以下の明細書では、本実施形態の基礎をなす概念の深い理解をもたらすために、多数の特定の詳細を説明する。しかしながら、以下に説明する実施形態は、これらの特定の詳細のいくつかもしくはすべてを有することなく実施可能であることは、当業者に明らかであろう。他の例において、基本概念を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の処理工程は詳細に説明しない。
本明細書では、片手で持ち他方の手で操作することが容易な、審美的に美しいポータブル計算装置について論じる。このポータブル計算装置は、継ぎ目のない一体成形のハウジングと、高研磨ガラスや高研磨プラスチックのような、耐久性があり頑強ながらも透明な数々の材料のいずれかにより形成可能な、審美的に美しい保護上部層と、から形成することができる。もっとも、本議論に注意を喚起させるために、保護上部層は、何ら一般性を失うことなく、高研磨ガラスの形態をとることができる。さらに、(従来のポータブル計算装置と異なり)保護ガラスは、継ぎ目のない一体成形のハウジングへベゼルを用いずに取り付けることができるので、ポータブル計算装置の外観の一様性を高めることができる。このような設計の簡潔さは、審美的な外観や印象に関する利点に加えて、多くの利点をポータブル計算装置にもたらすことが可能である。例えば、ポータブル計算装置の組立てにおいては、より少ないコンポーネントおよびより短い時間ないし労力が求められうるし、また、一体成形のハウジングに継ぎ目がないことは、内部コンポーネントの環境汚染物に対する良好な保護をもたらしうる。その上、(日々の使用中に)与えられる負荷の他に、落下のような頻度はより低いが潜在的により大きな損傷を伴う事象による負荷にうまく耐えるといったポータブル計算装置の性能も、従来のポータブル計算装置から大幅に改善することができる。
本実施形態において、継ぎ目のない一体成形のハウジングはプラスチックもしくは金属から形成することができる。継ぎ目のない一体成形のハウジングが金属から形成される場合、金属は(アルミニウム等の)一枚の薄板から形成されうる。金属の一枚の薄板は、様々な内部コンポーネントの収納に適している他、スイッチ、コネクタ、ディスプレイなどが収容されうる様々な開口の提供に適した形状に形成することができる。継ぎ目のない一体成形のハウジングは、鍛造、鋳造、もしくは他の加工がなされて、望ましい形状が成形されうる。ハウジング上部は、ハウジング下部によって示される形状と実質的に異なる形状を有するように形成されうるという点において、ハウジングの形状は非対称であってよい。例えば、ハウジング上部は、明りょうな角度で接してはっきりした境界を形成する複数の表面を有しているが、下部はスプラインの形状を備えた表面を有するように形成することができる。明りょうなエッジを有する上部と下部のスプラインの形状部分との間の移行帯は、ハウジング上部(すなわち、明りょうなエッジの領域)からの自然な変化と、ハウジング下部に示されるなめらかな表面との両方を提供する、丸みをおびた形状を有するエッジの形をとりうる。また、審美的により美しい移行を提供するだけでなく、移行帯におけるエッジの丸みをおびた形状は、使用中もしくは単なる持ち運び中にユーザの手の中に保持された場合に、より快適な印象を提供することができることにも留意すべきである。ハウジングに金属を使用する利点の一つは、良好な接地面を要するあらゆる内部コンポーネントに対して良好な電気的接地を提供するという金属の性質である。例えば、内蔵RFアンテナの性能は、良好な接地面が提供されれば大幅に改善することができる。さらに、例えば電磁波干渉(EMI)と静電放電(ESD)との少なくともいずれかによって引き起こされる悪影響の軽減の助けのために、良好な接地面を用いることができる。
以下の議論を通して、「CNC」という用語が用いることに留意されたい。CNCという略称は計算機数値制御(Computer Numerical Control)を表し、具体的には、計算機命令を読み出し工作機械(材料を選択的に除去することによりコンポーネントを製造するために一般的に用いられる動力付き機械装置)を駆動する計算機制御部を参照する。しかしながら、所望の実施形態を実装するために任意の適切な機械作業を用いることができ、CNCに関連したこれらの処理に厳格に制限されるものではないことに留意されたい。
これらおよび他の実施形態について、図1乃至図10を参照して以下に論じる。もっとも、これらの図面に関してここに与えられる詳細な説明は解説目的のみを有するものであり、限定と解釈されるべきではないことを、当業者はすぐに理解するであろう。特に、図1Aおよび図1Bに関して、ポータブル計算装置が説明される。図2から図6において、ポータブル計算装置に関連するディスプレイ・コンポーネントを組み立てる様々な段階が説明される。図7Aおよび図7Bにおいて、組み立てられたディスプレイ・コンポーネントのポータブル計算装置・ハウジングへの固定が説明される。図8において、組み立てられたディスプレイ・コンポーネントをポータブル計算装置・ハウジングへ固定するための他の結合手法が説明される。図9および図10において、固着アセンブリと、固着アセンブリを用いて、保護上部ガラスをディスプレイ・フレームおよびシール・アセンブリに固定する方法とが説明される。図11において、ポータブル計算装置を組み立てる方法が説明される。
図1Aはポータブル計算装置100の特定の実施形態を示す。より具体的には、図1Aは完全に組み立てられたポータブル計算装置100の全体の上面図を示す。ポータブル計算装置100は、データおよび、より具体的には音声、映像、画像等のメディア・データを処理することができる。例として、ポータブル計算装置100は、ミュージック・プレイヤ、ゲーム・プレイヤ、ビデオ・プレイヤ、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、タブレット・コンピュータ、及び、その他類似のもの、の少なくともいずれかとして動作しうる装置に一般的に対応しうる。ハンドヘルド(手持ち)であることに関して、ポータブル計算装置100は、ユーザによって片手で保持され、同時にユーザの他方の手で操作されることができる(すなわち、デスクトップのような基準面が必要ない)。例えば、ユーザは、一方の手でポータブル計算装置100を保持し、他方の手で、例えばボリューム・スイッチやホールド・スイッチを操作したり、あるいはディスプレイもしくはパッド等のタッチセンサ式表面に対して入力を行うことによって、ポータブル計算装置100を操作することができる。
ポータブル計算装置100は、所望の形状に鍛造、鋳造、もしくは他の加工することが可能な、プラスチックもしくは金属等の任意の多数の材料から形成しうる、継ぎ目のない一体成形のハウジング102を含みうる。ポータブル計算装置100が金属のハウジングを有し、RFをベースにした機能を組み込んでいる場合、ハウジング102の少なくとも一部を、セラミックもしくはプラスチックのような無線(またはRF)を透過する材料により提供することは利点になるかもしれない。あらゆる場合において、ハウジング102は、ポータブル計算装置100に関連する任意の適切な数の内部コンポーネントを少なくとも部分的にとり囲むように構成することができる。例えば、ハウジング102は、ポータブル計算装置の計算動作を提供する様々な構造的および電気的なコンポーネント(集積回路チップおよび他の回路を含む)を内部でとり囲み、支持することができる。集積回路は、プリント回路基板(PCB:Printed Circuit Board)もしくは他の支持構造に表面実装することが可能な、チップ、チップ・セット、モジュールの形態をとりうる。例えば、メイン論理基板(MLB:Main Logic Board)は、少なくとも、マイクロプロセッサ、(FLASH等の)セミコンダクタ・メモリ、様々な支持回路などを含みうる集積回路をその上に取り付けて有することができる。
ハウジング102は、内部コンポーネントを配置するための開口104を含むことができ、例えばディスプレイを通して少なくともビジュアル・コンテンツをユーザに提供するのに適したディスプレイ・アセンブリもしくはシステムを収納するサイズであってよい。いくつかの場合において、ディスプレイ・システムは、タッチ入力を用いてポータブル計算装置100への触知できる入力を提供する能力をユーザに提供する、タッチセンサの能力を含みうる。ディスプレイ・システムは、ポリカーボネートもしくは他の適切なプラスチック又は高研磨ガラスから形成される最上部の透明な保護層106を含む複数の層(レイヤ)から形成することができる。高研磨ガラスを用いることで、保護層106は開口104を実質的に満たす、カバー・ガラス106の形をとることができる。シール108は、カバー・ガラス106とハウジング102との間のガスケットを形成するために用いることができる。シール108は、熱可塑性ウレタンもしくは熱可塑性ポリウレタン(TPU:Thermoplastic Polyurethane)といったプラスチック等の、弾性のある材料から形成することができる。このようにして、シール108は、ポータブル計算装置100内部へ環境汚染物が侵入することに対して保護をもたらすことができる。レーストラック110はカバー・ガラス層106を取り囲むハウジング102の最上部位として定義することができる。ポータブル計算装置110の所望の審美的な外観および印象を維持するため、ハウジング102とカバー・ガラス106との間のあらゆるオフセットは、レーストラック110を中心化することで最小化されることが望ましい。
図示されていないものの、カバー・ガラス106の下に存在するディスプレイ・パネルは、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)、有機発光ダイオード(OLED:Organic Light-Emitting Diode)、電子インクもしくは電気泳動インク(e−inks)その他の、任意の適したディスプレイ技術を用いて、画像を表示するために用いることができる。ディスプレイ・アセンブリは様々な機構を用いてキャビティ(空洞)内に載置され、固定されてよい。一実施形態において、ディスプレイ・システムはキャビティの中にはめ込まれる。ディスプレイ・システムは、ハウジングの近隣部位と同じ高さに載置されてよい。このようにして、ディスプレイは、ユーザが提供した入力を受信したり、(例えばテキスト、オブジェクト、グラフィックの)情報をユーザに提供したりすることができるグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)のような、映像、静止画、又はアイコンを含みうる、ビジュアル・コンテンツを提示することができる。いくつかの場合において、ユーザは表示されたアイコンをディスプレイ上のより都合のいい位置へ移動させることができる。例えば、ユーザはある位置からより都合のいい位置へと手動でGUIをドラッグすることでGUIを移動させることができる。ディスプレイはまた、常にではないが通常ディスプレイへ組み込まれ、触覚アクチュエータをアレイ状に配列した、複数の触覚アクチュエータによって提供される、触知可能なフィードバックをユーザに提供することができる。このようにして、触覚アクチュエータはユーザに触知可能なフィードバックを提供することができる。
いくつかの実施形態において、(不図示の)ディスプレイ・マスクを、カバー・ガラス106に適用し、又は、カバー・ガラス106の内部もしくは下に組み込むことができる。ディスプレイ・マスクはビジュアル・コンテンツを提示するために使用されるディスプレイのマスクされていない部分を強調するために使用することができる。ディスプレイ・マスクは、ディスプレイ・モードの変更といった特定の入力を、例えばポータブル計算装置100に与えるために使用されるホーム・ボタン112を、より目立たなくするために使用することができる。ディスプレイ・マスクは、例えばホーム・ボタン112と色調もしくは色を近くすることにより、ホーム・ボタン112をより目立たなくすることができる。例えば、ホーム・ボタン112がカバー・ガラス106よりいくらか暗い(灰色もしくは黒色といった)材料で形成される場合、似た色のディスプレイ・マスクを使用することによって、カバー・ガラス106のマスクされていない部分と比べて、ホーム・ボタン112の視覚的なインパクトを小さくすることができる。このように、ホーム・ボタン112の視覚的なインパクトは、ディスプレイ・マスクの全体的な見た目へ統合することで、小さくすることができる。さらに、ディスプレイ・マスクは、ビジュアル・コンテンツを提示するために使用される、ディスプレイのマスクされていない領域に閲覧者の注意を向けるための自然な作用をもたらすことができる。
ポータブル計算装置100は、ポータブル計算装置100のある機能を、制御するか、さもなければ修正するための複数の機械的な制御を含みうる。例えば、電源スイッチ114は、ポータブル計算装置100の手動による起動もしくは終了のために使用することができる。消音ボタン116は、ポータブル計算装置100により提供される任意の音声出力を消音するために用いられることができ、一方で音量スイッチ118はポータブル計算装置100による音声出力の音量を増減するために使用することができる。上述したそれぞれの入力機構は、内部コンポーネントと結合できるように、通常、ハウジング102の開口を通して設置されることに留意されたい。いくつかの実施形態においては、ポータブル計算装置100は、静止画もしくはビデオ画像を提供するように構成されたカメラ・モジュールを含みうる。この配置は非常に変化に富んでよく、例えば、装置の前面および背面、すなわちバック・ハウジングを通る一方と、ディスプレイ・ウィンドウを通る他方とを含む、一つかそれ以上の位置を含んでよい。
ポータブル計算装置100は、送受信型装置もしくはラジオ等の受信のみのいずれかといった無線通信機構を含むことができ、ポータブル計算装置100は、ハウジング102の無線透過部の内部に設置されうるアンテナを含むことができる。いくつかの実施形態においては、アンテナはシール108もしくはカバー・ガラス106の中に組み込むことができる。他の実施形態においては、ハウジング102の一部を、以下により詳細に説明する、アンテナ・ウィンドウの形態で、無線を透過する材料に置き換えることができる。無線を透過する材料には、例えばプラスチック、セラミックなどを含むことができる。無線通信は、例えば3G、2G、Bluetooth、RF、802.11、FM、AMなどを含む多数の異なる無線プロトコルに基づくことができる。システムの必要性に応じて、単一のウィンドウもしくは複数のウィンドウを使用できる、任意の数のアンテナを使用してもよい。一実施形態においては、システムはハウジング(上部およびロゴ)に組み込まれた少なくとも第1および第2のアンテナ・ウィンドウを含むことができる。
図1Bは、本実施形態に係る、ポータブル計算装置の上面斜視図を示す。図1Bに示すように、ポータブル計算装置100は可聴音を出力するために用いられる一つかそれ以上のスピーカー120を含むことができる。ポータブル計算装置100はまた、ポータブル計算装置100へもしくはポータブル計算装置100から、データと電力との少なくともいずれかを伝送するための一つかそれ以上のコネクタを含むことができる。例えば、ポータブル計算装置100は肖像画モードおよび風景画モードの各設定のための、複数のデータ・ポートを含むことができる。しかしながら、ここに説明している本実施形態は、ハウジング102の第1の側面に沿って形成された開口内に収容されるコネクタ・アセンブリ124によって形成されることが可能な単一のデータ・ポート122を含む。このようにして、ポータブル計算装置100がドッキング・ステーションに備え付けられた際に、ポータブル計算装置100は外部装置と通信するためにデータ・ポート122を使用することができる。いくつかの場合において、ポータブル計算装置100は、ポータブル計算装置100の方位(オリエンテーション)もしくは移動を検知することができる方位センサもしくは加速度計を含むことができることに留意すべきである。この場合、このセンサは、ポータブル計算装置100にビジュアル・コンテンツを適切な方位へ提示させるための適切な信号を提供することができる。
コネクタ・アセンブリ124は、例えば30ピン・コネクタ等の、適切だと思われる任意のサイズでありうる。いくつかの場合においては、コネクタ・アセンブリ124はデータおよび電力ポートの両方として機能することができ、それゆえ単独の電源コネクタの必要性を除去する。コネクタ・アセンブリ124は非常に多様でありうる。一実施形態においては、コネクタ・アセンブリ124はUSBコネクタもしくはFIREWIREコネクタ等の周辺バス・コネクタの形態をとることができる。これらの型のコネクタは電力とデータと両方の機能性を含み、それによってポータブル計算装置100がホスト装置と接続された際に、ポータブル計算装置100とホスト装置との間に、電力伝送およびデータ通信の両方が発生することを可能にする。いくつかの実施形態においては、ホスト装置はポータブル計算装置100を操作するのと、操作と同時にそこに含まれるバッテリに充電するのとの少なくともいずれかのために用いられることが可能な電力をメディア・ポータブル計算装置100に提供することができる。
図2は、組立前のディスプレイ・フレーム200およびインサート202、204、206、208と210の上面斜視図を示す。ディスプレイ・フレーム200はプラスチックもしくは金属のような材料から形成することができる。例えば、ディスプレイ・フレームは熱可塑性ウレタンもしくはTPUを用いて形成することができる。インサートは、ディスプレイ・フレームがハウジング102(図1Aおよび1B参照)の開口付近にある領域における付加的な構造的支持および補強を提供するために用いることができる。例えば、インサート202は起動もしくは終了スイッチ機構のための開口付近にあり、インサート204は消音機能をアクティブにすることができる機構および音量調節を可能にする機構のための開口付近にあり、インサート206はマルチ・ピン・コネクタのための開口付近にあり、インサート210は音声出力インタフェース、マイクロフォンおよびブート・スイッチのための開口付近にある。
特定の実施形態においては、インサート208は排除することができる。インサート208が含まれる場合は、開口のための構造的支持を提供することができる。開口は複数の異なる機能と関連することができる。例えば、内部スピーカーからの音声出力を提供するために、SIM(Subscriber Identity Module)カードを抜き差しするために、外部電源とデータ・ピン・コネクタとの少なくともいずれかへの外部アクセスを提供するために、ドッキング・インタフェースの支持を提供するために、そしてスイッチもしくはボタンといった付加的なアクチュエータへのアクセスをもたらすために開口を用いることができる。
一般的に、インサートの数、配置位置およびサイズは変化させることができ、図2の例に制限されない。例えば、一実施形態においては、上述したように、開口および関連するインサート208を排除することができる。他の実施形態においては、消音および音量調節機構のための開口は角から排除することができ、この結果、開口の異なる位置に適合するために、ディスプレイ・フレーム200は変更され、インサート204の位置が変更されることになる。もうひとつの他の例では、個別の電源およびデータコネクタのような複数コネクタに適合するためにインサート206のサイズを増大させることができる。
インサートは、金属(例えばステンレス鋼もしくはマグネシウム)のような剛性材料から適切な形状に形成することができる。一実施形態においては、インサートは、ソルベイ・アドバンスド・ポリマー社によって製造されるIXEF(商標)のようなポリマーから形成することができる。図3に示すように、インサートは、ディスプレイ・フレーム200に組み込むことができる。一実施形態においては、インサートは適切な位置に機械的にはめることができる。別の実施形態においては、インサートをディスプレイ・フレームに備え付けるためにエポキシ等の接着剤を用いることができる。
さらに別の実施形態においては、金属製のインサートがプラスチック製のディスプレイ・フレーム200とともに使用される場合には、プラスチックもしくは金属アセンブリ等の統合されたアセンブリを形成するために、インサートをプラスチック成型ツールへ搭載することができる。ディスプレイ・フレーム200およびインサートを形成した後、インサートはディスプレイ・フレーム200へ組み込むことができ、組み合わさったアセンブリは外側被覆(オーバー・モールド)ツールへ搭載されることができる。外側被覆ツールは、インサートをディスプレイ・フレーム200へ接合するプラスチック製の付加的な層を適用するために用いられることができる。インサートがこのようにディスプレイへと統合された場合、付加的なプラスチックが追加された際に、インサートの材料とディスプレイ・フレームの材料との間の接着を改善するために、インサートへ多数の開口を設計することができる。
図3は、本実施形態に係る、組立前の、インサートが組み立てられたディスプレイ・フレーム200と、シール・フレーム108との上面斜視図を示す。図4は本実施形態に係る、シール・フレーム108が組み立てられたディスプレイ・フレーム200の上面斜視図を示す。一実施形態においては、シール108は、ディスプレイ・フレーム200と結合された場合(図4参照)、ディスプレイ・フレームの外周付近の突起205bの上に載置することができる。シール108は、2つのコンポーネントが互いに反対に設けられている場合に、突起205bの上にある、周縁付近の突起205aを含むことができる。
特定の実施形態において、取付タブ(図5および図6参照)等の、ディスプレイ・フレーム200に収納されたコンポーネントが、ディスプレイ・フレーム200から伸びることができるように、シールは、201等の隙間を含むことができる。シール108はまた、ハウジング102の開口に関連する隙間を含むことができる(例えば、図2および図3に関するインサートの記載を参照)。シール108は、シールの上面の下にぶら下がった支柱および突起を含む、203等のパーツを有することができる。支柱は、共形嵌合を形成し、シールがディスプレイ・フレーム200に対して滑ることを防ぐために、ディスプレイ200内のノッチ(刻み目)に位置合わせすることができる。シール108がディスプレイ・フレーム200に結合された場合(図4参照)、203等の部品は、ディスプレイ・フレーム200の下で伸びることができる(図7の断面図参照)。例えば、シール108の一部はディスプレイ・フレーム200の突起205bの真下に位置することができる。特定の実施形態においては、シール108は、エポキシ等の接着剤を用いて、ねじ等の固着具を用いて、あるいはそれらを組み合わせて、ディスプレイ・フレームへと結合することができる。
図4においては、シール108、ディスプレイ・フレーム200およびインサートが、組み立てられて示されている。保護上部ガラス層はアセンブリの上部に載置することができる。図5は本実施形態に係る、シール108、保護上部ガラス106、取付クリップ212、及び、組み立てられたディスプレイ・フレーム200の上面斜視図を示す。上部ガラス106は図4に示すように、ディスプレイ・フレーム200、インサートおよびシール108へ取り付けられる。上部ガラス106をディスプレイ・フレーム200に取り付ける方法は図9および図10を参照して説明される。上部ガラス106はボタン112のための開口214を含む(図1Aおよび1B参照)。
取付クリップ212はディスプレイ・フレーム200に備え付けられる。一実施形態においては、取付クリップ212はねじ等の固着具を用いてディスプレイ・フレーム200へと結合される。ハウジング102内の図5に示されるディスプレイ・コンポーネントを収納するために、取付クリップ212を使用することができる。ハウジング102及び取付クリップ212に対するディスプレイ・コンポーネントの詳細について、図7Aを参照して説明する。
図6は本実施形態に係る、保護上部ガラスおよびフレーム・アセンブリへディスプレイ・パネル・ハウジング220を取り付ける様子の底面斜視図を示す。図7に示すように、ディスプレイ・パネル・ハウジング220はディスプレイ・パネル224および関連するディスプレイ回路226を支持し固定することができる。タッチ・スクリーン222は保護上部ガラス106の下に取り付けることができる。上述したように、取付クリップ212は216等の固着具を通してディスプレイ・フレーム200へ固定することができる。
図7Aを参照してより詳細に説明したように、組み立てられた場合、ディスプレイ・パネル・ハウジング220はディスプレイ・フレーム200の下に掛けられる。ディスプレイ・パネル・ハウジング220は、219等の開口を備える多数の取付タブを含む。固着具218は取付タブの開口を通して装着することができ、ディスプレイ・フレーム200の対応する取付ポートに収納することができる。一実施形態においては、ハウジング220内のディスプレイ・パネル224は、エポキシもしくは接着テープ等の適切な固着剤を用いてタッチ・スクリーン222の底面部に備え付けることができる。ディスプレイ・パネル224はまた、接着材料を用いてディスプレイへ接着することができる223等のガスケットを用いて、保護層の背面に密封(シール)することができる。
ポータブル計算装置の落下といった衝突の事象の際、衝撃応力はポータブル計算装置全体に広がりうる。衝突の事象の際に各コンポーネントが体験する応力負荷は、衝突の方向およびどのように各コンポーネントが互いに結合しているかに依存する。例えば、取付タブ219は、ディスプレイ・パネル・ハウジング220、ディスプレイ・パネル224、およびディスプレイ・フレーム200に関連する回路と結合している。使用されている多数の取付タブに依存して、ディスプレイ・パネル・ハウジングとディスプレイ・フレームとの間の結合は強くも弱くもなりうる。通常は、2つのコンポーネント間の結合が強くなれば、2つのコンポーネントはより単一のユニットとして動きがちになる。より強い結合は、ディスプレイ・パネル・ハウジング220間の、219等のより多くの取付タブを用いることにより達成することができ、より弱い結合は、比較的少ない取付タブを使用することで達成することができる。
衝突の事象の際に、ディスプレイ・パネル224により大きなたわみの性能をもたらすことは、ディスプレイ・パネル224内に応力亀裂が形成される可能性を低くすることが判明している。一実施形態において、ディスプレイ・パネル・ハウジング220は、より大きなたわみをもたらすために、ディスプレイ・フレーム200と末端でのみ結合される。ディスプレイ・パネル・ハウジング220はほぼ長方形をしているが、取付タブは、それらが載置される2辺上の取付タブの間の距離をより大きくするために、(長方形の)短辺上に位置づけられる。それゆえ、衝突の事象の際に、屈曲を長辺にわたって発生させることができ、応力をより拡散させることが可能である。
また、取付タブ219をより応力の小さな領域に配置することによって、衝突の事象の際にパネル内で応力亀裂が形成される確率は下がる傾向にあることが判明している。取付タブを載置する最適な位置を決定するために、ディスプレイ・パネル・ハウジング220および関連するコンポーネントに対する応力分布を、様々な衝突の事象について予想することができる。別の実施形態においては、ディスプレイ・フレーム200からディスプレイ・パネル・ハウジング220へより小さな応力が伝わるように、219等の取付タブは、他の領域と比べてより小さな応力がかかると予想される領域に位置づけることができる。さらに、ディスプレイ・フレーム200とディスプレイ・パネル・ハウジング220との間の結合を弱めるために、取付タブの総数を減らすことができる。例えば、ディスプレイ・パネル・ハウジング220の2辺上には取付タブがなく、図6の各辺に示される3つの取付タブ219のように他辺上の取付タブの数を減らすことができる。
図7Aは、ハウジング102内で組み立てられた配置のディスプレイ・フレーム200およびディスプレイ・パネル224を含む、ディスプレイ・モジュール225を有するポータブル計算装置の断面図を示す。ディスプレイ・モジュール225は図6に示されるコンポーネントから組み立てられる。ディスプレイ・パネル・ハウジング220は、ディスプレイ・パネル224およびディスプレイ回路226を固定する、フレームもしくは、一つかそれ以上のブラケットを含む。ディスプレイ・フレーム上のシール108はハウジング102の縁228に接触している。組み立てられた配置においては、装置100が上向きの場合、すなわち保護上部ガラス106が上向きの場合、ディスプレイ・パネル・ハウジング220およびそれに関連するディスプレイ・コンポーネントは、ディスプレイ・フレーム200からつるされるか、ぶら下げられることになる。
ディスプレイ・モジュール225をハウジング102内に据え付けるために、取付タブ212がハウジング228の縁を通過できるように、ディスプレイ・フレーム200の周縁に分布している取付クリップ212(図5および図6参照)は、ディスプレイ・フレーム200に向けて押し付けられる。取付クリップ212の先端部が縁228をいったん通過すると、取付タブは、縁228の下で外側に向けて、ディスプレイ・ハウジング102のノッチ227の中へ広がることができる。212等の取付クリップは、広がった配置においては、ディスプレイ・フレーム200およびその関連するコンポーネントがハウジング102から外れることを防ぐことができる。ハウジングへのディスプレイ・モジュール225の据え付けのさらなる詳細を、図7Bを参照して説明する。
特定の実施形態においては、ノッチはハウジング102の矩形部分を取り除くことで形成することができる。クリップ212を収容するために、ノッチの幅はクリップ212の幅より広くすることができる。それぞれのクリップ212を収容するために、ハウジング212の周縁付近に多数のノッチを形成することができる。クリップの数は変更することができ、それゆえハウジングに形成されるノッチの数は設計毎に変更することができる。
保護上部ガラスをハウジング上面と同じ高さに保つために、229等の圧縮力を用いることができる。この力は、ディスプレイ・フレーム200、もしくは、ディスプレイ・パネル・ハウジング220等のディスプレイ・フレーム200と結合された他のコンポーネントへ加えることができる。229等の力は、装置100全体にわたって多数の位置に加えることができ、229により示された位置に限定されない。一例として、少数の位置において、ディスプレイ・フレーム200もしくはその関連するコンポーネントは、発泡体もしくは圧縮状態にある高強度発泡体等の別の材料と接することができる。ディスプレイ・フレーム200がハウジング102へ挿入される際、その材料は圧縮状態で載置されることができる。
圧縮された材料はディスプレイ・フレーム200へ上向きの圧縮力を加えることができる。圧縮力は、212等の取付クリップを、外側、つまりハウジング102の方へ移動もしくは伸長させる。別の実施形態においては、(不図示の)一つかそれ以上のばねを、ディスプレイ・フレーム200に対して直接圧縮力を与えるために使用することができ、または、ディスプレイ・フレーム200へつながれた一つかそれ以上の中間コンポーネントを通して圧縮力を与えることができる。例えば、ばねは、ディスプレイ・フレーム200の下にあるコンポーネントの下に配置することができる。ばねは、コンポーネントに対して上向きに、ディスプレイ・フレーム200に向けて、押しつけるように方向づけることができる。コンポーネントは、そのコンポーネントを通してばねからの圧縮力をディスプレイ・フレーム200へ伝えるために、ディスプレイ・フレーム200と接触することができる。
落下の事象において、シール108と212等の取付クリップとの少なくともいずれかは、いくらかの横方向の移動を許し、いくらかの力の減衰をもたらすことができる。例えば、力が方向231へ加えられた場合、シール108と、おそらく一つかそれ以上の212等の取付クリップとは、圧縮されて力の一部を吸収することができる。反対側にある(不図示の)一つかそれ以上の取付クリップは、外側に向かって拡張もしくは伸長、つまり、延長することができる。反対側における取付クリップの外側への拡張は、ディスプレイ・アセンブリを定位置に維持することができる。シール108と取付クリップ212との少なくともいずれかが復元したのち、ディスプレイ・フレームは力231の反対方向に移動することができる。シール108の圧縮およびその後の伸長と、取付クリップの移動とを含むこの種の相互作用は、231の反対方向の合力もしくは231に対して垂直な(すなわち、このページに向かう方向の)合力等の、保護ガラス106の上面に対して平行なあらゆる合力について生じうる。
図7Bは本実施形態に係る、組立前の配置にあるディスプレイ・モジュール225を備えたポータブル計算装置100の断面図を示す。ハウジング102へディスプレイ・モジュール225を据え付ける間、241等のシムをハウジング102と取付クリップとの間に挿入することができる。241等のシムは、取付クリップを圧縮(収縮)された配置212aに保持する。一実施形態においては、各クリップについて一つのシムを用いるように、複数のシムを用いることができる。他の実施形態においては、複数の取付クリップに対して、単一のシムを使用することができる。例えば、ディスプレイ・モジュール225の一つの側面上のすべての取付クリップを圧縮するために、単一のシムを使用することができる。さらに別の実施形態では、一度にすべてのシムを圧縮するために、縁228付近のハウジング102の内周をなぞるシム工具を使用することができる。このシム工具は、取付クリップをはめ込めるように、一つのかたまりとして取り除くことができる。
ディスプレイ・モジュール225はポータブル装置内で電気コンポーネントと接続することができ、ディスプレイ・モジュール225は、241等のシムを取り除いて212a等の取付クリップをはめ込み可能にする前に試験することができる。ディスプレイ・モジュール225がいったん据え付けられると、内部コンポーネントの多くに対して直接アクセスすることがもはや可能であるから、ディスプレイ・モジュール225に加えて、メイン論理基板等の他の電気的な内部電気コンポーネントもまた試験することができる。ディスプレイ・モジュールと電気コンポーネントの少なくともいずれかが適切に機能しているといったん判定されると、シムは取り除くことができる。試験方法について、図11を参照してさらに詳細に説明する。
シムが取り除かれ、取付クリップが定位置へ拡張した後、ディスプレイ・モジュール225および他の内部コンポーネントは再試験することができる。機能不良があると判定された場合、ハウジング102からディスプレイ・モジュール225を取り除く必要があるかもしれない。ハウジングから離れるようディスプレイ・モジュール225を引っ張るために、上向きの力を与えることができる。一実施形態においては、上向きの力は、吸着キャップ243等の装置を用いて与えることができる。
特定の実施形態においては、ディスプレイ・モジュールの上向きの力は、一つかそれ以上の取付クリップが破損するまで与えることができる。例えば、上向きの力はディスプレイ・モジュールの一角に与えられることができ、その場合、取付クリップはジッパーのような要領で、すなわち一度に、破損することができる。十分な数の取付クリップが破損した場合(ディスプレイ・モジュール225を取り除くためにすべての取付クリップを破損する必要はないかもしれない)、ディスプレイ・モジュール225はハウジングから取り除くことができる。ディスプレイ・モジュール225を取り除いた後は、破損したチップ部分をハウジング102の内部から取り除くことができ、必要な修復を判定することができる。ディスプレイ・モジュール225が適切に機能している場合、新しい取付クリップをディスプレイ・モジュール225に据え付けることができ、ディスプレイ・モジュール225を再度据え付けることができる。ある実施形態においては、取付クリップを破損しないでディスプレイ・モジュール225を取り除くことができてよい。そのような例の一つを、図8を参照して以下に説明する。
図8は本実施形態に係る、取付機構232の側面図を示す。取付機構232は、トラック234に接しており、トラック234に沿って移動するように構成された、231等の三つのトラック部分を含む。210等の二つの隆起部分が三つのトラック部分の間に位置づけられる。取付機構はいくらかの幅といくらかの厚みを持った金属板等の薄板でありうる。薄板は、232もしくは232に似たなんらかの形状を形成するために曲げられるか、成型されうる。無負荷構成230aおよび負荷構成230bの取付機構が示されている。
236等の力が与えられて取付機構に負荷をかけられた場合、隆起部分は平坦になり、取付機構は伸長するように、取付機構は構成することができる。取付機構の伸長によって終端トラック部分は外側に移動し、トラック234に沿ってスライドする。取付機構232が無負荷になった後は、隆起の高さが増し終端トラック部分が内部へと移動することで取付機構が縮むことが可能な、無負荷構成230aへと戻るように設計することができる。
一実施形態においては、取付機構232は、212等の取付クリップを代替するために使用することができ、または212等の取付クリップと併せて使用することができる(図7Aおよび図7B参照)。取付機構232は、取付クリップ212のようにディスプレイ・フレーム225の側面に配置することができる。ディスプレイ・モジュール225を据え付ける前の無負荷配置にある図7Bにおいて、取付機構232は、ハウジングの縁228を超えて突き出ることができる。取付機構232を平坦にし、ディスプレイ・モジュール225が縁228を超えてスライドできるように、負荷を加えることができる。
縁228を通過した後、負荷を取付機構から取り除くことができる。その後、取付機構232は伸長して、ディスプレイ・モジュール225を定位置にロックする。例えば、取付機構232は、伸びたときにノッチ227に位置しえよう。この例においても、ノッチ227は、各隆起に対して個別のノッチを成型するのではなく、取付機構232の両方の隆起を収容する溝でありうる。
ディスプレイ・モジュール225は、ハウジング102へ据え付けられた後に取り除くことができる。232等の取付機構を使用した場合、ディスプレイ・モジュール225は、シール108とヘリ228との間に薄い金属の刃のような薄型ストリップ片を挿入することで取り除くことができる。薄型ストリップ片は取付機構232の隆起間に挿入することができる。薄型ストリップ片は、取付機構の隆起の一方に負荷を与えて平坦にするために、一辺もしくは他辺越しにスライドすることができ、これにより他方の隆起は平たんになる。取付機構232を破損しないでディスプレイ・フレームを取り除くことができるように、取付機構が平坦になった場合に、取付機構がハウジングの縁228に従ってスライドするよう、ディスプレイ・モジュール225を持ち上げることができてもよい。
図7Bを参照して上述したように、クリップ212を使用した場合は、ディスプレイ・モジュール200は、ディスプレイ・フレームを持ち上げ、212等の取付クリップを破損させることで、取り除くことができる。例えば、ディスプレイ・モジュール225を吊りだすために保護ガラス106の上部に吸着カップを適用することができる。ディスプレイ・モジュール225を再度据え付けるために、新しい取付クリップを備え付けることができる。取付機構232の一つの利点は、取付機構232を破損することなくディスプレイ・モジュール225を取り外すことが可能であってよいことである。
図9は固着アセンブリ244の側面図を示す。図9に関して、保護上部ガラス106とシール108との間の、保護上部ガラス106周縁付近の空間が均等になるように用いられることができる組立方法を説明する。保護上部ガラス106を支持する表面が水平配置となるように、ディスプレイ・フレーム200を固定するために、固着具244を用いることができる。一実施形態においては、図示するように、保護上部ガラスをシール108の一部とフレーム200の一部との上に設けることができる。
238等の接着剤をディスプレイ・フレーム200へ塗布することができる。例えば、線状の液状エポキシを、接着剤としてディスプレイ・フレーム200の周囲に塗布することができる。次に、シム・リング240をシール108の内表面の周縁に接するように載置することができる(シム・リングは長方形に近いシール108の内周に一致するように構成することができる)。次に、保護上部ガラス層をシム・リングの間かつ接着剤238に接するように載置することができる。
242等の重りを保護ガラス層106の上部に載置することができる。一実施形態においては、重りをシム・リング240によって定位置に留めることができる。接着剤が硬化している間、保護上部ガラス106を水平に保つために、重り242を用いることができる。最終的に、一実施形態においては、接着剤238の硬化を助けるために、固着具244およびその中身をオーブンに載置することができる。一実施形態においては、硬化時間は約半時間でありうる。
図10は、106等の保護ガラス層をディスプレイ・フレームに固定することを含む、200等のディスプレイ・フレームを組み立てる方法300のフローチャートである。302にて、図4を参照して説明されたシールを含むディスプレイ・フレームを提供することができる。ディスプレイ・フレームを提供することには、上述したように、プラスチックのディスプレイ・フレームおよび構造的な補強のためのインサートを形成することと、インサートをディスプレイ・フレームへ搭載することと、インサートをディスプレイ・フレームに接合するためにインサート上へプラスチック層を追加することと、インサートを含むディスプレイ・フレームへシール108を接合することとが含まれうる。304においては、図9を参照して説明したように、ディスプレイ・フレームとシールとを固着アセンブリへ搭載することができる。306においては、固着アセンブリに固定されたディスプレイ・フレームへ接着剤を塗布することができる。
308においては、ディスプレイ・フレーム200上のシールの内端に近接してシム・リングを載置することができる。310においては、保護ガラスをシム・リング内かつ接着剤と接するように載置することができる。312においては、重りを保護ガラス上に載置することができる。314においては、固着アセンブリをディスプレイ・フレームとともに、オーブン等の硬化装置内に載置することができる。316においては、保護上部ガラスと接着剤との間の接合を形成することができるように、固着アセンブリおよび関連するコンポーネントを硬化装置に一定時間載置することができる。次に、固着アセンブリをオーブンから取り出すことができ、重りとシム・リングを取り除くことができ、接合された保護上部ガラスとともにディスプレイ・フレームを固着アセンブリから取り出すことができる。
図11は、ディスプレイ・モジュールをポータブル計算装置へと統合するための方法400のフローチャートである。402においては、ディスプレイ・モジュールをポータブル計算装置の少なくとも一つの動作コンポーネントと電気的に接続することができる。404においては、ディスプレイ・モジュールを一時的にポータブル装置のハウジングへ固定することができる(図7B参照)。406においては、ポータブル計算装置の機能試験をすることができる。410においては、装置が試験計画に合格したかどうかに従って判定がなされうる。装置が試験計画に合格した場合、ディスプレイ・モジュールをハウジングへ固定することができる(図7A参照)。
装置が試験計画に合格しなかった場合、414において、ディスプレイ・モジュールは、接続を断ち、ハウジングから取り外すことができる。取付クリップはまだはめ込まれていないため、取付クリップを破損することなくディスプレイ・モジュールを取り外すことができる。416において、ポータブル・装置に必要な修復を判定することができ、コンポーネントを必要に応じて交換することができる。その次に、方法は402の初めから繰り返すことができる。
本実施形態の様々な態様、実施形態、実装もしくは特徴は個別にもしくは任意の組み合わせで用いることができる。本実施形態の様々な態様は、ソフトウェア、ハードウェアもしくはソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって実装することができる。本実施形態はまた、製造作業制御のための、コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして、もしくは製造ライン制御のための、コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして実施することができる。コンピュータ可読媒体は、あとでコンピュータ・システムが読むことのできるデータを保存することができる任意のデータ記憶装置である。コンピュータ可読媒体の例には、リード・オンリー・メモリ、ランダムアクセス・メモリ、CD−ROM、DVD、磁気テープ、光データ記憶装置、および搬送波が含まれる。コンピュータ可読媒体はまた、コンピュータ可読コードが分散して保存及び実行されるように、ネットワークに結合されたコンピュータ・システム上に分散されることもできる。
説明を目的とした前述の説明は、本発明の完全な理解をもたらすために特定の専門語を用いた。しかしながら、当業者にとって、本発明を実施するために特定の詳細が必要ではないことは明らかであろう。したがって、本発明の特定の実施形態の前述の説明は、例示および記述を目的として提供される。これらの説明は、包括的であること、または、本発明を説明された厳格な形態に制限することを意図していない。当業者にとって、以上の内容を考慮して多くの修正および変更が可能であることは明らかであろう。
本発明の原理およびその実用的応用の原理を最も良く説明し、それによって他の当業者が、検討された特定の使用に適合した、様々な変更とともに本発明および様々な実施形態の最善の使用ができるように、実施形態を選択および説明した。本発明の技術的範囲は、以降の請求項およびそれらと均等なものによって定義されることを意図している。
いくつかの特定の実施形態に関して実施形態を説明した一方で、これらの一般概念の範囲に当てはまる変更、置換、均等なものが存在する。本実施形態に係る方法及び機器を実装する多くの代替手法が存在することにもまた留意すべきである。例えば、成形工程は一体のチューブを製造する好ましい方法であるが、これは制限ではなく、他の製造方法(例えば、射出成形)を用いることができることに留意されたい。それゆえ以降に付加される請求項は、説明した実施形態の真の精神及び技術的範囲に存在するような、すべてのそのような変更、置換、均等物を含むように解釈されることを意図している。