JP2013523621A - Pbrリガンドとしての三環式インドール誘導体 - Google Patents

Pbrリガンドとしての三環式インドール誘導体 Download PDF

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Abstract

本発明は、末梢ベンゾジアゼピンレセプター(PBR)のイメージングに関し、既知のかかるPETトレーサーに比べて改善された性質を有するPETトレーサーを提供する。本発明はまた、本発明のPETトレーサーの製造において有用な前駆体化合物、並びに前記前駆体化合物及び前記PETトレーサーの製造方法も提供する。本発明によれば、本発明のPETトレーサーを含む放射性医薬組成物も提供される。また、PETトレーサー及び放射性医薬組成物の使用方法も提供される。
【選択図】図2

Description

本発明は、インビボイメージング、特に末梢ベンゾジアゼピンレセプター(PBR)の陽電子放出断層撮影(PET)イメージングに関する。高い親和性をもってPBRに結合し、投与後には脳内への良好な取込みを示し、PBRへの優れた選択的結合性を有するインドール系PETトレーサーが提供される。本発明はまた、本発明のPETトレーサーの合成において有用な前駆体化合物、並びに前記前駆体化合物の合成方法も提供する。本発明の他の態様は、本発明の前駆体化合物の使用を含む本発明のイPETトレーサーの合成方法、前記方法を実施するためのキット、及び前記方法の自動化バージョンを実施するためのカセットを包含する。加えて本発明は、本発明のPETトレーサーを含む放射性医薬組成物並びに前記PETトレーサーの使用方法も提供する。
末梢ベンゾジアゼピンレセプター(PBR)は、主として末梢組織及びグリア細胞に局在することが知られているが、それの生理学的機能はまだ明確には解明されていない。PBRは、トランスロケータータンパク質(TSPO)ともいわれる。細胞レベル以下では、PBRはミトコンドリア外膜上に局在することが知られていて、これはミトコンドリア機能の調節及び免疫系において役割を果たす可能性を表している。さらに、PBRが細胞増殖、ステロイド生成、カルシウム流れ及び細胞呼吸に関係することも仮定されてきた。
異常なPBR発現は、多発性硬化症(Banati et al 2001 Neuroreport;12(16):3439−42;Debruyne et al 2002 Acta Neurol Belg;102(3):127−35)、ラスムッセン脳炎(Banati et al 1999 Neurology;53(9):2199−203)、大脳脈管炎(Goerres et al 2001 Am J Roentgenol;176(4):1016−8)、ヘルペス脳炎(Cagnin et al 2001 Brain;124(Pt 10):2014−27)及びAIDS関連痴呆(Hammoud et al 2005 J Neurovirol;11(4):346−55)をはじめとする中枢神経系(CNS)の炎症性病態と関連づけられてきた。
CNSではまた、PBRとの連関が、パーキンソン病(Gerhard et al 2006 Neurobiol Dis;21(2):404−12;Ouchi et al 2005 Ann Neurol;57(2):161−2)、皮質基底変性(Gerhard et al 2004Mov Disord;19(10):1221−6)、進行性核上性麻痺(Gerhard et al 2006 Neurobiol Dis;21(2):404−12)、多発性系萎縮症(Gerhard et al 2003 Neurology;61(5):686−9)、ハンチントン病(Pavese et al 2006 Neurology;66(11):1638−43;Tai et al 2007 Brain Res Bull;72(2−3):148−51)、筋萎縮性側硬化症(Turner et al 2004 Neurobiol Dis;15(3):601−9)及びアルツハイマー病(Cagnin et al 2001 Lancet;358(9283):766;Yasuno et al 2008 Biol Psychiatry;64(10):835−41)のような変性疾患において文書化されている。
虚血発作(Gerhard et al 2005 Neuroimage;24(2):591−5)、末梢神経損傷(Banati et al 2001 Neuroreport;12(I6):3439−42)及びてんかん(Sauvageau 2002 Metab Brain Dis;17(1):3−11;Kumar et al 2008 Pediatr Neurol;38(6))をはじめとする若干のCNS虚血状態が、PBRの異常発現と関係することが示されている。PBRは外傷性脳損傷における傷害の程度を決定するためのバイオマーカーと見なされていて(Toyama et al 2008 Ann Nucl Med;22(5):417−24)、外傷性脳損傷の動物モデルにおいてPBR発現の増加が報告されている(Venneti et al 2007 Exp Neurol;207(1):118−27)。興味深いことには、急性ストレスは脳におけるPBR発現の増加と相関しているのに対し、慢性ストレスはPBRのダウンレギュレーションと相関している(Lehmann et al 1999 Brain Res;851(1−2):141−7)。[11C]PK11195を用いてPBRをイメージングすれば、神経膠腫縁の輪郭描写が可能であることが報告されている(Junck et al 1989 Ann Neurol;26(6):752−8)。PBRはまた、ニューロパシー性疼痛にも関連する可能性があり、Tsuda et alはニューロパシー性疼痛をもった被験者で小グリア細胞の活性化を観察している(2005 TINS 28(2)pp 101−7)。
末梢では、PBRの発現は、肺炎症(Branley et al 2008 Nucl.Med.Biol;35(8):901−9)、慢性閉塞性肺疾患及び喘息(Jones et al 2003 Eur Respir J;21(4):567−73)、炎症性腸疾患(Ostuni et al 2010 Inflamm Bowel Dis;16(9):1476−1487)、慢性関節リウマチ(van der Laken et al 2008 Arthritis Rheum;58(11):3350−5)、原発性線維筋痛(Faggioli et al 2004 Rheumatology;43(10):1224−1225)、神経損傷(Durrenberger et al 2004 J Peripher Nerv Syst;9(1):15−25)、アテローム性動脈硬化症(Fujimura et al 2008 Atherosclerosis;201(1):108−111)、結腸癌、前立腺癌及び乳癌(Deane et al 2007 Mol Cancer Res;5(4):341−9;Miettinen et al 1995 Cancer Res;55(12):2691−5;Han et al 2003 J Recept Signal Transduct Res;23(2−3):225−38)、腎炎症(Tam et al 1999 Nephrol Dial Transplant;14(7):1658−66;Cook et al 1999 Kidney Int;55(4):1319−26)並びに虚血−再灌流損傷(Zhang et al 2006 J Am Coll Surg;203(3):353−64)と連関している。
PBR選択性リガンド(R)−[11C]PK11195を用いる陽電子放出断層撮影(PET)イメージングは、中枢神経系(CNS)炎症の包括的指標を提供する。しかし、(R)−[11C]PK11195は高いタンパク質結合性及び低特異的乃至非特異的結合性を有することが知られている。さらに、その放射性標識代謝産物の役割は知られておらず、結合の定量化には複雑なモデル化が要求される。その結果として、これらの問題に悩まされないPBR用のインビボイメージング剤を開発するための努力が行われてきた。かかるインビボイメージング剤の1つは、国際公開第2010/109007号に記載されている三環式インドール誘導体である。これはPBRに対する良好な親和性、優れた脳取込み、及びPBRに対する特異性を有し、注射後60分における高率の脳内放射能が母体インビボイメージング剤を表している。国際公開第2010/109007号には、特に好ましいインビボイメージング剤は下記の18F標識化合物であることが開示されている。
PBRをイメージングするためのインビボイメージング剤に関しては、なお一層改良する余地が存在している。
国際公開第00/44751号パンフレット
本発明は、既知の三環式インドール系PETトレーサーの有利な性質を保持しながら、幾つかの改善された性質も有するPETトレーサーを提供する。既知の三環式PETトレーサーに比べて、本発明のPETトレーサーは、PBRに対する改善された結合親和性、注射後60分における高率の放射能が脳内放射能を表すわずかに改善された代謝プロファイル、及びPBR発現組織に対する顕著に改善された特異的結合性を有することが実証された。本発明はまた、本発明のPETトレーサーの製造において有用な前駆体化合物、並びに前記前駆体化合物及び前記PETトレーサーの製造方法も提供する。本発明によれば、本発明のPETトレーサーを含む放射性医薬組成物も提供される。また、PETトレーサー及び放射性医薬組成物の使用方法も提供される。
図1は実施例4に関係し、本発明のPETトレーサーに関する半分取法を用いて得られた放射性(上図)及びUV(下図)HPLCトレースを示している。 図2は実施例4に関係し、本発明のPETトレーサーに関する分析的アキラル法を用いて得られたHPLCトレースを示している。 図3は実施例4に関係し、本発明のPETトレーサーに関するキラルHPLC法を用いて得られたHPLCトレースを示している。 図4は実施例4に関係し、本発明のPETトレーサーの他方の鏡像異性体に関する半分取法を用いて得られた放射性(上図)及びUV(下図)HPLCトレースを示している。 図5は実施例4に関係し、本発明のPETトレーサーの他方の鏡像異性体に関する分析的アキラル法を用いて得られたHPLCトレースを示している。 図6は実施例4に関係し、本発明のPETトレーサーの他方の鏡像異性体に関するキラルHPLC法を用いて得られたHPLCトレースを示している。 図7は実施例8に関係し、0.1mg/mLの濃度でアセトニトリルに溶解したPETトレーサー及び他方の鏡像異性体のオーバーレイクロマトグラムを示している。 図8aは実施例8に関係し、0.1mg/mLの濃度でアセトニトリルに溶解したPETトレーサーのクロマトグラムを示している。 図8bは実施例8に関係し、インキュベーション前にヒト血漿に添加して抽出したPETトレーサー(0.1mg/mL)のクロマトグラムを示している。 図8cは実施例8に関係し、ヒト血漿と共にインキュベートして抽出したPETトレーサー(0.1mg/mL)のクロマトグラムを示している。
PETトレーサー
一態様は、本発明は下記の化学構造を有する陽電子放出断層撮影(PET)トレーサーを提供する。
式中、キラル中心は(S)配置を有する。
PETトレーサー」とは、陽電子放出同位体を含む化合物であって、生体系における特定の生理学的又は病態生理学的状態を標的化するように設計された化合物である。陽電子放出同位体の存在は、生体系への投与後にPETトレーサーを検出し、それによって特定の生理学的又は病態生理学的状態の検出を容易にすることを可能にする。
本発明のPETトレーサーは、その他方の鏡像異性体よりほぼ5倍高く、ラセミ混合物よりほぼ2倍高い親和性を有している。また、本発明のPETトレーサーはその他方の鏡像異性体に比べてインビボで一層良好に機能することも判明した。本発明のPETトレーサーはまた、前記PETトレーサー及びその他方の鏡像異性体を含むラセミ混合物に比べてインビボで一層良好に機能する。
本発明のPETトレーサーの他方の鏡像異性体は、下記の構造を有している。
式中、キラル中心は(R)配置を有する。
本発明で使用する「鏡像異性体」という用語は、エナンチオピュアな化合物、即ち光学活性分子の2つの鏡像形態の一方をいう。したがって、鏡像異性体はただ1つのキラリティーを有する化合物である。ここで「キラリティ」という用語は、化合物が内部対称面をもたず、重ね合わせることができない鏡像を有するという化合物の性質を意味する。化合物において最もしばしばキラリティーの原因となる特徴は、不斉炭素原子の存在である。1対の鏡像異性体の等モル混合物は、本明細書中では「ラセメート」又は「ラセミ混合物」といわれる。
実施例9に記載した体内分布実験では、本発明のPETトレーサーがその他方の鏡像異性体及びラセミ混合物の両方に比べて脳内のPBRに富む組織(即ち、嗅球)に対する改善された結合を有することが示されている。実施例11に記載したインビボブロッキング実験の結果は、この所見を確認している。実施例10に記載した実験の結果は、母体化合物に原因する60分での脳内活性が、本発明のPETトレーサーに関してはPETトレーサー及びその他方の鏡像異性体のラセミ混合物に比べて改善されていることを実証している。さらに、実施例12に記載したオートラジオグラフィー実験では、本発明のPETトレーサーが前記PETトレーサー及びその他方の鏡像異性体を含むラセミ混合物に比べて神経炎症領域に対する高い選択的結合を有することが実証された。また、下記実施例8に記載されるように、本発明のPETトレーサーは長時間にわたるヒト血漿又はラットS9画分中でのインキュベーション後にラセミ化しないことも見出された。
前駆体化合物
本発明のPETトレーサーは、適当な前駆体化合物を介して製造することができる。したがって別の態様では、本発明は、本発明のPETトレーサーを製造するための前駆体化合物であって、下記の式Iを有する前駆体化合物を提供する。
式中、R1はヒドロキシル又は脱離基である。
前駆体化合物」は、好都合な化学形態の18Fとの化学反応が部位特異的に起こり、最小数の段階(理想的にはただ1つの段階)で反応を実施でき、かつ格別の精製の必要なしに(理想的にはいかなる追加の精製も必要なしに)本発明のPETトレーサーが得られるように設計された、本発明のPETトレーサーの非放射性誘導体からなる。かかる前駆体化合物は合成品であり、良好な化学純度で簡便に得ることができる。
本発明の文脈中における「脱離基」とは、置換又は置換え放射性フッ素化反応中に安定な化学種として置き換えられる原子又は原子団をいう。好適な脱離基の例には、ハロゲンであるクロロ、ブロモ及びヨード、並びにスルホン酸エステルであるメシレート、トシレート、ノシレート及びトリフレートがある。好ましくは、前記脱離基はメシレート、トシレート及びトリフレートから選択され、最も好ましくはメシレートである。脱離基がメシレートである場合、前駆体化合物は本明細書中では「前駆体化合物1」といわれる。
前駆体化合物の製造
本発明の前駆体化合物は各種の異なる経路で得ることができ、これらの経路の各々は本発明の独立した態様をなしている。
したがって本発明は、本明細書中に記載した式Iの前駆体化合物を製造するための第1の方法であって、
(i)本明細書中に記載した前記式Iの前駆体化合物と下記の式IIの化合物とのラセミ混合物を用意する段階、並びに
(式中、R2はR1に関して上記に定義した通りであり、R1及びR2は同一である。)
(ii)前記式Iの前駆体化合物を前記式IIの化合物から分離する段階
を含んでなる方法を提供する。
前記式Iの前駆体化合物を前記式IIの化合物から「分離する」段階は、鏡像異性体分離技法によって実施される。好適な鏡像異性体分離技法には、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)及び模擬ベッドクロマトグラフィー(SBC)がある。鏡像異性体分離のために適用できる各種技法の詳細な評価は、“Chiral Separation Techniques:a Practical Approach”(2007 Wiley;Subramanian,Ed.)中に見出すことができる。
上記スキームIは、式Iの前駆体化合物と式IIの化合物とのラセミ混合物を得るための1つの方法を例示している。スキーム1中では、PGはヒドロキシル保護基を表し、LGは本明細書中に定義した脱離基を表し、OTsは脱離基トシレートを表し、IPAはイソプロピルアルコールを表す。化合物は、R1がヒドロキシルである本発明の前駆体化合物である。好適なヒドロキシル保護基は当技術分野で公知であり、アセチル、ベンジル、ベンゾイル、シリルエーテル、アルキルエーテル及びアルコキシメチルエーテルを含んでいる。保護基は、Theorodora W.Greene and Peter G.M.Wutsによって“Protective Groups in Organic Synthesis”(Fourth Edition,John Wiley & Sons,2007)中に一層詳しく記載されている。本発明の文脈中では、好ましいヒドロキシル保護基はベンジルである。上記スキーム1は、Napper et al(J Med Chem 2005;48:8045−54)及びDavies et al(J Med Chem 1998;41:451−467)によって記載された類似化合物を得るための方法に基づいている。
式Iの前駆体化合物と式IIの化合物とのラセミ混合物を得るための別の方法が、上記スキーム2に例示されている。スキーム2中では、PGは上記に定義したヒドロキシル保護基であり、THFはテトラヒドロフランであり、KHMDSはカリウムビス(トリメチルシリル)アミドである。化合物からは、スキーム2はスキーム1中に化合物から示されるように継続し、結果としてラセミ混合物が得られる。スキーム2は、国際公開第2003/014082号に開示された方法に基づいている。この合成経路では、左側の環の底部位置にある塩素が、ただ1つの方向だけに環化を起こさせる。しかし、本発明者らが式Iの前駆体化合物と式IIの化合物とのラセミ混合物を得るために国際公開第2003/014082号の教示を直接適用したところ、収率は低かった。この問題は、環化段階のために使用する溶媒系を変更することで克服された。国際公開第2003/014082号では、環化段階はトルエン中で実施されるのに対し、本発明者らはトルエンの代わりにジエチルエーテルを使用した場合に最適の収率が得られることを見出した。環化段階の生成物はジエチルエーテルに溶解するのに対し、未環化の出発化合物は溶解しない。したがって、未環化の出発化合物はZnCl2と共に反応器の底部に留まり、環化生成物は反応器の上部のジエチルエーテル中に移動する。
式Iの前駆体化合物を得るための第2の方法は、
(i)下記の式IIIの化合物を用意する段階、
(式中、PG1はヒドロキシル保護基である。)
(ii)前記式IIIの化合物をその対応する酸塩化物に転化させる段階、
(iii)段階(ii)で得られた酸塩化物をジエチルアミドと反応させて下記の式IVの化合物を得る段階、
(式中、PG2はヒドロキシル保護基であり、PG1と同一である。)
(iv)段階(iii)で得られた式IVの化合物を脱保護してヒドロキシル誘導体を得る段階、及び
(v)本明細書中に定義した脱離基を任意に付加する段階
を含んでいる。
段階(iv)及び段階(v)はいずれも本明細書中に記載した式Iの前駆体化合物を生じるが、段階(iv)では式IのR1はヒドロキシルであり、段階(v)では式IのR1は脱離基である。
前記式IIIの化合物を酸塩化物に「転化させる」段階(ii)は、塩化オキサリル、塩化チオニル、三塩化リン及び五塩化リンから選択される試薬を用いて実施できる。塩化オキサリルが好ましい。
脱保護する」段階はヒドロキシル保護基の除去をいい、当業者にとって公知の手段によって実施できる。ヒドロキシル保護基PGは、スキーム1中のPGに関して上記に定義した通りである。使用する方法は、個々のヒドロキシル保護基に合わせて調整される。ヒドロキシル保護基を除去するための典型的な方策には、水素化分解及び酸又は塩基での処理がある。
脱離基を「付加する」段階は、上記スキーム1の化合物を適当な反応条件下で所望脱離基のハロゲン化物誘導体と反応させることで実施できる。例えば、メシレートを付加するためには、上記スキーム1中の化合物を塩基(例えば、トリエチルアミンのようなアミン塩基)の存在下でメタンスルホニルクロリドと反応させればよい。
式Iの前駆体化合物を得るための前記第2の方法の段階(i)では、式IIIの化合物は様々な経路で用意することができる。例えば、
(a)下記の式Vの化合物と下記の式VIの化合物とのラセミ混合物を用意する段階、
(式中、R1はキラルアルコールであり、PG3及びPG4は同一であり、各々がヒドロキシル保護基である。)
(b)式Vの化合物を式VIの化合物から分離する段階、及び
(c)酸性条件を用いて分離された式Vの化合物からR1を除去し、それによって前記式IIIの化合物を得る段階
を含む方法が使用できる。
ラセミ混合物」という用語は、本明細書中で前記に定義した通りである。「キラルアルコール」という用語は光学活性アルコールの鏡像異性体をいい、「鏡像異性体」という用語は本明細書中で前記に定義した通りである。「アルコール」という用語は、炭素原子に結合したヒドロキシル基を含む有機化合物をいう。上述の方法で使用するための好ましいキラルアルコールは、メントール及びボルネオールである。
キラルアルコールは、酸加水分解によって分離された式Vの化合物から開裂される。この段階で使用するのに適した酸には、塩酸及び硫酸、好ましくは2モルの塩酸及び1モルの硫酸がある。
別の態様では、前記式IIIの化合物は、
(a)前記式IIIの化合物と下記の式VIIIの化合物とのラセミ混合物を用意する段階、及び
(式中、PG5はヒドロキシル保護基であり、式IIIに関して上記に定義したPG1と同一である。)
(b)段階(a)に記載した混合物を光学活性アミンと反応させることで、前記式IIIの化合物を前記式VIIIの化合物から分離する段階
を含む方法を用いて用意できる。
前記式IIIの化合物と前記式VIIIの化合物とのラセミ混合物は、上記スキーム2に示された方法に従って得ることができる。この場合、所望のラセミ混合物はそこに示された化合物である。
上述の方法で使用するのに適した光学活性アミンは、S−α−メチルベンジルアミン、R−(+)−N−(1−ナフチルメチル)−α−ベンジルアミン、N−(2−ヒドロキシ)エチル−α−メチルベンジルアミン及び1−(P−トリル)エチルアミンから選択できる。上記の方法で使用するのに適した他の光学活性アミンは、例えばAldrich化学会社から商業的に容易に入手できる。
段階(a)の混合物を光学活性アミンと反応させることで、前記式IIIの化合物を前記式IVの化合物から分離する段階(b)は、最初に2種のジアステレオマー塩を生成する。これらのジアステレオマー塩は、適当な溶媒(例えば、アセトン又は酢酸エチル)からの結晶化によって分離される。分離された塩を2N塩酸又は1M硫酸のような鉱酸で処理することで、前記式VIIIの化合物から分離された前記式IIIの化合物を再生する。次いで、式IIIの化合物を酢酸エチル中に回収し、水性層から分離し、真空中で濃縮して式IIIの鏡像異性体を得る。
さらなる別法では、前記式IIIの化合物は、
(a)下記の式IXの化合物と下記の式Xの化合物とのラセミ混合物を用意する段階、及び
(式中、PG6及びPG7は同一であり、各々がヒドロキシル保護基である。)
(b)段階(a)に記載した混合物を立体選択性酵素と反応させることで、前記立体選択性酵素により式IXの化合物をエステル加水分解して前記式IIIの化合物を得る段階
を含む方法を用いて得ることができる。
前記式IXの化合物と前記式Xの化合物とのラセミ混合物は、上記スキーム2に示された方法に従って得ることができる。この場合、所望のラセミ混合物はそこに示された化合物である。
上述の方法で使用するのに適した立体選択性酵素は、Candida antarcticaリパーゼB、ブタ肝臓エステラーゼ、ブタ膵臓リパーゼ、及び同様に作用する他の公知立体選択性酵素から選択できる。
PETトレーサーの製造
さらに別の態様では、本発明は、本発明のPETトレーサーを製造するための方法であって、式Iの前駆体化合物を18Fの適当な供給源と反応させる段階を含んでなる方法を提供する。18Fとの反応は、式Iの前駆体化合物のR1位置に存在する脱離基の求核置換によって達成できる。前駆体化合物は、[18F]−フッ化物イオン(18-)の適当な供給源との反応により、一段階で標識できる。かかる[18F]−フッ化物イオン(18-)は、通常は核反応18O(p,n)18Fから水溶液として得られ、カチオン性対イオンの添加及びそれに続く水の除去によって反応性にされる。好適なカチオン性対イオンは、無水反応溶媒中において、18-の溶解性を維持するのに十分な溶解度を有するべきである。したがって、使用されてきた対イオンには、ルビジウム又はセシウムのような大きいが軟らかい金属イオン、Kryptofix(商標)のようなクリプタンドと錯体化したカリウム、及びテトラアルキルアンモニウム塩がある。好ましい対イオンは、無水溶媒中での溶解性が良く、18-の反応性を高めることから、Kryptofix(商標)のようなクリプタンドと錯体化したカリウムである。18Fはまた、前駆体化合物中のR1位置のヒドロキシル基を18F(CH2)3−LG(式中、LGは上記に定義した脱離基を表す。)でO−アルキル化することによっても導入できる。
公知の18F標識技法に関する一層詳細な議論は、“Handbook of Radiopharmaceuticals”(2003;John Wiley and Sons:M.J.Welch and C.S.Redvanly,Eds.)の第6章に見出すことができる。
好ましい実施形態では、本発明のPETトレーサーを製造するための方法は自動化される。[18F]−ラジオトレーサーは、自動化放射合成装置により、自動化方法で簡便に製造できる。かかる装置には、Tracerlab(商標)及びFastlab(商標)(いずれもGE Healthcare社製)をはじめとする幾つかの市販例が存在している。かかる装置は通常、放射化学を実施するための(しばしば使い捨ての)「カセット」を含んでいて、これは放射合成を実施するため装置に取り付けられる。このカセットは、普通、流体通路、反応器、及び試薬バイアルを受け入れるためのポート並びに放射合成後の清掃段階で使用される任意の固相抽出カートリッジを含んでいる。
したがって本発明は、別の態様では、本明細書中に記載したPETトレーサーの自動化合成のためのカセットであって、
(i)本明細書中に記載した式Iの前駆体化合物を含む容器、及び
(ii)本明細書中に記載した18Fの適当な供給源を用いて段階(i)の容器を溶出するための手段
を含んでなるカセットを提供する。
本発明のカセットに関しては、式Iの前駆体化合物及び18Fの適当な供給源の好適な実施形態及び好ましい実施形態は、本明細書中で前記に記載した通りである。
カセットはさらに、(iii)過剰の18Fを除去するためのイオン交換カートリッジを含み得る。
放射性医薬組成物
さらに別の態様では、本発明は、本明細書中に記載したPETトレーサーを、哺乳動物への投与に適した生体適合性キャリヤーと共に含んでなる放射性医薬組成物を提供する。
生体適合性キャリヤー」は、放射性医薬組成物が生理学的に認容され得るようにして(例えば、毒性又は過度の不快感なしに哺乳動物体に投与できるようにして)本発明のPETトレーサーを懸濁又は溶解するための流体(特に液体)である。生体適合性キャリヤーは、好適には、無菌のパイロジェンフリー注射用水、(有利には注射用の最終生成物が等張性又は非低張性になるように平衡させ得る)食塩水のような水溶液、或いは1種以上の張度調整物質(例えば、血漿陽イオンと生体適合性対イオンとの塩)、糖(例えば、グルコース又はスクロース)、糖アルコール(例えば、ソルビトール又はマンニトール)、グリコール(例えば、グリセロール)又は他の非イオン性ポリオール物質(例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなど)の水溶液のような注射可能なキャリヤー液体である。生体適合性キャリヤーはまた、エタノールのような生体適合性有機溶媒を含んでいてもよい。かかる有機溶媒は、親油性の高い化合物又は配合物を可溶化するために有用である。好ましくは、生体適合性キャリヤーはパイロジェンフリー注射用水、等張食塩水又はエタノール水溶液である。静脈内注射用生体適合性キャリヤーのpHは好適には4.0〜10.5の範囲内にある。
かかる放射性医薬組成物は非経口的に(即ち、注射によって)投与でき、最も好ましくは水溶液である。かかる組成物は、緩衝剤、薬学的に許容される可溶化剤(例えば、シクロデキストリン或いはPluronic、Tween又はリン脂質のような界面活性剤)、薬学的に許容される安定剤又は酸化防止剤(例えば、エタノール、アスコルビン酸、ゲンチジン酸又はp−アミノ安息香酸)のような追加成分を任意に含み得る。本発明のPETトレーサーが放射性医薬組成物として提供される場合、前記PETトレーサーの製造方法はさらに、放射性医薬組成物を得るために必要な段階(例えば、有機溶媒の除去、生体適合性緩衝剤及び任意の追加成分の添加)を含むことができる。非経口的投与のためには、放射性医薬組成物が無菌性かつ無発熱原性であることを保証するための手段を講じることも必要である。かかる手段は当業者にとって公知である。
PETイメージング方法
本発明のPETトレーサーは、被験体におけるPBRレセプター発現のインビボ検出のために有用である。したがって別の態様では、本発明は、被験体におけるPBR発現の分布及び/又は程度を決定するためのPETイメージング方法であって、
(i)本明細書中に記載したPETトレーサーを前記被験体に投与する段階、
(ii)前記PETトレーサーを前記被験体内のPBRに結合させる段階、
(iii)前記結合PETトレーサー中に含まれる18Fから放出される信号を検出する段階、
(iv)前記信号の位置及び/又は量を表す画像を生成する段階、並びに
(v)前記被験体におけるPBR発現の分布及び程度を決定する段階であって、前記発現は前記信号と直接に相関している段階
を含んでなるPETイメージング方法を提供する。
PETトレーサーを「投与する」段階は、好ましくは非経口的に実施され、最も好ましくは静脈内に実施される。静脈内経路は、PETトレーサーを被験体の身体全域に送達するため、したがって血液脳関門(BBB)を横切って前記被験体の中枢神経系(CNS)で発現されたPBRに接触させるための最も効率的な方法である。静脈内投与は、被験体に対して実質的な物理的介入も実質的な健康リスクももたらさない。本発明のPETトレーサーは、好ましくは本明細書中に記載した本発明の放射性医薬組成物として投与される。投与段階は、本発明のPETイメージング方法の完全な定義のためには必要でない。したがって、本発明のPETイメージング方法は上述の段階(ii)〜(v)を含むものとして理解することもできる。この場合、段階(ii)の前記被験体は、本発明のPETトレーサーを予め投与した被験体である。
投与段階後かつ検出段階前に、PETトレーサーをPBRに結合させる。例えば、被験体がインタクトな哺乳動物である場合、PETトレーサーは哺乳動物の身体を通って動的に移動し、体内の様々な組織に接触する。ひとたびPETトレーサーがPBRに接触すれば、特異的な相互作用が起こる結果、PBRをもった組織からのPETトレーサーのクリアランスは、PBRをもたない組織又はPBRの少ない組織よりも長い時間がかかる。一定の時点に達すれば、PBRをもった組織に結合したPETトレーサーとPBRをもたない組織又はPBRの少ない組織に結合したPETトレーサーとの比の結果として、PBRに特異的に結合したPETトレーサーの検出が可能となる。
本発明の方法の「検出」段階は、PETトレーサーに含まれる18Fから放出される信号を、前記信号に対して感受性を有する検出器(即ち、PETカメラ)によって検出することを含んでいる。この検出段階はまた、信号データの取得として理解することもできる。
本発明の方法の「生成」段階は、取得された信号データに再構築アルゴリズムを適用してデータセットを得るコンピューターによって実施される。次いで、このデータセットを操作することで、18Fから放出される信号の位置及び/又は量を示す画像が生成される。放出される信号はPBRの発現と直接に相関する結果、生成された画像を評価することで「決定」段階を行うことができる。
本発明の「被験体」は、任意のヒト又は動物被験体であり得る。好ましくは、本発明の被験体は哺乳動物である。最も好ましくは、前記被験体はインタクトな哺乳動物生体である。特に好ましい実施形態では、本発明の被験体はヒトである。本インビボイメージング方法は、健常被験体或いはPBRの異常発現に関連する病的状態(以後は「PBR状態」)を有することが知られ又は疑われる被験体においてPBRを検査するために使用できる。好ましくは、前記方法はPBR状態を有することが知られ又は疑われる被験体のインビボイメージングに関し、したがって前記状態の診断方法において有用である。
インビボイメージングが役に立つかかるPBR状態の例には、多発性硬化症、ラスムッセン脳炎、大脳脈管炎、ヘルペス脳炎、AIDS関連痴呆、パーキンソン病、皮質基底変性、進行性核上性麻痺、多発性系萎縮症、ハンチントン病、筋萎縮性側硬化症、アルツハイマー病、虚血発作、末梢神経損傷、てんかん、外傷性脳損傷、急性ストレス、慢性ストレス、ニューロパシー性疼痛、肺炎症、慢性閉塞性肺疾患、喘息、炎症性腸疾患、慢性関節リウマチ、原発性線維筋痛、神経損傷、アテローム性動脈硬化症、腎炎症、虚血−再灌流損傷及び癌(特に、結腸、前立腺又は乳房の癌)がある。
別の実施形態では、本発明のPETイメージング方法は前記被験体に関する治療計画の進行中に繰り返して実施することができ、前記計画はPBR状態と戦うための薬物の投与を含んでいる。例えば、本発明のPETイメージング方法は、PBR状態と戦うための薬物による治療前、治療中及び治療後に実施できる。このようにすれば、前記治療の効果を経時的にモニターすることができる。この用途のためにはPETが特に適している。PETは優れた感度及び分解能を有する結果、病変部における比較的小さい変化でも経時的に観察でき、これは治療モニタリングのため特に有利だからである。
さらに別の態様では、本発明は、PBRがアップレギュレートされた状態の診断方法であって、上記に記載したPETイメージング方法を、PBR発現の分布及び程度を特定の臨床像に帰因させる追加段階(vi)と共に含んでなる診断方法を提供する。
別の態様では、本発明は、上述のPETイメージング方法及び上述の診断方法で使用するための、本明細書中に記載したPETトレーサーを提供する。本発明はまた、上述のPETイメージング方法及び上述の診断方法で使用するための本明細書中に記載した放射性医薬組成物の製造で使用するための、本明細書中に記載したPETトレーサーも提供する。
本発明の複数の態様中に存在する任意の特徴に関する好適な態様及び好ましい態様は、本明細書中に前記特徴を記載した第1の態様で前記特徴に関して定義した通りである。
以下、一連の非限定的な実施例によって本発明を例示する。
実施例の簡単な説明
実施例1は、式Iの前駆体化合物及び式IIの鏡像異性体を含むラセミ混合物の合成法を記載している。
実施例2は、本発明のPETトレーサーの非放射性類似体をその他方の鏡像異性体と共に含む非放射性ラセミ混合物の合成法を記載している。
実施例3は、前駆体化合物1/活性鏡像異性体の合成法を記載している。
実施例4は、イメージング剤1/活性鏡像異性体の合成法を記載している。
実施例5は、非放射性イメージング剤1/活性鏡像異性体の合成法を記載している。
実施例6は、絶対立体化学を決定するために使用した方法を記載している。
実施例7は、非放射性ラセメート1及びその2つの鏡像異性体の結合を評価するために使用したインビトロアッセイを記載している。
実施例8は、本発明のPETトレーサーのキラル安定性をインビトロで調べるために使用した方法を記載している。
実施例9は、本発明のPETトレーサー。その他方の鏡像異性体及び二者のラセミ混合物のインビボ体内分布を評価するために使用した方法を記載している。
実施例10は、本発明のPETトレーサー並びに前記PETトレーサー及びその他方の鏡像異性体を含むラセミ混合物の代謝を評価するための実験を記載している。
実施例11は、本発明のPETトレーサー並びに前記PETトレーサー及びその他方の鏡像異性体を含むラセミ混合物を評価するために使用したインビボブロッキングアッセイを記載している。
実施例12は、本発明のPETトレーサー並びに前記PETトレーサー及びその他方の鏡像異性体を含むラセミ混合物を評価するために使用した炎症の動物モデルを記載している。
実施例中で使用される略語のリスト
AUFS 吸光度単位フルスケール
aq 水性
DCM ジクロロメタン
DFT 密度機能理論
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
EDC 1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド塩酸塩
EOS 合成終了時
EtOAc 酢酸エチル
FNA 顔面神経軸索切断
IPA イソプロピルアルコール
IR 赤外
LC−MS 液体クロマトグラフィー質量分析法
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
NMR 核磁気共鳴
OBn ベンジルオキシ
OMs メシレート
OTc トシレート
PET 陽電子放出断層撮影
QMA 第四級メチルアンモニウム
RT 室温
SFC 超臨界流体クロマトグラフィー
SPE 固相抽出
TLC 薄層クロマトグラフィー
Tol トルエン
VCD 振動円偏光二色性
実施例1:本発明のメシレート前駆体化合物(「前駆体化合物1」)及びその他方の鏡像異性体のラセミ混合物の合成
実施例1(a):ベンジルオキシアセチルクロリド(1)
ジクロロメタン(50mL)中のベンジルオキシ酢酸(10.0g、60.0mmol、8.6mL)に、塩化オキサリル(9.1g、72.0mmol、6.0mL)及びDMF(30.0mg、0.4mmol、32.0μL)を添加し、RTで3時間撹拌した。最初、反応の進行に伴って急速なガス発生が起こったが、反応が完了すると発生は止まった。ジクロロメタン溶液を真空中で濃縮してガムを得た。ガムを追加の塩化オキサリル(4.5g、35.7mmol、3.0mL)、ジクロロメタン(50mL)及び1滴のDMFで処理した。急速なガス発生が起こり、反応物をさらに2時間撹拌した。次いで、反応物を真空中で濃縮することで、11.0g(定量的)のベンジルオキシアセチルクロリド()をガムとして得た。構造は、13C NMR(75MHz,CDCl3)δC 73.6,74.8,128.1,128.4,128.6,130.0及び171.9によって確認された。
実施例1(b):2−ベンジルオキシ−N−(2−クロロ−5−メトキシ−フェニル)アセトアミド(2)
0℃のジクロロメタン(100mL)中のベンジルオキシアセチルクロリド()(11.0g、60.0mmol)及び2−クロロ−5−メトキシアニリン塩酸塩(11.7g、60.2mmol)を撹拌し、トリエチルアミン(13.0g、126.0mmol、18.0mL)を15分かけてゆっくりと添加した。撹拌反応物を18時間かけてRTまで放温した。トリエチルアミン塩酸塩の多量の沈殿が生じた。ジクロロメタン溶液を10%炭酸カリウム水溶液(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中で濃縮することで、18.9g(定量的)の2−ベンジルオキシ−N−(2−クロロ−5−メトキシ−フェニル)アセトアミド()をガムとして得た。構造は、13C NMR(75MHz,CDCl3):δC 55.6,69.6,73.6,106.2,111.1,114.1,127.7,128.3,128.6,129.2,134.6,136.5,158.9及び167.7によって確認された。
実施例1(c):(2−ベンジルオキシ−エチル)−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)アミン(3)
THF(100mL)中の2−ベンジルオキシ−N−(2−クロロ−5−メトキシ−フェニル)アセトアミド()(18.9g、62.0mmol)を撹拌し、水素化リチウムアルミニウム(4.9g、130.0mmol)を15分かけてゆっくりと添加した。最初の水素化リチウムアルミニウムを添加すると急速な水素ガス発生が起こった。次いで、反応物を4時間加熱還流し、週末中RTで放置した。次いで、撹拌溶液に水(50mL)を滴下することで反応物を脱活した。激しい水素発生が起こって反応混合物を還流させた。次いで、反応物を真空中で濃縮してスラリーにした。水(200mL)及び酢酸エチル(200mL)を添加し、混合物を激しく振盪した。次いで、反応物をセライトで濾過して沈殿した水酸化アルミニウムを除去し、酢酸エチル溶液を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中で濃縮することで、18.4g(定量的)の(2−ベンジルオキシ−エチル)−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)アミン()をガムとして得た。構造は、13C NMR(75MHz,CDCl3)δC 43.3,55.3,68.2,73.0,98.1,101.8,111.6,127.6,127.7,128.4,129.3,137.9,144.8及び159.5によって確認された。
実施例1(d):3−ブロモ−2−ヒドロキシ−シクロヘキシ−1−エンカルボン酸エチルエステル(4)
2−オキソシクロヘキサンカルボン酸エチル(30g、176mmol、28mL)をジエチルエーテル(30mL)に溶解し、窒素下で0℃の冷却した。臭素(28g、176mmol、9.0mL)を15分かけて滴下し、反応混合物を90分かけてRTまで放温した。混合物を氷冷飽和炭酸カリウム水溶液(250mL)中にゆっくりと注ぎ込み、酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮し、真空ライン上で18時間乾燥することで、41.4g(94%)の3−ブロモ−2−ヒドロキシ−1−エンカルボン酸エチルエステル()を黄色油状物として得た。構造は、13C NMR(75MHz,CDCl3):δC 14.1,17.7,21.8,32.0,60.0,60.8,99.7,166.3及び172.8によって確認された。
実施例1(e):3−[(2−ベンジルオキシ−エチル)−(2−クロロ−5−メトキシ−フェニル)アミノ]−2−ヒドロキシ−シクロヘキシ−1−エンカルボン酸エチルエステル(5)
(2−ベンジルオキシ−エチル)−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)アミン()(10.0g、34.2mmol)を乾燥THF(100mL)中において窒素下−40℃で撹拌し、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(0.5Mトルエン溶液の143.0mL、72.0mmol)を30分かけて添加した。次いで、乾燥THF(10mL)中の3−ブロモ−2−ヒドロキシシクロヘキシ−1−エンカルボン酸エチルエステル()(8.5g、34.2mmol)を添加し、1.5時間かけてRTまで放温した。酢酸(10.0g、166mmol、10.0mL)を添加し、真空中で濃縮してTHFを除去した。酢酸エチル(200mL)及び10%炭酸カリウム水溶液(100mL)を添加し、混合物を激しく振盪した。酢酸エチル溶液を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中で濃縮することで、16.5g(定量的)の3−[(2−ベンジルオキシ−エチル)−(2−クロロ−5−メトキシ−フェニル)アミノ]−2−ヒドロキシ−シクロヘキシ−1−エンカルボン酸エチルエステル()をガムとして得、これを次の段階で粗のまま使用した。粗反応混合物のHPLC(Gemini 150×4.6mm,20分で50〜95%メタノール/水)、18.9分(38%)、19.2分(25%)、23.1分(28%)。
反応物の一成分を単離した。13C NMR(75MHz,CDCl3)δC 14.3,20.6,21.8,26.4,38.6,43.0,55.8,60.5,68.7,73.3,93,4,106.3,108.2,119.3,121.5,127.5,127.6,128.3,135.7,137.0,137.9,155.7及び175.0。
実施例1(f):9−(2−ベンジルオキシ−エチル)−8−クロロ−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸エチルエステル(6)
乾燥ジエチルエーテル(150mL)中の3−[(2−ベンジルオキシ−エチル)−(2−クロロ−5−メトキシ−フェニル)アミノ]−2−ヒドロキシ−シクロヘキシ−1−エンカルボン酸エチルエステル()(8.0g、17.0mmol)に、塩化(7.1g、52.0mmol)を窒素下で添加し、5.5時間加熱還流した。反応物を還流させると、反応物中に濃密な褐色油状物が生じた。次いで、反応物を冷却し、上澄みのジエチルエーテルをデカントで除去し、酢酸エチル(100mL)を添加し、2N HCl(50mL)及び10%炭酸カリウム水溶液(50mL)で洗浄した。ジエチルエーテル層を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中で濃縮して油状物(2.0g)を得た。粗物質をペトロール(A):酢酸エチル(B)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィー(10〜40%(B)、340g、32CV、150mL/分)によって精製することで、1.8gの9−(2−ベンジルオキシ−エチル)−8−クロロ−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸エチルエステル()を得た。濃密な褐色層を酢酸エチル(100mL)及び2N HCl(50mL)で処理した。酢酸エチル溶液を分離し、10%炭酸カリウム水溶液(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中で濃縮して油状物(5.2g)を得た。ジエチルエーテル(100mL)及び無水塩化亜鉛(7.0g)を添加した。混合物をさらに5日間加熱還流した。エーテル層を暗色のガムからデカントで除去し、2N HCl(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中で濃縮してガム(2.8g)を得た。このガムをペトロール(A):酢酸エチル(B)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィー(5〜35%(B)、340g、150mL/分)によって精製することで、2.1gの9−(2−ベンジルオキシ−エチル)−8−クロロ−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸エチルエステル()を得た。得られた全物質は、4.1g(50%)の9−(2−ベンジルオキシ−エチル)−8−クロロ−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸エチルエステル()であった。構造は、13C NMR(75MHz,CDCl3):δC 14.4,20.5,22.3,27.5,40.2,43.9,55.0,60.2,70.7,73.3,100.2,107.5,108.4,120.1,122.8,127.4,127.5,128.2,132.0,137.4,138.1,152.6及び175.8によって確認された。
実施例1(g):9−(2−ベンジルオキシ−エチル)−8−クロロ−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸(7)
エタノール(50mL)中の9−(2−ベンジルオキシ−エチル)−8−クロロ−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸エチルエステル()(2.0g、4.1mmol)に、水酸化ナトリウム(1.1g、27.1mmol)及び水(5mL)を添加し、80℃で18時間加熱した。次いで、エタノールを真空中での蒸発によって除去し、残留物をジエチルエーテル(50mL)と水(50mL)との間に分配した。ジエチルエーテル層を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中で濃縮してガム(71.0mg)を得た。水性層を2N HCl(20mL)でpH1に酸性化し、ジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。ジクロロメタン層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中で濃縮することで、1.6g(87%)の9−(2−ベンジルオキシ−エチル)−8−クロロ−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸()を泡状物として得た。構造は、13C NMR(75MHz;CDCl3):δC 20.2,22.2,27.1,39.7,44.0,55.1,70.7,73.3,100.6,106.3,108.9,123.0,127.4,127.5,128.3,132.0,138.0及び152.0によって確認された。
実施例1(h):9−(2−ベンジルオキシ−エチル)−8−クロロ−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボニルクロリド(8)
9−(2−ベンジルオキシ−エチル)−8−クロロ−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸()(1.5g、3.7mmol)をジクロロメタン(50mL)に溶解し、塩化オキサリル(700mg、5.5mmol、470μL)及びDMF(1滴)を添加し、反応物を20℃で2時間撹拌した。反応の進行に伴って、約30分間の穏やかなガス発生が起こった。次いで、反応物を真空中で濃縮することで、9−(2−ベンジルオキシ−エチル)−8−クロロ−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボニルクロリド()をガムとして得、これを精製せずに次の段階で使用した。構造は、13C NMR(75MHz;CDCl3):δC 20.8,22.1,26.4,44.2,51.8,55.1,70.7,73.3,100.7,106.0,108.6,119.5,123.4,127.3,127.7,128.3,131.9,138.0,138.2,152.0及び176.3によって確認された。
実施例1(i):9−(2−ベンジルオキシ−エチル)−8−クロロ−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸ジエチルアミド(9)
次いで、9−(2−ベンジルオキシ−エチル)−8−クロロ−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボニルクロリド()(1.6g、3.7mmol)をジクロロメタン(50mL)に溶解し、0℃に冷却し、撹拌し、ジエチルアミン(810mg、11.0mmol、1.1mL)を滴下した。反応物を18時間かけて室温まで放温した。次いで、反応混合物を10%炭酸カリウム水溶液(50mL)で洗浄し、分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中で濃縮してガムを得た。粗物質をジエチルエーテルから結晶化することで、1.2g(71%)の9−(2−ベンジルオキシ−エチル)−8−クロロ−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸ジエチルアミド()を白色結晶質固体として得た。構造は、13C NMR(75MHz;CDCl3):δC 13.0,14.5,19.8,22.2,27.9,36.4,40.4,41.9,43.8,55.0,70.8,73.3,100.2,108.5,108.6,119.9,122.5,127.4,127.5,128.3,131.5,137.8,138.2,152.4及び174.5によって確認された。
実施例1(j):9−(2−ベンジルオキシ−エチル)−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸ジエチルアミン(10)
メタノール(100ml)中の9−(2−ベンジルオキシ−エチル)−8−クロロ−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸ジエチルアミド()(1.0g、2.1mmol)を、水素ガス雰囲気下において、木炭上10%パラジウム(1.0g)及びトリエチルアミン(2.9mg、2.9mmol、4μL)と共に55℃で18時間振盪した。次いで、反応物をセライトパッドで濾過し、濾液を真空中で濃縮してガム(908mg)を得た。次いで、ガムをジクロロメタン(100ml)に溶解し、5%炭酸カリウム水溶液(50ml)で洗浄した。次いで、ジクロロメタン溶液を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中で濃縮してガムを得た。次いで、ガムをジエチルエーテル(50ml)から結晶化し、結晶を濾過によって回収することで、523mg(57%)の9−(2−ベンジルオキシ−エチル)−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸ジエチルアミン(10)を得た。構造は、13C NMR(75MHz;CDCl3):δC 13.1,14.6,20.1,22.0,28.1,36.4,40.5,42.0,43.0,54.7,68.8,73.3,99.4,102.4,107.8,116.4,121.2,127.6,127.6,128.3,135.6,137.8,138.0,153.6及び175.0によって確認された。
実施例1(k):9−(2−ヒドロキシエチル)−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸ジエチルアミン(11)
メタノール(50ml)中の9−(2−ベンジルオキシ−エチル)−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸ジエチルアミン(10)(1.0g、2.1mmol)を、木炭上10%パラジウム(300mg)及び過剰の水素ガスと共に55℃で18時間振盪した。次いで、反応物をセライトパッドで濾過し、濾液を真空中で濃縮することで、578mg(100%)の9−(2−ヒドロキシエチル)−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸ジエチルアミン(11)を泡状物として得た。構造は、13C NMR(75MHz;CDCl3):δC 13.0,14.4,20.0,22.0,28.0,36.4,40.6,42.0,54.7,60.6,99.2,102.6,107.0,116.7,121.1,136.1,137.5,138.0,153.5及び175.7によって確認された。
実施例1(l):メタンスルホン酸2−(4−ジエチルカルバミル−5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−カルバゾール−9−イル)エチルエステル
ジクロロメタン(30ml)中の9−(2−ヒドロキシエチル)−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸ジエチルアミン(11)(478mg、1.4mmol)を0℃に冷却し、塩化メタンスルホニル(477mg、4.2mmol、324μL)及びトリエチルアミン(420mg、4.2mmol、578μL)を添加し、一晩かけてRTまで放温した。反応物を5%炭酸カリウム水溶液で洗浄した。層を分離した。合わせた有機物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中で濃縮してガム(696mg)を得た。粗物質をペトロール(A):酢酸エチル(B)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィー(75〜100%B、22CV、120g、85mL/分)によって精製することで、メタンスルホン酸2−(4−ジエチルカルバミル−5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−カルバゾール−9−イル)エチルエステルをガムとして得、これをジエチルエーテルから結晶化して346mg(59%)の無色固体を得た。構造は、13C NMR(75MHz;CDCl3):δC 13.1,14.5,20.0,21.9,28.0,36.3,36.7,40.3,41.8,41.9,54.7,68.1,100.0,102.0,109.0,116.4,122.0,135.1,137.3,153.8及び174.6によって確認された。
実施例2:本発明の非放射性PETトレーサーとその他方の鏡像異性体とのラセミ混合物の合成
実施例2(a):フルオロエチルトシレート(12)
2−フルオロエタノール(640mg、10mmol、0.6mL)を窒素下でピリジン(10mL)に溶解した。溶液を0℃で撹拌し、温度を5℃未満に保ちながら、塩化トシル(4.2g、21.8mmol)を30分かけて少しずつ溶液に添加した。反応物を0℃で3時間撹拌した。氷をゆっくりと添加し、続いて水(20mL)を添加した。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、水で洗浄した。水性層が酸性になるまで1N HCl溶液で洗浄することで、過剰のピリジンを除去した。1M炭酸ナトリウム水溶液で洗浄することで、過剰の塩化とシルを除去した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中で濃縮することで、2.1g(98%)のフルオロエチルトシレート(12)を無色油状物として得た。構造は、13C NMR(75MHz,CDCl3):δC 21.6(C3),68.5(d,JCF=173Hz,O2CH2F),80.6(d,JCF=173Hz,OCH2 2F),128.0,129.9,132.6及び145.1によって確認された。
実施例2(b):2−クロロ−5−メトキシ−フェニル)(2−フルオロエチル)アミン(13)
2−クロロ−5−メトキシアニリン塩酸塩(5.0g、26.0mmol)をDMF(50mL)に溶解し、水素化ナトリウム(2.3g、油中60%、57.0mmol)を添加した。反応物を窒素下においてRTで30分間撹拌した。DMF(5mL)中のフルオロエチルトシレート(12)(6.7g、31.0mmol)を滴下し、反応物をRTで2時間撹拌した。次いで、反応物を100℃で18時間加熱した。反応物を放冷し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を酢酸エチル(100mL)に溶解し、水(2×100mL)で洗浄した。有機物を回収し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中で濃縮して褐色油状物を得、これをペトロール(A):酢酸エチル(B)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィー(5〜30%(B)、330g、18.1CV、120mL/分)によって精製することで、1.3g(25%)の2−クロロ−5−メトキシ−フェニル)(2−フルオロエチル)アミン(13)を黄色油状物として得た。構造は、13C NMR(75MHz;CDCl3):δC 43.8(d,JCF=23Hz),55.3,82.0(d,JCF=165Hz),98.1,102.2,111.6,129.5,144.1及び159.5によって確認された。
実施例2(c):3−[(2−クロロ−5−メトキシ−フェニル)−(2−フルオロエチル)アミノ]−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル−1−エンカルボン酸エチルエステル(14)
THF(170mL)中における2−クロロ−5−メトキシ−フェニル)(2−フルオロエチル)アミン(13)(6.1g、30.0mmol)の溶液を−40℃に冷却した。カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(0.5Mトルエン溶液の126.0mL、63.0mmol)を滴下し、反応物を−40℃で30分間撹拌した。THF(30mL)中の3−ブロモ−2−ヒドロキシ−シクロヘキシ−1−エンカルボン酸エチルエステル(、実施例1(d)に従って製造)(7.4g、30.0mmol)を−40℃で滴下した。冷却浴を取り除き、反応物をRTで4時間撹拌した。反応物をブライン(300mL)で脱活し、酢酸エチル(2×400mL)で抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中で濃縮することで、12.0g(定量的)の3−[(2−クロロ−5−メトキシ−フェニル)−(2−フルオロエチル)アミノ]−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル−1−エンカルボン酸エチルエステル(14)を褐色油状物として得、これを次の段階で粗のまま使用した。異性体の混合物としての構造は、1H NMR(300MHz,CDCl3):δΗ 1.08(0.8H,t,J=9Hz,CO2CH2 3),1.22−1.33(2.2H,m,CO2CH2 3),1.40−2.60(7H,m,4−,5−及び6−CH2,CN),3.20−4.50(10H,m,NC 2CH2F,NCH2 2F,OC 3,CCO2CH2CH3),6.50−6.70(lH,m,CHC(OCH3)CCH),6.95(0.5H,dd,J=3及び6Hz,CHC(OCH3)CHC),7.08(0.5H,d,J=3Hz,CHC(OCH3)CHC)及び7.20−7.30(lH,m,CC(OCH3)CHCH)によって確認された。
実施例2(d):8−クロロ−9−(2−フルオロエチル)−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸エチルエステル(15)
8−クロロ−9−(2−フルオロエチル)−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸エチルエステル(15)の合成は、最初は国際公開第2003/014082号に記載された条件を用いて試みた。乾燥THF(20mL)中における2−クロロ−5−メトキシ−フェニル)(2−フルオロエチル)アミン(13、実施例2(b)に従って製造)(600mg、3.8mmol)の溶液を氷浴中で冷却し、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(0.5Mトルエン溶液の16mL、8.0mmol)で処理した。30分後、THF(4mL)中の3−ブロモ−2−ヒドロキシ−シクロヘキシ−1−エンカルボン酸エチルエステル(、実施例1(d)に従って製造)(1.04g、4.2mmol)を添加し、反応物を2時間かけてRTまで放温した。反応物を飽和塩化アンモニウム溶液で脱活し、エーテルで2回抽出した。抽出液を水及びブラインで洗浄し、乾燥し、真空中で濃縮した。粗物質をペトロール(A)及び酢酸エチル(B)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィー(2.5〜50%B、50g、25CV、40mL/分)によって精製した。主スポットは3種の成分の混合物であった。この混合物を乾燥塩化亜鉛(1.7g、12.6mmol)と共にトルエン(20mL)中で一晩還流させた。反応物を真空中で濃縮し、残留物を1N HCl(25mL)と酢酸エチル(25mL)との間に分配し、次いで酢酸エチルでもう1回抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄し、乾燥し、真空中で濃縮して褐色油状物を得た。1H NMRは、それが数種の成分の混合物であることを示した。一連の溶媒中におけるシリカ上でのTLCでは、この混合物を別々のスポットに分離することができなかった。混合物の1H NMRを基準試料と比較したところ、混合物は推定25%の8−クロロ−9−(2−フルオロエチル)−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸エチルエステル(15)を含むことがわかった。
次いで、変法を実施した。3−[(2−クロロ−5−メトキシ−フェニル)−(2−フルオロエチル)アミノ]−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル−1−エンカルボン酸エチルエステル(14)(12.2g、30.0mmol)をジエチルエーテル(250mL)に溶解し、塩化亜鉛(16.4g、30.0mmol)を添加した。反応物を16時間加熱還流した。酢酸エチル(500mL)を添加してすべてを溶解し、2N HCl(200mL)、水(200mL)及び10%炭酸カリウム(200mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中で濃縮した。粗物質をペトロール(A):酢酸エチル(B)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィー(5〜20%B、12CV、10g、100mL/分)によって精製することで、5.3g(2段階にわたって50%)の8−クロロ−9−(2−フルオロエチル)−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸エチルエステル(15)を黄色固体として得た。構造は、13C NMR(75MHz,CDCl3):δC 14.4,20.4,22.2,27.4,40.1,44.2(d,JCF=23Hz),55.1,60.2,83.9(d,JCF=173Hz),100.6,107.9,108.2,119.8,123.1,131.9,137.2,152.7及び175.7によって確認された。
実施例2(e):9−(2−フルオロエチル)−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸エチルエステル(16)
8−クロロ−9−(2−フルオロエチル)−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸エチルエステル(15)(5.3g、15.0mmol)をメタノール(180mL)に溶解し、トリエチルアミン(1.8g、18.0mmol、2.5mL)及び10%Pd/C(メタノール(20mL)中2g)を添加した。混合物をParr水素添加装置上に置き、水素雰囲気下で18時間振盪した。反応物をセライトパッドで濾過し、メタノールで洗浄し、溶媒を真空中で除去した。残留物を酢酸エチル(300mL)に溶解し、10%炭酸カリウム水溶液(200mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中で濃縮することで、4.2g(88%)の9−(2−フルオロエチル)−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸エチルエステル(16)を淡褐色固体として得た。構造は、13C NMR(75MHz,CDCl3):δC 14.3,20.6,21.8,27.6,40.3,43.3(d,JCF=23Hz),54.9,60.1,82.0(d,JCF=165Hz),99.8,102.1,107.3,117.2,121.8,134.9,137.6,153.8及び176.0によって確認された。
HPLC(Gemini 150×4.6mm,20分で50〜95%メタノール/水)、13.6分(94%)。
実施例2(f):9−(2−フルオロエチル)−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸(17)
8−クロロ−9−(2−フルオロエチル)−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸エチルエステル(16)(380mg、1.2mmol)をエタノール(4mL)に溶解した。水酸化ナトリウム(580mg、14.5mmol)を6mLの水に溶解した溶液を添加した。反応混合物を一晩加熱還流した。溶媒を真空中で除去し、粗混合物を水で希釈し、酸性になるまで2N HClで酸性化し、ジクロロメタンで洗浄した。有機物を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中で濃縮することで、347mg(定量的)の9−(2−フルオロエチル)−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸(17)をオフホワイトの固体として得、これを次の段階で粗のまま使用した。構造は、13C NMR(75MHz;CDClg):δC 20.4,21.9,27.2,39.9,43.3(d,JCF=23Hz),55.1,81.9(d,JCF=173Hz),100.3,102.8,106.2,117.1,122.2,135.6,137.8,153.3及び180.8によって確認された。
実施例2(g):9−(2−フルオロエチル)−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボニルクロリド(18)
乾燥ジクロロメタン(2mL)中における9−(2−フルオロエチル)−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸(17)(347mg、1.2mmol)の溶液を窒素下で撹拌した。塩化オキサリル(453mg、3.6mmol、300μL)を添加し、続いて1滴のDMFを添加した。反応混合物を窒素下においてRTで2時間撹拌し、次いで真空中で蒸発させることで、371mg(定量的)の9−(2−フルオロエチル)−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボニルクロリドをガムとして得、これを精製せずに次の段階で使用した。構造は、13C NMR(75MHz,CDCl3):δC 20.2,21.7,26.4,43.3(d,JCF=23Hz),54.9,80.5,83.1,100.2,102.2,105.8,116.7,122.4,135.5,137.4,153.5及び176.6によって確認された。
実施例2(h):9−(2−フルオロエチル)−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸ジエチルアミド
9−(2−フルオロエチル)−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボニルクロリド(18)(371mg、1.2mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、0℃に冷却した。次いで、ジエチルアミン(177mg、2.4mmol、250μL)を添加し、反応物をRTで一晩撹拌した。反応物を10%炭酸カリウム水溶液(2mL)で脱活した。ジクロロメタン層を相分離によって回収し、次いで真空中で濃縮した。粗物質をペトロール(A):酢酸エチル(B)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィー(50〜100%(B)、50g、35.2CV、40mL/分)によって精製することで、淡黄色固体を得た。次に、この固体を最小量のジエチルエーテルでトリチュレートすることで、240mg(58%)の9−(2−フルオロエチル)−5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4−カルボン酸ジエチルアミドを得た。構造は、13C NMR(75MHz,CDCl3):δC 13.0,14.6,19.9,21.9,28.0,36.3,40.5,41.9,43.1(d,JCF=23Hz),54.7,82.0(d,JCF=173Hz),99.7,102.1,108.3,117.0,121.5,135.3,137.4,153.3及び174.8によって確認された。
実施例3:前駆体化合物1及びその他方の鏡像異性体の合成
6分の実行時間にわたり40℃の30%IPAを13ml/分で使用するKromasil Amycoat,250×10mm,5μm,100Åカラム上でのキラル超臨界流体(CO2)クロマトグラフィーを用いて、(実施例1に記載したようにして得られた)前駆体化合物1とその他方の鏡像異性体とのラセミ混合物をその鏡像異性体に分離した。60mgのラセメートを1,4−ジオキサン(2ml)に溶解し、各回の溶出に関して一度に最大200μlを注入した。2種の鏡像異性体間の基線分離が達成された。Chiral Technologies社製のIC上での分析HPLC(250×4.6mm、5μM、イソクラティック溶出、0.5ml/分及び室温の80:20−MeOH:IPA)によって2種の分離された鏡像異性体の鏡像異性体純度を測定したところ、各々の鏡像異性体は99.5%の鏡像異性体純度を有することがわかった。
実施例4:本発明のPETトレーサー及びその他方の鏡像異性体の合成
実施例3に従って得られた前駆体化合物1及びその鏡像異性体を、FASTLab(商標)(GE Healthcare社)カセットを用いて18Fで標識した。
GE PETraceサイクロトロン上においてGE Healthcare社から供給源される[18F]−フッ化物イオンをQMAカートリッジ上に捕捉した。K222(8mg)、KHCO3(200μl、0.1M水溶液)及びMeCN(1ml)を溶離剤バイアル1に添加した。溶離剤バイアル1からの溶離剤0.6mlを用いてQMAカートリッジを溶出した。18F溶出液の乾燥を100℃で20分間実施し、続いて86℃に冷却してから前駆体を添加した。
3mgの各前駆体化合物を1.6mlのCH3CNに溶解した。この溶液1mlを反応器に添加した。反応器を100℃で15分間加熱した。次いで、反応器を2mlの水ですすいだ。
半分取HPLCを下記のようにして実施した。
分析用アキラルHPLCを下記のようにして実施した。
分析用キラルHPLCを下記のようにして実施した。
EOS収率は、本発明のPETトレーサーに関しては32%であり、その鏡像異性体に関しては19%であった。
実施例5:本発明のPETトレーサーの非放射性類似体及びその他方の鏡像異性体の合成
6分の実行時間にわたり40℃の20%IPAを14ml/分で使用するKromasil Amycoat,250×10mm,5μm,100Åカラム上でのキラル超臨界流体(CO2)クロマトグラフィー(SFC)を用いて、(実施例2に記載したようにして得られた)本発明の非放射性PETトレーサーとその他方の鏡像異性体とのラセミ混合物をその鏡像異性体に分離した。100mgのラセミ混合物を1,4−ジオキサン(2.5ml)に溶解し、各回の溶出に関して一度に最大200μlを注入した。混合画分が捕集されないことを保証するため、画分を時間でカットした。Chiral Technologies社製のIC上での分析HPLC(250×4.6mm、5μM、イソクラティック溶出、0.5ml/分及び室温の80:20−MeOH:IPA)によって2種の分離された鏡像異性体の鏡像異性体純度を測定したところ、各々の鏡像異性体は99.5%の鏡像異性体純度を有することがわかった。
実施例6:振動円偏光二色性による絶対立体化学の決定
本発明のPETトレーサーの非放射性類似体及びその鏡像異性体、並びに前駆体化合物1及びその鏡像異性体を試験した。各試験化合物をCDCl3に溶解し(PETトレーサー及びその鏡像異性体については5mg/0.12mL、前駆体化合物1及びその鏡像異性体については5mg/0.15mL)、BaF2窓を有する光路長100μmのセル内に入れた。DualPEMを備えたChiralIRTM VCD分光計(BioTools Inc.)上において、4cm-1の分解能、各試料について11時間の収集、及び1400cm-1で最適化した計器を用いてIR及びVCDスペクトルを記録した。150回のスキャンに関して溶媒のIRを収集した。溶媒を差し引いたIRスペクトル及び鏡像異性体を差し引いたVCDスペクトルを収集した。590nm及び25℃でJasco DIP−370 Polarimeterを用いて、各試験化合物の旋光度(OR)を測定した。
Hyperchem(Hypercube,Inc.、ゲインズビル、米国フロリダ州)を用いて、各々の場合における(R)配置を構築した。分子力学レベルでの全体構造に関し、Hyperchemを用いてコンフォメーションサーチを実施した。Gaussian 09(Gaussian Inc.、ウォーリングフォード、米国コネティカット州)を用いて、幾何学的形状、振動数並びにIR及びVCD強度計算をDFTレベル(B3LYP汎関数/6−31G(d)基底系)で行った。実験との比較のため、計算された振動数は0.97でスケーリングし、IRおよびVCD強度は6cm-1の半幅値をもつローレンツ型バンドに変換した。
PETトレーサー及びその鏡像異性体に関しては、36のコンフォーマーのガウス計算の結果、最低エネルギーコンフォーマーから1kcal/mol以内のエネルギーを有する10のコンフォーマーが得られた。(R)配置に関して計算された4つの最低エネルギーコンフォーマーの最適化幾何学的形状を計算し、観測されたVCD及びIRスペクトルを10の最低エネルギー計算コンフォーマーのものと比較した。観測されたスペクトル及び10の最低エネルギーコンフォーマーの計算スペクトルのボルツマン和に関するVCDパターンの総合的一致に基づけば、本発明のPETトレーサーの絶対配置は(S)と決定され、その鏡像異性体は(R)と決定される。かかる決定をCompareVOAプログラム(Biotools社)によって評価したところ、様々なキラル構造に関する89の以前の正しい決定例を含む現行のデータベースに基づけば、決定の信頼レベルは100%である。
前駆体化合物1及びその鏡像異性体に関しては、36のコンフォーマーのガウス計算の結果、最低エネルギーコンフォーマーから1kcal/mol以内のエネルギーを有する9のコンフォーマーが得られた。観測されたスペクトル及び9の最低エネルギーコンフォーマーの計算スペクトルのボルツマン和に関するVCDパターンの総合的一致に基づけば、前駆体化合物1の絶対配置は(S)と決定され、その鏡像異性体は(R)と決定される。かかる決定をCompareVOAプログラムによって評価したところ、様々なキラル構造に関する89の以前の正しい決定例を含む現行のデータベースに基づけば、決定の信頼レベルは96%である。この決定は、本発明のPETトレーサーの非放射性類似体の立体配置の決定と一致している。
実施例7:インビトロ効力アッセイ
Le Fur et al(Life Sci.1983;USA 33:449−57)の方法を改変した方法を用いて、PBRに対する親和性のスクリーニングを行った。本発明のPETトレーサーの非放射性類似体及び関連するラセメートを試験した。(1%DMSOを含む50mM Tris−HCl,pH7.4,10mM MgCl2に溶解した)各試験化合物を、Wistarラット心臓PBR又はヒトPBRとの結合に関して0.3nM[3H]PK−11195と競合させた。反応は50mM Tris−HCl,pH7.4,10mM MgCl2中において25℃で15分間実施した。各試験化合物のスクリーニングは、推定Kiの周辺の300倍の濃度範囲にわたる6種の濃度で行った。下記のデータが得られた。
実施例8:インビトロキラル安定性アッセイ
実施例2に従って得られた本発明の非放射性PETトレーサーをヒト血漿又はラット肝臓S9画分中で最大4時間インキュベートした(37℃)。鏡像異性体をタンパク質の沈殿によって生物学的材料から抽出した。固体沈殿物を液相から分離し、液相を蒸発乾固した。乾燥残留物をアセトニトリルに溶解した。
この試験では、2台のポンプ(マイクロポンプLPG−3000及びUltimate 3000ポンプ)、UV/可視検出器、オートサンプラー及び2つの切換え弁からなるDionex Ultimate 3000 HPLCシステムを適用した。一方の切換え弁は、2台のポンプとオートサンプラーとを連結していた。このような構成は、いずれかのポンプを用いてカラムに注入することを可能にした。注入のために使用するポンプはSPEカラムのみに連結した。注入及び溶出後、SPEカラムは注入ポンプを用いて洗浄した。システムは、キラル分析の信号中に新しい注入のための準備を行った。
他方の切換え弁は、分析カラムとSPEカラムとを連結していた。物質をSPEカラム上に保持した後、弁を切り換え、分析ポンプが物質をSPEカラムから分析キラルカラム中に溶出した。溶出の流れ方向を保持の流れ方向に逆転させた。分析ポンプを分析システムのみに連結し、溶出の開始まで検体を待った。SPEカラム上での溶出の実行時間及びこのカラムからの溶出時間はいずれも、二段階プロセスを最適化するように変化させた。
分析カラム:同じ材料のプレカラム0.4×1cmを有するChiralpak IC 0.46×25cm。
SPEカラム:LiChrospher ADS RP−4 25×4mm(RAMカラム)、25μm粒子。MWカットオフ:15kDa(Merck社)。
移動相:A:10mM酢酸アンモニウム,pH7、B:1:1 MeCN:MeOH。流量は300μL/分であった。
検出:230nmでのUV検出。
SPEカラム上への保持:検体をSPEカラム上に保持する場合、50mM酢酸アンモニウム中の10%MeCNを用いるイソクラティックモードを適用した。保持は4分間続け、次いで弁を切り換えた。
SPEカラムからの溶出及び分離:10%のMeCNと90%の10mM酢酸アンモニウムとの移動相混合物を用いて溶出を開始した。5分後、弁をSPEカラムに戻し、これを緩衝液中の90%MeCN/MeOHで洗浄した。分離カラム上の勾配を緩衝液中65%有機相から開始し、26.5分で緩衝液中85%有機相まで変化させた。70%MeCN/MeOHを用いて分析カラムを3分間洗浄し、次いで10%MeCN/MeOHで安定化することで、次の注入のために分離システムを準備した。全実行時間は40分であった。
PETトレーサーは、4時間のインキュベーション後にいかなるクロマトグラフィー変化も示さなかった。クロマトグラフィー結果を、血漿中の非インキュベート試料及び本発明のPETトレーサーの参照溶液と比較した。いかなるラセミ化も認められなかった。
ラット肝臓S9画分中における本発明のPETトレーサーは、4時間のインキュベーション後にラセミ化しなかった。
実施例9:インビボ体内分布
本発明のPETトレーサー、その他方の鏡像異性体及び二者のラセミ混合物をインビボ体内分布モデルで試験した。
雄Wistarラット成体(200〜300g)に、側尾静脈を通して1〜3MBqの試験化合物を注射した。注射から2分後、10分後、30分後又は60分後(n=3)に、ラットを安楽死させ、γ線カウンター上での放射能測定のために組織又は体液の試料を採取した。
下記の注目すべきデータが観測された。
実施例10:インビボ代謝試験
投与から最大1時間後までに、母体試験化合物に原因する脳又は血漿内放射能の量を試験した。本発明のPETトレーサー及びその関連するラセメートが試験化合物であった。
雄Wistarラット成体(150〜200g)に約20MBqの試験化合物を注射した。注射から10分後、30分後及び60分後に、脳及び血漿試料をHPLCによって分析した。下記のHPLC条件を使用した。
下記の注目すべきデータが観測された(表中の「pi」は注射後を意味する)。
実施例11:インビボブロッキングアッセイ
関連するラセメートと比較した本発明のPETトレーサーのインビボ体内分布を、それぞれの非放射性類似体の予備投与後又は既知のPBR特異的リガンドPK11195の予備投与後に試験した。
雄Wistarラット成体(200〜300g)に、側尾静脈を通して約3〜4MBqの試験化合物を注射した。放射性標識試験化合物の5分前に、PK11195又は非放射性類似体(いずれも3mg/kg)を投与した。注射から30分後に、ラットを安楽死させ、γ線カウンター上での放射能測定のために組織又は体液の試料を採取した。
下記の注目すべきデータが観測された。
実施例12:炎症の顔面神経軸索切断モデル
神経炎症の病巣部位への結合をオートラジオグラフィーによって試験した。試験化合物は本発明のPETトレーサー及びその関連するラセメートであった。
雄Wistarラット成体(200〜300g)を未処置のままで使用するか、或いはGraeber and Kreutzberg(J Neurocytol 1986;15:363−373)によって記載された方法に従って顔面神経軸索切断術を施した。脳幹及び嗅球を含む各種の組織を動物から取り出し、イソペンタン中で迅速に凍結し、次いで使用時まで−70℃で貯蔵した。組織を切片化(12μm)し、Superfrost Plusスライド上にら融解マウントした。スライドを使用時まで−70℃で貯蔵した。
スライドを風乾した後、Tris−HCl緩衝液(170mM、pH7.4)中において室温で5分間予備インキュベートした。1000倍過剰の非放射性PK11195(1μM)又は本発明の非放射性PETトレーサー(1μM)を添加した後、8GBq/mlの試験化合物を含むTris−HCl緩衝液(170mM、pH7.4)と共に60分間インキュベートした。次いで、切片を氷冷緩衝液(Tris−HCl、170mM、pH7.4)中で5分間ずつ2回すすぐことで反応を停止させ、次いでスライドを蒸留水中に短時間浸してすすいだ。次に、スライドを空気中で乾燥し、X線フィルムに露光した。X線フィルムへの露光時には、参照標準も含めた。インビトロオートラジオグラフィーのためには、溶液から参照試料(20μ)を採取し、(ガラスにテープで留めた)濾紙上に置き、切片と共に露光させた。フィルムを24時間露光させ、参照試料に合わせた較正曲線として密度勾配スケールを使用するMCIDソフトウェアを用いて特定の解剖学的構造の周辺及びブロックド試料の周辺の検査対象領域、参照領域並びにバックグラウンドを描画することでデータを分析した。
下記の注目すべきデータが観測された。

Claims (23)

  1. 下記の化学構造を有する陽電子放出断層撮影(PET)トレーサー。
  2. 請求項1記載のPETトレーサーを製造するための前駆体化合物であって、下記の式Iを有する前駆体化合物。
    (式中、R1はヒドロキシル又は脱離基である。)
  3. 前記脱離基がメシレート、トシレート及びトリフレートから選択される、請求項2記載の前駆体化合物。
  4. 前記脱離基がメシレートである、請求項3記載の前駆体化合物。
  5. 請求項2乃至請求項4のいずれか1項記載の式Iの前駆体化合物を製造するための第1の方法であって、
    (i)前記式Iの前駆体化合物と下記の式IIの化合物とのラセミ混合物を用意する段階、並びに
    (式中、R2は請求項2乃至請求項4のいずれか1項でR1に関して定義した通りであり、R1及びR2は同一である。)
    (ii)前記式Iの前駆体化合物を前記式IIの化合物から分離する段階
    を含んでなる方法。
  6. 前記分離段階が、高速液体クロマトグラフィー、超臨界流体クロマトグラフィー又は模擬ベッドクロマトグラフィーを含む、請求項5記載の方法。
  7. 請求項2乃至請求項4のいずれか1項記載の式Iの前駆体化合物を製造するための第2の方法であって、当該方法は
    (i)下記の式IIIの化合物を用意する段階、
    (式中、PG1はヒドロキシル保護基である。)
    (ii)前記式IIIの化合物をその対応する酸塩化物に転化させる段階、
    (iii)段階(ii)で得られた酸塩化物をジエチルアミドと反応させて下記の式IVの化合物を得る段階、
    (式中、PG2はヒドロキシル保護基であり、PG1と同一である。)
    (iv)段階(iii)で得られた式IVの化合物を脱保護してヒドロキシル誘導体を得る段階、及び
    (v)請求項2乃至請求項4のいずれか1項で式Iに関して定義した脱離基を任意に付加する段階
    を含んでなり、式Iの前駆体化合物が段階(iv)又は段階(v)から得られる、方法。
  8. 前記式IIIの化合物を用意する前記段階(i)が、
    (a)下記の式Vの化合物と下記の式VIの化合物とのラセミ混合物を用意する段階、
    (式中、R1はキラルアルコールであり、PG3及びPG4は同一であり、各々がヒドロキシル保護基である。)
    (b)式Vの化合物を式VIの化合物から分離する段階、及び
    (c)酸性条件を用いて分離された式Vの化合物からR1を除去し、それによって前記式IIIの化合物を得る段階
    を含む、請求項7記載の方法。
  9. 前記式IIIの化合物を用意する前記段階(i)が、
    (a)前記式IIIの化合物と下記の式VIIIの化合物とのラセミ混合物を用意する段階、及び
    (式中、PG5はヒドロキシル保護基であり、請求項7で定義したPG1と同一である。)
    (b)段階(a)に記載した混合物を光学活性アミンと反応させることで、前記式IIIの化合物を前記式VIIIの化合物から分離する段階
    を含む、請求項7記載の方法。
  10. 前記光学活性アミンが、S−α−メチルベンジルアミン、R−(+)−N−(1−ナフチルメチル)−α−ベンジルアミン、N−(2−ヒドロキシ)エチル−α−メチルベンジルアミン及び1−(P−トリル)エチルアミンから選択される、求項9記載の方法。
  11. 前記式IIIの化合物を用意する前記段階(i)が、
    (a)下記の式IXの化合物と下記の式Xの化合物とのラセミ混合物を用意する段階、及び
    (式中、PG6及びPG7は同一であり、各々がヒドロキシル保護基である。)
    (b)段階(a)に記載した混合物を立体選択性酵素と反応させることで、前記立体選択性酵素により式IXの化合物をエステル加水分解して前記式IIIの化合物を得る段階
    を含む、請求項7記載の方法。
  12. 前記立体選択性酵素が、Candida antarcticaリパーゼB、ブタ肝臓エステラーゼ及びブタ膵臓リパーゼから選択される、請求項11記載の方法。
  13. 請求項1記載のPETトレーサーを製造するための方法であって、請求項2乃至請求項4のいずれか1項記載の式Iの前駆体化合物を18Fの適当な供給源と反応させる段階を含んでなる方法。
  14. 前記式Iの前駆体化合物に関してはR1が脱離基であり、前記18Fの適当な供給源が18F−フッ化物イオン及びカチオン性対イオンを含む、請求項13記載の方法。
  15. 前記カチオン性対イオンが、ルビジウム、セシウム、クリプタンドと錯体化したカリウム、及びテトラアルキルアンモニウム塩から選択される、請求項14記載の方法。
  16. 自動化される、請求項13乃至請求項15のいずれか1項記載の方法。
  17. 請求項16記載の方法を実施するためのカセットであって、
    (i)請求項2乃至請求項4のいずれか1項記載の前駆体化合物を含む容器、及び
    (ii)請求項13乃至請求項15のいずれか1項記載の18Fの適当な供給源を用いて段階(i)の容器を溶出するための手段
    を含んでなるカセット。
  18. さらに、(iii)過剰の18Fを除去するためのイオン交換カートリッジを含む、請求項17記載のカセット。
  19. 請求項1記載のPETトレーサーを、哺乳動物への投与に適した生体適合性キャリヤーと共に含んでなる放射性医薬組成物。
  20. 被験体におけるPBR発現の分布及び/又は程度を決定するためのPETイメージング方法であって、
    (i)請求項1記載のPETトレーサーを前記被験体に投与する段階、
    (ii)前記PETトレーサーを前記被験体内のPBRに結合させる段階、
    (iii)前記結合PETトレーサー中に含まれる18Fから放出される信号を検出する段階、
    (iv)前記信号の位置及び/又は量を表す画像を生成する段階、並びに
    (v)前記被験体におけるPBR発現の分布及び程度を決定する段階であって、前記発現は前記信号と直接に相関している段階
    を含んでなるPETイメージング方法。
  21. 前記PETトレーサーが請求項19記載の放射性医薬組成物として投与される、請求項20記載のPETイメージング方法。
  22. 前記被験体に関する治療計画の進行中に繰り返して実施される請求項20又は請求項21記載のPETイメージング方法であって、前記治療計画がPBR状態と戦うための薬物の投与を含むPETイメージング方法。
  23. PBRがアップレギュレートされた状態の診断方法であって、請求項20又は請求項21記載のPETイメージング方法を、PBR発現の分布及び程度を特定の臨床像に帰因させる追加段階(vi)と共に含んでなる診断方法。
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