スマートフォンは、他の近隣のベーシックフォンが備えていないセンサデータを有することができる。「スマートフォン」(または拡張デバイス)、および「ベーシックフォン」(またはベーシックデバイス)という用語は、この状況を表すために使用される。すなわち、ベーシックフォンは、他の近隣の電話機(スマートフォン)で利用可能な一部の機能(拡張機能)またはセンサデータ(拡張データ)を備えていないが、任意の関与するデバイスがデバイスの一般的な説明においてスマートフォンであると見なされうることを理解されたい。
図1において、ベーシックフォン20と比較して各々拡張機能を有するスマートフォン12、13、14のグループ18を有するシステム10が示される。ベーシックフォン20は、たとえばブルートゥース、WiFi、アドホックWiFi、WiFi Direct、または一部の類似する狭域プロトコルを介してスマートフォン12、13、14と直接通信することができるように構成されてもよい。本開示の実施形態は、ベーシックフォン20が、どのようにして、近隣のスマートフォンからさまざまなデータ(たとえば、GPS)を取得して、近隣のスマートフォンから受信した統計総合データに基づいて各自のデータを推論または合成することができるかを説明する。
本開示による、図2の流れ図100に示される1つの方法において、ステップ101で、データ要求が生成され、狭域プロトコルを使用して1つまたは複数の近隣の拡張移動体通信デバイスに伝送される(ステップ102)。データは、拡張デバイスから受信され(ステップ103)、処理のためにアプリケーションに供給される(ステップ104)。
図3に示される1つの実施形態において、ベーシックフォン20は、任意の数の拡張サービスアプリケーション21で構成されてもよい。アプリケーション21は、データプロバイダプロキシ22を介して拡張サービスデータを要求することができる。データプロバイダプロキシ22は、最近の収集データポイントリポジトリ25、最近の合成データポイントリポジトリ26、および近隣ノードリストリポジトリ27を含むデータリポジトリを含むデータシンセサイザ23から要求されたデータを取り出す。これらのリポジトリ25、26、27は、たとえばデータベースのような、ローカルメモリまたは永続的ストレージであってもよい。
後段においてさらに詳細に説明されるように、データシンセサイザ23は、本明細書においてスマートフォンと称され、ネットワークアクセスモジュール29を介して通信する、近隣の拡張サービスフォンから受信したデータからアプリケーション21のためのデータポイントを受信または生成する。1つのそのようなスマートフォン12は図3において示されるが、任意の数のスマートフォンが、ベーシックフォン20の近隣であると見なされてもよい。スマートフォン12は、スマートフォンで実行するアプリケーション(図示せず)の拡張データを提供するために使用されるデータプロバイダ16を含む。データプロバイダ16は、ローカル環境データを記録するための1つまたは複数のセンサを組み入れることができる。センサの例は、位置センサ(たとえば、GPSモジュール)、モーションまたはデバイス方位センサ(たとえば、加速度計、デジタルコンパス、またはジャイロ)、温度センサ、画像センサ(たとえば、写真またはビデオ)、バイオメトリックセンサ(体温、脈拍数、血中酸素飽和度など)などを含むことができる。具体的な実施形態は、位置データおよび加速度計データを参照して説明されるが、本明細書において説明されるセンサのタイプの代替として、またはこれに加えて、多くの異なるタイプのセンサが使用されてもよいことが、当業者には明らかであろう。
前述のように、データプロバイダ16は、GPSユニットまたは加速度計のような、位置を認識するモジュールであってもよいか、または任意の他の適切なデータプロバイダであってもよい。本開示の実施形態において、スマートフォン12は、データプロバイダ16から、ベーシックフォン20のような近隣のベーシックフォンに拡張データを提供するように構成されるデータレスポンダ17で構成されてもよい。データレスポンダ17は、最近の応答リポジトリ18、およびプライバシーポリシー19で構成されてもよい。
図3の構成おいて、ベーシックフォン20のアプリケーション21は、通常はベーシックフォン20では使用できない拡張サービスデータを要求することができる。たとえば、GPSに対応していないベーシックフォンは、十分なスマートフォンと近隣のコンタクトをとっている間、近隣のスマートフォンから必要なGPSデータを合成するアプリケーション(たとえば、マッピングプログラム)を実行することができる。それにより、通常であれはベーシックフォン20のユーザには利用できないマッピングアプリケーションがベーシックフォン20で使用可能になる。
近隣の電話機は、動的に識別されてもよく、識別は、近傍にある期間にわたり存続することができる。さまざまな実施形態において、識別は匿名であってもよい、すなわち、近隣のスマートフォンが一部のデータの着信要求に応答する際に一意のIDを生成することができ、(フォローアップ要求のない)十分な時間の経過後に、近隣のスマートフォンがそのIDを削除して再使用できないようにすることができる。そのような実施形態により、スマートフォンは、受信側に過剰な情報をもたらすことなく、有用なデータ(たとえば、GPS、加速度計など)を共有することができる。
ベーシックフォン20のデータシンセサイザ23は、ベーシックフォン20のさまざまなアプリケーション21によって使用されるデータポイントを収集、格納、および/または合成する。ベーシックフォン20のアプリケーション21にデータポイントを提供するための例示的なプロセスは、図4の流れ図200に示される。ステップ201において、アプリケーション21は、拡張データの要求を行なう。拡張データはベーシックフォン20では使用できないので、データプロバイダプロキシ22は、要求をデータシンセサイザ23に転送する(ステップ202)。データシンセサイザ23は、要求を受信し(ステップ203)、最近の収集データポイントリポジトリ25から最近の収集データポイントのサブセットを選択する(ステップ204)。最近の収集データポイントの選択は、データポイントがどの程度最近であるか(たとえば、タイムスタンプから決定される)、データポイントの多様性(複数の近隣デバイスからデータポイントを収集)、およびデータポイント自身の特性(たとえば、GPSデータポイントが、i)選択セット内のデータポイント、またはii)以前合成されたデータポイント、もしくはその組み合わせに対してどの程度近いか/遠いか)のような基準に基づいてもよい。ステップ205において、一部の最近合成されたデータポイントは、オプションで、最近合成されたデータポイントリポジトリ26からの選択に追加されてもよい。次いで、データシンセサイザは、選択されたデータポイントのセットを評価して(ステップ206)、データポイントの品質が十分に高いか、および古すぎないかどうかを決定する。データポイントの評価が要求を満たす場合、新しいデータポイントが、収集されたデータポイントから合成されてもよい(ステップ207)。たとえば、新しい位置データポイントは、近隣デバイスから収集された位置データポイントの平均位置により計算されてもよい。新しい加速度計データポイントは、最長でベーシックフォンの近傍にあった近隣デバイスから最新の加速度計データポイントを複製することによって計算されてもよい。新しいデータポイントは、データプロバイダプロキシ22を介して合成されたデータポイントを要求側アプリケーション21に返す(ステップ209)前に、最近合成されたデータポイント26のリポジトリに追加され(ステップ208)、その後プロセスは終了する210。
ステップ206において、選択されたデータポイントの評価が品質の要件を満たさない場合、データポイント選択基準を拡大しようとする試みが行なわれてもよい(ステップ211)。選択基準が拡大される場合、プロセスは、データポイントの新しい選択を生成するためにステップ204に戻る。それ以外の場合、最近合成されたデータポイントリポジトリ26からの最新に合成されたデータポイントが十分に新しいものであると決定される場合(ステップ212)、このデータポイントがアプリケーションに返されてもよい(ステップ213)。最新の合成されたデータポイントが古すぎる場合、データシンセサイザは、アプリケーション21によりそのプログラミングに従って処理されうるエラーを返す(ステップ214)。
近隣ノードからデータポイントを収集するためのプロセスは、図5の流れ図300に示される。ステップ301において、データポイント収集が、たとえばタイムアウト、最近収集されたデータポイントの経過時間、アプリケーション要求などに基づいてトリガされる。次いで、データシンセサイザは、たとえば近隣ノードリスト27から、近隣ノードを選択する(ステップ302)。選択されるノードの数を制限するために、ノードからの最新の応答の時間のような基準は確立されてもよい。基準はまた、連続する一貫性のあるデータポイントのストリームを収集するために、以前の応答性に優れたノードを含めるように偏らせることもできる。ノードの数を制限することで、データポイントを合成するためにわずかなノードしか必要とされない場合に過剰なノードにコンタクトがとられることを防ぐ。
ステップ303において決定されるように、選択セットに十分なノードがある場合、データポイント要求メッセージはそれらのノードの各々に送信される(ステップ304)。データポイント要求メッセージ(Datapoint Request Message)60の例を図6に示す。データポイント要求メッセージ60は、ベーシックフォンID61、すなわち要求側電話機のID、要求ID62、および位置データポイント、加速度計データなどのような要求データポイントタイプ63の指示を含む。データシンセサイザ23は、以下でさらに詳細に説明される、データポイント要求メッセージ60に応答してデータポイント応答メッセージ70(図7)を受信し、ステップ305において、受信される各データポイントは、最近の収集データポイントリポジトリ25に記録される。任意の非応答ノードは、プロセスが終了する307前に、ステップ306において、近隣ノードリスト27からオプションで削除されてもよい。ステップ303で、選択されたノードセットに十分なノードがないと決定する場合、近隣ノードを再選択する前に、選択基準は、近隣ノードリスト28から拡大されてもよい(ステップ308)。ノード選択基準の拡大が可能ではない場合、すべてのノードが選択され、データポイント要求メッセージの送信(ステップ304)に進む前に、データシンセサイザ23は、使用可能なノードを拡大するために、近隣ノードディスカバリプロセス(以下で説明)がデータ収集プロセスにより要求されることを記録することができる。
これ以降、近隣ノードを検出するための例示的なプロセスが、図10の流れ図400を参照して説明される。ステップ401において、ノードディスカバリプロセスは、タイムアウト、イベント(たとえば、データ合成処理からの)によって、または近隣ノードリスト27のノードが少なすぎることなどにより、トリガされる。データシンセサイザ23は、ディスカバリ要求メッセージ(Discovery Request Message)を生成し、その例示的な形式80が図8に示される。ディスカバリ要求メッセージ80は、ベーシックフォンID81、要求ID82、要求データポイントプロバイダタイプ(Datapoint Provider Types)フィールド83、および既存データプロバイダタイプ(Existing Datapoint Provider Types)フィールド84を含む。ノードディスカバリ要求は、1ホップしか離れていないスマートフォンを見つけるためにルーティング不可能であるように構成されるが、要求はブロードキャスト、マルチキャスト、またはユニキャストされてもよい。ディスカバリ要求メッセージ80は、ネットワークアクセスモジュール29により、ブルートゥース、WiFi、アドホックWiFi、WiFi Directなどのような、ローカルネットワークタイプを介して送信されてもよい。
上記で説明されるプロセスは一般に、ベーシックフォン20の観点から説明される。これ以降、スマートフォンの観点からプロセスが説明される。
これ以降、スマートフォンによりディスカバリ要求に応答するためのプロセスが、図11の流れ図500を参照して説明される。ディスカバリ要求メッセージ80は、ステップ501において、スマートフォン12のデータレスポンダ17によってベーシックフォンから受信される。データレスポンダ17は、ディスカバリ要求メッセージ80のベーシックフォンID81および要求ID82を検討し、以前受信した要求の重複があるかどうか決定する(ステップ502)。重複のシナリオがある場合、アクションは行なわれず、プロセスは終了する(ステップ510)。それ以外の場合、データレスポンダ17は、最近の応答リスト18の検討に進み、要求メッセージ80のベーシックフォンID81がリスト18にある場合(ステップ503)、応答メッセージ90で同じ応答側電話機IDが再使用される(ステップ504)。ベーシックフォンIDが存在しない場合、データレスポンダ17は、新しい応答側電話機IDを生成し(ステップ511)、ディスカバリ応答メッセージ90の応答側電話機ID(Responding Phone ID)フィールド92にこのIDを追加する。次いで、データレスポンダ17は、要求メッセージ80が要求データポイントプロバイダタイプフィールド83を含むかどうか決定する(ステップ505)。このフィールドは、どの特定のデータポイントタイプをベーシックフォンが要求しているか(たとえば、位置タイプデータ(GPSまたは同様のもの)、加速度計タイプデータなどを示す。データレスポンダ17は、ステップ506において、任意の要求されたデータポイントプロバイダを、ディスカバリ応答メッセージ90のフィールド93に追加する。ディスカバリ応答メッセージ90が空ではない、すなわち現在任意のデータポイントプロバイダを含む場合(ステップ507)、メッセージ90はベーシックフォンに送信され(ステップ508)、送信されたメッセージは、プロセスが完了する(ステップ510))前に最近の応答リスト18に記録される(ステップ509)。ステップ507において、データポイントプロバイダが追加されていない場合、データレスポンダ17は、プロセスが完了する(ステップ510)前にローカルクリーンアップ以外のアクションをそれ以上は行なわない(ステップ514)。
ステップ505において、ディスカバリ応答メッセージ90が関連する要求データポイントプロバイダタイプフィールド83も既存データポイントプロバイダタイプフィールド84も含まないとデータレスポンダ17が決定する場合、さらなるアクションは行なわれない(ステップ514)。既存データポイントプロバイダタイプ84は、ベーシックフォンがどのデータセンサを既に有しているか(たとえば、位置(GPSまたは同様のもの)、加速度計など)を近隣のスマートフォンに知らせるこのフィールドを、ベーシックフォンが送出する代替のプロトコルを可能にするフィールドである。次いで、スマートフォンは、ベーシックフォンが有していない「任意の他のセンサタイプ」を有する場合、応答することが期待される。それにより、現時点で予測されていない未来のセンサタイプがスマートフォンデバイスに表示され、プロトコルを変更することなくベーシックフォンで新しいアプリケーションに組み入れられるようにすることができる。したがって、次いで、既存データポイントプロバイダタイプフィールド84が指示される場合、既存データポイントプロバイダタイプ84にまだリストされていない任意のデータポイントプロバイダタイプ(すなわち、ベーシックフォンが既存データポイントプロバイダタイプ84に有すると指示したセンサタイプに加えて、スマートフォンが有するセンサタイプ)が追加され(ステップ513)、プロセスは上記で説明されるステップ507へと進む。
これ以降、データポイント要求に応答するためにスマートフォンまたはその他の拡張サービスデバイスによって行なわれるプロセスが、図12の流れ図600を参照して説明される。ステップ601において、スマートフォン12のデータレスポンダ17は、データポイント要求メッセージ60をベーシックフォン20から受信する。データレスポンダ17は、要求メッセージ60に指示されたベーシックフォンID61を最近の応答リスト18の中から探す。ベーシックフォンIDが見つからない場合、さらなるアクションは行なわれない(ステップ609)。このことはスマートフォンがまだ検出されていないか、またはスマートフォンが検出され、長期の非アクティブ状態を経て最近の要求がスマートフォンのリストから脱落した、ブロードキャスト/マルチキャストデータポイント要求を近隣のスマートフォンが受信している場合を表す。ベーシックフォンIDが見つからない場合に、最近の応答リストを確認して、さらなるアクションを行なわないことは、わずかなデータポイントしか必要とされない場合に、すべてのスマートフォンがブロードキャスト/マルチキャスト要求を受信して応答することを防ぐ。プロセス600に図示されていないのは、図11を参照して説明されるディスカバリ応答プロセス500に関連して説明される重複検査と類似することもあるオプションの重複検査要求である。
ベーシックフォンIDが最近の応答リスト18で識別される場合、データレスポンダ17は、データポイント要求メッセージ60のフィールド62に示されるIDと同じ要求ID71、および最近の応答リスト18に指示されるIDと同じ応答側電話機ID72を含むデータポイント応答メッセージ70(図7)を生成する。ステップ604において決定されるように、要求60のフィールド63において指示されるデータポイントタイプのデータポイントが使用可能ではない場合、さらなるアクションは行なわれない(ステップ609)。要求されたタイプに対してデータポイントが使用可能である場合、データポイントがサンプリングされ、タイプフィールド73、74などのように、データポイント応答メッセージ70に追加される(ステップ605)。追加されるデータポイントは、データレスポンダ17がタイプのデータを定期的にサンプリングして、最新のデータポイントを保持する場合、(タイプごとに)単一データポイントであってよいし、または(タイプごとに)最近のデータポイントのリストであってもよい。データ応答メッセージ70が完成すると、データ応答メッセージ70はベーシックフォン20に送信され(ステップ606)、プロセスが完了する(ステップ608)前に最近の応答リスト18に記録される(ステップ607)。
データポイント要求メッセージ60およびディスカバリ要求メッセージ80は、ネットワークアクセスモジュール29を介して、ベーシックフォンID20のデータシンセサイザモジュール23から拡張サービスデバイス12のデータプロバイダ17へと渡す。データポイント応答メッセージ70およびディスカバリ応答メッセージ90は、戻りの方向に渡す。これらのメッセージは、ユニキャスト電話間、マルチキャスト、またはブロードキャストのいずれかに合わせて設計されてもよい。要求がブロードキャストまたはマルチキャストされる場合、上記で別個に説明されているディスカバリ応答プロセス500およびデータポイント応答プロセス600は、単一のプロセスに結合されてもよい。そのような場合、ブロードキャスト/マルチキャスト要求は、暗黙的なディスカバリ要求として機能することができる。
データポイント要求メッセージ70で搬送されるデータポイントの例を図13および図14に示す。位置情報レコード130は、位置データポイントを搬送することができ、応答側電話機ID131、ソースタイプ(たとえば、GPS)132、タイムスタンプ133,経度134、緯度135、高度136、精度低下率137のフィールドを含むことができる。精度低下率137は、データ値の精度の可能なエラーに関連して増大する数値である。この値は、i)センサデータタイププロバイダ「内部」情報(たとえば、位置情報レコードの場合、値はGPSデータサンプルから導き出され、サンプルのデータを提供するGPS衛星の幾何学的方向に部分的に基づくGPS「精度低下率(DOP)」値に対応してもよい)、またはii)データレスポンダ17が、サンプリングされたデータ値の低下を生じる(たとえば、位置情報レコードの場合、経度134、緯度135、および/または高度136のサンプリングデータ値は、適用可能なプライバシーポリシー19によりデータレスポンダ17によって低下されることもあり、精度低下率137値が提供されてもよい)適用可能なプライバシーポリシー19(たとえば、10メートル未満の精度または2未満のGPS DOP値を有するデータポイントを提供しないというプライバシーポリシーを有するGPS装備のスマートフォン)によりこの値を生成することができる、またはiii)前述の両方(基礎となるセンサデータタイプが低下測度を提供し、適用可能なプライバシーポリシーによりレスポンダが追加のエラーをデータ値に追加する場合、データレスポンダはこの両者に基づいて精度の低下率を生成することができる)の結果得られてもよい。同様に、加速度計情報レコード140(図14)は、応答側電話機ID141、ソースタイプ142、タイムスタンプ143、x値144、y値145、z値146、および精度低下率147のフィールドを含むことができる。プライバシーポリシー19によって導入された低下率の量は、ベーシックフォンの認証済みの識別に依存することができ、すなわち、ベーシックフォンがスマートフォンに以前登録した認証済みの識別を提供する場合、スマートフォンのプライバシーポリシー19は低下をほとんど、または全く導入しない。
代替的な実施形態において、データプロバイダプロキシ22およびデータシンセサイザモジュール23は、各アプリケーション21において組み入れられてもよい。これは一部の状況において最適ではない場合もあるが、電話オペレーティングシステムにそれらのモジュールを別個にインストールする必要がないので、一般的な実施態様としてアプリケーションで配置されてもよい。
代替的な実施形態において、サンプルデータは、合成データポイント(複数可)を計算するために、サーバ(または近隣のスマートフォン)に送信されてもよい。
上記で説明される機能を使用できるアプリケーションの例は、加速度計を必要とするエクササイズアプリケーションを含む。エクササイズアプリケーションは、ベーシックフォンのユーザが、スマートフォンを有する別のジョギングをする人の付近でジョギングをしている間、ベーシックフォンで動作することができる。加速度計データは、スマートフォンからベーシックフォンに転送されて、エクササイズアプリケーションが実行できるようにすることができる。さらなる例は、近隣のGPS装備のスマートフォン(GPSまたは類似する位置サービス)に基づいて高い精度でベーシックフォンで動作することができるマッピングアプリケーションである。さらなる例は、ベーシックフォンで動作し、レース参加者に気象データ(気温、風、降水量)およびルート状況(乾燥、湿気、凍結の表面条件、ルート障害物、競争者の位置)を表示するレース補助アプリケーションであり、サポートチームメンバーに携帯されるスマートフォンがそれらの位置、速度、画像、天気、およびビデオセンサからデータポイントを収集する。
拡張サービス電話からベーシックフォンに転送されうるその他のタイプのセンサデータは、イベント(たとえば、コンサート/講演)を記録するか、または背景騒音をサンプリングして環境を分類するためのオーディオ、フォトまたはビデオ(たとえば、ベーシックフォンがカメラ機能を有していないが、拡張サービスフォンからフォトまたはビデオデータを受信する場合)、デジタルコンパス、気温、周辺光赤外線センサ、およびネットワークレベルID(たとえば、WiFi対応ではないベーシックフォンは、近隣のスマートフォンのWiFi信号を使用して、たとえば聴取したネットワークSIDなど、WiFi信号に基づくマッピングを提供するアプリケーションを使用可能にすることができる)を含む。
すべての電話機が近隣のデータ(たとえば、近隣のスマートフォンのセンサデータ)をサンプリングできるようにすることにより、わずかな数のスマートフォンだけでそれらの機能を大きなグループに提供できるようになる。
新しい機能および高機能アプリケーションをベーシックフォンのユーザに提供することに加えて、特定のアプリケーションもまた、追加の参加ユーザを得ることによって上記で説明される実施形態から恩恵を受けることができる。たとえば、交通信号機における長い列、またはショッピングモールにおけるレジ順番待ちの列をレポートするアプリケーションは、アプリケーションに参加するデバイスのより大きな密度を達成することにより、待ち時間推定の精度を高めることができるので利益を得ることになる。具体的には、10人が列に並んでいるが、そのうち3人だけが位置情報を備えるスマートフォンを有している場合、待ち時間推定は、それらの3人に基づいて計算される。しかし、他の7人が近隣のスマートフォンの位置機能を入手する場合、列に並ぶ10人全員が含まれることになり、待ち時間推定はさらに精度が高まる。したがって、待ち時間推定を実行するこのアプリケーションは、スマートフォンおよびベーシックフォンの両方で実行することができる。
上記で説明される例から、高機能アプリケーションは、ベーシックフォンがスマートフォンに代替されるまで待つことなく、改良されうることがわかる。ベーシックフォンのユーザは、近隣のスマートフォンユーザの恩恵を受けることができる。
ベーシックフォン20で実行するアプリケーションは、ベーシックフォン20のデータ機能を認識していても、認識していなくてもよい。データプロバイダプロキシは、データ要求を処理するように構成されてもよく、一部のアプリケーションの場合、ローカルデータセンサからデータを取り出してもよく、また別のアプリケーションの場合、上記で説明される方法を使用してデータシンセサイザ23を通じてデータを取り出してもよい。
システム10のコンポーネントは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの組み合わせで具現されてもよい。たとえば、アプリケーション21は、読み取り専用メモリ(ROM)またはフラッシュメモリのような、ベーシックフォン20のメモリに格納されうるコンピュータ実行可能命令として提供されてもよい。ベーシックフォンは通常、ベーシックフォン20の機能を実行するための少なくとも1つのプロセッサを含む。そのようなプロセッサはまた、アプリケーションの機能を実行するためのソフトウェア命令を実行することもできる。同様に、ベーシックフォンは、データプロバイダプロキシ22およびデータシンセサイザ23の機能を提供することができるソフトウェアを装備されてもよい。
同様の方法で、図3のスマートフォン12のような拡張サービスを有する電話機は通常、少なくとも1つのプロセッサを含み、データレスポンダ17の機能を提供するための実行可能命令を格納することができる。
ベーシックフォン20は、本明細書において、最小の機能を有するものとして、および近隣のスマートフォンから拡張サービスデータを取り出すものとして説明されているが、ベーシックフォン20はまた、ベーシックフォン内で各自のセンサによりローカルに生成されたデータを使用してそのユーザに一部の拡張データサービスを提供するスマートフォンであってもよい。しかし、スマートフォンは、特定のセンサで構成されなくてもよく、したがって必要とされるセンサを有する他の近隣のスマートフォンから特定のアプリケーションのためのデータポイントを生成することができる。1つの例は、デジタルコンパスセンサのないiPhone 3Gであり、これは近隣のiPhone 3GSデバイスからのデジタルコンパスデータを使用することができる。このシナリオにおいて、いずれのデバイスも一般にスマートフォンと呼ばれているが、iPhone 3Gは、欠けている機能を提供することにより「スマートフォン」の役割を果たすiPhone 3GS電話機に関して「ベーシックフォン」の役割にある。
本明細書の実施形態は、添付の図を参照して示され、前述の説明において述べられてきたが、本発明が開示される実施形態に限定されることはなく、多数の再編成、変更、および代替が、添付の特許請求の範囲に示され定義される発明の精神を逸脱することなく行なうことができることを理解されたい。たとえば、本発明の機能は、1つまたは複数のブロック、モジュール、プロセッサ、またはメモリによって完全に、および/または部分的に実行されてもよい。また、それらの機能は、現在の方法で、または分散の方法で、および情報を提供および/または受信することができる任意のデバイス上またはデバイスを介して実行されてもよい。さらに、特定の方法で示されているが、さまざまなモジュールまたはブロックは、本発明の範囲を逸脱することなく再配置されてもよい。さらになお、特定の方法で示されているが、本発明を達成するために、より多い数またはより少ない数のモジュールおよび接続が本発明で使用されて、本発明に追加の既知の特徴を提供することができる、および/または本発明をさらに効率的にすることができる。また、さまざまなモジュール間で送信される情報は、データネットワーク、インターネット、インターネットプロトコルネットワーク、無線ソース、および有線ソースのうちの少なくとも1つを介して、および複数のプロトコルを介して、モジュール間で送信されてもよい。