が起こる前に測定してもよく(増幅前融解プロファイル)、および/または、増幅完了後に測定され(増幅後融解プロファイル)、および/または、各サイクルもしくは選択されたサイクルで増幅中に測定される(増幅中融解プロファイル)。
プローブの増幅前融解プロファイルは、増幅開始前に同じ反応容器中で測定してもよいし、あるいは、反応混合物が増幅のために必要な1つ以上の成分を欠くことから増幅が起こらない、個別の反応容器中で測定してもよい。そのような成分の例としては、dNTP、ポリメラーゼまたは標的核酸を含む。
本発明の方法は、本発明の方法の一部として測定される増幅前融解プロファイルを必ずしも必要としないことに注目すべきである。このプロファイルは、問題となっているプローブまたはプローブの組み合わせの特徴を示すものであり得るし、それは、事前に測定されるかもしれないし、かつ/または、読み出し可能な様式で、例えば、コンピューターが読めるフォーマットで保存されているかもしれない。
反応混合物中の各プローブは、特定の標的核酸に対して特異的であり得る。同じ標識または識別不可能な発光スペクトルを有する標識で標識されている異なるプローブが使用され、プローブは、異なる融解特性、例えば、異なる融解プロファイルまたは異なる融解温度(Ts)を有するように選択される。
ステップ(c)で得られる融解プロファイルは、増幅反応混合物中に存在するプローブの融解プロファイルの融合されたものであろう。異なる融解プロファイルを有するように異なるプローブが選択されるという事実により、組み合わされた融解プロファイルへの各プローブによってなされる個々の寄与は、手作業または好ましくはコンピューターに実装された手段によって、当業者によって分離可能である。このように、特定のプローブの有無、したがって、サンプル中の特定の標的核酸の有無が、互いに識別することができる。
各プローブの増幅前および増幅後融解プロファイルの比較によって、特定のプローブについて特徴となる曲線のどの特徴が消失または減少したかを特定でき、その結果、その特定のプローブが増幅中に消費されたことが示され、さらに、対応する標的がサンプル中に存在することが示される。
増幅が起こる前、増幅完了後、あるいは増幅のいくつかのサイクルの後のプローブの融解プロファイルの比較は、コンピュータープログラムによって行われることが好ましい。コンピュータープログラムは、どのプローブまたはどれだけの量のプローブが消費されるのかを判定し、これらは、どの標的またはどれだけの量の対応する標的がサンプル中に存在するのかを示す。
同じ標識または識別不可能な発光スペクトルを有する異なる標識を有するプローブの融解温度(T)は、一般的に、互いに同様に標識されたプローブの融解温度とは異なるであろう。1つの実施形態において、組中の多数のプローブは各々、同じ標識(または識別不可能な発光スペクトルを有する異なる標識)で標識され、各プローブは別個の融解温度範囲を有する。多重アッセイにおいて、反応温度がハイブリダイジング温度から変性温度まで上昇する場合、最小のTを有するプローブ二本鎖は最初に解け、次に高いTを有するプローブ二本鎖は次に離れ、最も高いTを有するプローブ二本鎖は最後に変性する。同時に、プローブに付けられた標識の蛍光放射は、プローブ二本鎖の融解の増加による上昇する反応温度に比例して変化し、それによって、各プローブは組み合わされた融解プロファイル中で識別可能となる。融解曲線の形状および位置は、プローブの二本鎖部分のGC/AT比、長さ、および配列の関数である。
好ましくは、同じ標識、または、識別不可能な発光スペクトルを有する異なる標識を有するプローブのTは、他の同様に標識されたプローブと、少なくとも2℃、好ましくは、3℃、4℃または5℃異なる。
本発明の1つの態様において、PCR反応のリアルタイム蛍光モニタリングが、PCR反応中のプローブの融解曲線を得るために使用される。増幅を推進するPCRの温度サイクルは、高温で蓄積する生成物および標識が付けられたプローブを交互に変性し、次に、より低温でプライマーおよびプローブの少なくとも1つの鎖を生成物にアニーリングし、それによって、いくつかのプローブを消費する。残存している(消費されていない)プローブのプローブ内部二本鎖部分の解離温度にわたってサンプルを加熱する時の温度の関数として蛍光をプロットすることにより、プローブの融解曲線が得られる。したがって、PCR反応中の蛍光の連続的なモニタリングは、プローブ融解プロファイルによってプローブ濃度の変化を検出するためのシステムを提供する。そのようなシステム(特にHRM−PCRシステム)を使用して、残存するプローブを識別することができ、2℃未満の融解温度の違いで分離される。
本発明はまた、少なくとも2つの核酸標的のPCR増幅をモニターするための方法を提供し、この方法は以下のステップを含む:
(a)1つ以上の標的核酸を含むサンプルを、以下を含む増幅反応混合物と接触させること:
(i)正方向/逆方向オリゴヌクレオチドプライマーの1つ以上の対、この場合、サンプル中に存在する場合、前記プライマー対は、1つ以上の標的核酸を増幅することができる、
および核酸ポリメラーゼ、
(ii)2つ以上のプローブの組、この場合、少なくとも1つのプローブは二本鎖部分を含む、これは分子ビーコンプローブであることができ、または、これは以下の2つの鎖を含んでもよい:
第1および第2のオリゴヌクレオチドが二本鎖部分を形成することができるような、
1つの標的核酸の一部と実質的に相補的である第1の領域と、第2の領域を含む第1のオリゴヌクレオチド、および
第1のオリゴヌクレオチドの第2の領域と実質的に相補的である領域を含む少なくとも1つの第2のオリゴヌクレオチド、
この場合、各プローブは、そのプローブの第1および第2のオリゴヌクレオチド間の二本鎖部分の有無に特徴的である可変性のシグナルを生じることができる検出可能な標識を含み、および
この場合、少なくとも2つのプローブは、同じ検出可能な標識、または、識別不可能な発光スペクトルを有する異なる検知可能な標識を含み、かかるプローブのそれぞれの二本鎖部分の融解特性は異なり;
(b)サンプル/増幅反応混合物において増幅反応を行なうこと、
この場合、標的核酸が存在する場合、その標的核酸の一部に実質的に相補的である対応するプローブは、増幅反応中に消費され;
および
この場合、ステップ(b)は、様々な測定温度(MT)でサイクルごとに蛍光放射(FE)を得るステップ(b1)をさらに含み、この場合、前記蛍光放射(FE)はベースライン補正蛍光(dR)であり、
前記増幅反応混合物は、「n」個の核酸標的の多重検出のための「n」個のプローブを含み、この場合、第1のプローブは、T1の融解温度を有し、第2のプローブは、T2の融解温度を有し、第3のプローブは、T3の融解温度を有し、第nのプローブは、Tnの融解温度を有する、この場合、T1>T2>T3>...Tnであり、この場合、特定の温度または異なる温度における各プローブの二本鎖形態のパーセンテージは、実験的に測定されるか、または、コンピュータープログラムによって理論的に計算される、この場合、第1の蛍光放射FEaは、測定温度MTaにて得られ、その温度にて、50%を超える第1のプローブは二本鎖形態であり、第2の蛍光放射FEbは、測定温度MTbにて得られ、その温度にて、50%を超える第2のプローブは二本鎖形態であり、第n−1の蛍光放射Fe(n−1)は、測定温度MT(n−1)にて得られ、その温度にて、50%を超える第(n−1)のプローブは二本鎖形態であり、第nの蛍光放射Fenは、測定温度MTnにて得られ、その温度にて、80%を超える第nのプローブは二本鎖形態であり、および、任意に、蛍光放射Fe0が、測定温度MT0にて得られ、その温度にて、10%以下の第1のプローブが二本鎖形態であり、この場合、nは2以上の正の整数であり、
この場合、前記ステップ(b)は、各プローブについて、消費されたプローブからのサイクルごとの実際の消費された蛍光放射量を測定するステップ(b2)をさらに含んでもよく、この場合、第kの蛍光放射(t)の実際の消費された量はACAとして表される。特定の融解温度(MTa)において、この場合、プローブがds(二本鎖)形態にある特定のパーセンテージ(dska)%を有し、この測定温度MTでの第1のプローブが寄与する蛍光放射FEは、(ds1a)%(ACAk)となり、第2のプローブが寄与する蛍光放射FEは、(ds2a)%(ACA)となり、第kのプローブが寄与する蛍光放射FEは、(dska)%(ACA)となる。例えば、60℃では、プローブ1の70%がds形態であり;50℃では、80%がds形態である。60℃では、プローブ1が寄与するFEは70%(ACA)となり;50℃では、プローブ1が寄与するFEは80%(ACA)となる。多数のプローブが存在する場合、FEはすべてのプローブの消費されたプローブが寄与する合計量となる。実際の消費された量(ACA)の計算は、以下の式を使用することができる:
温度「a」において、蛍光放射の合計は以下の通りとなる
FEa=(ACA1)(ds1a)%+(ACA2)(ds2a)%+(ACA3)(ds3a)%…+(ACAn)(dsna)%
温度「b」において、蛍光放射の合計は以下の通りとなる
FEb=(ACA1)(ds1b)%+(ACA2)(ds2b)%+(ACA3)(ds3b)%…+(ACAn)(dsna)%
温度「c」において、蛍光放射の合計は以下の通りとなる
FEc=(ACA1)(ds1c)%+(ACA2)(ds2c)%+(ACA3)(ds3c)%…+(ACAn)(dsna)%
など。個々のACAは上記の式から計算することができ、
この場合、各プローブの放射量は、コンピュータープログラムによって得られるか、または手作業で行われる。
本発明はまた、プローブの融解プロファイルを比較するため、および/または、多数の標的のリアルタイム増幅を定量するための、適切なデータ処理手段上での実行に適合させた、本発明の方法を用いて使用するためのコンピューターソフトウェア製品を提供し、この製品は、蛍光放射および実際の消費された量(ACA)の計算を行なう。
一般的に、一度、放射の値がPCR装置によって得られ、各温度における各プローブの二本鎖形態のパーセンテージが知られれば、ACAは手作業で計算することができる。しかしながら、コンピューターシステムの使用により計算を自動化することが望ましい場合が多い。
さらなる実施形態において、本発明は、その中に保存されるコンピューター・ソフトウェア・プログラムを有するコンピューターメモリーを含むコンピューターシステムに関し、この場合、このコンピューター・ソフトウェア・プログラムは、プロセッサーによってまたはコンピューター内で実行された時、本発明の方法を実行する。好ましい実施形態において、コンピュータープログラム製品は、その中に保存されるコンピューター・ソフトウェア・プログラムを有するコンピューターメモリーを含み、この場合、このコンピューター・ソフトウェア・プログラムは、ACAの計算および/または増幅中もしくは増幅終了時における融解プロファイルの特徴の判定のステップを含む方法を実行する。
本発明のコンピュータープログラム製品または本発明のコンピューター・ソフトウェア・プログラム製品が、PCR装置に保存されかつ/またはPCR装置で実行され、各プローブの量を計算するために使用され得ることは、当業者であれば理解されるであろう。
本発明はさらに、1つ以上の核酸標的についてアッセイするためのキットを提供し、このキットは、以下を含むプローブを含む:
第1および第2のオリゴヌクレオチドが、二本鎖部分を形成することができるような、
1つの標的核酸の一部に実質的に相補的な第1の領域と、第2の領域とを含む、15〜150ヌクレオチドの第1のオリゴヌクレオチド、および
第1のオリゴヌクレオチドの第2の領域に実質的に相補的な領域を含む少なくとも1つの4〜150ヌクレオチドの第2のオリゴヌクレオチド、
この場合、各プローブは、そのプローブの第1および第2のオリゴヌクレオチド間の二本鎖部分の有無に特徴的な可変性のシグナルを生じることができる検出可能な標識または検出可能な標識の組み合わせを含み、
そして、この場合、
(a)プローブの第1のオリゴヌクレオチドは標識を含まず、第2のオリゴヌクレオチドは第1の標識および第2の標識を含み、この場合、第1の標識は第2のオリゴヌクレオチドの片端に、あるいはその片端の近くに付けられ、第2の標識は、第2のオリゴヌクレオチドのもう一つの端で、あるいはそのもう一つの端の近くに付けられ、それによって、第2のオリゴヌクレオチドが第1のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズしない場合、第2のオリゴヌクレオチドは、第1の標識および第2の標識を近接近させるランダムコイル構造またはステムループ構造をとり、この場合、第2のオリゴヌクレオチドが第1のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズする場合、2つの標識は互いから離れて保持される;または
(b)第1のオリゴヌクレオチドは標識を含まず、第2のオリゴヌクレオチドは標識を含み、この場合、第2のオリゴヌクレオチドが、プローブの二本鎖部分を形成するために、第1のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズする場合、標識は、第2のオリゴヌクレオチドが一本鎖形態である時の標識の放射と比較して、その検出可能なシグナルを変化し得る;または
(c)プローブの第1のオリゴヌクレオチド標識を含まず、プローブは、2つの第2のオリゴヌクレオチドを含み、これらは、第1のオリゴヌクレオチドの第2の領域の異なる部分と隣接してまたは実質的に隣接してハイブリダイズすることができ、この場合、2つの第2のオリゴヌクレオチドが第1のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズする場合に、2つの標識が近接近し、一方の標識がもう一方のシグナルに影響を与えるように、第2のオリゴヌクレオチドのうちの一方は第1の標識が付けられ、もう一方の第2のオリゴヌクレオチドは第2の標識が付けられる。
本発明は、本発明の方法における上記(a)−(c)に規定されるプローブの使用も提供する。
本発明はまた、本明細書中に開示される方法における、以下を含むプローブの使用を提供する:
第1および第2のオリゴヌクレオチドが、二本鎖部分を形成することができるような、
1つの標的核酸の一部に実質的に相補的な第1の領域と、第2の領域とを含む、15〜150ヌクレオチドの第1のオリゴヌクレオチド、および
第1のオリゴヌクレオチドの第2の領域に実質的に相補的な領域を含む少なくとも1つの4〜150ヌクレオチドの第2のオリゴヌクレオチド、
この場合、各プローブは、そのプローブの第1および第2のオリゴヌクレオチド間の二本鎖部分の有無に特徴的な可変性のシグナルを生じることができる検出可能な標識または検出可能な標識の組み合わせを含み、
そして、この場合、
(a)プローブの内部二本鎖が形成される場合に、第1の標識および第2の標識が近接近するように、第1の標識は、第1のオリゴヌクレオチドの第2の領域に付けられ、第2の標識は、第1のオリゴヌクレオチドの第2の領域と相補的な第2のオリゴヌクレオチドの領域に付けられ、または
(b)プローブの第1および第2のオリゴヌクレオチドは、ヌクレオチドを含むリンカー成分または非ヌクレオチド化学的リンカーによって結合され、これにより、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドがステムループ構造を形成することが可能となり、この場合、プローブが内部ステムループ構造を形成する場合に、標識が近接近し、一方の標識が、他方からのシグナルに影響を与えるように、第1および第2のオリゴヌクレオチドはそれぞれ標識される。
本発明の別の態様は、標的核酸における1つ以上の変異ヌクレオチドについてサンプルをアッセイする方法に関し、この方法は以下のステップを含む:
(a)標的核酸を含むサンプルを、以下を含む増幅反応混合物と接触させること:
(i)正方向/逆方向オリゴヌクレオチドプライマーの1つ以上の対、この場合、サンプル中に存在する場合、前記プライマー対は、1つ以上の標的核酸を増幅することができる、
(ii)プローブの少なくとも1つの対、この場合、前記対中の第1のプローブは、野生型の標的核酸配列(通常の配列)と相補的な配列を含み、前記対中の第2のプローブは、変異ヌクレオチドを含む標的核酸配列(例えば、SNP、変異ヌクレオチド等)と相補的な配列をふくむ、
この場合、前記対中の各プローブは、以下を含む:
第1および第2のオリゴヌクレオチドが二本鎖部分を形成することができるような、
1つの標的核酸の一部と実質的に相補的である第1の領域と、第2の領域を含む第1のオリゴヌクレオチド、および
第1のオリゴヌクレオチドの第2の領域と実質的に相補的である領域を含む少なくとも1つの第2のオリゴヌクレオチド、
この場合、各プローブは、そのプローブの第1および第2のオリゴヌクレオチド間の二本鎖部分の有無に特徴的な可変性のシグナルを生じることができる検出可能な標識または検出可能な標識の組み合わせを含み、および
この場合、少なくとも2つのプローブは、同じ検出可能な標識、または、識別不可能な発光スペクトルを有する異なる検出可能な標識を含み、かかるプローブのそれぞれの第1および第2のオリゴヌクレオチド間の融解特性は異なる;
(b)増幅条件下で、サンプル/増幅反応混合物において増幅反応を行なうこと、この場合、標的核酸が存在する場合、その標的核酸の一部に実質的に相補的であるプローブの第1のオリゴヌクレオチドは、増幅反応中に消費される;および
(c)温度の関数としてプローブ中の標識からシグナルを検出することにより、任意の消費されないプローブの第1および第2のオリゴヌクレオチド間の任意の二本鎖の融解プロファイルを少なくとも一度測定すること、この場合、前記融解プロファイルは、前記サンプル/増幅反応混合物中で少なくとも1つの標的核酸が増幅されているか否かを示す。
プローブ対中の同じ第2のオリゴヌクレオチドは、標的核酸配列中の変異ヌクレオチドに相当する、普遍的塩基またはイノシンを含んでもよい。普遍的塩基は、3−ニトロピロール、2’−デオキシヌクレオシド、5−ニトロインドール、ピリミジン類似体またはプリン類似体であってもよい。イノシンは、天然には、いくつかの転移RNAのアンチコドンのゆらぎ(wobble)位置に存在し、翻訳過程中にA、CおよびUと塩基対を形成することが知られている(図14)。
標的配列中の複数の変異またはSNPの精査のために、同じ増幅生成物の異なる部位にハイブリダイズする異なるプローブの多数の第1のオリゴヌクレオチドが、反応に含まれてもよい。プローブは、競合するプローブの対を含んでもよく、対中の第1のプローブは野生型の(正常なヌクレオチド)配列にハイブリダイズし;対中の第2のプローブは、変異型の(変異した)ヌクレオチドを含む標的配列にハイブリダイズする。野生型の標的配列が存在する場合、野生型の標的配列に相補的なプローブが消費される。変異ヌクレオチドを有する標的配列が存在する場合、変異標的配列に相補的なプローブが消費される。多数の第1のオリゴヌクレオチドが、互いに隣接する標的核酸配列の同じ鎖と、あるいは、隣接する第1のオリゴヌクレオチド間のいくつかの重複している領域とハイブリダイズし得る(図14)。
本発明は、1つ以上の標的核酸についてサンプルをアッセイする方法をさらに提供し、この方法は、以下のステップを含む:
(a)1つ以上の標的核酸を含むサンプルを、以下を含む増幅反応混合物と接触させること:
(i)正方向/逆方向オリゴヌクレオチドプライマーの1つ以上の対、この場合、サンプル中に存在する場合、前記プライマー対は、1つ以上の標的核酸を増幅することができる、
(ii)2つ以上のプローブの組、この場合、前記組中の少なくとも1つのプローブは二本鎖部分を含む、
この場合、少なくとも1つのプローブは2つのオリゴヌクレオチドを含み:第1のオリゴヌクレオチドは、標的ハイブリダイジンングオリゴヌクレオチド(THO)とも呼ばれ、第2のオリゴヌクレオチドは、部分的に相補的なオリゴヌクレオチド(PCO)とも呼ばれ、THOおよびPCOは、互いにハイブリダイズすることができ、部分的に二本鎖のプローブを形成する、
この場合、前記組中の各プローブは、各プローブに特徴的な可変性のシグナルを生じることができる検出可能な標識または検出可能な標識の組み合わせを含む、および
この場合、前記2つ以上のプローブは、同じ検出可能な標識、または、識別不可能な発光スペクトルを有する異なる検出可能な標識を含み、かかるプローブのそれぞれの融解特性は異なり、二本鎖部分を有する各プローブは特徴となる融解温度を有するのに対し、二本鎖部分を有さない一本鎖プローブは特徴となる融解温度を有さない;
(b)増幅条件下で、サンプル/反応混合物において増幅反応を行なうこと、この場合、標的核酸が存在する場合、その標的核酸の一部に実質的に相補的であるTHOは前記標的核酸とハイブリダイズし、その結果、消費され、この場合、プローブの消費は、標識の検出可能なシグナルの変化を生じ、また、元のプローブが二本鎖部分を有する場合、消費されたプローブはもはや二本鎖部分を形成することはできない;および
(c)温度の関数としてプローブ中の標識からシグナルを検出することにより、前記反応混合物中の消費されないプローブの融解プロファイルを少なくとも一度測定すること、この場合、前記融解プロファイル分析における任意のプローブの融解特性の有無は、そのプローブの非消費または消費を示し、それにより、前記サンプル中に少なくとも1つの標的核酸が存在するか否かも示される、
この場合、THOは標的配列に相補的であり、フルオロホアおよびクエンチャーで標識され、
この場合、PCOは、THOに部分的に相補的であり、また、例えば、標識またはリン酸基を付けることにより修飾された3’末端を含み、その伸長を防ぎ、
この場合、PCOの3’末端にクエンチャー(例えばリン酸基)でない標識が付けられている場合、蛍光放射はTHOおよびPCOのハイブリダイゼーションによって増加され、この種のプローブはプラス・プローブ(+THO:PCO)と呼ばれ、
この場合、PCOの3’末端にクエンチャーが付けられている場合、蛍光放射はTHOおよびPCOのハイブリダイゼーションによって減少され、この種のプローブはマイナス・プローブ(−THO:PCO)と呼ばれる。
2つ以上のプローブの組は、プラス・プローブだけを含んでもよい。または、2つ以上のプローブの組は、マイナス・プローブだけを含んでもよい。または、2つ以上のプローブの組は、プラス・プローブおよびマイナス・プライマーの組み合わせを含んでもよい。または、2つ以上のプローブの組は、一本鎖プローブと、プラス・プローブもしくはマイナス・プローブの組み合わせを含んでもよい。
プローブの消費は、THOの標的配列へのハイブリダイゼーション、それに続く、THOの増幅生成物への組み入れによって達成することができ、または、THOが増幅生成物中へ組み入れられ得る場合、THOは、伸長可能なプライマーであるか、もしくは、正方向/逆方向オリゴヌクレオチドプライマー対の1つである。
プローブの消費は、THOの標的配列へのハイブリダイゼーション、それに続く、THOの分解によって達成することができ、この場合、THOが反応中に分解される場合、反応混合物はヌクレアーゼ活性を有する酵素を含む。
前記2つ以上のプローブの組は、二本鎖部分を有する少なくとも2つのプローブを含み、
この場合、第1のプローブは、その二本鎖部分に関して融解温度T1を有し、
この場合、第2のプローブは、その二本鎖部分に関して融解温度T2を有し、
この場合、T1>T2であり、
この場合、同じ標識が、第1および第2のプローブに独立して付けられ、
この場合、T1および/またはT2の任意の融解ピークの減少が、第1および/または第2のプローブの消費を示す。
1つの実施形態において、増幅反応混合物は、一塩基多型(SNP)をアッセイするための2つの関連するTHO(プローブ)を含んでもよく、第1のTHOは第1の対立遺伝子用であり、第2のTHOは第2の対立遺伝子用である。一塩基多型(SNP)をアッセイするための2つの関連するTHOは、同じPCOとハイブリダイズして、部分的に二本鎖であるプローブを形成することができる。2つの関連するTHOは、同じ標識を付けてもよい。2つの関連するTHOは、SNPに対応する1つのヌクレオチドで異なっていてもよい。1つのSNPがホモ接合型として存在する場合、その対応するTHOは消費され、融解曲線プロファイルにおけるその特徴となるピークは消失するか、減少する。1つのSNPがヘテロ接合型として存在する場合、両方のTHOは消費され、融解曲線プロファイルにおける両方の対立遺伝子についてのその特徴となるピークは消失するか、減少する。
本発明はまた、1つ以上の核酸標的をアッセイするためのキットを提供し、このキットは、上記請求項のいずれか1項に記載の2つ以上のプローブの組を含み、このプローブの組は、以下を含む:
二本鎖部分を含む前記組中の少なくとも1つのプローブ、
この場合、前記少なくとも1つのプローブは、2つのオリゴヌクレオチド:標的ハイブリダイジングオリゴヌクレオチド(THO)および部分的に相補的なオリゴヌクレオチド(PCO)を含み、THOおよびPCOは、互いにハイブリダイズすることができ、部分的に二本鎖のプローブを形成する、
この場合、前記組中の各プローブは、各プローブに特徴的な可変性のシグナルを生じることができる検出可能な標識または検出可能な標識の組み合わせを含む、および
この場合、前記2つ以上のプローブは、同じ検出可能な標識、または、識別不可能な発光スペクトルを有する異なる検出可能な標識を含み、かかるプローブのそれぞれの融解特性は異なり、二本鎖部分を有する各プローブは特徴となる融解温度を有するのに対し、二本鎖部分を有さない一本鎖プローブは特徴となる融解温度を有さない;
この場合、THOは標的配列に相補的であり、フルオロホアおよびクエンチャーで標識され、
この場合、PCOは、THOと部分的に相補的であり、また、例えば、標識またはリン酸基を付けることにより修飾された3’末端を含み、その伸長を防ぎ、
この場合、PCOの3’末端にリン酸基が付けられている場合、蛍光放射はTHOおよびPCOのハイブリダイゼーションによって増加され、この種のプローブはプラス・プローブ(+THO:PCO)と呼ばれ、
この場合、PCOの3’末端にクエンチャーが付けられている場合、蛍光放射はTHOおよびPCOのハイブリダイゼーションによって減少され、この種のプローブはマイナス・プローブ(−THO:PCO)と呼ばれ、
この場合、前記2つ以上のプローブの組は、プラス・プローブのみを含むか、
または、前記2つ以上のプローブの組は、マイナス・プローブのみを含むか、
または、前記2つ以上のプローブの組は、プラス・プローブとマイナス・プライマーの組み合わせを含むか、
または、前記2つ以上のプローブの組は、一本鎖プローブと、プラス・プローブまたはマイナス・プローブの組み合わせを含む。
キットにおいて、2つ以上のプローブの組は、一塩基多型(SNP)をアッセイするための2つの関連するTHO(プローブ)を含んでもよく、第1のTHOは第1の対立遺伝子用であり、第2のTHOは第2の対立遺伝子用であり、
前記2つの関連するTHOは、同じPCOとハイブリダイズして、部分的に二本鎖であるプローブを形成することができ、
前記2つの関連するTHOは、同じ標識が付けられている。
図1は、プローブが消費される増幅の前および増幅の後の本発明の核酸プローブの融解プロファイルを図示する。 図2は、プローブの一方または両方が消費される増幅の前および増幅の後の本発明の核酸プローブ(プローブ1および2)の混合物の融解プロファイルを図示する。 図3は、異なる温度でのアンプリコン合成のリアルタイムの測定を図示する。 図4は、本発明において使用され得る異なるプローブの例を説明する。 同上。 図5は、プローブの第1のオリゴヌクレオチドが標的核酸配列とハイブリダイズした、本発明の方法の例を説明する。 図6は、プローブの第1のオリゴヌクレオチドが増幅生成物中に組み入れられた、本発明の方法の例を説明する。 図7は、プローブの第1のオリゴヌクレオチドが増幅中に伸長および分解される、本発明の方法の例を説明する。 図8は、プローブの第1のオリゴヌクレオチドが増幅中に分解される、本発明の方法の例を説明する。 図9Aは、増幅前の本発明のプローブの1および2の融解プロファイルを図示する。図9Bは、異なる比率のプローブの混合物の融解プロファイルを示す。 図10は、増幅前の4つの反応におけるプローブ1および2の混合物の融解プロファイルを図示する。 図11は、実施例中の異なる温度でのアンプリコン合成のリアルタイム測定を図示する。 図12は、増幅後の4つの反応におけるプローブ1および2の混合物の融解プロファイルを図示する。 図13は、第1のプローブ(K10)の放射量がFE1として描かれる増幅プロットを説明する。計算されたFE1×Pプロットは、FE1×Pとして描かれる。第2のプローブ(SV40)の放射量についての増幅プロットは、FE2−(FE1×P)として示される。 Famで標識されたプローブの組は、異なるTmを有する野生型の配列に相補的な配列を含み;Hexで標識されたプローブの別の組は、同じ標的核酸配列の変異配列に相補的な配列を含む。 図15は、図14に記載された組プローブを使用して方法を説明する。 図16は、三重鎖の増幅例の結果を示す。異なるTmを有する3つのプローブがFam色素で標識される。(A)は、標的DNAを加えずにチューブ内で生成された融解プロファイルを示す。次の図は、標的DNAを加えずにチューブ内で生成された融解プロファイルと、標的DNAを加えてチューブ内で生成された融解プロファイルの比較を示す。(B)サンプル中に存在する標的2によってチューブ内で生成された融解プロファイル。(C)サンプル中に存在する標的3によってチューブ内で生成された融解プロファイル。(D)サンプル中に存在する標的2および3によってチューブ内で生成された融解プロファイル。(E)サンプル中に存在する標的1によってチューブ内で生成された融解プロファイル。(F)サンプル中に存在する標的1および2によってチューブ内で生成された融解プロファイル。(G)サンプル中に存在する標的1および3によってチューブ内で生成された融解プロファイル。(H)サンプル中に存在する標的1、2および3によってチューブ内で生成された融解プロファイル。 (A)は、融解温度および回収設定プロファイルを示す。(B)は、プローブ1、2、ならびにプローブ1および2の混合物の融解プロファイルである。(C)は、プローブの二本鎖形態のパーセンテージ評価方法を示す解離曲線の多成分図である。 図18は、実際の消費された量および標準曲線(実施例4)についての増幅プロットを図示したものである。 同上。 核酸プローブの設計およびその融解プロファイル。(A)プラス・プローブは、フルオロホアおよびクエンチャーで標識された標識ハイブリダイジングオリゴヌクレオチド(THO)ならびに標識を有さない部分的に相補的なオリゴヌクレオチド(PCO)から成る。温度に対する放射測定値の第1の負の導関数によってプロットされたTHO:PCOの融解曲線は、正の値(+THO:PCO)を示す。(B)マイナス・プローブは、フルオロホアおよびクエンチャーで標識されたTHOならびに3’末端にクエンチャーで標識されたPCOから成る。温度に対する放射測定値の第1の負の導関数によってプロットされたTHO:PCOの融解曲線は、負の値(−THO:PCO)を示す。 HPV16およびHPV18プローブのデザインならびに増幅のためのプローブの使用および融解曲線分析。(A)THO:PCOのハイブリッドは1:2の比率でTHOおよびPCOの組み合わせによって形成される。(B)HPV16およびHPV18プローブの混合物の融解プロファイルは、温度に対する放射測定値の第1の負の導関数としてプロットされる。 (C)は、HPV16テンプレートの3つの10倍連続希釈物におけるPCRの増幅プロットを図示したものである。(D)は(C)と同じ反応であるが、温度に対する放射測定値の第1の負の導関数としてプロットされた融解曲線である。(E)は、HPV18テンプレートの3つの10倍連続希釈物におけるPCRの増幅プロットを図示したものである。(F)は(E)と同じ反応であるが、温度に対する放射測定値の第1の負の導関数としてプロットされた融解曲線である。
本発明を以下の実施例においてさらに規定し、実施例中、特に記載しない限り、部分およびパーセンテージは重量により、温度は摂氏である。これらの実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すけれども、例示のみのために示されることを理解すべきである。上記の考察およびこれらの実施例から、当業者であれば、本発明の本質的特徴を確かめることができ、その精神および範囲から外れることなく、様々な使用および条件に適応させるために本発明の変更および修飾を行うことができる。したがって、本明細書中に示され記載されたものに加えての本発明の様々な修飾は、上述の記載から当業者には明らかであろう。そのような修飾もまた、添付された特許請求の範囲の範囲内にあることが意図される。
本明細書中に示される各参考文献の開示は、参照によりその全体を本明細書中に組み入れられる。
実施例1
次の実験において使用される全てのプライマーは、EUROGENTECによって合成された。
増幅プライマーおよびプローブは以下のとおりである:
K10R266Fam GttcaATTGGGTTTCACCGCGCTTAGTTACA;(配列番号1)
K10R266Dab GCGCGGTGAAACCCAATTGAAC;(配列番号2)
SV40RlF3FAM ATCAGCCATACCACATTTGTAGAGGTTTTAC;(配列番号3)
SV40RlF3Dab CAAATGTGGTATGGCTGAT;(配列番号4)
K10F155 CTCTGCTGACTTCAAAACGAGAAGAG;(配列番号5)
SV40RealR CCATTATAAGCTGCAATAAACAAGTTAACAAC(配列番号6)
プライマー/プローブK10R266Fam(第1のオリゴヌクレオチド)は、5’末端においてFAMで標識されている。K10R266Dab(第2のオリゴヌクレオチド)は3’末端にDABCYLを含む。K10R266FamおよびK10R266Dabは、以下のような二本鎖部分を形成し得る:
Fam −5’GTTCAATTGGGTTTCACCGCGCTTAGTTACA3’(配列番号1)
DABCYL −3’CAAGTTAACCCAAAGTGGCGCG5’(配列番号2)
上記のハイブリッドはプローブK10R266と呼ばれる。プライマー/プローブSV40RlF3FAM(第1のオリゴヌクレオチド)は5’末端においてFAMで標識されている。SV40RlF3Dab(第2のオリゴヌクレオチド)は、3’末端にDABCYLを含む。SV40RlF3FAMおよびSV40RlF3Dabは、は、以下のような二本鎖部分を形成し得る:
Fam −5’ATCAGCCATACCACATTTGTAGAGGTTTTAC3’(配列番号3)
DABCYL −3’TAGTCGGTATGGTGTAAAC5’(配列番号4)
このハイブリッドはプローブSV40RlF3と呼ばれる。
第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドは、様々な比率、典型的には1:3で組み合わせられ、部分的に二本鎖の線状DNAプローブを形成した。標的が存在しない状態で、第1および第2のオリゴヌクレオチドのハイブリッドの形成は、クエンチャーおよびフルオロホアを近接近させ、蛍光シグナルを効率的にクエンチする。標的が存在する状態で、第1のオリゴヌクレオチドは、標的配列に優先的にハイブリダイズし、アンプリコンへ組み入れられる。その結果、クエンチャーはフルオロホアから分離し、蛍光放射の増加をもたらす。
プライマー対K10R266FamおよびK10F155は、K10標的配列が存在する状態で110bpの生成物を増幅する。SV40RlF3FAMおよびSV40RealRは、SV40標的配列が存在する状態で125bpの生成物を増幅する。
実施例2
融解プロファイル実験は以下のとおり行なわれた:プローブの熱安定性は、蛍光放射が40〜90℃の範囲の温度で測定された、融解プロファイル実験において特性決定された。融解温度Tmは、第1および第2のオリゴヌクレオチド二本鎖が解離する特徴的温度として定義される。
各融解プロファイルは、PCRバッファー(1xThermoPol反応バッファー,New England BioLabs)を含む20μlの反応においてチューブ中で測定された。温度サイクリングは、以下のサイクリング条件:90℃、3分間の変性を1サイクル;1サイクルごと1℃ずつ増加させて40〜90℃の温度範囲で30秒間保持することを50サイクル、により、Mx3005p定量PCRシステム(Stratagene)で行なわれた。蛍光測定は、50サイクルの30秒間の保持ごとに記録された。
融解プロファイルは、90〜40℃の範囲の温度で蛍光をモニターすることにより、プローブK10R266(プローブ1)およびプローブSV40RlF3(プローブ2)について測定した。K10R266は、72℃のTmを有し、SV40RlF3は、62℃のTmを有する。(図9A)。
融解プロファイルは、プローブK10R266およびプローブSV40RlF3の一連の混合物について測定した:
サンプル1は、0.5μMのK10R266および0.5μMのSV40RlF3を含む。
サンプル2は、0.5μMのK10R266および0.25μMのSV40RlF3を含む。
サンプル3は、0.5μMのK10R266および0.125μMのSV40RlF3を含む。
サンプル4は、0.5μMKの10R266および0.0625μMのSV40RlF3を含む。
サンプル5は、0.5μMのK10R266および0.003125μMのSV40RlF3を含む。
そのプロファイルは図9Bに示される。
プローブK10R266およびSV40RlF3の組み合わせは、テンプレートとしてK10およびSV40配列を含むプラスミドDNAを使用して、リアルタイムPCRアッセイにおいて試験した。
マスター反応混合物は、0.5μMのK10R266および0.5μMのSV40RlF3(1:3の混合比の第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のヌクレオチドの組み合わせ)ならびに標準PCR成分(NEB)を含むように作製された。増幅反応は、以下のサイクリング条件にて、Stratagene Mx3005リアルタイムPCRシステムで行なわれた:
1.増幅前、融解プロファイル:1サイクルごと1℃ずつ減少させて90〜40℃の温度範囲で30秒間保持することを50サイクル。蛍光測定は、50サイクルの30秒間の保持ごとに記録された。
2.増幅中:94℃で20秒間;63℃で30秒間;51℃で30秒間;72℃で30秒間;を30サイクル。蛍光測定は、読み取りステップ63℃、51℃および72℃中に記録された。
3.増幅後、融解プロファイル:1サイクルごと1℃ずつ増加させて40〜90℃の温度範囲で30秒間保持することを50サイクル。蛍光測定は、50サイクルの30秒間の保持ごとに記録された。
4つの反応が設定された:反応1はK10テンプレートを含む;反応2はSV40テンプレートを含む;反応3はK10およびSV40テンプレートの両方を含む;反応4はテンプレートを含まない。
4つの反応についての増幅前融解プロファイルが、図10に示される。増幅中、63℃にて集められた蛍光放射は、図11Aに示される。増幅中、51℃にて集められた蛍光放射は、図11Bに示される。増幅中、72℃にて集められた蛍光放射は、図11Cに示される。4つの反応についての増幅後融解プロファイルは、図12に示される。
増幅前および増幅後融解プロファイルの比較を以下に示した:
反応1では、K10R266プローブが消費され、プロファイルはSV40RlF3プローブに特徴的である。
反応2では、SV40RlF3プローブが消費される。
反応3では、K10R266およびSV40RlF3プローブの両方が消費される。
反応4では、プローブは消費されず、増幅前および増幅後プロファイルは類似している。
サイクルごとの蛍光放射FEは、3つの測定温度にて得られた:MT72℃、63℃および51℃。
最初の蛍光放射FE1は、測定温度63℃にて得られ、その温度で、第2のプローブ(SV40RlF3の10%以下が二本鎖形態(プローブの内部二本鎖形態)であり;第2の蛍光放射FE2は、測定温度51℃にて得られ、その温度で、2つのプローブの95%以上が二本鎖形態であり、任意に、蛍光放射FE0が、測定温度72℃にて得られ、その温度で、第1のプローブ(K10R266)の10%以下が二本鎖形態である。
増幅反応において、2つの標的配列K10およびSV40のための2つのプローブが存在する。温度72℃では、K10R266プローブの10%が二本鎖形態であり、SV40RlF3プローブの0%が二本鎖形態である。63℃では、K10R266プローブの90%が二本鎖形態であり、SV40RlF3プローブの5%が二本鎖形態である。51℃では、すべてのプローブの98%以上が二本鎖形態である。
第1の蛍光放射は63℃で集められ、それがFE1であり;第2の蛍光放射は51℃で集められ、それがFE2である。
Figure 2013540449
FE1=90%ACA1+5%ACA2
FE2=98%ACA1+98%ACA2
5%ACA2は無視することができると想定すると、ACA1=FE1/90%;ACA2=FE2/98%−FE1/90%である。ACA1はプローブ1の実際の消費された量であり;ACA2はプローブ2の実際の消費された量である。
第1のプローブ(K10)の実際の消費された量の増幅プロットは、ACA1として示される。第2のプローブ(SV40R1F3)の実際の消費された量の増幅プロットは、ACA2として示される(図13)。
実際の消費された量の計算は手作業で行うことができる。この計算は、コンピュータープログラムまたはソフトウェアによって行なうこともできる。定量を効率よく行うために、多重リアルタイムPCRからの放射データを管理し、かつ適切な計算を行なうためのソフトウェアが設計された。ソフトウェアは、Ctの手作業による選択およびブランクの減算等の他の機能を有した。
ソフトウェアは、マイクロソフト・エクセル用のAddinとしてビジュアル・ベーシック・フォー・アプリケーション(VBA)において実行された。ソース・コードは2つの主なモジュールに体系化された。1つのモジュールは、数学的機能、エクセルシート中に存在する放射データから配列を作成する機能、結果データおよび標識を印刷する機能、エラーおよびテンプレートを扱う機能、ならびに特定のタイプのチャートを作成する機能等の「ユーティリティー」機能をすべて含んでいた。第2のモジュールは、プログラムの流れをコントロールする機能を含んでいた。このモジュールは、メニュー選択、バー・スライシング(bar slicing)、標準曲線中のデータの算入/除外等のユーザーとの相互作用を可能にする機能をすべて含んでいた。
実施例3
増幅プライマーおよびプローブは以下のとおりである:
標的1(K10)用
K10R266Fam GttcaATTGGGTTTCACCGCGCTTAGTTACA;(配列番号1)
K10R266Dab GCGCGGTGAAACCCAATTGAAC;(配列番号2)
K10F155 CTCTGCTGACTTCAAAACGAGAAGAG;(配列番号5)
標的2(SV40)用
SV40RlF3FAM ATCAGCCATACCACATTTGTAGAGGTTTTAC;(配列番号3)
SV40RlF3Dab CAAATGTGGTATGGCTGAT;(配列番号4)
SV40RealR CCATTATAAGCTGCAATAAACAAGTTAACAAC;(配列番号6)
標的3(Jak2)用
JKR3Fam AACAGATGCTCTGAGAAAGGCATTAGA;(配列番号11)
JKR3FDabF CTCAGAGCATCTGTT;(配列番号12)
JKF2 GCATCTTTATTATGGCAGAGAGAA。(配列番号13)
オリゴヌクレオチドK10R266Famは、増幅プライマーであり、同時に、オリゴヌクレオチドK10R266Famは、プローブ1の第1のオリゴヌクレオチドである。K10R266Fam(第1のオリゴヌクレオチド)は、5’末端においてFAMで標識されている。K10R266Dab(第2のオリゴヌクレオチド)は、3’末端にDABCYLを含む。K10R266FamおよびK10R266Dabは、二本鎖部分を形成することができる。K10R266FamおよびK10R266Dabのハイブリッドはプローブ1と呼ばれる。
オリゴヌクレオチドSV40RlF3FAMは、増幅プライマーであり、同時に、オリゴヌクレオチドSV40RlF3FAMは、プローブ2の第1のオリゴヌクレオチドである。SV40RlF3FAM(第1のオリゴヌクレオチド)は、5’末端においてFAMで標識されている。SV40RlF3Dab(第2のオリゴヌクレオチド)は、3’末端にDABCYLを含む。SV40RlF3FAMおよびSV40RlF3Dabは、二本鎖部分を形成することができる。SV40RlF3FAMおよびSV40RlF3Dabのハイブリッドはプローブ2と呼ばれる。
オリゴヌクレオチドJKR3Famは、増幅プライマーであり、同時に、オリゴヌクレオチドJKR3Famは、プローブ3の第1のオリゴヌクレオチドである。JKR3Fam(第1のオリゴヌクレオチド)は、5’末端においてFAMで標識されている。JKR3FDabF(第2のオリゴヌクレオチド)は、3’末端にDABCYLを含む。JKR3FamおよびJKR3FDabFは、二本鎖部分を形成することができる。JKR3FamおよびJKR3FDabFのハイブリッドはプローブ3と呼ばれる。
第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドは、様々な比率で、典型的には、1:2〜1:4で組み合わせられ、部分的に二本鎖の線状DNAプローブを形成した。標的が存在しない状態で、第1および第2のオリゴヌクレオチドのハイブリッド形成は、クエンチャーおよびフルオロホアを近接近させ、蛍光シグナルを効率的にクエンチする。標的が存在する状態で、第1のオリゴヌクレオチドは、標的配列に優先的にハイブリダイズし、アンプリコンへ組み入れられる。その結果、クエンチャーはフルオロホアから分離し、蛍光放射の増加をもたらす。
プライマー対K10R266FamおよびK10F155は、K10標的配列が存在する状態で110bpの生成物を増幅する。SV40RlF3FAMおよびSV40RealRは、SV40標的配列が存在する状態で125bpの生成物を増幅する。プライマーJKR3FamおよびJKF2は、Jak2標的配列が存在する状態で222bpの生成物を増幅する。
プローブ1、プローブ2、プローブ3ならびにプローブ1、2および3の混合物の融解プロファイル分析は、Stratagene Mx3005 リアルタイムPCR装置(図16)を使用して行なわれた。熱プロファイルは、解離曲線分析ソフトウェアのパラメーターに基づいた:30秒間70℃で加熱、40℃まで冷却して30秒間保持、その後ゆっくりと、温度を94℃まで増加させ、蛍光放射データは、温度上昇中、連続的に集められる。温度に対する放射測定値の第1の負の導関数は、曲線を形成するように温度に対してプロットされ、曲線の各ピークはプローブの実際のTに相当する。
一重、二重および三重の増幅は、1つの標的、または2つの標的、または3つの標的すべてが存在する状態において、同じ反応マスター混合物を使用して行なわれた。
マスター反応混合物は、3つのプローブそれぞれについて0.1μMの第1のオリゴヌクレオチド、3つのプローブそれぞれについて0.4μMの第2のオリゴヌクレオチド、各標的について0.2μMのプライマー(プローブの第1のオリゴヌクレオチドではない)、ならびに標準PCR成分(NEB)を含むように作製された。増幅反応は、以下のサイクリング条件にて、Stratagene Mx3005リアルタイムPCRシステムで行なわれた:
1.増幅中:94℃で15秒間;63℃で20秒間;50℃で20秒間;55℃で20秒間;63℃で20秒間;68℃で20秒間;72℃で20秒間;を40サイクル。蛍光測定は、読み取りステップ55℃、63℃、68℃および72℃中に記録された。
3.増幅後融解プロファイル:最終サイクル後に、72℃にて20秒間、40℃まで冷却して30秒間保持、その後ゆっくりと、温度を78℃まで増加させ、蛍光放射データは、温度上昇中、連続的に集められる。
8つの反応が設定された:反応(A)はテンプレートを含まない;反応(B)は標的2テンプレートを含む;反応(C)は標的3テンプレートを含む;反応(D)は標的2および3を含む;反応(E)は標的1を含む;反応(F)は標的1および2を含む;反応(G)は標的1および3を含む;反応(H)は標的1、2および3を含む。8つの反応のための増幅後融解プロファイルは、図16に示される。
標的が存在する状態および標的が存在しない状態の増幅後融解プロファイルの比較を、以下に示した(図16):
反応Aでは、プローブは消費されず、融解プロファイルは3つのプローブすべての混合物に特徴的である。
反応Bでは、プローブ2が消費される。
反応Cでは、プローブ3が消費される。
反応Dでは、プローブ2および3が消費される。
反応Eでは、プローブ1が消費される。
反応Fでは、プローブ1および2が消費される。
反応Gでは、プローブ1および3が消費される。
反応Hでは、プローブ1、2および3が消費される。
サイクルごとの蛍光放射FEは、3つの測定温度にて得られた:MT50℃、55℃、63℃、68℃および72℃。各プローブの実際の消費された量は、式FEa=(ACA1)(ds1a)%+(ACA2)(ds2a)%+(ACA3)(ds3a)%...+(ACAn)(dsna)%によって計算され得る。
実施例4
標的1(K10)用増幅プライマー:
K10F155 CTCTGCTGACTTCAAAACGAGAAGAG;(配列番号5)
K10R14 CCTGAGGGTTAAATCTTCCCCATTGA(配列番号21)
標的1用プローブ(プローブ1と呼ばれる)は以下を含む:第1のオリゴヌクレオチド
K10R266Famph GTTCAATTGGGTTTCACCGCGCTTAGTTACA(配列番号7)(5’末端にFamが付けられ;3末端に3’−OHの代わりにリン酸基が付けられている);および、第2のオリゴヌクレオチド
K10R266Dab GCGCGGTGAAACCCAATTGAAC(配列番号2)(3’末端にDABCYLが付けられている)
標的2(SV40)用増幅プライマー:
dsredendF2 GTAAGATCCACCGGATCTAGATAAC(配列番号8);
sv40testR GGGAGGTGTGGGAGGTTTTTTAAAG(配列番号9)
標的2用プローブ(プローブ2と呼ばれる)は以下を含む:第1のオリゴヌクレオチド
SV40RlF3FAPh ATCAGCCATACCACATTTGTAGAGGTTTTAC(配列番号10)(5’末端にFamが付けられ;3末端に3’−OHの代わりにリン酸基が付けられている);および、第2のオリゴヌクレオチド
SV40RlF3Dab CAAATGTGGTATGGCTGAT(配列番号4)(3’末端にDABCYLが付けられている)。
第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドは、様々な比率で、典型的には、1:2〜1:4で組み合わせられ、部分的に二本鎖の線状DNAプローブを形成した。標的が存在しない状態で、第1および第2のオリゴヌクレオチドのハイブリッド形成は、クエンチャーおよびフルオロホアを近接近させ、蛍光シグナルを効率的にクエンチする。標的が存在する状態で、第1のオリゴヌクレオチドは、優先的に標的配列にハイブリダイズし、アンプリコンへ組み入れられる。その結果、クエンチャーはフルオロホアから分離し、蛍光放射の増加をもたらす。
プローブ1および2における第1のオリゴヌクレオチドは、ブロックされた3’末端を含むように修飾され、その結果、伸長することができない。しかしながら、第1のオリゴヌクレオチドが標的配列と結合する場合、それはポリメラーゼの5’ヌクレアーゼ活性によって分解され得る。プローブ(消費されたプローブ)の第1のオリゴヌクレオチドの分解は、プローブの第2のオリゴヌクレオチドと結合することが可能な第1のオリゴヌクレオチドの数の減少をもたらし、それにより、適切な温度で測定された場合の蛍光シグナルが増加される。
プローブ1、プローブ2、ならびにプローブ1および2の混合物の融解プロファイル分析は、Stratagene Mx3005 リアルタイムPCR装置(図17)を使用して行なわれた。熱プロファイルは、解離曲線分析ソフトウェアのパラメーターに基づいた(図17A):30秒間72℃で加熱、40℃まで冷却して30秒間保持、その後ゆっくりと、温度を94℃まで増加させ、蛍光放射データは、温度上昇中、連続的に集められる。温度に対する放射測定値の第1の負の導関数は、曲線を形成するように温度に対してプロットされ、曲線の各ピークはプローブの実際のTに相当する。プローブ1は、Tとして67℃にピークを有し;プローブ2は、Tとして59℃にピークを有する(図17B)。
各プローブの二本鎖形態および一本鎖形態のパーセンテージは、以下の表中に概算した。実際の計算は、コンピューターソフトウェアによって行うこともできる。
Figure 2013540449
概算(計算)は、解離曲線の多成分図に基づいて行うことができる(温度に対する蛍光R、図17C)。ベースラインは、100%二本鎖として仮定され、それは9000としてRを有する。ある温度(100%一本鎖)のRは24500である。温度62℃では、Rは13000である。62℃とベースラインとの間の蛍光の値の違いdR=13000−9000=4000である。62℃の二本鎖プローブのパーセンテージは、4000/(24500−9000)として概算され、25.8%である。
多重リアルタイムPCRおよび標準曲線分析
プライマー−プローブマスター混合物は以下のように設定された:プライマーおよびプローブは、最終濃度0.4μMのプローブおよび0.6μMのプライマーとなるように混合され、それにより、2Xプライマー−プローブマスター混合物が作製される。
反応混合物は、2Xプライマー−プローブマスター混合物および2XTaqMan(登録商標)Gene Expression Mster Mix(Applied Biosystem,カタログ番号4369514)を等量混合することにより作製された。
標的1、標的2、ならびに標的1および2の組み合わせを含むテンプレートDNAを、以下の通り連続希釈した:1、0.1、0.01、0.001、0.0001、0.00001、0.000001。
一重PCRは、標的1(k10)または標的2(SV40)を含むDNAサンプルを使用して行なわれた。二重PCRは、標的1(k10)および標的2(SV40)の混合物を含むDNAサンプルを使用して行なわれた。
熱プロファイルは以下の通りであった:95℃で8分30秒間;40サイクルの94℃で10秒間;66℃で20秒間;63℃で20秒;54℃で30秒間;52℃で20秒間;61℃で20秒間;62℃で20秒間;68℃で20秒間;蛍光測定は、読み取りステップ66℃、63℃、54℃;52℃;61℃;62℃;68℃中に記録された。
62℃における蛍光放射(dR)はFE1として選択され;52℃における蛍光放射(dR)はFE2として選択された。上記の表ならびに明細書および特許請求の範囲中の実際の消費された量(ACA)の計算式に基づき、我々は以下の関係を得た:
62℃にて、FE1=0.75(ACA1)+0.05ACA2 (1)
52℃にて、FE2=100%ACA1+100%ACA2 (2)
(1)および(2)にしたがい、
ACA1=(FE1−0.05FE2)/0.7
ACA2=(0.75FE2−FE1)/0.7
両方の標的が存在する二重反応のために、FE1およびFE2を取得した。標的1のために計算されたACAは、ACA1=(FE1−0.05FE2)/0.7を使用して得られた。ACA1のための増幅プロットの図的表示は図18Aに示される。標準曲線は図18Bに示される。
標的2のために計算されたACAは、ACA2=(0.75FE2−FE1)/0.7を使用して得られた。ACA2のための増幅プロットの図的表示は図18Cに示される。標準曲線は図18Dに示される。
標的1のみが反応中に存在する場合、ACA1のための増幅プロットの図的表示は図18Eに示され、ACA2のための増幅プロットは図18Gに示される。標的1のみが反応中に存在することから、ACA1は、通常の増幅曲線および通常の標準曲線(図18F)を明示するのに対して、ACA2は、標識2に対するシグナルが存在しないことを示す背景曲線を明示する。
標的2のみが反応中に存在する場合、ACA1のための増幅プロットの図的表示は図18Hに示され、ACA2のための増幅プロットは図18Iに示される。標的2のみが反応中に存在することから、ACA2は、通常の増幅曲線および通常の標準曲線(図18J)を明示するのに対して、ACA1は、標識1に対するシグナルが存在しないことを示す背景曲線を明示する。
実施例5
標的1(K10)用増幅プライマー:
K10F155 CTCTGCTGACTTCAAAACGAGAAGAG(配列番号5)
K10R14 CCTGAGGGTTAAATCTTCCCCATTGA(配列番号21)。
標的1用プローブ(プローブ1と呼ばれる)は以下を含む:第1のオリゴヌクレオチド
K10R266Famph GTTCAATTGGGTTTCACCGCGCTTAGTTACA(配列番号7)(5’末端にFamが付けられ;3末端に3’−OHの代わりにリン酸基が付けられている);および、第2のオリゴヌクレオチド
K10R266Dab GCGCGGTGAAACCCAATTGAAC(配列番号2)(3’末端にDABCYLが付けられている)。
標的2(SV40)用増幅プライマー:
dsredendF2 GTAAGATCCACCGGATCTAGATAAC(配列番号8);
sv40testR GGGAGGTGTGGGAGGTTTTTTAAAG(配列番号9)。
標的2用プローブ(プローブ2と呼ばれる)は以下を含む:第1のオリゴヌクレオチド
SV40RlF3FAPh ATCAGCCATACCACATTTGTAGAGGTTTTAC(配列番号10)(5’末端にFamが付けられ;3末端に3’−OHの代わりにリン酸基が付けられている);および、第2のオリゴヌクレオチド
SV40RlF3Dab CAAATGTGGTATGGCTGAT(配列番号4)(3’末端にDABCYLが付けられている)。
標的3(Jak2)用増幅プライマー:
JknewF8 GTGGAGACGAGAGTAAGTAAAACTACA(配列番号14)
JKnewR8 CTCCTGTTAAATTATAGTTTACACTGACA(配列番号15)
標的3用プローブ(プローブ3と呼ばれる)は以下を含む:第1のオリゴヌクレオチド
JKR3FamPh AACAGATGCTCTGAGAAAGGCATTAGA(配列番号16)(5’末端にFamが付けられ;3末端に3’−OHの代わりにリン酸基が付けられている);および、第2のオリゴヌクレオチド
JKR3FDabF CTCAGAGCATCTGTT(配列番号12)(3’末端にDABCYLが付けられている)。
標的4(Kras)用増幅プライマー:
KR12GVF1B GTCACATTTTCATTATTTTTATTATAAGGCCTGC(配列番号17)
KR12GVR12As GATCATATTCGTCCACAAAATGATTC(配列番号18)。
標的4用プローブ(プローブ4と呼ばれる)は以下を含む:第1のオリゴヌクレオチド
KR12GVFamPh GAATATAAACTTGTGGTAGTTGGAGCTGT(配列番号19)(5’末端にFamが付けられ;3末端に3’−OHの代わりにリン酸基が付けられている);および、第2のオリゴヌクレオチド
KR12GVFamDab CACAAGTTTATATTC(配列番号20)(3’末端にDABCYLが付けられている)。
第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドは、様々な比率で、典型的には、1:2〜1:4で組み合わせられ、部分的に二本鎖の線状DNAプローブを形成した。標的が存在しない状態で、第1および第2のオリゴヌクレオチドのハイブリッド形成は、クエンチャーおよびフルオロホアを近接近させ、蛍光シグナルを効率的にクエンチする。標的が存在する状態で、第1のオリゴヌクレオチドは、優先的に標的配列にハイブリダイズする。その結果、クエンチャーはフルオロホアから分離し、蛍光放射の増加をもたらす。
すべてのプローブの第1のオリゴヌクレオチドは、ブロックされた3’末端を含むように修飾され、その結果、伸長することができない。しかしながら、第1のオリゴヌクレオチドが標的配列と結合する場合、それはポリメラーゼの5’ヌクレアーゼ活性によって分解され得る。プローブ(消費されたプローブ)の第1のオリゴヌクレオチドの分解は、プローブの第2のオリゴヌクレオチドと結合することが可能な第1のオリゴヌクレオチドの数の減少をもたらし、それにより、適切な温度で測定された場合の蛍光シグナルが増加される。
多重リアルタイムPCRおよび標準曲線分析
プライマー−プローブマスター混合物は以下のように設定された:プライマーおよびプローブは、最終濃度0.4μMのプローブおよび0.6μMのプライマーとなるように混合され、それにより、2Xプライマー−プローブマスター混合物が作製される。
反応混合物は、2Xプライマー−プローブマスター混合物および2XTaqMan(登録商標)Gene Expression Mster Mix(Applied Biosystem,カタログ番号4369514)を等量混合することにより作製された。
熱プロファイルは以下の通りであった:95℃で8分30秒間;40サイクルの94℃で10秒間;66℃で20秒間;63℃で20秒;54℃で30秒間;49℃で20秒間;55℃で20秒間;61℃で20秒間;68℃で20秒間;蛍光測定は、読み取りステップ66℃、63℃、54℃;49℃;55℃;61℃;68℃中に記録された。反応中に存在する標的の様々な組み合わせが使用された。
実施例6
この新規方法の原理は以下の通りである:第1に、各標的に対して、我々は、2つのオリゴヌクレオチド:標的ハイブリダイジングオリゴヌクレオチド(THO)および部分的に相補的なオリゴヌクレオチド(PCO)から成るプローブを設計する。THOおよびPCOは、互いにハイブリダイズして、部分的に二本鎖のプローブを形成することができる(図19)。二本鎖領域のため、各プローブは固有の融解特性を有し、それはその融解温度Tによって主として特徴づけられる。THO(標的配列と相補的である)は、5’末端でフルオロホア(例えば、FAM)および3’末端でクエンチャー(例えば、BHQ1)に標識されている。PCOからの伸長(これは望ましくない)は、3’末端の修飾により、例えば、標識またはリン酸基を付けることにより、ブロックされる。リン酸基が使用される場合(図19Aおよび図20A)、蛍光放射はTHOとPCOのハイブリダイゼーションによって増加する。融解プロットの導関数が正の値を示す場合(図19A)、このタイプのプローブはプラス・プローブ(+THO:PCO)と呼ばれる。PCOが3’末端でクエンチャーによって標識される場合(図19B)、蛍光放射はTHOとPCOのハイブリダイゼーションにより減少する。これは、THO:PCOハイブリッドの形成が、クエンチャーおよびフルオロホアを近接近させ、蛍光シグナルを効率的にクエンチする。融解プロットの導関数が負の値を示す場合(図19B)、このタイプのプローブはマイナス・プローブ(−THO:PCO)と呼ばれる。
このシステムを使用する多重PCRにおいては、2つの異なる標的のための少なくとも2つのプローブが存在し、それらは同じフルオロホアで標識されている。同じ標識を有する異なるプローブを識別するために、融解曲線分析において認識することができる固有のTを有するように各プローブは設計される。原理証明試験において、我々は2つのプローブ:HPV16配列のためのものおよびHPV18配列のためのものを設計した。それらは両方ともプラス・プローブであり、T(HPV16)=46℃およびT(HPV18)=37℃を有する(図20Aおよび20B)。多重反応において、プローブは、プラス・プローブおよびマイナス・プローブの組み合わせであり得る。プローブのうちの1つが典型的なTを有さない一本鎖プローブであり得ることも可能である。
第2に、標的配列とハイブリダイズすることができる標的ハイブリダイジングオリゴヌクレオチド(THO)は、増幅中に消費され得る。標的が存在しない状態で、THOは消費されず、その結果、反応全体にわたり同じ濃度で残る。THO:PCOハイブリッドの融解プロファイルは変化しない。標的が存在する状態で、THOは標的配列とハイブリダイズし、結果として、消費されるので、濃度は減少する。THO:PCOハイブリッドの融解ピークは、融解曲線分析において、減少するか、または消失する。
THOの消費の主要な特徴は、いくつかの方法のいずれであっても、達成することができる。例えば、THOはPCR生成物中に組み入れてもよく、この場合、THOはプライマーとして機能する。本研究において、我々は、TaqManプローブとして機能するTHOを選択し、それは増幅中に分解される(Hollandら,1991)。THOの分解は、TaqManに基づくリアルタイムPCRのように、蛍光シグナルの増加をもたらし、それはPCR中にモニターすることができる。その一方で、融解曲線分析中、THOの分解は、その特徴となる融解ピークの減少または消失をもたらし、このことは、対応するプローブが消費されていることを示し、代わって、標的が増幅されていることを指摘する。
このシステムを試験するために、我々は、2つの最も伝染力が強く、危険性の高いHPV株:HPV16およびHPV18をリアルタイムPCR装置中の一つの検出チャンネルで検出するためのプローブおよびプライマーを設計した。HPVゲノム配列のE6/E7領域を標的とする2つのプラス・プローブを設計した(図20A)。正方向および逆方向プライマーを、プローブ結合領域の上流および下流となるように設計した。部分的に二本鎖のDNAプローブを形成させるために、THOおよびPCOは1:2の比率で組み合わせられた。標的が存在する状態で、THOは、優先的に標的配列とハイブリダイズし、増幅中にTaqポリメラーゼの5’ヌクレアーゼ活性によって切断され、それにより、蛍光放射の増加がもたらされる。増幅後、融解曲線分析が行なわれ、それにより、蛍光、したがって、THO:PCOハイブリッドのレベルがある温度範囲にわたり測定される。
HPV16およびHPV18のプローブ/プライマーのデザインを試験するためにリアルタイムPCRが行なわれた。プローブハイブリッドTHO:PCOは、蛍光レベルを測定するために、融解曲線分析において予め試験され、その結果、それらをともに混合した場合、それらは同様の高さの融解ピークを有していた(図20B)。HPV16THOおよびHPV18THOの最終濃度は、約200μMであった。標的HPV配列を含むテンプレートプラスミドの5つの10倍連続希釈物、ならびに、DNAを含まない1つの陰性対照が、Stratagene MX3005PリアルタイムPCR装置においてPCR増幅され、蛍光放射はFAMチャンネルにて集められた。各テンプレートの連続希釈物に対する典型的なリアルタイムPCR増幅プロットは、図20に示される(パネルC−HPV16、パネルE−HPV18、パネルG−HPV16+HPV18)。融解プロファイルは増幅後に取得された。陰性対照と比較して、標的HPV16が存在する場合、融解曲線中の46℃における融解ピークは消失した(図20D)。標的HPV18が存在する場合、37℃における融解ピークは消失した(図20F)。標的HPV16およびHPV18の両方が存在する場合、2つの融解ピークは両方とも消失した(図20H)。この結果は、たとえ同じ検出チャンネルであっても、HPV16またはHPV18またはHPV16+HPV18の両方を個々に検出することができ、識別することができることを明白に示す。
次に、我々は、一つの検出チャンネルでより多くの標的を検出することができるかどうかを調べた。FAM色素で標識された4つのマイナス・プローブが、HPV16、HPV31、HPV52およびHPV59配列のために設計された。プローブのTHOは、HPVゲノム配列の保存的L1領域に相補的である。増幅後に、融解プロファイルは取得された。陰性対照と比較して、個々のHPV標的配列は正確に識別することができる。同様に、HEX色素で標識された4つの他のマイナス・プローブがHPVゲノム配列の保存的L1領域を標的として設計され、これらは、HPV18、HPV39、HPV58およびHPV68配列を検出することができた。結果は、これらの4つのHPV配列を正確に遺伝子型決定することができることを示す。
プラスおよびマイナス・プローブの組み合わせも、HPV配列を検出するために試験された。HPV33およびHPV45配列のL1領域を標的とする、テキサスレッド色素で標識された2つのマイナス・プローブ、および、HPV35配列のL1領域を標的とする、同じテキサスレッド色素で標識された1つのプラス・プローブが、PCR反応に含まれた。PCR増幅後に、融解曲線分析は行なわれた。DNAを含まない対照と比較して、各標的の存在する状態において、その対応する融解ピークは減少するかまたは消失した。次に、我々は、マイナス・プローブおよび一本鎖プローブの組み合わせも使用することができるかどうかを試験した。HPV56およびHPV66配列のL1領域を標的とする、Cy5色素で標識された2つのマイナス・プローブ、および、HPV51配列のL1領域を標的とする、同じCy5色素で標識された1つの一本鎖プローブが、PCR反応に含また。PCR増幅後に、融解曲線分析は行なわれた。DNAを含まない対照と比較して、HPV56またはHPV66の存在する状態において、その対応する融解ピークは減少するかまたは消失した。しかしながら、標的HPV51テンプレートが存在した時、HPV56およびHPV66の融解ピークは変化しなかった。しかし、全体の蛍光シグナルは増加した。全体の蛍光シグナルの増加は、陰性対照と比較した場合の、その融解曲線の比例的持ち上げが反映される。増幅プロットは、正常な増幅曲線も示し、それはHPV51配列の存在による。このことにより、多数のマイナス・プローブおよび1つの一本鎖プローブの組み合わせを使用することによって、個々のHPV配列を識別することができることが示された。
これらの14個のプローブ(L1領域を標的とする)をともに混合し、単一のPCR増幅において使用した。14個のハイリスクHPV配列すべてのうち、個々の配列が検出され、ワンステップの閉管反応において識別可能であった。我々の結果によって、現在の1チャンネル−1標的の制約を克服することが可能かもしれないということが示される。多重PCRにおけるこの方法、リアルタイムモニタリングまたはエンドポイント検出のいずれかにしたがい、より多くの標的配列が、異なる標的配列にハイブリダイズし、異なる融解温度を有するプローブ組を設計することにより、単一の閉管の中で分析することができる。標的配列が存在する場合、その対応するプローブは消費される。次に、その標的は、反応の前および後の、プローブの融解プロファイルの比較に基づいて調べることができる。有利には、組中の異なるプローブに、同じ標識を付けることができ、それにより、単一の放射波長でモニターすることが可能となる。我々の方法は、現在の閉管多重PCR技術を越える著しい改善を提供し、現在の装置で分析される標的量の2〜4倍の増加が可能となる。
現在の研究において、本方法は、標的または多数の標的の有無を検出するため有用である。それは、通常のPCR装置で行ない、次に、融解曲線分析によって標的について遺伝子型を決定することができる。これは閉管エンドポイント検出方法である。この方法を使用することにより、高価なリアルタイムPCRの必要はなくなり、代わりに、リアルタイムPCRライセンスに高いロイヤルティを払う必要がないので、コスト削減である。さらに、この方法は、ゲル分析のためのチューブを開放する必要を回避する。定量的データが必要とされる場合、この方法は、リアルタイムで蛍光シグナルをモニターすることによるリアルタイムPCR装置中で行なうことができる。単一の検出チャンネル(ここで多数の標的が検出される)において、存在するこれらの標的のうちの1つの量を正確に測定することができる。しかしながら、これらの標的が2つ以上存在する場合、定量的データは、1つの検出チャンネルからの多数の標的の組み合わせについて合計して得られるか、あるいは、本発明に記載された方法によって個々の定量的データを得ることができる。
方法
標的ハイブリダイジングオリゴヌクレオチド(THO)を、5’末端にフルオレセイン(FAM)および3’末端にBHQ1で標識して合成した。HPV16 THOのためのヌクレオチド配列は以下の通りである:5’TTCAGGACCCACAGGAGCGACCC 3’。HPV18 THOのためのヌクレオチド配列は以下の通りである:5’AGCCCCAAAATGAAATTCCGGTTGACC 3’。部分的に相補的であるオリゴヌクレオチド(PCO)は、THOと同じ長さで合成され、3’末端にリン酸基が付けられた。HPV16 PCOのためのヌクレオチド配列は以下の通りである:5’GGGTTGCTTCTGTGAGTCTTGAA 3’。HPV18 PCOのためのヌクレオチド配列は以下の通りである:5’GGTTAACTGGAGTTTTATTATGAGGCT 3’。THOおよびPCOを1:2の比率で組み合わせて、部分的に二本鎖の核酸プローブを形成させた。
標的は、HPV16およびHPV18配列のPCR増幅によって調製され、pJetベクター(Clonejet PCRクローニングキット,Fermentas)中でクローニングされた。プラスミドはGenejetプラスミドミニ調製キット(Fermentas)で精製された。正方向および逆方向プライマーは、プローブ結合領域の上流および下流となるように設計された。HPV16の正方向および逆方向プライマーの配列はそれぞれ、5’AGACATTTTATGCACCAAAAGAGAACT 3’および5’TCTGTGCATAACTGTGGTAACTTTCTG 3’である。HPV18の正方向および逆方向プライマーの配列はそれぞれ、5’GTATGCATGGACCTAAGGCAACA 3’および5’TCGCTTAATTGCTCGTGACATAGA 3’である。オリゴヌクレオチドは、Eurogentecによって合成された。
25μlの最終容量のPCR反応物は、2つの等量の混合物から成る:12.5μlの2xFastStartUniversalプローブマスター(Rox)(Roche Diagnostics Gmbh,Mannheim Germany)および12.5μlのプライマー/プローブ混合物。プライマー/プローブ混合物は、以下のように作製された:プライマーおよびプローブは、0.6μMのプライマーおよび0.4μMのプローブの最終濃度となるように混合され、様々な量の標的テンプレートが添加された。増幅反応および融解プロファイルは、StratageneリアルタイムPCR MX3005Pシステムで行なわれた。熱のプロファイルは以下の通りであった:95℃で9分30秒間;40サイクルの95℃で20秒間および60℃で60秒間。蛍光測定は60℃の読み取りステップ中に記録された。増幅後融解プロファイルは、以下の条件を有した:PCRの最後のサイクルの後に、95℃で10秒間加熱、30℃まで冷却して30秒間保持、その後、ゆっくりと温度を80℃まで上昇させる。蛍光放射データは、温度上昇時に連続的に集められる。温度に対する放射測定値の第1の負の導関数は、融解曲線を形成するために温度に対してプロットし、曲線のピークはプローブのTに相当する。
配列表フリーテキスト

配列番号:1、2、5、7および21 <223>K10由来PCRプライマー
配列番号:3、4、6および8−10 <223>SV40由来PCRプライマー
配列番号:11−16 <223>Jak2由来PCRプライマー
配列番号:17−20 <223>Kras由来PCRプライマー

Claims (15)

  1. 1つ以上の標的核酸についてサンプルをアッセイする方法であって、以下のステップ:
    (a)1つ以上の標的核酸を含むサンプルを、以下を含む増幅反応混合物と接触させること:
    (i)正方向/逆方向オリゴヌクレオチドプライマーの1つ以上の対であって、サンプル中に存在する場合、前記プライマー対は、1つ以上の標的核酸を増幅することができる、プライマー対、
    (ii)2つ以上のプローブの組であって、前記組中の少なくとも1つのプローブは二本鎖部分を含む、プローブ組、
    この場合、少なくとも1つのプローブは2つのオリゴヌクレオチドを含み:第1のオリゴヌクレオチドは、標的ハイブリダイジンングオリゴヌクレオチド(THO)とも呼ばれ、第2のオリゴヌクレオチドは、部分的に相補的なオリゴヌクレオチド(PCO)とも呼ばれ、THOおよびPCOは、互いにハイブリダイズすることができ、部分的に二本鎖のプローブを形成する、
    この場合、前記組中の各プローブは、各プローブに特徴的な可変性のシグナルを生じることができる検出可能な標識または検出可能な標識の組み合わせを含む、および
    この場合、前記2つ以上のプローブは、同じ検出可能な標識、または、識別不可能な発光スペクトルを有する異なる検出可能な標識を含み、かかるプローブのそれぞれの融解特性は異なり、二本鎖部分を有する各プローブは特徴となる融解温度を有するのに対し、二本鎖部分を有さない一本鎖プローブは特徴となる融解温度を有さない;
    (b)増幅条件下で、サンプル/反応混合物において増幅反応を行なうこと、この場合、標的核酸が存在する場合、その標的核酸の一部に実質的に相補的であるTHOは前記標的核酸とハイブリダイズし、その結果、消費され、この場合、プローブの消費は、標識の検出可能なシグナルの変化を生じ、また、元のプローブが二本鎖部分を有する場合、消費されたプローブはもはや二本鎖部分を形成することはできない;および
    (c)温度の関数としてプローブ中の標識からシグナルを検出することにより、前記反応混合物中の消費されないプローブの融解プロファイルを少なくとも一度測定すること、この場合、前記融解プロファイル分析における任意のプローブの融解特性の有無は、そのプローブの非消費または消費を示し、それにより、前記サンプル中に少なくとも1つの標的核酸が存在するか否かも示される、
    を含み、
    この場合、THOは標的配列に相補的であり、フルオロホアおよびクエンチャーで標識され、
    この場合、PCOは、THOに部分的に相補的であり、また、例えば、標識またはリン酸基を付けることにより修飾された3’末端を含み、その伸長を防ぎ、
    この場合、PCOの3’末端にクエンチャー(例えばリン酸基)でない標識が付けられている場合、蛍光放射はTHOおよびPCOのハイブリダイゼーションによって増加され、この種のプローブはプラス・プローブ(+THO:PCO)と呼ばれ、
    この場合、PCOの3’末端にクエンチャーが付けられている場合、蛍光放射はTHOおよびPCOのハイブリダイゼーションによって減少され、この種のプローブはマイナス・プローブ(−THO:PCO)と呼ばれる、
    前記アッセイ方法。
  2. 前記2つ以上のプローブの組がプラス・プローブだけを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記2つ以上のプローブの組がマイナス・プローブだけを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記2つ以上のプローブの組がプラス・プローブとマイナス・プライマーの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記2つ以上のプローブの組が一本鎖プローブと、プラス・プローブまたはマイナス・プローブの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記融解プロファイルが、反応/増幅が行われる前に測定され(増幅前融解プロファイル)、および/または、反応/増幅の完了後に測定され(増幅後融解プロファイル)、および/または、各サイクルもしくは選択されたサイクルにおける反応/増幅中に測定され(増幅中融解プロファイル)、
    以下のステップ(d)
    (i)(c)で得られた少なくとも2つの融解プロファイルを比較すること、
    および/または
    (ii)ステップ(c)で得られた融解プロファイルを、
    同じプローブの以前に得られた融解プロファイルと、もしくは
    対照反応中の同じ時間に同時に得られた同じプローブの融解プロファイルと、もしくは
    同じプローブの理論的融解プロファイルと比較すること、
    をさらに含み、この場合、融解プロファイルの変化は、前記サンプル/反応混合物中に少なくとも1つの標的核酸が存在するか否かを示し、
    前記増幅前融解プロファイルは、反応/増幅開始前に同じ反応容器中で測定されるか、または、反応/増幅に必要な1つ以上の成分を欠くその反応混合物により増幅が行われない個別の反応容器中で測定され、
    ステップ(d)において、増幅後または増幅中融解プロファイルは、特定のプローブが消費されるか否かを調べるために、二本鎖のプローブの増幅前融解プロファイルと比較され、これにより、サンプル中の対応する標的の存在が示される、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記プローブの消費が、前記THOの前記標的配列へのハイブリダイゼーション、それに続く、前記THOの前記増幅生成物への組み入れによって達成されるか、または、前記THOが前記増幅生成物中に組み入れられ得る時、前記THOは伸長可能なプライマーであるか、もしくは、正方向/逆方向オリゴヌクレオチドプライマー対の一つである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記プローブの消費が、前記THOと前記標的配列とのハイブリダイゼーション、それに続く、THOの分解により達成され、この場合、THOが反応中に分解される場合、前記反応混合物はヌクレアーゼ活性を有する酵素を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記2つ以上のプローブの組が、二本鎖部分を有する少なくとも2つのプローブを含み、
    この場合、第1のプローブは、その二本鎖部分に関して融解温度T1を有し、
    この場合、第2のプローブは、その二本鎖部分に関して融解温度T2を有し、
    この場合、T1>T2であり、
    この場合、同じ標識が、第1および第2のプローブに独立して付けられ、
    この場合、T1および/またはT2の任意の融解ピークの減少が、第1および/または第2のプローブの消費を示す、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記増幅反応混合物は、一塩基多型(SNP)をアッセイするための2つの関連するTHO(プローブ)を含み、第1のTHOは第1の対立遺伝子用であり、第2のTHOは第2の対立遺伝子用である、請求項10に記載の方法。
  11. 一塩基多型(SNP)をアッセイするための前記2つの関連するTHOは、同じPCOとハイブリダイズして、部分的に二本鎖であるプローブを形成することができる、請求項10に記載の方法。
  12. 前記2つの関連するTHOは、同じ標識が付けられている、請求項10に記載の方法。
  13. 前記プローブの第2のオリゴヌクレオチドは、前記プローブの第1のオリゴヌクレオチド、プライマー、反応バッファー、酵素および増幅中の反応に必要な他の成分を含む主要反応混合物から物理的に分離されるが、融解プロファイルを測定するために、増幅プロセスの完了後に前記主要反応混合物と混合され、この場合、前記第2のオリゴヌクレオチドは、前記反応完了後に前記主要反応容器中に添加される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の2つ以上のプローブの組を含む、1つ以上の核酸標的をアッセイするためのキットであって、以下:
    二本鎖部分を含む前記組中の少なくとも1つのプローブ、
    この場合、前記少なくとも1つのプローブは、2つのオリゴヌクレオチド:標的ハイブリダイジングオリゴヌクレオチド(THO)および部分的に相補的なオリゴヌクレオチド(PCO)を含み、THOおよびPCOは、互いにハイブリダイズすることができ、部分的に二本鎖のプローブを形成する、
    この場合、前記組中の各プローブは、各プローブに特徴的な可変性のシグナルを生じることができる検出可能な標識または検出可能な標識の組み合わせを含む、および
    この場合、前記2つ以上のプローブは、同じ検出可能な標識、または、識別不可能な発光スペクトルを有する異なる検出可能な標識を含み、かかるプローブのそれぞれの融解特性は異なり、二本鎖部分を有する各プローブは特徴となる融解温度を有するのに対し、二本鎖部分を有さない一本鎖プローブは特徴となる融解温度を有さない;
    この場合、THOは標的配列に相補的であり、フルオロホアおよびクエンチャーで標識され、
    この場合、PCOは、THOに部分的に相補的であり、また、例えば、標識またはリン酸基を付けることにより修飾された3’末端を含み、その伸長を防ぎ、
    この場合、PCOの3’末端にクエンチャー(例えばリン酸基)でない標識が付けられている場合、蛍光放射はTHOおよびPCOのハイブリダイゼーションによって増加され、この種のプローブはプラス・プローブ(+THO:PCO)と呼ばれ、
    この場合、PCOの3’末端にクエンチャーが付けられている場合、蛍光放射はTHOおよびPCOのハイブリダイゼーションによって減少され、この種のプローブはマイナス・プローブ(−THO:PCO)と呼ばれ、
    この場合、前記2つ以上のプローブの組は、プラス・プローブのみを含むか、
    または、前記2つ以上のプローブの組は、マイナス・プローブのみを含むか、
    または、前記2つ以上のプローブの組は、プラス・プローブとマイナス・プライマーの組み合わせを含むか、
    または、前記2つ以上のプローブの組は、一本鎖プローブと、プラス・プローブまたはマイナス・プローブの組み合わせを含む、
    を含む、アッセイするためのキット。
  15. 前記2以上のプローブの組が、一塩基多型(SNP)をアッセイするための2つの関連するTHO(プローブ)を含み、第1のTHOは第1の対立遺伝子用であり、第2のTHOは第2の対立遺伝子用であり、
    前記2つの関連するTHOは、同じPCOとハイブリダイズして、部分的に二本鎖であるプローブを形成することができ、
    前記2つの関連するTHOは、同じ標識が付けられている、
    請求項14に記載のキット。
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