JP2013515104A - 平面状のゴム製カバー材の製造方法及び平面状のゴム製カバー材 - Google Patents
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Abstract
本発明は、平面状のゴム製カバー材、特に床張材の製造方法であって、以下の工程:加硫されていないゴム材料を準備する工程と、該加硫されていないゴム材料中に充填材を混加する工程と、該ゴム材料を平面状の状態に変える工程と、該平面状の状態のゴム材料を架橋させる工程とを有する前記方法に関する。該方法は、充填材がガラス、磁器、陶器及び/又は石器からなる粒子を含有することを特徴とする。更に、本発明は、上記のように製造されたカバー材に関する。
Description
本発明は、平面状のゴム製カバー材、特に床張材の製造方法であって、以下の工程:加硫されていないゴム材料を準備する工程と、該加硫されていないゴム材料中に充填材を混加する工程と、該ゴム材料を平面状の状態に変える工程と、該平面状の状態のゴム材料を架橋させる工程とを有する前記方法に関する。更に、本発明は、平面状のゴム製カバー材に関する。
平面状のゴム製カバー材の製造方法は、DE10156635号A1から公知である。既知の方法の場合には、充填材を、加硫されていないゴム材料中に混加し、そして得られた混合物をカレンダー加工して、該ゴム材料を平面状の状態にしている。それに引き続いて、該ゴム材料の架橋が行われる。
良好な加工性を有する平面状のゴム製カバー材の製造方法が必要とされている。従って、本発明の課題は、冒頭に挙げた様式の、簡単な加工が可能な方法を挙げることにあった。
前記課題は、冒頭に挙げた方法において、前記充填材が、ガラス、磁器(Porzellan)、陶器(Steingut)及び/又は石器(Steinzeug)からなる粒子を含有することによって解決される。
このようにして、加硫されていないゴム混合物の加工性をかなり改善することができる。特に、ガラス、磁器、陶器及び石器からなる粒子の使用は、簡単かつ効率的な成分同士の完全混合を可能にする。それは、とりわけ、該混合物の粘度が低下することに基づき、これが加工を容易にする。それによって、加工時間も削減され、プロセスの確実性も増す。同時に、上述の物質は、ゴム材料の架橋を短時間で可能にする。加えて、生産コストは低く保つことができる。それというのも、上述の物質は、ゴム材料の使用されるべき量を減らすだけでなく、コスト的に好ましく使用できるからである。更に、ガラス、磁器、陶器及び石器からなる粒子の使用は、ゴム混合物中に含まれる別の物質、特に架橋促進剤又は他の添加剤などの物質の量を、その場合に、加工性又は加工時間に悪影響を及ぼすことなく、低く保つことを可能にする。それは、同時にコスト低下に寄与する。それというのも、比較的高価な添加物質の使用が少なく保たれるからである。最後に、ガラス、磁器、陶器及び石器は、また、環境の観点からも問題がないという点でも優れている。本発明による方法は、特に低エミッションのカバー材の製造を可能にする。提案された充填材を用いて、特に床張材として適したカバー材の高い品質を達成できる。この場合に、また、優れた機械的な特性値、特に硬度、反発弾性、引張強さ、破断点伸び、引裂伝播抵抗及び摩耗などの値も達成できる。それは、ガラスからなる粒子を使用した場合にも、セラミック原料を焼いたものである磁器、陶器及び/又は石器からなる粒子を使用した場合にも当てはまる。
良好な加工性及び良好な品質は、特に、加硫されていないゴム材料のムーニー粘度が、充填材の混加後に、DIN53523により測定して、160ML(1+4)100℃より低い場合に達成できる。上述のムーニー粘度は、DIN53523により測定される。ML(1+4)100℃という記述は、粘度が、DINに応じた標準的ロータを用いて、1分間の予熱時間と、4分間の試験期間で、100℃の試験室の試験温度で測定されることを意味する。好ましくは、該ムーニー粘度は、145ML(1+4)100℃より低く、特に好ましくは120ML(1+4)100℃より低い。
本発明によれば、ガラス、磁器、陶器及び/又は石器からなる粒子がリサイクルされたものである場合に特に有効性が示される。リサイクル素材の使用によって、資源の使用が削減され、製造に際してのエネルギー消費量が低下する。この場合に、例えば再利用できる物質を使用でき、それは製造廃棄物から得られる。他方で、ライフサイクルを既に経た製品、例えば廃ガラスなどからなる物質を使用することができる。
良好な加工性と、ゴム材料中での前記粒子の良好な付着性は、そのガラス、磁器、陶器及び/又は石器からなる粒子を粉砕物(Mahlgut)として混加した場合に達成できる。この場合に、該粒子の粒度のd50値が、1μm〜200μm、特に1μm〜20μmである場合に有効であることが実証された。d50値は、統計学上の中央値として、粒子の平均サイズを示す。特に、粒子のd50値が、1μm〜15μm、特に10μm〜12μmであることが有効であることが実証された。前記粉砕物は、混合物としての、ガラス粉、磁器粉、陶器粉、石器粉又はそれらの混合物として存在してよい。
好ましくは、ガラス、磁器、陶器及び/又は石器からなる粒子は、平面状のゴム製カバー材に対して、10質量%〜80質量%の割合で混加される。完成したゴム製カバー材は、従って、10質量%〜80質量%の前記粒子を含有する。
ゴム製カバー材の架橋は、好ましくは、ペルオキシド、硫黄及び/又は添加剤によって行うことができる。硫黄による架橋の促進のためには、架橋促進剤又はそれらの組合せ物を使用することができる。これらは、特にジチオカルバメート、ジチオカルバメートの金属塩、チウラム、メルカプト促進剤、スルフェンアミド及び/又はグアニジンのクラスの物質を含有しうる。
加工と、特に架橋は、該粒子が塩基性の特性を有する場合に更に改善される。特に、ガラスからなる粒子は、架橋の促進を可能にする塩基性の特性を有しうる。ガラスからなる粒子の使用によって、架橋は、硫黄によって促進することができる。このようにして、架橋促進剤の使用は、それにより相応しくない長い架橋時間がもたらされることなく、かなり減らすことができる。
本発明によれば、ゴム材料が、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)、NBR(ニトリル−ブタジエンゴム)、HNBR(水素化ニトリル−ブタジエンゴム)、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)、EPM(エチレン−プロピレンゴム)、EVA(エチレンビニルアセテート)、CSM(クロロスルホニル−ポリエチレンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、VSI(シリコーンゴム)及び/又はAEM(エチレン−アクリレートゴム)を含有する場合に有効であることが実証された。
更に、本発明は、平面状のゴム製カバー材、特に床用のゴム製カバー材に関する。本発明によれば、該カバー材中に、充填材として、ガラス、磁器、陶器及び/又は石器からなる粒子が混加されている。
本発明の更なる目的、特徴、利点及び使用可能性は、図面をもとに以下の実施例の記載からもたらされる。その際、全ての記載される特徴は、そのもので又は任意に組み合わされて、要約とは無関係に、個々の請求項もしくはその従属項において本発明の対象を形成する。
該方法は、まず、加硫されていないゴム材料を準備することを予定している。該ゴム材料は、特に、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)、NBR(ニトリル−ブタジエンゴム)、HNBR(水素化ニトリル−ブタジエンゴム)、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)、EPM(エチレン−プロピレンゴム)、EVA(エチレンビニルアセテート)、CSM(クロロスルホニル−ポリエチレンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、VSI(シリコーンゴム)及び/又はAEM(エチレン−アクリレートゴム)又はそれらの混合物であってよい。
加硫されていないゴム材料に充填材が混加される。このために、充填材を加硫されていないゴム材料へと、成分同士が強力に混ざるミキサ1中に入れ、こうして、該加硫されていないゴム材料中での充填材の均質な完全混合が生ずる。充填材としては、ガラス、磁器、陶器及び/又は石器からなる粒子が使用される。更に、該加硫されていないゴム材料には、更なる充填材を添加してよい。前記の完全混合は、また、付加的に又はそれに代えて、前記加硫されていないゴム材料のカレンダー加工によってもたらすこともできる。前記の粒子は、再利用された物質であり、かつ焼かれた磁器、焼かれた陶器もしくは焼かれた石器からの生成物の粉砕によって又はガラスの粉砕によって得ることができる。例えば、磁器、陶器又は石器からなる傷物を粒子に粉砕し、次いでそれを粉砕物として加硫されていないゴム材料に添加することができる。もちろん、そのライフサイクルを経た後に収集された生成物、例えば廃ガラス、焼かれた磁器、陶器又は石器なども使用することができる。この粒子の粒度のd50値は、好ましくは1μm〜200μm、特に1μm〜20μmである。
ガラス、磁器、陶器及び/又は石器からなる粒子は、平面状のゴム製カバー材に対して、10質量%〜80質量%の割合で混加されるので、完成したゴム製カバー材は、10質量%〜80質量%の前記粒子を含有する。
混加された粒子を有する加硫されていないゴム材料2は、優れた加工性の点で優れている。これは、既に粒子を有する加硫されていないゴム材料の粘度に現れる。ここで、DIN53523による160ML(1+4)100℃より低い、好ましくは、145ML(1+4)100℃より低い、もしくは120ML(1+4)100℃より低いムーニー粘度が達成される。これらの特性は、効果的な完全混合を可能にする。その際、同時に気泡の形成が回避又は低減される。
それに続く工程において、相応のカバー材を形成するために、該ゴム材料を平面状の状態に変えることを行う。前記の平面状の状態に変えることは、例えばカレンダー3及び4による該ゴム材料のカレンダー加工によって行うことができる。示されている実施態様では、2つのカレンダー3,4が設けられており、それらは、それぞれ2つの反対に回転するカレンダーローラ5,6もしくは5′,6′を有する。この場合に、該ゴム材料は、前記カレンダーローラの間に形成される間隙を通して送ることによって所望の厚さにされる。
最後に、更なる工程において、平面状の状態で存在するゴム材料の架橋を行う。該架橋は、特に熱及び圧力の作用下に、加硫装置7において行うことができる。このようにして、加硫されたゴム材料からなる平面状のカバー材8が得られる。該カバー材は、既に所望の厚さで製造してもよいし、あるいは架橋後に、製造されたカバー材の分割が行われる。該カバー材は、特に床の上で床張材として使用することができる。
ゴム材料を硫黄架橋で使用する場合に、ガラス粒子は架橋促進剤として作用する。この理由から、他の架橋促進剤の使用はかなり低減できる。
第1表は、混合物1、混合物2及び混合物3として示されている3種のゴム混合物の組成を例として示している。示されているのは、それぞれ、混合物のそれぞれの成分の質量割合である。
混合物1は、160の質量割合の含量のガラス粉を有する。その際、23%もしくは70%のスチレン含有率を有するSBRが85の質量割合で予定されている。混合物2は、ガラス粉を含有しないが、160の質量割合のカオリンと100の質量割合のリサイクルゴムを充填材として含有する。混合物3は、160の質量割合のカオリンと33.30の質量割合の発泡リサイクルゴムを充填材として有する混合物である。
第2表は、架橋前の混合物1、2及び3の生じたムーニー値を示している。それらのムーニー粘度は、DIN53523により測定される。このDINのパート3は、主としてムーニーによる粘度の測定を取り扱っており、そのパート4は、ムーニーによる加硫挙動の測定を取り扱っている。
第2表から、混合物1が良好な加工性を有することがうかがえる。100℃でのムーニー粘度は、160ムーニー単位より低く、それどころか150ムーニー単位より低い。混合物2では、それに対して、もはや測定ができないほどムーニー粘度が高い。この混合物の加工は不可能である。また混合物3でも、100℃でのムーニー粘度は非常に高く、これは加工を困難か又は不可能にする。加硫時間は十分に長いので、加硫が更なる加工を妨げる前に、該材料を加工することができる。
第3表は、架橋後の混合物1、2及び3の機械的特性値を示している。
第3表からは、混合物1が良好な機械的特性値を有するので、該カバー材が高い要求についても長持ちな床張材として傑出して適していることがうかがえる。
第4表は、それぞれ種々の割合の充填材であるガラス粉、磁器粉及び/又はカオリンを有する更なる混合物4〜8の組成を例として示している。
第5表は、混合物4〜8のムーニー値を示している。ここで、ガラス又は磁器からなる粒子を有する混合物の良好な加工性が明らかに確認できる。
第6表は、混合物4〜8の加硫特性を示している。ガラス粉を含有する混合物5から、ここで加硫時間が、混合物4と比較してかなり促進されることがうかがえる。加硫促進剤(テトラメチルジウラムジスルフィド)の1つが省略された場合でさえも、それは、その他の点で混合物5と同じ混合物6の場合にそうであるように、常になおも非常に良好な加硫特性が達成される。匹敵する加硫の促進は、ガラス粉を含まない混合物7の場合には生じない。ガラスからなる粒子と磁器からなる粒子が予定されている混合物8は、ガラス粒子が磁器粒子と組み合わせて予定される場合にも、またしても、ガラス粒子の促進作用を裏付けている。このように、ガラス粒子分によって加硫を促進することができ、もしくは同じ加硫時間がより少量の加硫促進剤で達成できる。
第7表は、ガラス又は磁器からなる粒子を含むカバー材の良好な機械的特性を裏付けている。
1 ミキサ、 2 ゴム材料、 3、4 カレンダー、 5、6、5′、6′ カレンダーローラ、 7 加硫装置、 8 平面状のカバー材
Claims (13)
- 平面状のゴム製カバー材、特に床張材の製造方法であって、以下の工程:
− 加硫されていないゴム材料を準備する工程と、
− 該加硫されていないゴム材料中に充填材を混加する工程と、
− 該ゴム材料を平面状の状態に変える工程と、
− 該平面状の状態のゴム材料を架橋させる工程と、
を有する前記方法において、
前記充填材が、ガラス、磁器、陶器及び/又は石器からなる粒子を含むことを特徴とする前記方法。 - 充填材の混加後の加硫されていないゴム材料のムーニー粘度が、DIN53523により測定して、160ML(1+4)100℃より低いことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 充填材の混加後の加硫されていないゴム材料のムーニー粘度が、DIN53523により測定して、145ML(1+4)100℃より低い、特に120ML(1+4)100℃より低いことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
- 前記のガラス、磁器、陶器及び/又は石器からなる粒子がリサイクルされたものであることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
- 前記のガラス、磁器、陶器及び/又は石器からなる粒子が粉砕物として混加されることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
- 粒子の粒度のd50値が、1〜200μm、特に1〜20μmであることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
- 前記のガラス、磁器、陶器及び/又は石器からなる粒子が、前記平面状のゴム製カバー材に対して、10質量%〜80質量%の割合で混加されることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
- 前記のゴム製カバー材の架橋が、ペルオキシド、硫黄及び/又は添加剤によって行われることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
- 硫黄による架橋の促進のために、特にジチオカルバメート、ジチオカルバメートの金属塩、チウラム、メルカプト促進剤、スルフェンアミド及び/又はグアニジンのクラスの物質を含む加硫促進剤又はその組合せ物が使用されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
- 前記粒子が塩基性特性を有することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
- ガラスからなる粒子によって硫黄による架橋が促進されることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
- ゴム材料が、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)、NBR(ニトリル−ブタジエンゴム)、HNBR(水素化ニトリル−ブタジエンゴム)、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)、EPM(エチレン−プロピレンゴム)、EVA(エチレンビニルアセテート)、CSM(クロロスルホニル−ポリエチレンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、VSI(シリコーンゴム)及び/又はAEM(エチレン−アクリレートゴム)を含有することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
- 充填材として、ガラス、磁器、陶器及び/又は石器からなる粒子が混加されている、平面状のゴム製カバー材。
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