JP2013513603A - 免疫原と、その調製方法及びポリクローナル抗体産生のシステムでの使用 - Google Patents

免疫原と、その調製方法及びポリクローナル抗体産生のシステムでの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、肝蛭の成虫により排泄され又は分泌されたカルシウム結合タンパク質のフラグメントに対応するフラグメントHのアミノ酸配列、それに続く無関係のタンパク質又はタンパク質のフラグメントに対応するアミノ酸配列を含む融合タンパク質、医薬組成物、免疫原を含むワクチン及びアジュバント、調製方法、抗体産生の他の方法及び使用に関する。本発明は、ペプチド配列の付加による免疫原の調製に関する。本発明は、タンパク質又は他の抗原に対する血清中の特異的抗体価の増加による免疫応答の産生に有用で、特に特異的ポリクローナル抗体の産生、免疫療法、免疫防御に適用できる。ポリペプチドを含む組換えタンパク質の産生か、又はポリペプチドの対象抗原との融合による対象抗原へのポリペプチドの付加は、抗体産生のため感染しやすい対象中への分子の導入により誘発される免疫応答を増幅する分子の免疫原性の優位な増加を誘導する。

Description

本発明は、免疫原の調製と、それらの調製方法と、組換えタンパク質の産生のための発現系におけるそれらの使用とに関する。
本発明は、無関係な抗原に対する免疫応答を発現させる(develop)ために、無関係な抗原に対して化学的若しくは物理的方法により接合することにより、又は、組換え抗原への組込み、若しくは、抗原に関する無関係な配列を含むプラスミドDNA鎖への組込みにより、付加された配列について記述する。
本発明は、そのアプリケーションが特定の抗体の産生により特徴づけられる免疫応答を誘導する免疫原(ペプチド配列を含有する組換えタンパク質を含む)の産生をもたらすことができる新規なアジュバントについて記述する。前記アプリケーションでは、無関係のフラグメントは、特定の特異的免疫グロブリンの産生によって特徴づけられる、宿主への投与のみによって宿主による免疫応答の発現をもたらすという免疫学的特徴を、(低い免疫原性抗原に対して)発現する。
抗血清は、通常、多くの場合、免疫応答を高めるためにアジュバントと組み合わせて、動物における目的の免疫原の注射により産生される。答えは、アジュバントの有無にかかわらず、それに続く抗原の投与により増加することがある。所望の応答を産生するために投与される免疫原の量は、使用される動物の種及び/又は亜種、使用されるアジュバント、投与経路、注射頻度、及び自己抗原の免疫原性によって大きく変化する。得られた抗体の質及び量は、免疫原の大きさ及び状態に依存する。小さなポリペプチド及び非タンパク質分子は、免疫応答をもたらすためにより大きなタンパク質の結合を必要とすることがある。
アジュバント型物質のアプリケーションのうちの一つの分野は、ワクチン論である。一般的に、数百もの天然化合物及び合成化合物が、アジュバント活性を有するものとして同定された。これらの毒性は、ヒトのレベルを含め、その使用に対する主な障害であるように思われる。重症度及び持続時間の両方の点で、ポリクローナル抗体の産生により引き起こされる大部分の副作用は、アジュバントの存在に起因する。
アジュバントは、精製又は組換えの免疫原性の増強と、防御免疫をもたらすために必要な抗原の量又は接種の回数の減少と、新生児、高齢者、又は、抗原若しくは粘膜を介して取り込まれた抗原の伝達システムを有する人へのワクチンの有効性の改良とを含む様々な目的で使用されることができる。任意の製剤にアジュバントを組み込む利便性は、副作用のリスクとバランスをとる必要がある。アジュバントの研究の最大の課題の一つは、効能を増加し、毒性を最小限に抑えることである。
アジュバントの製剤中にタンパク質の取り込みを調節するサイズ、電荷、及び疎水性の効果により、特定のタンパク質又はペプチドに対して最も効果的なアジュバントであることを予測することは困難である。さらに、抗原決定基における変化が、製剤又は配合中に発生する場合がある。輸送タンパク質の場合には、そのタンパク質に対する免疫の存在が重要な制限事項である。さらに、各アジュバントは、特徴的な免疫応答を生成する。
組換えサブユニットからなるワクチンの使用の増加は、処理の優先度の改善を必要としている。
米国特許出願公開第2004/033564号明細書 国際公開第97/001627号 Patent No.:20091000005031
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〔発明の概要〕
本発明の目的は、肝蛭のカルシウム結合タンパク質由来であってフラグメントHと呼ばれるMPSVQEVEKLL配列を有するペプチドを無関係な抗原へ付加することに起因する免疫原の産出のプロセスを記述することである。その結果得られた構造は、個体に投与されたときに免疫応答を引き起こし、無関係な抗原に対する特異的抗体の産生により特徴づけられる免疫原性特性を有する。
本発明は、フラグメントHと無関係な抗原とからなる免疫原の投与により、個体による抗原に対する免疫応答の産出を目的とする幾つかのアプリケーションに対して有益である。本発明は、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体の産生、免疫療法、免疫学的予防等の領域における研究及び開発又は産業レベルの両方で、適用されうる新規なアジュバントのアプリケーションについて記述する。
本発明は、現在のアジュバントに代わるものを示し、そして、組換え抗原の発現系で使用されるときに、他の添加剤を用いることなく免疫学的特徴を有するタンパク質の産生を可能にし、そして、免疫応答の発現を可能とする個体の免疫応答の発現をもたらす。現在、抗体の開発における最大の課題の一つは、免疫応答を発現させるために十分な免疫原性抗原を得ることである。免疫原性がないか又は低い場合には、免疫応答を増強するためにアジュバントとともに抗原の投与が行われる。これらのアジュバントは、潜在的に有毒であり、注射された宿主に痛みを引き起こす可能性があり、したがって、その使用は強く思い止まらされるか、多くの場合アジュバントが禁止されさえしている。アジュバントを用いることなく免疫応答を発現するという免疫学的特徴を有する改変された抗原を得ることを可能にする方法について記述するので、現アプリケーションの利点は、技術の最先端のこの点に存在する。
本発明の成果の一つは、フラグメントHと命名されたSEQ ID NO 2と同一であるか、又は少なくとも90%が該SEQ ID NO 2に構造的に類似している配列を有し、肝蛭の成虫によって排泄され又は分泌されたカルシウム結合タンパク質由来のアミノ酸の配列の部分と、目的とは無関係のタンパク質又はタンパク質フラグメントとからなる免疫原の記述である。
本発明の別の優先的な実施は、目的のタンパク質又はタンパク質フラグメントが、ウイルスタンパク質、細菌タンパク質、原性動物からのタンパク質等の病原性タンパク質になりうるということである。さらに好ましくは、目的のタンパク質又はタンパク質フラグメントは、CWG,CD4,IL5,Pfsp,Ent,PAL,CP12,LEC,BG,Toxoタンパク質、又はタンパク質フラグメントである。
さらに優先的な実施では、上記の免疫原は、医薬品として使用することができる。さらに優先的には、上記の免疫原は、ワクチン又はアジュバントとして使用されることができる。さらに優先的なケースでは、フラグメントHと命名されたSEQ ID NO 2と同一であるか、又は少なくとも90%が該SEQ ID NO 2に構造的に類似している配列を有し、肝蛭の成虫によって排泄され又は分泌されたカルシウム結合タンパク質由来のアミノ酸の配列の部分と、目的とは無関係のタンパク質又はタンパク質フラグメントとのみからなるワクチンを使用することができることに注意する必要がある。
別の優先的な成果は、上述の免疫原を含む組成物の記述であり、好ましくは、組成物は、治療上有効な量の免疫原を含み、薬理学的に適した、特に、添加剤、アジュバント等の賦形剤を有していてもよい。
別の優先的な実施では、上記組成物は、上記の免疫原のうちの一つを100%含むものとすることができる。
さらに優先的な実施では、上記組成物は、リン酸緩衝溶液(0.01Mのリン酸、0.1MのNaCl、pH7.2)で100〜1000μLの容積に希釈された1〜100μgの濃度を有する上記の免疫原によって構成されてもよい。
本発明の別の成果は、上記免疫原の一つか、又は上記医薬組成物の一つのいずれかを含むアジュバントの説明である。
リン酸緩衝溶液(0.01Mのリン酸、0.1MのNaCl、pH7.2)で100〜1000μLの容積に希釈された1〜100μgの濃度を有するフラグメントCWG及びCP12に添加されたフラグメントHを含むアジュバントがマウスに投与され、前記投与は、特定のフラグメントCWC及びCP12に対する免疫応答を発現する強度及びスピードの増加をもたらした。
本発明のさらに別の態様は、上述の免疫原の一つか又は上記医薬組成物の一つのいずれかを含むワクチンの説明である。リン酸緩衝溶液(0.01Mのリン酸、0.1MのNaCl、pH7.2)で100〜1000μLの容積に希釈された1〜100μgの濃度を有するフラグメントCWG、BG及びCP12に添加されたフラグメントH含むアジュバントを使用した。前記ワクチンの投与は、クリプトスポリジウム及びランブル鞭毛虫(Giardia)による感染実験で観察された感染の強度を減少させた。
さらに、別の優先的な実施では、目的のポリペプチドに対応する配列中の任意の位置への関連しないフラグメントHポリペプチドの付加と、目的のポリペプチドの始端、末端又は他の位置へのフラグメントHの付加とからなる、上記免疫原の調製のための方法を開発した。さらに優先的な実施は、幾つかのタンパク質フラグメント及び/又はCWG,CD4,IL5,Pfsp,Ent,PAL,CP12,LEC,BG又はToxo等のタンパク質に使用することができる。
最も優先的な別の実施形態は、単離及び精製されたポリクローナル抗体、又は、上記の免疫原若しくは上記の方法により得られる免疫原を認識することができる機能的なフラグメントの産生方法を記述する。ここで、抗体を得るための方法は、上記免疫原の幾つか又は上記組成物の一つを有するヒト以外の哺乳類を対象とする接種の工程と、上記免疫原又はこの目的のために記載される方法を用いて免疫原の調製方法により得られた免疫原を認識することができる抗体の選択の工程からなる。例えば、CNBr−セファロースのカラムの使用は免疫原に結合され、(そこにおいて)親和性クロマトグラフィーにより免疫原を認識する抗体が単離される。
従って、本発明は、タンパク質又は他の抗原に対する血清中の特定の抗体レベルの上昇を伴う免疫応答を産生するのに有用であり、ポリクローナル特異的抗体の産生、免疫療法及び免疫学的予防、ワクチンの産生、アジュバント、診断方法、及び、特定の免疫応答の発現により直接得られる他のアプリケーションに特に適用することができる。
ポリペプチドを含む組換えタンパク質の産生、又は、対象となる抗原を有するこのポリペプチドの付加若しくは融合による、フラグメントH SEQ ID NO 2への対象となるポリペプチドの付加は、これらの分子の免疫原性の有意な増加をもたらす。前記これらの分子は、抗体産生の影響を受けやすい対象へのこの分子の注射によって誘発される免疫応答を増幅することができる。
〔発明の一般的な説明〕
本発明は、肝蛭の成虫から分泌され又は排泄された、カルシウム結合タンパク質からのアミノ酸配列の一部分と、無関係のタンパク質又は目的のタンパク質フラグメントとからなる構造を含む融合タンパク質に関する。
また、本発明の主題は、無関係のタンパク質フラグメントに対する動物の免疫応答の劇的な増加を可能にする、これらの融合タンパク質の調製のためのプロセスである。
無関係のタンパク質フラグメント又はタンパク質に対する、寄生虫肝蛭由来のカルシウム結合タンパク質(以降、フラグメントHと命名されるSEQ ID NO 2又は類似の配列であって、好ましくは少なくとも90〜95%一致し、さらに好ましくは90%,91%,92%,93%,94%,95%,96%,97%,98%,99%又は100%一致している)の小片の付加は、ポリペプチドの免疫原性のレベルの著しい増加をもたらす。
本発明の第1の態様は、無関係のタンパク質フラグメント又はタンパク質に構造的に類似したアミノ酸配列が後に続く、フラグメントHの構造を有するアミノ酸配列からなる融合タンパク質に関する。
本発明の別の態様は、そのような融合タンパク質をエンコードするポリヌクレオチド配列からなることを特徴とする発現ベクターに関する。
本発明のさらに別の態様は、免疫応答の発現を可能とする動物に対する接種のための抗原の調製に関する。
本発明はまた、免疫応答を発現することができるであろう動物に対する組換え抗原の投与のための方法に関する。
本発明はまた、付加されたタンパク質又はタンパク質フラグメントに対する特定の特異的ポリクローナル抗体の産生のための融合タンパク質の使用に関する。
これらの融合タンパク質の産生は、付加されたフラグメント又はタンパク質の免疫原性を劇的に増加することができ、これにより、産業目的のための研究及び開発の使用を増大させる。
抗原に対する特異的免疫応答の誘導は、しばしば相反する活性を有する細胞及びメカニズムの広い多様性を含む複雑なプロセスである。ワクチン、診断、免疫療法等と同様に、重要な分野における産業レベルと同様の研究及び開発での潜在的なアプリケーションのために、より強い免疫応答を誘導可能な抗原の産生をもたらすことができる方法の開発は、進歩における不変のテーマであった。アジュバント等のいくつかの物質が対象となる抗原に対して産生される免疫応答を有意に増加させることはよく知られているけれども、それらの多くがそれらの使用を制限する副作用を持っている。一方で、対象となる抗原の免疫原性の内因性の増加を可能にするアプリケーションは、まだ開発されていない。
主な特徴として、ペプチド配列(フラグメントH)の付加により、対象となる分子の免疫原性の増加を可能とする発明について記述する。本発明のアプリケーションの実施例として、組換えタンパク質の産生において、対象となる抗原がこのタグを使用して産生されることについて記述する。この構造は、対象となる抗原の免疫原性の有意な増加を可能とする。
本発明は、肝蛭の成虫から分泌され又は排泄されたカルシウム結合タンパク質、特に、FH8又はfasciolin(ジェンバンクNo.AF213970)と呼ばれるタンパク質に存在するアミノ酸配列と融合した抗原に関する。この手順は、フラグメントHに融合している抗体の免疫原性レベルを増加することができ、この増加した免疫原性は、投与された個体による免疫応答の誘導における利益をもたらす。このシステムは、目的の抗原に対する特異的抗体の産生を含めて、投与された個体によるより強い免疫応答の発現を可能とする、目的の抗原の免疫原性のレベルを有意に増加することができる。このプロセスは、特異的免疫応答の発現をもたらしうるポリクローナル抗体及びワクチンの産生、免疫療法、他のアプリケーションにおいて、ペプチドを含む低い免疫原性抗原の使用を可能にする。
目的の抗原を有するHフラグメントの付加に起因する抗原の免疫学的特性は、フラグメントHに対する有意な応答の存在なしに、目的の抗原に対する特異的免疫応答の発現を可能にする。免疫応答は、他のアジュバントの存在を含む他の添加剤なしでの免疫原の注射後に生じ、抗原は、変性又は変性なしで投与されることができる。
本発明のサポートの結果は、タンパク質FH8の11アミノ酸のアミノ末端フラグメントを用い、実施例として用いられる無関係のタンパク質又はフラグメントの免疫原性を増加させるデモンストレーションに言及する。しかしながら、これらの手順は、潜在的に任意のポリペプチドに拡張することができる。
記述されたデモンストレーションは、フラグメントHに対応するN末端配列を含む組換えタンパク質の産生に基づく。化学的又は物理的手法によるペプチドの結合をもはや必要としていないので、アプリケーションのこのモデルは、発明の使用を増強させる。このアプリケーションは、特にポリクローナル抗体の産生及びワクチンの製造で用いられる組換え免疫原を産生するための組換え抗原産生システムの使用を増強させる。
カルシウム結合タンパク質FH8の特性及びペプチドフラグメントHの特性である。Fh8は、ポリペプチドFH8(SEQ ID NO 1)の推定アミノ酸配列であり、FragHは、フラグメントH(SEQ ID NO 2)といわれるポリペプチドの推定アミノ酸配列である。 免疫応答の誘導におけるフラグメントHの効果を評価するために使用されるサブクローニングの模式図である。 フラグメントCWGを含むコンストラクトを用いて行われたデモンストレーションの結果である。図3−Aは、クマシーブルーで染色された、トリス−トリシンのSDS−PAGEである。PMは、予め染色したSDS−PAGE標準(バイオラッド社)マーカーである。ウェルF1,F2は、カラムNi−NTAから回収されたCWGのフラクション1,2である。ウェルF4,F5は、カラムNi−NTAから回収されたHCWGのフラクション1,2である。ウェルF7,F8は、カラムNi−NTAから回収されたFCWGのフラクション1,2である。図3−Bは、CWG,HCWG,FCWGが接種されたCD1マウス(CWG群、HCWG群、FCWG群)及び無接種のマウス(無接種群)から採取された血清を用いたELISAの吸光度である。値は、各群で使用された3匹のCD1マウスにおける吸光度の平均値を示す。CD1マウスは、定期的に接種され、表2に記載されたプロトコルに従って、定期的に血清の採取が行われた。a)組換え抗原CWGを含むプレートで得られた結果である。b)組換え抗原HCWGを含むプレートで得られた結果である。図3−Cは、CWG,HCWG,FCWGの最終接種後83日後のCD1マウス(CWG群、HCWG群、FCWG群)及び無接種のCD1マウス(無接種群)から採取された血清を用いたELISAの吸光度の結果である。値は、各群で使用された3匹のCD1マウスにおける吸光度の平均値を示す。図3−Dは、組換え抗原FCWGを含むニトロセルロース膜で行った免疫ブロット法の結果である。FCWG抗原を含むFG−ニトロセルロース膜は、シュワルツ溶液で染色された。PMは、分子量を示す。無接種群(a及びd)、CWCが接種された群(b及びe)、及びHCWGが接種された群(c及びf)であって、5回目のIP後の9日後に採取され(a,b及びc)、又は6回目のIP後に採取され(d,e及びf)、1/200に希釈された血清を、抗原FCWGを含むニトロセルロースストリップとともに4℃で一晩処理した。g及びh)免疫ブロット法は、無接種のウサギ(g)を、1/100に希釈された抗原Fで免疫したウサギ(h)から採取された血清で行われた。1/1000に希釈されたプロテインG−HRP複合体を使用して、4−クロロナフトールに曝露した。図3−Eは、HCWG群のマウスからの血清を有するランブル鞭毛虫の免疫蛍光である。a)は倍率20倍での光学顕微鏡による観察であり、b)は、倍率20倍での紫外線顕微鏡による観察である。矢印は、ランブル鞭毛虫の嚢胞を示す。 フラグメントCP12を含むコンストラクトを用いて行われたデモンストレーションの結果である。図4−Aは、クマシーブルーで染色された、トリス−トリシンゲルのSDS−PAGEである。PMは、予め染色したSDS−PAGE標準(バイオラッド社)マーカーである。(a)CP12のフラクション1,2及び3は、Ni−NTAカラムから回収された。(b)HCP12のフラクション1及び2は、Ni−NTAカラムから回収された。(c)FCP12のフラクション1及び2は、Ni−NTAカラムから回収された。図4−Bは、CP12,HCP12が接種されたCD1マウス(CP12群、HCP12群)及び無接種のマウス(無接種群)から採取された血清を用いたELISAの吸光度である。値は、各群で使用された3匹のCD1マウスにおける吸光度の平均値を示す。CD1マウスは、定期的に接種され、表2に記載されたプロトコルに従って、定期的に血清の採取が行われた。a)組換え抗原CP12を含むプレートで得られた結果である。b)組換え抗原HCP12を含むプレートで得られた結果である。図4−Cは、組換え抗原FCP12を含むFC−ニトロセルロース膜で行った免疫ブロット法の結果である。抗原FCP12を含むニトロセルロース膜は、シュワルツ溶液で染色された。PMは、分子量を示す。無接種群(g,h及びi)、CP12が接種された群(d,e及びg)、HCP12が接種された群(a,b及びc)であって、8回目のIPの後に採取された血清を、1/1000に希釈し、抗原FCP12を含むニトロセルロースストリップとともに4℃で一晩処理した。1/1000に希釈されたプロテインG−HRP複合体を使用して、4−クロロナフトールに曝露した。白い矢印は、抗原Fに対して免疫を有したウサギからの血清を用いた免疫ブロット法により決定された抗原FCP12の位置を示す。図4−Dは、倍率20倍でのタンパク質HCP12の免疫を有するマウスの血清中のクリプトスポリジウムの免疫蛍光である。 フラグメントBGを含むコンストラクトで行われたデモンストレーションの結果である。図5−Aは、クマシーブルーで染色されたSDS−PAGEトリス−トリシンゲルである。PMは、予め染色したSDS−PAGE標準(バイオラッド社)マーカーである。ウェルF1,F2は、カラムNi−NTAから回収されたBGのフラクション1,2である。ウェルF4,F5は、カラムNi−NTAから回収されたHBGのフラクション1,2である。図5−Bは、HBGが接種されたCDマウス1(HBG群)及び無接種のマウス(無接種群)から採取された血清で行われたELISAの吸光度である。値は、3匹のCD1マウスの吸光度の平均値を示す。CD1マウスは、定期的に接種され、表2に記載されたプロトコルに従って、定期的に血清の採取が行われた。図5−Cは、組換え抗原BGを含むニトロセルロース膜を用いて行った免疫ブロット法の結果である。抗原BGを含むBG−ニトロセルロース膜は、シュワルツ溶液で染色された。PMは、分子量を示す。無接種群(d,e及びf)、HBGが接種された群(a,b及びc)の7回目のIP後に採取され、1/1000に希釈された血清を、抗原BGを含むニトロセルロースストリップとともに4℃で一晩処理した。1/1000に希釈されたプロテインG−HRP複合体を用い、4−クロロナフトールに曝露した。図5−Dは、HBG群のマウスの血清を用いたランブル鞭毛虫の免疫蛍光である。a)は倍率40倍での通常の顕微鏡による観察であり、b)は倍率40倍での紫外線顕微鏡による観察である。矢印は、ランブル鞭毛虫の2つの栄養体を示す。 フラグメントEntを含むコンストラクトで行われたデモンストレーションの結果である。図6−Aは、HEntが接種されたCD1マウス(HEnt群)及び無接種のマウス(無接種群)から採取された血清で行われたELISAの吸光度である。値は、3匹のCD1マウスの吸光度の平均値を示す。CD1マウスは、定期的に接種され、表2に記載されたプロトコルに従って、定期的に血清の採取が行われた。図6−Bは、組換え抗原Fentを含むニトロセルロース膜で行った免疫ブロット法の結果である。抗原Fentを含むFent−ニトロセルロース膜は、シュワルツ溶液で染色された。PMは、分子量を示す。無接種群(a,b及びc)及びHEntを接種した群(d,e及びf)から採取され1/1000に希釈された血清を、抗原FEntを含むニトロセルロースストリップとともに4℃で一晩処理した。1/1000に希釈されたプロテインG−HRP複合体を用い、4−クロロナフトールに曝露した。白い矢印は、抗原Fに対する免疫を有するウサギからの血清を用いたFEnt免疫ブロット法により決定された抗原の位置を示す。図6−Cは、倍率20倍での、HENTで免疫されたマウスの血清を用いた赤痢アメーバの栄養体での免疫蛍光である。 フラグメントPgspを含むコンストラクトで行われたデモンストレーションの結果である。図7−Aは、HPfspを接種したCD1マウス(HPfsp群)及び無接種のマウス(無接種群)から採取された血清で行われたELISAの吸光度である。値は、3匹のCD1マウスの吸光度の平均値を示す。CD1マウスは、定期的に接種され、表2に記載されたプロトコルに従って、定期的に血清の採取が行われた。図7−Bは、組換え抗原FPfspを含むニトロセルロース膜で行われた免疫ブロット法の結果である。無接種群(c)及びHPfspが接種された群(d及びf)であって、6回目のIP後に採取され(d)又は7回目のIP後14日後に採取され(f)、1/200に希釈された血清を、抗原FPfspを含むニトロセルロースストリップとともに4℃で一晩処理した。bは、無接種のウサギから採取された血清で行われた免疫ブロットであり、aは、1/100に希釈された抗原F(b)に対する免疫を有したウサギからの血清で行われた免疫ブロットである。1/1000に希釈されたプロテインG−HRP複合体を用いて、4−クロロナフトールに曝露した。 フラグメントIL5を含むコンストラクトで行われたデモンストレーションの結果である。図8−Aは、HIL5を接種したCD1マウス(HIL5群)及び無接種のマウス(無接種群)から採取された血清で行われたELISAの吸光度である。値は、3匹のCD1マウスの吸光度の平均値を示す。CD1マウスは、定期的に接種され、表2に記載されたプロトコルに従って、定期的に血清の採取が行われた。図8−Bは、組換え抗原FIL5を含むニトロセルロース膜で行われた免疫ブロット法の結果である。抗原FIL5を含むFIL5−ニトロセルロース膜は、シュワルツ溶液で染色された。PMは、分子量を示す。無接種群(a,b及びc)及びHIL5を接種した群(d及びe)から採取され、1/1000に希釈された血清を、抗原FIL5を含むニトロセルロースストリップとともに4℃で一晩処理した。1/1000に希釈されたプロテインG−HRP複合体を用いて、4−クロロナフトールに曝露した。白い矢印は、抗原Fに対する免疫を有するウサギからの血清で行われた免疫ブロット法で決定された、抗原FIL5の位置を示している。 フラグメントToxoを含むコンストラクトで行われたデモンストレーションの結果である。図9−Aは、Toxoを接種したCD1マウス(HToxo群)及び無接種のマウス(無接種群)から採取された血清で行われたELISAの吸光度である。値は、3匹のCD1マウスの吸光度の平均値を示す。CD1マウスは、定期的に接種され、表2に記載されたプロトコルに従って、定期的に血清の採取が行われた。図9−Bは、組換えToxo抗原を含むニトロセルロース膜で行われた免疫ブロット法の結果である。抗原BGを含むToxo−ニトロセルロース膜は、シュワルツ溶液で染色された。PMは、分子量を示す。無接種群(a,b及びc)及びHToxoを接種した群(d,e及びf)から採取され、1/1000に希釈された血清を、抗原ToxoONを含むニトロセルロースストリップとともに4℃で一晩処理した。1/1000に希釈されたプロテインG−HRP複合体を用いて、4−クロロナフトールに曝露した。 フラグメントCD4を含むコンストラクトで行われたデモンストレーションの結果である。図10−Aは、HCD4を接種したCD1マウス(HCD4群)及び無接種のマウス(無接種群)から採取された血清で行われたELISAの吸光度である。値は、3匹のCD1マウスの吸光度の平均値を示す。CD1マウスは、定期的に接種され、表2に記載されたプロトコルに従って、定期的に血清の採取が行われた。図10−Bは、組換え抗原CD4を含むニトロセルロース膜で行われた免疫ブロット法の結果である。抗原CD4を含むCD4−ニトロセルロース膜は、シュワルツ溶液で染色された。PMは、分子量を示す。無接種群(a)及びHCD4を接種した群(b)から7回目のIP後14日後に採取され、1/500に希釈された血清を、抗原CD4を含むニトロセルロースストリップとともに4℃で一晩処理した。1/1000に希釈されたプロテインG−HRP複合体を用いて、4−クロロナフトールに曝露した。 フラグメントPALを含むコンストラクトで行われたデモンストレーションの結果である。図11−Aは、HPALを接種したCD1マウス(HPAL4群)及び無接種のマウス(無接種群)から採取された血清で行われたELISAの吸光度である。値は、3匹のCD1マウスの吸光度の平均値を示す。CD1マウスは、定期的に接種され、表2のプロトコルに従って、血清の採取が定期的に行われた。図11−Bは、組換え抗原HPALを含むニトロセルロース膜で行われた免疫ブロット法の結果である。抗原HPLAを含むHPAL−ニトロセルロース膜は、シュワルツ溶液で染色された。PMは、分子量を示す。無接種群(a,b及びc)及びHPALを接種した群(d,e及びf)から4回目のIP後に採取され、1/4000に希釈された血清を、抗原HPALを含むニトロセルロースストリップとともに4℃で一晩処理した。1/1000に希釈されたプロテインG−HRP複合体を用いて、4−クロロナフトールに曝露した。 フラグメントLECを含むコンストラクトで行われたデモンストレーションの結果である。図12−Aは、HLECを接種したCD1マウス(HLEC群)及び無接種のマウス(無接種群)から採取された血清で行われたELISAの吸光度である。値は、3匹のCD1マウスの吸光度の平均値を示す。CD1マウスは、定期的に接種され、表2のプロトコルに従って、血清の採取が定期的に行われた。図12−Bは、組換え抗原HLECを含むニトロセルロース膜で行われた免疫ブロット法の結果である。抗原HLECを含むHLEC−ニトロセルロース膜は、シュワルツ溶液で染色された。PMは、分子量を示す。無接種群(a,b及びc)及びHLECを接種した群(d及びe)から6回目のIP後に採取され、1/1000に希釈された血清を、抗原HLECを含むニトロセルロースストリップとともに4℃で一晩処理した。1/1000に希釈されたプロテインG−HRP複合体を用いて、4−クロロナフトールに曝露した。
〔発明の詳細な説明〕
アプリケーションを検証するために記述された記載は、一般的な研究目的に使用されるベクターpQE(キアゲン社)の使用に基づくものである。種々のコンストラクトは、大腸菌pQE(キアゲン社)における発現ベクターにサブクローニングされ、6つのヒスチジンのN末端配列に続いて組換えタンパク質が発現され産生される結果となる。この産生は、大腸菌M15[pREP4](キアゲン社)で行われ、製造業者(カストロ、2001年、シルバら、2004年)によって提供されたプロトコルに基づいて、NINTAアガロースのカラム(キアゲン社)を用いた親和性クロマトグラフィーによるその単離を可能とする。全ての産生物がこのシステムを用いて作られ、より効果的な単離を可能とするために変性条件下で、組換え抗原の単離が行われた。
目的のタンパク質の産生及び単離のために、免疫系へのフラグメントHの露出を危うくすることのない、組換えタンパク質の任意の発現系及び単離を使用することができる。コンストラクトを取得するために使用される系は、実験的なデモンストレーションに必要とされる大量のタンパク質を得るために研究で使用される手段と見なされるべきである。
同様の方法論は、タンパク質産生の他の系、特に特定の菌類又は真核生物の系で使用することができる。
その結果は、FH8(SEQ ID NO 1及び2)からのフラグメントHを用いる実施例に言及する。
本発明の原理の一つは、具体的には、ポリペプチドの配列が免疫原として使用されるようとする前に、FH8のN末端フラグメントの配列に対応するフラグメントHの付加、分子生物学のプロセスによるポリペプチドSEQ ID NO 2の付加により特徴づけられる。この構造は、分子生物的手法によってこの配列を含有することにより行うことができる。前記分子生物的手法は、適切な制限酵素認識部位でこれらのフラグメントを付加するための適切な制限酵素の使用、記述されるデモンストレーションで使用される方法、PCR産生物への、目的の配列(リンカー)を有するDNAフラグメントの付加等の他のプロセス、又は他のアプローチを含む。フラグメントHの縮小された増幅物(reduced amplitude)は、目的のポリペプチドとの融合のための種々の手順(strategies)に使用することができる。
コンストラクトのためのもう一つの可能性は、製造されるポリペプチドFH8の配列に対応するポリペプチドを用いた融合タンパク質の調製である。FH8への挿入のプロセスは、制限酵素の使用を含む分子生物学的手法、特に、デモンストレーションのプロセスで使用される方法論を用いて行うことができる。
本発明は、異なる免疫原性的特徴を備える種々のフラグメント及びタンパク質に適用される。フラグメント及びタンパク質は、CWG、CD4のような免疫原性が全く無いか乏しいものとして記述されるフラグメント又はタンパク質、又は、その特徴により、IL5、Pfsp及びEntのようなその分子量が免疫原性であるものより小さいものを含むフラグメント、PALのように非常に免疫原性であるとして記述されるタンパク質、CP12及びLECのように中程度の免疫原性であるタンパク質及びタンパク質フラグメント、同様にBG及びToxoのような未知の特徴を備える他の対象物を含む。また、実験を通して、マウスに投与するタンパク質濃度、投与の間隔を変化させた、種々の異なるプロトコルを適用した。これらの種々のプロトコルは、発明の汎用性を実証するために使用された。また、LECの場合には変性条件下で、残りのフラグメント及びタンパク質の場合には非変性条件下で、抗原を投与する可能性を評価した。行われた全てのデモンストレーションで、実験モデルとしてマウスを使用し、腹腔内への抗原の投与を行った。対象となるCWP,IL5,Ent,Toxo,BG及びCP12に対する抗体の産生もまた、ウサギでの皮下投与によって評価され、同様の結果を得た(図示せず)。抗原は、NINTAアガロース樹脂(キアゲン社)により同一の条件を用いる変性条件下で、産生され単離された。抗原は、PBSに対して透析され、0.22μフィルターでの濾過により滅菌された後に、接種のために調製された。
免疫原性のレベルでフラグメントにより発揮される特定の効果を実証するために、2つの対象物を用いた。
CWG:CWGは、ランブル鞭毛虫嚢胞のCWPタンパク質(嚢胞壁タンパク質)である。作業の完了時に、元の配列は1089bpを有していて、増幅される領域が527bp〜931bpの領域である427bpのCWP2の配列の一部を使用した(ジェンバンクアクセスNo.XM_001710190)。フラグメントは、PCRにより増幅され、ベクターpQE(CWP)にサブクローニングされた。CWPが後に続くフラグメントHを含むとともに、CWPの配列に融合されたFH8の配列(Fh8CWP)を含むコンストラクトを調製した。接種材料は、表2−A、表2−B、表2−C及び表2−D(以下、表2と略記する)に示す間隔で同量のタンパク質(50μg)とともに投与された。その結果、5回目のIP後、HCWP群においてのみ可視的に抗CWPの有意なレベルの産生が示され、その存在はタンパク質の最終接種後83日間を含む実験の残りの期間を通して維持された。抗原Fh8CWGを用いて行われたブロットは、ELISAの結果を裏付け(confirm)、産生された抗体の特異性を実証する。寄生虫を用いた免疫蛍光検査法は、産生された抗体がこの構造の細胞壁に存在する天然タンパク質を認識することを示した。
CP12:CP12は、クリプトスポリジウム・パルバムの表面タンパク質である。本発明で使用したフラグメントCP12(ジェンバンクNo.XM_625821)は、213bpを有していて、膜貫通領域を有していないタンパク質CP12の塩基配列に対応する。フラグメントは、PCRにより増幅され、ベクターpQEにサブクローニングされる。CP12が後に続くフラグメントHを含むコンストラクトを調製した。抗原は、NINTAアガロース樹脂(キアゲン社)により同一の条件を用いる変性条件下で、産生され単離された。接種材料は、表2に示す間隔で同量のタンパク質(20μg)とともに投与された。結果は、CP12群及びHCP12群における抗原の産生において、抗原の産生での有意な増加を示し、強度及び速度において、これらのレベルは実験の期間を通して、有意に増加した。Fh8CP12を用いて行われたブロットは、ELISAの結果を裏付け、産生された抗体の特異性を示している。寄生虫を用いた免疫蛍光検査法は、産生された抗体が、この構造に存在する天然タンパク質を認識することを示した。
残りの対象物は、免疫応答の存在を実証するためにHタグを含むコンストラクトで免疫される群が準備された。例えば、以下のように、フラグメントは、他の機関により提供されたフラグメントLECを除いてPCRにより増幅されていて、対象物のフラグメントが後に続くフラグメントFを含むpQEベクターにサブクローニングされた。そのようなフラグメントを得るための条件を、表1−A、表1−B及び表1-C(以下、表1と略記する)に示す。
BG:サイズが850bpであって(691bp〜787bpの欠失)(ジェンバンクアクセスNo.X85985)、33kDaのタンパク質をエンコードする、ランブル鞭毛虫のβ−Giardina遺伝子(ジェンバンクアクセスNo.X85985)の完全な配列をクローニングした。接種材料は、表2に示す間隔で同量のタンパク質(20μg)とともに投与された。その結果は、3回目のIP後に有意な増加を示し、4回目のIP以降で一定になった。タンパク質BGで行われたブロットは、産生された抗体の特異性を裏付ける。抗体価の維持は、最終接種後47日後であっても検出された。寄生虫を用いた免疫蛍光試験は、産生された抗体がこの構造の細胞壁に存在する天然タンパク質を認識することを示した。
Ent:実験のアンプリコンは、5kDaのタンパク質をエンコードする163bpのサイズを有していて、赤痢アメーバ嚢胞壁の特定の糖タンパク質ヤコブ(Jacob)由来の(from)456bpのサイズを有する遺伝子(ジェンバンクアクセスNo.XM_645825)の291bp〜453bpの領域である。接種材料は、表2に示す間隔で同量のタンパク質(50μg)とともに投与された。その結果は、4回目のIP以降で有意な増加を示した。タンパク質Fh8Entで行われたブロットは、産生された抗体の特異性を裏付ける。また、最終接種後90日後であっても抗体価の維持を確認することができた。寄生虫を用いた免疫蛍光検査法は、産生された抗体がこの構造の細胞壁に存在する天然タンパク質を認識することを示した。
Pfsp:本試験では、falcipaina−1配列のごく一部分(165bp)を用いた。前記falcipaina−1は、3D7熱帯熱マラリア原虫栄養体のシステインプロテアーゼ前駆体(1423bp〜1587bp)(ジェンバンクアクセスNo.XM_001348691.1)の配列に挿入される。接種材料は、表2に示す間隔で同量のタンパク質(50μg)とともに投与された。その結果は、4回目のIP以降で有意な増加を示し、7回目のIPで最大値を示した。最終接種後82日後に、フラグメントPfspに対する特異的抗体の存在を確認することができる。タンパク質Fh8Pfspで行われたブロットは、産生された抗体の特異性を裏付ける。
IL5:ヒトインターロイキン5は、134アミノ酸(ジェンバンクNo.BC069137.1)をコードする816bpの塩基配列を有する、造血成長因子である。IL5の評価に使用されるフラグメントは、IL5のごく一部分であり、前記IL5は、48アミノ酸をコードするIL5の5’末端のエクソンに対応する、144bpから成る。接種材料は、表2に示す間隔で同量のタンパク質(20μg)とともに投与された。その結果は、4回目のIP以降で有意な増加を示した。タンパク質Fh8IL5で行われたブロットは、産生された抗体の特異性を裏付ける。
Toxo:Toxoタンパク質は、499アミノ酸(ジェンバンクNo.EU851867.1)をコードする1846bpのトキソプラズマ原虫のオーシストの細胞壁のタンパク質である。Toxoフラグメントは、2875bp〜3238bpの間のエクソン2に対応している。接種材料は、表2に示す間隔で同量のタンパク質(20μg)とともに投与された。その結果は、第4のIP以降で有意な増加を示した。タンパク質Toxoで行われたブロットは、産生された抗体の特異性を裏付ける。
CD4:CD4タンパク質は、ヨーロピアンシーバス(Dicentrarchus labrax)のリンパ球の細胞壁の受容体である(ジェンバンクNo.AMB849812.1)。CD4フラグメントは、193bp〜714bpの間のこの受容体の2つのドメインに対応している。接種材料は、表2に示す間隔で同量のタンパク質(30μg)とともに投与された。その結果は、4回目のIP以降で有意な増加を示した。タンパク質CD4で行われたブロットは、産生された抗体の特異性を裏付ける。
PAL:レジオネラニューモフィラのPALタンパク質(ペプチドグリカン関連リポタンパク質前駆体)は、この細菌の細胞壁由来のタンパク質である(ジェンバンクNo.YP001250824)。PALは、完全タンパク質に対応している。接種材料は、表2に示す間隔で同量のタンパク質(30μg)とともに投与された。その結果は、2回目のIP以降で有意な増加を示した。タンパク質PALで行われたブロットは、産生された抗体の特異性を裏付ける。
LEC:846bpを有し、Artocarpus incisa由来のレクチンのDNAフラグメントは、酵素SacI及びKpnIで切断される部位を含んでいた。この抗原は、非変性の状態であるときに潜在的な赤血球凝集活性であるので、変性条件下でタンパク質の接種材料の調製を進めた。最大量の尿素(最終濃度10mM未満)を除去するために、50mMの尿素を含むPBSに対して透析し、サンプル調製時に、抗原をPBSで希釈し、0.22μのフィルターで濾過した。接種材料は、表2に示す間隔で同量のタンパク質(12.5μg)とともに投与された。その結果は、4回目のIP以降で有意な増加を示した。タンパク質HLECで行われたブロットは、産生された抗体の特異性を裏付ける。
上述の実施例では、応答の評価は、対応する抗原を用いて、ELISAにより行われた。ブロットの手順では、その産生がより効率的であった抗原に対する応答を評価する。ポリマーを形成する可能性があるので、タグFH8を含む組換えタンパク質を用いて行われるブロットでは、FH8に対する特異的ポリクローナル抗体を用いて、組換えタンパク質の位置決めを行った。ほとんどの場合、このフラグメントに対する応答の評価のために、フラグメントH(通常は、組換えFH8)を有する抗原を含むニトロセルロースストリップを、ブロットに含めた。そして、Fh8CWPを接種した群で得られた応答を別にすれば、抗H抗体(antibodies anti-H)の有意なレベルでの存在を検出しなかった。
上記実施例では、10mM尿素を含むPBSで接種を行ったHLECを除いて、接種は、常にPBSのみで希釈された抗原によって行われた。
〔抗原及びフラグメントFH8 Hの特性評価〕
抗原FH8は、予め単離され、本発明者のリスト(非特許文献2、非特許文献9及び非特許文献3参照)(図1)中の要素により特徴づけられた。
Fh8の単離は、肝蛭cDNAバンク(図1)のスクリーニングにより実施された。クローンは、8kDaの計算分子量を有する69アミノ酸のポリペプチドをコードしていて、FH8又はfasciolinaと命名されている(ジェンバンクNo.AF213970)。
組換えタンパク質FH8は、ベクターpQEを有する大腸菌発現系で、高レベルのタンパク質(培養液1L当たり5mgより多い)で産生される。FH8突然変異体を用いた研究は、この抗原のN−末端配列は、タンパク質の安定性において重要な役割を果たすという仮説を導いた。この仮説の実証は、特許文献3に記載された発明に由来する。もうひとつの特徴はその高い免疫原性であった。この機能は、肝蛭の成虫から分泌され又は排泄された抽出物中に存在するカルシウム結合タンパク質、FH22のファミリー(EMBL番号AJ003821、EMBL番号AJ003822)のもう一つの条件に拡張される。両方の抗原は高い特定の抗体価を有する免疫応答を誘導することができることが判明した(非特許文献2及び非特許文献9参照)。これらの結果は、抗体産生を目的とした組換えタンパク質産生のためのタグとしての利用を示唆した。フラグメントHが抗原の安定性に不可欠であり、他の無関係なタンパク質又はフラグメントへのこのフラグメントの付加はタンパク質の産生を増加することができるというデモンストレーションは、おそらく、融合タンパク質の安定性を向上させることによるものであり、同じ理由で、フラグメントHの付加は抗原の免疫原性を増加させるという仮説を示唆した。この推定は、タンパク質の安定性は、多くの場合、その免疫原性に関連しているという事実から明らかになる。この仮説は、上述のデモンストレーションで裏付けられた。
〔使用された菌株〕
本研究では、プラスミドpGEM−T Easy(プロメガ社)及びプラスミドpQE30(キアゲン社)のクローニングに、それぞれ、大腸菌XL1 Blue(ストラタジーン社)及び大腸菌M15[pREP4](キアゲン社)を用いた。
タンパク質発現のために、大腸菌M15[pREP4]を用いた。
プラスミドDNAは、キットウィザード(登録商標)プラスSVミニプレップDNA精製システム(プロメガ社)により、37℃で一晩で成育された細菌培養液から、製造元から提供された指示に従って、単離され精製された。
〔コンストラクト〕
組換えタンパク質の免疫原性の誘導因子としての11アミノ酸(フラグメントH)の構成要素を評価するために用いられた使用される構造の配列(layout of buildings)を、図2に示す。
図2に示されるコンストラクトは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により得られ、以下に示すように、表1に示されるpGEM及びpQEにクローニングされた。
免疫応答を評価するために使用される他の抗原を生じるコンストラクトは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって得られ、表1に示されるpGEM及びpQEにクローニングされた。
残りのコンストラクトは、後述のサブクローニングの手法により得られた。
〔PCR〕
PCRに用いたプライマーは、表1に記載されている。
制限部位BamHI及びSacIを含むフラグメントH及びFh8RSacを得るために、PCR反応のテンプレートとして、ポリペプチドFH8をコードする遺伝子を含むpQE30ベクターを用いた(非特許文献2及び非特許文献9参照)。PCR反応は、95℃1分間の変性を行い、これに続いて、94℃45秒間の変性、50℃30秒間のアニーリング、72℃45秒間の重合を伴う増幅処理を30サイクル行った。さらに、72℃11分間の重合を行った。
免疫応答を産生するためのHフラグメントを有する無関係なポリペプチドの融合によって調製された組換えタンパク質の能力を、課題のタンパク質又はフラグメントに対する特異的抗体の出現を尺度として評価するために選択されたフラグメント(CWG,CP12,BG,Ent,PFsp,IL5,Toxo,CD4,PAL及びLEC)は、PCRにより増幅された。このPCR反応はまた、制限酵素SacI及びKpnIをそれらのフラグメントに付加した。
種々のフラグメントの調製に用いられるDNAテンプレートと同様に、PCR反応は、表1に記載の条件下で行われた。ゲノムDNAを調製するために、DNAを抽出するためのキット、QIAamp DNAミニキット(キアゲン社)が、製造業者のプロトコルに従って、用いられた。全てのPCR反応に用いられるサーマルサイクラーは、My Cycler(登録商標)サーマルサイクラー(バイオラッド社)であった。
実施されたPCR反応の混合物は、サンプル1μL(テンプレートDNA)と、塩化マグネシウム2μLと、dNTP(ロシュ社)1μLと、フォワードプライマー1μLと、リバースプライマー1μLと、Taqポリメラーゼバッファー(サーモサイエンティフィック社)5μLと、1反応あたり1ユニットのTagポリメラーゼ(サーモサイエンティフィック社)と、最終体積を50μLにするための蒸留水とからなる。
〔記載された実施例で作成されたコンストラクト〕
PCRによる産物は、pGEMベクターにクローニングされ、制限酵素SacI及びKpnIを用いた酵素処理の後に、ベクターpQE30にサブクローニングされた。pQE30は、SacI及びKpnIで酵素処理されるフラグメントH(pQEH)又はフラグメントFH8(pQEF)を含んでいる。
〔アガロースゲルからのDNAの抽出及び精製〕
ゲル電気泳動で得られた制限酵素を用いた酵素処理を行うことにより得られたPCRによる産物及びDNAバンドを単離するために、製造元によって記載されている手順に従って、illustraTM GFX PCR DNA & Gel Band精製キット(GEヘルスケア社)を用いた。
〔ベクターpGEMへの連結反応〕
ベクターpGEM−T Easyへの結合反応は、DNAサンプル(PCRによる産生又は制限酵素による酵素処理)3μLと、ベクターpGEM−T Easy(プロメガ社)1μLと、酵素バッファー2X DNA リガーゼ(プロメガ社)5μLと、酵素T4 DNA リガーゼ(プロメガ社)1μLとを混合する(最終体積10μL)ことにより行われた。この反応は、室温で一晩又は37℃1時間30分で行った。
〔制限酵素を用いた酵素処理による形質転換体の裏付け〕
ベクターpGEMへのリガーゼ反応の後、産生物を有する大腸菌XL1 Blueを形質転換させた。菌体を、L培地/アンピシリン/X−Gal/IPTGのプレート上に塗布し、37℃で一晩培養した。形質転換されたクローンは、L培地/アンピリシンの液体培地を調製するために、その後、大腸菌からのDNAプラスミドを抽出するために使用された。
対象とされるDNAフラグメントの確認は、制限酵素EcoRI(プロメガ社)を用いた酵素処理により行われた。各反応のために、プラスミドDNA7μLと、H 10X バッファー2μLと、EcoRI1μLとを含み、最終体積が10μLである混合物を用いた。前記反応は、37℃2〜3時間で起こり、酵素処理の結果は、適切なパーセンテージ(w/v)のアガロースゲルで示された。
〔ベクトルpQEへの連結反応〕
制限酵素を用いた酵素処理によって生じる挿入物は、ベクターpQE2μLと、10Xリガーゼバッファー(プロメガ社)1μLと、酵素T4 DNAリガーゼ(プロメガ)1μLとを混合することにより、ベクターpQE,pQEH又はpQEFh8へ挿入された。この反応は、室温で一晩又は37℃1時間30分間で起こった。
ベクターに挿入物を連結した後、大腸菌M15[pREP4]を反応生成物で形質転換した。その後、菌体を、L培地/アンピシリン/カナマイシンのプレート上に塗布し、37℃で一晩培養した。形質転換体を、L培地/アンピシリン/カナマイシンの液体培地に移し、その後、大腸菌からプラスミドDNAを抽出するのに使用した。
形質転換体の確認は、制限酵素KpnI及びBamHI(プロメガ社)を用いた酵素処理により行われた。まず、KpnIを用いた酵素処理を行った。酵素処理は、プラスミドDNA26μLと、J 10Xバッファー(プロメガ社)3μLと、KpnI(プロメガ社)1μLとを最終体積30μLになるように混合することにより行われた。酵素処理物10μLをアガロースゲルで分析し、その後、最初の反応の残部に、10XバッファーK(プロメガ社)とBamHIを付加することにより、BamHIを用いた第2の酵素処理を行った。酵素処理の結果は、適切なパーセンテージ(w/v)のアガロースゲルで視覚化する。
〔コンストラクトの配列決定〕
pGEM及びpQEベクターへの挿入により得られたコンストラクトは、Eurofins MWG Operon(ドイツ)による配列決定により確認された。
〔組換えタンパク質の発現及び単離〕
前培養液200mLは、撹拌しながら37℃で一晩培養され、飽和培養液100mLと、100g/mLのアンピシリン、50g/mLのカナマイシン及び1mMのIPTGを含むLB培地900mLとを含む人工培養液2Lを準備するのに用いられた。5時間培養した後、4℃で20分間、4000rpmで遠心分離を行うことにより、菌体を採集した。菌体溶解は、pH8.0の8M尿素40mLとともに一晩中撹拌しながら、菌体を処理することにより行われた。抽出物は、室温で15分間、13,000rpmで遠心分離され、上清が集められた。取得後、上清はガラスウールカラムにより濾過され、pH8.0の8M尿素で予め平衡化された、Ni−NTA(アマシャムバイオサイエンス社)のカラムに入れられた。
上清は、重力でカラムを通過せしめられ、前記カラムは、5CV(カラムボリューム)のpH8.0の8M尿素緩衝液により洗浄された。溶出は、pH4.5の8M尿素緩衝液で行われ、画分(fraction)4mLが採取された。溶出画分のタンパク質含有量を、ブラッドフォード法により定量し、以下のように、画分をSDS−PAGEトリス−トリシンで分析した。
〔タンパク質の定量〕
タンパク質の定量は、1:5に希釈されたタンパク質アッセイ試薬(バイオラッド社)を用いたブラッドフォード法により行われ、波長595nmでの吸光度を測定した。検量線は、この試薬を含むウシ血清アルブミン(BSA)の既知濃度の溶液における波長595nmでの吸光度を測定することにより得られた。
〔接種の準備〕
HLECを除き、記述されるデモンストレーションに使用される組換えタンパク質は、8M尿素中の変性条件下で単離された。画分のタンパク質の定量及び分析の後、非発熱性水(nonpyrogenic water)で調製されたPBSバッファーに対して透析を行った。透析の後、滅菌のために0.2μフィルターを用いて(非変性下で)タンパク質を濾過した。接種量は、滅菌非発熱性PBS500μLとした。タンパク質の量は、異なるサンプル間で、それぞれの場合について、上述のように10〜50gの範囲で変化させて投与した。組換えタンパク質HLECは、8M尿素で調製され、そして、非発熱性水で調製された50mM尿素を含むPBSバッファーに対して透析され、その後、抗原は、3kDaのカットオフを行うセントリコン(アミコン社)膜を用いて濃縮された。接種は、尿素濃度が10mM未満であることを保証するために、濃縮されたタンパク質を適切な容積の非発熱性滅菌PBSで希釈することにより準備され、そして、0.2μ発熱性フィルターを用いて接種成分の濾過を行った。
〔マウスのテスト〕
本研究で行った実験は、チャールス・リバー社(バルセロナ)のCD1マウスのモデルで行った。前記動物は、収容され、食べ物や飲み物を自由に摂取させた。動物の維持及びケアは、既存の指示に従って行った。
各群は3匹のマウスからなり、表2に記載されたプロトコルに従って、定期的に腹腔内投与を行った。表2に記載されたプロトコルに従って、尾静脈での採血が定期的に行われた。血液を採取した後、10分間2500rpmの遠心分離を行い、血清を得て、−20℃に維持した。
〔ポリアクリルアミドゲルを用いたSDS−PAGEトリス−トリシンの電気泳動〕
採取した画分を分析するために用いられるトリス−トリシンゲルは、非特許文献8のトリス−トリシン系と、非特許文献5のSDS−PAGE(1970)とに基づく。前記系は、15%分離ゲル(resolvent gel)と4%濃縮ゲル(packing gel)との2つのゲルが適用された。分離ゲルは、30%アクリルアミド3.3mLと、ゲル2.205mLと、グリセロール705mLと、水367.5mLと、10%PSA150μLと、TEMED9μLとからなる。濃縮ゲルは、30%アクリルアミド700μLと、ゲル1.25mLと、水3mLと、10%PSA200μLと、TEMED5μLとかなる。
使用した電気泳動システムは、ゲルから高い容器と低い容器との2つの容器(reservoirs)から構成されていて、各容器には、カソードバッファーとアノードバッファーがそれぞれ配置されていた。濃縮ゲルに対する電位差(DDP)を100Vとし、分離ゲルに対するDDPを150Vとした。
ゲルに適用される前に、サンプル(未変性条件又は変性条件下にある)は、サンプルバッファートリス−トリシン1Xで処理された。自然条件下にあるサンプルは、ゲル上に載せられるまで4℃に維持された後、100℃槽中に2分間置かれた。ゲルは、クマシーブルーで染色された。
〔ニトロセルロース膜への転写〕
2枚の濾紙と、ニトロセルロース膜と、タンパク質が泳動されるSDS−PAGEと、サンドイッチ構造の組み立てに必要なスポンジとを、転写バッファー(25mMトリス、0.2Mグリシン、100mLメタノール)に浸漬した。バッファーに浸漬した後、サンドイッチ構造を組み立て、システムTE80(フォーファー社)を用いて転写を行った。転写は、転写バッファー中で、1時間、定電位80Vで行われた。
〔免疫ブロット法〕
転写後、0.45μmニトロセルロース膜(シュライヒャー&シュエル社)がPBS-5%milkで室温で1時間飽和された。そして、前記膜を、PBS−0.3%Tween(PBS−T)で2回洗浄した。適切な濃度にPBS−milkで希釈した血清を用いて、前記膜を4℃で一晩処理した。そして、前記膜をPBS−Tで3回洗浄した。PBS−milkで1/1000に希釈するために、プロテインG−ペルオキシダーゼ複合体(バイオラッド社)を添加し、室温で2時間処理した。前記膜をPBS−Tで3回洗浄し、冷メタノール5mL、PBS20mL及び30%過酸化水素25μLに溶解した4−クロロ−1−ナフトール15mgに曝露した(revealed)。
〔ELISA法による免疫測定法〕
4℃で一晩、pH9.5の0.1M炭酸塩/重炭酸塩緩衝液に10μg/mLの抗原を溶解させて、ポリスチレンコーティングマイクロプレート(ヌンク社)に1ウェル当たり100μLの抗原を被覆した。前記ウェルを0.3%のPBSで洗浄し、湿室中、37℃で30分間、ウェル当たりPBSの0.1%ゼラチン溶液200μLで飽和させた。各ウェルに、PBS−Tで1/400に希釈された血清100μLを添加し、湿室中、4℃で一晩処理した。前記プレートをPBS−Tで3回洗浄した。各ウェルに、PBS−Tで1/2000に希釈されたプロテインG−結合ペルオキシダーゼ(バイオラッド社)100μLを添加し、湿室中、37℃で1時間処理した。前記ウェルをPBS−Tで3回洗浄した。基質の反応は、0.2Mリン酸(pH5.6)1mL当たりOPD1mgを含んでいた。この溶液1mLに対して、30%過酸化水素1μLを添加した。基質100μLを各ウェルに添加し、1ウェル当たり3MHCl100μLを添加して反応を停止させた。
吸光度は、ELISAプレートモデル680(バイオラッド社)で490nmで測定した。
〔免疫蛍光〕
免疫蛍光検査のための生物学的物質は、液体サンプル及び糞便から得られ、クリプトスポリジウム(CP12)、ランブル鞭毛虫(CWG)、赤痢アメーバ(ENT)のスライドの場合には、Biomerieux diagnosisから得られた。β−Giardina(BG)の場合には、栄養体の無菌培養液を用いた。寄生虫材料(parasitary material)のスライドを準備するために、寄生虫のサンプルが、免疫蛍光法用のスライドの各ウェルに添加され、完全に乾燥させるためにアセトンが2滴添加されて、オーブンで乾燥させて堆積物(sediment)を固定した。室温で乾燥させ、さらに37℃のオーブンで5分間以上乾燥させた。免疫蛍光検査のために、血清(一次抗体)10μLを、対応する希釈液に添加し、湿室中、37℃で1時間保持し、PBSを用いて3回洗浄した。PBSTで希釈されたFITC(シグマ社)を用いて標識化された抗マウス抗体IgG複合体が、スライドに添加され、湿室中、37℃で1時間処理された。スライドは洗浄された。対照(エバンスブルー)溶液を添加した後、封入剤10μLを添加した。スライドは、顕微鏡(ニコン社、Optiphot)下で免疫蛍光が観察された。
〔実施例〕
以下に記載された本発明の理解を容易にするために、本発明のアプリケーションの好ましい実施例を示すが、本発明の範囲の限定を目的とするものではない。
本研究の組換え抗原は、特異的ポリクローナル抗体の産生によって評価することができる免疫応答を誘導することを特徴としている。研究では、フラグメントHは、抗原FH8の安定性と免疫学的特性とについて重要な役割を果たすことが以前に示されている。配列Hが削除されているFH8由来の抗原は、その安定性と免疫原性が大幅な減少を示した。
提示された手順は、これらの仮定の出発点として、抗原それ自体以外の他の成分(アジュバント)を使用せずに、特異的免疫応答の誘導において、このアプリケーションの使用を評価しようとする、異なるアプリケーションのプロトコルと同様に、承継起源(heir origin)、性質及び免疫学特性を大きく変化させるために選択されたフラグメントを持っていた。この目的のために、それの免疫学的特性が前もって評価されているアジュバントの存在下でフラグメントの選択を行った。前記フラグメントは、例えば、免疫原性が低いことが証明されたCD4及びCWGフラグメント、中程度の免疫原性特性を有することが示されたCP12及びLECフラグメント、高い免疫原性抗原であるPAL、タンパク質ファミリー、分子量、アミノ酸配列を含む生物学的特徴から不完全又は非免疫原性であると判断された、フラグメントEnt,IL5及びPfsp等のフラグメント等である。最後に、また、免疫学的特性が完全に未知であるToxo及びBG等のフラグメントを用いた。付加されている抗原の免疫原性でのフラグメントHの実際の影響を評価するために、フラグメントHの存在下及び非存在下でのフラグメントCWG及びCP12による免疫応答を誘導する能力を評価するデモンストレーションを行った。
〔実施例1:フラグメントCWGを有するコンストラクトの結果として得られるタンパク質の免疫応答評価〕
bのコンストラクトpQECWG,pQEHCWG及びpQEFCWGを得た後に、変性条件下でそれぞれの組換え抗原の産生及び分析を行った(図3−A)。
SDS−PAGEトリス−トリシンゲルの分析(図3−A)によれば、予想通り、タンパク質CWGの分子量は16kDaであり、一方、融合タンパク質HCWGの分子量は、約17kDaであり、組換え抗原FCWGの分子量は約24kDaであることを明らかである。
CWGに対する特異的免疫応答の誘導におけるフラグメントHの存在の影響のデモンストレーションが、CD1マウスの3つの群に対する抗原CWG,HCWG及びFCWGの50μgずつの接種(表2に示す定期的なIP投与)により行われた。無接種群と同じ特性を有するCD1マウスの3つの群についても行った。抗CWPIgの存在を評価するために、定期的な採血(表2)を行った。特異的抗原応答の存在の評価は、抗原CWG(図3−Bのa)、HCWG(図3−Bのb)及びFCWGを含むプレートを用いたELISAにより行われた。HCWG群だけでなく、4回目の接種以降で有意な抗CWG免疫グロブリンG(IgG)が出現した。FCWG群では抗FH8IGの存在が確認されたが、フラグメントCWGに対する特異IgGの存在は確認できなかった(データなし)。HCWG群では、最終接種後83日後であっても、この抗原に対する特異的メモリーの存在を示す、抗CWGIgGの存在を検出できた。ポリクローナル抗体の特異性を評価するために、抗原としてFCWGを用いてブロットを行った。組換えタンパク質FCWGと可能なポリマーとの位置決めは、ポリマーFCWGの確認を可能にするFH8に対して産生され、1/100に希釈された抗血清(図3−Dのi)で行われた。5回目の接種及び6回目の接種後9日後に無接種群、CWG群、HCWG群から採取され、1/200に希釈された血清のプール(pool)を用いて、FCWGに対応する沈殿物が出現した。(抗フラグメントHIgGの産生を評価するために)抗原FH8を用いた同じ希釈での免疫ブロット法の認識は、沈殿物の出現を全く示さなかった。これらの全ての結果は、HCWG群で産生された抗体は、フラグメントCWGに特異的であることを示している。大腸菌の抗原の有意なクロス反応(cross-reactions)の存在又はIg抗フラグメントHの存在は、いずれも確認されなかった。産生されたIgがランブル鞭毛虫(Giardia)の嚢子の細胞壁に存在する天然タンパク質を認識できるか否かを評価するために、HCWG群の血清を用いて免疫蛍光の認識を行い、蛍光壁構造(図3−E)の存在が明らかになった。
〔実施例2:CP12フラグメントを有するコンストラクトのタンパク質に対する免疫応答の評価〕
コンストラクトpQECP12及びpQEHCP12を得た後に、変性条件下でそれぞれの組換え抗原の産生及び分析を行った(図4−A)。
SDS−PAGEトリス−トリシンゲルの分析(図3−A)により、予想通り、CP12タンパク質の分子量は9kDaであるが、融合タンパク質HCP12の分子量は約10kDaであり、組換え抗原FCP12は約29kDaの分子量の抗原を示すことが判明した。組換え抗原のために計算されたPMを考慮すると、29kDaのバンドはポリマーFCP12であろう。CP12に対する特異的免疫応答の誘導においてフラグメントHの存在による効果のデモンストレーションを、それぞれ抗原CP12及びHCP12の20μgを2つの群のCD1マウスに接種(表2に示す定期的なIP投与)することにより行った。無接種と同じ特性を有するCD1マウスの3つの群についても行った。抗CP12Igの存在をさらに評価するために、定期的な採血を行った(表2)。特異的抗体応答の存在の評価は、CP12抗原(図4−Bのa)及びHCP12(図4−Bのb)を含むプレートを用いたELISAにより行われた。HCP12の4回目の接種以降で抗CP12が出現し、6回目の接種以降でCP12群で抗CP12抗体の出現が視覚化された。両方の群で、Ig抗CP12の値(title)は、実験を通じて大きくなっている。この実験では、HCP12群における、より早い免疫応答及び大量の抗CP12IgGの存在によって、免疫原性の増加が観察された。
産生されたポリクローナル抗体の特異性を評価するために、抗原としてFCP12を用いたブロットを行った。組換えタンパク質FCP12の位置決めが、1/100に希釈されたFh8特異的抗血清を用いて行われ(図4−C)、矢印でその位置が示されるように、FCP12ポリマーを確認することができる。無接種群、CP12群及びHCP群から8回目のIP投与の後に採取され、1/1000に希釈された血清を用いて、タンパク質に対応する沈殿物の出現が、抗FH8により同定された。CP12群と比較して、最も高い強度がHCP12群で確認され、HCP12群で発生した免疫応答の増加が確認された。抗体FH8を用いて同一の血清により行われた免疫ブロットでは、沈殿物の出現は見られなかった。これら全ての結果は、大腸菌の抗原との有意なクロス反応の存在又は抗IgフラグメントHの存在が観察されていることにより、HCP12群によって発現された抗体がCP12フラグメントに対して特異的であることを示している。産生されたIgが、クリプトスポロリジウムオーシストの細胞壁中に存在する天然タンパク質を認識するか否かを評価するために、ているHCP12群の血清での免疫蛍光の現実化を行い、壁構造での蛍光の存在が明らかにされた。(図4−D)。
〔実施例3:フラグメントHを有するコンストラクトに起因するタンパク質及びフラグメントの免疫応答の評価〕
記述された各フラグメントについて、定期的な間隔(表2)でのIP投与によって、対応する抗原を有するCD1マウスの3つの群の接種による免疫応答のデモンストレーションを行った。無接種と同じ特性を有するCD1マウスの3つの群についても行った。対象となる抗原に対して指示するIgの存在をさらに評価するために、定期的な採血を行った(表2)。
タンパク質BG:このフラグメントの免疫学的機能は未知であった。コンストラクトpQEHBGを得た後に、それぞれの組換え抗原の産生及び分析を行った(図5−A)。BGに対する特異的免疫応答の誘導において、フラグメントHの存在による効果のデモンストレーションが、CD1マウスの3つの群に対して20μgの抗原HBGを接種することにより、行われた。特異的抗体応答の評価は、抗原HBGを含むプレートを用いたELISAにより行われた(図5−B)。3回目の接種以降でIgG抗BGが出現している。抗体レベルは、4回目の接種以降、最終接種から47日後であっても維持されていて、水平状態に達している。
産生されたポリクローナル抗体の特異性を評価するために、抗体としてBGを用いてブロットを行った。7回目のIP後に無接種群及びHBG群から採取され、1/1000に希釈された血清を用いて、BGに対応する沈殿物が出現した。大腸菌の抗原での有意なクロス反応は観察されなかった。産生されたIgがランブル鞭毛虫(Giardia)の細胞壁に存在する天然タンパク質を認識するか否かを評価するために、壁構造での免疫蛍光の存在が明らかにされているHBG群の血清での免疫蛍光の現実化を行った。
タンパク質フラグメントEnt:このポリペプチドの分子量が小さい(7kDa)ことと、タンパク質の一部分のみを示すこととから、このフラグメントは、低い免疫原性に関連付けられた特性を有していた。
コンストラクトpQEHEntを得た後に、それらの組換え抗原の産生及び分析を行った。免疫応答の産生のデモンストレーションが、50μgのHEnt抗原を3匹のCD1マウスに接種することにより行われた。特異的抗体応答の存在の評価は、抗原HEntを有するプレートを用いたELISAにより行われた(図5−B)。5回目のIP以降でIgG抗Entが出現した。抗体レベルは、5回目のIP以降、最終接種から90日後であっても維持されていて、水平状態に達している。
産生されたポリクローナル抗体の特異性を評価するために、抗原FEntを用いてブロットを行った。組換えタンパク質FEntは、さらに、1/100に希釈された特異的抗血清FH8で同定され(図6−B)、その位置が矢印で示されるように、FEntポリマーを可視化した。7回目のIP後に無接種群及びHEnt群から採取され、1/1000に希釈された血清を用いて、FEntに対応するHEnt群で沈殿物が出現した。抗体FH8を用いた同一の血清を用いて行われた免疫ブロットでは、沈殿物は見られなかった。これら全ての結果は、HEnt群により発現された抗体は、大腸菌の抗原の有意なクロス反応の存在又は抗IgフラグメントHが検出されていないことにより、フラグメントEngに対して特異的であることを示している。
産生されたIgがエントアメーバ属(Entamoeba)の栄養体の細胞壁に存在する天然タンパク質を認識することができるか否かを評価するために、Hent群から得られた血清を用いて免疫蛍光を行い、壁構造での蛍光の存在が明らかにされた(図6−C)。
タンパク質フラグメントPFSP:ポリペプチドの分子量が小さい(7kDa)ことと、タンパク質の一部分のみを示すこととから、このフラグメントは、低い免疫原性に関連付けられた特性を有していた。
コンストラクトpQEHPfspを得た後に、変性条件下でそれぞれの組換え抗原の産生及び分析を行った。
免疫応答の産生のデモンストレーションは、50μgの抗原HPfspをCD1マウスに接種することにより行われた。特異的免疫応答の存在の評価は、抗原HPfspを有するプレートを用いたELISAにより行われた(図7−B)。4回目のIP以降で抗FPfspIgGが出現した。抗体レベルは、7回目のIP以降、最終接種から82日後であっても維持されていて、水平状態に達している。
産生されたポリクローナル抗体の特異性を評価するために、抗原としてFPfspを用いてブロットを行った。組換えタンパク質は、1/100に希釈された特異的抗FH8抗血清で位置決めされ(図7−Bのa)、FPfspポリマーを可視化する。6回目のIP及び7回目のIP後14日後にHPfsp群及び無接種群から採取され、1/200に希釈された血清を用いて、FPfspに対応する沈殿物の出現が確認された。
抗原FH8を用いた同一の血清を用いて行われた免疫ブロットは、沈殿物の出現を示さなかった。これらの全ての結果は、HPfsp群により発現された抗体は、大腸菌の抗原を用いた有意なクロス反応の存在又は抗IgフラグメントHが観察されていないことにより、フラグメントPfspに対して特異的であることを示している。
IL5タンパク質フラグメント:ポリペプチドの分子量が小さい(7kDa)ことと、マウスのIL5と高い相同性を有するタンパク質の一部分のみを示し、非免疫原性と記載されていることとから、このフラグメントは、低い免疫原性に関連付けられた特性を有していた。
コンストラクトpQEHIL5を得た後に、変性条件下で組換え抗原の産生及び分析を行った。
免疫応答の産生のデモンストレーションが、約20μgのHIL5(表2)をCD1マウスに接種することにより行われた。特異的抗体応答の存在の評価は、抗原HIL5を含むプレートを用いたELISAにより行われた(図8−A)。4回目のIP以降でIgG抗IL5が出現した。抗体レベルは、実験期間を通じて接種に起因して増加した。
産生されたポリクローナル抗体の特異性を評価するために、抗原としてFIL5を用いてブロットを行った。組換えタンパク質FIL5の位置決めが、1/100に希釈された特異的抗FH8抗血清を用いて行われ、矢印で示されたFIL5ポリマーを可視化する。6回目のIP後に無接種群及びHIL5群から採取され、1/1000に希釈された血清を用いて、FIL5に対応する沈殿物の出現が確認された(図8−B)。
抗原FH8を用いた同一の血清を用いて行われた免疫ブロットは、沈殿物の出現を示さなかった。これらの全ての結果は、HIL5群により発現された抗体は、大腸菌の抗原を用いた有意なクロス反応の存在又は抗IgフラグメントHが観察されていないことにより、フラグメントIL5に対して特異的であることを示している。
タンパク質Toxo:このフラグメントの免疫学的機能は、未知であった。コンストラクトpQEHToxoを得た後に、組換え抗原の産生及び分析を行った。
免疫応答の産生のデモンストレーションが、20μgの抗原HToxo(表2)をCD1マウスに接種することにより行われた。特異的抗体応答の存在の評価は、抗原HToxoを含むプレートを用いたELISAにより行われた(図9−A)。4回目のIP以降で抗ToxoIgGが出現する。
ポリクローナル抗体の特異性を評価するために、抗原Toxoを用いてブロットを行った。4回のIPで得られ、1/1000に希釈された血清を用いて、HToxo群で得られた組換えToxoに対応する沈殿物の出現が確認された。
フラグメントCD4:このフラグメントは、免疫原性が低いことが示された。コンストラクトpQEHCD4を得た後に、変性条件下で組換え抗原の産生及び分析を行った。
免疫応答の産生のデモンストレーションが、30μgの抗原HCD4をCD1マウスに接種することにより行われた。特異的免疫応答の存在の評価は、抗原HCD4を有するプレートを用いたELISAにより行われた(図10−A)。4回目のIP以降で抗CD4が出現した。抗体のレベルは、4回目のIP以降、最終接種から82日後であっても維持されていて、水平状態に達している。
産生されたポリクローナル抗体の特異性を評価するために、抗原として組換えCD4を用いてブロットを行った。7回目のIPの後14日後に得られ、1/500に希釈された血清を用いて、CD4に対応する沈殿物の出現がHCD4群で得られた確認された(図10−B)。
PALタンパク質:このタンパク質は、非常に免疫原性であることが示された。コンストラクトpQEHPALを得た後に、組換え抗原の産生及び分析を行った。
免疫応答の産生のデモンストレーションが、30μgの抗原HPAL(表2)をCD1マウスに接種することにより行われた。特異的抗体応答の存在の評価は、抗原HPALを含むプレートを用いたELISAにより行われた(図11−A)。2回目の接種以降で抗PALIgGが出現する。
産生されたポリクローナル抗体の特異性を評価するために、抗原としてHPALを用いてブロットを行った。4回目のIPの後に得られ、1/4000に希釈された血清を用いて、組換えPALに対応する沈殿物がHPAL群に出現する(図11−B)。
LECタンパク質:このタンパク質は、免疫原性が中程度であると考えられていたが、未変性ではその赤血球凝集活性ことにより、変性条件下の抗原に対する特異的抗体を発現した。
変性条件下で組換え抗原HLECの産生及び分析を行った。
免疫応答の産生のデモンストレーションが、12.5μgの抗原HLECをCD1マウスに接種することにより行われた。特異的抗体応答の存在の評価は、抗原HLECを含むプレートを用いたELISAにより行われた(図12−A)。4回目の接種以降で抗LECIgGが出現する。抗体のレベルは、4回目のIP以降観察期間中ずっと、水平状態に達している。
産生されたポリクローナル抗体の特異性を評価するために、抗原としてHLECを用いてブロットを行った。6回目のIPの後に得られ、1/1000に希釈された血清を用いて、HLECに対応する沈殿物がHLEC群に対して出現する(図12−B)。
フラグメントCWG及びCP12に関して記述されたデモンストレーションは、組換えタンパク質中のフラグメントHの存在は、マウスによって発現された免疫応答を有意に増加させることを示した。したがって、HEnt,HIL5,HPfsp及びHLECを含む抽出物の一部において、大腸菌混入物の存在が重要であったとしても、免疫原性の増加は、特異的ポリクローナル抗体を産生することができる組換え抗原に関連した特性である。大腸菌由来のタンパク質の混入物であるにもかかわらず、産生された抗体は、本質的に対象となるフラグメントに対して特異的である。
組換え抗原に対するポリクローナル抗体の発現は、対応する抗原を含む感染性微生物に対する抗体を産生する宿主の保護に関連づけられるだろう。これは、多くに要因に依存し、特に、この抗原の役割又は重要性は、感染性微生物の感染のメカニズムを有している。タンパク質HCP12,HCWG及びHBGを接種されたマウスの場合には、これらの抗原は、クリプトスポリジウム(CP12)及びランブル鞭毛虫(Giardia)(CWG及びBG)による感染のメカニズムでは、宿主生物への侵入又は細胞接着において重要な役割を果たしていて、したがって、文献に記載されているように、ワクチン開発の対象物候補である。これらの抗原に対する抗体の発現は、感染源による感染から保護するように、文献に記載されている(非特許文献10、非特許文献4及び非特許文献1参照)。
従来の文献に記載されたものと非常によく似た方法で、寄生虫クリプトスポリジウム及びランブル鞭毛虫(Giardia)による感染に直面して、HCP12,HCWG及びHBGを接種したマウスの保護を評価するために、これらの抗原を予め接種したマウスでは、感染に対する保護の効果があることを指摘している。
可溶性タンパク質からなる接種材料の使用は、アジュバントによって引き起こされる望ましくないひどい影響を除外する。記載された実験で使用されたいずれのマウスにおいても、抗原の接種に起因する副作用は検出されなかった。マウスのときのように、内側大腿部への皮下接種に用いるウサギにおいて、上記のフラグメント(HCWG,HCP12,HToxo,HIL5,Hent及びHBG)に対するポリクローナル血清の産生を行ったところ、抗原の投与に起因する副作用は検出されなかった。マウスのときのように、ウサギは、目的の抗原に対して非常に重要なポリクローナル抗体の証拠を産生した。
評価された全ての対象物において、特異的Igの産生を示すことにより、有意な免疫応答の存在を示すことができる。特に、HCWG,HCD4,HPfsp,Hent及びHBGに対する応答の場合に観察された他の非常に重要な機能は、最終接種後最大3ヶ月間は、特異的応答を検出することが可能であったということであり、このことは、ワクチン開発にとって不可欠な特性である、メモリー細胞の発現を示唆している。
今回の実施例は、フラグメントHを含む抗原融合を産生する組換えタンパク質の産生のモデルに基づくものであるが、このフラグメントは他のプロセスを通して対象物に付加することができる。示される活性は、アジュバントの分野に含まれるべきであり、対象となる抗原のアプリケーションに起因する免疫応答の強度及び特異性を改善又は向上させるための種々の製剤に利用することができる。

Claims (14)

  1. a.肝蛭の成虫から排泄され又は分泌され、フラグメントHと命名されるSEQ ID NO 2と同一であるか又は構造的に少なくとも90%類似している配列を有するカルシウム結合タンパク質由来のアミノ酸配列の一部分と、
    b.目的とは無関係のタンパク質又はタンパク質フラグメントと、
    からなることを特徴とする免疫原。
  2. 目的のタンパク質又はタンパク質フラグメントは、ウイルス性タンパク質、細菌性タンパク質、又は原生動物由来のタンパク質等の病原性タンパク質であることを特徴とする請求項1記載の免疫原。
  3. 目的のタンパク質又はタンパク質フラグメントは、CWG,CD4,IL5,Pfsp,Ent,PAL,CP12,LEC,BG又はToxoであることを特徴とする請求項1記載の免疫原。
  4. 医薬として用いられることを特徴とする請求項1〜3記載の免疫原。
  5. 請求項1〜4記載の免疫原を含むことを特徴とする組成物。
  6. 治療上有効な量の免疫原と、さらに薬理学的に適した賦形剤とを含むことを特徴とする請求項5記載の組成物。
  7. 記載された免疫原の1つを100%含むことを特徴とする請求項5記載の組成物。
  8. 0.01Mのリン酸と、0.1MのNaClとからなり、pH7.2のリン酸緩衝液で100〜1000μLの容積当たり1〜100μgの濃度に希釈された請求項1〜4記載の免疫原を含むことを特徴とする請求項5記載の組成物。
  9. 請求項1〜4記載の免疫原又は請求項5〜8記載の医薬組成物を含むことを特徴とするアジュバント。
  10. 請求項1〜3記載の免疫原又は請求項5〜8記載の医薬組成物を含むことを特徴とするワクチン。
  11. 免疫原として利用されるポリペプチドに対応する配列の正当な位置に、無関係のポリペプチドへのフラグメントHの付加を含み、請求項1〜4記載の免疫原を使用することを特徴とする免疫原の調製方法。
  12. CWG,CD4,IL5,Pfsp,Ent,PAL,CP12,LEC,BG又はToxo等の複数のフラグメント及びタンパク質を用いることを特徴とする請求項11記載の方法。
  13. 請求項1〜4のいずれか1項記載の免疫原又は請求項5〜8のいずれか1項記載の組成物を用いるヒト以外の哺乳類の対象物の免疫化と、
    請求項1〜4にしたがって記載される免疫原を認識することができるか、又はこの目的のために記載される方法を使用して請求項11〜12にしたがって得ることができる抗体の選択とを含む方法であって、
    請求項1〜4のいずれか1項記載の免疫原を認識することができるか、又は請求項11〜12のいずれか1項記載の方法により得られることを特徴とする単離され精製されたポリクローナル抗体又は機能的フラグメントの調製方法。
  14. 特異的免疫療法、免疫防御、ワクチンの産生、アジュバント、診断学及び特異的免疫応答の発現を通して直接的に得られる他のアプリケーションに、ポリクローナル抗体の産生物を適用することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の免疫原及び請求項5〜8のいずれか1項記載の組成物の使用。
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