JP2013538081A - 細胞処置システムおよび細胞処置装置 - Google Patents

細胞処置システムおよび細胞処置装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、膜補修剤/安定化剤などで生体物質を処置すること、ならびに/または不純物および/もしくは過剰な処置薬剤などの成分を機械的に除去することによって、摘出した脂肪細胞、幹細胞、または他の細胞もしくは生体成分などの生体物質の質および生存能力を改善するシステムおよび装置に関する。本発明はさらに、脂肪組織などの組織を移植するシステムおよび装置に関する。

Description

関連出願
本出願は、35U.S.C.§119(e)の下で「SYSTEM AND APPARATUS FOR CELL TREATMENT」と題する2010年8月6日出願の米国特許仮出願第61/371,400号の利益を主張するものであり、その文献の内容全体が参照により本明細書に援用される。
本発明は、摘出した脂肪組織、脂肪細胞(アディポサイト)、幹細胞、または他の細胞もしくは組織などの生体物質を処理する方法、システム、および装置に関する。
人体のある特徴部の増大術など、例えば、美容のための充填材として、人体から摘出された脂肪組織を再導入または自家移植することができる。顔面再建術、乳房再建術または乳房増大術、および音声機能を改善する声帯注射など、ある再建手順および/または機能上の手順のために脂肪組織を用いることもできる。脂肪組織を、従来の脂肪吸引手順または他の技法を用いて摘出することができる。このように摘出した脂肪組織は、脂肪細胞(アディポサイト)の他に、水または他の液体、遊離脂質、血球など、他の薬剤を含むことが多い。
アディポサイトを患者の体に再導入する前に摘出した脂肪組織から不純物および/または流体を除去することは、植え込みの成功のために有益な場合がある。脂肪のこのような切り離しまたは「精製」を実現するためにいくつかの手順およびシステムが開発されている。多くの手順(Colemanシステムで使用される手順を含む)が、摘出した脂肪組織の異なる成分を分離しそれらの切り離しを可能にする遠心分離機の使用を含む。別のシステム、つまりPUREGRAFTシステムは、プラスチック製輸液バッグ内に配置された脂肪組織に対するスキージ式の圧搾動作を用いて、脂肪組織の他の成分からの脂肪細胞の切り離しを実現する。次いで、シリンジ、カニューレなどを用いて「精製済み」の脂肪細胞を人体に再導入することができる。
遠心分離機またはスキージ処理などの機械式の分離処理は、脂肪細胞に損傷を与え、その生存能力を低下させる恐れがあり、アポトーシスおよび細胞死が増加する。当該損傷は、精製/分離手順中に生じることのある過剰な力(例えば、せん断力)または圧力から起きる恐れがある。移植後に死滅する、損傷を受けたアディポサイトは、体内に再吸収される傾向があり、移植手順の効果が低減される。
アディポサイトの全体の生存能力は、ポロキサマーP188など、あるクラスのポリマー、トリブロック共重合体、および/またはリポ酸などの酸化防止剤にそれらを曝露することによって改善することができる。したがって、膜安定化剤(MSA)または細胞保護剤として作用できるこのような薬剤を用いて、摘出した脂肪組織の処置を行って脂肪細胞の生存能力を改善する脂肪摘出/精製システムが、例えば、脂肪摘出手順および自家脂肪移植手順に望ましい場合がある。
したがって、細胞に対する物理的な損傷を制限しながら組織の望ましくない他の成分から脂肪細胞の一部の分離を行うように構成された、比較的単純、安価、効果的、かつ安全なデバイスが必要とされる。遠心分離機または他の大型のまたは高価な装備を必要とせず手術室または医師のオフィスで使用できるシステムを提供することも望ましい。適切な薬剤で脂肪細胞の処置を促進して、移植する細胞の生存能力を改善する、摘出した脂肪組織のための処置システムを提供することがさらに望ましい。
本発明の実施形態は、対象から取り出し任意選択で同じまたは異なる対象に移植できる生体細胞または生体組織を処理する方法、システム、および装置を提供する。当該処理には、不純物、例えば、望ましくないことがある過剰な液体、遊離脂質、血球、もしくは生体物質の他の成分を除去すること、および/またはある効果を実現する(例えば、植え込み片の生存能力を改善する)ようにある薬剤を生体物質に追加すること、さらに任意選択で、対象に生体物質を移植する前に過剰な当該薬剤を取り除くことが含まれ得る。
例えば、移植用の脂肪組織(例えば、幹細胞)に含まれる脂肪細胞および/または他の細胞の生存能力の改善は、ポロキサマーP188またはリポ酸などの膜安定化剤(MSA)または細胞保護剤と摘出した脂肪組織を混合することによって実現することができる。(例えば、国際PCT出願第PCT/US2009/005727号、および米国特許出願公開第2010/0104542号参照。それらの文献の内容は参照によりその全体が本明細書に援用される)。その装置は、任意選択で、フィルタ要素を有するプランジャメカニズムなどの物理的な力を用いて、または正圧もしくは負圧を用いて、摘出された生体物質の望ましくない成分(例えば、過剰な流体、血液、遊離脂質)から脂肪細胞の切り離しを行うことができる。力軽減型機構が、脂肪細胞に加えられる力/圧力の量を制限し、それにより、起こり得る物理的な損傷の量を制限するプランジャを備えることができる。チューメセント流体または遊離脂質などの不純物および/または流体を、保持マトリックス(例えば、吸収材料および/または吸着材料から構成されたマトリックス)を脂肪組織と接触させることによって脂肪組織から除去することもできる。
本発明の一部の態様によれば、生体物質を処理し、任意選択で移植する、例えば、生体物質を対象の植え込み箇所に注入する装置およびシステムが提供される。その装置は、典型的には、少なくとも1つの出口を有するチャンバと、そのチャンバ内に所定の閾値以下の正圧を発生させるように構成および配置された圧力発生デバイスとを含む。その正圧は、概して、生体物質がチャンバ内に存在する場合はその生体物質を出口を通して排出するのに十分であり、所定の閾値は、概して、出口から排出され対象の植え込み箇所に至った後の、組織植え込み片としての生体物質の生存能力が、それを超える圧力のときは比較的低くなるような圧力である。
本発明の一部の態様によれば、本明細書で開示する装置およびシステムは、生体物質を対象の植え込み箇所に注入する改良型の方法を提供する。したがって、処理済みの生体物質を対象の1以上の植え込み箇所に注入する方法が、本明細書で提供される。一部の実施形態では、その方法は、生体物質を装置のチャンバに装入することと、装置の圧力発生デバイスによりチャンバ内に所定の閾値以下の正圧を発生させて生体物質を出口を通して排出することとを含む。概して、所定の閾値は、出口から排出され対象の植え込み箇所に至った後の、組織植え込み片としての生体物質の生存能力が、それを超える圧力のときは比較的低くなるような圧力である。生存能力が低下すると、処理中または注入中に、生体物質、特に、細胞にかけられる比較的高い流速、圧力、注入速度、および/またはせん断応力によって組織または細胞の損傷が引き起こされる恐れがある。
本発明の他の態様では、生体物質を処理するシステムが提供される。そのシステムは、典型的には、対象からある位置で得られる脂肪組織を、典型的には、自家脂肪を対象に異なる位置に移送するための吸引脂肪として処理するために利用される。脂肪の処理および移送は、典型的には、美容のためにまたは再建術のために行われる。システムは、典型的には、少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を有するチャンバと、生体物質を少なくとも1つの入口を通してチャンバ中に移送し処理済みの生体物質を少なくとも1つの出口を通してチャンバの外に排出するように構成および配置された圧力発生デバイスとを含む。チャンバ内には典型的には少なくとも1つの保持マトリックスが存在する。この保持マトリックスは、典型的には、生体物質がチャンバ内に存在するときはその生体物質に接触して生体物質の成分(例えば、流体)が保持マトリックスに保持されるように構成および配置されている。そのシステムは、保持マトリックスに加えて、望ましくない成分を摘出された生体物質から除去するための様々な他の構成要素を含むことができる。例えば、そのシステムは、フィルタ、標的の抗原を引き離す抗原結合領域(例えば、細胞、可溶性タンパク質、成長因子)、および遊離基を引き離す酸化防止剤を含むことができ、生体物質に添加剤を送達する成分、例えば、膜安定化剤を含むこともできる。ある実施形態では、そのシステムは、必要に応じて使用できる複数の構成要素(例えば、フィルタ、端部部品、カニューレ、キャップ、保持マトリックス、チャンバ)を含むモジュール式のシステムである。
定義
「Approximately(約)」または「about(約)」は、ある数に関して用いられるときは、概して、別段の提示がない限り、またはその他の場合(例えば、こうした数が可能な値の100%を超えることになる場合)に文脈から明白でない限り、その数のいずれかの方向(その数よりも大きいかまたは小さい)の5%の範囲内に包含される数を含む。
「adipocyte(アディポサイト)」または「adipose cell(脂肪細胞)」は、脂肪酸を合成および/または貯蔵できる細胞を指す。その用語は、白色脂肪、黄色脂肪、および/または褐色脂肪内に存在するそれらの細胞を代表する特性を有するアディポサイトを含む。典型的には、アディポサイトは、脂質の形態でエネルギーを貯蔵し、ホルモン刺激に応答して貯蔵していたエネルギーを放出する。形態学的には、アディポサイトは、細胞核が変位し細胞質画分が薄い、膨張した細胞として現れてよい。アディポサイトは、以下の遺伝子のうちの1以上を表すことができる:アディポネクチン/Acrp30、FATP4、gアディポネクチン/gAcrp30、FATP5、クラスリン重鎖2/CHC22、Glut4、FABP4/A−FABP、レプチン/OB、FATP1、PPARガンマ/NR1C3、FATP2、またはPref−1/DLK−1/FA1。別段の指定がない限り、用語、アディポサイトには、脂肪芽細胞、成熟アディポサイト、前アディポサイト、および脂肪生成幹細胞が含まれる。
「adipose tissue(脂肪組織)」は、本明細書では、アディポサイトまたは脂肪を含む組織を指す。典型的には、脂肪組織には、体脂肪、蓄積脂肪、および/またはアディポサイトとの疎性結合組織が含まれる。脂肪組織は、白色脂肪、黄色脂肪、および/または褐色脂肪を含むことができる。用語、脂肪組織は、吸引脂肪によって得られた組織およびその成分も含む。脂肪組織は、本明細書で説明する方法、装置、およびシステムによって未処理でも処理済みでもよい。脂肪組織は、アディポサイトの他に、間質細胞、内皮前駆細胞、幹細胞、および他の前駆細胞を含む複数回再生性の細胞タイプを含有することができる。用語「adipose tissue(脂肪組織)」は「fat tissue(脂肪組織)」と同義で用いることができる。
「Biocompatible(生体適合性)」は、使用する量の細胞に対して実質的に無害であり、さらに、使用する位置では受容者の体にひどく有害または不都合な影響、例えば、許容できない免疫反応または炎症反応を誘発せず、引き起こさない物質を指す。
「lipoaspirate(吸引脂肪)」は、本明細書では、脂肪吸引によって対象から取り出した脂肪組織および流体を含む混合物を指す。吸引脂肪は、脂肪吸引手順中に用いられるチューメセント流体を含有することがある。したがって、吸引脂肪は、リドカイン(もしくは他の局所麻酔薬)および/またはエピネフリン(もしくは他の関連のホルモン)を含有することがある。
「Membrane stabilizing agent(MSA)(膜安定化剤)」は、本明細書では、細胞膜を安定させて外傷を防止する薬剤を指す。MSAは、低温保存した細胞の膜を、例えば解凍後にシールおよび/または安定化し、その結果、低温保存した細胞の解凍後の生存能力を改善する薬剤を含む。MSAはまた、脂肪組織の処理中の、例えば、脂肪移植手順のための脂肪組織の処理中のアディポサイトへの外傷を予防する薬剤も含む。典型的には、MSAは、細胞のリン脂質二重層と相互作用する非イオン性ポリマー、例えば、非イオン性ポリエーテルを含む。
「Stem cell(幹細胞)」は、本明細書では、適当な条件下でより分化した細胞を誘発する任意の細胞を指す。用語「Stem cell」は、全能性幹細胞、万能性(pluripotent)幹細胞、多能性(multipotent)幹細胞、少能性(oligopotent)幹細胞、および分化単能幹細胞を含む。用語「Stem cell」はまた、例えば、(通常iPS細胞すなわちiPSCと称される)人工多能性幹細胞などのように書き換えられた細胞(例えば、成体の体細胞)も含む。幹細胞の非限定的な例には、間葉幹細胞、造血幹細胞、間質細胞、および脂肪由来の幹細胞が含まれる。幹細胞は、自己再生性できること、組織(例えば、脂肪組織)を再生できること、分化した細胞(例えば、アディポサイト)を誘発できること、および/または様々な実験システムにおいてコロニー形成単位を生成できることを特徴としてもよい。
「Subject(対象)」は、本明細書では、例えば、実験、診断、および/または治療のために薬剤がそこに送達される個体を指す。好ましい対象は、哺乳動物、例えば、ブタ、マウス、ラット、イヌ、ネコ、霊長目、またはヒトである。ある実施形態では、対象はヒトである。動物は、任意の発達段階でオスでもメスでもよい。ある実施形態では、対象は、マウスまたはラットなどの実験動物である。医師または他の医療サービス提供者の看護下の対象は、「patient(患者)」と呼ぶこともある。
後で再利用する生体試料、例えば、脂肪組織を収集する装置の非限定的な実施形態を示す。 手動のプランジャ機構を有するフィルタ装置の非限定的な実施形態を示す。 摩擦界面を有するプランジャ機構の非限定的な実施形態を示す。 生体物質(例えば、脂肪細胞または脂肪組織)を膜安定化剤と接触させる装置の非限定的な実施形態を示す。 吸収材料を含む保持マトリックスと生体物質を接触させる装置の非限定的な実施形態を示す。 生体物質を対象に移植する装置の非限定的な実施形態を示す。 装置のチャンバの有効体積を変更し、濾過を促進し、かつ/または生体物質との様々な薬剤の混合を可能にする、プランジャ機構を2つ備えた、生体物質を処理する装置の非限定的な実施形態を示す。 吸引脂肪処理システムの非限定的な実施形態を示す。 吸引脂肪処理システムの非限定的な実施形態を示す。 吸引脂肪処理チャンバの非限定的な実施形態を示す。 吸引脂肪処理チャンバの入口キャップの非限定的な実施形態を示す。 吸引脂肪処理チャンバの出口キャップの非限定的な実施形態を示す。 吸引脂肪処理チャンバの断面図の非限定的な実施形態を示す。 多段式吸引脂肪処理システムの非限定的な実施形態を示す。 多段式吸引脂肪処理システムの非限定的な実施形態を示す。 吸引脂肪処理チャンバの非限定的な実施形態を示す。 脂肪親和性の領域および親水性の領域を有する保持マトリックスを備えた吸引脂肪処理チャンバの非限定的な実施形態を示す。 生体物質を対象に注入する装置の非限定的な実施形態を示す。 生体物質を対象に注入する装置の非限定的な実施形態を示す。 生体物質を対象に注入する装置の非限定的な実施形態を示す。 吸い込みシリンジマノメータ一式の非限定的な実施形態を示す。 16ゲージの血管カテーテルのマノメータ一式を有する注入シリンジの非限定的な実施形態を示す。 吸い込みシリンジの圧力のグラフを示す。 吸い込みシリンジの圧力の曲線を示す。 小葉の重量に対する吸引圧力の影響を実証する。 脂肪組織の組織構造に対する吸引圧力の影響を実証する。 脂肪組織の組織構造のスコアに対する吸引圧力の影響を実証する。 カテーテルまたはシリンジを通して注入した脂肪組織からの注入圧力の示度の影響を実証する。 小葉の重量に対する注入圧力の影響を実証する。 脂肪組織の組織構造に対する注入圧力の影響を実証する。 脂肪組織の組織構造のスコアに対する注入圧力の影響を実証する。
本発明は、摘出した脂肪組織、吸引脂肪、脂肪細胞、幹細胞、または他の細胞、組織、もしくは生体成分などの生体物質の質および/または生存能力を改善する方法、システム、および装置に関する。典型的には、処理済みの生体物質は、美容、再建術、および/または治療の目的で脂肪移植のために用いられる。生体物質は、例えば、自家脂肪移送手順、すなわち、物質を同じ対象から取り出して後でそれを戻す移送手順で用いることができる。一部の実施形態では、生体物質の質および/または生存能力は、膜補修剤/安定化剤などで生体物質を処置すること、ならびに/または、血球、遊離脂質、過剰な流体、および/もしくは過剰なMSAなど、生体物質の望ましくない成分を除去することによって改善される。生体物質は、1以上の望ましくない成分(例えば、遊離脂質、チューメセント流体、細胞残屑)を生体物質から除去するための1以上の段階を備えた本発明のシステムまたは装置を用いて処理することができる。当該成分を除去すると、特に組織植え込み片として使用するための、生体物質の質および/または生存能力が改善されることが分かっている。本発明はさらに、処理済みの、脂肪組織などの生体物質を移植する方法、システム、および装置に関する。組織植え込み手順における生体物質(例えば、脂肪組織)の処理または注入に関連する1以上の条件(例えば、圧力、速度、またはせん断応力)を制御する方法、システム、および装置が提供されており、それにより、植え込み片の質が改善される。
本発明の装置またはシステムによって処理される生体物質は、多くの場合、対象から得られる吸引脂肪または脂肪組織である。典型的には、処理済みの生体物質は、アディポサイト、脂質生成細胞、間葉細胞、および/または幹細胞を含む脂肪組織またはその成分を含む。通常、処理済みの生体物質は、1以上の望ましくない成分がそこから除去された生体物質である。それらの成分は、保持マトリックスに保持されること、フィルタを通り抜けること、抗原結合剤と境界を接すること、酸化防止剤で捕集すること、またはそれらの組み合わせによって除去することができる。
生体物質を処理する装置
生体物質を処理する装置が本発明のある態様において提供される。そのような装置は、とりわけ、後で再利用するために生体組織(例えば、脂肪組織)を処理するのに有用である。典型的には、それらの装置は、滅菌であり、無菌であり、外科的手順で使用するのに適している。その装置のチャンバおよび他の構成要素は、多くの場合、生体物質の汚染を避けるかまたは最小限に抑えるために、実質的に気密にシールされている。本発明の装置は、概して、望ましくない薬剤を除去するか、または薬剤(例えば、MSA)を生体物質に追加するための、生体物質および1以上の成分を収容するチャンバを含む。したがって、生体物質の処理を、チャンバ内の1以上の段階を通して行うことができる。
チャンバは、多くの場合に、少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を有する。典型的には、少なくとも1つの入口は、生体物質がチャンバに入るための通路を設け、少なくとも1つの出口は、処理済みの生体物質がチャンバから出るための通路を設ける。圧力発生デバイスを、チャンバ内に含むかまたはそれに連結することもできる。圧力発生デバイスは、典型的には、生体物質を入口を通してチャンバ中に移送し、処理済みの生体物質を出口を通してチャンバの外に排出するように構成および配置されている。
それらの装置はチャンバを含むことができ、そのチャンバは形状が(円形の断面を有する)円筒形であるが、他の形状を利用してもよい。チャンバは、さまざまな構成要素を、典型的には、チャンバ内に存在する生体物質の処理を促進する構成要素をチャンバに固定するためのねじ山部分または他の継ぎ手機構を一方の端部または両方の端部に備えることができる。使用できる他の継ぎ手機構には、例えば、圧力嵌めコネクタ、クランプなどが含まれる。チャンバ端部に着脱可能に取り付けられるように構成された端部部品(例えば、ネジ山付きのキャップ)と各チャンバ端部との間に漏出防止式および/または耐圧のシールを形成するために、Oリングまたは他のシーリング機構を設けることもできる。任意選択で、当該端部部品を、チャンバの端部に永久に固定してもよく、かつ/または他の端部部品に固定されるように構成してもよい。一構成では、チャンバが生体物質(例えば、吸引脂肪)収集用の入れ物として機能できるようにするコレクタキャップを設けることができる。
本発明の装置のチャンバは、チャンバ内に抽出され、貯蔵、処理、かつ/または処置される生体物質(例えば、脂肪組織)の体積に応じてどんな範囲のサイズで設けることもできる。例えば、チャンバの体積は、摘出かつ/または処置される生体物質(例えば、脂肪組織)の体積に応じて、数立方センチメートル(cc)から約1000ccの範囲、またはそれを超える体積とすることができる。例えば、ある実施形態では、チャンバの体積は、処置される脂肪組織の体積の約2倍から3倍である。当該過剰な体積により、本明細書で説明するように、膜補修剤または細胞保存剤を導入し、チャンバ内の生体物質(例えば、脂肪組織)と混合することが可能になる。チャンバは、任意選択で、その内部に収容された物質の量を示す体積測定表示を含むことができる。本明細書で説明するように、当該表示を用いて、処置または処理するための脂肪組織に加えられるMSA、細胞保護剤、または他の物質を含有する溶液の適切な量を決定することができる。一部の構成では、その装置は、複数のチャンバ、例えば、1個、2個、3個、4個、またはそれを超える数のチャンバを備える。
チャンバは、任意のアスペクト比、例えば、高さと幅の比、長さと幅の比を有することができる。例えば、チャンバの高さまたは長さは、チャンバの幅よりも大きくても、小さくても、それとほぼ同じサイズでもよい。様々なアスペクト比により、様々な実施形態においてある利点をもたらすことができる。例えば、ある構成では、高さ(または長さ)よりも幅の広いチャンバが、チャンバ内で処理する特定の体積の生体組織のためのより大きいフィルタ要素を収納することができる。ある構成では、チャンバのアスペクト比(高さと幅または長さと幅)は1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、または10:1でよい。チャンバの横断面の内径は、0.5cmから1cm、0.5cmから2cm、0.5cmから5cm、1cmから2cm、1cmから5cm、1cmから10cm、またはそれを超える範囲にあってよい。チャンバの横断面の内径は、約0.5cm、約1cm、約2cm、約3cm、約4cm、約5cm、約6cm、約7cm、約8cm、約9cm、約10cm、またはそれを超えてよい。チャンバの長さは、1cmから5cm、2cmから5cm、2cmから10cm、5cmから10cm、5cmから20cm、5cmから30cm、またはそれを超える範囲にあってよい。チャンバの長さは、約1cm、約2cm、約3cm、約4cm、約5cm、約6cm、約7cm、約8cm、約9cm、約10cm、約15cm、約20cm、約25cm、約30cm、またはそれを超えてよい。
ある構成では、生体物質(例えば、脂肪細胞(アディポサイト)などの脂肪組織またはその成分)が、処理されながら単一のチャンバ内に維持され、チャンバの各端部は、様々な端部部品をそれに固定するネジ山付き継ぎ手機構または他の取り付け機構を備える。例えば、チャンバは、容器を形成するように遠位端に不浸透性のキャップの形態の端部部品を備えることができる。摘出した脂肪組織を、任意の適切な技法を用いてさらに処理するためにチャンバ内に配置することができる。ある構成ではホースまたはチューブを含む収集キャップがチャンバの近位端に固定されている。収集キャップは、生体物質(例えば、吸引脂肪)が摘出されながらチャンバ中に向けられるように、例えば、脂肪吸引ホースと連絡している。複数の入れ物間または容器間で生体物質を移送する必要性を低減するかまたは無くすことにより、物理的な損傷を受ける量が削減され、処理効率が上昇し、物質のロスが減少し、かつ/または汚染の可能性が低下する。
本発明の装置のチャンバは遠心分離で使用されるように構成してもよい。ある構成では、遠心分離によって分離したチャンバ内の生体物質の画分(例えば、油、下澄み)を簡単にチャンバから除去することができる。チャンバを遠心分離機に配置しチャンバ内に存在する生体物質の画分を切り離すように回転できるように、端部部品(例えば、堅固なキャップ)を、チャンバの一方の端部または両方の端部に固定してもよい。生体物質の画分が遠心分離によって分離した後で、フィルタ機構、保持マトリックス、または他のデバイスを収容する端部部品を、例えば、流体または遊離脂質など、分離した成分を有するチャンバの端部に固定することができる。圧力送達機構(例えば、プランジャまたはガスホース)を含む端部部品を、チャンバのもう一方の端部に固定することができ、そこでは、その圧力送達機構を用いて(例えば、プランジャを押し下げることができるか、またはガスホースに加圧することができ)、分離した画分をフィルタ、保持マトリックス、または他のデバイス中に押しやることができる。
チャンバおよび容器の遠位端にあるさらなるプランジャに取り付け可能になるように構成された容器を含む端部部品を設けてもよい。さらなるプランジャは、平行移動させるときにチャンバ内の有効体積を変更するように構成することができる。さらなるプランジャをチャンバの一部として形成することができるか、またはチャンバの端部に固定できる着脱可能な端部部品として設けることができる。
フィルタ
本発明の装置は、機械式の濾過および/または他の処理を用いて、チャンバ内に配置した脂肪組織または他の生体物質から不純物を除去するために使用することができる。不純物には、例えば、過剰な流体、遊離脂質、血球、細胞残屑、細胞外物質、およびある効果を実現するために生体組織または生体物質に追加できるある薬剤または溶液のうちの過剰な量が含まれ得る。当該不純物の除去を促進するために、装置は、典型的には、少なくとも1つのフィルタを備える。そのフィルタは、生体物質の廃棄物画分がフィルタを通り抜けるように、生体物質が装置のチャンバ内に存在するときはその生体物質に接触するように構成および配置されている。チャンバの少なくとも1つの出口は、概して、フィルタを通り抜けない生体物質がチャンバから排出可能になるように構成および配置されている。生体物質の段階的な濾過を可能にするようにフィルタを複数設けることができる。装置は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれよりも多くのフィルタを含むことができる。
多くの場合に、フィルタを出る廃棄物画分(濾過液)が廃棄物出口ラインを通って排出されるように、チャンバと流体連結した廃棄物出口ラインが少なくとも1つ設けられる。場合によっては、廃棄物出口ラインは、フィルタの洗浄を促進するためにフィルタを通ってチャンバ中に流動可能にするように構成および配置されている。逆流を可能にすることによって、フィルタを詰まらせることになるフィルタにひっかかった物質を除去することができる。それにより、チャンバを分解することなくフィルタを洗浄することが可能になる。しかし、場合によっては、フィルタをチャンバから取り外して洗うことによって洗浄してもよい。したがって、一部の構成では、フィルタは着脱可能であり交換可能である。
フィルタは任意の様々な形状およびサイズであってよい。フィルタをディスク、環状のリング、円筒形、中空の円筒形、シート状などの形状にしてもよい。フィルタの有効細孔サイズは、約1μmから約5mm、約1μmから約1mm、約1μmから約100μm、約1μmから約50μm、約10μmから約50μm、約20μmから約50μm、約50μmから約500μm、約100μmから約500μm、または約100μmから約1mmの範囲にあってよい。フィルタの有効細孔サイズは、約1μm、約5μm、約10μm、約20μm、約50μm、約100μm、約250μm、約500μm、約1mm、約2.5mm、約5mm、またはそれよりも大きくてよい。
フィルタの有効細孔サイズはフィルタ全体にわたって比較的一様とすることができる。あるいは、フィルタの有効細孔サイズは位置に応じて変えてもよい。例えば、フィルタの有効細孔サイズは、チャンバ上流のある位置では比較的粗く、チャンバ下流のある位置では比較的細かくすることができる。したがって、上流では生体物質内の比較的大きい不純物がフィルタを通り抜けることができ、下流では生体物質内の比較的細かい不純物しかフィルタを通り抜けることができない。例えば、フィルタの有効細孔サイズは、チャンバ上流のある位置では約50μmから約100μmの範囲にあり、チャンバ下流のある位置では約1μmから約50μmの範囲にあってよい。
脂肪組織が生体物質である、ある実施形態では、フィルタの特性は、チャンバ内に脂肪細胞を保持しチャンバ内の脂肪組織に圧力が加えられるときに液体および小さい不純物がフィルタを通り抜けできるように選択される。例えば、典型的な脂肪細胞のサイズは約60と約100ミクロンの間である。したがって、ある実施形態では、フィルタの細孔または通路の有効サイズは約20ミクロンと約50ミクロンの間である。当該細孔のサイズにより、脂肪細胞および脂肪組織の小滴をチャンバ内に保持しながら、液体および血球などの小さい不純物がフィルタを通り抜け脂肪組織から除去されることが可能になる。脂肪細胞と除去される特定の不純物または薬剤との相対的なサイズに基づいて、他の有効細孔サイズを有するフィルタを用いることができ、ここで、細孔サイズは、好ましくは、平均または最小の脂肪細胞サイズよりも小さく、除去される不純物のサイズよりも大きい。
フィルタは任意の1以上の様々な異なる生体適合性物質から構成されてもよい。例えば、フィルタは、セラミック、ガラス、シリコン、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、チタン合金、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、および他のポリマーのうちの1以上から構成されてもよい。フィルタは、フィルタを詰まらせる恐れがある、フィルタへの生体物質内に存在する成分の固着を防止するかまたは最小限に抑える物質で被覆してもよい。
典型的には、チャンバの少なくとも1つの出口は、生体物質の廃棄物画分がフィルタから出た後にチャンバから排出されることを可能にするように構成および配置されている。生体物質が吸引脂肪であるときは、廃棄物は、脂質、血液成分、チューメセント流体、個々の細胞、および細胞の残屑のうちの少なくとも1つを含む。
吸着材料で被覆または加工されたフィルタまたは薬剤をまた、不純物を除去するために供給してもよい。遊離脂質、または使用する場合は脂肪親和性の過剰なMSAもしくは細胞保護剤を脂肪組織から吸着するために、例えば、脂肪親和性の物質を供給することができる。当該吸着剤をフィルタ内に供給することができる。本明細書で説明するように、吸収材料の代わりにまたはそれに加えて、吸着材料または吸着剤を用いることができる。本発明の実施形態に従って使用できる例示的な吸着剤および/または吸収剤には、限定されるものではないが、多糖(例えば、アガロースまたはカルボキシメチルセルロース)などのヒドロゲル、架橋PEG、ポリビニルアルコールもしくはその共重合体、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリアクリラート、および/またはその共重合体が含まれる。
圧力発生デバイス
本明細書で開示するように、1以上の圧力発生デバイスが、本発明の生体物質処理装置のチャンバ内に含まれるか、またはそれに連結されてよい。圧力発生デバイスは、典型的には、生体物質を入口を通してチャンバ中に移送させ、かつ/または処理済みの生体物質を出口を通してチャンバから外に排出するように構成および配置される。
一部の構成では、圧力発生デバイスはポンプである。そのポンプを、生体物質をチャンバ中に移送させ生体物質を出口を通して排出するように構成および配置することができる。その装置は、それらの構成では、典型的には、コントローラも含み、そのコントローラは、正圧を発生させるようにポンプを作動させる制御信号を生成するように構成および配置されている。その装置は圧力センサを含むこともでき、その圧力センサは、チャンバに流体連結されており、コントローラの入力端子に接続された電気的出力端子を含む。圧力センサは、チャンバ内で感知した圧力を示す電気信号をコントローラに提供する。コントローラは、感知した圧力に基づいて制御信号をポンプに送信する。
ある構成では、チャンバ用の端部部品は、圧力発生デバイスとして機能する手動プランジャメカニズムを含む。プランジャメカニズムは、ピストン本体に固定されたロッドを含むことができ、ピストン本体の外周は、実質的に、従来のシリンジの構造と同様のチャンバの内面に沿っている。プランジャを押し下げるとチャンバ内の圧力は上昇し、プランジャを引き上げるとチャンバ内の圧力は低下する。チャンバの下側端部に1以上の開口部が設けられる場合は、本明細書で説明するように、プランジャを押し下げると物質がチャンバから押し出され、プランジャを引き上げると物質がチャンバ中に押し込まれる。プランジャからの圧力を用いて、生体物質の他の成分(例えば、チャンバ内の大きい脂肪細胞または脂肪球)を保持しながら、不純物(例えば、細胞外流体、タンパク質、脂質、核酸、赤血球)をフィルタを通して押しやることができる。
一部の構成では、力軽減型プランジャ機構が用いられる。当該プランジャ機構はロッドを含み、そのロッドは、少なくとも部分的にスリーブの長手方向軸に沿って延在する開口部に嵌合するように構成されている。ピストン本体をスリーブの遠位端に固定するか、またはスリーブの一体部品として形成してもよい。ロッドおよびスリーブは、円形の横断面形状を有してもよく、他の横断面形状(例えば、六角形、八角形、正方形、または三角形)を有してもよい。ロッドがスリーブ中に部分的に挿入されているときは、ロッドの外面とスリーブの内面との間に、クラッチ機構、例えば、摩擦界面などを設けることができる。動作の際には、比較的小さい力でロッドを押し下げると、ロッドがスリーブの周囲部分を摩擦によって把持し力をピストン本体に伝達することが可能になる。当該動作は、プランジャの近位端に力を加えると、ピストン本体がチャンバ内に設けられた任意の物質を押圧する、従来のシリンジと同様の動作とすることができる。しかし、ロッドに加えられる力が所定の限度を超える場合は、ロッドがスリーブに対して滑動できるように摩擦界面を構成することができ、そのため、ロッドがスリーブにさらに入り、ピストン本体に力がさらに加えられることがない。このようにして、ピストンヘッドに伝えられる力の大きさ、したがって、プランジャがそれに取り付けられたチャンバ内の物質に加えられる圧力が制限される。当該力または圧力の値の制限は、ロッドとスリーブとの間の摩擦界面の特性およびピストン本体のサイズに基づいて決定することができる。このようにして、単純な力軽減型「クラッチ」メカニズムをプランジャ機構内に設けて、プランジャを用いて過剰な力または圧力を加えることを防止することができる。所望の最大の力または圧力は、典型的には、プランジャが押し下げられて、例えば、チャンバの遠位端にあるフィルタを通して何らかの不純物が押し出されるときに、チャンバ内の脂肪細胞または他の細胞に損傷を引き起こす可能性を避けるかまたは減らすように選択される。
ある構成では、チャンバの、任意選択で廃棄物カップを有するチャンバの遠位端にフィルタ機構を固定してもよい。圧力調整器で制御された、与圧ガス(例えば、空気、N)などの圧力源を、コレクタキャップのホースと連通させた状態で設けてもよい。このようにして、脂肪細胞を損傷させる恐れがある過剰な圧力を加えることを避けながら、与圧ガスを用いて、チャンバ内の圧力を制御可能に上昇させフィルタを通る不純物の排除を促進する。さらなる実施形態では、ガスは、処置される脂肪細胞の生存能力をさらに改善できる酸素などの成分を含んでもよい。
他の実施形態では、フィルタまたはバリアを含むチャンバには端部部品が設けられており、そのチャンバは、フィルタ/バリアを横切って浸透勾配が生じ、そのため、力学的圧力の代わりにまたはそれに加えて浸透圧勾配に応答して流体がチャンバから廃棄物カップに、またはその逆に流れるように配置されている。
保持マトリックス
典型的には、チャンバは保持マトリックスを1以上収容し、その保持マトリックスは、生体物質がチャンバ内に存在するときはその生体物質に接触して、生体物質の画分が保持マトリックス内に保持されるように構成および配置されている。保持マトリックスは、通常、生体物質からの成分を保持する1以上の材料から構成される。このようにして、保持マトリックスは、1以上の望ましくない成分を生体物質から除去するメカニズムを提供する。典型的には、チャンバの少なくとも1つの出口は、保持マトリックス内に保持されていない生体物質をチャンバから排出可能にするように構成および配置される。
保持マトリックスを、生体物質からの脂質を保持する脂肪親和性のマトリックス(または疎水性のマトリックス)から構成することができる。脂質画分の保持は、マトリックスの性質および生体物質内に存在する脂質の組成に応じて、脂肪親和性のマトリックスへの脂質の吸着、脂肪親和性のマトリックスへの脂質画分の吸収、または当該保持メカニズムの組み合わせから起きることが可能である。例えば、ある脂質は、マトリックスに吸着することができ、一方で、ある他の脂質をマトリックスによって吸収することができる。一部の脂質を、吸着および吸収の両方によって保持することができる。脂質には、脂肪組織などの生体物質に存在するかまたは一般に含まれる、遊離脂質、リン脂質、ステロール、脂溶性ビタミン、脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、または他の任意の脂質成分が含まれてよい。(脂質そのものでもよく、そうでなくてもよい)添加剤(例えば、過剰な添加剤)の成分は、脂肪親和性のマトリックスに吸着するかまたはそれによって吸収されてもよい。一部の例では、脂肪親和性のマトリックスは、多糖、架橋ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールもしくはその共重合体、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリアクリラートまたはその共重合体を含む。
保持マトリックスは、生体物質からの水を吸収および保持する親水性マトリックスから構成してもよい。したがって、親水性マトリックスはヒドロゲルとして機能することができる。親水性マトリックスは無毒性の浸透性物質から構成してもよい。親水性マトリックスは、ヒアルロン酸、炭水化物、ゼラチン、アルギン酸塩、メチルセルロース、またはヒドロキシメチルセルロースを含んでもよい。
保持マトリックスの保持特性はチャンバ内の位置に応じて変えることができる。例えば、保持マトリックスは、チャンバ内の上流の位置では脂肪親和性とし、チャンバ内の下流の位置では親水性とすることができる。あるいは、保持マトリックスは、チャンバ内の上流の位置では親水性とし、チャンバ内の上流の位置では脂肪親和性(例えば、疎水性)とすることができる。このようにして、保持マトリックスは、生体のマトリックスからの様々なタイプの成分を保持することができる。場合によっては、保持マトリックスは、異なる保持領域の比較的一様の分布、例えば、脂肪親和性領域および親水性領域の一様の分布を含むことができる。複数の保持マトリックスがチャンバ内の様々な位置に存在してもよい。保持マトリックスは、例えば、HO、脂質、金属、MSA、血球を含む、生体物質の異なる成分を保持することができる。
チャンバの保持マトリックスおよび他の構成要素を含む装置またはチャンバ全体を使い捨てにしてもよい。場合によっては、チャンバおよびシステムは、1以上の構成要素部品に容易に分解されるように配置および構成されている。このようにして、システムは、容易に清掃することができ、システムの構成要素は、清掃後に容易に交換または再組み立てすることができる。したがって、保持マトリックスは、容易に着脱できない、チャンバの一体の構成要素とすることができる。あるいは、保持マトリックスは容易に着脱可能かつ交換可能であってよい。
保持マトリックスの使用によって、使用している場合は過剰なMSAまたは細胞保護剤を含む不純物をチャンバ内の脂肪組織から除去することができる。これは、例えば、保持マトリックスの吸収材料および/または吸着材料を脂肪組織と接触させることによって実現することができる。例えば、図示のようにチャンバの一端に固定できる保持キャップ内に吸水材料(例えば、ヒドロゲル)を供給することができる。チャンバをしばらくの期間着座させるかまたは優しく振動もしくは撹拌して、脂肪組織と吸収材料とを十分に接触させることができる。このような接触を十分な期間、例えば、最長5分、最長1分行った後で、吸収物質内に存在する吸収した水または他の不純物と共に、吸収材料を有する保持キャップをチャンバから取り外すことができる。この処理後、チャンバ内に脂肪細胞と共に残っている不純物は少なくなる。
ある実施形態では、生体物質の不純物を保持するためのより大きい筐体を形成するように、保持マトリックスを収容する筐体をチャンバの端部に固定することができる。フィルタを保持マトリックスと共に用いてもよい。フィルタおよび保持マトリックスは、任意選択で、互いにかつチャンバに固定できる別々の端部部品として設けるか、またはチャンバに固定された単一の端部部品として設けてもよい。次いで、(MSAまたは細胞保護剤を用いる場合はそれを含む)不純物を有する脂肪物質は、例えば、チャンバ/吸収材の筐体アセンブリを逆さまにすることによって保持マトリックスと接触することができる。保持マトリックスの表面積が比較的大きいことにより、生体物質と吸収材料との接触が改善されて、不純物の良好な吸収が促進される。
チャンバは、生体物質内に存在する標的の抗原を結合し引き離す抗原結合剤を1以上含んでもよい。抗原結合剤は、典型的には、固相担体に固定化されている。一部の構成では、抗原結合剤は、保持マトリックス(例えば、脂肪親和性のマトリックスまたは親水性マトリックス)に固定化する。他の構成では、抗結合剤は、別個の構造(例えば、チャンバの表面)またはマトリックスに固定化される。抗原結合剤は、具体的には細胞表面分子、細胞外マトリックス分子、または他の標的物に結合することができる。細胞表面分子は、赤血球、白血球、血小板、間質細胞、バクテリア、ウイルス、または他の標的物上に存在してもよい。通常、抗原結合剤の標的は生体物質の望ましくない成分である。抗原結合剤は、概して、抗体、またはその抗原結合フラグメントである。
チャンバはまた、生体物質内の遊離基を捕集する酸化防止剤を1以上含んでもよい。酸化防止剤は、チャンバ内の固相担体に固定化してもよい。一部の構成では、酸化防止剤は、保持マトリックス(例えば、脂肪親和性のマトリックスまたは親水性マトリックス)に固定化される。他の構成では、酸化防止剤は、別個の構造(例えば、チャンバの表面)またはマトリックスに固定化される。本発明で有用な酸化防止剤の例には、それらに限定されるものではないが、グルタチオン、ビタミンC、ビタミンE、またはカタラーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、もしくはペルオキシダーゼなどの酵素が含まれる。
添加剤リザーバ
そのシステムは、添加剤溶液を収容するように構成および配置されたリザーバを備えることもできる。添加剤溶液は、膜安定化剤(MSA)、成長因子、酸化防止剤、または本明細書で開示するかもしくはそうではなく当技術分野で知られた他の適切な添加剤を含んでもよい。MSAは、ポロキサマーP188などのポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールの形態のトリブロック共重合体でよい。リザーバは、典型的には、生体物質が保持マトリックスに接触する前にリザーバから生体物質への添加剤溶液の移送を可能にするように構成および配置されている。しかし、リザーバを、チャンバ内で処理するどの段階でも生体物質への添加剤溶液の移送を可能にするように構成および配置してもよい。典型的には、添加剤溶液は、ポンプまたは他の同様のデバイスを用いてリザーバからチャンバに移送される。場合によっては、保持マトリックスは、添加剤溶液の過剰な1以上の成分を吸着または吸収によって保持するように構成および配置されている。
摘出された細胞(例えば、アディポサイトなど)の損傷が存在する場合はそれを、例えば、ポロキサマーP188またはリポ酸などの膜安定化剤(MSA)または細胞保護剤と脂肪組織を混合することによって補修または防止することができる。細胞の生存能力を改善するために使用できるMSAまたは細胞保護剤は、例えば、2009年10月21日出願の国際出願第PCT/US2009/005727号、および米国特許出願公開第2010/0104542号に記載されている。MSAまたは細胞保護剤を様々な手法でチャンバ中に導入することができる。例えば、MSAまたは細胞保護剤を、チャンバに予め装入するかまたはチャンバと連絡した溶液容器に加えた溶液中に供給することができる。あるMSAまたは細胞保護剤を、例えば、粉などの固体の形態で、または液体の(すなわち、溶液中ではない)形態で、供給することもできる。MSAまたは細胞保護剤は、好ましくは、処置される細胞または組織の汚染を避けるために滅菌である。
ある実施形態では、生体物質とのMSAまたは細胞保護剤の混合を促進するために、チャンバの近位端上にキャップが設けられる。MSAまたは細胞保護剤の溶液を、MSAまたは細胞保護剤の溶液がフィルタを通ってチャンバ中に至るようにチャンバ/溶液容器アセンブリを逆さまにすることによって、チャンバ中に導入し、その中にある生体物質と混合することができる。あるいは、プランジャをチャンバから部分的に引き抜いて、MSAまたは細胞保護剤の溶液を、フィルタを通してチャンバ中に引き込むことができるように、チャンバの近位端にプランジャメカニズムを固定することができる。他の技法を用いてMSAまたは細胞保護剤の溶液をチャンバ中に導入することもできる。例えば、チャンバの一端に設けられた端部部品を取り外すことができ、特定の量のMSAまたは細胞保護剤の溶液をチャンバ中に注ぐことができる。
MSAまたは細胞保護剤の溶液を予め測定した量で供給することができる。例えば、P188がMSAとして用いられる場合は、10mg/ml水溶液(例えば、MSAを含むPBS溶液または他の緩衝液)で供給することができ、使用する溶液の体積は処置される脂肪組織の体積とほぼ同じである。チャンバ内の脂肪組織とMSAまたは細胞保護剤の溶液との混合物を、逆さますることや渦流を起こすことなどによって、優しく振動させ、後で混合することができ、かつ/またはMSAもしくは細胞保護剤を細胞と相互作用可能にするのに十分な時間着座させることができる。例えば、その混合物を約1分、約5分、約10分、約20分、またはそれよりも長い時間着座させることができる。より短い時間でもよい。場合によっては、その混合物を振動させて生体物質内の細胞とMSAまたは細胞保護剤との混合を改善することができる。
ある実施形態では、MSA、細胞保護剤、および/または他の処置/処理物質は、正常な体温未満かつ/または周囲温度(「室温」)未満の温度で供給される。あるいは、またはさらに、脂肪組織または他の細胞の導入の前および/または後に、細胞を収容するチャンバは冷却される。このようなより低い温度により、処理される細胞または組織の保存および生存能力をさらに促進することができる。
脂肪組織をMSAまたは細胞保護剤と十分に混合および/またはそれに曝露した後で、MSAまたは細胞保護剤は、任意選択で、生体物質から除去される。MSAまたは細胞保護剤に加えてまたはその代わりに他の物質、例えば、チャンバ内の細胞または他の生体物質に有益な効果をもたらすことができる任意の物質を、本明細書で説明するように使用することもできる。当該物質および/またはさらなる細胞保護剤もしくはMSAを、本明細書で説明する本発明の装置および技法に従って、組み合わせて用いてもよく、摘出された細胞もしくは組織を処置するために順次用いてもよい。
撹拌
そのシステムはさらに、生体物質がチャンバ内に存在する間にそれを撹拌するように構成および配置された撹拌デバイスを備えてもよい。一部の構成では、チャンバ内におけるまたはチャンバに入る前の生体物質の撹拌により、チャンバ内外への生体物質の動き、ならびに保持マトリックス、フィルタ、およびチャンバの他の構成要素との生体物質の接触が促進されて、生体物質の1以上の望ましくない成分の除去が促進される。撹拌デバイスは、生体物質との直接または間接的な接触である内部のかき回すまたは混合メカニズムでよい。撹拌デバイスは、振動デバイス、加振テーブル、または外部からの生体物質の撹拌に適した他の同様のデバイスなど、外部デバイスでもよい。
生体物質を処理する方法
生体物質を処理する方法が本明細書で提供される。その方法は、脂肪移植手順に特に有用である。例えば、美容または再建の目的で対象に移植するのに適した脂肪組織を作製するように、対象から得られる吸引脂肪をその方法を用いて処理することができる。その方法は、多くの場合に組織の植え込み片を用意するために使用され、典型的には、本明細書で開示するような適切な装置を得ることと、生体物質を(典型的には対象から)得ることと、装置の圧力発生デバイスがチャンバ入口を通して装置のチャンバ中に生体物質を移送し、処理済みの生体物質をチャンバからチャンバ出口を通して外に排出することとを含む。一部の構成では、生体物質をデバイス中に装入するために圧力発生デバイスは必要とされない。当該構成では、生体物質をチャンバに手で追加して(例えば、注いで)よい。この構成の圧力発生デバイスは、装置の1以上の処理段階を通した生体物質の移動を促進し、任意選択で、処理済みの生体物質を出口を通して排出することになる。
ある実施形態では、吸引脂肪は、装置を用いた通常の処理の前に遠心分離にかけられる。場合によっては、遠心分離の後に、油層および/または下澄み層が吸引脂肪から除去される。
装置の一部の構成では、本明細書で説明する端部部品および手順の任意の組み合わせを用いて、生体物質(例えば、脂肪組織)を収集、処置および/または処理することができる。個別の手順を、新鮮な吸収材料を有する複数の吸収材キャップを用いて異なる順序でかつ/または2回以上実行してもよい。使用する処理のタイプおよび回数は、処置される脂肪組織の量、脂肪細胞の所望の精製レベル、望まれるかまたは選択される脂肪細胞の膜の補修または他の処置の範囲、細胞または組織がそこから抽出された位置、移植位置など、様々な要因に基づくことができる。
本明細書で説明する様々な手順およびデバイスのうちのいずれかを用いて脂肪組織を処置した後で、処理済みの生体物質を対象に送達するための針、カテーテル、カニューレ、または他の適切な開口部を含む端部部品を、チャンバの遠位端に固定することができる。針、カテーテル、カニューレ、または他の適切な開口部を用いて、患者の体の1以上の特定の位置への処置済みの脂肪組織の移植を促進することができる。例えば、プランジャメカニズムを、チャンバの近位端に固定し、針、カテーテル、カニューレ、または他の適切な開口部を通して処置済みおよび/または処理済みの脂肪細胞を押しやるように使用することができる。このようにして、摘出した脂肪組織を、単一のチャンバを用いて処置および移植することができ、これは、脂肪細胞への損傷の量を減少させ、全体の生存能力を改善することができる。
生体物質を注入、移植、または移送する装置
植え込むための生体物質の質、一貫性、および生存能力が現行の装置と比べて改善されるようにする条件下で、生体物質を注入、移植、または移送する装置が提供される。その装置は、典型的には、少なくとも1つの出口を有するチャンバと、所定の閾値以下の正圧をチャンバ内に発生させるように構成および配置された圧力発生デバイスであって、その正圧は、生体物質がチャンバ内に存在する場合はその生体物質を出口を通して排出するのに十分である、圧力発生デバイスとを備える。その装置は、チャンバ内の圧力を測定するように構成および配置された圧力センサを含んでもよい。
概して、所定の閾値は、出口から排出され対象の植え込み箇所に至った後の、組織植え込み片としての生体物質の生存能力が、それを超える圧力のときは比較的低くなるような圧力である。生存能力の長さを、所望の組の生存能力条件を有する対照植え込み片試料、または所望の組の生存能力条件を表す1以上の過去の値と比較することができる。生存能力を、当技術分野でよく知られた方法で評価してもよい。例えば、生存能力を、(例えば、厚さ、体積、アディポサイト含有量、細胞の生存能力、または他の炎症パラメータの欠如による)植え込み片の保持長さおよび/または移植後の成長を移植後に1回以上査定することによって評価してもよい。植え込み片の生存能力を、脂肪植え込み片を受容した対象の審美的な概観を査定することによって定性的に評価してもよい。臨床上は、植え込み片の生存能力を、MRIまたは3D撮像による体積測定を用いて評価することもできる。脂肪を植え込む前に、自動細胞計数器を用いて生存能力を測定することができる。再度、植え込んだ後に1回以上評価を行ってもよい。例えば、顔面の1以上のしわを減らすかまたはなくすために植え込みを行った場合は、植え込み後の1以上の時点でしわが減ったことまたは明らかになくなったことを維持することは、十分な生存能力を示すことになる。植え込み片の厚さおよび質を、対象の植え込み片の質を経時的に判定するために超音波または他の手段などを用いたさらに定量的な他の方法によって評価することもできる。当業者なら、植え込み片の生存能力を査定するのに利用できる他の手法に精通しているであろう。
所定の閾値は、約2気圧、約3気圧、約4気圧、約5気圧、約6気圧、またはそれを超える気圧でよい。所定の閾値は、約2気圧から約3気圧、約3気圧から約4気圧、約2気圧から約5気圧、約2気圧から約6気圧、または約4気圧から約6気圧の範囲にあってよい。多くの場合に、所定の閾値は、それよりも高い圧力では出口から排出する生体物質の速度が所定の最大値を超えるような圧力である。例えば、所定の最大値は、約5cm/秒、約10cm/秒、約20cm/秒、約30cm/秒、約40cm/秒、約50cm/秒、約60cm/秒、約70cm/秒、約80cm/秒、約90cm/秒、約100cm/秒、約150cm/秒、約200cm/秒、約250cm/秒、またはそれを超えるものでよい。所定の最大値は、約5cm/秒から約20cm/秒、約10cm/秒から約50cm/秒、約20cm/秒から約100cm/秒、約50cm/秒から約200cm/秒、約50cm/秒から約250cm/秒、またはそれを超える範囲にあってよい。所定の最大値は約265cm/秒であってよい。正圧は、多くの場合に、出口から排出される生体物質の速度が約5cm/秒から約265cm/秒の範囲にあるように維持される。
一部の構成では、出口はチャンバの遠位端に配置されており、チャンバは近位端に開口部を備え、圧力発生デバイスは、チャンバ内でプランジャ機構が遠位端に向かって変位すると、チャンバ内の物質を排出するのに必要な正圧が発生するように近位端の開口部中を通ってチャンバ内に移動可能に配設されるように構成および配置されたプランジャ機構である。プランジャ機構は、一部の構成では、プランジャ機構を(例えば、手で)押し下げることによってチャンバ中に前進させることができる。プランジャ機構は、モータが回転するとプランジャ機構がチャンバの中にまたは外に前進するように、例えばプランジャ機構につなげられた電気モータを用いて自動で動作させることもできる。モータの動作は、チャンバ内の圧力が所定の閾値を確実に超えないようにするために、感知したチャンバ内の圧力に基づいて自動で制御することができる。
一部の構成では、プランジャ機構は、ロッドをピストンにつなげる力軽減型のクラッチ機構を備える。その力軽減型のクラッチ機構は、ロッドをピストンに機械的につなげる摩擦界面備えることができる。力軽減型のクラッチ機構を、プランジャ機構のロッドを遠位端に向けて押し下げることによってチャンバ内で生じる最大圧力を所定の閾値に制限するように構成および配置することができる。
その機構は、プランジャ機構を遠位端に向かって変位させるように構成および配置されたプランジャ変位デバイス(例えば、電気モータ、圧縮空気駆動装置、真空駆動装置)を備えてもよい。プランジャ変位デバイスは、プランジャ機構を遠位端に向かって所定の速度で変位させるように構成および配置してもよい。所定の速度は、生体物質を出口から排出しながらチャンバ内の正圧を所定の閾値以下にするプランジャ機構の変位速度でよい。その装置は、プランジャ変位デバイスがプランジャ機構を遠位端に向かって変位させる制御信号を生成するように構成および配置されたコントローラを含むこともできる。その装置は圧力センサを含むこともでき、その圧力センサは、感知した圧力に基づいて制御信号をプランジャ変位デバイスに送信するコントローラに、圧力センサが感知したチャンバ内の圧力を示す電気信号を供給するように、チャンバに流体連結されており、コントローラの入力端子に接続された電気出力端子を含む。
一部の構成では、処理済みの生体物質を注入する圧力発生デバイスはポンプである。そのポンプは、生体物質をチャンバ中に移送し生体物質を出口を通して排出するように構成および配置することができる。その装置は、これらの構成では、典型的には、正圧を発生させるようにポンプを作動させる制御信号を生成するように構成および配置されたコントローラも含む。装置は圧力センサを含むこともでき、その圧力センサは、チャンバに流体連結されており、コントローラの入力端子に連結された電気出力端子を含み、感知した圧力に基づいて制御信号をポンプに送信するコントローラに、感知されたチャンバ内の圧力を示す電気信号を供給する。
一部の構成では、チャンバの出力端子は、カニューレ(例えば、先のとがっていないカニューレ)またはカテーテルと流体連結されている。任意の適切なサイズを用いることができるが、カニューレまたはカテーテルは、典型的には、12、14、15、16、17、または18ゲージである。
チャンバは、概して、生体物質を1mlから1L収容するように構成および配置されている。しかし、ある範囲の体積のサイズを構築することができる。一部の構成では、チャンバは、1mlから1L、1mlから500ml、1mlから100ml、1mlから50ml、50mlから100ml、20mlから100ml、または0.5mlから1mlの範囲の体積の生体物質を収容するように構成および配置されている。
処理済みの生体物質、例えば、自家脂肪を植え込むための脂肪組織を移植する方法も提供される。典型的には、その方法は、本明細書で開示した方法のうちのいずれかに従って処理済みの生体物質を得ることと、処理済みの生体物質を対象に移植することとを含む。生体物質を注入、移植、または移送する方法は、本明細書で開示した装置のいずれか1つを得ることと、生体物質を装置のチャンバに装入することと、装置の圧力発生デバイスが所定の閾値以下の正圧をチャンバ内に発生させて生体物質を、出口を通して排出することとを含むことができる。多くの場合に、チャンバ内の圧力は、圧力が所定の閾値を確実に超えないように移植中にモニタリングされる。
典型的には、その方法は、本明細書で開示する方法のいずれかに従って処理済みの生体物質を獲得することと、処理済みの生体物質を対象に移植することとを含む。脂肪移送(植え込み)手順の場合は、処理済みの生体物質は、概して、脂肪組織またはその1以上の成分を含む。自家脂肪移送手順では、脂肪組織は、典型的には吸引脂肪として、対象から得られる、次いで、その組織は処理され、新しい位置において患者に注入される。生体物質は、対象の腹部、大腿部、側腹領域、または臀部領域から脂肪組織を抽出することによって、または対象の脂肪組織などの吸引脂肪を抽出することによって得ることができる。美容目的のためには、処理済みの生体物質は、多くの場合に、対象の鼻唇溝、唇、鼻顎領域、頬部、顎、額、下目瞼、または上目瞼の皮膚の下に移植される。
本明細書で開示した例示的な方法および装置を、主に処置または処理する脂肪組織(例えば、摘出された脂肪)に関して説明しているが、それらを本明細書で説明する例示的な処理手順のいずれかから利益を得る任意の生体物質と共に使用することができる。当該手順は、濾過および/または吸収/吸着によって、例えば、不純物またはある成分を除去することを含む。生体物質(例えば、脂肪組織または他の組織)を、本明細書で説明するMSAまたは細胞保護剤に加えて生体物質に有益または所望の影響を生み出すことができる任意の物質と組み合わせることができる。本明細書で説明する例示的な装置および方法を用いて生体物質と組み合わせた後で過剰な物質を除去することもできる。
キット
本明細書で説明する装置およびシステムを、摘出した脂肪組織、吸引脂肪、または他の生体物質を処置するキットとして提供することができる。そのキットは、使い捨て可能かつ/または滅菌可能にできるチャンバを1以上含むことができる。当該チャンバは、本明細書で説明するような様々なサイズ/体積で設けることができる。チャンバの端部に固定できる様々な端部部品を設けることができる。当該端部部品は、吸収材もしくは吸着材料または吸着剤を備えた収集キャップ、フィルタ、廃棄物カップ、キャップ、または容器、プランジャメカニズム、針、またはカニューレなどを含むことができる。当該端部部品を、サイズが異なるチャンバに固定されるように構成された様々なサイズで設けることができる。生体物質を処置または処理するある量の1以上のMSAまたは他の薬剤を供給することもできる。当該薬剤を、液体の形態で、例えば、純粋な液体、懸濁液、溶液、もしくは乳濁液として、または結晶もしくは粉末状の固体として、あるいは気体の形態で供給することができる。(1以上の)当該物質は、脂肪組織または他の生体物質を保持するチャンバに固定されるように構成できる定量吐出ボトルもしくは容器で、または1以上の容器で供給することができる。物質(例えば、MSAまたは細胞保護剤)は、摘出した脂肪組織の適切な体積などと共に使用する予め測定された体積の当該容器で供給することができる。
前述の事項は単に本発明の原理を例示しているだけである。説明した実施形態の様々な修正および組み合わせは本明細書の教示に鑑みて当業者には明らかであろう。したがって、本明細書で明示的に説明していないが、本発明の原理を実施し、したがって、本発明の精神および範囲に包含される多数の技法を当業者なら考案できることが理解されよう。本発明の例示的な実施形態を以下の実施例によってより詳細に説明する。これらの実施形態は、本発明の例示であり、当業者は例示的な実施形態に限定されないことを認識するであろう。
本明細書で説明する全ての参考文献は、本明細書で説明する目的のために参照により援用される。
実施例
実施例1:後で再利用するための生体試料、例えば、脂肪組織を収集する装置。
図1に、後で再利用するための生体試料、例えば、脂肪組織を収集する装置を示す。その装置は、形状が円筒形のチャンバを含む。チャンバはねじ山部分を備える。しかし、一方の端部または両方の端部に他の継ぎ手機構を用いることもできる。使用できる他の継ぎ手機構には、例えば、圧力嵌めコネクタ、クランプなどが含まれる。チャンバの各端部と、それに着脱可能に取り付けられるように構成された端部部品との間に漏出防止シールおよび/または耐圧シールを形成するために、Oリングまたは他のシーリング機構を設けることもできる。任意選択で、当該端部部品は、チャンバの端部に永久に固定することができ、かつ/または他の端部部品に固定されるように構成することができる。チャンバは、任意選択で、図1に示すように、内部に収容された物質の量を示すように体積測定表示を含むことができる。この実施例では、脂肪細胞(アディポサイト)が、処理されながら単一のチャンバ内に維持される。チャンバの端部がそれぞれ、様々な端部部品をそれに固定するネジ山付き継ぎ手機構または他の取り付け機構を備える。例えば、図1に示すように、チャンバは、容器を形成するように不浸透性のキャップの形態の端部部品を遠位端に備えることができる。任意の適切な技法を用いてさらに処理するために、摘出した脂肪組織をチャンバ内に配置することができる。ある実施形態では、ホースまたはチューブを含む収集キャップが、図1に示すようにチャンバの近位端に固定されている。
実施例2:手動のプランジャ機構を有するフィルタ装置。
別の例では、図2に示すように、図1に示すチャンバの遠位端にフィルタを固定することができる。例えば、図1に示すように、収集キャップが使用されている場合はそれを取り外し、プランジャメカニズムをチャンバの近位端に固定する。次いで、チャンバの遠位端が上にくるようにチャンバを逆さまにし、フィルタ機構をチャンバの遠位端に固定する。ある実施形態では、廃棄物カップが図2に示すようにチャンバに固定されるか、またはフィルタ機構および廃棄物カップが単一の構成要素として設けられる。手動のプランジャメカニズムを含む端部部品が、チャンバの近位端に固定される。
実施例3:摩擦界面を有するプランジャ機構。
本発明のある実施形態で使用できる例示的な力軽減型プランジャ機構を図3に示す。そのプランジャ機構はロッドを含み、そのロッドは、少なくとも部分的にスリーブの長手方向軸に沿って延在する開口部に嵌合するように構成されている。ピストン本体をスリーブの遠位端に固定するか、またはスリーブの一体部品として形成してもよい。ロッドおよびスリーブは、円形の横断面形状を有してもよく、他の断面形状(例えば、六角形、八角形、正方形、または三角形)を有してもよい。
図3に示すようにロッドがスリーブ中に部分的に挿入されているときは、ロッドの外面とスリーブの内面との間に、クラッチ機構、例えば、摩擦界面などを設けることができる。動作の際には、比較的小さい力でロッドを押し下げると、ロッドがスリーブの周囲部分を摩擦によって把持し力をピストン本体に伝達することが可能になる。この動作は、プランジャの近位端に力を加えると、例えば、図2に示すように、ピストン本体がチャンバ内に設けられた任意の物質を押圧する、従来のシリンジと同様の動作とすることができる。
ロッドに加えられる力が所定の限度を超える場合は、ロッドがスリーブに対して滑動できるように摩擦界面を構成することができ、そのため、ロッドがスリーブにさらに入り、ピストン本体に力がさらに加えられることがない。このようにして、ピストンヘッドに伝えられる力の大きさ、したがって、プランジャがそれに取り付けられたチャンバ内の物質に加えられる圧力が制限される。当該力または圧力の値の制限は、ロッドとスリーブとの間の摩擦界面の特性およびピストン本体のサイズに基づいて決定することができる。このようにして、単純な力軽減型「クラッチ」メカニズムをプランジャ機構内に設けて、プランジャを用いて過剰な力または圧力を加えることを防止することができる。所望の最大の力または圧力は、典型的には、プランジャが押し下げられて、例えば、チャンバの遠位端にあるフィルタを通して何らかの不純物が押し出されるときに、チャンバ内の脂肪細胞または他の細胞に損傷を引き起こす可能性を避けるかまたは減らすように選択される。
実施例4:生体物質(例えば、脂肪細胞または脂肪組織)を膜安定化剤と接触させる装置。
摘出された細胞の損傷を、例えば、ポロキサマーP188またはリポ酸などの膜安定化剤(MSA)または細胞保護剤と脂肪組織を混合することによって補修または防止することができる。MSAまたは細胞保護剤を、チャンバに予め装入するかまたはチャンバと連絡した溶液容器に加えた溶液中に供給することができる。あるMSAまたは細胞保護剤を、例えば、粉などの固体の形態で、または液体の形態で、供給することもできる。図4に示す装置では、容器の上部は、チャンバの遠位端に固定されるように構成されており、任意選択で、チャンバと溶液容器との間にフィルタが設けられている。MSAまたは細胞保護剤は、好ましくは、処置される細胞または組織の汚染を避けるために滅菌である。
図4に示すように、チャンバの近位端上にキャップが設けられる。MSAまたは細胞保護剤の溶液は、MSAまたは細胞保護剤の溶液がフィルタを通り抜けてチャンバ中に至るように図4に示すチャンバ/溶液容器アセンブリを逆さまにすることによって、チャンバ中に導入され、その中にある脂肪組織と混合される。あるいは、図2に示すように、チャンバの近位端にプランジャメカニズムを固定することができる。チャンバ/溶液容器アセンブリを逆さまにし、プランジャをチャンバから部分的に引き抜いて、MSAまたは細胞保護剤の溶液をフィルタを通してチャンバ中に引き抜く。
実施例5:生体物質を吸収材料と接触させる装置。
使用する場合は過剰なMSAまたは細胞保護剤を含む不純物を、吸収材料および/または吸着材料を脂肪組織と接触させることによってチャンバ内の脂肪組織から除去することができる。例えば、図5に示すようにチャンバの一端に固定できる保持キャップ内に吸水材料を供給することができる。次いで、チャンバをしばらくの期間着座させるかまたは優しく振動もしくは撹拌して、脂肪組織と吸収材料とを十分に接触させることができる。このような接触を十分な期間(例えば、3秒から5分)行った後で、吸収物質内に存在する吸収した水または他の不純物と共に、吸収材料を有する保持キャップをチャンバから取り外すことができる。当該処理の後には、チャンバ内に脂肪細胞と共に残っている不純物は少なくなる。
図5に示すキャップは、図2に示す廃棄物カップと同様の吸収材の筐体を設けるような細長い形態のものでよい。吸収材の筐体の内面の少なくとも一部分は吸収材料を備える。(例えば、中心フィルタを有するまたは有しない、図2に示す筐体と同様の)より大きい筐体を形成するように、吸収材の筐体をチャンバの遠位端に固定することができる。あるいは、フィルタが吸収材の筐体と共に用いられる。フィルタ要素および吸収材の筐体は、任意選択で、互いにかつチャンバに固定できる別々の端部部品として設けられるか、またはチャンバに固定された単一の端部部品として設けられる。次いで、(MSAまたは細胞保護剤を用いる場合はそれを含む)不純物を有する脂肪物質は、例えば、チャンバ/吸収材の筐体アセンブリを逆さまにすることによって吸収材料と接触する。吸収材の筐体の内面の面積が比較的大きいことにより、脂肪組織と吸収材料との接触が改善されて、脂肪組織からの不純物の良好な吸収が促進される。当該構成により、吸収材の容器に供給できる吸収材料の量がより多いことによって、より多くの量の不純物(例えば、流体、大量のMSAまたは細胞保護剤の溶液)の吸収も促進される。処理済の脂肪組織を、図6または図10に示すような装置を用いて対象の植え込み箇所に注入することができる。
実施例6:生体物質を処理するデュアルプランジャ装置
図7に、装置のチャンバの有効体積を変更し、濾過を促進し、かつ/または生体物質との様々な薬剤の混合を可能にする、デュアルプランジャ機構を備える装置を示す。容器の遠位端で(すなわち、チャンバまたは別の端部部品に取り付けられるように構成された、近位端の反対の容器の遠位端で)チャンバおよび他のプランジャ機構または他の同様の機構に取り付け可能になるように構成された容器を含む端部部品が設けられる。他のそのプランジャは、平行移動するときに容器の有効体積を変更するように構成することができる。他のそのプランジャは、容器の一部として形成することもでき、または図7に示す上側の端部部品/プランジャ機構と同様の、チャンバの端部に固定できる着脱可能な端部部品として設けることもできる。容器は、図7に示すように、容器とチャンバとの間に位置する、フィルタまたは他の拘束的であるが透過性のバリアを含むこともできる。
図7に示す装置は、容器からチャンバに、またはその逆に、液体または流体の導入および/または除去を促進するために用いることができる。例えば、部分的にチャンバ内に位置する第1のプランジャは押し下げられ、同時に、部分的に容器内にある第2のプランジャは引き抜かれる。このような「押したり引いたり」する動作により、チャンバ内の圧力を上昇させ容器内の圧力を低下させることができる。当該圧力差を用いると、ある量の流体がフィルタまたは他のバリアを通り抜けて容器中に押しやられる。プランジャの動きの方向を逆にすることによって、流体または液体は、容器からチャンバ中に押しやられる。ある実施形態では、2つのプランジャの動きは、例えば、それぞれのロッドを機械式継ぎ手で連結することによって連動する。他の実施形態では、一方のプランジャを押し下げるかまたは引き抜き、他方のプランジャをより自由にすることが可能である。そのような自由な動きは、単一のプランジャに力が加えられるときに容器からチャンバにまたはその逆に進む物質の体積を収納する。
容器は、チャンバ内の生体物質に加えられる、ある量のMSA、細胞保護剤、または他の流体もしくは液体物質を収容することもできる。容器は、チャンバに固定されるように構成された容器の端部の少なくとも一部分をカバーするフィルタまたは他の透過性バリアを備えることができる。当該フィルタの特性は、容器がチャンバの端部に固定されておりプランジャのうちの一方または両方に力が加えられるときに、大気圧未満の容器内の流体の漏出または溢出を防止するが流体をチャンバ中に導入できるように選択することができる。
貯蔵のために容器のフィルタ端部の上に着脱可能なフィルムまたはシートを設けることができる。当該フィルムはさらに、容器からの流体の漏出を防止し、かつ/またはフィルタおよび容器の内容物の無菌状態の維持を助けることができる。チャンバに容器を固定する直前に当該フィルムを剥がすかまたは別法で取り外すことができる。MSAが生体物質中に流れることができるように穴あけできるフィルムを設けることもできる。
例えば、本明細書で説明するように一方または両方のプランジャに力を加えることによって、図7に示す容器を、最初に空にし、フィルタを通してチャンバから除去される流体用の廃棄物容器として使用することができる。
実施例7:吸引脂肪処理システム。
図8Aに吸引脂肪処理システムを示す。そのシステムは、患者から得られた吸引脂肪を収集するための吸引脂肪容器を含む。吸引脂肪は、吸引脂肪入口を通って吸引脂肪容器に入る。吸引脂肪入口は、吸引脂肪容器から入口を流体的に切り離す入口バルブを備える。吸引脂肪容器は、添加剤ポートにも流体連結されており、その添加剤ポートは、添加剤ポートを吸引脂肪容器から流体的に隔離するバルブを備える。添加剤ポートは、吸引脂肪の処理を助けるかまたは処理済みの脂肪組織の生存能力を改善する様々な異なる添加剤を吸引脂肪に送達するために使用することができる。このシステムの構成要素はどれも切り離し可能または切り離し不能な連結部によってつなげることができる。
吸引脂肪容器は、吸引脂肪処理チャンバにも流体連結されている。その処理チャンバは、吸引脂肪の望ましくない部分をその中で除去する容器を提供する。吸引脂肪容器と吸引脂肪処理チャンバとの間に圧力発生デバイスがある。圧力発生デバイスは、吸引脂肪を吸引脂肪容器から引き込み、吸引脂肪をチェックバルブを通して吸引脂肪処理チャンバ中に押しやる。この構成のチェックバルブにより、吸引脂肪容器への処理済の吸引脂肪の逆流が防止される。
吸引脂肪処理容器は、吸引脂肪の望ましくない部分を隔離するのに有用ないくつかの異なる構成要素を備えることができる。一部の構成では、吸引脂肪処理チャンバは、吸引脂肪から血球、細胞残屑、遊離脂質、細胞外物質、および他の薬剤を除去するフィルタを含む。一部の構成では、濾過液をフィルタに通すためには、フィルタを通して濾過液を移動させるのに十分な正圧を吸引脂肪処理チャンバ内に発生させるように出口バルブを閉鎖し圧力発生デバイスを動作させることが好都合である。濾過液は、廃棄物用の空隙に進み、廃棄物出口バルブを通って処理チャンバから出、廃棄物容器に至る。したがって、濾過液は、細胞残屑、細胞外物質、および他の薬剤を含む吸引脂肪の様々な望ましくない部分を含む。
吸引脂肪処理チャンバは、吸引脂肪から遊離基を除去するための、例えば、保持マトリックス、固定化抗原結合因子、または酸化防止剤を含む他の構成要素を含むこともできる。
吸引脂肪処理システムは、処理済み脂肪組織容器も含み、その容器は、吸引脂肪を処理した後に残る脂肪組織を収集するために用いられる容器である。処理済みの脂肪組織は、多くの場合、美容または再建術のために対象への直接の注入に適している。
図8Bに、吸引脂肪処理システムの別の構成を示す。その構成は、吸引脂肪処理チャンバと流体連結された圧縮空気入口を備える。吸引脂肪入口および添加剤入口は内袋と流体連結されている。したがって、吸引脂肪および任意の添加剤は内袋内に収集される。そのシステムは、圧縮空気が内袋を囲繞して流体を吸引脂肪容器から吸引脂肪処理容器に向かって押し出すように構成されている。一部の構成では、圧縮空気は、吸引脂肪入口バルブおよび添加剤ポート入口バルブが閉じた状態で吸引脂肪処理チャンバに入り、したがって、流体は入口ラインを通って戻ることがない。あるいは、その入口ラインは、入口ラインへの吸引脂肪の逆流を防止するインライン式チェックバルブを備えることができる。
図8Cに、例示的な吸引脂肪処理チャンバの断面を示す。その吸引脂肪処理チャンバは、保持マトリックスと流体連結された入口ラインを備える。保持マトリックスは、例えば、親水性の物質および/または脂肪親和性の物質を含むことができる。保持マトリックスは、周囲のフィルタと接触している。フィルタは、不純物がフィルタを通り抜けて廃棄物用の空隙に至ることを可能にするように構成されている。吸引脂肪がチャンバを通って入口から出口に向かって移動するときに、吸引脂肪の望ましくない部分はマトリックス内に保持される。場合によっては、吸引脂肪の濾過を促進するために、十分な正圧が吸引脂肪処理チャンバ内で生じて濾過液がフィルタを通って廃棄物用の空隙に至ることを可能にするように出口バルブが閉じられる。廃棄物用の空隙内の濾過液は、出口キャップにある廃棄物出口によって吸引脂肪処理チャンバから取り出される。
図8Dおよび図8Eに、入口キャップおよび出口キャップの代替の図を示し、吸引脂肪処理チャンバの入口ポートおよび出口ポートを示す。
図8Fに、吸引脂肪処理チャンバの断面を示し、保持マトリックスがフィルタ構成要素内でそれに囲繞されておりフィルタ構成要素自体は廃棄物用の空隙に囲繞されている状態を示す。
実施例8:多段式吸引脂肪処理システム。
図9Aに、多段式吸引脂肪処理システムの非限定的な実施形態を示す。そのシステムは、添加剤チャンバと、保持マトリックスと、酸化防止剤/抗原結合チャンバと、フィルタチャンバとを含む。システムに入る吸引脂肪はまず添加剤チャンバに進み、その添加剤チャンバは、吸引脂肪から得られる処理済みの脂肪組織の生存能力を改善できる、膜安定化剤、酸化防止剤、および他の成分などの成分を追加するための添加剤ポートと流体連結されている。添加剤は添加剤チャンバ内の吸引脂肪に接触し、過剰な添加剤は添加剤チャンバから廃棄物用の空隙に出る。システムの第2の段階は保持マトリックスを備える。保持マトリックスは、吸引脂肪からの水および脂質(または他の脂肪親和性の分子)を保持するための、例えば、親水性物質または脂肪親和性物質を1以上含むことができる。システムの第3の段階は酸化防止剤チャンバまたは抗原結合チャンバを含む。そのチャンバでは、酸化防止剤および/または抗原結合因子は、固相担体に固定化されており、酸化防止剤の場合は、遊離基を吸引脂肪から引き離し、抗原結合剤の場合は、標的の1以上の抗原を吸引脂肪から引き離す。吸引脂肪処理システムの第4の段階は、吸引脂肪の1以上の望ましくない部分を除去するように構成されたフィルタを含む。望ましくない部分は、フィルタを通り抜け、濾過液としてフィルタ廃棄物ポートを通って出て廃棄物用の空隙に至る。
廃棄物用の空隙に存在する過剰な添加剤および濾過液は、廃棄物出口ポートを通ってそのシステムを出る。処理済みの吸引脂肪は、本質的に対象に注入するのに適した脂肪組織を含み、出口バルブを有するように構成された出口ポートを通って吸引脂肪処理システムを出る。対象に直接注入するのに適した処理済みの吸引脂肪は、(図9Aに示す)シリンジに直接加えることができる。あるいは、処理済みの吸引脂肪は、後で使用するためにまたは低温保存のために容器に保管することができる。
図9Bに、多段式吸引脂肪処理システムの代替の構成を示す。その構成は、吸引脂肪処理システムの様々な段階を貫通するコイル状のチューブを含む。コイル状の(1本または複数本の)有孔チューブは、システム全体を貫通してもよく、ある段階(例えば、添加剤段階およびフィルタ段階)にのみ存在してもよい。コイル状のチューブは、有孔の構成のものであり、添加剤チャンバ内の添加剤が吸引脂肪に自由に接触することができる。第2の段階では、吸引脂肪は、吸引脂肪のある望ましくない部分(例えば、水、遊離脂質)が保持される保持マトリックス中に直接潅流する。同様に、第3の段階では、吸引脂肪は、固定化した酸化防止剤および/または固定化した抗原結合因子に接触して、吸引脂肪の望ましくない部分のさらなる除去が促進される。第4の段階では、吸引脂肪は、フィルタに自由に接触することができ、それにより、濾過液がフィルタを通り抜けて廃棄物用の空隙に至ることが可能になる。
図9Cに、処理チャンバに入る吸引脂肪が複数の通路を下向きに移動する、吸引脂肪処理システムを示す。通路はそれぞれ、フィルタによって囲繞された保持マトリックスを備える。いずれかの保持マトリックスを通り抜ける吸引脂肪は、保持マトリックス内に保持される望ましくない部分を有する。吸引脂肪の一部分もフィルタを通り抜ける。典型的には、吸引脂肪処理チャンバの出口バルブは、濾過液をフィルタに通すために吸引脂肪内の圧力の発生を促進するように閉じられている。フィルタを通り抜けた濾過液は、廃棄物用の空隙に入り、廃棄物出口バルブを通って吸引脂肪処理チャンバから出る。処理済の吸引脂肪は、出口バルブを通って吸引脂肪処理チャンバから出、対象に注入するためにシリンジに直接加えられてもよく、あるいは、後で使用するためにまたは低温保存のために容器に保管されてもよい。
図9Dに、別の多重通路の吸引脂肪処理システムを示す。そのチャンバは、2段階の保持マトリックスを備え、そのマトリックスは、上流の脂肪親和性の部分および下流の親水性の部分を含む。脂肪親和性の部分では、脂質および他の脂肪親和性の分子が保持マトリックスに保持される。親水性の部分では、水および他の親水性の分子が保持される。濾過液は、フィルタを通り抜け、廃棄物用の空隙に入り、廃棄物出口を通ってシステムを出る。処理済の吸引脂肪を、対象に直接注入するためのシリンジまたは後で使用するためのもしくは低温保存のために容器に保管することができる。
実施例9:生体物質を対象に注入する装置。
図10A〜図10Cに、脂肪組織を注入する様々な装置を示す。図10Aの装置は、チャンバおよびピストン機構を有するように構成されている。チャンバは、対象に注入される脂肪組織を収容するように構成されている。装置は、出口を通して組織を装置の外に押しやる圧力をチャンバ内に発生させるように構成されたピストン機構を含む。その構成のピストン機構は、ピストン変位デバイスとして機能する駆動モータにつなげられている。駆動モータは、ピストン機構のシャフトの空隙内につなげられた駆動軸を回転させる。駆動軸が回転すると、ピストン機構が装置の遠位端に向かって変位し、それにより、チャンバの体積が減少する。駆動モータは、反対方向に回転して、ピストン機構を装置の近位端に向かって引き込むこともでき、それにより、チャンバの体積が増加する。
駆動モータは(図10Aに示す)バッテリによって電力供給されている。しかし、AC電力供給装置またはAC/DC電力供給装置を含む代替の電源を用いてよい。駆動モータの動作は、圧力センサに電気接続されたコントローラで制御されている。圧力センサは、チャンバ内の圧力を感知し、チャンバ内の圧力を示す電気信号をコントローラに連絡する。次いで、コントローラは、感知した圧力に応答して駆動モータを動作させる。その装置は、チャンバ内の圧力が所定の最大値以内になるような速度で駆動モータが確実に動作するように構成されている。このようにチャンバ内の圧力を制御することによって、脂肪組織が出口を通って出るときの速度および脂肪組織に与えられるせん断応力を、脂肪組織の適切な生存能力を確保するように制御することができる。コントローラは、1以上のユーザ入力を受信するように構成することもできる。例えば、ユーザは、セットポイント圧力を入力することができ、それにより、コントローラは、ユーザ指定のセットポイント圧力を維持するように駆動モータを動作させる。
図10Bに、機械制御されたピストン機構に装着された注入装置を示す。そのピストン機構は摩擦界面を含み、そこでは、ロッドが摩擦界面を介してスリーブに連結されている。摩擦界面は、ロッドを押し下げることによって発生させることができる最大の力を制限し、したがって、チャンバ内の最大圧力を制限するように配置および構成されている。チャンバ内の圧力をこのように制御することによって、脂肪組織が出口を通って出るときの速度および脂肪組織に与えられるせん断応力を、脂肪組織の適切な生存能力を確保するように制御することができる。
図10Cに、圧力センサおよび表示装置に装着された注入装置を示す。その装置は、ピストン機構を手で押し下げることによって動作することができる。その装置は、ユーザがチャンバ内で生じる圧力をモニタリングすることができ、チャンバ内で生じる圧力が所定の最大値を確実に超えないように、表示装置を有する圧力センサを含む。所定の最大値は、図10Bの装置と同様に、その圧力を超えると脂肪組織がチャンバの出口を出るときに望ましくない速度およびせん断応力がその脂肪組織に与えられる圧力である。
実施例10:自家脂肪の植え込み
概要
脂肪の植え込みは、近年、採取部位の罹患率が低いこと、合併症の割合が低いこと、回復時間が速いことにより、さらに一般化している。この研究では、本出願人は、ヌードマウスモデルのヒトの脂肪植え込み片に対する吸引圧力および注入圧力の役割を調べた。実験室において新鮮な脂肪層切除検体に標準的4mmカニューレでチューメセント脂肪吸引法を行った。吸い込み圧力は、−15インチHg(−0.5気圧)または−25インチHg(−0.83気圧)に設定した。吸引脂肪を1200Gで遠心分離機にかけ、その脂肪をヌードマウスの側腹部に16ゲージの血管カテーテルで注入した。手術室における新鮮な吸引脂肪を1200Gで遠心分離機にかけ、その脂肪をヌードマウスに低い注入圧力または高い注入圧力を用いて注入した。4週間後に、重量および組織構造について脂肪の小葉を分析した。吸引圧力に関しては、高い吸い込み圧力および低い吸い込み圧力では、重量および組織構造に明らかな違いは生じなかった。注入圧力に関しては、3ccシリンジでは、高速(3〜5ml/秒)の脂肪注入および低速(0.5〜1cc/秒)の脂肪注入は、それぞれ2744mmHg(3.61気圧)および549mmHg(0.722気圧)の圧力に達した(p<0.001)。低い注入圧力により、高い注入圧力に対して重量(p<0.001)が38%増加した。これは、組織構造サンプルも反映した。結論として、調査した条件下では、吸い込み圧力を変更しても生体内の脂肪植え込み片に影響はなかった。しかし、高い圧力で注入した小葉は、低い圧力で注入した小葉ほど機能しなかった。これらのデータにより、脂肪植え込み片の生存に重大な影響を及ぼすのは注入圧力であることが示されている。
実施例概論:
自家脂肪の植え込みはますます一般化している。自家脂肪の植え込みには、乳房増大術から片側顔面萎縮の治療まで様々な美容の用途および再建術の用途がある。その有用性にもかかわらず、脂肪の植え込みは、長期的な結果を予測できないことにより限定されている。これは、複数の手順を必要とし、その結果、患者へのリスクが高まる恐れがある。当該一貫性のない結果に寄与する要因の一つは、現在利用されている多種多様の脂肪植え込み技法である。自家脂肪の植え込みに関する改良された技法が必要である。この実施例では、本出願人は、脂肪の植え込みに対する吸引圧力および注入圧力の影響を調べた。
脂肪植え込み片の摘出は、従来の機械式の脂肪吸引または手持ち式のシリンジによる脂肪吸引のいずれかによって実行することができる。機械式の脂肪吸引では、ユーザが吸い込み圧力を制御することができ、その吸い込み圧力は摘出手順中ずっと一定のままである。手持ち式のシリンジによる脂肪吸引では、吸い込み圧力はユーザに応じて変わる。脂肪吸引によってシリンジが満たされると、真空が緩和され、ユーザは同じ吸い込み圧力を実現するのにプランジャをさらに引き戻さなければならない。本出願人は、摘出時の吸い込み圧力が高い場合または低い場合に植え込み片の生存に違いがあるかどうかを調べた。
注入圧力は複数の変数の影響を受けることがある。本出願人は、注入流速が、ユーザが制御できるパラメータであることを認識している。ポアズイユの法則によれば、流速が上昇すると圧力が比例して上昇する。本出願人は、脂肪植え込み片の生存に対する上昇した流速(および圧力)の影響を調べた。
この実施例では、小動物モデルの自家脂肪の植え込みにおける吸引圧力および注入圧力の役割を調べた。
物質および方法
吸引圧力
様々なシリンジ(3ml、10ml、60mlのシリンジ)を用いた吸い込み圧力の測定値を、マノメータ(Netech UniMano社)(図11)を用いて得た。捨てられた組織に関するIRBプロトコルを用いて新鮮な脂肪層切除検体を手術室から得た。標準的なチューメセント脂肪吸引法を、−15インチHg(−0.5気圧)または−25インチHg(−0.83気圧)の吸い込み圧力を用いた機械式脂肪吸引(Byron社)および標準的な4mmカニューレ(Mentor社)を用いて行った。次いで、実験室の吸引脂肪を1200Gで3分間、50mlの円錐形の遠心分離機チューブで遠心分離機にかけた。脂肪層を隔離し、1ミリメートルのアリコートをヌードマウスの皮下空間に、16ゲージの血管カテーテルを用いて低速注入で3mlシリンジを使用して注入した。4週間後に、動物は犠牲となり、脂肪小葉を分析のために摘出した。全ての動物実験は、承認された動物プロトコルによって説明されるプロトコルの下で行った。
注入圧力
捨てられた組織に関するIRBプロトコルを用いて、新鮮な吸引脂肪を、手術室から得、1200Gで3分間、50mlの円錐形の遠心分離機チューブで遠心分離機にかけた。承認された動物プロトコルの下で、1mlのアリコートを3mlシリンジを用いてヌードマウスの皮下空間に16ゲージの血管カテーテルを使用して注入した。動物は、低速注入のグループ(0.5〜1.0ml/秒)または高速注入のグループ(3〜5ml/秒)に階層化された。次いで、同じ血管カテーテルおよびシリンジのサイズを用いた高速注入および低速注入の圧力測定値を、マノメータ(図12)を用いて入手した。4週間後に、動物は犠牲となり、脂肪小葉を摘出した。
重量および組織構造
外植後に卓上重量計(Ohaus社)を用いて小葉を軽量した。それらの小葉を10%ホルマリンに24時間固定して、パラフィン包埋のために処理しヘマトキシリンおよびエオシンで着色した。光学顕微鏡(Nikon E600)を用いて倍率100倍で写真を撮った。盲検法による独立の研究者3人によって組織構造スコアを作成し各グループごとに平均化した。採点方法は、健康な脂肪、空胞、浸潤物、および繊維形成を評価する上記に記載した重量計に基づいている。各パラメータを以下の尺度に基づいて評価した:0=存在しない、1=最小範囲に存在、2=最小から中程度の範囲に存在、3=中程度の範囲に存在、4=中程度から広い範囲に存在、および5=広範囲に存在。空胞、浸潤物、および繊維形成に関するスコアを組み合わせて、外傷全体に関するスコアを形成した。
統計的解析
データは平均値+/−標準誤差としてとして表している。1要因分散分析を用いて実験グループ間の平均重量を比較した。統計上の有意性はp値<0.05で定義した。
結果
吸引圧力
3ml、10ml、および60mlシリンジの実現可能な最大の吸い込み(負)圧力は、それぞれ−0.81気圧、−0.92気圧、および−0.96気圧(図13および図14)であった。生体内では、−15インチHg(0.5気圧)対−25インチHg(0.83気圧)で吸い込まれた小葉の平均重量は、それぞれ0.64+/−0.03グラム(n=16)および0.59+/−0.06グラム(n=16)(p=0.462)であった。これらは統計的に有意ではなかった(図15)。組織構造の試験により、同程度の健康なアディポサイト、空胞、浸潤物、および繊維形成(図16)が実証された。さらに、これらのパラメータを採点すると、−15インチHgのグループ(n=4)と−25インチHgのグループ(n=3)との間に最小の差が生じた(図17)。
注入圧力
低速(0.5〜1.0ml/秒)および高速(3〜5ml/秒)で16ゲージの血管カテーテルによって注入した脂肪の圧力の示度は、それぞれ0.72気圧および3.61気圧であった(図18)。生体内では、低速および高速で注入された小葉は、平均重量がそれぞれ0.58+/−0.02グラム(n=32)および0.42+/−0.02グラム(n=30)であった(p<0.001)。これは、低速で注入した小葉の重量が38%多いことを示した(図19)。組織構造の外観も空胞、浸潤物、および繊維形成が少ないより健康なアディポサイトを実証した(図20)。これを、やはり、低速で注入した小葉(n=17)および高速で注入した小葉(n=13)において、健康なアディポサイトのスコアの大幅な上昇、ならびに外傷スコア(図21)の大幅な減少を実証する採点評価に反映させた。
考察
負の(吸引)圧力および正の(注入)圧力は、異なる2つの要素である。実現可能な圧力の極値は、ゼロ(すなわち、完全な真空または宇宙空間)から無限大(理論上)の範囲にある。海水面またはその近くでは大気圧は1気圧に等しい。シリンジ内で得られる負の(または正の)圧力は、シリンジの内部と外部との間の差である。したがって、シリンジ内部の圧力が0.75気圧に低下し外部の圧力が1気圧である(海水面)場合は、実現される負圧は−0.25気圧である。実現可能な絶対最小圧力はゼロなので、海水面で実現可能な最大負圧は−1気圧である。理論上の最大圧力はないのでこれは正圧には当てはまらない。したがって、圧力の変化は、脂肪注入時にさらに大きくなる場合がある。
第2の適用可能な原理は、手持ち式のシリンジによる脂肪吸引は主にボイルの法則に左右されることである。ボイルの法則によれば、
圧力×体積=圧力×体積
である。したがって、圧力変化は初期体積と最終体積との比に応じて変わる。シリンジのプランジャが目盛りゼロで開始する場合は、初期体積は(多くの場合1ml未満の)吸い込みカニューレ内の体積に等しい。この概念は、開始時の体積が同様でなければならないので、吸い込み圧力をマノメータで測定するときに重要である。マノメータとシリンジとの間に何らかの配管を導入すると、開始時の体積が不正確な結果を生み出すのに十分に増加する。様々なシリンジ(図13および図14)で実現された測定圧力は、その原理に従っており、本質的に体積変化に対してのみ変化した。実現可能な圧力の差は、最小であり、全て実現されたが−1気圧を超えなかった。
従来の手持ち式のシリンジによる脂肪吸引は、10mlシリンジに約1から2ml引き込むことによって実行される。本明細書で提示するデータは、脂肪吸引機に設定した−15から−20インチHgに概して等価であることを示している(図13)。
動物モデルでは、典型的な手持ち式シリンジの脂肪吸引圧力である−15インチHgおよび典型的な機械式脂肪吸引の圧力である−25インチHgでの脂肪摘出は、重量の差も組織構造の差も実証しなった(図15、図16、および図17)。これは、少なくとも脂肪植え込み片の生存能力に影響を及ぼすことを心配せずに高圧での機械式脂肪吸引を利用できるので、臨床上は妥当である。これは、多くの場合に、脂肪植え込み片の摘出のより簡単かつ効率的な方法とすることができる。
上記で言及したように、注入圧力は流速を含む多くの変数の影響を受け得る。16ゲージの血管カテーテルによって高速(3〜5ml/秒)で脂肪を注入すると、低速注入(0.5〜1.0ml/秒)の場合の5倍の圧力が生じる。我々の動物モデルでは、低速注入した脂肪植え込み片は、高速注入したものと比較すると重量が38%増加した。当該脂肪植え込み片も空胞、繊維形成、および浸潤物が少ない組織構造で健康に見えた。表1は、様々な流速およびカテーテルのサイズでの注入速度を概説する。
理論に縛られたくないが、注入圧力は脂肪植え込み片の生存に影響を及ぼすが吸引圧力は影響を及ぼさないという観測に寄与する可能な要因は、圧力効果がアディポサイトに対する直接的な外傷の影響を有し、それが最終的には細胞死および植え込み片の再吸収を引き起こすことである。これは、実現される最大の負圧が−1気圧であるが実現可能な最大の注入圧力がそれよりもずっと大きいということで説明することもできる。我々の実験では、高速注入の平均圧力は3.61気圧であった。したがって、吸い込み/吸引中よりも注入中に脂肪植え込み片にずっと大きい圧力を加えることが可能である。注入圧力、および結果として生じる速度およびせん断応力を最小限に抑えることによって、脂肪植え込み片への外傷を最小限に抑え、それにより、脂肪植え込み片の生存能力を改善することができる。
結論
吸い込み圧力/吸引圧力の変更は、検査した条件下では生体内の脂肪植え込み片に影響を及ぼさなかった。しかし、低圧で注入した小葉は、重量で38%増加し、組織構造の外観が改善された。当該データによれば、脂肪植え込み片の生存能力に大きく影響するのは注入圧力である。
本発明の少なくとも1つの実施形態のいくつかの態様をこのように説明してきたが、様々な変更形態、修正形態、および改善形態が当業者には簡単に思いつくであろうことを理解されたい。当該変更形態、修正形態、および改善形態は、本開示の一部であると意図され、本発明の精神および範囲内に包含されるものである。したがって、前述の説明および図面は、単なる例示によるものであり、本発明は、以下の特許請求の範囲で詳細に説明する。
本明細書で提示した本発明のある実施形態を、移植のための生存可能な脂肪細胞のサンプルを入手するために本質的に脂肪組織の処置および精製の観点から説明している。しかし、それらの実施形態を用いて他の組織または細胞(例えば、幹細胞)など、他の生体物質を処置または処理することができる。
クレームの要素を修正するためにクレーム中で「first(第1)」、「second(第2)」、「third(第3)」などの順序を示す用語を使用することは、それだけで優先順位、優先順序、別の要素に対するあるクレーム要素の序列、または方法の作用が実行される時間順序のいずれかを意味するものではなく、(順序を示す用語を使用する場合を除いて)ある名称を有するあるクレーム要素を同じ名称を有する別の要素から区別してクレーム要素を区別するために単に表示として用いられている。

Claims (70)

  1. 少なくとも1つの出口を有するチャンバと、
    前記チャンバ内に所定の閾値以下の正圧を発生させるように構成および配置された圧力発生デバイスであって、前記正圧が、生体物質が前記チャンバ内に存在する場合はその生体物質を前記出口を通して排出するのに十分であり、前記所定の閾値が、前記出口から排出され対象の植え込み箇所に至った後の、組織植え込み片としての生体物質の生存能力が、それを超える圧力のときは比較的低くなるような圧力である、圧力発生デバイスと
    を備える装置。
  2. 前記正圧が、前記出口から排出される前記生体物質の速度が最大約265cm/秒になるように維持される、請求項1に記載の装置。
  3. 前記正圧が、前記出口から排出される前記生体物質の流速が3ml/秒未満になるように維持される、請求項1に記載の装置。
  4. 前記所定の閾値が4気圧である、請求項1または2に記載の装置。
  5. 前記出口が前記チャンバの遠位端に配置されており、
    前記チャンバが近位端に開口部を備え、
    前記圧力発生デバイスが、前記チャンバ内で前記プランジャ機構が前記遠位端に向かって変位すると前記正圧が発生するように前記開口部中を通り前記チャンバ内に移動可能に配設されるように構成および配置されたプランジャ機構である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
  6. 前記プランジャ機構が、前記プランジャ機構のロッドを前記遠位端に向かって押し下げることによって前記チャンバ内に発生する最大圧力を前記所定の閾値に制限するように構成および配置された力軽減型のクラッチ機構を備え、前記力軽減型のクラッチ機構が、ロッドをピストンに機械的につなげる摩擦界面を有する、請求項5に記載の装置。
  7. 前記生体物質を前記出口から排出しながら前記チャンバ内の正圧を前記所定の閾値以下にする速度で前記プランジャ機構を前記遠位端に向かって変位させるように構成および配置されたプランジャ変位デバイスをさらに備える、請求項5に記載の装置。
  8. 前記プランジャ機構を前記遠位端に向かって変位させるように前記プランジャ変位デバイスを作動させる制御信号を生成するように構成および配置されたコントローラと、前記チャンバに流体連結されており前記コントローラの入力端子に接続された電気出力端子を有する圧力センサとをさらに備え、前記圧力センサが、感知した圧力に基づいて制御信号を前記プランジャ変位デバイスに送信する前記コントローラに、前記感知した前記チャンバの圧力を示す電気信号を供給する、請求項7に記載の装置。
  9. 前記圧力発生デバイスが、前記生体物質を前記チャンバ中に移送し前記生体物質を前記出口を通して排出するように構成および配置されたポンプである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
  10. 正圧を発生させるように前記ポンプを作動させる制御信号を生成するように構成および配置されたコントローラと、前記チャンバに流体連結されており前記コントローラの入力端子に連結された電気出力端子を有する圧力センサとをさらに備え、前記圧力センサが、感知された圧力に基づいて制御信号を前記ポンプに送信する前記コントローラに、前記感知された前記チャンバ内の圧力を示す電気信号を供給する、請求項9に記載の装置。
  11. 前記出力が、14、15、16、17、または18ゲージのカニューレと流体連結される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置。
  12. 前記チャンバが、前記生体物質を1mlから1L収容するように構成および配置される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の装置。
  13. 前記生体物質が前記チャンバ内に存在する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の装置。
  14. 前記生体物質が、アディポサイト、脂質生成細胞、間葉細胞、もしくは間葉幹細胞などの脂肪組織またはその成分を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の装置を得ることと、
    前記生体物質を前記装置のチャンバに装入することと、
    前記圧力発生デバイスにより前記チャンバ内に前記所定の閾値以下の正圧を発生させて前記生体物質を前記出口を通して排出することと
    を含む、方法。
  16. 前記生体物質が脂肪組織を含み、前記方法がさらに、前記生体物質が対象の植え込み箇所に排出されるように前記出口を配置することを含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記植え込み箇所が、前記対象の鼻唇溝、唇、鼻顎領域、頬部、顎、額、下目瞼、または上目瞼の皮膚の下にある、請求項16に記載の方法。
  18. 前記生体物質が前記対象から得られる、請求項16または17に記載の方法。
  19. 前記生体物質が、前記対象から得られ、油、血液、チューメセント流体、間質細胞、細胞外物質、または細胞残屑を前記生体物質から少なくとも部分的に除去するように前記チャンバに装入される前に処理される、請求項16または17に記載の方法。
  20. 前記生体物質が、前記対象の腹部、大腿部、側腹領域、もしくは臀部領域から脂肪組織を抽出すること、または前記対象のそのような脂肪組織を含む吸引脂肪を抽出することによって得られる、請求項30〜35のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記対象がヒト、イヌ、ネコ、ラット、マウス、またはブタである、請求項16〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を有するチャンバと、
    生体物質を前記少なくとも1つの入口を通して前記チャンバに移送し、また処理済みの生体物質を前記チャンバの外に前記少なくとも1つの出口を通して排出するように構成および配置された圧力発生デバイスと、
    前記生体物質がチャンバ内に存在するときは前記生体物質に接触して、前記生体物質の画分が前記保持マトリックス内に保持されるように構成および配置された、前記チャンバ内の少なくとも1つの保持マトリックスと
    を備える装置。
  23. 前記少なくとも1つの保持マトリックスが、前記生体物質の脂質を保持する脂肪親和性のマトリックスを含む、請求項22に記載の装置。
  24. 前記脂質が前記脂肪親和性のマトリックスに吸着または吸収される、請求項23に記載の装置。
  25. 前記脂質画分が、遊離脂質、リン脂質、ステロール、脂溶性ビタミン、脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリド、またはトリグリセリドを含む、請求項23または24に記載の装置。
  26. 前記脂肪親和性のマトリックスが、多糖、架橋ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールもしくはその共重合体、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリアクリラート、または当該薬剤の共重合体を含む、請求項25に記載の装置。
  27. 前記少なくとも1つの保持マトリックスが、前記生体物質から水を吸収および保持する親水性マトリックスを含む、請求項22に記載の装置。
  28. 前記親水性マトリックスが無毒性の浸透性物質を含む、請求項27に記載の装置。
  29. 前記親水性マトリックスが、ヒアルロン酸、炭水化物、ゼラチン、アルギン酸塩、メチルセルロース、またはヒドロキシメチルセルロースを含む、請求項27または28に記載の装置。
  30. 前記親水性マトリックスがヒドロゲルである、請求項27または28に記載の装置。
  31. 少なくとも1つの出口が、前記少なくとも1つの保持マトリックス内に保持されない生体物質を前記チャンバから排出できるように構成および配置されている、請求項22〜29のいずれか一項に記載の装置。
  32. 前記保持マトリックスの保持特性が前記チャンバ内の位置に応じて変わる、請求項22〜31のいずれか一項に記載の装置。
  33. 前記生体物質が前記チャンバ内に存在するときは前記生体物質の廃棄物画分が前記フィルタを通り抜けるように、前記生体物質に接触するように構成および配置された少なくとも1つのフィルタを前記チャンバ内にさらに備える、請求項32に記載の装置。
  34. 前記廃棄物画分が前記廃棄物出口ラインを通して排出されるように、前記チャンバと流体連結された少なくとも1つの廃棄物出口ラインをさらに備える、請求項33に記載の装置。
  35. 少なくとも1つの出口が、前記少なくとも1つの保持マトリックス内に保持されず前記フィルタを通り抜けない生体物質を前記チャンバから排出できるように構成および配置される、請求項22または23に記載の装置。
  36. 前記フィルタの有効細孔サイズが20μmから約50μmの範囲にある、請求項33〜35のいずれか一項に記載の装置。
  37. 前記フィルタの有効細孔サイズが前記チャンバ内の位置に応じて変わる、請求項33〜36のいずれか一項に記載の装置。
  38. 前記フィルタが、セラミック、ガラス、シリコン、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、チタン合金、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、または他のポリマーから作製されている、請求項33〜37のいずれか一項に記載の装置。
  39. 前記生体物質が吸引脂肪であるときに、前記廃棄物画分が、脂質、血液成分、チューメセント流体、単細胞、および細胞残屑のうちの少なくとも1つを含む、請求項33に記載の装置。
  40. 添加剤溶液を収容するように構成および配置されたリザーバをさらに備える、請求項22〜39のいずれか一項に記載の装置。
  41. 前記添加剤溶液が、膜安定化剤(MSA)、成長因子、または酸化防止剤を含む、請求項40に記載の装置。
  42. 前記MSAが、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールの形態のトリブロック共重合体である、請求項41に記載の装置。
  43. 前記リザーバが、前記生体物質が前記保持マトリックスに接触する前に前記添加剤溶液を前記リザーバから前記生体物質に移送可能にするように構成および配置されている、請求項40〜42のいずれか一項に記載の装置。
  44. 前記生体物質内に存在する標的抗原を結合させ引き離す、前記チャンバ内に存在する固相担体に固定化された少なくとも1つの抗原結合剤をさらに含む、請求項22〜43のいずれか一項に記載の装置。
  45. 少なくとも1つの抗原結合剤が、特に、赤血球、血小板、間質細胞、またはバクテリアの細胞表面分子に結合する、請求項22〜44のいずれか一項に記載の装置。
  46. 前記少なくとも1つの抗原結合剤が、抗体、またはその抗原結合フラグメントである、請求項44または45に記載の装置。
  47. 遊離基を前記生体物質から捕集する、固相担体に固定化された少なくとも1つの酸化防止剤をさらに含む、請求項46に記載の装置。
  48. 前記酸化防止剤が、グルタチオン、ビタミンC、ビタミンE、または酵素である、請求項47に記載の装置。
  49. 前記酵素が、カタラーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、またはペルオキシダーゼである、請求項14に記載の装置。
  50. 前記生体物質を撹拌するように構成および配置された撹拌デバイスをさらに備える、請求項22〜49のいずれか一項に記載の装置。
  51. 前記生体物質が、対象から得られた吸引脂肪または脂肪組織である、請求項22〜50のいずれか一項に記載の装置。
  52. 前記生体物質が前記チャンバ内に存在する、請求項22〜51のいずれか一項に記載の装置。
  53. 請求項22〜52のいずれか一項に記載の装置を得ることと、
    前記生体物質を得ることと、
    前記装置の圧力発生デバイスにより、前記少なくとも1つの入口を通して前記チャンバ中に前記生体物質を移送し、また前記処理済みの生体物質を前記チャンバから前記少なくとも1つの出口を通して外に排出することと
    を含む、方法。
  54. 請求項53に記載の方法に従って前記処理済みの生体物質を得ることであって、前記処理済みの生体物質が脂肪組織を含む、ことと、
    前記処理済みの生体物質を対象に移植することと
    を含む、方法。
  55. 前記処理済みの生体物質が、前記対象の鼻唇溝、唇、鼻顎領域、頬部、顎、額、下目瞼、または上目瞼の皮膚の下に移植される、請求項54に記載の方法。
  56. 前記生体物質が前記対象から得られる、請求項54または55に記載の方法。
  57. 前記対象がヒト、イヌ、ネコ、ラット、マウス、またはブタである、請求項53〜56のいずれか一項に記載の方法。
  58. 移植のための生体物質を処置する装置であって、
    少なくとも1つの開放端を有するチャンバと、
    複数の端部部品であって、少なくとも1つの端部部品が、前記少なくとも1つの開放端に着脱可能に固定されるように構成されている、複数の端部部品と、
    を備え、
    前記チャンバが、前記生体物質を保持するように構成され、
    前記複数の端部部品が、フィルタ、前記生体物質を前記チャンバに導入するように構成された機構、プランジャ機構、針機構、または吸収材料もしくは吸着材料を備える、装置。
  59. 前記生体物質が脂肪組織を含む、請求項58に記載の装置。
  60. 少なくとも1つの端部部品を前記チャンバに固定するように構成された、前記開放端上に設けられたネジ山付き機構またはラッチングメカニズムのうちの少なくとも一方をさらに備える、請求項58または59に記載の装置。
  61. 前記端部部品のうちの少なくとも1つが、前記プランジャが押し下げられたときに前記チャンバ内の物質に加えられる圧力を上昇させるように構成されたプランジャ機構を備える、請求項58〜60のいずれか一項に記載の装置。
  62. 前記プランジャ機構がロッド、ピストン本体、および力軽減型のクラッチ機構を備える、請求項61に記載の装置。
  63. 前記端部部品のうちの少なくとも1つが、チャンバ内部の圧力を上昇させるために与圧ガス源につながるように構成された導管を備える、請求項58〜60のいずれか一項に記載の装置。
  64. 前記端部部品のうちの少なくとも1つがフィルタを備え、前記フィルタの有効細孔サイズが約20ミクロンと約50ミクロンとの間にある、請求項58〜63のいずれか一項に記載の装置。
  65. 濾過液を収集するための、前記フィルタに固定されるように構成された容器をさらに備える、請求項63または64に記載の装置。
  66. 前記容器が、前記容器の有効体積を変更するように構成された2次的プランジャ機構を備える、請求項65に記載の装置。
  67. 前記端部部品のうちの少なくとも1つが吸収材料を備え、前記吸収材料が、前記生体物質と接触するときに前記生体物質から少なくとも1つの物質を吸収するように構成される、請求項58〜66のいずれか一項に記載の装置。
  68. 膜安定化剤または細胞保護剤のうちの少なくとも一方を特定の量だけ前記チャンバに導入するように構成された端部部品をさらに備える、請求項58〜67のいずれか一項に記載の装置。
  69. 前記端部部品のうちの少なくとも1つが、前記チャンバ内の前記圧力が上昇するときに前記生体物質の一部分を解剖学的構造中に導入するように構成された針機構を備える、請求項58〜68のいずれか一項に記載の装置。
  70. 請求項1から69のいずれか一項に記載の装置と、前記装置を使用するための書面による取扱説明書とを備えるキット。
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