JP2013531736A - 硬度が向上した金合金 - Google Patents

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Abstract

本発明は金合金に関する。
本発明の金合金は、少なくとも75%の金、金と共に沈殿物を形成することができる0.5%〜2.1%のアルミニウム、安定的な面心立方構造を促進することができ、アルミニウムの金への溶解性を増加させることができる追加金属、及び250HVを超える硬度を得るために選択される沈殿物を含む。選択されたアルミニウム及び金の沈殿物は、アルミニウム及び金の沈殿物Al2Au5である。
本発明の金合金は、0.5%〜2.1%のアルミニウム、及び銀が大部分を占める追加金属の補完物を含む。
この合金を得るための方法は、稀釈及び硬化後の構造化焼き戻し処理中に沈殿物の制御された成長を調節する。
本発明は、金合金を硬化させるためのアルミニウム及び金の沈殿物Al2Au5
の使用に関する。
本発明は、このタイプの合金で作られた少なくとも1つの部品を含む時計又は装飾品に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、硬度が向上した金系合金に関する。
また、本発明は、硬度が向上した金系合金を得るための方法に関する。
更に、本発明は、金合金を硬化させるための沈殿物の使用に関する。
更に、本発明は、このタイプの合金で作られた少なくとも1つの部品を含む時計又は装飾品に関する。
本発明の目的は、純金だけでなく公知の金系合金と比較しても、硬度品質が向上した金系合金を製作することである。
本発明の主な対象分野は、測時学、装飾学、及び歯科学の分野である。
金の硬化は、古くからの課題であり、少なくとも製造品の強度を保証する十分な機械的特徴を得るために、古代から合金が使用されている。実際、塑性変形により材料を冷間加工する方法は、幾つかの金属に良く適しているが、金にはあまり適していない。なぜなら金は、変形中に圧密がほとんど起こらず、また比較的低温で再結晶するからである。理論的には材料の弾性限界を上昇させる結晶微粒化法も、金には適していない。なぜなら金は、以降「FCC」と呼ぶ面心立方構造をとっており、ある結晶粒から別の結晶粒への転位が自由に行き来するのに十分なアクティブスライド系(active sliding system)が存在するからである。
合金元素の溶体化熱処理は、最も一般に使用される方法であり、多くの場合経験的に、最善でもビッカーススケールで約150〜155HVの平凡な硬度を提供するに過ぎない。
例えば、Steinemann名義の欧州特許第0 284 699号のように、金と、アルミニウム、ガリウム、又はシリコンの中から選択される別の金属とを含有する二元合金、又は15%の最大金濃度を有する銅も含む類似の疑似二元合金をさえ結晶微粒化する種々の試みがなされている。このタイプの化合物は、心立方構造(centred cubic structure)及び50ミクロン未満の結晶粒度をもたらし、それによりある程度の延性が提供されるが、それは本明細書で所望の品質ではない。
また、経時的に体温で硬度が増加する歯科用合金の調製も、九州大学名義の米国特許第5 338 378号で公知であり、そこでは、67%〜82%の金、18%〜33%の銅、及び2%〜8%のガリウム、アルミニウム、及び亜鉛の中から選択される少なくとも1つの他の金属を有する合金が実現されている。この合金は、使用前に650℃〜700℃で加熱した後で硬化操作を受ける。同様に、Hafner GmbH名義の欧州特許第0 978 572号には、70%〜80%の金、15%〜25%の銅、0%〜15%の銀、及び0.1%〜5%のガリウムを含む合金が開示されており、この合金は、なぜかは説明されていないが、800℃で第1の処理をした後の400℃における第2の処理中にほとんど酸化せず(barely oxides)、周囲温度で時間と共に増加する硬度を獲得する。
以下の文献も公知である。
D1と称する文献:PILOT PEN名義の特願平8−013060には、硬度が向上し、以下の幾つかの考え得る組成を有する金系合金を得るための方法が開示されている:
− 15%から19%の銅、並びに4〜10%の銀、並びに0.3〜1%のアルミニウム及び/又はマグネシウム、
− 又は、15〜19%の銅、4〜10%の銀、0.3〜1%のアルミニウム及び/又はマグネシウム、並びに0.3〜2%の亜鉛。
この混合物に、0.1%〜1%のルテニウム及び/又はコバルトが組み込まれる。
しかしながら、この組成物は、ローズゴールドに相当し、本願で特許を請求されるものではない。
D2と称する文献:HAFNER名義の欧州特許出願第0 978 5762号には、70〜80%の金及び15〜25%の銅を有し、それに0.1〜5%のガリウムが添加されている合金が開示されている。幾つかの変異によると、この合金は、また以下のものを含有していてもよい:0.1%〜3%の亜鉛、及び/又は0.5〜5%の銀、及び/又は0.1〜0.5%のシリコン、及び/又は0.1〜2%の鉄、及び/又は0.1〜0.3%のインジウム、及び/又は0.1〜0.5%のアルミニウム、及び/又は0.1〜3%のスズ。
D3と称する文献:OHTA MICHIO名義の米国特許第5 38 378号には、20〜30日間かけてゆっくり後硬化し、その間にその硬度が更に増加する歯科用金合金が開示されている。この合金は、82〜67%の金、18〜33%の銅、及び0〜2%のガリウム及び亜鉛から選択される硬化促進剤を含む。この合金は、650〜700℃に加熱され、水で急冷される。別の組成では、この合金は、1〜4%のガリウム、0.4〜2%のアルミニウム、及び1〜5%の亜鉛からなる群の中から選択される少なくとも1つの金属を含む2〜8%のこのタイプの促進剤を含む。別の組成では、この合金は、1〜4%のガリウムを含む。別の組成では、この合金は、1〜5%の亜鉛を含む。
D4と称する文献:2004年に発表されたSUSS、RAINERによる論文「18 carat yellow gold alloys with increased hardness」には、増加した硬度及び追加金属の影響を有する金合金が開示されており、両方とも物理的特徴及び特定の色を得ることに関する。
D5と称する文献:2010年5月20日に発表されたFISCHER−BUHNERによる論文「Metallurgy of gold」には、金及びその合金の冶金が詳述されている。
行なわれた多くの研究の全てから、所望の硬度を確実にもたらす物理化学的機序を全く理解せずに、好適な硬度を有する金合金をいかにして選択するかが公知となっていることが分かる。
要するに、公知となっている方法は、経験的であることが多く、十分に理解されておらず、一方では単に平均的な硬度を有するに過ぎず、他方では純金の色とは非常に異なる極めて特定の色を有する合金が生成されている。
欧州特許第0 284 699号 米国特許第5 338 378号 特願平8−013060 欧州特許出願第0 978 5762号 米国特許第5 38 378号
2004年に発表されたSUSS、RAINERによる論文「18 carat yellow gold alloys with increased hardness」 2010年5月20日に発表されたFISCHER−BUHNERによる論文「Metallurgy of gold」
本発明は、ビッカーススケールで250HVを超える良好な硬度特性、及び金属合金元素を溶体化熱処理することにより現在得られる約155HVの硬度と比較して同等のコア硬度特性を有する合金を開発することに関する。
金の外観及びその輝きを保つことも重要である。
したがって、本発明は、3N 18カラットイエローゴールドとして知られている金系合金において、重量パーセントで、
− 少なくとも75%の金、
− 金と共に沈殿物を形成する能力のために選択される第2の金属である0.5%〜2.1%のアルミニウム、
− 高温で安定的なFCC構造を促進する能力、及び前記第2の金属の金への溶解性を増加させる能力、及び合金の色を調整するために選択される20%〜25%又は好ましくは22.4%〜24.5%の少なくとも1つの追加金属、
− 前記合金の流動度及び結晶微粒化のために選択される0%〜0.5%の1つ又は複数の成分を含む混合物で形成され、
前記混合物は、前記合金の構造硬化を向上させるために、250HVを超える硬度を前記合金に提供する金属間化合物を形成する前記第2の金属と金との前記沈殿物の中から選択される前記第2の金属と金との反応に由来する少なくとも1つの前記沈殿物を更に含み、前記選択された沈殿物は、アルミニウム及び金の沈殿物Al2Au5であることを特徴とする合金に関する。
本発明の別の特徴によると、前記追加金属は銀である。
本発明の更に別の特徴によると、前記追加金属は銀であり、それは、銀の濃度よりも低い濃度の別の追加金属により補われている。
本発明の特定の特徴によると、前記他の追加金属は銅である。
更に、本発明は、硬度が向上した金系合金を得るための方法であって、
− 第2の金属を、金と共に沈殿物を形成する能力のために選択し、前記第2の金属はアルミニウムであること、
− 少なくとも1つの追加金属を、一方では安定的なFCC構造を促進する能力、及び他方では前記第2の金属の金への高温溶解性を増加させる能力のために選択すること、
− 前記第2の金属と金との沈殿物を、金、前記第2の金属、及び少なくとも1つの追加金属の混合物の溶体化熱処理から生じるFCC構造に挿入するための条件を生成すること、
− 重量パーセントで、
− 少なくとも75%の金、
− 0.5%〜2.1%の前記第2の金属、
− 20%〜25%の、好ましくは22.4%〜24.5%の少なくとも1つの前記追加金属、
− 前記合金の流動度及び結晶微粒化のために選択される0%〜0.5%の1つ又は複数の成分を含む混合物を調製し、
前記第2の金属及び前記追加金属は、前記第2の金属と金との前記沈殿物の中から得るように選択され、金属間化合物を形成するための前記第2の金属と金との少なくとも1つの前記特定の沈殿物は、前記合金に250HVを超える硬度をもたらすこと、
− 前記混合物を、650℃〜700℃に加熱することにより溶体化熱処理をすること、
− 前記溶体化熱処理の後、周囲温度硬化の形式で急冷を実施すること、
− 前記急冷の後、焼き戻し構造化処理(tempering structuring treatment)を、200℃〜250℃の温度で実施して、アルミニウム及び金の沈殿物Al2Au5である、前記第2の金属と金に由来する前記少なくとも1つの選択された沈殿物を生成すること、
− 所望の硬度を得るために十分な時間、少なくとも60分間、前記焼き戻し構造化処理を維持することにより、前記少なくとも1つの選択された沈殿物を、制御された様式で成長させること、
− 周囲温度で冷却を実施することを特徴とする方法に関する。
本発明の特徴によると、前記少なくとも1つの選択された沈殿物の選択は、単一の沈殿物に限定される。
本発明の別の特徴によると、前記焼き戻し構造化処理は、前記急冷の少なくとも24時間後に実施される。
本発明の別の特徴によると、前記追加金属として銀を選択する。
本発明の別の特徴によると、前記追加金属として銀を選択し、銀よりも低い濃度で別の追加金属を添加する。
特に、前記他の追加金属として銅を選択する。
更に、本発明は、金合金を硬化させるための沈殿物の使用において、前記沈殿物は、少なくとも75%の金、0.5%〜2.1%のアルミニウム、及び一方では安定的なFCC構造を促進する能力、他方ではアルミニウムの金への溶解性を増加させる能力のために銀及び銅の中から選択される20%〜25%の少なくとも1つの追加金属、及び前記金合金の流動度及び結晶微粒化のために選択される0%〜0.5%の1つ又は複数の成分を含む、金合金を硬化させるためのアルミニウム及び金の沈殿物Al2Au5であり、前記使用は、金、アルミニウム、前記少なくとも1つの追加金属、前記合金が有する場合は前記選択された成分、並びにアルミニウム及び金の沈殿物を含む前記混合物の溶体化熱処理から生じるFCC構造に、前記アルミニウム及び金の沈殿物Al2Au5を挿入することから生じ、前記挿入は、この方法により達成可能であることを特徴とする使用に関する。
更に、本発明は、このタイプの合金で作られた少なくとも1つの部品を含む時計、装飾品、又は歯科用品に関する。
18カラット合金に関する本記載の好ましい実施形態では、合金は、純金の特有な外観を保つ。その硬度が増加するため、得られる合金は、より引っ掻き耐性であり、時計及び装飾品に、特に腕時計のベゼル及び中央部分、並びに装飾品構造物、ブレスレット、留め金、バックル、並びに他の品目等のそれらの目に見える部品に全体的に好適である。
本発明は、実施及び再現が単純であり、短い処理時間で250HVを超える必要な硬度を有する金合金を確実に生産する方法を提供する。得られる合金は、いかなる追加の後硬化も必要とせず、直ちに使用することができる。
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して以下の説明を読むと明らかになるだろう。
18カラット合金の例における本発明による擬似二元合金Au−Ag−Alの相ダイアグラムであり、種々の相が、x軸のアルミニウムの濃度、つまりアルミニウム質量と総合金質量との割合、及び本明細書では摂氏温度で示されているy軸の温度に従って表わされている。 図1のダイアグラムの好ましい領域A内で製作された本発明による合金を、標準的方法により得られた18カラット金と比較したダイアグラムであり、y軸はビッカース硬度であり、x軸は時間である。
本発明の目的は、純金だけでなく公知の金系合金と比較しても、硬度品質が向上した金系合金を製作することである。
本発明は、特定の沈殿物を形成するために本明細書で選択される特定の元素を選択することによる構造硬化法を実現する。極めて特定の物理化学的条件で金が他の金属と形成することができる種々の沈殿物の中でも、適切な処理を実施することにより発生及び成長を制御して、機械的特徴を最適化し、特に本明細書では、硬度を増加させることができる沈殿物を選択するべきである。
特に、特定の方法を作成することにより本発明が向上させる機械的特徴は、合金のコア硬度と、引っ掻き強度を保証するか又は少なくとも引っ掻きの影響を最小限に抑えるために、測時学及び装飾品において非常に重要である表面硬度との両方に関連する硬度である。
したがって、これは、装飾品に使用されるほとんどの金合金とは状況が非常に異なる。それらは、通常は、金の外観に近い外観を保証するために必要な最小限の金含有量を含むように開発され、積層又は延伸、成形及び溶接が容易である中空体又はシートを可能にするように高レベルの成形性を必要とする。
本発明の進歩性は、面心立方構造又はFCCに沈殿物を挿入する可能性を研究し、通常の硬度よりも大きな硬度を得るために、制御された様式で沈殿物を成長させることにある。
より詳しくは、本発明は、高金含有量の金合金の分野に関し、より具体的には少なくとも75重量%の金含有量を含む18カラット合金に関する。
アルミニウムの選択は、この金属が金との様々な沈殿物:Al2Au5、AlAu2,AlAuを形成する能力を持つため、本発明独特のものである。これらの3つの沈殿物により、硬度が向上した合金を生成することができる。
これら合金Au/Ag/Al/Al2Au5、又はAu/Cu/Al/Al2Au5、又はAu/Ag/Cu/Al/Al2Au5は、自然状態では存在せず、使用するためには製作しなければならない。本発明は、好ましい製造方法を下記に提案する。
合金に組み込むと機械加工又は変形作業中に通常の強度を提供するAl2Au5沈殿物を得るための方法を実施することが好ましい。したがって、このAl2Au5沈殿物が生成され、好ましくは、このAl2Au5沈殿物のみが生成される。というのは、Al2Au5は、他の2つの沈殿物AlAu2及びAlAuよりも良好な特性をもたらすからである。
Al2Au5沈殿物は、FCC構造のコアで得られなければならない。金及びアルミニウムのみで形成された二元合金は、加工が難しく、非常に脆く、そのためほとんどの装飾品用途には適さない。したがって、高温における金属間化合物の溶解性を保証し、またできるだけ長いFCC相を保証し、つまりできるだけ幅広い範囲のアルミニウム含有量を保証するために、少なくとも1つの他の合金元素を組み込こむことにより、FCC相を安定させることが必要である。高温安定性は、FCC相のみが関連温度範囲に存在することを意味し、それは、図1の平衡状態ダイアグラムの長く伸びる単一領域に沿って見ることができる。
様々な試作擬似二元合金を試験した。
第2の金属は、アルミニウム、銀、クロム、銅、鉄、ハフニウム、マンガン、ニオブ、パラジウム、白金、及びバナジウムの中から選択することができるが、このリストは網羅的ではない。
追加金属は、好ましくは、銀、アルミニウム、クロム、銅、鉄、ハフニウム、マンガン、ニオブ、パラジウム、白金、及びバナジウムの中から選択することができる。
実験では、追加金属として銀を選択すると、銀−金の溶解性は完全であり、銀はアルミニウムも溶解することができるため、高温における金属間化合物の溶解性及び長いFCC相の取得が最も際だって有利であることが実証される。
本発明では、図1に見られるような擬似二元合金相Au−Ag−Alを生成する革新的な試みを行った。このダイアグラムには、種々の相が、x軸のアルミニウムの濃度、つまりアルミニウム質量の総合金質量に対する割合、及び本明細書では摂氏温度で示されるy軸の温度に従って、従来様式で示されている。図1のダイアグラムには、75%金質量濃度の好ましい事例、つまり18カラット合金の好ましい事例が示されている。
これは、このダイアグラムでは実質的に垂直であり相を分離する溶解性の限界を示す部分溶解性ダイアグラムである。各相は、次の相とは異なる規定された組成を有する。これら相の各々では、原子は、局所的に再編成されて、組成が一定の規定された化合物である沈殿物を形成する。
所望のAl2Au5沈殿物及びその沈殿物のみを得るためには、図1のAと呼ばれる第1の領域内に留まることが望ましく、第1の領域内では、一方ではFCC型の合金元素のみが、他方ではAl2Au5沈殿物が存在する。この領域内に留まるためには、アルミニウム濃度を2.1%未満に留めなければならない。Al2Au5のみが得られることを保証するための観察された濃度範囲は、0.1%〜2.1%のアルミニウムである。
図1のBと呼ばれる第2の領域は、Al2Au5及びAlAu2沈殿物がFFC型の合金元素と共存する相に対応する。
図1のCと呼ばれる第3の領域は、AlAu2沈殿物のみがFFC型の合金元素と共存する相に対応する。
図1のダイアグラムには、領域A内の最適組成の合金を得るための1つの方法は、合金元素を全て加熱して、その後アルミニウムの溶体化熱処理に対応する図1の領域D内に入ることであることが示されている。領域Dの境界を定める固相線と液相線との間の温度で希釈熱処理することにより、均一な溶体化熱処理が可能になり、金はFCC構造をとり、選択された1つ又は複数の追加元素、特に銀は、FCC構造を安定させる。アルミニウムの溶解性は、高温、特に400℃〜700℃に含まれる温度のFCC_A1相では高いことが観察される。1つ又は複数の追加元素は、アルミニウムの金への溶解性も促進する。
その後、合金を準安定化させる。領域Aの端部の場合、例えば約400℃〜700℃、理想的には約650℃で温度上昇を達成し、その後水焼き入れ等で急冷する。したがって、アルミニウム原子には再編成する時間はない。様々な期間後、しかし好ましくは24時間近く経った後、合金は、関連するアルミニウム濃度の領域Aのソルバスにより規定される温度範囲内で、構造化焼き戻し処理を受ける。いかなる場合でも、この構造化焼き戻し処理は、400℃の温度を超えない。焼き戻し中に、Al2Au5沈殿物が発生し成長する。好ましくは、構造化焼き戻し温度は、200℃よりも高くして、沈殿物成長を促進し、また熱処理期間を制限する。
図2は、x軸がビッカース硬度で、横座標が時間のダイアグラムである。200℃での構造化焼き戻し処理の図2の例では、250HVを超える硬度が、約2時間後に非常に迅速に得られることが分かる。この硬度は、構造化焼き戻し処理を延長すれば更に増加することになるが、無症候的に(asymptomatically)、最大硬度が所望の場合でさえ、約280HVの硬度が得られる10時間を超えて処理を延長することには意味がない。図2には、比較として、従来の18K又は18カラット金合金で得られるレベルの硬度である150HVが示されている。
構造化焼き戻し処理を、より低い温度、例えば100℃で実施すると、10〜15時間後に、200HVを超える硬度しか得られないことになり、約250HVのレベルに達するには、処理を更に延長しなければならない。
得られるAl2Au5沈殿物は、金よりも硬い。
本発明によると、Al2Au5沈殿物の存在を促進すること、及び好ましくは金及びアルミニウムのみを含む沈殿物の形成を、合金硬化の技術的課題を解決するために最良の特徴を有するこの1つのAl2Au5沈殿物に限定することが必須である。
好ましくは、合金は、Al2Au5沈殿物の発生を最適にするために、金、アルミニウム、及び金属間化合物の溶解性を増加させ、アルミニウム濃度の範囲の幅の点でD相をできるだけ延長させるために選択される追加金属、好ましくは銀以外のいかなる他の金属も含んでいない。
上記で引用した幾つかの従来技術の教示に戻ると、アルミニウムの役割は示されていないことは明白である。
文献D1には、ピンクゴールド合金が開示されている。文献D1の結果のばらつきを分析すると、アルミニウムは合金硬化剤として重要であると断言することはできない。銅は、銀と同様に硬化元素であり、α=0.05である。銅の効果は、金と秩序/無秩序反応を起こして、AuCu型化合物を形成し、硬度を増加させることである。銀/銅混合物の効果は、銅単独の効果と同様である。
同じことが、これもピンクゴールドを開示する文献D2にも当てはまる。アルミニウムの添加は、そこではいかなる特定の役割も果たしていないと考えられる。これは、合金の硬度を増加させるのに有利な単一の金及びアルミニウム沈殿物を形成するための加工方法が実施されていないとすれば理解し得る。
文献D3も、ピンクゴールドの製造に専念している。この文献では、合金は単一の相に留まると主張されているが、それは物理的に不可能であり、この文献の教示は受け入れることができない。
文献D4には、ピンク色に近いイエローゴールドが開示されている。合金中に存在する他の全ての元素が既に硬化プロセスに寄与しているため、アルミニウムの特異的な役割を評価することは不可能である。この文献には、アルミニウムが0.4%を超えると、合金はかなり黒色化すると述べられている。この欠点は、本発明により開発された合金の場合には、2%のアルミニウム含有量の場合でさえ見られない。文献D4の指示に従う実験従事者は、アルミニウムの溶解性を変更する亜鉛等の添加元素が原因であるだけでなく、0.4%を超える低アルミニウム濃度も原因で、Al2Au5沈殿物を得ることはないことに留意すべきである。
文献D5には、銅との周知の秩序/無秩序転移による金(75%)−銀−銅合金の硬化について説明されている。文献D5の図7.12の75%金−12.5%銀−12.5%銅の組成物は、予想の通り220HVの硬度をもたらし、これは本発明により得される硬度よりもはるかに低い。
要するに、アルミニウム及び金の沈殿物Al2Au5の形成は、約50HVだけHV硬度を増加させる。
要するに、本発明は、金、アルミニウム、並びに安定的なFCC構造を促進させる能力及びアルミニウムの金への溶解性を増加させる能力の両方のために選択される少なくとも1つの追加金属を含み、この追加金属は好ましくは銀である好適な組成の合金内にAl2Au5沈殿物を発生させるための条件を生成する点で従来技術と異なる。
最適な重量パーセント組成は、0.1%〜2.1%のアルミニウム、及び好ましくは0.5%〜2.1%、及び装飾品の法的基準を遵守するための少なくとも75%の金、及び少なくとも1つの追加金属により形成される補完物であり、それは、流動度及び結晶微粒化のために選択される低割合の少なくとも1つの他の成分により補われていてもよい。
また、追加金属は、銅であってもよい。この追加金属が有することが求められる特性、つまり、一方では安定的なFCC構造を促進する能力及び他方ではアルミニウムの金への溶解性を増加させる能力を各々有する幾つかの金属を組み合わせることも可能である。
銀は最良の元素であり、上記で示したリストにある他の金属元素を添加して、合金の色を調整してもよい。この元素リストは、そこに含まれる元素が、高温におけるアルミニウムのFCC構造への溶解性を増加させる条件を満たすように作成した。
特に、銅は、金及びアルミニウムの存在下でこれら特定の条件を満たすという点で、銀ほど好ましくはない。銅の使用は、コスト的な理由で依然として考えられるが、銀よりもかなり不利であり、使用する場合には、銀の濃度が合金中の銅の濃度より常に高いことを保証して、必ず銀と組み合わせるべきである。
例えば、クロム、銅、鉄、ハフニウム、マンガン、ニオブ、パラジウム、白金、及びバナジウム(このリストは網羅的ではない)の中から選択される、銀又は銅以外の追加金属を使用する場合、アルミニウムは、これら追加金属のあるものと沈殿物を形成する場合があるが、好ましくはAl2Au5沈殿物を形成することが所望であることに留意すべきである。したがって、銀及びアルミニウムに加えて、好ましくは、これら元素:クロム、銅、鉄、ハフニウム、マンガン、ニオブ、パラジウム、白金、及びバナジウムのみが使用されるべきである。
更に、様々な追加金属を有する新しい規組成物を各々よく試験して、文献には存在していない対応する相ダイアグラムを規定し、各相内で生成された沈殿物及び他の金属間化合物成分を分析し、これら化合物が金合金の機械的性質に悪影響を及ぼさないことを調べることが必要である。こうした研究及び実験には長い時間がかかり、高価な費用がかかり、無作為に実施することはできない。また、その目的は、Al2Au5沈殿物及び好ましくはこの沈殿物のみが得られることが観察されるアルミニウム濃度範囲を、個別的に決定することである。
要するに、本発明は、3N 18カラットイエローゴールド系合金において、重量パーセントで、
− 少なくとも75%の金、
− 金と共に沈殿物を形成する能力のために選択される第2の金属である0.5%〜2.1%のアルミニウム、
− 高温で安定的なFCC構造を促進する能力、第2の金属の金への溶解性を増加させる能力、及び合金の色を調節するために選択される、20%〜25%又は好ましくは22.4%〜24.5%の少なくとも1つの追加金属、および
− 合金の流動度及び結晶微粒化のために選択される0%〜0.5%の1つ又は複数の成分を含む混合物とで構成され、
この混合物は、合金の構造硬化を向上させるために合金に250HVを超える硬度を提供する金属間化合物を形成する第2の金属と金との沈殿物の中から選択される第2の金属及び金に由来する少なくとも1つの沈殿物を更に含み、選択された沈殿物は、アルミニウム及び金の沈殿物Al2Au5であることを特徴とする合金を提供する。
有利には、第2の金属は、アルミニウムであり、選択された沈殿物は、合金に非常に良好な硬度特徴、つまり250HVを超え、280HVに近い硬度をもたらすアルミニウム及び金の沈殿物Al2Au5である。また、このAl2Au5沈殿物は、合金を脆くしないため、変形中又は機械加工時に非常に良好な強度を合金にもたらす。
好ましくは、追加金属は銀であり、銀は、混合物の全体が適切に溶解性であることを保証する。
特定の実施形態では、追加金属は、好ましくは全体の10%〜12.5%の重量パーセント含有量の銀であり、それは、合金の色を調整するために、好ましくは全体の10%〜12.5%の重量パーセント含有量の別の追加金属により補われている。
有利には、合金の流動度及び結晶微粒化のために選択される少なくとも1つの成分は、亜鉛、コバルト、又はイリジウムの中から選択される。
硬度が向上した金系合金を得るための方法は、好ましくは、
− 第2の金属を、金と共に沈殿物を形成する能力のために選択し、この第2の金属はアルミニウムであること、
− 少なくとも1つの追加金属を、一方では安定的なFCC構造を促進する能力、及び他方では第2の金属の金への高温溶解性を増加させる能力のために選択すること、
− 第2の金属と金との沈殿物を、金、第2の金属、及び少なくとも1つの追加金属の混合物の溶体化熱処理から生じるFCC構造に挿入するための条件を生成すること、
− 重量パーセントで、
− 少なくとも75%の金、
− 0.5%〜2.1%の前記第2の金属、
− 20%〜25%の、好ましくは22.4%〜24.5%の少なくとも1つの追加金属、
− 合金の流動度及び結晶微粒化のために選択される0%〜0.5%の1つ又は複数の成分を含む混合物を調整し、
第2の金属及び追加金属は、第2の金属と金との記沈殿物の中から得るように選択され、金属間化合物を形成するための前記第2の金属と金との少なくとも1つの特定の沈殿物は、合金に250HVを超える硬度をもたらし、選択された沈殿物は、アルミニウム及び金の沈殿物Al2Au5であること、
− 混合物を、400℃〜700℃及び好ましくは650℃〜700℃に加熱することにより溶体化熱処理すること、
− この溶体化熱処理の後、好ましくは周囲温度硬化の形式で急冷すること、
− この急冷の後、構造化焼き戻し処理を、200℃〜400℃、好ましくは200℃〜250℃の温度で実施して、アルミニウム及び金の沈殿物Al2Au5である第2の金属と金との前記少なくとも1つの選択された沈殿物を生成すること、
− 構造化焼き戻し処理を、必要な硬度を得るために十分な時間、好ましくは少なくとも60分間維持することにより、前記少なくとも1つの選択された沈殿物の制御された成長を可能すること、
− 周囲温度で冷却することにある。
好ましくは、選択された沈殿物の選択は、1つの沈殿物、この場合はアルミニウム及び金の沈殿物Al2Au5に限定される。
有利には、構造化焼き戻し処理は、急冷の少なくとも24時間後に実施される。
好ましくは、第2の金属としてアルミニウムを選択し、選択された沈殿物としてアルミニウム及び金の沈殿物Al2Au5を選択する。
有利には、追加金属として銀を選択する。
変法では、追加金属として銀を選択し、合金の色を調整するために、銀と同様の特徴を有する別の追加金属を添加する。
また、メカノ合成(mechanosynthethis)又はPVD等の他の方法が、アルミニウム及び金の沈殿物Al2Au5の生成に関与していてもよい。しかしながら、上記に列挙した作業方法と同様に、この極めて特定の沈殿物を合金の面心立方構造に挿入するための条件、及び合金に所望の硬度特徴をもたらすためにこの沈殿物を発生させるための条件が作り出されるべきである。
更に、本発明は、金合金を硬化させるための沈殿物の使用に関する。本発明によると、この沈殿物は、少なくとも75%の金、0.5%〜2.1%のアルミニウム、及び一方では安定的なFCC構造を促進する能力、他方ではアルミニウムの金への溶解性を増加させる能力のために選択される、銀及び銅の中から選択される20%〜25%又は22.4%〜24.5%の少なくとも1つの追加金属、及び金合金の流動度及び結晶微粒化のために選択される0%〜0.5%の1つ又は複数の成分を含む、金合金を硬化するためのアルミニウム及び金の沈殿物Al2Au5であり、使用は、金、アルミニウム、少なくとも1つの追加金属、合金が含む場合は選択された成分、並びにアルミニウム及び金の沈殿物で形成される混合物の溶体化熱処理から生じるFCC構造に、アルミニウム及び金の沈殿物Al2Au5を挿入することから生じ、挿入は、好ましくは上述の方法により達成可能である。
更に、本発明は、このタイプの合金で作られた少なくとも1つの部品を含む時計、装飾品、又は歯科用品に関する。

Claims (16)

  1. 3N 18カラットイエローゴールド系合金において、重量パーセントで、
    − 少なくとも75%の金、
    − 金と共に沈殿物を形成する能力のために選択される第2の金属である0.5%〜2.1%のアルミニウム、
    − 一方では安定的な面心立方(FCC)構造を促進する能力、及び他方では前記第2の金属の金への高温溶解性を増加させる能力のための、20%〜25%の少なくとも1つの追加金属、
    − 前記合金の流動度及び結晶微粒化のために選択される0%〜0.5%の1つ又は複数の成分を含む混合物で形成され、
    前記混合物は、前記合金の構造硬化を向上させるために前記合金に250HVを超える硬度を提供する金属間化合物を形成する前記第2の金属と金との前記沈殿物の中から選択される前記第2の金属及び金に由来する少なくとも1つの前記沈殿物を更に含み、前記選択された沈殿物は、前記アルミニウム及び金の沈殿物Al2Au5であることを特徴とする合金。
  2. 前記追加金属は、銀である、請求項1に記載の金系合金。
  3. 前記追加金属は、10%〜12.5%重量パーセント含有量の銀であり、10%〜12.5%重量パーセント含有量の銀の濃度よりも低い濃度の別の追加金属により補われている、請求項1または請求項2に記載の金系合金。
  4. 前記他の追加金属は、銅である、請求項3に記載の金系合金。
  5. 前記合金の流動度及び結晶微粒化のために選択される少なくとも1つの前記成分は、亜鉛、コバルト、又はイリジウムの中から選択される、請求項1から請求項4のいずれかに記載の金系合金。
  6. 前記少なくとも1つの追加金属の割合は、22.4%〜24.5%に含まれる、請求項1から請求項5のいずれかに記載の金系合金。
  7. 硬度が向上した金系合金を得るための方法であって、
    − 第2の金属を、金と共に沈殿物を形成する能力のために選択し、前記第2の金属はアルミニウムであること、
    − 少なくとも1つの追加金属を、一方では安定的なFCC構造を促進する能力、及び他方では前記第2の金属の金への高温溶解性を増加させる能力のために選択すること、
    − 前記第2の金属と金との沈殿物を、金、前記第2の金属、及び前記少なくとも1つの追加金属の混合物の溶体化熱処理から生じるFCC構造に挿入するための条件を生成すること、
    − 重量パーセントで
    − 少なくとも75%の金、
    − 0.5%〜2.1%の前記第2の金属、
    − 20%〜25%の少なくとも1つの追加金属、
    − 前記合金の流動度及び結晶微粒化のために選択される0%〜0.5%の1つ又は複数の成分を含む混合物を調製し、
    前記第2の金属及び前記追加金属は、前記第2の金属と金との前記沈殿物の中から得るように選択され、金属間化合物を形成するための前記第2の金属と金との少なくとも1つの前記特定の沈殿物は、前記合金に250HVを超える硬度をもたらすこと、
    − 前記混合物を、650℃〜700℃に加熱することにより溶体化熱処理すること、
    − 前記溶体化熱処理の後、周囲温度硬化の形式で急冷を実施すること、
    − 前記急冷の後、焼き戻し構造化処理を、200℃〜250℃の温度で実施して、前記アルミニウム及び金の沈殿物Al2Au5である前記第2の金属及び金に由来する前記少なくとも1つの選択された沈殿物を生成すること、
    − 所望の硬度を得るために十分な時間、少なくとも60分間、前記焼き戻し構造化処理を維持することにより、前記少なくとも1つの選択された沈殿物を、制御された様式で成長させること、
    − 周囲温度で冷却を実施することを特徴とする方法。
  8. 前記急冷は、水焼き入れにより達成される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記少なくとも1つの選択された沈殿物は、単一の沈殿物に限定される、請求項7または請求項8に記載の方法。
  10. 前記構造化焼き戻し処理は、前記急冷の少なくとも24時間後に実施される、請求項7から請求項9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記少なくとも1つの追加金属として銀を選択する、請求項7から請求項10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記少なくとも1つの追加金属として銀を選択し、銀の濃度よりも低い濃度の別の少なくとも1つの追加金属を添加する、請求項7から請求項11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記少なくとも1つの他の追加金属として銅を選択する、請求項7から請求項12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記少なくとも1つの追加金属について選択される割合は、22.4%〜24.5%に含まれる、請求項7から請求項13のいずれかに記載の方法。
  15. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の硬度が向上した金合金で作られた、及び/又は請求項7から請求項14のいずれかに記載の方法により得られた少なくとも1つの部品を含む時計又は装飾品。
  16. 前記沈殿物は、少なくとも75%の金、0.5%〜2.1%のアルミニウム、及び一方では安定的なFCC構造を促進する能力、他方ではアルミニウムの金への溶解性を増加させる能力のために銀及び銅の中から選択される20%〜25%の少なくとも1つの追加金属、及び前記金合金の流動度及び結晶微粒化のために選択される0%〜0.5%の1つ又は複数の成分を含む、金合金を硬化させるためのアルミニウム及び金の沈殿物Al2Au5であり、前記使用は、金、アルミニウム、前記少なくとも1つの追加金属、前記合金が有する場合は前記選択された成分、並びにアルミニウム及び金の沈殿物を含む前記混合物の溶体化熱処理から生じるFCC構造に、前記アルミニウム及び金の沈殿物Al2Au5を挿入することから生じ、少なくとも一種類の前記追加金属は、前記合金、アルミニウム及び金の沈殿物から選択される、請求項7から請求項14のいずれかに記載の金系合金を硬化させるためのアルミニウム及び金の沈殿物の使用。
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