JP2013528496A - パルスレーザによる機械加工方法とパルスレーザによる機械加工装置、特にパワーの変動によるレーザー溶接方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高反射率の金属をレーザー加工する方法を提供する。
【解決手段】 本発明のレーザ加工方法は、(A)レーザソースにより、一連のレーザーパルスから構成される700−1200nmの範囲の波長を有するレーザビームを生成するステップと、(B)非線形結晶材料の手段により前記レーザビームの一部の周波数を倍増するステップと、(C)レーザパルスを放出する放出期間の間、放出されるレーザーパワーを変化させるステップとを有する。前記レーザーパルスの放出期間の初期期間(T1)において、初期波長のパワー・プロファイルは、最大ピークパワー或いは最大パワーのパルスの一部を有し、前記初期期間(T1)の後でそれよりも長い中期期間(T2)に於いて、前記最大パワーよりも低いパワーが与えられ、前記最大パワーは、前記レーザーパルスの放出期間を通したパワーの平均値の2倍以上の値を有し、前記レーザパルスの開始時から前記最大パワーに至るまでの増加時間は、0.3ms以下である。
【選択図】 図3
Description
第1実施例(図1)は、非線形結晶材料の損傷を回避するために、比較的低い瞬時パワーを有するレーザビームを生成し、キャビティ内に配置された結晶材料で5%−15%の緑光を得る。緑光の割合を増加させるために、赤外線光の部分を阻止/濾過する赤外線光リフレクタが具備される。
第2実施例に於いては、緑光を反射しないミラーがキャビティの出力点に配置され、レーザーパルス内の緑光の量を増やしている。赤外線光と緑光の間の比率は一定となる。
第3実施例に於いては、レーザビームのこれ等2種類の光の比率を調整する為に、2種類の周波数の光放射を分離して、その後別々にフィルターで減衰させている。これにより2種類の放射の間の比率を変化させ、材料上に入射するレーザーパワーを減らし、所定の伝送パワーを得ている。しかしこのレーザーシステムの効率は下がってしまう。更にこの方法では、緑光と赤外線光との間の比率は、減衰器フィルターを変化させることが必要な2つの溶接作業の間で、変化させることが出来る。
初期では、最大パワーピークを有するか或いは最大パワーを一部に有するパルスが与えられる。特に初期の間隔は、2ms以下好ましくは1ms以下である。
中期(初期よりも長い期間)では、前記の最大パワーよりも小さなパワーが与えられる。この最大パワーの値はレーザパルスの持続時間の平均パワーの2倍以上である。更にレーザパルスの開始点から最大パワーまで上昇するのに必要な時間は、300μs以下好ましくは100μs以下である。
終期では、レーザパルスのパワーは急速に減少し、好ましくは溶接の冷却を最適にするよう制御しながら急速に減少する。
各生成されたレーザパルスには、2つのパルスの組み合わせがある。第1パルスの周波数は第2のパルスの周波数の2倍である。これら2つのパルスは、溶接プロセスの間の被溶接材料の温度変化と被溶接材料の熱吸収に適合する。その為、初期のピークは、初期の倍増周波数光のパルスを得るのに用いられ、そのパワーは被溶接材料の温度を急激に上げる。前記初期のパワーピークは、本発明によれば、パルスの平均よりも2倍以上高い。その理由は、非線形結晶材料の変換比率が100%よりも遙かに低く、非線形結晶材料が受光する光強度に依存するからである。
斯して、初期に倍増周波数光の最大パワーを得るためには、初期に高い光パワーを提供するのが好ましい。初期に放出された光パワーは、後続の期間放出される光パワーを規定しないために、機械加工(例、レーザー溶接)の品質に何ら問題を生じさせない。斯して、高いパワーのピークが初期に与えられる。これにより、機械加工された材料の表面の急速なあるいは効率的な加工が開始される。
これは又別の利点がある。ある比率の倍増周波数光を得るために、レーザー・キャビティ内に非線形結晶材料を組み込むことは必ずしも必要ではない点である。斯して、従来のレーザー装置を用い、そのレーザー装置に非線形結晶材料をこの従来のレーザー装置のレーザビームの光軸上に組み込むような熱調整ユニットを配置することができる。
(A) レーザソース(30、80,82)により、一連のレーザーパルス(10)から構成される700−1200nmの範囲の波長を有するレーザビームを生成するステップと、
(B) 非線形結晶材料の手段により前記レーザビームの一部(12)の周波数を倍増するステップと、
(C) レーザパルスを放出する放出期間の間、放出されるレーザーパワーを変化させるステップと
を有する。
前記レーザーパルスの放出期間の初期期間(T1)において、初期波長のパワー・プロファイルは、最大ピークパワー或いは最大パワーのパルスの一部を有し、
前記初期期間(T1)の後でそれよりも長い中期期間(T2)に於いて、前記最大パワーよりも低いパワーが与えられる。
斯して、初期期間T1に於いては、緑光は、赤外線光と同程度に金属を溶融する。他方で非線形結晶材料の変換効率は僅か20%である。初期期間T1のスタート時には、被溶接金属の温度はエネルギー供給によっては十分には上がっていないが、金属に吸収される初期周波数の光のエネルギーの量は、倍増周波数光(その後溶接で収容な役目を演じる)のそれよりもはるかに低い。金属の温度が十分上がると、2つの結合されたエネルギーの間の比率が変わり、吸収される赤外線光のエネルギーの量が支配的となる。吸収された赤外線光のエネルギーの量が急激に上がると、光パワーは減少する。この期間が、本発明のレーザパルスの中期期間T2となる。
図4Aに示すように、機械加工される材料への入射ビームにより、光スポット22が形成される。光スポット22の中央領域20には2種類の混合光放射(初期周波数光と倍増周波数光)が集まり、環状領域24には初期周波数光のみが集まる。光スポット22は、中央領域20を規定する倍増周波数光の光スポットよりも大きな直径を有する。この特徴により、レーザーの初期におけるエネルギーの吸収は、中央領域20でもっぱら起こり、機械加工が効率的に行われる。それは、倍増周波数光はこの中央領域20に集まり、その強度は倍増周波数光が光スポット22の全てをカバーする場合よりもはるかに大きいからである。この実施例は金属を溶接する応用に向いている。
初期波長が700−1200nmのレーザビーム34を生成するコヒーレント光源32と、
前記レーザビームの周波数を部分的に2倍にする非線形結晶材料36と、
前記レーザパルスを生成する前記レーザソースを制御する制御手段38と
を有する。
前記最大パワーは、前記レーザーパルスの放出期間を通したパワーの平均値の2倍以上の値を有し、前記レーザパルスの開始時から前記最大パワーに至るまでの増加時間は、0.3ms以下である。
T2 中期期間
30 レーザ加工装置
32 コヒーレント光源
34 レーザビーム
36 非線形結晶材料
38 制御手段
40 活性材料
42 ポンピング手段
44 全反射ミラー
46 出口ミラー
48 ポラライザー
50 ダイアフラム
52 防塵ケース
54 ペルティエ・モジュール
56 ポンプ
60,66 光学焦点システム
62 光学システム
64 レーザビーム
70 光ファイバ
72 加工ヘッド
74 制御ユニット
80 ファイバレーザ
82 制御手段
84 制御ユニット
86 処理ユニット
88 光ケーブル
90 コリメータ
92 倍増ユニット
94 センサー
96 ズーム装置
98 加工ヘッド
100 センサー
102 被加工材料
Claims (28)
- レーザ加工方法に於いて、
(A) レーザソース(30、80,82)により、一連のレーザーパルス(10)から構成される700−1200nmの範囲の波長を有するレーザビームを生成するステップと、
(B) 非線形結晶材料の手段により前記レーザビームの一部(12)の周波数を倍増するステップと、
(C) 前記レーザパルスを放出する放出期間の間、放出されるパワーを変化させるステップと
を有し、
前記(C)ステップにおいて、
前記レーザーパルスの放出期間の初期期間(T1)において、初期波長のパワー・プロファイルは、最大ピークパワー或いは最大パワーのパルスの一部を有し、
前記初期期間(T1)の後でそれよりも長い中期期間(T2)に於いて、前記最大パワーよりも低いパワーが与えられ、
前記最大パワーは、前記レーザーパルスの放出期間を通したパワーの平均値の2倍以上の値を有し、
前記レーザパルスの開始時から前記最大パワーに至るまでの増加時間は、0.3ms以下である
ことを特徴とするレーザ加工方法。 - 前記初期期間(T1)の持続時間は、2ms以下である
ことを特徴とする請求項1記載のレーザ加工方法。 - 前記各レーザパルスのパワーの変動は、前記増加時間が0.05ms以下となるよう行われる
ことを特徴とする請求項1または2記載のレーザ加工方法。 - 前記最大パワーは、200W以上であり、
前記レーザソースは、QCWモードで動作する
ことを特徴とする請求項1−3のいずれかに記載のレーザ加工方法。 - 前記レーザビームを集光する集光手段を更に具備し、
前記集光手段により、焦点において、前記倍増周波数光の光スポット(20)の直径は、前記初期波長の光の光スポット(22)のそれよりも小さくなる
ことを特徴とする請求項1−4のいずれかに記載のレーザ加工方法。 - 前記レーザ加工方法は、高い反射率の金属を溶接する方法である
ことを特徴とする請求項1−5のいずれかに記載のレーザ加工方法。 - 最大パワーの初期周波数の光と組み合わせた前記倍増周波数光の強度は、被溶接材料を融点以上に上げることができる
ことを特徴とする請求項6記載のレーザ加工方法。 - 前記倍増周波数光の強度は、焦点に於いて、0.1MW/cm2以上である
ことを特徴とする請求項7記載のレーザ加工方法。 - 前記初期波長の光の強度は、被溶接材料を融点以上に上げることができない
ことを特徴とする請求項7または8記載のレーザ加工方法。 - 前記初期周波数の光の強度は、焦点に於いて、0.1MW/cm2以下である
ことを特徴とする請求項9記載のレーザ加工方法。 - 前記被溶接材料は、銅、金、銀、アルミ又はそれ等の合金のいずれかである
ことを特徴とする請求項6−10のいずれかに記載のレーザ加工方法。 - 前記レーザーパルスの放出期間は、前記中期期間(T2)の後に終期期間(T3)を有し、
前記終期期間(T3)に於いては、前記レーザパルスのパワーは、形成された溶接を冷却するように、減少する
ことを特徴とする請求項6−11のいずれかに記載のレーザ加工方法。 - レーザ加工装置に於いて、
(A)700−1200nmの範囲の波長を有するレーザビーム(34)を生成するコヒーレントな光源(30;80)と、
(B)前記レーザビーム(34)の周波数を部分的に倍増する非線形結晶材料(36;92)と、
(C)レーザパルス(10)を生成する為に、前記光源を制御する制御手段(38;82)と
を有し、
前記制御手段(38;82)は、
前記レーザーパルスの放出期間の初期期間(T1)において、最大ピークパワー或いは最大パワーのパルスの一部を有するパワープロファイルのレーザーパルスを形成し、
前記初期期間(T1)の後でそれよりも長い中期期間(T2)に於いて、前記最大パワーよりも低いパワーのパワープロファイルのレーザーパルスを形成し、
前記最大パワーは、前記レーザーパルスの放出期間を通したパワーの平均値の2倍以上の値を有し、
前記レーザパルスの開始時から前記最大パワーに至るまでの増加時間は、0.3ms以下である
ことを特徴とするレーザ加工装置。 - 前記コヒーレントな光源(30;80)は、ダイオードでポンプされ且つQCWモードで動作する
ことを特徴とする請求項13記載のレーザ加工装置。 - 前記コヒーレントな光源(30;80)は、ファイバレーザー(80)で構成される
ことを特徴とする請求項13または14記載のレーザ加工装置。 - 前記初期期間(T1)の持続時間は、2ms以下である
ことを特徴とする請求項13−15のいずれかに記載のレーザ加工装置。 - 前記増加時間は、0.05ms以下である
ことを特徴とする請求項13−16のいずれかに記載のレーザ加工装置。 - 前記レーザビームを集光する集光手段を更に具備し、
前記集光手段により、焦点において、前記倍増周波数光の光スポット(20)の直径は、前記初期波長の光の光スポット(22)のそれよりも小さくなる
ことを特徴とする請求項13−17のいずれかに記載のレーザ加工装置。 - 前記レーザ加工装置は、高い反射率の金属を溶接する装置である
ことを特徴とする請求項13−18のいずれかに記載のレーザ加工装置。 - 前記倍増周波数光の強度は、焦点に於いて、0.1MW/cm2以上である
ことを特徴とする請求項19記載のレーザ加工装置。 - 前記初期周波数の光の強度は、焦点に於いて、0.1MW/cm2以下である
ことを特徴とする請求項19−20のいずれかに記載のレーザ加工装置。 - 前記制御手段は、前記レーザーパルスの放出期間は、前記中期期間(T2)の後に終期期間(T3)を形成し、前記終期期間(T3)に於いて、前記レーザパルスのパワーは、形成された溶接を冷却するように減少するよう、制御する
ことを特徴とする請求項19−21のいずれかに記載のレーザ加工装置。 - センサー(94)を更に有し、
前記センサー(94)は、倍増周波数光のパワーを測定し、
前記センサー(94)は、前記制御手段に接続され、リアルタイムで前記倍増周波数光のパワーの測定値に従って前記レーザパルスを変化させる
ことを特徴とする請求項13−22のいずれかに記載のレーザ加工装置。 - センサー(100)を更に有し、
前記センサー(100)は、前記レーザービームで機械加工された材料の表面の温度を測定するか或いは前記機械加工された材料の表面により反射された光を測定し、
前記センサー(100)は、前記制御手段に接続され、リアルタイムで前記測定された温度或いは反射された光の測定値に従って前記レーザパルスを変化させる
ことを特徴とする請求項13−23のいずれかに記載のレーザ加工装置。 - 前記制御手段は、前記増加時間が0.1ms以下となるよう、制御する
ことを特徴とする請求項13−24のいずれかに記載のレーザ加工装置。 - 前記倍増周波数光の強度は、焦点に於いて、0.1MW/cm2以上である
ことを特徴とする請求項19−20のいずれかに記載のレーザ加工装置。 - 前記(C)ステップにおいて、前記レーザーパルスののパワーを前記増加時間が0.1ms以下となるよう、制御する
ことを特徴とする請求項1−12のいずれかに記載のレーザ加工方法。 - 前記倍増周波数光の強度は、焦点に於いて、0.1MW/cm2以上である
ことを特徴とする請求項7記載のレーザ加工方法。
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