ここで説明される図面は、選択された実施形態の説明のみを目的としたものであり、可能な全ての実行ではなく、本開示の範囲を限定することを意図している訳ではない。
複数図面に渡って一致している参照番号は、対応する部材を示している。
以下、添付図面を参照して、実施形態の一例をより詳細に説明する。
図1に関して、手術室10における外科医12等のユーザは、患者14に対して手術を実施できる。手術の実施に際して、ユーザ12は撮像システム16を使用して、手術を実施するために患者14の画像データを取得できる。取得される患者14の画像データは、X線撮像システムにより取得される2次元(2D)投影(以下で開示されるものも含む)を含む。ただし、ここで開示される容積測定モデルの2D前方投影もまた生成できるということが理解できる。
取得される画像データを用いて、モデルが生成できる。このモデルは、代数反復技術を含む様々な技術を用いて取得された画像データに基づいて生成される3次元(3D)容積測定モデル(これもまた、以下で議論される)であってもよい。表示画像データ18は、表示装置20に表示されてもよい。表示画像データ18は、2D画像、3D画像、あるいは、時間変化する4次元画像であってもよい。また、表示画像データ18は、取得された画像データ、生成された画像データ、取得された画像データと生成された画像データとの両方、あるいは、当該両方の種類の画像データを合併したものを含み得る。
取得される患者14の画像データは、例えばX線撮像システムを用いた2D投影として取得できるということが理解できる。その後、患者14の3D容積測定画像データを再構築するために、2D投影は使用される。また、3D容積測定画像データから、理論的なあるいは前方への2D投影が生成できる。従って、画像データは、2D投影と3D容積測定モデルとのいずれか、あるいは両方であってもよいということが理解できる。
表示装置20は、キーボードなどの入力装置24と、プロセッサシステム22に内蔵された1つ以上のプロセッサ26(この1つ以上のプロセッサは、並列処理コアのプロセッサ、マイクロプロセッサなどを含んでもよい)とを含むプロセッサシステム22の一部であってもよい。表示装置20を駆動させて画像データ18を描画させるデータ通信のための接続部28が、プロセッサ26と表示装置20との間に設けられていてもよい。
撮像システム16は、アメリカ合衆国のルイビル、コロラド州に事業所を有するメドトロニックナビゲーション株式会社によって市販されているOアーム(登録商標)撮像システムを備えていてもよい。なお、選択される手術中に使用されるOアーム撮像システム、またはその他の適切な撮像システムを備えた撮像システム16は、2009年5月13日に出願された米国特許出願番号12/465,206(参照によりここに盛り込まれる)に記載されている。
Oアーム撮像システム16は、制御パネルまたはシステム32を含む可動カート30と、ソースユニット36および検出器38が配置された撮像ガントリ34とを含む。可動カート30は、ある手術室から他の手術室へと移動させることができる。また、ここでさらに議論するように、ガントリ34は、カート30に対して相対的に移動可能である。これにより、撮像システム16は、固定された撮像システム専用の資本支出またはスペースを必要とせず、複数の場所において複数の手術に使用できるような可動性を得ることになる。
ソースユニット36は、患者14を通過して検出器38によって検出されるX線を出射できる。当業者ならば理解できるように、ソース36から出射されるX線は、コーンから出射されて検出器38によって検出される。通常、ソースユニット36/検出器ユニット38は、ガントリ34の直径の反対側に位置する。通常、検出器38は、ガントリ34内の矢印39の方向に、患者14の周囲360°の運動により回転移動できる。通常、ソース36は、検出器38の反対側かつ検出器38から180°の位置に維持される。また、通常、ガントリ34は、患者支持台または卓15に配置される被験体14に対して、矢印40の方向に等角に傾ける、または揺らす(以下、「等傾する」とも称する)ことができる。ガントリ34は、矢印42に示すように、患者14に対して相対的に傾けることもできる。また、ガントリ34は、直線44に沿って、患者14およびカート30に対して縦方向に移動させることもできる。また、通常、ガントリ34は、直線46に沿って、カート30に対して、および患者14の横において、上下に移動させることもできる。また、通常、ガントリ34は、矢印48の方向に、患者14に対して垂直に動かすこともできる。これらにより、患者14に対して相対的にソース36および検出器38を配置できる。患者14の画像データを精密に生成するために、Oアーム撮像装置16は、患者14に対するソース36/検出器38の移動を精密に制御できる。撮像装置16は、有線接続や無線接続、撮像システム16からプロセッサ26への物理メディアの移動を含む接続50を介して、プロセッサ26に接続できる。このようにして、撮像システム16を用いて収集された撮像データは、プロセッサシステム22へと渡り、ナビゲーション、表示、再構築などに用いられる。
簡潔には、各実施形態によれば、撮像システム16は、非ナビゲーションまたはナビゲーション手術において使用できる。ナビゲーション手術では、患者14に対するナビゲーション領域の内部で場を生成するために、あるいは信号を送受信するために、光学ローカライザ60および電磁ローカライザ62のいずれかまたは両方を含むローカライザが使用できる。患者14に対するナビゲーション空間またはナビゲーション領域は、画像データ18に登録できる。ナビゲーション領域の内部で定義されるナビゲーション空間と、画像データ18により定義される画像空間とを登録できる。患者追跡器または動的参照フレーム64は、患者14に接続でき、画像データ18に対して患者14を動的に登録し、登録を維持することができる。
その後、患者14に対して器具66が追跡され、ナビゲーション手術が可能となる。器具66は光学追跡装置68および/または電磁追跡装置70含む。光学ローカライザ60および電磁ローカライザ62のいずれかまたは両方を用いて、器具66を追跡することが可能となる。器具66は、電磁ローカライザ62および/または光学ローカライザ60のナビゲーションインターフェース装置74と共に、通信線72を含む。そして、各通信線74、78を用いて、通信線80を介して、プローブインターフェース74はプロセッサ26と通信できる。通信線28、50、76、78、80のいずれも、有線接続、無線接続、物理メディアの送信もしくは移動、または、その他のあらゆる適切な通信であってもよいことが理解できる。それにも関わらず、手術を実施するために画像データ18に器具66の追跡位置を描画できるようにするために、患者14に対して器具66を追跡できる個々のローカライザを備えた適切な通信システムが提供されてもよい。
器具66は侵入性の器具、および/またはインプラントであってもよいということが理解できる。インプラントは、心室または血管のステント、背骨のインプラント、神経のステントなどを含む。器具66は、脳または神経の深部の刺激薬、切除器具、その他の適切な器具などの侵入性の器具であってもよい。器具66を追跡することにより、患者14内部で器具66を直接視認せずとも、登録された画像データ18を利用して、患者14に対する器具66の位置を確認できる。
さらに、撮像システム16は、光学ローカライザ60または電磁ローカライザ62のそれぞれによって追跡がなされる光学追跡装置82または電磁追跡装置84などの追跡装置を含む。追跡装置は、ソース36、検出器38、およびガントリ34、または、撮像システム16のその他の適切な部材と直接的に関連しており、選択される参照フレームに対する相対的な検出器の位置または配置を決定してもよい。図示の通り、追跡装置は、ガントリ36のハウジングの外部に配置されていてもよい。従って、撮像装置16は、患者14に対して器具66を追跡可能である。これにより、画像データ18に関連付けた患者14の初期登録、自動登録、または、継続的な登録が可能となる。登録およびナビゲーション手術は、上記の通り、盛り込まれた米国特許出願番号12/465,206において議論されている。
図2を参照すれば、フローチャート100は、撮像システム16を用いて画像データを取得し、取得した画像データおよび選択される再構築を用いて手術を実施し、選択される手術の成功の検査/確認/決定を行う例示的な手順を示している。フローチャート100は、開始ブロック102から開始し、撮像される被験体の解剖学的構造の部位を選択するブロック104へと進む。被験体の適切な部位の選択は、撮像用の患者14の部位の選択を含む。例えば、背骨の移植が腰部になされる場合、患者の腰部が選択され、撮像される。同様に、脳または神経の手術が実施される場合、患者14の脳または頭部が撮像される。同様に、骨盤、脚、または、被験体14の解剖学的構造における他の適切な部位が撮像される。
一旦、部位が選択されれば、ブロック106において当該部位が入力される。部位が入力された後、ブロック108において撮像システム16の最適な移動が自動的に決定かつ/または再び呼び出される。通常、撮像システム16の移動は、患者14の縦軸14Lの周囲360°をソース36および検出器38が移動することと、患者14に対してガントリ34が移動することとを含む。ガントリ34の移動は、等角に傾ける角度移動40と、傾ける移動42と、縦移動44と、患者14に対するガントリ34のその他の移動とを含む。単独またはガントリ34の移動を伴う検出器38の移動により、患者14に対して検出器38およびソース36が移動する。患者14に対する、選択される複数の位置および方向において、画像データは取得される。
ブロック112において、最適な移動は、最初の3次元モデルを生成するために十分な画像データの取得に基づいてなされる。最適経路に沿って撮像システムが移動している間に取得された画像データを用いて、以下で議論するようにしてモデルは生成される。当該最適経路は、放射線の最小の使用または露出で、適切な画像データが収集できる経路である。データ収集における最小かつ適切な重複を有する画像データを取得するために、上記画像データの収集が最適化される。最適化により、画像データの収集中における順序的/段階的な画像の収集または継続的な画像の収集が可能となる。いずれにせよ、撮像システムにおいて最適経路が自動的に適用され、該経路において、適切な量の画像データが収集される。
また、患者14に対する所定の検出器の位置においてのみ画像データを取得する手動の経路は、上記最適経路とは異なっていてもよい。これにより、患者の画像データは最小かつ適切な量だけ収集されるので、画像データを取得するための最小限の放射線量のみの使用が可能となる。この経路は、画像データの収集を達成するために患者14に対して非円運動であって、かつ、当該経路における始点すなわち最初の位置から最後の位置までの間における、選択される時間において移動させるように設計されていてもよい。
ブロック108において最適な移動が自動的に決定された後、撮像システム16は、ブロック110において最適な移動に従って移動する。使用されるソース36/検出器38の移動中、患者14の画像データが取得される。併せて、画像データは、分析かつ再構築するために、例えば、プロセッサ26へ送信されたり、あるいは、あらゆる適切な記録媒体へ格納される。続いて、被験体の最初の3次元モデルが自動的に再構築される(ブロック112)。3次元モデルの再構築は、最適化のための代数的技術などを用いたあらゆる適切な方法で実行される。
適切な代数的技術は、当業者によって通常理解されるような、期待値最大化法(EM)、オーダーサブセット期待値最大化法(OS−EM)、同時代数的再構成法(SART)、および、全変動最小化を含む。2D投影に基づく3D容積測定の再構築の実行を適用することにより、効率的かつ完全な容積測定の再構築が可能となる。通常、代数的技術は、画像データ18の表示のために、患者14の再構築を実行するための反復処理を含む。例えば、”理論的”な患者の地図または定型化されたモデルに基づく、あるいは、該地図または該モデルから生成されるような純粋なあるいは理論的な画像データの投影は、当該理論的な投影画像が、取得された患者14の画像データの2D投影と調和するまで、繰り返し変化する。その後、定型化されたモデルは、選択される患者14の、取得された2D投影画像データの3D容積測定再構築モデルとして、適切に変化し、ナビゲーション、診断、または、計画などの外科的な世話に使用される。理論的なモデルは、理論的なモデルを構築するための理論的な画像データに関連している。このようにして、撮像装置16を用いて取得された患者14の画像データに基づき、モデルまたは画像データ18が構築できる。
最適な移動により患者14の周囲を移動するソース36/検出器38の配置により、ソース36/検出器38が患者14の周囲を十分に環状、すなわち360°の角度の移動により、2D投影画像データが取得できる。また、ガントリ34が移動するので、検出器は、必ずしも純粋な円運動を行う必要はない。むしろ、患者14についてまたは患者14に対して、らせん運動などの回転移動を行ってもよい。また、ガントリ34と検出器38との両方を含む撮像システム16の移動に基づいて、上記経路は十分に非対照的かつ/または非線形であってもよい。言い換えば、最適経路に従って、検出器38およびガントリ34が停止して今来た方向へと後退(例えば、振動)するように、上記経路は連続的である必要はない。このように、ガントリ34は傾くかあるいは移動する可能性があるので、検出器38は、患者14の周囲360°を必ずしも完全に移動する必要はない。検出器38は、停止して既に通過した方向へと後退してもよい。
その後、ブロック114において、再構築されたモデルが表示装置20に表示される。上記において議論した通り、画像データを生成するために、あるいは、手術室10における実質的にブロック104において選択された部位に関する患者14もしくは患者14の一部のモデルを再構築できるようにするために、撮像システム16が使用できる。従って、撮像装置16は、実施される手術の直前または手術の最中に使用できる。また、撮像装置16は、車輪または他の可動部を有するカート30を用いて、ある手術室から他の手術室へと移動させることができる。このことは、撮像専用の手術室、あるいは、固定された撮像システムを備えた手術室の必要性を減少させる。
撮像システム16は手術中または手術前に使用されるため、手術が実施されるか否かを判定するために、ブロック116の判定ブロックが利用される。手術が実施されない場合、NO経路に従い、終了ブロック120へと至る。患者14を分析するために、ユーザ12またはあらゆる適切な人もしくは技術者が、再構築された表示中のモデルを確認できるということが理解できる。適宜選択される分析、診断、または、計画のために、再構築されたモデルが利用できる。手術が実施される場合、YES経路122に従い、手術がナビゲートされるか否かが判定される第2の判定ブロック140へと至る。
手術がナビゲーションされない場合、YES経路142に従い、ブロック144において、被験体に関連する適切な参照フレーム(動的参照フレーム64など)に対して、再構築されたモデルを登録する。患者14上において境界標識または基準点を特定すること、画像データ18において関係しているマークを特定することなど、あらゆる適切な方法により、登録が実行されてもよい。登録は、実質的に自動的になされてもよいし、撮像装置16に対して患者14を既知の位置に配置することにより内在的になされてもよいし、あるいは、手動的になされてもよい。一旦、登録が達成されれば、選択されたローカライザ60、62を用いる適切な追跡システムにより追跡され、かつ、患者14に接続される動的参照フレーム64とともに、登録が維持されてもよい。一旦、登録されれば、ブロック146において、手術はナビゲーション可能に実施される。
ナビゲーション手術を実施しないことが選択される場合、NO経路148に従い、ブロック150において、選択される手術をナビゲーションなしに実施する。ナビゲーションを必要としない場合、器具を追跡するためにローカライザ60、62が使用される必要はなく、特殊な手術を決定するために、または、適切な移植もしくは同種のものを選択する際の分析のために、再構築された画像モデルが使用できる。
一旦、手術が実施されれば、ブロック160において、確認画像を取得することが選択される。確認画像は、予定されていた計画などに従い、満足に手術が完了したかを確認するために使用できる。確認画像の量は、ブロック110において取得された画像データと等しくてもよいし、少なくてもよいし、あるいは、多くてもよい。ブロック160において確認画像を取得することが選択された後は、ブロック162において識別画像が取得される。識別画像は、患者14に対して不連続な位置において、患者14の画像のうち制限された枚数だけ選択できる。
ブロック162において識別画像が取得または入手された後は、ブロック164において、比較画像を取得する撮像素子の最適経路が自動的に決定される。ブロック162において識別画像を取得する手順、および、ブロック164において比較画像のための最適な比較のための撮像素子の経路を自動的に決定する手順について、以下ではさらに詳細に説明する。最適な比較経路を決定することは、衝突部位を回避することを含む。このことは、ユーザ入力またはシステムが、配置されている器具の配置を再び呼び出し、最適経路の中でこれらが衝突することを回避することを含む。衝突を引き起こす可能性がある品目は、必ずしも手術器具である必要はなく、手術室にあるその他の品目であってもよい。それでも、一旦、比較画像を取得するための最適な比較経路が決定されれば、ブロック166において撮像素子が最適な比較経路に沿って移動でき、ブロック168において最適な比較経路における移動の間、比較画像データが取得できる。
ブロック170において、最初の再構築モデルと比較するための比較画像データを用いて、後処理3D再構築モデル(ここでは比較モデルとも称する)の自動的な再構築が実行される。後処理または比較モデルは、一部または全ての手術が実施された後に取得される患者14の2D投影などの画像データに基づく。ここでさらに議論されるように、比較画像データを最初の3次元モデルと比較することのみに基づき、新たなあるいは最初の前処理3D容量測定再構築モデルを生成するために使用できる同様の代数反復技術を用いて、比較モデルが再構築できる。その後、ブロック172において、表示装置20を含む適切な表示装置に比較モデルが表示され、ブロック120にて手順は終了する。
このように、ブロック120において終了する、最初の患者画像の取得およびモデル再構築のために、最適経路を自動的に決定することを含む、異なるまたは多重の手順のためにフローチャート100が使用できることが理解される。しかしながら、手術を実施することと、ブロック112からの最初の再構築モデルを用いて、手術のナビゲーションを許可することとが、また判定される。手術はナビゲーションされるか、または、ナビゲーションされず、そして、手術後に、実施された手術の結果を確認するために、患者14を撮像するための撮像装置16を用いて取得される比較画像データを用いて、確認または検証が実施される。手術を実施し、画像データを用いた比較モデルの比較もしくは生成を実施した後、本方法は、ブロック120において終了できる。
フローチャート100は、患者の画像を取得することにより開始し、患者のモデルを再構築し、手術を実施し、追加的な撮像により、手術を確認または検証する手順または方法を示している。上記で議論したとおり、ブロック108において撮像素子の最適な移動を自動的に決定することは、様々なステップまたは手順を含んでもよい。図3に示す本方法のフローチャート200のように、ブロック108において撮像素子の最適な移動を決定する手順がフローチャート200に示されている。フローチャート200は、フローチャート100のブロック108および110の拡大であるものと理解できる。従って、選択される部位を入力することを含むブロック106が、方法200を開始する。その後、方法200は、被験体14の最初の3次元モデルを再構築するブロック112に流れて終了する。従って、フローチャート200は、拡大されて詳細に示されたフローチャート100の一部であるものと理解できる。
一旦、ブロック106において部位が選択されれば、入力された部位に基づいて記憶装置から最適経路を呼び出すことにより、フローチャート200は、ブロック202から開始する。最適経路を呼び出すことは、カート30に含まれているか、プロセッサ26に付随しているか、あるいは、その他の適切な位置にある記憶システムへとアクセスすることを含む。ブロック106において入力された部位に基づいて、選択されたかもしくは最適な、被験体14の画像データを取得するために、人間の患者、撮像システム16のジオメトリ、撮像システム16の可能な移動、および、その他の基準などの、一般的なあるいは標準的な被験体の解剖学的構造の、予め取得もしくは決定されている知識に、最適経路202は基づいている。例えば、最適経路は、患者38に対する検出器38の最適な開始位置もしくは初期位置、患者14に対する検出器38およびガントリ34の移動、および、患者14に対する検出器38の最終位置を含む。上記経路は、患者14の選択された部位のブロック112における最初の3次元再構築を可能とする、画像データの最適な収集を達成できる。
最適経路は、患者14または現在の患者14の前の患者の画像データ取得についてのテストおよび分析に基づいてもよい。分析は、多様な患者および複数の患者についての取得されたテスト画像データに基づく。その後、画像データに対して統計的な分析およびその他の分析が適用され、選択された部位を撮像するために、患者に対して検出器38を配置するための最適な位置を決定する。その後、撮像装置の移動範囲内で、検出器38の移動経路が決定され、決定された位置において最適な画像データを取得する。通常、最適経路は、最適な量の画像データの取得を可能とし、ソース36からの放射線に対する最小の露出とともに、本物の、もしくは適切な患者14の3次元再構築を可能とする。最適経路を決定する方法に関わらず、最適経路はブロック202において呼び出され、患者14に対する撮像システム16の移動を決定もしくは入力する。
ブロック112において、患者14の最初の3次元画像モデルを形成または再構築するために十分な画像データを取得するために、最適経路は使用されるが、患者の放射線に対する制限された露出、または、制限された画像取得時間を伴う。最適経路は、移動経路と、取得される画像データの位置におけるタイミングおよび枚数との両方を含む。このように、検出器38は、患者14に対して選択された経路の中を移動することと、画像データの取得を停止すること、もしくは、選択された速さにおいて画像データを収集することのいずれかとを、指示される。
それゆえ、最適経路は、モデルの再構築を可能とする撮像位置における、実質的に、必須な重複のみと共に、適切な量の画像データを取得する。このことは、放射線に対する露出を制限でき、また、画像データを取得するための、コントローラもしくは物理的な力のいずれかを用いる手動的な撮像システムの移動を排除できる。異なる視野における最低限のアンダー・サンプリングまたは不必要なオーバー・サンプリングを用いた再構築のために、十分な患者14の画像データの視野が取得されることを保証するために、再構築のための画像データの取得における最適経路が使用できる。また、最適経路を組み合わせた撮像システムの移動は、全ての最適な撮像位置に検出器38が到達できることを保証できる。
ブロック204において、患者14は、撮像システムに対して選択された位置に配置される。この配置は、ブロック202から呼び出された最適経路に基づく。撮像システム16に対して患者14を配置することは、手術ベッドまたは支持台15の上に患者を配置することを含む。また、固定紐またはメンバー208を用いて、患者を患者支持台15に固定することをさらに含む。さらに、選択された撮像システム16に対して患者14を配置することは、ガントリ34に対して選択された位置に、患者14を配置することを含む。カート30に対して選択された位置に、あるいは、撮像システムを基準としたその他の位置に、ブロック106から入力された選択された部位が配置されるようになされる。ガントリ34のカート30へのカート30に対する機械的結合により、ガントリ34は移動させることができる。また、最適経路は、カート30の基準点に対して言及される。このように、患者14または他の被験体は、カート30の基準位置に対して配置される。従って、基準位置に対して最適経路が得られる。例えば、腰部が撮像される場合、カート30の基準点、および、基準点から約15cmの位置に、L1腰椎が一直線となるように、患者が配置される。変わりゆく患者の解剖学的構造および患者14の配置の僅かな違いに基づき、選択される補完量を用いて、再構築が生じ得ることが理解される。
さらに、検出器38は、ガントリ34内のレールまたはトラックシステムに配置され、環状のガントリ34に対して定義される中心の周囲を回転できる。それゆえ、検出器38は、カート30に対しても移動する。したがって、患者14は、カート30を含む撮像システム16に対して相対的な位置に移動する。撮像システム16は、ブロック202において呼び出された最適経路に従って画像データの取得を可能とするために、患者14に対して選択された位置に、検出器38を配置することを可能とする。再び、基準点に対して患者14は移動できる。この基準点に対して最適経路が選択され、一旦、ブロック204において選択された位置に患者14が配置されれば、最適経路に従うように検出器38が導かれる。
一旦、ブロック204において、撮像システムに対して選択された位置に患者14が配置されれば、ガントリ34はブロック206における開始位置へと移動し、検出器38はブロック208における開始位置へと移動する。撮像システム16は、標準的なまたは設定された開始位置を含む、一時停止または静止する方向を有していてもよいことが理解できる。この開始位置は、各々の最適経路において特定の開始位置へと移動するガントリ34または検出器38を要求しないものの、代わりに、標準的な撮像システムの開始位置である。それでも、最適経路は、選択された最適な開始位置を含んでいてもよい。選択された開始位置は、ブロック206においてガントリ34を開始位置へと移動させ、ブロック208において検出器38を開始位置へと移動させることにより達成できる。
さらに、検出器38を移動させることは、患者14およびガントリ34をわたって、検出器38に対して、実質的に直径の反対側にソース36を移動させることも含むことが理解される。上記で議論されたように、また、当業者によって理解されるように、ソース36はX線放射線源であってもよい。通常、検出器38は、撮像される患者14などの被験体の反対側において、ソース36に対して直接反対側に配置される。それゆえ、検出器38の移動についてのここでの議論は、概して、ソース36の固有の移動を含み、検出器38によって検出される適切な方法において、X線ビームが患者14を通過することを保証する。
ブロック206、208それぞれにおいて、ガントリ34および検出器38が開始位置に移動した後は、ブロック210はソース36から出射されたX線の検出を含む。当業者によって理解されるように、一旦、検出が開始されれば、画像データの取得もまた開始する。従って、ソース36の反対側に検出器38が配置されている場合、X線ビームの中にいる患者14と共に、患者14の検出器により画像データが検出される。ブロック210においてX線の出射および検出が開始した後は、判定ブロック212は、次回の移動が何であるかを判定することを可能とする。ブロック202における最適経路により、1つの撮像位置のみが要求あるいは決定されている場合、非決定経路214に従う。非決定経路214に従う場合、プロセッサはフローチャート200を終了し、フローチャート100から再構築ブロック112へと遷移する。
しかしながら、より完全な、もしくはより優れた患者14のモデルの再構築を可能とするように、患者14に対して検出器38の多重の方向を達成するために、通常、ガントリ34および/または検出器38の移動が選択されてもよい。特に、3次元モデルを再構築するときは、3次元の再構築を可能とするために、患者14に対する検出器38の複数の方向または位置を取得するように、上記移動が選択されていもよい。特に、患者14の周囲の完全な360°、すなわち、ブロック106において入力された部位の周囲360°の円において、X線およびそれによる画像データの検出を可能とするために、患者14の周囲を少なくとも360°だけ検出器38を移動するように、上記移動が選択されてもよい。しかしながら、検出器38の移動は円である必要はなく、上記で議論したように、らせん状などであってもよい。
しかしながら、通常、検出器38の移動は、段階的、順序的、または連続的であってもよい。また、画像データの取得もこの処理に従ってもよい。言い換えれば、検出器が最適経路を移動するにつれて、検出器38が連続的に、あるいは実質的に連続的に(例えば、検出器のリフレッシュレートが約10ミリ秒)、患者14の画像データを収集できるようになっていてもよい。連続的な収集の代わりとして、あるいは、それに加えて、1つの最適位置から他の位置へと検出器38が移動し、より多くの段階的な画像データ取得を生ずるために、選択された位置において、制限された画像データのみを収集してもよい。
従って、通常、次回の移動は何であるかを決定するブロック212は、5つの移動の選択の少なくとも1つへと導かれる。撮像システム16は、あらゆる適切な方法により移動できることが理解される。また、ここで議論された方法は、Oアーム(登録商標)撮像システムの例示的な移動である。それでも、ブロック216における最初の型の移動は、患者の周囲における検出器38の回転移動を含む。図4Aに例示されるように、通常、検出器38の回転は、撮像システム16が有するガントリ34の周囲における環状または円状の経路において、矢印39の方向における検出器38の移動を含む。検出器が環状の経路39を移動するような、患者14に対する検出器38の移動により、撮像システム16内に配置された患者14は、X線を用いて撮像される。ブロック202において最適経路により選択されるように、精密なステップまたは十分に連続的な移動において、モーター部は、ガントリ34内のトラックに沿って検出器38を移動させることができる。
図4Aに示すように、ブロック218において選択される移動は、患者14およびカート30に対する、矢印48の方向におけるガントリ34の垂直移動を含む。ガントリ34の垂直移動は、手術器具または他の器具を十分に排除することと共に、患者支持台15の上でカート30に対して患者14を配置することを可能とする。その後、ここで議論したように、選択された経路において検出器38を移動させるために、選択された位置へとガントリ34が移動できる。
図4Bに示すように、ブロック220において、患者14またはカート30に対して通常は矢印42の方向に、ガントリ34は傾けることもできる。ガントリ34を傾けることは、ベクトルXV1が示すように、ベクトルXV1が示す第1の位置から、ベクトルXV1´が示す第2の位置または方向、かつ、傾いたガントリ34aの中の検出器38aの第2の方向へと、X線ビームを傾けることを可能とする。従って、患者14に対する、検出器38の選択された方向を提供するために、ガントリ34は患者14に対して傾けることができる。患者14に対する、検出器の経路すなわち検出器38の移動経路において、選択された期間もしくは時間において、ガントリ34が傾けられることが理解される。従って、図4Aに示す開始位置から患者14に対して約90°回転した位置へと検出器は移動することができ、ガントリ34は患者14に対して傾けることができ、検出器38は、同じく90°に戻って過去に移動したのと同じ方向に追加の弧を移動するか、あるいは、過去に通過した弧の一部へと戻ることができる。検出器38はガントリ34内で360°全体を回転してもよく、ガントリ34は傾くことができ、ガントリの内部の自身の最初の開始位置の方向であるものの、患者14に対して傾いたガントリ34によりここで定義される異なる経路に沿って、検出器38がガントリの内部の逆方向に戻る、すなわち移動してもよいことがさらに理解できる。
図4Cに示すように、ブロック230において、ガントリ34は垂直方向にも移動できる。通常、移動は図1にも示す矢印44の方向に行われる。通常、この方向は患者14Lの垂直軸に沿っている。さらに、第1の位置もしくは選択された位置から影38bに示す第2の選択された位置へと検出器38を移動させるために、ガントリ34の移動が利用される。このように、第1の選択された位置34から第2の選択された位置34bへとガントリ34が移動し、続いて、ベクトルXV2が示す第1の位置からベクトルXV2´が示す第2の位置へとX線ビームの方角もしくは方向が移動できる。
ブロック240において、図4Dに示すように、ガントリ34は等傾もできる。図1にも示すように、通常、ガントリ34の等傾は、矢印40の方向に実行される。ガントリ34の等傾は、ガントリ34に接する直線の周りの弧の一部の中において、ガントリ34を移動させる。ガントリ34の等傾は、図4Dの38に示す第1の位置から図4Dの影38cに示す第2の位置へと検出器38を移動させることができる。図4Bに示すブロック220におけるガントリ34を傾けることのみによっては不可能な、患者14に対する検出器38の異なる方向を、ガントリ34の等傾は可能としている。また、適宜、図4Dに示すように、患者14に対する検出器38および個々のX線のベクトルを移動させるために、患者14に対してガントリ34は等傾できる。
最後に、図4Eに示すように、ブロック250において、ガントリは上下に移動できる。カート30もしくは患者14に対するガントリ34の上下移動は、図4Eの38に示す第1の位置から図4Eの影38´に示す第2の位置へと検出器38を移動させることができる。従って、ガントリが第2の位置34d´へと移動するにつれて、X線のベクトルは、第1の位置XV4から第2の位置XV4へと移動する。患者14の垂直軸に対してX線のベクトルXVが概して実質的に垂直のままであることを、図4Eに示す移動は示している。しかし、撮像システム16の移動は組み合わせることができることが理解される。
従って、矢印46の方向への移動により示される、もしくは定義される、ガントリ34の上下移動は、単にガントリ34を傾けることもしくは等傾させることによっては不可能な、X線のベクトルすなわちX線ビームのベクトルを患者14に対して移動させるために、ブロック240における等傾、および、ブロック220における傾けることと、組み合わせてもよい。ガントリ34と検出器38との協調移動は、患者14に対する垂直の旋回運動とその他の協調移動を生じさせてもよい。患者14に対して移動中、複合的な軸の移動を成し遂げるために、ガントリ34および検出器34が、実質的に同時もしくは事実上同時に移動することを、協調移動は可能とする。
一旦、次回の移動が決定されれば、ブロック216、218、220、230、240もしくは250のうちの1ブロックにおいて、移動が達成される。それぞれの移動ブロックのうちの1ブロックにおいて、適切な移動が決定もしくは実行された後は、ブロック260においてさらなる判定ブロックが利用され、その他の移動が必要であるか否かを決定する。追加的な移動が不必要である場合、NO経路262に従い、再構築ブロック112へと至り、既に議論したフローチャート100に従う。
選択されたデータセットの取得を達成するために、元の位置もしくは開始位置からの1つの移動のみを、ある最適経路が要求してもよいことが理解される。さらに、検出器216の移動は、連続的な移動を含む得る、あるいは、ある量の移動を含む得ることが理解される。従って、ブロック212において選択された移動が、検出器38の移動である場合、360度の1つの通過もしくは走査は、患者14から生成されてもよいし、画像データの取得、もしくは、ブロック112の再構築に必要となる移動のみであってもよい。
それでも、異なる移動の組み合わせなどの追加的な移動が要求されてもよい。それゆえ、YES経路264に従って最初の判定ブロック212へと戻り、次回の移動は何であるかが決定される。次回の移動は、ブロック202において呼び出された最適経路に含まれていてもよい。また、選択された傾ける移動もしくは並進などの追加的な移動を、次回の移動が含んでもよい。あるいは、次回の移動は、選択された量だけ検出器38を移動させた後のガントリ34の移動を含んでもよい。例えば、上記で議論したように、検出器38は、約90°などの一定の弧長を移動でき、その後、ブロック220において、検出器38の最後の位置から約5°などの選択された量だけ、ガントリ34は傾けることができ、これにより、検出器38は、患者14に対して異なる方向に移動することが可能となる。従って、ブロック202における最適経路による最適な画像データセットを取得するように、患者14に対する実質的に複合した方向および運動により検出器38を移動させるために、ブロック260における他の移動が必要であるか否かの決定が利用されてもよい。
ブロック202において呼び出される最適経路を特定もしくは決定するために使用される選択された量だけ、撮像システムは患者14に対して移動できる。撮像システム16の移動は、患者14に対する、検出器38の実質的に360°の回転、もしくは並進を含み得る。さらに、ガントリ34を傾ける移動は、患者の縦軸14Lに対して垂直な直線におけるいずれかの方向において、約30度(°)〜約60°であってもよいし、約40°〜約50°を含み、さらに、約45°を含む。また、ガントリ34は、約10センチメートル(cm)〜約30cmの合計の縦並進を有し、約15cm〜約20cmを含み、また、約17.8cmを含む。ガントリ34は、患者14の縦軸14Lに対して実質的に垂直な直線におけるいずれかの方向において、約5°〜約20°の等傾を有し、約10°〜約15°ならびに約12°をさらに含み得る。最後に、ガントリ34は、約20cm〜約70cm、約40cm〜約50cm、さらに、約45.7cmの合計の上下移動を有し得る。
最適経路により要求される、患者14に対するあらゆる選択された位置において検出器38を移動させるために、あらゆる可能な移動を組み合わせてもよい。しかしながら、ブロック202において呼び出される最適経路は、ブロック106において入力された部位に基づいていてもよく、人間被験体などの選択された種類の被験体に対して、実質的に標準化されてもよい。このように、分析、検出器の様々な位置において取得された画像データなどに基づいて、人間の患者に対して、最適経路は標準化されてもよい。例えば、椎骨の再構築を可能とするために、第1平面における2つの直交画像を取得すること、異なる位置において2つの追加の直交画像を収集するようにガントリ34を傾け、ガントリ34を等傾させること、および、反復することを最適経路は含み得る。患者14に対する適切な視点を確保するために、撮像システム16の移動が利用できる。また、各々の患者に対して最適な数の画像データの位置が取得されることを保証するために、最適経路が利用できる。
放射線使用および電力使用を、画像データを収集するための最小限もしくは最適な量のみに制限するために、画像データを取得するためにアクセスされる最適経路が利用できる。さらに、撮像システム16の技術者もしくはユーザは、それぞれの新しい患者に対して、画像データを取得する位置を推測あるいは決定する必要はない。このことは、手術時間および訓練を削減する。言い換えれば、各画像のための検出器38に対する患者14の配置が適切であること、画像データを過剰に取得することにより撮像システム16の知識の限界を過度に補うこと、それゆえ、必要よりも多くの電力および放射線を使用できることをユーザが保証することを、完全に手動のシステムは要求するかもしれない。また、モデルの再構築のために、最小限の画像データ取得位置の数もしくは放射線の使用を用いて、十分な画像データが取得されることを最適経路は保証できる。このようにして、オーバーサンプリングまたはアンダーサンプリングは回避できる。
人間の患者14などの特定種類の被験体に対する手術の実施のほぼ直前における、画像データセットの取得を可能とする手術中に、最適経路は十分高速に記憶およびアクセスできる。手術の実施のほぼ直前とは、手術のために手術室12が用意された後の時間、手術する患者14もまた用意された後の時間、執刀医が手術室12に入室した後の時間、あるいは、手術室12に入室する支度をした後の時間を含むことが理解される。このようにして、患者14の画像データは、通常は同じ部屋すなわち手術室における手術の実施のほぼ直前に取得される。
上記で簡潔に議論した図2に示すフローチャート100は、画像データを自動的に取得し、患者の最初の再構築もしくはモデルを形成し、手術を実施し、確認もしくは検証手順を実施する方法を示している。フローチャート100において上記で議論された確認もしくは検証手順のさらなる詳細は、図5のフローチャート300に示される。フローチャート300が示す手順は、上記で議論されたフローチャート100に含まれることが理解される。多様な実施形態に係る、確認もしくは検証手順の理解のため、ここでさらに詳細に説明する。
選択された手術を実施した後、ブロック160において、比較再構築のための、確認もしくは検証画像を取得することが選択される。一旦、検証画像を取得するために、あるいは検証もしくは比較モデルを再構築するためにこの選択がなされたら、ブロック302において、手術の種類もしくは位置が入力される。ブロック302における位置もしくは手術の種類の入力は、手術の実施後にユーザ12によって手動的に入力されるか、あるいは、初めにブロック104において選択された部位から呼び出すか、もしくは再び呼出すことができる。あるいは、ブロック146においてナビゲーション手術を実施することにより決定される。ブロック302における入力において、ナビゲーション手術は、移植の種類、患者14の解剖学的構造の部位、または、手術の種類もしくは位置を決定するために使用されるその他の情報に関する入力を含み得ることが理解される。従って、ブロック302における手術の種類または位置の入力は、ユーザ12もしくはその他のあらゆる適切な個人によって、選択される時間において、手動により入力されるか、自動的に決定されるか、または、過去の入力に基づいて再び呼び出される。
ブロック302における、手術もしくは位置の入力を用いてまたは用いずに、被験体14の可能性のある変化もしくは増強の位置の判定が、ブロック304においてなされる。ブロック304において可能性のある位置の判定は、変化もしくは増強次第であり、ブロック146もしくは150において実施される手術に基づく患者14の既知の移動に基づく。あるいは、ユーザ12もしくはその他の適切な個人が手動により入力できる。例えば、手術が背骨を移植するものであった場合、どの椎骨が影響を受けたか、および、どの椎骨が比較再構築のために撮像されるべきかについて、知らされてもよい。入力手順に基づいて、または、ユーザ12もしくはその他の適切な個人による手動的な入力に基づいて命令を実行する、プロセッサ26もしくはその他の適切なプロセッサにより、自動的にこの判定はなされる。
また、手術がナビゲーション手術である場合、手術が実施される、および/または、登録された画像データに対して追跡される器具によって最初のモデルの面積もしくは体積が変化し得る患者14の一部に関する入力をプロセッサは含み得る。患者14は、表示装置20に表示される画像データ18に登録できる。画像データ18は、最初の3D再構築モデルを含む。このようにして、最初の3Dモデルが患者14に登録でき、器具66の位置が患者14および画像データ18に対して追跡される。これにより、器具66の位置、可能性のある患者14の変化などを、プロセスもしくはシステム26が順に判定することが可能となる。これは、ブロック304における入力として利用され、ブロック312において最適な比較経路を決定することを補助する。さらに、患者14の可能性のある変化部位を決定することを補助するために、インプラントもしくは器具のジオメトリ、解剖学的な影響などが入力されてもよいし、あるいは、既知であってもよい。
さらに、可能性のある被験体の変化あるいは増強の位置を判定することは、インプラントが取り付けあるいは配置される椎骨など、手術によって直接的に影響を受ける解剖学的構造の一部と、手術の結果影響を受けるその他の解剖学的構造との両方を含み得る。例えば、背骨の移植が、1つの椎骨をその他の椎骨に対して再配置するものであった場合、直接移植されたか、あるいはインプラントと結合されたものを越えるその他の柔らかい組織もしくは椎骨が、患者14の解剖学的構造の移動に起因して影響を受けてもよい。従って、被験体の変化位置もしくは増強位置の決定は、直接的な手術領域と、周辺の領域もしくはユーザ12の決定、システムへの以前の入力、および、その他の記憶されたデータに基づく、被験体の解剖学的構造のその他の領域との両方を含み得る。
一旦、被験体の変化もしくは増強の判定がなされたら、ブロック306において、可能性のある変化もしくは増強の位置付近の識別位置において、識別画像データの取得が実行される。識別画像すなわち画像データは、患者14に対して空間的に離れた位置において取得される、不連続の画像であってもよい。上記で議論されたように、検出器38は、撮像システム16の可能な移動に従って患者に対して相対的に移動できる。しかしながら、比較再構築モデルを形成するために、手術の結果変化した、患者14のそれらの一部を撮像することのみが選択される。従って、比較モデルの再構築を実現するために撮像されるべきである、それらの領域を決定するために、患者14に対して不連続な位置において、識別画像が生成できる。不連続な画像は、最初のもしくは比較再構築モデルを形成するために必要となる全ての画像の数、もしくは、検出器38の全ての不連続な位置の数よりも少ない、1、2、3、もしくは、10、または、あらゆる適切な数の画像などの少数の画像を含む。
一旦、ブロック306の不連続な位置において識別画像データが取得されれば、ブロック308において、最初の3次元モデル再構築と比較される。例えば、識別画像データは、選択された位置において取得される、患者の2D投影であってもよい。これらは、同一もしくは実質的に同一の位置における、患者14の最初の3D再構築モデルからの前方投影もしくは理論的投影と比較される。このようにして、例え、患者14に対する同じ位置において、1枚以上の識別画像投影として1枚以上の最初の投影が取得されなかった場合であっても、患者14に対する一部において取得された識別画像データは、同一の前方投影位置と実質的に比較される。また、識別画像がブロック110からの第1の画像と直接比較できるように、ブロック110における画像データ収集位置の少なくともいくつかと実質的に同一の位置として識別画像が選択されてもよい。
上記比較から、最初の再構築モデルからの閾値の量よりも多くの識別画像データにおいて、変化が生じているか否かの判定がなされる。閾値は、あらゆる適切な水準において設定でき、撮像速度、再構築速度、画像取得もしくは放射線の照射量などにおいて選択される。しかしながら、閾値は、通常、最初のモデルと識別画像とが異なるか否かを判定するために使用される。差分は、ピクセルもしくはボクセルデータ(例えば、輝度、コントラストなど)における、統計的な差分、百分率の差分、または分散であってもよい。このように、閾値は、特定の画像に対して設定される値である必要はないことが理解される。
ブロック308においてなされる比較は、ブロック306において識別画像データが取得されるあらゆる不連続な位置が、最初の再構築モデルからの差分を含むか否かを判定することを補助できる。その後、ブロック310において、識別画像データに基づき、最初のモデル再構築から変化した被験体の領域が決定される。ブロック310における変化した被験体の領域の決定は、ブロック308の比較に基づく。例えば、第1の識別画像データが取得される第1の不連続な位置が、全く、もしくはほとんど変化を示さない(すなわち、閾値の水準を下回る)場合、変化した被験体の領域の決定は、第1の不連続な位置において生じなかったと判定される。最初のモデルに基づく投影と比較した識別画像データの約2%の変化を含み、さらに約1%の変化を含む、約0.1%〜約10%の変化などの特定の閾値において、変化の量(例えば、閾値)が設定できることが理解される。解剖学的構造の一部の移動もしくは移植の包含、該領域の解剖学的構造の体積、または、他の適切な閾値に、変化量は基づき得る。比較において求められた変化量が、閾値を上回る変化量を示すものである、識別画像において追加的な画像を必要とする変化が発見された場合、ブロック310において決定はなされ得る。
ブロック310において、変化した被験体の領域が決定された後、変化した被験体の領域を撮像するための最適な比較経路の決定が、ブロック312においてなされる。最適経路の決定は、ブロック310において決定された変化した被験体の領域に基づく。例えば、ブロック306において10枚の識別画像が取得され、3、4、5、および、6の領域が閾値を上回る変化を示すことが決定された場合、得られた全10枚の識別画像のうち、不連続な3〜6の領域を網羅する領域を撮像するために、最適な比較経路の決定がなされる。従って、ブロック108において自動的に決定された最適経路よりも短くなるように最適経路が決定される。比較経路がより短い場合、あるいは、より少ない取得された投影を含む場合、通常、比較画像を取得するために必要な放射線量、時間、移動量などは、最初の画像データを取得したときよりも小さくなる。しかしながら、変化量が十分に大きい場合(例えば、患者14の解剖学的構造の重大な再構築が生じている場合)、ブロック312において決定された最適な比較経路は、ブロック108において決定された最適経路と実質的に等しいか、あるいは、等しいということが理解される。
しかしながら、決定された最適な比較経路は、具体的な手術の位置と、手術中に患者14に対して施された可能性がある変化量とに基づいてもよい。また、決定された最適な比較経路は、手術、もしくは患者14に配置されたインプラントに関する知識もしくは情報から成るか、あるいは含んでいてもよい。例えば、腰椎椎間板インプラントが患者に配置される場合、または、脊椎固定を生ずる場合、インプラントのジオメトリが知られる。比較画像データを取得するために適切な比較経路を決定する際に、インプラントのジオメトリが使用される。インプラントの次元および影響、変化量、影響を受ける患者14の体積などに基づく、解剖学的構造の距離変化を決定することをインプラントのジオメトリは支援できる。
ブロック306において取得された識別画像は、変化が、比較再構築モデルを形成するための追加的な画像を取得するために必要となる十分な大きさであるか否か、あるいは、十分な大きさとなるのはどこであるかを決定することを支援できる。最適な比較経路は、また、複数の経路を含み得る。言い換えれば、画像データを取得するために、患者14に対する検出器38の適切なサンプリングおよび適切な方向を確保するために、患者14の類似もしくは同一の部分を渡った数本の経路が使用できる。従って、ここでさらに議論されたように、手術に起因し、かつ、比較画像データを用いて決定される患者14の変化を示すようにのみ増強されるように、比較再構築モデルは、ブロック112の最初の再構築モデルに基づき得る。
一旦、ブロック312において決定された最適な比較経路が決定されれば、ブロック166において、検出器は最適な比較経路上を移動できる。その後、上記で議論したように、ブロック168において比較画像データが取得できる。比較画像データは、ブロック312において決定された最適な比較経路上を検出器が移動する間に取得された画像データである。さらに、不連続な画像データに基づいて、実質的に内部動作として、あるいは、実質的に動作直後に、決定された最適な比較経路が決定される。また、ブロック168における画像データの取得は、変化量、使用されるインプラントの種類、最初の再構築モデル、および、手術が実施されている特定の患者14に基づくその他のパラメータに基づいて、手術が実施されるありとあらゆる患者にとって、実質的に異なる。
一旦、ブロック168において比較画像データが取得されれば、ブロック320において、最初のモデル再構築の呼び出し、または、再呼び出しが実施される。ブロック112からの最初のモデル再構築は、プロセッサ26に結合した、あるいはプロセッサ26から分離された適切な記憶システムに格納されるが、ブロック168からの比較画像データと比較するために、再び呼び出される。ブロック168における比較画像データと、呼び出された最初のモデル再構築との比較は、ブロック322において実施される。比較モデルを形成できるようにするために、ブロック322において、比較画像データは最初のモデル再構築と繰り返し比較される。
ブロック322において、形成される比較モデルは、比較画像データおよび最初のモデルに基づいて生成でき、最初のモデルを形成したときよりも軽い処理を含み得る。少なくとも部分的には、軽い処理が実施されるはずである。なぜなら、手術により影響を受けない患者14の領域に対して、最初のモデルは不変を維持すべきであるためである。また、器具66の既知の移動(すなわち、器具の追跡からの知識)、および/または、インプラントのジオメトリは、比較モデルの形成を支援するために使用される。このように、手術が大規模なものでない場合、あるいは、過度に侵害性のある手術でない場合、患者14の変化した領域についての処理のみを、比較再構築は必要とすることができる。しかしながら、ブロック112からの最初のモデルに対し、比較モデルが十分に異なり得るように、変化した領域は十分な大きさであってもよいことが理解される。言い換えれば、比較モデルは、ブロック168において比較画像データを収集する間に収集された新しい画像データセットに、実質的に完全に基づいてもよい。
また、ブロック306における不連続な画像の取得、および、ブロック168における比較画像データの取得は、患者14およびユーザ12もしくは手術室10に居る他の個人に対する、抑制されたX線の露出を可能とし得る。これは、ブロック112において最初の再構築モデルを生成するために使用される、患者14全体の面積もしくは体積を再び撮像する場合よりもはるかに、変化した小さな領域を可能ならば決定できるようにすることによる。従って、実施される手術と、ブロック312において決定された最適な比較経路とに基づき、患者14の放射線への露出は最小化できる。それにも関わらず、ブロック322において決定された比較モデルは、患者14に対して実施された手術を検証もしくは確認するために使用でき、達成された選択結果、もしくは、患者14の病気に対する手術を用いた解決策を含む。
比較モデルは172において表示される。しかしながら、比較モデルを形成する前もしくは形成した後のいずれかにおいて、判定ブロック326において、ブロック306において取得された識別画像データ、または、ブロック320において呼び出された最初のモデルからの閾値の変化差分を、比較モデルが超えているか否かの決定がなされてもよい。上記で議論したように、閾値は、ブロック322における、または、以前のモデルもしくは画像データと比較された、比較モデルと最初に決定されたモデルとの間の百分率の変化、絶対量、もしくはその他の変化量であってもよい。閾値の変化が決定されない場合、NO経路328に従い、ブロック172へと至り得る。しかしながら、閾値の量よりも大きな変化量が決定される場合、YES経路330に従い、ブロック312へと至り、比較画像データを取得するための最適経路がさらに決定される。また、比較画像データの取得、および、ブロック322において生成もしくは形成される比較モデルの取得の間において、変化量もしくは閾値の変化は、取得された画像データにおける分散を参照する。
このように、比較モデルの生成は、反復処理であってもよく、複数のステップによって画像データが取得されることが可能となる。従って、ブロック312において最初の最適経路が決定でき、また、ブロック322において、1つの経路およびデータ取得に基づき、比較画像データモデルが生成できる。しかしながら、比較モデルと、最初のモデルもしくは識別画像データとの間で、分散量もしくは変化量が決定された場合、第2の最適比較経路が決定でき、必要な領域において追加の画像データを取得でき、比較画像モデルから分散を除去できる。追加の画像データを取得する理由、あるいは、追加の画像データを取得することを選択する理由は、選択された領域のサンプリングレート、患者の移動、患者の変化、あるいは、ブロック322における適切な比較画像データモデルを生成するための十分な画像データを取得する際のその他の要因を含む。
上述した実施形態の説明は、実例および説明を目的として提供されてきた。網羅的であること、あるいは、本発明を限定することを意図している訳ではない。特定の実施形態における個々の要素もしくは機能は、通常、その特定の実施形態に限定されないが、適用可能な場合は互いに置き換えることができ、たとえ、具体的に示されたり、もしくは説明されていない場合であっても、選択された実施形態において使用してもよい。また、同じものは、多くの点で変更させてもよい。このような変形は、本発明からの逸脱とはみなされず、このような全ての変形が、本発明の範囲に含まれるよう意図している。