JP2013529677A5 - - Google Patents

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磁気粒子イメージング(MPI)のための高性能鉄酸化物粒子トレーサーの合成
本発明は鉄酸化物ナノ粒子形成のための方法に関し、前記方法は次のステップ:(a)鉄酸化物/水酸化物及びオレイン酸又はその誘導体を第1の有機溶媒中に懸濁させるステップ;(b)前記懸濁物の温度を、所定の速度で、最大340℃から500℃まで上げるステップ;(c)前記懸濁物をステップ(b)の最大温度で約0.5から6時間熟成するステップ;(d)前記懸濁物を冷却するステップ;(e)第2の有機溶媒を添加するステップ;(f)非溶媒を添加してナノ粒子を沈殿させて過剰の溶媒を除去するステップ;(g)前記第2の有機溶媒中に前記ナノ粒子を分散させるステップ;(h)ステップ(g)の分散物とポリマー溶液を混合するステップ;及び(i)場合により、前記第2の有機溶媒を除去するステップを含む。本発明はさらに、前記方法で得られ得る鉄酸化物ナノ粒子、そのようなナノ粒子の追加の改質、カプセル化および修飾、ならびに前記ナノ粒子、磁気粒子イメージング(MPI)又は磁気粒子分光法(MPS)のためのトレーサーとしての使用、に関する。
磁気粒子イメージング(MPI)は、トモグラフイメージング技術の一つであり、この技術は、磁気ナノ粒子の磁性曲線の非線形性及びある磁場強度では、粒子の磁化が飽和するという事実に依存する。医学的には、MPIは、身体に注入された常磁性ナノ粒子の磁気特性を用いて、例えば血液中の前記ナノ粒子の濃度を測定する。身体はMPIで観測可能な天然由来の磁性物質を含まないため、バックグランド信号存在しないのに対して、古典的な磁気共鳴イメージング(MRI)方法では、インビトロ及びインビボでのイメージングの閾値において、ホスト組織からのバックグランド信号が一つの重要な限界因子となる。注入後、前記MPIナノ粒子は、前記イメージ中の明るい信号として見え、それからナノ粒子の濃度が計算できる。高空間分解能を短い取得時間と組み合わせることで、MPIは、ナノ粒子が血流に沿って走査される際の動的な濃度変化を捉えることができる。これにより、MPIスキャナでは、広い範囲の機能測定を単一スキャンで実行することができる
MPIのスペクトル的変法は磁気粒子スペクトル(MPS)であり、これはゼロ次元磁気粒子イメージング方法である。MPSは、イメージ再構成することなく再磁化信号を提供し、従って、これは、磁気粒子が振動磁場暴露された際に、磁気粒子の絶対応答を特徴付ける効果的方法の一つである。MPSは従って、MPIと緊密にリンクされ、MPSにより測定される粒子特性は、MPI用のトレーサーとしてこれらの粒子の特性を特徴付ける。
MPIの重要な1つの側面は、適切な磁性材料、即ち効果的に検出できる磁気ナノ粒子トレーサを提供することである。しかしながら、これまでのところ、検出可能なMPIトレーサ材料は商品化されていない。
磁性材料の適正はその磁化特性密接にリンクされる。磁性ナノ粒子トレーサの磁化は、いくつかのパラメータに依存し、最も重要には磁性材料自体の組成、その容積及び異方性、ならびにその粒子サイズ分布に依存する。磁気共鳴イメージング用途での毒性学的理由と経験により、鉄酸化物の超常磁性粒子(SIPO)がMPIのトレーサの開発のための選択材料になると考えられる。MPSの信号強度は鉄酸化物粒子のサイズとともに増加するため、有用な信号は、約15nmよりも大きい磁性コアを持つ粒子のみ得られる。
さらに、約25kHzの周波数の高速再磁化に追随するため、粒子は、単分散され、かつ2kJ/m よりも小さな磁気異方性定数を有する必要がある。従って、MPIに効果的である鉄酸化物ナノ粒子は非常に狭いサイズ分布、非常に好適な形状制御及び容易にスケールアップできる可能性を示す必要ある。さらに、粒子は水溶性である必要がある。
SIPOの製造方法はこの技術分野で知られている。一般には、とりわけ4つの合成方法区別される:熱分解方法、水熱合成方法、共沈殿方法及びミクロエマルジョン技術である。SIPOをMPIで使用可能する場合、熱分解方法が選択される合成方法である。
一般に、熱分解方法は、安定化剤、コーティング剤及び、還元剤や酸化剤などの別の添加物存在する有機溶媒中で適切な前駆体分子を分解することを伴う。Yuらの「Chemical Communications、2004、2306−2307」には、鉄オレイン酸塩の熱分解により、狭小のサイズ分布を有する鉄酸化物ナノ結晶の合成が記載されている。しかし、従来技術記載された方法で合成されたナノ粒子は、MPI又はMPSの特性に劣ることが示されている。特に、これらの方法のいずれにおいても、イメージングの標準粒子Resovist(R)の性能を超えるMPIまたはMPSを有するナノ粒子を提供することを示さなかった。
従って、Resovist(R)を超えるMPI/MPS性能を持つ水溶性鉄酸化物ナノ粒子を提供する、簡単で効果的な合成方法に対する要望が存在する。
Yuら、Chemical Communications、2004、2306−2307。
本発明は、この要望に対処し、優れたMPI/MPS性能を持つ水溶性鉄酸化物ナノ粒子の合成を可能にする手段及び方法を提供する。
前記課題は、特に、以下のステップを含む方法により達成され
(a)鉄酸化物/水酸化物及びオレイン酸又はその誘導体を第1の有機溶媒中に懸濁させるステップ;
(b)前記懸濁物の温度を、所定の速度で、最大340℃から500℃まで上げるステップ;
(c)前記懸濁物をステップ(b)の最大温度で約0.5から6時間熟成するステップ;
(d)前記懸濁物を冷却するステップ;
(e)第2の有機溶媒を添加するステップ;
(f)非溶媒を添加してナノ粒子を沈殿させて過剰の溶媒を除去するステップ;
(g)前記第2の有機溶媒中に前記ナノ粒子を分散させるステップ;
(h)ステップ(g)の分散物とポリマー溶液を混合するステップ;及び
(i)場合により、前記第2の有機溶媒を除去するステップ。
この方法は、直接的であり、簡単、安価で、使用が容易な出発材料を用いるという利点を提供する。得られる鉄酸化物ナノ粒子は水溶液中で安定であり、これまで使用されているResovist(R)粒子に比較して有意に優れたMPI性能が得られる
本発明の好ましい実施態様では、前記鉄酸化物/水酸化物は、鉄(III)酸化物/水酸化物、鉄(II)/水酸化物又は鉄(III)と鉄(II)酸化物/水酸化物の混合物である。
さらに好ましい実施態様では、前述のオレイン酸の誘導体は、オレイン酸アンモニウム、オレイン酸リチウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸カルシウム、オレイン酸アルミニウム又はオレイン酸鉄である。
さらに、特に好ましい実施態様では、前記オレイン酸アンモニウムは、式Rを持つオレイン酸アルキルアンモニウムであり、ここでR、R、R及びRはアルキル、アリールもしくはシリル基であり、又は水素である。
の特に好ましい実施態様では、前記オレイン酸アルキルアンモニウムは、オレイン酸テトラメチルアンモニウム、オレイン酸テトラエチルアンモニウム、オレイン酸テトラプロピルアンモニウム、オレイン酸テトラブチルアンモニウム又はオレイン酸ベンジルアンモニウムである。
さらに好ましい実施態様では、本願に記載の前記第1の有機溶媒は、一般式C2n+m を有するアルカン溶媒であり、15≦n≦30及び−2≦m≦2である。さらに又はこれに代えて、前記の非溶媒は、アセトン、ブタノン、ペンタノン、イソブチルメチルケトン、ジエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、エチルプロピルエーテル又はエチルイソプロピルエーテルである。さらに又はこれに代えて、前記第2の溶媒は、ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン又はジクロロエタンである。
さらに別の好ましい実施態様では、前記ステップ(b)の温度上昇の速度は、1分間に約1℃と10℃の間である。
本発明の別の実施態様では、前記ステップ(b)の最大温度は、340℃から400℃である。
さらに又はこれに代えて、前記冷却ステップ(d)での懸濁物の温度は、約40℃から90℃まで下げられる。
本発明のさらに別の好ましい実施態様では、前記熟成ステップ(c)は約1から5時間実施される。
本発明の他の好ましい実施態様では、前記ポリマーの溶液は、ポリエチレングリコール(PEG)及び/又はポリプロピレングリコール(PPG)を含む親水性生物適合性コポリマーの実質的に水溶性の緩衝溶液、ポリエチレングリコール(PEG)を含む両親媒性リン脂質の実質的な水溶液、又は両親媒性ブロックコポリマーの実質的に水溶性の緩衝溶液である。
の好ましい実施態様では、前述の方法は、ステップ(h)の代わりに、ステップ(g)の懸濁物を、クエン酸、酒石酸、乳酸、シュウ酸及び/又はそれらの塩、デキストラン、カルボデキストラン、ポリオキシエチレン系ポリマーもしくはコポリマー、又はそれらの組み合わせなどの、親水性又は両親媒性安定化剤と混合するステップを含む。
さらに別の好ましい実施態様では、当該方法の前記除去ステップ(i)は、実質的に非閉鎖システムにおいて、混合物を撹拌することにより実施され、それにより親水性ナノ粒子の水溶液が得られるまで、前記第2の有機溶媒を蒸発させることが可能になる
の特に好ましい実施態様では、次の1又はそれ以上の追加のステップ、
(j)ステップ(i)で得ることのできるナノ粒子又はナノ粒子溶液を精製するステップ;
(k)ステップ(i)又は()で得ることのできるナノ粒子又はナノ粒子溶液を酸化剤又は還元剤で処理するステップ;
(l)ステップ(i)、(j)又は(k)で得ることのできるナノ粒子の表面を、ポリマー又は安定化剤コーティングを除去、置換又は変更することにより改質するステップ;
(m)ステップ(i)から(l)において得ることのできるナノ粒子を、ミセル、リポソーム、ポリマーソーム、血液細胞、ポリマーカプセル、デンドリマー、ポリマー又はヒドロゲルなどのキャリアでカプセル化又はクラスタ化するステップ;及び
(n)ステップ(i)から(m)において得ることのできるナノ粒子を、ターゲットリガンドで修飾するステップ
が実施される。
別の側面では、本発明は、前述の方法で得ることのできる鉄酸化物ナノ粒子に関する。
別の側面では、本発明は、前述の鉄酸化物ナノ粒子又は前述の方法で得ることのできる鉄酸化物ナノ粒子を、磁気粒子イメージング(MPI)又は磁気粒子分光法(MPS)のためのトレーサーとして使用することに関する。
図1は、熱分解合成における出発物質として使用される固体粉砕FeO(OH)サンプルのサイズ分布を示す。上部には、容量加重サイズ分布が示されており下部には、数加重サイズ分布が示されている 図2には、サンプル1.1および1.2(実施例1)と、サンプル2.2(実施例2)の磁気粒子分光スペクトル(MPS)を、Resovist(R)と比較して示す。 図3Aは、ヘキサン溶液中で得られた、サンプルA(実施例3)のMPS結果を、Resovist(R)と比較して示す。サンプルAのMPSスペクトルは鉄量で正規化されている(図3A参照)。 図3Bは、ヘキサン溶液中で得られた、サンプルB(実施例3)のMPS結果を、Resovist(R)と比較して示す。サンプルBのMPSスペクトルは鉄量で正規化されている(図3B参照)。 図3Cは、ヘキサン溶液中で得られた、サンプルC(実施例3)のMPS結果を、Resovist(R)と比較して示す。サンプルCのMPSスペクトルは鉄量で正規化されている(図3C参照)。 図3Dは、ヘキサン溶液中で得られた、サンプルDG(実施例3)のMPS結果を、Resovist(R)と比較して示す。サンプルDのMPSスペクトルは鉄量で正規化されている(図3D参照)。 図3Eは、ヘキサン溶液中で得られた、サンプルE(実施例3)のMPS結果を、Resovist(R)と比較して示す。サンプルEのMPSスペクトルは、MPS曲線の第3ハーモニックに正規化されている 図3Fは、ヘキサン溶液中で得られた、サンプルF(実施例3)のMPS結果を、Resovist(R)と比較して示す。サンプルFのMPSスペクトルは鉄量で正規化されている(図3F参照)。 図3Gは、ヘキサン溶液中で得られた、サンプルG(実施例3)のMPS結果を、Resovist(R)と比較して示す。サンプルGのMPSスペクトルは鉄量で正規化されている(図3G参照)。 図4Aは乾燥サンプルAの透過電子顕微鏡(TEM)を示す。図4Aの像は、通常の透過TEMである。 図4Bは乾燥サンプルBの透過電子顕微鏡(TEM)を示す。図4Bの像は、通常の透過TEMである。 図4Cは乾燥サンプルCの透過電子顕微鏡(TEM)を示す。図4Cの像は、通常の透過TEMである。 図4Dは乾燥サンプルCの透過電子顕微鏡(TEM)を示す。図4Dの像は高分解能TEM(HR−TEM)である。 図Eは乾燥サンプルCの透過電子顕微鏡(TEM)を示す。図4Eは高角度暗視野である。 図5は、乾燥サンプルA、B、CのXRDスペクトルを、Fe標準サンプル(参照)と比較して示す。マグネタイト(Fe)及びγ−Fe(ヘマタイト)の理論的パターン参照として示されている。全てのサンプルの鉄酸化物コアの組成は、Fe (マグネタイト)タイプであると結論された。 図6は、サンプルC(ヘキサン溶液)のVSMスペクトルを示す。 図7は、鉄オレイン酸アニオン(oa)の構造式を示す。
本発明者は、優れたMPI/MPS性能を持つ水溶性鉄酸化物ナノ粒子の合成を可能にする手段及び方法を開発した。これらのナノ粒子は、MPI又はMPS用トレーサーとして最適である。
本発明は、具体的な実施態様により説明されるが、これらの記載は本発明を限定するものではない。
本発明の詳細な一実施例の説明の前に、本発明を理解するための重要な定義を示す。
本明細書及び特許請求の範囲で使用される、単数形「一つの」は、特に記載されていない限りそれぞれの複数形をも含む。
本発明においては、用語「約」は、当業者が、対象の特徴の技術的効果が保証されることを理解できる精度の範囲を示す。前記用語は通常は、示される数値からの±20%、好ましくは±15%、より好ましくは±10%及びさらに好ましくは±5%の偏差を意味する。
理解されるべきことは、用語「含む」は限定的な意味ではない、ということである。本発明において、用語「からなる」は、用語「含む」の一つの好ましい実施態様と考えられる。以下、群が少なくともある数の実施態様を含むと定義される場合に、これはまた、好ましくはこれらの実施態様のみからなる群を含むことを意味する。
用語「第1の」、「第2の」、「第3の」又は「(a)」、「(b)」、「(c)」、「(d)」等方法又は使用のステップに関係する場合、これらのステップの間の時間又は時間間隔の整合性はなくてもよく、即ち、以上又は以下で記載される適用において指示されていない限り、ステップは、同時に実施されてもよく、又はステップの間に秒、分、時間、日の間隔があってもよい。
理解されるべきことは、本発明は、ここで記載される具体的方法、手順、試薬などに限定されるものではなく、これらは変更し得る、ということである。また理解されるべきことは、ここで使用される用語は、具体的な実施態様を説明するためだけのものであり、特許請求の範囲でのみ限定されるべき本発明の範囲を限定することを意図するものではない、ということである。特に定義されていない限り、ここで使用される全ての技術的及び科学的用語は、当業者により通常理解されるものと同じ意味を持つ。
前述のように、本発明は、一つの側面では、鉄酸化物ナノ粒子の形成方法に関し、前記方法は次のステップ:
(a)鉄酸化物/水酸化物及びオレイン酸又はその誘導体を第1の有機溶媒中に懸濁させるステップ;
(b)前記懸濁物の温度を、所定の速度で、最大340℃から500℃まで上げるステップ;
(c)前記懸濁物をステップ(b)の最大温度で約0.5から6時間熟成するステップ;
(d)前記懸濁物を冷却するステップ;
(e)第2の有機溶媒を添加するステップ;
(f)非溶媒を添加してナノ粒子を沈殿させて過剰の溶媒を除去するステップ;
(g)前記第2の有機溶媒中に前記ナノ粒子を分散させるステップ;
(h)ステップ(g)の分散物とポリマー溶液を混合するステップ;及び、
(i)場合により、前記第2の有機溶媒を除去するステップを含む。
合成の最初のステップは、鉄酸化物/水酸化物及びオレイン酸又はその誘導体を第1の有機溶媒に懸濁させることを含む。ここで使用される用語「第1の有機溶媒」とは、高沸点での反応に適した有機溶媒を意味する。好ましくは、有機溶媒は、アルカンである。より好ましくは、前記アルカンは飽和アルカンであり、より好ましくは直鎖飽和アルカンである。溶媒は単独で、又は異なる溶媒と組み合わせて使用され、例えば2つのアルカンの混合物が溶媒として使用され得る。好ましくは、より適切な温度制御が可能となるように、純粋な溶媒、例えばアルカン溶媒使用される
本発明の好ましい実施態様では、前記第1の有機溶媒は、一般式C2n+mで表され、15≦n≦30及び−2≦m≦2、好ましくは18≦n≦22及び0≦m≦2、より好ましくはn=20及びm=2である。使用されるこれらの溶媒の例は、オクタデカン、トリコサン及びパラフィンワックスである。特に好ましくは、第1の有機溶媒としてイコサンである。
本発明の具体的な実施態様では、使用される第1の有機溶媒は、ナノ粒子合成ステップ(b)の温度により選択され得る。例えば、イコサンの沸点は約343℃であり;イコサンは従って約340℃での温度での反応に好適に使用され得る。又は、括弧内に示される沸点を有する高次のアルカン溶媒が使用でき、好ましくはより高温、さらに好ましくは示され沸点近くの温度で使用され得る:ヘニコサン(357℃)、ドコサン(366℃)、トリコサン(380℃)、テトラコサン(391℃)、ペンタコサン(402℃)、ヘキサコサン(412℃)、ヘプタコサン(422℃)、オクタコサン(432℃)、ナノコサン(441℃)、トリアコサン(450°C)、ヘントリアコンタン(458℃)、ドトリアコンタン(467℃)、トリロリアコンタン(475℃)、テトラトリアコンタン(483℃)、ペンタトリアコンタン(490℃)、ヘキサトリアコンタン(497°C)。さらに、これらの溶媒の組み合わせ、又は2もしくはそれ以上のサブグループも使用され得る。
又は、反応圧力条件が調節され、例えば圧力を増加させることで、示された沸点より高い温度で、前記第1の有機溶媒を使用することが可能になる
本願において使用される用語「鉄酸化物/水酸化物」は、例えば0、+2、+3又は+4酸化状態、好ましくは+2又は+3酸化状態など異なる酸化状態の鉄酸化物、又は例えば0、+2、+3又は+4酸化状態、好ましくは+2又は+3酸化状態など異なる酸化状態の鉄水酸化物を意味する。好ましくは、この用語は、鉄(II)酸化物、鉄(III)酸化物、鉄(II)鉄(III)酸化物、鉄(II)水酸化物、鉄(III)水酸化物、鉄(II)鉄(III)水酸化物、鉄(II)酸化水酸化物、鉄(III)酸化水酸化物など又はそれらの水和物又はそれらの任意の組み合わせに関連する。
本発明の好ましい実施態様では、前記鉄酸化物/水酸化物は、鉄(III)酸化物/水酸化物、鉄(II)酸化物/水酸化物又は鉄(III)及び鉄(II)酸化物/水酸化物の混合物である。
使用されるオレイン酸は、例えば図7に示されるオレイン酸又はその誘導体である。好ましくは、高温で少なくとも一部が使用溶媒に溶解し得るオレイン酸誘導体である。
本発明の好ましい実施態様では、前記オレイン酸誘導体は、オレイン酸アンモニウム、オレイン酸リチウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸カルシウム、オレイン酸アルミニウムもしくはオレイン酸鉄、又はこれらの任意の誘導体、又はその組み合わせである。
本発明のさらに特に好ましい実施態様では、前記オレイン酸アンモニウムは、式R を有するオレイン酸アルキルアンモニウムであり、ここで、R 、R 、R 、R は、アルキル、アリール、もしくはシリル基であり、又は水素である。R 、R 、R 、R は同一であっても、独立して異なっていても良い。さらに、R とR は同じであり、又は独立して異なっており、R とR は同じであり、又は独立して異なっており、R とR は同じであり、又は独立して異なっており、R とR は同じであり、又は独立して異なっており、R とR は同じであり、又は独立して異なっており、R とR は同じであり、又は独立して異なっており、R とR は同じであり、又は独立して異なっていてもよい。
本発明のさらに特に好ましい実施態様では、前記オレイン酸アンモニウムが、オレイン酸テトラメチルアンモニウム、オレイン酸テトラエチルアンモニウム、オレイン酸テトラプロピルアンモニウム、オレイン酸テトラブチルアンモニウム又はオレイン酸ベンジルアンモニウム又はそれらの誘導体又はそれらの混合物であり得る。
さらなる実施態様では、オレイルアミンとオレイン酸又はその誘導体の組み合わせが前述の第1の有機溶媒中に懸濁される。あるいは、オレイルアミンと前述の鉄酸化物/水酸化物の組み合わせ、又はオレイルアミンと、前述の鉄酸化物/水酸化物と、オレイン酸又はその誘導体の組み合わせが、第1の有機溶媒中に懸濁される。
前記懸濁ステップの溶媒の量は、懸濁させる成分の量により調節され得る。例えば、溶解される成分の体積又は重量に対して、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、50倍又は100倍の量の溶媒が、使用され得る。
懸濁ステップは、いかなる適切な技術により実施されてもよく、例えば、溶媒中の成分の撹拌、反応混合物の振動、回転運動などである。懸濁ステップは、鉄酸化物/水酸化物及び/又はオレイン酸もしくはその誘導体が完全に懸濁されるまで実施されてもよく、例えば鉄酸化物/水酸化物沈殿物が光学的に検出されなくなるまで実施される。懸濁ステップは、例えば約1分間、2分間、5分間、10分間、20分間、30分間、45分間又は60分間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間又はこれらの間の任意の時間で実施され得る。
懸濁ステップは、いかなる好適な温度で実施されてもよく、好ましくは約35℃から65℃、例えば約35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃、61℃、62℃、63℃、64℃又は65℃で実施される。温度はさらに、約25℃まで下げても、又は約75℃まで上げてもよい。懸濁ステップの間、温度は一定に維持され、例えば前記温度のレベルに維持されてもよく、又は変更されてもよい。例えば、温度は最初はより低いレベル、例えば約35℃に設定され、その後、例えば約50℃、60℃又は65℃まで上昇されてもよい。又は、温度は最初より高い温度レベル、例えば約50℃、55℃、60℃又は65℃に設定され、その後、35℃、40℃又は45℃まで下げられてもよい。さらに、各種順序で増減が組み合わされた温度プロフィール、例えば最初に低下してから上昇し、最後に低下するなどのような温度プロフィールを使用しても良い
本発明の具体的な実施態様では、前述の鉄酸化物/水酸化物オレイン酸又はその誘導体は、特定のモル又は質量比で使用され得る。例えば、鉄酸化物/水酸化物:オレイン酸の比は、約1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19又は1:20で使用され得る。特に好ましい実施態様では、鉄酸化物/水酸化物:オレイン酸の質量比は、1:4、1:8又は1:12である。
合成のさらなるステップでは、懸濁物の温度は、最大340℃から500℃まで高められてもよい本発明の好適実施例では、懸濁物の温度は、最大340℃から400℃まで高められる。最大温度は、例えば、340℃、341℃、342℃、343℃、344℃、345℃、350℃、360℃、370℃、380℃、390℃、400℃、410℃、420℃、430℃、440℃、450℃、460℃、470℃、480℃、490℃又は500℃である。またより高い500℃を超える温度も本発明に含まれる。
特に好ましい実施態様では、前記最大温度は、使用される第1の有機溶媒の沸点により選択され、例えばイコサンでは約340−343℃、ヘンイコサンでは約357℃、ドコサンでは約366℃、トリコサンでや約380℃、テトラコサンでは約391℃、ペンタコサンでは約402℃、ヘキサコサンでは約412℃、ヘプタコサンでは約422℃、オクタコサンでは約432℃、ノナコサンでは約441℃、トリアコサンでは約450℃、ヘントリアコンタンでは約458℃、ドトリアコンタンでは約467℃、トリトリアコンタンでは約475℃、テトラトリアコンタンでは約483℃、ペンタトリアコンタンでは約490℃又はヘキサトリアコンタンでは約497℃である。
温度上昇は、好ましくは、所定の速度で温度を高めることにより達成される。本発明の好ましい実施態様では、ステップ(b)の温度上昇速度は、1分間に約1℃から10℃の間であり得る。又は、ステップ(b)の温度上昇速度は、2分間、3分間又は5分間に約1℃から10℃の間であり得る。例えば、温度は、1分、2分、3分又は5分毎に、1℃、2℃、2.5℃、3℃、3.5℃、4℃、4.5℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃又は10℃上昇され得る。好ましくは、温度は、1分に3.3℃の速度で上昇され得る。
合成の別のステップでは、ステップ(b)の懸濁物が熟成され、又はステップ(b)の最大温度で約0.5から6時間沸騰さる。本発明の特に好ましい実施態様では、前記熟成又は沸騰ステップは約1時間から5時間実施され得る。前記熟成又は沸騰は、例えば0.5時間、0.75時間、1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、3.5時間、4時間、4.5時間、5時間、5.5時間又は6時間実施され得る。さらには、6時間を超えるより長い熟成/沸騰時間も本発明に含まれる。合成の熟成/沸騰ステップの間、温度は好ましくは先行ステップの最高温度、例えば340℃に維持される。又は、温度は、最高温度340℃と500℃の間で変更され得る。別の実施態様では、温度はまた、約200℃、250℃、300℃、310℃、320℃又は330℃下げられ得る。そのような温度変更は、1回又はそれ以上実施され、それぞれの変更の後ステップ(b)で使用される最大温度に戻され得る。温度変更は、即ちステップ(b)の最大温度に比べて増加又は減少させる期間は、例えば10から20分の範囲の短い時間であっても、例えば30分以上、1時間、2時間、3時間、4時間を超える長い時間であっても良い。期間は熟成ステップの期間に依存する。
合成の別のステップでは、ステップ(c)の懸濁物が冷却される。冷却は、適切な冷却装置により、又は適切に冷却された環境へ移すことで実施され得る。本発明の好ましい実施態様では、懸濁物は、約40℃から90℃の温度に冷却され、より好ましくは約50℃から80℃の温度冷却される。反応混合物は、例えば約40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃、80℃、85℃又は90℃冷却され得る。
冷却は、例えば、前述のいずれかの温度まで、即時に温度変化させることで実施され得る。又は、冷却は徐々に、例えばステップ(d)の反応混合物の温度を、1分、2分、5分10分又は20分毎に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15又は20℃下げていくことにより実施され得る。
合成の別のステップでは、ステップ(d)の懸濁物に、第2の有機溶媒が添加される。ここで用語「第2の有機溶媒」は、より低温度での反応、例えば温度範囲40℃から90℃の範囲又は40℃から80℃での反応に適する有機溶媒を意味する。好ましくは、第2の有機溶媒は第1の有機溶媒よりも低い沸点、例えば20℃から90℃を持ち、及び/又は低い粘性を持つ。第2の有機溶媒は好ましくは短鎖アルカンである。
本発明の特に好ましい実施態様で、この合成ステップで使用される前記第2の有機溶媒は、ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン及びジクロロエタンである。特にペンタン又はヘキサンの使用が好ましい。第2の有機溶媒は、単独で又は異なる溶媒と混合して使用され、例えば2種類の短鎖アルカンの混合物が溶媒として使用され得る。純粋な溶媒の使用が好ましい
合成の別のステップでは、ステップ(e)の反応混合物に非溶媒が添加され、ナノ粒子の沈殿が生じる。ここで用語「非溶媒」は、低沸点の有機化合物であって、反応混合物を実質的に溶解しない、即ち熱分解ステップで形成されるナノ粒子を溶解しない有機化合物を意味する。
本発明の特に好ましい実施態様では、前記非溶媒は、アセトン、ブタノン、2−ブタノン、ペンタノン、2−ペンタノン、イソブチルメチルケトン、イソブチルメチルケトン、メトルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル又はジイソプロピルエーテルである。
非溶媒の添加は、具体的実施態様では、反応混合物を、例えば前記の撹拌方法により撹拌することにより実施され得る。添加される非溶媒の量又は体積は、ステップ(f)の生成物の量及び体積により調節され得る。
沈殿は、例えば10分間から60分間遠心分離することで集められ得る。遠心分離は、いかなる適好適な速度、例えば3000から10000rpm、好ましくは4900rpmで実施されてもよい
続いて、過剰溶媒又は上澄みが捨てられる。沈殿ナノ粒子が得られ、次のステップのために保持される。
合成の別のステップは、ステップ(f)で得られるナノ粒子が、前述の第2の有機溶媒に溶解さる。第2の有機溶媒は、ステップ(e)で使用されるものと同じ溶媒が使用され、又は異なる溶媒が使用され得る。好ましくは、ペンタン又はヘキサンが使用され得る。前記分散ステップの溶媒の量は、ステップ(f)の沈殿生成物の量により調節され得る。例えば、第2の溶媒の量は、ステップ(f)の生成物の容量又は重量の、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、50倍又は100倍で使用され得る。混合は、いかなる好適な時間間隔で実施されてもよく、例えば約30分から24時間、好ましくは約45分から18時間、さらに好ましくは約1時間から14時間で実施され得る。
ナノ粒子の沈殿化及びその後の分散は、一回のみ又は2回、3回、4回、5回、6回又はそれ以上繰り返し実施され得る。このステップの繰り返しにより、ナノ粒子の純度が高められるようになる
本発明の具体的な実施態様では、前述のステップにより合成されたナノ粒子が、定められた体積の第2の有機溶媒、好ましくは、ヘキサン中に、例えばヘキサン10mlに分散され、溶解される
従って、分散されたナノ粒子は、その後、例えば実施例で説明される実験及び分析などの分析用途、あるいは別の合成又は改質ステップのために使用され得る。
従って得られるナノ粒子は、単分散形で存在するか、又は多分散形で存在し得る。ここで用語「単分散」とは、狭いナノ粒子サイズ分布を意味する。本発明による単分散ナノ粒子は、ナノ粒子のより大きな群、例えばここに示した方法により得られ1000、10000又は50000のナノ粒子の群の平均サイズから僅か0.1から3nmのみ異なるサイズを持ち得る。「多分散」形は、ナノ粒子のより大きい群、例えばここに示した方法により得られる1000、10000又は50000のナノ粒子の群の平均サイズから3nm異なるサイズを持ち得る。そのようなナノ粒子は、異なるサイズの群で存在し、それぞれは単分散形であり、あるいは統計的又はより広いサイズ分布で存在し得る。
単分散ナノ粒子は、追加の合成ステップのために直接使用され、又は異なるサイズの群と組み合わされる。多分散ナノ粒子は、直接使用され、又は単分散ナノ粒子を得るため又はナノ粒子群の多分散性を低減するため、サイズ分別又は分離手順の対象とされ得る。例えば、サイズ分別又は分離は、国際公開第2008/099346号又は国際公開第2009/057022号記載された機器又はシステム、またはこれらの使用に基づいて実施され得る。これに代えて又は追加して、粒子形態による分別又は分離が実施されても良い
合成のさらに別のステップでは、ステップ(g)の分散物、又は本発明によるナノ粒子のいかなる誘導され、分別され、分離され、又はその他の改質された混合物が、ポリマーの溶液混合される。
本発明の好ましい実施態様では、前記ポリマー溶液は、ポリエチレングリコール(PEG)及び/又はポリプロピレングリコール(PPG)を含む親水性生物適合性コポリマーの、実質的に水溶性緩衝溶液である。
本発明のさらに好ましい実施態様では、前記ポリマー溶液は、PEGを含む両親媒性リン脂質の実質的な水溶液である。
加えて本発明のさらに好ましい実施態様では、前記ポリマー溶液は、両親媒性ブロックコポリマーの実質的に水溶性緩衝溶液である。
ここで用語「実質的に水溶性」とは、溶液又は緩衝液中に分子が少なくとも51%から99.999%存在することを意味する。
特に好ましい実施形態は、ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(プロピレングリコール)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)(PEG−PPG−PEG)であり、例えばプルロニック(Pluronic)である。プルロニックF68、プルロニックF108又はプルロニックF127の使用がより好ましい。プルロニックF127の使用が最も好ましい
さらに、この合成ステップで使用される適切なポリマーは、両親媒性PEG化リン脂質又は脂質である。これらのリン脂質の好ましい例は、DSPE−PEGx−Yであり、ここでY=OH、OCH、OCHCH、x=200〜5000、又はDSPE=1、2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミンである。脂質の好ましい例は、1、2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000](アンモニウム塩)(DSPE−PEG2000(OMe))である。
混合ステップのためのポリマー溶液の量は、ステップ(f)の沈殿生成物又はステップ(g)の体積により調節され得る。例えば、ステップ(g)の反応混合物の体積の、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍のポリマー溶液の量が使用され得る。混合は、いかなる好適な時間間隔、例えば約5分から24時間、好ましくは、約45分から18時間、より好ましくは約1時間から14時間で実施されても良い
好ましい実施態様では、混合ステップは、2相混合物を、例えば実質的に非密閉式のシステムで撹拌することにより実施され得る。
本発明の別の好適実施態様では、ステップ(g)の分散物、親水性又は両親媒性安定化剤と交互に混合されてもよい。かかる安定化剤の好ましい例は、クエン酸、酒石酸、乳酸、シュウ酸及び/又はそれらの塩、デキストラン、カルボキシデキストラン、ポリエチレンオキシド系ポリマー又はコポリマー、又はそれらの組み合わせである。混合ステップのための安定化剤の量は、ステップ(f)の沈殿生成物の量、又はステップ(g)の体積により調節され得る。例えば、ステップ(g)の反応混合物の体積の、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍の量の安定化剤が使用され得る。混合は、いかなる好適な時間で実施されてもよく、例えば約5分から5日、好ましくは約45分から48時間、より好ましくは約1時間から24時間実施され得る。
好ましい実施態様では、混合ステップは、2相混合物を、例えば実質的に非密閉式のシステムで撹拌することにより実施され得る。
先行するステップで得られるナノ粒子の合成における最後の選択的ステップにおいて、前記第2の有機溶媒は、ポリマー溶液との混合、又は親水性もしくは両親媒性安定化剤との混合のいずれかにより除去されてもよい。この除去は、第2の有機溶媒を、好ましくはステップ(h)の混合手順の間に蒸発させることにより、実施されてもよい。従って、前記蒸発ステップは、例えば適切な反応容器を使用し、又は反応混合物を撹拌することにより、反応混合物の表面を増加させることで実施されてもよい。加えて又はこれに代えて、液体反応混合物と接触する気体空間又は領域は、前記空間又は領域の揮発成分の濃度を下げるため、換気又はガス交換ステップにより、置換されてもよい。本発明の特に好ましい実施態様では、前記除去ステップは、実質的に非密閉式のシステム内で混合物を撹拌することにより実施され、これにより、親水性のナノ粒子が得られるまで、前記第2の有機溶媒が蒸発される
従って、合成の結果、親水性ナノ粒子の水溶液が得られる。
従って、得られたナノ粒子は単分散形で存在、又は例えば、前述のような合成手順のに実施された分離又は分別ステップの特性に応じて、前述のような多分散形で存在し得る。従って、単分散ナノ粒子は、直接又は異なるサイズの群と組み合わせて使用され得る。また、多分散ナノ粒子は、直接使用され、あるいは前述のように、単分散ナノ粒子を得るため又はナノ粒子の多分散性を低減させるためサイズ分別又は分離手順の対象とされ得る。
本発明の別の実施形態では、前記ステップ又はその変形により得られた前記ナノ粒子又はナノ粒子の溶液は、さらに、次の追加のステップにより処理され、改質され、または変質される
(j)ステップ(i)で得られたナノ粒子又はナノ粒子溶液を精製するステップ;
(k)ステップ(i)又はステップ(j)で得られたナノ粒子又はナノ粒子溶液を酸化剤又は還元剤で処理するステップ;
(l)前記コーティングを除去し、置換し、又は変更することにより、ステップ(i)、(j)又は(k)で得られたナノ粒子の表面を改質するステップ;
(m)ステップ(i)から(l)で得られたナノ粒子を、ミセル、リポソーム、ポリマーソーム、血液細胞、ポリマーカプセル、デンドリマー、ポリマー又はヒドロゲルのようなキャリアで、カプセル化又はクラスタ化するステップ;及び
(n) ステップ(i)から(m)で得られたナノ粒子をターゲットリガンドで修飾するステップ。
ステップ(i)又はその変形により得られたナノ粒子又はナノ粒子溶液の精製は、例えば溶液の濾過により実施され得る。濾過は、いかなる好適な方法により、例えばミクロ濾過、超濾過、ナノ濾過、逆浸透圧などの動的濾過、又は真空濾過、加圧濾過又は膜濾過などの静的濾過を用い実施され得る。さらにモレキュラーシーブも使用され得る。
別の任意のステップでは、ステップ(i)又は(j)又はその変形により得ることのできるナノ粒子又はナノ粒子溶液が、酸化剤又は還元剤で処理される。これらの酸化剤又は還元剤の例は、トリメチルアミン−N−オキシド、ピリジン−N−オキシド、ヘキサフルオロリン酸フェロセニウム及びテトラフルオロホウ酸フェロセニウムである。トリメチルアミン−N−オキシドの使用が好ましい
さらに、ステップ(i)、(j)又は(k)又はそれらの変形により得ることのできるナノ粒子の表面は、コーティングを除去し、置換し又は変更することにより改質され得る。そのような改質は、当業者に知られる適切な化学反応により実施され、例えば、F.Herranz等の「Chemistry−A EuropeanJournal、2008、14、9126−9130」、Herranz等の「Contrast Media&Molecular Imaging、2008、3、215−222」、J.Liu等の「Journal of the American Chemical Society、2009、131、1354−1355」、W.J.M.Mulder等の「NMR in Biomedicine、2006、19、142−164」又はE.V.Shtykova等の「Journal of Physical Chemistry C、2008、112、16809−16817」に記載されている。
別の任意で、追加的な又は代替的なステップでは、ステップ(i)から(l)又はその変形により得ることのできるナノ粒子は、キャリアを用いてカプセル化又はクラスタ化され得る。好ましくは、脂質、胆汁酸、サポニン、脂肪酸、合成両親媒性ブロックコポリマー、もしくは卵黄リン脂質などの天然生成物のような、1又はそれ以上の両親媒性分子からなる、又はこれらを有するキャリア構造が使用され得る。特に好ましくは、リン脂質及び合成ブロックコポリマーである。適切なキャリアの特に好ましい例は、ミセル、リポソーム、ポリマーソーム、血液細胞、ポリマー、カプセル、デンドリマー、ポリナー又はヒドロゲル又はそれらの混合物である。ここで用語「ミセル」とは、通常脂質、特にリン脂質から形成され、単層構造で組織化される、小胞(ベシクル)型意味する。ミセルは通常疎水性内部又はキャビティを持つ。
ここで用語「リポソーム」は、典型的には、脂質、特にリン脂質、即ち水溶性環境で二重層を持つ構造のような膜を形成する分子から形成される、小胞(ベシクル)タイプを意味する。リポソームにおいて使用される好ましいリン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、卵ホスファチジルエタノールアミン、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミンが含まれる。特に好ましいものは、リン脂質MPPC、DPPC、DPPE−PEG2000又はLiss Rhod PEである。
ここで用語「ポリマーソーム」とは、典型的にはブロックコポリマー両親媒性物、即ち脂質と類似の両親媒性を持つ合成両親媒性物からなる、小胞(ベシクル)タイプを意味する。
この両親媒性(より親水性ヘッドとより疎水性テールを持つ)により、前記ブロックコポリマーは、リポソームと類似のヘッド−テール及びテール−ヘッドの二層構造に自己組織化することができる。リポソームに比べて、ポリマーソームはより大きな分子量を持ち、数平均分子は通常、1000から100000、好ましくは2500から50000、より好ましくは5000から25000であり、通常は化学的に安定であり、生理的膜から漏れることや生理的膜に干渉することが少なく、かつ低い臨界凝集濃度のためより静的である。これらの性質により、オプソニン作用がより小さくかつ長い循環時間が得られる。
ここで用語「デンドリマー」とは、大きな合成されたポリマーを意味し、この中では、原子は、ブランチと、中心コアから放射状に伸びるサブブランチの配列で配置される。デンドリマーの合成及び使用は、当業者に知られている。
ここで用語「ヒドロゲル」とは、水が分散媒体になっているコロイドゲルを意味する。ヒドロゲルは静止状態では、ゲル内の3次元クロスリンクネットワークにより、流動性を示さない。ヒドロゲルは、天然又は合成ポリマーから形成され得る。ヒドロゲルの入手及び使用は当業者に知られている。
別の任意の追加的な又は代替ステップでは、ステップ(i)から(m)又はその変形により得ることのできるナノ粒子はターゲットリガンドで修飾され得る。
ここで用語「ターゲットリガンド」とは、適合性のある要素、又は安定化もしくは不安定化要素により、修飾ナノ粒子の相互作用及び/又は認識を可能にするターゲット主体を意味し、これらの要素は、ナノ粒子の化学的、物理的、及び/又は生物学的特性を改質する。これらの要素は通常ナノ粒子の外側又は外側表面に存在する。特に好ましいものは、ナノ粒子を特定の組織タイプ、特定の器官、細胞もしくは細胞タイプ、又は特に動物もしくは人の体の特定の身体部分を対象とすることを可能にする要素である。例えば、ターゲットリガンドの存在は、ナノ粒子の対象を、肝臓、腎臓、肺、心臓、すい臓、胆嚢、脾臓、リンパ構造体、皮膚、脳、筋肉のような器官に導く。又は、ターゲットリガンドの存在は、特定の細胞タイプ、表面相互作用する、又は認識可能なタンパク質を発現する、例えば癌細胞に対するターゲット化を可能とする。本発明の好ましい実施態様では、ナノ粒子はタンパク質又はペプチド又はこれらの断片を含み、ナノ粒子の外側相互作用表面を提供する。そのようなタンパク質又はペプチド要素の例は、レセプター分子と結合可能なリガンド、リガンド又は他のレセプターと相互作用可能なレセプター分子、その抗原と相互作用可能な抗体又は抗体断片又はそれらの誘導体、又はアビジン、ストレプトアビジン、ニュートラアジビン、レクチンである。また本発明には、ビオチンなどの結合相互作用物の存在も含まれ、これは例えばタンパク質又はペプチドなどのビオチン化化合物の形で存在し得る。ナノ粒子はまた、適合性インテグレーター、例えばビタミン結合タンパク質又は抗体などと相互作用可能なビタミン又は抗原を含む。
他の側面では、本発明は、前述の方法又はその変化形で得られる又は得られ得る鉄酸化物ナノ粒子に関する。鉄酸化物ナノ粒子は、いかなる好適な形状、状態又は条件であってよく、例えば固体鉄酸化物ナノ粒子として、例えばいかなる好適な溶媒又は緩衝液に溶解した溶解鉄酸化物ナノ粒子として提供されてもよい。さらに鉄酸化物ナノ粒子は、前述のような単分散形態又は多分散形態で提供されてもよい
さらに別の態様では、本発明は、前述のような鉄酸化物ナノ粒子又は前述の方法もしくはその変化形で得られたもしくは得られ得る鉄酸化物ナノ粒子を磁気粒子イメージング(MPI)又は磁気粒子分光法(MPS)、又は例えば造影剤としてのNPIとMPSの組み合わせ用のトレーサーとして使用することに関する。本発明の別の具体的な実施態様では前記鉄酸化物ナノ粒子はまた、従来の磁気共鳴イメージング(MRI)用、例えば造影剤として使用され得る。
従って、前述のような方法又はその変化形で得られた又は得られ得る鉄酸化物ナノ粒子は、疾患又は病理的状態の診断又は処置の方法において、又は診断又は医薬的組成物、例えば疾患もしくは病理的状態の処置または診断のための、前述のナノ粒子によりターゲット化とされ得る、特定の疾患、障害、組織又は器官の不全などの疾患又は病理的状態の診断の成分として使用され得る。
例えば、疾患領域もしくはゾーン又は障害のゾーンが心臓血管に関連する場合、疾患状態がターゲットされ得る。あるいは、疾患領域もしくはゾーン又は障害のゾーンがリンパ系に関連する場合、疾患状態がターゲットされ得る。さらに別の場合には、前記疾患領域もしくはゾーン又は障害のゾーンが脳脊髄液系に関連する場合、疾患状態がターゲットされ得る。本発明によるナノ粒子を用いてターゲット化される、すなわち診断され治療され得る別の疾患状態は、これに限定されるものではないが、免疫系の不全又は疾患、例えば免疫細胞増殖、分化、又は免疫細胞の可動化(走行化)を含む。また、造血細胞の疾患又は不全が含まれる。免疫不全症候群の例は、血液タンパク質障害(例えば無ガンマグロブリン血症、ガンマグロブリン異常症)、毛細血管拡張性運動失調、共通変数免疫不全、ディジョージ症候群、血小板減少症又は血色素尿症を含む。さらに、心血管系疾患、障害及び条件及び/又は心血管以上、例えば動脈−動脈瘻、動静脈瘻、脳動脈静脈奇形、先天性心疾患、肺動脈閉鎖、シミター症候群が含まれる。先天性心疾患には、大動脈縮窄、CORトリアータム、冠状血管異常、十字形心臓、右胸心、動脈管開存症、エプスタイン奇形、アイゼンメンゲル複合体、左心低形成症候群、左胸心、ファロー四徴症、大血管転位症、二重出口右心室、三尖弁閉鎖症、動脈管遺残、及び大動脈肺動脈中隔欠損、心内膜床欠損症、ルーテムバッハ症候群、ファロー三徴、心中隔欠損症などの心臓中隔欠損が含まれる。心血管疾患、障害及び/又は症状はまた、不整脈、カルチノイド心疾患、高心拍出量、低心拍出量、心タンポナーデ、心内膜炎(細菌を含む)、心臓動脈瘤、心停止、うっ血性心不全、発作性呼吸困難、心臓性浮腫、心臓肥大、うっ血性心筋症、左心室肥大、右心室肥大、梗塞後心臓破裂、心室中隔破壊、心臓弁疾患、心筋疾患、心嚢液貯留、心膜炎、心嚢内気腫、心膜切開後症候群、肺性心疾患、リウマチ性心疾患、心室機能不全、充血、心血管系妊娠合併症、シミター症候群、心血管梅毒、心血管系結核、などの心疾患を含む。不整脈には、洞性不整脈、心房細動、心房粗動、徐脈、期外収縮、アダムスストークス症候群、束枝ブロック、洞房ブロック、QT延長症候群、副収縮、ロウン−ギャノング−レビン症候群、マハイムタイプ早期興奮症候群、ウォルフ−パーキンソン−ホワイト症候群、洞不全症候群、頻脈及び心室細胞が含まれる。頻拍は、発作性頻拍、上室性頻箔、心室固有調律亢進、房室結節内リエントリー性頻拍、洞性頻拍、トルサードドポアンツ及び心室頻拍を含む。心臓弁膜症は、大動脈弁不全症、大動脈弁狭窄症、心雑音、大動脈弁逸脱、三尖弁逸脱、僧帽弁閉鎖不全、僧帽弁狭窄症、肺動脈閉鎖、肺動脈弁不全、肺動脈弁狭窄症、三尖弁閉鎖症、三尖弁閉鎖不全症及び三尖弁狭窄が含まれる。新筋疾患は、アルコール性心筋症、肥大型心筋症、大動脈弁下狭窄、肺動脈弁下狭窄、拘束型心筋症、シャーガス心筋症、心内膜線維弾性症、心内膜心筋線維症、カーンズ症候群、心筋再灌流障害及び心筋炎を含む。心筋虚血には、狭心症、冠動脈瘤、冠状動脈硬化症、冠状動脈血栓症、冠攣縮性狭心症、心筋梗塞及び気絶心筋などの冠状動脈性心臓病を含む。循環器疾患はまた、動脈瘤、血管形成異常、細菌性血管腫症、ヒッペルリンダウ症、クリッペル−トルナウネイ−ウェーバ症候群、スタージ−ウェーバ症候群、血管神経性浮腫、大動脈疾患、高安動脈炎、大動脈炎、ルイッシュ症候群、動脈閉塞性疾患、動脈炎、後動脈炎、結節性多発動脈炎、脳血管疾患、障害及び症状、糖尿病性血管障害、糖尿病性網膜症、閉塞症、血栓症、肢端紅痛症、痔、肝静脈閉塞性疾患、高血圧、低血圧、虚血、末梢血管疾患、静脈炎、肺静脈閉塞性疾患、レイノー病、CREST症候群、網膜静脈閉塞症、シミター症候群、上大静脈症候群、毛細血管拡張症、アタシア毛細血管拡張症、遺伝性出血性毛細血管拡張症、精索静脈瘤、静脈瘤、血管炎及び静脈不全などの血管疾患を含む。動脈瘤は、解剖動脈瘤、偽動脈瘤、感染動脈瘤、破裂脳動脈瘤、大動脈瘤、脳動脈瘤、冠動脈瘤、心臓動脈瘤及び腸骨動脈瘤を含む。動脈閉塞性疾患は、動脈硬化、間欠性跛行、頸動脈狭窄症、線維筋性異形成、腸間膜血管閉塞、もやもや病、網膜動脈閉塞及び閉塞性血栓血管炎を含む。脳血管疾患、障害及び症状は、頸動脈疾患、脳アミロイドアンギオパチー、脳動脈瘤、脳無酸素症、脳動脈硬化症、脳動静脈奇形、脳動脈疾患、脳塞栓症及び血栓症、頸動脈血栓症、静脈洞血栓症、バレンベリー症候群、脳出血、硬膜外血腫、硬膜下血腫、サブアラキシノイド出血、脳梗塞、脳虚血(一時含む)、鎖骨下動脈スチール症候群、血管性頭痛、片頭痛及び椎骨脳底動脈循環不全を含む。さらに、アジソン病、溶血性貧血、抗リン脂質症候群、関節リューマチ、皮膚炎、アレルギー性脳脊髄炎、糸球体腎炎、グッドパスツール症候群、グレーブス病、多発性硬化症、重症筋無力症、神経炎、眼炎、水疱性類天疱瘡、天疱瘡、多重内分泌障害、紫斑病、ライター病、スティッフマン症候群、自己免疫性甲状腺炎、全身性エリテマトーデス、自己免疫肺の炎症、ギラン・バレー候群、インスリン依存性糖尿病、自己免疫性炎症性眼疾患などの自己免疫疾患が含まれる。加えて、喘息(特にアレルギー性喘息)又はその他の呼吸系障害などのアレルギー性反応及び症状が含まれ:同じく、過剰増殖性疾患であって新生物、癌又は腫瘍、例えば、腹部、骨、乳房、消化器系、神経系(中枢及び末梢)、肝臓、膵臓、腹膜、内分泌腺(副腎、副甲状腺、下垂体、精巣、卵巣、胸腺、甲状腺)、眼、頭頸部、リンパ系、骨盤、皮膚、軟部組織、脾臓、胸部及び尿生殖路に存在する新生物、癌又は腫瘍が含まれる。さらに、過剰増殖性疾患の例は、高ガンマグロブリン血症、リンパ増殖性疾患、異常蛋白血症、紫斑病、サルコイドーシス、セザリー症候群、ワルデンストロンマクログロブリン血症症、組織球症及びその他の前記器官に存在する全ての過剰増殖性疾患が含まれる。さらに、神経変性疾患の状態、行動障害又は、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、脳炎、脱髄疾患、末梢神経障害、外傷、先天奇形、脊髄損傷、虚血、動脈瘤や出血を含む炎症状態が含まれる。
本発明のさらなる実施態様では、前述のようないかなる方法又はその変化形により得られ得る又は得られた鉄酸化物ナノ粒子、輸送目的で、例えば医薬と組み合わせて使用されてもよい
例としてそのような医薬は、人又は動物の体内の特定の位置で放出され得る。
次の例及び図は、説明のために与えられる。従って、理解されるべきことは、例及び図は、なんら限定的に解釈されるべきではない、ということである。当業者は、ここで示された原理のさらなる変更が想定されることは明らかである。
実施例1
第1の合成ブロックでは、FeO(OH)(200mg、2.25mmol)、オレイン酸(HOA)(2.54g、9.0mmol)及びイコサン(1.2g)を3つ口フラスコ(50ml)に入れた。フラスコを加熱マントルに入れ、フラスコに撹拌器、熱電対に接続された温度センサ、及びバブル計を含むリフラックスコンデンサーを装着した。熱電対は、2時間で3.3℃/分の加熱速度で360℃となるように設定された。分解の間、反応混合物の色は赤茶色から黒色に変わり、鉄酸化物ナノ粒子の形成が示唆された。フラスコを50℃まで冷却した。ヘキサン(10ml)を添加し、混合物を遠心分離用フラスコに移した。ナノ粒子はアセトン(20ml)を添加することでヘキサン溶液から沈殿した。フラスコを30分間、4900rpm(4671rcf)で遠心分離した。黒い上澄みを捨てて、残ったナノ粒子をヘキサン(5ml)に再分散させ、アセトン(10ml)で沈殿させた。この洗浄手順をさらに1回繰り返した。得られた精製ナノ粒子は10mlヘキサンに再分散させ貯蔵した(得られたサンプルはサンプル1.1とする)。
第2の合成ブロックで、前記第1の合成ブロックで得たナノ粒子溶液を10mlのヘキサンで希釈した(溶液A)。PluronicF127(1.09g)をリン酸緩衝生理食塩水(PBS、2ml)に溶解した(溶液B)。溶液A(1.5ml)と溶液B(1.5ml)を混合し、広口ビーカー内撹拌し、溶媒を蒸発させた。43時間後、均一な、黒色水溶性PBS溶液が得られた;実質的に全てのヘキサンは蒸発した。この溶液は少なくとも4週間は安定で、沈殿は観察されなかった(得られたサンプルをサンプル1.2とする)。
得られた緩衝液の全鉄濃度は、プルシアンブルー系比色分析により、3.33mg(Fe)/gと算定された。
実施例2
第1の合成ブロックにおいて、FeO(OH)(200mg、2.25mmol)、オレイン酸(HOA)(2.54g、9.0mmol)及びイコサン(1.2g)を3つ口フラスコ(50ml)に入れた。フラスコを加熱マントルに入れ、フラスコに撹拌器、熱電対に接続された温度センサ、及びバブル計を含むリフラックスコンデンサーを装着した。熱電対は、2時間で3.3℃/分の加熱速度で360℃となるように設定された。分解の間、反応混合物の色は赤茶色から黒色に変わり、鉄酸化物ナノ粒子の形成が示唆された。フラスコを50℃冷却した。ヘキサン(10ml)を添加し、混合物を遠心分離用フラスコに移した。アセトン(20ml)添加することにより、ナノ粒子がヘキサン溶液から沈殿した。フラスコを30分間、4900rpm(4671rcf)で遠心分離した。黒い上澄みを捨てて、残ったナノ粒子をヘキサン(5ml)に再分散させ、アセトン(10ml)で沈殿させた。この洗浄手順をさらに1回繰り返した。得られた精製ナノ粒子は10mlヘキサンに再分散させ貯蔵した(得られたサンプルサンプル2.1とする)。
第2の合成ブロックにおいて、第1の合成ブロックで得たナノ粒子溶液を10mlのヘキサンで希釈した(溶液A)。PluronicF127(0.31g)をリン酸緩衝生理食塩水(PBS、20ml)内に溶解した(溶液B)。溶液A(1.5ml)と溶液B(1.5ml)を混合し、広口ビーカー内撹拌し、溶媒を蒸発させた。43時間後、均一な、黒色水溶性PBS溶液が得られた;実質的に全てのヘキサンは蒸発した。この溶液は少なくとも4週間は安定で、沈殿は観察されなかった(得られたサンプルをサンプル2.2とする)。得られた緩衝液の全鉄濃度は、プルシアンブルー系比色分析により、2.53mg(Fe)/gと算定された。
実施例3
得られたサンプルの特性を、磁気粒子分光(MPS)分析法で評価した。サンプル1.1のMPS特性は、1MHzでResovist(R)よりも2桁程度優れており、より高い周波数ではさらに優れていた(図2参照)。サンプル2.1及び2.2はいずれも、1MHzでResovist(R)よりも最大1桁優れており、より高い周波数ではさらに優れていた(図2参照)。ヘキサン中と水中でのMPS特性の差異は、十分には理解されていないが、ナノ粒子を親水性化するために必要な、化学的改質の結果であると考えられる。
実施例4
第1の合成ブロックにおいて、FeO(OH)、オレイン酸及びイコサン(1.2g)を3つ口フラスコ(50ml)に入れた。FeO(OH)及びオレイン酸の使用された量及び各成分の量論比は以下の表1に与えられる。フラスコを加熱マントルに入れ、フラスコに撹拌器、熱電対に接続された温度センサ、及びバブル計を含むリフラックスコンデンサーを装着した。熱電対は、2時間で3.3℃/分の加熱速度で360℃となるように設定された。分解の間、反応混合物の色は赤茶色から黒色に変わり、鉄酸化物ナノ粒子の形成が示唆された。フラスコを50℃冷却した。ヘキサン(10ml)を添加し、混合物を遠心分離用フラスコに移した。アセトン(20ml)を添加することにより、ナノ粒子がヘキサン溶液から沈殿した。フラスコを30分間、4900rpm(4671rcf)で遠心分離した。黒い上澄みを捨てて、残ったナノ粒子をヘキサン(5ml)に再分散させ、アセトン(10ml)で沈殿させた。この洗浄手順をさらに1回繰り返した。得られた精製ナノ粒子は10mlヘキサンに再分散させ貯蔵した(得られたサンプルはサンプルA乃至Hとする)。
得られたサンプルの性能を、磁気粒子分光(MPS)分析法で評価した。全てのサンプル分析をこれらのヘキサン溶液で実施した。
表1:サンプルA乃至Hの生成につながる実施例4の異なる実験における反応混合物の組成。
Figure 2013529677
反応条件の変更:
図3A、B、C及びFからわかるように、サンプルA、B、C及びFは、FeO(OH):HOAの比が増加すると高周波数でMPS信号の増加を示した。サンプルD、E及びGは、FeO(OH)及びHOAの相対濃度とともに、それらの絶対濃度も重要であり、最適範囲がサンプルA、B、C及びFで説明されることを示す。さらに、サンプルGは反応時間の重要性を示す。これらの説明された条件下で、反応を2時間行うことが、反応を6時間行うよりもよい結果を与えた。
透過型電子顕微鏡:
TEM分析をサンプルA、BおよびCについて行った。図4から分かるように、MPS信号はサンプルA(図4A)からサンプルB(図4B)まで改善された。しかしながら、サンプルのTEMは、ナノ粒子の形態について有意な差を示していない。サンプルA及びB共に、単分散粒子を含み、同様の平均直径16.3±1.7nm(サンプルA)及び16.7±1.1nm(サンプルB)を示した。この結果の中で最も高いMPS信号を示したサンプルC(図4C参照)の場合、ファセット化コアを持つ粒子であることが見出された(図4D)。さらにこのサンプルはサンプルA及びBよりも広いサイズ分布(平均直径18.0±3.5nm)を示した。従って、この非単分散サンプルを分別することにより、さらに改良されたMPS特性が期待される。
X線回折(XRD):
XRDは鉄酸化物粒子の結晶構造を分析するための非常に高感度の技術であり、鉄酸化物材料の異なるタイプを識別するための有力な手段である。サンプルA、B、CのXRDを測定し、得られたスペクトルを理論的回折パターンと比較し、又Fe参照サンプルと比較した(図5)。この分析により、全ての試験サンプル(A、B及びC)は、主にFe鉄酸化物コアを含むことが同定された。
振動スキャン磁化測定(VSM)
ナノ粒子トレーサー材料の磁化曲線の高非線形性は、良好なMPS特性にとって重要である。サンプルCの振動スキャン磁化分析の結果は図6に示される。図6から分かるように、サンプルは、非常に鋭い磁化曲線を示すとともに、107emu/gの高い飽和磁化を示し、これはFe としての磁気コアの挙動と一致する。

Claims (14)

  1. 鉄酸化物ナノ粒子を形成する方法であり、前記方法は次のステップ:
    (a)鉄酸化物/水酸化物及びオレイン酸又はその誘導体を第1の有機溶媒中に懸濁させるステップ;
    (b)前記懸濁物の温度を、所定の速度で、最大340℃から500℃まで上げるステップ;
    (c)前記懸濁物をステップ(b)の最大温度で約0.5から6時間熟成するステップ;
    (d)前記懸濁物を冷却するステップ;
    (e)第2の有機溶媒を添加するステップ;
    (f)非溶媒を添加してナノ粒子を沈殿させて過剰の溶媒を除去するステップ;
    (g)前記第2の有機溶媒中に前記ナノ粒子を分散させるステップ;
    (h)ステップ(g)の分散物とポリマー溶液、又はクエン酸、酒石酸、乳酸、シュウ酸及び/又はそれらの塩、デキストラン、カルボデキストラン、ポリオキシエチレン系ポリマー又はコポリマー、又はそれらの組み合わせなどの、親水性又は両親媒性安定化剤と混合するステップ;及び
    (i)場合により、前記第2の有機溶媒を除去するステップを含む、方法。
  2. 請求項1に記載の方法であり、前記鉄酸化物/水酸化物が、鉄(III)酸化物/水酸化物、鉄(II)酸化物/水酸化物又は鉄(III)及び鉄(II)酸化物/水酸化物の混合物である、方法。
  3. 請求項1又は2のいずれか一項に記載の方法であり、前記オレイン酸の誘導体が、オレイン酸アンモニウム、オレイン酸リチウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸カルシウム、オレイン酸アルミニウム又はオレイン酸鉄である、方法。
  4. 請求項3に記載の方法であり、前記オレイン酸アンモニウムが、式Rを持つオレイン酸アルキルアンモニウムであり、ここでR、R、R及びRが、アルキル、アリール又はシリル基であるか、又は水素である、方法。
  5. 請求項4に記載の方法であり、前記オレイン酸アルキルアンモニウムが、オレイン酸テトラメチルアンモニウム、オレイン酸テトラエチルアンモニウム、オレイン酸テトラプロピルアンモニウム、オレイン酸テトラブチルアンモニウム又はオレイン酸ベンジルアンモニウムである、方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法であり、前記第1の有機溶媒が式C2n+mで表されるアルカン溶媒であり、ここで15≦n≦30及び−2≦m≦2であり;及び/又は前記非溶媒が、アセトン、ブタノン、ペンタノン、イソブチルメチルケトン、ジエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、エチルプロピルエーテル又はエチルシリルエーテルであり;及び/又は前記第2の溶媒が、ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン又はジクロロエタンである、方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法であり、前記ステップ(b)の温度上昇速度が、1分間に約1℃と10℃の間である、方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法であり、前記ステップ(b)の最大温度は、340℃から400℃であり、及び/又は前記冷却ステップ(d)での懸濁物の温度は、約40℃から90℃へ下げられる、方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法であり、前記熟成ステップ(c)は約1から5時間実施される、方法。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法であり、前記ポリマーの溶液が、ポリエチレングリコール(PEG)及び/又はポリプロピレングリコール(PPG)を含む親水性生物適合性コポリマーの実質的に水溶性緩衝液、ポリエチレングリコール(PEG)を含む両親媒性リン脂質の実質的に水溶性の溶液、又は両親媒性ブロックコポリマーの実質的に水溶性の緩衝液である、方法。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法であり、前記除去するステップ(i)が、実質的に非閉鎖システムで混合物を撹拌することで実施され、それにより前記第2の有機溶媒、親水性ナノ粒子の水溶液が得られるまで蒸発さる、方法。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法であり、次の1又はそれ以上の追加のステップ、
    (j)ステップ(i)で得られ得るナノ粒子又はナノ粒子溶液を精製するステップ;
    (k)ステップ(i)又は()で得られ得るナノ粒子又はナノ粒子溶液を酸化剤又は還元剤で処理するステップ;
    (l)ステップ(i)、(j)又は(k)で得られ得るナノ粒子の表面を、前記ポリマー又は安定化剤コーティングを除去、置換又は変更することで改質するステップ;
    (m)ステップ(i)から(l)で得られ得るナノ粒子を、ミセル、リポソーム、ポリマーソーム、血液細胞、ポリマーカプセル、デンドリマー、ポリマー又はヒドロゲルなどのキャリアでカプセル化又はクラスタ化するステップ;及び
    (n)ステップ(i)から(m)で得られ得るナノ粒子を、特異ターゲットリガンドで修飾する、ステップが実施される、方法。
  13. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の方法で得られ得る鉄酸化物ナノ粒子。
  14. 請求項13の前記鉄酸化物ナノ粒子又は請求項1乃至12のいずれか一項に記載の方法で得られ得る鉄酸化物ナノ粒子の、磁気粒子イメージング(MPI)又は磁気粒子分光法(MPS)のためのトレーサーとしての使用。
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