JP2013525571A - エラストマーナノ複合材料、ナノ複合材料組成物および製造方法 - Google Patents

エラストマーナノ複合材料、ナノ複合材料組成物および製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013525571A
JP2013525571A JP2013507964A JP2013507964A JP2013525571A JP 2013525571 A JP2013525571 A JP 2013525571A JP 2013507964 A JP2013507964 A JP 2013507964A JP 2013507964 A JP2013507964 A JP 2013507964A JP 2013525571 A JP2013525571 A JP 2013525571A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nanocomposite
nanofiller
elastomer
amine
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013507964A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6138681B2 (ja
Inventor
ウォン、ウェイチン
ロジャーズ、マイケル・ブレンダン
ソアソン、ジョン・パトリック
ジョンソン、モリー・ダブリュー
ウェブ、ロバート・エヌ
Original Assignee
エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク filed Critical エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク
Publication of JP2013525571A publication Critical patent/JP2013525571A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6138681B2 publication Critical patent/JP6138681B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K9/00Use of pretreated ingredients
    • C08K9/04Ingredients treated with organic substances
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T152/00Resilient tires and wheels
    • Y10T152/10Tires, resilient
    • Y10T152/10495Pneumatic tire or inner tube

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【解決手段】少なくとも1のエラストマーおよび少なくとも1のナノフィラーを含むナノ複合材料。該エラストマーは、4〜7の炭素原子を有するイソオレフィンと少なくとも1のマルチオレフィンとに由来する単位を含む。該ナノフィラーは層状フィラーおよびアミン修飾剤を含み、該ナノフィラーは、在り得る非結合性アミンを実質的に含んでいない。ナノフィラーをエラストマーと接触させる前にナノフィラー中の非結合性アミンを除くことによって、ナノ複合材料は所望の不透過特性を維持しながら、改良された加工特性を有する。
【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は2010年4月30日に出願された米国特許出願第12/771,775号の優先権の利益を主張し、その開示内容は参照によってその全体が取り込まれる。
本発明は、エラストマーナノ複合材料、エラストマーナノ複合材料を含む組成物、ナノ複合材料を製造する方法、ナノ複合材料を物品に使用する方法に関する。より詳細には、本発明は、改良された性能特性およびブレンド特性を有する、ハロゲン化C4〜C7イソオレフィンベースのナノ複合材料に関する。
大部分がイソブチレン単位から成るゴム状ポリマーは、その低いガス透過性、特有の減衰特性および低い表面エネルギーによってよく知られており、これらの特性はこのようなコポリマーをタイヤインナーライナーのような用途にとりわけ望ましいものにしている。最終用途において他のエラストマー成分とのよりよい相容性または共硬化性を有するように、少なくとも1の不飽和コモノマーおよび/または反応性官能基を有するコモノマーがイソブチレンゴム状ポリマー中に導入される。すでに知られているコモノマーにはイソプレンおよびスチレンがある。このポリマーは部分的に臭素化されて、よりよい相容性を付与されることができる。
タイヤ業界はタイヤのバリア特性を高めることに常に関心を抱いてきた。バリア特性を改良する一つの方法は、タイヤに層状クレイを混ぜてエラストマーナノ複合材料を形成することである。層状クレイはベースポリマー中で五つの異なる状態に適応することができる。
第1の状態は「粒子分散」であり、クレイ粒子のサイズはほぼミクロン程度であるが、ベースポリマー中に均一に分散している。集合体(aggregate)および凝集体(agglomerate)の用語がこの状態を説明するために用いられてきた。
第2の状態は「層間挿入されたナノ複合材料」であり、ポリマー鎖が層状クレイ構造中に挿入され、この挿入はポリマーとクレイとの比によらず結晶学的に規則的な様式で起きる。層間挿入されたナノ複合材料は、典型的には有機クレイ薄板の間に数層のポリマーを含むことができる。約0.3〜0.7nmの最初の状態から約2.0〜6.0nmまでへの、ゴムで膨潤されたナノクレイの面間隔の増加は、層間挿入された状態を作り出していると考えることができる。
第3の状態は「凝集された(flocculated)ナノ複合材料」である。これは層間挿入されたナノ複合材料と概念的には同じである。しかし、個々のクレイ層は、該クレイ層のヒドキシル化された端部と端部との相互作用によって、凝集しまたは集合することがある。
第4の状態は「層間挿入され−凝集されたナノ複合材料」である。ナノ複合材料中のクレイ薄板は分離されることができる。しかし、100〜500nmの範囲の厚さを有する紡錘体または凝集体が形成されることもある。
第5の状態は「層剥離されたナノ複合材料」である。層剥離されたナノ複合材料では、個々のクレイ層は、連続するポリマー中で、クレイ濃度またはポリマー中への充填量に依存する平均間隔だけ分離する。
しかし、エラストマーナノ複合材料の製造において、疎水性ポリオレフィンエラストマーと親水性無機クレイとの間の非相容性は、エラストマー内部へのクレイの良好な分散または層剥離を達成することを非常に困難にすることがある。クレイまたはエラストマーを修飾してこの2つの成分をより相容性にするために多大な努力が払われてきた。ポリマー上の官能基とクレイ表面との間の相互作用が良好なほど、クレイの分散と層剥離との程度がそれだけ高くなることがすでに認められている。このことは、その結果として高められたバリア特性を有するエラストマーナノ複合材料をもたらすことになる。
本発明は、不透過性の特徴を要求する物品、たとえばタイヤインナーライナー、タイヤインナーチューブ、タイヤ硬化用ブラダー、ホース、医療用ストッパー、不透過性シートおよびその他の類似品目に使用されるための改良された能力を有するナノ複合材料に関する。
本明細書に開示されるのは、少なくとも1のエラストマーおよび少なくとも1のナノフィラーを含むナノ複合材料である。このエラストマーは、4〜7の炭素原子を有するイソオレフィンと少なくとも1のマルチオレフィンとに由来する単位を含む。ナノフィラーは層状フィラーおよびアミン修飾剤を含み、該ナノフィラーは在り得る非結合性アミンを実質的に含まない。エラストマーと接触させる前にナノフィラー中の非結合性アミンを除くことによって、ナノ複合材料は所望の不透過特性を維持しながら改良された加工特性を有する。
1の開示された側面では、ナノフィラーアミン修飾剤は第二級アミン、第三級アミンまたは第四級アミンである。アミン修飾剤が第四級アミンであるときは、これは(R)Nの構造を有し、この式でRはC〜Cアルキル、C〜CアルケンおよびC〜Cアリールから選ばれ、RはC〜C26アルキル、C〜C26アルケンおよびC〜C26アリールから選ばれ、RおよびRは同じでも異なっていてもよく、かつC〜C26アルキル、C〜C26アルケンおよびC〜C26アリールから独立に選ばれる。
1の開示された側面では、ナノフィラーアミン修飾剤は、ジアルキルジ水素化牛脂アンモニウム、ジメチルジ水素化牛脂アンモニウム、ベンジルトリアルキルアンモニウム、メチルベンジルジアルキルアンモニウム、メチルベンジルジ水素化牛脂アンモニウム、ジメチルベンジル水素化牛脂アンモニウムおよびジベンジルジアルキルアンモニウムから成る群から選ばれる。
別の開示された側面では、ナノ複合材料は、35〜45の範囲の125℃におけるムーニー粘度(M1分+8分)およびナノ複合材料を80℃で14日間エージングした後の20%以下のムーニー粘度増加パーセントを有する。
別の開示されたいくつかの様相では、ナノ複合材料は、第2のエラストマー、熱可塑性樹脂ならびに/またはフィラー、プロセスオイルもしくプロセス樹脂および硬化剤パッケージから成る群から選ばれた慣用のエラストマーコンパウンド用添加剤と混合されることができる。
さらに開示されるのは、少なくとも1のハロゲン化エラストマーおよび少なくとも1つのナノフィラーを含むナノ複合材料を製造する方法である。この方法は、以下の工程、すなわちa)溶液中に溶解されたハロゲン化エラストマーを用意する工程であって、該エラストマーが4〜7の炭素原子を有するイソオレフィンと少なくとも1のマルチオレフィンとに由来する単位を含み、該溶液が1の溶媒と、溶媒の混合物と、水性相および非混和性非水性相から成るエマルションと、から成る群から選ばれた溶液である工程、b)該溶液にナノフィラーを添加する工程であって、該ナノフィラーが層状フィラーおよびアミン修飾剤を含み、該ナノフィラーが在り得る非結合性アミンを実質的に含まない工程、c)溶解されたエラストマーおよびナノフィラーを、溶解されたハロゲン化エラストマー中で該ナノフィラーが層剥離することが可能になるのに十分な時間接触させて、ナノ複合材料を形成する工程、およびd)該溶液から該ナノ複合材料を回収する工程を含む。
開示された方法の1の側面では、アミン修飾剤は第2級アミン、第3級アミンまたは第4級アミンである。該修飾剤が第4級アミンであるときは、これは(R)Nの構造を有し、この式でRはベンジル由来単位であり、置換されていてもいなくてもよく、RはC〜C26アルキル、C〜C26アルケンおよびC〜C26アリールから選ばれ、またRおよびRは同じでも異なっていてもよく、かつC〜C26アルキル、C〜C26アルケンおよびC〜C26アリールから独立に選ばれる。
開示された方法の別の側面では、ナノフィラーをコポリマー含有溶液に添加する前に、ナノフィラーは第2の溶液に加えられる。第2の溶液は、1の溶媒と、溶媒の混合物と、水性相および非混合性非水性相から成るエマルションと、から成る群から選ばれる。
開示された方法では、溶解されたハロゲン化エラストマーとナノフィラーとを接触させている間、溶液中の在り得るアミン化合物によるエラストマーのハロゲンの求核置換反応は実質的に起きない。
さらに開示されているのは、35〜45の範囲の125℃におけるムーニー粘度(M1分+8分)を有し、かつ80℃で14日間エージングしたときの20%以下のムーニー粘度増加量を有するナノ複合材料である。ナノ複合材料はさらにコンパウンドされて、タイヤ、ブラダー、ホース、ベルトおよびその他の強化エラストマーコンパウンドまたは空気保持コンパウンドに使用するに適したエラストマーコンパウンドを形成することができる。
本発明の様々な特定の実施形態、変更形態および実施例が、特許請求される発明を理解する目的のために本明細書で採用されている好ましい実施形態および定義を含めて、これから記載される。例示となる実施形態は詳細に記載されているけれども、様々な他の変形が当業者には明らかであり、発明の精神および範囲から逸脱することなく当業者によって容易に作られることができることは理解されるだろう。特許侵害の認定のためには、「発明」の範囲は、添付された請求項のうちの任意の1以上を、請求項に記載された発明と均等である等価物およびその要素または限定物を含めて、参照することになる。
定義
本明細書に記載された発明に適用される定義は下記に記載された通りである。
ゴムとは、ASTM D1566の定義、「大変形から回復することができ、沸騰溶媒中に本質的に不溶性である(が、膨潤することができる)状態に修飾されることができ、またはすでにその状態にある・・・物質」と一致する任意のポリマーまたはポリマーの組成物をいう。エラストマーとは、用語ゴムと互換的に使用されることができる用語である。エラストマー組成物とは、上に定義された少なくとも1のエラストマーを含む任意の組成物をいう。
ASTM D1566の定義による加硫ゴムコンパウンドとは、「エラストマーからコンパウンドされた架橋弾性物質であって、小さな力によって大変形しやすく、変形する力が除かれると概略その元の大きさおよび形に迅速で強力な回復をする能力のある物質」をいう。硬化エラストマー組成物とは、硬化工程を経た、ならびに/または有効量の硬化剤もしくは硬化剤パッケージを含むもしくはそれらを使用して製造される任意のエラストマー組成物をいい、加硫ゴムコンパウンドの用語と互換的に使用される用語である。
「phr」の用語はゴム100部当たりの部、または「部」であり、当該技術分野において共通の尺度であり、組成物の成分が、該エラストマーの成分のすべての総量を基準として測定される。これは慣習的には相対的な重量測定値であるが、相対的な体積測定値であることもある。所与の処方において1、2、3またはそれより多い異なるゴム成分が存在すると否とにかかわらず、すべてのゴム成分についての合計phrまたは部は、常に100phrと定義される。他のすべての非ゴム成分は100部のゴムに対する割合で表され、phrで表現される。このようにして、たとえば、硬化剤またはフィラーの充填量等のレベルを、1の成分だけまたはそれより多い成分のレベルを調節した後のすべての成分のパーセントを再計算する必要なく、ゴムの同じ相対割合に基づいて異なる組成物の違いを容易に比較することができる。
アルキルとは、アルカンの式から1以上の水素を脱落させることによって、該アルカンから誘導されることができるパラフィン炭化水素基をいい、たとえばメチル基(CH)またはエチル基(CHCH)等である。
アリール基とは、芳香族化合物、たとえばベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン等に特徴的な環構造を形成する炭化水素基をいい、典型的にはその構造内に交互二重結合(「不飽和結合」)を有する。 アリール基は、このように芳香族化合物の式から1以上の水素を脱落させることによって、芳香族化合物から誘導されることができる基をいい、たとえばフェニルまたはC基である。
「置換され」とは、少なくとも1の水素基が少なくとも1の置換基、たとえばハロゲン(塩素、臭素、フッ素またはヨウ素)、アミノ、ニトロ、スルホキシ(スルホネートまたはアルキルスルホネート)、チオール、アルキルチオールおよびヒドロキシ;1〜20の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル、たとえばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ノルマルブチル、イソブチル、第2級ブチル、第3級ブチル等;1〜20の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルコキシ、たとえばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、第2級ブトキシ、第3級ブトキシ、ペンチロキシ、イソペンチロキシ、ヘキシロキシ、ヘプチロキシ、オクチロキシ、ノニロキシおよびデシロキシ;ハロアルキル、これは1〜20の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルであって、少なくとも1のハロゲンによって置換されたアルキルを意味し、たとえば、クロロメチル、ブロモメチル、フルオロメチル、ヨードメチル、2−クロロエチル、2−ブロモエチル、2−フルオロエチル、3−クロロプロピル、3−ブロモプロピル、3−フルオロプロピル、4−クロロブチル、4−フルオロブチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、ジフルオロメチル、ジヨードメチル、2,2−ジクロロエチル、2,2−ジブロモエチル、2,2−ジフルオロエチル、3,3−ジクロロプロピル、3,3−ジフルオロプロピル、4,4−ジクロロブチル、4,4−ジブロモブチル、4,4−ジフルオロブチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,3,3−トリフルオロプロピル、1,1,2,2−テトラフルオロエチルおよび2,2,3,3−テトラフルオロプロピルを含む。 したがって、たとえば、「置換されたスチレン単位」はp−メチルスチレン、p−エチルスチレン等によって置き換えられることをいう。
エラストマー
本発明の実施に有用な好ましいエラストマーは、a)少なくとも1のC〜Cイソオレフィンモノマーと少なくとも1のマルチオレフィンモノマーに由来するポリマー、およびb)C〜Cイソオレフィンモノマーのホモポリマーを含む。いくつかのそのようなコポリマーは慣習的に「ブチルゴム」と呼ばれる。このコポリマーについては、コポリマー中のイソオレフィン由来の含有物は、1の実施形態では全モノマー由来単位の重量の70〜99.5重量%の範囲内、および別の実施形態では85〜99.5重量%の範囲内にある。コポリマー中の全マルチオレフィン由来の含有物は、1の実施形態では30〜0.5重量%の範囲内、および別の実施形態では15〜0.5重量%の範囲内で存在する。さらに別の実施形態では、ポリマーの12〜0.5重量%がマルチオレフィン由来単位である。さらに別の実施形態では、ポリマーの8〜0.5重量%がマルチオレフィン由来単位である。ここで、本発明の目的のためには、マルチオレフィンとは、2以上の二重結合を有する任意のモノマーをいう。好ましい実施形態では、マルチオレフィンは2の共役二重結合を含む任意のモノマーであり、脂肪族モノマーでも芳香族モノマーでもよい。
〜Cイソオレフィンは、イソブチレン、イソブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、1−ブテン、2−ブテン、メチルビニルエーテル、インデン、ビニルトリメチルシラン、ヘキセンおよび4−メチル−1−ペンテンのような化合物から選ばれることができる。マルチオレフィンは、C〜Cマルチオレフィン、たとえばイソプレン、ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ミルセン、6,6−ジメチルフルベン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、アルキルスチレンおよびピペリレン、ならびに他のモノマー、たとえば米国特許第5,506,316号に開示されたものである。
イソオレフィンがイソブチレンであるときは、エラストマーは「イソブチレンベースのエラストマー」と呼ばれることがあり、少なくとも70モル%のイソブチレン由来単位を含むエラストマーまたはポリマーをいう。本発明に有用なイソブチレンベースのブチルゴムポリマーの1の実施形態は、92〜99.5重量%のイソブチレンと0.5〜8重量%のイソプレンとを反応させ、または別の実施形態では95〜99.5重量%のイソブチレンと0.5〜5.0重量%のイソプレンとを反応させることによって得られる。
本発明の望ましい実施形態におけるエラストマーはハロゲン化されたものである。ハロゲン化ブチルゴムは、上に記載されたブチルポリマーのうちのいずれかをハロゲン化することによって製造される。ハロゲン化は任意の手段によって実施されることができ、その場合に本発明はハロゲン化方法によって限定されない。ハロゲンの重量%は、1の実施形態ではハロゲン化ブチルゴムの重量基準で0.1〜10重量%であり、別の実施形態では0.5〜5重量%である。さらに別の実施形態では、ハロゲン化ブチルゴムのハロゲンの重量%は1.0〜2.5重量%である。
本発明の別の実施形態に従うと、エラストマーはC〜Cイソオレフィン由来単位およびアルキルスチレン由来単位を含むランダムコポリマーであり、該コポリマーは少なくとも85重量%、より選択的には少なくとも86.5重量%のイソオレフィン単位、約8〜約12重量%のアルキルスチレン単位および約1.1〜約1.5重量%のハロゲンを含む。1の実施形態では、ポリマーはC〜Cのα−オレフィンと、約8〜約12重量%のメチルスチレンで含まれるメチルスチレンと、1.1〜1.5重量%の臭素または塩素と、のランダムエラストマーコポリマーであることができる。典型的な物質は、ポリマー鎖に沿ってランダムに間隔を置かれて配置された以下のモノマー単位を含むポリマーであることができる。
式1
Figure 2013525571
この式で、RおよびRは独立に水素、低級アルキル、たとえばC〜Cアルキルおよび第1級または第2級ハロゲン化アルキルであり、Xはハロゲンである。1の実施形態では、RおよびRはそれぞれ水素である。
1の実施形態では、ランダムポリマー構造中に存在する総アルキル置換スチレン[構造(1)および(2)の合計]の25モル%までは上記のハロゲン化アルキル置換スチレン(2)であり、別の実施形態ではそれは10〜25モル%であることができる。さらに別の実施形態では、ランダムコポリマー自体中の官能化された構造(2)の量は約0.8〜約1.10モル%である。
1の実施形態では、エラストマーは、約5〜約10モル%のパラメチルスチレン(PMS)を含んでいる、イソブチレンとパラメチルスチレンとのランダムポリマーを含み、ベンジル環上に存在するメチル置換基の25モル%までが臭素または塩素原子、たとえば臭素原子(パラ(ブロモメチルスチレン))を含み、それとともにそれらの酸またはエステル官能化変性物も含む。
別の実施形態では、官能基は、マトリクスポリマー中に存在する官能基、たとえば酸、アミノまたはヒドロキシ官能基と、これらのポリマー成分が高温度で混合されるときに、反応することができまたは極性結合を形成することができるように選ばれる。
ある実施形態では、ランダムコポリマーは、該ポリマーの少なくとも95重量%が該ポリマーの平均パラメチルスチレン含有量から10%以内にパラメチルスチレン含有量を有するように、実質的に均一の成分分布を有する。典型的なポリマーは4.0未満の、あるいは2.5未満の狭い分子量分布(Mw/Mn)の特徴を有する。該コポリマーは、ゲル透過クロマトグラフィーによって測定された400,000〜2,000,000の範囲の典型的な粘度平均分子量、および100,000〜750,000の範囲の典型的な数平均分子量を有する。
上に述べたランダムコポリマーは、典型的には1または複数のハロゲン化炭化水素、たとえば塩素化炭化水素および/またはフッ素化炭化水素を含む希釈剤中で(米国特許第7,232,872号参照)、ルイス酸触媒および任意的に触媒開始剤を用いてスラリー重合し、引き続いてハロゲンならびにラジカル開始剤、たとえば熱および/または光および/または化学的開始剤の存在する溶液中でハロゲン化、好ましくは臭素化し、さらに任意的に、引き続いて該ハロゲンを異なる官能基部分によって求電子的に置換することによって調製されることができる。
ハロゲン化ポリ(イソブチレン−コ−p−メチルスチレン)ポリマー(BIMSM)は一般に、このコポリマー中のモノマー由来単位の全量基準で約0.8〜約1.1モル%のハロメチルスチレン基を含む。別の実施形態ではハロメチルスチレン基の量は0.80〜1.10モル%、さらに別の実施形態では0.80〜1.00モル%、さらに別の実施形態では0.85〜1.1モル%、さらに別の実施形態では0.85〜1.0モル%であり、望ましい範囲はいずれかの上限といずれかの下限との任意の組み合わせであることができる。別の言い方をすると、本発明のコポリマーは該ポリマーの重量基準で約1.1〜約1.5重量%のハロゲン、別の実施形態では1.1〜1.5重量%のハロゲン、別の実施形態では1.15〜1.45重量%のハロゲンを含む。好ましい実施形態では、ハロゲンは臭素か塩素のいずれかであり、最も好ましい実施形態ではハロゲンは臭素である。ポリマーは、環状ハロゲンまたはポリマー骨格鎖中のハロゲンを実質的に含まない。
〜Cイソオレフィン由来単位を含む、本発明に使用するのに適した他のエラストマーは、イソオレフィンと2のマルチオレフィンとを含むターポリマーを含み、該2のマルチオレフィンは重合前に異なる骨格構造を有する。このようなターポリマーは、C〜Cイソオレフィン由来単位、C〜C14マルチオレフィン由来単位およびアルキルスチレン由来単位のブロックおよびランダムターポリマーの両方を含む。1のそのようなターポリマーは、イソブチレン、イソプレンおよびアルキルスチレン、好ましくはメチルスチレンのモノマーから形成されることができる。別の好適なターポリマーは、イソブチレン、シクロペンタジエンおよびアルキルスチレンのモノマーから重合されることができる。このようなターポリマーはカチオン重合条件の下で得られる。
層状クレイ
所望のエラストマーナノ複合材料を形成するために、層状クレイがエラストマーポリマー中に取り込まれる。層状クレイは、そのクレイの大きさの故に別名でナノクレイとも呼ばれる。ナノクレイは約0.0001μm〜約100μmの範囲の最大寸法を有する。ナノクレイの別の特徴は表面積と体積との高い比である。これは、非常に小さい最大寸法を有することがあるが粒子当たりの表面積と体積との低い比を有する微粒子カーボンブラックとはっきり区別される。表面積と体積とのこの高い比は、ナノクレイに板状構造を与える。このような物質は、典型的には凝集して層状クレイをもたらす。
層状クレイは好ましくは、通常「スメクタイト」または「スメクタイト型クレイ」と呼ばれる、膨張性結晶格子を有するクレイ鉱物の一般的な部類に属する。例として、これは、ジ八面体スメクタイトおよびトリ八面体スメクタイトを含むことができ、ジ八面体スメクタイトはモンモリロナイト、ベイデライトおよびノントロナイトから成り、トリ八面体スメクタイトはサポナイト、ヘクトライトおよびソーコナイトを含む。また、合成的に調製されたスメクタイトクレイも包含される。
さらに他の実施形態では、層状クレイは天然または合成のフィロシリケート、たとえばモンモリロナイト、ノントロナイト、ベイデライト、ベントナイト、フォルコンスコイト、ラポナイト、ヘクトライト、サポナイト、ソーコナイト、マガダイト、ケニヤアイト、スティーブンサイト等、また同様にバーミキュライト、ハロイサイト、アルミネートオキシド、ハイドロタルサイト等を含むことができる。これまでの実施形態のうちのいずれかの組み合わせも意図される。これらのクレイは、典型的には少なくとも1の天然に存在するカチオン、すなわち第1のカチオン、たとえばカリウム、カルシウムまたはナトリウムを有し、該カチオンはこれらのクレイの格子面間内に存在してクレイ表面の正味の負電荷に引き付けられている。たとえば、モンモリロナイトのようなクレイは天然に存在するカチオン、たとえばナトリウムまたはカルシウムと一緒に採掘されることができる。クレイは、該クレイのイオン交換能力に関連するカチオン交換能力(CEC)、すなわちクレイ表面上に吸収されることができる正電荷の全量を有し、これはコロイド粒子の単位質量当たりの正電荷として表わされる。典型的なクレイ物質についてのいくつかのCEC値は以下のとおりである。すなわち、モンモリロナイトクレイは70〜150ミリ当量/100gの範囲にあり、ハロサイトは40〜50ミリ当量/100gの範囲にあり、カオリナイトは1〜10ミリ当量/100gの範囲にあり、ここでミリ当量(meq)比は、100%活性基準でクレイ100g当たりのカチオンのミリ当量の数として定義される。
上に説明された層状クレイは、該層状クレイの層間表面に存在するアニオンとイオン交換反応をして該クレイをより疎水性にする能力のある少なくとも1の薬剤、修飾剤または界面活性剤によって層間挿入されまたは層剥離されることによって修飾される。該薬剤、修飾剤または界面活性剤は、層状クレイの層間表面に存在するアニオンとイオン交換反応をする能力がある故に選ばれる。好適な化合物はカチオン界面活性剤、好ましくはアミンである。このアミンは、N(R)の構造を有する第2級または第3級アミンであることができ、この式でRおよびRは同じでも異なっていてもよく、かつC〜C26アルキル、C〜C26アルケンおよびC〜C26アリールから独立に選ばれ、Rは水素、C〜C26アルキル、C〜C26アルケンまたはC〜C26アリールであることができる。1の実施形態では、RおよびRは、C〜Cアルキル、C〜CアルケンおよびC〜Cアリールから独立に選ばれ、Rは水素、C〜C26アルキル、C〜C26アルケンおよびC〜C26アリールから選ばれる。別の実施形態では、RおよびRはC〜CアルキルおよびC〜Cアルケンから独立に選ばれ、Rは水素、C〜C26アルキル上のC〜C26アリール置換基から選ばれる。別の実施形態では、RはC〜Cアルキル、C〜CアルケンおよびC〜Cアリールから選ばれ、RはC〜C26アルキル、C〜C26アルケンおよびC〜C26アリールから選ばれ、Rは水素、C〜C26アルキル、C〜C26アルケンおよびC〜C26アリールから選ばれる。さらに、これらの実施形態のいずれにおいても、窒素上の上記の炭化水素置換基のいずれも、C〜C26アルキル、ハロゲン(臭素または塩素)、スルホキシ(スルホネートまたはアルキルスルホネート)、チオール、アルキルチオールまたはヒドロキシル基でさらに置換されてもよい。
あるいは、アミンは第4級アミンであり、以下の構造を有する。
(R)N
この式でR、R、RおよびRは同じでも異なっていてもよく、かつC〜C26アルキル、C〜C26アルケンおよびC〜C26アリールから独立に選ばれる。1の実施形態では、RおよびRはC〜Cアルキル、C〜CアルケンおよびC〜Cアリールから独立に選ばれ、RおよびRはC〜C26アルキル、C〜C26アルケンおよびC〜C26アリールから独立に選ばれる。他の実施形態では、RおよびRはC〜CアルキルおよびC〜Cアルケンから独立に選ばれ、RはC〜C26アルキルおよびC〜C26アルケンから選ばれ、RはC〜C26アルキル上のC〜C26アリール置換基である。別の実施形態では、RはC〜Cアルキル、C〜CアルケンおよびC〜Cアリールから選ばれ、RはC〜C26アルキル、C〜C26アルケンおよびC〜C26アリールから選ばれ、RおよびRは同じでも異なっていてもよく、かつC〜C26アルキル、C〜C26アルケンおよびC〜C26アリールから独立に選ばれる。さらに、これらの実施形態のいずれにおいても、窒素上の上記の炭化水素置換基のいずれも、C〜C26アルキル、ハロゲン(臭素または塩素)、スルホキシ(スルホネートまたはアルキルスルホネート)、チオール、アルキルチオールまたはヒドロキシル基でさらに置換されてもよい。
好適な第4級アンモニウムは、以下に限定されることなく、ジアルキルジ水素化牛脂アンモニウム、トリアルキル水素化牛脂アンモニウム、ジメチルジ水素化牛脂アンモニウム、ベンジルトリアルキルアンモニウム、メチルベンジルジアルキルアンモニウム、メチルベンジルジ水素化牛脂アンモニウム、ジメチルベンジル水素化牛脂アンモニニウムおよびジベンジルジアルキルアンモニウムを含む。
修飾剤がクレイに添加されて層状フィラーの層間表面に存在するアニオンとイオン交換反応をするときは、修飾剤は慣用的にその特定のクレイのCEC値より少ない、等しい、またはそれより多い範囲の量でクレイに加えられる。好ましくは、修飾剤の量はCEC値と等しいかそれより多い。修飾剤については、ミリ当量比は100%活性基準でクレイ100グラム当たりのアンモニウム化合物のミリ当量の数として定義される。本発明に使用される典型的なクレイには、1の実施形態では25〜150ミリ当量、別の実施形態では70〜125ミリ当量の量で修飾剤が存在する。好ましい量比は、使用される特定のアンモニウム化合物の特性およびエラストマー中のクレイの所望の層剥離量に依存して変わる。修飾フィラーの重量割合については、修飾剤は1の実施形態では修飾フィラーの15〜60重量%、別の実施形態では25〜45重量%を占める。
上に説明した修飾剤でフィラーを処理すると、層状薄板の間への層間挿入または「層剥離」が、層を一緒に保持しておくイオン力の低減およびナノ層間への分子の導入の結果としてもたらされ、これは4Å超あるいは9Å超の距離に層の間隔を空ける役割をする。この分離は、層状フィラーがその層間に重合性モノマー物質およびポリマー物質をより容易に吸収することを可能にし、層間挿入されたものがマトリクスポリマー物質とせん断混合されたときに、層のさらなる剥離を促進して、ポリマーマトリクス内に剥離された層の均一な分散をもたらす。
ほとんどの化学反応では多くの場合、所望の反応が起きた後、反応物のうちの1の少量が過剰分として残される。同様に、修飾剤または界面活性剤で層状フィラーを修飾するときに、少量の修飾剤が処理後に残される。理論に拘束されることは望まないけれども、修飾フィラーのさらなる使用またコンパウンドの間に、これらの残留量のまたは非結合性の修飾剤、すなわち遊離のアミンが、ポリマー骨格または該ポリマー骨格に結合された任意の構成成分、とりわけ該ポリマーにすでに結合されている、在り得るハロゲン、スチレンまたはベンジル官能基と相互作用することがある。本発明に従うと、修飾剤で層状フィラーを処理する間、あるいはその後で、修飾ナノフィラーが在り得る非結合性の修飾剤またはアミンを実質的に含まないかまたはそれが存在しないようにナノフィラーは処理される。特に、フィラーは、在り得る求核性アミンを実質的に含まないかまたはそれが存在しない、すなわち結合されていない電子対を有する何らかのアミンを含まないかまたはそれが存在しないように処理される。別の言い方をすると、非結合性もしくは遊離の修飾剤またはアミンは、フィラー層の表面にイオン力によって結合されていない化合物である。「実質的に含まない」とは、修飾フィラーが該修飾ナノフィラー中に非結合性修飾剤またはアミンを1.5重量%超、または0.5重量%超、または0.01重量%超では有しないことをいう。在り得る非結合性修飾剤またはアミンを除くためにナノフィラーを処理する方法は本発明にとって決定的に重要ではなく、単に、ナノフィラーが在り得る非結合性修飾剤またはアミンを実質的に含まないまたは完全に含まないという所望の基準を満たすことである。
ある実施形態に従ってナノ複合材料中に取り込まれ層剥離された層状フィラーの量は、ナノ複合材料の機械的特性またはバリア特性、たとえば引張強さまたは酸素透過性の改良を発現するのに十分な量である。この量はナノ複合材料のポリマー含有量基準で、一般に1の実施形態では0.5〜20重量%、別の実施形態では1〜15重量%、別の実施形態では1〜10重量%、別の実施形態では1〜5重量%の範囲である。ゴム100部当たりの部で表すと、層剥離された層状フォラーはナノ複合材料中に4または5phrから6または7または8または10または15phrまでの範囲内で存在する。
ナノ複合材料は、様々なプロセス、たとえばエマルションブレンド、溶液ブレンドまたは溶融ブレンドを使用して形成されることができる。しかしながら、これらのプロセスがナノ複合材料の製造を網羅しているわけでは決してない。
溶融ブレンド
本発明のナノ複合材料は、ポリマー溶融物ブレンドプロセスプロセスによって形成されることができる。成分のブレンドは、任意の適当な混合装置、たとえばバンバリー(商標)ミキサー、ブラベンダー(商標)ミキサーまたは好ましくはミキサー/押出機中でポリマー成分およびクレイを層間挿入物の形態へと一緒にし、そしてクレイ層間挿入物が層剥離しポリマー内に均一に分散してナノ複合材料を形成することを可能にするのに十分なせん断条件下に120℃〜300℃の範囲の温度で混合することによって実施されることができる。
エマルションプロセス
エマルションプロセスでは、無機クレイの水性スラリーが、溶媒中に溶解されたポリマーと混合される(セメント)。混合は、エマルションまたはミクロエマルションを形成するのに十分なほど激しくなければならない。いくつかの実施形態では、エマルションは、水性溶液または有機溶液中の懸濁物として形成されることができる。バッチプロセスおよび連続プロセスを含む、実験室および大規模製造の両方のための標準的な方法および装置が、本発明のポリマーナノ複合材料を製造するのに使用されることができる。
ある実施形態では、ナノ複合材料は、水および少なくとも1の層状クレイを含む溶液Aと、溶媒および少なくとも1のエラストマーを含む溶液Bとを接触させる工程、そして溶液Aと溶液Bとの接触生成物から溶媒および水を除いてナノ複合材料を回収する工程を含むプロセスによって製造される。ある実施形態では、エマルションは、該混合物を高せん断ミキサーを用いた撹拌に付すことによって形成される。
いくつかの実施形態では、ナノ複合材料は、水および少なくとも1の層状クレイを含む溶液Aと、溶媒および少なくとも1のエラストマーを含む溶液Bとを接触させる工程であって、該接触が乳化剤または界面活性剤の存在の下に実施される工程を含むプロセスによって製造される。
エマルションは、炭化水素、水および使用する場合の界面活性剤の混合物を、工業用ブレンダーまたはその等価物中におけるような十分なせん断に、エマルションを形成するのに十分な時間、たとえば一般に少なくとも数秒間、付すことによって形成される。エマルションは、連続的もしくは断続的な混合もしくは撹拌をされてまたはされないで、加熱もしくは他の温度調節をされてまたはされないで、クレイの層剥離を増進するのに十分な時間、1の実施形態では0.1〜100時間以上、別の実施形態では1〜50時間、別の実施形態では2〜20時間、エマルションの形態にとどめられていることができる。
使用される場合、界面活性剤の濃度は比較的安定なエマルションの形成を可能にするのに十分な濃度である。好ましくは、使用される界面活性剤の量は、全エマルションの少なくとも0.001重量%、より好ましくは約0.001〜約3重量%、最も好ましくは0.01〜2重量%未満である。
本発明のエマルションを調製するのに有用なカチオン界面活性剤は、第3級アミン、ジアミン、ポリアミン、アミン、さらには第4級アンモニウム化合物を含む。本発明のエマルションを調製するのに有用な非イオン界面活性剤は、アルキルエトキシレート、直鎖状アルコールエトキシレート、アルキルグルコシド、アミドエトキシレート、アミンエトキシレート(たとえば、ココヤシ−、牛脂−およびオレイル−アミンエトキシレート)、フェノールエトキシレートおよびノニルフェノールエトキシレートを含む。
溶液ブレンド
溶液プロセスでは、ナノ複合材料は、炭化水素溶媒および少なくとも1の層状ナノフィラーまたはクレイを含む溶液Aと、溶媒および少なくとも1のエラストマーを含む溶液Bとを接触させる工程、そして溶液Aと溶液Bとの接触生成物から両溶媒を除いてナノ複合材料を形成する工程によって製造される。
層状ナノフィラーは、上に説明した有機分子で処理された層状クレイであることができる。さらに別の実施形態では、ナノ複合材料は、少なくとも1のエラストマーと少なくとも1の層状フィラーとを溶媒中で接触させる工程、そして該接触生成物から溶媒を除いてナノ複合材料を形成する工程を含むプロセスによって製造される。
別の実施形態では、ナノ複合材料は、少なくとも1のエラストマーと少なくとも1の層状フィラーとを2の溶媒を含む溶媒混合物中で接触させる工程、そして該接触生成物から該溶媒混合物を除いてナノ複合材料を形成する工程を含むプロセスによって製造される。
さらに別の実施形態では、ナノ複合材料は、少なくとも1のエラストマーと少なくとも1の層状フィラーとを2以上の溶媒を含む溶媒混合物中で接触させる工程、そして該接触生成物から溶媒混合物を除いてナノ複合材料を形成する工程を含むプロセスによって製造される。
別の実施形態では、ナノ複合材料は、少なくとも1のエラストマーを溶解する工程、次に溶媒または少なくとも2の溶媒を含む溶媒混合物中に少なくとも1の層状フィラーを分散させる工程、そして該接触生成物から該溶媒混合物を除いてナノ複合材料を形成する工程を含む、接触生成物を形成するプロセスによって製造される。
また別の実施形態では、ナノ複合材料は、少なくとも1の層状フィラーを分散させる工程、次に溶媒または少なくとも2の溶媒を含む溶媒混合物中に少なくとも1のエラストマーを溶解させる工程、そして該接触生成物から該溶媒混合物を除いてナノ複合材料を形成する工程を含む、接触生成物を形成するプロセスによって製造される。
上に説明した実施形態では、溶媒は、ナノ複合材料組成物の製造において該組成物の全重量基準で30〜99重量%、あるいは40〜99重量%、あるいは50〜99重量%、あるいは60〜99重量%、あるいは70〜99重量%、あるいは80〜99重量%、あるいは90〜99重量%、あるいは95〜99重量%存在することができる。さらに、ある実施形態では、ナノ複合材料組成物の製造において2以上の溶媒が用意されているときは、それぞれの溶媒は存在するすべての溶剤の全体積100体積%基準で0.1〜99.9体積%、あるいは1〜99体積%、あるいは5〜95体積%、あるいは10〜90体積%を構成することができる。
好適な溶媒は、炭化水素、たとえばアルカン、例としてC〜C22の直鎖状、環状、分枝状アルカン、アルケン、芳香族およびこれらの混合物を含む。これらの例は、プロパン、イソブタン、ペンタン、メチルシクロペンタン、イソヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2−メチルブタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、3−エチルペンタン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、2−メチルヘプタン、3−エチルヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン、2,2,4−トリメチルペンタン、オクタン、ヘプタン、ブタン、エタン、メタン、ノナン、デカン、ドデカン、ウンデカン、ヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、1,1−ジメチルシクロペンタン、シス−1,2−ジメチルシクロペンタン、トランス−1,2−ジメチルシクロペンタン、トランス−1,3−ジメチルシクロペンタン、エチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、オルトキシレン、パラキシレン、メタキシレンおよびこれらの混合物を含む。
別の実施形態では、好適な溶媒は、1以上ニトロ化されたアルカン、たとえばC〜C22のニトロ化された直鎖状、環状または分枝状アルカンを含む。ニトロ化アルカンは、以下のものに限定されることなく、ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン、ニトロブタン、ニトロペンタン、ニトロヘキサン、ニトロヘプタン、ニトロオクタン、ニトロデカン、ニトロノナン、ニトロドデカン、ニトロウンデカン、ニトロシクロメタン、ニトロシクロエタン、ニトロシクロプロパン、ニトロシクロブタン、ニトロシクロペンタン、ニトロシクロヘキサン、ニトロシクロヘプタン、ニトロシクロオクタン、ニトロシクロデカン、ニトロシクロノナン、ニトロシクロドデカン、ニトロシクロウンデカン、ニトロベンゼンおよび上記のジ−およびトリ−ニトロ置換体ならびにこれらの混合物を含む。
別の実施形態では、好適な溶媒は、少なくとも1の含酸素物、たとえばC〜C22のアルコール、ケトン、エーテル、カルボン酸、エステルおよびこれらの混合物を含む。他の好適な溶媒は国際公開第2006/085957号にさらに記載されている。
上記のものすべてのハロゲン化された置換体も使用されることができ、たとえば塩素化炭化水素、例として塩化メチル、塩化メチレン、塩化エチル、塩化プロピル、塩化ブチル、クロロホルムおよびこれらの混合物を含む。
コンパウンド用添加剤
エラストマーナノ複合材料は、さらなる成分とブレンドされて十分にコンパウンドされたエラストマーとすることができる。可能なさらなる成分は慣用のフィラー、ナノフィラー、加工助剤およびプロセスオイルならびに硬化剤パッケージを含む。
慣用のエラストマーフィラーは、たとえば炭酸カルシウム、シリカ、非有機クレイ、タルク、二酸化チタンおよびカーボンブラックである。1以上のフィラーが使用されてもよい。本発明で使用されるシリカとは、任意のタイプもしくは粒子サイズのシリカまたは他のケイ酸誘導体もしくはケイ酸であって、溶液法、か焼法もしくは類似の方法で処理されて表面積を有するものを意味し、たとえば未処理の沈降シリカ、結晶性シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸アルミニウムもしくはカルシウム、ヒュームドシリカ等である。
1の実施形態では、フィラーはカーボンブラックまたは変性カーボンブラックおよびこれらの任意の組み合わせである。別の実施形態では、フィラーはカーボンブラックとシリカとのブレンドである。タイヤトレッドおよびサイドウォールに慣用されるフィラー分は、ブレンドの10〜100phr、別の実施形態では、より好ましくは30〜80phr、さらに別の実施形態では50〜80phrのレベルで存在する強化グレードカーボンブラックである。
架橋剤、硬化剤、硬化剤パッケージおよび硬化プロセス
一般に、ポリマーブレンド、たとえばタイヤを製造するのに使用されるものは架橋され、それによってポリマーの機械的性質が改善される。加硫されたゴムコンパウンドの物理的性質、性能特性および耐久性は、加硫反応の間に形成された架橋の数(架橋密度)およびそのタイプに直接的に関係することが知られている。
本発明のある実施形態では、エラストマー組成物およびこれらの組成物から作られた物品は、エラストマーがエラストマー組成物を硬化する工程を経ることが可能になるように少なくとも1の硬化剤または架橋剤を含むことができる。本明細書で使用される、少なくとも1の硬化剤パッケージとは、当業界で普通に理解されるようにゴムに硬化された特性を与えることができる任意の物質または方法をいう。少なくとも1の硬化剤パッケージは、任意のおよび少なくとも1の下記のものを含むことができる。
1以上の架橋剤は、好ましくは本発明のエラストマー組成物に使用され、とりわけシリカが主要なフィラーであるとき、またはシリカが別のフィラーと組み合わされて存在するときに使用される。好適な硬化用成分はイオウ、金属酸化物、有機金属化合物およびラジカル開始剤を含む。
過酸化物硬化剤系または樹脂硬化剤形も使用されることができる。しかし、エラストマーが熱可塑性物と一緒にされてDVAを形成するときは(この場合、熱可塑性物の架橋は望ましくない。)、熱可塑性樹脂が過酸化物の存在によって該熱可塑性樹脂の架橋が引き起こされるようなものであるならば、過酸化物硬化剤の使用は回避されることができる。
イオウはジエン含有エラストマー用の最も一般的な化学加硫剤である。これは斜方晶8員環としてまたは無定形ポリマー形態で存在する。典型的なイオウ加硫系は、イオウを活性化するための促進剤、活性剤、および加硫速度の制御を補助する遅延剤から成る。促進剤は、加硫の開始および速度ならびに形成されるイオウ架橋の数およびタイプを調節する役割をする。活性剤は、硬化剤および促進剤と組み合わされて使用されてもよい。活性剤は、まず促進剤と反応してゴム可溶性複合体を形成し、これが次にイオウと反応して硫化剤を形成する。一般的な種類の活性剤は、アミン、ジアミン、グアニジン、チオ尿素、チアゾール、チウラム、スルフェンアミド、スルフェンイミド、チオカルバメート、キサンテート等を含む。遅延剤は、加硫する前のゴムを処理するための十分な時間を許容するために、硬化の最初の開始を遅らせるために使用されることができる。
ハロゲン含有エラストマー、たとえば本発明に係るハロゲン化ポリ(イソブチレン−コ−p−メチルスチレン)は、金属酸化物との反応によって架橋されることができる。金属酸化物は、ポリマー中のハロゲン基と反応して活性中間体を生成し、これは次にさらに反応して炭素−炭素結合を生成すると考えられる。金属ハロゲン化物が副生成物として放出され、この反応のための自己触媒としての役割をすることができる。通常の硬化剤は、ZnO、CaO、MgO、Al、CrO、FeO、FeおよびNiOを含む。これらの金属酸化物は、単独で、または対応する金属脂肪酸錯体(たとえば、Zn、Ca、MgおよびAlのステアリン酸塩)とともに、またはステアリン酸およびイオウ化合物かあるいはアルキルペルオキシド化合物とともに使用されることができる。より好ましくは、このカップリング剤は二官能性有機シラン架橋剤であることができる。「有機シラン架橋剤」とは、当業者に知られた、シランと結合した任意のフィラーおよび/または架橋活性剤および/またはシラン強化剤であり、たとえば以下のものに限定されることなく、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(ベータメトキシエトキシ)シラン、メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、ガンマアミノプロピルトリエトキシシラン(Witco社によってA1100として市販されている。)、ガンマメルカプトプロピルトリメトキシシラン(Witco社によるA189)等およびこれらの混合物を含む。1の実施形態では、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(「Si69」として市販されている。)が使用される。
エラストマーの促進された加硫の機構は、硬化剤、促進剤、活性剤およびポリマーの間の複雑な相互作用を含んでいる。理想的には、すべての関与可能な硬化剤は有効な架橋の形成に消費され、この架橋は2のポリマー鎖を一緒に連結し、ポリマーマトリクスの全体としての強さを高める。多数の促進剤が従来技術で知られており、以下のものに限定されることなく、以下のステアリン酸、ジフェニルグアニジン、テトラメチルチウラムジスルフィド、4,4’−ジチオジモルホリン、テトラブチルチウラムジスルフィド、ベンゾチアジルジスルフィド、ヘキサメチレン−1,6−ビスチオサルフェートジナトリウム塩二水和物(Flexsys社によってDURALINK(商標)HTSとして市販されている。)、2−モルホリノチオベンゾチアゾール(MBSまたはMOR)、MOR90%とMBTS10%のブレンド(MOR 90)、N−第3級ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、およびN−オキシジエチレンチオカルバミル−N−オキシジエチレンスルホンアミド、2−エチルヘキサン酸亜鉛およびチオ尿素を含む。
エラストマー組成物は、典型的にはゴム混合物に慣用される他の成分および添加物を含み、たとえば有効な量の他の変色せずおよび変色させない加工助剤、プロセスオイル、顔料、酸化防止剤および/またはオゾン劣化防止剤を含む。
第2のエラストマー
1の実施形態では、上で説明したエラストマーナノ複合材料は、コンパウンドの唯一のエラストマー成分であることができ、それによって上記の顕著な利点を十分に利用することができる。あるいは、別の実施形態では、本発明のコポリマーは、別の/第2のエラストマーポリマーとブレンドされて、他の所望の性質または特性を有するコンパウンドを得ることができる。
他のエラストマーポリマー、すなわち汎用ゴムの例は、天然ゴム(NR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリ(スチレン−コ−ブタジエン)ゴム(SBR)、ポリ(イソプレン−コ−ブタジエン)ゴム(IBR)、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム(SIBR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)およびこれらの混合物を含む。
コンパウンド中にブレンドされたときに、本明細書に開示されたエラストマーは、個別にあるいは異なるエラストマーとのブレンド(すなわち、リアクターブレンド、物理的ブレンド、たとえば溶融混合によるブレンド)として組成物中に、1の実施形態では10〜90phr、別の実施形態では10〜80phr、さらに別の実施形態では30〜70phr、さらに別の実施形態では40〜60phr、さらに別の実施形態では5〜50phr、さらに別の実施形態では5〜40phr、さらに別の実施形態では20〜60phr、さらに別の実施形態では20〜50phr存在することができ、選ばれる実施形態は該組成物の所望の最終用途に依存する。
そのような第2のゴムは、5〜90phrの範囲の量で最終組成物中に存在することができる。より大きい不透過性を得るために、より低い程度の透過特性を有するポリマーの使用はエラストマーブレンド中に少量に、すなわち50phr未満に制限される。
産業上の利用可能性
本発明に従って形成されるエラストマーナノ複合材料は、本明細書に記載された硬化されたナノ複合材料組成物または物品で測定されて、好ましくは40℃で100cc・mm/m・日以下の酸素透過速度を有する。あるいは、本明細書に記載された硬化されたナノ複合材料コンパウンドで測定されて、酸素透過速度は40℃で95cc・mm/m・日以下、40℃で90cc・mm/m・日以下、40℃で85cc・mm/m・日以下、40℃で80cc・mm/m・日以下である。
タイヤインナーライナーのような膜を通してのガスの透過、すなわち透過率は三つのはっきりと異なる過程から成る。最初にガス分子は膜の一面側に溶解し、次に該膜またはライナーを横断して、より低いガス濃度の反対面側に拡散し、その速度は拡散勾配の大きさに依存する。そして次に、隣接したタイヤ要素または他の媒体中に蒸発または分散する。酸素および窒素分子の大きさはそれぞれ2.9および3.1オングストロームであり、拡散の活性化エネルギーは酸素および窒素についてそれぞれ49.8および50.6KJ/モルであると報告されている。これらの数値は酸素が窒素よりも容易に拡散することを明白に示唆し、したがって酸素の透過率の値は窒素のそれよりも高くなる。
酸素の透過率はモコン(MOCON)OxTranモデル2/61を使用して測定された。測定単位はcc・mm/m・日・mmHgである。概して、測定方法は以下のとおりである。平坦なフィルムまたはゴムのサンプルが拡散セル内にクランプ留めされ、酸素を含まないキャリヤガスを使用して該セルから残留する酸素が除去される。キャリヤガスがセンサーに送られ、安定した零の値が確立されるまで待つ。その後、純酸素または空気が拡散セル室の外側に導入される。フィルムを通って拡散セル室の内側に拡散する酸素がセンサーに運ばれ、センサーは酸素の拡散速度を測定する。
実施例
本開示発明に従って調製されたナノ複合材料の特性を測定するために、実施例が行われた。
ナノ複合材料1: 10.2gの有機クレイ(ジメチルジ牛脂アンモニウム界面活性剤を有するナノクレイ(遊離修飾剤の除去処理をされたもの)、米国、テキサス州、ゴンザレス、Southern Clay Products社製)がイソヘキサン400mLに加えられた。このクレイスラリーが490グラムのBIMSMセメント(コポリマー:10重量%のPMSおよび0.85モル%のBrPMS/ヘキサン中20.4重量%溶液)に加えられた。これらのクレイスラリーおよびゴムセメントが環境温度で60分間高せん断条件の下で混合された。この混合物に2000mLのイソプロピルアルコールを加えることによって、生成物が沈降され、そして乾燥された。
ナノ複合材料2: 378.5リットルのグラスライニング反応器に29.4kgのBIMSM(コポリマー:10重量%のPMSおよび0.85モル%のBrPMS/ヘキサン中22.0重量%溶液)および45.1リットルのイソヘキサンが仕込まれた。3000gの有機クレイ(ジメチルジ牛脂アンモニウム界面活性剤を有するナノクレイ(遊離修飾剤の除去処理をされたもの)、米国、テキサス州、ゴンザレス、Southern Clay Products社製)が加えられた後、反応器に25psig(0.18MPa)の窒素が仕込まれた。反応器内容物はポンプおよびインライン高せん断ミキサーによって30°Cで3時間循環された。このポリマーセメントは溶媒の除去のためにスチームストリッパーに移送された。得られたナノ複合材料は、脱水圧搾機および乾燥押出機を使用して乾燥された。
比較例ナノ複合材料1: 378.5リットルのグラスライニング反応器に28.2kgのBIMSM(コポリマー:10重量%のPMSおよび0.85モル%のBrPMS/ヘキサン中21重量%溶液)および81.6リットルのイソヘキサンが仕込まれた。3000gの有機クレイ(メチルベンジルジ牛脂アンモニウム界面活性剤を有するナノクレイ、米国、テキサス州、ゴンザレス、Southern Clay Products社製)が加えられた後、反応器に25psig(0.18MPa)の窒素が仕込まれた。反応器内容物はポンプおよびインライン高せん断ミキサーによって3時間循環された。このポリマーセメントは溶媒の除去のためにスチームストリッパーに移送された。得られたナノ複合材料は、脱水圧搾機および乾燥押出機を使用して乾燥された。
比較例ナノ複合材料2: 378.5リットルのグラスライニング反応器に30.4kgのBIMSM(コポリマー:10重量%のPMSおよび0.85モル%のBrPMS/ヘキサン中22重量%溶液)および66リットルのイソヘキサンが仕込まれた。3000gの有機クレイ(ジメチルジ水素化牛脂アンモニウム界面活性剤を有するナノクレイであるCLOISITE(商標)20A、米国、テキサス州、ゴンザレス、Southern Clay Products社製)が加えられた後、反応器に25psig(0.18MPa)の窒素が仕込まれた。反応器内容物はポンプおよびインライン高せん断ミキサーによって3時間循環された。このポリマーセメントは溶媒の除去のためにスチームストリッパーに移送された。得られたナノ複合材料は、脱水圧搾機および乾燥押出機を使用して乾燥された。
コンパウンドされたサンプルは、上記の本発明のナノ複合材料および比較例のナノ複合材料を使用して調製された。以下の配合が各サンプルについて使用された: ゴム100部当たり106部(phr)のナノ複合材料、60.0phrのカーボンブラックN660、1.0phrのステアリン酸、1.0phrの酸化亜鉛および1.0phrのMBTS硬化剤。106phrのナノ複合材料の使用は、100phrのエラストマーコポリマーおよび6phrのクレイを与える。コンパウンドされたサンプルは、36グラムのナノ複合材料および20gのカーボンブラックを135°C、60rpmで7分間ブラベンダー(商標)ミキサー中で混合することによって調製された。硬化剤、すなわち33gのステアリン酸、0.33gの酸化亜鉛および0.33gのMBTSが添加され、ミキサーは45°Cおよび40rpmで4分間操業された。このナノコンパウンドサンプルは170°Cで硬化された。試験片がモコン透過率の測定のために切り出された。
コンパウンドの透過率はモコンOX TRAN 2/61測定器を用いて40°Cで測定された。ムーニー粘度値がASTM D1646を使用して測定された。コンパウンドのムーニー増加量が、ナノ複合材料コンパウンドを真空オーブン中、80°Cで14日間加熱し、引き続いて再度ムーニー粘度を測定することによって測定された。透過率、ムーニー粘度およびムーニー粘度増加量の値が以下に示される。
Figure 2013525571
上記のデータから明らかなように、本発明のサンプルについての透過速度は比較例と同等である。重要なことは、ムーニー粘度の低下およびムーニー粘度増加量の低下である。ナノフィラーおよび得られたナノ複合材料中の在り得る非結合性修飾剤を除くことによって、修飾剤とポリマー構造との側鎖反応が低減される。得られたナノ複合材料は、より低いムーニー粘度増加量によって証明されるように、比較的に、より安定した構造を有する。この低減されたムーニー粘度増加量は、ナノ複合材料を取り込む物品の用途および製造にとって望まれる特性であり、ナノ複合材料の粘度が何らかの加熱工程または加工工程の間に有意には増加しないので、ナノ複合材料の改良された加工性を提供する。
1の実施形態では、ナノ複合材料コンパウンドは35〜65の範囲の最初の(すなわち、上記の試験によるエージングをされていない)ムーニー粘度値(M1分+8分)を有する。他の実施形態では、ナノ複合材料コンパウンドは40〜60、または40〜50、または35〜45の範囲の最初の125℃におけるムーニー粘度値(M 1分+8分)を有する。ナノ複合材料コンパウンドの別の側面では、オーブン中80°Cで14日間エージングした後のムーニー粘度の%変化として測定されるムーニー粘度増加量は20%超ではない。別の実施形態では、ムーニー粘度増加量は15%超ではない。さらに別の実施形態では、ムーニー粘度増加量は10%超ではない。
したがって、本発明は以下の実施形態を提供する。
A. 少なくとも1のエラストマーおよび少なくとも1のナノフィラーを含むナノ複合材料であって、該エラストマーが4〜7の炭素原子を有するイソオレフィンと少なくとも1のマルチオレフィンとに由来する単位を含み、該ナノフィラーが層状フィラーおよびアミン修飾剤を含み、該ナノフィラーが、在り得る非結合性アミンを実質的に含んでいない、ナノ複合材料。
B. アミン修飾剤が第2級アミン、第3級アミンまたは第4級アミンである、実施形態Aに記載のナノ複合材料。
C. ナノ複合材料が非結合性アミンを含有していない、実施形態AまたはBに記載のナノ複合材料。
D. エラストマーが0.5〜12重量%の少なくとも1のマルチオレフィン由来単位を含んでいる、実施形態A〜Cのいずれか1、任意の組み合わせまたはすべてに記載のナノ複合材料。
E. ナノ複合材料が、在り得る非結合性アミンによって官能化されたマルチオレフィンを0.1モル%超では含有していない、実施形態A〜Dのいずれか1、任意の組み合わせまたはすべてに記載のナノ複合材料。
F. 少なくとも1のマルチオレフィンが、イソプレン、ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ミルセン、6,6−ジメチルフルベン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、アルキルスチレンおよびピペリレンから成る群から選ばれたものである、実施形態A〜Eのいずれか1、任意の組み合わせまたはすべてに記載のナノ複合材料。
G. エラストマーが塩素か臭素のいずれかでハロゲン化されたものである、実施形態A〜Fのいずれか1、任意の組み合わせまたはすべてに記載のナノ複合材料。
H. エラストマーが、実質的に均一の組成分布を有するコポリマーであり、約8〜約12重量%のアルキルスチレン部分および約1.1〜約1.5重量%のハロゲンを含み、当該コポリマーが約6未満のMw/Mn比を有する、実施形態A〜Gのいずれか1、任意の組み合わせまたはすべてに記載のナノ複合材料。
I. アルキルスチレンがパラメチルスチレンであり、イソオレフィンがイソブチレンを含んでいる、実施形態Hに記載のナノ複合材料。
J. アルキルスチレンが、ハロゲンで官能化され、アルキルスチレンの25モル%までがそのように官能化されたものである、実施形態HおよびIの両方またはいずれか1に記載のナノ複合材料。
K. アルキルスチレンの10〜25モル%がハロゲンによって官能化されたものである、実施形態Jに記載のナノ複合材料。
L. ナノ複合材料が第2のポリマーとブレンドされてコンパウンドを形成し、該コンパウンドが5〜90phrのナノ複合材料を含んでいる、実施形態A〜Kのいずれか1、任意の組み合わせまたはすべてに記載のナノ複合材料。
M. 第2のポリマーが、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリ(スチレン−コ−ブタジエン)ゴム、ポリ(イソプレン−コ−ブタジエン)ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムおよびこれらの混合物から成る群から選ばれたものである、実施形態Lに記載のナノ複合材料。
N. ナノ複合材料がフィラー、プロセスオイルおよび硬化剤パッケージから成る群から選ばれた少なくとも1の成分とブレンドされたものである、実施形態A〜Mのいずれか1、任意の組み合わせまたはすべてに記載のナノ複合材料。
O. ナノ複合材料が、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリラクトン、ポリアセタール、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンポリマー、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリルポリマー、スチレン無水マレイン酸ポリマー、芳香族ポリケトン、ポリ(フェニレンエーテル)およびこれらの混合物から成るグループから選ばれた熱可塑性ポリマーとブレンドされたものである、実施形態A〜Nのいずれか1、任意の組み合わせまたはすべてに記載のナノ複合材料。
P. ナノ複合材料および熱可塑性ポリマーが、高せん断の条件下で一緒に動的加硫され、該ナノ複合材料が該熱可塑性ポリマー中に微粒子として分散されたものである、実施形態Oに記載のナノ複合材料。
Q. ナノフィラーが、少なくとも1のシリケートであり、モンモリロナイト、ノントロナイト、ベイデライト、ベントナイト、フォルコンスコイト、ラポナイト、ヘクトライト、サポナイト、ソーコナイト、マガダイト、ケニヤアイト、スティーブンサイト、バーミキュライト、ハロイサイト、アルミネートオキシドおよびヒドロタルサイトから成る群から選ばれたものである、実施形態A〜Pのいずれか1、任意の組み合わせまたはすべてに記載のナノ複合材料。
R. アミン修飾剤が、(R)Nの構造を有する第4級アンモニウム界面活性剤であり、この式でRはC〜Cアルキル、C〜CアルケンおよびC〜Cアリールから選ばれ、RはC〜C26アルキル、C〜C26アルケンおよびC〜C26アリールから選ばれ、RおよびRは同じでも異なっていてもよく、かつC〜C26アルキル、C〜C26アルケンおよびC〜C26アリールから独立に選ばれたものである、実施形態A〜Qのいずれか1、任意の組み合わせまたはすべてに記載のナノ複合材料。
S. 修飾剤が、ジアルキルジ水素化牛脂アンモニウム、ジメチルジ水素化牛脂アンモニウム、ベンジルトリアルキルアンモニウム、メチルベンジルジアルキルアンモニウム、メチルベンジルジ水素化牛脂アンモニウム、ジメチルベンジル水素化牛脂アンモニウムおよびジベンジルジアルキルアンモニウムから成る群から選ばれたものである、実施形態A〜Rのいずれか1、任意の組み合わせまたはすべてに記載のナノ複合材料。
T. ナノ複合材料または該ナノ複合材料を含むコンパウンドが、35〜45の範囲の125℃におけるムーニー粘度(M 1分+8分)、および該ナノ複合材料を80℃で14日間エージングした後に20%以下のムーニー粘度増加パーセントを有する、実施形態A〜Sのいずれか1、任意の組み合わせまたはすべてに記載のナノ複合材料。
U. 少なくとも1のエラストマーおよび少なくとも1のナノフィラーを含むナノ複合材料であって、該エラストマーが、4〜7の炭素原子を有するイソオレフィンと少なくとも1のマルチオレフィンとに由来する単位を含み、該ナノフィラーが層状フィラーおよびアミン修飾剤を含み、該ナノフィラーが、在り得る非結合性アミンの重量パーセントが低減されるように処理され、該ナノ複合材料が80℃で14日間エージングされた後に測定されて20%以下のムーニー粘度増加量を有する、ナノ複合材料。
V. 実施形態Uが、実施形態A〜Tのいずれか1、任意の組み合わせまたはすべてと組み合わされることができる、実施形態Uに記載のナノ複合材料。
W. ナノ複合材料を製造する方法において、該ナノ複合材料が少なくとも1のハロゲン化エラストマーおよび少なくとも1のナノフィラーを含み、該方法が、
a)溶液中に溶解されたハロゲン化エラストマーを用意する工程であって、該エラストマーが、4〜7の炭素原子を有するイソオレフィンと少なくとも1のマルチオレフィンとに由来する単位を含み、該溶液が1の溶媒と、溶媒の混合物と、水性相および非混和性非水性相から成るエマルションと、から成る群から選ばれた溶液である工程、b)該溶液に該ナノフィラーを添加する工程であって、該ナノフィラーが層状フィラーとアミン修飾剤とを含み、該ナノフィラーが在り得る非結合性アミンを実質的に含まない工程、c)該溶解されたエラストマーと該ナノフィラーとを、該溶解されたハロゲン化エラストマー中で該ナノフィラーが層剥離することが可能になるのに十分な時間接触させて、ナノ複合材料を形成する工程、そしてd)該溶液から該ナノ複合材料を回収する工程
を含む、上記の方法
X. アミン修飾剤が、第二級アミン、第3級アミンまたは第四級アミンである、実施形態Wに記載の方法。
Y. アミン修飾剤が、(R)Nの構造を有する第4級アミンであり、この式でRはベンジル由来単位であり、置換されていてもいなくてもよく、RはC〜C26アルキル、C〜C26アルケンおよびC〜C26アリールから選ばれ、またRおよびRは同じでも異なっていてもよく、かつC〜C26アルキル、C〜C26アルケンおよびC〜C26アリールから独立に選ばれる、実施形態WまたはXに記載の方法。
Z. ナノフィラーをコポリマー含有溶液に添加する前に、該ナノフィラーが第2の溶液に加えられ、該第2の溶液が、1の溶媒と、溶媒の混合物と、水性相および非混和性非水性相から成るエマルションと、から成る群から選ばれる、実施形態W〜Yのいずれか1、任意の組み合わせまたはすべてに記載の方法。
AA. 少なくとも1のマルチオレフィンが、イソプレン、ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ミルセン、6,6−ジメチルフルベン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、アルキルスチレンおよびピペリレンから成る群から選ばれる、実施形態W〜Zのいずれか1、任意の組み合わせまたはすべてに記載の方法。
BB. エラストマーが、実質的に均一の組成分布を有するコポリマーであり、イソオレフィンがイソブチレンであり、またマルチオレフィンがアルキルスチレンであり、該コポリマーが約8〜約12重量%のアルキルスチレン部分を含む、実施形態W〜AAのいずれか1、任意の組み合わせまたはすべてに記載の方法。
CC. 溶解されたハロゲン化エラストマーとナノフィラーとを接触させている間、溶液中の在り得るアミン化合物によるエラストマーのハロゲンの求核置換反応が実質的に起きない、実施形態W〜BBのいずれか1、任意の組み合わせまたはすべてに記載の方法。
DD. ナノ複合材料が、実施形態B〜Tのいずれか1、任意の組み合わせまたはすべてによって定義されることができる、実施形態Wに記載の方法。
本発明のナノ複合材料を含む組成物は、押出され、圧縮成型され、ブロー成型され、射出成型されまたは積層されて、様々な成形された物品にされることができ、たとえば繊維、フィルム、積層物、層状物、工業用部品、例として自動車部品、電気器具筐体、消費者製品、包装材料等を含む。
上に説明されたナノ複合材料組成物は、空気膜、たとえばタイヤの製造に使用されるインナーライナー、インナーチューブ、サイドウォール、トレッド、ブラダー等の製造に使用されることができる。本発明は、インナーライナーもしくはタイヤのような物品のための在り得る特定の製造方法に限定されない。特に、ナノ複合材料は、様々なタイヤ用途、たとえばトラックタイヤ、バスタイヤ、乗用車タイヤ、オートバイタイヤ、オフロードタイヤ、航空機タイヤ等用の物品に使用される組成物に有用である。
他の用途では、ナノ複合材料を含むエラストマー組成物は、エアクッション、空気ばね、エアベローズ、ホース、アキュムレーターバッグおよびベルト、たとえばコンベヤベルトまたは自動車ベルトに使用されることができる。これらのものは成型されたゴム部品に有用であり、自動車サスペンションバンパー、自動車排気ガスハンガーおよびボディーマウントに広く利用される。
さらに、ナノ複合材料を含むエラストマー組成物は、接着剤、コーキング材、シーラントおよびガラスコンパウンドとして使用されることもできる。ナノ複合材料を含むエラストマー組成物は、ゴム配合物中の可塑剤として、ストレッチラップフィルムへと製造される組成物の成分として、潤滑剤用分散剤として、ならびにポッティング材料および電気ケーブル充填材料にも有用である。
すべての優先権書類、特許文書、出願公開文書および特許出願文書、試験方法(たとえば、ASTM法)、および本明細書に引用されたその他の文書は、参照によって完全に取り込まれ、そのような開示が本発明と矛盾しない範囲を限度とし、またそのような取り込みが許容されるすべての管轄権を対象にして取り込まれる。数値の下限および数値の上限が本明細書に挙げられているときは、いずれの下限からいずれの上限までの範囲も意図されている。

Claims (15)

  1. 少なくとも1のエラストマーおよび少なくとも1のナノフィラーを含むナノ複合材料であって、
    該エラストマーが4〜7の炭素原子を有するイソオレフィンと少なくとも1のマルチオレフィンとに由来する単位を含み、および
    該ナノフィラーが層状フィラーおよびアミン修飾剤を含み、該ナノフィラーが、在り得る非結合性アミンを実質的に含んでいない、
    ナノ複合材料。
  2. ナノ複合材料が非結合性アミンを含有していない、請求項1に記載のナノ複合材料。
  3. ナノ複合材料が、在り得る非結合性アミンによって官能化されたマルチオレフィンを0.1モル%超では含有していない、請求項1に記載のナノ複合材料。
  4. 少なくとも1のマルチオレフィンが、イソプレン、ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ミルセン、6,6−ジメチルフルベン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、アルキルスチレンおよびピペリレンから成る群から選ばれたものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のナノ複合材料。
  5. エラストマーが、実質的に均一の組成分布を有するコポリマーであり、イソオレフィンがイソブチレンであり、マルチオレフィンがアルキルスチレンであり、該コポリマーが約8〜約12重量%のアルキルスチレン部分を含んでいる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のナノ複合材料。
  6. ナノ複合材料がフィラー、プロセスオイル、加工助剤および硬化剤パッケージから成る群から選ばれた少なくとも1の成分とブレンドされたものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のナノ複合材料。
  7. ナノ複合材料が、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリラクトン、ポリアセタール、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンポリマー、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリルポリマー、スチレン無水マレイン酸ポリマー、芳香族ポリケトン、ポリ(フェニレンエーテル)およびこれらの混合物から成るグループから選ばれた熱可塑性ポリマーとブレンドされたものである、請求項1〜6のいずれか1項に記載のナノ複合材料。
  8. ナノフィラーが、少なくとも1のシリケートであり、かつモンモリロナイト、ノントロナイト、ベイデライト、ベントナイト、フォルコンスコイト、ラポナイト、ヘクトライト、サポナイト、ソーコナイト、マガダイト、ケニヤアイト、スティーブンサイト、バーミキュライト、ハロイサイト、アルミネートオキシドおよびヒドロタルサイトから成る群から選ばれたものである、請求項1〜7のいずれか1項に記載のナノ複合材料。
  9. アミン修飾剤が第2級アミン、第3級アミンまたは第4級アミンである、請求項1〜8のいずれか1項に記載のナノ複合材料。
  10. 第4級アミンが(R)Nの構造を有し、この式でRはC〜Cアルキル、C〜CアルケンおよびC〜Cアリールから選ばれ、RはC〜C26アルキル、C〜C26アルケンおよびC〜C26アリールから選ばれ、RおよびRは同じでも異なっていてもよく、かつC〜C26アルキル、C〜C26アルケンおよびC〜C26アリールから独立に選ばれたものである、請求項9に記載のナノ複合材料。
  11. アミン修飾剤がテトラアルキルアンモニウム、トリアルキルアリールアンモニウムおよびジアルキルジアリールアンモニウムから成る群から選ばれたものである、請求項9または10に記載のナノ複合材料。
  12. 少なくとも1のエラストマーおよび少なくとも1のナノフィラーを含むナノ複合材料であって、
    該エラストマーが、4〜7の炭素原子を有するイソオレフィンと少なくとも1のマルチオレフィンとに由来する単位を含み、
    該ナノフィラーが層状フィラーおよびアミン修飾剤を含み、該ナノフィラーが、在り得る非結合性アミンの重量パーセントを低減するように調製され、
    該ナノ複合材料が80℃で14日間エージングされた後に測定されて20%以下のムーニー粘度増加量を有する、
    ナノ複合材料。
  13. アミン修飾剤が第2級アミン、第3級アミンまたは第4級アミンである、請求項12に記載のナノ複合材料。
  14. ナノ複合材料を製造する方法において、該ナノ複合材料が少なくとも1のハロゲン化エラストマーおよび少なくとも1のナノフィラーを含み、該方法が、
    a)溶液中に溶解されたハロゲン化エラストマーを用意する工程であって、該エラストマーが、4〜7の炭素原子を有するイソオレフィンと少なくとも1のマルチオレフィンとに由来する単位を含み、該溶液が1の溶媒と、溶媒の混合物と、水性相および非混和性非水性相から成るエマルションと、から成る群から選ばれた溶液である工程、
    b)該溶液に該ナノフィラーを添加する工程であって、該ナノフィラーが層状フィラーとアミン修飾剤とを含み、該ナノフィラーが在り得る非結合性アミンを実質的に含んでいない工程、
    c)該溶解されたエラストマーと該ナノフィラーとを、該溶解されたハロゲン化エラストマー中で該ナノフィラーが層剥離することが可能になるのに十分な時間接触させて、ナノ複合材料を形成する工程、および
    d)該溶液から該ナノ複合材料を回収する工程
    を含む、上記の方法。
  15. 溶解されたハロゲン化エラストマーとナノフィラーとを接触させている間、溶液中の在り得るアミン化合物によるエラストマーのハロゲンの求核置換反応が実質的に起きない、請求項14に記載の方法。
JP2013507964A 2010-04-30 2011-03-23 エラストマーナノ複合材料、ナノ複合材料組成物および製造方法 Expired - Fee Related JP6138681B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US12/771,775 US8461240B2 (en) 2010-04-30 2010-04-30 Elastomeric nanocomposites, nanocomposite compositions, and methods of manufacture
US12/771,775 2010-04-30
PCT/US2011/029583 WO2011139423A2 (en) 2010-04-30 2011-03-23 Elastomeric nanocomposites, nanocomposite compositions, and methods of manufacture

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013525571A true JP2013525571A (ja) 2013-06-20
JP6138681B2 JP6138681B2 (ja) 2017-05-31

Family

ID=44303540

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013507964A Expired - Fee Related JP6138681B2 (ja) 2010-04-30 2011-03-23 エラストマーナノ複合材料、ナノ複合材料組成物および製造方法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US8461240B2 (ja)
EP (1) EP2563856B1 (ja)
JP (1) JP6138681B2 (ja)
CN (1) CN102869714B (ja)
CA (1) CA2796308C (ja)
RU (1) RU2576596C2 (ja)
TW (1) TWI417202B (ja)
WO (1) WO2011139423A2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017507217A (ja) * 2014-02-28 2017-03-16 エクソンモービル ケミカル パテンツ インコーポレイテッド ナノ複合材料ムーニー粘度安定性
JP2017530230A (ja) * 2014-10-02 2017-10-12 エクソンモービル ケミカル パテンツ インコーポレイテッド 動的加硫アロイ

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ITMI20112156A1 (it) * 2011-11-25 2013-05-26 Polimeri Europa Spa Procedimento per la rimozione del solvente da una soluzione polimerica
CN104126081B (zh) * 2012-02-24 2016-03-30 阪东化学株式会社 摩擦传动带
EP2810999B1 (en) * 2012-03-12 2019-09-11 LG Chem, Ltd. Pressure-sensitive adhesive composition
JP6436273B1 (ja) * 2017-01-23 2018-12-12 トヨタ紡織株式会社 熱可塑性樹脂組成物、その製造方法及び成形体
RU2757582C1 (ru) * 2020-08-31 2021-10-19 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования «Кабардино-Балкарский государственный университет им. Х.М. Бербекова» (КБГУ) Композиционный материал

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH107418A (ja) * 1996-06-21 1998-01-13 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 粘土複合材料及びその製造方法
JP2004155912A (ja) * 2002-11-06 2004-06-03 Yokohama Rubber Co Ltd:The ゴム組成物
JP2004307541A (ja) * 2003-04-02 2004-11-04 Bridgestone Corp ゴムマスターバッチ及びその製造方法
JP2005068237A (ja) * 2003-08-21 2005-03-17 Nippon Petrochemicals Co Ltd イソブチレン系重合体組成物
JP2008506009A (ja) * 2004-07-06 2008-02-28 エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク 高分子ナノ複合物

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5506316A (en) 1993-02-19 1996-04-09 Exxon Chemical Patents Inc. Carbocationic catalysts and process for using said catalysts
US5952095A (en) 1996-12-06 1999-09-14 Amcol International Corporation Intercalates and exfoliates formed with long chain (C10 +) monomeric organic intercalant compounds; and composite materials containing same
US6521690B1 (en) 1999-05-25 2003-02-18 Elementis Specialties, Inc. Smectite clay/organic chemical/polymer compositions useful as nanocomposites
US6828370B2 (en) * 2000-05-30 2004-12-07 Amcol International Corporation Intercalates and exfoliates thereof having an improved level of extractable material
WO2002100935A1 (en) 2001-06-08 2002-12-19 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Low permeability nanocomposites
CA2449075C (en) * 2001-06-13 2011-02-01 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Low permeability nanocomposites
US8399551B2 (en) * 2002-07-05 2013-03-19 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Functionalized elastomer nanocomposite
US7022299B2 (en) 2002-10-15 2006-04-04 National Chung-Hsing University Exfoliative clay and derivative thereof and method for producing the same
CA2510860C (en) 2002-12-20 2012-10-09 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Polymerization process utilizing hydrofluorocarbons as diluents
US7125916B2 (en) 2003-10-14 2006-10-24 National Chung-Hsing University Method for producing nanosilica plates
RU2256601C1 (ru) * 2004-01-14 2005-07-20 Институт синтетических полимерных материалов (ИСПМ) имени Н.С. Ениколопова Российской академии наук (РАН) Нанокомпозит и способ его получения
EP1681314A1 (en) * 2005-01-12 2006-07-19 Borealis Technology Oy Nanocomposite with improved physical properties
CN101384673A (zh) 2006-02-17 2009-03-11 伊莱门蒂斯专业有限公司 适合用于卤化树脂及其复合材料体系的有机粘土
US7767743B2 (en) * 2006-03-10 2010-08-03 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Processable branched isoolefin-alkylstyrene elastomers
US7458677B2 (en) * 2006-06-20 2008-12-02 Eastman Kodak Company Reduction of turbulence within printing region of inkjet printer heads
JP5252752B2 (ja) * 2008-10-14 2013-07-31 エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク ポリマー‐クレイナノコンポジット及びそれを調製する方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH107418A (ja) * 1996-06-21 1998-01-13 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 粘土複合材料及びその製造方法
JP2004155912A (ja) * 2002-11-06 2004-06-03 Yokohama Rubber Co Ltd:The ゴム組成物
JP2004307541A (ja) * 2003-04-02 2004-11-04 Bridgestone Corp ゴムマスターバッチ及びその製造方法
JP2005068237A (ja) * 2003-08-21 2005-03-17 Nippon Petrochemicals Co Ltd イソブチレン系重合体組成物
JP2008506009A (ja) * 2004-07-06 2008-02-28 エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク 高分子ナノ複合物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017507217A (ja) * 2014-02-28 2017-03-16 エクソンモービル ケミカル パテンツ インコーポレイテッド ナノ複合材料ムーニー粘度安定性
JP2017530230A (ja) * 2014-10-02 2017-10-12 エクソンモービル ケミカル パテンツ インコーポレイテッド 動的加硫アロイ

Also Published As

Publication number Publication date
CN102869714A (zh) 2013-01-09
RU2012151200A (ru) 2014-06-10
CN102869714B (zh) 2014-02-19
EP2563856A2 (en) 2013-03-06
US8461240B2 (en) 2013-06-11
US20110265927A1 (en) 2011-11-03
WO2011139423A3 (en) 2012-04-05
CA2796308C (en) 2016-01-26
JP6138681B2 (ja) 2017-05-31
TWI417202B (zh) 2013-12-01
RU2576596C2 (ru) 2016-03-10
EP2563856B1 (en) 2018-12-05
WO2011139423A2 (en) 2011-11-10
CA2796308A1 (en) 2011-11-10
TW201206733A (en) 2012-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6138681B2 (ja) エラストマーナノ複合材料、ナノ複合材料組成物および製造方法
JP5890845B2 (ja) 弾性ナノ複合体、ナノ複合体組成物およびこれらの製造方法
JP5419257B2 (ja) イソブチレンと多官能性オリゴマーを含むエラストマーナノ複合材
JP2013503962A (ja) 弾性コポリマー、コポリマー組成物及び物品におけるそれらの使用
JP5828179B2 (ja) 弾性ナノ複合材料の製造
JP2019065303A (ja) ナノ複合材料ムーニー粘度安定性
JP5668079B2 (ja) エラストマー性ナノ複合体、ナノ複合体組成物、及び製造方法
CA2771976A1 (en) Elastomer nanocomposites with incorporated process oils

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131031

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140205

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140916

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150116

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20150126

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20150313

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161102

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170303

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170426

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6138681

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees