最初に図1を参照すると、この図は、補給可能エネルギー源14の見掛けの大きさを増大させるために、補給可能エネルギー源14と連動して建物負荷34を制御するためのシステム101の図である。システム101は、顧客エネルギー消費システム22と、エネルギー蓄積結合器16と、ワイヤレス通信塔28と、通信ネットワーク30と、1つまたは複数のエネルギー源77と、エネルギー配送システム84と、変電所20と、変圧器18と、ユーティリティ・プロバイダにおける制御装置100Aと、パーソナル・コンピューティング・デバイス100Bとを含むことができる。
ワイヤレス通信塔28またはワイヤレス環境を使用することができる例示のワイヤレス通信ネットワーク30は、一般に、それだけには限定されないが、高度計測インフラストラクチャ(AMI:Advanced Metering Infrastructure)ネットワークと、ホーム・エリア・ネットワーク(HAN:Home Area Networks)と、上記の任意の組合せと、他の類似したワイヤレス通信ネットワークとを含む。図1に示されるシステム要素の多くは、通信リンク103A〜Cを経由して通信ネットワーク30に結合される。
図1に示されるリンク103は、有線または無線通信リンクを備えることができる。無線通信リンクは、それだけには限定されないが、無線周波数(「RF:radio−frequency」)リンクと、赤外線リンクと、音響リンクと、他のワイヤレス媒体とを含む。通信ネットワーク30は、広域ネットワーク(「WAN:wide area network」)、ローカル・エリア・ネットワーク(「LAN:local area network」)、インターネット、公衆交換電話網(「PSTN:Public Switch Telephony Network」)、電力線通信(「PLC:power lines communication」)ネットワーク、ページング・ネットワーク、またはそれらの組合せを含む。
通信ネットワーク30は、ブロードキャストRFトランシーバ塔28によって確立され得る。しかしながら、当業者なら、ブロードキャストRFトランシーバ塔28以外の他のタイプの通信デバイスが、通信ネットワーク30を確立するためのシステム101の範囲の内部に含まれることが認識されよう。
ユーティリティ・プロバイダまたは送電系統運用者における制御装置100Aは、コンピュータ・サーバを備えることができる。制御装置100Aは、通信ネットワーク30上で顧客エネルギー消費システム22に対して送信される、負荷制御パラメータを含むコマンドを発行することができる。そのような負荷制御パラメータは、それだけには限定されないが、補給可能エネルギー源14がソースまたはシンクのいずれかとして機能するコマンドを含むことができる。本文献の当業者によって理解されるようなそのような制御信号についての用語は、エリア制御エラー(ACE:area control error)信号である。ACE信号は、約4秒ごとから更新される可能性がある。そのような信号は、参加するリソースに指定された量のエネルギーを供給(ソース)し、または受け取る(シンク)するように指示する。
補給可能エネルギー源14は、ソースとして機能するとき、エネルギー配送システム84とエネルギー源77とに向かって上流であるように電力を供給する。補給可能エネルギー源14が、シンクとして機能するときに、それは、エネルギー源77と、エネルギー配送システム84とから過剰なエネルギーを受け取る。
制御装置100Aは、通信ネットワーク30上で、そのコマンドを負荷制御パラメータとして送信することができる。これらの例示の負荷制御パラメータ、ならびに中央制御装置100Aと通信するエネルギー蓄積制御装置5の主要オペレーションについては、図4に関連して以下でさらに詳細に論じられる。
上記で指摘されるように、ユーティリティ・プロバイダの中央制御装置100Aは、1つまたは複数のエネルギー源77にも結合される。1つまたは複数のエネルギー源77は、それだけには限定されないが、原子力発電と、風力発電と、太陽光発電と、地熱発電と、水力発電と、それだけには限定されないが、石炭火力発電所、再生可能エネルギー・プラントまたはバイオマス燃料パワー・プラント、複合サイクル・プラント、内燃往復機関パワー・プラントなどの化石燃料パワー・プラントとを含むことができる。
エネルギー配送システム84は、エネルギー源77と、変電所20とに結合されることもある。エネルギー配送システム84は、電気エネルギーを供給し、また管理するためのコンポーネントを備えることができる。そのような例示の一実施形態においては、エネルギー配送システム84は、伝送システムから電気を搬送し、またそれを消費者に配送するネットワークを備えることができる。一般的に、ネットワークは、中間電圧(50kVよりも低い)送電線を含む。
変電所20は、複数の変電所と、複数の柱上変圧器とを備えることができる。変電所20は、低電圧の(1kVより低い)送電配線と、時として電力量計とを備えることもできる。変電所は、エネルギー配送システム84と、変圧器18とに結合することができる。
変圧器18は、変電所20とエネルギー蓄積結合器16とに結合される。補給可能エネルギー蓄積デバイス14が、それだけには限定されないが1つまたは複数の電池、1つまたは複数のコンデンサ、あるいはそれらの任意の組合せなどの電気蓄積デバイスを備える場合は、エネルギー蓄積結合器16は、インバータを備えることができる。補給可能エネルギー源14が、エネルギー配送システム84に対するソースとして機能する場合は、エネルギー源14は、エネルギー源14の直流(dc)出力をエネルギー配送システム84によって使用される交流(ac)に変換するインバータ16を通して電力を供給することができる。インバータ16からの出力は、電気配送システム84の変電所20の上の接続電圧にマッチングするように変圧器18を経由して電圧が上げられる。
電気計器などの計測器88が、変圧器18と、エネルギー蓄積結合器(インバータ)16との間に結合されることもある。計測器88は、高度計測インフラストラクチャ(AMI)ネットワークの一部とすることができる。計測器88は、それ自体のRF回路と、塔28およびコンピュータ通信ネットワーク30に対して通信して戻すためのアンテナ(図示されていない)とを含むことができる。中央制御装置100Aおよび/またはパーソナル・コンピューティング・デバイス100Bは、計測器88を使用して、送電系統84に対するエネルギー蓄積デバイスの入力または出力の状態を監視することができる。計測器88は、約1秒程度またはそれ以下(あるいは必要に応じてそれより長い)の読取りなどの高速読取りをサポートすることができることもある。
通信ネットワーク30に結合された中央制御装置100Aおよびパーソナル・コンピューティング・デバイス100Bは、おのおの汎用コンピュータを備えることができる。一般に、制御装置100Aは、専用のコンピューティング・システムになるが、ユーティリティ・プロバイダによって動作させられるパーソナル・コンピューティング・デバイス100Bは、パーソナル・コンピュータのようなより小型のデバイスであることが、想定される。パーソナル・コンピューティング・デバイス100Bは、各顧客エネルギー消費システム22に対して直接にコマンドを発行することができる。
代わりに、パーソナル・コンピューティング・デバイス100Bは、ユーティリティ・プロバイダにおける中央制御装置100Aに対してコマンドを発行するために、ユーティリティ・プロバイダによって動作させられてもよく、この中央制御装置100Aは、次には、各顧客エネルギー消費システム22に対してコマンドを発行する。この説明においては、パーソナル・コンピューティング・デバイス100Bは、セルラー方式電話、ページャ、携帯型個人情報端末(「PDA:portable digital assistant」)、スマートフォン、ナビゲーション・デバイス、ワイヤレスの接続またはリンクを有するハンド・ヘルド・コンピュータ、ラップ・トップ、デスク・トップ、あるいは他の類似した任意のコンピューティング・デバイスを含むことができる。
顧客エネルギー消費システム22は、アンテナ26と、エネルギー蓄積制御装置5と、エネルギー蓄積デバイスを含むこともある補給可能エネルギー源14と、建物負荷制御装置32と、1つまたは複数の建物負荷34とを備えることができる。補給可能エネルギー源14のさらなる詳細については、図2に関連して以下で説明される。エネルギー蓄積制御装置5と建物負荷制御装置32とのさらなる詳細については、図3A〜3Cに関連して以下で説明される。
国際標準化機構(ISO)インターフェース論理モジュール66は、アンテナ26と、エネルギー蓄積制御装置5との間に結合され、また位置付けられることもある。ISOインターフェース論理モジュール66は、このモジュール66が、オプションであることを示すために破線を用いて示されている。モジュール66は、当業者によって理解されるように、コンピュータ・ベースのシステムにおける知識の交換および伝送を容易にするように意図された、一階論理(first−order logic)に基づいた、論理言語のファミリを含む1つまたは複数のプロトコルをサポートすることができる。
顧客エネルギー消費システム22の要素は、単一の長方形ボックスの内部に含まれるように示されているが、当業者なら、これらの要素のうちのどれでも、システム101の範囲を逸脱することなく、様々な異なる電子パッケージング・スキームを使用することができることを認識する。すなわち、例えば、エネルギー蓄積制御装置5は、建物負荷制御装置32に対する異なる物理的筐体の中に存在することができる。
システム101の基本的オペレーションは、次のようであり、すなわち、ユーティリティ・プロバイダにおける制御装置100Aは、どのようにしてエネルギー源77が現在の電力需要に関連して動作しているかに応じて、それが、ソース制御信号またはシンキング制御信号を発行すべきかどうかを判定する。制御装置100Aは、エネルギー源77が、現在の電力需要を超過しているかどうか、またはそれらが、現在の電力需要を下回っているかどうかを判定する。
エネルギー源77が、現在の電力需要を超過している場合、制御装置100Aは、シンキング・コマンドを発行することになり、その結果、顧客エネルギー消費システム22の補給可能エネルギー源14は、エネルギー源77によって生成されている過剰な電力を受け取ることができるようになる。エネルギー源77が、現在の電力需要を下回っている場合、制御装置100Aは、ソース・コマンドを発行することになり、その結果、顧客エネルギー消費システム22の補給可能エネルギー源14は、エネルギー源77によって生成されている過剰な電力を受け取ることができるようになる。
制御装置100Aは、顧客エネルギー消費システム22と、その対応するエネルギー蓄積制御装置5とに対してコンピュータ通信ネットワーク30の上でその制御信号を送信することになる。エネルギー蓄積制御装置5は、制御信号を受信し、またエネルギー蓄積デバイスを備えることができる補給可能エネルギー源14の現在の容量を判定する。エネルギー蓄積制御装置5は、発行された制御信号を考慮してこの容量を判定する。
これは、ソース制御信号が発行された場合、エネルギー蓄積制御装置5がどれだけ多くのエネルギーを補給可能エネルギー源14がエネルギー配送システム84およびエネルギー源77に対して逆に上流であるように提供することができるか、を決定することを意味している。シンク制御信号が、中央制御装置100Aによって発行された場合、エネルギー蓄積制御装置5は、どれだけ多くのエネルギーを補給可能エネルギー源14がエネルギー配送システム84および変電所20から下流であるように受け取ることができるか、を判定する。
次に、エネルギー蓄積制御装置5は、補給可能エネルギー源14の容量に関連して建物負荷34の容量を判定するように建物負荷制御装置32に要求することができる。その後に、エネルギー蓄積制御装置5は、建物負荷制御装置32に対してコマンドを発行することができる。このコマンドは、エネルギー蓄積制御装置5がユーティリティ・プロバイダの中央制御装置100Aから受信したコマンドに応じて、ソースまたはシンクのいずれかとして建物負荷34を動作させるように建物負荷制御装置32に指示することができる。
エネルギー蓄積制御装置5が、シンクとして建物負荷34を動作させるように建物負荷制御装置32に指示する場合、負荷制御装置32は、エネルギー源77、エネルギー配送システム84、および変電所20から過剰な電気エネルギーを受け取るために建物負荷34を準備することになる。エネルギー蓄積制御装置5が、エネルギー源として動作するように建物負荷制御装置32に指示する場合、建物負荷制御装置32は、建物負荷34がその通常または平均的なオペレーションに比べてより少ないエネルギーを消費するように、建物負荷34を低減させることになる。
その一方で、中央制御装置100Aから受信されるコマンドに応じて、補給可能エネルギー源14は、ソース・コマンド・シナリオでエネルギーを供給していることもでき、またはそれは、シンク・コマンド・シナリオで過剰なエネルギーを受信していることもできる。このようにして、建物負荷34と組み合わされた補給可能エネルギー源14は、エネルギー源77に対して顧客エネルギー消費システム22のエネルギー「サイズ」を増大させることができる。
図2は、補給可能エネルギー源として機能する例示のエネルギー蓄積デバイス14についての容量を示す図である。例示のエネルギー蓄積デバイス14は、エネルギー蓄積技術のうちの任意の1つ、またはそれらの組合せを含むことができる。例示の一実施形態によれば、エネルギー蓄積デバイス14は、電池、コンデンサ、またはそれらの任意の組合せを備えることができる。
例示の電池14は、それだけには限定されないが、いくつか例を挙げると、フロー電池と、バナジウム・レドックス電池と、亜鉛臭素フロー電池と、燃料電池と、鉛酸蓄電池と、ディープ・サイクル充電池と、VRLA電池と、AGM電池と、ジェル(Gel)電池と、リチウム・イオン電池と、空気燃料リチウム・イオン電池と、リチウム・イオン・ポリマー電池と、リチウム・イオン・リン酸塩電池と、リチウム硫黄電池と、リチウム・チタン酸塩電池と、溶融塩電池と、ニッケル・カドミウム電池と、ニッケル・カドミウム電池ベント型セル・タイプと、ニッケル水素電池と、ニッケル−鉄電池と、ニッケル金属水素化物電池と、低自己放電NiMH電池と、ニッケル−亜鉛電池と、有機ラジカル電池と、ポリマー基材電池と、ポリ硫化物臭化物電池と、再充電可能アルカリ電池と、ナトリウム−硫黄電池と、スーパー鉄電池と、亜鉛臭素フロー電池と、亜鉛マトリクス電池とを含む。
エネルギー蓄積デバイス14は、電気カーなどの電気自動車の1つまたは複数の電池および/またはコンデンサを備えることができる。電気自動車が、A/Cの差し込み口に結合される間に充電されているとき、このA/Cの差し込み口は、例示の一実施形態によるエネルギー蓄積制御装置5によって監視され、また制御されることもある。
図2は、デバイスの動作範囲についての上限202および下限204を有するエネルギー蓄積デバイス14を示すものである。通常、エネルギー蓄積デバイス14として使用される電池の場合などに、デバイスの性能および動作寿命を最大にするために、これらの境界または限界202、204の内部でエネルギー蓄積デバイス14を動作させることが望ましい。例示の上限202は、デバイス14についての完全蓄積の約90%の大きさを含むことができ、また例示の下限204は、デバイス14についての完全蓄積の約20%の大きさを含むことができる。
電池のような、例示の補給可能なエネルギー源または蓄積技術の場合には、上限および下限202、204は、電池の化学的性質など、デバイス14の物理的性質に依存する可能性がある。いくつかの場合には、これらの限界は、リチウム・イオン型電池についての放電側などについての特定のタイプの場合に重要である可能性がある。電池またはコンデンサの例示の実施形態においては、これらの限界202、204は、電圧および/または電流における充電量を規定する値を有することができる。例示の電池は、メガワット(mW)時(mW/時)で格付けされる動作範囲を含むことができる。エネルギー蓄積デバイス14が、電気カーなどの電気自動車の電池を備えるときに、電池は、約20から約50キロワット時(kW時)の間の動作範囲を有することができる。
以上で指摘されるように、エネルギー蓄積デバイス14は、電池および/またはコンデンサだけには限定されない。エネルギー蓄積デバイス14は、当業者によって理解されるように機械的エネルギー蓄積デバイスを含むこともできる。例えば、エネルギー蓄積デバイス14は、蒸着されたチャンバーまたは真空チャンバーの内部に収容されたフライホイール(flywheel)を備えていてもよい。
周波数調整についての送電系統要件の観点から、エネルギー蓄積デバイス14は、それが、上限202と下限204との間で動作しているときに有用なサポートを提供することができる。本開示において説明される原理は、送電系統84に対してエネルギー蓄積デバイス14を遥かに大きなリソースに見えるようにする効果を有する協調した行動を起こすことにより、上限202と下限204の間のこの範囲を拡張する建物負荷34を使用することである。
エネルギー蓄積デバイス14が送電系統84には遥かに大きなリソースに見えるというこの概念は、図1に関連して、上記で図に示され、また説明されている。より少ないエネルギーが、建物負荷34によって使用されるので、オンである(そして電気エネルギーを消費している)建物の建物負荷34の場合には、その負荷34をオフにすること、またはこの負荷34を減少させることは、送電系統の観点から、エネルギー蓄積デバイス14を送電系統へと放電することと同等である。同様に、オンである(そして電気エネルギーを消費している)、建物の建物負荷34の場合には、負荷34を増大させることは、送電系統の観点から、過剰なエネルギーを受け取ること、およびエネルギー・シンクとして機能することと同等である。
次に図3Aを参照すると、この図は、図1に示されるエネルギー蓄積制御装置5と、建物負荷制御装置32と、エネルギー蓄積デバイス14と、建物負荷34との例示の詳細を示す図である。エネルギー蓄積制御装置5は、トランシーバ12と、アンテナ26と、通信インターフェース415Aと、エネルギー蓄積センサ502と、主要エネルギー蓄積制御装置500とを備えることができる。
トランシーバ12は、モデム、ネットワーク・カード、通信ネットワーク30から負荷制御信号を受信し、また通信ネットワーク30に対して負荷制御信号を送信するための任意のタイプのコーダ/デコーダ(CODEC:coder/decoder)などの通信ユニットを備えることができる。ワイヤレスな一実施形態においては、トランシーバ12は、アンテナ26を利用し、また通信ネットワーク30との無線通信リンク103Bを確立する無線周波数通信信号を生成するための無線周波数回路をさらに備えることができる。他の実施形態においては、トランシーバ12は、直接の有線通信リンク103Cによって通信ネットワーク30に結合されることもある。
主要エネルギー蓄積制御装置モジュール500は、ハードウェア、またはソフトウェア、あるいはそれらの組合せを含むことができる。ハードウェアは、様々なタイプのソフトウェアを実行するマイクロプロセッサを備えることができる。ハードウェアは、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuits)などのエレクトロニクスを含むことができる。
主要エネルギー蓄積制御装置モジュール500は、トランシーバ12と、エネルギー蓄積センサ502と、通信インターフェース・モジュール415Aとに結合されることもある。エネルギー蓄積センサ502は、エネルギー蓄積デバイス14のエネルギー状態を監視するためのハードウェアおよび/またはソフトウェアを含むことができる。エネルギー蓄積センサ502は、どれだけ多くのエネルギーをエネルギー蓄積デバイス14が受け取ることができるか、またはどれだけ多くのエネルギーをエネルギー蓄積デバイス14が解放し、または放電することができるかを判定することができる。エネルギー蓄積デバイス14が、電池、コンデンサ、またはそれらの任意の組合せを備えるこれらの例示の実施形態においては、エネルギー蓄積センサ502は、電流検出器または電圧検出器(あるいは両方)を備えることができる。
通信インターフェース・モジュール415Aはまた、主要エネルギー蓄積制御装置モジュール500と、建物制御装置主要モジュール400との間の通信をサポートするハードウェアおよび/またはソフトウェアを含むこともできる。通信インターフェース・モジュール415Aは、主要エネルギー蓄積制御装置モジュール500の中の建物制御装置主要モジュール400が異なるタイプの通信プロトコルを使用する場合に、1つまたは複数の様々な通信プロトコルをサポートすることができる。
建物負荷制御装置32は、通信インターフェース・モジュール415Bと、負荷センサ402と、建物制御装置主要モジュール400とを備えることができる。通信インターフェース・モジュール415Bは、エネルギー蓄積制御装置5の通信インターフェース・モジュール415Aに結合される。通信インターフェース・モジュール415Bは、通信インターフェース・モジュール415Aと同様に動作し、また機能することができる。
建物制御装置主要モジュール400は、通信インターフェース・モジュール415Bを経由して、主要エネルギー蓄積制御装置モジュール500に対して通信を受信し、また送信する。建物制御装置主要モジュール400はまた、負荷センサ402と通信して、建物負荷34の現在の負荷状態を判定する。建物制御装置主要モジュール400は、その内容全体が参照することによって本明細書に組み込まれている、Massara等の名義で発行された米国特許第5,462,225号に説明されているスイッチを備えることができる。建物主要モジュール400の内部のスイッチは、1つまたは複数の建物負荷34に供給される電力を制御するように設計されることもあり、これらの建物負荷は、それだけには限定されないが、空調装置や加熱炉などのHVAC装置を含んでいることもある。
建物制御装置主要モジュール400は、1つまたは複数のタイマー、すなわち、負荷削減時間を追跡するためのタイマー、負荷復元時間を追跡するためのタイマーを備えることができる。建物制御装置主要モジュール400は、コンバージ社(Comverge,Inc.)によって製造されるデジタル制御ユニット(DCU:digital control unit)として知られているデバイスの部分とすることもできる。DCUは、空調ユニットのコンプレッサの近くなど、HVACシステムの1つまたは複数の部分の近くの居住施設の外側に結合されるように設計されることもある。DCUは、広域ネットワークおよびローカル・エリア・ネットワーク30を通して含んでいる様々なチャネルを通した通信のために使用されることもある。建物制御装置主要モジュール400の別の例は、空間調整負荷24に結合されたコンピュータ、または専用の処理ユニットのような計算デバイスである。
建物制御装置主要モジュール400、ならびに主要エネルギー蓄積制御装置モジュール500は、おのおのメモリに結合されることもある。各メモリは、揮発性コンポーネントまたは不揮発性コンポーネント、あるいはそれらの組合せを備えることができる。不揮発性コンポーネントは、リード・オンリー・メモリ(ROM:read only memory)を備えることもある。ROMは、当業者によって理解されるように、各モジュールの中央演算処理装置および/またはファームウェアによって実行され得る建物主要制御装置400およびエネルギー蓄積制御装置モジュール500のためのオペレーティング・システム(OS:operating system)を記憶することができる。
顧客エネルギー消費システム22の各メモリについての揮発性コンポーネントは、ランダム・アクセス・メモリ(RAM:random access memory)を備えることもある。顧客エネルギー消費システム22についての揮発性メモリ・コンポーネントは、それだけには限定されないが、消去可能プログラマブル・リード・オンリー・メモリ(EPROM:erasable programmable read−only memory)もしくは電気的消去可能プログラマブル・リード・オンリー・メモリ(EEPROM:electrically erasable programmable read−only memory)、および/またはフラッシュ・メモリや強誘電体ランダム・アクセス・メモリ(FRAM(登録商標):ferroelectric random access memory)など、他の異なるメモリ技術を組み込むことができる。
建物制御装置主要モジュール400、または主要エネルギー蓄積制御装置モジュール500についての各メモリは、揮発性であるか不揮発性であるかにかかわらず、下記で説明される図4に示される方法に対応する命令を記憶することができる。メモリは、負荷センサ402およびエネルギー蓄積センサ502によって検出されるエネルギー・レベルを記録することもできる。メモリに記憶され得る他のデータは、それだけには限定されないが、建物制御装置主要モジュール400および/または主要エネルギー蓄積制御装置500のいずれかによって取られるアクションと、コンプレッサまたはHVACユニットの「オン」サイクルと「オフ」サイクルとの間の時間など、サーモスタットによって生成されるデータと、ユーティリティ・プロバイダにおける制御装置100Aによって送信される負荷制御パラメータと、通信ネットワーク30に結合されたパーソナル・コンピューティング・デバイス100Bによって発行されるコマンドとを含むことができる。
建物負荷34は、エネルギーを消費することができ、また低減されたレートで動作するように調整されて特定のデバイスが消費することができるエネルギーの量を低下させることができるデバイスを備えることができる。例えば、建物負荷は、当業者によって理解されるように、「オフのサイクル状態に(cycled−off)」して、そのエネルギー消費を低下させることができる暖房、換気、空調(HVAC)システムを備えることができる。HVACシステムが、建物負荷34を形成するとき、HVACシステムに結合された任意の温度および湿度が調節された空間は、建物負荷34の部分として考えることができる。温度および湿度が調節された空間は、当業者によって理解されるように、単一の部屋、または「ゾーン」を形成する複数の部屋を備えることができる。温度および湿度が調節された空間は、外側に対して完全に閉めきられた、または部分的に閉めきられた任意のタイプの部屋または容積を含むことができる。上記で指摘されるように、温度および湿度が調節された空間は、単一の部屋、または空気換気システムによって一緒に結合された複数の部屋を備えることができる。
HVACシステムが、空調システムを含む場合、建物制御装置主要モジュール400は、空間調整負荷24のコンプレッサに対して電力を「オン」および「オフ」に循環させることができる。HVACシステムが、強制空気加熱システムまたはヒート・ポンプを含む場合、建物制御装置主要モジュール400は、加熱炉のファン、またはヒート・ポンプのコンプレッサのいずれかに対する電力を制御することができる。
建物負荷34は、デジタル照明安定器、または電気温水器を備えることができる。これらのデバイスの両方は、建物負荷34が、エネルギー・シンクとして動作することを必要とするときに、過剰な電気エネルギーを受け取ることができる。デジタル照明安定器の場合には、これは、デジタル照明安定器が過剰な電気エネルギーを消費するように意図されるときに、デジタル照明安定器が、より明るくなるようにその光源を動作させることができることを意味する。温水器の場合には、これは、デバイスが、温水器の水をより高い温度に加熱し、かつ/またはより長い期間にわたって温水器の水を加熱するために、過剰な電流を受け取ることができることを意味する。デジタル照明安定器が、その消費を低減させるように意図され、その結果、それがエネルギー源として機能するとき、照明安定器は、その制御の下で光源を薄暗くして、より少ない電気エネルギーを利用することができる。
建物負荷34は、1つまたは複数の工業用の負荷および/または工程を含むこともある。例えば、建物負荷は、工業用環境においてはアーク炉を備えることもある。同様に、建物負荷34は、1つまたは複数の工業用電気モーターと、工業用製造装置を備えることもある。
建物負荷34は、上記で説明される例示の実施形態だけには限定されない。建物負荷は、単一のデバイス、または上記で説明される任意のデバイスの組合せを備えることもできる。
図3Bは、例示の一実施形態による、図1に示されるエネルギー蓄積制御装置5と、建物負荷制御装置32と、エネルギー蓄積デバイス14Aと、建物負荷34Aとについての例示の詳細を示す図である。図3Bは、図3Aに類似している。それゆえに、これらの2つの図の間の違いだけが、以下で説明されることになる。
この例示の実施形態によれば、エネルギー蓄積デバイス14は、1つまたは複数の電気自動車の電池を備えることができる。顧客エネルギー消費システム22は、単一の家族の家、タウンホーム・セグメントや集合住宅など、複数の家を備えることができ、あるいはシステム22は、駐車場を備えることができる。1つまたは複数の建物負荷34は、デジタル照明安定器、ならびに電気温水器を備えることができる。
主要エネルギー蓄積制御装置モジュール500は、建物制御装置主要モジュール400と連動しながら機能して、エネルギー源77およびエネルギー配送システム84の観点から電気自動車の電池14Aの相対的な大きさを増大させることができる。この例示の実施形態は、「住宅」タイプの顧客エネルギー消費システム22として特徴づけられることもある。
図3Cは、例示の一実施形態による、図1に示されるエネルギー蓄積制御装置5と、建物負荷制御装置32と、エネルギー蓄積デバイス14Bと、建物負荷34Bとについての例示の詳細を示す図である。図3Cは、図3Aに類似している。それゆえに、これらの2つの図の間の違いだけが、以下で説明されることになる。
この例示の実施形態によれば、エネルギー蓄積デバイス14Bは、1つまたは複数の電池および/またはコンデンサを備えることができる。建物負荷34Bは、1つまたは複数の工業用の負荷および/またはプロセスを含むことができる。工業用負荷は、それだけには限定されないが、アーク炉と、電気モーターと、パワー・オン・コマンドを変更することができる可変周波数駆動モーターと、他のタイプの製造装置とを含むことができる。
主要エネルギー蓄積制御装置モジュール500は、建物制御装置主要モジュール400と連動しながら機能して、エネルギー源77およびエネルギー配送システム84の観点から電池および/またはコンデンサ14Bの相対的な大きさを増大させることができる。この例示の実施形態は、「工業用」タイプの顧客エネルギー消費システム22として特徴づけられることもある。
図4は、図1に示される例示のエネルギー蓄積制御装置5についての主要なコンポーネントの図である。エネルギー蓄積制御装置5についての例示の動作環境は、従来のコンピュータの形態の汎用コンピューティング・デバイスを含むことができる。他の場合には、制御装置5は、機能特有のハードウェアおよび/またはソフトウェアを有する専用のユニットを備えることができる。
一般に、エネルギー蓄積制御装置5を形成するコンピュータは、中央演算処理装置121と、システム・メモリ122と、システム・メモリ122を含む様々なシステム・コンポーネントを処理装置121に結合するシステム・バス123とを含む。
システム・バス123は、メモリ・バスまたはメモリ制御装置と、周辺バスと、様々なバス・アーキテクチャのうちのどれかを使用したローカル・バスとを含めて、いくつかのタイプのバス構造のうちのどれかとすることができる。システム・メモリは、リード・オンリー・メモリ(「ROM」)124と、ランダム・アクセス・メモリ(「RAM」)125とを含む。起動中などに、要素とコンピュータとの間で情報を転送する助けをする基本ルーチンを含む基本入出力システム(「BIOS:basic input/output system」)126は、ROM124に記憶される。
コンピュータ100Aは、ハードディスクから読み取り、またハードディスクに書き込むためのハードディスク・ドライブ127Aと、図に示されていないが、着脱可能なUSBドライブ129から読み取り、または着脱可能USBドライブ129に書き込むためのUSBポート128と、CD−ROM、DVD、他の光媒体など着脱可能光ディスク131から読み取り、または着脱可能光ディスク131に書き込むための光ディスク・ドライブ130とを含むことができる。ハードディスク・ドライブ127Aと、USBドライブ129と、光ディスク・ドライブ130とは、それぞれ、ハードディスク・ドライブ・インターフェース132と、USBドライブ・インターフェース133と、光ディスク・ドライブ・インターフェース134とによってシステム・バス123に接続される。
本明細書において説明される例示の環境は、ハードディスク127Aと、着脱可能USBドライブ129と、着脱可能光ディスク131とを使用しているが、磁気カセット、フラッシュ・メモリ・カード、デジタル・ビデオ・ディスク、ベルヌーイ・カートリッジ、RAM、ROMなど、コンピュータによってアクセス可能であるデータを記憶することができる他のタイプのコンピュータ読取り可能媒体もまた、システム101の範囲を逸脱することなく、例示の動作環境において使用され得ることが、当業者によって理解されるべきである。例示されるハードウェア以外の他の形態のコンピュータ読取り可能媒体のそのような使用は、インターネットにより接続されたデバイスにおいて使用されることになる。
図1Bに示されるドライブと、それらの関連するコンピュータ読取り可能媒体は、コンピュータまたはクライアント・デバイス100Aについてのコンピュータ実行可能命令と、データ構造と、プログラム・モジュールと、他のデータとについての不揮発性ストレージを提供する。それだけには限定されないが、オペレーティング・システム135と、主要エネルギー蓄積制御装置モジュール505と、通信インターフェース415とを含めて、いくつかのプログラム・モジュールは、ハードディスク127、USBドライブ129、光ディスク131、ROM124、またはRAM125に記憶することができる。主要エネルギー蓄積制御装置モジュール505と、そのオペレーションとについての詳細は、図5に関連して以下で説明される。各プログラム・モジュールは、特定のタスクを実行し、または特定の抽象データ型を実装するルーチン、サブルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含むことができる。
ユーザは、キーボード140やポインティング・デバイス142などの入力デバイスを通してコマンドおよび情報をコンピュータに入力することができる。ポインティング・デバイスは、マウスと、トラックボールと、電子タブレットと組み合わせて使用され得る電子ペンとを含むことができる。他の入力デバイス(図示せず)は、ジョイスティック、ゲーム・パッド、サテライト・ディッシュ、またはスキャナなどを含むことができる。これらおよび他の入力デバイスは、多くの場合に、システム・バス123に結合されたシリアル・ポート・インターフェース146を通して処理装置121に接続されることもあるが、並列ポート、ゲーム・ポート、ユニバーサル・シリアル・バス(USB:universal serial bus)など、他のインターフェースによって接続されることもある。
ディスプレイ147はまた、ビデオ・アダプタ148などのインターフェースを経由してシステム・バス123に接続されることもある。上記で指摘されるように、ディスプレイ147は、液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)、プラズマ・ディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED:organic light−emitting diode)ディスプレイ、陰極線管(CRT:cathode ray tube)ディスプレイなど、任意のタイプのディスプレイ・デバイスを備えることができる。
カメラ175が、アダプタ170などのインターフェースを経由してシステム・バス123に接続されていてもよい。カメラ175は、ビデオ・カメラを備えることもある。カメラ175は、CCD(電荷結合デバイス(charge−coupled device))カメラ、またはCMOS(相補性金属酸化膜半導体(complementary metal−oxide−semiconductor))カメラとすることができる。モニタ147およびカメラ175に追加して、コンピュータを備えるクライアント・デバイス100Aは、プリンタなど、他の周辺出力デバイス(図示せず)を含んでいてもよい。
コンピュータは、当業者によって理解されるように、オーディオ・プロセッサ113を経由してシステム・バス123に結合されるマイクロフォン111を含んでいてもよい。マイクロフォン111は、音声認識モジュール(図示せず)と組み合わせて使用して、運用者から受信した聞き取ることのできるコマンドを処理することができる。サウンド・カード157に結合されたスピーカ159が、提供されることもある。サウンド・カード157は、システム・バス123に結合されることもある。
エネルギー蓄積制御装置5を形成するコンピュータは、ウェブ・サーバなど、1つまたは複数のリモート・コンピュータに対する論理接続を使用して、ネットワーク環境において動作することができる。リモート・コンピュータ100Bは、別のパーソナル・コンピュータ、サーバ、モバイル電話、ルータ、ネットワーク化されたPC、ピア・デバイス、または他の共通ネットワーク・ノードとすることができる。ウェブ・サーバまたはリモート・コンピュータ100Bは、一般的にエネルギー蓄積制御装置5に対して上記で説明される要素のうちの多く、またはすべてを含んでいるが、メモリ・ストレージ・デバイス127Bだけが、この図4には示されている。図4に示される論理接続は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)30Aと、広域ネットワーク(WAN)30Bとを含む。そのようなネットワーキング環境は、オフィス、企業規模のコンピュータ・ネットワーク、イントラネット、およびインターネットにおいては、一般的である。
LANネットワーキング環境において使用されるときに、エネルギー蓄積制御装置5を形成するコンピュータは、多くの場合にネットワーク・インターフェースまたはアダプタ153を通してローカル・エリア・ネットワーク30Aに接続される。WANネットワーキング環境において使用されるときに、コンピュータは、一般的に、インターネットなどのWAN30Bの上で通信を確立するためのモデム154または他の手段を含んでいる。内部にあっても、または外部にあってもよいモデム154は、シリアル・ポート・インターフェース146を経由してシステム・バス123に接続される。ネットワーク化された環境においては、リモート・コンピュータ100B、またはその部分に対して示されるプログラム・モジュールは、リモート・メモリ・ストレージ・デバイス127Aに記憶されることもある。図示されるネットワーク接続は、例示的なものであり、また複数のコンピュータの間で通信リンクを確立する他の手段が、使用され得ることが、理解される。
さらに、当業者なら、システム101は、ハンド・ヘルド・デバイス、マルチプロセッサ・システム、マイクロプロセッサ・ベースの、またはプログラマブルな大衆消費電子製品、ネットワーク・パーソナル・コンピュータ、ミニコンピュータ、メインフレーム・コンピュータなどを含めて、他のコンピュータ・システム構成において実装され得ることを理解する。システム101はまた、分散型コンピューティング環境において実行されることもあり、分散型コンピューティング環境では、タスクは、通信ネットワークを通してリンクされるリモート処理デバイスによって実行される。分散型コンピューティング環境においては、プログラム・モジュールは、ローカル・メモリ・ストレージ・デバイスと、リモート・メモリ・ストレージ・デバイスとの両方に位置する可能性がある。
図5は、補給可能エネルギー源14の見掛けの大きさを増加させる、または増大させるために補給可能エネルギー源14と連動して建物負荷34を制御するための方法500を示すフローチャートである。ステップ505は、方法500の第1のステップである。ステップ505において、ユーティリティ・プロバイダにおける制御装置100Aは、そのエネルギー・システムの現在の負荷が、システムのエネルギー生成量を超過しているかどうか、またはそのエネルギー生成量が、エネルギー・システムの現在の負荷を下回っているかどうかを判定する。電気エネルギーとの関連では、ユーティリティ・プロバイダは、ステップ505において、現在の電気負荷が、現在の発電量を超過しているかどうか、または現在の発電量が、現在の電気負荷を超過しているかどうかを判定することができる。
現在の電気負荷が、現在の発電量を超過している場合、制御装置100Aは、補給可能エネルギー源14によって供給されるべきエネルギー、および/または1つまたは複数の建物負荷34によって削減されるエネルギーを要求するソース制御信号を生成することができる。現在の発電量が、現在の電気負荷を超過している場合、制御装置100Aは、補給可能エネルギー源14および/または各顧客エネルギー消費システム22の建物負荷34によって受け取られるべき過剰な電気エネルギーを要求するシンク信号を生成することができる。
制御装置100Aからのソース信号とシンク信号とは、エネルギー要件の特定の大きさ、ならびに各顧客エネルギー消費システム22についての持続時間または期間を含むことができる。非限定的な例として、ソース信号とシンク信号とは、大きさと方向との両方について4秒間隔ごとに更新されることもある。
次に、ステップ510において、制御装置100Aは、各顧客エネルギー消費システム22のエネルギー蓄積制御装置5に対して通信ネットワーク30の上でその制御信号を送信することができる。次に、ステップ515において、エネルギー蓄積制御装置5は、制御装置100Aから制御信号を受信することができる。エネルギー蓄積制御装置5は、揮発性メモリ・タイプ、または不揮発性メモリ・タイプを含むことができる、メモリのような、ストレージ・デバイスに制御信号を記憶することができる。
ステップ520において、エネルギー蓄積制御装置5は、制御信号の中で要求されるものに関連してエネルギー蓄積デバイス14の容量を判定することができる。エネルギー蓄積制御装置5は、エネルギー蓄積センサ502と一緒に機能して、エネルギー蓄積デバイス14のこの容量を測定することができる。例えば、制御信号が、シンクとして機能するようにエネルギー蓄積デバイス14に要求する信号である場合、エネルギー蓄積センサ502と一緒に機能するエネルギー蓄積制御装置5は、エネルギー源77およびエネルギー配送システム84から余分の、または過剰なエネルギーを受け取るために、エネルギー蓄積デバイス14の容量を判定することができる。
中央制御装置100Aからの制御信号が、ソースとして機能するようにエネルギー蓄積デバイス14に要求する信号である場合、エネルギー蓄積制御装置5は、ステップ520において、エネルギー蓄積センサ502と一緒に機能して、エネルギー源77に向かって上流のように追加のエネルギーをエネルギー配送システム84に供給するために、エネルギー蓄積デバイス14の容量を判定することができる。制御信号は、それが、エネルギー配送システム84および/またはエネルギー源77に対して供給するように、またはエネルギー配送システム84および/またはエネルギー源77から受け取るようにエネルギー蓄積デバイス14に要求するエネルギーの特定の大きさを含むことができる。例えば、制御信号は、配電網(Power grid)が、補給可能エネルギー源14に対して送る必要がある、または補給可能エネルギー源14に要求する特定の量のエネルギーを含むことができる。制御信号は、補給可能エネルギー源14が、このエネルギーを受け取り、かつ/または送るための持続時間を示すこともできる。制御信号の大きさおよび方向は、数秒から数ミリ秒の程度で定期的に更新されることもある。
次に、ステップ525において、主要エネルギー蓄積制御装置モジュール500は、エネルギー蓄積デバイス525の容量に関連して建物負荷34の容量を決定するように建物制御装置主要モジュール400に要求することができる。言い換えれば、主要エネルギー蓄積制御装置モジュール500によって受信される制御信号のタイプ(シンク信号またはソース信号)に応じて、建物制御装置主要モジュール400は、どのようにして建物負荷34が、エネルギー蓄積デバイス14の影響を増幅することができるかを決定することができる。
いくつかの場合またはシナリオにおいて、エネルギー蓄積デバイス14は、それ自体により、または単独で、中央制御装置100Aによって発行される制御信号からの要求を満たすことができる。そのような場合には、ステップ525は、スキップされることもあり、そこでは主要エネルギー蓄積制御装置モジュール500は、建物制御装置主要モジュール400に対してどのような要求も発行することはない。
しかしながら、エネルギー蓄積デバイス14が、中央制御装置100Aからの制御信号のエネルギー要求を完全に満たしていない可能性がある、これらの場合または状況では、主要エネルギー蓄積制御装置モジュール500は、建物制御装置主要モジュール400に対してその要求を発行することになる。このステップ525において、建物制御装置主要モジュール400は、負荷センサ402と一緒に機能して、建物負荷34からの使用可能であり得る過剰なエネルギーの受け取り、またはエネルギー負荷削減についての容量を決定することができる。
次に、決定ステップ530において、主要エネルギー蓄積制御装置モジュール500は、どのようにしてそれが建物負荷34と連動しながらエネルギー蓄積デバイス14を使用して中央制御装置100Aによって発行される制御信号からの要求に対処することになるか、を決定する。決定ステップ530は、エネルギー蓄積デバイス14の動作範囲に依存していることもある。決定ステップに対する照会が、制御信号が主要エネルギー蓄積制御装置モジュール500に対してソース・コマンドを発行しており、またエネルギー蓄積デバイス14がその最小の容量202に到達している可能性が高いことである場合、「ソース(SOURCE)」ブランチは、ブロック535へと続いており、このブロックでは、主要エネルギー蓄積制御装置モジュール500は、建物制御装置主要モジュール400に対してソース信号を発行する。
代わりに、決定ステップ530において、主要エネルギー蓄積制御装置モジュール500は、とりわけ例示の一実施形態におけるエネルギー蓄積デバイスが電池を備える場合に、建物負荷34を使用して、エネルギー蓄積デバイス14の上での充電サイクルおよび放電サイクルを低減させることを決定することもできる。そのような充電サイクルおよび放電サイクルの低減は、当業者によって理解されるように、いくつかの電池の化学的性質についての寿命を延ばすことができる。主要エネルギー蓄積制御装置モジュール500は、補給可能エネルギー源/エネルギー蓄積デバイス14の状態に応じて、建物制御装置主要モジュール400に対して「ソース」コマンドまたは「シンク」コマンドを発行することになる。
ステップ540(「ソース」コマンドが決定ステップ530において発行された場合のステップ535の後の)において、建物制御装置主要モジュール400は、建物負荷34を低減させる。建物負荷34が、かなり低減され、その結果、建物負荷34が、エネルギーの「ソース」としてエネルギー配送システム84とエネルギー源77とに見えるように、建物負荷34は、1つまたは複数の負荷削減技法を使用することにより低減されることもある。次に、ステップ545において、主要エネルギー蓄積制御装置500は、上流のように、エネルギー蓄積結合器16(インバータなど)を通して、また変圧器18および変電所20を通してエネルギー配送システム84へとエネルギーを解放するコマンドをエネルギー蓄積デバイス14に対して発行することができる。エネルギー蓄積デバイス14が、その最大限度202および最小限度204の中で動作している場合に、ステップ545は、ステップ535および540に先立って、またステップ535および540のないときに起こることもできる。
決定ステップ530に対する照会が、中央制御装置100Aからのコマンド信号が「SINK」信号を含み、またエネルギー蓄積デバイス14がその最大容量202に到達する可能性が高いことである場合、主要エネルギー蓄積制御装置モジュール500は、建物制御装置主要モジュール400に対して「シンク(SINK)」信号を発行することができる。次いで、建物制御装置主要モジュール400は、ステップ555において、過剰なエネルギーを受け取るコマンドを建物負荷34に対して発行することができる。例えば、建物制御装置主要モジュール400は、デジタル安定器が、そのような光源を輝かせることになり、また中央制御装置100Aからの制御信号によって要求される追加のエネルギーを消費することになるより高い周波数でその光源を動作させることにより、過剰なエネルギーを受け取るように、建物負荷34として動作するデジタル安定器に対してコマンドを発行することができる。
次に、ステップ560において、主要エネルギー蓄積制御装置モジュール500は、エネルギー蓄積結合器16からの過剰な、または余分のエネルギーを受け取るようにエネルギー蓄積デバイス14に指示することができ、その結果、エネルギー源77とエネルギー配送システム84とは、この過剰なエネルギーをエネルギー蓄積デバイス14へと配送することができるようになる。ステップ560は、エネルギー蓄積デバイス14が、最大限度202と最小限度204との中で動作している場合に、ステップ535および540に先立って、またステップ535および540のない場合に起こることができる。次いで、方法500は、ステップ505へと戻る。
例示のシナリオ
周波数応答についての、電池などのエネルギー蓄積デバイス14の大きさは、(A)エネルギー蓄積制御装置5からの信号によって命令されるように、中央制御装置10からの4秒の制御信号と、充電または放電のいずれかとに従う能力、また(B)約15分間にわたって充電または放電のいずれかに単一の状態を維持する能力として定義されるものと仮定する。
電池14が、図2に示されるように最大充電レベル202と最小充電レベル204との間の中間点から放電されるときに、問題になっている電池14は、約15分間にわたって約1MWを供給すること(これは約0.25MW/時と同じである)ができるものと仮定する。また、電池14は、充電モードにおいて、中間点から最大充電レベル202に進むために約15分間にわたって約1MWを必要とする(これは、約0.25MW/時と同じである)ものと仮定する。これらの動作範囲を仮定すると、電池14は、周波数応答の目的のために送電系統運用者によって約1MWに格付けされることもある。
建物が、建物負荷制御装置32(または建物制御装置主要モジュール400)からのコマンドに応じて削減電力モードにおいて動作させることにより、要求に応じて変化させ得る負荷34を有する場合、それを使用して電池リソース14の実効的な大きさを増大させることができる。問題になっている建物負荷34が、より多くのエネルギー(すなわち、より明るい)、またはより少ないエネルギー(すなわち、より薄暗い)のいずれかを使用するようにデジタルに制御可能である照明安定器であった場合、エネルギー蓄積制御装置5は、電池14と組み合わせてこの負荷34を利用して、エネルギー源77およびエネルギー配送システム84の観点から電池14の見掛けの大きさを拡大することができる。
照明負荷34が、拡大された期間にわたって約1MWの追加の電力を使用し、または拡大された期間にわたって約1MWの電力を削減するように建物負荷制御装置32によって動作させることができる場合、組み合わされた電池/建物の組合せは、送電系統運用者12には電池14単独に対して2倍の大きさに見えることになる。
顧客エネルギー消費システム22は、電池14から電力を供給することにより、中央制御装置100Aからの放電コマンドに応答して開始することができる。電池14が、図2に示されるように、最小レベルの限界204に近づくにつれ、エネルギー蓄積制御装置5は、通常よりも約1MW少なく薄暗くして使用するように建物制御装置32(または建物制御装置主要モジュール400)に要求することができ、このようにして電池/建物システム22が、放電モードに留まることができる時間の長さを延ばしている。
電池14が変電所20を経由して送電系統22から充電しまたは電力をシンクするための非常に長いシステム要求の場合には、類似したシナリオが反対方向に行われることになる。この場合には、建物制御装置32に対して送信されるエネルギー蓄積制御装置5を起源とするコマンドに応じて、照明システム負荷34は、必要とされる期間にわたって明るくし、またより多くのエネルギーを使用して、エネルギー源77およびエネルギー配送システム84から供給される余分の、または追加のエネルギーを消費することができる。
制御可能な照明のような建物負荷34が、供給すること(ソース:照明の場合の薄暗くすること)と、受け取ること(シンク:照明の場合の明るくすること)との両方を提供することは、必要ではない。この機能は、建物30の複数の負荷34、異なる負荷34,または類似した負荷34によって共有され得る。例えば、温水加熱を使用して可変負荷34として電力を選択的に受け取ることができる。また、暖房、換気、および空調(HVAC)は、適切な設計を仮定すると、供給し、または受け取るために使用され得る負荷34である。
単語「例示の(exemplary)」は、この説明においては、「1つの例、事例、または例証としての機能を果たすこと」を意味するように使用される。「例示の」として本明細書において説明される任意の態様は、必ずしも、他の態様よりも好ましい、または他の態様よりも有利であるように解釈されるべきものとは限らない。
この説明において、用語「アプリケーション(application)」は、オブジェクト・コード、スクリプト、バイト・コード、マークアップ言語ファイル、パッチなど、実行可能なコンテンツを有するファイルを含むこともできる。さらに、本明細書において称される「アプリケーション」は、オープンされる必要があり得る文書やアクセスされる必要がある他のデータ・ファイルなど、本来、実行可能でないファイルを含むこともできる。
用語「コンテンツ(content)」は、オブジェクト・コード、スクリプト、バイト・コード、マークアップ言語ファイル、パッチなど、実行可能なコンテンツを有するファイルを含むこともできる。さらに、本明細書において称される「コンテンツ」は、オープンされる必要があり得る文書やアクセスされる必要がある他のデータ・ファイルなど、本来、実行可能でないファイルを含むこともできる。
この説明において使用されるように、用語「コンポーネント」と、「データベース」と、「モジュール」と、「システム」などとは、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組合せ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアのいずれであれ、コンピュータに関連したエンティティを意味するように意図される。例えば、コンポーネントは、それだけには限定されないが、プロセッサの上で実行されるプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータとすることができる。例証として、コンピューティング・デバイスの上で実行されるアプリケーションも、コンピューティング・デバイスも、共にコンポーネントとすることができる。1つまたは複数のコンポーネントは、プロセス、および/または実行スレッドの内部に存在していてもよく、またコンポーネントは、1台のコンピュータの上に局所化されていても、かつ/または2台以上のコンピュータの間で分散されていてもよい。さらに、これらのコンポーネントは、様々なデータ構造がその上に記憶されている様々なコンピュータ読取り可能媒体から実行することもできる。それらのコンポーネントは、1つまたは複数のデータ・パケット(例えば、ローカル・システムにおいて、分散システムにおいて、かつ/または信号を経由して他のシステムを有するインターネットなどのネットワークを通して、別のコンポーネントと対話する1つのコンポーネントからのデータ)を有する信号などに従ってローカル・プロセスおよび/またはリモート・プロセスを経由して通信することができる。
さらに、この明細書において説明されるプロセスまたはプロセス・フローの中のある種のステップは、生来、本発明が、説明されるように機能するために他のステップに先行している。しかしながら、本発明は、そのような順序またはシーケンスが本発明の機能を変更しない場合には、説明された、ステップの順序だけには限定されない。すなわち、いくつかのステップは、本発明の範囲および精神を逸脱することなく、他のステップの前に、後に、または他のステップと並列に(実質的に同時に)実行され得ることが、認識される。いくつかの例においては、ある種のステップは、本発明を逸脱することなく、省略されてもよく、または実行されなくてもよい。さらに、「その後に(therafter)」、「次いで(then)」、「次に(next)」などの単語は、それらのステップの順序を限定するようには意図されていない。これらの単語は、単に、例示の方法の説明を通して読者を誘導するために使用されているだけである。
さらに、プログラミングにおける当業者は、例えば、この明細書の中のフローチャート、および関連する説明に基づいて容易に開示された本発明を実装するように、コンピュータ・コードを書くことができ、あるいは適切なハードウェアおよび/または回路を識別することができる。
それゆえに、特定の1組のプログラム・コード命令または詳細なハードウェア・デバイスの開示は、どのようにして本発明を作り、また使用するかについての適切な理解のために必要とは考えられない。特許請求の範囲に記載されたコンピュータ実装されたプロセスについての本発明の機能は、上記説明の中で、また様々なプロセス・フローを例証することもある図面と組み合わせて、より詳細に説明される。
1つまたは複数の例示の態様においては、説明される機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せの形で実装されることもある。ソフトウェアの形で実装される場合、それらの機能は、有形のコンピュータ読取り可能媒体の上に1つまたは複数の命令またはコードとして、記憶され、または送信されることもある。コンピュータ読取り可能媒体は、ある場所から別の場所へとコンピュータ・プログラムの転送を容易にする任意の有形の媒体を含めて、有形のコンピュータ・ストレージ媒体と、有形の通信媒体との両方を含んでいる。有形のコンピュータ・ストレージ媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る使用可能な任意の有形の媒体とすることができる。例として、限定するものではないが、そのような有形のコンピュータ読取り可能媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光ディスク・ストレージ、磁気ディスク・ストレージまたは他の磁気ストレージ・デバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態で望ましいプログラム・コードを搬送し、または記憶するために使用される可能性があり、またコンピュータによってアクセスされる可能性がある他の任意の有形の媒体を備えることができる。
また、任意の接続は、有形のコンピュータ読取り可能媒体と適切に名付けられることもある。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、ツイスト・ペア、デジタル加入者回線(DSL:digital subscriber line)、または赤外線、無線、マイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモート・ソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、ツイスト・ペア、およびDSLは、媒体の定義に含まれる。
本明細書において使用されるように、ディスク(Disk)およびディスク(disc)は、コンパクト・ディスク(「CD:compact disc」)と、レーザー・ディスク(laser disc)と、光ディスク(optical disc)と、デジタル多用途ディスク(「DVD:digital versatile disc」)と、フロッピー(登録商標)・ディスク(floppy disk)と、ブルーレイ・ディスク(blu−ray disc)とを含み、ここでディスク(disk)は、通常、磁気的にデータを再生するが、ディスク(disc)は、レーザーを用いて光学的にデータを再生する。上記の組合せもまた、コンピュータ読取り可能媒体の範囲内に含まれるべきである。
選択された態様が、詳細に示され、また説明されてきているが、様々な置換および変更が、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、その中で行われ得ることが理解される。