機能性及び可撓性の増加を提供する様式で、シリコーン組成物中のナノ粒子形成及びナノ粒子を調節する能力が、本発明の方法を通じて達成することができる。ナノ粒子技術は、有機溶媒中のSiH含有組成物(又は他の還元剤)を用いた銀カルボン酸塩等の金属塩の還元を含む。次いで、ポリジメチルシロキサン(PDMS)等のシリコーン材料は、金属ナノ粒子溶液に添加することができる。溶媒除去後、シリコーン材料中の金属ナノ粒子の安定した分散が形成される。有利に、これにより、金属がシリコーン材料への機能性を付与することが可能になる。例えば、銀ナノ粒子は、抗菌性機能性を付与することができる。無溶媒で未硬化のシリコーン組成物の態様は、多種多様な物品において組成物を用いる柔軟性を可能にする。
したがって、本発明の一態様は、無溶媒で未硬化の金属ナノ粒子含有シリコーン組成物を調製する方法に関する。本方法は、(a)有機溶媒中に溶解した可溶性金属塩を還元材料と反応させて、混合物を形成し、(b)オルガノポリシロキサン組成物を混合物に添加し、及び(c)有機溶媒を除去して、無溶媒で未硬化の金属ナノ粒子含有シリコーン組成物を形成する工程を含むことを特徴とする。
本発明はまた、無溶媒で未硬化の金属ナノ粒子含有シリコーン組成物を調製する別の方法にも関する。本方法は、(a)有機溶媒中に溶解した可溶性金属塩をオルガノポリシロキサン組成物に添加して、混合物を形成し、(b)還元材料を混合物に添加し、及び(c)有機溶媒を除去して、無溶媒で未硬化の金属ナノ粒子含有シリコーン組成物を形成する工程を含むことを特徴とする。
有機溶媒中に溶解されることが可能な任意の金属塩は、可溶性金属塩として使用してもよい。金属塩の金属は、銀、金、銅、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、他の既知の金属、又はそれらの組み合わせであり得る。当業者によって理解されるように、様々な既知のイオンが形成されるか、又は金属と混合して、金属塩を形成し得る。金属塩は、金属前駆体として市販され得るか、又は当該技術分野において既知の手段によって調製され得る。例えば、金属塩は、式M−O2CRの金属カルボン酸塩等の金属カルボン酸塩であり得、Mが金属であり、Rが不飽和を含む又は含まない有機置換又は非置換のC2〜C24基である。代表的なカルボン酸塩としては、ネオデカン酸塩、ナフテン酸塩、オクトエート、ジオクトエート、ステアレート、ブチラート、アセテート、ジアセテート、ラウレート、ジラウレート、アジパート、ベンゾアート、ジベンゾアート、乳酸塩、二乳酸塩、セバシン酸塩、アセチル酢酸塩、メタクリレート、アクリレート、及びシンナメートが挙げられるが、これらに限定されない。金属塩はまた、金属アルキル硫酸塩、アリール硫酸塩、スルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、又は金属と混合して、可溶性金属塩を形成することができる様々な他の好適なイオンであってもよい。
金属塩は、当該技術分野において既知の手段によって有機溶媒中に溶解され得る。極性及び非極性の溶媒の両方が使用され得る。好適な有機溶媒には、テトラヒドロフラン、クロロホルム、塩化メチレン、二塩化メチレン、植物油、トルエン、キシレン、ヘプタン、エタノール、ブタノール、オクタン、及びそれらの混合物が含まれる。
一実施形態において、金属は銀であり、可溶性銀塩は、銀カルボン酸塩、銀アルキル硫酸塩、銀アリール硫酸塩、銀アルキルスルホン酸塩、銀アリールスルホン酸塩、又は有機銀化合物である。例えば、銀塩は、銀C3〜C28カルボン酸塩である。
還元材料は、SiH含有組成物又は1つ以上のアルデヒド基を含有する化合物等の金属塩を還元することが可能な任意の化合物であり得る。全て又は少なくとも大部分の金属の還元を確保するのに十分な金属への還元材料のモル比を有することが望ましいため、金属への還元材料の1つの当量比又はそれ以上の当量比が使用され得る。一般には、より大量の還元材料が、この目標を達成するために使用される。例えば、金属への還元材料の当量比は、一般に、1〜10、又は約1.1〜約4.0に及ぶ。
SiH含有組成物は、一般式(I):R1 aR2 bR3 cSiO(4−a−b−c)/2の構成単位を1〜10,000個含むものとして定義され得、式中、a、b、及びcが、それぞれ0、1、2、又は3から選択される整数であり、a+b+c≦3であり、R1、R2、及びR3は、それぞれ独立して選択される水素原子、又は塩素原子、又は水酸化物基、又は一般式(II):R4O−を有するアルコキシド基であり、R4が、1〜18個の炭素原子を有するアルキル基、又は6〜12個の炭素原子を有するアリール基、又は1〜18個の炭素原子を有するアルキル基、又は2〜18個の炭素原子を有するアルケニル基、又は3〜18個の炭素原子を有するエポキシ基、又は1〜18個の炭素原子を有するカルビノール基、又は6〜12個の炭素原子を有するアリール基、又は一般式:(III)−(R5O)qR6を有するポリエーテル基であり、式中、qは、1〜30の値であり、R5は、それぞれ独立して選択される2〜6個の炭素原子を有する二価アルキレン基であり、R6は、独立して選択される水素原子か、又は1〜6個の炭素原子を有する一価アルキル基である。
式(I)は、M、D、T、及びQの構成単位によって表される。定義によれば、「M」の構成単位は、1個の酸素原子に結合した1個のシリコン原子を含有するシロキシ単位を指し、シリコン原子上の残りの3つの置換基は酸素以外である。「D」の構成単位は、2個の酸素原子に結合した1個のシリコン原子を含有するシロキシ単位を指し、シリコン原子上の残りの2つの置換基は酸素以外である。「T」の構成単位は、3個の酸素原子に結合した1個のシリコン原子を含有するシロキシ単位を指し、シリコン原子上の残りの1つの置換基は酸素以外である。「Q」の構成単位は、4個の酸素原子に結合した1個のシリコン原子を含有するシロキシ単位を指す。それらの分子構造は、以下に記載されている:
−O−−と表される酸素原子から離れた開放結合はそれぞれ、その構成単位が別の構成単位に結合し得る位置であることを示す。したがって、それは、第1の構成単位が第2の又はそれに続く構成単位に結合する酸素原子によるものであり、この酸素は、第2の又はそれに続く構成単位中の別のシリコン原子又はR基のうちの1つに結合する。酸素原子が第2の構成単位の別のシリコンに結合するとき、第1の構成単位で表示される酸素原子は、第2の構成単位で表示されるのと同じ酸素原子としての役割を果たし、それによって、2つの構成単位間のSi−O−Si結合を形成する。
一実施形態において、SiH含有組成物中の構成単位(M、D、T、Q)の数は、1〜1000である。SiH含有組成物は、少なくとも1つのM、少なくとも1つのD、又は少なくとも1つのTの構成単位を含有しなければならない。換言すれば、SiH含有組成物全てがQの構成単位を含有することはできない。1つの構成単位のみが存在する場合、それは、M、D、又はTからのみ選択することができる。
SiH含有組成物中の構成単位からのR1、R2、及びR3基のうちの少なくとも1つは、水素でなければならない。別の構成単位に結合しない−O−−として示される、酸素原子から離れた任意の又は使用可能な結合は、その代わりに、−OR’として表すことができ、式中、R’は、SiH含有組成物において、水素、C1〜C18アルキル、又はC6〜C12アリールである。
式(I)中のR1、R2、及びR3の1〜18個の炭素原子を有するアルキル基は、1〜18個の炭素原子を有する一価アルキル基である。あるいは、アルキル基は、1〜6個の炭素原子を含むか、あるいは、アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、又はヘキシルである。
式(I)中のR1、R2、及びR3の2〜18個の炭素原子を有するアルケニル基は、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、及びオクテニルによって例示される。あるいは、アルケニル基は、2〜8個の炭素原子を含む。あるいは、アルケニル基は、ビニル、アリル、又はヘキセニルである。
式(I)中のR1、R2、及びR3のアルコキシド基は、一般式(II):R4O−を有する。式(II)のR4基は、独立して選択される1〜18個の炭素原子を有するアルキル基、又は6〜12個の炭素原子を有するアリール基である。あるいは、R4は、1〜6個の炭素原子を有する(例えば、1〜4個の炭素原子を有する)アルキル基、又は6〜8個の炭素原子を有するアリール基である。あるいは、R4は、メチル、エチル、又はフェニルである。
式(I)中のR1、R2、及びR3の6〜12個の炭素原子を有するアリール基は、フェニル、ナフチル、ベンジル、トリル、キシリル、メチルフェニル、2−フェニルエチル、2−フェニル−2−メチルエチル、クロロフェニル、ブロモフェニル、及びフルオロフェニルによって例示される。あるいは、アリール基は、6〜8個の炭素原子を含む。あるいは、アリール基は、フェニルである。
式(I)中のR1、R2、及びR3の3〜18個の炭素原子を有するエポキシ基は、グリシダルエーテル基、アルキルエポキシ基、又は脂環式エポキシ基であり得る。グリシジルエーテル基は、2−グリシドキシエチル、3−グリシドキシプロピル、4−グリシドキシブチル、及び2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等のアルキルグリシジルエーテル基によって例示される。アルキルエポキシ基の例は、2,3−エポキシプロピル、3,4−エポキシブチル、及び4,5−エポキシペンチル、及び脂環式エポキシ基は、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル、3,4−エポキシシクロヘキシルブチル、及びアルキルシクロヘキセンオキシド基等の一価エポキシシクロアルキル基によって例示される。あるいは、エポキシ基は、3−グリシドキシプロピルである。
式(I)中のR1、R2、及びR3の1〜18個の炭素原子を有するカルビノール基は、少なくとも3個の炭素原子を有するアリール基を含まないカルビノール基及び少なくとも6個の炭素原子を有するアリール含有カルビノール基を含む。一般に、「カルビノール」基は、少なくとも1つの炭素結合ヒドロキシル(COH)基を含有する任意の基である。したがって、カルビノール基は、例えば、以下のような1つを超えるCOH基を含有し得る。
少なくとも3個の炭素原子を有するアリール基を含まないカルビノール基は、式R7OHを有する基によって例示され、式中、R7は、少なくとも3個の炭素原子を有する二価炭化水素基、又は少なくとも3個の炭素原子を有する二価ヒドロカルボノキシ基である。基R7は、sが3〜10の値を有する−(CH2)s−によって例示されるアルキレン基、−CH2CH(CH3)−、−CH2CH(CH3)CH2−、若しくは−CH2CH2CH(CH2CH3)CH2CH2CH2−、又はtが1〜10の値を有する、−OCH(CH3)(CH2)t−等の3〜12個の炭素原子を有する分枝アルキレン基であり得る。少なくとも3個の炭素原子を有するアリール基を含まないカルビノール基はまた、式R8(OH)CH2OHを有する基によっても例示され、式中、R8は、tが1〜10の値を有する、式−CH2CH2(CH2)tOCH2CH−を有する基である。
少なくとも6個の炭素原子を有するアリール含有カルビノール基は、式R9OHを有する基によって例示され、式中、R9は、uが0〜10の値を有する−(CH2)uC6H4−、−CH2CH(CH3)(CH2)uC6H4−、及びu及びtが上記の通りである−(CH2)tC6H4(CH2)u−から選択されるアリーレン基である。あるいは、アリール含有カルビノール基は、6〜14個の炭素原子を有するか、あるいは6〜10個の炭素原子を有する。
式(I)中のR1、R2、及びR3のポリエーテル基は、一般式:(III)−(R5O)qR6を有し、qは1〜30の値であり、R5はそれぞれ独立して選択される2〜6個の炭素原子を有する二価アルキレン基であり、R6は独立して選択される水素原子か、又は1〜6個の炭素原子を有する一価アルキル基である。
あるいは、式(I)中のR1、R2、及びR3はそれぞれ独立して選択される水素原子、塩素原子、又は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、又は2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、又は6〜8個の炭素原子を有するアリール基、又は1〜4個の炭素原子を有するアルコキシドである。あるいは、R1、R2、及びR3はそれぞれ、水素、塩素、メチル、エチル、ビニル、ヘキセニル、メトキシド、エトキシド、又はフェニルである。
SiH含有組成物は、以下のM、D、T、及びQの構成単位の任意の組み合わせを1〜10,000個(例えば、1〜1000、1〜200、又は1〜100個)含有する環状又は線状化合物であり得る。本発明の方法において有用である式(I)によって記載されるSiH含有材料の例には、(i)3〜25個のDの構成単位(例えば、3〜10又は4〜6個のDの構成単位)を含有する環状化合物、又は(ii)末端ブロックとしての役割を果たす2つのMの構成単位、及び末端ブロック間の2〜10,000個(例えば、2〜1000、2〜200、10〜100、50〜80、60〜70、2〜22、又は5〜10個)のDの構成単位を含有する線状化合物のような、オリゴマー及びポリマーオルガノシロキサンが含まれる。
基(i)に含まれる環状化合物は、R1が水素であり、R2がメチルであるDの構成単位、R1及びR2の両方がメチルであるDの構成単位、並びにそれらの組み合わせを含有するものを含む。基(ii)に含まれる線状化合物は、R1が水素であり、R2及びR3が水素であるMの構成単位、R1、R2、及びR3がメチルであるMの構成単位、R1が水素であり、R2がメチルであるDの構成単位、R1及びR2の両方がメチルであるDの構成単位、並びにそれらの組み合わせを含有するものを含む。様々なSiH含有化合物は、これらの基に含まれる。例えば、化合物の全てがダウ・コーニングから市販される、以下の化合物は、これらの基に含まれる:(a)4〜6個のDの構成単位を含有する環状化合物であって、それぞれの構成単位において、R1及び/又はR2がメチルを表し、構成単位の少なくとも1つにおいて、R1又はR2が水素である、環状化合物と、(b)2つのMの構成単位を含有する線状化合物であって、R1が水素又はメチルを表し、R2及びR3がメチルを表す、線状化合物と、(c)末端ブロックとして2つのMの構成単位(例えば、基(b)について上述されるMの構成単位)と、末端ブロック間の2〜10個のDの構成単位とを含有し、Dの構成単位の少なくとも1つにおいて、R1が水素を表し、R2がメチルを表し、残りのDの構成単位が、R1及びR2を有し、その両方がメチルを表す、線状化合物と、(d)末端ブロックとして2つのMの構成単位と、50〜80個のDの構成単位とを含有する線状化合物であって、Dの構成単位の少なくとも1つにおいて、R1が水素であり、R2がメチルである、線状化合物。
SiH含有組成物はまた、一般式(IV):R10 rSiHsY4−r−sを有するシランであり得、式中、YはCl又はOR4であり、rは0〜3の値であり、sは1〜4の値であり、R10はそれぞれ独立して選択される1〜18個の炭素原子を有するアルキル基又は6〜12個の炭素原子を有するアリール基であり、R4は、独立して選択される水素原子、又は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、6〜8個の炭素原子を有するアリール基、又は一般式:(III)−(R5O)qR6を有するポリエーテル基であり、qは1〜4の値であり、R5はそれぞれ独立して選択される2〜6個の炭素原子を有する二価アルキレン基であり、R6は、独立して選択される水素原子か、又は1〜6個の炭素原子を有する一価アルキル基である。
本発明において有用である式(IV)によって記載されるSiH含有材料の例は、PhMe2SiH、Ph2MeSiH、MeHSiCl2、及びMeHSi(OMe)2を含む。PhMe2SiH及びPh2MeSiHについては、変数r+s=4であり、Y基が存在しないことを意味する。
還元材料による金属塩の反応は、当業者に公知の化学反応を含む。この反応は、様々な温度及び圧力で行われ得る。できるだけ低い−69℃(ドライアイス浴の温度)及びできるだけ高い140℃(キシレンの沸点)の反応温度が使用されている。また、より高温が使用され得、これは使用される溶媒の沸点によって異なる。しかしながら、高温、又はより昇温は、必要とされない。実際は、還元反応は、多くの実施形態において、室温で行うことが可能である。
還元材料は、オルガノポリシロキサンの添加前、又は添加後のいずれかで金属塩に添加される。
オルガノポリシロキサン組成物は、平均式(V):R11 dR12 eR13 fSiO(4−d−e−f)/2の構成単位を1〜10,000個含むものとして定義され得、式中、d、e、及びfのそれぞれは、0、1、2、又は3から選択される整数であり、d+e+f≦3であり、R11、R12、及びR13はそれぞれ、独立して選択される水素原子、又は水酸化物基、又は一般式(II):R4O−を有するアルコキシド基であり、式中、R4は、1〜18個の炭素原子を有するアルキル基、又は6〜12個の炭素原子を有するアリール基、又は1〜18個の個の炭素原子を有するアルキル基、又は2〜18個の炭素原子を有するアルケニル基、又は3〜18個の炭素原子を有するエポキシ基、又は1〜18個の炭素原子を有するカルビノール基、又は6〜12個の炭素原子を有するアリール基、又は1〜18個の炭素原子を有するアミノ基、又は2〜24個の炭素原子を有するカルボン酸基、又は一般式:(III)−(R5O)qR6を有するポリエーテル基であり、式中、qが1〜30の値であり、R5はそれぞれ独立して選択される2〜6個の炭素原子を有する二価アルキレン基であり、R6は、独立して選択される水素原子か、又は1〜6個の炭素原子を有する一価アルキル基である。
式(V)は、上述のように、M、D、T、及びQの構成単位によって表され得、R1、R2、及びR3置換基はそれぞれ、基R11、R12、及びR13として表される。したがって、オルガノポリシロキサン組成物については、構成単位は、以下のように表され得る。
オルガノポリシロキサン組成物中の構成単位(M、D、T、Q)の数は、1〜10,000、例えば4〜1000であり得る。
式(V)中のR11、R12、及びR13の1〜18個の炭素原子を有するアルキル基は、1〜18個の炭素原子を有する一価アルキル基である。あるいは、アルキル基は、1〜6個の炭素原子を含むか、あるいは、アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、又はヘキシルである。
式(V)中のR11、R12、及びR13の2〜18個の炭素原子を有するアルケニル基は、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、及びオクテニルによって例示される。あるいは、アルケニル基は、2〜8個の炭素原子を含む。あるいは、アルケニル基は、ビニル、アリル、又はヘキセニルである。
式(V)中のR11、R12、及びR13のアルコキシド基は、一般式(II):R4O−を有する。式(II)のR4基は、独立して選択される1〜18個の炭素原子を有するアルキル基、又は6〜12個の炭素原子を有するアリール基である。あるいは、R4は、1〜6個の炭素原子を有する(例えば、1〜4個の炭素原子を有する)アルキル基、又は6〜8個の炭素原子を有するアリール基である。あるいは、R6は、メチル、エチル、又はフェニルである。
式(V)中のR11、R12、及びR13の6〜12個の炭素原子を有するアリール基は、フェニル、ナフチル、ベンジル、トリル、キシリル、メチルフェニル、2−フェニルエチル、2−フェニル−2−メチルエチル、クロロフェニル、ブロモフェニル、及びフルオロフェニルによって例示される。あるいは、アリール基は、6〜8個の炭素原子を含む。あるいは、アリール基は、フェニルである。
式(V)中のR11、R12、及びR13の3〜18個の炭素原子を有するエポキシ基は、グリシダルエーテル基、アルキルエポキシ基、又は脂環式エポキシ基であり得る。グリシジルエーテル基は、2−グリシドキシエチル、3−グリシドキシプロピル、4−グリシドキシブチル、及び2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等のアルキルグリシジルエーテル基によって例示される。アルキルエポキシ基の例は、2,3−エポキシプロピル、3,4−エポキシブチル、及び4,5−エポキシペンチル、及び脂環式エポキシ基は、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル、3,4−エポキシシクロヘキシルブチル、及びアルキルシクロヘキセンオキシド基等の一価エポキシシクロアルキル基によって例示される。あるいは、エポキシ基は、3−グリシドキシプロピルである。
式(IV)中のR11、R12、及びR13の1〜18個の炭素原子を有するカルビノール基は、少なくとも3個の炭素原子を有するアリール基を含まないカルビノール基及び少なくとも6個の炭素原子を有するアリール含有カルビノール基を含む。一般に、「カルビノール」基は、少なくとも1つの炭素結合ヒドロキシル(COH)基を含有する任意の基である。したがって、カルビノール基は、例えば、以下のような1つを超えるCOH基を含有し得る。
少なくとも3個の炭素原子を有するアリール基を含まないカルビノール基は、式R7OHを有する基によって例示され、式中、R7は、少なくとも3個の炭素原子を有する二価炭化水素基、又は少なくとも3個の炭素原子を有する二価ヒドロカルボノキシ基である。基R7は、sが3〜10の値を有する−(CH2)s−によって例示されるアルキレン基、−CH2CH(CH3)−、−CH2CH(CH3)CH2−、若しくは−CH2CH2CH(CH2CH3)CH2CH2CH2−、又はtが1〜10の値を有する−OCH(CH3)(CH2)t−等の3〜12個の炭素原子を有する分枝アルキレン基であり得る。少なくとも3個の炭素原子を有するアリール基を含まないカルビノール基はまた、式R8(OH)CH2OHを有する基によっても例示され、式中、R8は、tが1〜10の値を有する式−CH2CH2(CH2)tOCH2CH−を有する基である。
少なくとも6個の炭素原子を有するアリール含有カルビノール基は、式R9OHを有する基によって例示され、式中、R9は、uが0〜10の値を有する−(CH2)uC6H4−、−CH2CH(CH3)(CH2)uC6H4−、及びu及びtが上記の通りである−(CH2)tC6H4(CH2)u−から選択されるアリーレン基である。あるいは、アリール含有カルビノール基は、6〜14個の炭素原子を有するか、あるいは6〜10個の炭素原子を有する。
式(V)中のR11、R12、及びR13のポリエーテル基は、一般式:(III)−(R5O)qR6を有し、式中、qは1〜30の値であり、R5はそれぞれ独立して選択される2〜6個の炭素原子を有する二価アルキレン基であり、R6は、独立して選択される水素原子か、又は1〜6個の炭素原子を有する一価アルキル基である。
式(V)中のR11、R12、及びR13のアミノ基は、一般に、式−R9NHR10又は−R9NHR9NHR10を有し、R9はそれぞれ独立して、少なくとも2個の炭素原子を有する二価炭化水素ラジカルであり、R10は、水素又は1〜18個の炭素原子を有するアルキル基である。R9基の例は、2〜20個の炭素原子を有するアルキレン基を含み、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CHCH3−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−、−CH2CH2CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH(CH2CH3)CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−、及び−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−によって例示される。あるいは、R10のアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、又はオクタデシルである。あるいは、R10がアルキル基であるとき、それはメチルである。
一般的なアミノ官能性炭化水素基は、−CH2CH2NH2、−CH2CH2CH2NH2、−CH2CHCH3NH、−CH2CH2CH2CH2NH2、−CH2CH2CH2CH2CH2NH2、−CH2CH2CH2CH2CH2CH2NH2、−CH2CH2NHCH3、−CH2CH2CH2NHCH3、−CH2(CH3)CHCH2NHCH3、−CH2CH2CH2CH2NHCH3、−CH2CH2NHCH2CH2NH2、−CH2CH2CH2NHCH2CH2CH2NH2、−CH2CH2CH2CH2NHCH2CH2CH2CH2NH2、−CH2CH2NHCH2CH2NHCH3、−CH2CH2CH2NHCH2CH2CH2NHCH3、−CH2CH2CH2CH2NHCH2CH2CH2CH2NHCH3、及び−CH2CH2NHCH2CH2NHCH2CH2CH2CH3である。
式(V)中のR11、R12、及びR13のカルボン酸基は、一般に、式−R14COOHを有し、式中、R14は、少なくとも1個の炭素原子を有する二価炭化水素基である。R14基の例は、1〜20個の炭素原子を有するアルキレンラジカルを含み、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CHCH3−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−、−CH2CH2CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH(CH2CH3)CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−、及び−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−によって例示される。あるいは、式(V)中のR11、R12、及びR13はそれぞれ独立して選択される水素原子、又は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、又は2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、又は6〜8個の炭素原子を有するアリール基、又は1〜4個の炭素原子を有するアルコキシドである。あるいは、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立して選択される水素、メチル、エチル、ビニル、ヘキセニル、メトキシド、エトキシド、又はフェニルである。
本発明の方法において有用である式(V)によって記載されるオルガノシロキサンには、ポリジメチルシロキサン、ビニル官能性ポリジメチルシロキサン、アミン官能性ポリジメチルシロキサン、エポキシ官能性ポリジメチルシロキサン、カルビノール官能性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル官能性ポリジメチルシロキサン、カルボン酸官能性ポリジメチルシロキサン、ポリメチルメトキシシロキサン、ポリシルセスキオキサン、MQ樹脂、及びそれらの組み合わせのような、オリゴマー及びポリマーオルガノシロキサンが含まれる。
オルガノポリシロキサン組成物の特定の例には、ポリジアルキルシロキサン、ヘキセニルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン−ポリメチルヘキセニルシロキサンコポリマー、ヘキセニルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサンポリマー、ビニルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサンポリマー、ビニル若しくはヘキセニルジメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン−ケイ酸塩)コポリマー、混合トリメチルシロキシ−ビニルジメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン−ビニルメチルシロキサン−ケイ酸塩)コポリマー、ビニル若しくはヘキセニルジメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン−ヒドロカルビル)コポリマー、それらの誘導体、及びそれらの組み合わせが含まれる。オルガノポリシロキサンコポリマーは、ブロックコポリマー及びランダムコポリマーを含む。例えば、PEO−b−PDMS ABnブロックコポリマーは、ポリエチレンオキシドを使用する一種のオルガノポリキシロキサン(organopolyxiloxane)ブロックコポリマーを表す。他の好適なオルガノポリシロキサン組成物(又はオルガノシロキサンポリマーとも称される)は、米国特許第7,687,591号に開示され、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。例えば、オルガノポリシロキサン組成物は、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、フェニルシルセスキオキサン、メチルシルセスキオキサン、SiO4/2、又はそれらのコポリマーであり得る。
官能基は、オルガノポリシロキサン組成物中の任意の点、例えば、ポリマーの中央、又は反応末端基(単数又は複数)として存在し得る。ジオルガノ−、−OH、−ビニル、−ヘキセニル、−エポキシ、及び−アミン等の一般的な官能基は、本明細書に企図されるオルガノポリシロキサン組成物において使用され得る。Me3、Ph2Me、Me2Ph等の末端基は、オルガノポリシロキサン組成物中に存在しても、存在しなくてもよい。
オルガノポリシロキサン組成物はまた、有機ポリマーを有するオルガノポリシロキサンのランダム又はブロックコポリマーであり得る。例としては、ポリエーテル−ポリジメチルシロキサンコポリマー及びヘキサジエン−ポリジメチルシロキサンコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
必要ではないが、安定剤は、シリコーン組成物中の金属を分散する、又はそうでなければ組成物をより安定させるのを支援するために添加され得る。金属ナノ粒子の分散の安定性が望ましいが、安定性は、シリコーン材料の粒径、金属濃度、分子量、及びシリコーン材料の機能性等の安定剤に加えて様々な他の態様によって異なる。これらの他の態様を調節又は考慮することにより、当業者は、必ずしも安定剤の使用を必要とすることなく、良好な分散及び安定性を得ることができる。
溶媒の除去は、当該技術分野において周知の手順によって行うことができる。例えば、溶媒は、周囲温度又は昇温で周囲圧力又は減圧で除去してもよい。有利に、溶媒の除去は、ナノ粒子が形成された後に行うが、硬化性組成物に配合される前に行う。溶媒を使用して、塩分散を促進され得るが、一方、溶媒が除去された後、ナノ粒子は無溶媒形態中にあると見なされる。この特徴により、本発明は、組成物を調製するために使用される化合物及び使用される方法の性質による溶媒の除去が困難又は不可能である当該技術分野において既知の多くの他のプロセスとは大いに異なる。
ナノ粒子含有シリコーン組成物中のナノ粒子は、平均粒径が約1〜約100nmの範囲であり得、これは所望の生成物によって異なる。あるいは、平均粒径は、約2〜約30nm、あるいは約5〜約25nmの範囲である。
ナノ粒子含有シリコーン組成物中の金属濃度は、約1ppm〜約100,000ppmの範囲である。あるいは、シリコーン分散中の金属濃度は、約50ppm〜約50,000ppm、約100ppm〜約30,000ppm、約500ppm〜約20,000ppmの範囲である。金属濃度はまた、重量パーセントで表示され得る。重量パーセントで表示されるとき、得られた生成物は、一般に、約0.0001%〜約10%の金属、例えば、約0.005%〜約5%の金属、約0.01〜約3%の金属、約0.05%〜約2%の金属を含有する。
一旦ナノ粒子含有シリコーン組成物が調製されると、それは、硬化性又は非硬化性に関わらず、添加物として任意の組成物に使用され得る。有利に、硬化は、重合薬剤を通じてその場で行われる必要がない、すなわち、還元材料として使用されるか、又は別の方法で組成物中に存在する。これは、最終組成物の配合、及び組成物をいつ、どのように硬化するかの決定におけるより大きな柔軟性を、エンドユーザに許す。ナノ粒子含有シリコーン組成物が官能基(ビニル、SiH、エポキシ、アルコキシ等)を含有する場合、ナノ粒子を埋め込んだシリコーン組成物への硬化剤の添加は、硬化性金属ナノ粒子含有シリコーン組成物を生成し、次いで、これが硬化されて、硬化性金属ナノ粒子含有シリコーン組成物を生成することができる。ナノ粒子含有シリコーン組成物が官能基を含有しない場合、組成物全体が硬化され得るように、組成物は、他の硬化性シリコーン組成物に配合され得る。どちらにしても、ナノ粒子含有シリコーン組成物は、シリコーン組成物に対して添加剤として使用され、硬化され得る。
組成物は、縮合反応、付加反応、及びフリーラジカル重合を含む、様々な重合反応によって硬化され得る。あるいは、組成物は、過酸化物硬化、放射線硬化、又は当業者に既知の他の硬化技術によって硬化され得る。
硬化剤及び当業者に既知の他の材料を用いて、硬化性組成物を作製し得る。一般的な材料には、ポリマー(上述のオルガノポリシロキサン組成物等のシリコン系ポリマーを含む)、触媒、架橋剤、阻害剤、溶媒、及びそれらの組み合わせが含まれる。溶媒が先行工程において除去されたとしても、溶媒型系が望ましい場合、溶媒は、硬化工程において後で添加することができる。
硬化で用いるのに適している触媒は、Ti、Sn、Pt、並びに当業者に既知の他の縮合硬化、付加硬化、及びラジカル硬化触媒を含む。
阻害剤は、当業者に既知の触媒の触媒活性を阻害するために使用されることが既知であるか、又は使用され得る、任意の材料を含む。
硬化される金属ナノ粒子含有シリコーン組成物は、エラストマー、コーティング、接着剤、医療用チューブ、カテーテル、及び医療部品等のシリコン物品を含む、様々な異なるシリコーン組成物において使用され得る。重合又は硬化組成物から生成され得る様々な物品及びプロファイルは、米国特許第6,914,091号に開示され、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
実施例1:1.60gの銀ネオデカン酸は、26gのクロロホルム中に溶解された。30.5gのビニル末端官能性ポリジメチルシロキサンポリマー(ダウ・コーニングから市販のオルガノポリシロキサン)を添加して、混合物を30分間撹拌した。0.40gのメチル水素官能性シロキサン(ダウ・コーニングから市販のSiH含有組成物)を添加した。撹拌を30分間継続した。濃茶色溶液を形成した。溶媒を真空下で除去した。得られた生成物は、1.8%のAgナノ粒子を含有した。
実施例2:3.92gの銀ネオデカン酸は、10gの二塩化メチレン中に溶解された。7.4gのジビニルテトラメチルジシロキサン(ダウ・コーニングから市販のオルガノポリシロキサン)を添加した。二塩化メチレンを真空下で除去した。1.60gのメチル水素官能性シクロシロキサン(ダウ・コーニングから市販のSiH含有組成物)を添加し、混合物を室温(RT)で30分間撹拌した。濃茶色溶液を形成した。48.7gのビニル末端官能性ポリジメチルシロキサンポリマー(ダウ・コーニングから市販のオルガノポリシロキサン)及び81.2gのビニル末端官能性ポリジメチルシロキサンポリマー(ダウ・コーニングから市販のオルガノポリシロキサン)を添加した。溶媒を真空下で除去した。得られた生成物は、1.0%のAgナノ粒子を含有した。
実施例3:2.82gの銀ネオデカン酸は、115gの二塩化メチレン中に溶解された。1.15gのメチル水素官能性シクロシロキサン(ダウ・コーニングから市販のSiH含有組成物)を添加し、混合物を室温で30分間撹拌した。濃茶色溶液を形成した。172gのビニル末端官能性ポリジメチルシロキサンポリマー(ダウ・コーニングから市販のオルガノポリシロキサン)を添加した。溶媒を真空下で除去した。得られた生成物は、0.58%のAgナノ粒子を含有した。
実施例4:3.0gの銀ネオデカン酸は、120gの二塩化メチレン中に溶解された。1.23gのメチル水素官能性シクロシロキサン(ダウ・コーニングから市販のSiH含有組成物)を添加し、混合物を室温で30分間撹拌した。濃茶色溶液を形成した。179.2gのビニル末端官能性ポリジメチルシロキサンポリマー(ダウ・コーニングから市販のオルガノポリシロキサン)を混合物に添加した。溶媒を真空下で除去した。得られた生成物は、0.60%のAgナノ粒子を含有した。
実施例5:トルエンが溶媒(真空下で生成後、除去された)として使用されたことを除いては、実施例4が繰り返された。得られた生成物は、0.60%のAgナノ粒子を含有した。
実施例6:THFが溶媒(真空下で生成後、除去された)として使用されたことを除いては、実施例4が繰り返された。得られた生成物は、0.60%のAgナノ粒子を含有した。
実施例7:ヘプタンが溶媒として使用され、メチル−水素−コ−ジメチルシロキサン(ダウ・コーニングから市販のSiH含有組成物)が還元剤として使用されたことを除いては、実施例4が繰り返された。溶媒は、真空を用いた生成後、除去された。得られた生成物は、0.60%のAgナノ粒子を含有した。
実施例8:PhMe2SiHが還元剤として使用されたことを除いては、実施例4が繰り返された。得られた生成物は、0.60%のAgナノ粒子を含有した。
実施例9:Ph2MeSiHが還元剤として使用されたことを除いては、実施例4が繰り返された。得られた生成物は、0.59%のAgナノ粒子を含有した。
実施例10(比較):植物油が溶媒として使用されたことを除いては、実施例4が繰り返された。植物は、シリコーン流体との相溶性がなく、これは、その高沸点のため、真空下で除去するのを困難にした。
実施例11:銀2−エチルヘキサン酸塩が金属塩として使用されたことを除いては、実施例4が繰り返された。(銀2−エチルヘキサン酸塩は、溶媒として水エタノールの混合物を用いて、等モルの硝酸銀とナトリウム2−エチルヘキサン酸塩を混合することによって調製された。白色固体が、フィルタリング、洗浄、及び乾燥プロセスによって収集された。)得られた生成物は、0.60%のAgナノ粒子を含有した。
実施例12:PEOを移植したPDMS(5%のPEOを含有、ダウ・コーニングから市販)がオルガノポリシロキサン組成物として使用されたことを除いては、実施例4が繰り返された。得られた生成物は、0.60%のAgナノ粒子を含有した。
実施例13:PEO−b−PDMS ABnブロックコポリマー(23%のPEOを含有、ダウ・コーニングから市販)がオルガノポリシロキサン組成物として使用されたことを除いては、実施例12が繰り返された。得られた生成物は、1.15%のAgナノ粒子を含有した。
実施例14:反応がドライアイス浴(−69℃)下で行われたことを除いては、実施例5が繰り返された。この反応は、非常にゆっくりと進んだ。溶液は、24時間後、濃茶色に変化した。得られた生成物は、溶媒除去後、0.60%のAgナノ粒子を含有した。
実施例15:反応が還流温度(110℃)下で行われたことを除いては、実施例5が繰り返された。溶液は、還元剤を添加した直後、濃茶色に変化した。得られた生成物は、溶媒除去後、0.60%のAgナノ粒子を含有した。
実施例16:3.26gの実施例3からの試料を、更に5.0gのビニル末端官能性ポリジメチルシロキサンポリマー(ダウ・コーニングから市販のオルガノポリシロキサン)、11.0gのビニル末端官能性ポリジメチルシロキサンポリマー(ダウ・コーニングから市販のオルガノポリシロキサン)、0.30gのメチル−水素−コ−ジメチルシロキサン(架橋剤として機能することもできるSiH含有組成物、ダウ・コーニングから市販)、及び0.26gのPt触媒複合体(ダウ・コーニングから市販)と混合し、室温で脱気した。次いで、組成物を130℃で5分間硬化した。
実施例17:2.0gの実施例4からの試料を、4.9gのビニル末端官能性ポリジメチルシロキサンポリマー(ダウ・コーニングから市販のオルガノポリシロキサン)、4.9gのビニル末端官能性ポリジメチルシロキサンポリマー(ダウ・コーニングから市販のオルガノポリシロキサン)、0.18gのメチル−水素−コ−ジメチルシロキサン(架橋剤としても機能することができるSiH含有組成物、ダウ・コーニングから市販)、及び0.16gのPt触媒複合体(ダウ・コーニングから市販)と混合し、室温で脱気した。組成物を130℃で5分間硬化した。
実施例18:20mgのAuCl3は、20gのTHF及び12.9gのビニル末端官能性ポリジメチルシロキサンポリマー(ダウ・コーニングから市販のオルガノポリシロキサン)中に溶解させた。21mgのメチル水素官能性シクロシロキサン(ダウ・コーニングから市販のSiH含有組成物)を、撹拌下で、混合物に添加した。溶媒は紫色に変化した。溶媒を30分後除去した。得られた生成物は、0.1%のAuナノ粒子を含有した。
本明細書で開示されたそれぞれの参照は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明は、好ましい実施形態を参照して説明してきたが、本発明の精神から逸脱することなく、特定の代替、変更、及び省略が本実施形態に行われ得ることを、当業者は、理解するであろう。したがって、前述の説明は、例示のみであることを意味し、以下の特許請求の範囲に記述されているように、本発明の範囲を制限するべきではない。