JP2013530974A - 追加のジスルフィド結合を含有するインスリン誘導体 - Google Patents

追加のジスルフィド結合を含有するインスリン誘導体 Download PDF

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Abstract

本発明は、追加のジスルフィド結合を含有するインスリン誘導体およびそれを作製する方法に関する。

Description

本発明は、追加のジスルフィド結合を含有するインスリン誘導体およびそれを作製する方法に関係する。
真性糖尿病は、グルコースを利用する能力が部分的にまたは完全に失われている代謝障害である。真性糖尿病の治療においては、レギュラーインスリン、イソフェンインスリン(NPHと命名されている)、インスリン亜鉛懸濁液(たとえば、Semilente(登録商標)、Lente(登録商標)、およびUltralente(登録商標))、および二相性イソフェンインスリンなどの多くの種類のインスリン製剤が提唱され使用されてきた。
ヒトインスリンは、2本のポリペプチド鎖、つまり、それぞれ21および30アミノ酸残基を含有するAおよびB鎖からなる。A鎖とB鎖は2本のジスルフィド架橋により相互接続している。他の大半の種由来のインスリンは類似しているが、いくつかの位置にアミノ酸置換を含有することがある。この10年内で、いくつかのヒトインスリン類似体が開発されてきた。これらの類似体は、特定の作用プロファイル、すなわち、速効性または持続性作用のために考案されている。そのようなインスリン類似体を含む市販の製品には、Levemir(登録商標)、NovoRapid(登録商標)、Humalog(登録商標)、Apidra(登録商標)、およびLantus(登録商標)が含まれる。
ヒトインスリンは、循環へのその吸収を制限する複数のプロテアーゼの作用により消化管の管腔において急速に分解される。親水性でありタンパク質分解に対して安定化されているインスリン類似体は、天然のインスリンと比べた場合、動物モデルではより高い生物学的利用能を示す。
ジスルフィド結合をタンパク質に組み込むことは、タンパク質の安定性を改善する自然のやり方の1つであり、好熱生物の中のジスルフィド結合の存在量と最大成長温度の間には相関関係が見出されており、高温環境におけるタンパク質安定化でのジスルフィド結合の重要性を暗示している(Mallick P, et al、2002年、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、99、9679〜9684頁; Ladenstein R, et al、2006年、FEBS J.、273、4170〜4185頁)。ジスルフィド結合が首尾よく操作されてタンパク質内に導入されるとそれに付随して安定性が増す多くの例がある。最大の安定化の1つがリボヌクレアーゼバルナーゼについて実現された(Clarke J.、Fersht A.、1993年、Biochem.、32、4322〜4329頁)。アンフォールディングに必要な活性化エネルギーを増加させることにより、またはタンパク質のアンフォールドされた立体構造を束縛しそれによってその立体構造エントロピーを減少させることにより、そのような安定化は引き起こされる(Pace C.N.、1990年、Trends Biol. Sci.、14〜17頁)。しかし、この新生の研究領域ではさらに多くのことを知る必要がある。現在まで、インスリンにおいて操作されたジスルフィド結合についての報告はない。
WO2007096332 WO2005054291 WO2008043033 WO 2009/115469 A1 WO 2009/115469 A1、27〜43頁 WO2008034881 EP 1,246,845 米国特許第4,343,898号 米国特許第4,916,212号 米国特許第5,395,922号 欧州特許第765,395号 WO 2010/029159 WO 00/55119 WO 04/029077 WO 2006/008238
Mallick P, et al、2002年、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、99、9679〜9684頁 Ladenstein R, et al、2006年、FEBS J.、273、4170〜4185頁 Clarke J.、Fersht A.、1993年、Biochem.、32、4322〜4329頁 Pace C.N.、1990年、Trends Biol. Sci.、14〜17頁 「Stability of Protein Pharmaceuticals」Ahern. T.J. & Manning M.C.、Plenum Press、New York 1992年 Hudson and Andersen、Peptide Science、vol 76 (4)、298〜308頁(2004) Kaarsholm、N.C. et al、1993年、Biochemistry、32、10773〜8頁 Holladay et al.、1977年、Biochim. Biophys.Acta、494、245〜254頁 Melberg and Johnson、1990年、Biochim. Biophys.Acta、494、245〜254頁 Morris et al.、1968年、Biochim. Biophys. Acta.、160、145〜155頁 Wood et al.、1975年、Biochim. Biophys. Acta、160、145〜155頁 Strickland & Mercola、1976年、Biochemistry、15、3875〜3884頁 Ryle et al.、1955年、Biochem J. 60、541〜56頁 Kumazaki T、Ishii, S. 1990年、J. Biochem (Tokyo) 17、414〜9頁 Ota M、Ariyoshi, Y.、1995年、Biosci. Biotech. Biochem. 59、1956〜7頁 Yen, T.-Y.、Yan, H.、Macher, B.、2001年、J Mass Spectrom. 37、15〜30頁 http://www.rcsb.org http://www.rcsb.org/pdb/explore.do?structureId=1MSO http://www.rcsb.org/pdb/explore.do?structureId=1EV3 Greene and Wuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons、1999年 (レミントン薬学、第17版(A. Osol ed.、1985年) 「Organic Synthesis on Solid Phase」、F.Z. Dorwald、Wiley-VCH、2000年. ISBN 3-527-29950-5 「Peptides: Chemistry and Biology」、N. Sewald & H.-D. Jakubke、Wiley-VCH、2002年、ISBN 3-527-30405-3 「The Combinatorial Cheemistry Catalog」1999年、Novabiochem AG Glendorf et al. (2008)、Biochemistry、47、4743〜4751頁 Volund、A.、(1978)、Biometrics、34、357〜365頁 Kohler, G & Milstein C. (1976)、European J. Immunology、6:511〜19頁 Naiki et al. Anal. Biochem. 177、244〜249頁、1989年 Le-Vine、Methods Enzymol. 309、274〜284頁、1999年 Nielsen at al. Biochemistry 40、6036〜6046頁、2001年 J Appl Crystallogr 26: 795〜800頁 J Appl Crystallogr 30: 1022〜1025頁 Acta Crystallogr D 53: 240〜255頁 Acta Crystallogr D 60: 2126〜2132頁 Pace、C. N. (1975) CRC Crit. Rev. Biochem. 3、1〜43頁 Santoro、M. M.、& Bolen、D. W. (1988) Biochemistry 27、8063〜8068頁
安定な新規のインスリン誘導体の必要性が今もなお存在する。
本発明は、2つ以上のシステイン置換およびインスリンに結合している側鎖を有するインスリン誘導体であって、ヒトインスリンの3つのジスルフィド結合が保持されておりシステイン置換の部位は、導入されたシステイン残基が、折り畳まれたインスリン誘導体の三次元構造内に位置し、ヒトインスリンには存在しない1つまたは複数の追加のジスルフィド結合の形成を可能にするように選ばれるインスリン誘導体に関係する。
一態様では、システイン置換の部位は、(1)導入されたシステイン残基が、折り畳まれたインスリン誘導体の三次元構造内に位置し、ヒトインスリンには存在しない1つまたは複数の追加のジスルフィド結合の形成を可能にし、(2)前記インスリン誘導体がヒトインスリンに付随する所望の生物活性を保持するように選ばれる、本発明のインスリン誘導体が得られる。
一態様では、システイン置換の部位は、(1)導入されたシステイン残基が、折り畳まれたインスリン誘導体の三次元構造内に位置し、ヒトインスリンには存在しない1つまたは複数の追加のジスルフィド結合の形成を可能にし、(2)前記インスリン誘導体が、ヒトインスリンに付随する所望の生物活性を保持し、(3)前記インスリン誘導体が、ヒトインスリンおよび/または1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体と比べて増加した物理的安定性を有するように選ばれる、本発明のインスリン誘導体が得られる。
一態様では、システイン置換の部位は、(1)導入されたシステイン残基が、折り畳まれたインスリン誘導体の三次元構造内に位置し、ヒトインスリンには存在しない1つまたは複数の追加のジスルフィド結合の形成を可能にし、(2)前記インスリン誘導体が、ヒトインスリンに付随する所望の生物活性を保持し、(3)前記インスリン誘導体が、タンパク質分解に対して安定化されるように選ばれる、本発明のインスリン誘導体が得られる。
インスリンの2つ以上のアミノ酸をシステイン残基で置換し、前記インスリンに側鎖を結合させることを含むインスリン誘導体を安定化するための方法であって、
a.ヒトインスリンの3つのジスルフィド結合が保持されており、
b.システイン置換の部位は、導入されたシステイン残基が、折り畳まれたインスリン誘導体の三次元構造内に位置し、ヒトインスリンには存在しない1つまたは複数の追加のジスルフィド結合の形成を可能にするように選ばれ、
それによって、ヒトインスリンには存在しない1つまたは複数の追加のジスルフィド結合を含むインスリン誘導体を作製する方法も本明細書に記載されている。
追加のジスルフィド結合のない類似する誘導体と比べた実施例1の誘導体のラットにおけるi.v. PKプロファイルの比較。 追加のジスルフィド結合のない類似する誘導体と比べた実施例1の誘導体のイヌにおけるi.v. PKプロファイルの比較。 本発明のインスリン誘導体の示差走査熱量測定(DSC)データ。 親インスリン類似体の示差走査熱量測定(DSC)データ。
本発明では、ジスルフィド結合が操作されてインスリン誘導体に導入されている新規のインスリン誘導体が提示される。
一態様では、本発明に従ったインスリン誘導体は、2つ以上のシステイン置換を有し、ヒトインスリンの3つのジスルフィド結合が保持されている。
一態様では、本発明のインスリン誘導体は側鎖を有する。一態様では、前記側鎖はリジン残基のイプシロンアミノ基に結合している。一態様では、前記側鎖はB鎖中のリジン残基のイプシロンアミノ基に結合している。
一態様では、本発明に従ったインスリン誘導体は、2つ以上のシステイン置換、保持されたヒトインスリンの3つのジスルフィド結合およびB鎖中などのリジン残基のイプシロンアミノ基に結合している側鎖を有する。
本発明の一態様では、システイン置換の部位は、導入されたシステイン残基が、折り畳まれたインスリン誘導体の三次元構造内に位置し、ヒトインスリンには存在しない1つまたは複数の追加のジスルフィド結合の形成を可能にするように選ばれる。
本発明に従ったインスリン誘導体は改善された物理的安定性を有することが本発明者らにより見出されている。したがって、インスリン類似体の生物学的に不活性なおよび/または不溶性の凝集体を形成する本発明に従ったインスリン誘導体の傾向は、たとえば、熱機械的ストレスへの類似体の曝露および/または疎水性表面および界面などの不安定化させる界面および表面との相互作用の結果として減少することが見出されている。
本発明に従ったインスリン誘導体は、インスリン受容体に結合する。したがって、驚くべきことに、本発明に従ったヒトインスリン誘導体は、改善された物理的安定性を有しかつインスリン受容体への結合も保持していることが本発明者らにより見出されている。
一態様では、本発明に従った、つまり、1つまたは複数の追加のジスルフィド結合を含有するインスリン誘導体は、1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のない類似のインスリン誘導体よりも遅延性である。「より遅延性」とは、本明細書では、インスリンがより長い排出半減期、言い換えると、長期間のインスリン効果、すなわち、より長い作用持続期間を有することを意味する。したがって、驚くべきことに、1つまたは複数のジスルフィド結合を含むインスリン誘導体は、1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のない類似のインスリン誘導体と比べて長い排出半減期、言い換えると、長期間のインスリン効果、または遅延性の作用持続期間を有し得ることを発明者らは発見した。
一態様では、本発明のインスリン誘導体はタンパク質分解に対して、すなわち、消化(GI)管または身体の他の場所での急速な分解に対して安定化されている。一態様では、本発明のインスリン誘導体は、1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体と比べて、タンパク質分解に対して安定化されている。
タンパク質分解に対して安定化されているインスリン誘導体は、本明細書ではヒトインスリンと比べて1つまたは複数のプロテアーゼによるもっとゆっくりした分解を受けるインスリン誘導体として理解されるべきである。一実施形態では、本発明に従ったインスリン誘導体は、ヒトインスリンと比べて1つまたは複数のプロテアーゼによるもっとゆっくりした分解を受ける。本発明の追加の実施形態では、本発明に従ったインスリン誘導体は、ペプシン(たとえば、アイソフォームペプシンA、ペプシンB、ペプシンCおよび/またはペプシンFなど)、キモトリプシン(たとえば、アイソフォームキモトリプシンA、キモトリプシンBおよび/またはキモトリプシンCなど)、トリプシン、インスリン分解酵素(IDE)、エラスターゼ(たとえば、アイソフォーム膵エラスターゼIおよび/またはIIなど)、カルボキシペプチダーゼ(たとえば、アイソフォームカルボキシペプチダーゼA、カルボキシペプチダーゼA2および/またはカルボキシペプチダーゼB)、アミノペプチダーゼ、カテプシンDおよびラット、ブタまたはヒト由来の腸抽出物に存在する他の酵素からなる群から選択される1つまたは複数の酵素による分解に対して安定化されている。
一実施形態では、本発明に従ったインスリン誘導体は、キモトリプシン、トリプシン、インスリン分解酵素(IDE)、エラスターゼ、カルボキシペプチダーゼ、アミノペプチダーゼおよびカテプシンDからなる群から選択される1つまたは複数の酵素による分解に対して安定化されている。追加の実施形態では、本発明に従ったインスリン誘導体は、キモトリプシン、カルボキシペプチダーゼおよびIDEからなる群から選択される1つまたは複数の酵素による分解に対して安定化されている。さらに追加の実施形態では、本発明に従ったインスリン誘導体は、キモトリプシンおよびIDEから選択される1つまたは複数の酵素による分解に対して安定化されている。さらに追加の実施形態では、本発明に従ったインスリン誘導体は、キモトリプシンおよびカルボキシペプチダーゼから選択される1つまたは複数の酵素による分解に対して安定化されている。
「プロテアーゼ」または「プロテアーゼ酵素」は、タンパク質およびペプチドを分解し、たとえば、胃(ペプシン)、腸管腔(キモトリプシン、トリプシン、エラスターゼ、カルボキシペプチダーゼ等)またはGI管の粘膜面(アミノペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼ、エンテロペプチダーゼ、ジペプチジルペプチダーゼ、エンドペプチダーゼ等)、肝臓(インスリン分解酵素、カテプシンD等)などの身体の様々な組織においておよび他の組織において見出される消化酵素である。
T1/2は、キモトリプシン、ペプシンおよび/もしくはカルボキシペプチダーゼAなどのプロテアーゼ酵素に対するまたは組織抽出物(肝臓、腎臓、十二指腸、空腸、回腸、結腸、胃等から)などの酵素の混合物に対する本発明に従ったインスリン誘導体のタンパク質分解安定性の尺度として決定してよい。本発明の一実施形態では、ヒトインスリンと比べてT1/2は増加する。追加の実施形態では、T1/2は1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体と比べて増加する。さらに追加の実施形態では、T1/2はヒトインスリンと比べて少なくとも2倍に増加する。さらに追加の実施形態では、T1/2は1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体と比べて、少なくとも2倍に増加する。さらに追加の実施形態では、T1/2はヒトインスリンと比べて少なくとも3倍に増加する。さらに追加の実施形態では、T1/2は1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体と比べて、少なくとも3倍に増加する。さらに追加の実施形態では、T1/2はヒトインスリンと比べて少なくとも4倍に増加する。さらに追加の実施形態では、T1/2は1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体と比べて、少なくとも4倍に増加する。さらに追加の実施形態では、T1/2はヒトインスリンと比べて少なくとも5倍に増加する。さらに追加の実施形態では、T1/2は1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体と比べて、少なくとも5倍に増加する。さらに追加の実施形態では、T1/2はヒトインスリンと比べて少なくとも10倍に増加する。さらに追加の実施形態では、T1/2は1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体と比べて、少なくとも10倍に増加する。
一態様では、本発明に従ったインスリン誘導体は、改善された化学的安定性を有する。一態様では、本発明に従ったインスリン誘導体は、改善された物理的安定性を有する。一態様では、本発明に従ったインスリン誘導体は、改善された化学的および物理的安定性を有する。
一態様では、本発明に従ったインスリン誘導体は、ヒトインスリンと比べて改善された化学的および/または物理的安定性を有する。一態様では、本発明に従ったインスリン誘導体は、1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体と比べて改善された化学的および/または物理的安定性を有する。
本明細書で使用される用語「物理的安定性」とは、熱機械的ストレスへのタンパク質の曝露および/または疎水性表面および界面などの不安定化させる界面および表面との相互作用の結果としてタンパク質の生物学的に不活性なおよび/または不溶性の凝集体を形成するインスリン誘導体の傾向のことである。したがって、物理的不安定性は、ヒトインスリンと比べて、高次構造の喪失、凝集、細線維化、沈殿および/または表面への吸着を含む、立体構造変化を含む。インスリンなどのペプチドは、たとえば、細線維化のせいで不安定になる傾向があることが知られている。インスリン誘導体を含む溶液の物理的安定性は、適切な容器(たとえば、カートリッジまたはバイアル)に充填された前記溶液を機械的/物理的ストレス(たとえば、攪拌)に異なる温度で様々な期間曝露した後、従来の手段、たとえば、目視検査、比濁分析および/または濁り度計測により評価し得る。溶液の目視検査は、暗視野での鋭く焦点を合わせた光で実施される。溶液の濁り度は、たとえば、0から3までのスケールで濁り度の程度をランク付けする目視スコアー(濁りが全くない溶液は目視スコアー0に相当し、昼光で目視濁りを示す溶液は目視スコアー3に相当する)により特徴付けられる。溶液は、それが昼光で目視濁りを示す場合はタンパク質凝集に関して物理的に不安定と分類される。代わりに、溶液の濁り度は、当業者には周知の簡易濁り度計測により評価することが可能である。インスリン誘導体の物理的安定性は、インスリン誘導体の立体構造状態の分光学的作用剤またはプローブを使用することによっても評価することが可能である。前記プローブは好ましくは、タンパク質の非天然配座異性体に優先的に結合する小分子である。タンパク質構造の小分子分光学的プローブの一例はチオフラビンTである。チオフラビンTは、アミロイド細線維の検出のために広く使用されてきた蛍光色素である。細線維およびその上おそらく他のタンパク質構造物の存在下では、チオフラビンTは、フィブリルタンパク質形態に結合すると、約450nmで新たな励起最大および約482nmで増強された発光を生じる。非結合チオフラビンTは基本的に前記波長では非蛍光である。本発明のインスリン誘導体の物理的安定性は、たとえば、実施例109に記載される通りに決定してもよい。
他の小分子は、天然から非天然状態へのタンパク質構造の変化のプローブとして使用することが可能である。たとえば、タンパク質の曝露された疎水性パッチに優先的に結合する「疎水性パッチ」プローブである。疎水性パッチは一般的には、その天然状態ではタンパク質の三次構造内に埋もれているが、タンパク質が解けるまたは変性し始めると曝露される。これら小分子の例である、分光学的プローブは、アントラセン、アクリジン、フェナントロリンまたは同種の物などの芳香族疎水性色素である。他の分光学的プローブは、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、およびバリンまたは同種の物などの疎水性アミノ酸のコバルト金属複合体などの金属アミノ酸複合体である。
本明細書で使用されるインスリン誘導体の「化学的安定性」という用語とは、天然のタンパク質構造と比べて生物学的効力が少ないポテンシャルおよび/または免疫原性特性が増加しているポテンシャルを有する化学的分解産物を形成するタンパク質構造の化学的共有結合変化のことであり、加水分解、ラセミ化、酸化または架橋などの共有結合の分解を回避することを含む。様々な化学的分解産物は、天然のタンパク質の種類および性質ならびにインスリン誘導体が曝露される環境に応じて形成することが可能である。化学的分解の除去は、十中八九は、完全に回避することができるわけではなく、当業者には周知であるように化学的分解産物の量の増加がタンパク質製剤の貯蔵および使用中に見られることが多い。大半のタンパク質は、グルタミンまたはアスパラギン残基における側鎖アミド基が加水分解されて遊離のカルボン酸を形成するプロセスであるアミド分解をする傾向がある。アスパラギンおよびアスパラギン酸残基はイソアスパラギン酸分解産物をさらに形成する場合がある。他の分解経路は、2つ以上のタンパク質分子がアミド基転移および/またはジスルフィド相互作用を通じて互いに共有結合し、共有結合ダイマー、オリゴマーおよびポリマー分解産物を形成する高分子量転換産物の形成を含む(「Stability of Protein Pharmaceuticals」Ahern. T.J. & Manning M.C.、Plenum Press、New York 1992年)。酸化(たとえば、メチオニン残基の)およびラセミ化は、化学的分解の別の変異形であると言える。インスリン誘導体の化学的安定性は、異なる環境条件への曝露後の様々な時点での化学分解産物の量を測定することにより評価することが可能である(分解産物の形成は、多くの場合、たとえば、温度を上げることにより加速させることが可能である)。個々の分解産物は、たとえば、時には化学的/酵素的断片化を組み合わせて、クロマトグラフィー法(たとえば、SEC-HPLC、RP-HPLCまたはIE-HPLC)と分光学的方法(様々な質量分析法)の組合せを使用して、分子サイズおよび/または電荷に応じて分解産物を分離することにより決定されることが多い。
一実施形態では、本発明のインスリン誘導体は、実施例に記載される通りに試験された場合、1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体と比べて改善された化学的安定性を有する。
一実施形態では、本発明のインスリン誘導体は、当業者に公知であり、たとえば、実施例101に記載される通りに疎水性について試験された場合、ヒトインスリンおよび/または1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体と比べて改善された親水性を有する。
一実施形態では、本発明のインスリン誘導体は凝集する傾向がほとんどまたは全くない。凝集傾向は、チオフラビンアッセイにおいて試験された場合、好ましくは、ヒトインスリンおよび/または1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体の凝集傾向と比べて著しく改善されている。
一態様では、本発明に従ったインスリン誘導体は、たとえば、フォールディング安定性、立体構造安定性および/またはより高い融解温度などの改善された熱力学的安定性を有する。
本明細書で使用される際には、インスリン誘導体は、前記誘導体を変性するにはヒトインスリンまたは1つもしくは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体と比べて、より高い温度および/またはより高濃度の変性剤などのより高いストレスレベルが必要になる場合に、改善された「熱力学的安定性」を有すると言われる。
立体構造安定性は、たとえば、Hudson and Andersen、Peptide Science、vol 76 (4)、298〜308頁(2004)により記載される円二色性およびNMRにより評価し得る。融解温度は、インスリン構造が可逆的にまたは不可逆的に変化する温度として理解されている。融解温度が高いほどより安定な構造に対応する。融解温度は、たとえば、温度の関数としての円二色性および/もしくはNMRにより立体構造安定性を評価することによって、または示差走査熱量測定によって決定することが可能である。熱力学的安定性は、たとえば、塩酸グアニジウムなどの増加する濃度の変性剤の存在下でのCD分光測定および/またはNMRにより決定することも可能である。以前記載されているアンフォールディングの自由エネルギー(Kaarsholm、N.C. et al、1993年、Biochemistry、32、10773〜8頁)は、そのような実験から決定することが可能である。タンパク質が変性すると、遠UV範囲(240〜218nm)のネガティブCDは徐々に減少し、タンパク質アンフォールディングに伴う規則正しい二次構造の消失と一致する(Holladay et al.、1977年、Biochim. Biophys.Acta、494、245〜254頁; Melberg and Johnson、1990年、Biochim. Biophys.Acta、494、245〜254頁)。近UV範囲(330〜250nm)におけるインスリンCDスペクトルは、ジスルフィド結合からの寄与のあるチロシン発色団の環境を反映する(Morris et al.、1968年、Biochim. Biophys. Acta.、160、145〜155頁; Wood et al.、1975年、Biochim. Biophys. Acta、160、145〜155頁; Strickland & Mercola、1976年、Biochemistry、15、3875〜3884頁)。インスリンのアンフォールディングの自由エネルギーは4.5kcal/molであると以前そのような研究から計算された(Kaarsholm, N.C. et al、1993年、Biochemistry、32、10773〜8頁)。
近UV範囲(330〜250nm)におけるインスリンCDスペクトルは、ジスルフィド結合からの寄与のあるチロシン発色団の環境を反映する。チロシン残基はインスリンダイマー表面の一部であるために、この領域での(特に、276nmでの)モル楕円率の変化はインスリンの会合状態を反映する。インスリンの会合状態を測定する別の方法は、当技術分野では公知であり実施例に記載されている非解離条件下でのサイズ排除クロマトグラフィーの適用による。
本発明に従ったインスリン誘導体は、その親インスリンと比べて、実質的に同じインビボ効力または増加したインビボ効力を有し得る。一態様では、本発明のインスリン誘導体は、その親インスリンと比べて、実質的に同じインビボ効力を有する。一態様では、本発明のインスリン誘導体は、その親インスリンと比べて、増加したインビボ効力を有する。
インスリンインビボ効力を測定するための標準アッセイは当業者には公知であり、ヒトインスリンと比べた本発明のインスリン誘導体の効力、小腸内注射に続くラット薬物動態およびラットPKなどの静脈定常状態クランプアッセイ、血糖低下効果ならびに静脈ラットPKアッセイなどの実施例に記載されるアッセイを含む。
本発明に従ったインスリン誘導体は、その親インスリンと比べて、実質的に同じインビトロ効力または増加したインビトロ効力を有し得る。一態様では、本発明のインスリン誘導体は、その親インスリンと比べて、実質的に同じインビトロ効力を有する。一態様では、本発明のインスリン誘導体は、その親インスリンと比べて、増加したインビトロ効力を有する。
インスリンインビトロ効力を測定するための標準アッセイは当業者には公知であり、とりわけ、以下のインビトロアッセイ:
(1)インスリンの相対的効力が、細胞膜、たとえば、ラット肝臓原形質膜画分上に存在するインスリン受容体に特異的に結合している125I-インスリンの50%に置き換わるのに必要なインスリン対インスリン誘導体の比として定義されている、インスリンラジオレセプターアッセイ;
(2)相対的インスリン効力が、[3-3H]グルコースの有機抽出可能物質(すなわち、脂質)への最大変換の50%を達成するのに必要なインスリン対インスリン誘導体の比として定義されている、たとえば、ラット脂肪細胞を用いて実施される、脂肪生合成アッセイ;および
(3)インスリン誘導体の相対的効力が、グルコース-1-[14C]の[14CO2]への最大変換の50%を達成するのに必要なインスリン対インスリン誘導体の比として定義されている、単離された脂肪細胞におけるグルコース酸化アッセイ
を含む。
ジスルフィド結合は、2つのチオール基のカップリングにより導かれ、本明細書では2個の硫黄原子間の連結、すなわち、全体的結合性R-S-S-Rを有する構造として理解されることになる。ジスルフィド結合は、連結ジスルフィド結合、SS結合またはジスルフィド架橋とも呼ばれる場合がある。ジスルフィド結合は、2つのシステインアミノ酸残基をペプチドに導入し、それに続いて2個のチオール基を酸化してジスルフィド結合にすることにより作り出される。そのような酸化は化学的に実施することができ(当業者には公知であるように)または、たとえば、酵母内でのインスリン発現中に起こり得る。
システイン残基を1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体に導入する際、システイン残基は、折り畳まれたインスリン類似体の三次元構造内に位置し、ヒトインスリンには存在しない1つまたは複数の追加のジスルフィド結合の形成を可能にする。たとえば、2つの新しいシステイン残基を入れる場合、三次元構造における前記新しいシステイン残基は、ジスルフィド結合が前記2つの新しいシステイン残基間で形成される程度に近接している。
タンパク質(たとえば、インスリン)中のジスルフィド結合の数は、たとえば、実施例に記載されている正確な無傷の質量測定により容易に決定することが可能である。ジスルフィド結合の結合性は、ペプチドマッピングなどの当技術分野で公知の標準技法により確認する(決定する)ことが可能である。インスリンペプチドにおけるジスルフィド結合マッピングのための一般的戦略は、以下の工程:1)可能であれば、ペプチドあたり1個のジスルフィド結合のみを含有するジスルフィド結合されたペプチドに非還元インスリンが断片化され、選ばれるのは、ジスルフィド結合の再構成が回避されるような条件でもある、2)ジスルフィド結合されたペプチドの互いからの分離、3)個々のジスルフィド結合に関与しているシステイン残基の同定を含む。
ヒトインスリンは典型的には、Glu-Cプロテアーゼにより消化されて、2つのジスルフィド結合(A6-A11およびA7-B7)を含有するペプチドIおよび1つのジスルフィド結合(A20-B19)を含有するペプチドIIを生じる。ジスルフィド結合をペプチドIに一義的に割り当てるためには、さらに断片化が必要である。酸加水分解(Ryle et al.、1955年、Biochem J. 60、541〜56頁)、マニュアルエドマン分解(Kumazaki T、Ishii, S. 1990年、J. Biochem (Tokyo) 17、414〜9頁)、またはサーモリシンを用いる長期消化(Ota M、Ariyoshi, Y.、1995年、Biosci. Biotech. Biochem. 59、1956〜7頁)が以前用いられて、タンパク質中のCysCys結合を加水分解した。ジスルフィド結合をペプチドIに割り当てる別の方法は、トリスカルボキシエチルホスフィンを用いる部分的還元(A7-B7ジスルフィド結合の還元)、還元されたシステイン残基のアルキル化とそれに続く完全還元および異なるアルキル基を使用するシステインアルキル化である(Yen, T.-Y.、Yan, H.、Macher, B.、2001年、J Mass Spectrom. 37、15〜30頁)。さらなるジスルフィド結合を含有するインスリンのジスルフィドマッピングのための戦略は、原則的に、新しいジスルフィド結合を収容するように類似体ごとに調整されたヒトインスリンについての上の概要と同じである。NMRまたはX線結晶学によるインスリン構造の決定は、ジスルフィド結合の結合性を確認するための別のアプローチである。インスリンのNMRおよび/またはX線構造を解明するための条件は、すでに記載されており当技術分野では公知である。
本発明の一態様では、ヒトインスリンの3つのジスルフィド結合が保持されており、側鎖および少なくとも2つのシステイン置換を有するインスリン誘導体が提供される。
用語「システイン置換」は本明細書では、ヒトインスリンに存在するアミノ酸をシステインで置き換えることを意味する。たとえば、ヒトインスリンのA鎖の10位のイソロイシン(IleA10)およびB鎖の4位のグルタミン(GlnB4)は、それぞれがシステイン残基で置き換えられ得る。用語「他のアミノ酸残基置換」は本明細書では、ヒトインスリンに存在するアミノ酸をシステインではないアミノ酸で置き換えることを意味する。
本明細書で使用される用語「ヒトインスリン」は、その二次元および三次元構造ならびに特性が周知であるヒトインスリンホルモンを意味する。ヒトインスリンの三次元構造は、たとえば、多くの異なる条件下でNMRおよびX線結晶解析によってこれまで決定されており、これらの構造の多くはタンパク質データバンク(http://www.rcsb.org)に寄託されている。ヒトインスリン構造の非限定的例は、T6構造(http://www.rcsb.org/pdb/explore.do?structureId=1MSO)およびR6構造(http://www.rcsb.org/pdb/explore.do?structureId=1EV3)である。ヒトインスリンは、A鎖およびB鎖と名付けられた2本のポリペプチド鎖を有する。A鎖は21アミノ酸ペプチドであり、B鎖は30アミノ酸ペプチドであり、前記2本の鎖はジスルフィド結合により接続され、第一の架橋はA鎖の7位のシステインとB鎖の7位のシステイン間であり、第二の架橋はA鎖の20位のシステインとB鎖の19位のシステイン間である。第三の架橋はA鎖の6位と11位のシステイン間に存在する。したがって、「ヒトインスリンの3つのジスルフィド結合が保持されているインスリン誘導体」は本明細書では、ヒトインスリンの3つのジスルフィド結合、すなわち、A鎖の7位のシステインとB鎖の7位のシステイン間のジスルフィド結合、A鎖の20位のシステインとB鎖の19位のシステイン間のジスルフィド結合およびA鎖の6位と11位のシステイン間のジスルフィド結合を含むインスリン誘導体として理解されている。
人体では、インスリンホルモンは、その立体配置において24アミノ酸のプレペプチドと続いて86アミノ酸を含有するプロインスリンからなる一本鎖前駆体のプロインスリン(プレプロインスリン)、すなわちプレペプチド-B-Arg Arg-C-Lys Arg-A(Cは31アミノ酸の接続ペプチド)として合成される。Arg-ArgおよびLys-Argは、AとB鎖からの接続ペプチドの切断のための切断部位である。
本発明の一態様では、ヒトインスリンの3つのジスルフィド結合が保持されており、A鎖のA9、A10およびA12からなる群から選択される位置における少なくとも1つのアミノ酸残基がシステインで置換されており、B鎖のB1、B2、B3、B4、B5およびB6からなる群から選択される位置における少なくとも1つのアミノ酸残基がシステインで置換されており、側鎖がB鎖中のリジン残基のイプシロンアミノ基に結合しており、場合によりB30位のアミノ酸が欠失している、2つ以上のシステイン置換を有するインスリン誘導体が提供される。本発明の一態様では、A鎖のA10位のアミノ酸残基がシステインで置換されており、B鎖のB1、B2、B3、およびB4からなる群から選択される位置における少なくとも1つのアミノ酸残基がシステインで置換されており、側鎖がB鎖中のリジン残基のイプシロンアミノ基に結合しており、場合によりB30位のアミノ酸が欠失している。本発明の一態様では、A鎖のA9、A10およびA12からなる群から選択される位における少なくとも1つのアミノ酸残基がシステインで置換されており、B鎖のB1、B2、B3、B4、B5およびB6からなる群から選択される位における少なくとも1つのアミノ酸残基がシステインで置換されており、A14、A21、B1、B3、B10、B16、B22、B25、B26、B27、B28、B29、B30、B31、B32からなる群から選択される位における少なくとも1つのアミノ酸残基がシステインではないアミノ酸で置換されており、側鎖がB鎖中のリジン残基のイプシロンアミノ基に結合しており、場合によりB30位のアミノ酸が欠失している。B1またはB3がシステインである場合、同じアミノ酸はシステインではないアミノ酸ではあり得ず、たとえば、B1がシステインである場合、B3は本発明の態様に従ってシステインではないアミノ酸で置換され得、逆もまた同じであると理解されている。本発明の一態様では、A鎖のA10位のアミノ酸残基がシステインで置換されており、B鎖のB1、B2、B3、およびB4からなる群から選択される位における少なくとも1つのアミノ酸残基がシステインで置換されており、場合により少なくとも1つのアミノ酸残基がシステインではないアミノ酸で置換されており、側鎖がB鎖中のリジン残基のイプシロンアミノ基に結合しており、場合によりB30位のアミノ酸が欠失している。本発明の一態様では、A鎖のA10位のアミノ酸残基がシステインで置換されており、B鎖のB3およびB4からなる群から選択される位置における少なくとも1つのアミノ酸残基がシステインで置換されており、場合により少なくとも1つのアミノ酸残基がシステインではないアミノ酸で置換されており、側鎖がB鎖中のリジン残基のイプシロンアミノ基に結合しており、場合によりB30位のアミノ酸が欠失している。本発明の一態様では、A鎖のA10位のアミノ酸残基がシステインで置換されており、B鎖のB3位のアミノ酸残基がシステインで置換されており、場合により少なくとも1つのアミノ酸残基がシステインではないアミノ酸で置換されており、側鎖がB鎖中のリジン残基のイプシロンアミノ基に結合しており、場合によりB30位のアミノ酸が欠失している。本発明の一態様では、A鎖のA10位のアミノ酸残基がシステインで置換されており、B鎖のB4位のアミノ酸残基がシステインで置換されており、場合により少なくとも1つのアミノ酸残基がシステインではないアミノ酸で置換されており、側鎖がB鎖中のリジン残基のイプシロンアミノ基に結合しており、場合によりB30位のアミノ酸が欠失している。
一態様では、B30位のアミノ酸が欠失している、本発明に従ったインスリン誘導体が得られる。
本発明により得られる追加のジスルフィド結合は、同一鎖の2つのシステイン、すなわち、インスリンのA鎖中の2つのシステインもしくはB鎖中の2つのシステインを接続していても、またはインスリンのA鎖中のシステインとB鎖中のシステインを接続していてもよい。一態様では、少なくとも1つの追加のジスルフィド結合がA鎖中の2つのシステインを接続しているまたはB鎖中の2つのシステインを接続している、本発明に従ったインスリン誘導体が得られる。一態様では、少なくとも1つの追加のジスルフィド結合がA鎖中のシステインとB鎖中のシステインを接続している、本発明に従ったインスリン誘導体が得られる。
本明細書で使用される場合、用語「追加のジスルフィド結合」はヒトインスリンには存在しない1つまたは複数のジスルフィド結合を意味する。
本発明の一態様では、システインは、インスリン誘導体の2つの位置に置換され、その位置は、
A10C, B1C;
A10C, B2C;
A10C, B3C;
A10C, B4C;
A10C, B5C;および
B1C, B4C
からなる群から選択される。
本発明の一態様では、システインは、インスリン類似体の2つの位置に置換され、その位置は、
A10C, B1C;
A10C, B2C;
A10C, B3C;
A10C, B4C;および
B1C, B4C
からなる群から選択される。
本発明の一態様では、システインは、インスリン誘導体の2つの位置に置換され、その位置は、
A10C, B1C;
A10C, B2C;
A10C, B3C;および
A10C, B4C
からなる群から選択される。
本発明の一態様では、システインは、インスリン類似体の2つの位置に置換され、その位置は、
A10C, B3C;および
A10C, B4C
からなる群から選択される。
本発明の一態様では、システインは、インスリン類似体の2つの位置に置換され、その位置は、A10CおよびB3Cである。
本発明の一態様では、システインは、インスリン類似体の2つの位置に置換され、その位置は、A10CおよびB4Cである。
本発明の一態様では、本発明のインスリン誘導体は、システイン置換に加えて、A8H、A14E、A14H、A18L、A21G、B1G、B3Q、B3E、B3T、B3V、B3K、B3L、B16H、B16E、B22E、B24G、B25A、B25H、B25N、B27E、B27D、B27P、B28D、B28E、B28K、desB1、desB24、desB25、desB27およびdesB30からなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸を含む。本発明の一態様では、本発明のインスリン誘導体は、システイン置換に加えて、A8H、A14E、A21G、desB1、B1G、B3Q、B3E、B10E、B16H、B16E、B24G、B25H、B25A、B25N、B25G、desB27、B27E、B28E、B28D、およびdesB30からなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸を含む。
本発明の一態様では、本発明のインスリン誘導体は、システイン置換に加えて、A21G、desB1、B1G、B3Q、B3S、B3TおよびB3Eからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸を含む。
本発明の一態様では、本発明のインスリン誘導体は、システイン置換に加えて、A8H、A14E、A14H、B16H、B10E、B16E、B25H、B25A、B25N、B27E、B27P、desB27およびB28Eからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸を含む。
本発明の一態様では、本発明のインスリン誘導体は、システイン置換に加えて、B28E、B28D、desB27、およびA14Eからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸を含む。
本発明の一態様では、本発明のインスリン誘導体は、システイン置換に加えて、B3K、B29E、B27E、B27D、desB27、B28E、B28D、B28KおよびB29Pからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸を含む。
本発明の一態様では、本発明のインスリン誘導体は、システイン置換に加えて、B鎖のC末端とA鎖のN末端を接続して(いわゆる一本鎖インスリン誘導体を形成する)Cペプチドを含む。本発明の一実施形態では、親インスリンは一本鎖インスリン類似体からなる群から選択される。本発明の一実施形態では、親インスリンは、WO2007096332、WO2005054291またはWO2008043033に収載される一本鎖インスリン類似体からなる群から選択され、これらの特許は参照により本明細書に具体的に組み込まれる。
本発明の一態様では、2つのシステイン置換を含み、ヒトインスリンと比べて1つの追加のジスルフィド結合を生じるインスリン誘導体が得られる。
本発明に従った「インスリン(an insulin)」は本明細書では、ヒトインスリン、desB30ヒトインスリン、またはインスリン類似体として理解されることになる。
本明細書で使用される用語「インスリンペプチド」は、ヒトインスリン、desB30ヒトインスリン、またはインスリン活性を有するその類似体もしくは誘導体であるペプチドを意味する。
本明細書で使用される用語「インスリン類似体」は、インスリンの1つまたは複数のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基で置換されているならびに/または1つまたは複数のアミノ酸残基がインスリンから欠失しているならびに/または1つまたは複数のアミノ酸残基がインスリンに付加されているおよび/もしくは挿入されている改変されたインスリンを意味する。
一態様では、本発明に従ったインスリン誘導体は、ヒトインスリンと比べて1つまたは複数の追加のジスルフィド結合を含有し、分子のB鎖中に存在するリジン残基のイプシロンアミノ基に結合している側鎖を含有するインスリン類似体(上で定義されている)である。
用語「インスリン誘導体」は、化学的に誘導体化されているインスリン(上で定義されている)を意味することが意図されている。これは、側鎖(上で定義されている)がインスリンに結合していることを意味する。もっとも広い意味で、前記側鎖は、PEGなどのいかなる種類でも可能であるが、より好ましくは、前記側鎖は脂肪酸または脂肪二酸部分を含有している。
本明細書で使用される用語「親インスリン」は、1つまたは複数の追加のジスルフィド結合を有するインスリン、すなわち、側鎖で誘導体化される前の、1つもしくは複数の追加のジスルフィド結合を有するヒトインスリン、desB30ヒトインスリンまたはインスリン類似体を意味することが意図されている。
本明細書で使用される用語「1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体」は、ヒトインスリンに天然に存在する3つのジスルフィド結合、すなわち、A鎖の7位のシステインとB鎖の7位のシステイン間の第一の架橋、A鎖の20位のシステインとB鎖の19位のシステイン間の第二の架橋およびA鎖の6位と11位のシステイン間の第三の架橋ならびにインスリンに結合している側鎖を有するがそれ以上のジスルフィド結合/架橋は有さないインスリン誘導体を意味することが意図されている。
本明細書で使用される用語「側鎖」は、親インスリンのB鎖に存在するリジンのイプシロンアミノ基などの、本発明の親インスリンに(場合により1つまたは複数のリンカーを介して)結合している脂肪酸または脂肪二酸を意味することが意図されている。側鎖の脂肪酸または脂肪二酸部分は血清アルブミンに親和性を与え、そのリンカーはアルブミンに対する親和性を変更する(たとえば、増加する)、インスリン誘導体の溶解性を変更するおよび/またはインスリン受容体に対するインスリン誘導体の親和性を調節する(増加する/減少する)ように作用する。
一態様では、本発明に従ったインスリン誘導体は、少なくとも2つのシステイン置換を含み、インスリンペプチドの1つまたは複数のアミノ酸においてアシル化されているインスリン類似体である。
本明細書では、用語「アシル化されたインスリン」は、リンカーを介した1つまたは複数のアシル部分のインスリンへの結合によるヒトインスリンまたはインスリン類似体の改変を包含する。
本発明に従ってシステイン置換により改変され得るアシル化されたインスリン類似体の形態におけるインスリン誘導体の非限定的例は、たとえば、WO 2009/115469 A1に見出し得る。
一実施形態では、本発明に従ったインスリン誘導体は、2つのアミノ酸残基がシステイン残基により置換されており、側鎖が導入されており、場合によりヒトインスリンのアミノ酸配列と比べてB30位のアミノ酸が欠失している改変されたインスリンである。
一実施形態では、本発明に従ったインスリン誘導体は、側鎖および少なくとも2つの置換はシステイン残基への置換であるヒトインスリンと比べて2個から9個までの変異を、代わりに、本発明に従ったインスリン誘導体は側鎖および少なくとも2つの置換はシステイン残基への置換であるヒトインスリンと比べて2個から8個までの変異を、代わりに、側鎖および少なくとも2つの置換はシステイン残基への置換であるヒトインスリンと比べて2個から7個までの変異を、代わりに、側鎖および少なくとも2つの置換はシステイン残基への置換であるヒトインスリンと比べて2個から6個までの変異を、代わりに、側鎖および少なくとも2つの置換はシステイン残基への置換であるヒトインスリンと比べて2個から5個までの変異を、代わりに、側鎖および少なくとも2つの置換はシステイン残基への置換であるヒトインスリンと比べて2個から4個までの変異を、代わりに、側鎖および少なくとも2つの置換はシステイン残基への置換であるヒトインスリンと比べて2個から3個までの変異を、または代わりに、側鎖およびヒトインスリンと比べて2個のシステイン置換を含む。
インスリン分子内の改変は、鎖(AまたはB)、位、および天然のアミノ酸残基と置き換わるアミノ酸残基を表す1または3文字コードを記述して表示される。
本明細書では、用語「A1」、「A2」および「A3」等は、インスリンのA鎖中の(N末端から数えて)それぞれ1位、2位および3位等のアミノ酸を指す。同様に、B1、B2およびB3等のような用語は、インスリンのB鎖中の(N末端から数えて)それぞれ1位、2位および3位等のアミノ酸を指す。アミノ酸を表す1文字コードを使用すれば、A10Cのような用語は、A10位のアミノ酸はシステインであることを表示する。アミノ酸を表す3文字コードを使用すれば、対応する表現はA10Cysとなる。
「desB30」「B(1-29)」または「desThrB30」は、B30(スレオニン、Thr)アミノ酸を欠く天然のインスリンB鎖またはその類似体であり、「A(1-21)」は天然のインスリンA鎖を意味する。したがって、たとえば、A10C, B1C, desB30ヒトインスリンまたは代わりにA10Cys, B1Cys, desB30ヒトインスリン(または代わりにCysA10, CysB1, desThrB30ヒトインスリン)は、A鎖中の10位のアミノ酸がシステインで置換されており、B鎖中の1位のアミノ酸がシステインで置換されており、B鎖中の30位のアミノ酸(スレオニン、Thr)が欠失しているヒトインスリンの類似体である。
本明細書では、ペプチドまたはタンパク質の命名は以下の原則に従って行われる。すなわち、名称は、ヒトインスリンなどの親ペプチドまたは親タンパク質と比べた変異および改変(たとえば、アシル化)として与えられる。アシル部分の命名では、命名はIUPAC命名法に従って、他の場合にはペプチド命名法として行われる。たとえば、アシル部分の命名は、
たとえば、「オクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG」、「オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG」、「オクタデカンジオイル-gGlu-2×OEG」、「17-カルボキシヘプタデカノイル-γGlu-OEG-OEG」であり得、OEGはアミノ酸残基、8-アミノ-3, 6-ジオキサオクタン酸、-NH(CH2)2O(CH2)2OCH2CO-の略語であり、γGlu(またはgGlu)はアミノ酸ガンマL-グルタミン酸部分の略語である。
たとえば、実施例1のインスリン(その配列/構造は下に与えられている)は、「A10C, A14E, B4C, B25H, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン」と命名されて、ヒトインスリン中のA10位のアミノ酸IはCに変異されており、ヒトインスリン中のA14位のアミノ酸YはEに変異されており、ヒトインスリン中のB4位のアミノ酸QはCに変異されており、ヒトインスリン中のB25位のアミノ酸FはHに変異されており、ヒトインスリン中のB29位のアミノ酸Kは、残基オクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEGによるB29のリジン残基中のイプシロン窒素(Nεで示される)上のアシル化により改変されており、ヒトインスリン中のB30位のアミノ酸Tは欠失していることを示している。下の式中のアステリスクは、問題の残基がヒトインスリンと比べた場合、異なる(すなわち、変異している)ことを示している。ヒトインスリン中に見出されるジスルフィド結合は硫黄原子で示されており、本発明の追加のジスルフィド結合は直線で示されている。
さらに、本発明のインスリンはIUPAC命名法(オープンアイ、IUPACスタイル)に従って命名してもよい。この命名法に従えば、追加のジスルフィド架橋を有する上記のアシル化されたインスリンは以下の名称: N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB4 HisB25] des-ThrB30-インスリン(ヒト)が充てられる。
本明細書では、用語「アミノ酸残基」は、ヒドロキシ基がカルボキシ基から取り除かれているおよび/または水素原子がアミノ基から取り除かれているアミノ酸である。
本発明の一態様では、本発明に従ったインスリン誘導体は、たとえば、インスリンアミノ酸配列のLys残基のεアミノ基上にアシル基を含む。一態様では、インスリン誘導体は、アルブミン結合残基、すなわち、ペプチドまたはタンパク質に結合するとインビボ条件下でアルブミンに結合する残基を含む。
一態様では、アルブミン結合残基は親油性残基である。追加の態様では、親油性残基はリンカーを介してインスリンアミノ酸配列に結合している。
本発明の追加の態様では、アルブミン結合残基は生理的pHでは負電荷を帯びている。本発明の別の態様では、アルブミン結合残基は負電荷を帯びることが可能な基を含む。負電荷を帯びることが可能な1つの好ましい基はカルボン酸基である。
一態様では、アルブミン結合残基は、α,ω脂肪二酸残基である。
本発明の追加の態様では、親油性残基のα,ω脂肪二酸残基は、6から40炭素原子、8から26炭素原子または8から22炭素原子、または14から22炭素原子、または16から22炭素原子、または16から20炭素原子、または16から18炭素原子、または16炭素原子、または18炭素原子、または20炭素原子、または22炭素原子を有する。
本発明の別の態様では、アルブミン結合残基は、直鎖または枝分かれアルカンα,ωジカルボン酸のアシル基である。追加の態様では、アルブミン結合残基は、たとえば、ガンマGlu部分などのアミノ酸部分を含む直鎖または枝分かれアルカンα,ωジカルボン酸のアシル基である。さらに追加の態様では、アルブミン結合残基は、たとえば、ガンマGlu部分および8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(OEG)部分などの2つのアミノ酸部分を含む直鎖または枝分かれアルカンα,ωジカルボン酸のアシル基である。さらに追加の態様では、アルブミン結合残基は、たとえば、1つのガンマGlu部分および連続した8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(OEG)部分などのさらに多くのアミノ酸部分を含む直鎖または枝分かれアルカンα,ωジカルボン酸のアシル基である。
一実施形態では、親インスリン類似体に結合しているアシル部分は一般式:
Acy-AA1n-AA2m-AA3p-
CHEM3
を有し、nは0または1から3までの範囲の整数であり、mは0または1から10までの範囲の整数であり、pは0または1から10までの範囲の整数であり、Acyは約8から約24炭素原子を含む脂肪酸または脂肪二酸であり、AA1は中性の線状または環状アミノ酸残基であり、AA2は酸性アミノ酸残基であり、AA3は中性のアルキレングリコール含有アミノ酸残基であり、AA1、AA2およびAA3が式中に現れる順序は単独で交換することが可能であり、AA2は式に沿って数回存在することが可能であり(たとえば、Acy-AA2-AA32-AA2-)、AA2は式に沿って数回単独で(=異なっている)存在することが可能であり(たとえば、Acy-AA2-AA32-AA2-)、Acy、AA1、AA2および/またはAA3間の接続は、形式上はAcy、AA1、AA2およびAA3のそれぞれから水素原子またはヒドロキシル基(水)を取り除くことにより得られるアミド(ペプチド)結合であり、ならびにプロテアーゼ安定化されたインスリンへの結合は、式(I)のアシル部分のAA1、AA2もしくはAA3残基のC末端からまたは式(I)の部分に存在するAA2残基の側鎖のうちの1つからであることが可能である。
別の実施形態では、親インスリン類似体に結合しているアシル部分は、一般式Acy-AA1n-AA2m-AA3p-(I)を有し、AA1はGly、D-もしくはL-Ala、βAla、4-アミノ酪酸、5-アミノ吉草酸、6-アミノヘキサン酸、D-もしくはL-Glu-α-アミド、D-もしくはL-Glu-γ-アミド、D-もしくはL-Asp-α-アミド、D-もしくはL-Asp-β-アミド、または式:
この式から水素原子および/またはヒドロキシル基は取り除かれており、qは0、1、2、3または4であり、この実施形態では、AA1は、代わりに、7-アミノヘプタン酸または8-アミノオクタン酸でもよい、
の1つの基から選択される。
別の実施形態では、親インスリン類似体に結合しているアシル部分は、一般式Acy-AA1n-AA2m-AA3p-(I)を有し、AA1は上で定義されている通りであり、AA2は、L-もしくはD-Glu、L-もしくはD-Asp、L-もしくはD-ホモGluまたは以下の:
この式から水素原子および/またはヒドロキシル基は取り除かれており、矢印は、AA1、AA2、AA3のアミノ基への、またはプロテアーゼ安定化されたインスリンのアミノ基への結合点を示している、
のいずれかから選択される。
一態様では、AA1と命名された中性環状アミノ酸残基は、場合により窒素ヘテロ原子を含有する飽和6員環状炭素を含有するアミノ酸であり、好ましくは、前記環はシクロヘキサン環またはピペリジン環である。好ましくは、この中性環状アミノ酸の分子量は約100から約200Daまでの範囲である。
AA2と命名された酸性アミノ酸残基は、2つのカルボン酸基および1つの一次または二次アミノ基を含む最大約200Daの分子量を有するアミノ酸である。代わりに、AA2と命名された酸性アミノ酸残基は、1つのカルボン酸基および1つの一次または二次スルホンアミド基を含む最大約250Daの分子量を有するアミノ酸である。
AA3と命名された中性のアルキレングリコール含有アミノ酸残基は、アルキレングリコール部分、場合により一方の末端にカルボン酸官能性をもう一方の末端にアミノ基官能性を含有するオリゴ-またはポリアルキレングリコール部分である。
本明細書では、用語アルキレングリコール部分は、モノ-アルキレングリコール部分ならびにオリゴ-アルキレングリコール部分を包含する。モノ-およびオリゴアルキレングリコールは、モノ-およびオリゴエチレングリコールベースの、モノ-およびオリゴプロピレングリコールベースのならびにモノ-およびオリゴブチレングリコールベースの鎖、すなわち、繰返し単位、-CH2CH2O-、-CH2CH2CH2O-または-CH2CH2CH2CH2O-に基づく鎖を含む。アルキレングリコール部分は単分散(長さ/分子量が詳細に明らかにされている)である。モノアルキレングリコール部分は、各末端に異なる基を含有する-OCH2CH2O-、-OCH2CH2CH2O-または-OCH2CH2CH2CH2O-を含む。
本明細書に述べるように、AA1、AA2およびAA3が式(I) (Acy-AA1n-AA2m-AA3p-)を有するアシル部分に現れる順序は独立して交換することが可能である。したがって、式Acy-AA1n-AA2m-AA3p-は、たとえば、式Acy-AA2m-AA1n-AA3p-、式Acy-AA2-AA3n-AA2-、および式Acy-AA3p-AA2m-AA1n-のような部分も包含する(Acy、AA1、AA2、AA3、n、mおよびpは本明細書に定義されている通りである)。
本明細書に述べるように、部分Acy、AA1、AA2および/またはAA3間の接続は、形式上構築される親化合物から水を取り除くことによるアミド結合(ペプチド結合)形成(-CONH-)によって形式上は得られる。これは、式(I) (Acy-AA1n-AA2m-AA3p-、Acy、AA1、AA2、AA3、n、mおよびpは本明細書に定義されている通りである)を有するアシル部分の完全な式を得るためには、形式上、用語Acy、AA1、AA2およびAA3について与えられる化合物を取り上げてそこから水素および/またはヒドロキシルを取り除き、形式上このようにして得られる構成要素をこのようにして得られる遊離の末端で接続しなければならないことを意味する。
本発明のアシル化されたインスリン類似体に存在し得る式Acy-AA1n-AA2m-AA3p-のアシル部分の非限定的具体的例は、WO 2009/115469 A1、27〜43頁に収載されている。
式Acy-AA1n-AA2m-AA3p-のアシル部分の上記の非限定的具体的例のいずれも、親インスリン類似体の上記の非限定的具体的例のいずれにも存在するリジン残基のイプシロンアミノ基に結合することが可能であり、それによって本発明のアシル化されたインスリン類似体の追加の具体的例を与える。
親インスリン類似体は、式Acy-AA1n-AA2m-AA3p-の目的の基をリジン残基中に導入することにより、本発明の追加のジスルフィド結合を含有するアシル化されたインスリンに変換することが可能である。式Acy-AA1n-AA2m-AA3p-の目的の基は、従来のいかなる方法によっても導入することが可能であり、多くの方法がそのような反応についての先行技術に開示されている。さらに詳細な点は本明細書の実施例から明らかになる。
本発明の一態様では、システイン置換の部位は、ヒトインスリン誘導体がヒトインスリンに付随する所望の生物活性を保持するように選ばれる。所望の生物活性は当業者には公知であり、たとえば、実施例106および107に記載されているように、インスリン受容体への結合、IGF-1(インスリン増殖因子1)受容体への結合、インビトロ効力、インビボ効力を含む。
一態様では、インスリン受容体への受容体結合が、インスリン受容体への1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体の受容体結合の少なくとも1%である本発明に従ったインスリン誘導体が得られる。一態様では、インスリン受容体への受容体結合が、インスリン受容体への1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体の受容体結合の少なくとも3%である。一態様では、インスリン受容体への受容体結合が、インスリン受容体への1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体の受容体結合の少なくとも5%である。一態様では、インスリン受容体への受容体結合が、インスリン受容体への1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体の受容体結合の少なくとも10%である。一態様では、インスリン受容体への受容体結合が、インスリン受容体への1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体の受容体結合の少なくとも15%である。一態様では、インスリン受容体への受容体結合が、インスリン受容体への1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体の受容体結合の少なくとも20%である。
一態様では、インスリン受容体への受容体結合が増加する、本発明に従ったインスリン誘導体が得られる。一態様では、インスリン受容体への受容体結合がインスリン受容体への1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体の受容体結合の少なくとも110%である本発明に従ったインスリン誘導体が得られる。一態様では、インスリン受容体への受容体結合はインスリン受容体への1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体の受容体結合の少なくとも120%である。一態様では、インスリン受容体への受容体結合はインスリン受容体への1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体の受容体結合の少なくとも130%である。一態様では、インスリン受容体への受容体結合はインスリン受容体への1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体の受容体結合の少なくとも140%である。一態様では、インスリン受容体への受容体結合はインスリン受容体への1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体の受容体結合の少なくとも150%である。一態様では、インスリン受容体への受容体結合はインスリン受容体への1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体の受容体結合の少なくとも160%である。一態様では、インスリン受容体への受容体結合はインスリン受容体への1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体の受容体結合の110から200%までである。一態様では、インスリン受容体への受容体結合はインスリン受容体への1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体の受容体結合の120から180%までである。一態様では、インスリン受容体への受容体結合はインスリン受容体への1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体の受容体結合の140から180%までである。一態様では、インスリン受容体への受容体結合はインスリン受容体への1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体の受容体結合の150から170%までである。
ポリペプチド、たとえば、インスリンの作製は当技術分野では周知である。本発明に従ったインスリン誘導体を産成するために使用されるインスリン類似体は、たとえば、古典的ペプチド合成、たとえば、t-BocもしくはFmoc化学を使用する固相ペプチド合成または他の確立した技法により作製し得る。たとえば、Greene and Wuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons、1999年を参照されたい。インスリン類似体は、前記類似体をコードするDNA配列を含有し、インスリン類似体の発現を可能にする条件下で適切な栄養培地においてインスリン類似体を発現することができる宿主細胞を培養することを含む方法により産生してもよい。いくつかの組換え法を、ヒトインスリンおよびヒトインスリン類似体の作製に使用し得る。たとえば、大腸菌(Escherichia coli)および出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)などの微生物におけるインスリンの産生に使用し得る方法の3つの非限定的例は、たとえば、WO2008034881に開示されている。
典型的には、インスリン類似体は、たとえば、EP1,246,845またはWO2008034881に開示されている周知の技法により、適切な宿主細胞において問題のインスリン類似体またはその前駆体をコードするDNA配列を発現することによって産生される。これらの両特許文献は参照により本明細書に具体的に組み込まれる。
インスリン類似体は、EP1,246,845に開示されるN末端伸長を用いて発現し得る。培養培地への分泌および回収後、インスリン前駆体は様々なインビトロ手順を受けて、考えられるN末端伸長配列および接続ペプチドを取り除きインスリン類似体を得ることになる。そのような方法には、米国特許第4,343,898号または米国特許第4,916,212号に記載されている、L-スレオニンエステルの存在下でのトリプシンまたはアクロモバクター・リティカス(Achromobacter lyticus)プロテアーゼによる酵素変換とそれに続く塩基または酸加水分解によるインスリン類似体のスレオニンエステルのインスリン類似体への変換を含む。
本発明において適切な種類のN末端伸長の例は、米国特許第5,395,922号および欧州特許第765,395号に開示されており、これらの両特許文献は参照により本明細書に具体的に組み込まれる。
非天然アミノ酸残基を含むインスリン類似体では、組換え細胞は、非天然アミノ酸が、たとえば、tRNA変異体を使用することにより、類似体中に組み込まれるように改変するほうがよい。したがって、手短に言えば、本発明に従ったインスリン類似体は、既知のインスリン類似体の調製に類似する形で調製される。
さらに追加の実施形態では、本発明は、
(i)インスリン前駆体をコードする核酸配列を含む宿主細胞を培養する工程、
(ii)前記インスリン前駆体を培養培地から単離する工程、
(iii)前記インスリン前駆体をインビトロ酵素変換によりインスリン類似体に変換する工程、および
(iv)前記インスリン類似体を側鎖でアシル化する工程
を含む、インスリン誘導体を作製するための方法に関する。
さらに追加の実施形態では、本発明は、
(i)インスリン前駆体をコードする核酸配列を含む宿主細胞を培養する、
(ii)前記培養培地から前記インスリン前駆体を単離する、
(iii)前記インスリン前駆体をインスリン類似体に変換すること
(iv)前記インスリン類似体を側鎖でアシル化する工程
を含む、インスリン誘導体を産生するための方法に関する。
本発明の一実施形態では、宿主細胞は酵母宿主細胞であり、追加の実施形態では、酵母宿主細胞は酵母菌(Saccharomyces)属から選択される。追加の実施形態では、酵母宿主細胞は出芽酵母種から選択される。
インスリン類似体は、たとえば、WO 2010/029159、WO 00/55119、WO 04/029077およびWO 2006/008238に記載される当業者には公知の方法に従って、アシル化するなどの改変をしてもよい。これらの特許文献は参照により組み込まれている。
本発明の一態様では、インスリン誘導体の2つ以上のアミノ酸をシステイン残基で置換し、
a.ヒトインスリンの3つのジスルフィド結合が保持されており、
b.システイン置換の部位は、導入されたシステイン残基が、折り畳まれたインスリン類似体の三次元構造内に置かれ、ヒトインスリンには存在しない1つまたは複数の追加のジスルフィド結合の形成を可能にするように選ばれ、
それによって、ヒトインスリンには存在しない1つまたは複数の追加のジスルフィド結合を含むインスリン誘導体を作製することを含む、
インスリン誘導体を安定化するための方法が得られる。
本発明に従ったインスリン類似体を得る方法は、前記説明から明らかである。したがって、当業者は、前記説明を読めば、ヒトインスリンの3つのジスルフィド結合に加えて、導入されたシステイン残基が、折り畳まれたインスリン類似体の三次元構造内に置かれ、ヒトインスリンには存在しない1つまたは複数の追加のジスルフィド結合の形成を可能にするようにインスリン誘導体を改変する方法が分かる。
医薬組成物
本発明のもう1つの目的は、0.1mg/mlから500mg/mlまでの濃度で存在する本発明に従ったインスリン誘導体を含み、2.0から10.0までのpHを有する医薬製剤を提供することである。前記製剤は、プロテアーゼ阻害剤、緩衝系、保存剤、等張化剤、キレート化剤、安定剤および界面活性剤をさらに含み得る。本発明の一実施形態では、医薬製剤は水性製剤、すなわち、水を含む製剤である。
別の実施形態では、医薬製剤は、事前の溶解なしで使用できる状態である乾燥製剤(たとえば、凍結乾燥または噴霧乾燥)である。
本発明に従ったインスリン誘導体を含有する医薬組成物は、いくつかの部位に、たとえば、局所部位、たとえば、皮膚および粘膜部位に、吸収を迂回する部位(たとえば、動脈での、静脈での、心臓での投与)に、ならびに吸収を伴う部位(たとえば、皮膚での、皮下への、筋肉でのまたは腹部での投与)にそのような治療を必要とする患者に投与し得る。
本発明に従った医薬組成物の投与は、そのような治療を必要とする患者への、いくつかの投与経路、たとえば、舌、舌下、頬側、口内、経口、胃および腸内、経鼻、たとえば、細気管支および肺胞またはその組合せを通して肺、上皮、真皮、経皮、膣、直腸、たとえば、結膜を通して眼球、尿管、および非経口を通じてであってよい。
本発明の組成物は、いくつかの剤形で、たとえば、溶液、懸濁液、乳濁液、ミクロ乳濁液、多層乳剤、気泡、塗薬、ペースト、プラスター、軟膏、錠剤、コーティング錠、リンス、カプセル、たとえば、硬ゼラチンカプセルおよび軟ゼラチンカプセル、坐薬、直腸カプセル、ドロップ、ゲル、スプレー、粉末、エアロゾル、吸入剤、点眼剤、眼軟膏、眼リンス、膣ペッサリー、膣リング、膣軟膏、注射液、インサイツトランスフォーミング液、たとえば、インサイツゲル化、インサイツ硬化、インサイツ沈殿、インサイツ結晶化、輸液および移植片として投与し得る。
非経口投与では、本発明のインスリン誘導体は、既知のインスリンの製剤と類似して処方される。さらに、非経口投与では、本発明のインスリン誘導体は、既知のインスリンの投与に類似して投与され、医者はこの手順には精通している。
非経口投与は、注射器、場合によりペン様注射器により実施することが可能である。代わりに、非経口投与は輸液ポンプにより実施することが可能である。
本発明のインスリン誘導体を含有する注射用組成物は、必要に応じて成分を溶解し混合して所望の最終産物を得ることを含む製薬産業の従来技法を使用して調製することが可能である。したがって、1つの手順に従って、本発明のインスリン誘導体は、調製される組成物の最終容積よりもいくらか少ない量の水に溶解される。等張剤、保存剤および緩衝剤は必要に応じて添加され、溶液のpH値は、必要であれば、酸、たとえば、塩酸または塩基、たとえば、水酸化ナトリウム水溶液を必要に応じて使用して調整される。最終的に、溶液の容積は水で調整されて、成分の所望の濃度が得られる。
さらに正確には、本発明のインスリン誘導体調製物、たとえば、溶液または懸濁液は、たとえば、約240から約2400nmol/mlまでの範囲の濃度で、本発明の化合物を水溶媒質中にわずかに酸性条件で溶解させることにより調製し得る。水溶媒質は、たとえば、塩化ナトリウムまたはグリセロールを用いて等張にされる。さらに、水溶媒質は、酢酸またはクエン酸などの緩衝剤、m-クレゾールまたはフェノールなどの保存剤および、たとえば、インスリン活性単位あたり最大約20μgのZn++の濃度で亜鉛イオンを含有し得る。前記溶液のpH値は、沈殿を回避するために本発明の化合物の等電点に近づきすぎることなく、中性のほうに調整される。最終インスリン調製物のpH値は、本発明のどの化合物が使用されるか、亜鉛イオンの濃度および本発明の化合物の濃度に依存する。インスリン誘導体調製物は、たとえば、濾過減菌法により無菌にされる。
経口使用を意図される製剤は、任意の既知の方法に従って調製してよく、そのような製剤は、薬剤的に優雅で美味な調製物を提供するために、甘味剤、芳香剤、着色剤および保存剤からなる群から選択される1つまたは複数の薬剤を含有し得る。錠剤は、錠剤の製造に適した非毒性の薬剤的に許容される賦形剤との混合物で活性成分を含有し得る。これらの賦形剤は、たとえば、マンニトール、マルトデキストリン、カオリン、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;顆粒化および分解剤、たとえば、コーンスターチ;結合剤、たとえば、デンプン、ゼラチン、ポリマーまたはアカシア;ならびに潤滑剤、たとえば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであり得る。錠剤は、コーティングされていなくてもよく、治療的に活性なポリペプチドの分解または放出を遅延するための既知の技法によりコーティングされてもよい。
本発明の経口投与可能な製剤は、製薬化学において周知の方法に従って調製され、投与され得る(レミントン薬学、第17版(A. Osol ed.、1985年)を参照)。
本発明のインスリン誘導体調製物は、既知のインスリン調製物の使用に類似して使用される。
投与される本発明の化合物の量、本発明の化合物を投与する頻度の決定、および、場合により別の抗糖尿病化合物と共に、本発明のどの化合物または複数の化合物を投与するかの選出は、糖尿病の治療に精通している実務者と相談して決定される。
一態様では、本発明に従ったインスリン誘導体は経口的に投与される。一態様では、本発明に従ったインスリン誘導体は非経口的に投与される。
別の実施形態では、本発明は、医薬として使用するための本発明に従ったインスリン誘導体に関する。
一実施形態では、本発明に従ったインスリン誘導体は、高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害および1型糖尿病を治療するまたは予防するための医薬の調製のために使用される。
別の実施形態では、本発明に従ったインスリン誘導体は、2型糖尿病の疾患進行を遅延するまたは予防するための医薬として使用される。
本発明の一実施形態では、本発明に従ったインスリン誘導体は、高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病を治療するもしくは予防するための、または2型糖尿病の疾患進行を遅延するもしくは予防するための医薬として使用することを目的とする。
本発明の追加の実施形態では、高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病を治療するもしくは予防するための、または2型糖尿病の疾患進行を遅延するもしくは予防するための方法であって、そのような治療のための有効量の本発明に従ったインスリン誘導体を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む方法が提供される。
用語「糖尿病」には、1型糖尿病、2型糖尿病および高血糖症を引き起こす他の状態が含まれる。
疾患の「治療」という用語には、疾患の治療、予防または軽減が含まれる。
下記は、本発明をさらに説明する態様の一覧である。
1.ヒトインスリンの3つのジスルフィド結合が保持されており、システイン置換の部位は、導入されたシステイン残基が、折り畳まれたインスリン誘導体の三次元構造内に位置し、ヒトインスリンには存在しない1つまたは複数の追加のジスルフィド結合の形成を可能にするように選ばれる、2つ以上のシステイン置換およびインスリンに結合している側鎖を有するインスリン誘導体。
2.システイン置換の部位は、
(1)導入されたシステイン残基が、折り畳まれたインスリン誘導体の三次元構造内に位置し、ヒトインスリンには存在しない1つまたは複数の追加のジスルフィド結合の形成を可能にし、および
(2)前記ヒトインスリン誘導体がヒトインスリンに付随する所望の生物活性を保持している
ように選ばれる、態様1に従ったインスリン誘導体。
3.システイン置換の部位は、
(1)導入されたシステイン残基が、折り畳まれたインスリン誘導体の三次元構造内に位置し、ヒトインスリンには存在しない1つまたは複数の追加のジスルフィド結合の形成を可能にし、
(2)前記ヒトインスリン誘導体がヒトインスリンに付随する所望の生物活性を保持している、ならびに
(3)前記ヒトインスリン誘導体が、ヒトインスリンおよび/または親インスリンと比べて増加した物理的安定性を有する、
ように選ばれる、態様1または2に従ったインスリン誘導体。
4.システイン置換の部位は、
(1)導入されたシステイン残基が、折り畳まれたインスリン誘導体の三次元構造内に位置し、ヒトインスリンには存在しない1つまたは複数の追加のジスルフィド結合の形成を可能にし、
(2)前記ヒトインスリン誘導体がヒトインスリンに付随する所望の生物活性を保持している、および
(3)前記ヒトインスリン誘導体が、タンパク質分解に対して安定化される
ように選ばれる、可能な範囲で態様1から3のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
5.A鎖のA9、A10、A11およびA12からなる群から選択される位置における少なくとも1つのアミノ酸残基がシステインで置換されており、B鎖のB1、B2、B3、B4、B5およびB6からなる群から選択される位置における少なくとも1つのアミノ酸残基がシステインで置換されており、場合によりB30位のアミノ酸が欠失している、可能な範囲で態様1から4のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
6.A鎖のA10位におけるアミノ酸残基がシステインで置換されており、B鎖のB1、B2、B3およびB4からなる群から選択される位置におけるアミノ酸残基がシステインで置換されており、場合によりB30位のアミノ酸が欠失している、可能な範囲で態様1から5のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
7.A鎖のA10位におけるアミノ酸残基がシステインで置換されており、B鎖のB3およびB4からなる群から選択される位置におけるアミノ酸残基がシステインで置換されており、場合によりB30位のアミノ酸が欠失している、可能な範囲で態様1から6のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
8.A鎖のA10位におけるアミノ酸残基がシステインで置換されており、B鎖のB3位におけるアミノ酸残基がシステインで置換されており、場合によりB30位のアミノ酸が欠失している、可能な範囲で態様1から7のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
9.A鎖のA10位におけるアミノ酸残基がシステインで置換されており、B鎖のB4位におけるアミノ酸残基がシステインで置換されており、場合によりB30位のアミノ酸が欠失している、可能な範囲で態様1から8のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
10.A鎖のA21位におけるアミノ酸残基がシステインで置換されており、B鎖のB25およびB26からなる群から選択される位置におけるアミノ酸残基がシステインで置換されており、場合によりB30位のアミノ酸が欠失している、態様1から9のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
11.A鎖のA10位におけるアミノ酸残基がシステインで置換されており、B鎖のB1、B2、B3およびB4からなる群から選択される位におけるアミノ酸残基がシステインで置換されており、場合によりB30位のアミノ酸が欠失しており、
前記インスリン誘導体の排出半減期が、1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体と比べて延長されている、
可能な範囲で態様1から10のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
12.A鎖のA10位におけるアミノ酸残基がシステインで置換されており、B鎖のB3およびB4からなる群から選択される位におけるアミノ酸残基がシステインで置換されており、場合によりB30位のアミノ酸が欠失しており、
前記インスリン誘導体の排出半減期が、1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体と比べて延長されている、
可能な範囲で態様1から11のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
13.A鎖のA10位におけるアミノ酸残基がシステインで置換されており、B鎖のB3位におけるアミノ酸残基がシステインで置換されており、場合によりB30位のアミノ酸が欠失しており、
前記インスリン誘導体の排出半減期が、1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体と比べて延長されている、
可能な範囲で態様1から12のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
14.A鎖のA10位におけるアミノ酸残基がシステインで置換されており、B鎖のB4位におけるアミノ酸残基がシステインで置換されており、場合によりB30位のアミノ酸が欠失しており、
前記インスリン誘導体の排出半減期が、1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体と比べて延長されている、
可能な範囲で態様1から13のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
15.A鎖のA21位におけるアミノ酸残基がシステインで置換されており、B鎖のB25およびB26からなる群から選択される位におけるアミノ酸残基がシステインで置換されており、場合によりB30位のアミノ酸が欠失しており、
前記インスリン誘導体の排出半減期が、1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体と比べて延長されている、
態様1から14のいずれか1つに従ったインスリン類似体。
16.1つまたは複数の追加のジスルフィド結合がA鎖とB鎖の間で得られる、可能な範囲で態様1から15のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
17.1つまたは複数の追加のジスルフィド結合がA鎖とB鎖の間で得られる、可能な範囲で態様1から16のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
18.少なくとも1つの追加のジスルフィド結合が、A鎖において2つのシステインを接続している、またはB鎖において2つのシステインを接続している、可能な範囲で態様1から17のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
19.インスリン受容体への受容体結合が、1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体の受容体結合の少なくとも1%である、可能な範囲で態様1から18のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
20.インスリン受容体への受容体結合が、1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体の受容体結合の少なくとも25%である、可能な範囲で態様1から19のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
21.インスリン受容体への受容体結合が、1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体の受容体結合の少なくとも50%である、可能な範囲で態様1から20のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
22.インスリン受容体への受容体結合が、1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体の受容体結合の少なくとも75%である、可能な範囲で態様1から21のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
23.インスリン受容体への受容体結合が、1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体の受容体結合の少なくとも90%である、可能な範囲で態様1から22のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
24.親インスリンと比べて改善された物理的安定性を有する、可能な範囲で態様1から23のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
25.1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体よりも遅延性プロファイルを有する、可能な範囲で態様1から24のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
26.1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体と比べて延長された排出半減期を有する、可能な範囲で態様1から25のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
27.B30位のアミノ酸が欠失している、可能な範囲で態様1から26のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
28.少なくとも1つの追加のジスルフィド結合が、A鎖において2つのシステインを接続している、またはB鎖においてシステインを接続している、可能な範囲で態様1から27のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
29.2つのシステイン置換を有する、可能な範囲で態様1から28のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
30.インスリンが、
A10C, A14E, B1C, B16H, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B1C, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B2C, B16H, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B2C, B25A, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B2C, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B3C, B16H, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B3C, B25H, desB27, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B3C, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B3C, desB27, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B4C, B16H, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B4C, B25A, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B4C, B25H, B28E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B4C, B25H, desB27, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B4C, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B4C, B25N, B27E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B4C, B25N, desB27, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, desB1 , B4C, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14H, B4C, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, B3C, B25H, desB27, desB30ヒトインスリン、
A10C, B3C, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, B4C, B25H, desB27, desB30ヒトインスリン、
A10C, B4C, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B1C, B16H, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B2C, B16H, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B3C, B16H, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B4C, B16H, B25H, desB30ヒトインスリン
からなる群から選択され、
側鎖がインスリンのN末端またはインスリン中のリジン残基のイプシロンアミノ基に結合している、可能な範囲で態様1から29のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
31.インスリンが、
A10C, A14E, B1C, B16H, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B1C, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B2C, B16H, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B2C, B25A, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B2C, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B3C, B16H, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B3C, B25H, desB27, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B3C, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B3C, desB27, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B4C, B16H, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B4C, B25A, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B4C, B25H, B28E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B4C, B25H, desB27, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B4C, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B4C, B25N, B27E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B4C, B25N, desB27, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, desB1, B4C, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14H, B4C, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, B3C, B25H, desB27, desB30ヒトインスリン、
A10C, B3C, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, B4C, B25H, desB27, desB30ヒトインスリン、
A10C, B4C, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B1C, B16H, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B2C, B16H, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B3C, B16H, B25H, desB30ヒトインスリン、
A10C, A14E, B4C, B16H, B25H, desB30ヒトインスリン
からなる群から選択され、
側鎖がインスリンのB鎖におけるリジン残基のイプシロンアミノ基に結合している、可能な範囲で態様1から30のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
32.インスリンが、
A10C, A21G, B1G, B3C, B27E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, B1G, B3E, B4C, B27E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, B2C, B3E, B27E, B28K, desB29, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, B2C, B3E, B28E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, B3C, B27E, B28K, desB29, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, B3C, B28E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, B3E, B4C, B22E, B28E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, B3E, B4C, B27E, B28K, desB29, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, B3E, B4C, B28E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, B3E, B4C, desB24, B28E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, B3K, B4C, B28E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, B3Q, B4C, B28D, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, B3Q, B4C, B28E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, B4C, B28E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, B4C, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, desB1, B2C, B3E, B27E, B28K, desB29, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, desB1, B2C, B3E, B28E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, desB1, B3C, B27E, B28K, desB29, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, desB1, B3C, B27E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, desB1, B3C, B28E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, desB1, B3E, B4C, B27E, B28K, desB29, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, desB1, B3E, B4C, B28E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, desB1, B3Q, B4C, B28E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A22K, B3C, desB27, desB30ヒトインスリン、
A10C, B1C, B28D, desB30ヒトインスリン、
A10C, B2C, B28D, desB30ヒトインスリン、
A10C, B2C, B3A, desB30ヒトインスリン、
A10C, B2C, B3D, desB30ヒトインスリン、
A10C, B2C, B3E, desB30ヒトインスリン、
A10C, B2C, B3F, desB30ヒトインスリン、
A10C, B4C, B28Dヒトインスリン、
A10C, B4C, B28D, desB30ヒトインスリン
からなる群から選択され、
側鎖がインスリンのN末端またはインスリン中のリジン残基のイプシロンアミノ基に結合している、可能な範囲で態様1から31のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
33.インスリンが、
A10C, A21G, B1G, B3C, B27E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, B1G, B3E, B4C, B27E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, B2C, B3E, B27E, B28K, desB29, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, B2C, B3E, B28E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, B3C, B27E, B28K, desB29, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, B3C, B28E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, B3E, B4C, B22E, B28E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, B3E, B4C, B27E, B28K, desB29, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, B3E, B4C, B28E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, B3E, B4C, desB24, B28E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, B3K, B4C, B28E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, B3Q, B4C, B28D, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, B3Q, B4C, B28E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, B4C, B28E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, B4C, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, desB1, B2C, B3E, B27E, B28K, desB29, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, desB1, B2C, B3E, B28E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, desB1, B3C, B27E, B28K, desB29, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, desB1, B3C, B27E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, desB1, B3C, B28E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, desB1, B3E, B4C, B27E, B28K, desB29, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, desB1, B3E, B4C, B28E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A21G, desB1, B3Q, B4C, B28E, desB30ヒトインスリン、
A10C, A22K, B3C, desB27, desB30ヒトインスリン、
A10C, B1C, B28D, desB30ヒトインスリン、
A10C, B2C, B28D, desB30ヒトインスリン、
A10C, B2C, B3A, desB30ヒトインスリン、
A10C, B2C, B3D, desB30ヒトインスリン、
A10C, B2C, B3E, desB30ヒトインスリン、
A10C, B2C, B3F, desB30ヒトインスリン、
A10C, B4C, B28Dヒトインスリン、
A10C, B4C, B28D, desB30ヒトインスリン
からなる群から選択され、
側鎖がインスリンのB鎖におけるリジン残基のイプシロンアミノ基に結合している、可能な範囲で態様1から32のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
34.側鎖がインスリンのN末端またはインスリン中のリジン残基のイプシロンアミノ基に結合している、可能な範囲で態様1から33のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
35.側鎖がインスリンのB鎖におけるリジン残基のイプシロンアミノ基に結合している、可能な範囲で態様1から34のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
36.側鎖が一般式: Acy-AA1n-AA2m-AA3p-のアシル部分である、可能な範囲で態様1から35のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
37.実施例中に述べられるインスリン誘導体からなる群から選択される、可能な範囲で態様1から36のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
38.インスリンの2つ以上のアミノ酸をシステイン残基で置換すること、および前記インスリンに側鎖を結合させることを含むインスリンを安定化するための方法であって、
a.ヒトインスリンの3つのジスルフィド結合が保持されており、
b.システイン置換の部位は、導入されたシステイン残基が、折り畳まれたインスリン誘導体の三次元構造内に位置し、ヒトインスリンには存在しない1つまたは複数の追加のジスルフィド結合の形成を可能にするように選ばれ、
それによって、ヒトインスリンには存在しない1つまたは複数の追加のジスルフィド結合を含むインスリン誘導体を作製する方法。
39.態様1から37のいずれか1つに従ったインスリン誘導体の生物学的活性量および薬剤的に許容される担体を含む医薬組成物。
40.薬剤的に許容される担体および/または賦形剤ならびに場合によりアジュバントをさらに含む、態様39に従った医薬組成物。
41.態様1から37のいずれか1つに従ったインスリン誘導体または態様39から40のいずれか1つに従った医薬組成物を対象に投与することを含む、対象における真性糖尿病を治療するための方法。
42.態様1から37のいずれか1つに従ったインスリン誘導体または態様39から40のいずれか1つに従った医薬組成物の治療的に活性な用量を、そのような治療を必要とする患者に投与することにより、哺乳動物において血糖値を下げる方法。
43.高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害および1型糖尿病の治療または予防における医薬品として使用するための態様1から37のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
44.2型糖尿病の疾患進行を遅延するまたは予防することにおける医薬品として使用するための態様1から37のいずれか1つに従ったインスリン誘導体。
45.態様1から37のいずれか1つに従ったインスリン誘導体を薬剤的に許容される物質および/または賦形剤と混合することを含む、態様39から40のいずれか1つに従った医薬組成物を調製するための方法。
46.態様45に従った方法により入手可能な医薬組成物。
本明細書において引用される、出版物、特許出願および特許を含むすべての参照文献は、これによりその全体を参照により、および各参考文献が参照により組み込まれることを個々におよび具体的に示されていて本明細書にその全体を記載されている場合と同じ程度に、組み込まれている(法が許す最大範囲まで)。
見出しおよび小見出しはすべて、単に便宜上、本明細書において使用されており、いかなる点でも本発明を限定するものと解釈すべきではない。
本明細書において提供されるありとあらゆる例、または例となる言葉遣い(たとえば、「などの(such as)」)の使用は、本発明の理解をもっと容易にするためだけに意図されており、他の方法で主張されていなければ、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書中のどんな言葉遣いも、本発明の実行に不可欠である主張されていない要素を示すと解釈されるべきではない。
本明細書への特許文書の引用および組込みは、単に便宜上行われ、そのような特許文書の妥当性、特許性、および/または執行可能性についてのいかなる見解も反映していない。
本発明は、適用法により容認されている通りに、この文書に添付される特許請求の範囲に列挙される主題のあらゆる改変物および等価物を含む。
(実施例)
下記の実施例は、限定のためではなく、説明のために提供される。
本明細書で使用される略語は以下の通りである。βAlaはベータアラニル、Aocは8-アミノオクタン酸、tBuはt-ブチル、DCMはジクロロメタン、DICはジイソプロピルカルボジイミド、DIPEA=DIEAはN,N-ジイソプロピルエチルアミン、DMFはN,N-ジメチルホルムアミド、DMSOはジメチルスルホキシド、EtOAcは酢酸エチル、Fmocは9-フルオレニルメチルオキシカルボニル、γGluはガンマL-グルタミル、HCLは塩酸、HOBtは1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、NMPはN-メチルピロリドン、MeCNはアセトニトリル、OEGは[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]エチルカルボニル、Suはサクシニミジル-1-イル=2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イル、OSuはサクシニミジル-1-イルオキシ=2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルオキシ、RPCは逆相クロマトグラフィー、RTは室温、TFAはトリフルオロ酢酸、THFはテトラヒドロフラン、TNBSは2,4,6-トリニトロベンゼンスルホン酸、TRISはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンおよびTSTUはO-(N-サクシニミジル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラートである。
以下の実施例および一般的手順は、本明細書においておよび合成計画において同定される中間化合物および最終産物に言及する。本発明の化合物の調製は、以下の実施例を使用して詳細に説明されるが、記載されている化学反応は、本発明の化合物の調製に対するその一般的適用性に関して開示されている。反応は、本発明の開示された範囲内に含まれる各化合物には記載されている通りに適用可能ではない場合がある。こうしたことが起こる化合物は当業者であれば容易に認識するであろう。こうした場合、反応は、当業者に公知の従来の変更により、つまり、妨害している基の適切な防御により、他の従来の試薬に変更することにより、または反応条件の常用の変更により首尾よく実施することが可能である。代わりに、本明細書で開示されたまたは他の点では従来の他の反応が、本発明の対応する化合物の調製に適用可能になるであろう。すべての調製法では、出発物質はすべて既知であり、または既知の出発物質から容易に調製し得る。温度はすべて摂氏度で記載されており、他の方法で示されていなければ、部および百分率はすべて収量に言及する場合は重量により、部はすべて、溶媒および溶出剤に言及する場合は容量による。
本発明の化合物は、当技術分野内では典型的な以下の手順のうちの1つまたは複数を用いることにより精製することが可能である。これらの手順は、必要であれば、勾配、pH、塩、濃度、流量、カラムなどに関して変更することが可能である。問題のインスリンの不純物プロファイル、溶解性等などの要因に応じて、これらの変更は当業者により容易に認識され加えられることが可能である。
酸性HPLCまたは脱塩後、前記化合物は純粋画分の凍結乾燥により単離される。
中性HPLCまたは陰イオン交換クロマトグラフィー後、前記化合物は、たとえば、サイズ排除クロマトグラフィーにより脱塩、等電pHで沈殿、または酸性HPLCにより脱塩される。
典型的な精製手順:
HPLCシステムは、以下の:Model 215液体ハンドラー、Model 322-H2ポンプおよびModel 155 UV検出器からなるGilsonシステムである。検出は典型的には210nmおよび280nmである。
Akta Purifier FPLCシステムは以下の:Model P-900ポンプ、Model UV-900 UV検出器、Model pH/C-900 pHおよび電導度検出器、Model Frac-950フラクションコレクターからなる。UV検出は典型的には214nm、254nmおよび276nmである。
酸性HPLC:
カラム: Macherey-Nagel SP 250/21 Nucleusil 300-7 C4
流量: 8ml/分
緩衝液A: アセトニトリル中0.1% TFA
緩衝液B: 水中0.1% TFA
勾配: 0.0〜5.0分: 10% A
5.00〜30.0分: 10% Aから90% A
30.0〜35.0分: 90% A
35.0〜40.0分: 100% A
中性HPLC:
カラム: Phenomenex、Jupiter、C4 5μm 250×10.00mm、300Å
流量: 6ml/分
緩衝液A: 5mM TRIS、7.5nM (NH4)2SO4、pH=7.3、20% CH3CN
緩衝液B: 60% CH3CN、40%水
勾配: 0〜5分: 10% B
5〜35分: 10〜60% B
35〜39分: 60% B
39〜40分: 70% B
40〜43.5分: 70% B
陰イオン交換クロマトグラフィー:
カラム: RessourceQ、1ml
流量: 6ml/分
緩衝液A: 0.09% NH4HCO3、0.25% NH4OAc、42.5% エタノール pH8.4
緩衝液B: 0.09% NH4HCO3、2.5% NH4OAc、42.5% エタノール pH8.4
勾配: 30カラム体積中に100% Aから100% B
脱塩:
カラム: HiPrep 26/10
流量: 10ml/分、6カラム体積
緩衝液: 10mM NH4HCO3
一般式(II)のアシル化試薬の固相合成のための一般手順:
(II): Acy-AA1n-AA2m-AA3p-Act
Acy、AA1、AA2、AA3、n、m、およびpは上に定義される通りであり、Actは、N-ヒドロキシサクシニミド(OSu)または1-ヒドロキシベンゾトリアゾールなどの活性エステルの脱離基であり、
アシル部分のAcyおよびAA2部分内のカルボン酸はt-ブチルエステルとして保護されている。
本発明に従った一般式(II)の化合物は、固相ペプチド合成の分野の当業者には周知の手順を使用して固体支持体上で合成することが可能である。この手順には、Fmoc保護されたアミノ酸のポリスチレン2-クロロトリチルクロリド樹脂への結合が含まれる。前記結合は、たとえば、トリエチルアミンまたはN,N-ジイソプロピルエチルアミンのような三級アミンの存在下で遊離N-保護されたアミノ酸を使用して実現することが可能である(下の参考文献参照)。このアミノ酸のC末端(樹脂に結合している)は、本発明の親インスリンに結合している合成配列の終端にある。Fmocアミノ酸の樹脂への結合後、Fmoc基は、たとえば、ピペリジンまたはジエチルアミンのような二級アミンを使用して脱保護され、続いて別の(または同じ)Fmoc保護されたアミノ酸を結合させ、脱保護する。合成配列は、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸またはエイコサン二酸モノ-t-ブチルエステルのようなモノ-t-ブチル保護された脂肪(α,ω)二酸を結合させることにより終止される。樹脂からの前記化合物の切断は、0.5〜5% TFA/DCM(ジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸)、酢酸(たとえば、DCMまたはHOAc/トリフルオロエタノール/DCM 1対1対8中10%)、またはDCM中ヘキサフルオロイソプロパノールのような希釈された酸を使用して実現される(たとえば、「Organic Synthesis on Solid Phase」、F.Z. Dorwald、Wiley-VCH、2000年. ISBN 3-527-29950-5、「Peptides: Chemistry and Biology」、N. Sewald & H.-D. Jakubke、Wiley-VCH、2002年、ISBN 3-527-30405-3または「The Combinatorial Cheemistry Catalog」1999年、Novabiochem AG、およびそこに引用される参考文献参照)。これにより確実に、カルボン酸保護基として前記化合物に存在するt-ブチルエステルは脱保護されなくなる。最後に、C末端カルボキシ基(樹脂から遊離される)が、たとえば、N-ヒドロキシサクシニミドエステル(OSu)として活性化され、直接または精製後に本発明の親インスリンへの結合におけるカップリング試薬として使用される。
代わりに、上記の一般式(II)のアシル化試薬は、下に記載される液相合成により調製することが可能である。
ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸またはエイコサン二酸モノ-t-ブチルエステルなどのモノ-t-ブチル保護された脂肪二酸は、たとえば、下に記載されるOSu-エステルとしてまたはHOBt-もしくはHOAt-エステルなどの当業者に公知の他の任意の活性化されたエステルとして活性化される。この活性エステルは、DIPEAまたはトリエチルアミンなどの適切な塩基の存在下でTHF、DMF、NMP(または溶媒混合液)などの適切な溶媒中でアミノ酸AA1、モノ-t-ブチル保護されたAA2、またはAA3のうちの1つに結合される。その中間体は、たとえば、抽出手順によりまたはクロマトグラフィー的手順により単離される。こうして得られる中間体は再び活性化(上に記載される通りに)およびアミノ酸AA1、モノ-t-ブチル保護されたAA2、またはAA3のうちの1つとのカップリングに上述の通りに供される。この手順は、目的の保護された中間体Acy-AA1n-AA2m-AA3p- OHが得られるまで繰返される。これは順番に活性化されて、一般式(II)Acy-AA1n-AA2m-AA3p-Actのアシル化試薬が得られる。
上の方法のいずれかにより調製されるアシル化試薬は、OSuエステルとしての活性化後に(t-ブチル)脱保護され得る。これは、OSu-活性化されt-ブチル保護されたアシル化試薬のTFA処理により行うことが可能である。任意のプロテアーゼ安定化されたインスリンのアシル化後、本発明のこうして得られる保護されていないアシル化されプロテアーゼ安定化されたインスリンは得られる。
上の方法のいずれかにより調製される試薬がOSuエステルとしての活性化後に(t-ブチル)脱保護されない場合は、任意のプロテアーゼ安定化されたインスリンのアシル化により、本発明の対応するt-ブチル保護されアシル化されプロテアーゼ安定化されたインスリンが得られる。本発明の保護されていないアシル化されプロテアーゼ安定化されたインスリンを得るためには、保護されたインスリンは脱保護されるべきである。これは、TFA処理により行われて、本発明の保護されていないアシル化されプロテアーゼ安定化されたインスリンが得られる。
ヒトインスリンまたはインスリン類似体のリジン残基のアシル化(イプシロン位において)は、アルカリ性pHで(たとえば、pH10、10.5、11、11.5または12で)実施される。
一般手順(A)は第一の実施例に説明されている。
(実施例1)
一般手順(A):
A10C, A14E, B4C, B25H, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC(オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]-エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB4,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
A10C, B4C, A14E, B25H, desB30ヒトインスリン(2g)は100mM水性Na2CO3 (50mL)に溶解され、NMP(3mL)が添加された。pHは1N NaOHで11.2に調整された。NMP(6mL)に溶解されたオクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG-OSu (0.8g、1.4当量)は、pHをほぼ11に保つ1N NaOHと同時に添加された。5分後、水(40mL)が添加され、pHは1N HClの添加により5.5に下げられた。沈殿物は遠心分離により単離された。前記残渣はアセトニトリル(30mL)と1% TFA(30mL)を含有する水中に溶解され、HPLCにより4ランで精製された:
カラム: Phenomenex, Gemini、5μ、C18、110Å、250×30cm
流量: 20ml/分
溶出剤: A: 水中0.1% TFA B: アセトニトリル中0.1% TFA
勾配:
0〜7.5分: 10%B
7.5〜87.5分: 10%Bから60%B
87.5〜92.5分: 60%B
92.5〜97.5分: 60%Bから100%B
97.5〜100分: 100%B
100〜103分: 10%B
澄んだ画分はプールされ凍結乾燥された。乾燥物質は水(200mL)に溶解され、0.1 N NaOHをpH=8.1まで添加され凍結乾燥されて、1gの表題のインスリンが得られた。
MALDI-MS: m/z: 6340; calcd: 6341
LC-MS(エレクトロスプレー): m/z=1586.04 (M+4)/4 (6340)
(実施例2)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, B25H, B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB3,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
LCMS (エレクトロスプレー): m/z = 1517.0 (M+4)/4 (6064)
(実施例3)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, B25H, B29K(Nεオクタデカンジオイル), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-17-カルボキシヘプタデカノイル-[CysA10,CysB3,HisB25], des-ThrB30-インスリン(ヒト)
MS (エレクトロスプレー) m/4: m/z = 1485.0 (5935.9). Calcd.: 1484.8
(実施例4)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, B25H, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,CysB3,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
MS (エレクトロスプレー) m/4: m/z = 1525.8 (6099.1). Calcd.: 1525.8
(実施例5)
一般手順(A):
A10C, A14E, desB1 , B4C, B25H, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-2×OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB4,HisB25],des-PheB1,ThrB30-インスリン(ヒト)-(A)-ペプチド,(B2-B29)-ペプチド
MS (エレクトロスプレー) m/4: m/z = 1549.4 (6193.6). Calcd.: 1549.3
以下の誘導体は同様に調製し得る。
(実施例6)
一般手順(A):
A10C, A14H, B4C, B25H, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-2×OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,HisA14,CysB4,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
以下の類似体は同様に調製し得る。
(実施例7)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, B25H, B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu-2×OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB3,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
MS (エレクトロスプレー) m/4: m/z = 1597.6 (6386.4). Calcd.: 1597.5
(実施例8)
一般手順(A):
A10C, A14E, B1C, B25H, B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu-2×OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB1,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
MS (エレクトロスプレー) m/4: m/z = 1588.9 (6351.6). Calcd.: 1588.8
(実施例9)
一般手順(A):
A10C, A14E, B4C, B25H, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB4,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
MS (エレクトロスプレー) m/4: m/z = 1514.1 (6351.6). Calcd.: 1513.8
(実施例10)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, B25H, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB3,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
MS (エレクトロスプレー) m/4: m/z = 1589.6 (6355.4). Calcd.: 1589.9
(実施例11)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, B25H, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]ブタノイル]-[CysA10,GluA14, CysB3,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
MS (エレクトロスプレー) m/4: m/z = 1549.2 (6194.2). Calcd.: 1549.6
(実施例12)
一般手順(A):
A10C, A14E, B4C, B25H, desB27, B29K(NεオクタデカンジオイルgGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB4,HisB25],des-ThrB27,ThrB30-インスリン(ヒト)
MS (エレクトロスプレー) m/4: m/z = 1488 (5948). Calcd.: 1488
(実施例13)
一般手順(A):
A10C, A14E, B4C, B25H, B29K(Nεオクタデカンジオイル), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-17-カルボキシヘプタデカノイル-[CysA10,GluA14,CysB4,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
MS (エレクトロスプレー) m/4: m/z = 1481.9 (5921.9). Calcd.: 1481.5
(実施例14)
一般手順(A):
A10C, A14E, B4C, B25H, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]ブタノイル]-[CysA10,GluA14, CysB4,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
MS (エレクトロスプレー) m/4: m/z = 1546.1 (6180.2). Calcd.: 1545
(実施例15)
一般手順(A):
A10C, A14E, B2C, B25H, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB2,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
MS (エレクトロスプレー) m/4: m/z = 1593.6 (6370.4). Calcd.: 1593.6
(実施例16)
一般手順(A):
A10C, A14E, B1C, B25H, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB1,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
MS (エレクトロスプレー) m/4: m/z = 1581.5 (6322.1 ). Calcd.: 1581.5
(実施例17)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, B16H, B25H, B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB3,HisB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
MS (エレクトロスプレー) m/4: m/z = 1590.5 (6357.8). Calcd.: 1590.5
(実施例18)
一般手順(A):
A10C, A14E, B4C, B25H, B29K(Nεミリスチル), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-テトラデカノイル-[CysA10,GluA14,CysB4,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
MS (エレクトロスプレー) m/4: m/z = 1460.0 (5835.8). Calcd.: 1460.0
(実施例19)
一般手順(A):
A10C, B4C, B29K(Nεミリスチル), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-テトラデカノイル-[CysA10,CysB4],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
MS (エレクトロスプレー) m/3: m/z = 1961.4 (5881.2). Calcd.: 1961.4
(実施例20)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, B25H, desB27, B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB3,HisB25],des-ThrB27,ThrB30-インスリン(ヒト)
MS (エレクトロスプレー) m/4: m/z = 1492.2 (5964.0). Calcd.: 1492.0
(実施例21)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, B25H, desB27, B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-2×OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB3,HisB25],des-ThrB27,ThrB30-インスリン(ヒト)
MS (エレクトロスプレー) m/4: m/z = 1564.7 (6254.3). Calcd.: 1564.6
(実施例22)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, B25H, B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB3,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
MS (エレクトロスプレー) m/4: m/z = 1524.4 (6093.1 ). Calcd.
(実施例23)
一般手順(A):
A10C, A14E, B4C, B25H, B29K(N(eps)エイコサンジオイル-gGlu-2×OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB4,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
MS (エレクトロスプレー) m/4: m/z = 1593.2 (6369.4). Calcd.: 1593.4
(実施例24)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, B25H, desB27, B29K(N(eps)エイコサンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB3,HisB25],des-ThrB27,ThrB30-インスリン(ヒト)
MS (エレクトロスプレー) m/4: m/z = 1499.1 (5992.0). Calcd.: 1499.0
(実施例25)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, B25H, desB27, B29K(N(eps)エイコサンジオイル-gGlu-2×OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB3,HisB25],des-ThrB27,ThrB30-インスリン(ヒト)
MS (エレクトロスプレー) m/4: m/z = 1571.8 (6282.3). Calcd.: 1571.6
同様に、以下のインスリン誘導体は調製し得る:
(実施例26)
一般手順(A):
A10C, A14E, B4C, B25H, B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB4,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例27)
一般手順(A):
A10C, A14E, B4C, B25H, B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB4,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例28)
一般手順(A):
A10C, A14E, B4C, B25H, B29K(Nεヘキサデカンジオイル), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-15-カルボキシペンタデカノイル)-[CysA10,GluA14,CysB4,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例29)
一般手順(A):
A10C, A14E, B4C, B25H, B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB4,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例30)
一般手順(A):
A10C, A14E, B4C, B25H, desB27, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB4,HisB25],des-ThrB27,ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例31)
一般手順(A):
A10C, A14E, B4C, B25H, desB27, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]ブタノイル]-[CysA10,GluA14, CysB4,HisB25],des-ThrB27,ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例32)
一般手順(A):
A10C, A14E, B4C, B25H, desB27, Β29Κ(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB4,HisB25],des-ThrB27,ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例33)
一般手順(A):
A10C, A14E, B4C, B25H, desB27, B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB4,HisB25],des-ThrB27,ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例34)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, B25H, B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB3,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例35)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, B25H, B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB3,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例36)
一般手順(A):
A10C, A14E, B2C, B25H, B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB2,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例37)
一般手順(A):
A10C, A14E, B2C, B25H, B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB2,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例38)
一般手順(A):
A10C, A14E, B2C, B25H, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB2,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例39)
一般手順(A):
A10C, A14E, B1C, B25H, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB1,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例40)
一般手順(A):
A10C, A14E, B1C, B25H, B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB1,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例41)
一般手順(A):
A10C, A14E, B1C, B25H, B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB1,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例42)
一般手順(A):
A10C, B1C, B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,CysB1],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例43)
一般手順(A):
A10C, B1C, B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,CysB1],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例44)
一般手順(A):
A10C, B1C, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,CysB1],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例45)
一般手順(A):
A10C, B1C, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,CysB1],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例46)
一般手順(A):
A10C, B2C, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,CysB2],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例47)
一般手順(A):
A10C, B2C, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,CysB2],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例48)
一般手順(A):
A10C, B2C, B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,CysB2],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例49)
一般手順(A):
A10C, B2C, B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,CysB2],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例50)
一般手順(A):
A10C, B3C, B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,CysB3],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例51)
一般手順(A):
A10C, B3C, B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,CysB3],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例52)
一般手順(A):
A10C, B3C, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,CysB3],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例53)
一般手順(A):
A10C, B3C, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,CysB3],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例54)
一般手順(A):
A10C, B4C, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,CysB4],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例55)
一般手順(A):
A10C, B4C, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,CysB4],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例56)
一般手順(A):
A10C, B4C, B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,CysB4],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例57)
一般手順(A):
A10C, B4C, B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,CysB4],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例58)
一般手順(A):
A10C, A14E, B1C, B16H, B25H, B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu-2×OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB1,HisB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例59)
一般手順(A):
A10C, A14E, B1C, B16H, B25H, B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB1,HisB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例60)
一般手順(A):
A10C, A14E, B1C, B16H, B25H, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB1,HisB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例61)
一般手順(A):
A10C, A14E, B1C, B16H, B25H, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB1,HisB16,HisB25],des-TrB30-インスリン(ヒト)
(実施例62)
一般手順(A):
A10C, A14E, B1C, B16H, B25H, B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB1,HisB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例63)
一般手順(A):
A10C, A14E, B1C, B16H, B25H, B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB1,HisB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例64)
一般手順(A):
A10C, A14E, B2C, B16H, B25H, B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB2,HisB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例65)
一般手順(A):
A10C, A14E, B2C, B16H, B25H, B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB2,HisB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例66)
一般手順(A):
A10C, A14E, B2C, B16H, B25H, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB2,HisB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例67)
一般手順(A):
A10C, A14E, B2C, B16H, B25H, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB2,HisB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例68)
一般手順(A):
A10C, A14E, B2C, B16H, B25H, B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB2,HisB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例69)
一般手順(A):
A10C, A14E, B2C, B16H, B25H, B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB2,HisB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例70)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, B16H, B25H, B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB3,HisB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例71)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, B16H, B25H, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB3,HisB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例72)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, B16H, B25H, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB3,HisB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例73)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, B16H, B25H, B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB3,HisB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例74)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, B16H, B25H, B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB3,HisB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例75)
一般手順(A):
A10C, A14E, B4C, B16H, B25H, B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB4,HisB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例76)
一般手順(A):
A10C, A14E, B4C, B16H, B25H, B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB4,HisB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例77)
一般手順(A):
A10C, A14E, B4C, B16H, B25H, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB4,HisB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例78)
一般手順(A):
A10C, A14E, B4C, B16H, B25H, B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB4,HisB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例79)
一般手順(A):
A10C, A14E, B4C, B16H, B25H, B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu-OEG-OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB4,HisB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例80)
一般手順(A):
A10C, A14E, B4C, B16H, B25H, B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB4,HisB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例81)
一般手順(A):
A10C, A14E, B1C, B25H, B29K(N(eps)エイコサンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB1,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例82)
一般手順(A):
A10C, A14E, B2C, B25H, B29K(N(eps)エイコサンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB2,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例83)
一般手順(A):
A10C, A14E, B2C, B25H, B29K(N(eps)エイコサンジオイル-gGlu-2×OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB2,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例84)
一般手順(A):
A10C, A14E, B4C, B25H, desB27, B29K(N(eps)エイコサンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB4,HisB25],des-ThrB27,ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例85)
一般手順(A):
A10C, A14E, B4C, B25H, desB27, B29K(N(eps)エイコサンジオイル-gGlu-2×OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB4,HisB25],des-ThrB27,ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例86)
一般手順(A):
A10C, A14E, B4C, B25H, B29K(N(eps)エイコサンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB4,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例87)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, B25H, desB27, B29K(N(eps)ヘキサデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB3,HisB25],des-ThrB27,ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例88)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, B25H, desB27, B29K(N(eps)ヘキサデカンジオイル-gGlu-2×OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB3,HisB25],des-ThrB27,ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例89)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, desB27, B29K(N(eps)ヘキサデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB3],des-ThrB27,ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例90)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, desB27, B29K(N(eps)ヘキサデカンジオイル-gGlu-2×OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB3],des-ThrB27,ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例91)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, desB27, B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB3],des-ThrB27,ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例92)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, desB27, B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-2×OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB3],des-ThrB27,ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例93)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, desB27, B29K(N(eps)エイコサンジオイル-gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB3],des-ThrB27,ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例94)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, desB27, B29K(N(eps)エイコサンジオイル-gGlu-2×OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイル-アミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB3],des-ThrB27,ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例95)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, B16H, B25H, B29K(N(eps)エイコサンジオイル-2×gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB3,HisB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例96)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, B16E, B25H, B29K(N(eps)エイコサンジオイル-gGlu-2×OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB3,GluB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例97)
一般手順(A):
A10C, A14E, B4C, B16E, B25H, B29K(N(eps)エイコサンジオイル-gGlu-2×OEG), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[CysA10,GluA14,CysB4,GluB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例98)
一般手順(A):
A10C, A14E, B3C, B16H, B25H, B29K(N(eps)エイコサンジオイル-2×gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB3,HisB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例99)
一般手順(A):
A10C, A14E, B4C, B16E, B25H, B29K(N(eps)エイコサンジオイル-2×gGlu), desB30ヒトインスリン
IUPAC (オープンアイ、IUPACスタイル)名:
N{イプシロン-B29}-[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ブタノイル]-[CysA10,GluA14,CysB4,GluB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)
(実施例100)
インスリン受容体結合:
インスリン受容体結合アッセイ(可溶化されたインスリン受容体上で)
ヒトインスリン受容体に対する本発明のインスリン誘導体の親和性は、シンチレーション近接アッセイ(SPA)により決定された(Glendorf et al. (2008)、Biochemistry、47、4743〜4751頁に従って)。ヒトIR-AまたはIR-Bインサートを含有するpZemベクターで安定的にトランスフェクトされたベビーハムスター腎臓(BHK)細胞からコムギ胚芽凝集素精製により半精製された可溶化されたヒトIR(ホロ受容体)を使用して、Eppendorf epMotion 5075ロボット上の96ウェルプレート(ポリスチレンOptiplate-96、PerkinElmer)において競合結合実験は実施された。アッセイは、インスリン誘導体とヒトインスリン標準を含有する酵母上清の希釈系列(8希釈、それぞれ5倍、最初の希釈43倍)を作製することにより開始された。結合緩衝液に再懸濁されたSPAビーズ(SPA PVT抗体結合ビーズ、抗マウス試薬カタログ番号RPNQ0017、GE Healthcare)、抗IRモノクローナルマウス抗体(83-7)、可溶化されたヒトIR(hIR-AまたはhIR-B)、および[125I]A14Tyr標識インスリンからなる試薬混合物は、適切な試料の希釈系列に添加された。[125I]A14Tyr標識インスリンの最終濃度は7.5pMで、緩衝液は、100mM HEPES(pH7.8)、100mM NaCl、10mM MgSO4、および0.025%(v/v) Tween 20からなっていた。プレートは室温で24時間穏やかに振盪しながらインキュベートされ、2000rpmで2分間遠心分離され、TopCount NXTにおいて3分間/ウェルで計数された。SPAからのデータは、4パラメータロジスティックモデル(Volund, A.、(1978)、Biometrics、34、357〜365頁)に従って解析され、インスリン誘導体の親和性は、ヒトインスリンの親和性と比べて表された。
このアッセイは、生理条件を再現するために、アッセイ緩衝液中1.5% HSAでも実行される。
モノクローナルmIR抗体の調製
特異的抗体(F12または83-7)はモノクローナル技法:すなわち、RBFマウスはFCA中50μgの精製されたmIRを皮下に注射され、続いてFIA中20μgのmIRを2回注射により免疫化されて作製された。高応答マウスは25μgのmIRで静脈内に追加免疫され、その脾臓は3日後に収穫された。脾細胞は骨髄腫Fox細胞系統と融合された(Kohler, G & Milstein C. (1976), European J. Immunology, 6:511〜19頁; Taggart RT et al (1983), Science 219:1228〜30頁)。上清はmIR特異的ELISAにおいて抗体産生についてスクリーニングされた。陽性ウェルはクローン化され、ウェスタンブロッティングにおいて試験された。
インスリン受容体結合アッセイ(膜結合性インスリン受容体上で):
膜結合性組換えヒトインスリン受容体アイソフォームA(hIR-A)への[125I]-ヒトインスリンの結合:
膜結合性インスリン受容体の抽出:10層細胞ファクトリーからヒトインスリン受容体アイソフォームAを発現しているBHK細胞(tk-ts13)が収穫され、25mlの氷冷緩衝液(25mM HEPES pH7.4、2.5mM CaCl2、1mM MgCl2、250mg/lバシトラシン、0.1mM Pefablock (Roche))中にホモジナイズされた。ホモジネートは41%ショ糖クッション上に慎重に層状にされ、4℃でBeckman SW28ローター中75分間、超遠心機において95,000×gで遠心分離された。原形質膜はショ糖クッションの上から回収され、緩衝液で1対4に希釈され、Beckman SW28ローター中45分間、40,000×gで遠心分離された。ペレットは緩衝液(25mM HEPES pH7.4、2.5mM CaCl2、1mM MgCl2、250mg/lバシトラシン、0.1mM Pefablock)に懸濁され、-80℃で貯蔵された。
膜結合性インスリン受容体への放射性リガンドの結合は、96ウェルOptiPlate(Perkin Elmer)において2度重複して実施された。膜タンパク質は、総容積200mlアッセイ緩衝液(50mM HEPES、150mM NaCl、5mM MgSO4、0.01% Triton X-100、0.1% HSA (脂肪酸なし)、Complete(商標) EDTA-なしプロテアーゼ阻害剤)中50pM [125I-TyrA14]-ヒトインスリン、増加する濃度のヒトインスリンまたはインスリン誘導体(典型的には0.01から300nMまで)、および1mgのWGA-被膜PVTミクロスフェア(GE Healthcare)と一緒に25℃で150分間インキュベートされた。アッセイは2000rpmでの2分間のプレートの遠心分離により終了され、結合した放射能は60分の遅延後Packard TopCount NXTにおいてカウントすることにより定量化された。
結合データは、GraphPad Prism 5.02 (GraphPad Software、San Diego、CA)において4パラメータシグモイド回帰アルゴリズムを使用してフィットさせた。結果は、ヒトインスリンと比べたIC50として%で与えられる。
インスリン受容体親和性:
本発明のインスリン誘導体における追加のジスルフィド架橋の影響は、驚くべきことに、ごくわずかである。脂肪酸側鎖の効果は、親インスリンにおける非システイン変異の影響に次いで、最大の影響を与えている。このことは以下の表において例証されており一般的所見である。本発明の脂肪酸誘導体化されたインスリンの低いインスリン受容体親和性は、長く遅延性のインビボプロファイルを得るためには望ましい。
(実施例101)
本発明のインスリン誘導体の疎水性:
インスリン誘導体の疎水性は、均一濃度条件下で実行される逆相HPLCにより見出される。インスリン誘導体の溶出時間は、ヒトインスリン(本明細書ではHIと称される)または同一条件下で既知の疎水性を有する別の誘導体の溶出時間と比較される。疎水性、k'rel、はk'relderiv=((tderiv-t0)/(tref-t0))*k'relrefとして計算される。HIを基準として使用すれば、k'relref=k'relHI=1である。HPLCシステムのボイド時間、t0は、5μlの0.1mM NaNO3を注入することにより決定される。実行条件:
カラム: Lichrosorb RP-C18、5μm、4×250mm
緩衝液A: 0.1Mリン酸ナトリウム pH7.3、10vol% CH3CN
緩衝液B: 50vol% CH3CN
注入量: 5μl
実行時間: 最大60分
最初の勾配を実行後、誘導体および基準(たとえば、HI)を実行するための均一濃度レベルが選ばれ、均一濃度条件下での誘導体および基準の溶出時間を上の式において使用し、k'relderivを計算する。
(実施例102)
十二指腸管腔酵素を使用するインスリン誘導体の分解:
SPDラット由来の十二指腸管腔酵素(十二指腸管腔内容物の濾過により調製される)を使用するインスリン誘導体の分解。
前記アッセイは、インスリン誘導体および標準に16ウェルが利用可能な96ウェルプレート(2ml)においてロボットにより実施された。インスリン誘導体約15μMは、37℃で100mM Hepes、pH=7.4において十二指腸酵素と一緒にインキュベートされ、試料は1、15、30、60、120および240分後に採取され、反応はTFAの添加により急冷された。各点での無傷のインスリン誘導体は、RP-HPLCにより決定された。分解半減期はデータの指数関数フィッティングにより決定され、各アッセイにおける基準インスリン、A14E, B25H, desB30ヒトインスリンまたはヒトインスリンについて決定された半減期に正規化された。分解のために添加される酵素は、基準インスリンの分解の半減期が60分から180分までの間になるような量であった。前記結果は、ラット十二指腸におけるインスリン誘導体の分解半減期割る同一実験からの基準インスリンの分解半減期として与えられる(相対的分解速度)。
(実施例103)
ラット薬物動態、静脈内ラットPK:
麻酔下ラットはインスリン類似体を様々な用量で静脈内(i.v.)に投与され、用いた化合物の血漿濃度は、投与後4時間またはそれよりも長い指定された間隔を空けて免疫アッセイまたは質量分析を使用して測定された。引き続いて、薬物動態パラメータがWinNonLin Professional (Pharsight Inc.、Mountain View、CA、USA)を使用して計算された。
体重がほぼ200グラムの断食させていないオスウィスター系ラット(Taconic)が使用された。
体重が測定され、それに続いてラットは、ヒポノルム/ドルミカム(各化合物は無菌水に別々に1対1で希釈され、その後混合された。実験当日に新たに調製された)で麻酔された。麻酔は、scへの2ml/kgのヒポノルム/ドルミカム混合物により開始され、続いてscに30分の間隔を空けて1ml/kgの維持量を2回およびscに45分の間隔を空けて1ml/kgの維持量を2回投与した。必要であれば、ラットを最初から最後まで軽度の麻酔下に置くために、scへ1〜2ml/kgの追加の用量が供給された。部屋から別の部屋に移動させることにより動物にストレスを加えることを回避するために、体重測定と最初の麻酔はラット待機室において実施された。
PKプロファイルは図1に示されている。
(実施例104)
イヌ薬物動態、静脈内イヌPK:
オスビーグル犬(ほぼ12kg)は、インスリンインスリン類似体の静脈内単回投与(2nmol/kg)を受ける。血液は吸引され、血漿は投与後-0.17、0、0.083、0.25、0.5、0.75、1、1.25、1.5、2、2.5、3、3.5、4、5、8、10、12、16、24、32、48、72、96、120、144および168時間の時点で収集される。血漿試料は、サンドイッチ免疫アッセイまたはLCMSにより解析される。血漿濃度-時間プロファイルは、WinNonlin Professional 5.2(Pharsight Inc.、Mountain View、CA、USA)を使用する非コンパートメント薬物動態解析により解析される。
(実施例105)
ラット薬物動態、小腸内注射に続くラットPK:
麻酔されたラットはインスリン誘導体を小腸内に(空腸内に)投与される。用いられた化合物の血漿濃度ならびに血糖値の変化は、投与後4時間またはそれよりも長く指定された間隔を空けて測定される。それに続いて、薬物動態パラメータがWinNonLin Professional (Pharsight Inc.、Mountain View、CA、USA)を使用して計算される。
約18時間断食させた体重250から300gのオススプラーグドーリーラット(Taconic)を、プライミング投与量(試験物質投与に先立つ時点-60分までに)としてs.c.にヒポノルム-ドルミカム(0.079mg/mlクエン酸フェンタニル、2.5mg/mlフルアニソンおよび1.25mg/mlミダゾラム)2ml/kgを、20分後に1ml/kg続いて40分ごとに1ml/kgを使用して麻酔する。
小腸内注射モデルにおいて試験されるインスリンは、以下の組成物(重量%で):
45% プロピレングリコール (Merck)
33% Capmul MCM C10 (Abitec)
11% ポロキサマー 407 (BASF)
11% ポリエチレングリコール 3350 Ultra (Fluka)
に従って処方される。
添加されるインスリンの量は、Capmul MCM C10、ポロキサマー 407およびPEG 3350から等しく減算されるが、薬物負荷とは無関係にプロピレングリコールの量を一定の45%に保つために、プロピレングリコールからは減算されない。
麻酔されたラットは37℃に安定化された恒温ブランケット上に置かれる。20cmのポリエチレンカテーテルを装着した1ml注射器にインスリン製剤または溶媒を充填する。腹壁に4〜5cmの正中切開をする。カテーテルは、腸壁を穿通することにより盲腸から約50cmの中央空腸内に穏やかに挿入される。腸内容物が存在する場合は、適用部位を±10cm移動させる。カテーテル先端は腸部分の管腔のほぼ2cm内部に置かれ、結紮糸を使用せずに固定される。腸管は腹腔において慎重に交換され、腹壁および皮膚は各層においてオートクリップで閉鎖される。時間0で、ラットはカテーテルを介して0.4ml/kgの試験化合物または溶媒を投与される。
全血糖濃度の決定のための血液試料は、尾部先端の毛細血管に穿刺することによりヘパリン処置した10μlのキャピラリーチューブに収集された。血糖濃度はBiosen自動分析計(EKF Diagnostic Gmbh、Germany)を使用するグルコースオキシダーゼ法により、500μlの分析緩衝液中への希釈後に測定される。平均血糖濃度コース(平均±SEM)は化合物ごとに作成される。
血漿インスリン濃度の決定のために試料が収集される。100μlの血液試料は、EDTAを含有する冷却チューブ内に吸引される。試料は遠心分離する(7000rpm、4℃、5分)まで氷上に維持され、血漿はマイクロニックチューブにピペットで採取され、次にアッセイまで20℃で凍結される。インスリン誘導体の血漿濃度は、個々の誘導体に適切であると見なされるまたは確認されている免疫アッセイにおいて測定される。
血液試料は、t=-10(血糖のみについて)で、t=-1(投与直前)でおよび投与後4時間またはそれよりも長い指定された間隔を空けて吸引される。
(実施例106)
ヒトインスリンと比べた、本発明のアシル化されたインスリン誘導体の効力、静脈内定常状態クランプ
実験当日に体重238〜383gのオススプラーグドーリーオスラットが、クランプ実験のために使用される。ラットは制御された環境条件下で餌を自由に得ることができ、クランプ実験に先立って一晩断食される(午後3時から)。
実験プロトコール:
ラットは、外科的処置に先立って少なくとも1週間動物施設において気候順応させる。クランプ実験のほぼ1週間前、Tygonカテーテルがハロセン麻酔下で頸静脈(注入のため)および頸動脈(血液採取のため)に挿入され、露出させ首の後部に固定される。ラットは手術後にストレプトシリン(Streptocilin) vet (Boehringer Ingelheim; 0.15ml/ラット、i.m.)を与えられ、回復期間中は動物管理室(25℃)に入れられる。無痛にするために、麻酔中はアノルフィン(Anorphin) (0.06mg/ラット、s.c.)が投与され、麻酔からの完全に回復後(2〜3時間)はリマダイル(Rimadyl) (1.5mg/kg、s.c.)が投与され、2日間は再び毎日1回投与される。
実験当日午前7時に、一晩断食された(前日の午後3時から)ラットは体重測定され、試料採取注射器および注入装置(Harvard 22 Basic pumps、Harvard、およびPerfectum Hypodermic注射筒、Aldrich)に接続され、その後、実験開始前の約45分間休息する個別のクランプケージに置かれる。ラットは、全実験中は通常の床敷き上で自由に動くことができ、飲料水を自由に得ることができる。血漿グルコースレベルが10分の間隔を空けて測定される30分の基礎期間後、試験されるインスリン誘導体およびヒトインスリン(ラットあたり1用量レベル、用量レベルあたりn=6〜7)が300分間一定速度で注入される(i.v.)。場合により、血漿中で即時に定常状態レベルに到達するために、試験されるインスリン誘導体のプライミングボーラス注入が施される。プライミングボーラス注入の用量は、薬物動態分野の当業者がi.v.ボーラス薬物動態から入手したクリアランスデータに基づいて計算することが可能である。血漿グルコースレベルは全体を通して10分の間隔を空けて測定され、20%水性グルコースの注入は正常血糖を維持する目的に従って調整される。再懸濁赤血球の試料は各ラットからプールされ、頸動脈カテーテルを介して約1/2ml容積に戻される。
各実験日に、試験される個々のインスリン誘導体の溶液およびヒトインスリン溶液の試料がクランプ実験の前におよび終了時に採取され、そのペプチド濃度がHPLCにより確認される。ラットインスリンおよびCペプチドのならびに試験されるインスリン誘導体およびヒトインスリンの血漿濃度は実験の前におよび終了時の関連する時点で測定される。ラットはペントバルビタール過量を使用して実験の終了時に屠殺される。
(実施例107)
対照インスリン誘導体と比べた本発明のアシル化されたインスリン誘導体の効力、ラットへの皮下投与
オススプラーグドーリーラット(グループあたりn=6)は、溶媒またはインスリンインスリン類似体(それぞれ、中程度の作用持続時間または長期の作用持続時間を有する類似体の50または200nmol/動物)の皮下単回投与を受ける。血液(舌下)は吸引され、血漿は、それぞれ、中程度の作用持続時間を有する類似体または長期の作用持続時間を有する類似体で、投与後0、1、2、4、8、24および48または0、2、4、8、24、48、72、96時間の時点で収集される。血漿はグルコースについてアッセイされる。グルコース低下効果は、時間の関数としておよび対照インスリン誘導体と比べた-デルタ血漿グルコースの曲線下の面積として計算される。
(実施例108)
融点決定
示差走査熱量測定(DSC)
データ収集は、VP-DSC示差走査マイクロ熱量計(MicroCal、LLC、Northampton、MA)を使用して実施された。タンパク質スキャン(約200μMインスリン)誘導体はすべて、スキャン速度1℃/分および過圧0.21MPaで15℃から120℃まで基準細胞において2mMリン酸緩衝液を用いて実施された。試料および基準はすべて使用する直前に脱気された。緩衝液-緩衝液基準スキャンは、濃度正規化に先立って、各試料スキャンから減算された。
DSCデータは図3および4に示されている。
(実施例109)
細線維化傾向の測定
チオフラビンT(ThT)細線維化アッセイのための一般的手順
原理:
ペプチドの物理的安定性が低いと、アミロイド線維が形成される場合があり、この線維は試料中で整然とした糸状巨大分子構造として観察され、最終的にはゲルを形成する。これは従来、試料の目視検査により測定されてきた。しかし、そのような類の測定は非常に主観的であり、観察者に左右される。したがって、小分子指標プローブを適用するのがはるかに好ましい。チオフラビンT(ThT)はそのようなプローブであり、線維に結合するとはっきりした蛍光サインを有する(Naiki et al. Anal. Biochem. 177、244〜249頁、1989年; Le-Vine、Methods Enzymol. 309、274〜284頁、1999年)。線維形成の時間経過は以下の式を用いてS字状曲線により記述することができる(Nielsen at al. Biochemistry 40、6036〜6046頁、2001年)。
式中、Fは時間tでのThT蛍光である。定数t0は最大蛍光の50%に到達するのに必要な時間である。線維形成を記述する2つの重要なパラメータは、t0-2τで計算されるラグタイムおよび見掛けの速度定数kapp=1/τである。
ペプチドの部分的に折り畳まれた中間体の形成は、細線維化の一般的開始機序として提唱されている。それらの中間体で、核を形成してさらに中間体が集合して細線維化が進行する鋳型を形成する中間体はほとんどない。ラグタイムは、核の臨界量が蓄積される間隔に一致し、見掛けの速度定数は線維それ自体が形成される速度である。
試料調製:
試料はそれぞれのアッセイ前に新たに調製された。各類似体は7mMリン酸ナトリウム、pH=7.4に溶解された。チオフラビンTは水中保存液から試料に最終濃度の1μMまで添加された。200μlの試料アリコートが96ウェルマイクロタイタープレート(Packard Optiplate(商標)-96、ホワイトポリスチレン)に置かれた。通常は、各試料の4つのレプリカ(1つの試験条件に対応する)がウェルの1つのカラムに入れられた。プレートはScotch Pad (Qiagen)で密封された。
インキュベーションおよび蛍光測定:
所与の温度でのインキュベーション、振盪およびThT蛍光発光の測定は、Fluoroskan Ascent FLまたはVarioskan蛍光プレートリーダー(thermo Labsystems)において行われた。温度は37℃に調整された。オービタル振盪は提出されたデータすべてにおいて振幅1mmで960rpmに調整された。蛍光測定は、444nmフィルターを通じた励起を使用して行われ、発光の測定は485nmフィルターを通した。
各ランは、プレートをアッセイ温度で10分間インキュベートすることにより開始された。プレートは、典型的には45時間の間20分ごとに測定された。各測定間では、プレートは上記の通りに振盪され加熱された。
データ処理:
測定データポイントはさらなる処理のためにMicrosoft Excelフォーマットに保存され、曲線描画およびフィッティングはGraphPad Prismを使用して実施された。細線維非存在下でのThTからのバックグラウンド発光は無視できた。データポイントは典型的には4つの試料の平均である。同一実験(つまり、同一プレート上の試料)で得られたデータのみが、異なるアッセイ間の比較ではなく1つのアッセイの個々の試料間の細線維化の相対的尺度を保証する同一グラフに示されている。
データセットは方程式(1)に適合させ得る。しかし、完全S字状曲線は通常は測定時間中に達成されないために、細線維化の程度は4つの試料の平均として計算され、標準偏差を用いて示される様々な時点でのThT蛍光として表される。
ThTアッセイにおいて細線維化に対して試験された本発明に従ったインスリンのどれ1つとして、時間の関数として増加した蛍光(の非存在)により見られる細線維化のどんな兆候も示さなかったことは明白である。これは極めて異常であり、これは本発明の類似体の有用性を低く評価する。
(実施例110)
ラット脂肪細胞における脂質生合成
本発明のインスリンのインビトロ効力の尺度として、脂質生合成を使用することが可能である。
始原ラット脂肪細胞は、精巣上体の脂肪パッドから単離され、たとえば、1%無脂肪HSAを含有する緩衝液中の3H-グルコースおよび標準(ヒトインスリン、HI)または本発明のインスリンのどちらかと一緒にインキュベートされる。標識されたグルコースは用量依存的に抽出可能な脂質に変換され、完全な用量反応曲線を生じる。結果は、標準(HI)と比べて本発明のインスリンの95%信頼限界を有する相対的効力(%)として表される。
本発明のインスリンについての脂質生合成データ:
本発明に従った大多数の類似体では、得られた脂質生合成データ(0.1% HSAの存在下で)と1.5% HSAの存在下で得られたインスリン受容体データ間には非常に良好な一致が存在し、したがって、受容体結合が受容体活性化に変換されていることを裏付けている。
(実施例111)
本発明のインスリン類似体の化学的安定性:
インスリン類似体の化学的安定性は、インスリン類似体を37℃で最長8週間、2mMリン酸、pH=7.5中でインキュベートした後に評価される。高分子量産物(HMWP)の形成は、0、2、4および場合により8週間後にSEC HPLC解析により決定される。SEC法の結果は、37℃と5℃開始試料間のHMWP形成の差として、215nmでの全吸光度の割合として与えられる。化学分解産物は0、2、4および場合により8週間後にRP HPLC解析により決定される。RP法の結果は、37℃と5℃開始試料で観察される化学分解間の差として、215nmでの全吸光度の割合として与えられる。
SEC-HPLC法:
溶媒: 500mM NaCl、10mM NaH2PO4、5mM H3PO4、50% (v/v) 2-プロパノール
流量: 0.5ml/分
ランタイム: 30分
UV検出: 215nm
カラム: インスリンHMWPカラム(Waters) 7.8×300mm
温度: 50℃
RP-HPLC法:
溶媒A: 0.09Mリン酸緩衝液 pH6(ジアンモニウムリン酸水素)、10%MeCN(v/v)
溶媒B: 80% MeCN(v/v%)
流量: 0.3ml/分
ランタイム: 33分
UV検出: 215nm
カラム: Waters Acquity BEH130 C18カラム1.7μm、150×2.1mm
温度: 50℃
勾配:
B3へのジスルフィドを有する類似体は一般にB4へのジスルフィドを有する類似体よりも安定しており、B2またはB1へのジスルフィドを有する類似体はより安定性が低いと結論付けられる。
(実施例112)
X線構造決定:
結晶化条件の例は下に与えてあるが、正確な条件は類似体が異なれば異なるおそれがあり、最適条件は、多くの異なる条件をスクリーニングすることにより見出される。結晶は、たとえば、0.8M K/Na酒石酸(Tartrate)、0.1M Tris pH 8.5、0.5% PEG MME 5000を含有するリザーバー溶液からシッティングドロップ蒸気拡散法により得られる。データは、MarCCD検出器を備え付けた回転陽極(Rigaku、MicroMax007HF)を用いて収集され、XDS (J Appl Crystallogr 26: 795〜800頁)により処理される。前記構造は探索モデルとしてインハウス構造を有するMolrep
(J Appl Crystallogr 30: 1022〜1025頁)を使用して分子置換により解析される。データ改良およびモデル構築は、プログラムRefmac (Acta Crystallogr D 53: 240〜255頁)およびCoot (Acta Crystallogr D 60: 2126〜2132頁)を使用して行われる。
(実施例113)
塩酸グアニジウム変性:
さらなるジスルフィド結合を含有する選択されたインスリン誘導体の塩酸グアニジウム変性に続いて、アンフォールディングの自由エネルギーを決定するために、円二色性(CD)分光測定を実施することができる。タンパク質変性により、遠UV域(240〜218nm)におけるネガティブCDは徐々に減少し、タンパク質アンフォールディングに伴う規則正しい二次構造の消失と一致している。ヒトインスリンの遠UV CDスペクトルはタンパク質アンフォールディングにも自己会合にも敏感である(Holladay et al.、1977年、Biochim. Biophys.Acta 494、245〜254頁; Melberg & Johnson、1990年、Biochim. Biophys.Acta 494、245〜254頁)。これらの現象をpH8で分離するために、GuHCl滴定が異なるタンパク質濃度、たとえば、3、37および250μMで実施される。これらの濃度では、インスリン類似体は、主にモノマー、ダイマーおよびダイマーとさらに上の凝集体の混合物として存在する。近UV域(330〜250nm)におけるインスリンCDスペクトルは、ジスルフィド連鎖からの寄与があるチロシン発色団の環境を反映する(Morris et al.、1968年、Biochim. Biophys. Acta. 160、145〜155頁; Wood et al.、1975年、Biochim. Biophys. Acta. 160、145〜155頁; Strickland & Mercola、1976年、Biochemistry 15、3875〜3884頁)。変性剤濃度の関数としての遠UV域と近UV域の両方におけるモル楕円率の変化のプロットが作成される。アンフォールディングの自由エネルギーは以前は2つの状態モデルでフィットされたそのようなインスリン変性曲線から計算された(Kaarsholm、N.C. et al、1993年、Biochemistry、32、10773〜8頁)。
タンパク質濃度はUV吸光度および/またはRP-HPLCおよび/またはSEC-
HPLCにより決定される。変性試料は、異なる比のタンパク質とGuHCl保存溶液を10mM Tris/C104-緩衝液、pH8.0と組み合わせることにより調製される。タンパク質保存溶液は典型的には、10mM Tris/C104-、pH8.0中1.5mMである。GuHCl保存溶液は10mM Tris/C104-、pH8.0中8.25M(屈折率測定により決定される)である。CDスペクトルはすべて25℃で記録される。遠UV CD変性試料は250から218nmまで走査される。典型的セル光路長およびタンパク質濃度は、それぞれ0.2cmおよび37pMである。近UV CD変性試料は、l-cm光路長および典型的には75pMタンパク質を使用して330から250nmまで走査される。スペクトルはすべて、適切な溶媒ブランクの減算前にフーリエ変換アルゴリズムにより均される。遠UV域では、Aeはペプチド結合のモル濃度に基づいており、近UV域ではΔεはインスリンモノマーのモル濃度に正規化される。
GuHCl変性曲線は、フォールディング/アンフォールディング遷移は二状態であると仮定することにより解析され、その場合、平衡定数はK= (ΔεΝ-Δε)/(Δε-ΔεU)を使用して各変性剤濃度で得ることができ、ΔεはCDの観測値であり、ΔεΝおよびΔεUは、所与のGuHCl濃度でのそれぞれ天然型およびアンフォールドされた型のCD値を表す(Pace、C. N. (1975) CRC Crit. Rev. Biochem. 3、1〜43頁)。遷移領域におけるGuHCl濃度でのΔεΝおよびΔεUの値は、遷移前および遷移後基線の遷移領域への直線外挿により得られ、すなわち、ΔεΝ=Δε°Ν+mN[GuHCl]およびΔεU=Δε°U+mU[GuHCl]であり、Δε°ΝおよびΔε°Uは切片であり、mNおよびmUはそれぞれ遷移前および遷移後基線の勾配である。遷移帯における所与の変性剤濃度でのアンフォールディングの自由エネルギーは、ΔG = -RT In Kにより与えられる。我々は、変性剤濃度に対するΔGの一次従属を仮定し: ΔG=ΔGH2O - m[GuHCl]、ΔGH2Oは変性剤非存在下でのΔGの値であり、mは変性剤濃度に対するΔGの従属の尺度である。したがって、遷移帯におけるKから導かれるΔG値は0M変性剤へ外挿し戻しΔGH2Oを与え得る。完全アンフォールディング曲線についてのΔεと[GuHCl]間の関係は方程式1に示されている(Santoro、M. M.、& Bolen、D. W. (1988) Biochemistry 27、8063〜8068頁)。
Δε={(Δε°Ν+mN[GuHCl])+(Δε°U+mU[GuHCl])exp[-(ΔGH2O-m[GuHCl])/RT)}/{(l + exp[-(ΔGH2O-m[GuHCl])/RT]}
Δεをレスポンスとして[GuHCl]を独立変数として用いて、この方程式は、たとえば、PC SAS(SAS Inc.、Cary、NC)のNLIN処理手順を使用して非線形最小二乗法に供される。次に、6個のパラメータ: Δε°Ν、Δε°U、mN、mU、mおよびΔGH2Oは変性曲線を描く。さらに、変性曲線の中間点でのGuHCl濃度CmidはΔGH2O/mにより与えられる。次に、ヒトインスリンと変異体インスリン間のアンフォールディングの自由エネルギーの差は、ΔΔGH2O=ΔGH2O(変異体)-ΔGH2O(野生型)から計算し得る。
(実施例114)
正確な無傷の質量決定
LC-MS計測手段は、Acquity UPLCシステム(Waters、Milford、MA)およびSynapt G2質量分析計(Waters、Milford、MA)からなる。インスリン類似体はC18逆相HPLCカラムに適用され、0.05%トリフルオロ酢酸中のアセトニトリルの直線勾配を使用して分析される。HPLCからのフローは、2500V毛管ポテンシャル、110℃ソース温度、250℃脱溶媒和温度および50L/時のコーンガスフロー(N2)で、ポジティブMSオンリーモードで作動するSynapt G2のエレクトロスプレーインターフェイスに直接適用される。m/z = 100からm/z = 3000までのMSスペクトルは1秒あたり2度得られる。機器は分析前にNaIの標準混合物により較正され、ロイシンエンケファリンのロックスプレーはLC-MS分析中に用いられる。無傷のインスリン質量は、MaxEnt3アルゴリズムを使用してBioPharmaLynx 1.2 (Waters、Milford、MA)により再構築される。Orbitrap XL質量分析計(Thermo Fisher)はSynapt G2の代わりに使用することが可能である。Orbitrap機器は、4kVの電源電圧、100μAの電源電流、40のシースガスフロー、10の補助ガスフロー、5のスイープガスフロー、20Vの毛管電圧を用いてポジティブMSモードで作動される。MSパラメータはすべて、最適化性能のために機器のチューニング中に調整され、上に与えられたパラメータからわずかに逸脱していてもよい。この方法により得られる質量精度は10ppmより優れている。
カラム: Acquity BEH C18 1×150mm、1.7μm (Waters)
流量: 0.1ml/分
緩衝液A: 0.02%(v/v)または0.05%(v/v) TFA
緩衝液B: 0.02%(v/v)またはアセトニトリル中0.04%(v/v) TFA
勾配: 2分間5%B; 12分で5%Bから50%Bへ; 1分で50%Bから90%Bへ
UV検出: 215nm

Claims (14)

  1. 2つ以上のシステイン置換およびインスリンに結合している側鎖を有するインスリン誘導体であって、ヒトインスリンの3つのジスルフィド結合が保持されており、システイン置換の部位は、導入されたシステイン残基が、折り畳まれたインスリン誘導体の三次元構造内に位置し、ヒトインスリンには存在しない1つまたは複数の追加のジスルフィド結合の形成を可能にするように選ばれる、インスリン誘導体。
  2. システイン置換の部位は、
    (1)導入されたシステイン残基が、折り畳まれたインスリン誘導体の三次元構造内に位置し、ヒトインスリンには存在しない1つまたは複数の追加のジスルフィド結合の形成を可能にし、
    (2)前記ヒトインスリン誘導体がヒトインスリンに付随する所望の生物活性を保持する
    ように選ばれる、請求項1に記載されるインスリン誘導体。
  3. システイン置換の部位は、
    (1)導入されたシステイン残基が、折り畳まれたインスリン誘導体の三次元構造内に位置し、ヒトインスリンには存在しない1つまたは複数の追加のジスルフィド結合の形成を可能にし、
    (2)前記ヒトインスリン誘導体が、ヒトインスリンに付随する所望の生物活性を保持し、
    (3)前記ヒトインスリン誘導体が、ヒトインスリンおよび/または親インスリンと比べて増加した物理的安定性を有する
    ように選ばれる、請求項1または2に記載されるインスリン誘導体。
  4. システイン置換の部位は、
    (1)導入されたシステイン残基が、折り畳まれたインスリン誘導体の三次元構造内に位置し、ヒトインスリンには存在しない1つまたは複数の追加のジスルフィド結合の形成を可能にし、
    (2)前記ヒトインスリン誘導体が、ヒトインスリンに付随する所望の生物活性を保持し、
    (3)前記ヒトインスリン誘導体が、タンパク質分解に対して安定化されるように選ばれる、請求項1から3のいずれか一項に記載されるインスリン誘導体。
  5. A鎖のA10位におけるアミノ酸残基がシステインで置換されており、B鎖のB1、B2、B3およびB4からなる群から選択される位置におけるアミノ酸残基がシステインで置換されており、場合によりB30位のアミノ酸が欠失している、請求項1から4のいずれか一項に記載されるインスリン誘導体。
  6. 1つまたは複数の追加のジスルフィド結合がA鎖とB鎖の間で得られる、請求項1から5のいずれか一項に記載されるインスリン誘導体。
  7. 1つまたは複数の追加のジスルフィド結合のないインスリン誘導体よりも遅延性のプロファイルを有する、請求項1から6のいずれか一項に記載されるインスリン誘導体。
  8. インスリンが、
    A10C, A14E, B1C, B16H, B25H, desB30ヒトインスリン、
    A10C, A14E, B1C, B25H, desB30ヒトインスリン、
    A10C, A14E, B2C, B16H, B25H, desB30ヒトインスリン、
    A10C, A14E, B2C, B25A, desB30ヒトインスリン、
    A10C, A14E, B2C, B25H, desB30ヒトインスリン、
    A10C, A14E, B3C, B16H, B25H, desB30ヒトインスリン、
    A10C, A14E, B3C, B25H, desB27, desB30ヒトインスリン、
    A10C, A14E, B3C, B25H, desB30ヒトインスリン、
    A10C, A14E, B3C, desB27, desB30ヒトインスリン、
    A10C, A14E, B4C, B16H, B25H, desB30ヒトインスリン、
    A10C, A14E, B4C, B25A, desB30ヒトインスリン、
    A10C, A14E, B4C, B25H, B28E, desB30ヒトインスリン、
    A10C, A14E, B4C, B25H, desB27, desB30ヒトインスリン、
    A10C, A14E, B4C, B25H, desB30ヒトインスリン、
    A10C, A14E, B4C, B25N, B27E, desB30ヒトインスリン、
    A10C, A14E, B4C, B25N, desB27, desB30ヒトインスリン、
    A10C, A14E, desB1, B4C, B25H, desB30ヒトインスリン、
    A10C, A14H, B4C, B25H, desB30ヒトインスリン、
    A10C, B3C, B25H, desB27, desB30ヒトインスリン、
    A10C, B3C, B25H, desB30ヒトインスリン、
    A10C, B4C, B25H, desB27, desB30ヒトインスリン、
    A10C, B4C, B25H, desB30ヒトインスリン、
    A10C, A14E, B1C, B16H, B25H, desB30ヒトインスリン、
    A10C, A14E, B2C, B16H, B25H, desB30ヒトインスリン、
    A10C, A14E, B3C, B16H, B25H, desB30ヒトインスリン、
    A10C, A14E, B4C, B16H, B25H, desB30ヒトインスリン
    からなる群から選択され、
    側鎖がインスリンのN末端またはインスリン中のリジン残基のイプシロンアミノ基に結合している、請求項1から7のいずれか一項に記載されるインスリン誘導体。
  9. 側鎖がインスリンのN末端またはインスリン中のリジン残基のイプシロンアミノ基に結合している、請求項1から8のいずれか一項に記載されるインスリン誘導体。
  10. インスリンを安定化するための方法であって、インスリンの2つ以上のアミノ酸をシステイン残基で置換することおよび前記インスリンに側鎖を結合させることを含み、
    a.ヒトインスリンの3つのジスルフィド結合が保持されており、
    b.システイン置換の部位は、導入されたシステイン残基が、折り畳まれたインスリン誘導体の三次元構造内に位置し、ヒトインスリンには存在しない1つまたは複数の追加のジスルフィド結合の形成を可能にするように選ばれ、
    それによって、ヒトインスリンには存在しない1つまたは複数の追加のジスルフィド結合を含むインスリン誘導体を作製する、方法。
  11. 請求項1から9のいずれか一項に記載されるインスリン誘導体の生物学的活性量および薬剤的に許容される担体を含む医薬組成物。
  12. 請求項1から10のいずれか一項に記載されるインスリン誘導体または請求項11に記載される医薬組成物を対象に投与する工程を含む、対象における真性糖尿病を治療するための方法。
  13. 請求項1から9のいずれか一項に記載されるインスリン誘導体を薬学的に許容される物質および/または賦形剤と混合する工程を含む、請求項11に記載される医薬組成物を調製するための方法。
  14. 請求項13に記載される方法により入手可能である医薬組成物。
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