JP2013525260A - 急性骨髄性白血病を治療するための組成物および方法 - Google Patents

急性骨髄性白血病を治療するための組成物および方法 Download PDF

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Abstract

例えばAMLといった血液悪性腫瘍を治療または予防する、組成物または方法であり、治療的な有効量で抗アルファ4インテグリン抗体と化学療法剤を組合せて使用する。方法は、アルファ4サブユニットを有するインテグリン(VLA‐4)とこのインテグリンのリガンド(VCAM−1)との間の相互作用のアンタゴニストを含む組成物の治療的な有効量を、患者に投与することを含む。本発明の好ましい実施形態では、患者での急性骨髄性白血病(AML)を治療する方法であり、抗アルファ4インテグリン抗体またはその抗原結合断片を含む組成物の治療的な有効量を、患者に投与することを含む方法が提供される。

Description

本特許出願は、2009年4月17日に出願した米国特許仮出願第61/170,551号の優先権を請求し、そのすべてを参照として本出願に組み込む。
血液悪性腫瘍は、血液、骨髄、およびリンパ節に影響を及ぼす増殖性疾患である。それは、例えば慢性リンパ性白血病(CLL)や急性骨髄性白血病(AML)といった白血病、リンパ腫、および多発性骨髄腫を含む。
本発明は、抗アルファ4抗体が、血液細胞株(急性骨髄性白血病(AML)の細胞株を含む)の、VCAM−1およびフィブロネクチンへの、ならびに骨髄間質細胞への、VLA−4介在による接着を阻害し得るということの発見に部分的に基づく。理論に縛られることはないが、この活性は、細胞の生存シグナル伝達経路を妨害し得る、また細胞毒性物質への細胞の感受性を増加させ得る。したがって、抗アルファ4アンタゴニストを使用して、例えばAMLといった血液悪性腫瘍を治療する方法、または細胞毒性物質への抵抗性を減少させる方法は、提供される。
一態様では、例えば、急性骨髄性白血病(AML)などの白血病といった血液疾患を有する患者を治療する方法は、提供される。方法は、患者に、アルファ4サブユニットを有するインテグリン(例えばVLA−4)とこのインテグリンのリガンド(例えばVCAM−1)との間の相互作用のアンタゴニストを含む組成物を、治療的な有効量で投与することを含む。このアンタゴニストは、アルファ4インテグリン結合物質またはアルファ4インテグリン・リガンド結合物質であり得る。典型的な物質は、抗VLA−4抗体または抗アルファ4ベータ7抗体(例えば、ヒト抗体、キメラ抗体、およびヒト化抗体、ならびにそれらの断片);抗VCAM−1抗体(例えば、ヒト抗体、キメラ抗体、およびヒト化抗体、ならびにそれらの断片);ならびに、アルファ4サブユニット含有インテグリンとそのリガンドの相互作用の低分子阻害剤、を含む。
一実施形態では、アンタゴニストは、例えばVLA−4結合抗体またはその抗原結合断片といった抗アルファ4インテグリン抗体またはその抗原結合断片である。組成物は、医薬組成物であり得る、そして、少なくとも、VLA−4結合抗体の治療的な有効量、および医薬的に許容され得るキャリヤを含む。
他の実施形態では、抗アルファ4結合抗体またはその抗原結合断片は、VLA−4結合抗体またはその断片である。他の実施形態では、例えばVLA−4結合抗体といった抗アルファ4抗体またはその抗原結合断片は、ヒト抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体またはキメラ抗体またはヒト化抗体の抗原結合Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、またはF(v)断片、あるいは2つより多い抗原結合部位を有する修飾抗体(例えば二重特異性抗体)である。他の実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、モノクローナル抗体法または単一特異的(monospecific)抗体、一本鎖抗体(例えば、ラクダ(camel)抗体またはシャーク(shark)抗体(IgNAR)といったナノボディ)、あるいはこれらのタイプのいかなる抗体の抗原結合断片である。
一実施形態では、アンタゴニストは、例えばWO 06/131200またはUS2007/0004775に述べられる阻害剤といった低分子阻害剤であり、その両方を参照として本明細書に組み込む。
他の実施形態では、組成物は、抗体をまたはその抗原結合断片を、約0.1から約20mg/kg体重で提供するための用量で投与される。
他の実施形態では、抗アルファ4抗体またはその抗原結合断片は、VLA−4のアルファ鎖に結合し、しかし他の実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、Bエピトープ特異的VLA−4結合抗体またはその抗原結合断片である。他の実施形態では、抗体または抗体断片は、ナタリズマブ、またはナタリズマブの抗原結合断片である。
一実施形態では、血液悪性腫瘍(例えばAML)を治療する方法は、抗アルファ4抗体に加えて第二の治療物質の投与を含む。第二の治療物質は、例えば、(限定的ではないが)シタラビン(Ara−C)、ダウノルビシン、イダルビシン、エトポシド、ゲムツズマブ・オゾガマイシン、三酸化ヒ素、またはオールトランスレチノイン酸といった化学療法剤であり得る。血液悪性腫瘍を治療する方法は、アルファ4アンタゴニストの投与に加えて、例えば放射線治療といった第二の治療レジメンも含み得る。
いくつかの実施形態は、皮下(SC)投与または筋肉内(IM)投与による、例えばヒト患者などのヒトといった対象者への投与に適している。抗アルファ4抗体を含む組成物は、例えば、許容され得る点滴用マトリックス(例えば生理食塩水)に希釈される場合には、静脈内(IV)投与にも適し得る。
一実施形態では、抗アルファ4抗体は、例えばナタリズマブといった、ヒト化モノクローナル抗体である。他の実施形態では、抗アルファ4抗体は、ナタリズマブのバリアントである。例えば、いくつかの実施形態では、抗体の軽鎖可変領域は、ナタリズマブの軽鎖可変領域と1つまたはそれ以上のアミノ酸残基により異なるがその異なりは2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのアミノ酸残基を超えることはないアミノ酸配列を有し、および/または重鎖可変領域は、ナタリズマブの重鎖可変領域と1つまたはそれ以上のアミノ酸残基により異なるがその異なりは2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのアミノ酸残基を超えることはないアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、いくつかのまたはすべての違いは、保存的な変化である。いくつかの実施形態では、抗アルファ4抗体は、ナタリズマブのCDRと等しいCDRを有する、または抗体は、ナタリズマブと同じまたは重複するエピトープに結合する。
他の実施形態では、抗アルファ4抗体は、米国特許第5,840,299号のSEQ ID NO:7のアミノ酸配列、ここでそれを参照として本明細書に組み込む、を有する一方または両方の軽鎖可変領域を有し、また米国特許第5,840,299号のSEQ ID NO:11のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を有する。他の実施形態では、VLA−4抗体は、これらの抗体のうちの1つのバリアントである。例えば、いくつかの実施形態では、軽鎖可変領域は、米国特許第5,840,299号のSEQ ID NO:7の配列と1つまたはそれ以上のアミノ酸残基により異なるがその異なりは2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのアミノ酸残基を超えることはないアミノ酸配列を有する、および/または重鎖可変領域は、米国特許第5,840,299号のSEQ ID NO:11により定義される配列と1つまたはそれ以上のアミノ酸残基により異なるがその異なりは2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのアミノ酸残基を超えることはないアミノ酸配列を有する。
しかし他の実施形態では、抗アルファ4抗体は、表1−1のSEQ ID NO:1である一方または両方の軽鎖アミノ酸配列を有し、また表1−2のSEQ ID NO:2である重鎖アミノ酸配列を有する。他の実施形態では、VLA−4抗体は、これらの抗体のうちの1つのバリアントである。例えば、いくつかの実施形態では、抗体の軽鎖は、SEQ ID NO:1の配列と1つまたはそれ以上のアミノ酸残基により異なるがその異なりは2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのアミノ酸残基を超えることはないアミノ酸配列を有する、および/または抗体の重鎖は、SEQ ID NO:2の配列と1つまたはそれ以上のアミノ酸残基により異なるがその異なりは2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのアミノ酸残基を超えることはないアミノ酸配列を有する。
本文脈で使用されるように、アミノ酸配列における「違い」は、アミノ酸の同一性の違い(例えば、上記のSEQ ID NO:7またはSEQ ID NO:11のアミノ酸を異なるアミノ酸で置換すること)、または削除、または挿入、を意味する。違いは、例えば、フレームワーク領域、CDR、ヒンジ、または定常領域においてあり得る。違いは、タンパク質配列の内部、または末端であり得る。いくつかの実施形態では、いくつかまたはすべての違いは、提示された(recited)配列と比較して、保存的な変化である。
一実施形態では、方法は、投与する抗体用量を漸増させる(本明細書で使用される用量は、1回の投与において、または例えば2回といった定義された少数回の各投与において、投与される抗体の量を意味する)。方法は、用量を増加させ、また患者を、耐性、副作用、および用量増加に伴う副作用に関してモニタリングさせ得る。例えば、方法は、患者にナタリズマブを初期用量または比較的低用量で1回またはそれ以上投与することから始まり得る、次に、患者にナタリズマブを最終的な高用量で投与する。典型的な初期用量は、例えば、最終的な高用量の80%、70%、50%、30%、20%、10%、または10%未満であり得る。典型的な最終的な用量は、投与の定常状態が一旦達成されるまでの投与頻度に基づき変化する。例えば、いくつかの実施形態は、28日毎のIV投与で最終用量が50mgと1200mgの間であるものを含む。いくつかの実施形態は、最終用量が10mgと1000mgの間であるものを含む(例えば、50mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg)(これらの用量は、典型的に、約1カ月毎の投与であり得る)。他の実施形態は、最終用量が25mgと250mgの間であるものを含む(例えば、50mg、75mg、100mg、150mg、200mg)(これらの用量は、典型的に、2週毎の投与であり得る)。治療的投与は、受容体飽和状態により決定され得る。
いくつかの実施形態では、患者は、一または複数の初期用量で、1回または複数回の投与を受けるであろう。例えば、一実施形態では、患者は、数多くの投与にわたり用量の増加を受けるであろう。いくつかの実施形態では、患者は、最終用量に達する前に、1つまたはそれ以上の初期用量で2回、3回、4回、5回、6回、7回、または8回の投与を受けるであろう。例えば、患者は、最初の初期用量で1回またはそれ以上の投与を受けるであろう、そして第2の高い初期用量で1回またはそれ以上の投与を受けるであろう。いくつかの実施形態では、患者は、副作用を含む症状に関して、1回またはそれ以上の投与後に評価を受ける。いくつかの実施形態では、患者が、ナタリズマブの増加用量を投与されるのは、患者が前用量で受け入れがたい副作用を有さないと決定された後においてのみである。
いくつかの実施形態では、患者は、初期に高用量の投与を受け、例えば症状が改善して、次に、続けて低用量を受けるであろう。
一実施形態では、患者は、アルファ4アンタゴニスト(例えばアルファ4結合抗体)の初期用量を投与されると同時に、化学療法剤の初期用量または放射線治療を受けるであろう。他の実施形態では、患者は、血液悪性腫瘍の再発を有した後に、アルファ4アンタゴニストの初期用量を投与される。
他の態様では、本発明は、例えば、抗アルファ4アンタゴニスト療法の必要性を患者に指導する方法、血液悪性腫瘍の治療のために本明細書で述べる組成物をどのように投与するのか、といった方法を特徴とする。方法は、(i)患者に、例えば抗アルファ4抗体といったアンタゴニストの製剤の少なくとも1単位用量を提供すること;および(ii)患者に、少なくとも1単位用量を静脈内に自己投与するよう指導すること、を含む。例えば治療方法といった他の方法は、(i)患者に、アルファ4アンタゴニストの製剤の少なくとも2単位用量を提供すること;および(ii)患者に、例えば1回1用量といった、単位用量を静脈内に自己投与するよう指導すること、を含む。
一実施形態では、患者は、例えば急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、または有毛細胞白血病(HCL)などの白血病といった血液疾患を有する。他の実施形態では、患者は、例えばホジキン病または非ホジキンリンパ腫といったリンパ腫を有する(T細胞タイプまたはB細胞タイプ)。他の実施形態では、患者は、骨髄異形成症候群(MDS)を有し、他の実施形態では、患者は、例えば真性赤血球増加症(PV、PCV、または赤血球増加ルブラベラ(polycythemia rubra vera)(PRV)とも呼ばれる)、本態性血小板血症(ET)、または骨髄線維症といった脊髄増殖性疾患を有する。しかし他の実施形態では、患者は、L鎖病によるアミロイド、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症、意義不明の単クローン性高ガンマグロブリン血症(MGUS)、または形質細胞性白血病を有する。典型的な実施形態では、患者は、AMLを有する。
他の態様では、本発明は、例えばAMLといった血液悪性腫瘍を有する患者を、IVまたはSCまたはIM投与に適した剤形中に例えば抗アルファ4抗体といったアルファ4アンタゴニストを含む組成物を投与することにより治療する方法を特徴とする。一実施形態では、組成物は、療法として投与される。他の実施形態では、方法は、組成物による治療に適した患者を選択することを、さらに含む。治療に適した患者は、例えば、AMLを表す徴候または症状といった、疾患発症を表す徴候または症状を示した。治療に適した患者は、例えばAMLといった血液悪性腫瘍を有さないヒトの細胞において発現されるVLA4タンパク質のレベルと比較して、組織サンプル中の細胞(例えば血液塗抹標本や骨髄生検からの細胞)の表面においてVLA4タンパク質のレベル上昇も発現し得る。
しかし他の実施形態では、方法は、例えば、シタラビン(Ara−C)、ダウノルビシン、イダルビシン、エトポシド、ゲムツズマブ・オゾガマイシン、三酸化ヒ素、またはオールトランスレチノイン酸などの化学療法剤といった第二の治療物質を患者に投与することを、さらに含む。
他の態様では、本発明は、あらかじめ選択された基準を患者が満たすかどうか、および本明細書で述べる抗アルファ4抗体製剤についての、患者による同意、患者への提供、処方、または投与に関するあらかじめ選択された基準を患者が満たすかどうか、を決定することにより患者を評価する方法を特徴とする。一実施形態では、あらかじめ選択された基準は、例えばAMLといった血液悪性腫瘍のための、以前の代替的な治療的処置や治療的レジメンに適切に反応することでの患者の失敗である。 他の実施形態では、あらかじめ選択された基準は、進行性多巣性白質脳症(PML)のあらゆる徴候または症状の欠如、あるいはPMLのいかなる診断の欠如である。 他の実施形態では、基準は、PCT/US2007/075577(WO2008/021954として公表された)に述べられており、ここでそれを参照として本明細書に組み込む、それは薬物分布に関する方法とシステムを記述する。
他の態様では、本発明は、ナタリズマブの製剤の投与を受取人に指導する方法を特徴とする。方法は、受取人(例えば、エンドユーザー、患者、医師、小売薬局または卸売り薬局、卸売業者、あるいは病院、養護施設クリニック、またはHMOの薬局部門)に、薬剤は皮下または筋肉内により患者に投与される必要があることを指導することを含む。
他の態様では、本明細書で述べる組成物を配布する方法が、提供される。組成物は、ナタリズマブを含み、そして皮下または筋肉内または静脈内投与に適している。方法は、受取人(例えば、エンドユーザー、患者、医師、小売薬局または卸売り薬局、卸売業者、あるいは病院、養護施設クリニック、またはHMOの薬局部門)に、少なくとも6ヵ月、12ヵ月、24ヵ月、または36ヵ月にわたり患者を治療するための薬剤の十分な単位用量を含むパッケージを提供することを含む。
他の態様では、本発明は、本明細書で述べる製剤とともにPCT/US2007/075577(WO/2008/021954として公表された)に述べられる方法またはシステムを使用することを特徴とする。実施形態は、本明細書で述べる製剤を配布する方法、薬局、点滴センター、または患者への本明細書で述べる製剤の供給をモニタリングするまたは追跡する方法、一人またはそれ以上の患者のモニタリング方法、患者の選択方法、あるいは本明細書で述べる製剤の使用に関するデータを編集するまたは報告する方法を含む。PCT/US2007/075577(WO/2008/021954として公表された)は、ここでそれを参照として本明細書に組み込む。
他の態様では、本発明は、抗アルファ4抗体を含む組成物による治療のために、患者を選択する方法を特徴とする。方法は、例えばAMLといった血液悪性腫瘍を有する患者を選択することまたは提供すること、を含む; および、患者を治療するために抗アルファ4抗体を含む組成物を提供することまたは投与すること、を含む。
「血液悪性腫瘍」は、例えば、血液、骨髄、またはリンパ節に影響を及ぼす癌といった疾患である。血液悪性腫瘍は、例えばALL、AML、CML、CLL、およびHCLといった白血病;例えばホジキン病または非ホジキンリンパ腫といったリンパ腫;および、多発性骨髄腫;骨髄異形成症候群(MDS)(それはAMLに至り得る);例えば真性赤血球増加症(PV、PCV、または赤血球増加ルブラベラ(PRV)とも呼ばれる)、本態性血小板血症(ET)、または骨髄線維症といった脊髄増殖性疾患;および、L鎖病によるアミロイド、を含む。
「治療する」という用語は、統計学的に有意な程度であるいは当業者が検出できる程度で、疾患に関連した状態、症状、またはパラメータを改善するために、あるいは疾患の進行を防止するために、有効な量、方法、および/または様式で、治療剤を投与することを意味する。有効な量、方法、および/または様式は、対象者によって変化し得る、また対象者に合わせられ得る。
「抗アルファ4抗体」は、例えばVLA−4インテグリンのアルファ4サブユニットといったアルファ4インテグリンに結合し、インテグリンの活性を少なくとも部分的に阻害する抗体を意味する。例えば、抗アルファ4抗体は、例えばVCAM‐1などの細胞表面タンパク質あるいは例えばフィブロネクチンまたはオステオポンチンなどの細胞外マトリックス成分といった関連リガンドへのインテグリンの結合を阻害し得る。その阻害の影響は、例えば骨髄間質細胞といった細胞に、抗アルファ4インテグリンが結合するのを阻害し得ることである。アルファ4インテグリンは、そのアルファ4サブユニットが1つまたは他のベータ・サブユニットと結合するインテグリンである。したがって、「アルファ4インテグリン」という用語は、VLA−4を意味し、またベータ1、ベータ7、または他のあらゆるベータ・サブユニットを含むインテグリン(例えば、アルファ4ベータ7、アルファ4ベータ1)を意味する。したがって、血液悪性腫瘍を治療するために有用な抗アルファ4抗体は、例えば、VLA−4結合抗体やアルファ4ベータ7抗体、およびその抗原結合断片を含む。抗アルファ4抗体は、約10−6M、約10−7 M、約10−8 M、約10−9 M、または約10−10 M未満のKdで、アルファ4インテグリンと結合し得る。
「VLA‐4結合抗体」は、例えばVLA‐4インテグリンのα4サブユニットに結合するといったVLA‐4インテグリンに結合し得る抗体を意味し、そしてVLA‐4の活性、特に、VLA‐4インテグリンの結合活性または例えばVLA‐4介在シグナルを変換する能力といったシグナル伝達活性を、少なくとも部分的に阻害する。例えば、VLA‐4結合抗体は、例えばVCAM‐1などの細胞表面タンパク質、あるいは例えばフィブロネクチンまたはオステオポンチンなどの細胞外マトリックス成分、といったVLA‐4の関連リガンドに、VLA‐4が結合するのを阻害し得る。VLA‐4結合抗体は、α4サブユニットまたはβ1サブユニットに、あるいは、両方に結合し得る。一実施形態では、抗体は、α4のB1エピトープに結合する。VLA‐4結合抗体は、約10−6 M、約10−7 M、約10−8 M、約10−9 M、または約10−10 M未満のKdで、VLA‐4に結合し得る。VLA‐4は、アルファ4/ベータ1としても、およびCD29/CD49bとしても知られている。一実施形態では、VLA‐4結合抗体は、ナタリズマブである、またはナタリズマブのKdの例えば80%〜125%内といった70%〜130%内のKdを有する。
本明細書で使用されるように、「抗体」という用語は、例えば免疫グロブリン可変領域または免疫グロブリン可変領域配列を提供するアミノ酸配列といった、少なくとも1つの免疫グロブリン可変領域を含むタンパク質を意味する。例えば、抗体は、重(H)鎖可変領域(本明細書ではVHと略す)および軽(L)鎖可変領域(本明細書ではVLと略す)を含み得る。他の例では、抗体は、2つの重(H)鎖可変領域および2つの軽(L)鎖可変領域を含む。「抗体」という用語は、抗体の抗原結合断片(例えば、一本鎖抗体、Fab断片、F(ab’)2断片、Fd断片、Fv断片、およびdAb断片)、例えばIgAタイプ、IgGタイプ、IgEタイプ、IgDタイプ、IgMタイプ(および、それらのサブタイプ)の無傷免疫グロブリンといった完全な抗体も含む。 免疫グロブリンの軽鎖は、カッパ・タイプまたはラムダ・タイプであり得る。一実施形態では、抗体は、グリコシル化される。抗体は、抗体依存性細胞毒性および/または補体介在性細胞毒性に機能的であり得る、またはこれらの活性の1つまたは両方に非機能的であり得る。
VH領域とVL領域は、「相補性決定領域」(「CDR」)と呼ばれる超可変領域と、それが散在する「フレームワーク領域」(FR)と呼ばれる比較的保存的な領域に、さらに分割され得る。FRとCDRの範囲は、正確に定義されている(参照として、Kabat, E.A., et al. (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91‐3242;およびChothia, C. et al. (1987) J. Mol. Biol. 196:901−917)。本明細書では、Kabatの定義を使用する。VHとVLはそれぞれ、3つのCDRと4つのFRで典型的に構成され、そして、アミノ末端からカルボキシル末端までの配置は以下の順である:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。
「免疫グロブリン領域」は、免疫グロブリン分子の可変領域または定常領域の領域を意味する。免疫グロブリン領域は、典型的に、約7つのβストランドから形成される2つのβシート、および保存されたジスルフィド結合を含む(参照として、例えば、A. F. Williams and A. N. Barclay 1988 Ann. Rev Immunol. 6:381−40V)。
本明細書で使用されるように、「免疫グロブリン可変領域配列」は、免疫グロブリン可変領域の構造を形成し得るアミノ酸配列を意味する。例えば、配列は、自然に生じる可変領域のアミノ酸配列の全部または一部を含み得る。例えば、配列は、1つ、2つ、またはそれ以上のN末端アミノ酸、C末端アミノ酸、内部アミノ酸を省略し得る、あるいは1つまたはそれ以上の挿入または追加的な末端アミノ酸を含み得る、あるいは他の変化を含み得る。一実施形態では、免疫グロブリン可変領域配列を含むポリペプチドは、例えばVLA‐4と相互作用する構造といった標的結合構造(または「抗原結合部位」)を形成するために、他の免疫グロブリン可変領域配列と結合し得る。
抗体のVH鎖またはVL鎖は、重鎖定常領域または軽鎖定常領の全部または一部をさらに含み得る、このことによって、それぞれが免疫グロブリン重鎖または免疫グロブリン軽鎖を形成する。一実施形態では、抗体は、2つの免疫グロブリン重鎖と2つの免疫グロブリン軽鎖のテトラマーである。免疫グロブリン重鎖と免疫グロブリン軽鎖は、ジスルフィド結合によって結合され得る。重鎖定常領域は、典型的に、3つの定常領域、CH1、CH2、およびCH3を含む。軽鎖定常領域は、典型的に、CL領域を含む。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合領域を含む。抗体の定常領域は、通常、免疫系の様々な細胞(例えばエフェクター細胞)および古典的補体系の第一成分(Clq)を含む宿主組織または宿主因子への抗体の結合を仲介する。
抗体の1つまたはそれ以上の領域は、ヒト、効果的なヒト、またはヒト化であり得る。例えば、可変領域の1つまたはそれ以上は、ヒトまたは効果的なヒトであり得る。例を挙げると、例えばHC CDR1、HC CDR2、HC CDR3、LC CDR1、LC CDR2、およびLC CDR3といったCDRの1つまたはそれ以上は、ヒトであり得る(HC、重鎖;LC、軽鎖)。各軽鎖CDRは、ヒトであり得る。HC CDR3は、ヒトであり得る。例えばHCまたはLCのFR1、FR2、FR3、およびFR4といったフレームワーク領域の1つまたはそれ以上は、ヒトであり得る。一実施形態では、すべてのフレームワーク領域は、例えば、免疫グロブリンを生産する造血細胞または非造血細胞などのヒト体細胞に由来する、ヒトである。一実施形態では、ヒト配列は、例えば、生殖細胞系の核酸によってコードされる生殖細胞系配列である。定常領域の1つまたはそれ以上は、ヒト、効果的なヒト、またはヒト化であり得る。他の実施形態では、フレームワーク領域(例えば、FR1、FR2、およびFR3の集合、またはFR1、FR2、FR3、およびFR4の集合)の少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、92%、95%、または98%は、あるいは抗体全部は、ヒト、効果的なヒト、またはヒト化であり得る。例えば、FR1、FR2、およびFR3の集合は、ヒト生殖細胞系セグメントによってコードされるヒト配列と、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、92%、95%、98%、または99%同一であり得る。
「効果的なヒト」免疫グロブリン可変領域は、正常のヒトにおいて免疫グロブリン可変領域が免疫原性反応を誘発しないように、十分な数のヒト・フレームワーク・アミノ酸位置を含む免疫グロブリン可変領域である。「効果的なヒト」抗体は、正常のヒトにおいて抗体が免疫原性反応を誘発しないように、十分な数のヒト・アミノ酸位置を含む抗体である。
「ヒト化」免疫グロブリン可変領域は、非修飾形と比較して修飾形はヒトでの免疫原性反応の誘発を低くするように、修飾された免疫グロブリン可変領域である、例えば、正常のヒトにおいて免疫グロブリン可変領域が免疫原性反応を誘発しないように、十分な数のヒト・フレームワーク・アミノ酸位置を含むために修飾される。「ヒト化」免疫グロブリンの記述は、例えば、米国特許第6,407,213号および米国特許第5,693,762号を含む。いくつかの場合では、ヒト化免疫グロブリンは、1つまたはそれ以上のフレームワーク・アミノ酸位置に非ヒト・アミノ酸を含み得る。
抗体の全部または一部は、免疫グロブリン遺伝子またはその断片によってコードされ得る。例示的なヒト免疫グロブリン遺伝子は、カッパ、ラムダ、アルファ(IgA1とIgA2)、ガンマ(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、デルタ、エプシロン、およびミュー定常領域遺伝子、ならびに無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子を含む。完全長免疫グロブリン「軽鎖」(約25Kdまたはアミノ酸約214個)は、NH2‐末端の可変領域遺伝子(アミノ酸約110個)およびCOOH‐末端のカッパまたはラムダ定常領域遺伝子によってコードされる。完全長免疫グロブリン「重鎖」(約50Kdまたはアミノ酸446個)は、可変領域遺伝子(アミノ酸約116個)、および例えばガンマ(アミノ酸約330個をコードする)といった他の前述の定常領域遺伝子の1つによって同様にコードされる。
完全長抗体の「抗原結合断片」という用語は、例えばVLA‐4といった関連標的に特異的に結合する能力を保持する完全長抗体の1つまたはそれ以上の断片を意味する。完全長抗体の「抗原結合断片」という用語内に含まれる結合断片の例は、(i)Fab断片、VL、VH、CL、およびCH1領域からなる一価断片;(ii)F(ab’)2断片、ヒンジ領域でジスルフィド架橋により結合する2つのFab断片を含む二価断片;(iii)VHおよびCH1領域からなるFd断片;(iv)抗体の1つのアームのVLおよびVH領域からなるFv断片、(v)dAb断片(Ward et al., (1989) Nature 341:544−546)、それはVH領域からなる;ならびに、(vi)機能性を保持する孤立した相補性決定領域(CDR)、を含む。さらに、Fv断片の2つの領域であるVLおよびVHは別々の遺伝子によってコードされるが、それらは組み換え方法を使用してつながれ得る、組み換え方法では、一本鎖Fv(scFv)として知られている一価分子を形成するためにVL領域とVH領域が対になっている一本鎖タンパク質を、それら遺伝子から作製させる合成リンカーを使用する。参照として、例えば、Bird et al. (1988) Science 242:423−426;およびHuston et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:V879−5883。
本発明の1つまたはそれ以上の実施形態の詳細は、添付図面および下記の記述において述べられる。本発明の他の特徴、目的、および利点は、記述および図面から、ならびに請求項から明らかであろう。
図1A、図1Bおよび図1Cは、フローサイトメトリーによって測定される、急性骨髄性白血病(AML)(図1A)、多発性骨髄腫(MM)(図1B)、および慢性リンパ性白血病(CLL)(図1C)の血液細胞株における、アルファ4インテグリンおよびベータ1インテグリンの量を表す棒グラフである。 図1A、図1Bおよび図1Cは、フローサイトメトリーによって測定される、急性骨髄性白血病(AML)(図1A)、多発性骨髄腫(MM)(図1B)、および慢性リンパ性白血病(CLL)(図1C)の血液細胞株における、アルファ4インテグリンおよびベータ1インテグリンの量を表す棒グラフである。 図1A、図1Bおよび図1Cは、フローサイトメトリーによって測定される、急性骨髄性白血病(AML)(図1A)、多発性骨髄腫(MM)(図1B)、および慢性リンパ性白血病(CLL)(図1C)の血液細胞株における、アルファ4インテグリンおよびベータ1インテグリンの量を表す棒グラフである。 フローサイトメトリーによって測定される、腫瘍細胞株のVLA‐4へのナタリズマブの結合を表すグラフである。 図3Aおよび図3Bは、20μg/mL以下の一連の希釈濃度でのナタリズマブまたはアイソタイプ対照抗体の存在下での、VLA‐4リガンドであるフィブロネクチン(● FN)、血管細胞接着分子1‐Ig融合タンパク質(■VCAM−Ig)、または骨髄間質細胞(▲BMSC)へのHL60 AML腫瘍細胞接着およびKG1 AML腫瘍細胞接着におけるナタリズマブの影響を表すグラフである。 図3Aおよび図3Bは、20μg/mL以下の一連の希釈濃度でのナタリズマブまたはアイソタイプ対照抗体の存在下での、VLA‐4リガンドであるフィブロネクチン(● FN)、血管細胞接着分子1‐Ig融合タンパク質(■VCAM−Ig)、または骨髄間質細胞(▲BMSC)へのHL60 AML腫瘍細胞接着およびKG1 AML腫瘍細胞接着におけるナタリズマブの影響を表すグラフである。 図3Cおよび図3Dは、飽和濃度のナタリズマブ(20μg/mL)(黒棒)またはアイソタイプ対照(白棒)存在下での、VLA‐4リガンドへのHL60 AML細胞接着およびKG1 AML細胞接着の阻害を表すグラフである。 図3Cおよび図3Dは、飽和濃度のナタリズマブ(20μg/mL)(黒棒)またはアイソタイプ対照(白棒)存在下での、VLA‐4リガンドへのHL60 AML細胞接着およびKG1 AML細胞接着の阻害を表すグラフである。 図4Aおよび図4Bは、VLA‐4リガンドであるフィブロネクチン(● FN)、血管細胞接着分子1‐Ig融合タンパク質(■VCAM−Ig)、または骨髄間質細胞(▲BMSC)へのH929 MM腫瘍細胞接着およびU266 MM腫瘍細胞接着におけるナタリズマブの影響を表すグラフである。接着は、20μg/mL以下の一連の希釈濃度でのナタリズマブまたはアイソタイプ対照抗体の存在下において分析された。 図4Aおよび図4Bは、VLA‐4リガンドであるフィブロネクチン(● FN)、血管細胞接着分子1‐Ig融合タンパク質(■VCAM−Ig)、または骨髄間質細胞(▲BMSC)へのH929 MM腫瘍細胞接着およびU266 MM腫瘍細胞接着におけるナタリズマブの影響を表すグラフである。接着は、20μg/mL以下の一連の希釈濃度でのナタリズマブまたはアイソタイプ対照抗体の存在下において分析された。 飽和濃度のナタリズマブ(20μg/mL)(黒棒)または対照アイソタイプ(白棒)存在下での、VLA‐4リガンドへのH929 MM細胞接着の阻害を表すグラフである。 図5Aおよび図5Bは、VLA‐4リガンドであるフィブロネクチン(● FN)、血管細胞接着分子1‐Ig融合タンパク質(■VCAM‐Ig)、または骨髄間質細胞(▲BMSC)へのMec1 CLL腫瘍細胞接着およびJM1 CLL腫瘍細胞接着におけるナタリズマブの影響を表すグラフである。接着は、20μg/mL以下の一連の希釈濃度でのナタリズマブまたはアイソタイプ対照抗体の存在下において分析された。 図5Aおよび図5Bは、VLA‐4リガンドであるフィブロネクチン(● FN)、血管細胞接着分子1‐Ig融合タンパク質(■VCAM‐Ig)、または骨髄間質細胞(▲BMSC)へのMec1 CLL腫瘍細胞接着およびJM1 CLL腫瘍細胞接着におけるナタリズマブの影響を表すグラフである。接着は、20μg/mL以下の一連の希釈濃度でのナタリズマブまたはアイソタイプ対照抗体の存在下において分析された。 飽和濃度のナタリズマブ(20μg/mL)(黒棒)またはアイソタイプ対照(白棒)存在下での、VLA‐4リガンドへのMec1 CLL細胞接着の阻害を表すグラフである。 図6A〜図6Dは、細胞接着を介した薬剤耐性におけるナタリズマブの効果を示すグラフである。図6Aは、BMSC有り(■)または無し(□)で24時間にわたり共培養し、次に化学療法剤AraC(シタラビン)に24時間にわたり曝露した後における残りのHL60生存細胞の割合を表す。図6Bは、共培養したHL60をナタリズマブまたはアイソタイプ対照抗体とともに4時間にわたり培養し、次に図6Aで定量したAraC有効量に24時間にわたり曝露した後におけるアポトーシス細胞(アネキシンV+、7AAD)の割合を表す。図6Cおよび図6Dは、メルファランに曝露したU266細胞を使用して行われた類似実験の結果を示す。 図6A〜図6Dは、細胞接着を介した薬剤耐性におけるナタリズマブの効果を示すグラフである。図6Aは、BMSC有り(■)または無し(□)で24時間にわたり共培養し、次に化学療法剤AraC(シタラビン)に24時間にわたり曝露した後における残りのHL60生存細胞の割合を表す。図6Bは、共培養したHL60をナタリズマブまたはアイソタイプ対照抗体とともに4時間にわたり培養し、次に図6Aで定量したAraC有効量に24時間にわたり曝露した後におけるアポトーシス細胞(アネキシンV+、7AAD)の割合を表す。図6Cおよび図6Dは、メルファランに曝露したU266細胞を使用して行われた類似実験の結果を示す。 図6A〜図6Dは、細胞接着を介した薬剤耐性におけるナタリズマブの効果を示すグラフである。図6Aは、BMSC有り(■)または無し(□)で24時間にわたり共培養し、次に化学療法剤AraC(シタラビン)に24時間にわたり曝露した後における残りのHL60生存細胞の割合を表す。図6Bは、共培養したHL60をナタリズマブまたはアイソタイプ対照抗体とともに4時間にわたり培養し、次に図6Aで定量したAraC有効量に24時間にわたり曝露した後におけるアポトーシス細胞(アネキシンV+、7AAD)の割合を表す。図6Cおよび図6Dは、メルファランに曝露したU266細胞を使用して行われた類似実験の結果を示す。 図6A〜図6Dは、細胞接着を介した薬剤耐性におけるナタリズマブの効果を示すグラフである。図6Aは、BMSC有り(■)または無し(□)で24時間にわたり共培養し、次に化学療法剤AraC(シタラビン)に24時間にわたり曝露した後における残りのHL60生存細胞の割合を表す。図6Bは、共培養したHL60をナタリズマブまたはアイソタイプ対照抗体とともに4時間にわたり培養し、次に図6Aで定量したAraC有効量に24時間にわたり曝露した後におけるアポトーシス細胞(アネキシンV+、7AAD)の割合を表す。図6Cおよび図6Dは、メルファランに曝露したU266細胞を使用して行われた類似実験の結果を示す。 30分(HL60)または4時間(U266)にわたり、図に示されるように、懸濁液中で成長した、またはBMSCおよびナタリズマブとともに共培養したHL60細胞、KG1細胞、またはU266細胞におけるP−STAT3、STAT3、P‐JNK、JNK、P‐MAPK、およびMAPKレベルに関するウエスタンブロット・アッセイのパネルである。
本発明は、特に、例えばAMLといった血液悪性腫瘍を治療するまたは予防するための処置に関する。さらに詳しくは、本明細書で提供するのは、血液悪性腫瘍の治療において、アルファ4サブユニットを含むインテグリンとこのインテグリンのリガンドとの間の相互作用を妨害する能力を有する抗アルファ4抗体またはその抗原結合断片の使用に関する方法である。
VLA‐4(アルファ4ベータ1)インテグリンは、VCAM−1、フィブロネクチン、および場合によっては、VLA‐4と結合するかさもなければ相互作用する他の分子、のための細胞表面受容体である。この事については、アルファ4サブユニット含有インテグリンと結合するかさもなければ相互作用するそのような分子は、個々におよび集合的に「アルファ4リガンド」と呼ばれる。したがって、VLA‐4(「α4β1」、「α4β1インテグリン」、「アルファ4ベータ1」、および「アルファ4ベータ1インテグリン」とも呼ばれる)は、VCAM−1と、および細胞外マトリックス・タンパク質のメンバー、最も特にフィブロネクチンまたはその相同体またはその断片と、と結合し得るポリペプチドを呼ぶ、しかし、VLA‐4のための他のリガンドが存在し得ること、およびそのリガンドは従来の方法を使用して分析され得ることは、当業者により認識されるであろう。
アルファ4サブユニットがベータ1以外のベータ・サブユニットと結合するであろうことは知られており、したがって、「アルファ4インテグリン」という用語は、ベータ・サブユニットの1つまたは他と結合するアルファ4サブユニットを有するインテグリンを意味する。「アルファ4」インテグリンのさらなる例は、アルファ4ベータ7である。本明細書で使用されるように、「アルファ4インテグリン」という用語は、VLA‐4、およびベータ1、ベータ7、またはあらゆる他のベータ・サブユニットを含むインテグリン、を意味する。
本明細書に述べる方法に適したアンタゴニストは、特定の分子タイプまたは分子構造に限定されず、したがって、VLA4産生細胞の表面のアルファ4サブユニットを含むあらゆるインテグリン(例えばVLA‐4)へと、またはアルファ4ベータ7産生細胞の表面のアルファ4ベータ7インテグリン[参照として、Lobb and Hem1er,J. C1in. Invest.,94: 1722 1728 (1994)]へと、または例えばVCAM−1およびMadCAM産生細胞の各表面のVCAM−1およびMadCAMといった各アルファ4リガンドへと結合する能力を有する物質でありそしてVLA‐4(またはアルファ4ベータ7)あるいはVCAM−1(またはMadCAM)を効率的に妨害するまたは覆うもの(すなわち、それぞれ「アルファ4インテグリン結合物質」および「アルファ4インテグリンリガンド結合物質」)は、本明細書で述べるアンタゴニストと同等であるとみなされる。
インテグリン「アンタゴニスト」(本明細書では「アルファ4アンタゴニスト」とも呼ばれる)は、アルファ4インテグリンが、アルファ4インテグリン・リガンドおよび/または受容体と結合するのを阻害するあらゆる化合物を含む。抗インテグリン抗体含有タンパク質、および例えばインテグリンのためのリガンド・タンパク質の可溶形といった他の分子は、有用である。アルファ4インテグリンのためのリガンド・タンパク質の可溶形は、可溶性VCAM−1または可溶性コラーゲン・ペプチド、VCAM−1融合タンパク質、または二価性VCAM‐l/Ig融合タンパク質を含む。例えば、アルファ4インテグリン・リガンドまたはその断片の可溶形は、インテグリンと結合するために投与され得る、またいくつかの例では、細胞のインテグリン結合部位で競合し、このことによって例えば抗アルファ4インテグリン(例えば、アルファ4ベータ7抗体またはVLA‐4抗体)といったアンタゴニストの投与と類似した効果を導く。アルファ4インテグリン・リガンドと結合するが、インテグリン依存性シグナル伝達を誘発しない可溶性アルファ4インテグリン変異体は、本明細書で述べる方法での使用に特に適している。そのような変異体は、野生型のインテグリン・タンパク質の競合的阻害剤として作用し得る、また「アンタゴニスト」とみなされる。下記で定義するように、他の適したアンタゴニストは「低分子」である。
例えばVLA‐4およびアルファ4ベータ7、またはアルファ4インテグリンの他の組合せといったいくつかのアルファ4インテグリンに拮抗する、例えば単一低分子、単一低分子抗体、または抗体断片といった、1つより多いアルファ4インテグリンの作用に拮抗する物質は、血液悪性腫瘍の治療に適している。組み合わされた活性が、1つより多いアルファ4インテグリンの作用に拮抗するような、異なる分子の組合せも、本明細書で述べる方法に適している。
いくつかの実施形態では、特定のインテグリン・アンタゴニストは、例えば、免疫グロブリンまたはその断片といった例えば抗体または抗体断片と融合するまたはさもなければ結合し、またインテグリンまたはリガンドまたは他の分子の特定のタイプや構造に限定されない。したがって、融合タンパク質を形成し得るおよびアルファ4インテグリン・リガンドと結合し得るあらゆる物質でありそしてアルファ4ベータ7またはVLA‐4インテグリンを効率的に妨害するまたは覆うものは、本明細書の例において使用するアンタゴニストと同等であるとみなされる。
「アルファ4インテグリン・リガンド/アルファ4インテグリン相互作用のアンタゴニスト」は、例えばポリペプチドまたは他の分子といった物質を意味し、この物質は、アルファ4リガンド(例えばVCAM−1)またはアルファ4インテグリン(例えば、アルファ4ベータ7またはVLA‐4)介在結合を阻害または妨害し得る、あるいは、例えばアルファ4リガンド介在のアルファ4インテグリンのシグナル変換またはアルファ4リガンド介在のアルファ4リガンドのシグナル変換を阻害または妨害することにより、さもなければアルファ4リガンドまたはアルファ4インテグリン機能を修飾し得る、そして例えばAMLといった血液悪性腫瘍の治療において、抗アルファ4インテグリン抗体と同様に、効果的である。
VCAM−1/VLA‐4相互作用のアンタゴニストは、以下の特性を1つまたはそれ以上有する物質である:(1)例えば骨髄間質細胞と骨髄腫細胞との間のVCAM−1/VLA‐4相互作用といったVLA‐4リガンド/VLA‐4相互作用を阻害するために十分な特異性を持って、VLA‐4産生細胞(例えばAML細胞)の表面のVLA‐4を覆うまたはそれに結合する;(2)例えばVLA‐4/VCAM−1介在シグナル伝達などVLA‐4介在シグナルの変換を阻害するといった修飾を行うために十分な特異性を持って、VLA‐4産生細胞(例えば、骨髄腫細胞)の表面のVLA‐4を覆うまたはそれに結合する;(3)VLA‐4/VCAM−1相互作用を阻害するために十分な特異性を持って、骨髄間質細胞のVLA‐4リガンド(例えばVCAM1)を覆うまたはそれに結合する;(4)例えばVCAM−1介在VLA‐4シグナル伝達などVLA‐4リガンド介在VLA‐4シグナル伝達の変換を阻害するといった修飾を行うために十分な特異性を持って、骨髄間質細胞のVLA‐4リガンド(例えばVCAM−1)を覆うまたはそれに結合する。いくつかの実施形態では、アンタゴニストは、特性1および特性2の一方または両方を有する。他の実施形態では、アンタゴニストは、特性3および特性4の一方または両方を有する。さらに、例えばVLA‐4と結合する物質はVCAM−1と結合する物質と併用され得るといったように、1つより多いアンタゴニストが、患者に投与され得る。
例えば、VLA‐4およびVCAM−1のための、抗体または抗体断片、および天然結合タンパク質の可溶性形は、有用である。VLA‐4のための天然結合タンパク質の可溶性形は、可溶性VCAM−1ペプチド、VCAM−1融合タンパク質、二価性VCAM−1/Ig融合タンパク質、フィブロネクチン、選択的スプライシングされた非タイプのm連結セグメントを有するフィブロネクチン、およびアミノ酸配列EILDVまたは類似の保存的に置換されたアミノ酸配列を含むフィブロネクチン・ペプチドを含む。VCAM−1のための天然結合タンパク質の可溶性形は、可溶性VLA‐4ペプチド、VLAD融合タンパク質、二価性VLA‐4/Ig融合タンパク質などを含む。本明細書で使用されるように、「可溶性VLA‐4ペプチド」または「可溶性VCAM−1ペプチド」は、それ自身では膜に固着する能力を有さないVLA‐4またはVCAM−1ポリペプチドである。そのような可溶性ポリペプチドは、例えば、ポリペプチドに固着するための膜貫通ドメインの十分な部分が欠けている、または膜貫通ドメインが機能しないように修飾を受けている、VLA‐4およびVCAM−1ポリペプチドである。これらの結合物質は、VLA‐4のための細胞表面結合タンパク質と競合することにより、またはさもなければVLA‐4機能を変化させることにより作用し得る。例えば、VCAM−1の可溶性形(参照として、例えば、Osborn et al.1989,Cell,59:1203 1211)またはその断片は、VLA‐4と結合するために投与され得る、そして例えば骨髄腫細胞のVLA‐4結合部位に競合し、そのことにより例えば低分子または抗VLA‐4抗体といったアンタゴニストの投与と同様の効果を誘導する。
他の例では、VCAM−1は、またはVLA‐4産生の骨髄腫細胞の表面のVLA‐4と結合し得る例えばVCAM−1の2つのN末端領域を含む断片といった、VCAM−1断片は、例えばVCAM−1部分の可溶性やin vivo生存時間を増加させるペプチドといった第二ペプチドと融合し得る。第二ペプチドは、例えばヒト・ペプチドまたは血漿タンパク質といった可溶性ペプチドの断片、あるいは免疫グロブリン・スーパーファミリーのメンバー、であり得る。典型的に、第二ペプチドは、IgGまたはその一部またはその断片であり、例えばヒトIgG1重鎖定常領域であり少なくともヒンジ、CH2領域、CH3領域を含むものである。
ペプチドの作用を模倣する物質(例えば、「低分子」と呼ばれる有機分子)は、例えば細胞表面のVLA‐4受容体と結合しVLA‐4を妨害することによりまたは細胞表面のVCAM−1受容体と結合しVCAM−1を妨害することにより、アルファ4インテグリン/アルファ4インテグリン・リガンド相互作用を妨害する能力を有する。これら「低分子」は、低分子量ペプチドである、または有機化合物を含むより大きなペプチドである、または非ペプチドの有機化合物である。「低分子」は、抗体または抗体断片を含むことを意図されない。そのような「低」分子の分子量は、一般に2000未満であるが、この数字は分子量の絶対的な上限値として意図されない。
例えば、VLA‐4リガンドの結合領域を模倣しそしてVLA‐4の受容体領域に適合するオリゴサッカライドといった低分子が、使用され得る(参照として、J.J.Dev1in et al.,1990,Science 249: 400406 (1990)、J.K.Scott and G.P.Smith,1990, Science 249コロン 386 390、および米国特許第4,833,092号(Geysen)、すべてを参照として本明細書に組み込む。逆に、VCAM−1リガンドの結合領域を模倣しそしてVCAM−1の受容体領域に適合する低分子が、使用され得る。
WO 06/131200およびUS2007/0004775、ここでその両方を参照として本明細書に組み込む、で述べられた低分子も、血液悪性腫瘍の治療における使用に適している。
本発明において有用な他の低分子の例は、Komoriyaら(“The Minimal Essential Sequence for a Major Cell Type‐Specific Adhesion Site (CS1) Within the Alternatively Spliced Type III Connecting Segment Domain of Fibronectin Is Leucine−Aspartic Acid‐Valine”(フィブロネクチンの選択的スプライシングされたIII型連結セグメント領域内の主な細胞タイプ特異的接着部位(CS1)のための最小の必須配列は、ロイシン−アスパラギン酸−バリンである),J. Biol. Chem.,266 (23),pp. 15075 79 (1991))において見つけられ得る。彼らは、VLA‐4と結合するのに必要な最小限の活性アミノ酸配列を同定し、そしてフィブロネクチンの特定の種ののCS−1領域(VLA‐4結合領域)のアミノ酸配列に基づき様々な重複ペプチドを合成した。彼らは、フィブロネクチン依存性の細胞接着に対する阻害活性を有する、アミノ酸8個のペプチドのg1u−Ile−Leu−Asp−Va1‐Pro‐Ser‐Thr、ならびに2つの低分子量の重複ペンタペプチドのGlu‐Ile‐Leu‐Asp‐ValおよびLeu‐Asp-Val−Pro−Serを同定した。LDV配列を有する特定のより大きなペプチドは、in vivoにおいて活性であることが続けて示された(T.A.Ferguson et al., “Two Integrin Binding Peptides Abrogate T‐ cell‐Mediated Immune Responses In Vivo”(2つのインテグリン結合ペプチドは、in vivoにおいて、T細胞介在の免疫反応を無効にする),Proc. Natl. Acad. Sci. USA,88,pp. 8072 76 (1991);および、S.M.Wah1 et al., “Synthetic Fibronectin Peptides Suppress Arthritis in Rats by Interrupting Leukocyte Adhesion and Recruitment(合成フィブロネクチン・ペプチドは、ラットにおいて、白血球の接着および動員を妨害することによって関節炎を抑制する)”, J. Clin. Invest.,94,pp. 655 62 (1994))。フィブロネクチンへのVLA‐4接着およびVLA−5接着の両方を阻害し得る、環状ペプチドのArg‐Cys‐Asp‐TPro‐Cys(そこでTProは4‐チオプロリンを示す)も述べられてきた(参照として、例えば、D.M.Now1in et al. ”A Nove1 Cyclic Pentapeptide Inhibits Alpha4Beta1 Integrin‐mediated Cell Adhesion”(新規の環状ペンタペプチドは、アルファ4ベータ1インテグリン介在の細胞接着を阻害する), J.Biol.Chem.,268(27),pp. 20352 59 (1993);およびPCT公開PCT/US91/04862)。
他の低分子VLAW阻害剤の例は報告されており、例えば、Adamsらの“Cell Adhesion Inhibitors”(細胞接着阻害剤)、PCT US97/1 3013は、細胞接着の阻害活性を有するベータアミノ酸を含む直鎖ペプチジル化合物について述べる。国際特許出願WO 94/15958および同WO 92/00995は、細胞接着の阻害活性を有する、ペプチドおよびペプチド模倣薬について述べる。国際特許出願WO 93/08823および同WO 92108464は、細胞接着を阻害するグアニジニル(guanidinyl)、尿素、およびチオ尿素含有化合物について述べる。米国特許第5,260,277は、細胞接着を修飾するグアニジニル化合物について述べる。
そのような低分子模倣物質は、複数のペプチド、準ペプチド化合物、または非ペプチド有機化合物を合成することにより作製され得る、そして次にそれら化合物を、アルファ4インテグリン/アルファ4インテグリン・リガンド相互作用を阻害する能力に関してスクリーニングする。一般に参照として、米国特許第4,833,092号、Scott and Smith,“Searching for Peptide Ligands with an Epitope Library”(エピトープライブラリーを使用した、ペプチド・リガンドのための探索),Science,249,pp. 386 90 (1990)、およびDevlin et al., ”Random Peptide Libraries: A Source of Specific Protein Binding Molecu1es”(ランダムペプチドライブラリー:特異的タンパク質結合分子の情報源),Science,249,pp. 40407 (1990)。
他の実施形態では、細胞表面アルファ4インテグリンおよび/またはアルファ4インテグリン・リガンドと結合するかそれを妨害するかそれを覆うために使用される物質は、抗VLA‐4および/または抗アルファ4ベータ7モノクローナル抗体あるいは抗体断片である。治療、特にヒトの治療のための抗体および抗体断片は、ヒト、ヒト化、およびキメラ抗体、ヒト、ヒト化、およびキメラ抗体断片、Fab、Fab’、F(ab’)2、およびF(v)抗体断片、ならびに抗体重鎖または抗体軽鎖の、あるいはそれらの混合のモノマーまたはダイマーを含む。典型的に、結合物質は、VLA‐4に結合するモノクローナル抗体である。
血液悪性腫瘍
方法は、VLA‐4結合抗体を含む組成物を使用して、血液疾患を有する患者を治療するために提供される。血液悪性腫瘍は、例えば、血液、骨髄、および/またはリンパ節に影響を及ぼす癌といった疾患である。血液悪性腫瘍は、例えばALL、AML、CML、CLL、およびHCLといった白血病; 例えばホジキン病および非ホジキンリンパ腫といったリンパ腫; ならびに、多発性骨髄腫; 骨髄異形成症候群(MDS)(それはAMLに至り得る); 例えば真性赤血球増加症(PV、PCV、または赤血球増加ルブラベラとも呼ばれる)、本態性血小板血症(ET)、骨髄線維症といった脊髄増殖性疾患; ならびに、L鎖病によるアミロイド、を含む。
血液悪性腫瘍を有する患者は、例えば、悪性細胞を同定するのに有用である光学顕微鏡検査によって、血球計算および血膜を分析することによって、同定され得る。例えば骨髄からの生検も、悪性細胞を同定するのに使用され得る、またリンパ節からの生検は、リンパ節腫脹を同定することに有用であり得る。
急性骨髄性白血病(AML)
VLA‐4結合抗体は、例えばAMLといった白血病の治療に有用である。白血病は、骨髄に由来する癌であり、そこで、悪性細胞は白血球(白血球)である。急性骨髄性白血病(急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、急性顆粒球性白血病、および急性非リンパ球性白血病とも呼ばれる)は、顆粒球または単球に由来する悪性腫瘍である。AMLは、白血病性芽球と呼ばれる細胞の制御不能で過剰な増殖および蓄積によって特徴づけられ、その細胞は正常な血球として機能せず、また正常な髄細胞の生産を阻害し、そして血液中での赤血球(貧血)、血小板(血小板減少症)、および正常な白血球(特に好中球、すなわち好中球減少症)の減少を引き起こす。
AMLのすべてのサブタイプは、VLA‐4結合抗体を使用した治療に適している。AMLのサブタイプは、診断時での骨髄芽球が達した進行段階に基づいて分類される。カテゴリーおよびサブセットによって、どのような治療がその細胞タイプのために最も作用するか、またその疾患がどれくらい速く進行し得るかを医師は決定できる。サブセットは以下の通りである:M0、骨髄芽球性、特別な分析において;M1、骨髄芽球性、成熟なし;M2、骨髄芽球性、成熟あり;M3、前骨髄球性;M4、骨髄単球性;M5、単球性;M6、赤白血病;および、M7、巨核球性。VLA‐4抗体は、特にAMLのサブタイプに適している第二の物質とともに投与され得る。例えば、急性前骨髄球性白血病(APL)および急性単球性白血病は、AMLの他のサブタイプとは異なる治療を必要とするAMLのサブタイプである。APLの治療のための第二物質は、オールトランスレチノイン酸(ATRA)または例えばシタラビンといった代謝拮抗物質を含み得る。 急性単球性白血病の治療のための第二物質は、例えば2‐クロロ−デオキシアデノシン(2‐CDA)といったデオキシアデノシン類似体を含み得る。
AMLのリスク因子は、例えばダウン症候群、ファンコーニ貧血、シュバッハマン−ダイアモンド症候群、およびその他といった特定の遺伝疾患の存在を含む。AMLおよび遺伝疾患を有する患者は、遺伝疾患の症状を治療するために、VLA‐4結合抗体および第二物質を投与され得る。例えば、AMLおよびファンコーニ貧血を有する患者は、VLA‐4結合抗体および抗生物質を投与され得る。
AMLの他のリスク因子は、異なる癌の治療のための化学療法または放射線療法、タバコ喫煙、および大量のベンゼンへの曝露を含む。
血流中または骨髄中の悪性細胞の率または割合において統計的に有意な差異がある場合、治療は効果的であるとみなされ得る。例えば、悪性細胞の徴候がみられない寛解が達せられた場合、治療は効果的であるとみなされる。
第一物質、および任意に第二物質、を投与することの有効性は、例えば、血流中でみられる悪性細胞の数の減少、細菌感染またはウイルス感染の頻度および重症度の減少、傷治癒の速度の増加、ならびに、エネルギー・レベルの増加および骨と関節の痛みの減少を含む患者一般的な感覚、に基づいて評価されることもあり得る。
ヒト研究に加えて、またはそれの前に、動物モデルは、2つの物質を使用することの有効性を評価するために用いられ得る。例えば、マウスは、本明細書で述べる第一物質および第二物質を投与され得る、そして次に、マウスは、そのモデルにおいて2つの物質を使用することの有効性を決定するために、特徴的な基準に関して評価される。そのようなモデルは本技術分野で知られており、例えば、参照として、Drug Discovery Today: Disease Models 3(2): 137−142 (2006); B1ood,on1ine March 30,2009; DOI 10.1182/blood−2009−01−198937;およびon the worldwide web at emice.nci.nih.gov/emice/mouse_models/organ_models/hema_models/hema_mouse_tools。
ナタリズマブおよび他のVLA‐4結合抗体
例えばAMLといった血液悪性腫瘍の治療での使用に適している抗体は、α4インテグリン結合抗体のナタリズマブを含む。ナタリズマブ(USAN名)は、抗体コード番号AN100226を有し、「TYSABRITM」とも呼ばれている。いかなるin vivo修飾(例えば、アミノ酸のクリッピング(clipping))を行う前のナタリズマブの軽鎖および重鎖のアミノ酸配列を、表1−1および表1‐2に示す。
ナタリズマブは、血液から中枢神経系への白血球の移動を阻害する。ナタリズマブは、活性化T細胞および他の単核白血球の表面のVLA‐4(α4β1とも呼ばれる)と結合する。それは、T細胞と内皮細胞との間の接着を妨害し得る、したがって、実質への内皮を通じた単核白血球の移動を阻害する。結果として、炎症誘発性サイトカインの濃度も、減少され得る。
ナタリズマブおよび関連VLA‐4結合抗体は、例えば、米国特許第5,840,299号に述べられる。モノクローナル抗体21.6およびHP1/2は、VLA‐4と結合する例示的なマウス・モノクローナル抗体である。ナタリズマブは、マウス・モノクローナル抗体21.6のヒト化バージョンである(参照として、例えば米国特許第5,840,299号)。HP1/2のヒト化バージョンも、述べられてきた(参照として、例えば米国特許第6,602,503号)。例えばHP2/1、HP2/4、L25、およびP4C2といったいくつかのさらなるVLA‐4結合モノクローナル抗体は、例えば、米国特許第6,602,503号; Sanchez‐Madrid et al., 1986 Eur. J. Immunol., 16:1343−1349; Hemler et al., 1987 J. Biol. Chem. 2:11478−11485; Issekutz and Wykretowicz, 1991, J. Immunol., 147: 109 (TA−2 mab); Pulido et al., 1991 J. Biol. Chem., 266:10241−10245;および、米国特許第5,888,507号)に述べられる。
いくつかのVLA‐4結合抗体は、例えばVCAM−1またはフィブロネクチンといった関連リガンドとの結合に関与するα4サブユニットのエピトープを認識する。そのような抗体の多くは、関連リガンド(例えば、VCAM−1またはフィブロネクチン)にVLA‐4が結合するのを阻害する。
いくつかの有用なVLA‐4結合抗体は、例えばリンパ球といった細胞のVLA‐4と相互作用し得るが、細胞凝集を引き起こさない。しかし、他のVLA‐4結合抗体は、そのような凝集を引き起こすことが見られた。HP1/2は、細胞凝集を引き起こさない。HP1/2モノクローナル抗体(Sanchez‐Madrid et al., 1986)は、非常に高い能力を有し、VCAM1およびフィブロネクチンの両方とのVLA‐4相互作用を妨害し、VLA‐4のエピトープBに関する特異性を有する。この抗体および他のBエピトープ特異性抗体(例えばB1またはB2エピトープ結合抗体; Pulido et al., 1991, supra)は、本明細書で述べる製剤および方法において使用され得るVLA‐4結合抗体の1つのクラスを代表する。
例示的なVLA‐4結合抗体は、1つまたはそれ以上のCDRを有し、例えば本明細書で開示する特定の抗体の全3つのHC CDRおよび/または全3つのLC CDRであり、あるいは例えばナタリズマブといったそのような抗体に合計で少なくとも80%、85%、90%、92%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるCDRである。一実施形態では、H1およびH2超可変ループは、本明細書で述べる抗体のものと同様の標準的構造を有する。一実施形態では、L1およびL2超可変ループは、本明細書で述べる抗体のものと同様の標準的構造を有する。
一実施形態では、HCおよび/またはLC可変領域配列のアミノ酸配列は、例えばナタリズマブといった本明細書で述べる抗体のHCおよび/またはLC可変領域のアミノ酸配列と、少なくとも70%、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%、または100%同一である。HCおよび/またはLC可変領域配列のアミノ酸配列は、例えばナタリズマブといった本明細書で述べる抗体の対応配列から、少なくとも1個のアミノ酸によって異なり得るが、10個、8個、6個、5個、4個、3個、または2個のアミノ酸を超えない。例えば、違いは、主にまたは完全に、フレームワーク領域にあり得る。
HCおよびLC可変領域配列のアミノ酸配列は、非常に厳密な条件下において本明細書で述べる核酸配列にハイブリダイズする核酸配列によりコードされ得る、または本明細書で述べる可変領域またはアミノ酸配列をコードする核酸配列によりコードされ得る。一実施形態では、HCおよび/またはLC可変領域の1つまたはそれ以上のフレームワーク領域(例えばFR1、FR2、FR3、および/またはFR4)のアミノ酸配列は、本明細書で述べる抗体のHCおよびLC可変領域の対応フレームワーク領域と少なくとも70%、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%、または100%同一である。一実施形態では、1つまたはそれ以上の重鎖または軽鎖フレームワーク領域(例えばHC FR1、FR2、およびFR3)は、ヒト生殖細胞系抗体からの対応フレームワーク領域の配列と少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または100%同一である。
2つの配列間の「相同性」または「配列同一性」(本明細書ではこれらの用語は同じ意味で使用される)の計算は、以下の通りに行われる。配列は、最適比較目的のために一列に並べられる(例えば、最適アラインメントのために第一および第二のアミノ酸または核酸配列の一方または両方にギャップを導入し得る、そして非相同性の配列は比較目的に関して無視され得る)。最適アラインメントは、GCGソフトウェア・パッケージのGAPプログラムを使用し、スコア行列(scoring matrix)Blossum 62、ギャップ・ペナルティー(gap penalty)12、ギャップ伸長ペナルティー(gap extend penalty)4、およびフレームシフト・ギャップ・ペナルティ(frameshift gap penalty)5で、最高スコアとして決定される。次に、対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置でのアミノ酸残基またはヌクレオチドは、比較される。第一の配列の位置が、第二の配列の対応位置と同一のアミノ酸残基またはヌクレオチドによって占められている場合は、したがって、その位置では分子は同一である(本明細書で使用されるように、アミノ酸または核酸の「同一性」は、アミノ酸または核酸の「相同性」と等しい)。2つの配列間の同一性の割合は、配列により共有される同一位置の数の関数である。
本明細書で使用されるように、「非常に厳密な条件下においてハイブリダイズする」という用語は、ハイブリダイゼーションおよび洗浄に関する条件を述べる。ハイブリダイゼーション反応を行うためのガイダンスは、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, N.Y. (1989), 6.3.1‐6.3.6において見つかり得る、ここでそれを参照として本明細書に組み込む。水性またはで非水性の方法が、その参照で述べられ、そのどちらも使用され得る。非常に厳密なハイブリダイゼーション条件は、約45℃で6X SSCでのハイブリダイゼーションそして次に65℃で0.2X SSCと0.1%SDSでの1回またはそれ以上の洗浄、または実質的に類似した条件を含む。
例示的な第二物質
いくつかの場合では、血液疾患を治療する方法は、VLA‐4結合抗体および第二の治療物質を投与することを含む。
一実施形態では、VLA‐4結合抗体および第二物質は、共同製剤(co‐formulation)として提供され、共同製剤は対象者に投与される。さらに可能であるのは、例えば、共同製剤の投与の前または後の少なくとも24時間に、抗体製剤の1用量と次に第二物質を含む製剤の1用量を別々に投与することである。他の実施形態では、抗体および第二物質は、別々の製剤として提供され、そして投与の工程は、抗体と第二物質を連続して投与することを含む。 連続投与は、同日中(例えば、お互いを1時間以内に、または少なくとも3時間、6時間、または12時間の間隔を空けて)に、または異なる日に提供され得る。
一実施形態では、抗体および第二物質のそれぞれは、複数の用量が時間内に別々に投与される。抗体および第二物質のそれぞれは、通常、投薬計画に従って投与される。一方または両方の投薬計画は、規則的な周期性を有し得る。抗体のための投薬計画は、第二物質のための投薬計画と異なる周期性を有し得る、例えば、一方は他方よりもより頻繁に投与され得る。一実施形態では、抗体および第二物質のうち一方は、1週間に1回投与され、他方は1カ月に1回投与される。他の実施形態では、抗体および第二物質のうち一方は、連続して投与され、例えば、30分間を超えるが1時間、2時間、4時間、または12時間未満にかけて投与され、そして他方はボーラスで投与される。抗体および第二物質は、あらゆる適した方法によって投与され得る、例えば皮下に、筋肉内に、または静脈内によって。
いくつかの実施形態では、抗体および第二物質のそれぞれは、それぞれが単独療法のために処方されるのと同じ用量で投与される。他の実施形態では、抗体は、単独で投与される場合での有効性のために必要とされる量と等しいまたはそれ未満の用量で投与される。同様に、第二物質は、単独で投与される場合での有効性のために必要とされる量と等しいまたはそれ未満の用量で投与され得る。
例えばAMLといった血液悪性腫瘍を、VLA‐4結合抗体と併用して治療するための第二物質の非限定的な例は、シタラビン(AraCまたはシトシンアラビノシドとも呼ばれる)、ダウノルビシン(ダウノマイシン)、ドキソルビシン、テモゾロマイド、ダウノマイシン、ダクチノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、エソルビシン、ブレオマイシン、マホスファミド、イホスファミド、ゲムツズマブ・オゾガマイシン、リツキシマブ、オファツムマブ、トシツモマブ、イブリツモマブツキセタン、エプラツズマブ、アレムツズマブ、フルダラビン、ビス−クロロエチルニトロソウレア(bis‐chloroethylnitrosurea)、ブスルファン、マイトマイシンC、アクチノマイシンD、ミトラマイシン、プレドニゾン、ヒドロキシプロゲステロン、テストステロン、タモキシフェン、ダカルバジン、プロカルバジン、ヘキサメチルメラミン、ペンタメチルメラミン、ミトキサントロン、アムサクリン、クロラムブシル、メチルシクロヘキシルニトロソウレア(methylcyclohexylnitrosurea)、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、シクロホスファミド、6−メルカプトプリン、6‐チオグアニン、5−アザシチジン、水酸化尿素、デオキシコホルマイシン(ペントスタチン)、2‐クロロデオキシアデノシン(クラドリビン)、4‐ヒドロキシペルオキシシクロホスホルアミド(4‐hydroxyperoxycyclophosphor‐ amide)、5‐フルオロウラシル(5‐FU)、5‐フルオロデオキシウリジン(5‐FUdR)、メルファラン、メトトレキサート(MTX)、コルヒチン、タキソール、ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド(VP‐16)、トリメトレキセート、イリノテカン、トポテカン、ゲムシタビン、テニポシド、シスプラチン、およびジエチルスチルベストロール(DES)を含む。参照として、一般に、The Merck Manual of Diagnosis and Therapy, 15th Ed. 1987, pp. 1206−1228, Berkow et al., eds., Rahway, N.J点。本発明で特徴付けるdsRNAとともに使用される場合、そのような化学療法剤は単独で(例えば、5‐FUおよびオリゴヌクレオチド)、連続して(例えば、一定期間の5‐FUおよびオリゴヌクレオチドの次に、MTXおよびオリゴヌクレオチド)、または、1つまたはそれ以上の他のそのような化学療法剤の組合せで(例えば、5‐FU、MTX、およびオリゴヌクレオチド、または5‐FU、放射線療法、およびオリゴヌクレオチド)使用され得る。非ステロイド性抗炎症剤および副腎皮質ステロイドを含むがこれらに限定されない抗炎症剤、ならびにリバビリン、ビダラビン、アシクロビル、およびガンシクロビルを含むがこれらに限定されない抗ウイルス剤は、本発明で特徴付ける組成物と組合せられ得る。参照として、一般に、The Merck Manual of Diagnosis and Therapy, 15th Ed., Berkow et al., eds., 1987, Rahway, N.J., pages 2499−2506 and 46‐49, respectively。
第二の治療物質は、例えばボルテゾミブといったプロテアソーム阻害物質;例えばソラフェニブといったFlt3阻害物質;または、例えばプレリキサホルといった幹細胞動員物質でもあり得る。
他の非RNAi化学療法剤は、本発明の範囲内でもある。
2つまたはそれ以上の組合せの化合物は、併用してまたは連続して使用され得る。
いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍を有する患者は、VLA‐4結合抗体の投与に加えて、治療を受ける。例えば、患者は、輸血、放射線療法、免疫治療、または骨髄移植を受ける。一実施形態では、患者は、AMLを有し、そしてVLA‐4抗体治療に加えて、血液幹細胞移植を受ける。
いくつかの実施形態では、第二物質は、悪性腫瘍の1つまたはそれ以上の症状または副作用を治療するために使用され得る。副作用は、例えば、貧血(それは、疲労と息切れを引き起こし得る)、感染の増加、骨および関節の痛み、微熱、打撲しやすい、出血しやすい(例えば、歯肉出血または鼻血、あるいはゆっくり回復する切り傷)を含む。そのような物質は、例えば、抗生物質または鉄サプリメントを含む。例示的な抗生物質は、例えば、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アントラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カリケアマイシン、カラビシン(carabicin)、カルミノマイシン(caminomycin)、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、6‐ジアゾ‐5‐オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン類、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、クエラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシンを含み;例えばメトトレキサートおよび5‐フルオロウラシル(5‐FU)といった代謝拮抗物質;例えばデノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキセートといった葉酸類似体;例えばフルダラビン、6‐メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンといったプリン類似体;例えばアンシタビン、アザシチジン、6‐アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロキシウリジン、例えばプロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン、カルステロンなどのアンドロゲン、といったピリミジン類似体;例えばアミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンといった抗副腎類;例えばフォリン酸(frolinic acid)といった葉酸補充薬;アセグラトン;アルドホスファミド配糖体;アミノレブリン酸;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトレキサート;デフォファミン(defofamine);デメコルチン;ジアジクオン;デュオカルマイシン、メイタンシン、アウリスタチン(auristatin)、エルホミチン;エリプチニウム酢酸塩;エトグルシド;硝酸ガリウム;水酸化尿素;レンチナン;ロニダミン;ミトグアゾン;ミトキサントロン(ノバントロン);モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメット(phenamet);ピラルビシン;ポドフィリン酸;2‐エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSKTM;ラゾキサン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2”−トリクロロトリエチルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポプロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara‐C」、シタラビン、およびシトシンアラビノシドとも呼ばれる);シクロホスファミド;チオテパ;例えばパクリタキセル(TAXOLTM、Bristol‐Myers Squibb Oncology、プリンストン、ニュージャージー州)およびドセタキセル(TAXOTERETM、Rhone‐Poulenc Rorer、アントニー、フランス)といったタキサン類;クロラムブシル;ゲムシタビン;6‐チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;例えばシスプラチンおよびカルボプラチンといったプラチナ類似体;ビンブラスチン;プラチナ;エトポシド(VP‐16);イホスファミド;マイトマイシンC;ミトキサントロン(ノバントロン);ビンクリスチン;ビノレルビン(ナベルビン);ノバントロン;テニポシド;ダウノルビシン(ダウノマイシン);アミノプテリン;カペシタビン(ゼローダ);イバンドロナート;カンプトセシン‐11(CPT−1);トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸;エスペラミシン;カペシタビン;ならびに、上記のいかなる物質の医薬的に許容し得る塩類、酸、または誘導体、である。また、適した化学療法細胞調整剤(chemotherapeutic cell conditioners)として含まれるのは、腫瘍に及ぼすホルモン作用を制御または阻害する機能を有する抗ホルモン物質であり、物質は、例えばタモキシフェン、ラロキシフェン、アロマターゼ阻害4(5)‐イミダゾール、4‐ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY 117018、オナプリストン、およびトレミフェン(フェアストン)といった抗エストロゲン;ならびに、例えばフルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、ゴセレリン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、デュオカルマイシン、ビンクリスチン、およびビンブラスチンといった抗アンドロゲンである。
いくつかの実施形態では、第二物質は、第二の抗アルファ4結合抗体、または二重特異性抗体である。例えば、VLA‐4結合抗体およびアルファ4ベータ7結合抗体(またはその断片)は、血液悪性腫瘍の治療のために投与され得る。
第二物質に加えて、さらに他の物質を対象者に提供することも可能である。しかし、いくつかの実施形態では、VLA‐4結合抗体および第二物質以外は、非タンパク質物質または非生物学的物質が医薬組成物として対象者に投与される。VLA‐4結合抗体および第二物質のみが、注射によって投与される物質であり得る。VLA‐4結合抗体および第二物質が組み換えタンパク質である実施形態では、VLA‐4結合抗体および第二物質のみが、患者に投与される組み換え物質であり得る、あるいは免疫反応または炎症反応を変化させる少なくとも唯一の組み換え物質であり得る。さらに他の実施形態では、VLA‐4結合抗体だけが、患者に投与される唯一の組み換え物質または唯一の生物学的物質である。
医薬組成物
本明細書で述べる組成物は、医薬組成物として形成される。典型的に、医薬組成物は、医薬的に許容し得るキャリヤを含む。本明細書で使用されるように、「医薬的に許容し得るキャリヤ」は、あらゆるおよびすべての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌性物質、抗真菌性物質、等張化物質、吸収遅延物質、および生理的に適合する物質などを含む。
「医薬的に許容し得る塩」は、抗体の望ましい生物活性を保持し、いかなる望ましくない毒性的な影響も与えない塩を意味する(参照として、例えば、S.M., et al. (1977) J. Pharm. Sci. 66:1‐19)。そのような塩の例は、酸付加塩および塩基付加塩を含む。酸付加塩は、例えば塩化水素、窒素、リン、硫黄、臭化水素、ヨウ化水素などといった非毒性無機酸に由来するもの、および例えば脂肪族モノカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、芳香酸、脂肪族スルホン酸、芳香族スルホン酸、遊離アミノ酸などといった非毒性有機酸に由来するものを含む。塩基付加塩は、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属から由来するもの、および例えばN,N’−ジベンジルエチレンジアミン、N−メチルグルカミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、プロカインなどといった非毒性有機アミンに由来するものを含む。
例えば遊離アミノ酸、遊離アミノ酸の塩酸塩、ナトリウム塩、またはカリウム塩といった、典型的な生理的に適合する物質は、抗体の安定性を高めるために、医薬製剤の付形剤として使用される。本明細書の製剤は、安定性を高めるために、例えばグリセロール、マンニトール、ソルビトール、他の多価アルコール、および糖(例えば蔗糖)といった添加物を含み得る。
VLA‐4結合抗体を含む医薬組成物は、液体溶液(例えば、注射可能な溶液および注入可能な溶液)の形であり得る。そのような組成物は、非経口的な方法(例えば、皮下投与、腹膜内投与、または筋肉内投与)によって投与され得る。本明細書で使用されるように「非経口投与」および「非経口的に投与される」という語句は、腸内投与および局所投与以外の投与方法を意味し、通常は注射による方法であり、皮下投与または筋肉内投与、ならびに静脈内、関節包内、眼窩内、心臓内、皮内、腹膜内、経気管、表皮下、被膜下、くも膜下、髄腔内、硬膜外、肝内、関節内(intrarticular)、滑液嚢内、髄腔内、病巣内、リンパ管内、頭蓋内、および胸骨内(intrasternal)の注射および注入を含む。いくつかの実施形態では、例えばヒアルロニダーゼといった物質は、抗体の前に投与され得る、このことによって抗体のより多い量が皮下で投与され得る。 一実施形態では、本明細書で述べる製剤は、皮下に投与される。
医薬組成物は、製造および保管の条件下において無菌で安定している。医薬組成物は、それが投与のための規制基準および工業基準を満たすことを保証するために試験も受け得る。
VLA‐4結合抗体を含む医薬組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、分散物、リポソーム、または抗体高濃度に適した他の注文構造として形成され得る。無菌の注射可能な溶液は、本明細書で述べる物質を、必要量で適した溶媒に、必要ならば上記で列挙した成分の1つまたは組合せとともに、組合せて、次にフィルター処理での殺菌を行うことによって調製され得る。通常、分散物は、基本的な分散媒、および上記で列挙した必要な他成分を含む無菌賦活剤に、本明細書で述べる物質を組入れることによって調製される。溶液の適した流動性は、例えば、レシチンといったコーティングの使用により、分散の場合では必要な粒径を維持することにより、および、界面活性剤の使用により、維持され得る。注射可能な組成物の持続的吸収は、例えばモノステアリン酸塩およびゼラチンといった吸収を遅延させる物質を組成物に含むことによって得られ得る。
抗体製剤を作製する方法
VLA‐4結合抗体製剤を含む製剤は、米国特許出願公開(U.S. Published Application)第2005/0053598号、またはWO2008157356で述べられるように作製され得る。これら両方の出願の内容は、参照として本明細書に組み込む。
投与
VLA‐4結合抗体を含む組成物は、様々な方法によって、例えばAMLといった血液悪性腫瘍を有する、例えば被験者といった対象者に投与され得る。典型的に、例えば皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、肝内、病巣内、および頭蓋内の注射技術または注入技術によって、VLA‐4結合抗体は、非経口的に投与される。いくつかの実施形態では、抗体を含む組成物は、鼻腔内に投与される。
細胞接着を防止、抑制、または阻害するのに効果的なVLA‐4結合抗体または抗体断片を含む組成物の用量および投薬速度は、例えば、抗体または断片の性質、患者のサイズ、治療の目的、治療する病変の性質、使用する特定の医薬組成物、および治療を行う医師の判断といった様々な要因に依存するであろう。用量レベルは、例えば活性成分組成物が1日につき約0.1と約50mg/kg体重の間といった、1日につき約0.001と約100mg/kg体重の間であるのが有用である。典型的に、VLA‐4抗体または抗体断片は、例えば約0.1 mg/kg体重/日と約10mg/kg体重/日の間で1〜90日毎の間隔でといった、用量範囲が約0.1mg/kg体重/日と約20mg/kg体重/日の間で投与されるであろう。抗体組成物は、少なくとも1mg/mlの抗体の血漿濃度を提供するために効果的な量で投与され得る。用量の最適化は、結合物質の投与の次に、in vivoに提供された用量の投与後における物質によるVLA‐4陽性細胞のコーティングを経時的に測定することによって決定され得る。
組成物は、固定用量として、または1mg/kg用量として投与され得る。典型的に、投与は固定用量である。例えば、製剤は、固定単位用量が4週毎(例えば1カ月毎)に1mgと500mgの間(例えば、1mg、50mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg)で、または2週毎に50mgと250mgの間(例えば、75mg、100mg、150mg、200mg)で、または1週毎に25mgと150mgの間(例えば、50mg、75mg、100mg、125mg)で、投与され得る。製剤は、例えば約6.0、4.0、3.0、2.0、1.0mg/kgといった1と8mg/kgの間の用量でのボーラスでも投与され得る。変更用量範囲は、500、400、300、250、200、150、または100mg/対象者、よりも少ない用量を含み、典型的に、4週毎または1カ月毎の投与である。一実施形態では、用量の合計は、28日毎で50mgから1200mg(例えば、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1000mg、1100mg)である。VLA‐4結合抗体は、例えば、4週毎、5週毎、6週毎、7週毎、または8週毎といった、3週毎から9週毎に投与され得る。
投与計画は、例えば治療反応といった望ましい反応を提供するように調整され得る。用量は、VLA‐4結合抗体に対する抗体の生産を減らすまたは避けるために、α4サブユニットの40%、50%、70%、75%、または80%を超える飽和を達成するために、α4サブユニットの80%、70%、60%、50%、または40%未満の飽和を達成するために、または、循環する白血球濃度の増加を防止するために、選択され得る。
VLA‐4結合抗体の毒性および治療有効性は、細胞培養または実験動物での標準的な製薬手順で測定され得る、例えば、LD50(集団の50%が致死となる用量)とED50(集団の50%に治療効果がある用量)がある。毒性効果と治療効果との間の用量比は、治療指数であり、それは比率LD50/ED50として表され得る。高い治療指数を示す化合物が、典型的である。
細胞培養アッセイおよび動物実験から得られるデータは、ヒトで使用するための用量範囲を形成するのに使用され得る。組成物の用量は、通常は、毒性をほとんど有さないまたは毒性を有さないED50を含む循環濃度の範囲内にある。用量は、使用される剤形および利用される投与経路に依存し、この範囲内で変化し得る。本発明で特徴付ける方法で使用されるあらゆる化合物に関して、治療的な有効量は、最初に細胞培養アッセイにより推定され得る。用量は、細胞培養で決定されるIC50(すなわち、症状の半分の最大阻害を達成する試験化合物の濃度)を含む化合物、または適切な場合には、標的配列のポリペプチド生成物(例えば、ポリペプチドの濃度減少を達成する)、の循環血漿中濃度範囲を達成するために動物モデルで形成され得る。そのような情報は、ヒトでの有用な用量をより正確に決定するのに使用され得る。血漿中濃度は、例えば高速液体クロマトグラフィーによって測定され得る。
特定の実施形態では、活性物質は、抗体を急速な放出から守るであろうキャリヤとともに調製され得る、例えば、インプラントを含む放出制御製剤、およびマイクロカプセル化送達システムがある。生物分解可能で生体適合性のポリマーが使用され得る、例えば、エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル類、およびポリ乳酸がある。そのような製剤の調製のための数多くの方法は、特許権を得ているまたは一般に知られている。参照として、例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems, J.R. Robinson, ed., Marcel Dekker, Inc., New York, 1978。
投与計画は、例えば治療反応といった望ましい反応を提供するように調整され得る。「治療反応」は、統計的に有意な程度あるいは当業者に検出可能な程度での、疾患関連の状態、症状、またはパラメータの改善である。
本明細書で使用される用量単位形または「固定用量」は、治療される対象者のための単位用量として適している物理的に個別の単位を意味する; 各単位は、必要な医薬的キャリヤに関連して、および任意に他の物質に関連して望ましい治療効果を生じさせるために計算されそしてあらかじめ定量された活性抗体量を含む。
医薬組成物は、本明細書で述べる例えばナタリズマブといったVLA‐4結合抗体の「治療的な有効量」を含み得る。そのような有効量は、投与される物質の効果、または1つを超える物質が使用される場合は物質と第二物質の組合せの効果、に基づいて決定され得る。物質の治療的な有効量は、例えば疾患状態、年齢、性別、個人の体重といった因子、ならびに例えばAMLパラメータなど少なくとも1つの疾患パラメータの改善または例えばAMLなどの疾患の少なくとも1つの症状の改善といった、個人での望ましい反応を誘発する抗体の能力、に従っても変化し得る。治療的な有効量は、組成物のあらゆる毒性または有害な効果が治療的に有益な効果によって圧倒されるものでもある。
装置およびキット
例えばAMLといった血液悪性腫瘍の治療のためのVLA‐4結合性抗体(例えばナタリズマブ)を含む組成物は、医療装置により投与され得る。装置は、携帯性、室温保管、および使いやすさをデザインされ得るまたは特徴として有し得る、したがって、例えば、訓練を受けていない対象者により、または医療設備および他の医療機器がない野外における救急隊員により、緊急事態で使用され得る。装置は、例えば、VLA‐4結合抗体(例えばナタリズマブ)を含む医薬品を保管するために1つまたはそれ以上のハウジングを含み得る、また物質の1つまたはそれ以上の単位用量を送達するために設定され得る。
例えば、医薬組成物は、例えば皮下注射器またはマルチチャンバー注射器(multichamber syringe)を含む注射器といった経皮的送達装置により投与され得る。一実施形態では、装置は、針付きまたは針一体型のあらかじめ充填された注射器である。他の実施形態では、装置は、針付きではないあらかじめ充填された注射器である。針は、あらかじめ充填された注射器とともに包装され得る。一実施形態では、装置は、例えば自動注入注射器といった自動注射装置である。他の実施形態では、注射装置は、ペン型注射器である。しかし他の実施形態では、注射器は、固定針(staked needle)注射器、ルアーロック注射器、またはルアースリップ注射器である。他の適した送達装置は、ステント、カテーテル、極微針、およびインプラント放出制御装置を含む。組成物は、例えばインラインフィルター有りまたは無しでのIVチューブを含む標準的なIV装置で、静脈内投与され得る。特定の実施形態では、装置は、SC投与またはIM投与に使用される注射器である。
医薬組成物は、医療装置で投与され得る。例えば、医薬組成物は、例えば米国特許第5,399,163号、同第5,383,851号、同第5,312,335号、同第5,064,413号、同第4,941,880号、同第4,790,824号、または同第4,596,556号で開示される装置といった、針なしの皮下注射装置で投与され得る。よく知られたインプラントおよびモジュールの例は、以下を含む:米国特許第4,487,603号、それは制御速度で薬剤を投与するためのインプラント・マイクロ注入ポンプを開示する; 米国特許第4,486,194号、それは皮膚を通して薬剤を投与するための治療的な装置を開示する;米国特許第4,447,233号、それは正確な注入速度で薬剤を送達するための薬剤注入ポンプを開示する;米国特許第4,447,224号、それは連続薬物送達のための変流量のインプラント注入装置を開示する;米国特許第4,439,196号、それはマルチチャンバー区画(multi−chamber compartments)を有する浸透圧薬物送達システムを開示する;および、米国特許第4,475,196号、それは浸透圧薬物送達システムを開示する。治療組成物は、皮下投与または筋肉内投与のための、生物分解可能であるまたは生物分解性でない徐放製剤の形でもあり得る。参照として、例えば、米国特許第3,773,919号、同第4,767,628号、およびPCT特許出願番号WO 94/15587。連続投与は、インプラント・ポンプまたは外部ポンプを使用して達成され得る。投与は、例えば毎日ごとの単回注射といった断続的にも行われ得る、または例えば徐放製剤といった連続的に低用量でも行われ得る。送達装置は、VLA‐4結合抗体の投与に最適とするために修正され得る。例えば、注射器は、抗VLA‐4抗体の保管および配送のために最適である範囲で、シリコンで覆われ得る。もちろん、他のそのようなインプラント、送達システム、およびモジュールも数多く知られている。
本発明は、第一物質および第二物質を投与する装置も特徴付ける。装置は、例えば医薬品を保管するために1つまたはそれ以上のハウジングを、含み得る、また第一物質および第二物質の単位用量を送達するために設定され得る。第一物質および第二物質は、同じまたは別々の区画に保管され得る。例えば、装置は、投与の前に物質を組合せ得る。第一物質および第二物質を投与するために異なる装置を使用することも、可能である。
VLA‐4結合抗体(例えばナタリズマブ)は、キットで提供され得る。一実施形態では、キットは、(a)高濃度のVLA‐4結合抗体を含む組成物を含む容器、任意に(b)第二物質を含む組成物を含む容器、および任意に(c)情報材料、を含む。情報材料は、記述的、指導的、販売的、あるいは本明細書で述べる方法および/または治療的な利益のための物質の使用に関連する他の材料、であり得る。一実施形態では、キットは、例えば化学療法剤といった第二物質を含む。例えば、キットは、VLA‐4結合抗体を含む組成物を含む第一の容器、および第二物質を含む第二の容器を含む。一実施形態では、キットは、本明細書で述べる高濃度の液体抗体製剤であらかじめ充填した1つまたはそれ以上の使い捨て注射器を含む。
キットの情報材料は、その形に制限はない。一実施形態では、情報材料は、抗体生産、濃度、有効期限、バッチ、または生産場所情報、およびその他に関する情報を含み得る。一実施形態では、情報材料は、血液悪性腫瘍(例えばAML)を有する対象者、または血液悪性腫瘍に関連した症状の発現を経験するリスクを有する対象者を治療するための、例えば適した用量、剤形、または投与方法(例えば、本明細書で述べる適した用量、剤形、または投与方法)といった、VLA‐4結合抗体(例えばナタリズマブ)を投与する方法、に関連する。情報は、印刷されたテキスト、コンピュータで読取り可能な材料、ビデオ録画、または音声記録、あるいは実質的な材料へのリンクまたはアドレスを提供する情報、を含む様々な形式で提供され得る。
物質に加えて、キットの組成物は、例えば溶媒またはバッファー、安定剤、あるいは防腐剤といった他の成分を含み得る。物質は、例えば液状、乾燥形または凍結乾燥形、ならびに実質的な純粋形および/または無菌形、といったあらゆる形で提供され得る。物質が液体溶液で提供される場合、液体溶液は、例えば、水溶液である。物質が乾燥形として提供される場合、再構成は、通常、適した溶媒の添加による。例えば滅菌水またはバッファーといった溶媒は、キットで任意に提供され得る。
キットは、物質を含む組成物または複数の組成物のために、1つまたはそれ以上の容器を含み得る。いくつかの実施形態では、キットは、組成物および情報材料のために、個別の容器、仕切り、または区画を含む。例えば、組成物は、ビン、小びん、または注射器に含まれ得る、情報材料は、プラスチック・スリーブまたは小箱に含まれ得る。他の実施形態では、キットの個別の要素は、1つの仕切りのない容器内に含まれる。例えば、組成物は、ビン、小びん、または注射器に含まれ、情報材料はラベルの形でそれに付けられている。いくつかの実施形態では、キットは、複数の個別の容器を含み(例えばパック)、それぞれが物質の1つまたはそれ以上の単位剤形(例えば、本明細書で述べる剤形)を含む。容器は、例えば、VLA‐4結合抗体(例えばナタリズマブ)と例えば化学療法剤などの第二物質を望ましい比率で含むといった、組合せの単位用量を含み得る。例えば、キットは、複数の注射器、アンプル、ホイル小箱、ブリスターパック、または医療装置を含み、そして例えば、それぞれが組合せの単位用量を1つ含む。キットの容器は、気密性、防水性(例えば、湿気または蒸発における変化を通さない)、および/または、遮光性であり得る。
キットは、例えば注射器または他の適した送達装置といった、組成物の投与に適した装置を任意に含む。装置は、物質の一方または両方をあらかじめ充填して提供され得る、または空であり得るが、充填に適しているものである。
抗体生成
VLA‐4と結合する抗体は、例えば動物を使用した、免疫化によって、または例えばファージディスプレイといったin vitro方法によって生成され得る。VLA‐4の全部または一部が、免疫原として使用され得る。例えば、α4サブユニットの細胞外領域が、免疫原として使用され得る。一実施形態では、免疫性を与えられた動物は、天然、ヒト、または部分的にヒトの免疫グロブリン遺伝子座を有する免疫グロブリン産出細胞を含む。一実施形態では、ヒト以外の動物は、少なくともヒト免疫グロブリン遺伝子の一部を含む。例えば、マウス種を、ヒトIg遺伝子座の多数の断片によって、マウス抗体生産が欠損したものに改変することが可能である。ハイブリドーマ技術を使用して、望ましい特異性を有する遺伝子に由来する抗原特異性モノクローナル抗体は、生産され選択され得る。参照として、例えば、XenoMouseTM, Green et al. Nature Genetics 7:13−21 (1994)、米国2003‐0070185、米国特許第5,789,650号、およびWO 96/34096。
VLA‐4への非ヒト抗体も、例えば齧歯動物で、生産され得る。非ヒト抗体は、例えば米国特許第6,602,503号、EP 239 400、米国特許第5,693,761号、および米国特許第6,407,213号に述べられているように、ヒト化され得る。
EP 239 400(Winter et al.)は、ある動物種の相補性決定領域(CDR)を、他の動物種のものと置換する(ある可変領域内で)ことによって、抗体を改変することを述べる。CDR置換抗体は、真のキメラ抗体と比較して、ヒトでの免疫反応を引き起こしにくいものであり得る、その理由としてCDR置換抗体は、顕著に少ない非ヒト要素を含むためである(Riechmann et al., 1988, Nature 332, 323‐327; Verhoeyen et al., 1988, Science 239, 1534‐1536)。典型的に、マウス抗体のCDRは、望ましい置換抗体をコードする配列を生産する組み換え核酸技術を使用して、ヒト抗体の対応領域に置換される。望ましいアイソタイプのヒト定常領域遺伝子セグメント(通常、CHのためのガンマIおよびCLのためのカッパ)は、添加され得る、またヒト化重鎖および軽鎖遺伝子は、可溶性ヒト化抗体を生産するために、哺乳類細胞で共発現され得る。
Queen et al., 1989およびWO 90/07861は、元のマウス抗体のV領域フレームワークに相同的な最適タンパク質配列のために、コンピュータ分析によってヒトV領域フレームワークを選択すること、およびマウスCDRと相互作用しそうであるフレームワーク・アミノ酸残基を視覚化するために、マウスV領域の三次構造をモデリングすること、を含むプロセスを述べた。これらのマウス・アミノ酸残基は、次に、相同的なヒト・フレームワークに重ねられる。また、参照として、米国特許第5,693,762号;同第5,693,761号;同第5,585,089号;および、同第5,530,101号。Tempest et al., 1991, Biotechnology 9, 266−271は、マウス残基の完全な導入(radical introduction)を伴わないCDR‐グラフティングのために、NEWMおよびREIの重鎖および軽鎖にそれぞれ由来するV領域フレームワークを標準として利用する。NEWMおよびREIに基づくヒト化抗体を構築するために、Tempestらのアプローチを使用する利点は、NEWMおよびREIの可変領域の三次元構造がX線結晶学により知られており、したがってCDRとV領域フレームワーク残基との間の特定の相互作用がモデル化され得ることである。
非ヒト抗体は、例えば特定の位置での一致するヒト・アミノ酸残基といったヒト免疫グロブリン配列、を挿入する置換を含むために、修飾され得る、置換は、例えば、次の位置の1個またはそれ以上(例えば少なくとも5個、10個、12個、またはすべて)で生じる:(軽鎖の可変領域のFR内で)4L、35L、36L、38L、43L、44L、58L、46L、62L、63L、64L、65L、66L、67L、68L、69L、70L、71L、73L、85L、87L、98L、および/または(重鎖の可変領域のFR内で)2H、4H、24H、36H、37H、39H、43H、45H、49H、58H、60H、67H、68H、69H、70H、73H、74H、75H、78H、91H、92H、93H、および/または103H(Kabat番号付け(numbering)による)。参照として、例えば米国特許第6,407,213号。
VLA‐4に結合する完全なヒト・モノクローナル抗体は、生産され得る、例えば、Boerner et al., 1991, J. Immunol., 147, 86‐95によって述べられるように、in vitro感作ヒト脾細胞を使用することによって。それらは、Persson et al., 1991, Proc. Nat. Acad. Sci. USA, 88: 2432−2436、またはHuang and Stollar, 1991, J. Immunol. Methods 141, 227‐236;また、米国特許第5,798,230号、によって述べられるレパートリー・クローニング(repertoire cloning)によって調製され得る。大型非免疫ヒト・ファージディスプレイライブラリーは、標準的なファージ技術を使用してヒト治療剤として開発され得る高親和性抗体を単離するために、使用され得る(参照として、例えば、Vaughan et al, 1996; Hoogenboom et al. (1998) Immunotechnology 4:1‐20; およびHoogenboom et al. (2000) Immunol Today 2:371−8; 米国 2003‐0232333)。
抗体生産
抗体は、原核細胞中および真核細胞中で生産され得る。一実施形態では、抗体(例えばscFvs)は、例えばPichia(参照として、例えばPowers et al. (2001) J Immunol Methods. 251:123−35)、Hanseula、またはSaccharomycesといった酵母細胞中で発現される。
一実施形態では、例えばIgGといった抗体、特に完全長の抗体は、哺乳類細胞中で生産される。組み換え発現のための例示的な哺乳類宿主細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO細胞)(Urlaub and Chasin (1980) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216−4220で述べられるdhfr‐ CHO細胞を含む、例えばKaufman and Sharp (1982) Mol. Biol. 159:601−621で述べられるようにCHO細胞をDHFR選択マーカーと共に使用する)、例えばNS0骨髄腫細胞およびSP2細胞といったリンパ球細胞株、COS細胞、k562、ならびに例えばトランスジェニック哺乳類といったトランスジェニック動物からの細胞を含む。例えば、細胞は、乳房上皮細胞である。
免疫グロブリン領域をコードする核酸配列に加えて、組み換え発現ベクターは、例えば宿主細胞(例えば複製起点)でのベクターの複製を制御する配列といったさらなる核酸配列、および選択マーカー遺伝子を運び得る。選択マーカー遺伝子は、ベクターが導入された宿主細胞の選択を容易にする(参照として、例えば、米国特許第4,399,216号、同第4,634,665号、および同第5,179,017号)。例示的な選択マーカー遺伝子は、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子(メトトレキサート選択/増幅を伴うdhfr宿主細胞で使用するために)およびneo遺伝子(g418選択用)を含む。
抗体(例えば完全長抗体またはその抗原結合部分)の組み換え発現のための例示的なシステムでは、抗体重鎖および抗体軽鎖の両方をコードする組み換え発現ベクターが、リン酸カルシウムを介したトランスフェクションによって、dhfr‐ CHO細胞に導入される。組み換え発現ベクター内では、抗体の重鎖および軽鎖の遺伝子はそれぞれが、エンハンサー/プロモーター要素(例えばCMVエンハンサー/AdMLPプロモーター制御要素またはSV40エンハンサー/AdMLPプロモーター制御要素といったもので、SV40、CMV、アデノウイルス、およびその他に由来する)に作用的に結合し、遺伝子の高レベルの転写を引き起こす。組み換え発現ベクターは、DHFR遺伝子も運び、それによって、メトトレキサート選択/増幅を使用した、ベクターでトランスフェクトされたCHO細胞の選択が可能となる。選択された形質転換宿主細胞は、抗体の重鎖および軽鎖を発現させるために培養され、そして完全な抗体は培地から回収される。標準的な分子生物学技術は、組み換え発現ベクターの調製、宿主細胞へのトランスフェクト、形質転換体の選択、宿主細胞の培養、および培地からの抗体の回収のために使用される。例えば、いくつかの抗体は、プロテインAまたはプロテインGを使用したアフィニティー・クロマトグラフィーによって単離され得る。例えば、ナタリズマブなどの精製VLA‐4結合抗体は、標準的なタンパク質濃縮技術を使用して、約100mg/mLから約200mg/mLに濃縮され得る。
抗体は、例えば、Fc受容体またはC1qあるいはその両方との相互作用を減少させるか削除するために、例えばFc機能を変化させる修飾といった修飾、も含み得る。例えば、ヒトIgG1定常領域は、例えば米国特許第5,648,260号での番号付けに従い、例えば残基234および23の1つまたはそれ以上といった1つまたはそれ以上の残基を変異され得る。他の例示的な修飾は、米国特許第5,648,260号で述べられるものを含む。
Fc領域を含むいくつかの抗体については、抗体生産システムは、Fc地域がグリコシル化される抗体を合成するためにデザインされ得る。例えば、IgG分子のFc領域は、CH2領域のアスパラギン297でグリコシル化される。このアスパラギンは、二分枝タイプのオリゴ糖により修飾される部位である。このグリコシル化はFcγ受容体および補体C1qにより介されるエフェクター機能に関与する(Burton and Woof (1992) Adv. Immunol. 51:1‐84; Jefferis et al. (1998) Immunol. Rev. 163:V9−76)。Fc領域は、アスパラギン297に対応する残基を適切にグリコシル化する哺乳類の発現システムで生産され得る。Fc領域は、他の真核性の翻訳後修飾も含み得る。
抗体は、トランスジェニック動物によっても生産され得る。例えば、米国特許第5,849,992号は、トランスジェニック哺乳動物の乳腺中において抗体を発現する方法を述べる。乳汁特異的プロモーター、例えば本明細書で述べる抗体といった興味対象の抗体をコードする核酸配列、および分泌のためのシグナル配列を含む導入遺伝子が構築される。そのようなトランスジェニック哺乳動物の雌によって産出された乳汁は、分泌されたものに、例えば本明細書で述べる抗体といった興味対象の抗体を含む。抗体は、乳汁から精製され得る、またはいくつかの用途では直接使用され得る。
抗体は、例えば少なくとも1.5倍、2倍、5倍、10倍、または50倍で、例えば血液、血清、リンパ液、気管支肺胞洗浄といった循環においてまたは他の組織において、例えばその安定性および/または保持を改善する部位により、修飾され得る。
例えば、VLA‐4結合抗体は、例えばポリアルキレンオキシドまたはポリエチレンオキシドといった実質的に非抗原性のポリマーなどのポリマーに結合し得る。適したポリマーは、重量により実質的に異なるであろう。分子数平均重量の範囲が約200から約35,000ダルトンまで(または約1,000から約15,000、および2,000から約12,500)のポリマーは、使用され得る。
例えば、VLA‐4結合抗体は、例えばポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドンなどの例えば親水性ポリビニル・ポリマーといった水溶性ポリマーと結合され得る。そのようなポリマーの非限定的なリストは、例えばポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン化ポリオール(polyoxyethylenated polyols)といったポリアルキレンオキシド・ホモポリマー、その共重合体、そのブロック共重合体を含み、そのブロック共重合体の水溶性が維持されることを条件とする。さらなる有用なポリマーは、例えばポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、およびポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレンのブロック共重合体(Pluronics)といったポリオキシアルキレン;ポリメタクリレート;カルボマー; 例えばラクトース、アミロペクチン、澱粉、ヒドロキシエチル澱粉、アミロース、硫酸デキストラン、デキストラン、デキストリン、グリコーゲンといったホモ多糖およびヘテロ多糖、または例えばヒアルロン酸といった、酸性ムコ多糖の多糖サブユニットを含む、単糖類モノマーのD−マンノース、DおよびL‐ガラクトース、フコース、フルクトース、D−キシロース、L‐アラビノース、D−グルクロン酸、シアル酸、D−ガラクツロン酸、D−マンヌロン酸(例えば、ポリマンヌロン酸またはアルギン酸)、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、D−グルコース、およびノイラミン酸を含む、分枝または非分枝の多糖;例えばポリソルビトールおよびポリマンニトールといった糖アルコールのポリマー;ヘパリンまたはヘパロン(heparon)、を含む。
本明細書に含まれるすべての参照および出版物は、参照として本明細書に組み込む。次の例は、限定的であることを意図されない。
実施例
下記の例は、共培養実験において、VLA‐4結合抗体のナタリズマブが、リガンドのVCAM−1およびフィブロネクチンへの、ならびに骨髄間質細胞への、髄腫細胞株および白血病細胞株のVLA‐4介在の付着を、妨害することを実証する。ナタリズマブによるこれらの細胞株の処理は、生存シグナル伝達経路を妨害すること、および細胞毒性剤への細胞の感受性を増加させることを示す。したがって、VLA‐4付着は、血液悪性腫瘍の生存および化学耐性に関連し、そして例えばナタリズマブといったVLA‐4結合抗体によるこれらの相互作用の妨害は、有効な治療的アプローチである。
実施例1. VLA‐4は血液腫瘍細胞株において発現される
骨髄の微小環境は、リンパ前駆細胞および骨髄性前駆細胞の発達に関与し、またこれらの細胞タイプから生じる悪性腫瘍に保護的な環境を与える。骨髄間質細胞と腫瘍細胞の間でのインテグリン介在の接着の相互作用は、共培養モデルにおいて細胞保護の利点を与える。
下記に示すように、インテグリンVLA‐4は、血液悪性腫瘍において幅広く発現される。VLA‐4は、骨髄マトリックス中のフィブロネクチン、および骨髄間質細胞の表面の血管細胞接着分子(VCAM−1またはCD106)に関与し、そして腫瘍細胞中の様々な生存促進シグナル伝達経路を活性化する。
AML、MM、およびCMLに関する血液腫瘍細胞株におけるVLA‐4発現が、観察された(図1A、図1B、および図1C)。
フローサイトメトリー実験は、腫瘍細胞株におけるVLA‐4発現レベルを評価するために行なわれ、そしてVLA‐4発現は試験したすべての細胞株で観察された(図1)。図2に示すように、AML、MM、およびCML腫瘍細胞株へのナタリズマブの結合が、フローサイトメトリーによって測定された。すべての場合では、飽和結合が観察され、そして計算したナタリズマブの親和性(EC50)を表2に示す。
実施例2. ナタリズマブは、VLA‐4リガンドへの腫瘍細胞の結合を阻害した
実験は、VLA‐4アンタゴニストは、VLA‐4リガンドへの腫瘍細胞の結合を阻害し得るかどうかを検証するために行われた。細胞株は、濃度が増加するナタリズマブまたはアイソタイプ対照抗体の存在下において、フィブロネクチン(● FN)、血管細胞接着分子1−Ig融合タンパク質(■VCAM−Ig)、または骨髄間質細胞(▲BMSC)でコーティングしたウェルへ接着された。結果は、ナタリズマブが、VLA‐4リガンドへの様々な腫瘍細胞タイプの接着を濃度依存的に阻害する能力を実証した(図3A、図3B、図4A、図4B、図5A、及び図5C)。接着のナタリズマブによる阻害に関する計算したEC50値を、表2に示す。飽和レベルのナタリズマブ(黒棒)またはアイソタイプ対照(白棒)存在下における、VLA‐4リガンドへの腫瘍細胞結合の阻害の最大達成レベルも試験され、そして結果を図3C、図3D、図4C、及び図5Cに示す。ナタリズマブは、試験されたすべての細胞タイプにおいて結合を阻害することが示された。まとめると、上記のデータは、ナタリズマブが、VLA‐4を発現する血液腫瘍細胞と高い親和性で結合する能力、およびこれらの細胞におけるVLA‐4介在の接着相互作用を効率的に阻害する能力、を明確に示す。
実施例3. ナタリズマブは、AML HL60細胞の接着介在の薬剤耐性を無効にした
図6Aに示すように、BMSC存在下でAML細胞株HL60を培養することは、化学療法剤AraCで処理した場合、保護的利点を与える。細胞は、BMSC有り(■)または無し(□)で24時間にわたり培養され、次に化学療法剤AraC(シタラビン)に24時間にわたり曝露された(図6A)。細胞の生存能力は、BMSCの存在によって高められた。ナタリズマブを、このアッセイにおける共培養での生存能力を減少させるのに効果的であるのが示された濃度(10μM)のAraCと組合せた場合、図6Bに示すように、アポトーシスを受ける細胞の割合が増加した。これらのデータは、ナタリズマブは、BMSCの細胞保護効果を無効にし得ることを示し、VLA‐4接着介在の薬剤耐性を無効にするのに効果的であり得ることを示唆する。
MM細胞株U226を使用した同様の実験は、ナタリズマブは、薬剤メルファランに対して細胞保護効果を有しないことが示された(図6C及び図6D)。
実施例4. ナタリズマブ処理は、共培養によって誘導されたP−STAT3を通じた生存シグナル伝達を阻害した
HL60細胞、KG1細胞、またはU266細胞は、図に示されるように、懸濁液中、またはBMSCおよびナタリズマブ添加の共培養中で、30分間(HL60)または4時間(U266)にわたり生育され、次に細胞は、BMSCと分離され、そしてウェスタンブロット分析により処理され、P−STAT3、STAT3、P‐JNK、JNK、P‐MAPK、およびMAPKレベルを定量された(図7)。
結果は、ナタリズマブ処理は、共培養によって誘導されたP−STAT3を通じた生存シグナル伝達を阻害し得ることを示した。
上記実験の結果は、例えばナタリズマブといったVLA‐4抗体は、血液悪性腫瘍において有効な治療であり得ることを示す。
他の実施形態は、請求項内にある。

Claims (14)

  1. 患者での急性骨髄性白血病(AML)を治療する方法であり、抗アルファ4インテグリン抗体またはその抗原結合断片を含む組成物の治療的な有効量を、患者に投与することを含む。
  2. 抗アルファ4インテグリン抗体またはその抗原結合断片は、VLA‐4結合抗体またはそのVLA‐4結合断片である、請求項1に記載の方法。
  3. 抗体またはその抗原結合断片は、ヒト抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ならびにヒト抗体またはキメラ抗体またはヒト化抗体の抗原結合Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、またはF(v)断片からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 組成物は、抗体をまたはその抗原結合断片を、約0.1から約20mg/kg体重で提供するための用量で投与される、請求項1に記載の方法。
  5. 抗体もしくはその抗原結合断片は、ヒト抗体もしくはその抗原結合断片、またはヒト化抗体もしくはその抗原結合断片である、請求項1に記載の方法。
  6. 抗体もしくはその抗原結合断片は、ヒト抗体もしくはその抗原結合断片、またはヒト化抗体もしくはその抗原結合断片である、請求項2に記載の方法。
  7. 抗体またはその抗原結合断片は、ヒト化抗体またはその抗原結合断片である、請求項3に記載の方法。
  8. 抗体またはその抗原結合断片は、モノクローナル抗体またはその抗原結合断片である、請求項1に記載の方法。
  9. 抗体またはその抗原結合断片は、Bエピトープ特異的VLA‐4結合抗体またはその抗原結合断片である、請求項1に記載の方法。
  10. 抗体は、ナタリズマブである、請求項1に記載の方法。
  11. 第二の治療物質を投与することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  12. 第二の治療物質は、化学療法剤である、請求項11に記載の方法。
  13. 第二の治療物質は、シタラビン(Ara‐C)である、請求項12に記載の方法。
  14. 組成物は、皮下または筋肉内に投与される、請求項1に記載の方法。
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