JP2013519646A - 7−(アルカ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン類およびフレグランス利用品におけるそれらの使用 - Google Patents
7−(アルカ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン類およびフレグランス利用品におけるそれらの使用 Download PDFInfo
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Abstract
Description
本開示は、置換7−(アルカ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン類およびフレグランス利用品におけるそれらの使用に関する。
特定の置換7−(アルカ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン類は、新規化合物である。したがって、式I
式中、R1は、Hまたはメチルであり、R2は、H、メチルまたはエチルであり、R3およびR4は独立して、水素、メチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピルであり、および点線は、さらなる二重結合が存在するか、またはHもしくはメチルであるさらなる基R5が存在する選択可能性を示す、
で表される化合物を提供する。
二重結合(または、存在する場合、両方の二重結合)は、(E)−または(Z)−配置にあってもよく、(E)−配置は一般的に、嗅覚特性および調製の簡便さからより望ましい。
で表される化合物を提供する。
二重結合(または、存在する場合、両方の二重結合)は、(E)−または(Z)−配置にあってもよく、(E)−配置は一般的に、嗅覚特性および調製の簡便さからより望ましい。
式Iで表される化合物の特別の例は、(E)−または(Z)−配置の二重結合を有する、7−(ブタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン、7−(4’−メチルペンタ−1’−エニル)−2Hベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン、7−(3’−メチルブタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン、7−(4’,4’−ジメチルペンタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]−ジオキセピン−3(4H)−オン、7−(ペンタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン、7−(ペンタ−1’,3’−ジエニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン、7−(2’−メチルプロパ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン、および7−(3’−メチルペンタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オンを含む。
式Iで表される化合物を、カルボニル官能基の、例えばケタールとしての保護、例えばin-situにて生じた四酸化ルテニウムによるビニル二重結合の酸化的開裂、得られる3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−7−カルバルデヒドにおけるグリニャール反応および後続する脱水により、7−(プロパ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オンから都合よく調製してもよい。
出発材料である7−(プロパ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オンを、二重結合の同時異性化を伴うディークマン縮合および後続する脱炭酸による鹸化により、2,2’−(4−アリル−1,2−フェニレン)−ビス(オキシ)二酢酸ジメチルから例1に説明するように調製することができる。2,2’−(4−アリル−1,2−フェニレン)ビス(オキシ)二酢酸ジメチルは例えば、P. Kraft and W. Eichenberger, Eur. J. Org. Chem. 2003, 3735-3743に記載の手順に従いオイゲノールから入手可能である。二重結合異性化のために熱力学的条件を使用して、例えばカリウムtert−ブトキシドなどの可逆的塩基を用いることにより、(E)−配置の異性体をもたらす一方、他の条件により、(E/Z)−比を調節することができる。
式Iで表される化合物は、クリーンなグリーンウォータリーおよびアルデヒドのファセットを伴う非常に強いマリンノートおよび、例えば、バニラまたはハチミツの方面のさまざまな強さの甘い様相を組み合わせる。不安定なアルデヒドである3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−7−カルバルデヒドおよび関連するニトロアレーンである7−ニトロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オンが、スパイシーな、バニラノートを有するにもかかわらず(H. M. Huegel, B. Drevermann, A. R. Lingham, and P. J. Marriot, ‘Marine Fragrance Chemistry’ in ‘Current Topics in Flavor and Fragrance Research’ (Eds.: P. Kraft, K. A. D. Swift), Verlag Helvetica Chimica Acta, Zurich, and Wiley-VCH, Weinheim, 2008, p. 199-209)、これまで、さらなるバニラ様−スパイシー面を伴うマリンな特徴を有する着臭剤が見出されていないことから、これは驚くべきことであり、また、既知の飽和化合物は負の、むしろ汚い意味合いを時々有する塩辛い海水を思い起こさせることから、グリーンウォータリーな、アルデヒドのファセットはまた、まれである。
したがって、フレグランス利用品ベースへの上述の一般式Iで表される化合物の添加を含む、フレグランス利用品にマリンの香りを提供する方法をまた提供する。
加えて、式Iで表される化合物は、低いにおい感知閾値(ODT)を有し、これは、比較的少量が、識別可能な香りを提供することを意味する。いくつかの場合、ODTは、並外れて低く、所望の香りの質および低ODTの組合せにより、これらの化合物が並外れて望ましいフレグランス材料となる。式Iで表される化合物の例およびそれらの対応するODTを、以下の表に示す。
加えて、式Iで表される化合物は、低いにおい感知閾値(ODT)を有し、これは、比較的少量が、識別可能な香りを提供することを意味する。いくつかの場合、ODTは、並外れて低く、所望の香りの質および低ODTの組合せにより、これらの化合物が並外れて望ましいフレグランス材料となる。式Iで表される化合物の例およびそれらの対応するODTを、以下の表に示す。
「フレグランス利用品」は、芳香物質の存在が必要とされるあらゆる使用のためのあらゆる組成物を意味する。これらは、個人用ファインフレグランスから、市販の化粧、パーソナルおよび家庭製品、例えばクリームおよびローション、石鹸およびシャンプー、粉末洗剤、布用柔軟剤、表面洗浄剤などに添加されるフレグランスに及ぶ。「フレグランス利用品ベース」は、フレグランスの入っていないフレグランス利用品である。
式Iで表される化合物は、単独でフレグランス組成物として使用してもよく、あるいは当該技術分野に既知であって、主要フレグランス製造業者から容易に商業的に入手可能な多くのフレグランス原料のうち、1種または2種以上と組み合わせて使用してもよい。かかる原料の非限定の例は、以下のものを含む。
・エーテル性油および抽出物、例えばベルガモット油、グレープフルーツ油、ジャスミンアブソリュート、レモン油、マンダリン油、パチョリ油、ベチベルまたはイランイラン油;
・アルコール類、例えばシトロネロール、ジヒドロミルセノール、Ebanol(商標)、オイゲノール、ゲラニオール、Florol(登録商標)、Super Muguet(商標)、リナロール、フェニルエチルアルコール、Sandalore(商標)、テルピネオールまたはTimberol(商標);
・アルデヒド類およびケトン類、例えばAdoxal(商標)、Aldolone(登録商標)、α−アミルシンナムアルデヒド、Azurone(登録商標)、Cyclohexal(商標)、α−ダマスコン、β−ダマセノン、Florhydral(商標)、Georgywood(商標)、Hedione(登録商標)、ヒドロキシシトロネラール、Iso E Super(商標)、Isoraldeine(商標)、ラウリルアルデヒド、マルトール、メチルセドリルケトン、メチルイオノン、2−メチルウンデカナール、Myraldene(商標)、Transluzone(登録商標)、ウンデカナール、Vertofix(商標)またはバニリン;
・エーテル性油および抽出物、例えばベルガモット油、グレープフルーツ油、ジャスミンアブソリュート、レモン油、マンダリン油、パチョリ油、ベチベルまたはイランイラン油;
・アルコール類、例えばシトロネロール、ジヒドロミルセノール、Ebanol(商標)、オイゲノール、ゲラニオール、Florol(登録商標)、Super Muguet(商標)、リナロール、フェニルエチルアルコール、Sandalore(商標)、テルピネオールまたはTimberol(商標);
・アルデヒド類およびケトン類、例えばAdoxal(商標)、Aldolone(登録商標)、α−アミルシンナムアルデヒド、Azurone(登録商標)、Cyclohexal(商標)、α−ダマスコン、β−ダマセノン、Florhydral(商標)、Georgywood(商標)、Hedione(登録商標)、ヒドロキシシトロネラール、Iso E Super(商標)、Isoraldeine(商標)、ラウリルアルデヒド、マルトール、メチルセドリルケトン、メチルイオノン、2−メチルウンデカナール、Myraldene(商標)、Transluzone(登録商標)、ウンデカナール、Vertofix(商標)またはバニリン;
・エーテル類およびアセタール類、例えばAcetal E(商標)、Ambrox(商標)、ゲラニルメチルエーテル、ローズオキサイドまたはSpirambrene(商標);
・エステル類およびラクトン類、例えばグリコール酸アリルアミル、酢酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、酢酸セドリル、Cyclogalbanate(商標)、γ−デカラクトン、Helvetolide(登録商標)、酢酸リナリル、Serenolide(登録商標)、γ−ウンデカラクトン、Verdox(商標)または酢酸ベチベニル;
・大員環および多環類、例えばアンブレットリド、エチレンブラシレート、Exaltolide(商標)、Galaxolide(登録商標)またはMoxalone(商標);および
・複素環類、例えばイソブチルキノリン。
・エステル類およびラクトン類、例えばグリコール酸アリルアミル、酢酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、酢酸セドリル、Cyclogalbanate(商標)、γ−デカラクトン、Helvetolide(登録商標)、酢酸リナリル、Serenolide(登録商標)、γ−ウンデカラクトン、Verdox(商標)または酢酸ベチベニル;
・大員環および多環類、例えばアンブレットリド、エチレンブラシレート、Exaltolide(商標)、Galaxolide(登録商標)またはMoxalone(商標);および
・複素環類、例えばイソブチルキノリン。
他のフレグランスとのそれらの混和物に加えて、本発明の式Iで表される化合物を、香水組成物においてフレグランスと併せて通常使用される1種または2種以上の原料または賦形剤、例えば担体材料、および当該技術分野において一般に使用される他の助剤、例えばジプロピレングリコール(DPG)、ミリスチン酸イソプロピル(IPM)およびクエン酸トリエチル(TEC)などの溶媒と混和してもよい。
式Iで表される化合物は、広範囲のフレグランス利用品において、例えば、香水、家庭製品、ランドリー製品、ボディケア製品および化粧品などのあらゆる分野の良質および機能的な香水類において使用してもよい。特定の例示的および非限定の例は、ファインフレグランスとして、例えばオードパルファンおよびオードトワレ;家庭製品、例えば食器洗い用洗剤、表面洗浄剤、空気清浄剤;ランドリー製品、例えば柔軟剤、漂白剤、洗剤;ボディケア製品、例えばアフターシェーブローション、シャンプー、シャワージェル、シャワーおよびバスソルト、衛生製品;および化粧品、例えば、着臭剤を含む、デオドラント、バニシングクリームを含む。
式Iで表される化合物は、広範囲のさまざまな量で用いてもよく、特定の利用品ならびに他のフレグランスの性質および量に依存する。本発明の化合物が利用品において用いられる比率は、広範囲の値の中で様々であってもよく、香りをつけることを意図する利用品の性質、例えば共同原料(co-ingredient)の性質および香料製造者が求める特定の効果に依存する。しかしながら、一般的には、ファインフレグランスにおいて約3重量%まで、他のフレグランス利用品、例えばランドリー製品における香水組成物に基づき例えば約0.01重量%〜約3重量%、および約5重量%まで用いてもよい。しかしながら、経験豊かな香料製造者は、より低いもしくはより高い濃度により、効果をまた達成し得、または新規な調和を創作し得るため、これらの値は、例により示すに過ぎない。
フレグランス利用品の配合物において、かかる利用品において使用されるあらゆる既知の原料をまた使用してもよく、非限定の例は、界面活性剤、溶媒、色素、染料、増量剤、増粘剤、レオロジー調整剤などを含む。
式Iで表される化合物を、単に香水組成物を消費者製品ベース、すなわち所望の製品を作るのに必要な他の原料すべてと組み合わせたものと直接混合することにより、フレグランス利用品に用いてもよい。代替的に、化合物を、1種または2種以上の利用可能な封入材料、例えばポリマー、カプセル、マイクロカプセルおよびナノカプセル、リポソーム、被膜形成剤、吸収剤、例えば炭素またはゼオライト、環状オリゴ糖類ならびにそれらの混合物内に封入された形態で使用してもよく、またはそれらを基質に化学的に結合させ、それを外部の刺激、例えば光、酵素などを適用することによりフレグランス分子を放出するように適合させ、次に利用品と混合することができる。式Iで表される化合物を含むフレグランス利用品原料の組合せは、あらゆる既知の方法を使用してあらゆる所望の順番であってよい。
ここで、本開示を、以下の非限定的例を参照してさらに記載する。これらの例は例示のみの目的のためであり、変化および修正が当業者によりなされ得ることが理解される。NMRデータを、内部SiMe4標準と相対させて示す。
例1:(1’E)−7−(ブタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オンの調製
0℃にて、THF(400mL)中2,2’−[(4−アリル−1,2−フェニレン)ビス(オキシ)]二酢酸ジメチル(88.3g、300mmol)の溶液を、THF(400mL)中カリウムtert−ブトキシド(74.1g、660mmol)の攪拌懸濁液に45分以内に滴加し、反応混合物を、還流下で20時間攪拌した。室温に冷却後、得られる暗褐色の溶液を、氷/水(500mL)に注ぎ、2N HCl水溶液によりpH2に酸性化し、CH2Cl2(3×300mL)により抽出した。合わせた有機抽出物を、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下でロータリーエバポレーターで濃縮した。残渣を、EtOH(500mL)および2N HCl水溶液(500mL)に取り込み、混合物を、さらに20時間還流した。反応混合物を、氷/水(600mL)に注ぎ、CH2Cl2(3×300mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、水(300mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、溶媒を、減圧下でロータリーエバポレーターで除去した。得られる残渣を、シリカゲル上でクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル、9:1、Rf0.27)により精製し、(1’E)−7−(プロパ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オンが得られ、室温にて長時間放置する(standing)ことによって結晶化した;収率:11.7g(19%);無色の針状;mp56〜59℃。
0℃にて、THF(400mL)中2,2’−[(4−アリル−1,2−フェニレン)ビス(オキシ)]二酢酸ジメチル(88.3g、300mmol)の溶液を、THF(400mL)中カリウムtert−ブトキシド(74.1g、660mmol)の攪拌懸濁液に45分以内に滴加し、反応混合物を、還流下で20時間攪拌した。室温に冷却後、得られる暗褐色の溶液を、氷/水(500mL)に注ぎ、2N HCl水溶液によりpH2に酸性化し、CH2Cl2(3×300mL)により抽出した。合わせた有機抽出物を、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下でロータリーエバポレーターで濃縮した。残渣を、EtOH(500mL)および2N HCl水溶液(500mL)に取り込み、混合物を、さらに20時間還流した。反応混合物を、氷/水(600mL)に注ぎ、CH2Cl2(3×300mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、水(300mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、溶媒を、減圧下でロータリーエバポレーターで除去した。得られる残渣を、シリカゲル上でクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル、9:1、Rf0.27)により精製し、(1’E)−7−(プロパ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オンが得られ、室温にて長時間放置する(standing)ことによって結晶化した;収率:11.7g(19%);無色の針状;mp56〜59℃。
トルエン(200mL)中、前述の作業手順に従って調製した(1’E)−7−(プロパ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン(10.6g、52.0mmol)、エタン−1,2−ジオール(9.96g、156mmol)および濃H2SO4(51mg、0.52mmol)の攪拌溶液を、ディーン・スターク装置内で6時間還流下で攪拌した。反応混合物を、室温に冷却し、Et2O(500mL)に取り込み、飽和NaHCO3水溶液(2×100mL)で洗浄した。合わせた有機抽出物を、乾燥させ(Na2SO4)、溶媒を、ロータリーエバポレーターで蒸発させた。得られる残渣を、Al2O3上でクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル、9:1、Rf0.35)により精製し、(1’E)−7−(プロパ−1’−エニル)−2,4−ジヒドロスピロ[ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3,2’−[1,3]ジオキソラン](8.27g、64%)がわずかに黄色がかった油として供給された。
アセトニトリル(60mL)、CH2Cl2(30mL)およびH2O(60mL)中、前述の作業手順に従って調製した(1’E)−7−(プロパ−1’−エニル)−2,4−ジヒドロスピロ[ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3,2’−[1,3]ジオキソラン](7.45g、30.0mmol)および塩化ルテニウム(III)水和物(311mg、1.50mmol)の攪拌溶液に、0℃にて(メタ)過ヨウ素酸ナトリウム(12.9g、60.0mmol)を少しずつ添加した。反応混合物を、4時間室温にて攪拌し、H2O(100mL)に取り込み、Et2O(3×300mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、10%NaHSO3水溶液(2×100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、ロータリーエバポレーターで蒸発させた。粗生成物を、Al2O3上でフラッシュクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル、9:1、Rf0.28)により精製し、2,4−ジヒドロスピロ{ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3,2’’−[1,3]ジオキソラン}−7−カルバルデヒド(2.63g、37%)がわずかに黄色がかった油として供給された。
前述の作業手順に従って調製した2,4−ジヒドロスピロ{ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3,2’’−[1,3]ジオキソラン}−7−カルバルデヒド(2.36g、10mmol)のTHF(20mL)溶液を、0℃で10分以内にTHF(2M、7.50mL、15.0mmol)中プロピルマグネシウムクロライドの攪拌溶液に添加した。攪拌を、飽和NH4Cl水溶液(100mL)による停止およびEt2O(3×300mL)による生成物の抽出前に、一晩室温にて継続した。合わせた有機層を、乾燥させ(Na2SO4)、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られる残渣を、50%H2SO4水溶液(50mL)およびアセトン(50mL)に取り込み、6時間還流下で攪拌した。反応混合物を、H2O(100mL)に注ぎ、生成物を、Et2O(3×300mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、5%NaHCO3水溶液(2×50mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、ロータリーエバポレーターで蒸発させた。シリカゲル上でのクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル、95:5、Rf0.29)による残渣の精製により、(1’E)−7−(ブタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン(590mg、27%)が、においを放つ無色油として供給された。
香りの記載:非常に強力な、ウォータリーグリーンな、ワイン様−フルーティな香りであり、わずかに甘いバニラ様ファセットを伴う。
香りの閾値:0.00157ng/L(空気)。
香りの閾値:0.00157ng/L(空気)。
例2:(1’E)−7−(4’−メチルペンタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オンの調製
例1の作業手順に従って調製した2,4−ジヒドロスピロ{ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3,2’’−[1,3]ジオキソラン}−7−カルバルデヒド(3.78g、16.0mmol)を、THF(1M、24.0mL、24.0mmol)中イソペンチルマグネシウムクロライドと反応させ、粗生成物を、50%H2SO4水溶液/アセトン(1:1、100mL)中で還流した。(1’E)−7−(4’−メチルペンタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オンを、標準処理(standard workup)およびシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル、95:5、Rf0.35)による精製後に得た。
収率:434mg(11%);においを放つ無色油。
例1の作業手順に従って調製した2,4−ジヒドロスピロ{ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3,2’’−[1,3]ジオキソラン}−7−カルバルデヒド(3.78g、16.0mmol)を、THF(1M、24.0mL、24.0mmol)中イソペンチルマグネシウムクロライドと反応させ、粗生成物を、50%H2SO4水溶液/アセトン(1:1、100mL)中で還流した。(1’E)−7−(4’−メチルペンタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オンを、標準処理(standard workup)およびシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル、95:5、Rf0.35)による精製後に得た。
収率:434mg(11%);においを放つ無色油。
香りの記載:非常に強力な、ウォータリーな、クリーンな、透明な、フルーティ−アルデヒドの、わずかにワイン様の香りであり、若干甘いファセットを伴う。
香りの閾値:0.00025ng/L(空気)。
香りの閾値:0.00025ng/L(空気)。
例3:(1’E)−7−(3’−メチルブタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オンの調製
(1’E)−7−(ブタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン(例1)の調製について述べたとおり、THF(1M、32mL、32mmol)中、例1の作業手順に従って調製した2,4−ジヒドロスピロ{ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3,2’’−[1,3]ジオキソラン}−7−カルバルデヒド(5.11g、21.6mmol)およびイソブチルマグネシウムクロライドから、50%H2SO4水溶液/アセトン(1:1、100mL)中での粗生成物の還流により、(1’E)−7−(3’−メチルブタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オンを、標準処理およびシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル、95:5、Rf0.34)による精製後に得た。収率:301mg(6%);においを放つ無色油。
(1’E)−7−(ブタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン(例1)の調製について述べたとおり、THF(1M、32mL、32mmol)中、例1の作業手順に従って調製した2,4−ジヒドロスピロ{ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3,2’’−[1,3]ジオキソラン}−7−カルバルデヒド(5.11g、21.6mmol)およびイソブチルマグネシウムクロライドから、50%H2SO4水溶液/アセトン(1:1、100mL)中での粗生成物の還流により、(1’E)−7−(3’−メチルブタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オンを、標準処理およびシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル、95:5、Rf0.34)による精製後に得た。収率:301mg(6%);においを放つ無色油。
香りの記載:フローラルな、ウォータリーマリンの香りであり、わずかにフルーティで甘い、ハチミツ様のファセットを伴う。
香りの閾値:0.015ng/L(空気)。
香りの閾値:0.015ng/L(空気)。
例4:(1’E,3’E)−7−(ペンタ−1’,3’−ジエニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オンの調製
(1’E)−7−(ブタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン(例1)の調製について述べたとおり、THF(1M、15mL、15mmol)中、例1の作業手順に従って調製した2,4−ジヒドロスピロ{ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3,2’’−[1,3]ジオキソラン}−7−カルバルデヒド(2.36g、10mmol)および(E)−ブタ−2−エニルマグネシウムクロライドから、50%H2SO4水溶液/アセトン(1:1、100mL)中での粗生成物の還流により、(1’E,3’E)−7−(ペンタ−1’,3’−ジエニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オンを、標準処理およびシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル、95:5、Rf0.30)による精製後に得た。収率:71.4mg(3%);においを放つ無色油。
(1’E)−7−(ブタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン(例1)の調製について述べたとおり、THF(1M、15mL、15mmol)中、例1の作業手順に従って調製した2,4−ジヒドロスピロ{ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3,2’’−[1,3]ジオキソラン}−7−カルバルデヒド(2.36g、10mmol)および(E)−ブタ−2−エニルマグネシウムクロライドから、50%H2SO4水溶液/アセトン(1:1、100mL)中での粗生成物の還流により、(1’E,3’E)−7−(ペンタ−1’,3’−ジエニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オンを、標準処理およびシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル、95:5、Rf0.30)による精製後に得た。収率:71.4mg(3%);においを放つ無色油。
香りの記載:グリーンな、ウォータリーマリンの香りであり、メタリックおよびアルデヒドの面および幾分甘いタッチを伴う。
香りの閾値:0.000141ng/L(空気)。
香りの閾値:0.000141ng/L(空気)。
例5:(1’E)−7−(ペンタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オンの調製
(1’E)−7−(ブタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン(例1)の調製について述べたとおり、THF(1M、6.75mL、6.75mmol)中、例1の作業手順に従って調製した2,4−ジヒドロスピロ{ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3,2’’−[1,3]ジオキソラン}−7−カルバルデヒド(1.07g、4.50mmol)およびブチルマグネシウムクロライドから、50%H2SO4水溶液/アセトン(1:1、100mL)中での粗生成物の還流により、(1’E)−7−(ペンタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オンを、標準処理およびシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル、95:5、Rf0.31)による精製後に得た。収率:71.3mg(7%);においを放つ無色油。
(1’E)−7−(ブタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン(例1)の調製について述べたとおり、THF(1M、6.75mL、6.75mmol)中、例1の作業手順に従って調製した2,4−ジヒドロスピロ{ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3,2’’−[1,3]ジオキソラン}−7−カルバルデヒド(1.07g、4.50mmol)およびブチルマグネシウムクロライドから、50%H2SO4水溶液/アセトン(1:1、100mL)中での粗生成物の還流により、(1’E)−7−(ペンタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オンを、標準処理およびシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル、95:5、Rf0.31)による精製後に得た。収率:71.3mg(7%);においを放つ無色油。
香りの記載:グリーンな、ウォータリーマリンの香りであり、メタリックおよびアルデヒドの面および幾分甘いタッチを伴う。
香りの閾値:0.00314ng/L(空気)。
香りの閾値:0.00314ng/L(空気)。
例6:(1’E)−7−(4’,4’−ジメチルペンタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]−ジオキセピン−3(4H)−オンの調製
(1’E)−7−(ブタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン(例1)の調製について述べたとおり、THF(1M、18.0mL、18.0mmol)中、例1の作業手順に従って調製した2,4−ジヒドロスピロ{ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3,2’’−[1,3]ジオキソラン}−7−カルバルデヒド(2.84g、12mmol)および3,3−ジメチルブチルマグネシウムクロライドから、50%H2SO4水溶液/アセトン(1:1、100mL)中での粗生成物の還流により、(1’E)−7−(4’,4’−ジメチルペンタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オンを、標準処理およびシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル、95:5、Rf0.36)による精製後に得た。収率:251mg(8%);においを放つ無色油。
(1’E)−7−(ブタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン(例1)の調製について述べたとおり、THF(1M、18.0mL、18.0mmol)中、例1の作業手順に従って調製した2,4−ジヒドロスピロ{ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3,2’’−[1,3]ジオキソラン}−7−カルバルデヒド(2.84g、12mmol)および3,3−ジメチルブチルマグネシウムクロライドから、50%H2SO4水溶液/アセトン(1:1、100mL)中での粗生成物の還流により、(1’E)−7−(4’,4’−ジメチルペンタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オンを、標準処理およびシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル、95:5、Rf0.36)による精製後に得た。収率:251mg(8%);においを放つ無色油。
香りの記載:フローラル、ウォータリーグリーン、マリン、シーショア(seashore)、クリーンであり、アルデヒドおよび甘い面を伴う。
香りの閾値:0.042ng/L(空気)。
香りの閾値:0.042ng/L(空気)。
例7:(1’E)−7−(2’−メチルプロパ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オンの調製
(1’E)−7−(ブタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン(例1)の調製について述べたとおり、THF(1M、21.0mL、21.0mmol)中、例1の作業手順に従って調製した2,4−ジヒドロスピロ{ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3,2’’−[1,3]ジオキソラン}−7−カルバルデヒド(3.31g、14mmol)およびイソブチルマグネシウムクロライドから、50%H2SO4水溶液/アセトン(1:1、100mL)中での粗生成物の還流により、7−(2’−メチルプロパ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オンを、標準処理およびシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル、95:5、Rf0.32)による精製後に得た。収率:214mg(7%);無色の油。
(1’E)−7−(ブタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン(例1)の調製について述べたとおり、THF(1M、21.0mL、21.0mmol)中、例1の作業手順に従って調製した2,4−ジヒドロスピロ{ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3,2’’−[1,3]ジオキソラン}−7−カルバルデヒド(3.31g、14mmol)およびイソブチルマグネシウムクロライドから、50%H2SO4水溶液/アセトン(1:1、100mL)中での粗生成物の還流により、7−(2’−メチルプロパ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オンを、標準処理およびシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル、95:5、Rf0.32)による精製後に得た。収率:214mg(7%);無色の油。
香りの記載:ウォータリーグリーン、フローラルであり、甘い−フルーティメロン様のファセットを伴い、シクラメンアルデヒド(2−メチル−3−(p−イソプロピルフェニル)プロピオンアルデヒド)を幾分想起させる。
香りの閾値:0.42ng/L(空気)。
香りの閾値:0.42ng/L(空気)。
例8:(1’E)−7−(3’−メチルペンタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]−ジオキセピン−3(4H)−オンの調製
(1’E)−7−(ブタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン(例1)の調製について述べたとおり、THF(1M、7.0mL、7.0mmol)中、例1の作業手順に従って調製した2,4−ジヒドロスピロ{ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3,2’’−[1,3]ジオキソラン}−7−カルバルデヒド(1.09g、4.6mmol)および2−メチルブチルマグネシウムクロライドから、50%H2SO4水溶液/アセトン(1:1、100mL)中での粗生成物の還流により、(1’E)−7−(3’−メチルペンタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]−ジオキセピン−3(4H)−オンを、標準処理およびシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル、95:5、Rf0.36)による精製後に得た。収率:60.5mg(9%);無色の油。
(1’E)−7−(ブタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン(例1)の調製について述べたとおり、THF(1M、7.0mL、7.0mmol)中、例1の作業手順に従って調製した2,4−ジヒドロスピロ{ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3,2’’−[1,3]ジオキソラン}−7−カルバルデヒド(1.09g、4.6mmol)および2−メチルブチルマグネシウムクロライドから、50%H2SO4水溶液/アセトン(1:1、100mL)中での粗生成物の還流により、(1’E)−7−(3’−メチルペンタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]−ジオキセピン−3(4H)−オンを、標準処理およびシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル、95:5、Rf0.36)による精製後に得た。収率:60.5mg(9%);無色の油。
香りの記載:ウォータリーグリーン、フローラル−アルデヒド、マリンであり、海藻およびエッグノッグの甘い面を伴う。
香りの閾値:0.021ng/L(空気)。
香りの閾値:0.021ng/L(空気)。
例9:シャワージェルにおける使用のための香水配合物
2種類の香水配合物を調製した。一方は例8の化合物を含むもの(A)であり、他方は、含まないもの(B)である。
2種類の香水配合物を調製した。一方は例8の化合物を含むもの(A)であり、他方は、含まないもの(B)である。
シャワージェルにおける利用品の1%を意図するこの香水の処方は、優勢なレッドベリーノートおよび幾分ソフトなムスク様ウッディアンダートーンを伴う、フルーティフローラル調和を表す。(1’E)−7−(3’−メチルペンタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]−ジオキセピン−3(4H)−オン(例8)は、フレッシュフルーティトップノートを持ち上げ、自然な感覚を強化し、クリーンウォータリーな側面を調和に運ぶ。
例10:ヘスペリディック(hesperidic)、ウッディ、ムスク様、フローラル女性用ファインフレグランス
0.2%の一般式Iで表される化合物の添加により、上昇、ボリュームおよびマリンの特徴を、このヘスペリディック、ウッディ、ムスク様、フローラル女性用ファインフレグランス配合物に提供する。これは、ブルーム(bloom)およびフレッシュさを増加させ、アクアな透明性を誘導する。加えて、特定の化合物に依存して、独特のシグネチャ(signature)を作り出すことができる。
(1’E)−7−(4’−メチルペンタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン(例2)または7−(2’−メチルプロパ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン(例7)を用いた場合、組成物のジューシーさおよび全体のフルーティな特徴が、さらに増強される。これらの2種の材料は、Hedione−ヘキセノール調和の周辺のグリーン−フローラル中心部ととくによく結びつき、それを際立たせ、それを前面に運ぶ。
(1’E)−7−(4’,4’−ジメチルペンタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]−ジオキセピン−3(4H)−オン(例6)を用いた場合、組成物のウッディ−アンバー様のベースが、増強される一方、マリン−アクアな特徴が、グリーン−フローラルな部分へと導き、フレグランス全体に輝きおよび透明さを与える。
(1’E)−7−(3’−メチルブタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン(例3)、(1’E,3’E)−7−(ペンタ−1’,3’−ジエニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン(例4)または(1’E)−7−(ペンタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン(例5)を用いる場合には、組成物のムスク様−フローラルな特徴が、特定のメタリック−アルデヒドのフレッシュさによりさらに修正または強調される。(1’E)−7−(ブタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン(例1)または(1’E)−7−(3’−メチルペンタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]−ジオキセピン−3(4H)−オン(例8)が使用される場合には、ある甘さが、一般式の化合物すべてが提供するマリンな特徴およびアクアな透明性に加えて、フレグランスのソフトなウッディ−ムスク様の様相に加わる。
Claims (10)
- R1が水素であり、任意の二重結合が存在しない、請求項1に記載の化合物。
- 二重結合が(E)−配置にある、請求項2に記載の化合物。
- 任意の二重結合が存在する、請求項1に記載の化合物。
- 少なくとも1つの二重結合が(E)−配置にある、請求項4に記載の方法。
- 式Iで表される化合物が、7−(ブタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン、7−(4’−メチルペンタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン、7−(3’−メチルブタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン、7−(4’,4’−ジメチルペンタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]−ジオキセピン−3(4H)−オン、7−(ペンタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン、7−(ペンタ−1’,3’−ジエニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン、7−(2’−メチルプロパ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オン、および7−(3’−メチルペンタ−1’−エニル)−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3(4H)−オンからなる群から選択され、(E)−または(Z)−配置の二重結合を有する、請求項1に記載の化合物。
- 着臭剤としての、請求項1に記載の化合物の使用。
- フレグランス利用品ベースおよび少なくとも1種の請求項1に記載の化合物を含む、フレグランス利用品。
- フレグランス利用品を改善、増強または修正する方法であって、改善、増強または修正する比率の少なくとも1種の請求項1に記載の化合物の前記利用品への添加を含む、前記方法。
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