JP2013528623A - 経鼻免疫化 - Google Patents

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Abstract

哺乳動物の免疫化のために抗原を鼻腔内送達するための組成物および方法を開示する。抗原として、ペプチド、タンパク質、ペプチドミメティクス、DNA、RNA、炭水化物およびリン脂質が挙げられる。組成物は、少なくとも1つの抗原および浸透増強剤を含有する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2010年6月4日出願の米国特許出願第12/794,629号に対する優先権を主張し、当該米国特許出願第12/794,629号は、2007年6月7日出願の米国出願第11/811,304号の一部継続出願であり、当該米国出願第11/811,304号は現在、米国特許第7,244,703号である、2004年3月5日出願の米国出願第10/895,465号の継続出願であり、当該米国出願第10/895,465号は、2003年12月18日出願の米国出願第10/481,309号の一部継続出願であり、当該米国出願第10/481,309号は、2002年6月24日出願の国際出願第PCT/US02/19849号の国内段階への移行であり、当該国際出願第PCT/US02/19849号は、2001年6月22日出願の米国仮出願第60/300,293号に対する優先権を主張し、それらのそれぞれの開示の全体が、参照により本明細書に組み込まれている。
本発明は、哺乳動物の免疫化のために鼻粘膜を通して抗原を送達するための組成物および方法に関する。抗原として、ペプチド、タンパク質、ペプチドミメティクス、DNA、RNA、炭水化物およびリン脂質が挙げられる。
注射は、ワクチン、およびインスリン等のタンパク質治療剤をヒトに投与するために最も一般に使用される方法である。しかし、注射療法は、患者にとって不快であること、患者の服薬遵守が芳しくないこと、および訓練を受けた技術者による投与を必要とすること等の多数の欠点を有する。
免疫化の望まれる代替方法は、治療有効量の抗原を含有する組成物の鼻腔内投与であろう。鼻腔内経路は、送達システムが平易であり、使用が簡便であり、侵襲性が最低限であることを考えると、集団ワクチン接種に適切であり得る。多くの病原体が、呼吸器粘膜を介して感染し、したがって、これらの粘膜部位における免疫化が、注射による免疫化よりも効能を示し得る。
しかし、その多くがペプチドまたはタンパク質等の巨大分子である抗原の鼻腔内送達の成功が制限されてきたが、これは、抗原が、鼻孔粘膜に侵入するのに特に有効であるとは限らず、いくつかの浸透剤には、それらの膜を刺激する傾向があるからである。
炭疽は、胞子形成細菌のバチルス・アントラシス(Bacillus anthracis)が引き起こす感染である。炭疽は、吸入、経口摂取または皮下への曝露により身体に入り、感染を引き起こすことができる。最近、バイオテロリズムの可能性が強く認識されるようになることで、B.アントラシスまたは関連株が、新たに出現するものでも、または遺伝子工学的に作製されるものでも、生物兵器として使用される懸念が高まっている。炭疽感染防御抗原(PA)が、液体としてマウス内に鼻腔内投与されており、マウスモデルにおいてエアロゾルチャレンジに対して防御をもたらしている。Flick−Smithら、Mucosal or parenteral administration of microsphere−associated Bacillus anthracis protective antigen protects against anthrax infection in mice、Infect.Immun.2002;70:2022〜8。Gaurら、Effect of nasal immunization with protective antigen of Bacillus anthracis on protective immune response against anthrax toxin、Vaccine 2002;20:2836〜9。Boyakaら、Effective mucosal immunity to anthrax: neutralizing antibodies and Th cell responses following nasal immunization with protective antigen、J.Immunol.2003;170:5636〜43。
炭疽に対する免疫をより少ない用量で有効にもたらす有効かつ安全なワクチンが依然として求められている。
浸透増強剤を使用することによって、本発明は、炭疽を含めた、種々の抗原に対する効率的な経鼻免疫化のための組成物および方法を提供する。鼻腔内送達後に防御を付与する能力は、バイオテロリズム事件の状況においては、特に魅力的であるが、これは、そうした送達により、集団ワクチン接種のプロセスが大いに平易になるからである。また、本発明は、一般に治療目的でペプチド、ペプチドミメティクスおよびタンパク質を鼻腔内から送達する方法もその範囲内に含む。
本発明は、経鼻免疫化のための医薬組成物であって、大環状浸透増強剤、液体キャリア、乳化剤および治療有効量の抗原を含み、前記大環状浸透増強剤がHsieh増強剤である組成物を提供する。Hsieh増強剤は、3−メチルシクロペンタデカノン、9−シクロヘプタデセン−1−オン、シクロヘキサデカノン、シクロペンタデカノン、オキサシクロヘキサデカン−2−オン、またはそれらの混合物であり得る。抗原は、タンパク質もしくはペプチド(炭疽感染防御抗原等)、炭水化物、またはDNAであり得る。組成物は、結晶化阻害剤、ならびに/またはロイペプチンおよびアプロチニン等の酵素阻害剤をさらに含んでもよい。
さらに、本発明は、哺乳動物を免疫化する方法であって、(a)大環状浸透増強剤、液体キャリア、乳化剤および治療有効量の抗原を含む組成物を配合するステップであって、前記大環状浸透増強剤がHsieh増強剤であるステップと、(b)組成物を経鼻投与により哺乳動物に投与するステップとを含む方法を提供する。
経鼻免疫化のための医薬組成物であって、大環状浸透増強剤、液体キャリア、乳化剤および治療有効量の抗体を含み、前記大環状浸透増強剤がHsieh増強剤である組成物も本発明によって包含される。
本発明は、経鼻免疫化のための医薬組成物を提供し、この組成物は、有効な免疫応答を誘発することが可能である。医薬組成物は、鼻腔内送達に適している剤型をとり、治療有効量の抗原および浸透増強剤を含有する。本発明の組成物および方法と共に使用することができる抗原は、免疫応答、例えば、液性(抗体)応答および/または細胞性免疫応答を発生させる任意の物質であってよい。抗原は、アレルゲンまたは微生物(もしくは微生物の一部)であり得る。特定の免疫化製剤の調製およびプロトコールは、使用しようとする抗原のタイプに依存する。しかし、製剤化とプロトコールの両方の開発は当業者の能力範囲に十分に属する。また本発明によって包含される医薬組成物は、鼻腔内送達に適している剤型をとり、治療有効量の抗体および浸透増強剤を含有する。
提示する組成物中で使用することができる抗原として、これらに限定されないが、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣薬(合成ペプチド)、炭水化物(単糖、二糖、オリゴ糖および多糖を含む)、脂質、核酸(例えば、DNAおよびRNA)、ならびにそれらのコンジュゲート/混合物が挙げられる。核酸抗原は、DNAまたはRNAの断片、プラスミド等のベクター中に組み込まれたDNA断片、リボザイム、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNAおよびshRNAを含む。ポリヌクレオチド含有抗原の例として、例えば、(a)ポリペプチド含有抗原を直接的にコードする核酸配列(例えば、mRNA分子)、ならびに(b)ポリペプチド含有抗原を間接的にコードするベクター構築物、例えば、ポリペプチド含有抗原をコードする異種の核酸配列を発現するベクター構築物(例えば、DNAベクター構築物およびRNAベクター構築物)が挙げられる。抗原は、微生物の部分(例えば、コート、莢膜、細胞壁、鞭毛、線毛および毒素)であり得る。また、抗原は、弱毒化生存微生物または不活性化微生物であってもよい。微生物として、これらに限定されないが、ウイルス(例えば、インフルエンザウイルス、トリインフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルス、SARSウイルス、AIDSウイルス、サイトメガロウイルス、肝炎ウイルス、日本脳炎ウイルス、麻疹ウイルス等)、細菌(例えば、バチルス・アントラシス、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)、ナイセリア・メニンギティディス(Neisseria meningitidis)、ブドウ球菌、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)等)、真菌(例えば、クリプトコッカス、アスペルギルス等)、原生動物(例えば、マラリア等)、その他の微生物および毒素、昆虫(例えば、ダニ等)の死体、花粉等が挙げられる。本発明の組成物のために使用可能な抗原は、抗原が有効な免疫応答をもたらす限り、特に制限されない。特定の実施形態では、免疫応答は、鼻腔内IgA抗体価の増加および血液IgG抗体価の増加、ならびにワクチン接種対象内で抗原または微生物に対する防御を示すことを含む。
ペプチドは、2つ以上のアミノ酸からなる、アミノ酸の短い鎖を含むタンパク質断片である。タンパク質は一般に、アミノ酸のより長い鎖であるが、どこまでがペプチドであり、どこからがタンパク質であるかについての正確な規則はない。また、一般的なペプチド/タンパク質の命名法は、構造が73アミノ酸長のペプチドであるインスリン様増殖因子−1(IGF−1)等の全分子であるか、または構造がトリプシンペプチドと通常呼ばれるタンパク質のトリプシン切断断片等のタンパク質分子の断片であるかどうかも考慮する。
一般に、本発明において使用するペプチド、ペプチドミメティクスおよびタンパク質は、およそ約150〜約200,000ダルトン、約1,000〜約180,000ダルトン、約2,000〜約150,000ダルトン、約3,000〜約100,000ダルトン、約50,000〜約100,000ダルトン、約20,000〜約50,000ダルトン、または約30,000〜約50,000ダルトンの分子量を有する。一実施形態では、本発明において使用するペプチドは、およそ約150〜約30,000ダルトンの分子量を有するが、また、三次または四次の構造に起因して、30,000ダルトン超である場合があるその他のペプチドも本発明の範囲に属する。特定の実施形態では、本発明において使用するペプチドは、およそ約150〜約10,000ダルトン、または約150〜約7,000ダルトンの分子量を有する。
タンパク質およびペプチドを、組換え技法により生成することができる。したがって、異なるタンパク質由来の領域を含有するキメラ分子を使用することができる。例えば、B型肝炎コア抗原のセクションに融合させた熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)のマラリアスポロゾイト周囲の反復領域を含有する組換えタンパク質を使用することができる。Milichら、Conversion of poorly immunogenic malaria repeat sequences into a highly immunogenic vaccine candidate、Vaccine.Volume 20、Issues 5〜6、(2001)771〜788頁。
本発明の組成物を、1つ以上のタイプの微生物またはアレルゲンに対する免疫化に使用することができる。組成物は、1つ以上のタイプの抗原を含有することができる。
本発明の組成物を、炭疽に対する免疫化に使用することができる。炭疽の感染プロセスを、以下に示す。感染は、胞子が、吸入、経口摂取または皮下への曝露を通して身体により取り入れられる場合に生じる。胞子が、活性な毒性細菌になり、炭疽毒素を発現し、この毒素は、宿主の免疫応答を最終的に停止させ、細胞死を引き起こす。炭疽毒素は、3つの構成成分、すなわち、炭疽感染防御抗原(PA)、炭疽浮腫因子(EF)、および炭疽致死因子(LF)を有する。PAは、宿主細胞表面上の炭疽毒素受容体(ATR)に結合する。次いで、PAは、PAを活性化する宿主のプロテアーゼにより切断され、次いで、これがその他の活性なPAに結合して、七量体を形成する。次いで、七量体はEFまたはLFに結合し、複合体全体が、エンドサイトーシスを介して細胞内に引き入れられて、宿主細胞内でエンドソームを形成する。EFまたはLFは、エンドソームから細胞の細胞質ゾル内に押し出される。細胞質ゾル内では、LFおよびEFが、それらの酵素活性を発揮し、細胞のシグナル伝達を遮断し、細胞を損傷する。EFは、浮腫を最終的に引き起こし、LFは、細胞溶解を最終的に引き起こす。
本発明において炭疽に対して使用するための抗原は、多様なバチルス・アントラシス株から得ることができ、死滅、弱毒化または不活性化させたバチルス・アントラシス、およびサブユニット抗原を含むことができる。抗原は、タンパク質含有種、ペプチド含有種(例えば、防御抗原(PA))、多糖含有種、および免疫原性のタンパク質またはポリペプチドを発現するポリヌクレオチド含有種を含む。
炭疽抗原は、感染防御抗原(PA)に基づいた抗原、例えば、B.アントラシス培養物由来の精製タンパク質もしくは生存−弱毒化胞子ワクチン、AVA(AVA:Anthrax Vaccine Adsorbed)(吸着炭疽ワクチン、Emergent Biosolutions of Gaithersburg、Md.(以前は、Bioport Corporation、Lansing、Mich.)から市販されている)等の抗毒素ワクチン、またはより最新の、明確に特徴付けられたPA、莢膜に基づいたPAもしくはPAのコンジュゲートおよび莢膜に基づいたワクチンのうちのいずれをも含む。AVAは、非病原性非被包型株のB.アントラシスV770−NP1−Rのメンブラン滅菌培養物のろ液からなる。培養物のろ液を、水酸化アルミニウムに吸着させ、塩化ベンゼトニウム(保存剤)およびホルムアルデヒド(安定化剤)と共に製剤化する。任意のタイプの炭疽毒素または莢膜抗原を使用することができる。米国特許公開第20100003276号、第20090297556号、第20080317784号。PA、LFおよび/またはEFの自然の機構を標的にする種々のワクチンが論じられている。例えば、米国特許第5,591,631号および第5,677,274号は、PAおよび/またはLFのドメインを含む融合タンパク質を記載している。別のアプローチでは、米国特許出願第2004/0166120号には、PAおよび切断型の非機能性B.アントラシスLFnを含有して、B.アントラシス免疫応答を惹起する組成物が記載されたことがある。さらに、米国特許出願第2003/0003109号は、突然変異LFタンパク質またはLFタンパク質の免疫原性断片をコードする配列を有するポリヌクレオチド、およびPAまたはPAの免疫原性断片をコードする配列を有するポリヌクレオチドを対象に投与するワクチンについて論じている。米国特許出願第2005/0063986号は、野生型または突然変異型のPA、LFまたはEFを含有する組換えDNA構築物について論じている。追加のアプローチは、PA、LFまたはEFについての発現系としての生存ワクチンに焦点を合わせている。また、特定の試みは、生存サルモネラおよびB.アントラシスの使用にも焦点を合わせた。Coulsonら、Vaccine、vol.12、No.15、1395〜1401(1994)。Garmoryら、Infect.Immun.71(7):3831〜6(2003)。Aloni−Grinsteinら、Infect.Immun.、73(7):4043〜53(2005)。生存ワクチンの開発の可能性に焦点を合わせた追加の研究もある。米国出願第2004/0197343号。さらに、大腸菌(Escherichia coli)発現系(Vodkinら(1983)Cell 34:693〜697)、サルモネラ・チフィリウム(Salmonella typhimurium)発現系(Coulsonら(1994)Vaccine 12:1395〜1401)、枯草菌(Bacillus subtilis)発現系(例えば、Baillieに対する米国特許第6,267,966号;Ivinsら(1986)Infection and Immunity 54:537〜542;およびBaillieら(1994)Let.Appl.Microbiol.19:225〜227を参照されたい)、ならびに非胞子形成性であるかまたはLFもしくはEF毒素を産生することができない、いくつかの組換えバチルス・アントラシス発現系(例えば、Mockらに対する米国特許第5,840,312号およびWorshamらに対する米国特許第6,316,006号を参照されたい)を含めた、いくつかの代替の原核(細菌)発現系も、抗原産生のために開発されている。さらに、B.アントラシスのPA抗原についての完全な遺伝子配列も公知であり(Welkosら(1988)Gene 69:287〜300)、公的に入手可能であり、ポリペプチド含有およびポリヌクレオチド含有抗原を含めた、多種多様な抗原の開発および産生が可能である。例えば、米国特許出願第2004/0082530号は、PA抗原をコードする配列およびEFまたはLF抗原の断片等その他の抗原をコードする配列を含めた、B.アントラシスから得られたかまたはそれに由来する、ポリペプチド抗原をコードする配列を含有する核酸を記載し、これは公知の技法を使用して適切なベクター構築物内に挿入することができる。
抗原は、組成物中に治療有効量で存在する。一般に、抗原は、組成物の約0.001〜約50重量%、組成物の約0.01〜約30重量%、約0.1〜約20重量%、約0.1〜約10重量%または約0.1〜約2重量%の量で存在する。
本発明の抗原は、かなり未精製な状態で使用してもよく、または使用前に精製してもよい。本発明において、精製には、例えば、ろ過、濃縮、遠心分離、ゲルろ過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、等電点電気泳動等、ペプチド、タンパク質、DNA、RNA、炭水化物の精製に当技術分野で従来使用されている方法を実施することができる。必要であれば、これらの方法を、適切に組み合わせてもよい。最終的な使用形態に従って、精製した抗原を濃縮または凍結乾燥して、液体または固体を得ることができる。
また、本発明の医薬組成物は、脱感作において使用することもできる。例えば、アレルゲンの用量を増加させて、アレルゲンに対する感受性を示している対象に投与する。脱感作のために使用するアレルゲンの用量の例が、当技術分野で公知であり、例えば、Fornadley(1998)Otolaryngol.Clin.North Am.31:111〜127を参照されたい。
抗原の作用を補助または修飾するために、少なくとも1つの免疫学的アジュバントを本発明の組成物中で使用することができる。免疫学的アジュバントはとりわけ、以下の効果のうちの1以上をもたらすことができる:免疫応答の増加、免疫応答のさらなる多様化、免疫応答の加速、免疫応答のさらなる持続/延長。本発明において使用することができるアジュバントとして、これらに限定されないが、デキストランまたはシクロデキストランおよびサポニン、ポリヌクレオチド含有免疫学的アジュバント(例えば、オリゴデオキシヌクレオチドおよび二本鎖RNA等、DNAおよび/またはRNA含有免疫学的アジュバント)、ならびにポリマー微小粒子が挙げられる。
アジュバントの非限定的な例として、(1)水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウム等のアルミニウム塩(ミョウバン);(2)スクアレン等の代謝可能な油、および1以上のソルビタン誘導体等の乳化剤を含むサブミクロン乳剤、例えば、(a)モデル110Yマイクロ流動化装置(Micro fluidics、Newton、Mass.)等のマイクロ流動化装置を使用してサブミクロン粒子に製剤化される、5%スクアレン、0.5%Tween80および0.5%SPAN85を含有する(場合により、必要ではないが、種々の量のMTP−PE(下記を参照されたい)を含有する)MF59(国際公開第WO90/14837号;Chapter 10、Vaccine design:the subunit an adjuvant approach、PowellおよびNewman編、Plenum Press 1995)、(b)マイクロ流動化して、サブミクロン乳剤にするか、またはボルテックスをかけて、より大きな粒子サイズの乳剤を得る、10%スクアラン、0.4%Tween80、5%プルロニック−ブロックポリマーL121およびthr−MDP(下記を参照されたい)を含有するSAP、ならびに(c)2%スクアレン、0.2%Tween80、ならびにモノホスホリルリピドA(MPL)、トレハロースジミコール酸(TDM)および細胞壁骨格(CWS)からなる群からの1以上の細菌の細胞壁構成成分、好ましくは、MPL+CWS(DetoxJ)を含有するRibijアジュバント系(RAS)(Ribi Immunochem、Hamilton、Mont.)(本明細書において使用するのに適切なサブミクロン水中油型乳剤のさらなる考察については、共同所有の1998年1月29日出願の特許出願第09/015,736号を参照されたい);(3)Quil AもしくはQS21(例えば、Stimulonj(Cambridge Bioscience、Worcester、Mass.))等のサポニンアジュバントを使用し、またはそれらからISCOM(免疫賦活複合体)等の粒子を生成することができ、ICOMSは、追加の界面活性剤を欠いていてよい、例えば、WO00/07621;(4)完全フロイントアジュバント(CFA)および不完全フロイントアジュバント(IFA);(5)インターロイキン(例えば、IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−12(WO099/44636)等)、インターフェロン(例えば、ガンマインターフェロン)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)等のサイトカイン;(6)リポ多糖およびリポ糖のホスフェートのアジュバントを含めたリン脂質アジュバント、例えば、モノホスホリルリピドA(MPL)、およびその誘導体3−O−脱アシル化MPL(3dMPL)、例えば、GB−2220221、EP−A−0689454(これらは、肺炎球菌糖との使用時(例えば、WO00/56358)には、場合によりミョウバンが実質的に存在しない)、ならびに米国特許第6,355,257号に記載されているもの等のアミノアルキルグルコサミンホスフェート化合物;(7)3dMPLと、例えば、QS21および/または水中油型乳剤との組合せ、例えば、EP−A−0835318、EP−A−0735898、EP−A−0761231;(8)ポリオキシエチレンエーテルまたはポリオキシエチレンエステル、例えば、W099/52549;(9)オクトキシノールと組み合わせたポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(WO01/21207)、またはオクトキシノール等の少なくとも1つの追加の非イオン性界面活性剤と組み合わせたポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはエステル界面活性剤(WO01/21152);(10)サポニンと免疫賦活性オリゴヌクレオチド(例えば、CpGオリゴヌクレオチド)(WO00/62800);(11)免疫賦活薬と金属塩粒子、例えば、WO00/23105;(12)サポニンと水中油型乳剤、例えば、WO99/11241;(13)サポニン(例えば、QS21)+3dMPL+IL−12(場合により、+ステロール)、例えば、WO98/57659;(14)コレラ毒素(CT)、百日咳毒素(PT)の解毒化突然変異体、または大腸菌の熱不安定性毒素(LT)等の細菌のADPリボシル化毒素、特に、LT−K63(野生型アミノ酸が63位においてリジンで置換されている)、LT−R72(野生型アミノ酸が72位においてアルギニンで置換されている)、CT−S109(野生型アミノ酸が109位においてセリンで置換されている)、およびPT−K9/G129(野生型アミノ酸が、9位においてリジンで置換されており、129位においてグリシンで置換されている)(例えば、国際公開第WO93/13202号および第WO92/19265号を参照されたい);(15)アミノアルキルグルコサミニド4−ホスフェート(AGP)、例えば、Johnson,D.A.ら;Bioorg.Med.Chem.Lett.、1999 Aug.2;9(15):2273〜8を参照されたい;(16)イミキモド(R−837)およびレジキモド(resiquimod)(R−848)等のイミダゾキノリン、例えば、Vasilakos,J.P.ら;Cell.Immunol.2000 Aug.25;204(l):64〜74を参照されたい;(17)Hawkins,L.D.ら;J.Pharmacol.Exp.Ther.、2002 February;300(2):655〜61、および米国特許第6,290,973号に記載されている非糖リン脂質(例えば、二糖を欠く、単純化リピドA類似体)等のリポ多糖模倣物質(モノホスホリルリピドA模倣物質を含む);ならびに(18)免疫賦活剤として作用して、組成物の有効性を増強するその他の材料が挙げられる。ムラミルペプチドとして、これらに限定されないが、N−アセチル−ムラミル−L−スレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−ノルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(nor−MDP)、N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−s−n−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン(MTP−PE)等が挙げられる。米国特許公開第20080317784号、第20090214596号および第20100092526号。
免疫学的アジュバントの追加の例については、Vaccine Design、The Subunit and the Adjuvant Approach、Powell,M.F.およびNewman,M.J編、Plenum Press、1995を参照されたい。
また本発明によって包含される医薬組成物は、治療有効量の抗体および浸透増強剤を含有する。特定の実施形態では、本発明の医薬組成物および方法を受動免疫のために使用することができる。例えば、http://en.wikipedia.org/wiki/Passive_immunityを参照されたい。
提示する組成物の抗体は、1以上のポリペプチドを含有することができる。抗体は、未変化の抗体であっても、または抗体断片(例えば、Fab、ナノボディ)であってもよい。モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体またはそれらの混合物を、本発明に従って使用することができる。抗体は、IgA、IgG、IgE、IgDまたはIgMタイプ(およびそれらのサブタイプ)であり得、免疫グロブリンの軽鎖は、カッパまたはラムダタイプであり得る。抗体の相補性決定領域(CDR)を、ヒトまたは非ヒトの供給源から得ることができる。抗体のフレームワークは、ヒトのフレームワーク、ヒト化フレームワーク、もしくは非ヒトのフレームワーク、例えば、改変して、ヒトにおける抗原性を減少させたマウスのフレームワークであっても、または合成のフレームワーク、例えば、コンセンサス配列であってもよい。
抗体を、ヒトを含めた、動物から得る、単離するもしくは精製することができ、または組換えの手段により調製する、発現させる、生み出すまたは単離することができる。例えば、抗体を、宿主細胞中にトランスフェクトした組換え発現ベクターを使用して発現させること、組換えコンビナトリアル抗体ライブラリーから単離すること、ヒト免疫グロブリン遺伝子についてトランスジェニックである動物(例えば、マウス)から単離すること、またはヒト免疫グロブリン遺伝子配列を、その他のDNA配列にスプライシングさせる任意のその他の手段により、調製する、発現させる、生み出すもしくは単離することができる。そのような組換え抗体は、ヒト化抗体、CDRグラフト化抗体、キメラ抗体、(例えば、ファージディスプレイにより)in vitroにおいて生成した抗体を含み、場合により、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する定常領域を含んでもよい。米国特許第7,727,532号。
一般に、利用する浸透増強剤は、抗原の鼻粘膜を通しての浸透を増強する浸透増強剤である。浸透増強剤の一般式を、下記に示す。
Figure 2013528623
[式中、XおよびYは、酸素、硫黄、または
Figure 2013528623
もしくは=N−Rの構造のイミノ基であり、ただし、Yがイミノ基である場合、Xはイミノ基であり、Yが硫黄である場合、Xは硫黄またはイミノ基であり、Aは、
Figure 2013528623
の構造を有する基であり、
式中、XおよびYは上記に定義した通りであり、mおよびnは1〜20の値を有する整数であり、和m+nは25以下であり、pは0または1の値を有する整数であり、qは0または1の値を有する整数であり、rは0または1の値を有する整数であり、R、R1、R2、R3、4、R5およびR6はそれぞれ独立に、水素、または直鎖状もしくは分枝状であってよい1〜6個の炭素原子を有するアルキル基(ただし、R1〜R6のうちの1つのみがアルキル基であり得る)であり、ただし、p、qおよびrが0の値を有し、Yが酸素である場合、m+nは少なくとも11であり、さらに、Xがイミノ基であり、qが1であり、Yが酸素であり、pおよびrが0である場合、m+nは少なくとも11であり、前記化合物が、抗原(または抗体)が身体の膜を越える通過速度を増強する]。以下、これらの化合物を、増強剤と呼ぶ。R、R1、R2、R3、R4、R5またはR6がアルキルである場合、それは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、アミル、ヘキシル等であってよい。そのような浸透増強剤が、米国特許第5,023,252号および第5,731,303号に記載されている。
好ましくは、本発明の浸透増強剤化合物は、環状ラクトン(XとYの両方が酸素である(qが1であり、rが0である)化合物)、環状ジエステル(XとYの両方が酸素であり、qとrの両方が1である化合物)、ならびに環状ケトン(qとrの両方が0であり、Yが酸素である化合物)である。環状ジエステルでは、m+nは、好ましくは、少なくとも3である。環状ケトンでは、m+nは、好ましくは、11〜15であり、pは、好ましくは、0である。
上記の構造式の増強剤は、本明細書では「Hsieh増強剤」と呼び、例えば、上記の米国特許第5,023,252号および第5,731,303号(以下、「Hsieh特許」)に記載されている。そのような増強剤は、親油性であり、「膜適合性」である。「膜適合性」は、増強剤が本発明の組成物を適用しようとする膜(以下、「標的膜」)に対して損傷を引き起こさないことを意味する。また、そのような増強剤は、標的膜に対する刺激性を、低いレベルで示すかまたは全く示さず、実際には、エモリエント剤としても働く。
本発明において使用するのに好ましい増強剤は、大環状増強剤である。本明細書では、用語「大環状」を使用して、環内に少なくとも12個の炭素を有する環状化合物を指す。本発明において使用するのに好ましい大環状増強剤の例として、(A)大環状ケトン、例えば、3−メチルシクロペンタデカノン(ムスコン)、9−シクロヘプタデセン−1−オン(シベトン)、シクロヘキサデカノンおよびシクロペンタデカノン(ノルムスコン);ならびに(B)大環状エステル、例えば、ペンタデカラクトン、例として、オキサシクロヘキサデカン−2−オン(シクロペンタデカノリド、ω−ペンタデカラクトン)が挙げられる。
オキサシクロヘキサデカン−2−オンおよびシクロペンタデカノンが、とりわけ好ましい。
上記が好ましい浸透増強剤であるが、また、当業者であれば、本教示はその他の浸透増強剤にも適用できるであろうことを認識するであろう。本発明に有用なその他の浸透増強剤の非限定的な例が、種々の薬局方概論において、一般に安全であると認識されている(GRAS)単純な長鎖エステルである。これらは、中位までの長さの鎖を含有する、単純な脂肪族の、不飽和または飽和(しかし、好ましくは、完全飽和)のエステルを含むことができる。そのようなエステルの非限定的な例として、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸オクチル等が挙げられる。こうした増強剤は、医薬組成物中で使用するのに適しているタイプである。また、当業者であれば、粘膜とは不和合性であるかまたは粘膜に対して刺激性である材料は回避すべきであることも理解するであろう。
増強剤は、組成物中に、鼻粘膜を通して送達しようとする薬学的に活性な物質の浸透を増強するのに有効な濃度で存在する。増強剤の使用量の決定においては、種々の考慮すべき事項を考慮に入れるべきである。そのような考慮すべき事項として、例えば、達成される流動量(膜を通る通過速度)、ならびに製剤中の構成成分の安定性および適合性が挙げられる。増強剤は一般に、組成物の約0.001〜約40(w/w)%の量で使用する。特定の範囲は、約0.01%〜約30(w/w)、約0.1〜約25%(w/w)、約1%〜約15%(w/w)、約5〜10%(w/w)を含む。あるいは、増強剤の量は、約1.0〜約3%(w/w)または約10〜約20%(w/w)の範囲に及ぶこともできる。
乳剤を形成する際に、水不溶性の増強剤が通常固体の材料である場合には、増強剤を、適切な溶媒中に溶解させる。増強剤が、水非混和性である、通常液体の材料である場合には、増強剤にとって適切な溶媒を、必要に応じて、使用してもまたは使用しなくてもよい。特定の実施形態では、増強剤を、適切な溶媒(複数可)、例として、アルコール、油、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサン、アセトン、フレオン、水、その他の極性もしくは非極性の溶媒、または混合物中に溶解、分散、懸濁または可溶化させ、次いで、これを、薬学的担体と混合した有効量の所望の抗原を含む組成物に添加する。場合によっては、増強剤が液体の形態をとる場合には、増強剤の「無希釈」の溶液を直接組み込んで、抗原、薬学的担体および増強剤の混合物を得ることができ、混合物中では、増強剤の濃度が、約0.1%〜約50%(w/w)の範囲に及ぶ。
薬学的担体は、抗原を溶解、分散、含浸または懸濁させる、適切な無毒性ビヒクル、例として、水またはその他の溶媒、脂肪性の材料、セルロースおよびそれらの誘導体、タンパク質およびそれらの誘導体、コラーゲン、ゼラチン、ポリマー、接着剤、スポンジ、布等、ならびにビヒクル中の薬物のより良好な溶解性または分散をもたらすために添加する賦形剤を含む。そのような賦形剤は、無毒性の界面活性剤、可溶化剤、乳化剤、キレート化剤、結合材料、滑沢剤、柔軟剤等を含むことができる。
液体キャリアが、組成物中に、本発明の組成物のための適切なビヒクルとして働くのに有効な濃度で存在することができる。一般に、担体を、組成物の約40〜約98重量%または約50〜約98重量%の量で使用する。本発明の組成物は、好ましくは、鼻用スプレーとして送達する。
液体キャリアは、水もしくは任意のその他の適切な液体、溶媒、またはそれらの混合物であり得る。抗原は、治療有効量を液体キャリア中に分散または溶解させることができる。水は適切な緩衝化剤を含有して、特定の抗原を最適に送達するpHを得ることができ、または水は、その他の担体、例として、グリセリン、プロピレングリコール、種々のサイズのポリエチレングリコール、アミノ酸改変物質、例として、アルギニン等、および調剤または薬剤学の分野の専門家には公知であるその他の適切な可溶性の賦形剤を含有することができる。
本発明に有用なペプチドの非限定的な例として、抗炎症ペプチド1等の抗炎症ペプチド;抗老化ペプチド;アペリン−12等のアペリンペプチド;ウロジラチン等の心房性ナトリウム利尿ペプチド;ボンベシンおよびその類似体;脳傷害誘導性ペプチド;カルシトニン;デフェンシン;デルトルフィン、デルモルフィンおよびそれらの類似体(その他のオピオイドペプチド、例として、アセタリン(Acetalin)、BAMペプチド、アルファ−カゼインエクソルフィン(Exorphin)、ベータ−カゾモルフィン、ダイノルフィン、エンドモルフィン、エンドルフィン、エンケファリン、グルテンエクソルフィン、キョートルフィン、メトルファミド(Metorphamide)、ネオエンドルフィン、シンジファリン、H−Tyr−D/L−Tic−OHおよびバロルフィン(Valorphin)を含む);ダイノルフィンおよび類似体ならびにそれらの配列;エンテロスタチン;グレリン;グルカゴンならびにGLP−1およびGLP−2等のグルカゴン様ペプチド;ゴナドトロピン放出ホルモン;成長ホルモン;成長ホルモン放出ホルモン;インスリン分泌性化合物;キョートルフィン;レプチンおよびその断片;ルテイン;ミエリン塩基性タンパク質断片;フィサレミンおよびその断片;セクレチン;チモシンベータ4等のチモシンおよびそれらの断片;形質転換増殖因子(TGF)およびそれらの断片;タフトシン;腫瘍壊死因子(TNF)および関連ペプチド;さらに、VIP、プレプロVIPならびにそれらの類似体および断片が挙げられる。
本発明の組成物は、種々の剤型、例えば、水中油型乳剤、油中水型乳剤および水中油中水型乳剤として存在することができる。本発明の組成物の活性化合物は、化合物が親水性、親油性または両親媒性のいずれであるかに応じて、連続相または分散相または両方の相のいずれかの中に存在することができる。本発明の好ましい実施形態の例では、乳剤は、連続的な水相中に分散させた油滴(これらの油滴中には、親油性増強剤が含有される)と、連続的な水相中に溶解させた水溶性の薬学的に活性な化合物とを含む。油相を活用する好ましい実施形態では、油相中の油の濃度は、結晶化を促さないような濃度である。
また、本発明の組成物は、乳剤の形成を補助するのに使用するために乳化剤を含むこともできる。本質的には、任意の適切な親水コロイド乳化剤、典型的には、固体材料、または2以上のそのような乳化剤の混合物を、本発明の実行手順において使用することができる。親水コロイド乳化剤として、植物からの派生物、例えば、アカシア、トラガント、寒天、ペクチンおよびカラゲナン;動物からの派生物、例えば、ゼラチン、ラノリン、コレステロールおよびレシチン;半合成物質、例えば、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース;ならびに合成物質、例えば、カルボマー等のアクリル乳化剤が挙げられる。親水コロイド乳化剤は、乳剤の乳化液滴の周囲に、親水コロイド(水和した親液性コロイド)を形成する。親水コロイドは、それぞれの乳化小滴の周囲の保護層として働き、保護層は、その他の小滴を物理的に退け、したがって、オストワルド熟成(乳化小滴の凝集する傾向)を妨害する。対照的に、その他の乳化剤は典型的には、乳化小滴の周囲に液晶層を形成することによって、乳化小滴を保護する。液晶層を形成する乳化剤を利用する組成物においては、安定な乳剤を形成するためには、乳剤の油相の親水性親油性バランス(HLB)を、乳化剤のHLBと適合させなければならず、しばしば、乳剤をさらに安定化させるためには、1以上の追加の乳化剤(二次的な乳化剤)を添加しなければならない。また、上記の液晶層は、標的基質との接触時の分散相の化合物の放出も遅らせる。
本発明の組成物中で使用するための親水コロイド乳化剤は、標的膜に対する刺激性を低いレベルで示すかまたは全く示さず、良好な生体接着性および粘膜接着性を有する化合物を含む。そのような特性を示す親水コロイド乳化剤の例として、セルロース由来の乳化剤およびアクリル乳化剤が挙げられ、例えば、約10〜約50個の炭素原子を含有するアルキル基を有する乳化剤が含まれる。本発明において使用するのに特に好ましいアクリル乳化剤は、(例えば、Schlatzerに対する米国特許第3,915,921号およびHuangらに対する米国特許第4,509,949号に記載されている)カルボン酸とアクリルエステルとのコポリマーであり、架橋結合されているものがとりわけ好ましい。水中油型乳剤の形成において使用するのにとりわけ好ましいそのような乳化剤の例は、「アクリレート/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー」、すなわち、アクリル酸と(C10-30)アルキルアクリレートとの架橋結合ポリマーである。アクリレート/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマーは、Noveon,Inc.(以前は、B.F.Goodrich)から入手可能であり、商品名Pemulen.RTM.の下で販売されている。アクリレート/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマーは、小さな親油性部分および大きな親水性部分を有し、したがって、このポリマーが水中油型乳剤を形成するための主要な乳化剤として機能することが可能になる。さらに、アクリレート/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマーは、基質、すなわち、生体膜または粘膜との接触時の分散相の化合物の放出が可能であり、再湿潤しない(油相は、水との接触時に再乳化しない)。米国薬局方に列挙されているアクリレート/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマーに関する追加情報が、Noveon publications TDS−114、117、118、124、232〜3および237、ならびにPDS Pemulen 1622に提供されている。
乳剤を形成する際に、水不溶性の増強剤が通常固体の材料である場合には、増強剤を、適切な溶媒中に溶解させる。増強剤が、水非混和性である、通常液体の材料である場合には、増強剤にとって適切な溶媒を、必要に応じて、使用してもよくまたは使用しなくてもよい。
乳化剤は、組成物中に、所望の液体乳剤を形成するのに有効である濃度で存在する。乳化剤を、一般に、組成物の約0.001〜約5重量%の量で、より一般に、組成物の約0.01〜約5重量%の量で、最も一般に、組成物の約0.1〜約2重量%の量で使用する。
本発明の組成物は、任意の成分として、組成物中に分散させた粒子状の固体を含んでもよい。例えば、組成物は、乳剤の液体の連続相中に微結晶性固体またはナノ微粒子の形態で分散させた追加の薬学的に活性な化合物を含むことができる。
親水コロイド乳化剤は、乳化液滴の周囲に保護層を形成し、したがって、安定な乳剤を、オストワルド熟成を妨害することによって形成し、さらなる安定化剤を必要としないが、場合によっては、乳剤の安定性をさらに改善するのが望ましい場合もある。そのような改善は、オストワルド熟成阻害剤および/または界面活性剤の添加により達成することができる。
オストワルド熟成阻害剤は、乳化小滴の、凝集し、より大きな小滴を形成する傾向を低下させる材料である。本質的には、任意の適切なオストワルド熟成阻害剤またはそのような阻害剤の混合物を使用して、乳剤の物理的安定性をさらに改善することができる。好ましいオストワルド熟成阻害剤は、炭化水素および炭化水素のろう等の疎水性物質である。疎水性物質の例は、ワセリン、ヘキサデカン、および長鎖エステル、例えば、パルミチン酸オクチルである。オストワルド熟成阻害剤は、組成物中に、乳化小滴、特に、比較的小さな小滴(例えば、直径1ミクロン)がより大きな小滴に凝集するのを阻止するのに有効な濃度で存在する。凝集により、沈下(材料が底部に沈下する)、またはクリーム分離(油が上部に上昇する)が生じる恐れがある。目安にするために述べると、ほとんどの適用例で、オストワルド熟成阻害剤が、組成物の約0.001〜約5重量%の量、それどころか、組成物の約0.1〜約1重量%の量で使用されると考えられる。
1つの好ましい実施形態では、浸透増強剤を、抗原を含有する水相中に乳化する。乳化は、1以上の適切な界面活性剤の使用を通して行うことができる。本明細書の教示に基づいて、適切な界面活性剤の選択は、当業者の能力範囲に属するとみなされる。そのような界面活性剤として、例えば、アニオン性、カチオン性および非イオン性界面活性剤が挙げられる。好ましい界面活性剤は、非イオン性界面活性剤である。非イオン性界面活性剤は、単独にしろ、または1以上のその他の界面活性剤と組み合わせるにしろ、親水性親油性バランスの数(HLB)が、約4〜約18のものが好ましく、7と14との間のものがより好ましく、9と13との間のものが最も好ましい。そのような非イオン性界面活性剤の例は、PEG−60トウモロコシグリセリド、PEG−20モノステアリン酸ソルビタン、フェノキシ−ポリ(エチレンオキシ)エタノール、モノオレイン酸ソルビタン等である。米国食品化学物質規格集、米国国民医薬品集、米国薬局方および米国連邦規制基準等の概論に記載されているもの等の概論の界面活性剤が、とりわけ好ましい。乳剤の小滴の平均直径が、約50ナノメートル(nm)〜約20マイクロメートル(μm)、より好ましくは、約200nm〜約5μmであることが好ましい。一般に、各界面活性剤は、組成物の約2重量%以下、より一般に、組成物の約1重量%以下の量で存在する。また、好ましくは、界面活性剤の側鎖の性質が二重結合を有さないものであることも重要であり、本発明では、不飽和炭素間結合を有さないものを含むことが最も好ましい。この理由は、不飽和脂肪酸側鎖(「オレフィン性」脂肪酸ともまた呼ばれる)には経時的に酸化する傾向があり、界面活性剤が適さないようになることである。不飽和脂肪酸側鎖を有する界面活性剤は、着色するかまたは黒ずみ、同じ製剤中の重要な抗原と反応する恐れがある中間体を引き起こす傾向を示し、製剤の有用性を低下させ、製剤を規制の観点から適さないものとする(例えば、主要規制機関は、米国内ではFDAであり、その他の国ではそれに対応する機関である)。オレフィンは、刺激性に寄与する追加の不利益を有することが疑われ、刺激性は、鼻腔内適用のためには回避しなければならない。しかし、不飽和側鎖の界面活性剤を、本発明における使用から除外するわけではない。例えば、オレイン酸エステルの一不飽和側鎖を含有するポリソルベート80は、製剤中のその濃度を、一般に、1%未満に制限して使用することによってか、またはグリセリン等の緩和構成成分を製剤に添加して、そのような望まれない作用を打ち消すことによって、その刺激性の不利益を緩和することができる。
1つの好ましい実施形態では、浸透増強剤を含有する、乳化されたまたは不連続な相は、小滴の形態をとる。一般に、より小さな小滴が、より大きな安定性を付与する。より大きな小滴は、不安定性を引き起こす恐れがあり、有効期間を減少させる恐れがある。好ましい実施形態では、脂質の小滴サイズは、0.025ミクロン(25nm)〜20ミクロン、好ましくは、0.1ミクロン〜5ミクロンの範囲に及ぶ。
場合によっては、本発明において使用する浸透増強剤、抗原および/または組成物のその他の構成成分が、室温またはより高い温度で結晶化することがある。そのような結晶化を阻害または予防するために、組成物は、1以上の結晶化阻害剤を含むことができる。結晶化は、進行を許すと、乳剤を不安定にし、有効期間に対する有害作用を示す。好ましい結晶化阻害剤は、関与物質が結晶化する温度を低下させることによって機能する。そのような結晶化阻害剤の例として、天然の油、油性材料、ろう、エステルおよび炭化水素が挙げられる。天然の油または油性材料の例として、ビタミンE酢酸エステル、パルミチン酸オクチル、ゴマ油、大豆油、紅花油、アボカド油、パーム油および綿実油が挙げられる。そのような結晶化阻害剤の別の例が、ポリエチレングリコール1000である。本明細書の教示から、適切な結晶化阻害剤の選択は、当業者の能力範囲に属するとみなされる。
例えば、結晶化阻害剤は、関与物質の結晶化温度を約25℃未満または約5℃未満まで低下させることが可能である場合がある。オキサシクロヘキサデカン−2−オンの結晶化の阻害において使用するのにとりわけ好ましい結晶化阻害剤の例として、ヘキサデカン、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、綿実油、紅花油およびビタミンE酢酸エステルが挙げられ、それらのそれぞれは、医薬製剤中で使用することができる。
結晶化阻害剤は、組成物中に、組成物の少なくとも1つの構成成分の結晶化を阻害するのに有効な濃度で存在する。一般に、結晶化阻害剤は、組成物の約0.001〜約5重量%または約0.01〜約2重量%の量で存在する。一実施形態では、結晶化阻害剤は、組成物の約0.1〜約1重量%の量で存在する。例えば、好ましくは、増強剤が摂氏約0度超の結晶化温度を有する場合に、結晶化阻害剤を使用する。特に、例えば、増強剤がペンタデカラクトンおよび/またはシクロヘキサデカノンである場合には、これらは室温超で結晶化することから、好ましくは、結晶化阻害剤を使用する。
本発明の組成物は、酵素阻害剤を含有することができる。ペプチドおよびタンパク質の生化学における熟練家に周知であるように、ペプチドは、タンパク質分解酵素等、ペプチドを迅速に分解する酵素の存在に対して、微量で存在する場合であっても非常に敏感である傾向を示す。一般に利用されており、本発明に組み込むことができる典型的な酵素阻害剤として、これに限定されないが、ロイペプチン、アプロチニン等が挙げられる。また、酵素阻害剤は、ヌクレアーゼ阻害剤も含む。
鼻腔内へ送達する方法は、免疫応答、例えば、呼吸器(特に、上気道)の局所粘膜における免疫応答を誘発することができる限り、特に限定されない。呼吸器は、細菌およびウイルス等の多くの免疫原の感染経路である。方法の例として、スプレーする方法、スワブする方法、滴下して添加する方法等が挙げられる。医薬組成物は、これらに限定されないが、鼻腔内スプレーデバイス、アトマイザー、ネブライザー、用量計量型吸入器(MDI)、加圧投与型吸入器、注入器、鼻腔内吸入器、鼻用スプレーボトル、単位用量容器、ポンプ、滴下器、スクイズボトルまたは二方向性デバイスを含めた、デバイスにより鼻腔内投与することができる。医薬組成物は、ジェル剤、軟膏剤、鼻用乳剤、ローション剤、クリーム剤、鼻用タンポンまたは生体接着性条片の剤型をとって、鼻腔内投与することができる。鼻から送達するデバイスは、正確な有効投与量を鼻腔に投与するように計量することができる。鼻から送達するデバイスは、単回単位を送達することもまたは複数回単位を送達することもできる。また、本発明の化合物は、チューブ、カテーテル、シリンジ、パックテイル(packtail)、綿球、鼻用タンポンによってかまたは粘膜下注入によって送達することもできる。米国特許公開第20090326275号、第20090291894号、第20090281522号および第20090317377号。
一実施形態では、本発明の組成物を、鼻用スプレーのアプリケーターにより送達する。鼻腔内への適用が望まれる場合、組成物を、鼻腔内スプレー型投与デバイスまたはアトマイザー中に収納することができ、対象の鼻孔内に組成物をスプレーすることによって適用して、鼻孔粘膜に送達することができる。十分な量を適用して、所望の全身性のまたは局部的な抗原レベルを達成する。鼻腔内スプレーについては、最高約200マイクロリットルを典型的には適用し、約50〜約150マイクロリットルの適用が好ましく、75〜120マイクロリットルが最も好ましい。1以上の鼻孔に投与することができ、適用は、所望される限り頻繁にかまたは必要な限り頻繁に行うことができる。好ましい実施形態では、鼻用スプレーのアプリケーターを、約10ミクロン〜約200ミクロンの平均サイズの組成物の小滴をもたらすように選択する。より一般に、小滴サイズは、約30ミクロン〜約100ミクロンである。
本発明は、経鼻免疫化のための医薬組成物を提供し、この組成物は、有効な免疫応答を誘発することが可能である。特定の状況では、有効な免疫応答は、防御的であり得る。免疫応答を、in vitro、in vivoおよび/またはex vivoにおいて測定することができる。測定可能な免疫応答の例として、これに限定されないが、抗原特異的抗体産生(特異的な抗体のサブクラスの測定を含む)、サイトカインの分泌(これらに限定されないが、IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−10、IL−12、IFN−α、IFN−β、IFN−γ、TNF−αを含む)、ヒスタミンの放出、リンパ球集団、例として、NK細胞、Tリンパ球、Bリンパ球、マクロファージ等の活性化または拡大増殖が挙げられる。特異的な抗体応答を測定するための方法は、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)を含み、当技術分野で周知である。CD4+T細胞等の特定のタイプのリンパ球の数の測定を、例えば、蛍光標識細胞分取(FACS)を用いて達成することができる。細胞傷害アッセイを、例えば、Razら(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:9519〜9523の記載に従って実施することができる。サイトカインの血清濃度を、例えば、ELISAにより測定することができる。免疫原に対する免疫応答を評価するためのこれらおよびその他のアッセイは、当技術分野で周知である。例えば、Selected Methods in Cellular Immunology(1980)MishellおよびShiugi編、W.H.Freeman and Co.、ならびに米国特許第7,628,990号を参照されたい。
抗原または抗体の治療有効量を、要因、例として、抗原の種類、所望の作用、対象の物理的および医学的状態、例として、年齢、体重等に従って変化させることができる。当業者であれば、抗原または抗体の治療有効量は、過度の実験をせずとも決定することができる。当業者であれば、公知の免疫化投与計画および本明細書の教示に基づいて、特定の対象、または複数の対象のために、投与計画および投与量を選択することができる。有効な免疫応答を誘発する抗原の能力または測定可能なパラメータを阻害する抗体の能力を、ヒトにおける有効性を予測する動物モデル系において評価することができる。例えば、例に記載されているように、B.アントラシスを用いたチャレンジからウサギを防御する炭疽抗原の能力から、ヒトにおける有効性を予測することができる。あるいは、抗原/細胞の相互作用、例えば、結合、感染、病原性等を調節する組成物の能力を、当業者に公知のin vitroにおけるアッセイにより検査することによって、抗原または抗体のこの特性を評価することもできる。in vitroにおけるアッセイは、ELISA、および中和アッセイ等の結合アッセイを含む。
本発明の組成物を投与する対象は、ヒト、サル、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、ウシ、イヌ、ウマ、ヤギ等の哺乳動物、およびニワトリ等の鳥を含む。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物を、1超の経路を介して対象に投与する。例えば、病原性微生物に対する防御免疫応答(例えば、免疫)を有することから利益を得るであろう対象は、粘膜投与(例えば、経鼻投与)を受け、さらに、1以上のその他の経路の投与(例えば、非経口または肺投与)も受けることから利益を得ることができる。いくつかの実施形態では、鼻からの経路を介する投与は、抗原に対して、粘膜免疫と全身免疫の両方を誘発するのに十分である。その他の実施形態では、複数の経路を介する投与が、粘膜免疫と全身免疫の両方をもたらすように働く。
好ましい実施形態は、あらかじめ配合された組成物であるが、また、対象を、あらかじめ配合されていない、上記の記載と下記の記載との組合せを用いて治療することができることも本発明の範囲に属する。すなわち、液体キャリア中の抗原と、増強剤とを、適用時に混合することができ、例として、組成物のスプレー時に、アトマイザー中で混合が生じる。
[実施例]
下記の例は、例示的な本発明の組成物である。組成物を構成する成分の濃度を、組成物の総重量に対する重量パーセントで示す。
例第1および2は、鼻腔内スプレー中で使用するための、本発明の組成物の例である。
例第1および2では、A部の成分を、均一になるまで40℃で機械的に撹拌することによって混合した。B部の成分を、均一になるまで40℃で磁気撹拌することを使用して別個に混合し、次いで、A部に添加した。得られた混合物を激しく撹拌し、C部を、混合物にゆっくり添加した。C部の添加の後、D部を添加し、得られた混合物を、40℃で4時間撹拌した。混合物を、さらに18時間撹拌しながら室温まで冷却した。次いで、E部を振とうしながら添加し、4時間撹拌した。得られた混合物を、「プレミックス」と呼ぶ。
薬学的に活性な化合物の所望の濃度の溶液を、別個に調製した。薬学的に活性な化合物を、水と混合し、均一になるまでかき混ぜることによって水中に溶解させた。次いで、pH改変剤を添加し、得られた混合物を、ローラーミル上で、120rpm、室温で転がすことによって、溶液が均一になるまで混合した。
プレミックスを、薬学的に活性な化合物の水溶液に室温で添加し、得られた混合物を、ローラーミル上、120rpmで転がすことによって、最終的な混合組成物が均一になるまで混合した。
例1
この例は、GHRP−6(H−His−D−Trp−Ala−Trp−D−Phe−Lys−NH2)の送達のための鼻腔内スプレーとして使用することができる組成物の調製を記載する。
Figure 2013528623
得られた組成物は、分散相が液滴からなる、安定な乳剤を含み、液滴は、組成物中に一様に分散しており、結晶化阻害剤およびオストワルド熟成阻害剤を含む溶媒中に溶解している増強剤からなった。連続相は、プロピレングリコール、グリセリン、保存剤および薬学的に活性な化合物の水溶液を含んだ。pH改変剤は、乳化剤と結合しているとみなされた。100マイクロリットルの組成物が、およそ100マイクログラムのGHRP−6を含有した。
例2
この例は、オキシコドンの送達のための鼻腔内スプレーとして使用することができる組成物の調製を記載する。オキシコドンは、その遊離塩基の形態で使用し、遊離塩基は、市販されている塩酸塩から、20部の水および化学量論量の1.0N水酸化ナトリウム中に溶解させることによって調製した。沈殿物を収集し、水を用いて洗浄した。次いで、沈殿物を、真空ポンプを使用して室温で乾燥した。
オキシコドン鼻腔内調製物
Figure 2013528623
A部の成分を、ペーストが形成されるまで40℃で機械的に撹拌することによって組み合わせた。次いで、B部をA部と、均一なペーストが形成されるまで40℃で機械的に撹拌することによって組み合わせた。次いで、C部を添加し、得られた混合物を、白色の均一な乳剤が形成されるまで室温で機械的に撹拌した。
オキシコドンの遊離塩基は、水中では不溶性であり、アクリレート/C10-30アルキルアクリレート乳化剤を使用して形成される乳剤を安定化させるのに十分強力である。このことにより、組成物が粘着性の均一な乳剤の形態をとって存在することが可能になり、無機塩の形成を回避するために、さらなるpH改変剤を使用する必要はない。分散相は、結晶化阻害剤およびオストワルド熟成阻害剤を含む溶媒中に溶解している増強剤からなった。連続相は、グリセリン、保存剤および水からなった。薬学的に活性な化合物は、アクリレート/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー乳化剤と結合しているとみなされた。
100マイクロリットルの組成物が、およそ2ミリグラムのオキシコドンを含有した。
例3
組換え炭疽抗原を用いた経鼻免疫化
材料および方法
バチルス・アントラシス由来の炭疽防御抗原、rPaを、Calbiochem(www.emdchemicals.com)から購入する。上記の記載に従って、オキサシクロヘキサデカン−2−オンを含有するプレミックスを調製する。rPAを含有する溶液を別個に調製する。rPAを、(i)アジュバントなしで、PBS中に配合するか、(ii)アジュバントとしての水酸化アルミニウム(70mgの水酸化アルミニウム/10mgのrPA)(Alhydrogel;Superfos Biosector)上に吸着させるか、または(iii)アジュバントとしての非メチル化、ホスホロチオエート連結、CpG含有オリゴヌクレオチド(以下、「CpG」; 10mgのCpG/10mgのrPA)(番号1826、5’−TCCATGACGTTCCTGACGTT−3’;Proligo)と共に配合する。プレミックスを、rPAを含有する溶液に室温で添加し、得られた混合物を、ローラーミル上、120rpmで転がすことによって、最終的な混合組成物が均一になるまで混合する。当業者であれば、製剤中の各成分の特定の量を、過度の実験をせずとも決定することができる。
動物および免疫化
雌のBALB/cマウス(Charles River Laboratories)、6〜8週齢(10匹のマウス/群)を、10μgのrPAを用いて第0、21および42日に免疫化する。鼻腔内送達のために、液体を、麻酔を施したマウスの鼻腔内に滴下注入する(各鼻孔中に15μL)。麻酔を施したマウスから、それらの後眼窩鼻腔を介して第21、42および56日に採血する。
雌のNew Zealand Whiteウサギ(Myrtles Rabbitry)(6〜9匹のウサギ/群)を、50μgのrPAを用いて第0、21および42日に免疫化する。rPAを、アジュバントなしで、Alhydrogel(350mgの水酸化アルミニウム/50mgのrPA)またはCpG(50mgのCpG/50mgのrPA)を加えてPBS中に配合する。Penn−Century製鼻用噴霧器を、液体ワクチンの鼻腔内送達のために使用する(単一の鼻孔内へ100μL)。ウサギから、それらの耳翼辺縁静脈を介して第21、42および56日に採血する。
ELISA
rPA特異的抗体価のELISA分析を実施する。Maxisorp96ウエルプレート(Nunc)を、0.05モル/Lの炭酸コーティング用緩衝液(pH9.6)中の1mg/mLのrPAを用いて4℃で一晩コーティングする。プレートを、ブロック用緩衝液(PBS−Tween20中の5%の脱脂粉乳の粉末)中、37℃で1.5時間ブロックし、次いで、PBS−Tween20を用いて3回洗浄する。試料を、二つ組でプレートにわたりブロック用緩衝液中に2倍段階希釈し、37℃で1時間インキュベートする。3回の洗浄の後、プレートを、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲートヤギ抗マウスまたは抗ウサギIgG(Southern Biotechnology)を加えて37℃で45分間インキュベートする。洗浄後、プレートを、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン基質(Sigma)を加えて室温で30分間発色させ、発色を、0.5モル/LのH2SO4の添加により停止し、光学密度を450nmで読み取る。エンドポイントの力価を、未免疫化対照動物から得られた血清試料について得られたバックグラウンドの少なくとも3倍のOD450nmの値をもたらす、試料の最も高い希釈度と定義する。抗体のアイソタイプを、HRP標識ヤギ抗マウスIgG1またはIgG2a抗体およびマウス参照標準物質(Bethyl Laboratories)の使用により決定する。
毒素中和抗体(TNA)アッセイ
TNA力価を、Littleら、Production and characterization of monoclonal antibodies against the lethal factor component of Bacillus anthracis lethal toxin、Infect.Immun.1990;58:1606〜13に記載されている方法の改変バージョンの使用により決定する。コンフルエントなJ774A.1細胞を、37℃および5%CO2中で、無菌96ウエル透明底黒色プレート(Corning Costar)中に蒔く(7×104細胞/ウエル)。100ng/mLのLF(List Biological Laboratories)および200ng/mLのrPAを含有する新鮮な溶液を、三つ組の、等しい体積の希釈試料と混合し、37℃で1時間インキュベートする。次いで、培地を、LF、PAおよび試験試料の希釈溶液100mLと交換し、これを、5%CO2中、37℃で4時間インキュベートする。細胞生存率を、ATP含有量により決定し(ViaLight HS;Cambrex Bio Sciences Rockland)、未処理の細胞を参照対照として使用する。エンドポイントのTNA力価を、対照の血清試料の中和の3倍超である、PA−LTの二成分の毒素による細胞傷害性の(t検定による)有意な中和をもたらす最も高い血清の希釈度の逆数と定義する。
B.アントラシスのエアロゾルチャレンジ
経鼻免疫化の防御の有効性を決定するために、致死的なチャレンジによる研究を、ウサギにおいて実施する。エアロゾルチャレンジを、Pittら、In vitro correlate of immunity in a rabbit model of inhalational anthrax、Vaccine 2001;19:4768〜73の記載に従って実施する。提示するエアロゾルの用量を、曝露前に実施する呼吸器機能の測定から誘導する毎分換気量(Vm)の推定値を使用することによって計算して決定する。次いで、提示するエアロゾルの用量を、各動物が吸入する実験の大気(Vt/Vm×曝露の長さ)の総体積(Vt)と、チャンバーからの試料採取から実験的に決定する曝露濃度(Ce)とを乗じることによって計算する(提示する用量=Ce×Vt)。用量を、1.1×105cfuが1致死用量に等しいことに基づいて、致死用量の倍数として表す。ウサギに、103±45LD50の平均±SD吸入用量を投与する。生存率を、フィッシャーの直接確率検定の使用により、倍数の比較のためにブートストラップ調節を用いて比較する。死亡までの時間の比較を、t検定の使用により、倍数の比較のためにブートストラップ調節を用いて行う。
例4
大腸菌抗原を用いた免疫化
毒素原性大腸菌(ETEC)は、旅行者下痢症の主要な原因である。ETECは、汚染されている食品および飲料を介して伝染する。ETECは、小腸においてコロニー形成し、熱不安定性エンテロトキシン(LT)もしくは熱安定性エンテロトキシン(ST)、または組合せを分泌し、これらのエンテロトキシンは、分泌性下痢を引き起こす。
ETEC由来の熱不安定性エンテロトキシン(LT)を含有する鼻からのワクチンを、鼻腔内から送達して研究する。
抗原
未変性の大腸菌LTを、大腸菌株HE22 TP 235 Kmから産生する。上記の記載に従って、LTをオキサシクロヘキサデカン−2−オンおよびその他の構成成分と混合して、鼻用製剤を調製する。
参加者
健常な成人(18〜45歳)を、この研究のために登録する。排除の判断基準は、旅行者下痢症の病歴、過去12ヵ月間に流行国へ旅行したことがあること、コレラ、LTまたはETECワクチンの以前の使用、顕著な疾病、免疫抑制等を含む。
ワクチン投与
ワクチンを、2回に分けて投与する。第1の用量を第0日に、第2の免疫化を第15日に投与する。
ワクチン接種後の経過観察
ボランティアを、それぞれの投与後、即時の有害作用の発生について20分間観察する。ボランティアに、ワクチン接種後に観察される徴候および症状を記録するための日記帳を与える。報告される症状を、軽度(認め得る)、中等度(通常の日々の活動に影響を及ぼす)、または重度(通常の日々の活動を中断させる)に段階付ける。ボランティアを、臨床評価および副作用の可能性の評価について第24および48時間時に評価する。ワクチンの皮膚反応の徴候を示すボランティアに、さらなる臨床評価のために第72時間時に外来を再度訪れるように指示する。次いで、ボランティアを、必要に応じて、副作用が完全に消散してしまうまで追跡する。
ASC免疫応答
抗体分泌細胞(ASC)のワクチン抗原に対する応答を、この研究についての免疫学的エンドポイントとして選ぶが、これは、以前の研究が、ASC応答が腸粘膜の免疫応答と相関することを示しているからである。Wennerasら 1992、Antibody−secreting cells in human peripheral blood after oral immunization with an inactivated enterotoxigenic Escherichia coli vaccine、Infect.Immun.60:2605〜2611。静脈血試料を、ボランティアから、免疫化前の第0日、ならびに最初の免疫化後の第7、28、35、56、84、91、98および112日に得る。血液標本を、EDTA処理チューブ(Becton Dickinson Vacutainer Systems、Rutherford、N.J.)を使用して収集する。末梢血単核球(PBMC)を、血液試料から、Ficoll−Hypaque(Sigma Chemical Co.、St.Louis、Mo.)上で勾配遠心分離することによって単離し、IgAおよびIgG ASCの総数およびワクチンに特異的な数について、酵素結合イムノスポット(ELISpot)の技法によりアッセイする。ニトロセルロース製底部の96ウエルプレート(Millititer HA;Millipore Corp.、Bedford、Mass.)の個々のウエルを、0.1mlの精製CS6(20μg/ml)またはGM1ガングリオシド(0.5μg/ml)を用いてコーティングし、4℃で一晩インキュベートする。GM1でコーティングしたウエルを、PBS洗浄の後、LT(0.5μg/ml)に37℃で2時間曝露する。プレートを、PBSを用いて洗浄した後、5%ウシ胎仔血清(Gibco BRL)および50μg/mlのゲンタマイシン(Gibco BRL)を補充した完全RPMI培地(Gibco BRL、Grand Island、N.Y.)を用いてブロックする。PBMCを、完全RPMI培地中で、2×107個の生存細胞/mlに調節する。最終的なPBMC懸濁液0.1mlを、各ウエルに添加し(1ウエル当たり106個のPBMCを添加する)、プレートの内容物を、5.0%CO2中、37℃で4時間インキュベートする。プレートを洗浄する。それらの内容物を、明確に異なるアイソタイプ特異性を有する、親和性により精製されているヤギ抗ヒト免疫グロブリン抗体2つの混合物(一方は、アルカリホスファターゼにコンジュゲートさせた抗体(IgG)であり、他方は、西洋ワサビペルオキシダーゼにコンジュゲートさせた抗体(IgA)(Southern Biotech Associates、Birmingham、Ala.)である)を加えて4℃で一晩インキュベートし、適切な色素原−酵素基質(Sigma)に曝露する。個々の細胞が分泌した抗体の帯域に対応するスポットを、三つ組のウエル中で、×40の倍率下で計数し、データを、106個のPBMC当たりのスポット形成細胞の数として表す。以前の記載に従って(Jertbornら、2001、Dose−dependent circulating immunoglobulin A antibody−secreting cell and serum antibody responses in Swedish volunteers to an oral inactivated enterotoxigenic Escherichia coli vaccine、Clin.Diagn.Lab.Immunol.8:424〜428)、我々は、ベースラインの試料中のASCの数が、106個のPBMC当たり≧0.5である場合には、106個のPBMC当たりのASCのベースラインの値と比べた≧2倍の増加と、陽性のASC応答を定義する。免疫前のASCの数が、106個のPBMC当たり0.5未満である場合には、投与後の、106個のPBMC当たり>1.0の値を陽性の応答とみなす。
血清抗体の測定
静脈血試料を、ボランティアから、免疫化前、ならびに各免疫化後の第14および28日に得て、血清抗体価を測定する。LTに対するIgAおよびIgG抗体価を、GM1−酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)の方法により測定する(Jertbornら、1998、Safety and immunogenicity of an oral inactivated enterotoxigenic Escherichia coli vaccine、Vaccine 16:255〜260)。LTを固相抗原として使用する。ELISAのために使用するLTは、ワクチンの調製のために使用するのと同じロットから得る。個々のマイクロタイターウエル(immunoplates;Nunc、Roskilde、デンマーク)を、GM1ガングリオシド(0.5μg/ml)(Sigma)を用いて、室温で一晩、37℃で一晩コーティングする。次いで、GM1でコーティングしたウエルを、PBSを用いて洗浄し、0.1mlのLT(0.5μg/ml)を加えて37℃で2時間インキュベートする。血清試料を、0.1%ウシ血清アルブミン(Sigma)を用いてブロックした後、3倍段階希釈し(最初の希釈度は、1:5)、次いで、室温で90分間インキュベートする。結合している抗体を、西洋ワサビペルオキシダーゼとコンジュゲートさせたウサギ抗ヒトIgAまたはIgG(Jackson ImmunoResearch Laboratories、West Grove、Pa.)の添加により実証し、室温で90分間インキュベートし、続いて、o−フェニレンジアミン−H22(Sigma)を添加する。バックグラウンドを0.4上回る450nmにおける光学密度(450nmにおける吸光度)をもたらす、内挿された試料の希釈度としてエンドポイントの力価を割り当てる。力価を、各試験に含めた参照標本に関して調節して、毎日の変動を償う。同じボランティアから得られる投与の前および後の血清試料を、常に並べて試験する。各試料に帰属させる抗体価は、異なる日に実施する二つ組の決定の幾何平均を示した。<5であるエンドポイントの力価の逆数には、計算のために2.5の値を割り当てる。我々は、有意な応答(血清転換)を、免疫化前と免疫化後との間における、エンドポイントの力価の≧2倍の増加と定義し、免疫化後の力価の逆数が≧10であることを追加の判断基準とする。Guerena−Burguenoら、Safety and Immunogenicity of a Prototype Enterotoxigenic Escherichia coli Vaccine Administered Transcutaneously、INFECTION AND IMMUNITY、2002、1874〜1880頁。
例5
炭水化物抗原を用いた免疫化
血液型に関連するTn、T、シアリル−Tn、シアリル−T抗原(T抗原のファミリー)ならびに糖脂質GM2、GD2およびGD3等の炭水化物抗原は、種々の癌と関連がある。Lo−Mannら、Cancer Research 64:4987(2004)。悪性の形質転換により、グリコシル化の調節不全が生じるように見える。炭水化物に対する抗体を開発することによって、腫瘍に対する攻撃の新しいモードを提供することができる。例えば、CA−19−9は、膵臓、胃および結腸直腸を含めた、種々の消化器の腫瘍と関連がある。Duffy M.J.、CA 19−9 as a marker for gastrointestinal cancers:a review、Ann.Clin.Biochem.1998、35(Pt3):364〜70。CA−19−9を含有する鼻用製剤を、以下に従って調製する。
抗原
上記の記載に従って、オキサシクロヘキサデカン−2−オンを含有するプレミックスを調製する。CA−19−9を含有する溶液を別個に調製する。プレミックスを、CA−19−9を含有する溶液に添加し、得られた混合物を、最終的な混合組成物が均一になるまで混合する。
免疫化
雌のBALB/cマウス(Charles River Laboratories)、6〜8週齢(10匹のマウス/群)を、上記の記載に従って配合した500μg〜2mgのCA−19−9を用いて、第0、21および42日に免疫化する。免疫化を、鼻腔内スプレーデバイスを使用して実施する。
ELISA
96ウエルプレート(Nunc)を、0.05モル/Lの炭酸コーティング用緩衝液(pH9.6)中の0.25mg/mLのCA−19−9を用いて4℃で一晩コーティングする。プレートを、ウシ血清アルブミンを使用してブロックする。免疫化したおよび対照のマウスから得られた血清試料を、二つ組でプレートにわたりブロック用緩衝液中に2倍段階希釈し、37℃で1時間インキュベートする。プレートを、洗浄後、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲートヤギ抗マウスまたは抗ウサギIgG(Southern Biotechnology)を加えてインキュベートする。プレートを、洗浄後、テトラメチルベンジジン基質(Sigma)を用いて室温で30分間発色させ、反応を停止する。光学密度を450nmで読み取る。エンドポイントの力価を、未免疫化対照動物から得られた血清試料について得られたバックグラウンドの少なくとも3倍のOD450nmの値をもたらす、試料の最も高い希釈度と定義する。抗体のアイソタイプを、HRP標識ヤギ抗マウスIgG1またはIgG2a抗体およびマウス参照標準物質(Bethyl Laboratories)の使用により決定する。
例6
多糖を用いた免疫化
ストレプトコッカス・ニューモニエは、肺炎球菌性肺炎および肺炎球菌性菌血症を引き起こす恐れがある。ストレプトコッカス・ニューモニエに対する肺炎球菌多糖体ワクチンの構成成分となる精製肺炎球菌多糖体を、ATCC(http://www.atcc.org/culturesandproducts/microbiology/purifiedpneumococcalpolysaccharides/tabid/185/default.aspx)から購入する。また、PNEUMOVAX(登録商標)23(肺炎球菌ワクチン、多価)もMerckから購入することができる。PNEUMOVAX(登録商標)23は、ストレプトコッカス・ニューモニエの23種の最も流行性または侵襲性の肺炎球菌のタイプに由来する高度に精製された莢膜多糖体の混合物からなる。肺炎球菌多糖体を含有する鼻用製剤を、以下に従って調製する。
抗原
上記の記載に従って、オキサシクロヘキサデカン−2−オンを含有するプレミックスを調製する。肺炎球菌多糖体を含有する溶液を、別個に調製する。プレミックスを、肺炎球菌多糖体を含有する溶液に添加し、得られた混合物を、最終的な混合組成物が均一になるまで混合する。
免疫化
マウスまたはヒト対象を、肺炎球菌多糖体を含有する製剤を用いて鼻から免疫化し、抗体価を試験する。予防接種の実施に関する諮問委員会(ACIP)が、肺炎球菌性疾患の予防についてのワクチンに特定された勧告を示している。それらは、http://www.cdc.gov/mmwr/PDF/rr/rr4608.pdf、およびhttp://www.cdc.gov/vaccines/recs/provisional/downloads/pneumo−Oct−2008−508.pdfから入手可能である。
例7
DNAワクチンを用いた免疫化
DNAワクチンは、防御免疫応答を発生させる新規の方法を提供する。上記の例3では、マウスを、バチルス・アントラシス由来の組換えrPAを用いて免疫化した。以下の実験では、マウスを、防御抗原(PA)の解毒化形態をコードするDNAプラスミドを用いて鼻から免疫化し、抗体価を試験する。
防御抗原をコードする組換えプラスミドを調製し、鼻用製剤を、上記の記載に従って開発する。Hermansonら、PNAS 101(37):13601〜13606(2004)。マウスを組換え防御抗原を含有する製剤を用いて鼻から免疫化し、以前の記載に従って、抗体価を試験する。
例8
バクテリオファージラムダを送達ビヒクルとして用いるDNAワクチンによる免疫化
DNAワクチン接種においては、ワクチン遺伝子を真核生物発現カセットの制御下に含有するプラスミドを使用して、宿主にワクチン接種することができる(「裸のDNA」によるワクチン接種)。また、全バクテリオファージλ粒子も、DNAワクチンの送達ビヒクルとして使用することができる。この系においては、ワクチン抗原を適切な真核生物発現カセット中でコードする遺伝子を、標準的なλgt11バクテリオファージ内にクローニングし、バクテリオファージ粒子全体を使用して、宿主に接種する。DNAを、安定なタンパク質マトリックス内に含有させ、このマトリックスは、DNAをヌクレアーゼ分解から防御し、併せてまた、ワクチンの抗原提示細胞(APC)に対する標的化も行う。
B型肝炎表面抗原(λ−HbsAg)等のワクチン挿入部を、λgt11バクテリオファージのEcoRI部位内へクローニングし、次いで、このバクテリオファージを、大規模に成長させ、精製する。鼻用製剤を上記の記載に従って開発し、これを使用して、ウサギまたはマウスを鼻腔内から免疫化する。抗体価を、以前の記載に従って試験する。
ファージベクターは、それらの大型のクローニング能力に起因して、全てが単一のバクテリオファージ粒子内に含有される、単一の構築物内の複数のワクチン、大型のイントロン含有真核生物遺伝子の使用、および分子アジュバント(例えば、IL−12/IL−15)の同時投与の可能性を提供する。また、ハイブリッドファージワクチンも試験する。ファージλの大型のクローニング能力を、比較的高分子量のタンパク質の多くのコピーをディスプレイするその能力と組み合わせると、同じファージ粒子上でタンパク質ワクチンまたはタンパク質アジュバントと組み合わせたDNAワクチンの送達が可能になる。http://www.mri.sari.ac.uk/pdf/bact−jclark−poster1.pdf。Clarkら、Bacterial viruses as human vaccines? Expert Rev.Vaccines.2004 Aug;3(4):463〜76。Marchら、Genetic immunisation against hepatitis B using whole bacteriophage lambda particles、Vaccine.2004 Apr 16;22(13〜14):1666〜71。Clarkら、Bacteriophage−mediated nucleic acid immunisation、FEMS Immunol.Med.Microbiol.2004 Jan 15;40(l):21〜6。Jepsonら、Bacteriophage lambda is a highly stable DNA vaccine delivery vehicle、Vaccine.2004 Jun 23;22(19):2413〜9。
例9
不活性化ウイルスを用いた免疫化
この例は、経鼻免疫化のために、不活性化した全H1N1インフルエンザウイルスを抗原として使用する。
抗原の調製
Madin−Darbyイヌ腎臓(MDCK)細胞(ATCC CCL 34)を、10%仔ウシ血清を含有するダルベッコ変法基本培地(DMEM)中に維持する。105pfuのインフルエンザA/PR8/34(H1N1)を、10または11日齢のニワトリの胚発育卵に接種することによって、インフルエンザウイルスのストックを調製する。40時間のインキュベーション後、卵を4℃に一晩移す。尿膜液を集め、1500×gで20分間遠心分離して、細胞デブリを除去する。透明な上清を、120,000×gで1時間遠心分離して、インフルエンザウイルス粒子をペレット化し、これらを、PBS中に再懸濁し、遠心分離により、不連続スクロース勾配(15%、30%および60%)層を使用してさらに精製する。ウイルスの純度を、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動およびクマシーブルー染色により分析する。赤血球凝集活性を、以前の記載に従って、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、pH7.2中で、ニワトリ赤血球(RBC)0.5%(w/v)を用いて決定する。Compans RW、Hemagglutination−inhibition:rapid assay for neuraminic acid−containing viruses、J Virol.1974;14(5):1307〜9。Novakら、Murine model for evaluation of protective immunity to influenza virus、Vaccine 1993;1l(l):55〜60。不活性化のために、精製したウイルスを、1:4000(v/v)ホルマリンを用いて処理し、37℃で3日間インキュベートし、次いで、PBSに対して透析する。ウイルスの不活性化を、10日齢のニワトリの胚発育卵中へのウイルスの接種およびMDCK細胞中でのプラークアッセイにより確認する。Shaら、Induction of CD4(+)T−cell−independent immunoglobulin responses by inactivated influenza virus、J Virol.2000;74(11):4999〜5005。
上記の記載に従って、オキサシクロヘキサデカン−2−オンを含有するプレミックスを調製する。不活性化ウイルスを含有するミックスを、別個に調製する。プレミックスを、不活性化ウイルスを含有するミックスに添加し、得られた混合物を、最終的な混合組成物が均一になるまで混合する。
コレラ毒素(CT)を、Sigma−Aldrich(St.Louis、MO)から購入する。精製マウスIgG、IgG1、IgG2aおよびIgA抗体を、Southern Biotech(Birmingham、AL)から得る。全てのELISPOT試薬を、BD−PharMingenから購入する。IL−6、IL−10、IL−12およびTNF−αのためのELISA試薬を、eBiosciences(San Diego、CA)から購入し、IFN−γおよびIL−4のためのELISA試薬を、BD−PharMingenから購入する。安定なジアミノベンジジンを、Research Genetics(Carlsbad、CA)から得る。受容体破壊酵素ノイラミニダーゼ(RDE)を、Roche Diagnostics(Indianapolis、IN)から購入する。
免疫化
雌のBalb/cマウス(6〜8週齢)を、Charles River Laboratory(Wilmington、MA)から購入し、鼻腔内免疫化のために使用する。我々は、12匹のマウス/群を使用する(同じ群内の6匹のマウスを、チャレンジ研究のために使用する)。鼻腔内免疫化のために、50μgの不活性化インフルエンザウイルスを、50μlのPBS中で希釈したCT(100μg)を加えてまたは加えずに、3回、第0、3および6週において投与する。
血清、膣洗浄液、肺洗浄液、唾液および糞便の収集
血清を、免疫前試料として予備刺激の4日前に、かつ第1および第3の免疫化の2週間後に収集する。血液を、イソフルラン(Novaplus)を用いた麻酔後に、後眼窩神経叢から、非ヘパリン処理ミクロキャピラリーを用いて収集する。肺洗浄液は、肺を、PBSを用いて洗浄することによって収集する。唾液を、分泌を刺激するための2μgのカルバモイルコリンクロリドの腹腔内注射の後に、Eppendorf管中に収集する。膣洗浄液試料は、膣を、200μlの無菌のPBSを用いて洗浄することによって収集する。糞便試料を、収集し、秤量し、PMSFを有する無菌のPBS、1ml中に再懸濁し、これを、均一になるまで激しくボルテックスし、2000×gで10分間遠心分離し、上清を、収集し、ろ過し、アッセイするまで−20℃で保存する。全ての試料を、プロテアーゼ阻害剤のフッ化フェニルメチルスルホニル(1mM)と混合し、アッセイするまで−20℃で保存する。
マウスのインフルエンザウイルスを用いたチャレンジおよび肺の力価の測定
感染後の、無処置および免疫化マウスの肺中のインフルエンザウイルス力価を決定するために、動物に対して、最後の免疫化の11週間後に、25μlのウイルス(600pfu)(1×LD50)の鼻腔内滴下注入によりチャレンジを行う。チャレンジしたマウスを、病的状態の徴候(体重変化、発熱および猫背の姿勢)、ならびに死亡についてモニターする。マウスの体重を、チャレンジの直前に測定し、チャレンジ後は毎日測定する。各群のマウスの半分を、チャレンジ後の第4日および第8日に屠殺する。肺のホモジネートを、血清を含有しないDMEM培地中に調製して、肺組織1g当たりで決定されるウイルス力価を評価する。Shaら、Induction of CD4(+)T−cell−independent immunoglobulin responses by inactivated influenza virus、J Virol.2000;74(11):4999〜5005。プラークアッセイのために、我々は、肺上清の段階希釈物を調製し、それらを、コンフルエントなMDCK単層細胞と共にインキュベートし、0.75%寒天および0.025%トリプシンを有するDMEM培地(Sigma)を用いて覆う。3日間の培養の後、細胞を、20%エタノールを用いて固定し、20%エタノール中の1%クリスタルバイオレットを用いて染色し、プラークを計数する。
液性免疫応答の評価
全ての血清および粘膜分泌物中のウイルス特異的IgG、IgG1、IgG2aおよびIgAの濃度を、以前の記載に従って、精製不活性化インフルエンザウイルスを用いてコーティングしたELISA用プレート中で決定する。Shaら、Induction of CD4(+)T−cell−independent immunoglobulin responses by inactivated influenza virus、J Virol.2000;74(11):4999〜5005。Kangら、Enhancement of mucosal immunization with virus−like particles of simian immunodeficiency virus、J.Virol.2003;77(6):3615〜23。Kangら、Intranasal immunization with inactivated influenza virus enhances immune responses to coadministered simian−human immunodeficiency virus−like particle antigens、J Virol.2004;78(18):9624〜32。我々は、以前の記載に従って、赤血球凝集阻害(HI)および中和抗体価を決定し、これらの両方を、インフルエンザウイルスに対する防御免疫応答の指標として使用する。Shaら、Induction of CD4(+)T−cell−independent immunoglobulin responses by inactivated influenza virus、J Virol.2000;74(11):4999〜5005。Novakら、Murine model for evaluation of protective immunity to influenza virus、Vaccine 1993;11(1):55〜60。
細胞性免疫応答の評価
(1)サイトカインのELISA
脾臓または鼠径部リンパ節の細胞(0.2×106/200μlの完全RPMI培地)を、最後の免疫化後の第2週に免疫化マウスから調製し、in vitroにおいて、不活性化インフルエンザウイルスを用いて完全RPMI培地中、1μg/mlの最終濃度で刺激する。Shaら、Induction of CD4(+)T−cell−independent immunoglobulin responses by inactivated influenza virus、J Virol.2000;74(11):4999〜5005。Kangら、Enhancement of mucosal immunization with virus−like particles of simian immunodeficiency virus、J.Virol.2003;77(6):3615〜23.Kangら、Intranasal immunization with inactivated influenza virus enhances immune responses to coadministered simian−human immunodeficiency virus−like particle antigens、J Virol.2004;78(18):9624〜32。72時間後、細胞を遠心分離し、上清を収集し、アッセイするまで−80℃で保存する。サイトカインの産生(TNF−α、IFN−γ、IL−4、IL−6およびIL−10)を、製造元の指示に従って決定する。
(2)ELISPOTアッセイ
免疫化マウスから単離して間もない脾細胞およびLN細胞(0.5〜1.0×106/200μlの完全RPMI)を、以前の記載に従って、完全RPMI培地中、1μg/mlのホルマリンの存在下で不活性化インフルエンザウイルスと共に36時間培養する。Kangら、Intranasal immunization with inactivated influenza virus enhances immune responses to coadministered simian−human immunodeficiency virus−like particle antigens、J Virol.2004;78(18):9624〜32。手短に述べると、捕捉抗体IFN−γ、IL−4、IL−2、IL−5およびIL−12p70(炭酸水素ナトリウム緩衝液、pH9.6中、4μg/ml)を使用して、Multiscreen96ウエルろ過用プレート(Millipore)を4℃で一晩コーティングする。抗体でコーティングしたプレートを、RPMI1640中で10%ウシ胎仔血清を用いて37℃で1時間ブロックした後、完全RPMI緩衝液1640中の単離して間もない脾細胞またはリンパ球を、二つ組のウエル中の各ウエルに添加する。脾臓細胞(1.0×106/200μl)を、不活性化インフルエンザウイルス(1μg/ml)またはペプチド刺激薬と混合し、36〜40時間培養する。同様に、LN細胞(1.0×106/200μl)も、不活性化インフルエンザウイルス(1μg/ml)の存在下で培養する。サイトカインに特異的なスポットを検出するために、我々は、IFN−γ、IL−4、IL−2、IL−5およびIL−12に特異的なビオチン化抗マウス抗体、ならびにストレプトアビジン−HRP(西洋ワサビペルオキシダーゼ)を使用する。スポットを、安定なジアミノベンジジン(Research Genetics)を用いて発色させ、ELISPOTリーダー(Cellular Technology)中で計数する。
Skountzouら、Transcutaneous immunization with inactivated influenza virus induces protective immune responses、Vaccine 24(2006)6110〜6119。
例10
偽感染性ウイルスを用いた免疫化
西ナイルウイルス(WNV)は、フラビウイルス科のフラビウイルス属に属するポジティブセンス、一本鎖RNAウイルスである。機能性C遺伝子を欠く偽感染性のWNVは、RepliVAX WNと名付けられ、西ナイル脳炎に対するワクチン候補として開発されている。Widmanら、Construction and characterization of a second−generation pseudoinfectious West Nile virus vaccine propagated using a new cultivation system、Vaccine(2008)26、2762〜2771。RepliVAX WNは、RepliVAX WNの成長をトランスに補足するのに必要であるCタンパク質を安定に発現するように工学的に作製されたBHK細胞およびワクチン用に認められているベロ細胞中で、高い力価で安全に増殖することができる。第2世代のRepliVAX WN(RepliVAX WN.2)が近く開発される。
細胞培養およびウイルス
全ての研究のために使用されたベビーハムスター腎臓細胞、滴定のために使用されたベロ細胞、および盲検法による継代研究が、以前に記載されたことがある。Masonら、Production and characterization of vaccines based on flaviviruses defective in replication、Virology 2006;351(2):432〜43。ワクチン基質のベロ細胞(S.Whitehead、NIH、Bethesda、MD)を、OptiPro無血清培地(SFM)(Gibco/Invitrogen、Carlsbad、CA)中に維持する。所望のフラビウイルス遺伝子をコードするベネズエラウマ脳炎ウイルスレプリコン(VEErep)をもつ細胞株をピューロマイシン(10μg/ml)により選択することによって、パッケージング細胞株を生成する(下記を参照されたい)。シロフクロウ単離株のWNV NY99(R.B.Tesh、UTMB)を、全ての動物研究のために使用する。Xiaoら、West Nile virus infection in the golden hamster(Mesocricetus auratus):a model for West Nile encephalitis、Emerg Infect Dis 2001;7(4):714〜21。マウスに対して、1000ffuのウイルス(8週齢のマウスにおける10LD50に対応する)を用いてチャレンジを行い、ハムスターに対して、1×106ffuを用いてチャレンジを行う。
抗原
プラスミドの構築、RNA転写およびトランスフェクションを本質的には、Widmanら、Construction and characterization of a second−generation pseudoinfectious West Nile virus vaccine propagated using a new cultivation system、Vaccine(2008)26、2762〜2771の記載に従って実施する。
BHK(VEErep/Pac−Ubi−C*)細胞内への、合成RepliVAX WN RNAのエレクトロポレーションから得られるRepliVAX WN粒子を、続く感染のために使用する。RepliVAX WNの継代を、1%FBS、10mM HEPESおよび抗生物質を含有するMEM(維持培地)中、0.01の感染多重度(MOI)で実施する。培地を、感染後、24時間間隔で交換し、第72時間の試料を、続く感染のために使用する。
上記の記載に従って、RepliVAX WNをオキサシクロヘキサデカン−2−オンおよびその他の適切な構成成分と混合して、鼻用製剤を形成する。
免疫化
15匹の5週齢の雌のSwiss Websterマウス(Harlan Sprague Dawley、Indianapolis、IN)からなる群を、RepliVAX WN、RepliVAX WN.2、または希釈剤単独(偽)を用いて鼻腔内から免疫化する。動物を、嗜眠および後肢の麻痺を含めた、ワクチンが誘発する副作用についてモニターする。ワクチン接種後の第21日に、血清を、全ての動物から後眼窩からの採血により収集する。7日後に、動物に対して、10LD50のWNV NY99を用いてi.p.チャレンジを行い、動物を、体重および健康の変化について14日間モニターする。瀕死とスコア化される動物は、翌日、安楽死させ、「死んだ」とスコア化する。
10匹の4週齢の雌のSyrianハムスター(Harlan Sprague Dawley)からなる群を、100μlの体積の維持培地中のRepliVAX WNまたは希釈剤(偽)を用いてi.p.免疫化する。動物を、ワクチンが誘発する副作用について3週間モニターし、ワクチン接種後の第21日に、血清を全ての動物から得る。7日後に、ハムスターに対して、100μlのPBS+10%FBS中で希釈した、1×106ffuのWNV NY99を用いてi.p.チャレンジを行い、体重および健康を3週間モニターする。瀕死とスコア化される動物は、翌日、安楽死させ、「死んだ」とスコア化する。
ELISAおよび中和アッセイ
WNV EおよびNS1に対する血清抗体価を、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)を使用して測定する。Immulon 2HBマイクロタイタープレート(Thermo Labsystems、Franklin、MA)を、VEErep担持細胞株(上記を参照されたい)から集めたNS1またはEタンパク質で感作し、次いで、個々の血清(1:100に希釈)を加えて1時間インキュベートする。ヤギ抗マウスIgG HRPコンジュゲート抗体(KPL、Gaithersburg、MD)を、プレートに1時間添加し、結合したHRPを、TMB(Sigma)を加えてインキュベートしてから、1M HClを用いてクエンチすることによって検出する。反応生成物を、450nmで分光光学的に定量し、値を、血清の代わりに希釈剤を加えたウエルから検出されるバックグラウンドの活性について補正する。中和抗体(neut)価を、ホタルルシフェラーゼをコードするWNV VLP(WNVLP)に感染させたベロ細胞から得られるルシフェラーゼ活性の90%の低下をもたらす血清の希釈度を測定することによって決定する。これは、古典的なフォーカス減少アッセイ(focus reduction assay)に匹敵することが示されているアッセイである。熱不活性化し、プールした血清試料の2倍段階希釈物を、一定量の、ルシフェラーゼをコードするWNVLPを加えて37℃で1時間インキュベートする。これらのVLP/血清の混合物を使用して、黒色96ウエルプレート(Greiner Bio−One、Monroe、NC)中のベロ細胞の単層に2時間感染させ、この時点で、感染用培地を、維持培地と交換し、24時間インキュベートしておく。25%Steady−Gloルシフェラーゼ基質(Promega、Madison、WI)を有する細胞溶解用緩衝液を含有する溶液を、各ウエルに、培地に対して1:1(v/v)の比で添加する。プレートを、ルミノメーター(Applied Biosystems、Foster City、CA)上で読み取り、WNVLPに感染させ、希釈剤のみの中、37℃でインキュベートした単層から調製する溶解液から得られる活性のパーセントとして、光アウトプットを表す。
例11
抗体のin vitroにおける経粘膜浸透
Prolia(商標)(デノスマブ)は、ヒトRANKL(核内因子カッパ−Bリガンドの受容体活性化因子)についての親和性および特異性を有するヒトIgG2モノクローナル抗体である。Proliaは、RANKLに結合し、RANKLは、骨の再吸収に関与する細胞である破骨細胞の形成、機能および生存に必須の膜貫通性または溶解性のタンパク質である。Proliaは、RANKLが、破骨細胞およびそれらの前駆体の表面上のその受容体RANKを活性化するのを阻止する。RANKL/RANKの相互作用の阻止は、破骨細胞の形成、機能および生存を阻害し、それによって、皮質骨と海綿骨の両方において、骨の再吸収を減少させ、骨の質量および強度を増加させる。
デノスマブは、およそ147キロダルトンの分子量を有し、遺伝子工学的に作製された哺乳動物(チャイニーズハムスター卵巣)細胞中で産生される。(http://pi.amgen.com/united_states/prolia/prolia.pi.pdfを参照されたい)
上記の記載に従って、デノスマブの鼻用製剤を、オキサシクロヘキサデカン−2−オンを用いて調製する。in vitroにおける浸透研究を、切除したヤギ鼻粘膜を使用して実施する。浸透プロファイルを、ELISAにより評価する。また、浸透研究の前および後における鼻粘膜の組織学的研究も実施する。
in vitroにおける浸透研究
フランツセルin vitro有限投与モデル(Finite Dose Model)は、in vivoにおける薬剤の局所または経鼻粘膜送達および吸収プロファイルを予測するための信頼できる方法を提供している。手短に述べると、フランツセル、ドナーチャンバー、膜(これは、(ヒトまたは動物の)皮膚または鼻粘膜であり得る)、およびレセプターチャンバー。試験製剤を膜上に置き、レセプターチャンバー中の試験薬剤の出現を、種々の時点において測定する。
in vitroにおける浸透研究を、100mlのリン酸緩衝液(pH6、0.1M)を含有し、切除したヤギ鼻粘膜を使用するフランツ拡散セルを使用して実施する。Raneyら、30th anniversary of the Franz cell finite dose model:the crystal ball of topical drug development、Drug Delivery Tech.2008、8、7:32。Schmidtら、Validation of excised bovine nasal mucosa as in vitro model to study drug transport and metabolic pathways in nasal epithelium、J Pharm Sci.2000;89:396〜407。Basuら、Sci Pharm.2009;77:899〜910。ヤギの鼻を地域の屠殺場から得る。鼻を、皮膚を除去した後、氷冷リン酸緩衝液(pH7.4、0.05M)上に保存する。中隔を完全に曝露させ、鼻粘膜を、ピンセットおよび外科用ハサミを使用して慎重に取り出す。粘膜組織を、リンゲル液中に直ちに浸漬する。鼻粘膜を、約2〜3cm2の浸透領域を提示するフランツ拡散セル上にマウントし、デノスマブを含有する鼻用製剤を、その上に置く。研究全体を通して、チャンバー内の緩衝溶液を、フランツ拡散セルを水浴と接続することによって、37±1℃に維持する。所定の時間間隔で1回に1mlの試料を抜き取り、等しい量のリン酸緩衝液で交換する。
ELISA
96ウエルプレート(Nunc)を、0.05モル/Lの炭酸コーティング用緩衝液(pH9.6)中のRANKLを用いて、4℃で一晩コーティングする。プレートを、ウシ血清アルブミンを使用してブロックする。フランツ拡散セルのレセプターチャンバーから得られる試料を、二つ組でプレートにわたりブロック用緩衝液中に段階希釈し、37℃で1時間インキュベートする。プレートを、洗浄後、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲートIgG(Southern Biotechnology)を加えてインキュベートする。プレートを、洗浄後、テトラメチルベンジジン基質(Sigma)を用いて室温で30分間発色させ、反応を停止する。光学密度を450nmで読み取る。
鼻粘膜の組織学的評価
切除した鼻粘膜の組織学的研究を、5時間のin vitroにおける浸透の後に実施して、いずれかの顕著な組織学的変化が実験の間に生じているかを検出する。鼻粘膜は、浸透研究の後、製剤を一掃し、回転式ミクロトームを用いて切片化し、10%ホルマリン溶液中で固定する。次いで、切片化した組織を、ヘマトキシリンおよびエオシンを用いて染色する。別の正常な粘膜を、対照として採取し、同様に処理する。組織切片を、光学顕微鏡下で観察する。
本明細書において示し、論じる実施形態は、本発明を作製し、使用するための本発明者らに分かっている最良の方法を当業者に教示することのみを意図する。本明細書中のいかなる記載も本発明の範囲を限定するとみなしてはならない。当業者であれば、上記の教示に照らして理解するように、本発明から逸脱することなく、上記記載の本発明の実施形態の改変形態および変更形態が可能である。したがって、特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内で、本発明は、具体的に記載したものとは別の方法で実行することができることを理解されたい。
本明細書に引用する特許、出願、刊行物、試験方法、文献およびその他の材料は全て、参照により本明細書に組み込まれている。

Claims (19)

  1. 経鼻免疫化のための医薬組成物であって、大環状浸透増強剤、液体キャリア、乳化剤および治療有効量の抗原を含み、前記大環状浸透増強剤が、以下の構造を有するHsieh増強剤である医薬組成物:
    Figure 2013528623
    式中、XおよびYは、酸素、硫黄、または
    Figure 2013528623
    もしくは=N−Rの構造のイミノ基であり、ただし、Yがイミノ基である場合、Xはイミノ基であり、Yが硫黄である場合、Xは硫黄またはイミノ基であり、Aは、
    Figure 2013528623
    の構造を有する基であり、
    式中、XおよびYは上記に定義した通りであり、mおよびnは1〜20の値を有する整数であり、和m+nは25以下であり、pは0または1の値を有する整数であり、qは0または1の値を有する整数であり、rは0または1の値を有する整数であり、R、R1、R2、R3、4、R5およびR6はそれぞれ独立に、水素、または直鎖状もしくは分枝状であってよい1〜6個の炭素原子を有するアルキル基(ただし、R1〜R6のうちの1つのみがアルキル基であり得る)であり、ただし、p、qおよびrが0の値を有し、Yが酸素である場合、m+nは少なくとも11であり、さらに、Xがイミノ基であり、qが1であり、Yが酸素であり、pおよびrが0である場合、m+nは少なくとも11である。
  2. 前記Hsieh増強剤が、3−メチルシクロペンタデカノン、9−シクロヘプタデセン−1−オン、シクロヘキサデカノン、シクロペンタデカノン、オキサシクロヘキサデカン−2−オン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記抗原が、タンパク質またはペプチドである、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記タンパク質が炭疽感染防御抗原である、請求項3に記載の組成物。
  5. 前記抗原が炭水化物である、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記抗原がDNAである、請求項1に記載の組成物。
  7. 結晶化阻害剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
  8. 酵素阻害剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
  9. 前記酵素阻害剤が、ロイペプチンおよびアプロチニンからなる群から選択される、請求項8に記載の組成物。
  10. 哺乳動物を免疫化する方法であって、以下のステップを含む方法:
    大環状浸透増強剤、液体キャリア、乳化剤および治療有効量の抗原を含む組成物を配合するステップであって、前記大環状浸透増強剤が、以下の構造を有するHsieh増強剤であるステップと;
    Figure 2013528623
    [式中、XおよびYは、酸素、硫黄、または
    Figure 2013528623
    もしくは=N−Rの構造のイミノ基であり、ただし、Yがイミノ基である場合、Xはイミノ基であり、Yが硫黄である場合、Xは硫黄またはイミノ基であり、Aは、
    Figure 2013528623
    の構造を有する基であり、
    式中、XおよびYは上記に定義した通りであり、mおよびnは1〜20の値を有する整数であり、和m+nは25以下であり、pは0または1の値を有する整数であり、qは0または1の値を有する整数であり、rは0または1の値を有する整数であり、R、R1、R2、R3、4、R5およびR6はそれぞれ独立に、水素、または直鎖状もしくは分枝状であってよい1〜6個の炭素原子を有するアルキル基(ただし、R1〜R6のうちの1つのみがアルキル基であり得る)であり、ただし、p、qおよびrが0の値を有し、Yが酸素である場合、m+nは少なくとも11であり、さらに、Xがイミノ基であり、qが1であり、Yが酸素であり、pおよびrが0である場合、m+nは少なくとも11である]
    前記組成物を経鼻投与により前記哺乳動物に投与するステップと
    を含む方法。
  11. 前記Hsieh増強剤が、3−メチルシクロペンタデカノン、9−シクロヘプタデセン−1−オン、シクロヘキサデカノン、シクロペンタデカノン、オキサシクロヘキサデカン−2−オン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記抗原が、タンパク質またはペプチドである、請求項10に記載の方法。
  13. 前記タンパク質が炭疽感染防御抗原である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記抗原が炭水化物である、請求項10に記載の方法。
  15. 前記抗原がDNAである、請求項10に記載の方法。
  16. 結晶化阻害剤をさらに含む、請求項10に記載の方法。
  17. 酵素阻害剤をさらに含む、請求項10に記載の方法。
  18. 前記酵素阻害剤が、ロイペプチンおよびアプロチニンからなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
  19. 経鼻免疫化のための医薬組成物であって、大環状浸透増強剤、液体キャリア、乳化剤および治療有効量の抗体を含み、前記大環状浸透増強剤がHsieh増強剤である医薬組成物。
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