先行技術
本発明は、独立請求項1の上位概念に記載された制御機器に基づく。
種々の機能および装置を制御するための制御機器は一般的に知られており、自動車産業においては、自動車の種々の機能を制御するために、ますます使用されるようになってきている。この制御機器は、種々異なる機械的な形態で実現される。通常、制御機器は回路モジュールから成る。この回路モジュールは通常、覆いと底面とから成るケーシングユニット内に配置されている。この回路モジュールはしばしば、プリント回路基板として構成されている回路担体を含んでいる。この回路担体上に、少なくとも1つの電気/電子回路ユニットとコンタクトユニットが配置されている。このコンタクトユニットは、別の電気的な構成ユニットへ制御機器を電気的に接続させるためのものである。コンタクトユニットは通常、いわゆるオス形多点コネクタとして構成されており、これを介してプリント回路基板は例えばケーブル線と接触接続する。
公開文献DE4443501A1号には例えば、密閉可能なケーシングユニットを有する制御機器が記載されている。このケーシングユニットは、プリント回路基板として構成された回路担体を含んでいる回路モジュールを収容するために用いられる。この回路担体には、制御機器の機能に対して必要な全ての構成素子が設けられている。このケーシングユニットは、電気機械的な装置と固定的に接続されている第1のケーシング部分と、この固定されたケーシング部分から離れる方向に動くことが可能な第2のケーシング部分とを含んでいる。別の電気的な構成ユニットへ制御機器のプリント回路基板を電気的に接続するために、ケーシングユニットの可動ケーシング部分には、オス形多点コネクタとして構成されているコンタクトユニットが設けられている。
発明の概要
独立請求項1の特徴を備えた本発明の制御機器は、従来技術とは異なり、ケーシングユニットが保護材を含んでいるという利点を有している。この保護材は、回路モジュールを、少なくとも1つのコンタクトユニットが配置されている、保護材によって取り囲まれる少なくとも1つの領域を空洞にして包囲する。
本発明の実施形態はこれによって、2つの重要な点を満たす。1つは、回路担体とその構成部分を外部の影響、例えば温度、汚れおよび/または水分から保護することであり、もう1つは回路担体を別の電気的な構成ユニット、例えばケーブルツリーと直接的に接触接続させることを可能にすることである。装着されている回路担体の、保護材を用いた、被覆成形によるこの有利な包囲によって、そうでない場合には通常である、複数の製造ステップを省くことができる。これによって有利には、コストを省くことができる。被覆成形時には、装着された回路担体は直接的にプラスチックによって射出成形被覆される。これによって、そうで無い場合には通常のケーシング部分、例えばケーシング下部およびケーシング上部が省かれる。従って、製造時に幾つかの取り付けステップ、例えばケーシング構成部分の供給、ケーシング下部内での回路担体のねじ止め、ケーシング下部とケーシング上部との間で作用するシーリングの被着、ケーシング下部上へのケーシング上部の載置、2つのケーシング部分相互のねじ止めが省かれる。殊に、ケーブルツリー等との回路担体の直接的な接触接続が可能であることによって、付加的に組み込まれるコンタクトユニット、例えばオス形多点コネクタを省くことができる。これによって、有利には、制御機器用の製造コストが下げられる。コンパクトで、比較的小さく、かつ周辺影響から良好に保護されている制御機器が得られる。
従属請求項に記載されている措置および発展形態によって、独立請求項1に記載されている制御機器を有利に改善することができる。
特に有利には、制御機器は少なくとも1つのコンタクト装置を有している。このコンタクト装置は、少なくとも1つの空洞領域に割り当てられており、回路モジュールをシーリングするためのシーリングユニットと、少なくとも1つのコンタクトユニットと接触接続させるための少なくとも1つのコンタクトエレメントとを含んでいる。ここで保護材内に設けられている空洞は、この空洞を包囲している外縁を有する。殊に、この包囲されている外縁は、保護材から形成されている。この外縁はここで、コンタクトエレメントないしは回路モジュールをシーリングするのに適している面を有している。これは、シーリングエレメントと作用接続される。有利にはこれによって容易かつ低コストに、回路担体と別の構成部分との確実な電気的な接触接続が保証される。
本発明による制御機器の有利な実施形態では、回路モジュールのシーリングは、コンタクト装置を介して行われる。これは、ケーシングユニットの外面および/または、少なくとも1つの空洞領域の外套面、殊に、空洞の、この領域内に形成されている閉鎖された外縁で行われる。有利には、制御機器の回路モジュールの本発明による包囲によって、ケーシングユニットの外面で回路モジュールを密閉することができる。これら2つの面は例えば、成形時に、極めて正確にかつ高い表面の質で構成される。これによって良好なシーリングが実現される。ケーシングユニットの本発明によるこの構成に基づいて、殊に、ケーシング下部とケーシング上部との間で作用するシーリングを被着することが省かれる。この密閉によってさらに、回路モジュールを空洞領域の外套面で密閉することが可能になる。この場合には、この空洞内に設けられるべきコンタクト装置がくさび形状に構成される。従って、この空洞の形成された外縁は、少なくとも1つの領域において、ケーシングユニットの外面から始まって、回路モジュールのコンタクトエレメントの方向で、傾斜して降下するように構成されている。良好な接触接続のために、コンタクト装置のコンタクトエレメントが常に同じ力で、有利にはグラウンドとして構成されているコンタクトユニット上に載置される、ないしは押圧されるのは有利である。このために、ケーシングユニットの外面の間の間隔、すなわちケーシングユニットの上方エッジと下方エッジとの間の間隔、ひいてはコンタクトエレメントの長さも一定であることが必要である。しかし回路担体の厚さは通常、一定ではなく、ある程度変動する。空洞の外套面で行われる密閉によってこの欠点が除去される。従って一定の間隔、ひいては一定の接触力が保証される。
本発明の別の有利な形態では、少なくとも1つのコンタクトユニットに1つの空洞が割り当てられている。ここでこれらの複数のコンタクトユニットに、1つの共通の空洞が割り当てられている、または各コンタクトユニットに1つの別個の空洞が割り当てられている。有利には、ケーシングユニットの本発明による構成は空洞の種々の実施形態を可能にする。ここで、空洞の数、大きさおよび位置は、要望に応じて自由に選択可能である。すなわち、使用可能な空間に依存して、並びにコンタクトユニットが配置されている回路担体上の領域に依存して、自由に選択可能である。本発明の第1の実施形態では、コンタクトユニットがその上に位置している回路担体の全領域が、空洞にされる。本発明の第2の実施形態では、付加的に、コンタクトユニットの間の自由空間が保護材で充填される。従って、依然としてコンタクトユニットは露出されている。コンタクトユニット上のこのような、いわゆる通路はここで有利には、縦穴としてまたは穿孔として構成される。有利にはこの場合にはフィン構造が生じる。これは、コンタクトユニットに対する傷害保護である。従って、コンタクトユニットは損傷および/または接触から保護される。殊にこの構成は付加的に、製造プロセスにおいて利点を提供する。この利点は密閉および工具における公差補償に関する。同時に、ケーシングユニットの1つないしは複数の空洞内での、回路担体に接触しているコンタクト装置のセンタリングも行われる。
本発明による制御機器の別の構成では、コンタクトユニットは、回路担体の方面にのみ配置される。有利には、コンタクトユニットは、回路担体上に少なくとも1つの列で配置される。制御機器の製造時には、装備された回路担体は、有利には、プラスチックとして構成されている保護材によって包囲され、有利には熱硬化性樹脂によって被覆鋳造される。このような成形プロセスは、工具内および回路担体上のコンタクトユニットに対して良好な密閉措置を必要とする。なぜなら、成形材ないしは保護材は通常、極めて低粘度の材料だからである。これは小さい隙間内に流入してしまう恐れがある。有利には、回路担体上でのコンタクトユニットの本発明による位置付けによって、標準的な回路担体では通常約±0.15mmである回路担体の厚さ公差を、成形工具の密閉コンセプトにおいて考慮する必要がなくなる。公差は構成部分ないしは製品の構造、製造および取り付け時の重要な視点であり、各個々の構成部分の公差は複数の部分の組み立て時に合算されて、不利な公差連鎖を形成し得るので、公差をできるだけ小さく保つことが重要である。しかし選択される公差が小さくなるほど、相応する構成部分の製造にはよりコストがかかり、高価になってしまう。まさに、回路担体のこの公差は、構造および構成部分全体に対する試みである。制御機器に対する回路担体の基本材料は例えば約1.6mmの厚さであり、この際に公差は上または下方向で、格段に0.1mmを越える。従って通常使用されている標準的な回路担体は、約±0.15mmの厚さ公差を有する。ここで標準的なレイアウトを有する回路担体が使用される場合には、成形工具は回路担体のこの厚さ公差を補償しなければならない。成形原材料の上述した低い粘度が原因で、極めて高い要求が工具に課せられる。テストによって、回路担体ベースの上方縁部と、グラウンドとして構成されたコンタクトユニットの上方縁部との、約50μmの高低差だけでも、グラウンド間の成形材の流出の原因となってしまう、ということが明らかになっている。これはいわゆるブリージング(Bleeding)およびフラッシング(Flashing)である。コンタクトユニットが、回路担体の片面上にのみ位置付けられているということによって、工具は公差を補償する必要がなくなり、確実に良好な成形結果が得られる。殊に、回路担体のこの構成は、回路担体と別の電気的な構成素子との接触接続時に充分な接触力を保証する。コンタクトユニットが回路担体の片面にのみ配置されているということによって、回路担体厚さの公差が、この接触接続時に補償される必要はない。これによって、接触のためのシステムないし装置は、これが従来のオス形多点コネクタであるか、または直接差し込みシステムないしは直接差し込み接続部であるかにかかわらず、より簡単に設計され、これによって低コストに構成される。
有利には、2つの隣接した列のコンタクトユニットは、回路担体上に相互にずらして配置される。有利にはこれによって、回路ユニットの個々の導体路を良好に分解することが可能になる。
本発明による制御機器の別の有利な構成では、コンタクト装置は、コンタクトエレメントが設けられたケーシングを有する。このケーシングは、少なくとも2つの、相対的に動くケーシングエレメントを有する。これらのケーシングエレメントは、制御機器を少なくとも部分的に、自身の間に収容する。有利には、制御機器とコンタクト装置との全体的な配置構成のコンパクトな構造が得られる。制御機器がコンタクト装置によってほぼ「受け入れられる」ようにするために、制御機器とコンタクト装置とから成るこの配置構成は全体として、制御機器と従来の差し込みコンセプトとから成る直列的な配置構成よりも小さく構成される。有利には、制御機器に対する、コンタクト装置の容易かつ確実な固定が実現される。これは殊に、振動負荷の発生に関する。
コンタクト装置のさらなる有利な構成では、ケーシングエレメントは、ヒンジを介して相対して旋回するように構成されている。コンタクト装置のさらなる有利な構成では、ケーシングエレメントは、係合装置を介して相対的に固定される。有利にはこれによって、コンタクト装置を制御機器に、殊に発生している振動負荷に関して、容易かつ確実に固定することができる。この場合には有利には付加的な可動部分、例えばスライダーまたは付加的な旋回レバーを省くことができる。
コンタクト装置の別の有利な構成では、コンタクトエレメントは、少なくとも1つのケーシングエレメントの内側に配置されている端子片を含んでいる。これにはばね負荷されたコンタクトボディが配置されている。有利には制御機器は、閉鎖されたコンタクト装置内に確実に保持されている。コンタクト装置のシーリングユニットは、制御機器の成形された表面上を確実に密閉し、弾性のコンタクトボディは、回路担体のコンタクトユニット上に確実に固定されている。総合的に、確実な、外部に対して密閉されている、別の電気的な構成部分と回路担体の直接的な電気的接触接続が得られる。相対して旋回可能な、コンタクト装置のケーシングエレメントによって、制御機器とコンタクト装置の取り付け時の電気的なコンタクト面の摩擦負荷が確実に回避される。
本発明の実施例を図示し、以下でより詳細に説明する。
図1〜4および9〜15から読み取れるように、殊に自動車用の制御機器10a、10b、10cは、ケーシングユニット12a、12b、12cと、このケーシングユニット12a、12b、12c内に配置されている回路モジュール14a、14bおよび14cとを含んでいる。図2〜4および10および12〜15から読み取れるように、回路モジュール14a、14b、14cは、回路担体16a、16bおよび16cを含んでいる。この回路担体上には少なくとも1つの電気/電子回路ユニット18a、18b、18cと、複数のコンタクトユニット20a、20b、20cとが取り付けられている、ないしは被着されている。これらのコンタクトユニットは、有利にはエンジン制御機器として構成されている制御機器10a、10b、10cを、図6〜8および12〜15から読み取れる別の電気的な構成ユニット22cに電気的に接触接続させるためのものである。この実施例では、回路担体16a、16b、16cは有利にはプレート形状に構成されており、輪郭は有利には矩形状に構成されている。別の形状も設定可能である。
有利には回路担体16a、16b、16cは、プリント回路基板および/または基板を含んでいる。これは例えばプラスチック基板として、またはセラミック基板として構成されている。有利にはコンタクトユニット20a、20b、20cないし回路担体16a、16b、16cのコンタクト箇所は、グラウンドないしは小さいコンタクトプレートとして構成されている。コンタクト特性を改善するために、コンタクトユニット20a、20b、20cに有利には金の表面を設けることができる。
一方で回路担体16a、16b、16cおよびその構成部分18a、18b、18c、20a、20b、20cを外部影響から保護するために、他方で、別の電気的な構成ユニット22cと回路担体16a、16b、16cの直接的な接触接続を可能にするために、本発明では、ケーシングユニット12a、12b、12cは保護材を含んでいる。この保護材は回路モジュール14a、14b、14cを、少なくとも1つのコンタクトユニット20a、20b、20cが配置されている、保護材によって取り囲まれる領域24a、24b、24cの少なくとも1つを空洞にして包囲する。この設けられた空洞は、空洞を包囲している外縁を形成する。ここでこの外縁自体は、保護材から形成されている。
ケーシングユニット12a、12b、12cの製造時に、回路モジュール14a、14b、14cは、硬い射出成形材料によって射出成形される、または熱硬化性プラスチックを用いて、例えばサーモトランスファ成形によって射出成形被覆される。これは、装着された回路担体16a、16b、16cをプラスチック12a、12b、12cによって包囲すること、有利には熱硬化性樹脂によって被覆成形することを意味している。ここでこの回路担体16a、16b、16cは、プラスチック12a、12b、12c内に閉じ込められ、コンタクトユニットないしはグラウンド20a、20b、20cのみが露出する。
回路担体16a、16b、16cを別の電気的な構成ユニット22cと接触接続させるために、少なくとも1つの空洞24a、24b、24cに割り当てられているコンタクト装置26a、26b、26cが設けられている。
図1〜4および12〜15に示されているように、コンタクト装置26a、26b、26cは密閉ユニット28a、28b、28cを、回路モジュール14a、14b、14c密閉するために有しており、さらにコンタクトエレメント30a、30b、30cを、コンタクトユニット20a、20bおよび20cと接触接続させるために有している。回路モジュール14a、14b、14cをコンタクト装置26a、26b、26cを介して密閉することは、ケーシングユニット12a、12b、12cの外面32a、32b、32c、34a、34b、34cおよび/または空洞24aの外套面36a、38aで行われる。
図1および2に示された第1の実施例では、第1のコンタクト装置26aは密閉ユニット28aで以て、上方に位置する、ケーシングユニット12aの外面32aに配置され、第2のコンタクト装置26aは密閉ユニット28aで以て、ケーシングユニット12aの、下方に位置する外面34aに配置されている。
図3に示されている第2の実施例では、空洞24aの外套面36a、38aで密閉が行われる。これはコンタクト装置26aの密閉ユニット28aが、空洞24a内部に向けられている折り返し部44a、46aを有していることによって行われる。ここでこの折り返し部は、自身の外面48a、50aによって、空洞24aの外套面36aに、有利にはシーリング42aを挿入して、当接している。
図4および5に示された第3の実施例では、第1のコンタクト装置26bは第1の密閉ユニット28bで以て、ケーシングユニット12bの、上方に位置する外面32bに配置されており、第2の密閉ユニット28bで以て、ケーシングユニット12bの、下方に位置する外面34bに配置されている。
図6〜15に示された第4の実施例では、第1のコンタクト装置26cは密閉ユニット28cで以て、同じく、ケーシングユニット12cの、上方に位置する外面32cに配置されており、第2のコンタクト装置26cは密閉ユニット28cで以て、ケーシングユニット12cの下方に位置する外面34cに配置されている。
図2および4並びに12〜15では、ケーシングユニット12a、12bおよび12cの外面32a、32b、32c、34a、34b、34cで密閉が行われる。これは、コンタクト装置26a、26b、26cの密閉ユニット28a、28b、28cが有利には、別個のシーリング40a、62b、64b、66b、94c、96cを挿入して、ケーシングユニット12a、12b、12cの外面32a、32b、32c、34a、34b、34c上に載置されることによって行われる。
これらの実施例では、複数のコンタクトユニット20a、20b、20cに、1つの共通の空洞24a、24b、24cが割り当てられている。この空洞は、コンタクトユニット20a、20b、20cへのいわゆる介入ないしはアクセスを、有利には、制御機器10a、10b、10cの上面からも下面からも可能にする。図1〜3に示された第1のコンタクト装置26aは、ケーシングユニット12aの上方に位置する外面32aに配置されており、第2のコンタクト装置26aは、ケーシングユニット12aの、下方に位置する外面34aに配置されている。コンタクト装置26bは、ケーシングユニット12bの上方に位置する外面32bに配置されている。しかし、図示されていない択一的な実施形態では、各コンタクトユニットに、別個の空洞が割り当てられる。
図4および5は、本発明による制御機器10bの第3の実施例を示している。成形プロセスを最適化するために、この制御機器10bでは、コンタクトユニット20bは回路担体16bの片面52bにのみ、有利には回路担体16bの上面に配置されている。すなわちこの実施形態では全てのコンタクトユニット20bが、回路担体16bの同じ面52bに配置されている。これによって、成形プロセスの確実性が高まり、工具コストが下げられ、欠陥商品ができるだけ少なくなる。
完全な制御機器10bの重要な、機能にとって必要なサイズは、コンタクトユニット20bの表面と、ケーシングユニット12bないしは制御機器10bの表面との間隔、すなわち、いわゆるコンタクト間隔、および制御機器10bの厚さ並びに、その上が密閉される制御機器10bの面の平坦さである。コンタクトユニット20bは回路担体16bの片面52b上にのみ位置しているので、回路担体16bは次のようにして、成形工具内に入れられる。すなわち、回路担体16bの厚さの公差が、いわゆるコンタクト間隔に対して影響を与えないで入れられる。従って、さらなる電気構成ユニットと回路担体16bないしは制御機器10bの接触接続を簡単に設計することができる。なぜなら、接触接続はこの公差を補償する必要がないからである。従って、接触接続のためのシステムないしは装置26bが、これが従来のオス形多点コネクタであるかまたは直接差し込みシステムないしは直接差し込み接続であるかに係わらず、格段に容易に設計され、ひいては低コストに実現される。
制御機器10a、10b、10cの全ての実施形態では、コンタクトユニット20a、20b、20cは、1つの列で、また複数の列54b、56a、56bで、回路担体16a、16b、16c上に配置される。有利には、隣接する2つの列54b、56bで、回路担体16b上に配置されたコンタクトユニット20bは相互にずらして配置される。
特に有利には、制御機器10a、10b、10cの全ての実施形態において、コンタクトユニット20a、20b、20cは、回路担体16a、16b、16cの1つの縁部58a、58b、58cに割り当てられている、端部に近い領域60a、60b、60c内に、回路担体16a、16b、16c上に配置されている。
図6〜15は、コンタクト装置26cを備えた、本発明による制御機器10cの第4の実施例を示している。このコンタクト装置は、コンタクトエレメント30cが設けられているケーシング68cを含んでいる。このケーシングは少なくとも2つの、相対的に可動可能なケーシングエレメント70c、72cを含んでいる。これらのケーシングエレメントは、制御機器10cを少なくとも部分的に、有利には完全に、自身の間に収容する。ここで、図6〜8はケーシングエレメント70c、72cを示しており、図9〜11は制御機器10cを示している。有利には、ケーシングエレメント70c、72cは、弁開放部98cおよび100cを有している。図12〜15において読み取れるように、被覆成形されてる回路モジュール14cないしは制御機器10cは、2つの相対的に動くないしは相対的に可動に配置されている、コンタクト装置26cのケーシングエレメント70c、72cの間に、少なくとも部分的に、有利には完全に収容される。ケーシングエレメント70c、72cの相対的な運動は例えば、ヒンジ74cを介して行われる。これによって、2つのケーシングユニット70c、72cは、この実施例に示されているように、相対して旋回可能に構成される。択一的な、図示されていない実施形態では、ケーシングエレメントは例えば鍋蓋構造の形で構成される。ここで蓋として構成されているケーシングエレメントは、鍋として構成されているケーシングエレメントから取り外し可能である。有利には、2つのケーシングエレメント70c、72cは、図7および12〜15に示された係合装置76cを介して相互に固定される。
この実施例では、コンタクト装置26cの2つのケーシングエレメント70c、72cは有利には、2つの点対称のハーフシェルとして構成されている。これは、片面で、ヒンジ74cを介して相互に接続されており、相互に係止される。係止するために、ケーシングエレメント70c、72cは、ヒンジ74cに対抗している側に、係合装置76cを有している。この係合装置は、相互に係止可能な2つの嵌合フック90c、92cを含んでいる。
接触接続のために、コンタクトエレメント30cは、少なくとも1つのケーシングエレメント70c、72cの内面78c、80cに配置されている端子片82cおよび84cを含んでいる。ここには、ばね負荷されたコンタクトボディおよび/または弾性のコンタクトボディ86c、88cが配置されている。すなわち、ハーフシェルとして構成されているケーシングエレメント70c、72cは、それぞれ1つの端子片82cおよび84cを有している。これらの端子片は、ハーフシェル70c、72cの内面78c、80cで、回路担体16c上の直接的な接触接続のための、それぞればね負荷されたおよび/または弾性のコンタクトボディ86c、88cの形で終了する。有利には、コンタクトボディ86c、88cないしは端子片82c、84cの周りに、それぞれ1つの、端面シーリングとして構成されているシーリングエレメント94c、96cが、密閉ユニット28cとして作用するケーシングエレメント70c、72cに配置されている。これはコンタクト領域を、制御機器10cないしはケーシングユニット12cの表面ないしは外面32c、34c上で密閉することによって、周囲ないしは損傷を与える環境影響から保護する。有利には、端子片82c、84cと接続されている電気的な線路22cの周りにはそれぞれ1つの、シーリングエレメント102c、104cが配置されている。
図12〜14から読み取れるように、制御機器10cはここで、最初の時点では開放されている、ハーフシェル70c、72cの装置内に入れられる。これは、制御機器10cが有利には半分開放されているコンタクト装置26c内に入れられることを意味している。シーリングエレメント94c、96cおよびばね負荷されたおよび/または弾性のコンタクトボディ86c、88cはこの時点ではまだ負荷されていない。図15に示されているように、ハーフシェル70c、72cが閉成されることによって、ばね負荷されたおよび/または弾性のコンタクトボディ86c、88cは、2つの面から、グラウンドとして構成された、回路担体16cのコンタクトユニット20cまで動かされる。また、コンタクト領域の周りのシーリングエレメント94c、96cは、制御機器10cないしは制御機器10cのケーシングユニット12cの表面ないしは外面32c、34c上で密着する。ハーフシェル70c、72cは相互に係合される。すなわち、コンタクト装置26c内で制御機器10cの係合された終端位置が生じる。ハーフシェル70c、72cが弾性的に変形することによって、接触接続ないしはシーリングに必要な、押圧力が、コンタクト装置26cの内部に加えられ、保持される。